JP2011056710A - 圧胴用ジャケットとその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧胴への巻装作業を正確に、しかも容易かつ迅速に行え、インキ汚れ防止効果も高い圧胴用ジャケットとのその製造方法を提供する。
【解決手段】可撓性を有する樹脂製シート基材の表面に凹凸面を有するインキ汚れ防止手段を設けて、全体としても可撓性を有するインキ汚れ防止シートを形成し、このインキ汚れ防止シートの裏面に可撓性のある金属薄板を設けて二層構造に構成した。
【選択図】図1

Description

本発明は、オフセット枚葉両面印刷機の圧胴に被覆されてインキ汚れを防止する圧胴用ジャケットとその製造方法に関する。
一般的にオフセット印刷機の圧胴は、金属シリンダ表面をクロムメッキにより表面仕上げしたものが使用されている。オフセット印刷では、図6に示すように、インキは版胴1からゴム胴2に転写された後、ゴム胴2と圧胴3との間に送り込まれた被印刷体4の片面上へと圧着転移し、インキ像5を形成する。次いで、被印刷体4の反対の面上に印刷する場合(両面印刷)、被印刷体4を次工程において、図7に示すように、反転させた状態で上述したと同様の構成のゴム胴2と圧胴3との間に送り込んで反対面に印刷する。このとき、最初に印刷されたインキ像5が圧胴3上に転写インキ像6として転写され、続いて送られてくる被印刷体4の片面にこの転写インキ像6が再度転写される結果、印刷面が汚れるという問題が発生していた。このような両面印刷を繰り返すと、印刷面の汚れはひどくなり、印刷ムラが発生したり、裏写りすることになった。
そこで、圧胴3に被覆するジャケットとして、特開平8−12151号公報(特許文献1)に記載のものが開発された。これは、圧胴3の全周面にわたり着脱可能に巻装される被覆体(ジャケット)であり、脱脂並びにブラスト処理された金属製板材、例えば、アルミ板(合金を含む)、ステンレス鋼板であって0.1〜0.5mm厚のものを使用し、この板材上に多孔質のセラミック溶射層とこの溶射層の表面上及び孔内部に形成されたシリコーン系樹脂層とを形成し、表面粗度Rmax20〜40μmの滑らかな凹凸を形成し、表面にインキが付着しにくくし、インキ汚れを防止するというものである。
特開平8−12151号公報
特許文献1に記載のジャケットは、仮に金属製板材を0.1mm厚のアルミ板で形成した場合、アルミ箔を厚くした程度のものとなり、この表面に平均膜厚30〜200μmのセラミック溶射層を形成しようとするとき、0.1mmすなわち100μm厚のアルミ板に100μmを超える膜厚の溶射層は形成することができず、少なくとも0.25mmを超える厚さがないとプラズマ溶射、アーク溶射、ガス溶射により平均膜厚が30〜80μmのセラミック溶射層を形成するのが困難であると思われる。このことは、アルミ板に限らずステンレス鋼板でも同様である。0.1mm(100μm)の厚さの金属板にプラズマ溶射により平均厚膜が30〜80μmの溶射層を形成できたとしても、この金属板を圧胴に巻装するときに金属板が凹んだり、歪んだり、湾曲してその裏面が圧胴にぴったりと圧着されないおそれがあった。また、金属板の厚さが厚く、高硬度、高剛性であると、圧胴への巻装作業の負担が大きく、かつ印刷機を長時間停止させる作業となっていた。特に、圧胴の直径が180mm程度の小さい径のものでは、金属板が厚く、撓みも少ないと、巻装作業は困難性を増し、無理に巻き付けようとすると損傷するおそれもあった。
そこで、本発明は、インキ汚れを防止し、圧胴への巻装作業を容易かつ正確に行え、汚れ防止機能が長期間にわたって発揮できる圧胴用ジャケットとその製造方法を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明の圧胴用ジャケットは、可撓性を有する樹脂製シート基材の表面に凹凸面を有するインキ汚れ防止手段を設けて、全体としても可撓性を有するインキ汚れ防止シートを形成し、このインキ汚れ防止シートの裏面に可撓性のある金属薄板を設けて二層構造に構成したものである。
また、本発明の圧胴用ジャケットの製造方法は、可撓性を有する樹脂製シート基材の表面上に凹凸面を有するインキ汚れ防止手段を設けて、全体としても可撓性を有するインキ汚れ防止シートを形成し、このインキ汚れ防止シートをロール状に巻き取り、このインキ汚れ防止シートを引き出しながらその裏面に金属薄板を重ね合わせ、両者の重合面に接着剤を介在させて圧着し、圧着された二層構造のものを所定の大きさに切断するようにしたものである。
本発明は、可撓性を有する樹脂製シート基材の表面に凹凸面を有するインキ汚れ防止手段を設けて、全体としても可撓性を有するインキ汚れ防止シートを形成し、このインキ汚れ防止シートの裏面に可撓性のある金属薄板を設けて二層構造に構成したので、金属薄板に溶射層と樹脂層とを形成しただけのものに比べて、薄すぎて凹んだり、折れたりすることもなく(二層構造であるため)、かつ金属薄板を厚くしなくても、インキ汚れ防止シートの存在により、保型性がよく、しかも全体として可撓性も十分にあるために圧胴への巻装作業も容易である。また、インキ汚れ防止シートの伸びを金属薄板が抑制し、金属薄板の薄さ故の欠点もインキ汚れ防止シートがカバーするので、圧胴への追従性が向上して正確に巻装することができ、作業負担も軽くなる。
本発明のジャケット製造方法によれば、可撓性を有する樹脂製シート基材の表面上に凹凸面を有するインキ汚れ防止手段を設けて、全体としても可撓性を有するインキ汚れ防止シートを形成し、このインキ汚れ防止シートをロール状に巻き取り、このインキ汚れ防止シートを引き出しながらその裏面に金属薄板を重ね合わせ、両者の重合面に接着剤を介在させて圧着し、圧着された二層構造のものを所定の大きさに切断するようにしたので、予め製造されたインキ汚れ防止シートを巻き取って保管しておけるので、インキ汚れ防止シートのみを大量生産してコストダウンを図ることができ、需要に応じてロール状のものを所定の長さ分引き出して金属薄板と重ね合わせて圧着し、所望の大きさに切断するだけで製造できる。また、圧着時に圧着ロールの間隙を一定に制御することで厚み精度の良いものを製造できる。片面4色、裏面4色といったフルカラーの印刷機の各圧胴間の胴径差がなく、あるいは倍胴と呼ばれる圧胴外周に2つのジャケットを取付けるタイプでも2つのジャケットの厚みが一定に保持され、均一な印刷ができる。また、1つのジャケットが破損した場合、新しいジャケットを取付けても残ったジャケットとの均一性があるので、印刷ムラを生じない。
本発明の実施形態を示す部分的拡大断面図。 インキ汚れ防止シートの拡大断面図。 製造方法を示す説明図。 圧胴への取付状態の側面図。 他の実施形態を示す拡大断面図。 従来の圧胴箇所での印刷状態を示す図。 従来の欠点を説明する図。
以下に、本発明の好適な実施形態について、図面を参照にして説明する。
図1は、圧胴3に巻装した状態の本発明に係るジャケットの部分的拡大断面を示し、可撓性のある厚さ0.10〜0.30mmの金属薄板7と可撓性のあるインキ汚れ防止シート8との二層構造から成るジャケットを示すものである。前記インキ汚れ防止シート8は、可撓性を有する樹脂製シート基材81の表面にインキ汚れ防止手段を設けたものであり、このインキ汚れ防止手段の一例として、シート基材81上に接着層82を設け、この接着層82に多数の小球83を部分的に埋設し、これら小球83の露出する凸部上に低表面エネルギー性樹脂で樹脂硬化層85を形成し、この表面層(樹脂硬化層85)は凹凸面(表面粗度Rmax20〜70μm程度)を有している。
図2は、インキ汚れ防止シート8の詳細を示し、前記シート基材81としては、樹脂性のフィルム、好ましくはポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、あるいは樹脂製の繊維織物等が好適に使用できる。これらの材料以外にも表面平滑性があり可撓性を有するものであれば使用可能である。このうち上述のポリエステルのフィルムは、機械的、電気的、化学的、熱的等のあらゆる点において優れた性質を有し、かつ、品質安定性及び平滑性に優れているので、シート基材81として好ましい。また、繊維織物の場合にはポリエステル平織りが好ましい。
前記接着層82を形成する接着剤としては、洗浄油(高沸点石油系溶剤)に耐えるポリオレフィン系やポリエステル系のもの、例えば、ポリエチレン等が使用できる。また、この接着層82には、着色顔料を混入して着色することも可能である。
この接着層82に部分的に埋設される小球83としては、ガラスビーズやプラスチック製小球あるいはセラミック製小球であってもよい。なおこの小球83に用いるプラスチックとしては、例えばアクリルビーズ等が好ましい。また、セラミックスを使用する場合には、例えば酸化アルミニウム等の材料からなるものを使用することができる。好適には、チタン酸バリウム系ソーダガラスを用いた小球83であった。なお、この小球83の大きさの範囲としては、直径30μm〜200μm程度が好適である。これは、30μm未満となると点接触機構としての機能が劣り、200μmを超えると印刷物を傷つけるおそれがあるからである。印刷物の種類や印刷スピード、印刷物の厚み、つやニス引き等に応じて小球83の大きさが30μm〜200μmの範囲内から適宜選択される。
なお、小球83上に薄膜層84を被覆し、この薄膜層84上に樹脂硬化層85が形成される。この薄膜層84は、ウレタン樹脂接着剤組成物から成り、プライマー層となる。このプライマー層は、ポリオール化合物とジオール化合物(鎖伸長剤)とから得られたウレタン樹脂とポリイソシアネート架橋剤化合物とから成る接着剤組成物から得られたものである。この層の厚さは、1〜10μm程度とする。また、樹脂硬化層85は、ポリウレタン・シリコーン共重合体を小球83の薄膜層84上にコーティングした層である。樹脂硬化層85としては、フッ素樹脂も使用できる。
前記シート基材81上には接着層82をナイフコーティング等の手段によりコーティングしておく。この接着層82と小球83が埋設された剥離部材とを貼り合せたものを加熱及び加圧し、剥離部材の紙に湿気を与えて紙力を復活させ、剥離部材が小球83を接着層82内へ埋設させた状態を残して剥離されることにより、小球83の露出する上端面が揃ったものが製造できる。別の製造方法として、シート基材81上に接着層82をTダイ押出コーターによりコーティングしておき、この接着層82に小球83を均一に散布し、接着層82を加熱することでこの層82の樹脂が軟化し、小球83の直径の5〜40%程度を埋設させ、冷却後に小球83が固着される。
このように小球83が表面に凸部として露出するものを製造したならば、これら小球83の露出する凸部上にこの凸部の形状が表面に残存するように樹脂硬化層85を被覆する。
前記樹脂硬化層85としては、(1)小球83上に均一に被覆することが可能なものであって、(2)耐磨耗性及び離型性を有し、(3)印刷紙への移行のない科学的に安定で、(4)洗浄油に対する耐久性(耐油性)を有するものであればよいが、これらの条件を満たす物質としてポリウレタン・シリコーン共重合体が適し、この樹脂硬化層85の厚さは5μm程度とした。
プライマー層としての薄膜層84を構成するウレタン樹脂接着剤組成物は、ガラスビーズとの接着強度を向上させる目的で、シランカップリング剤又はシリコーンイソシアネート化合物を併用することができる。例えば、2液性のエポキシ樹脂、例えばエピコート828(シエル社製)とポリアミド系硬化剤(ジエチレントリアミン)や末端ヒドロキシル基、アミノ基を有するアクリル系プレポリマーとポリイソシアネート硬化剤、ビニライトVAGA(ユニオンカーバイト社製)のようなOH基ヒドロキシル基を含有するビニル重合体とポリイソシアネート硬化剤、ポリエステルとイソシアネート硬化剤からなる2液性ポリマー及びシランカップリング剤が使用できる。このプライマー層は小球83上に微量で、かつ、均一に被覆し、小球83と樹脂硬化層85とを強固に接着させることができるが、材質がプラスチックやガラスビーズの小球83では、樹脂硬化層85との間のプライマー層として2液性ウレタン樹脂が好ましい。2液性ウレタンのイソシアネート架橋により、小球83と樹脂硬化層85との接着力を高めるとともに耐油性を高めることができる。
前記金属薄板7としては、アルミニウム、アルミの合金、ステンレス鋼、錫メッキ鋼板、亜鉛メッキ鋼板、ニッケルメッキ鋼板、SS材、ティンフリー鋼板が好適に使用でき、その厚みは0.10〜0.30mmの範囲内とした。そして、金属薄板7とインキ汚れ防止シート8とを重合させた二層構造のものの総厚みは、0.25〜0.50mmの範囲内とした。
図3は、圧胴用ジャケットの製造方法を説明する図であり、可撓性を有する樹脂製シート基材81上に接着層82を設け、この接着層82に多数の小球83を部分的に埋設し、これらの小球の露出する凸部上に低表面エネルギー樹脂、例えば、シリコーン樹脂、フッ素樹脂を被覆して樹脂硬化層85を形成し、表面に表面粗度Rmax20〜70μmの凹凸面を形成したインキ汚れ防止シート8をロール状に巻き取ったロール状物80を予め製造しておく。同じく金属薄板7をロール状に巻き取ったロール状物70も用意し、2つのロール状物70、80からインキ汚れ防止シート8と金属薄板7とを引き出し、インキ汚れ防止シートの裏面に金属薄板7が重ね合わさるように移送され、両者の重合面に接着剤9を介在させ、圧着ロール10の箇所で両者を圧着して二層構造のものを製作し、この二層構造のものを所定の大きさにカッタ11で切断して圧胴用ジャケットを製造する。カッタ11による切断箇所は、圧胴の直径などに応じて適宜変更される。なお、金属薄板7は、その厚みによってロール状物70にしておくことが不適当である場合もあるので、予め製造し、ロール状に保管しておいたインキ汚れ防止シートに重ね合わせる段階で所定の大きさにカットされた金属薄板7を用意しても良い。前記接着剤9としては、飽和ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、変成エポキシ樹脂などが使用される。
図4は、圧胴3に形成された溝にジャケットの両端を折り曲げて挿入、係合させ、圧胴3の外周面に密着させて巻装した状態を示すものである。ジャケット装着時の引きトルク、すなわち、ジャケットの一端側を圧胴3の溝に挿入、係合させてからジャケットを引っ張って巻装する力は、100Nで圧胴3の外周面に沿って正確に巻きつけることができた。このとき使用したジャケットは、ポリエチレンテレフタレート(PET)のフィルムをシート基材81として、小球83としてガラスビーズを用い、硬化樹脂層85としてシリコーン樹脂を用いた凹凸面の表面粗度Rmax30μmのインキ汚れ防止シート8に、厚さ0.1mmの亜鉛メッキ鋼板(金属薄板7)を貼り合せ、総厚み0.3mmとしたものを圧胴(三菱重工業株式会社製 DAIYATP2色機(直径580mm)へ装着したときの巻装作業の結果である。また、ジャケット装着後の印刷試験でも、表裏の見当性、汚れ、傷のトラブルもなく、印刷品質は表裏同一であった。また、1000万枚の印刷テストにおいても、印刷品質に変化(劣化)はみられなかった。
図5に示す実施形態のジャケットは、シランカップリング剤で無機材料から成る小球83の表面処理を行って、小球83の全表面に薄膜層86を形成し、樹脂硬化層85としては、ポリウレタン・シリコーン共重合体樹脂を使用して形成した。この実施形態は、シランカップリング剤の薄膜層86とポリウレタン・シリコーン共重合体との接着が強固なものとなり、樹脂硬化層85の形成時に小球83間の谷間に樹脂が流れ込んで谷間を浅くすることもなかった。また、接着層82と小球83との接着も、シランカップリング剤により、一層強固なものとなる。小球83間の谷間が深いことにより、小球83の先端部分でしかインキ汚れが生じにくくなり、付着インキの洗浄作業の間隔を長くすることができ、メンテナンスの時間を短縮することもできる。洗浄回数の減少と小球83の接着層82と樹脂硬化層85とに対する接着強度が向上したことにより、耐久性も飛躍的に向上した。
前記シランカップリング剤としては、次のような組成を有するアミノ系シランカップリング剤を用いた。
Figure 2011056710
このアミノ系シランカップリング剤150gを希釈溶剤のエタノール1.5kgで希釈したものに小球83(ガラスビーズ)500kgを混合し、これらを常温で50分間攪拌し続け、その後、100℃で10分間放置してエタノール成分を蒸発させた。エタノール蒸発後、小球83に厚さ5nm(50Å)のカップリング剤による薄膜層86が形成された。
上述したシランカップリング剤は、本来なじみにくい無機成分と有機成分とをくっつける仲立ちをすることができるものであることは良く知られている。シランカップリング剤は、無機物と相性のいい加水分解基(例:アルコキシ基)を片方の手に持ち、もう片方の手に有機成分と反応しやすい有機官能基を持つ。そして、加水分解基によってガラスや金属などと反応し、各種の有機官能基によって有機成分と結びつくものである。本発明の場合、無機物として小球83(ガラスなど)、有機樹脂としてポリウレタン・シリコーン共重合体(樹脂硬化層85)があり、これらの仲立ちがシランカップリング剤(薄膜層86)である。
シランカップリング剤として、アミノ系のものが最も接着強度に優れていたが、エポキシ系、アクリル系、ビニル系、メルカプト系のものもアミノ系よりも接着強度は劣ったが、使用可能である。特許第3005620号の公報に開示されたシートと、アミノ系シランカップリング剤とチタン酸バリウム系ソーダガラスの小球83を用いた本発明シートとを、トルエン溶剤による浸漬試験(48時間)を行った結果、本発明シートの優位性が判明した。
図5に示すシート汚れ防止シート8は、小球83表面に0.5nmの薄膜層86を、その上に厚さ4.995μmの樹脂硬化層85を形成(合計の厚みを従来と同じ5μm)したものである。最外層の厚みは、従来に比べて約2.5倍となり、樹脂硬化層85が厚くなったことと、小球83の凸部形状が、先の薄膜層84をコーティングしたものに比べてシャープになったことによる相乗効果で、耐久性が向上し、インキ除去作業の回数が減り、小球83の脱落も少なくなり製品寿命が長くなり、使用経時変化による伸びが少なくなり、折り曲げ強度も向上(フレキシブルになる)し、耐熱温度も上がるという効果がみられた。
3 圧胴
7 金属薄板
8 インキ汚れ防止シート
81 シート基材
82 接着層
83 小球
84 薄膜層
85 樹脂硬化層
9 接着剤
10 圧着ロール
11 カッタ

Claims (16)

  1. 可撓性を有する樹脂製シート基材の表面に凹凸面を有するインキ汚れ防止手段を設けて、全体としても可撓性を有するインキ汚れ防止シートを形成し、
    このインキ汚れ防止シートの裏面に可撓性のある金属薄板を設けて二層構造に構成したことを特徴とする圧胴用ジャケット。
  2. 前記インキ汚れ防止手段として、シート基材上に接着層を設け、この接着層に多数の小球を部分的に埋設し、これら小球の露出する凸部上に低表面エネルギー性樹脂を被覆して樹脂硬化層を形成したものを用いたことを特徴とする請求項1に記載の圧胴用ジャケット。
  3. 前記インキ汚れ防止シートの表面の凹凸面の表面粗度をRmax20〜70μmとしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の圧胴用ジャケット。
  4. 前記金属薄板としてアルミニウム又はその合金、ステンレス鋼、錫メッキ鋼板、亜鉛メッキ鋼板、ニッケルメッキ鋼板、SS材、ティンフリー鋼板のいずれかを使用したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の圧胴用ジャケット。
  5. 前記金属薄板の厚さを0.10〜0.30mmとしたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の圧胴用ジャケット。
  6. 前記金属薄板とインキ汚れ防止シートとの二層構造の全体の厚さを0.25〜0.50mmとしたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の圧胴用ジャケット。
  7. 前記低表面エネルギー性樹脂としては、シリコーン樹脂又はフッ素樹脂を使用したことを特徴とする請求項2ないし6のいずれか1項に記載の圧胴用ジャケット。
  8. 前記小球と樹脂硬化層との間に小球をシランカップリング剤で表面処理して形成された薄膜層を形成したことを特徴とする請求項2ないし7のいずれか1項に記載の圧胴用ジャケット。
  9. 可撓性を有する樹脂製シート基材の表面に凹凸面を有するインキ汚れ防止手段を設け、全体としても可撓性のあるインキ汚れ防止シートを形成し、このインキ汚れ防止シートをロール状に巻き取り、
    このインキ汚れ防止シートを引き出しながらその裏面に金属薄板を重ね合わせ、
    両者の重合面に接着剤を介在させて圧着し、圧着された二層構造のものを所定の大きさに切断するようにしたことを特徴とする圧胴用ジャケットの製造方法。
  10. 前記インキ汚れ防止シートは、可撓性を有する樹脂製シート基材上に接着層を設け、この接着層に多数の小球を部分的に埋設し、これら小球の露出する凸部上に低表面エネルギー性樹脂を被覆して樹脂硬化層を形成したものであることを特徴とする請求項9に記載の圧胴用ジャケットの製造方法。
  11. 前記インキ汚れ防止シートの表面の凹凸面の表面粗度をRmax20〜70μmとしたことを特徴とする請求項9又は10に記載の圧胴用ジャケットの製造方法。
  12. 前記金属薄板としてアルミニウム又はその合金、ステンレス鋼、錫メッキ鋼板、亜鉛メッキ鋼板、ニッケルメッキ鋼板、SS材、ティンフリー鋼板のいずれかを使用したことを特徴とする請求項9ないし11のいずれか1項に記載の圧胴用ジャケットの製造方法。
  13. 前記金属薄板の厚さを0.10〜0.30mmとしたことを特徴とする請求項9ないし12のいずれか1項に記載の圧胴用ジャケットの製造方法。
  14. 前記金属薄板とインキ汚れ防止シートとの二層構造の全体の厚さを0.25〜0.50mmとしたことを特徴とする請求項9ないし13のいずれか1項に記載の圧胴用ジャケットの製造方法。
  15. 前記低表面エネルギー性樹脂としては、シリコーン樹脂又はフッ素樹脂を使用したことを特徴とする請求項10ないし14のいずれか1項に記載の圧胴用ジャケットの製造方法。
  16. 前記小球と樹脂硬化層との間に小球をシランカップリング剤で表面処理して形成された薄膜層を形成したことを特徴とする請求項10ないし15のいずれか1項に記載の圧胴用ジャケットの製造方法。
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