JP2011056660A - 電着ワイヤー工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】高品質の電着ワイヤー工具を提供する。
【解決手段】電着ワイヤー工具(10)は、長手方向に延びる芯線(4)と、芯線(4)の外周面(41)に設けられためっき層(3)と、めっき層(3)によって保持される超砥粒(1)と、超砥粒(1)の外周面を被覆する被覆層(2)とを有する。被覆層(2)は、無電解Ni−Pめっきで構成される。被覆層(2)は熱処理され、無電解Ni−Pめっきの一部または全部が結晶化している。
【選択図】図1

Description

この発明は、電着ワイヤー工具およびその製造方法に関し、より特定的には、磁性線状体の外周面に金属被覆砥粒が保持された電着ワイヤー工具およびその製造方法に関するものである。
従来、電着ワイヤー工具は、特開昭53−96589号公報(特許文献1)、特開昭53−14489号公報(特許文献2)、特開昭63−34071号公報(特許文献3)および特開2004−50301号公報(特許文献4)に開示されている。
特許文献1では、めっき液中に砥粒を混合し、ピアノ線をめっき液に含浸(浸漬)した状態で複合めっきし、電着ワイヤー工具を製造する方法が開示されている。
しかし、この方法によれば、砥粒が高密度でかつ均一分散した電着ワイヤー工具を高速かつ安定して生産することは難しい。
特許文献2ではピアノ線を磁化し、磁性を有する、または予め磁性処理した金属被覆砥粒を磁化したピアノ線に吸着させ、吸着状態のまま、めっきにより固着する電着ワイヤー工具の製造方法が開示されている。
また、砥粒の表面にイオンプレーティング法、あるいはめっき法で磁性金属である鉄やニッケルを被覆し、このように得られた金属被覆砥粒に磁性を与える処理をすることも述べられている。
しかしながら、特許文献2では、鉄やニッケルを被覆した金属被覆砥粒を磁化したピアノ線に吸着させると、金属被覆砥粒が凝集してしまう。これは、鉄やニッケルは強磁性体であるため、砥粒の大きさ(重量)に対し、その磁性による吸着力があまりに大き過ぎるために起こる。特に、砥粒が大きさが60μm以下だとこの傾向が大きい。
特許文献3では、砥粒表面にニッケルイオンを含む無電解めっき液で強磁性の金属被覆層を形成させ、砥粒を着磁装置で着磁させ、着磁させた金属被覆砥粒を強磁性の砥石台金が浸漬されためっき液に入れ、攪拌しながらめっきし、電着砥石を製造する方法が開示されている。現在のところ、無電解Ni−Bめっきを被覆したダイヤモンド砥粒は市販されておらず、製造する場合には非常に高価となる。
特許文献4では、無電解Ni−Pめっきを被覆した金属被覆ダイヤモンド砥粒を、磁力を利用し、ピアノ線に吸着させ、電気ニッケルめっきで固着した例が述べられている。
しかしながら、特許文献4で示される無電解Ni−Pめっきは非磁性であり、非磁性の金属被覆砥粒ではピアノ線に高密度で吸着させることはできない。
また、吸着力の低下は、電着ワイヤー工具における砥粒の均一分散性を悪化させる。
特開昭53−96589号公報 特開昭53−14489号公報 特開昭63−34071号公報 特開2004−50301号公報
そこで、この発明は上述のような問題点を解決するためになされたものであり、高品質の電着ワイヤー工具およびそれを製造する方法を提供することを目的とする。
この発明に従った電着ワイヤー工具は、磁性線状体と、磁性線状体の外周面にめっき層で固定された、金属被覆された複数の金属被覆砥粒とを備える。金属被覆は無電解Ni−Pめっきを含み、無電解Ni−Pめっきの少なくとも一部分が結晶化されている。
このように構成された電着ワイヤー工具では、ダイヤモンドおよびCBNなどで構成される砥粒に被覆された無電解Ni−Pめっきの少なくとも一部分が結晶化されているので硬い。このような構造であると、電着ワイヤー工具の使用時において砥粒とこれを支えている無電解Ni−Pめっきとの界面にて摩耗がし難くなる。これにより、加工による砥粒の脱落が防止され、工具寿命が長くなる。
好ましくは、金属被覆はPの含有率が4質量%以上の無電解Ni−Pめっきを含み、無電解Ni−Pめっきの少なくとも一部分が結晶化されている。
さらに好ましくは、無電解Ni−Pめっきにおける、Pの含有率が6質量%以上9質量%以下である。
このようにすることで、加工により砥粒が脱落するのを防止する効果が最適となる。また砥粒コストも最小限に抑えることができる。発明者が調査した範囲ではPの含有率が4質量%より少ない無電解Ni−Pめっきを被覆した金属被覆砥粒は市販されていない。
それは下記の4つの問題が存在するためである。
(1) めっき液の制御が難しい。
(2) めっき速度が遅い。
(3) めっき液の寿命が短い。
(4) めっき液が高い。
因みに、前述の無電解Ni−Bめっきを被覆した金属被覆砥粒も同じ理由で市販されていない。また後述する本発明の製造方法で作製する場合、さらに大きな利点がある。
Pの含有率を4質量%以上、さらに好ましくは6質量%以上9質量%以下にすると無電解Ni−Pめっきの比抵抗が高くなり、凝集した金属被覆砥粒が磁性線状体表面へ固着されるのを防止することができる。これにより、砥粒の高さの揃った電着ワイヤー工具を得ることができる。
好ましくは、金属被覆砥粒はダイヤモンドを含み、XRD分析による強度比Ni3P(231)/ダイヤモンド(111)が0.01以上0.3以下である。
ここで、強度Ni3P(231)とはNi3P結晶の231面に基づくXRDピークの強度である。ダイヤモンド(111)とはダイヤモンド結晶の111面に基づくXRDピークの強度である。
これらの強度比を知ることによって無電解Ni−Pめっきの結晶化の度合を間接的に知ることができる。範囲内の強度を持つ砥粒を使用することで砥粒の吸着量を理想的なものとすることができ、かつ砥粒の無駄や電力の無駄を少なくすることができる。強度比が0.01未満であると砥粒のワイヤーへの吸着量が減り、理想的な状態から若干外れる。
強度比が0.3を越える場合には、かなりの長期間の熱処理が必要となり、金属被覆砥粒の表面が酸化する可能性がある。酸化した場合、ニッケルめっきによる砥粒のワイヤーへの固着強度が低下する可能性がある。
さらに好ましくは、無電解Ni−Pめっきの表面から金属被覆砥粒が存在する部分にかけて、粒径10nm以上の結晶が、平均で1×107個/mm2以上6×109個/mm2以下存在する。
この密度は、金属被覆砥粒の断面をTEM(透過型電子顕微鏡)で観察することで知ることができる。平均で1×107個/mm2以上の密度にすることで砥粒の吸着量を理想的なものとすることができ、かつ砥粒の無駄や電力の無駄を少なくすることができる。
密度が6×109個/mm2を越えるためには、かなりの長期間の熱処理が必要であり、金属被覆砥粒の表面が酸化する可能性がある。酸化した場合、ニッケルめっきによる砥粒のワイヤーへの固着強度が低下する可能性がある。
好ましくは、金属被覆部分である無電解Ni−Pめっきの表面から砥粒が存在する部分にかけての断面を見たとき、粒径10nm以上の結晶が占める割合が、無電解めっき中において20%以上70%以下である。
この範囲内であれば、砥粒の吸着量を理想的なものにすることができ、かつ砥粒の無駄や電力の無駄を少なくすることができる。
粒径10nm以上の結晶の占める割合が20%未満であれば砥粒のワイヤーへの吸着量が減り、理想値から吸着量が若干外れる。
粒径10nm以上の結晶の占める割合が70%を越えると、かなりの熱処理が必要となり金属被覆砥粒の表面が酸化する可能性がある。酸化した場合、ニッケルめっきによる砥粒のワイヤーへの固着強度が低下する可能性がある。
好ましくは、磁性線状体の外周面に形成しためっき層はニッケルめっきである。
ニッケルめっきを採用することで電着ワイヤー工具に耐食性や硬さが付与される。これにより、電着ワイヤー工具として使用される、さまざまな使用環境に耐えることができる。
より好ましくは、ニッケルめっきを構成する、ニッケル組織の平均粒径は、めっきの厚みに対し0.0155倍以上1.000倍以下である。これはニッケルめっきの断面をEBSD分析することで知ることができる。解析はエッジグレインを含まず、双晶のそれぞれを結晶粒界とすることを条件として行なった値である。
このようにすることで、めっきは軟らかくなり、かつめっきを硬くする硫黄、酸素および水素などのめっきへの取込み量自体も減らすことができる。これにより、極度に何度曲げてもピアノ線の周りに形成されたニッケルめっきの割れがなくなる。
このような組織にするための、条件の一例として、めっき液の流量がある。めっき液の流量と電流密度との関係においては下記の式で得られる流量以上が好ましい。
断面積がX(mm2)である容器の中にピアノ線を通し、Y(A)の電流密度でニッケルめっきをする場合に必要なめっき液の流量(L/min)=X×Y×6×10-5
ニッケル組織の平均粒径がニッケルめっきの厚みに対し0.0155よりも小さくなるとめっき自体が硬くなるため曲げにより割れが生じやすくなる。
ニッケル組織の平均粒径がニッケルめっきの厚みに対し1倍を越えるとめっき厚よりも断面組織の粒径が大きくなることがあり得ない。
ここでいうニッケル組織の平均粒径とは、EBSD(Electron Back Scatter Diffraction Patterns)分析により得られた各結晶粒子の面積と等しい面積の各円の直径を平均化したものである。
好ましくは、ニッケルめっきにおけるS(硫黄)の平均含有率は1質量%以下である。
一般的に、電着ワイヤー工具はその使用時にさまざまな応力がかかる。これにより、ニッケルめっき部分に割れが生じ、結果的には金属被覆砥粒の脱石や工具の断線に至る。しかし、ニッケルめっきにおけるS(硫黄)の平均含有率を1質量%以下にするとめっきは伸びやすくなる。
このようなニッケルめっきは割れが生じるような応力がかかっても、その負荷をかけた部分のめっきが伸びることで割れの発生を防ぎ、金属被覆砥粒の脱石や工具の断線の発生も生じない。
また、よく撓るのでプーリーへの巻きつけもスムーズになる。
好ましくは、ニッケルめっきにおけるS(硫黄)の平均含有率は0atoms/cm3以上3.0×1018atoms/cm3以下である。上述のようなS含有率にすると、極度に何度曲げても、ピアノ線の周りに形成されたニッケルめっきは割れなくなる。通常、サッカリンなどの光沢剤を入れない場合であっても得られたニッケルめっきはごく微量の硫黄を含有する。分析方法としては、SIMSなどの高感度分析が挙げられ、EDX−SEM(Energy Dispersive X-ray-Scanning Electron Microscope)等では測定限界に達し、正確な量が検出できない。なお、Xatoms/cm3はX×10-22×100/9.14(質量%)となる。
ニッケルめっき液には、硫酸ニッケルNiSO4・6H2Oまたはスルファミン酸ニッケルNi(NH2SO32・4H2Oが通常使用されており、これらには硫黄が含まれている。
発明者は上述のごく微量の硫黄はこれらにより供給されるものと考えている。めっきへの硫黄の取り込まれ方はめっき条件、すなわち形成されためっき組織の性状に大きく影響されると考える。一例を挙げれば、めっき液の流量があり、これは上述のとおりである。
好ましくは、ニッケルめっきにおけるO(酸素)の平均含有率は0atoms/cm3以上2.0×1020atoms/cm3以下である。
これもSIMSのような高感度分析にてごく微量だけ検出されるものである。上述のような酸素含有率にすることで、極度に何度曲げても、ピアノ線の周りに形成されたニッケルめっきは割れなくなる。
酸素の主たる出所はめっき液や水酸化物等の析出物であると考えられる。めっき液への酸素の取込まれ方も、めっき条件や形成されためっき組織の性状に大きく影響されるものと考える。一例を挙げれば、めっき液の流量により酸素量が決まり、好ましいめっき液の流量は上述のとおりである。
好ましくは、ニッケルめっき中についてSIMS分析を行なったときの、水素とNiの二次イオン平均強度比(平均水素強度/平均Ni強度)が0以上2.8×10-2未満である。水素もSIMSのような高感度分析にてごく微量だけ検出されるものである。ニッケルめっきの水素とニッケルの二次イオンの強度比が上述の範囲にあると、極度に何度曲げても、ピアノ線の周りに形成されためっき液は割れなくなる。
水素の主たる出所はめっき液中の水素原子やワイヤーから発生する水素ガスがあると考えられる。水素のめっきへの取込まれ方もめっき条件、形成された組織の性状に大きく影響されると考えられる。一例として、めっき液の流量により水素の取込まれ方が変わり、好ましいめっき液の流量は上述のとおりである。
好ましくは、金属被覆砥粒の粒径は5μm以上1000μm以下である。
このようにすることで、切れ味や切断面の面粗さ、ワークのうねり、カーフロスなどの面において優れた性能を有する工具となる。
好ましくは、ニッケルめっきおよび金属被覆砥粒においてニッケルめっきの厚さ/砥粒の平均粒径の値が0.26以上0.8以下である。
このような関係を満足する電着ワイヤー工具は砥粒保持力、切れ味ともに高い状態を長時間維持することができる。
好ましくは、磁性線状体が真鍮めっきまたは銅めっきがされたピアノ線である。通常ピアノ線にめっきする前にはピアノ線を酸に浸漬し、酸化被膜などの除去を行なう必要がある。
ここで、ピアノ線などを酸に浸漬すると、スマットと呼ばれる炭素を主成分とする析出物が発生することがあり、これはめっきの密着力を低下させる。そのため、通常は酸浸漬の後にスマットを除去する工程が必要となる。
しかし、真鍮めっきまたは銅めっきがされたピアノ線であるとスマットの発生はないので密着力は高く維持できるとともに、余分な工程を入れる必要もない。
線状体の材質はピアノ線以外にも、NiおよびNi合金やステンレスなどの磁性ワイヤー、W線、Mo線、Cu線およびCu合金線などの非磁性ワイヤーにNiなどの磁性金属めっきを施した線材を使用することも可能であり、また、これらの線材のうち1種類または2種類以上を撚った撚線を使用してもよい。
本発明の電着ワイヤー工具の製造方法は、無電解Ni−Pめっきが被覆されている金属被覆砥粒を熱処理し、無電解Ni−Pめっきの少なくとも一部分を結晶化させる工程と、熱処理した金属被覆砥粒をめっき液中に入れ、分散させた状態で磁力を利用して基材である磁性線状体へ磁気誘導作用により吸着させ、めっきで固着する工程とを含む。
このような工程を備えた電着ワイヤー工具の製造方法では、無電解Ni−Pめっきの少なくとも一部分を結晶化させるため、Ni−Pめっきが磁化しやすくなる。その結果、磁気誘導により金属被覆砥粒を磁性線状体へ吸着させやすくなる。
好ましくは、無電解Ni−Pめっき中のPの含有率は4質量%以上である。上述のとおり、4質量%以上の無電解Ni−Pめっきが被覆された金属被覆砥粒は市販されており、安価で入手できる。ところが、市販されている金属被覆砥粒は磁力を利用して基材である磁性線状体へ吸着させようとしても、金属被覆砥粒の吸着量は非常に少なく、そのままでは使用できない。これは、金属被覆が非晶質なので、非磁性になっているためである。特に、粒径が10μm以上の市販の金属被覆砥粒を用い、2m/min以上の生産スピードで電着ワイヤー工具を生産した場合に、磁性線状体への金属被覆砥粒の吸着量が顕著に低下するので使用できない。
このような問題があったが、本発明では、Pの含有率が4質量%以上で非晶質かつ非磁性の無電解Ni−Pめっきが被覆された金属被覆砥粒であっても、これを熱処理し、Ni−Pめっきの少なくとも一部分を結晶化させ、磁場を与えることで金属被覆砥粒を磁化させることが可能となった。これにより、磁性線状体への金属被覆砥粒の吸着量を格段にアップさせることができる。また、4質量%以下であっても熱処理をすることで、その磁性を熱処理前よりも向上させることができる。
また、このような熱処理をして作製した金属被覆砥粒に被覆されている無電解Ni−Pめっきは、その比抵抗がNiおよび無電解Ni−Bめっきと比較して高いために、特許文献2で問題となっていた砥粒の無駄や電力の無駄を少なくすることができる。
さらに好ましくは、無電解Ni−PめっきにおけるP(リン)の含有率が6質量%以上9質量%以下である。この範囲のものであると、砥粒の無駄や電力の無駄は最も少なくできる。
磁力を利用して、磁性線状体への金属被覆砥粒を吸着させる方法としては、(1)金属被覆砥粒のみを着磁させる、(2)磁性線状体のみを着磁させる、(3)金属被覆砥粒および磁性線状体を着磁させる方法があり、どれを採用してもよい。
また、熱処理をする金属被覆砥粒の具体例としては、ダイヤモンドおよびCBNに無電解Ni−Pめっきが被覆されたものが挙げられる。
線状体の具体例としては、先に述べたとおりである。
好ましくは、熱処理の温度は250℃以上、無電解Ni−Pめっきの融点以下である。
このような温度範囲とすることで本発明に適した無電解Ni−Pめっきの結晶化を行なうことができ、金属被覆砥粒の吸着量が格段にアップする。
また、無電解Ni−Pめっきが被覆された金属被覆砥粒を熱処理すると、Ni−Pめっきも硬くなる。これにより、砥粒周辺の摩耗が抑えられ、電着ワイヤー工具の寿命も向上させることができる。
熱処理の温度が250℃以上であるのは、温度が250℃未満であると無電解Ni−Pめっきの結晶化される割合が低くなるので、磁力を利用して線状体へ金属被覆を吸着させることが難しくなる。また、無電解Ni−Pめっきの融点以下としたのは、融点を越えると金属被覆砥粒の変質が大きくなってしまうためである。
好ましくは、熱処理の雰囲気は真空雰囲気、水素雰囲気、窒素雰囲気またはアルゴン雰囲気(以後、真空雰囲気等という)である。砥粒の被覆された無電解Ni−Pめっきの表面に酸化被膜があると、めっきによる砥粒の固着力を低下させてしまう。しかし、真空雰囲気等で熱処理すると、酸化被膜が形成され難くなり、金属被覆砥粒の固着力を高くすることができる。
より好ましくは、熱処理の後、金属被覆砥粒を酸に浸漬する。もし何らかの理由で無電解Ni−Pめっきの表面に酸化被膜が形成された場合であっても、このように処理することで酸化膜を除去することができ、金属被覆砥粒の固着力を高くすることができる。具体的には、塩酸、硝酸または硫酸などを用いて処理することができる。
この発明の実施の形態1に従った電着ワイヤー工具における長手方向に直交する断面図である。 この発明の実施の形態2に従った電着ワイヤー工具における長手方向に直交する断面図である。 図1で示す電着ワイヤソーのドレッシング後の形態を示す、長手方向に直交する断面図である。 図2で示す電着ワイヤソーのドレッシング後の形態を示す、長手方向に直交する断面図である。 この発明の実施の形態4に従った電着ワイヤー工具における長手方向に直交する断面図である。 この発明の実施の形態5に従った電着ワイヤー工具における長手方向に直交する断面図である。 この発明の実施の形態6に従った電着ワイヤー工具における長手方向に直交する断面図である。 この発明の実施の形態7に従った電着ワイヤー工具における長手方向に直交する断面図である。 この発明の実施の形態8に従った電着ワイヤー工具における長手方向に直交する断面図である。 この発明の実施の形態9に従った電着ワイヤー工具における長手方向に直交する断面図である。 実施例5に記載の方法で熱処理されたダイヤモンド砥粒のXRDチャートを示す図である。 実施例5に記載の方法で熱処理されなかったダイヤモンド砥粒のXRDチャートを示す図である。 日立ハイテクノロジーズ社製走査透過電子顕微鏡(HD−2700)で、このダイヤモンド砥粒と無電解Ni−Pめっきの断面部分を示す図である。 日立ハイテクノロジーズ社製走査透過電子顕微鏡(HD−2700)で、このダイヤモンド砥粒と無電解Ni−Pめっきの断面部分を示す図である。 図14のサンプルにおいて無電解Ni−P層202を拡大して示す断面図である。 図15で示す写真において結晶部分を黒色、非晶質部分と白色として示す断面図である。 実施例Aのワイヤーに形成されたニッケルめっきのSIMS分析結果を示すグラフである。 実施例Bのワイヤーに形成されたニッケルめっきのSIMS分析結果を示すグラフである。 実施例Dのワイヤーに形成されたニッケルめっきのSIMS分析結果を示すグラフである。
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の実施の形態では同一または相当する部分については同一の参照符号を付し、その説明については繰返さない。また、各実施の形態を組合せることも可能である。
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1に従った電着ワイヤー工具における長手方向に直交する断面図である。図1を参照して、電着ワイヤー工具10は、長手方向に延びる芯線4と、芯線4の外周面41に設けられためっき層3と、めっき層3によって保持される超砥粒1と、超砥粒1の外周面を被覆する被覆層2とを有する。芯線4はたとえばピアノ線を用いることができる。超砥粒1は、ダイヤモンド砥粒または立方晶窒化ホウ素(CBN)砥粒である。
被覆層2は、無電解Ni−Pめっきで構成される。被覆層2は熱処理され、無電解Ni−Pめっきの一部または全部が結晶化している。熱処理をした超砥粒1をめっき液中に入れ、分散させた状態で、磁力を利用して基材である芯線4へ吸着させ、めっきで固着させる。
(実施の形態2)
図2は、この発明の実施の形態2に従った電着ワイヤー工具における長手方向に直交する断面図である。図2を参照して、この発明の実施の形態2に従った電着ワイヤー工具では、芯線4の外周面41に被覆層5が形成されている点で、実施の形態1に従った電着ワイヤー工具と異なる。被覆層5は真鍮めっきまたは銅めっきにより形成されている。
このように構成された実施の形態2に従った電着ワイヤー工具でも、実施の形態1に従った電着ワイヤー工具と同様の効果がある。
(実施の形態3)
図3は、図1で示す電着ワイヤソーのドレッシング後の形態を示す、長手方向に直交する断面図である。図4は、図2で示す電着ワイヤソーのドレッシング後の形態を示す、長手方向に直交する断面図である。
図3および図4で示すように、被覆層2から超砥粒1を露出させても実施の形態1および2と同様の効果がある。
(実施の形態4)
図5は、この発明の実施の形態4に従った電着ワイヤー工具における長手方向に直交する断面図である。図5を参照して、電着ワイヤー工具110は、長手方向に延びる芯線104と、芯線104の外周面141に設けられためっき層103と、めっき層103によって保持される超砥粒101と、超砥粒101の外周面を被覆する被覆層102とを有する。ニッケルめっき層103中の硫黄の割合が1質量%以下である。芯線104はたとえばピアノ線を用いることができる。超砥粒101は、ダイヤモンド砥粒または立方晶窒化ホウ素(CBN)砥粒である。磁力を利用せずに超砥粒101を芯線104に接触させることで電着ワイヤー工具110を製造することはできる。
好ましくは、ニッケルめっきにおけるS(硫黄)の平均含有率は0atoms/cm3以上3.0×1018atoms/cm3以下である。上述のようなS含有率にすると、極度に何度曲げても、ピアノ線の周りに形成されたニッケルめっきは割れなくなる。通常、サッカリンなどの光沢剤を入れない場合であっても得られたニッケルめっきはごく微量の硫黄を含有する。分析方法としては、SIMSなどの高感度分析が挙げられ、EDX−SEM(Energy Dispersive X-ray-Scanning Electron Microscope)等では測定限界に達し、正確な量が検出できない。
ニッケルめっき液には、硫酸ニッケルNiSO4・6H2Oまたはスルファミン酸ニッケルNi(NH2SO32・4H2Oが通常使用されており、これらには硫黄が含まれている。
発明者は上述のごく微量の硫黄はこれらにより供給されるものと考えている。めっきへの硫黄の取り込まれ方はめっき条件、すなわち形成されためっき組織の性状に大きく影響されると考える。一例を挙げれば、めっき液の流量があり、これは後述のとおりである。
断面積がX(mm2)である容器の中にピアノ線を通し、Y(A)の電流密度でニッケルめっきをする場合に必要なめっき液の流量(L/min)=X×Y×6×10-5
好ましくは、ニッケルめっきにおけるO(酸素)の平均含有率は0atoms/cm3以上2.0×1020atoms/cm3以下である。
これもSIMSのような高感度分析にてごく微量だけ検出されるものである。上述のような酸素含有率にすることで、極度に何度曲げても、ピアノ線の周りに形成されたニッケルめっきは割れなくなる。
酸素の主たる出所はめっき液や水酸化物等の析出物であると考えられる。めっき液への酸素の取込まれ方も、めっき条件や形成されためっき組織の性状に大きく影響されるものと考える。一例を挙げれば、めっき液の流量により酸素量が決まり、好ましいめっき液の流量は上述のとおりである。
好ましくは、ニッケルめっき中についてSIMS分析を行なったときの、水素とNiの二次イオン平均強度比(平均水素強度/平均Ni強度)が0以上2.8×10-2未満である。水素もSIMSのような高感度分析にてごく微量だけ検出されるものである。ニッケルめっきの水素とニッケルの二次イオンの強度比が上述の範囲にあると、極度に何度曲げても、ピアノ線の周りに形成されためっき液は割れなくなる。
水素の主たる出所はめっき液中の水素原子やワイヤーから発生する水素ガスがあると考えられる。水素のめっきへの取込まれ方もめっき条件、形成された組織の性状に大きく影響されると考えられる。一例として、めっき液の流量により水素の取込まれ方が変わり、好ましいめっき液の流量は上述のとおりである。
より好ましくは、ニッケルめっきを構成する、ニッケル組織の平均粒径は、めっき厚が15μmの場合、0.23μmより厚いほうがよい。これはニッケルめっきの断面をEBSD分析することで知ることができる。解析はエッジグレインを含まず、双晶のそれぞれを結晶粒界とすることを条件として行なった値である。
このようにすることで、めっきは軟らかくなり、かつめっきを硬くする硫黄、酸素および水素などのめっきへの取込み量自体も減らすことができる。これにより、極度に何度曲げてもピアノ線の周りに形成されたニッケルめっきの割れがなくなる。
このような組織にするための、条件の一例として、めっき液の流量がある。めっき液の流量と電流密度との関係においては上述のとおりである。
好ましくは、砥粒は金属被覆されている。
好ましくは、金属被覆された砥粒の粒径は5μm以上1000μm以下の範囲内である。
このような粒径とすることで切れ味や切断面の面粗さ、ワークのうねり、カーフロスなどの面において優れた性能を有する工具となる。
好ましくは、ニッケルめっきおよび金属被覆砥粒においてニッケルめっきの厚さ/砥粒の平均粒径の値が0.26以上0.8以下である。
このような関係を満足する電着ワイヤー工具は砥粒保持力、切れ味ともに高い状態を長時間維持することができる。
(実施の形態5)
図6は、この発明の実施の形態5に従った電着ワイヤー工具における長手方向に直交する断面図である。図6を参照して、この発明の実施の形態5に従った電着ワイヤー工具では、芯線104の外周面141に被覆層105が形成されている点で、実施の形態4に従った電着ワイヤー工具と異なる。被覆層105は真鍮めっきまたは銅めっきにより形成されている。
このように構成された実施の形態5に従った電着ワイヤー工具でも、実施の形態4に従った電着ワイヤー工具と同様の効果がある。
(実施の形態6)
図7は、この発明の実施の形態6に従った電着ワイヤー工具における長手方向に直交する断面図である。図7を参照して、この発明の実施の形態6に従った電着ワイヤー工具110では、超砥粒101の外周に被覆が設けられていない点で実施の形態4に従った電着ワイヤー工具と異なる。
このように構成された実施の形態6に従った電着ワイヤー工具でも、実施の形態4に従った電着ワイヤー工具と同様の効果がある。
(実施の形態7)
図8は、この発明の実施の形態7に従った電着ワイヤー工具における長手方向に直交する断面図である。図8を参照して、この発明の実施の形態7に従った電着ワイヤー工具では、芯線104の外周面141に被覆層105が形成されている点で、実施の形態6に従った電着ワイヤー工具と異なる。
このように構成された実施の形態7に従った電着ワイヤー工具でも、実施の形態6に従った電着ワイヤー工具と同様の効果がある。
(実施の形態8)
図9は、この発明の実施の形態8に従った電着ワイヤー工具における長手方向に直交する断面図である。図9を参照して、この発明の実施の形態8に従った電着ワイヤー工具110では、超砥粒101の表面が露出している点で、実施の形態6に従った電着ワイヤー工具と異なる。
このように構成された実施の形態8に従った電着ワイヤー工具でも、実施の形態6に従った電着ワイヤー工具と同様の効果がある。
図9において超砥粒101の表面を露出させる方法として、めっき層103を薄くする方法、または一旦実施の形態6のようにめっきを形成した後めっき層103のうち一部を除去する方法が挙げられる。
(実施の形態9)
図10は、この発明の実施の形態9に従った電着ワイヤー工具における長手方向に直交する断面図である。図10を参照して、この発明の実施の形態9に従った電着ワイヤー工具110では、芯線104の外周面141に被覆層105が形成されている点で、実施の形態8に従った電着ワイヤー工具と異なる。
このように構成された実施の形態9に従った電着ワイヤー工具では、実施の形態8に従った電着ワイヤー工具と同様の効果がある。
Pの含有率が3質量%、5質量%、7質量%、9質量%、11質量%の無電解Ni−Pめっきが被覆されているダイヤモンド砥粒を準備した。
ダイヤモンド砥粒の粒度分布の中心直径は29μmで、この砥粒全体における無電解Ni−Pめっきの割合は30質量%である。ダイヤモンド砥粒の粒径の測定には、Malvern Instruments Ltd.社製のレーザー回折式粒度分布測定装置(Mastersizer S Ver.2.19)を使用した。
砥粒をそれぞれ半分ずつに分け、一方には温度300℃、2時間真空中で熱処理を施した。もう一方には何も処理を行なわなかった。
これらの砥粒をスルファミン酸Ni浴に入れ、分散させた状態で、磁力を利用して基材である真鍮を被覆した直径φ=0.18mmのピアノ線を吸着させ、ニッケルめっきで固着させて、電着ワイヤー工具を作製した。
生産速度(線速)は全部2m/minと一定とした。
得られた電着ワイヤーの砥粒密度や生産性など総合的に評価した結果を下記に示す。ここで、「生産性が良い」とは、砥粒の無駄や電力の無駄がないことを示す。
下記表で◎および○は合格であることを示す。ただ、◎は○よりも優れた状態であることを示す。×は問題があることを示している。
本発明品4および本発明品3では砥粒密度や生産性において最も優れた結果が得られた。
本発明品1、2や本発明品5では、本発明品3や本発明品4と比較すると生産性や砥粒密度が若干劣っていた。ただし、若干劣っていたというだけで、従来技術と比較すると格段に向上しており、非常に優れたものであることに変わりはない。
比較品1は砥粒密度を高くすることができたが、生産性に問題があった。比較品2から比較品5は砥粒密度が低く、電着ワイヤー工具としては使用できなかった。
ダイヤモンド砥粒を粒度分布の中心直径が41μmで、砥粒全体における無電解Ni−Pめっきの割合が55質量%であるものに変えて、電着ワイヤー工具の製造をしたが、実施例1と同様に本発明の効果が得られた。
また、めっき浴をワット浴に変えて電着ワイヤー工具を作製したが、実施例1と同様の効果が得られた。
Pの含有率が7質量%の無電解Ni−Pめっきが被覆されている粒度分布の中心直径が29μmのダイヤモンド砥粒を準備した。この砥粒全体における無電解Ni−Pめっきの割合は30質量%である。
ダイヤモンド砥粒を温度280℃、2時間、水素雰囲気で熱処理を施した。
めっき液としてはワット浴にサッカリンナトリウムを0.1g/dm3添加したもの(本発明品6)、サッカリンナトリウムを添加しなかったもの(本発明品7)の2種類を用意した。それぞれのめっき液に熱処理をしたダイヤモンド砥粒を入れ、分散させた状態で、磁力を利用して基材である真鍮を被覆した直径φが0.18mmのピアノ線へ吸着させ、ニッケルめっき(Niめっき)で砥粒を固着させ、電着ワイヤー工具を作成した。生産速度(線速)は両方とも2m/minとした。
ワット浴にサッカリンナトリウムを0.1g/dm3添加したもの、サッカリンナトリウムを添加しなかったものから得られた電着ワイヤーをそれぞれ本発明品6および本発明品7とした。それぞれのニッケルめっきに含まれている硫黄(S)の重量割合をEDX−SEM(Energy Dispersive X-ray Spectrometer-Scanning Electron Microscope)で定性定量分析を行なったところ、本発明品6では硫黄の割合は2質量%、本発明品7では0質量%であった。
そしてこれらをプーリーへ巻き付け、その巻き付け易さを比較した。本発明品7は撓りが良く、巻き付けがスムーズであったが、本発明品6は撓りが本発明品7と比較して悪く、巻き付け難かった。
粒度分布の中心直径が29.82μmのダイヤモンド砥粒を準備した。ダイヤモンド砥粒の粒径の測定には、Malvern Instruments Ltd.社製のレーザー回折式粒度分布測定装置(Mastersizer S Ver.2.19)を使用した。このダイヤモンド砥粒には重量分率で全体の30%を占めるように無電解Ni−8wt%Pめっきを被覆してある。そして、上述のダイヤモンド砥粒を真空焼結炉に入れ、1×10-4Torr以下、300℃で10時間熱処理を行なった。
熱処理後の砥粒についてのXRDチャートを図11に示す。熱処理を行なわなかったもののXRDチャートを図12に示す。XRDチャートは理学電気社製XRD分析装置(RINT2000)を使用した。熱処理したもののXRD分析による強度比Ni3P(231)/Dia(111)は0.11であった。熱処理をしていないものは0であった。
図13および図14は、日立ハイテクノロジーズ社製走査透過電子顕微鏡(HD−2700)で、このダイヤモンド砥粒と無電解Ni−Pめっきの断面部分を示す図である。図13および図14は、同じサンプルの異なる場所の断面図である。図13および図14で示すように、ニッケルめっき層203上に無電解Ni−P層202およびダイヤモンド層201が積層されている。Ni−P層202には、黒点で示される結晶212が観察された。結晶212は磁性を有し、Ni−P結晶およびNi結晶を含む。この観察は作製した本発明品である電着ワイヤー工具における、無電解Ni−Pめっきがされたダイヤモンド砥粒の断面が観察できるよう、FIB(Focused Ion Beam)で薄片化し、加速電圧200kV、100000倍で観察したものである。黒点部分が本発明を規定する結晶である。
ここで、直径10nm以上の結晶の数は6×107個/mm2であった。
また、黒点結晶が全体に占める割合は45%であった。
図15は、図14のサンプルにおいて無電解Ni−P層202を拡大して示す断面図である。図16は、図15で示す写真において結晶部分を黒色、非晶質部分と白色として示す断面図である。
上記計算は上記TEM画像を取込み、図16で示すように黒点結晶部分が黒色、非晶質部分が白色になるようにし、これを2値化して算出した。上記作業にはMicrosoft Photo Editor AT Image Ver4.5、Lia 32Ver.0.376β1というソフトを使用した。
次に、表2で示す3種類のスルファミン酸ニッケルめっき液を作製し、これらのそれぞれにダイヤモンド砥粒を入れた。
準備した砥粒を上述のめっき液に入れ、分散させた状態にした。そして、磁力を利用して基材である真鍮を被覆した直径φ=0.18mmのピアノ線に吸着させ、ニッケルめっきで砥粒を固着して電着ワイヤー工具を作製した。
電流密度は50A/dm2で、断面積が2000mm2の容器の中に、8dm3/minの流量のめっき液を流した。
めっき厚はすべて15μmとした。
上記3種類のワイヤーをそれぞれ30mmずつ切り分けたものを10本ずつ用意した。
そしてそれぞれを、まず180度に折り曲げた。
実施例Aと実施例Bのものはすべてニッケルめっきに割れは生じなかった。
実施例Cのものはすべてニッケルめっきに大きな割れが生じた。EDX−SEMで各試料を定量分析したところ下記のとおりとなった。
実施例A 硫黄:誤差レベルでしか検出できず。
実施例B 硫黄:誤差レベルでしか検出できず。
実施例C 硫黄:1.5質量%
この後、実施例Aと実施例Bについては、上述のように曲げたワイヤーを一旦元に戻し、さらにもう1度180度に折り曲げてニッケルめっきの割れの有無について評価した。
結果について以下に示す。
実施例Aでは、10本中0本に割れが生じた。
実施例Bでは、10本中5本に割れが生じた。
実施例A品についてTSL製EBSD装置(OIM)と日本電子社製走査型電子顕微鏡(JSM−7001F)で観察した結果を表3で示す。
この観察は作製した本発明品である電着ワイヤー工具における、ニッケルめっきの断面が観察できるよう、イオンポリッシング法で処理し、EBSD測定は加速電圧20kV、測定ステップ0.03μmにて、SEM観察は加速電圧20kVまたは10kVで観察したものである。EBSDでの平均砥粒粒径の算出はエッジグレインを含まず、双晶のそれぞれを結晶粒界とすることを条件として行なった。
同様の条件で、実施例B品についてTSL製EBSD装置(OIM)と日本電子社製走査型電子顕微鏡(JSM−7001F)で観察した結果を表4で示す。
図17は、実施例Aのワイヤーに形成されたニッケルめっきのSIMS分析結果を示すグラフである。図18は、実施例Bのワイヤーに形成されたニッケルめっきのSIMS分析結果を示すグラフである。
図17および図18は、CAMECA社製SIMS装置(IMS−7F)で測定した例を示す。この測定は作製した本発明品である電着ワイヤー工具における、ニッケルめっき表面から2.5μm深さまでセシウムイオンで掘りながら測定した結果である。
表面からの深さが0.5μm以降での平均値を下記に示す。表面から0.5μmの深さのところまでは、測定値の精度が低いので除外した。
実施例A
硫黄:5.0×1017atoms/cm3
酸素:2.0×1019atoms/cm3
二次イオンの平均強度比(水素平均/ニッケル平均):5.6×10-3
ニッケル粒子の平均粒径:0.26μm
実施例B
硫黄:6.0×1018atoms/cm3
酸素:4.0×1020atoms/cm3
二次イオン平均強度比(水素平均/ニッケル平均):2.7×10-2
ニッケル粒子の平均粒径:0.21μm
粒度分布の中心粒径が29.82μmのダイヤモンド砥粒を準備した。ダイヤモンド砥粒の粒径の測定にはMalvern Instruments Ltd.社製のレーザー回折式粒度分布測定装置(Mastersizer S Ver.2.19)を使用した。
このダイヤモンド砥粒には質量分率で全体の30%を占めるように無電解Ni−8質量%Pめっきを被覆してある。そして、ダイヤモンド砥粒を真空焼却炉に入れ、1×10-4Torr以下、300℃で10時間熱処理を行なった。
スルファミン酸ニッケルめっき液を作製しこれにダイヤモンド砥粒を入れた。準備した砥粒を上記のめっき液に入れ、分散させた状態にさせた。そして、磁力を利用して基材である真鍮を被覆した直径φ=0.18mmのピアノ線に吸着させ、ニッケルめっきで砥粒を固着して電着ワイヤー工具を作製した。
めっき厚は6μm、8μm、10μm、15μm、22μm、25μmとした。
これらを切断機に取付け、それぞれφ2インチのサファイアを3枚切断した。
めっき厚が8μm、10μm、15μm、22μmのものは3枚切断後も使用可能であったが、6μm、25μmのものは切れ味が低下し、その後の使用は難しかった。
その理由としては6μmのものではダイヤモンド砥粒が一部脱落していたためであった。これはダイヤモンド砥粒を支えるニッケルめっきが薄かったためであると考えられる。厚みが25μmのものに関しては、ダイヤモンド砥粒の脱落はなく、使用中にダイヤモンドが摩耗し、ニッケルめっきから飛び出している部分がなくなってしまったためであった。
粒度分布の中心直径が29.82μmのダイヤモンド砥粒を準備した。ダイヤモンド砥粒の粒径の測定には、Malvern Instruments Ltd.社製のレーザー回折式粒度分布測定装置(Mastersizer S Ver.2.19)を使用した。
これらの砥粒をワット浴に入れ、分散させた状態で複合めっき法を利用し、真鍮を被覆した直径φが0.18mmのピアノ線へニッケルめっきで砥粒を固着させ、電着ワイヤー工具を作製した。
めっき液としてはワット浴にサッカリンナトリウムを1g/dm3添加したもの、サッカリンナトリウムを添加しなかったもの2種類を用意した。
ワット浴にサッカリンナトリウムを1g/dm3添加したもの、サッカリンナトリウムを添加しなかったものから得られた電着ワイヤーをそれぞれ比較品1および本発明品1とした。それぞれのニッケルめっきに含まれている硫黄(S)の重量割合をEDX−SEM(Energy Dispersive X-ray Spectrometer-Scanning Electron Microscope)で定性定量分析を行なったところ、比較品では硫黄の割合は3質量%、本発明品では0質量%であった。
これを180°折り曲げニッケルめっきの割れの有無について評価した。比較品1では割れが確認されたが、本発明品1では割れは全く確認されなかった。
粒度分布の中心直径が41.39μmのダイヤモンド砥粒の電着ワイヤー工具を作製した。その結果、実施例7と同様の効果が得られた。
実施例9では、ダイヤモンド砥粒を金属被覆されたダイヤモンド砥粒に代えて、電着ワイヤー工具を作製した。その結果、実施例7と同様の効果が得られた。
粒度分布の中心直径が29.82μmのダイヤモンド砥粒を準備した。ダイヤモンド砥粒の粒径の測定には、Malvern Instruments Ltd.社製のレーザー回折式粒度分布測定装置(Mastersizer S Ver.2.19)を使用した。
次に、表2で示す3種類のスルファミン酸ニッケルめっき液を作製し、これらのそれぞれにダイヤモンド砥粒を入れた。
実施例Dについては実施例Aと同様のスルファミン酸ニッケルめっき液、実施例Eについては実施例Bと同様のスルファミン酸ニッケルめっき液、実施例Fについては実施例Cと同様のスルファミン酸ニッケルめっき液を用いた。
準備した砥粒を上述のめっき液に入れ、分散させた状態にした。そして、基材である真鍮を被覆した直径φ=0.18mmのピアノ線に吸着させ、ニッケルめっきで砥粒を固着して電着ワイヤー工具を作製した。
電流密度は50A/dm2で、断面積が2000mm2の容器の中に、8dm3/minの流量のめっき液を流した。
めっき厚はすべて15μmとした。
上記3種類のワイヤーをそれぞれ30mmずつ切り分けたものを10本ずつ用意した。
そしてそれぞれを、まず180度に折り曲げた。
実施例Dと実施例Eのものはすべてニッケルめっきに割れは生じなかった。
実施例Fのものはすべてニッケルめっきに大きな割れが生じた。EDX−SEMで各試料を定量分析したところ下記のとおりとなった。
実施例D 硫黄:誤差レベルでしか検出できず。
実施例E 硫黄:誤差レベルでしか検出できず。
実施例F 硫黄:1.5質量%
この後、実施例Dと実施例Eについては、上述のように曲げたワイヤーを一旦元に戻し、さらにもう1度180度に折り曲げてニッケルめっきの割れの有無について評価した。
結果について以下に示す。
実施例Dでは、10本中0本に割れが生じた。
実施例Eでは、10本中5本に割れが生じた。
実施例D品についてTSL製EBSD装置(OIM)と日本電子社製走査型電子顕微鏡(JSM−7001F)で観察した結果を表5で示す。
この観察は作製した本発明品である電着ワイヤー工具における、ニッケルめっきの断面が観察できるよう、イオンポリッシング法で処理し、EBSD測定は加速電圧20kV、測定ステップ0.03μmにて、SEM観察は加速電圧20kVまたは10kVで観察したものである。EBSDでの平均砥粒粒径の算出はエッジグレインを含まず、双晶のそれぞれを結晶粒界とすることを条件として行なった。
同様の条件で、実施例E品についてTSL製EBSD装置(OIM)と日本電子社製走査型電子顕微鏡(JSM−7001F)で観察した結果を表6で示す。
図19は、実施例Dのワイヤーに形成されたニッケルめっきのSIMS分析結果を示すグラフである。
図19は、CAMECA社製SIMS装置(IMS−7F)で測定した例を示す。この測定は作製した本発明品である電着ワイヤー工具における、ニッケルめっき表面から2.5μm深さまでセシウムイオンで掘りながら測定した結果である。
表面からの深さが0.5μm以降での平均値を下記に示す。表面から0.5μm深さのところまでは測定値の精度が低いので除外した。
実施例D
硫黄:1.0×1018atoms/cm3
酸素:3.0×1019atoms/cm3
二次イオンの平均強度比(水素平均/ニッケル平均):5.8×10-3
ニッケル粒子の平均粒径:0.28μm
実施例E
硫黄:5.8×1018atoms/cm3
酸素:4.0×1020atoms/cm3
二次イオン平均強度比(水素平均/ニッケル平均):2.7×10-2
ニッケル粒子の平均粒径:0.23μm
1 超砥粒、2 被覆層、3 めっき層、4 芯線、10 電着ワイヤー工具、41 外周面。

Claims (21)

  1. 磁性線状体(4)と、
    前記磁性線状体(4)の外周面にめっき層(3)で固定された、金属被覆された複数の金属被覆砥粒(1)とを備え、
    前記金属被覆(2)は無電解Ni−Pめっきを含み、前記無電解Ni−Pめっきの少なくとも一部分が結晶化されている、電着ワイヤー工具。
  2. 前記金属被覆(2)はPの含有率が4質量%以上の無電解Ni−Pめっきを含み、前記無電解Ni−Pめっきの少なくとも一部が結晶化されている、請求項1に記載の電着ワイヤー工具。
  3. 前記無電解Ni−Pめっきにおける、Pの含有率が6質量%以上9質量%以下である、請求項2に記載の電着ワイヤー工具。
  4. 前記金属被覆砥粒(1)はダイヤモンドを含み、XRD(X-ray diffraction)分析による強度比Ni3P(231)/ダイヤモンド(111)が0.01以上0.3以下である、請求項2に記載の電着ワイヤー工具。
  5. 前記無電解Ni−Pめっきの表面から前記金属被覆砥粒(1)が存在する部分にかけて、粒径が10nm以上の結晶が、平均で1×107個/mm2以上6×109個/mm2以下存在する、請求項2に記載の電着ワイヤー工具。
  6. 前記無電解Ni−Pめっきの表面から前記金属被覆砥粒(1)が存在する部分にかけての断面を見たとき、粒径10nm以上の結晶が占める割合が、前記無電解めっき中において20%以上70%以下である、請求項2に記載の電着ワイヤー工具。
  7. 前記磁性線状体(4)の外周面(41)に形成した前記めっき層(3)はニッケルめっきである、請求項1に記載の電着ワイヤー工具。
  8. 前記ニッケルめっきを構成する、ニッケル組織の平均粒径は、前記ニッケルめっきの厚みに対して0.0155倍以上1.000倍以下である、請求項7に記載の電着ワイヤー工具。
  9. 前記ニッケルめっきにおけるS(硫黄)の平均含有率は1質量%以下である、請求項7に記載の電着ワイヤー工具。
  10. 前記ニッケルめっきにおけるS(硫黄)の平均含有率は0atoms/cm3以上3.0×1018atoms/cm3以下である、請求項7に記載の電着ワイヤー工具。
  11. 前記ニッケルめっきにおけるO(酸素)の平均含有率は0atoms/cm3以上2.0×1020atoms/cm3以下である、請求項7に記載の電着ワイヤー工具。
  12. 前記ニッケルめっき中においてSIMS(Secondary Ion Mass Spectrometry)分析を行なったときの、水素とNiの二次イオン平均強度比(水素平均強度/Ni平均強度)が0以上2.8×10-2未満である、請求項7に記載の電着ワイヤー工具。
  13. 前記金属被覆砥粒(1)の粒径は5μm以上1000μm以下である、請求項1に記載の電着ワイヤー工具。
  14. 前記ニッケルめっきおよび前記金属被覆された砥粒(1)において前記ニッケルめっきの厚さ/前記金属被覆砥粒の平均粒径の値が0.26以上0.8以下である、請求項7に記載の電着ワイヤー工具。
  15. 前記磁性線状体(4)は真鍮めっきまたは銅めっきがされたピアノ線である、請求項1に記載の電着ワイヤー工具。
  16. 無電解Ni−Pめっき(2)が被覆されている金属被覆砥粒(1)を熱処理し、前記無電解Ni−Pめっきの少なくとも一部分を結晶化させる工程と、
    前記熱処理した金属被覆砥粒(1)をめっき液中に入れて分散させた状態で、磁力を利用して基材である磁性線状体(4)へ磁気誘導作用によって吸着させ、めっき(3)で固着する工程とを備えた、電着ワイヤー工具の製造方法。
  17. 前記無電解Ni−Pめっき(2)におけるP(リン)の含有率が4質量%以上である、請求項16に記載の電着ワイヤー工具の製造方法。
  18. 前記無電解Ni−Pめっき(2)におけるP(リン)の含有率が6質量%以上9質量%以下である、請求項16に記載の電着ワイヤー工具の製造方法。
  19. 前記熱処理の温度は250℃以上、前記無電解Ni−Pめっきの融点以下である、請求項16に記載の電着ワイヤー工具の製造方法。
  20. 前記熱処理の雰囲気は真空雰囲気、水素雰囲気、窒素雰囲気またはアルゴン雰囲気である、請求項16に記載の電着ワイヤー工具の製造方法。
  21. 前記熱処理の後、前記金属被覆砥粒(1)を酸に浸漬する工程をさらに備えた、請求項16に記載の電着ワイヤー工具の製造方法。
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