JP2011063557A - Ppar活性化剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、PPARに対し充分なアゴニスト活性を有し、かつ安全性の高い物質を有効成分とするPPAR活性化剤を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、キヌア抽出物、ニンニク抽出物、冬虫夏草抽出物及びD−リボースからなる群より選択される少なくとも一種以上を有効成分とするPPAR活性化剤、及び、前記PPAR活性化剤を含む、メタボリックシンドローム、高脂血症又は動脈硬化の予防及び/又は治療剤を提供する。
【選択図】なし
【解決手段】本発明は、キヌア抽出物、ニンニク抽出物、冬虫夏草抽出物及びD−リボースからなる群より選択される少なくとも一種以上を有効成分とするPPAR活性化剤、及び、前記PPAR活性化剤を含む、メタボリックシンドローム、高脂血症又は動脈硬化の予防及び/又は治療剤を提供する。
【選択図】なし
Description
本発明はPPAR活性化剤に関する。
生活習慣病と広く称される疾患群のうち、脂質代謝異常とそれらに関連した高脂血症、腹部の肥満症は、メタボリックシンドロームとして知られている。これらの患者は、クオリティオブライフが低下するに留まらず、健常者に比べて動脈硬化等の致命的な血管障害発症リスクが高い。
このような現状に対し、脂質代謝異常を低減する薬剤としてクロフィブラート、フェノフィブラート等のフィブラート系薬剤がある。これらは高脂血症治療薬として知られており、転写因子であるPPAR(peroxisome proliferator−activated receptor:ペルオキシソーム増殖物質活性化受容体)のうち、PPARαへのアゴニスト作用を有する。PPARαは脂質代謝の調節に関与し、血中トリグリセリドやLDLコレステロールの低減、血中HDLコレステロールの向上作用を有する。また、動脈硬化巣の形成にかかわるNF−κB(nuclear factor−κB、核内因子κB)、AP−1(activator protein−1)の発現調節作用を有する。従って、PPARα活性化剤は高脂血症、動脈硬化に対する予防、治療剤として有用である。しかしながらフィブラート系薬剤は医薬品であり、医師の許可なく使用することができず、摂取に際して制限がある。
また、PPARα以外のPPARファミリーであるPPARγは、脂肪細胞の分化調節や組織のインスリン抵抗性や免疫過程に関わるといわれており、PPARβ/δは、腫瘍細胞の増殖に関与する可能性が報告されている。PPARγやPPARβ/δのアゴニストも、脂質代謝や2型糖尿病の治療剤の有用性が期待される。PPARγの外因性リガントとしてはトログリタゾンやピオグリタゾンのようなチアゾリン系の薬剤があるが、これらは医薬品であり、医師の許可なく使用することができず、摂取に際して制限がある。
フィブラート系製剤以外でPPARに対しアゴニスト作用を有するものとして、PPARαでは、パルミチン酸、オレイン酸などの脂肪酸類や、パプリカ、ホースラディッシュ、レモン、唐辛子、ゴマ、スペアミントおよび高菜からなる群より選択される少なくとも一種以上の両親媒性抽出物(特開2007−22917号公報:特許文献1)が報告されている。またPPARγでは、カプサイシン(Kim CS et al,J Med Food 2004,7(3),267−73:非特許文献1)が報告されている。
しかしこれらのPPARアゴニスト作用は、フィブラート系製剤などの既存の製剤と比較すると不十分であり、実用的ではなかった。このため、安全性が高く、高いPPAR活性化作用を有する素材が望まれていた。
Kim CS et al,J Med Food 2004,7(3),267−73
本発明は、PPARに対し充分なアゴニスト活性を有し、かつ安全性の高い物質を有効成分とするPPAR活性化剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ね、その過程で多数の生物由来の物質のスクリーニングを行った。その結果、ほとんどの物質には活性がなかったのに対しキヌア抽出物、ニンニク抽出物、冬虫夏草抽出物、及びD−リボースは優れたPPARα活性化作用を有することを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、下記の発明〔1〕〜〔2〕を提供するものである。
〔1〕キヌア抽出物、ニンニク抽出物、冬虫夏草抽出物及びD−リボースからなる群より選択される少なくとも一種以上を有効成分とするPPAR活性化剤。
〔2〕前記〔1〕に記載のPPAR活性化剤を含む、メタボリックシンドローム、高脂血症又は動脈硬化の予防及び/又は治療剤。
〔1〕キヌア抽出物、ニンニク抽出物、冬虫夏草抽出物及びD−リボースからなる群より選択される少なくとも一種以上を有効成分とするPPAR活性化剤。
〔2〕前記〔1〕に記載のPPAR活性化剤を含む、メタボリックシンドローム、高脂血症又は動脈硬化の予防及び/又は治療剤。
本発明のPPAR活性化剤は、充分なPPAR活性化作用を有していることはもちろん、いずれも従来から食されてきた天然由来の成分を有効成分とするので、生体への安全性も保障されている。よって、本発明のPPAR活性化剤は、メタボリックシンドローム、高脂血症、動脈硬化などの治療や予防への有用性が期待され、食品、医薬品等としての利用が可能である。
本発明は、PPAR活性化剤に関するものである。PPAR(peroxisome proliferator−activated receptor:ペルオキシソーム増殖物質活性化受容体)は、核に存在する転写因子の一種である。PPARのファミリーとしては、PPARα、PPARγ、PPARβ/δなどがある。PPARαは、脂質代謝の調節、血中トリグリセリドやLDLコレステロールの低減、血中HDLコレステロールの向上、NF−κB、AP−1の発現調節などに関与する。
PPAR活性化剤とは、PPARを活性化するものである。活性化とは、活性を高めることを意味し、活性が本来高い場合にはそれを維持することも含む。PPAR活性化剤はPPARαを活性化すると、上述したPPARαの生理作用、すなわち、脂質代謝、血中トリグリセリドやLDLコレステロール低減、血中HDLコレステロール向上、NF−κB、AP−1の発現調節などの作用を亢進させる。よって、本発明のPPAR活性化剤は、脂質代謝調節剤、血中トリグリセリド及び/又はLDLコレステロールの低減剤、血中HDLコレステロールの向上剤、NF−κB及び/又はAP−1の発現調節剤、としても機能する。
PPAR活性化剤のPPARに対する活性化のメカニズムは特に問わない。例えばPPARへのアゴニスト作用によりPPARを活性化するものでもよいし、PPARへのリガンドの結合を促進してPPARを活性化するものでもよいが、前者が好ましい。PPARへのアゴニスト作用によりPPARが活性化されることは、市販のキットを用いて確認し得る。PPARαを例に取ると、キットとしてEnBio RCAS for PPARα kit(EnBioTec Laboratories Co.,Ltd.)を用いて確認することができる。
本発明のPPAR活性化剤は、キヌア抽出物、ニンニク抽出物、冬虫夏草抽出物、及びD−リボースから選ばれる一種又は二種以上を有効成分とする。
キヌア(Quinua、Quinoa、学名Chenopodium quinoa)は、アカザ(chenopodium)属植物の一種であり、南米のアンデス地方原産の穀物である。キヌア抽出物は、キヌアの植物体の少なくとも一部の抽出物を意味し、キヌアの種子の抽出物であることが好ましい。
ニンニク(garlic、蒜、大蒜、葫、学名:Allium sativum)は、ネギ属(Allium)の多年草である。ニンニク抽出物は、ニンニクの植物体の少なくとも一部の抽出物を意味し、球根(鱗茎)の抽出物であることが好ましい。
冬虫夏草(とうちゅうかそう、ふゆむしなつくさ、Cordyceps sinensis(Berkeley)Saccardo)は、菌類であり、冬虫夏草属(Cordyceps)の子嚢菌の一種である。冬虫夏草抽出物は、冬虫夏草の菌体の少なくとも一部の抽出物を意味し、冬虫夏草全体の抽出物であることが好ましい。
D−リボース((3R,4S,5R)−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2,3,4−トリオール)は、単糖(五炭糖)の一種であり、RNAを構成する。D−リボースの由来は特に問わず、例えば、生体から抽出されたもの、市販品などが用いられ得る。
キヌア抽出物、ニンニク抽出物及び冬虫夏草抽出物の抽出条件は、PPARα活性化作用が発揮されるよう適宜設定することができる。
抽出は通常溶媒を用いて行われ得る。溶媒としては、一般には、親水性溶媒が用いられる。親水性溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;プロピレングリコール、ブチレングリコール等の多価アルコール類およびその水溶液などが例示され、これらを単独で又は2種以上の混合溶媒として用い得る。このうちエタノールが好ましい。エタノールは少量の他の成分(例えば他のアルコール分)を含んでいてもよいが、純度の高いものが好ましい。具体的には、濃度90%以上が好ましく、95%以上がより好ましく、99%以上であることがさらにより好ましい。
溶媒の使用量は、抽出原料:抽出溶媒(質量比)が、通常1:2〜1:50、好ましくは1:5〜1:20の範囲で適宜定め得る。抽出温度は、好ましくは5〜80℃の範囲で、抽出時間は、好ましくは1時間〜1週間の範囲で、抽出pHは、好ましくは3〜11の範囲でそれぞれ適宜設定し得る。抽出は、溶媒に浸漬して行うことができ、必要に応じて攪拌してもよい。抽出は、ある溶媒での抽出と、同じ溶媒または別の溶媒での抽出を組み合わせて、2回以上行ってもよい。
キヌア抽出物、ニンニク抽出物及び冬虫夏草抽出物の抽出の際は、必要に応じて、抽出の途中または前後に、ろ過、濃縮(例えば減圧濃縮)を行ってもよい。例えば、キヌア、ニンニク、冬虫夏草の用部を抽出後、ろ過して残渣をろ別し、上清を濃縮して得られる生成物を、各抽出物として用いることができる。なお、抽出の際はさらに、透析、精製(各種のクロマトグラフィーなど)、などをあわせて行ってもよい。
本発明のPPAR活性化剤の対象は特には限定されない。ヒトまたはヒト以外の脊椎動物に対し有用である。また対象であるヒトまたはヒト以外の脊椎動物の健康状態についても特に問わないが、PPARの活性化により症状の改善が見込まれる疾患の患者やその予備軍に対しては、顕著な効果が期待される。
本発明のPPAR活性化剤には、キヌア抽出物、ニンニク抽出物、冬虫夏草抽出物、及びD−リボースから選ばれる一種又は二種以上のほかに、薬学的に許容される担体が配合され得る。薬学的に許容される担体としては、例えば油性成分、滑沢剤、賦形剤、結合剤、崩壊剤などが挙げられる。また、着色剤、色素、香料等の添加物を適宜、適量含有してもよい。
油性成分としては、各種脂肪酸エステル、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール等が例示される。滑沢剤としては、アラビアゴム、カカオ脂、カルナバロウ、含水二酸化ケイ素、乾燥水酸化アルミニウムゲル、グリセリン、ケイ酸マグネシウム、流動パラフィン、結晶セルロース、ショ糖脂肪酸エステル、ステアリルアルコール、ステアリン酸、ゼラチン、乳糖、白糖、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、フマル酸、ミツロウ糖等が例示される。賦形剤としては、アラビアゴム、エチルセルロース、カオリン、カカオ脂、果糖、二酸化ケイ素、キシリトール、クエン酸またはその塩、結晶セルロース、ステアリン酸またはその塩、デキストラン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、マクロゴール、リン酸水素カルシウム、リン酸水素ナトリウム、ショ糖、グルコース、ソルビトール、ラクチトール、コーンスターチ、ポテトスターチ等が例示される。崩壊剤としては、セルロースまたはその誘導体、デンプンまたはその誘導体等が例示される。結合剤としては、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、ビニルピロリドン、部分α化デンプン等が例示される。また、上記以外の具体例として、カロチノイド系物質(α−カロチン、β−カロチン、γ−カロチン、リコピン、ルテイン、アスタキサンチン、ゼアキサンチン等)、コエンザイムQ10、ビタミンE、トコトリエノール、ドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)等が例示される。
本発明のPPAR活性化剤の剤型は、特に限定されるものではなく、投与形態に応じて適宜選択され得る。経口投与の場合、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、細粒剤、シロップ剤、徐放性錠、タブレット、咀嚼錠剤またはドロップ剤等が挙げられる。
PPAR活性化剤の製造方法は、特に限定されるものではなく、剤型に合わせて適宜選択され得る。例えば剤型がタブレットの場合、キヌア抽出物、ニンニク抽出物、冬虫夏草抽出物、及びD−リボースから選ばれる一種又は二種以上の有効成分、および必要に応じて配合され得る任意の成分を混合した後、この混合物を圧縮成形してタブレットを得る方法、が挙げられる。
本発明のPPAR活性化剤における、キヌア抽出物、ニンニク抽出物、冬虫夏草抽出物、及びD−リボースから選ばれる一種又は二種以上の有効成分の配合量は、PPARの活性化効果に応じて適宜定めることができる。一般に、0.005%以上であることが好ましく、0.05%以上であることがより好ましい。
本発明のPPAR活性化剤の投与量は、投与対象であるヒトまたはヒト以外の脊椎動物の年齢、体重、性別その他の条件、症状、疾患の程度等によって異なるが、上記作用が発揮でき、かつ、生じる副作用が許容し得る範囲内で適宜定めることができる。通常、キヌア抽出物、ニンニク抽出物、冬虫夏草抽出物、及びD−リボースから選ばれる一種又は二種以上の有効成分の量として、1日当り10mg以上の量を投与することが好ましく、100〜3000mgとなる量を投与することがより好ましい。
投与方法は、有効成分の配合濃度や、剤型、投与対象者の年齢、体重、性別その他の条件、症状、疾患の程度により適宜定めることができる。例えば剤型がタブレットの場合、水等と一緒に服用することが好ましい。投与間隔は適宜定めることができ、12時間間隔であることが好ましい。食事と投与時期との関係についても、食事の前、食事の後、および食間のいずれであってもよいが、食事の後1時間以内に服用することが好ましい。運動と投与時期との関係にも制限はないが、運動の後1時間以内に服用することが好ましい。
なお、本発明のPPAR活性化剤の投与の他に、血行促進剤等の薬剤の投与や、食事療法、運動療法等を組み合わせてもよい。血行促進剤としては、コショウ科、ショウガ科、ナス科等の植物の植物体、それらの抽出物などが好ましいが、これらに限定されるものではない。コショウ科、ショウガ科、ナス科の植物の好ましいものとしては、コショウ、ヒハツ、ヒハツモドキ、ショウガ、トウガラシが例示されるが、これらに限定されるものではない。
本発明のPPAR活性化剤は、PPARの活性化により症状が改善する疾患の治療又は予防剤の有効成分ともなり得る。PPARα活性化により症状が改善する疾患としては、メタボリックシンドローム、高脂血症、動脈硬化等が例示される。PPARγ活性化により症状が改善する疾患としては、糖尿病、炎症性疾患、動脈硬化等が例示される。PPARβ/δ活改善する疾患としては、癌等が例示される。
本発明のPPAR活性化剤は、医薬、医薬部外品、食品としても有用である。食品は、通常加工食品であり、いわゆる健康食品が含まれるほか、機能性食品、保健機能食品、特定保健用食品、栄養機能食品、栄養補助食品が含まれる。
食品とする場合には、本発明の効果の表示を付しておくことが好ましい。本発明の効果の表示とは、PPAR活性化のために用いられるものである旨の表示;PPAR活性化により症状が改善する疾患のリスクを低減する可能性がある旨の表示、などが挙げられる。
ここで、PPAR活性化食品は、例えば、PPAR活性低下に起因する疾病患者用の食事などに使用してもよい。
このように、本発明の食品は、ヒトまたはヒト以外の脊椎動物に投与し、摂取させることによって、PPARを活性化させる。従って、本発明の食品は、PPARの活性化により症状が改善する疾患に対する予防および/または治療のための食品として有用である。また、食品とすれば日常的な摂取が可能となるので、上記疾病の日常的な予防策として極めて有用である。
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。
実施例1〜4、比較例1〜9
キヌア抽出物(実施例1)、ニンニク抽出物(実施例2)、冬虫夏草抽出物(実施例3)、D−リボース(実施例4)のPPARα活性化作用を評価した。
キヌア抽出物(実施例1)、ニンニク抽出物(実施例2)、冬虫夏草抽出物(実施例3)、D−リボース(実施例4)のPPARα活性化作用を評価した。
1.抽出物の調製
キヌアは種子を、ニンニクは球根を、冬虫夏草は全体を乾燥、粉砕して粉末とし、60gをとり、99.5v/v%エタノール600mLに浸漬し室温で5日間抽出した。残渣をろ別して得られた抽出液を減圧濃縮し、キヌア抽出物として3g、ニンニク抽出物として3.4g、冬虫夏草抽出物として3.6gを得た。また、比較例1としてほうれん草は葉を、比較例2として荷葉はハスの葉を、比較例3として茶は葉を、比較例4としてソバは葉を、比較例5として月見草は種子を、比較例6として赤米は種子をそれぞれ用意した。これらを乾燥、粉砕して粉末とし、60gをとり、99.5v/v%エタノール600mLに浸漬し室温で5日間抽出した。残渣をろ別して得られた抽出液を減圧濃縮し、ほうれん草抽出物として2.9g、荷葉抽出物として3.1g、茶抽出物として3.4gを、ソバ葉抽出物として3gを、月見草抽出物として2.8gを、赤米抽出物として3gを得た。
キヌアは種子を、ニンニクは球根を、冬虫夏草は全体を乾燥、粉砕して粉末とし、60gをとり、99.5v/v%エタノール600mLに浸漬し室温で5日間抽出した。残渣をろ別して得られた抽出液を減圧濃縮し、キヌア抽出物として3g、ニンニク抽出物として3.4g、冬虫夏草抽出物として3.6gを得た。また、比較例1としてほうれん草は葉を、比較例2として荷葉はハスの葉を、比較例3として茶は葉を、比較例4としてソバは葉を、比較例5として月見草は種子を、比較例6として赤米は種子をそれぞれ用意した。これらを乾燥、粉砕して粉末とし、60gをとり、99.5v/v%エタノール600mLに浸漬し室温で5日間抽出した。残渣をろ別して得られた抽出液を減圧濃縮し、ほうれん草抽出物として2.9g、荷葉抽出物として3.1g、茶抽出物として3.4gを、ソバ葉抽出物として3gを、月見草抽出物として2.8gを、赤米抽出物として3gを得た。
2.試料の調整
上記のようにして調製したキヌア抽出物、ニンニク抽出物及び冬虫夏草抽出物に加えて、D−リボース(田辺三菱製薬)を各10mgとり、それぞれジメチルスルホキシド1mLに溶解し、1質量%濃度の溶液を得た。また、ほうれんそう抽出物、荷葉抽出物、茶抽出物、ソバ葉抽出物、月見草抽出物及び赤米抽出物に加えて、比較例7としてゴマペプチド(KICSO株式会社)、比較例8としてカプサイシン(和光純薬工業)についても同様にジメチルスルホキシド1mLに溶解し、1質量%濃度の溶液を得た。
上記のようにして調製したキヌア抽出物、ニンニク抽出物及び冬虫夏草抽出物に加えて、D−リボース(田辺三菱製薬)を各10mgとり、それぞれジメチルスルホキシド1mLに溶解し、1質量%濃度の溶液を得た。また、ほうれんそう抽出物、荷葉抽出物、茶抽出物、ソバ葉抽出物、月見草抽出物及び赤米抽出物に加えて、比較例7としてゴマペプチド(KICSO株式会社)、比較例8としてカプサイシン(和光純薬工業)についても同様にジメチルスルホキシド1mLに溶解し、1質量%濃度の溶液を得た。
3.PPARα活性化作用の測定
96wellプレートを用いて活性を測定するEnBio RCAS for PPARα kit(EnBioTec Laboratories Co.,Ltd.)を用い、本キットに従い測定を行った。試料は上記のようにして調製した1質量%濃度溶液を用い、評価濃度が0.05質量%濃度となるように各wellに添加した。
96wellプレートを用いて活性を測定するEnBio RCAS for PPARα kit(EnBioTec Laboratories Co.,Ltd.)を用い、本キットに従い測定を行った。試料は上記のようにして調製した1質量%濃度溶液を用い、評価濃度が0.05質量%濃度となるように各wellに添加した。
なお、陽性対象としてWY14643(EnBioTec Laboratories Co.,Ltd.)を用い、キットがPPARαの活性を測定できることを確認し、陰性対照としてジメチルスルホキシド(比較例9)を各wellに添加し吸光値を測定し、PPARα活性化作用を評価した。
PPAR活性化作用は、カプサイシンに対する吸光値の比((試料−陰性対照)/(カプサイシン−陰性対照))で示した。結果を表1に示す。
表1に示すように、比較例1〜比較例6の抽出物、比較例7のゴマペプチドにはPPAR活性化作用がまったく見られなかったのに対し、キヌア抽出物、ニンニク抽出物、冬虫夏草抽出物及びD−リボースには高いPPAR活性化作用が見られ、特に、PPARγ活性化剤として知られる比較例8のカプサイシンと比較してもこれを上回る優れた効果が認められた。
Claims (2)
- キヌア抽出物、ニンニク抽出物、冬虫夏草抽出物及びD−リボースからなる群より選択される少なくとも一種以上を有効成分とするPPAR活性化剤。
- 請求項1に記載のPPAR活性化剤を含む、メタボリックシンドローム、高脂血症又は動脈硬化の予防及び/又は治療剤。
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