JP2011045333A - 炭酸塩によるセメント工法 - Google Patents

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Abstract

【課題】酸耐性に優れるのみならず、圧縮強度にも優れる炭酸塩を生成することができ、耐久性に優れる炭酸塩によるセメント工法を提供する。
【解決手段】炭酸塩によるセメント工法において、(1)ウレアーゼ産生微生物と、(2)尿素と、(3)第1金属イオンとしてカルシウムイオンと、(4)マグネシウムイオン、鉄イオン及びストロンチウムイオンから選ばれる1種又は2種以上の第2金属イオンとを、(3)第1金属イオンに対する(4)第2金属イオンのモル比として第1金属イオン/第2金属イオンが9/1〜1/9となるように反応液中で反応させて炭酸塩を生成することを特徴とするセメント工法。
【選択図】図2

Description

本発明は、ウレアーゼ酵素による尿素の加水分解を用いて炭酸塩を沈殿させることによって地盤改良、グラウチング、および有害物質の不動化の技術として有用な炭酸塩によるセメント工法に関し、より詳細には、微生物の出す酵素の触媒作用を用いて炭酸塩を沈殿させるエネルギーコストが低い地盤改良、グラウト工および汚染土壌の固化等の技術として有用な炭酸塩によるセメント工法に関する。
従来より、軟弱地盤上に構造物を築造する工事、液状化や斜面災害などの地盤防災工事、建設汚泥の有効利用に地盤改良、グラウト工、地盤安定処理等が行われている。これらには、セメントミルクや高分子の水系エマルジョンなどの固化材注入による方法、セメントや石灰などを混合する方法、または砂杭などを打設して圧密を促進する方法がある。いずれの方法も、基本的には地盤の構成物質である粒子結合を強くするための技術である。
しかしながら、注入材としての固化材は粘度が高く、間隙が小さい場合には注入が難しい。圧密促進工法は基本的に粒子結合を壊した後、圧密を促進させ密度増加によって粒子間の相互作用力を高めるものである。従って、強度回復と圧密沈下に長時間がかかる。また、既存構造物の下の地盤では圧密促進工法は構造物の沈下を引き起こすので、使用不可能である。このような問題点を解決するための技術が種々提案されており、例えば、特許文献1には、「カルシウムを含む地盤中に微生物を投入し、微生物の代謝作用により生成した炭酸ガスとカルシウムが反応して地盤を固結することを特徴とする地盤改良方法」が記載されており、微生物が代謝活動において有機栄養源から二酸化炭素を生じ、土壌中に溶解しているカルシウム、あるいは地盤中に注入したカルシウムと微生物の発生した二酸化炭素が反応し、土粒子間に炭酸カルシウムを析出・沈澱し、地盤を硬化することが記載されている。
しかしながら、炭酸カルシウム(カルサイト)は、酸に弱いという欠点がある。特に、日本各地の観測傾向から、河川中のpHで6.6〜7.2、浅層地下水で5.6〜6.6、深層地下水で6.7〜8.0を示すことが言われている。従って、強制的にアルカリ性条件下でカルサイトを沈殿させても、徐々に溶けるおそれが高い。つまり耐久性に問題がある。また、地盤中に含まれるカルシウムイオンの濃度は通常それほど高くは無く、それからカルサイトが生成できたとしても、地盤の効果が期待できるまでは数十年から数百年以上必要と思われ、実用上効果を期待できない。
特開2008−8023号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、酸耐性に優れるのみならず、圧縮強度にも優れる炭酸塩を生成することができ、耐久性に優れる炭酸塩によるセメント工法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、ウレアーゼ産生微生物により尿素を加水分解する反応を利用して炭酸塩を生成する際に、カルシウムイオンと、マグネシウムイオン、鉄イオン及び/又はストロンチウムイオンとを比率を変えて加えることによって異なる炭酸塩の結晶が生成し、酸耐性に優れるのみならず、固体との結合力が強い炭酸塩を生成することができることを見出し、本発明をなすに至った。
即ち、本発明は、炭酸塩によるセメント工法において、(1)ウレアーゼ産生微生物と、(2)尿素と、(3)第1金属イオンとしてカルシウムイオンと、(4)マグネシウムイオン、鉄イオン及びストロンチウムイオンから選ばれる1種又は2種以上の第2金属イオンとを、(3)第1金属イオンに対する(4)第2金属イオンのモル比として第1金属イオン/第2金属イオンが9/1〜1/9となるように反応液中で反応させて炭酸塩を生成することを特徴とするセメント工法を提供する。ここで、本発明において、「炭酸塩によるセメント工法」とは、ウレアーゼ産生微生物と反応液を混合することによって炭酸塩を生成させ、固体と固体のセメンテーション、固体表面の被覆、固体空隙の充填を行う材料特性の改良又は修復工法である。なお、反応液とは、ウレアーゼ産生微生物、第1金属イオンとしてカルシウムイオンと、マグネシウムイオン、鉄イオンおよびストロンチウムイオンから選ばれる1種又は2種以上の第2金属イオン、尿素および適宜緩衝剤、更に、ウレアーゼ産生微生物を培養液中で培養した状態で配合する場合は培養液、尿素を水溶液又は懸濁液として配合する場合は尿素水溶液又は懸濁液、第1、第2金属イオンを金属塩の水溶液として配合する場合は金属塩水溶液からなる。本発明においては、上記ウレアーゼ産生微生物として、スポロサルシナ(Sporosarcina)属NO−A10株(受託番号 NITE P−791)及び/又はスポロサルシナ(Sporosarcina)属NO−N10株(受託番号 NITE P−792)を使用すると、より好適である。また、上記反応液中における上記(2)尿素の濃度が0.5〜2200mMであり、上記(3)第1金属イオンと上記(4)第2金属イオンの合計濃度が0.5〜2200mMであると、更に好適である。
そして、本発明のセメント工法は、上記炭酸塩の生成によって地盤中で土壌粒子を結合させたり、岩及び/又はコンクリート表面の穴又は亀裂内で上記炭酸塩を沈殿させたり、汚泥粒子表面で上記炭酸塩を沈殿させることにより汚泥を粒状化させたり、土壌中で上記炭酸塩を沈殿させることにより、重金属などの汚染物質を不動化させたり、岩石、コンクリート、モルタル、石膏、ガラス、セラミック又はスレートの固体表面を上記炭酸塩で被覆したり、土壌、岩盤又はコンクリートの中に穴を空け、金属、コンクリート、プラスチック、繊維又は発泡性プラスチックからなる固体を挿入して、土壌、岩盤又は上記固体を上記炭酸塩で固結させたりするという態様で利用すると、より効果的である。
本発明によれば、酸耐性に優れるのみならず、圧縮強度にも優れる炭酸塩を生成することができ、耐久性に優れる炭酸塩によるセメント工法として有用である。
本発明のセメント工法に好適に使用できるスポロサルシナ属NO−A10株の16S rRNA部分配列解析による塩基配列を示す図面である。 本発明のセメント工法に好適に使用できるスポロサルシナ属NO−A10株及びスポロサルシナ属NO−N10株の炭酸カルシウム生成能を示すグラフである。 本発明の実施例1における炭酸塩の経時的な生成量を示すグラフである。 上記実施例1により生成された炭酸塩の電子顕微鏡写真である。 本発明の実験例2の結果を示すグラフである。 本発明の実施例の実験方法を説明する生成カラムの概略正面図である。 本発明の実施例の実験方法を説明する装置の説明図である。 本発明の実施例及び比較例の測定炭酸カルシウムと推定一軸圧縮強さとの関係を示すグラフである。
以下、本発明につき更に詳細に説明すると、本発明のセメント工法は、(1)ウレアーゼ産生微生物と、(2)尿素と、(3)第1金属イオンとしてカルシウムイオンと、(4)マグネシウムイオン、鉄イオン及びストロンチウムイオンから選ばれる1種又は2種以上の第2金属イオンとを、(3)第1金属イオンに対する(4)第2金属イオンのモル比として第1金属イオン/第2金属イオンが9/1〜1/9となるように反応液中で反応させて炭酸塩を生成するものであり、この生成された炭酸塩によって後述するように地盤中で土壌粒子を結合させたり、岩及び/又はコンクリート表面の穴又は亀裂内で上記炭酸塩を沈殿させたり、汚泥粒子表面で上記炭酸塩を沈殿させることにより汚泥を粒状化させたり、土壌中で上記炭酸塩を沈殿させることにより、重金属などの汚染物質を不動化させたり、岩石、コンクリート、モルタル、石膏、ガラス、セラミック又はスレートの固体表面を上記炭酸塩で被覆したり、土壌、岩盤又はコンクリートの中に穴を空け、金属、コンクリート、プラスチック、繊維又はポリウレタンフォーム等の発泡性プラスチックからなる固体を挿入して、土壌、岩盤又は上記固体を上記炭酸塩で固結させたりすることができる。
ここで、本発明は、ウレアーゼ産生微生物が生成する酵素が触媒作用によって尿素を加水分解し、これによって生じた炭酸イオンと第1金属イオン、第2金属イオンとの反応によって炭酸塩が生成され、炭酸塩の結晶が沈殿するという反応を利用するものである。このような反応系の場合、炭酸イオンに対する第1金属イオンと第2金属イオンの反応速度、反応性の相違により、一方の金属イオンが優先的に反応する場合もあり、例えば、ウレアーゼ酵素そのものを用いたり、他の反応系により炭酸塩を生成するのであれば、ウレアーゼ酵素の失活によって必要量の炭酸イオンが生成されなくなったり、他方の金属イオンが反応するのに必要な炭酸イオン量が一方の金属イオンの優先的な反応によって消費されてしまうというような事態が生じる可能性があるが、本発明の場合、ウレアーゼ産生微生物が反応系の中で生存している限り、又は、産生した酵素が存在する限り、尿素の金属イオンの供給量に合わせて経時的に炭酸イオンが生成されるので、ウレアーゼ産生微生物を利用した炭酸塩の生成法は、本発明のように、異なった金属イオンを併用する場合に、特に好適である。
本発明で使用するウレアーゼ産生微生物は、ウレアーゼ産生能がある微生物であれば、その種類は特に制限されるものではなく、例えば、Bacillus(バシラス)属、Sporosarcina(スポロサルシナ)属等の市販されている微生物、土壌などから抽出できる微生物などを好適に使用することができ、これらを1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができるが、本発明のウレアーゼ産生微生物として、スポロサルシナ属NO−A10株、スポロサルシナ属NO−N10株を使用すると、他のウレアーゼ産生微生物に比べて尿素と塩化カルシウムなどの金属イオンを加えたときの炭酸塩の生成能に優れるので、より好適であり、特にスポロサルシナ属NO−A10株は、後述するように、カルシウムイオンの存在に対する耐性に優れるので、より好適である。
カルシウム耐性については、石灰水(Ca(OH))または20mMのCaCl溶液中で生存でき、かつウレアーゼ活性を有するかどうかを調べる。この段階でCaに耐性がない微生物はたとえウレアーゼ産生微生物であっても除外される。したがって、ウレアーゼ活性そのものは炭酸塩生成にとって必要十分条件ではなく、あくまでもカルシウム存在のもとでウレアーゼ活性を調べる必要がある。そのためには、微生物が生存できる条件下で、所定の濃度の尿素および例えば塩化カルシウムを加え、尿素の加水分解によって生成する炭酸イオンとカルシウムとの反応によって炭酸塩が生成できるかどうかを調べる。例えば、図2に示した結果はスポロサルシナ属NO−A10株はカルシウム濃度が高くなるにつれ、曲線のこう配は下がることなく、むしろ高くなっている。これはカルシウムがウレアーゼ活性に対して全く影響されないことを示している。むしろ、カルシウムイオンがウレアーゼ活性を促進させているように見える。したがって、1Mのカルシウムイオンからは1Mの炭酸カルシウム、1.5Mのカルシウムイオンから1.5Mの炭酸カルシウムが生成している。なお、スポロサルシナ属NO−A10株、スポロサルシナ属NO−N10株は、それぞれ独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センター(千葉県木更津市かずさ鎌足2−5−8)に2009年8月6日付けで受託番号NITE P−791(スポロサルシナ属NO−A10株、Sporosarcina sp. NO−A10株)、NITE P−792(スポロサルシナ属NO−N10株、Sporosarcina sp. NO−N10株)として寄託されている。
以下、本発明において好適に使用することができる新規ウレアーゼ産生微生物について説明する。本発明者らは、炭酸塩を生成させるための強いウレアーゼ活性を有するバクテリアを次のように抽出、また新株を開発した。我が国各地で行ったボーリングで得たコアサンプルを観察しながら、1mごとに約10gの土壌をガラス瓶に取り、それぞれ約20ミリリットルの石灰水(Ca(OH))および濃度の異なる(0.5〜20g/リットル)CaCl溶液を加えて2日間放置した。これは炭酸塩の生成に使用するカルシウムイオンの耐性バクテリアを抽出するためである。これらのガラス瓶中で生存しているバクテリアを抽出し、そのうちで特に培養速度の速いバクテリアをコロニーの大きさで判断し、1サンプルから10株の菌を得た。この段階でおよそ150株が得られた。それぞれの菌株を20ミリリットルのペプトン液(濃度10g/リットル)で培養し、それを遠心分離してバクテリアを採取した。得られたバクテリアを試験管に移し、その中に1Mの尿素20ミリリットルを入れてウレアーゼ活性を次の簡易方法によって調べた。菌がウレアーゼ活性を示す場合には、尿素の加水分解に伴うアンモニア発生によってpHが上昇する。従って、pHが上昇するかどうかを調べることによってウレアーゼ活性が起こるかどうか調べることが可能である。
pHが上昇したものについては、1MのCaCl溶液を加えて炭酸塩が生成されるか(白濁するか)調べた。その結果、いずれもグラム陽性菌である3つの菌株が顕著なウレアーゼ活性を起こすことが分かった。これらの菌を再度培養して、それに1Mの尿素と1Mの塩化カルシウムを混合した液を加えて、実際に炭酸塩が生成するかどうかを調べた。その結果から最も炭酸塩を多く沈殿させた菌株としてスポロサルシナ属NO−N10株の優位性が分かった。酸性土壌の場合、炭酸塩は生成しないので、アルカリ条件で反応時のpHを一定に保つため緩衝液(100mMの水酸化アンモニウム+塩化アンモニウム、pH9.25)を10分の1に薄めて使用した。1.0M尿素と1.0M塩化カルシウム溶液を10mMアンモニウムバッファーでpHを9.2前後に上げてスポロサルシナ属NO−N10株でタンカル生成量の実験をしていた際、短時間(30分ほど)で沈殿が起こる試験管があり、これからスポロサルシナ属NO−A10株菌が再分離できた。このようにして、菌の変質が起こりアルカリ条件で培養可能な菌株として、新規微生物であるスポロサルシナ属NO−A10株が現れた。バクテリアの培養に一般的に使われるペプトンやポリペプトンは高価で、大量の菌を生産するには不適である。そこで安価なEDC(electron donor compounds)が使用可能かどうか調べたところ、スポロサルシナ属NO−N10株は問題なく、また、スポロサルシナ属NO−A10株についても培養可能であることが分かった。
スポロサルシナ属NO−A10株の同定を細菌 16S rRNA部分配列解析により行った。即ち、菌体サンプルを0.5mlの滅菌水に懸濁し、ビーズビーディング法により破砕処理し、タンパク質を除去した後、磁性ビーズを用いて精製を行い、50μlのDNAを得た。この精製DNAをPCRの鋳型DNAとして用いた。PCR増幅のPCR反応条件は、反応液組成は、10F(10pmol/μl)1μl、800R(10pmol/μl)1μl、×10 KOD−Plus buffer(TOYOBO)5μl、2mM Nucleotide Mix PLUS(Roche)5μl、25mM MgSO(TOYOBO)2μl、KOD−Plus(TOYOBO)1μl、(Template 1μl)、滅菌milliQ水34μl、計50μl、反応温度サイクルは、94℃2分 1サイクル、94℃15秒 62℃30秒 72℃50秒 25サイクル、72℃5分 1サイクルとした。PCRプライマー配列は、10F(5’−GTTTGATCCTGGCTCA−3’、配列番号1)、800R(5’−TACCAGGGTATCTAATCC−3’、配列番号2)であり、使用装置は、iCycler(Bio−Rad)である。
そして、下記の試薬及び機器を使用して、精製・シークエンス解析を行った。
<PCR産物精製>
Montage PCR Centrifugal Filter Devices(MILLIPORE)
<シークエンス試薬>
BioDye Terminators vl.1 Cycle Sequencing Kit(Applied Biosystems)
<シークエンス反応物精製>
illustraTM AutoSeq G−50 Dye Terminator Removal Kit(GE Healthcare)
<シークエンサー>
ABI Prism 3130 Genetic Analyzer(Applied Biosystems)
<シークエンスプライマー>
PCRプライマーをシークエンスプライマーとして用いて両鎖解析した。
得られたDNA配列を公共のデーターベースと照合して相同性検索(Blast検索)を行い、近縁種を予測した。その結果、Sporosarcina属に分類されるが、Sporosarcina属に属する他の菌種とは配列を異にし、これらの新菌種に最も近縁な種は、Sporosarcina ginsengisoilであるが、塩基配列の一部を異にすることが認められた。なお、図1にSporosarcina属NO−A10株の塩基配列(配列番号3)及び下記表1に相同性検索結果上位データを示す。
Figure 2011045333
以下、本発明において好適に使用されるスポロサルシナ(Sporosarcina)属NO−A10株及びスポロサルシナ(Sporosarcina)属NO−N10株の菌学的性質を詳述する。
スポロサルシナ(Sporosarcina)属NO−A10株
<分類学中の位置>
Sporosarcina sp.NO−A10株(16S rRNA部分塩基配列解析)
<科学的性質>
・好気性
・グラム陽性の桿菌
・芽胞形成
・白色の光沢コロニーを形成する。
・強いウレアーゼ活性を有する。ウレアーゼ活性については、後述する実施例において詳述する。
・カタラーゼ陽性
・オキシターゼ陰性
・OFテスト陰性
・カルシウムイオンに耐性を有する
・尿素に耐性を有する
<培地条件>
・普通寒天培地
・普通寒天培地をオートクレイブした後、濾過滅菌した1/10量の100mMのアンモニウムバファー(NHOHとNHClを最終濃度10mM)を無菌的に加えpHを8.2に調整して培養する。
・温度は14〜37℃で生育(至適温度25〜32℃)
・至適pHは8〜9
<培地の組成>
市販の普通寒天培地
(培地1000mlあたり)
肉エキス 5g
ペプトン 10g
塩化ナトリウム 5g
寒天 15g
スポロサルシナ属NO−N10株
<分類学中の位置>
Sporosarcina sp.NO−N10株(16S rRNA部分塩基配列解析)
<科学的性質>
・好気性
・グラム陽性の桿菌
・芽胞形成
・白色の光沢コロニーを形成する。
・ウレアーゼ活性を有する。ウレアーゼ活性については、後述する実施例において詳述する。
・スポロサルシナ属NO−N10株と同種
・カタラーゼ陽性
・オキシターゼ陰性
・OFテスト陰性
<培地条件>
・普通寒天培地
・普通寒天培地で温度14〜32℃で生育(至適温度20〜28℃)
・至適pHは6.5〜8
<培地の組成>
市販の普通寒天培地
(培地1000mlあたり)
肉エキス 5g
ペプトン 10g
塩化ナトリウム 5g
寒天 15g
これらの菌株のウレアーゼ活性を以下のようにして調べた。ウレアーゼ活性は尿素の加水分解のみでことは足りるが、ウレアーゼ産生微生物の中にはカルシウムイオンによってウレアーゼ活性が阻害されるものも少なくない。なお、Sporosarcina属NO−A10株はもともと20mM塩化カルシウム溶液中で生存できるかどうか調べて、生き残った微生物である。従って、本発明では尿素と同じモル濃度の塩化カルシウムの存在下でウレアーゼ活性を調べた。この条件下では微生物のカルシウム耐性が同時に調べられる。またカルシウム耐性のみを調べるには、例えば、種々の濃度の塩化カルシウムで微生物の増殖が可能かどうか調べるとわかる。Sporosarcina属NO−A10株は少なくとも1.5Mの塩化カルシウムのもとで培養可能である。なお、1Mの尿素が加水分解されると1Mの炭酸カルシウムが生成するので、炭酸カルシウム(カルサイト)の生成量がウレアーゼ活性を示すことになる。ここでは、尿素と塩化カルシウム(CaCl)を2Mの水溶液に調整し、それを適宜薄めて所定の濃度に調整した。また、同量の培養液から遠心分離(4500rpm、15分間)したSporosarcina属NO−A10株またはSporosarcina属NO−N10株を同量の0.5%NaCl溶液中に入れ、pH9になるようにアンモニア緩衝液(10mM水酸化アンモニウム+塩化アンモニウム)を加えて全量を5mlとして、室温20℃で試験管の中で炭酸塩の沈殿量を測定した。なお、以下の実施例及び実験例では、全実験を通してウレアーゼ産生微生物は最終溶液の半分の体積の培養液で培養した量を使った。
なお、この場合の実験では、試験体を複数本準備しておいて、所定の時間になったとき、液体中の炭酸塩をろ紙で濾し、ろ過された炭酸塩を測った。また、ガラス壁面に着いたものは、試験管を炉乾燥(110℃)させた後に質量を測定して、予め測定しておいた試験管質量をそれより差し引いて求めた。なお、時間が経つほど、液体中には炭酸塩は含まれておらず、試験管壁面に付着および底へ沈殿した。
結果を下記表2及び図2に示す。表2は、各反応時間における炭酸カルシウムの沈殿量(M)を記載したものである。図2のグラフの横軸は時間、縦軸は生成した炭酸塩の質量から変換した濃度を示している。なお、表2の濃度及び図2に示した凡例中の濃度は加えた塩化カルシウムの濃度を示す。すなわち、1Mの塩化カルシウム液を使用した場合、最終的には縦軸(炭酸カルシウム)が約1Mになるまで反応が進んでいる(反応式で1MのCaClから1MのCaCOが生成)。この実験から明らかなように加えた尿素の全てが加水分解され、尿素の分解によって生成されたCOは、加えたCa全てと反応していることが分かる。その反応が終了するには、スポロサルシナ属NO−A10株ではおよそ10〜25時間、スポロサルシナ属NO−N10株では125時間以上要すると思われる。また、スポロサルシナ属NO−A10株については、塩化カルシウム、尿素の濃度が1.5Mというように、高濃度の塩化カルシウム、尿素の存在下においても反応が短期間に起こるのは、炭酸塩生成時間の短縮化においてきわめて優位であると言える。更に、スポロサルシナ属NO−N10株は、上述したように、サンプリングした多数の土壌菌の中で特に顕著なウレアーゼ活性を起こす3つの菌株の中で最も炭酸塩を多く沈殿させた菌株として優位性を示したものであり、スポロサルシナ属NO−A10株は、このスポロサルシナ属NO−N10株と比較すると、更に、格段に強いウレアーゼ活性を有することが認められた。従って、スポロサルシナ属NO−A10株、スポロサルシナ属NO−A10株は、従来のウレアーゼ産生微生物と比較すると、格段に強いウレアーゼ活性を有することが認められる。
Figure 2011045333
なお、この場合の実験では、試験体を複数本準備しておいて、所定の時間になったとき、液体中の炭酸塩をろ紙で濾し、ろ過された炭酸塩を測った。また、ガラス壁面に着いたものは、試験管を炉乾燥(110℃)させた後に質量を測定して、予め測定しておいた試験管質量をそれより差し引いて求めた。なお、時間が経つほど、液体中には炭酸塩は含まれておらず、試験管壁面に付着および底へ沈殿した。
本発明のウレアーゼ産生微生物の配合割合は、特に制限されるものではないが、例えば、スポロサルシナ属NO−A10株、スポロサルシナ属NO−N10株を培養液中で培養した状態又は懸濁液とした状態で反応系に配合する場合、該培養液(又は懸濁液)を反応液全量に対して50%(体積比)となる標準状態に配合するのであれば、スポロサルシナ属NO−A10株においては、培養液濃度0.4O.D.600(nm)以上が好ましく、より好適には培養液濃度0.6O.D.600(nm)以上、更に好適には培養液濃度0.8O.D.600(nm)以上である。一方、スポロサルシナ属NO−N10株においては、培養液濃度1.6O.D.600(nm)以上が好ましく、より好適には培養液濃度1.8O.D.600(nm)以上、更に好適には培養液濃度2.0O.D.600(nm)以上である。なお、他のウレアーゼ産生微生物を利用する場合は、これらのウレアーゼ活性能と同等となるような濃度で配合すると、好適である。ウレアーゼ産生微生物の配合割合が小さすぎると、ウレアーゼ産生が少なすぎる場合がある。なお、スポロサルシナ属NO−A10株、スポロサルシナ属NO−N10株の配合割合の上限は、特に制限されるものではないが、大きすぎると1個体当たりのウレアーゼ活性が低くなる場合があることを考慮すれば、スポロサルシナ属NO−A10株では1.6O.D600(nm)以下、スポロサルシナ属NO−N10株では2.2O.D600(nm)以下であることが望ましい。
本発明で使用する尿素としては、市販の尿素を使用することができる。尿素の上記反応液中における濃度は、0.5〜2200mMが好適であり、より好ましくは50〜1500mM、更に好ましくは500〜1000mMである。尿素の濃度が低すぎると加水分解が不足し、pHが減少したり、炭酸イオンが不足する場合があり、高すぎるとアンモニアが過剰に発生してアンモニア臭が出る場合がある。
本発明は金属イオンとして、第1金属イオンであるカルシウムイオンと、第2金属イオンであるマグネシウムイオン、鉄イオン及び/又はストロンチウムイオンとを添加するものである。例えば、ウレアーゼ産生微生物と尿素を用いてカルサイトの沈殿を形成させると同様の方法を用いて、CaClとMgClを加えることによりカルサイトとは異なる結晶鉱物を生成させる。
本発明の第1金属イオンであるカルシウムイオン、第二金属イオンであるマグネシウムイオン、鉄イオン、ストロンチウムイオンは、それぞれ、これらの金属イオンを含む金属イオン源を後述するように液中に配合することによって好適に供給される。このような金属イオン源は、その種類が特に制限されるものではないが、例えば、カルシウム、マグネシウム、鉄、ストロンチウムの酸化物、水酸化物および塩化物で、特に塩化カルシウム、塩化マグネシウムなどが挙げられる。
本発明は、(3)第1金属イオンとしてカルシウムイオンと、(4)マグネシウムイオン、鉄イオン及びストロンチウムイオンから選ばれる1種又は2種以上の第2金属イオンとを、(3)第1金属イオンに対する(4)第2金属イオンのモル比として第1金属イオン/第2金属イオンが9/1〜1/9となるように配合するものであるが、多孔体中でセメント効果より止水効果を目的とする場合には、第1金属イオン/第2金属イオン(モル比)が9/1〜6/4となるように配合すると、より好適であり、より好ましくは9/1〜7/3、更に好ましくは9/1〜8/2である。第1金属イオンの割合が小さすぎると、加えたモル濃度に対して沈殿するモル濃度が低くなる場合があり、大きすぎると、結晶形状が単純で土粒子などの固体との結合が無くなる場合がある。一方、止水効果よりセメント効果を目的とする場合には、第1金属イオン/第2金属イオン(モル比)が7/3〜2/8となるように配合すると、より好適であり、より好ましくは6/4〜3/7、更に好ましくは5/5〜4/6である。第1金属イオンの割合が小さすぎると、水和炭酸カルシウムが生成する場合があり、大きすぎるとセメント効果が小さくなり、透水性が悪くなる場合がある。また、耐酸性被覆として使用する場合には、第1金属イオン/第2金属イオン(モル比)が8/2〜4/6となるように配合すると、より好適であり、より好ましくは7/3〜5/5、更に好ましくは6/4〜4/6である。第1金属イオンの割合が小さすぎると、水和炭酸カルシウムが生成する場合があり、大きすぎるとセメント効果が小さくなり、透水性が悪くなる場合がある。なお、これらとは別に、例えば、1回目の浸透で9/1〜8/2で、2回目以降に5/5〜4/6というふうに、適宜選択して使うこともできる。
本発明の反応液中における第1金属イオンを第2金属イオンの合計濃度は、0.5〜2200mMが好適であり、より好ましくは50〜1500mM、更に好ましくは500〜1000mMである。金属イオンの合計濃度が低すぎると、生成炭酸塩の量が不足する場合があり、高すぎると、ウレアーゼ産生微生物の失活が起こる場合がある。
本発明において、ウレアーゼ産生微生物、尿素、第1金属イオン、第2金属イオンを反応液中に添加する手段、手順は、特に制限されず、例えば、適宜緩衝液、尿素、第1金属イオン、第2金属イオンを所定の濃度になるように加え、それに遠心分離したウレアーゼ産生微生物を加えて反応させる。遠心分離せずにウレアーゼ産生微生物の懸濁液を加える場合には、懸濁液の分を加えても尿素、第1金属イオン、第2金属イオンが初期の濃度になるように計算した量を予め加えておく。又は、ウレアーゼ産生微生物を前もって注入、または固着させておき、後から尿素、第1金属イオン、第2金属イオン、緩衝剤の混合液を浸透又は塗布してもよいし、一度にすべてを混合して浸透又は塗布してもよい。さらにはセメントのように土壌なとど混合してもよい。但し、本発明の場合、ウレアーゼ産生微生物と尿素との混合によって、反応が開始することを考慮すると、ウレアーゼ産生微生物の配合は、尿素と第1金属イオン、第2金属イオンとの混合後、又は同時とすることが好ましい。
本発明において炭酸塩を生成する際の反応条件は、温度及びpHに制限されるが、pHは緩衝剤によって管理することができる。好適なpHはMg/Ca比によって異なると思われるが、アンモニア緩衝液(10mM水酸化アンモニウム+塩化アンモニウム)を使用することで特に問題はない。また、反応温度も特に制限されないが、本発明の場合、ウレアーゼ産生微生物が反応系の中で生存している限り、尿素の供給量に合わせて経時的に炭酸イオンが生成されることを考慮すれば、使用するウレアーゼ産生微生物の生育温度、より好ましくは至適温度、至適pHで反応させると、より効果的である。なお、一般に微生物の生存の適温はやや高温であることが多いが、スポロサルシナ属NO−A10株、スポロサルシナ属NO−N10株のウレアーゼ活性の適温はおよそ少なくとも14℃〜32℃の範囲で生存又は培養可能である。温度管理が難しい地中の場合を考えると、わが国では高山を除いて土壌深さが数mになれば地温は19〜20℃であるので、スポロサルシナ属NO−A10株及びスポロサルシナ属NO−N10株はわが国のように温帯域に適している。
本発明の炭酸塩によるセメント工法において、その施工方法などは特に制限されるものではなく、例えば、培養したバクテリア液(B液)と、尿素、塩化カルシウム、塩化マグネシウムなどの第1金属イオン源、第2金属イオン源および緩衝液を適量だけ混合した反応液(R液)を土壌に注入、又は土壌と混合し、反応によって沈殿する炭酸塩によって土粒子を結合させることができる。この場合、触媒作用による反応なので、R液を加える限り反応が進む。なお、炭酸塩のセメント効果や透水性は注入されたR液の濃度と量で管理し、粒子質量に対する炭酸塩の量で評価する。地盤の場合、B液およびR液の注入はボーリング孔を利用して、地盤の透水係数や地下水位を加味して行う。地下へ注入した溶液の管理には隣接した井戸またはボーリング孔からの揚水または汲み上げによって行う。固体の亀裂や穴を埋めるには、その中にB液およびR液またはそれらの混合液を注入して、反応させて炭酸塩を沈殿させる。亀裂や穴が大きい場合には、あらかじめ砂、ガラス玉または繊維等を充填しておき、B液およびR液、またはそれらを混合させたものを注入して炭酸塩を沈殿させる。固体表面で炭酸塩を沈殿させるには、不織布などの表面張力を利用してB液およびR液を保持させた状態で固体表面における炭酸塩の沈殿を促す。B液を汚泥に混合して、それをR液中で養生することによって汚泥粒子表面で炭酸塩を沈殿させて、汚泥粒子を粒状化させる。掘削土を盛土に使う際に、強度が必要とされる場合にB液とR液を混合し、炭酸塩の沈殿によって土を固化させる。強い固化が必要な場合にはR液を散布または表面に溜めて土中に浸透させる。汚染物質の不動化には、汚染土壌にB液を混合させ、それにR液を加えて炭酸塩が沈殿する際に汚染物質を取り込む作用を利用する。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明をより詳細に説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
[実験例1及び比較例1]
ウレアーゼ産生微生物として、スポロサルシナ属NO−A10株を用いて、以下の実験例1を行った。1M尿素−0.5MCaCl−0.5MMgCl−緩衝液(10mM水酸化アンモニウム+塩化アンモニウム)100ミリリットルを作成した。また、100ミリリットルのスポロサルシナ属NO−A10株を培養液(EDC 10g/リットル)から遠心分離(4500rpm、15分間)した微生物を100ミリリットルの0.5%NaCl水溶液に薄めた。その10ミリリットルをピペットで取り、尿素−CaCl−MgCl−緩衝液からなる水溶液10ミリリットルに加えた。室温20℃で試験管を振盪させて所定の時間後に試験管の中の炭酸塩の沈殿量を測定した。なお、すべての実施例、実験例、比較例では、全実験を通してウレアーゼ産生微生物は最終溶液の半分の体積の培養液で培養した量を使った。なお、実験例1では10本の試験管の検体を準備して、所定の時間になったとき、液体中の炭酸塩はろ紙で濾し、ろ過された炭酸塩を測った。また、ガラス壁面に付着したものは、試験管を炉乾燥(110℃)させた後に質量を測定して、予め測定しておいた試験管質量をそれより差し引いて求めた。なお、時間が経つほど、液体中には炭酸塩は含まれておらず、試験管壁面に付着または底へ沈殿した。
次に、実験例1において、1M尿素水溶液に代えて0.5M尿素水溶液を使用し、0.5MCaCl−0.5MMgCl水溶液に代えて0.5MMgCl水溶液を加えた以外は、実験例1と同様にして比較例1の炭酸塩を生成し、その生成量を実験例1と同様にして調べた。また、各時間における反応液のpHを測定した。これらの結果を下記表3及び図3に示す。実験例1の場合、およそ20時間後には加えた量の約65%の沈殿が生成した。その後徐々に沈殿量は増えて最終的には80%程度まで増加すると思われる。約9時間後の電子顕微鏡写真を図4に示す。一方、比較例1の場合、約15時間で80%の沈殿が起こった。比較例1では、マグネサイトが生成した。
Figure 2011045333
[実験例2]
次に、Caイオン/Mgイオン(モル比)の割合を表4及び表5に示すように変えて、スポロサルシナ属NO−A10株、尿素を加えて炭酸塩を以下のように生成し、得られた炭酸塩の量を以下の実験方法、評価方法によって評価した。結果を下記表4及び表5に併記すると共に、図5に示す。
Figure 2011045333
Figure 2011045333
<実験方法>
緩衝溶液(10mM水酸化アンモニウム+塩化アンモニウム)をベースに1MCaClと1M尿素を加えて200ミリリットル(Ca液)を準備した。また、緩衝溶液(10mM水酸化アンモニウム+塩化アンモニウム)に1M MgClと1M尿素を加えた混合溶液200ミリリットル (Mg液)を準備した。Ca液とMg液を所定の割合で混ぜて10ミリリットルに分取した。その割合はMg/Ca比で10:0,9:1,8:2,7:3,5:5,4:6,3:7,2:8,1:9,0:10である。また、培養した菌体溶液200ミリリットルを50ミリリットルずつ分けて、4500rpmで15分間遠心分離した後、上澄み溶液を除き、沈殿した菌体に0.5%NaCl溶液をそれぞれ50ミリリットル加えた。これらから10ミリリットルをメスピペットで取り、CaとMgの混合液10ミリリットルに加えた。これから5ミリリットルをメスピペットで取り試験体とした。その後、約20℃で振盪させて、72時間及び1週間後に沈殿物の質量を測った。沈殿物は溶液中と試験管ガラス壁に付着したものに分けて測定した。溶液中の沈殿はろ過して乾燥質量を、試験管に付着したものは乾燥して試験管と沈殿物の質量を測定した。ろ紙および試験管の質量をそれぞれの測定値から差し引いて、それらを加えたものを全沈殿物とした。
図5から、つぎのことがわかる。Ca/(Ca+Mg)が0.2以下の場合、炭酸マグネシウム(マグネサイト)又は炭酸マグネシウム又はCa−炭酸マグネシウムが生成し、72時間以降も沈殿が起こり続ける。Ca/(Ca+Mg)=0.3のとき、沈殿は72時間で終了していると思われ、そのときの沈殿物のMg/Ca比は1:1である。沈殿速度の点からは安定していると考えられる。Ca/(Ca+Mg)=0.5のとき、1週間後に沈殿物のMg/Ca比は0.5となっている。上記実験例2では沈殿量を時間で示してあるが、この場合も169時間後に0.743Mの沈殿が起こっており、この結果と一致する。Ca/(Ca+Mg)>0.7ではMgの沈殿量は相対的に少なく、基本的にMgはMg−カルサイトの生成に寄与するものと考えられる。沈殿速度は比較的速く、72時間でほぼ安定している。
[実施例1〜5及び比較例2、3]
上記実験例2ではMg/Ca比=1.0で行った実験結果から沈殿物のMg/Ca比は0.5であった。このことは、加えたカルシウムはほぼ全部(全体の50%)、マグネシウムが加えた量の50%(全体の約25%)が沈殿したことを示している。また、Mg/Ca比が0の場合には、カルシウムのほぼ100%がカルサイトとして沈殿した。したがって、Mg/Ca比が異なることによる沈殿鉱物の違いによる影響を調べるために、カラム生成実験行った。この実験では砂(密度:1.42g/cm、間隙比:0.86)に反応液(Mg/Ca比が1と0)をそれぞれ浸透させ、針貫入試験(株式会社丸東製作所の軟岩ぺネトロ計)を行って、その結果より一軸圧縮強さを推定して比較した。得られた結果を下記表6に示す。
Figure 2011045333
<実験方法>
上記実施例1〜4及び比較例2、3の作成方法を図6の生成カラムの概略正面図を用いて説明する。図6において1は、生成カラムである。この生成カラム1は、内径43mmの透明のアクリルパイプであり、その下端側にゴム栓2をつけ、内壁にはポリピレンの薄いシートを張り付け、その中に粗砂3(高さ約2cm)、細砂4(9cm)、粗砂3(約2cm)の順に水中堆積させた。このとき、余り緩くならないように適度に振動を与えながら堆積をさせた。なお、図中の数字は、アクリルパイプ1の長さ(180mm)、細砂4の高さ(90mm)を示す。粗砂3と細砂4、細砂4と粗砂3との間には、ろ紙5,5を敷いた。底のゴム栓2には排液口6を取り付けた。供試体は6本準備(実施例1〜4、比較例2、3)した。その概要は、上記表6のとおりである。供試体内の水を排水した後、表6に示すような金属イオンで作成した反応液150ミリリットルを上部から流し入れて、最終的に溶液表面が上部粗砂の表面に来たとき排液を止めた。なお、ウレアーゼ産生微生物は、流し入れる直前に混合したが、培養液をそのまま使用したので、金属イオン、尿素等は2倍の濃度にしておいて、培養液で薄まって所定の濃度になるようにした。反応は1日間として、次の日には実施例1を除いて、上から新しい反応液を入れて同じ操作を繰り返した。以降、浸透回数を上記表6のようにした。
表6には炭酸塩含有量は計算によるものと、実際に測定したものを示した。計算に依る方法は次のように行った。実施例1〜4はMg/Ca比が1で行ったので、沈殿量は0.75Mとなる。また、MgとCaの沈殿割合は1:2であるので、実際の沈殿物の分子量は1/2(1/3Mg+2/3Ca+2CO)であり、0.5(0.333×24+0.667×40+120)=77.33となる。従って、その0.75Mは0.75×77.33=58.0g。一方、砂の間隙比は0.86であるので、間隙と固体粒子の体積比は0.86:1となる。即ち、間隙中が反応液で満たされているので、固体の体積を1cmとすると、間隙の体積は0.86cmとなる。したがって、この間隙中沈殿物の量は、58g×0.86/1000=0.050gとなる。炭酸塩含有量の定義は、質量比で炭酸塩/(炭酸塩+他の固体)であるので、1間隙体積による沈殿量は次のように表せる。Mg/Ca=0.5において、砂の密度を2.65g/cmとすると、ドロマイト沈殿量=0.05/(0.05+2.65×1)×100(%)=1.852%、すなわち、実施例1〜4において、1間隙体積(浸透中の沈殿はごく少量で無視)では1.852%の炭酸塩が生成する。従って、これに浸透回数分だけ乗じればその場合の炭酸塩含有量が得られる。カルサイトに対しては1MのCaを加えると1Mのカルシウムが生成するので、分子量100で計算すると、1間隙体積に対して沈殿量は100×0.86/1000=0.086gとなる。従って、1間隙体積に対してカルサイトの沈殿量は、カルサイト沈殿量=0.086/(0.086+2.65×1)=3.14%となる。2間隙体積では6.28%、3間隙体積では9.4%となる。
炭酸塩の含有量は、強塩酸によって溶かし、発生するCOガス圧を測定して決定できる。これには図7のような装置と市販の炭酸カルシウムを使って得たキャリブレーションが必要である。図7において10はガス圧測定器であり、このガス圧測定器10は、反応容器11内で、試料12を強塩酸13によって溶かし、発生するCOガス圧を測定するものである。即ち、各供試体の上部粗砂をドライバーなどで削り取って、針貫入試験を行った後、細砂試料を数g取り出し、110℃で炉乾燥する。反応容器11内で、炉乾燥した試料約0.5g(試料12)を3NのHCl(強塩酸13)で溶かし、ガス圧測定器10で発生するCOガス圧を測定して、キャリブレーション図から炭酸カルシウムの量を決定し、それを乾燥試料質量で除して百分率で表すと炭酸カルシウム含有量となる。なお、図7において反応容器11は、内部の様子を説明するために透明容器として示した。沈殿物のMg/Ca比が0.5の場合には、まず炭酸カルシウムと同様に炭酸カルシウム含有量を求めて、それにドロマイトとカルサイトの分子量の比(77/100)を乗じて炭酸塩の含有量とする。炭酸塩の計算値と実測値はやや誤差はあるが、ノジュールの生成や、粒子集合体における不均一性から考えると満足できる範囲にあると考えられる。
反応液浸透実験後、そのまま1ヶ月放置しておいて、反応液を排出して自然乾燥後に針貫入試験を行った。針貫入は上部粗砂を取り除き細砂の表面部を露出させた状態で行った。場所を変えて数回貫入抵抗と貫入量を測定し、針貫入抵抗を貫入量で除して貫入勾配を求めた。それを平均したものを表7に示した。推定一軸圧縮強さは次の関係式から推定した。なお、この方法は、これまで土木学会の岩盤力学委員会で指針が作られている。
y=0.978x+2.599
ここに、y:一軸圧縮強さの対数値、y:貫入勾配の対数値である。ある報告によると、天然岩石114個、セメント処理試料50個で調べた結果、上式の相関係数は0.914である。
図8は、測定炭酸塩と推定一軸圧縮強さの関係を示す。これより、同じ炭酸塩含有量では、ドロマイト(実施例1〜4)のセメント効果がカルサイト(比較例1、2)の約3倍あることがわかる。また、1M以下の炭酸塩濃度では炭酸塩は一軸圧縮強さにほとんど寄与しないことがわかる。ただし、観察からは粒子相互の結合は部分的に見られ、また炭酸塩のノジュール(純度の高い球形の塊)が形成されている。ドロマイトの炭酸塩含有率に対する強度増加率は0.45(MPa/%)、またカルサイトの強度増加率は0.33(MPa/%)であり、どちらも極めて高いといえる。
<耐酸性に対する実験方法>
針貫入試験で用いた実施例3と比較例3の共試体を用いて耐酸性の実験を行った。酸として酢酸を用いた。純度99.7%、比重1.049の酢酸30ミリリットルを1リットルの蒸留水に溶かし.約0.5Mの酢酸を準備した。この溶液のpHは2.68であった。実施例3と比較例3の供試体の上下を逆にして、酢酸70ミリリットルを流した。どちらの試料も気泡を生じた。しばらくして、それぞれ上から70ミリリットルの水を流したあと、1時間放置した。実施例3及び比較例3の供試体のパイプ中の粗砂を取り除き、細砂の表面を露出させて、針貫入面とした。
測定結果を下記表7に示す。実施例3の供試体では酢酸による洗浄で一軸圧縮強さが39%減少したのに対し、比較例3の供試体では66%減少した。このことから、次のことが考えられる。
Mgの影響で耐酸性が増大する。
実施例3の沈殿物のかなりの部分が溶けたことから、全てがドロマイトではなくカルサイトまたはMg−カルサイトである可能性が高い。
比較例3の沈殿物の全てが純粋なカルサイトではなく、砂の中に混入していた他のイオンの影響を受けて沈殿したものと思われる。従って、耐酸性が少し高い可能性がある。
Figure 2011045333
本発明のセメント工法の応用可能な土木技術としては、例えば、地震時の液状化対策、盛土の補強、構造物下の地盤補強、宅地の地盤改良、岩盤クラックおよびコンクリートひび割れの充填(グラウト)、砂杭の補強または固化、高レベル放射性廃棄物処分場におけるバッファ材料および岩盤の止水、道路の路床および路盤の補強、河川堤防の補強、地すべり対策、がけ崩れ対策、アースダムの止水、土壌中の重金属の不動化、廃棄物最終処分場の止水対策、土石流対策等である。

Claims (9)

  1. 炭酸塩によるセメント工法において、(1)ウレアーゼ産生微生物と、(2)尿素と、(3)第1金属イオンとしてカルシウムイオンと、(4)マグネシウムイオン、鉄イオン及びストロンチウムイオンから選ばれる1種又は2種以上の第2金属イオンとを、(3)第1金属イオンに対する(4)第2金属イオンのモル比として第1金属イオン/第2金属イオンが9/1〜1/9となるように反応液中で反応させて炭酸塩を生成することを特徴とするセメント工法。
  2. 上記ウレアーゼ産生微生物として、スポロサルシナ属NO−A10株(受託番号 NITE P−791)及び/又はスポロサルシナ属NO−N10株(受託番号 NITE P−792)を使用する請求項1に記載のセメント工法。
  3. 上記反応液中における上記(2)尿素の濃度が0.5〜2200mMであり、上記(3)第1金属イオンと上記(4)第2金属イオンの合計濃度が0.5〜2200mMである請求項1又は2に記載のセメント工法。
  4. 上記炭酸塩の生成によって地盤中で土壌粒子を結合させる請求項1、2又は3に記載のセメント工法。
  5. 岩及び/又はコンクリート表面の穴又は亀裂内で上記炭酸塩を沈殿させる請求項1、2又は3に記載のセメント工法。
  6. 汚泥粒子表面で上記炭酸塩を沈殿させることにより汚泥を粒状化させる請求項1、2又は3に記載のセメント工法。
  7. 土壌中で上記炭酸塩を沈殿させることにより、重金属などの汚染物質を不動化させる請求項1、2又は3に記載のセメント工法。
  8. 岩石、コンクリート、モルタル、石膏、ガラス、セラミック又はスレートの固体表面を上記炭酸塩で被覆する請求項1、2又は3に記載のセメント工法。
  9. 土壌、岩盤又はコンクリートの中に穴を空け、金属、コンクリート、プラスチック、繊維又は発泡性プラスチックからなる固体を挿入して、土壌、岩盤又は上記固体を上記炭酸塩で固結させる請求項1、2又は3に記載のセメント工法。
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