JP2011059601A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】一つのシート材に印刷処理を複数回施す画像形成装置であって、印刷処理前に検知された検知シート長と印刷処理開始時における実シート長との誤差を低減でき得る画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置10は、シート材を搬送するともにシート材に印刷処理を複数回施す印刷ユニット12と、シート材の前端および後端の基準位置への到達を検知することでシート材のシート長を検知するシート長検知機構16と、シート長検知が完了した後に検知シート長に応じた像データの補正など、次の印刷処理に必要な処理を実行する制御部14と、を備えている。シート長検知のためにシート材の後端の到達を検知する後端センサ62は、印刷開始の基準位置Scまでの距離L1が「基準シート長M」以上、かつ、「基準シート長M+前処理の実行時間内にシート材が搬送される距離D」以下となる位置に設置される。
【選択図】図1
【解決手段】画像形成装置10は、シート材を搬送するともにシート材に印刷処理を複数回施す印刷ユニット12と、シート材の前端および後端の基準位置への到達を検知することでシート材のシート長を検知するシート長検知機構16と、シート長検知が完了した後に検知シート長に応じた像データの補正など、次の印刷処理に必要な処理を実行する制御部14と、を備えている。シート長検知のためにシート材の後端の到達を検知する後端センサ62は、印刷開始の基準位置Scまでの距離L1が「基準シート長M」以上、かつ、「基準シート長M+前処理の実行時間内にシート材が搬送される距離D」以下となる位置に設置される。
【選択図】図1
Description
本発明は、一つのシート材に対して、印刷処理を複数回行う画像形成装置に関する。
従来から、一つのシート材の両面に画像を形成したり、一つのシート材の同一面に異なる色の像を複数回転写・定着することにより当該同一面に多色画像を形成したりするために、一つのシート材に対して印刷処理を複数回行う画像形成装置が知られている。
かかる画像形成装置において、前回転写された像と、今回転写された像と、の位置ズレを低減するための技術が従来から多数提案されている。例えば、特許文献1には、定着器を通過した後のシート材のサイズを検知する検知手段と、この検知手段からの検知信号に基づいて定着器通過後のシートサイズの変化率を求めるとともに、求められた変化率に基づいて次に転写すべきトナー像の大きさを制御する技術が開示されている。この特許文献1において、検知手段は、当該検知手段からシート材にトナー像を転写する転写部までの距離が、最大のシートの搬送方向長さよりも長くなる位置に設けられている。
また、特許文献2にも、定着器を通過した後のシート材のサイズに応じて、次回に転写すべき像を補正する技術が開示されている。この特許文献2において、シート材のサイズを検知する検知手段は、定着器の直後に設置されている。
ところで、位置ズレ低減のために、シート材の搬送方向長さ(シート長)を検知し、その検知結果に応じて、次に転写すべき像のデータを補正する場合において、シート長の検知から次回の印刷処理開始までの時間が過度に大きいと、その間に生じるシート材の伸縮に起因して検知シート長と印刷処理開始時における実シート長とが大きくずれてしまい、ひいては、複数回転写される像の位置がずれるという問題がある。そこで、本発明は、印刷処理前に検知された検知シート長と印刷処理開始時における実シート長との誤差を低減でき得る画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明の画像形成装置は、シート材を搬送するとともに、前記シート材に転写すべきトナー像の生成と当該トナー像のシート材への転写と転写されたトナー像のシート材への転写とを順次行う印刷処理を一つのシート材に対して複数回実行する印刷ユニットと、一つのシート材に対する前回の印刷処理を終了してから次の印刷処理開始までの間に、搬送されてきたシート材の前端および後端の基準位置への到達を検知することで、当該シート材の搬送方向長さであるシート長を検知するシート長検知手段と、前記シート長検知手段によりシート長が検知された場合に、少なくとも前記検知されたシート長に応じて前記次の印刷処理で用いる像データの補正演算を含むとともに前記次の印刷処理に必要な処理を前処理として実行する前処理手段と、を備え、前記シート長検知手段による後端到達の検知位置から前記印刷処理の開始時におけるシート材の前端位置である開始基準位置までの距離を第一距離L1、予め規定された基準シート材のシート長を基準シート長M、シート長の検知完了から前記前処理が終了するまでの時間である前処理時間にシート材が搬送される距離を前処理距離Dとした場合に、前記シート長検知手段は、M≦L1≦M+Dの条件を満たす位置に設置される、ことを特徴とする。
好適な態様では、前記印刷ユニットが、シート材の種類によってシート材の搬送速度を変更する場合、前記前処理距離Dは、前記印刷ユニットが選択し得る搬送速度のうち最も遅い搬送速度に基づいて算出された値である。
他の好適な態様では、さらに、シート材のゆがみ量を検知するゆがみ検知手段を備え、前記前処理手段は、前記検知されたシート長および前記ゆがみ検知手段で検知されたゆがみ量に応じて、前記次の印刷処理で用いられる像データを補正する。
他の好適な態様では、さらに、搬送路上の複数箇所においてシート材の前端の到達を検知することで、当該シート材の傾き量である斜行量を検知する斜行検知手段を備えており、前記前処理手段は、前記検知されたシート長および前記斜行検知手段で検知された斜行量に応じて、前記次の印刷処理で用いられる像データを補正する。この場合、前記斜行検知手段は、前記シート長検知手段での後端検知位置から、前記斜行検知手段での前端到達の検知位置までの距離である第二距離L2が、基準シート長M以下となる位置に配置される、ことが望ましい。また、前記印刷ユニットは、シート材を挟持しつつ回転することで、下流側に送り出す複数の搬送ローラを備えており、前記斜行検知手段による検知位置は、トナー像がシート材に転写される像転写位置より上流側、かつ、前記複数の搬送ローラのうち前記像転写位置の最も直前に配置される直前搬送ローラより下流側である、ことが望ましい。
請求項1記載の発明によれば、印刷処理前に検知された検知シート長と印刷処理開始時における実シート長との誤差を低減できる。請求項2記載の発明によれば、どのような搬送速度で搬送される場合であっても、シート長検知から次の印刷処理開始までにロスとなる時間が発生しない。請求項3記載の発明によれば、シート材にゆがみに起因する像ずれも低減できる。請求項4記載の発明によれば、シート材の斜行に起因する像ずれも低減できる。請求項5記載の発明によれば、シート長検知終了と同時に前処理を開始することができ、ロスとなる時間を低減できる。請求項6記載の発明によれば、斜行検知後にさらに、斜行することが防止される。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態である画像形成装置10の概略構成図である。この画像形成装置10は、単独のプリンタとして用いられてもよいし、FAXや複写機、および、これらを統合した複合機に組み込まれてもよい。
本実施形態の画像形成装置10は、印刷ユニット12と、当該印刷ユニット12内に設置された複数種類の検知機構16,18,20,22、および、画像形成装置10の各部の動作を制御する制御部14に大別される。
印刷ユニット12は、シート材を搬送するともに、搬送されてきたシート材に対して印刷処理を実行するユニットである。ここで、シート材とは、印刷が施されるシート状部材で、例えば、用紙、布シートなどが含まれる。また、印刷処理とは、シート材に転写すべきトナー像の生成と生成されたトナー像のシート材への転写と転写されたトナー像のシート材への定着とを順次行う処理である。本実施形態の印刷ユニット12は、この印刷処理を一つのシート材に対して複数回、実行し得る構成となっている。
具体的に説明すると、本実施形態の印刷ユニット12は、トナー像を生成・転写する転写機構30と、転写されたトナー像をシート材に定着させる定着機構32と、シート材を搬送する搬送機構34と、を備えている。
転写機構30は、トナー像を生成するとともに生成されたトナー像をシート材に転写する機構で、感光体40や、露光器42、現像器44などから構成されている。露光器42は、感光体40を露光して当該感光体40の表面に静電潜像を生成する。この露光により生成される静電潜像は、制御部14から出力される像データに基づいて生成される。現像器44は、この静電潜像をトナーで現像して、感光体40の表面にトナー像を形成する。この形成されたトナー像は、規定の像転写位置Paまで搬送されたシート材へと転写される。なお、本実施形態では、感光体40から直接、シート材にトナー像を転写しているが、感光体40とシート材との間に1以上の転写ローラを介在させるようにしてもよい。
定着機構32は、転写機構30によりシート材に転写されたトナー像をシート材に定着させる機構で、シート材を挟持して加圧する定着ローラ46や、当該定着ローラ46を加熱するヒータ48などを備えている。像定着位置Pbまで搬送されたシート材は、加熱された定着ローラ46に挟持されることにより、加圧・加熱される。このときシート材表面のトナーが熱溶融することにより、トナー像のシート材への定着が図られる。
搬送機構34は、既述したとおり、シート材を搬送する機構である。本実施形態の搬送機構34は、一つのシート材に対して印刷処理を複数回実行するために、一つのシート材を一つの転写機構30および定着機構32に繰り返し搬送し得る構成となっている。具体的に説明すると、本実施形態の搬送機構34は、搬送路50や、当該搬送路50に沿って配設された複数の搬送ローラ52、シート材の搬送先を切り替える切替器(図示せず)などから構成される。このうち搬送路50は、さらに、主搬送路50a、排紙搬送路50b、反転搬送路50c、循環搬送路50d、再送搬送路50eに大別される。主搬送路50aは、給紙部(図示せず)から供給されたシート材を転写機構30による像転写位置Paおよび定着機構32による像定着位置Pbへと導く搬送路である。この主搬送路50aの下流端には、排紙搬送路50b、反転搬送路50c、循環搬送路50dが接続されている。排紙搬送路50bは、主搬送路50aから出力されたシート材を排紙部(図示せず)へと導く搬送路である。印刷処理が全て終了したシート材は、この排紙搬送路50bへと出力される。
反転搬送路50cは、主搬送路50aから出力されたシート材を、表裏反転したうえで、再送搬送路50eに導く搬送路である。この反転搬送路50cには、主搬送路50aから出力されたシート材のうち、両面印刷が必要なシート材であって片面への印刷処理のみが終了したシート材が搬送される。
循環搬送路50dは、主搬送路50aから出力されたシート材を、表裏反転することなく、再送搬送路50eに導く搬送路である。この循環搬送路50dは、一つのシート材の同一面に印刷処理を複数回実行する場合、例えば、一つのシート材の同一面に異なる色の像を複数回印刷して像を重ねることで多色印刷を実現する場合などに利用される。
再送搬送路50eは、反転搬送路50cまたは循環搬送路50dから出力されたシート材、換言すれば、主搬送路50a(ひいては像転写位置Paおよび像定着位置Pb)を1回以上通過したシート材を、再度、主搬送路50aに導く搬送路である。この再送搬送路50eは、両面印刷や一つのシート材の同一面に印刷処理を複数回実行する場合に利用されており、その下流端は、主搬送路50aのうち像転写位置Paよりも上流側位置に接続されている。そして、この再送搬送路50eを経由して主搬送路50aに再送されたシート材には、印刷処理が再度、施されることになる。
搬送ローラ52は、搬送路50に沿って複数配設されており、上流側から送られたシート材を挟持しつつ回転することで下流側に送り出す。この搬送ローラ52は、制御部14により駆動制御される。また、切替器は、主搬送路50aの下流端に設けられており、当該主搬送路50aから出力されたシート材の搬送先を、排紙搬送路50b、反転搬送路50c、循環搬送路50dのいずれか一つに切り替える。この切替器の駆動も、制御部14により制御される。
なお、ここで例示した印刷ユニット12の構成は一例であり、一つのシート材に対して印刷処理を複数回実行し得るものであれば、他の構成であってもよい。例えば、複数の転写機構30および定着機構32と、当該複数の転写機構30および定着機構32を通過するべくシート材を搬送する搬送機構34と、で印刷ユニット12を構成してもよい。この場合、シート材を上流側に差し戻すような搬送路は不要となる。
本実施形態の印刷ユニット12には、複数種類の検知機構16,18,20,22が組み込まれている。具体的には、印刷ユニット12には、シート材の搬送方向長さ(以下「シート長」という)を検知するシート長検知機構16や、シート材が規定の開始基準位置Scに到達したか否かを検知する開始検知機構20、シート材の斜行量を検知する斜行検知機構18、シート材のゆがみ量を検知するゆがみ検知機構22(図1では図示せず)などが組み込まれている。
シート長検知機構16は、一つのシート材に対して複数回、印刷処理を施す場合において、N回目の印刷処理が終了してからN+1回目の印刷処理を開始するまでの間に、印刷対象であるシート材のシート長を検知する。制御部14は、このシート長検知機構16で検知されたシート長に応じて、N+1回目の印刷処理で用いる像データを補正する。すなわち、N回目の印刷処理においては、像定着のためにシート材が加圧・加熱される。この加熱時にシート材から水分が蒸発することによりシート材が縮小する。さらに、縮小後、時間がたつにつれ吸湿によりシート材は伸長する(縮小前の状態に近づく)。つまり、N回目の印刷処理が終了してからN+1回目の印刷処理を開始するまでの間に、シート材は伸縮することになる。ユーザから指示された印刷画像を正確に印刷するためには、このシート材の伸縮率に応じて、N+1回目の印刷処理において形成されるトナー像の基準となる像データも補正(像サイズを収縮)する必要がある。そこで、本実施形態では、シート長検知機構16によりシート長を検知し、シート材の収縮率を求めるようにしている。
より具体的に、このシート長検知機構16の構成を説明すると、本実施形態のシート長検知機構16は、前端センサ60および後端センサ62を備えている。前端センサ60は、転写機構30より上流側に設定された前端検知位置Sbに、シート材の前端が到達したか否かを検知するセンサである。また、後端センサ62は、前端検知位置Sbより上流側に設定された後端検知位置Saに、シート材の後端が到達したか否かを検知するセンサである。こうした前端センサ60および後端センサ62は、センサ設置位置におけるシート材の有無を検知するシートセンサ、例えば、シート材への接触の有無を検知する接触センサや、発光器から照射された光の受光器での受光が搬送されてきたシート材により妨げられたか否かによりシート材の有無を検知する光センサなどで構成される。
制御部14は、この前端センサ60によるシート材の前端到達の検知タイミング、および、後端センサ62によるシート材の後端到達の検知タイミングに基づいて、搬送されてきたシート材のシート長を取得する。なお、本実施形態では、前端センサ60と後端センサ62という二つのシートセンサでシート長検知機構16を構成しているが、単一のシートセンサ、例えば、後端センサ62のみでシート長検知機構16を構成してもよい。また、本実施形態では、検知シート長と、次の印刷処理開始時における実シート長との誤差を最小とするために、後端センサ62を特殊な位置に設置しているが、これについては、後に詳説する。
開始検知機構20は、シート材の前端が規定の開始基準位置Scに到達したか否かを検知する機構である。ここで、開始基準位置Scとは、印刷処理の開始、すなわち、露光処理(静電潜像形成処理)の開始時におけるシート材の前端位置である。シート材の前端が、この開始基準位置Scにある状態から、シート材の搬送および印刷処理を同時に開始すると、シート材への像転写が適切なタイミングで行われる。換言すれば、この開始基準位置Scは、当該開始基準から像転写位置Paまでのシート材の搬送時間が、露光処理を開始してからトナー像が形成され、さらに、このトナー像が像転写位置Paに到達するまでの時間に、ほぼ等しくなるように調整されている。本実施形態では、開始基準位置Scに設置されたシートセンサで開始検知機構20を構成している。
斜行検知機構18は、シート材の傾斜量(搬送路50面内でのシート材の回転量)である斜行量を検知する機構である。本実施形態では、図2(a)に図示するように、搬送路50幅方向に配設された複数(図示例では二つ)のシートセンサ18a,18bで、この斜行検知機構18を構成している。この幅方向に配設されたシートセンサ18a,18bは、シート材の前端の到達を検知する。制御部14は、この複数のシートセンサ18a,18b間での前端検知タイミングの差に基づいてシート材の斜行量を取得する。そして、得られた斜行量に応じて、次回の印刷処理で用いられる像データを補正(像を回転)する。
ゆがみ検知機構22は、シート材のゆがみ量を検知する機構である。すなわち、既述した通り、定着処理を経たシート材は、定着処理時にうけ加熱と、その後の吸湿により伸縮する。この伸縮量は、実際には、シート材の場所によって異なり、本来、長方形または正方形であるシート材が略台形にゆがむ。特に、定着処理時においては、シート材が像定着位置Pbを通過するにつれ、定着ローラ46の熱がシート材に奪われてしまい、シート材後端に近づくほど、シート材に付加される熱量が小さくなる。その結果、シート材は、後端に近づくほど幅広となる台形にゆがみやすい。
本実施形態では、このゆがみ量を検知するゆがみ検知機構22を、搬送されてきたシート材の搬送路50幅方向長さ(以下「シート幅」という)を検知する幅センサ64で構成している。幅センサ64の構成としては、種々考えられるが、例えば、図2(a)に図示するように、複数のシートセンサを搬送路幅方向に並べたラインセンサ64aを幅センサとして用いてもよい。また図2(b)に図示するように、バネ65により付勢されるとともに搬送されてきたシート材の幅方向端部に接触して回転する回転棒66と、当該回転棒66の他端の変位量を検知する距離センサ67と、で構成される接触式センサ64bを幅センサとしても用いてもよい。ゆがみ検知機構22として機能する幅センサは、搬送されてくるシート材の二か所以上(例えば、前端と後端)におけるシート幅を検知する。制御部14は、検知された各箇所ごとのシート幅に基づいてシート材のゆがみ量を取得するともに、当該取得したゆがみ量に応じて、次回の印刷処理で用いられる像データを補正する(像の形状を変形させる)。なお、本実施形態では、このゆがみ検知機構22である幅センサを、後端基準位置に設置している。
制御部14は、当該画像形成装置10の各部の駆動をする。より具体的には制御部14は、ユーザからの指示や印刷の進行状況に応じて、転写機構30や定着機構32、搬送機構34の駆動を制御する。また、制御部14は、各印刷処理の開始(すなわち、露光器42による露光開始)に先立って、当該印刷処理の開始に必要な前処理も実行する。前処理は、印刷処理で用いられる像データの算出処理や、当該算出された像データを露光器42に送信する送信処理など、印刷処理の開始に必要な処理が全て含まれる。したがって、この前処理が終了するまで印刷処理の開始は禁止され、前処理が完了した時点で印刷処理の開始が許容されることになる(ただし、前処理が終了したとしても、シート材の前端が開始基準位置Scに到達していなければ印刷処理の開始は禁止される)。
一つのシート材に対する印刷処理が一回目の場合、印刷処理で用いられる像データは、ユーザから指定された印刷画像に基づいて算出される。また、一つのシート材に対する印刷処理が二回目以降となる場合、像データは、印刷画像に基づいて算出された像データを、検知されたシート長や斜行量、ゆがみ量などに基づいて補正することで算出される。換言すれば、二回目以降の前処理には、像データを補正する補正処理が含まれることになる。以下では、シート長検知完了してから、この前処理が終了するまでの時間を「前処理時間」と呼ぶ。本実施形態では、この前処理時間を、印刷画像データの内容やシート材サイズなどに関わらず、ほぼ一定とみなしている。
次に、この画像形成装置10における各センサの設置位置について詳説する。はじめにシート長検知機構16を構成する後端センサ62の設置位置(シート材の検知位置)について詳説する。本実施形態では、後端センサ62をM≦L1≦M+Dの条件を満たす位置に設置している。ここで、L1は後端センサ62の設置位置から開始基準位置Scまでの距離(以下「第一距離」という)であり、Mは予め規定された基準シート材のシート長(以下「基準シート長」という)であり、Dは前処理時間内にシート材が搬送される距離(以下「前処理距離」という)である。なお、基準シート材とは、当該画像形成装置10で基準として用いられるサイズのシート材である。この基準シート材としては、当該画像形成装置10で最も多用されるサイズ(例えばA4など)のシート材、または、当該画像形成装置10で最も大サイズのシート材が用いられる。
後端センサ62をM≦L1≦M+Dの条件を満たす位置に設置するのは、次の理由による。既述したとおり、定着処理を経たシート材は、加熱や吸湿の影響で伸縮する。良好な画像印刷のためには、この伸縮量、ひいてはシート長を正確に検知し、次の印刷処理に用いる像データを補正することが必要となる。しかしながら、このシート材の伸縮は、定着処理終了後、時間の経過とともに進行する。したがって、過度に早いタイミング(例えば、定着処理終了直後など)でシート長を検知すると、当該検知後に生じる伸縮により、検知シート長と次の印刷処理開始時における実シート長との誤差が大きくなる。その結果、検知されたシート長に応じて像データを補正したとしても、像の位置ズレなどが生じることになる。こうした位置ズレを低減するためには、次の印刷処理の開始タイミングにできるだけ近いタイミングでシート長の検知を実行すればよい。より具体的には、検知シート長と次の印刷処理開始時における実シート長との誤差を低減し、ひいては、像の位置ズレを低減するためには、シート長検知を完了し、さらに、前処理が終了した時点で、シート材の前端が開始基準位置Scに到達していることが望まれる。
ただし、シート長検知タイミングを過度に次の印刷処理開始タイミングに近づける、ひいては、後端センサ62を開始基準位置Scに過度に近づけた場合(L1を過度に小さくした場合)、シート長検知が完了(シート材の後端が後端検知位置Saに到達)するまえに、シート材の前端が開始基準位置Scを超えてしまうことがある。この場合、次の印刷処理の開始タイミングを的確に制御できず、結果として、印刷処理を良好に行うことができない。
こうした問題を避けるために、本実施形態では、後端検知位置SaがM≦L1≦M+Dの条件を満たすように後端センサ62を設置している。すなわち、後端検知位置Saから開始基準位置Scまでの第一距離L1を、基準シート長M以上(M≦L1)とした場合、シート長検知が完了(シート材の後端が後端検知位置Saに到達)するまえにシート材の前端が開始基準位置Scを超えたりすることはない。また、後端検知位置Saから開始基準位置Scまでの第一距離L1を、基準シート長Mに前処理距離Dを加算した値以下(L1≦M+D)とすれば、前処理が終了した時点で、シート材の前端は、必ず、開始基準位置Scに到達することになり、シート長検知完了から次の印刷処理開始までの間に搬送のための無駄時間が生じることがない。つまり、M≦L1≦M+Dとすることで、次の印刷処理の開始タイミングが的確に制御されつつ、検知シート長と印刷処理開始時の実シート長との誤差が大幅に低減される。
以上のことについて具体例を挙げて、さらに詳説する。図3は、後端検知位置Saのバリエーションを示す図である。また、図4は、後端検知位置Saの違いによる印刷処理開始タイミングの違いを示すグラフである。このグラフにおいて、横軸は、シート材の前端が後端検知位置Saを通過してからの経過時間を、縦軸は、シート材の前端が後端検知位置Saを通過してからの移動距離を示している。また、一点鎖線はL1≦Mとなる後端検知位置Sa1の場合、二点鎖線はL1≧M+Dとなる後端検知位置Sa2の場合、実線はL1=M+Dとなる後端検知位置Sa3の場合、破線はL=Mとなる後端検知位置Sa4の場合を示している。
まず、シート材の搬送速度が等しい場合、時刻t0にシート材の前端が後端検知位置Saに到達してから、シート長検知が完了(シート材の後端が後端検知位置Saに到達)するまでの時間T1は、後端検知位置Sa1〜Sa4のいずれにおいても同じである。すなわち、後端検知位置Sa1〜Sa4のいずれにおいても、時刻t0から時間T1が経過した時刻t1にシート長の検知が完了する。このシート長検知完了時刻t1におけるシート材の前端位置に着目する。
図4を参照すると、L1<Mとなる後端検知位置Sa1の場合、シート長の検知が完了した時刻t1において、シート長の前端は、開始基準位置Scを超えてしまうことになる。この場合、次の印刷処理の開始タイミングを的確に制御することができず、ひいては、的確な印刷処理ができない。
また、L1>M+Dとなる後端検知位置Sa2の場合、シート長の検知が完了した時刻t1において、シート材の前端から開始基準位置Scまでの距離は、前処理時間内にシート材が搬送される前処理距離Dより大きい。そのため、前処理の実行と並行して、シート材を搬送したとしても、前処理時間T2が経過した時刻t2の時点で、シート材の前端は、開始基準位置Scに到達していない。この場合、シート材の前端が開始基準位置Scに到達するまで、次の印刷処理を開始できず、結果として、次の印刷処理の開始タイミングt3とシート長検知完了タイミングt1との時間差、ひいては、検知シート長と印刷開始時における実シート長との誤差量が大きくなる。
L1=M+Dとなる後端検知位置Sa3の場合、シート長の検知が完了した時刻t1において、シート材の前端から開始基準位置Scまでの距離は、前処理時間内にシート材が搬送される距離である前処理距離Dだけである。したがって、前処理の実行と並行して、シート材を搬送すれば、前処理時間T2が経過した時刻t2の時点で、シート材の前端が開始基準位置Scに到達することになる。したがって、後端検知位置Sa3の場合、前処理の終了と同時に、次の印刷処理の開始が許容される。また、次の印刷処理の開始タイミングt2とシート長検知完了タイミングt1との時間差を前処理時間T2に抑えることができるため、検知シート長と印刷開始時における実シート長との誤差量が効果的に低減される。
また、L1=Mとなる後端検知位置Sa4の場合、シート長の検知が完了した時刻t1において、シート材の前端は、すでに、開始基準位置Scに到達している。ただし、シート材の前端が、開始基準位置Scを超えているわけでないので、前処理時間T2の間、シート材の搬送を一時停止しておけば、前処理が終了した時刻t2の時点で、即座に、次の印刷処理を開始が許容される。そして、この場合でも、次の印刷処理の開始タイミングt2とシート長検知完了タイミングt1との時間差を前処理時間T2に抑えることができるため、検知されたシート長と印刷開始時における実シート長との誤差量が効果的に低減される。
以上の説明から明らかなとおり、本実施形態のようにM≦L1≦M+Dとなるように後端検知位置Saを設定することで、検知されたシート長と印刷開始時における実シート長との誤差量が効果的に低減される。
なお、前処理距離Dは、シート長の検知終了してから前処理が終了するまでの前処理時間T2に、シート材の搬送速度Vを乗じることで得ることができる(D=T2×V)。ただし、画像形成装置10によっては、シート材の搬送性や定着性の観点から、シート材の種類(例えば厚みや繊維の細かさなど)に応じて、搬送速度を変更する場合がある。かかる画像形成装置10の場合、前処理距離Dの算出基準となる搬送速度として、当該画像形成装置10で選択可能な搬送速度のうち最も遅い搬送速度を用いることが望ましい。最も遅い搬送速度を基準として前処理距離Dを算出することにより、前処理距離Dが小さくなり、時間的ロスが低減される。
ところで、上述したように、シート長検知終了と同時に前処理、ひいては、像データの補正処理を開始するためには、シート長検知終了前に、像補正に必要な他のパラメータ、例えば、斜行量等が検知されていることが必要となる。そこで、本実施形態では、シート長検知機構16の後端検知位置Saから斜行検知機構18を構成するシートセンサ18a,18bまでの距離L2(以下「第二距離」という)が、基準シート長M以下となるように斜行検知機構18を構成するシートセンサ18a,18bの設置位置を調整している。L2≦Mとなる位置に、斜行検知のためのシートセンサ18a,18bを設けることにより、シート長の検知が完了する前に、シート材の斜行量検知が終了することになる。そして、その結果、シート長検知終了と同時に前処理、ひいては、像データの補正処理の開始が許容される。
また、斜行量が検知された後、シート材がさらに斜行すると、補正処理に用いる斜行量と印刷処理時におけるシート材の斜行量との誤差が増加してしまい、ひいては、像の位置ズレなどを招く。そこで、本実施形態では、斜行検知のためのシートセンサ18a,18bを、トナー像がシート材に転写される像転写位置Paより上流側、かつ、複数の搬送ローラ52のうち前記像転写位置Paの最も直前に配置される直前搬送ローラ52kより下流側に設置している。換言すれば、斜行検知のためのシートセンサ18a,18bと像転写位置Paまでの間に搬送ローラ52が存在しないようにしている。かかる構成とすることで、斜行量検知された後のシート材の前端が、搬送ローラ52のニップに当接することがなく、当該ニップ当接に起因する斜行が防止される。そして、結果として、検知斜行量と印刷処理時における実斜行量との誤差、ひいては、像の位置ズレが効果的に低減される。
以上の説明から明らかなとおり、本実施形態では、像補正処理に必要な各種パラメータを検知する各種センサを特殊な位置に設定することにより、当該各種パラメータの検出値と、印刷処理開始時における実際の値との誤差が効果的に低減され、ひいては、像の位置ズレ等が効果的に低減される。
なお、これまで説明した構成は、一例であり、後端センサ62がM≦L1≦M+Dの条件を満たす位置に設置されるのであれば、他の構成は変更されてもよい。例えば、本実施形態では、シート長に加えて、ゆがみ量や斜行量も検知しているが、これらの値検知は省略されてもよい。
10 画像形成装置、12 印刷ユニット、14 制御部、16 シート長検知機構、18 斜行検知機構、20 開始検知機構、22 ゆがみ検知機構、30 転写機構、32 定着機構、34 搬送機構、46 定着ローラ、48 ヒータ、50 搬送路、52 搬送ローラ、60 前端センサ、62 後端センサ、64 幅センサ。
Claims (6)
- シート材を搬送するとともに、前記シート材に転写すべきトナー像の生成と当該トナー像のシート材への転写と転写されたトナー像のシート材への転写とを順次行う印刷処理を一つのシート材に対して複数回実行する印刷ユニットと、
一つのシート材に対する前回の印刷処理を終了してから次の印刷処理開始までの間に、搬送されてきたシート材の前端および後端の基準位置への到達を検知することで、当該シート材の搬送方向長さであるシート長を検知するシート長検知手段と、
前記シート長検知手段によりシート長が検知された場合に、少なくとも前記検知されたシート長に応じて前記次の印刷処理で用いる像データの補正演算を含むとともに前記次の印刷処理に必要な処理を前処理として実行する前処理手段と、
を備え、
前記シート長検知手段による後端到達の検知位置から前記印刷処理の開始時におけるシート材の前端位置である開始基準位置までの距離を第一距離L1、予め規定された基準シート材のシート長を基準シート長M、シート長の検知完了から前記前処理が終了するまでの時間である前処理時間にシート材が搬送される距離を前処理距離Dとした場合に、前記シート長検知手段は、M≦L1≦M+Dの条件を満たす位置に設置される、
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1に記載の画像形成装置であって、
前記印刷ユニットが、シート材の種類によってシート材の搬送速度を変更する場合、
前記前処理距離Dは、前記印刷ユニットが選択し得る搬送速度のうち最も遅い搬送速度に基づいて算出された値である、
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1または2に記載の画像形成装置であって、さらに、
シート材のゆがみ量を検知するゆがみ検知手段を備え、
前記前処理手段は、前記検知されたシート長および前記ゆがみ検知手段で検知されたゆがみ量に応じて、前記次の印刷処理で用いられる像データを補正する、
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の画像形成装置であって、さらに、
搬送路上の複数箇所においてシート材の前端の到達を検知することで、当該シート材の傾き量である斜行量を検知する斜行検知手段を備えており、
前記前処理手段は、前記検知されたシート長および前記斜行検知手段で検知された斜行量に応じて、前記次の印刷処理で用いられる像データを補正する、
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項4に記載の画像形成装置であって、
前記斜行検知手段は、前記シート長検知手段での後端検知位置から、前記斜行検知手段での前端到達の検知位置までの距離である第二距離L2が、基準シート長M以下となる位置に配置される、ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項5に記載の画像形成装置であって、
前記印刷ユニットは、シート材を挟持しつつ回転することで、下流側に送り出す複数の搬送ローラを備えており、
前記斜行検知手段による検知位置は、トナー像がシート材に転写される像転写位置より上流側、かつ、前記複数の搬送ローラのうち前記像転写位置の最も直前に配置される直前搬送ローラより下流側である、
ことを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009212147A JP2011059601A (ja) | 2009-09-14 | 2009-09-14 | 画像形成装置 |
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JP2011059601A true JP2011059601A (ja) | 2011-03-24 |
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ID=43947253
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014101219A (ja) * | 2012-11-22 | 2014-06-05 | Ricoh Co Ltd | シート搬送装置及び画像形成装置 |
-
2009
- 2009-09-14 JP JP2009212147A patent/JP2011059601A/ja active Pending
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