JP2011042001A - 金属材料の加工装置と加工方法 - Google Patents

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辰一 岩井
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Abstract

【課題】加工工具の刃先を含め加工部周辺へ加工液を的確に供給して良好な潤滑性と冷却効果が得られると共に、作業環境への悪影響も少ない金属材料の加工装置と加工方法を提供する。
【解決手段】ワークWを加工する加工工具12と、加工液Cを加工部周辺へ噴射する噴射ノズル14と、噴射ノズル14へ加工液Cを供給する加工液供給装置30とを有し、加工液Cが噴射ノズル14から圧縮エアーと共に噴射される金属材料の加工装置であって、加工液Cは、液滴の平均粒子径が50〜300μmのシャワー状に噴射されるセミウェット加工であることを特徴とする。加工液Cは、冷却された状態で供給することが好ましい。
【選択図】図2

Description

本発明は、金属材料を切削又は研削加工する加工工具と、潤滑や冷却用等の加工液を噴射する噴射ノズルと、噴射ノズルへ加工液を供給する加工液供給装置とを有し、金属材料を加工する際に、加工液を金属材料や加工工具へ噴射する金属材料の加工装置と加工方法に関し、特に、加工液を圧縮エアーと共に噴射する金属材料の加工装置と加工方法に関する。
従来から、金属材料の切削加工や研削加工では、加工能率、品質、工具寿命等の向上のために、加工時に油性又は水溶性の加工液(切削液、研削液)を被加工物(ワーク)である金属材料や加工工具へ供給している。具体的には、ワークと加工工具との間で生じる摩擦熱によって、ワークに加工焼けや熱変形が生じる、焼鈍効果による加工面の硬度低下、加工工具の欠損や寿命低下、加工部周辺に切り屑が溶着するなど、種々の問題が生じる。そこで、ワークの加工時に潤滑性を高めながら冷却効果も得るために、加工液(クーラント)を加工部周辺に供給している。また、クーラントの供給は、切り屑除去等の作用もある。従来の切削や研削の加工工程では、一般的に循環ポンプにより大量のクーラントが液状のまま供給されるウェット加工(湿式加工)であった。
一方、加工液による環境汚染や廃棄コスト等の問題から、クーラントを全く使用しないドライ加工(乾式加工)も採用されている。ドライ加工では、クーラントを使用しない代わりに、エアーブロー等によって加工部周辺を冷却することが多い。しかし、ドライ加工では潤滑性が悪く、エアーブローでは十分にワークや加工工具を冷却できないなどの問題が生じる。そこで近年では、クーラントを圧縮エアーと共に噴射して粒子径が微細なミスト(霧)状に噴霧するセミドライ加工が注目されている。例えば下記特許文献1では、ブローチ(加工工具)をワークの孔に挿入した状態で、当該ブローチをワークに対して長手方向に相対移動させることでワークの孔の内面を切削加工するブローチ盤において、湿式加工と、ドライ加工と、セミドライ加工とを、容易に切り替え可能としている。
また、マシニングセンタ(複合工作機械)における切削加工において、セミドライ加工を適用した技術として、下記特許文献2や特許文献3も提案されている。これらのマシニングセンタでは、エアーライン(エアー配管)とクーラントライン(クーラント配管)とをそれぞれ噴射ノズルに連結し、当該噴射ノズルからクーラントが圧縮エアーと共に粒径が微細なミストとして噴霧される。具体的には、特許文献2ではクーラントの平均粒子径は1μ程度とされ、特許文献3ではクーラントの平均粒子径は3〜10μm程度とされている。
特開2002−103133号公報 特開2002−66871号公報 特開2000−84790号公報
加工液をそのまま加工部周辺へ供給するウェット加工では高い潤滑・冷却効果が期待できるが、実際には加工液の流れによって加工部周辺に均一に供給されず、加工液の多い部分と少ない部分とが生じることがある。そのため、加工工具の刃先まで加工液が届き難いという問題も生じる。ドライ加工では、潤滑性や冷却が十分でなく高温となった切り屑が周囲に飛散し易い。これでは、周囲に可燃物があれば火災の危険性があるなど、安全性に問題がある。
一方、セミドライ加工では、クーラントミストにより加工部の潤滑性がある程度確保される。しかし、クーラントミストの粒径は数μm程度と微細なため質量が小さく、冷却効果に課題がある。しかも、粒径が微細なクーラントミストは加工中に周囲へ飛散し易く、当該飛散したクーラントミストによって、工場内の悪臭や汚れなど作業環境悪化の原因ともなる。また、飛散したクーラントミストが加工装置の壁面に付着することでべたつき、切り屑等が貼りつくなどの問題も生じる。
そこで、本発明は上記課題を解決するものであって、その目的は、加工工具の刃先を含め加工部周辺へ加工液を的確に供給して良好な潤滑性と冷却効果が得られると共に、作業環境への悪影響も少ない金属材料の加工装置と加工方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明は次の手段を採る。具体的には、金属材料を切削又は研削加工する加工工具と、加工液を加工部周辺、すなわち前記金属材料及び/又は前記加工工具へ噴射する噴射ノズルと、前記噴射ノズルへ加工液を供給する加工液供給装置とを有し、前記加工液が、前記噴射ノズルから圧縮エアーと共に噴射される金属材料の加工装置であって、前記加工液は、液滴の平均粒子径が50〜300μmの状態で噴射されることを特徴とする。すなわち、本発明は、加工液がミスト(霧)状ではなく、これより液滴粒径が大きなシャワー状に噴射される「セミウェット加工」である点が、最も大きな特徴として注目される。
このとき、前記加工液供給装置に冷却手段を設けたうえで、前記加工液を、前記冷却手段によって冷却された状態で噴射することが好ましい。さらには、前記加工液供給装置にサブタンクを設けて、金属材料の非加工時には、前記冷却手段によって冷却された加工液を前記サブタンクに貯留し、金属材料の加工時は前記サブタンクから加工液が供給されるようにすることが好ましい。この場合、前記加工液供給装置には、前記サブタンクから加工液を汲み上げる汲上ポンプを設けておく。そして、汲上ポンプをエアー駆動式のポンプとして、前記サブタンクに貯留された加工液を、当該エアー駆動式の汲上ポンプによって供給することが好ましい。
また、金属材料の切削又は研削加工時に、加工液供給装置から噴射ノズルを介して加工液を圧縮エアーと共に金属材料及び/又は加工工具へ噴射する、金属材料の加工方法であって、前記加工液を、液滴の平均粒子径が50〜300μmの状態で噴射することを特徴とする、金属材料の加工方法も提案される。
本発明の加工装置及び加工方法によれば、加工液が平均粒子径50〜300μmの所謂シャワー状に噴射されるセミウェット加工なので、加工液ぶっかけ方式のウェット加工、加工液を使用しないドライ加工、及び加工液をミスト状に噴霧するセミドライ加工のいずれの加工方式よりも優れた効果を奏する。具体的には、ウェット加工のように加工液の供給むらが生じ難く、加工工具の刃先を含めた加工部周辺へ的確に加工液を供給することができる。ウェット加工に比べて加工液の使用量を低減できるという利点も有する。また、ドライ加工のように潤滑性や冷却不足の問題は無い。さらに、セミドライ加工のように加工液が周囲へ飛散することも少なく、作業環境への悪影響も低減できる。しかも、セミドライ加工よりも液滴が大きいので、冷却効果も的確に確保できる。
加工液が冷却手段によって冷却された状態で噴射されれば、冷却効果が向上する。特に、夏場等の環境温度が比較的高い場合は、当該環境温度によって加工液も温められているので冷却効率が劣るが、冷却手段によって冷却された状態で噴射されれば、このような冷却効率の低下を避けられる。
金属材料の非加工時は冷却された加工液をサブタンクに貯留しておき、金属材料の加工時にサブタンクから加工液を供給すれば、加工液の液温調整を行うことができるとともに、確実に冷却された加工液が供給されるので、冷却効果を確実に高めることができる。
汲上ポンプとして電動式のポンプを使用すると、当該電動ポンプの駆動熱によって加工液が加熱されるおそれがある。これに対し、汲上ポンプとしてエアー駆動式のポンプを使用していればこれの駆動熱は低く、加工液が加熱されることが避けられるので、加工液を効率良く冷却することができる。
加工装置の要部構造を示す縦断面図である。 加工装置の要部拡大縦断面図である。 ノズルホルダーの平面図である。 非加工時の加工液供給装置の模式図である。 加工時の加工液供給装置の模式図である。
以下に、適宜図面を参照しながら本発明に係る金属材料の加工装置及び加工方法の代表的な実施例について説明するが、これに限定されることはなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。本発明は、金属材料を切削又は研削加工する加工工具と、加工液を加工部周辺へ噴射する噴射ノズルと、噴射ノズルへ加工液を供給する加工液供給装置とを有し、加工液が噴射ノズルから圧縮エアーと共に噴射される構成のものであれば特に限定されず、種々の加工装置に適用することができるが、以下には被加工物である金属材料(以下、ワークと称する)の孔にブローチ挿入して、ワークの孔の内面を切削加工する立型ブローチ盤に適用した例を挙げて説明する。
図1及び図2に示すように、加工装置であるブローチ盤1は、本体11と、加工工具であるブローチ12と、治具となる基準金具13と、加工液(以下、クーラントと称する)を噴射する噴射ノズル14と、噴射ノズル14を固定するノズルホルダー15と、クーラントを供給するクーラント供給装置30などを備えている。ブローチ12は棒状の切削工具であり、その外周面にワークWを切削する刃部12aが形成されている。ブローチ12は本体11に上下方向に起立した状態で挿通され、その下端部がプルヘッド18にて固定される。本体11は上下に昇降可能であり、これに設置されたワークWをブローチ12に対して上下方向に相対移動させることができる。
基準金具13は本体11上に設置され、これの径方向中央にブローチ12が挿通される。また、基準金具13の径方向中央部の上面には、ワーク設置凹部13aが凹み形成されており、当該ワーク設置凹部13aにワークWが設置される。ワークWには予め加工孔Waが厚み方向に貫通して穿設されており、当該加工孔Wa内をブローチ12が上下に相対移動することで、加工孔Waの内周面が切削加工される。
図1〜3に示すように、ノズルホルダー15は円環状を呈し、これの径方向中央にブローチ12が挿通される。ノズルホルダー15はワークWを挟んで基準金具13の上方に設けられ、ブラケット16に固定されている。ブラケット16の基端は図外のシリンダに連結されており、当該シリンダによって上下方向へ昇降可能となっている。これにより、ノズルホルダー15及びこれに固定された噴射ノズル14は、図1の想像線(二点鎖線)で示すように、ブラケット16を介して上下方向に昇降可能となっている。
噴射ノズル14はノズルホルダー15に固定され、ブローチ12を囲むようにノズルホルダー15の周方向に等間隔で複数箇所設けられている。本実施例では、4箇所に噴射ノズル14を設けている。各噴射ノズル14は、クーラントCをワークWの加工部へ向けて噴射するよう、所定角度で下方に傾斜している。また、各噴射ノズル14は、図3に示すように、ブローチ12の軸中心に対して平面方向において所定角度θずれた状態で配されている。これにより、各噴射ノズル14から噴射されたクーラントCのブローチ12へまともに衝突することが避けられ、ブローチ12の外周面を沿うように噴射されることで、刃部12aを含めた加工部周辺へ的確にクーラントCを供給できる。
各噴射ノズル14は、圧縮エアーが導入されるエアーポート14aと、クーラントCが導入されるクーラントポート14cと、圧縮エアー及びクーラントCが流動していく流路14bと、流路14bからクーラントCが圧縮エアーと共に噴射される噴射口14dとを有する。クーラントポート14cは流路14bの中間部おいて圧縮エアーの流動方向に対して直交するように連通しており、流路14b内を圧縮エアーが流動する際のベンチュリー効果による負圧によってクーラントCが吸引されるベンチュリーノズルとなっている。また、各噴射ノズル14には、ボールねじからなるニードル17が内外貫通状に設けられている。当該ニードル17の先端部は、クーラントポート14cと流路14bとの連通部に臨んでいる。そして、ニードル17の突出量(クーラントポート14cの開口量)を調整することで、クーラントCの導入量、延いては噴射口14dから圧縮エアーと共に噴射される際の液滴粒径を調整可能となっている。なお、エアーポート14aには、クーラント供給装置30から延びるエアーライン20(エアー配管)が連結されており、クーラントポート14cには、同じくクーラント供給装置30から延びるクーラントライン21(クーラント配管)が連結されている。
本体11の内部には、クーラント流路11aが穿設されており、当該クーラント流路11aの基端に、クーラント供給装置30から延びる第2クーラントライン22が連結されている。クーラント流路11aの先端には、ブローチ12を囲むように円環状に形成された円環流路11bが連結されている。そして、円環流路11bの側壁全体に亘って、複数の噴射口11cが穿設されている。各噴射口11cも、下方へ向けて所定角度傾斜している。
クーラント供給装置30には、図4、5に示すように、エアー導入ポート31と、クーラント導入ポート32とが連結されている。なお、図4は、ブローチ盤1の不使用時、すなわち非加工時の状態を示しており、図5は、ワークW加工時の状態を示している。エアー導入ポート31からは、図外のポンプによって圧縮エアーが圧送されてくる。クーラント導入ポート32からは、図外のクーラントタンクからクーラントが導入される。
潤滑及び冷却用の加工液であるクーラントとしては、油性切削油でも良いし水溶性切削油でも良いが、水溶性切削油が好ましい。油性切削油は潤滑性が高いが、粘性が高いためワークへの付着量が多く消費量及びコストが高くなると共に、対環境性も悪くなる問題が生じるからである。水溶性切削油であれば、これらの問題が低減する。また、潤滑性は劣るが、加工液であるクーラントとして水を使用することもできる。
そのうえで、クーラント供給装置30には、導入されたクーラントCを貯留するサブタンク35と、サブタンク35に貯留されたクーラントCを汲み上げる汲上ポンプ36と、クーラントCを冷却する冷却装置37とを有する。クーラント導入ポート32とサブタンク35との間には、クーラント導入ライン23が配されている。サブタンク35と冷却装置37とは、汲上ライン24によって連通され、当該汲上ライン24上に汲上ポンプ36が設けられている。汲上ライン24は、クーラントライン21とリバースライン25とへ択一的に連通可能となっている。クーラントライン21は、途中で4方向に分岐しており、それぞれの先端が各噴射ノズル14に連結されている。リバースライン25の先端は、サブタンク35に連通している。
クーラント導入ライン23上には、クーラント導入ポート32側からバルブ40、電磁弁41、フィルター42が、これの順で設けられている。バルブ40は、手動で開閉状態を切り替えるバルブである。電磁弁41は、図示ししていない制御装置によって開閉制御される。また、バルブ40と電磁弁41との間には、第2クーラントライン22が連結されている。当該第2クーラントライン22上にも、制御装置によって開閉制御される電磁弁43が設けられている。
サブタンク35には、当該サブタンク35内に貯留されるクーラントCの液量検知手段としての液面レベルスイッチ44と、クーラントCの温度検知手段としての温度センサ45とが設けられている。液面レベルスイッチ44と温度センサ45は、図外の制御装置へ連結されている。符号46は、フィルターである。汲上ポンプ36はエアー駆動式のポンプであり、当該汲上ポンプ36には、エアー導入ポート31の上流から分岐したポンプ駆動ライン26が連結されている。当該ポンプ駆動ライン26上にも、制御装置によって開閉制御される電磁弁47が設けられている。冷却装置37は、クーラントCを冷却可能なものであれば特に限定されないが、例えばペルチェ素子を利用したものなどを例示できる。
エアー導入ポート31には、エアーライン20が連結されている。当該エアーライン20は途中で4方向に分岐しており、それぞれの先端が各噴射ノズル14に連結されている。また、エアーライン20上には、エアー導入ポート31側からバルブ54と電磁弁55とが、これの順で設けられている。バルブ54は、手動で開閉状態を切り替えるバルブであり、電磁弁55は、図示していない制御装置によって開閉制御される。
また、汲上ライン24とクーラントライン21及びリバースライン25との連結部にも電磁弁48が設けられており、エアーライン20には、電磁弁48に至る切替ライン27が連結されている。電磁弁48は、切替ライン27を通して供給されるエアー圧力によって連通状態が切り替えられる。当該電磁弁48がエアー圧力によって切り替えられることで、汲上ライン24とクーラントライン21又はリバースライン25との連通状態が選択的に切り替えられる。また、クーラントライン21上には、温度センサ50、流量センサ51、及び流量調整バルブ52が設けられている。温度センサ50及び流量センサ51は、図外の制御装置に連結されている。流量調整バルブ52は、いわゆる絞りである。
次に、ワークWの加工手順(方法)とその作用について説明する。まず、図1の想像線で示すように、ノズルホルダー15及び噴射ノズル14を上方に退避させた状態で、基準金具13上に被加工物であるワークWを設置する。ワークWを設置したら、図1の実線で示すように、ノズルホルダー15がワークWに当接ないし近接する程度に噴射ノズル14を加工部周辺まで降ろして、加工状態にセットする。なお、ブローチ盤1の停止時(ワークWの非加時)では、図2に示すように、各噴射ノズル14はブローチ12の刃部12aに臨んでいる。そして、ブローチ盤1の電源を入れ、クーラント供給装置30から圧縮エアーと共にクーラントCを加工部周辺へ供給しながら、ブローチ12によってワークWの加工孔Waを切削加工することになる。そこで、クーラント供給装置30について詳しく説明する。
ブローチ盤1の停止時(ワークWの非加工時)では、クーラント導入ライン23上のバルブ40及びエアーライン20上のバルブ54は閉弁されている。また、図4に示すように、クーラント導入ライン23上の電磁弁41、第2クーラントライン22上の電磁弁43、ポンプ駆動ライン26上の電磁弁47、及びエアーライン20上の電磁弁55も、それぞれ閉弁されている。これにより、仮にクーラント導入ライン23上のバルブ40やエアーライン20上のバルブ54が閉め忘れ等により開弁されていても、クーラント供給装置30内にクーラントや圧縮エアーが不用意に導入されることはない。クーラント導入ライン23上のバルブ40やエアーライン20上のバルブ54は、元栓としての要素である。また、ブローチ盤1の停止時(ワークWの非加工時)では、汲上ライン24とリバースライン25とが電磁弁48を介して連通されており、汲上ライン24とクーラントライン21とは電磁弁48によって非連通状態となっている。
当該図4に示す状態から、バルブ40及びバルブ54を手動で開き、ブローチ盤1の電源を入れる。すると、図5に示すように、第2クーラントライン22上の電磁弁43が開弁され、クーラント導入ポート32から導入されたクーラントが、第2クーラントライン22を通して本体11のクーラント流路11aに導入される。また、エアーライン20上の電磁弁55も同時に開弁される。これにより、エアー導入ポート31から導入された圧縮エアーが、エアーライン20を通して各噴射ノズル14へ導入されると共に、切替ライン27を通して電磁弁48へも供給される。すると、当該切替ライン27を通して供給される圧縮エアーの圧力によって電磁弁48が作動し、汲上ライン24とクーラントライン21とが連通状態となる。一方、汲上ライン24とリバースライン25とは、非連通状態となる。また、ポンプ駆動ライン26上の電磁弁47も同時に開弁され、ポンプ駆動ライン26を通して圧縮エアーが汲上ポンプ36へ供給される。すると、当該ポンプ駆動ライン26を通して供給された圧縮エアーによって汲上ポンプ36が駆動し、サブタンク35に予め貯留されていたクーラントCが、汲上ライン24を通して汲み上げられる。なお、サブタンク35に貯留されているクーラントCは予め所定温度に冷却されている(詳しくは後述する)ので、ブローチ盤1の電源を入れた直後は、冷却装置37は作動していない。また、ブローチ盤1の電源を入れた直後は、クーラント導入ライン23上の電磁弁41は閉弁されたままである。
汲上ポンプ36によって汲み上げられたクーラントCは汲上ライン24からクーラントライン21へ至り、流量調整バルブ52を介して流量が調整されながら、各噴射ノズル14へ導入される。このとき、汲上ポンプ36及び電磁弁48が共にエアー駆動式なので、クーラントCが電動熱によって加熱されることが避けられる。また、クーラントライン21上に設けられた温度センサ50によって、クーラントライン21を流動していくクーラントCの温度が検知されている。そして、当該温度センサ50によってクーラントCの温度が所定温度以上であることが検知されると、冷却装置37が作動するよう制御されている。したがって、サブタンク35内のクーラントCの温度が充分に冷却されていなくても、クーラントCが冷却装置37によって冷却されながら各噴射ノズル14へ供給されるので、冷却効果の低減が避けられる。また、クーラントライン21上に設けられた流量センサ51によって、クーラントライン21を流動していくクーラントCの流量も検知されている。そして、クーラントCを冷却し過ぎて流動性が低下したり、サブタンク35内のクーラントC量が極端に低下するなどして、クーラントライン21中を流動するクーラントCの流量が所定値以下であることが検知されると、ポンプ駆動ライン26上の電磁弁47を閉弁されて、汲上ポンプ36が停止するように制御されている。このように、温度センサ50及び流量センサ51は、クーラントCの供給状態確認用として設けられている。
各噴射ノズル14に供給された圧縮エアーは、図2に示すように、エアーポート14aから流路14bを通って噴射口14dから噴射される。なお、本実施例では、圧縮エアーが0.2〜0.5MPa(2〜5Kg/cm2)程度で噴射されるように設定されている。同時に、流路14bを圧縮エアーが流動することでクーラントポート14cに負圧が生じ、クーラントポート14cからクーラントCが吸引される。そして、吸引されたクーラントCは流路14bにおいて圧縮エアーと混合され、噴射口14dから圧縮エアーと共に噴射される。
このとき、圧縮エアーのエアー圧力も考慮しながらニードル17の突出量(クーラントポート14cの開口量)を調整することで、クーラントCの液滴平均粒子径が50〜300μm程度で噴射されるように設定しておく。これにより、クーラントCがシャワー状に噴射されるセミウェット加工となる。噴射されるクーラントCの平均粒子径が50μm未満であれば、セミドライ加工に近い状態となり、ワークW等の冷却効果低減や作業環境の悪化等の問題が生じる可能性が高くなる。一方、噴射されるクーラントCの平均粒子径が300μmを超えると、ウェット加工に近い状態となり、加工部周辺へ均一に供給できなかったり、使用量の増加につながる。クーラントCの液滴平均粒子径は、好ましくは50〜250μm程度であり、より好ましくは80〜200μm程度である。
各噴射ノズル14からシャワー状に噴射されたクーラントCは、ワークWの加工部周辺、すなわちワークWの上面及びブローチ12に向けて供給される。このとき、各噴射ノズル14は下方へ向けて傾斜していると共に、ブローチ12の軸中心に対して平面方向に所定角度θ傾斜しており、且つクーラントCがシャワー状に噴射されるので、ブローチ12の外周に供給されたクーラントCに流れが生じ難く、加工部周辺へ均一に供給される。したがって、ワークWの加工中にブローチ12の刃部12aがワークWの加工孔Waに臨んでいる状態でも、ブローチ12の刃部12aにまでクーラントCが的確に供給される。
一方、第2クーラントライン22中を流動してくるクーラントCは、本体11に穿設されたクーラント流路11aから円環流路11bへ至り、各噴射口11cから液状のままブローチ12へ向けて供給される。これにより、ブローチ12によってワークWを切削した切り屑が洗い流される。
クーラントCの消費によってサブタンク35内のクーラント貯留量が減少し、クーラントCの液面が液面レベルスイッチ44より低くなると、クーラント導入ライン23上の電磁弁41が開弁され、フィルター42を介して新たなクーラントCがサブタンク35内へ補充されるよう制御されている。サブタンク35内のクーラント液面が液面レベルスイッチ44より高くなると、電磁弁41は閉弁される。ワークWの加工中は、電磁弁41の開閉が繰り返される。
ワークWの切削加工が終了し、ブローチ盤1を停止すると、エアーライン20上の電磁弁55、第2クーラントライン22上の電磁弁43が閉弁される。これにより、汲上ライン24の連通状態切替用の電磁弁48へのエアー供給もストップする。すると、電磁弁48が初期状態へ切り替わり、汲上ライン24とリバースライン25とが連通し、汲上ライン24とクーラントライン21とは非連通状態となる。一方、ポンプ駆動ライン26上の電磁弁47は、ブローチ盤1の停止後所定時間は開弁状態で維持される。また、クーラント導入ライン23上の電磁弁41も、必要に応じてブローチ盤1の停止後所定時間は開弁状態で維持される。すなわち、ワークWの加工中にクーラントCが消費されてサブタンク35内のクーラントCの液面が液面レベルスイッチ44より低い場合は、ブローチ盤1の停止後でも、サブタンク35内のクーラントC液面が液面レベルスイッチ44よりも高くなるまで、クーラント導入ライン23上の電磁弁41は開弁されており、新たなクーラントCがサブタンク35内へ補充される。サブタンク35内のクーラントC液面が液面レベルスイッチ44よりも高くなれば、クーラント導入ライン23上の電磁弁41は閉弁される。
このように、ワークWの加工中逐次、及び必要に応じてブローチ盤1の停止後にも補充されるクーラントは、ブローチ盤1外のクーラントタンクから供給されてくる。したがって、サブタンク35内に貯留されているクーラントCの温度は、補充クーラントによって上昇する。そこで、ブローチ盤1が停止され汲上ライン24とリバースライン25とが連通した状態においても、ポンプ駆動ライン26上の電磁弁47は開弁していることで、汲上ポンプ36は駆動し続けている。一方、冷却装置37も、ブローチ盤1の停止後所定時間は作動し続けているか、ワークWの加工中に作動していない場合は、ブローチ盤1の停止に伴い冷却装置37が作動する。
そして、汲上ポンプ36によって汲み上げられたサブタンク35内のクーラントCは、汲上ライン24から冷却装置37を介して冷却されながら、リバースライン25を通して再びサブタンク35へリバースされる。このように、クーラントCが冷却装置37を介して循環することで、サブタンク35に貯留されているクーラントC全体の温度が低下し、サブタンク35内には常に予め冷却されたクーラントCが貯留されていることになる。サブタンク35内のクーラントCの温度が所定温度以下となったことが温度センサ45によって検知されると、ポンプ駆動ライン26上の電磁弁47及び冷却装置37は停止制御される。なお、ブローチ盤1を長期間使用せず、その間にサブタンク35内のクーラントCの温度が所定温度以上となると、再度上記循環冷却が始動するよう制御されている。
なお、サブタンク35に設けられた温度センサ45の設定温度、すなわちサブタンク35内に貯留されているクーラントCの冷却温度は、室温未満であれば特に限定されない。ワークWやブローチ12の冷却効率を高めるためには、できるだけ低温にしておくことが好ましい。但し、過度に冷却すると、クーラントCの流動性が悪化したり、凝固するおそれがある。したがって、サブタンク35に設けられた温度センサ45の設定温度、すなわちサブタンク35内に貯留されているクーラントCの冷却温度の下限は、クーラントCの流動性が低下しない程度の温度とする。例えば、3〜20℃程度の範囲で、季節や空調等の室内環境に応じて適宜設定すればよい。
(変形例)
以上、本発明の代表的な実施例について説明したが、その他種々の変形が可能である。例えば、上記実施例では噴射ノズルをブローチ(加工工具)の周りに4箇所設けたが、これに限らず1箇所のみでもよいし、2〜6箇所程度とすることもできる。好ましくは、3〜5箇所である。この場合も、各噴射ノズルは、加工工具を中心として等間隔で設置することが好ましい。また、上記実施例ではワークを切削加工するブローチ盤に適用したが、マシニングセンタに適用したり、研削加工装置に適用することもできる。
加工液供給装置には、サブタンク及び汲上ポンプを必ずしも設ける必要は無く、加工装置外の加工液タンクから供給されてくる加工液を、冷却手段を介して冷却しながらダイレクトに噴射するだけでもよい。また、手動で切り替えるバルブ40・54も、必ずしも設ける必要は無い。
加工液の冷却効率は落ちるが、汲上ポンプを電動ポンプとしたり、汲上ラインとクーラントライン及びリバースラインとの連通状態を切り替えるエアー切替式の電磁弁を、電動バルブとしてもよい。また、当該エアー切替式の電磁弁を、その他の電磁弁と同様に電子制御により開閉することもできる。
サブタンク35に設ける温度センサ45は、温度計としてもよい。この場合、サブタンク35内に貯留されているクーラントCの温度を目視により確認し、クーラントCの温度が所定温度以下となったところで、手動で循環冷却を停止すればよい。
クーラントライン21上に設けられた温度センサ50によってクーラントCの温度が所定温度より高いことが検知された場合、上記実施例のように冷却装置37を作動させるほか、ポンプ駆動ライン26上の電磁弁47を閉弁して、汲上ポンプ36を停止するように制御することもできる。
1 ブローチ盤(加工装置)
11 本体
12 ブローチ(加工工具)
13 基準金具
14 噴射ノズル
15 ノズルホルダー
17 ニードル
20 エアーライン
21 クーラントライン
23 クーラント導入ライン
24 汲上ライン
25 リバースライン
26 ポンプ駆動ライン
27 切替ライン
30 クーラント供給装置
35 サブタンク
36 汲上ポンプ
37 冷却装置
41・43・47・55 電磁弁
44 液面レベルスイッチ
45・50 温度センサ
48 エアー切替電磁弁
51 流量センサ
52 流量調整バルブ
C クーラント
W ワーク

Claims (8)

  1. 金属材料を切削又は研削加工する加工工具と、加工液を前記金属材料及び/又は前記加工工具へ噴射する噴射ノズルと、前記噴射ノズルへ加工液を供給する加工液供給装置とを有し、前記加工液が、前記噴射ノズルから圧縮エアーと共に噴射される金属材料の加工装置であって、
    前記加工液は、液滴の平均粒子径が50〜300μmの状態で噴射されることを特徴とする、金属材料の加工装置。
  2. 前記加工液供給装置は冷却手段を備え、
    前記加工液が、前記冷却手段によって冷却された状態で噴射されることを特徴とする、請求項1に記載の金属材料の加工装置。
  3. 前記加工液供給装置はサブタンクを備え、
    金属材料の非加工時に、前記冷却手段によって冷却された加工液が前記サブタンクに貯留され、金属材料の加工時は前記サブタンクから加工液が供給されることを特徴とする、請求項2に記載の金属材料の加工装置。
  4. 前記加工液供給装置は前記サブタンクから加工液を汲み上げる汲上ポンプを備え、
    前記汲上ポンプはエアー駆動式のポンプであることを特徴とする、請求項3に記載の金属材料の加工装置。
  5. 金属材料の切削又は研削加工時に、加工液供給装置から噴射ノズルを介して加工液を圧縮エアーと共に金属材料及び/又は加工工具へ噴射する、金属材料の加工方法であって、
    前記加工液を、液滴の平均粒子径が50〜300μmの状態で噴射することを特徴とする、金属材料の加工方法。
  6. 前記加工液供給装置に冷却手段を設け、
    前記加工液を、前記冷却手段によって冷却された状態で噴射することを特徴とする、請求項5に記載の金属材料の加工方法。
  7. 前記加工液供給装置にサブタンクを設け、
    金属材料の非加工時には、前記冷却手段によって冷却された加工液を前記サブタンクに貯留し、金属材料の加工時は前記サブタンクから加工液を供給することを特徴とする、請求項6に記載の金属材料の加工方法。
  8. 前記サブタンクに貯留された加工液を、前記加工液供給装置に設けられたエアー駆動式の汲上ポンプによって供給することを特徴とする、請求項7に記載の金属材料の加工方法。


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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104942648A (zh) * 2015-06-29 2015-09-30 芜湖创智机械技术有限公司 一种用于车床加工的冷却装置

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