JP2011064224A - 風力発電用主軸支持装置、該装置に用いられる複列自動調心ころ軸受 - Google Patents

風力発電用主軸支持装置、該装置に用いられる複列自動調心ころ軸受 Download PDF

Info

Publication number
JP2011064224A
JP2011064224A JP2009213702A JP2009213702A JP2011064224A JP 2011064224 A JP2011064224 A JP 2011064224A JP 2009213702 A JP2009213702 A JP 2009213702A JP 2009213702 A JP2009213702 A JP 2009213702A JP 2011064224 A JP2011064224 A JP 2011064224A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wind power
power generation
support device
main shaft
bearing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2009213702A
Other languages
English (en)
Inventor
Takayuki Kawamura
隆之 川村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTN Corp, NTN Toyo Bearing Co Ltd filed Critical NTN Corp
Priority to JP2009213702A priority Critical patent/JP2011064224A/ja
Publication of JP2011064224A publication Critical patent/JP2011064224A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C19/00Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement
    • F16C19/22Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing rollers essentially of the same size in one or more circular rows, e.g. needle bearings
    • F16C19/34Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing rollers essentially of the same size in one or more circular rows, e.g. needle bearings for both radial and axial load
    • F16C19/38Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing rollers essentially of the same size in one or more circular rows, e.g. needle bearings for both radial and axial load with two or more rows of rollers
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C23/00Bearings for exclusively rotary movement adjustable for aligning or positioning
    • F16C23/06Ball or roller bearings
    • F16C23/08Ball or roller bearings self-adjusting
    • F16C23/082Ball or roller bearings self-adjusting by means of at least one substantially spherical surface
    • F16C23/086Ball or roller bearings self-adjusting by means of at least one substantially spherical surface forming a track for rolling elements
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C2360/00Engines or pumps
    • F16C2360/31Wind motors
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/70Wind energy
    • Y02E10/72Wind turbines with rotation axis in wind direction

Landscapes

  • Support Of The Bearing (AREA)
  • Rolling Contact Bearings (AREA)
  • Lubricants (AREA)
  • Wind Motors (AREA)

Abstract

【課題】低温下での耐フレッテッング性と油供給性を向上できる複列自動調心ころ軸受およびこの軸受を用いた風力発電用主軸支持装置を提供する。
【解決手段】主軸3が転がり軸受5により支持された風力発電用主軸支持装置1であって、軸受5は、内輪と外輪とこの内外輪間に介在する転動体とを備え、転動体の周囲に、基油と増ちょう剤とからなるベースグリースに添加剤を配合したグリース組成物を封入してなり、上記増ちょう剤は、リチウム石けん、複合リチウム石けん、または分子内にアミド結合を有する複合アミドリチウム石けんを含有し、上記基油は、粘度指数が 120〜180である高度精製油を 50 重量%以上含有し、上記添加剤は、少なくともポリ(メタ)アクリレートと、ZnDTPと、リン酸塩とを含み、上記ポリ(メタ)アクリレートは、100℃における動粘度が 100 mm2/s 以上 850 mm2/s 未満であり、ベースグリース 100 重量部に対して 0.2〜6 重量部配合する。
【選択図】図3

Description

本発明は風力発電用主軸支持装置、および該装置に用いられる複列自動調心ころ軸受に関する。
大型の風力発電機における風車主軸用軸受には、転がり軸受、特に図4に示すような大型の複列自動調心ころ軸受21が用いられることが多い。主軸20は、ブレード19が取り付けられた軸であり、風力を受けることによって回転し、その回転を増速機(図示せず)で増速して発電機を回転させ、発電する。風を受けて発電している際に、ブレード19を支える主軸20は、ブレード19にかかる風力による軸方向荷重(軸受スラスト荷重)と、軸径方向荷重(軸受ラジアル荷重)とが負荷される。複列自動調心ころ軸受21は、ラジアル荷重とスラスト荷重とを同時に負荷することができ、調心性を持つため、軸受ハウジング18の精度誤差や、取り付け誤差による主軸20の傾きを吸収でき、かつ、運転中の主軸20の撓みを吸収できる。そのため、風力発電用主軸軸受に適した軸受であり、利用されている(非特許文献1)。
しかしながら、風車においては、ラジアル荷重に比べてスラスト荷重が大きく、複列のころ24、25のうち、スラスト荷重を受ける列のころ24が、もっぱらラジアル荷重とスラスト荷重とを同時に負荷されることになる。そのため、転がり疲労寿命が短くなる。また、スラスト荷重が負荷されることから、つば部ですべり運動が起こり摩耗を生じる場合がある。加えて、反対側の列では軽負荷となり、ころ25が内外輪22、23の軌道面22a、23aですべりを生じ、表面損傷や摩耗を生じる場合がある。そのため、軸受サイズを大きくすることで対処しているが、軽負荷側では余裕が大きくなりすぎて、不経済である。また、無人で運転されたり、ブレード19が大型となるために高所に設置される風力発電用主軸軸受では、メンテナンスフリーのために、潤滑面でも簡易な軸受とすることが望まれる。
また、風力発電用主軸軸受は、風向、風力が常時変動する環境下で運転されるため、風力変動にともない軸受に負荷される荷重も変動し、つば部で往復すべり運動による摩耗を生じ、軸受の転走面にフレッティングが生じやすくなる。また、山上や厳寒地に設置され、極低温下に晒される風力発電機では、グリースが硬化し、転走面への潤滑油の十分な供給が得られないために、フレッティングの被害は大きくなる。
このフレッティングを防止するために種々の方法が提案されている。その一つとして、適切な潤滑剤を選択してフレッティングを防止する方法がある。その中で、ウレア系増ちょう剤に酸化パラフィン、ジフェニルハイドロゲンホスファイトおよびヘキサメチルホスホリックトリアミドから選ばれた少なくとも一つを配合したグリースがフレッティング防止性を有すると報告されている(特許文献1参照)。
一方、自動車の車輪を回転自在に支持するための自動車用ハブベアリングにおいて、外輪にフランジが設けられる第二世代ハブベアリング(GEN2)および第三世代ハブベアリング(GEN3)では、鍛造性が良く安価なS53Cなどの機械構造用炭素鋼が用いられるようになった。機械構造用炭素鋼は軌道部に高周波熱処理を施すことで、軸受部の転がり疲労強度を確保しているが、合金成分が少ないため表面強度が弱く、軸受鋼に比べ表面起点剥離への耐性が劣り、フレッティングが生じやすくなる。その対策として亜鉛ジチオカーバメートを必須成分として添加したグリース(特許文献2参照)が知られている。
特許第2576898号公報 特開2006−342260号公報
NTN社カタログ「新世代風車用軸受」A65.CAT.No.8404/04/JE、2003年5月1日発行
しかしながら、特許文献1のグリースは、フレッティング防止に関して、厳寒地における低温下では十分な性能は有していない。また、特許文献2のグリースの表面起点剥離への耐性も低温下では十分ではなく、フレッティングが起こりやすい。
本発明はこのような問題に対処するためになされたものであり、低温下での耐フレッテッング性と油供給性の向上を図ることができる複列自動調心ころ軸受およびこの複列自動調心ころ軸受を用いた風力発電用主軸支持装置を提供することを目的とする。
本発明の風力発電用主軸支持装置は、ブレードが取り付けられた主軸が、軸受ハウジングに設置された少なくとも1個の転がり軸受により支持された風力発電用主軸支持装置であって、上記転がり軸受は、内輪と、外輪と、この内輪および外輪間に介在する転動体とを備え、上記転動体の周囲にグリース組成物を封入してなる転がり軸受であり、上記グリース組成物は、基油と、増ちょう剤とからなるベースグリースに、添加剤を配合してなるグリース組成物であり、上記増ちょう剤は、リチウム石けん、複合リチウム石けん、または分子内にアミド結合を有する複合アミドリチウム石けんを含有し、上記基油は、粘度指数が 120〜180である高度精製油を 50 重量%以上含有し、上記添加剤は、少なくともポリ(メタ)アクリレートと、ジチオリン酸亜鉛(以下、ZnDTPと記す)と、リン酸塩とを含み、上記ポリ(メタ)アクリレートは、100℃における動粘度が 100 mm2/s 以上 850 mm2/s 未満であり、その配合割合はベースグリース 100 重量部に対して 0.2〜6 重量部であることを特徴とする。なお、ポリ(メタ)アクリレートとは、ポリメタクリレート、ポリアクリレート、またはポリメタクリレートおよびポリアクリレートの混合物をいう。また、リン酸塩は、ZnDTP以外のリン酸塩である。
上記高度精製油の硫黄含有率が 0.1 重量%未満であることを特徴とする。また、上記リン酸塩が、トリクレジルホスフェートであることを特徴とする。また、上記グリース組成物のちょう度は、250〜400 であることを特徴とする。また、上記増ちょう剤の配合割合は、上記ベースグリース全体に対して 3〜40 重量%であることを特徴とする。
上記基油は、鉱油を含有することを特徴とする。また、上記基油は、40℃における動粘度が 30〜150 mm2/s であることを特徴とする。
本発明の複列自動調心ころ軸受は、内輪と、外輪と、この内輪および外輪間に介在する複列のころとを備え、上記外輪の軸方向の軌道面および上記ころの軸方向の外周面を同じ曲率半径を有する球面状とすることで、上記ころの外周面を上記外輪の軌道面に沿って配設し、上記ころの周囲に上記グリース組成物を封入してなる複列自動調心ころ軸受であって、該複列自動調心ころ軸受は、上記風力発電用主軸支持装置に用いられることを特徴とする。
本発明の風力発電用主軸支持装置は、ブレードが取り付けられた主軸を、グリース組成物を封入してなる転がり軸受で支持するものであり、このグリース組成物が、基油と、増ちょう剤とからなるベースグリースに、添加剤を配合してなり、上記増ちょう剤は、リチウム石けん、複合リチウム石けん、または分子内にアミド結合を有する複合アミドリチウム石けんを含有し、上記基油は、粘度指数が 120〜180 である高度精製油を 50 重量%以上含有し、上記添加剤は、少なくともポリ(メタ)アクリレートと、ZnDTPと、リン酸塩とを含み、上記ポリ(メタ)アクリレートは、100℃における動粘度が 100 mm2/s 以上 850 mm2/s 未満であり、その配合割合はベースグリース 100 重量部に対して 0.2〜6 重量部であるので、低温下でのラジアル荷重とスラスト荷重とが負荷される軸受転走面において、油供給性に優れ、フレッティングの発生を防止できる。
本発明の複列自動調心ころ軸受は、上記グリース組成物を封入してなるので、極低温下でのラジアル荷重とスラスト荷重とが負荷される軸受転走面においてフレッティングの発生を防止できる。そのため、軽荷重から突風時の重荷重まで幅広い荷重域で、かつ風向の変化が絶えず生じ、低温下で運転され、長期間耐久性の要求される風力発電用主軸支持装置に好適に利用することができる。
本発明の風力発電用主軸支持装置を含む風力発電機全体の模式図である。 本発明の風力発電用主軸支持装置を示す図である。 本発明の風力発電用主軸支持装置における主軸支持用の軸受の設置構造を示す図である。 従来の風力発電機における主軸支持用の軸受の設置構造を示す図である。
本発明の風力発電用主軸支持装置を図1および図2より説明する。図1は風力発電用主軸支持装置を含む風力発電機全体の模式図であり、図2は図1の風力発電用主軸支持装置を示す図である。図1または図2に示すように、風力発電機1は、風車となる羽根2が取り付けられた主軸3を、ナセル4内の軸受ハウジング15に設置された軸受5により回転自在に支持し、さらにナセル4内に増速機6および発電機7を設置したものである。増速機6は、主軸3の回転を増速して発電機7の入力軸に伝達するものである。ナセル4は、支持台8上に旋回座軸受17を介して旋回自在に設置され、図2の旋回用のモータ9の駆動により、減速機10を介して旋回させられる。ナセル4の旋回は、風向きに羽根2の方向を対向させるために行なわれる。主軸支持用の軸受5は、図2の例では2個設けているが、1個であってもよい。
主軸支持用の軸受5の設置構造を図3により説明する。図3は、本発明の風力発電用主軸支持装置における主軸支持用の軸受5の設置構造を示す図である。軸受5は、一対の軌道輪となる内輪11および外輪12と、これら内外輪11、12間に介在した複数の転動体13とを有する。軸受5は、スラスト負荷が可能なラジアル軸受であればよく、自動調心ころ軸受の他に、アンギュラ玉軸受や、円すいころ軸受、深溝玉軸受などであってもよい。これらの中で、軽荷重から突風時の重荷重まで幅広い荷重域で、かつ風向の変化が絶えず生じる状態で運転される風力発電用主軸支持軸受としては、運転に伴なう主軸の撓みを吸収できる自動調心ころ軸受が好ましい。また、複列のころ軸受にかかる負荷容量が各列毎に異なっていても対応できる複列の自動調心ころ軸受に、以下に述べる耐フレッティング性に優れたグリース組成物を封入した本発明の複列自動調心ころ軸受は、ラジアル荷重に比べて大きなスラスト荷重がかかり、かつブレードから遠い方の軸受部分が近い方の列の軸受部分よりも、大きな負荷容量となる風力発電用主軸支持軸受として耐摩耗性とともに、長期間耐久性に優れ、好適に使用できる。
軸受5の外輪12は軌道面12aが球面状とされ、各転動体13は外周面が外輪軌道面12aに沿う球面状のころとされている。内輪11は各列の軌道面11a、11aを個別に有するつば付きの構造とされている。転動体13は、各列毎に保持器14で保持されている。外輪12は軸受ハウジング15の内径面に嵌合して設置され、内輪11は主軸3の外周に嵌合して主軸3を支持している。軸受ハウジング15は、軸受5の両端を覆う側壁部15aと主軸3との間にラビリンスシールなどのシール16が構成されている。軸受ハウジング15で密封性が得られるため、軸受5にはシールなしの構造が用いられている。軸受5は、本発明の実施形態にかかる複列自動調心ころ軸受となるものである。
本発明においてグリース組成物に使用できる基油は、粘度指数が 120〜180 である高度精製油を 50 重量%以上含有する基油である。より好ましい粘度指数の範囲は、125〜160 である。粘度指数が 120 未満であると温度変化により粘度の変化が大きく特に高温で油膜切れを起こしやすくなるため潤滑寿命が短くなり、また使用限界温度も低くなる。180 をこえると高圧面下での油膜形成が不十分となり好ましくない。また、粘度指数が 120〜180 である高度精製油の含有量が 50 重量%未満であると低温特性と耐熱性が不足する状態となり好ましくない。
本発明においてグリース組成物に使用する基油は、40℃における動粘度が 30〜600 mm2/s であることが好ましい。ここで 40℃における動粘度が 30 mm2/s 未満の場合は粘度が低すぎて油膜切れを起こしやすくなったり、また油の蒸発も多い。一方、40℃における動粘度が 600 mm2/s より高いと動力損失が大きくなり、トルクが上昇し発熱も大きくなる。
本発明においてグリース組成物に必須成分として用いる高度精製油は、例えば減圧蒸留の残油から得られるスラッグワックスを接触水素化熱分解し、合成することにより得られる。また、フィッシャー・トロプシュ法により合成されるGTL油などが挙げられる。高度精製油は、硫黄含有率が 0.1 重量%未満であることが好ましく、より好ましくは 0.01 重量%未満である。高度精製油の市販品としては、昭和シェル石油社製:シェルハイバックオイルX46、X68などが挙げられる。
本発明においてグリース組成物に使用できる基油としては、上述の高度精製油の他に一般的なパラフィン系鉱油、ナフテン系鉱油、または合成油などを基油全体に対して 50 重量%未満となる範囲で配合できる。合成油としては、ポリ-α-オレフィン、ポリグリコール、ジフェニルエーテル、ジエステル、ポリオールエステル、ケイ酸エステルなどが挙げられる。上述の高度精製油を 50 重量%以上配合することで、低温特性などを維持しつつ高価な合成潤滑油の配合量を減らすことができる。
本発明においてグリース組成物に使用できる増ちょう剤は、(1)リチウム石けん、(2)複合リチウム石けん、または、(3)分子内にアミド結合を有する複合アミドリチウム石けんである。リチウム石けんは、水酸化リチウムと、脂肪族モノカルボン酸(例えば、ステアリン酸、12ヒドロキシステアリン酸)などの脂肪酸とから合成されるものである。複合リチウム石けんは、水酸化リチウムと、上記脂肪族モノカルボン酸と、脂肪族ジカルボン酸などの二塩基酸とから合成されるものである。複合アミドリチウム石けんは、分子内にアミド結合を有し、例えば、水酸化リチウムと、脂肪酸アミドと、二塩基酸とから合成されるものである。これらの増ちょう剤を使用することで、油供給性を改良できる。
本発明に用いるグリース組成物において、基油と増ちょう剤とからなるベースグリース全体に対して増ちょう剤含有量は 3〜40 重量%であることが良好な潤滑性を得るために好ましい。より好ましくは 12〜25 重量%である。また、本発明に用いるグリース組成物のちょう度は、250〜400 の範囲にあるのが好適である。より好ましい範囲は、280〜380 である。グリース組成物として、ちょう度が 250 未満である場合は低温での油分離が小さく潤滑不良となり、400 をこえる場合はグリースが軟質で軸受外に流出しやすくなり好ましくない。
本発明においてグリース組成物に使用するポリ(メタ)アクリレートは、潤滑剤の流動点降下剤として市販されているものであり、100℃における動粘度が 100 mm2/s 以上 850 mm2/s 未満であることを必須とする。より好ましい範囲は、100〜400 mm2/s である。このようなものとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレートおよびこれらを任意に重合させた共重合体等が挙げられる。このようなポリ(メタ)アクリレートの市販品としては、三洋化成工業社製:アクルーブ132、アクルーブ136などが挙げられる。
ポリ(メタ)アクリレートの配合割合は、ベースグリース 100 重量部に対して 0.2〜6 重量部である。より好ましくは、0.3〜5 重量部である。0.2 重量部未満であると低温特性が不十分であり、6 重量部をこえても、それ以上の低温特性の改良は見込めず、コストも上昇する。
本発明においてグリース組成物に使用できるZnDTPは、ジンクジチオフォスフェートとも称され、下記式(1)で示される。ZnDTPの市販品としては、例えば、アデカ社製:アデカキクルーブZ112などが挙げられる。
Figure 2011064224
(式中、Rは炭素原子数 1〜24 のアルキル基または炭素原子数 6〜30 のアリール基である。Rは、好ましくは、炭素原子数 3〜21 の一級アルキル基である。)
ZnDTPを上述の高度精製油に配合することで、基油の酸価(mg/KOH)を低減できる。ZnDTPと高度精製油との組み合わせによる酸価低減効果を表1に示す。表1に示す重量減少率は、表1に示す油を 30 mL のビーカに 10 g 採取して 150℃にて 1000 時間放置したときの重量減少率である。表1に示すように、高度精製油にZnDTP(アデカキクルーブZ112)を配合した場合には、酸価が低減され、重量減少率が大幅に少なくなることがわかる。これに対して、鉱油に同割合のZnDTPを配合する場合では、重量減少率にほぼ変化が見られない。
Figure 2011064224
ZnDTPの配合割合は、ベースグリース 100 重量部に対して 0.5〜5 重量部とすることが好ましい。0.5 重量部未満の場合には所期の効果を十分に得ることが困難になり、また、5 重量部をこえる場合には効果は頭打ちになりコスト的に不利になる。
本発明においてリン酸塩は、金属表面に対して容易に吸着膜を形成し、この吸着膜により平滑な摩擦面を形成することができる。リン酸塩、特にTCPは金属面と反応して金属リン化物を精製し、それが金属と低融点の共融混合物(鉄とリン化鉄の共融混合物の融点は鉄の融点に比べて 515℃低下する)を生成する。そのため、摩擦に伴い表面突起頂部は溶解して谷部を埋め、極めて平滑な摩擦面を形成する。これが、接触圧力の低下、潤滑状態の改善をもたらし摩耗を低減させることができる。
リン酸塩の配合割合は、ベースグリース 100 重量部に対して 0.1〜5 重量部とすることが好ましい。0.1 重量部未満の場合には所期の効果を十分に得ることが困難になり、また、5 重量部をこえる場合には効果は頭打ちになりコスト的に不利になる。
また、本発明においてグリース組成物には必要に応じてフェノール系、アミン系などの各種酸化防止剤、カルボン酸塩、スルホン酸塩などの防錆剤、ポリアルキレングリコール、グリセリンなどの耐摩耗剤、塩素化パラフィン、硫化油、アルキルフォスファイト、アルキルフォスホネート、各種有機モリブデン化合物などの極圧剤、高級脂肪酸、合成エステルなどの油性向上剤、グラファイト、二硫化モリブデンなどの固体潤滑剤などを配合することができる。
以下、実施例によって本発明をさらに詳述するが、下記実施例は本発明を制限するものではない。
実施例1〜実施例11および比較例1〜比較例11
表2に示すごとく、増ちょう剤、基油を選択してベースグリースを調整した。ベースグリースの組成は、増ちょう剤、基油を合計して 100 重量部としてある。そして、表2に示す各種添加剤を配合して供試グリースを得た。得られた供試グリースについて、以下に示す低温フレッティング試験に供し、摩耗量を測定した。その結果を表2に併記した。
なお、増ちょう剤のリチウム石けんは、12ヒドロキシステアリン酸リチウムである。また、複合リチウム石けんは、12ヒドロキシステアリン酸、アゼライン酸、水酸化リチウムを基油中で反応させたものである。また、複合アミドリチウム石けんは、ステアリン酸アミド、セバシン酸、水酸化リチウムを基油中で反応させたものである。
<離油度の測定>
JIS K2220 11.に準拠し、70℃で 1000 時間放置したときの、離油度(重量%)を測定した。
<低温フレッティング試験>
ASTM G−III−12に準拠し、ファフナーフリクションオキシデーション試験機を用いて性能評価試験を行なった。軸受として51204を用い、最大接触面圧が 2.0 GPa 、遥動サイクル 30 Hz 、遥動角 12°、雰囲気−20℃の条件下で、試験時間は 8 時間とした。軸受 1 個あたりの摩耗量( mg )で評価した。
Figure 2011064224
比較例1に示すように、所定の増ちょう剤を配合しない場合、油供給性に劣った。また、比較例2、比較例6および比較例11に示すように、所定のポリメタクリレートを配合しない場合では、低温下での耐フレッティング性能に劣った。特に比較例11は、さらにZnDTP、ポリメタクリレートおよびTCPの配合もなく、低温下での耐フレッティング性能が著しく劣った。また、比較例3および比較例4に示すように、所定のポリメタクリレートを配合する場合でも、その配合量が所定範囲外であると、同様に低温下での耐フレッティング性に劣った。また、比較例5に示すように、TCP、所定の高度精製油およびポリメタクリレートを用いる場合でも、ZnDTPを添加しないと、低温下での耐フレッティング性が劣る結果となった。また、比較例7〜比較例9に示すように、ZnDTP、TCPおよび所定のポリメタクリレートを添加する場合でも、基油が所定の高度精製油を 50 重量%以上含有するものでないときは、低温下での耐フレッティング性が劣る結果となった。また、比較例10に示すように、ZnDTP、所定の高度精製油およびポリメタクリレートを用いる場合でも、TCPを添加しないと、低温下での耐フレッティング性が劣る結果となった。
これに対して、各実施例では、油供給性の向上と、低温下での優れた耐フレッティング性とを得ることができた。
本発明の複列自動調心ころ軸受は、極低温下でのラジアル荷重とスラスト荷重とが負荷される軸受転走面においてフレッティングの発生を防止できるため、軽荷重から突風時の重荷重まで幅広い荷重域で、かつ風向の変化が絶えず生じ、低温下で運転され、長期間耐久性の要求される風力発電用主軸支持装置に好適に利用できる。
1 風力発電機
2 羽根
3 主軸
4 ナセル
5 軸受(転がり軸受)
6 増速機
7 発電機
8 支持台
9 モータ
10 減速機
11 内輪
12 外輪
13 転動体
14 保持器
15 軸受ハウジング
16 シール
17 旋回座軸受
18 軸受ハウジング
19 ブレード
20 主軸
21 複列自動調心ころ軸受
22 内輪
23 外輪
24 複列のころ
25 複列のころ

Claims (8)

  1. ブレードが取り付けられた主軸が、軸受ハウジングに設置された少なくとも1個の転がり軸受により支持された風力発電用主軸支持装置であって、前記転がり軸受は、内輪と、外輪と、この内輪および外輪間に介在する転動体とを備え、前記転動体の周囲にグリース組成物を封入してなる転がり軸受であり、
    前記グリース組成物は、基油と、増ちょう剤とからなるベースグリースに、添加剤を配合してなるグリース組成物であり、
    前記基油は、粘度指数が 120〜180 である高度精製油を 50 重量%以上含有し、前記増ちょう剤は、リチウム石けん、複合リチウム石けん、または、分子内にアミド結合を有する複合アミドリチウム石けんを含有し、前記添加剤は、少なくともポリ(メタ)アクリレートと、ジチオリン酸亜鉛と、リン酸塩とを含有し、
    前記ポリ(メタ)アクリレートは、100℃における動粘度が 100 mm2/s 以上 850 mm2/s 未満であり、その配合割合はベースグリース 100 重量部に対して 0.2〜6 重量部であることを特徴とする風力発電用主軸支持装置。
  2. 前記リン酸塩が、トリクレジルホスフェートであることを特徴とする請求項1記載の風力発電用主軸支持装置。
  3. 前記高度精製油の硫黄含有率が 0.1 重量%未満であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の風力発電用主軸支持装置。
  4. 前記グリース組成物のちょう度は、250〜400 であることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3記載の風力発電用主軸支持装置。
  5. 前記基油は、鉱油を含有することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項記載の風力発電用主軸支持装置。
  6. 前記基油は、40℃における動粘度が 30〜600 mm2/s であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項記載の風力発電用主軸支持装置。
  7. 前記増ちょう剤の配合割合は、前記ベースグリース全体に対して 3〜40 重量%であることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項記載の風力発電用主軸支持装置。
  8. 内輪と、外輪と、この内輪および外輪間に介在する複列のころとを備え、前記外輪の軸方向の軌道面および前記ころの軸方向の外周面を同じ曲率半径を有する球面状とすることで、前記ころの外周面を前記外輪の軌道面に沿って配設し、前記ころの周囲に前記グリース組成物を封入してなる複列自動調心ころ軸受であって、
    該複列自動調心ころ軸受は、請求項1ないし請求項7のいずれか一項記載の風力発電用主軸支持装置に用いられることを特徴とする複列自動調心ころ軸受。
JP2009213702A 2009-09-15 2009-09-15 風力発電用主軸支持装置、該装置に用いられる複列自動調心ころ軸受 Withdrawn JP2011064224A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009213702A JP2011064224A (ja) 2009-09-15 2009-09-15 風力発電用主軸支持装置、該装置に用いられる複列自動調心ころ軸受

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009213702A JP2011064224A (ja) 2009-09-15 2009-09-15 風力発電用主軸支持装置、該装置に用いられる複列自動調心ころ軸受

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011064224A true JP2011064224A (ja) 2011-03-31

Family

ID=43950696

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009213702A Withdrawn JP2011064224A (ja) 2009-09-15 2009-09-15 風力発電用主軸支持装置、該装置に用いられる複列自動調心ころ軸受

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2011064224A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013024269A (ja) * 2011-07-18 2013-02-04 Ntn Corp 風力発電装置用転がり軸受
EP2597301A3 (en) * 2011-11-25 2014-03-26 Industrial Technology Research Institute Windmill and hub sealing apparatus thereof
CN107762721A (zh) * 2017-11-10 2018-03-06 佛山科学技术学院 一种低阻风力发电机的叶片安装结构
JP2020085168A (ja) * 2018-11-28 2020-06-04 セイコーエプソン株式会社 歯車装置およびロボット

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013024269A (ja) * 2011-07-18 2013-02-04 Ntn Corp 風力発電装置用転がり軸受
EP2597301A3 (en) * 2011-11-25 2014-03-26 Industrial Technology Research Institute Windmill and hub sealing apparatus thereof
US9109579B2 (en) 2011-11-25 2015-08-18 Industrial Technology Research Institute Windmill and hub sealing apparatus thereof
CN107762721A (zh) * 2017-11-10 2018-03-06 佛山科学技术学院 一种低阻风力发电机的叶片安装结构
CN107762721B (zh) * 2017-11-10 2023-11-28 佛山科学技术学院 一种低阻风力发电机的叶片安装结构
JP2020085168A (ja) * 2018-11-28 2020-06-04 セイコーエプソン株式会社 歯車装置およびロボット

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2010027019A1 (ja) グリース組成物、該グリース組成物を封入した転がり軸受および自在継手
US10584750B2 (en) Grease composition and grease-filled wheel bearing
WO2012036076A1 (ja) グリース組成物および転がり軸受
WO2013031705A1 (ja) グリース組成物及び転動装置
JP6736041B2 (ja) グリース組成物および車両用転動装置
US20130310292A1 (en) Grease composition
JP5571924B2 (ja) グリース組成物および該グリース組成物を封入した転がり軸受
JP2011064224A (ja) 風力発電用主軸支持装置、該装置に用いられる複列自動調心ころ軸受
JP5756587B2 (ja) アンギュラ玉軸受用グリース組成物及びそれを用いたアンギュラ玉軸受
JP5115050B2 (ja) 転がり軸受
JP5438938B2 (ja) グリース組成物、該グリース組成物を封入した転がり軸受および自在継手
JP2005248034A (ja) グリース組成物およびその製造方法ならびに該グリース組成物封入転がり軸受
JP6193619B2 (ja) 転がり軸受
JP2013035946A (ja) グリースおよび密封軸受
WO2020218239A1 (ja) 円すいころ軸受用グリース組成物および円すいころ軸受
JP6219084B2 (ja) 転がり軸受
JP5685141B2 (ja) グリース組成物、グリース封入軸受、自在継手および直動装置
JP2008285575A (ja) 潤滑剤組成物及び揺動運動用転がり軸受
JP2020122494A (ja) 円すいころ軸受
JP2018168332A (ja) グリース組成物、転がり軸受、およびハブベアリング
JP5808181B2 (ja) 風力発電装置用転がり軸受
JP2006242331A (ja) ロボット用転がり軸受
JP2007002140A (ja) グリース組成物および転がり軸受
JP2003239986A (ja) 玉軸受
JP2003343581A (ja) 転がり軸受

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120831

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20121226