JP2011041075A - 放射線画像撮影装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】オフセット補正の精度を維持しつつ、かつ、ダーク読取処理を現実的な時間内で行うことが可能な放射線画像撮影装置を提供する。
【解決手段】放射線画像撮影装置1、100は、複数の放射線検出素子7と、スイッチ手段8と、放射線の照射により装置内を流れる電流を検出する電流検出手段43と、検出された電流の値に基づいて少なくとも放射線の照射の開始を検出する制御手段22とを備え、制御手段22は、放射線画像撮影前に各スイッチ手段8にオフ電圧Voffを印加して各放射線検出素子7内に暗電荷を蓄積させた後、各スイッチ手段8にオン電圧Vonを印加し、放射線の照射の開始を検出すると各スイッチ手段8に再度オフ電圧Voffを印加し、ダーク読取処理の際には放射線画像撮影の際の各スイッチ手段8へのオン電圧Vonの印加時間T2−T1と同じ時間間隔だけ各スイッチ手段8にオン電圧Vonを印加した後、ダーク読取処理を行う。
【選択図】図7
【解決手段】放射線画像撮影装置1、100は、複数の放射線検出素子7と、スイッチ手段8と、放射線の照射により装置内を流れる電流を検出する電流検出手段43と、検出された電流の値に基づいて少なくとも放射線の照射の開始を検出する制御手段22とを備え、制御手段22は、放射線画像撮影前に各スイッチ手段8にオフ電圧Voffを印加して各放射線検出素子7内に暗電荷を蓄積させた後、各スイッチ手段8にオン電圧Vonを印加し、放射線の照射の開始を検出すると各スイッチ手段8に再度オフ電圧Voffを印加し、ダーク読取処理の際には放射線画像撮影の際の各スイッチ手段8へのオン電圧Vonの印加時間T2−T1と同じ時間間隔だけ各スイッチ手段8にオン電圧Vonを印加した後、ダーク読取処理を行う。
【選択図】図7
Description
本発明は、放射線画像撮影装置に係り、特に、放射線の照射開始等を装置自体で検出することが可能な放射線画像撮影装置に関する。
照射されたX線等の放射線の線量に応じて検出素子で電荷を発生させて電気信号に変換するいわゆる直接型の放射線画像撮影装置や、照射された放射線をシンチレータ等で可視光等の他の波長の電磁波に変換した後、変換され照射された電磁波のエネルギに応じてフォトダイオード等の光電変換素子で電荷を発生させて電気信号に変換するいわゆる間接型の放射線画像撮影装置が種々開発されている。なお、本発明では、直接型の放射線画像撮影装置における検出素子や、間接型の放射線画像撮影装置における光電変換素子を、あわせて放射線検出素子という。
このタイプの放射線画像撮影装置はFPD(Flat Panel Detector)として知られており、従来は支持台(或いはブッキー装置)と一体的に形成されていたが(例えば特許文献1参照)、近年、放射線検出素子等をハウジングに収納した可搬型の放射線画像撮影装置が開発され、実用化されている(例えば特許文献2、3参照)。
ところで、これらの放射線画像撮影装置、特に可搬型の放射線画像撮影装置では、放射線照射装置やシステムを管理するコンピュータ等の外部装置から放射線画像撮影装置に放射線の照射の開始や終了の情報を送信し、それに応じて放射線画像撮影装置で放射線の照射終了後に各放射線検出素子からの画像データの読み出しを行うように構成される場合がある。
しかし、そのためには、放射線照射装置やコンピュータ等と放射線画像撮影装置とのインターフェースをとり、放射線照射装置やコンピュータ等を含むシステム全体で制御構成を構築しなければならず、放射線画像撮影装置が放射線の照射の開始や終了を認識するための構成が大掛かりになる。そのため、放射線の照射の開始や終了を放射線画像撮影装置自体で検出できるように構成することが望ましい。
放射線の照射の開始等を放射線画像撮影装置自体で検出するためには、放射線画像撮影装置にセンサ等を配設して、センサで放射線の照射の開始や終了を検出するように構成することも可能であるが、放射線画像撮影装置内にセンサを配設するためのスペースが必要になり、装置が大型化してしまう。また、センサを設けると、センサを駆動する分だけ多くの電力を消費し、特に可搬型の放射線画像撮影装置では内蔵されたバッテリの消費を招いてしまう等の問題があった。
そこで、後述する図7に示すように、例えば、各放射線検出素子7にバイアス電極14からバイアス電圧を印加するためのバイアス線9やそれらの結線10を流れる電流を検出するように構成し、放射線が照射されると各放射線検出素子7内で電子正孔対が発生してバイアス線9内を電流が流れることを利用して、その電流値の増減で放射線の照射の開始や終了を検出することが提案されている(特許文献4参照)。
ところで、上記のようにバイアス線9や結線10を流れる電流を検出してその電流値の増減で放射線の照射の開始や終了を検出する場合、各放射線検出素子7に接続されているスイッチ手段である各TFT8(Thin Film Transistor。図7等参照)がオン状態となっていて各TFT8のゲートが開いている状態である方が放射線の照射に伴ってバイアス線9や結線10を流れる電流が流れ易い。また、各放射線検出素子7内では、各放射線検出素子7自体の熱による熱励起等によりいわゆる暗電荷が発生するが、上記のように放射線の照射前に各TFT8をオン状態とすることで、各放射線検出素子7内で発生する暗電荷を各放射線検出素子7から除去することも可能となる。
このように、放射線の照射開始を検出するための電流の増減を検出し易くなり、また、放射線検出素子7内で発生する暗電荷を除去できることから、放射線の照射開始を検出する際には、図16に示すタイミングチャートの時刻T1に示すように、走査駆動手段15のゲートドライバ15b(図7参照)から走査線5の各ラインL1〜Lxにオン電圧Vonを印加して各TFT8をオン状態としておくように構成されることが多い。
そして、放射線の照射開始後もTFT8をオン状態としたままとすると、放射線の照射により各放射線検出素子7内で発生した電荷が放射線検出素子7内に蓄積されずに流出してしまうため、時刻T2で放射線の照射開始を検出すると、走査駆動手段15のゲートドライバ15bから走査線5の各ラインL1〜Lxを介して各TFT8に印加される電圧がオフ電圧Voffに切り替えられて、各TFT8がオフ状態に切り替えられる。そして、放射線が照射された後、各放射線検出素子7に蓄積された電荷を読み出すために走査線5の各ラインL1〜Lxにオン電圧Vonを順次切り替えながら印加して(時刻T31〜T3x参照)、各放射線検出素子7から電荷(画像データ)が読み出される。
上記のように、この各TFT8がオフ状態とされている期間ΔT1〜ΔTxにも各放射線検出素子7にはそれぞれ暗電荷が蓄積され、上記の電荷(画像データ)とともに読み出されて、いわゆるオフセット分として画像データに重畳されてしまうため、通常、放射線画像撮影後に、放射線を照射しない状態で放射線画像撮影時と同じように各TFT8をオン/オフさせて各放射線検出素子7に暗電荷を蓄積させてそれを読み出す、いわゆるダーク読取処理が行われる。なお、このダーク読取処理によって得られたいわゆるダーク読取値に基づいて上記のオフセット分が算出され、それをオフセット分が重畳されている画像データから差し引くことで真の画像データを得るオフセット補正が行われる。
そして、放射線画像撮影とできるだけ同じ条件で暗電荷を蓄積してダーク読取値として読み出すために、通常、ダーク読取処理では、各TFT8をオン状態とする時間間隔T5−T4(図16参照)が、放射線画像撮影で各TFT8をオン状態としていた時間間隔T2−T1と同じ時間間隔になるように調整される。
しかしながら、放射線画像撮影の際に、時刻T1で各TFT8をオン状態とした後、放射線の照射が開始されるまでの時間間隔T2−T1が例えば数十秒かかり長くなると、ダーク読取処理においても各TFT8をオン状態とする時間間隔T5−T4を数十秒とらなければならなくなるが、これではダーク読取処理に時間がかかり過ぎ、現実的ではない(以下、これを問題点1という。)。
一方、放射線画像撮影の際には各TFT8をオン状態とした時間間隔T2−T1が上記のように数十秒かかったのに、ダーク読取処理で各TFT8をオン状態とする時間間隔T5−T4を例えば1秒程度と短くすると、放射線画像撮影の際には各放射線検出素子7内から暗電荷が十分に除去された状態から時刻T2で各TFT8がオフ状態とされて暗電荷の蓄積が始まるのに対し、ダーク読取処理では、各TFT8がオン状態とされる時間間隔T5−T4が短く、十分に暗電荷が除去されないうちに各TFT8がオフ状態とされて暗電荷の蓄積が開始されるようになる。
そのため、このようにして得られたダーク読取値に基づいてオフセット分を算出しても、算出したそのオフセット分は、必ずしも放射線画像撮影時に各放射線検出素子7に蓄積された暗電荷によるオフセット分と同じ値にならない。そのため、ダーク読取処理により得られたオフセット分を画像データから差し引いても、必ずしも真の画像データを得ることができなくなり、オフセット補正の精度が低下してしまうといった問題がある(以下、これを問題点2という。)。
本発明は、上記の問題点を鑑みてなされたものであり、オフセット補正の精度を維持しつつ、かつ、ダーク読取処理を現実的な時間内で行うことが可能な放射線画像撮影装置を提供することを目的とする。
前記の問題を解決するために、本発明の放射線画像撮影装置は、
互いに交差するように配設された複数の走査線および複数の信号線と、前記複数の走査線および複数の信号線により区画された各領域に二次元状に配列された複数の放射線検出素子と、
前記放射線検出素子ごとに配置され、接続された前記走査線を介してオフ電圧が印加されると前記放射線検出素子内で発生した電荷を保持し、オン電圧が印加されると前記放射線検出素子から前記電荷を放出させるスイッチ手段と、
前記走査線に印加する前記オン電圧と前記オフ電圧とを切り替える走査駆動手段と、
放射線の照射により装置内を流れる電流を検出する電流検出手段と、
前記電流検出手段で検出された電流の値に基づいて少なくとも放射線の照射の開始を検出する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
放射線画像撮影で放射線が照射される前に、前記走査駆動手段から前記各走査線を介して前記各スイッチ手段に前記オフ電圧を印加して前記各放射線検出素子内に暗電荷を蓄積させた後、前記各スイッチ手段に前記オン電圧を印加し、
放射線の照射の開始を検出すると、前記各スイッチ手段に再度前記オフ電圧を印加し、
ダーク読取処理の際には、前記放射線画像撮影の際に前記各スイッチ手段に前記オン電圧を印加してから再度前記オフ電圧を印加するまでの時間間隔と同じ時間間隔だけ前記各スイッチ手段に前記オン電圧を印加し、前記各スイッチ手段に印加する電圧を前記オフ電圧に切り替えた後、ダーク読取処理を行うことを特徴とする。
互いに交差するように配設された複数の走査線および複数の信号線と、前記複数の走査線および複数の信号線により区画された各領域に二次元状に配列された複数の放射線検出素子と、
前記放射線検出素子ごとに配置され、接続された前記走査線を介してオフ電圧が印加されると前記放射線検出素子内で発生した電荷を保持し、オン電圧が印加されると前記放射線検出素子から前記電荷を放出させるスイッチ手段と、
前記走査線に印加する前記オン電圧と前記オフ電圧とを切り替える走査駆動手段と、
放射線の照射により装置内を流れる電流を検出する電流検出手段と、
前記電流検出手段で検出された電流の値に基づいて少なくとも放射線の照射の開始を検出する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
放射線画像撮影で放射線が照射される前に、前記走査駆動手段から前記各走査線を介して前記各スイッチ手段に前記オフ電圧を印加して前記各放射線検出素子内に暗電荷を蓄積させた後、前記各スイッチ手段に前記オン電圧を印加し、
放射線の照射の開始を検出すると、前記各スイッチ手段に再度前記オフ電圧を印加し、
ダーク読取処理の際には、前記放射線画像撮影の際に前記各スイッチ手段に前記オン電圧を印加してから再度前記オフ電圧を印加するまでの時間間隔と同じ時間間隔だけ前記各スイッチ手段に前記オン電圧を印加し、前記各スイッチ手段に印加する電圧を前記オフ電圧に切り替えた後、ダーク読取処理を行うことを特徴とする。
また、本発明の放射線画像撮影装置は、
互いに交差するように配設された複数の走査線および複数の信号線と、前記複数の走査線および複数の信号線により区画された各領域に二次元状に配列された複数の放射線検出素子と、
前記放射線検出素子ごとに配置され、接続された前記走査線を介してオフ電圧が印加されると前記放射線検出素子内で発生した電荷を保持し、オン電圧が印加されると前記放射線検出素子から前記電荷を放出させるスイッチ手段と、
前記走査線に印加する前記オン電圧と前記オフ電圧とを切り替える走査駆動手段と、
放射線の照射により装置内を流れる電流を検出する電流検出手段と、
前記電流検出手段で検出された電流の値に基づいて少なくとも放射線の照射の開始を検出する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
放射線画像撮影で放射線が照射される前に、前記走査駆動手段から前記各走査線を介して前記各スイッチ手段に印加する電圧を前記オン電圧と前記オフ電圧との間で交互に繰り返し、
前記各スイッチ手段に前記オン電圧が印加された状態で放射線の照射の開始を検出すると、前記各スイッチ手段に前記オフ電圧を印加し、
ダーク読取処理の際には、前記放射線画像撮影の際に最後に前記各スイッチ手段に前記オン電圧を印加してから再度前記オフ電圧を印加するまでの時間間隔と同じ時間間隔だけ前記各スイッチ手段に前記オン電圧を印加し、前記各スイッチ手段に印加する電圧を前記オフ電圧に切り替えた後、ダーク読取処理を行うことを特徴とする。
互いに交差するように配設された複数の走査線および複数の信号線と、前記複数の走査線および複数の信号線により区画された各領域に二次元状に配列された複数の放射線検出素子と、
前記放射線検出素子ごとに配置され、接続された前記走査線を介してオフ電圧が印加されると前記放射線検出素子内で発生した電荷を保持し、オン電圧が印加されると前記放射線検出素子から前記電荷を放出させるスイッチ手段と、
前記走査線に印加する前記オン電圧と前記オフ電圧とを切り替える走査駆動手段と、
放射線の照射により装置内を流れる電流を検出する電流検出手段と、
前記電流検出手段で検出された電流の値に基づいて少なくとも放射線の照射の開始を検出する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
放射線画像撮影で放射線が照射される前に、前記走査駆動手段から前記各走査線を介して前記各スイッチ手段に印加する電圧を前記オン電圧と前記オフ電圧との間で交互に繰り返し、
前記各スイッチ手段に前記オン電圧が印加された状態で放射線の照射の開始を検出すると、前記各スイッチ手段に前記オフ電圧を印加し、
ダーク読取処理の際には、前記放射線画像撮影の際に最後に前記各スイッチ手段に前記オン電圧を印加してから再度前記オフ電圧を印加するまでの時間間隔と同じ時間間隔だけ前記各スイッチ手段に前記オン電圧を印加し、前記各スイッチ手段に印加する電圧を前記オフ電圧に切り替えた後、ダーク読取処理を行うことを特徴とする。
また、本発明の放射線画像撮影装置は、
互いに交差するように配設された複数の走査線および複数の信号線と、前記複数の走査線および複数の信号線により区画された各領域に二次元状に配列された複数の放射線検出素子と、
前記放射線検出素子ごとに配置され、接続された前記走査線を介してオフ電圧が印加されると前記放射線検出素子内で発生した電荷を保持し、オン電圧が印加されると前記放射線検出素子から前記電荷を放出させるスイッチ手段と、
前記走査線に印加する前記オン電圧と前記オフ電圧とを切り替える走査駆動手段と、
放射線の照射により装置内を流れる電流を検出する電流検出手段と、
前記電流検出手段で検出された電流の値に基づいて少なくとも放射線の照射の開始を検出する制御手段と、
放射線が照射される際に放射線が照射させる旨の情報を入力する入力手段と、
を備え、
前記制御手段は、
放射線画像撮影で放射線が照射される前に、前記走査駆動手段から前記各走査線を介して前記各スイッチ手段に前記オン電圧を印加し、前記入力手段から前記情報が入力されると、前記各スイッチ手段に印加する電圧を前記オフ電圧に切り替えて前記各放射線検出素子内に暗電荷を蓄積させた後、前記各スイッチ手段に印加する電圧を前記オン電圧に切り替え
放射線の照射の開始を検出すると、前記各スイッチ手段に再度前記オフ電圧を印加し、
ダーク読取処理の際には、前記放射線画像撮影の際に前記各スイッチ手段に前記オン電圧を印加してから再度前記オフ電圧を印加するまでの時間間隔と同じ時間間隔だけ前記各スイッチ手段に前記オン電圧を印加し、前記各スイッチ手段に印加する電圧を前記オフ電圧に切り替えた後、ダーク読取処理を行うことを特徴とする。
互いに交差するように配設された複数の走査線および複数の信号線と、前記複数の走査線および複数の信号線により区画された各領域に二次元状に配列された複数の放射線検出素子と、
前記放射線検出素子ごとに配置され、接続された前記走査線を介してオフ電圧が印加されると前記放射線検出素子内で発生した電荷を保持し、オン電圧が印加されると前記放射線検出素子から前記電荷を放出させるスイッチ手段と、
前記走査線に印加する前記オン電圧と前記オフ電圧とを切り替える走査駆動手段と、
放射線の照射により装置内を流れる電流を検出する電流検出手段と、
前記電流検出手段で検出された電流の値に基づいて少なくとも放射線の照射の開始を検出する制御手段と、
放射線が照射される際に放射線が照射させる旨の情報を入力する入力手段と、
を備え、
前記制御手段は、
放射線画像撮影で放射線が照射される前に、前記走査駆動手段から前記各走査線を介して前記各スイッチ手段に前記オン電圧を印加し、前記入力手段から前記情報が入力されると、前記各スイッチ手段に印加する電圧を前記オフ電圧に切り替えて前記各放射線検出素子内に暗電荷を蓄積させた後、前記各スイッチ手段に印加する電圧を前記オン電圧に切り替え
放射線の照射の開始を検出すると、前記各スイッチ手段に再度前記オフ電圧を印加し、
ダーク読取処理の際には、前記放射線画像撮影の際に前記各スイッチ手段に前記オン電圧を印加してから再度前記オフ電圧を印加するまでの時間間隔と同じ時間間隔だけ前記各スイッチ手段に前記オン電圧を印加し、前記各スイッチ手段に印加する電圧を前記オフ電圧に切り替えた後、ダーク読取処理を行うことを特徴とする。
本発明のような方式の放射線画像撮影装置によれば、放射線画像撮影前の各放射線検出素子のリセット処理において、各スイッチ手段にオン電圧が印加された状態で、一旦各スイッチ手段に印加する電圧をオフ電圧に切り替えて各放射線検出素子を電荷蓄積状態とした後、再度オン電圧を印加して放射線の照射の開始を待つように構成した。
そのため、放射線画像撮影前のリセット処理で各スイッチ手段に定期的にオン電圧を印加したり、入力手段からの信号に基づいて一旦各スイッチ手段に印加する電圧をオフ電圧に切り替えて各放射線検出素子を電荷蓄積状態とすることで、各スイッチ手段に最後にオン電圧を印加してから放射線の照射開始を検出して再度オフ電圧を印加するまでの時間間隔を短くすることが可能となる。
そして、ダーク読取処理前の各放射線検出素子のリセット処理では、放射線画像撮影前のリセット処理で各スイッチ手段をオン状態とした時間間隔と同じ時間間隔だけ各スイッチ手段にオン電圧を印加してリセット処理を行うように構成したため、ダーク読取処理前のリセット処理を含むダーク読取処理にかかる時間が長くなることを的確に防止することが可能となり、ダーク読取処理を現実的な時間内で行うことが可能となる。本発明では、このようにして上記の問題点1を解決することが可能となる。
また、放射線画像撮影前のリセット処理で一旦各スイッチ手段に印加する電圧をオフ電圧に切り替えて各放射線検出素子を電荷蓄積状態とするため、前述した問題点2で述べたように、長時間連続して各スイッチ手段をオン状態として各放射線検出素子内の暗電荷が十分に除去される場合とは異なり、放射線の照射開始時点で各放射線検出素子に残存する暗電荷等の残存電荷の量と、ダーク読取処理前のリセット処理の終了時点で各放射線検出素子に残存する残存電荷の量とを同程度とすることが可能となる。
そのため、ダーク読取処理で得られたダーク読取値に基づいてオフセット分を算出すれば、算出したそのオフセット分は、放射線画像撮影時に各放射線検出素子に蓄積された暗電荷によるオフセット分とほぼ同じ値になるため、ダーク読取処理により得られたオフセット分を画像データから差し引くことで的確に真の画像データを得ることが可能となり、オフセット補正の精度を維持、向上させることが可能となる。本発明では、このようにして上記の問題点2を解決することが可能となる。
以下、本発明に係る放射線画像撮影装置の実施の形態について、図面を参照して説明する。
なお、以下では、放射線画像撮影装置が、シンチレータ等を備え、照射された放射線を可視光等の他の波長の電磁波に変換して電気信号を得るいわゆる間接型の放射線画像撮影装置である場合について説明するが、本発明は、直接型の放射線画像撮影装置に対しても適用することが可能である。また、放射線画像撮影装置が可搬型である場合について説明するが、支持台等と一体的に形成された放射線画像撮影装置に対しても適用される。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る放射線画像撮影装置の外観斜視図であり、図2は、図1のA−A線に沿う断面図である。本実施形態に係る放射線画像撮影装置1は、図1や図2に示すように、筐体2内にシンチレータ3や基板4等が収納された可搬型(カセッテ型)の装置として構成されている。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る放射線画像撮影装置の外観斜視図であり、図2は、図1のA−A線に沿う断面図である。本実施形態に係る放射線画像撮影装置1は、図1や図2に示すように、筐体2内にシンチレータ3や基板4等が収納された可搬型(カセッテ型)の装置として構成されている。
筐体2は、少なくとも放射線の照射を受ける側の面R(以下、放射線入射面Rという。)が放射線を透過するカーボン板やプラスチック等の材料で形成されている。なお、図1や図2では、筐体2がフレーム板2Aとバック板2Bとで形成された、いわゆる弁当箱型である場合が示されているが、筐体2を一体的に角筒状に形成した、いわゆるモノコック型とすることも可能である。
また、図1に示すように、筐体2の側面部分には、電源スイッチ36や、LED等で構成されたインジケータ37、図示しないバッテリ41(後述する図7参照)の交換等のために開閉可能とされた蓋部材38等が配置されている。また、本実施形態では、蓋部材38の側面部には、図示しない外部装置と無線で通信するための通信手段であるアンテナ装置39が埋め込まれている。
また、図2に示すように、筐体2の内部には、基板4の下方側に図示しない鉛の薄板等を介して基台31が配置され、基台31には、電子部品32等が配設されたPCB基板33や緩衝部材34等が取り付けられている。なお、本実施形態では、基板4やシンチレータ3の放射線入射面Rには、それらを保護するためのガラス基板35が配設されている。
シンチレータ3は、基板4の後述する検出部Pに貼り合わされるようになっている。シンチレータ3は、例えば、蛍光体を主成分とし、放射線の入射を受けると300〜800nmの波長の電磁波、すなわち可視光を中心とした電磁波に変換して出力するものが用いられる。
基板4は、本実施形態では、ガラス基板で構成されており、図3に示すように、基板4のシンチレータ3に対向する側の面4a上には、複数の走査線5と複数の信号線6とが互いに交差するように配設されている。基板4の面4a上の複数の走査線5と複数の信号線6により区画された各小領域rには、それぞれ放射線検出素子7がそれぞれ設けられている。
このように、走査線5と信号線6で区画された各小領域rに二次元状に配列された複数の放射線検出素子7が設けられた領域r全体、すなわち図3に一点鎖線で示される領域が検出部Pとされている。
本実施形態では、放射線検出素子7としてフォトダイオードが用いられているが、この他にも例えばフォトトランジスタ等を用いることも可能である。各放射線検出素子7は、図3や図4の拡大図に示すように、スイッチ手段であるTFT8のソース電極8sに接続されている。また、TFT8のドレイン電極8dは信号線6に接続されている。
そして、TFT8は、後述する走査駆動手段15により、接続された走査線5にオン電圧Vonが印加され、ゲート電極8gにオン電圧Vonが印加されるとオン状態となり、放射線検出素子7内で発生し蓄積されている電荷を信号線6に放出させるようになっている。また、TFT8は、接続された走査線5にオフ電圧Voffが印加され、ゲート電極8gにオフ電圧Voffが印加されるとオフ状態となり、放射線検出素子7から信号線6への電荷の放出を停止して、放射線検出素子7内で発生した電荷を放射線検出素子7内に保持して蓄積させるようになっている。
ここで、本実施形態における放射線検出素子7やTFT8の構造について、図5に示す断面図を用いて簡単に説明する。図5は、図4におけるX−X線に沿う断面図である。
基板4の面4a上に、AlやCr等からなるTFT8のゲート電極8gが走査線5と一体的に積層されて形成されており、ゲート電極8g上および面4a上に積層された窒化シリコン(SiNx)等からなるゲート絶縁層81上のゲート電極8gの上方部分に、水素化アモルファスシリコン(a−Si)等からなる半導体層82を介して、放射線検出素子7の第1電極74と接続されたソース電極8sと、信号線6と一体的に形成されるドレイン電極8dとが積層されて形成されている。
ソース電極8sとドレイン電極8dとは、窒化シリコン(SiNx)等からなる第1パッシベーション層83によって分割されており、さらに第1パッシベーション層83は両電極8s、8dを上側から被覆している。また、半導体層82とソース電極8sやドレイン電極8dとの間には、水素化アモルファスシリコンにVI族元素をドープしてn型に形成されたオーミックコンタクト層84a、84bがそれぞれ積層されている。以上のようにしてTFT8が形成されている。
また、放射線検出素子7の部分では、基板4の面4a上に前記ゲート絶縁層81と一体的に形成される絶縁層71の上にAlやCr等が積層されて補助電極72が形成されており、補助電極72上に前記第1パッシベーション層83と一体的に形成される絶縁層73を挟んでAlやCr、Mo等からなる第1電極74が積層されている。第1電極74は、第1パッシベーション層83に形成されたホールHを介してTFT8のソース電極8sに接続されている。
第1電極74の上には、水素化アモルファスシリコンにVI族元素をドープしてn型に形成されたn層75、水素化アモルファスシリコンで形成された変換層であるi層76、水素化アモルファスシリコンにIII族元素をドープしてp型に形成されたp層77が下方から順に積層されて形成されている。
放射線画像撮影装置1の筐体2の放射線入射面Rから放射線が入射し、シンチレータ3で可視光等の電磁波に変換され、変換された電磁波が図中上方から照射されると、電磁波は放射線検出素子7のi層76に到達して、i層76内で電子正孔対が発生する。放射線検出素子7は、このようにして、シンチレータ3から照射された電磁波を電荷に変換するようになっている。
また、p層77の上には、ITO等の透明電極とされた第2電極78が積層されて形成されており、照射された電磁波がi層76等に到達するように構成されている。本実施形態では、以上のようにして放射線検出素子7が形成されている。なお、p層77、i層76、n層75の積層の順番は上下逆であってもよい。また、本実施形態では、放射線検出素子7として、上記のようにp層77、i層76、n層75の順に積層されて形成されたいわゆるpin型の放射線検出素子を用いる場合が説明されているが、これに限定されない。
放射線検出素子7の第2電極78の上面には、第2電極78を介して放射線検出素子7にバイアス電圧を印加するバイアス線9が接続されている。なお、放射線検出素子7の第2電極78やバイアス線9、TFT8側に延出された第1電極74、TFT8の第1パッシベーション層83等、すなわち放射線検出素子7とTFT8の上面部分は、その上方側から窒化シリコン(SiNx)等からなる第2パッシベーション層79で被覆されている。
図3や図4に示すように、本実施形態では、それぞれ列状に配置された複数の放射線検出素子7に1本のバイアス線9が接続されており、各バイアス線9はそれぞれ信号線6に平行に配設されている。また、各バイアス線9は、基板4の検出部Pの外側の位置で結線10に結束されている。
本実施形態では、図3に示すように、各走査線5や各信号線6、バイアス線9の結線10は、それぞれ基板4の端縁部付近に設けられた入出力端子(パッドともいう)11に接続されている。各入出力端子11には、図6に示すように、後述する走査駆動手段15のゲートドライバ15bを構成するゲートIC12a等のチップが組み込まれたCOF(Chip On Film)12が異方性導電接着フィルム(Anisotropic Conductive Film)や異方性導電ペースト(Anisotropic Conductive Paste)等の異方性導電性接着材料13を介して接続されている。
また、COF12は、基板4の裏面4b側に引き回され、裏面4b側で前述したPCB基板33に接続されるようになっている。このようにして、放射線画像撮影装置1の基板4部分が形成されている。なお、図6では、電子部品32等の図示が省略されている。
ここで、放射線画像撮影装置1の回路構成について説明する。図7は本実施形態に係る放射線画像撮影装置1の等価回路を表すブロック図であり、図8は検出部Pを構成する1画素分についての等価回路を表すブロック図である。
前述したように、基板4の検出部Pの各放射線検出素子7は、その第2電極78にそれぞれバイアス線9が接続されており、各バイアス線9は結線10に結束されてバイアス電源14に接続されている。バイアス電源14は、結線10および各バイアス線9を介して各放射線検出素子7の第2電極78にそれぞれバイアス電圧を印加するようになっている。また、バイアス電源14は、後述する制御手段22に接続されており、制御手段22は、バイアス電源14から各放射線検出素子7に印加するバイアス電圧を制御するようになっている。
本実施形態では、バイアス線9の結線10に、結線10(バイアス線9)を流れる電流の電流量を検出する電流検出手段43が設けられており、結線10を流れる電流の増減を検出して放射線の照射の開始や終了を検出できるようになっている。
なお、図7や図8および前述した図3等では、各バイアス線9が1本の結線10に結束される場合が示されており、その場合は、電流検出手段43は1本の結線10に1つだけ設けるように構成することが可能であるが、各バイアス線9が複数の結線10に結束されるように構成される場合もある。その場合には、電流検出手段43を各結線10に設けるように構成することも可能であり、また、複数の結線10のうちの何本かに電流検出手段43を設けるように構成することも可能である。
また、本実施形態および後述する第2の実施形態では、電流検出手段43がバイアス線9や結線10に設けられ、放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射によりバイアス線9や結線10を流れる電流を検出するように構成されている場合について説明するが、電流検出手段43は、放射線の照射により装置内を流れる電流を検出することができるものであればよく、バイアス線9やその結線10に設けられる場合に限定されない。
ここで、電流検出手段43の構成について説明する。本実施形態では、電流検出手段43は、バイアス線9の結線10とバイアス電源14との接続部分に設けられ、放射線の照射の開始に伴ってバイアス電源14と放射線検出素子7との間を流れる電流を検出するようになっている。
具体的には、図9に示すように、電流検出手段43は、バイアス電源14と各放射線検出素子7とを結ぶバイアス配線9の結線10に直列に接続される所定の抵抗値を有する抵抗器43aと、それに並列に接続されたダイオード43bと、抵抗器43aの両端子間の電圧Vを測定して制御手段22に出力する差動アンプ43cとを備えて構成されている。
このように、本実施形態では、電流検出手段43は、差動アンプ43cで抵抗器43aの両端子間の電圧Vを測定し、抵抗器43aを流れる電流、すなわちバイアス線9の結線10を流れる電流を電圧値Vに変換して検出して、制御手段22に出力するようになっている。
なお、電流検出手段43に備えられる抵抗器43aとしては、結線10中を流れる電流を適切な電圧値Vに変換可能な抵抗値を有する抵抗器が用いられる。また、抵抗器43aに並列にダイオード42dを接続することで低線量の場合の検出精度が向上される。抵抗器43a或いはダイオード43bのみを配線に直列に接続して、その両端子間の電圧Vを差動アンプ43cで測定するように構成することも可能である。
また、放射線の照射の開始や終了を検出する場合以外の場合には、電流検出手段43でバイアス電源14と各放射線検出素子7の間を流れる電流を検出する必要はなく、電流検出手段43の抵抗器43aはバイアス電源14から各放射線検出素子7へのバイアス電圧の印加の妨げになるため、電流検出手段43には、電流の検出が不要の場合に抵抗器43aの両端子間を必要に応じて短絡するためのスイッチ43dが設けられている。
差動アンプ43cには電源供給手段44から電力が供給されるようになっており、電流検出手段43で電流を検出する際には、電源供給手段44から差動アンプ43cに電力を供給し、スイッチ43dの短絡を解除して電流検出手段43を稼働状態とし、電流を検出しない場合には、スイッチ43dで抵抗器43aの両端子間を短絡するとともに、電源供給手段44から差動アンプ43cへの電力の供給を停止して電流検出手段43の稼働を停止するようになっている。
図7や図8に示すように、本実施形態では、放射線検出素子7のp層77側(図5参照)に第2電極78を介してバイアス線9が接続されていることからも分かるように、バイアス電源14からは、放射線検出素子7の第2電極78にバイアス線9を介してバイアス電圧として放射線検出素子7の第1電極74側にかかる電圧以下の電圧(すなわちいわゆる逆バイアス電圧)が印加されるようになっている。
各放射線検出素子7の第1電極74はTFT8のソース電極8s(図7、図8中ではSと表記されている。)に接続されており、各TFT8のゲート電極8g(図7、図8中ではGと表記されている。)は、後述する走査駆動手段15のゲートドライバ15bから延びる走査線5の各ラインL1〜Lxにそれぞれ接続されている。また、各TFT8のドレイン電極8d(図7、図8中ではDと表記されている。)は各信号線6にそれぞれ接続されている。
走査駆動手段15は、本実施形態では、電源回路15aとゲートドライバ15bとを備えており、本実施形態では、ゲートドライバ15bは、前述したゲートIC12aが複数並設されて形成されている。また、走査駆動手段15は、ゲートドライバ15bに接続されている走査線5の各ラインL1〜Lxを介してTFT8のゲート電極8gに印加する電圧を制御して、電圧を前述したオン電圧Vonとオフ電圧Voffとの間で切り替えるようになっている。
具体的には、走査駆動手段15の電源回路15aは、ゲートドライバ15bから各走査線5に印加するオン電圧Vonやオフ電圧Voffの各電圧値をそれぞれ所定の電圧値に設定して、ゲートドライバ15bに供給するようになっている。また、走査駆動手段15のゲートドライバ15bは、電源回路15aから供給されるオン電圧Vonとオフ電圧Voffを選択的に切り替えて各走査線5にオン電圧Vonかオフ電圧Voffを印加するようになっている。また、ゲートドライバ15bは、走査線5の各ラインL1〜Lxに印加するパルス波形のオン電圧Vonのパルス幅を変調させることができるようになっている。
各信号線6は、読み出しIC16内に形成された各読み出し回路17にそれぞれ接続されている。なお、読み出しIC16には所定個数の読み出し回路17が設けられており、読み出しIC16が複数設けられることにより、信号線6の本数分の読み出し回路17が設けられるようになっている。
読み出し回路17は、増幅回路18と、相関二重サンプリング(Correlated Double Sampling)回路19と、アナログマルチプレクサ21と、A/D変換器20とで構成されている。なお、図7や図8や後述する図10中では、相関二重サンプリング回路19はCDSと表記されている。また、図8中では、アナログマルチプレクサ21は省略されている。
本実施形態では、増幅回路18はチャージアンプ回路で構成されており、オペアンプ18aと、オペアンプ18aにそれぞれ並列にコンデンサ18bおよび電荷リセット用スイッチ18cが接続されて構成されている。また、増幅回路18には、増幅回路18に電力を供給するための電源供給部18dが接続されている。
また、増幅回路18のオペアンプ18aの入力側の反転入力端子には信号線6が接続されており、増幅回路18の入力側の非反転入力端子には基準電位V0が印加されるようになっている。なお、基準電位V0は適宜の値に設定され、本実施形態では、例えば0[V]が印加されるようになっている。
また、増幅回路18の電荷リセット用スイッチ18cは、後述する制御手段22に接続されており、制御手段22によりオン/オフが制御されるようになっている。電荷リセット用スイッチ18cがオフの状態で、放射線検出素子7のTFT8がオン状態とされると(すなわち、TFT8のゲート電極8gに走査線5を介してオン電圧Vonが印加されると)、当該放射線検出素子7から放出された電荷がコンデンサ18bに流入して蓄積され、蓄積された電荷量に応じた電圧値がオペアンプ18aの出力側から出力されるようになっている。
増幅回路18は、このようにして、各放射線検出素子7から出力された電荷量に応じて電圧値を出力して電荷電圧変換して増幅するようになっている。また、電荷リセット用スイッチ18cがオン状態とされると、増幅回路18の入力側と出力側とが短絡されてコンデンサ18bに蓄積された電荷が放電されて増幅回路18がリセットされるようになっている。なお、増幅回路18を、放射線検出素子7から出力された電荷に応じて電流を出力するように構成することも可能である。
増幅回路18の出力側には、相関二重サンプリング回路(CDS)19が接続されている。相関二重サンプリング回路19は、本実施形態では、サンプルホールド機能を有しており、この相関二重サンプリング回路19におけるサンプルホールド機能は、制御手段22から送信されるパルス信号によりそのオン/オフが制御されるようになっている。
すなわち、制御手段22は、放射線画像撮影後の各放射線検出素子7からの画像データの読み出し処理においては、まず、各読み出し回路17の増幅回路18の電荷リセット用スイッチ18cを制御してオフ状態にする。その際、電荷リセット用スイッチ18cをオフ状態にした瞬間に、いわゆるkTCノイズが発生し、増幅回路18のコンデンサ18bにkTCノイズに起因する電荷qが溜まる。
前述したように、増幅回路18では、コンデンサ18bに蓄積された電荷量に応じた電圧値が増幅回路18のオペアンプ18aの出力端子から出力されるが、上記のようにkTCノイズに起因する電荷qがコンデンサ18bに溜まることにより、図10に示すように、オペアンプ18aの出力端子から出力される電圧値が、電荷リセット用スイッチ18cをオフ状態にした瞬間(図10では「18coff」と表示)に、前述した基準電位V0から、kTCノイズに起因する電荷qの分だけ瞬間的に変化し、電圧値Vinに変わる。
制御手段22は、この段階で(図10では「CDS保持」(左側)と表示)、相関二重サンプリング回路19に1回目のパルス信号Sp1を送信して、その時点で増幅回路18から出力されている電圧値Vinを保持させる。
続いて、制御手段22が、走査駆動回路15から1本の走査線5にオン電圧Vonを印加してその走査線5にゲート電極8gが接続されているTFT8をオン状態とすると(図10では「TFTon」と表示)、これらのTFT8が接続されている各放射線検出素子7から蓄積された電荷が各信号線6を介して増幅回路18のコンデンサ18bに流れ込んで蓄積され、図10に示すように、コンデンサ18bに蓄積された電荷量に応じてオペアンプ18aの出力側から出力される電圧値が上昇していく。
そして、制御手段22は、所定時間が経過した後、走査駆動回路15から当該走査線5に印加しているオン電圧Vonをオフ電圧Voffに切り替えてその走査線5にゲート電極8gが接続されているTFT8をオフ状態とし(図10では「TFToff」と表示)、この段階で各相関二重サンプリング回路19に2回目のパルス信号Sp2を送信して、その時点で増幅回路18から出力されている電圧値Vfiを保持させる(図10では「CDS保持」(右側)と表示)。
各相関二重サンプリング回路19は、2回目のパルス信号Sp2で電圧値Vfiを保持すると、電圧値の差Vfi−Vinを算出し、算出した差Vfi−Vinを画像データとして下流側に出力するようになっている。
相関二重サンプリング回路19から出力された各放射線検出素子7の画像データは、アナログマルチプレクサ21(図7参照)に送信され、アナログマルチプレクサ21から順次A/D変換器20に送信される。そして、A/D変換器20で順次デジタル値の画像データに変換されて記憶手段40に出力されて順次保存されるようになっている。
制御手段22は、図示しないCPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力インターフェース等がバスに接続されたコンピュータや、FPGA(Field Programmable Gate Array)等により構成されている。専用の制御回路で構成されていてもよい。そして、制御手段22は、放射線画像撮影装置1の各部材の動作等を制御するようになっている。また、制御手段22には、DRAM(Dynamic RAM)等で構成される記憶手段40が接続されている。
また、本実施形態では、制御手段22には、前述したアンテナ装置39が接続されており、さらに、検出部Pや走査駆動手段15、読み出し回路17、記憶手段40、バイアス電源14等の各部材に電力を供給するためのバッテリ41が接続されている。また、バッテリ41には、外部装置からバッテリ41に電力を供給してバッテリ41を充電する際の接続端子42が取り付けられている。
前述したように、制御手段22は、バイアス電源14を制御してバイアス電源14から各放射線検出素子7に印加するバイアス電圧を設定したり、読み出し回路17の増幅回路18の電荷リセット用スイッチ18cのオン/オフを制御したり、相関二重サンプリング回路19にパルス信号を送信して、そのサンプルホールド機能のオン/オフを制御する等の各種の処理を実行するようになっている。
また、制御手段22は、各放射線検出素子7のリセット処理時や放射線画像撮影後の各放射線検出素子7からの画像データの読み出し時に、走査駆動手段15に対して、走査駆動手段15から各走査線5を介して各TFT8のゲート電極8gに印加する電圧をオン電圧Vonとオフ電圧Voffとの間で切り替えさせるためのパルス信号を送信するようになっている。
以下、各放射線検出素子7のリセット処理や、電流検出手段43で検出された電流に相当する電圧値Vに基づく放射線の照射開始の検出、画像データの読み出し処理、ダーク読取処理前のリセット処理、ダーク読取処理等について説明する。
制御手段22は、放射線画像撮影において放射線画像撮影装置1に対して放射線が照射される前に、各放射線検出素子7のリセット処理を行い、一旦各TFT8のゲート電極8gにオフ電圧Voffを一斉に印加し、各TFT8のゲートを閉じて各放射線検出素子7内に暗電荷を蓄積させる電荷蓄積動作を行わせる。そして、このように所定の電荷蓄積時間を確保した後、各TFT8のゲート電極8gにオン電圧Vonを一斉に印加して各TFT8のゲートを開いた状態で放射線の照射の開始を待つように構成されている。
本実施形態では、これを実現するために、制御手段22は、放射線画像撮影で放射線が照射される前の各放射線検出素子7のリセット処理の段階で、図11に示すように、走査駆動手段15から走査線5の各ラインL1〜Lxを介して各TFT8のゲート電極8gに一斉に印加する電圧をオン電圧Vonとオフ電圧Voffとの間で交互に繰り返し、各放射線検出素子7のリセット処理を繰り返して行うようになっている。
具体的には、放射線画像撮影装置1の電源がオンされたり、或いは、アンテナ装置39を介して外部装置から信号を受信する等すると、制御手段22は、走査駆動手段15にパルス信号を送信する等して、各TFT8のゲート電極8gに一斉に印加する電圧を所定の時間間隔でオン電圧Vonとオフ電圧Voffとの間で切り替えるようになっている。
なお、この各放射線検出素子7のリセット処理の間、制御手段22は、電流検出手段43の差動アンプ43cに電源供給手段44から電力を供給させ、スイッチ43dの短絡を解除して電流検出手段43を稼働状態にして、電流検出手段43でバイアス線9や結線10を流れる電流を検出できるように制御するようになっている。
また、TFT8がオフ状態である場合よりも、TFT8がオン状態である場合すなわちTFT8のゲートが開いている場合の方が、放射線の照射により各放射線検出素子7内で発生する電子正孔対がバイアス線9や結線10に流れ出し易くなり、放射線の照射開始による電流の増加を検出し易くなる。
そのため、本実施形態では、放射線技師等の操作者に、各TFT8がオン状態である際に放射線の照射を開始させるように、すなわち、各TFT8がオフ状態である場合には放射線の照射を開始させないように、制御手段22は、各TFT8のゲート電極8gに印加されている電圧がオフ電圧Voffである場合にはインジケータ37(図1参照)を点灯させて、操作者にTFT8がオフ状態であることを報知させるようになっている。
すなわち、本実施形態では、インジケータ37が報知手段となっており、操作者は、インジケータ37が点灯している間は放射線画像撮影装置1に対して放射線を照射しない。なお、報知手段は、インジケータ37である必要はなく、例えば、アンテナ装置39を介して信号を送信して操作室のランプを点灯させるように構成することも可能であり、また、各TFT8のゲート電極8gに印加されている電圧がオフ電圧Voffであることを報知することができるものであれば、光の点灯で報知するもののほか、例えば音の鳴動等で報知するように構成することも可能である。
本実施形態では、このようにして、定期的に各TFT8のゲート電極8gに一斉に印加する電圧をオフ電圧Voffに切り替えて各放射線検出素子7内に暗電荷を蓄積させる電荷蓄積動作を行わせる所定の電荷蓄積時間(図11や後述する図13のΔTa参照)を確保するとともに、その後、各TFT8のゲート電極8gに一斉に印加する電圧をオン電圧Vonに切り替えて、各TFT8のゲートを開いた状態で放射線の照射の開始を待つようになっている。
そして、図11の時刻T1に示すように最後にTFT8のゲート電極8gにオン電圧Vonを一斉に印加した状態で、放射線画像撮影装置1に対して放射線の照射が開始されると(なお、この放射線の照射開始時刻をt1とする。)、図12(A)に示すように、時刻t1で電流検出手段43の差動アンプ43cから出力される電流に相当する電圧値Vが急激に増加する。
そのため、本実施形態では、制御手段22は、電流検出手段43から出力される電圧値Vが増加し、例えば、予め設定された閾値を越えた場合や、電圧値Vの増加率が予め設定された閾値を越えた場合等に、放射線の照射が開始されたことを検出するようになっている。
また、上記のようにTFT8をオン状態のままにしておくと、各放射線検出素子7内で発生した電荷が全て流出してしまい、各放射線検出素子7内に電荷(画像データ)が蓄積されなくなってしまうため、制御手段22は、電圧値Vが増加して放射線の照射が開始されたことを検出した時点(時刻T2)で、走査駆動手段15から走査線5の各ラインL1〜Lxにオフ電圧Voffを一斉に印加させ、各TFT8のゲート電極8gにオフ電圧Voffを一斉に印加して全てのTFT8をオフ状態とするようになっている。
なお、図12(A)および後述する図12(B)では、グラフを見やすくするため、時刻t1と時刻T2との時間間隔を拡大して表されているが、実際には、図11に示した各TFT8のゲート電極8gに一斉に印加する電圧をオン電圧Vonとオフ電圧Voffとの間で切り替える場合の時間間隔に比べると、時刻t1、T2間の時間間隔は非常に短く、図11の時間間隔から見るとほぼ同時である。
各TFT8のゲート電極8gにオフ電圧Voffを一斉に印加して全てのTFT8をオフ状態とすると(時刻T2)、電流検出手段43から出力される電流に相当する電圧値Vが急激に減少する。
一方、各TFT8がオフ状態とされても、放射線の照射が続く限り、微弱ではあるがバイアス線9や結線10を電流が流れ、その電流を電流検出手段43で検出できる場合がある。
なお、各TFT8がオフ状態でもバイアス線9に電流が流れる理由は、例えば図8でTFT8がオフ状態とされた場合、走査線5からTFT8と放射線検出素子7を介してバイアス電源14に至る閉じるループが形成され、その中にそれぞれ所定の寄生容量を有するTFT8と放射線検出素子7がコンデンサ状に配置されている状態と見なすことができる。そして、放射線の照射により放射線検出素子7のi層76(図5参照)で電子正孔対が発生して蓄積すると、放射線検出素子7内では、所定のバイアス電圧が印加された第2電極78に対する第1電極74の電位(この電位はTFT8のソース電極8s側の電位に等しい。)が下がる。そのため、放射線検出素子7の第1、第2電極74、78やTFT8のゲート電極8gやソース電極8sに蓄積される電荷量が変化するため、それを補うようにバイアス線9や放射線検出素子7−TFT8間の配線、走査線5に電流が流れるのである。
このように、各TFT8がオフ状態とされた後もバイアス線8や結線10を流れる電流(或いはそれに相当する電圧値V)を検出できる場合、放射線の照射が終了すると、電流検出手段43から出力される電流に相当する電圧値Vは、図12(B)に示すように放射線の照射が終了した時点t2でさらに減少する。そこで、全TFT8がオフ状態とされた時点で減少した電圧値Vがさらに減少したことを検出して、制御手段22で放射線の照射の終了を検出するように構成することも可能である。
しかし、図9に示したように、バイアス線9や結線10を流れる電流を電流検出手段43の抵抗器43aに流し、その両端子間の電圧Vとして電流を検出する場合、バイアス電源14から供給される所定の電圧値のバイアス電圧が、抵抗器43aの両端子間の電圧Vだけ変動し、変動したバイアス電圧が各放射線検出素子7の第2電極78に印加されるようになる。また、電流検出手段43で発生するバイアス電圧に対するノイズが、放射線の照射により放射線検出素子7内で発生し蓄積される電荷量(画像データ)に影響する場合もある。
このように、放射線の照射開始後も電流検出手段43を稼働状態としておくことの悪影響を排除するため、図12(A)に示したように、時刻T2で放射線の照射の開始を検出した後は、電流検出手段43の稼働を停止し、スイッチ43dを短絡させて、放射線検出素子7に印加するバイアス電圧に電流検出手段43の悪影響が及ばないように制御することも可能である。
この場合、電流検出手段43から出力される電流に相当する電圧値Vに基づいて放射線の照射の終了を検出することができなくなるが、その場合には、放射線の照射の開始を検出した時刻T2から予め設定した所定時間が経過した時点で放射線の照射が終了したものとして、その後の処理を行うように構成することが可能である。
なお、電流検出手段43から出力される電流値(或いはそれに相当する電圧値V)に基づいて放射線の照射が終了したこと(図12(B)の時点t2参照)を検出するように構成する場合には、制御手段22は、放射線の照射終了を検出した時点で電流検出手段43の稼働を停止し、スイッチ43dを短絡させる。
制御手段22は、放射線の照射が終了したことを検出すると(或いは、放射線の照射開始(時刻T2)から所定時間が経過して放射線の照射が終了したと判断すると)、続いて、各放射線検出素子7からの画像データの読み出し処理を行うようになっている。
制御手段22は、図13のタイミングチャートに示すように、時刻T2で放射線の照射が開始されたことを検出し、図13中には図示を省略する時刻t2で放射線の照射が終了したことを検出すると、走査駆動手段15に対してパルス信号を送信し、信号読み出し用のオン電圧Vonを印加する走査線5のラインL1〜Lxを順次切り替えながら各TFT8のゲート電極8gに順次オン電圧Vonを印加して(図13の時刻T31〜T3x参照)、前述したように各放射線検出素子7から電荷を読み出す。
なお、図13では、タイミングチャートを見やすくするため、信号読み出し用のオン電圧Vonのパルス幅が長く表されているが、実際には、時刻T1−T2間のオン電圧Vonの印加時間に比べれば、信号読み出し用のオン電圧Vonのパルス幅は非常に短い。
そして、各放射線検出素子7から読み出した電荷を増幅回路18で電荷電圧変換し、電圧値に変換された出力値から相関二重サンプリング回路19で画像データを切り出し、相関二重サンプリング回路19から出力された画像データをアナログマルチプレクサ21を介して順次A/D変換器20に送信する。そして、A/D変換器20で順次デジタル値に変換された画像データを記憶手段40に出力して順次保存するようになっている。
制御手段22は、続いて、ダーク読取処理前のリセット処理を行うようになっている。ダーク読取処理前のリセット処理の際、制御手段22は、図13に示すように、時刻T4に各TFT8のゲート電極8gに一斉にオン電圧Vonを印加した後、放射線画像撮影の際に時刻T1に各TFT8のゲート電極8gに最後にオン電圧Vonを印加してから時刻T2に再度オフ電圧Voffを印加するまでの時間間隔T2−T1と同じ時間間隔だけ各TFT8のゲート電極8gにオン電圧Vonを印加し続けた後、時刻T5(T5=T4+T2−T1)に各TFT8のゲート電極8gに印加する電圧を一斉にオフ電圧Voffに切り替えるようになっている。
そのため、制御手段22は、放射線画像撮影の際、最後に各TFT8のゲート電極8gに一斉にオン電圧Vonを印加した時刻T1から時間のカウントを開始し、時刻T2に各TFT8のゲート電極8gに一斉にオン電圧Vonを印加するまでの時間間隔T2−T1をRAM等のメモリに記憶しておくようになっている。
制御手段22は、続いて、ダーク読取処理を行うようになっている。ダーク読取処理では、制御手段22は、ダーク読取処理前のリセット処理が終了した後、放射線を照射しない状態で放射線画像撮影装置1を放置して、各放射線検出素子7内で発生する暗電荷を各放射線検出素子7に蓄積させる。
放射線画像撮影装置1を放置する各走査線5ごとの時間間隔ΔTnは、放射線画像撮影の際に各TFT8をオフ状態としていた時間間隔ΔTn、すなわち図13で言えば走査線5の各ラインL1〜Lxごとの時刻T2から時刻T3nまでの時間間隔ΔTn(=T3n−T2)と同じ時間間隔になるように設定されている。
そして、制御手段22は、ダーク読取処理前のリセット処理が終了してTFT8のゲート電極8gに印加する電圧をオフ電圧Voffに切り替えた時刻T5から、走査線5の各ラインL1〜Lxごとに時間間隔ΔTnだけ放置した後、上記の画像データの読み出し処理と同じ手順で、各放射線検出素子7から蓄積された暗電荷に相当するダーク読取値を読み出すようになっている。
なお、時刻T4〜T5のダーク読取処理前のリセット処理の前に、図11に示したような定期的なリセット処理を1、2回程度行うように構成することも可能である。
また、上記のようにして取得された各放射線検出素子7のダーク読取値からオフセット分を算出し、各放射線検出素子7の画像データからオフセット分を差し引いて真の画像データを得るオフセット補正は、放射線画像撮影装置1で行うように構成してもよく、また、画像データやダーク読取値を例えばアンテナ装置39を介して外部装置に送信し、外部装置でオフセット補正を行うように構成することも可能である。
以上のように、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1によれば、放射線画像撮影前に各TFT8のゲート電極8gに一斉に印加する電圧をオン電圧Vonとオフ電圧Voffとの間で定期的に切り替え、最後にオン電圧Vonを印加してから放射線の照射開始を検出して再度オフ電圧Voffを印加するまでの時間間隔T2−T1と同じ時間間隔だけ、ダーク読取処理前のリセット処理では、各TFT8のゲート電極8gにオン電圧Vonを印加した後、オフ電圧Voffに一斉に切り替えるように構成した。
そのため、放射線画像撮影前のリセット処理で定期的に印加するオン電圧Vonの印加時間(パルス幅)を例えば1秒程度の短い時間に適切に調整すれば、最後にオン電圧Vonを印加してから放射線の照射開始を検出して再度オフ電圧Voffを印加するまでの時間間隔T2−T1を少なくともそれより短い時間間隔とすることが可能となる。
そして、ダーク読取処理前のリセット処理にかかる時間間隔T5−T4は時間間隔T2−T1と同じ時間間隔に設定されるため、ダーク読取処理前のリセット処理を含むダーク読取処理にかかる時間が長くなることを的確に防止することが可能となり、ダーク読取処理を現実的な時間内で行うことが可能となる。本実施形態に係る放射線画像撮影装置1では、このようにして前述した問題点1が解決される。
また、放射線画像撮影前のリセット処理を定期的に行うため、放射線の照射開始前の最後のリセット処理の前に、各放射線検出素子7内に暗電荷を蓄積させる所定の電荷蓄積時間(図11や図13のΔTa参照)が確保される。そのため、前述した問題点2で述べたように、長時間連続して各TFT8をオン状態として各放射線検出素子7内の暗電荷が十分に除去される場合とは異なり、放射線の照射開始時点(時刻T2)で各放射線検出素子7に残存する暗電荷等の残存電荷の量と、ダーク読取処理前のリセット処理の終了時点(時刻T5)で各放射線検出素子7に残存する残存電荷の量とを同程度とすることが可能となる。
そのため、ダーク読取処理で得られたダーク読取値に基づいてオフセット分を算出すれば、算出したそのオフセット分は、放射線画像撮影時に各放射線検出素子7に蓄積された暗電荷によるオフセット分とほぼ同じ値になる。そのため、ダーク読取処理により得られたオフセット分を画像データから差し引くことで的確に真の画像データを得ることが可能となり、オフセット補正の精度を維持、向上させることが可能となる。本実施形態に係る放射線画像撮影装置1では、このようにして前述した問題点2が解決される。
[第2の実施の形態]
第1の実施形態では、放射線画像撮影前の各放射線検出素子7のリセット処理を、図11に示したように定期的にオン電圧Vonとオフ電圧Voffとの間で切り替えて行う場合について説明したが、各TFT8のゲート電極8gにオン電圧Vonを長時間連続して印加して行う場合についても本発明を適用することができる。以下、このように構成した第2の実施形態について説明する。
第1の実施形態では、放射線画像撮影前の各放射線検出素子7のリセット処理を、図11に示したように定期的にオン電圧Vonとオフ電圧Voffとの間で切り替えて行う場合について説明したが、各TFT8のゲート電極8gにオン電圧Vonを長時間連続して印加して行う場合についても本発明を適用することができる。以下、このように構成した第2の実施形態について説明する。
しかし、この場合、各TFT8のゲート電極8gにオン電圧Vonを長時間連続して印加したまま放射線の照射開始を検出するように構成すると、上記のように各放射線検出素子7内の暗電荷が十分に除去されてしまうため、放射線の照射開始時点(時刻T2)で各放射線検出素子7に残存する暗電荷等の残存電荷の量と、ダーク読取処理前のリセット処理の終了時点(時刻T5)で各放射線検出素子7に残存する残存電荷の量とが有意に異なる値となり、オフセット補正の精度の低下を招いてしまう(すなわち前述した問題点2が解決されない。)。
そこで、第2の実施形態においても、放射線画像撮影前のリセット処理で、長時間連続して各TFT8のゲート電極8gにオン電圧Vonを印加した状態から、印加する電圧を一旦オフ電圧Voffに切り替えて、各放射線検出素子7内に暗電荷を蓄積させる所定の電荷蓄積時間ΔTaを確保し、その後、各TFT8のゲート電極8gに一斉に印加する電圧を再度オン電圧Vonに切り替えて各TFT8のゲートを開いた状態で放射線の照射開始を待つように構成することが必要となる。
そのためには、放射線照射装置等から放射線の照射準備が完了したことを示す信号等を受け取り、それに基づいて長時間連続して各TFT8のゲート電極8gに印加していたオン電圧Vonをオフ電圧Voffに切り替え、その後、再度オン電圧Vonに切り替えるように構成することも可能であるが、放射線照射装置等と放射線画像撮影装置の製造元が異なる等の現実的な問題もあり、放射線照射装置等と放射線画像撮影装置とのインターフェースをとることは必ずしも容易ではない。
そこで、本実施形態に係る放射線画像撮影装置100では、図14に示すように、アンテナ装置39が設けられた筐体2の側面部分からコード50が延出され、その先端部に押しボタン式の入力手段51が設けられており、放射線が照射される直前に操作者が入力手段51のボタン部52を押下することにより、放射線画像撮影装置100に放射線が照射させる旨の情報が入力されるようになっている。
なお、放射線画像撮影装置100の入力手段51等の構成以外の構成は、第1の実施形態に係る放射線画像撮影装置1の構成と同じであり、各機能部については同じ符号を付して説明する。
また、入力手段51は、上記のようにコード50を備える押しボタン式の入力手段に限らず、放射線が照射される際に放射線画像撮影装置100に放射線が照射させる旨の情報を入力することができるものであればよい。そのため、例えば、操作者が外部装置を操作して外部装置からアンテナ装置39を介して情報を入力するように構成することも可能であり、その場合には、アンテナ装置39が入力手段ということになる。また、電源スイッチ36やそれとは別体に設けられた図示しないスイッチ等を入力手段とし、それを操作することにより上記の情報を入力するように構成することも可能である。
本実施形態では、制御手段22は、放射線画像撮影前の各放射線検出素子7のリセット処理においては、まず、図15に示すように、走査駆動手段15から走査線5の各ラインL1〜Lxを介して各TFT8のゲート電極8gにオン電圧Vonを一斉に印加し、その状態を保つ。
そして、入力手段51を介して放射線が照射させる旨の情報が入力されると、各TFT8のゲート電極8gに印加する電圧を一斉にオフ電圧Voffに切り替えて各放射線検出素子7内に暗電荷を蓄積させる所定の電荷蓄積時間ΔTaを確保した後、時刻T1に各TFT8のゲート電極8gに印加する電圧を一斉にオン電圧Vonに切り替えるようになっている。
その後の処理は、第1の実施形態に係る放射線画像撮影装置1の場合と同様に、制御手段22は、図13に示したように、電流検出手段43で検出された電流の値(或いはそれに相当する電圧値V)に基づいて時刻T2に放射線の照射の開始を検出すると、各TFT8のゲート電極8gに再度オフ電圧Voffを一斉に印加し、放射線の照射が終了すると、印加するオン電圧Vonを走査線5の各ラインL1〜Lxごとに切り替えながら各放射線検出素子7から画像データを読み出す。
そして、ダーク読取処理前の各放射線検出素子7のリセット処理では、放射線画像撮影の際に時刻T1に各TFT8のゲート電極8gにオン電圧Vonを印加してから時刻T2にオフ電圧Voffを印加するまでの時間間隔T2−T1と同じ時間間隔T5−T4だけ各TFT8のゲート電極8gにオン電圧Vonを一斉に印加し、各TFT8のゲート電極8gに印加する電圧をオフ電圧Voffに一斉に切り替えた後、ダーク読取処理を行うようになっている。
以上のように、本実施形態に係る放射線画像撮影装置100によっても、上記の第1の実施形態に係る放射線画像撮影装置1と全く同様の効果を奏することが可能となり、オフセット補正の精度を維持、向上させつつ、かつ、ダーク読取処理を現実的な時間内で行うことが可能となる。
特に、本実施形態では、放射線画像撮影前の各放射線検出素子7のリセット処理では、長時間連続して各TFT8をオン状態とするため、各放射線検出素子7内の暗電荷を十分に除去する状態となるが、その後、入力手段51を介して放射線が照射させる旨の情報が入力されると、一旦各TFT8のゲート電極8gに印加する電圧を一斉にオフ電圧Voffに切り替えて各放射線検出素子7内に暗電荷を蓄積させる電荷蓄積時間ΔTaを確保した後、時刻T1に各TFT8のゲート電極8gに印加する電圧を一斉にオン電圧Vonに切り替えて放射線の照射開始を待つ。
そのため、放射線の照射開始時点(時刻T2)で各放射線検出素子7に残存する暗電荷等の残存電荷の量が、ダーク読取処理前のリセット処理の終了時点(時刻T5)で各放射線検出素子7に残存する残存電荷の量と同程度となり、第1の実施形態の場合と同様にオフセット補正の精度を維持、向上させることが可能となる。
なお、第1、第2の実施形態に係る放射線画像撮影装置1、100における電流検出手段43は、放射線の照射によりバイアス線9やその結線10等の装置内を流れる電流を検出することができるものであればよく、図9に示したような抵抗器43aやダイオード43b、差動アンプ43c、スイッチ43d等を備える上記の各実施形態における構成には限定されない。
1、100 放射線画像撮影装置
5 走査線
6 信号線
7 放射線検出素子
8 TFT(スイッチ手段)
15 走査駆動手段
22 制御手段
37 インジケータ(報知手段)
43 電流検出手段
51 入力手段
r 領域
T2−T1 時間間隔
T5−T4 時間間隔
V 電流に相当する電圧値(電流の値)
Voff オフ電圧
Von オン電圧
5 走査線
6 信号線
7 放射線検出素子
8 TFT(スイッチ手段)
15 走査駆動手段
22 制御手段
37 インジケータ(報知手段)
43 電流検出手段
51 入力手段
r 領域
T2−T1 時間間隔
T5−T4 時間間隔
V 電流に相当する電圧値(電流の値)
Voff オフ電圧
Von オン電圧
Claims (4)
- 互いに交差するように配設された複数の走査線および複数の信号線と、前記複数の走査線および複数の信号線により区画された各領域に二次元状に配列された複数の放射線検出素子と、
前記放射線検出素子ごとに配置され、接続された前記走査線を介してオフ電圧が印加されると前記放射線検出素子内で発生した電荷を保持し、オン電圧が印加されると前記放射線検出素子から前記電荷を放出させるスイッチ手段と、
前記走査線に印加する前記オン電圧と前記オフ電圧とを切り替える走査駆動手段と、
放射線の照射により装置内を流れる電流を検出する電流検出手段と、
前記電流検出手段で検出された電流の値に基づいて少なくとも放射線の照射の開始を検出する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
放射線画像撮影で放射線が照射される前に、前記走査駆動手段から前記各走査線を介して前記各スイッチ手段に前記オフ電圧を印加して前記各放射線検出素子内に暗電荷を蓄積させた後、前記各スイッチ手段に前記オン電圧を印加し、
放射線の照射の開始を検出すると、前記各スイッチ手段に再度前記オフ電圧を印加し、
ダーク読取処理の際には、前記放射線画像撮影の際に前記各スイッチ手段に前記オン電圧を印加してから再度前記オフ電圧を印加するまでの時間間隔と同じ時間間隔だけ前記各スイッチ手段に前記オン電圧を印加し、前記各スイッチ手段に印加する電圧を前記オフ電圧に切り替えた後、ダーク読取処理を行うことを特徴とする放射線画像撮影装置。 - 互いに交差するように配設された複数の走査線および複数の信号線と、前記複数の走査線および複数の信号線により区画された各領域に二次元状に配列された複数の放射線検出素子と、
前記放射線検出素子ごとに配置され、接続された前記走査線を介してオフ電圧が印加されると前記放射線検出素子内で発生した電荷を保持し、オン電圧が印加されると前記放射線検出素子から前記電荷を放出させるスイッチ手段と、
前記走査線に印加する前記オン電圧と前記オフ電圧とを切り替える走査駆動手段と、
放射線の照射により装置内を流れる電流を検出する電流検出手段と、
前記電流検出手段で検出された電流の値に基づいて少なくとも放射線の照射の開始を検出する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
放射線画像撮影で放射線が照射される前に、前記走査駆動手段から前記各走査線を介して前記各スイッチ手段に印加する電圧を前記オン電圧と前記オフ電圧との間で交互に繰り返し、
前記各スイッチ手段に前記オン電圧が印加された状態で放射線の照射の開始を検出すると、前記各スイッチ手段に前記オフ電圧を印加し、
ダーク読取処理の際には、前記放射線画像撮影の際に最後に前記各スイッチ手段に前記オン電圧を印加してから再度前記オフ電圧を印加するまでの時間間隔と同じ時間間隔だけ前記各スイッチ手段に前記オン電圧を印加し、前記各スイッチ手段に印加する電圧を前記オフ電圧に切り替えた後、ダーク読取処理を行うことを特徴とする放射線画像撮影装置。 - 放射線画像撮影の際に、前記各スイッチ手段に印加されている電圧が前記オフ電圧であることを報知する報知手段を備えることを特徴とする請求項2に記載の放射線画像撮影装置。
- 互いに交差するように配設された複数の走査線および複数の信号線と、前記複数の走査線および複数の信号線により区画された各領域に二次元状に配列された複数の放射線検出素子と、
前記放射線検出素子ごとに配置され、接続された前記走査線を介してオフ電圧が印加されると前記放射線検出素子内で発生した電荷を保持し、オン電圧が印加されると前記放射線検出素子から前記電荷を放出させるスイッチ手段と、
前記走査線に印加する前記オン電圧と前記オフ電圧とを切り替える走査駆動手段と、
放射線の照射により装置内を流れる電流を検出する電流検出手段と、
前記電流検出手段で検出された電流の値に基づいて少なくとも放射線の照射の開始を検出する制御手段と、
放射線が照射される際に放射線が照射させる旨の情報を入力する入力手段と、
を備え、
前記制御手段は、
放射線画像撮影で放射線が照射される前に、前記走査駆動手段から前記各走査線を介して前記各スイッチ手段に前記オン電圧を印加し、前記入力手段から前記情報が入力されると、前記各スイッチ手段に印加する電圧を前記オフ電圧に切り替えて前記各放射線検出素子内に暗電荷を蓄積させた後、前記各スイッチ手段に印加する電圧を前記オン電圧に切り替え
放射線の照射の開始を検出すると、前記各スイッチ手段に再度前記オフ電圧を印加し、
ダーク読取処理の際には、前記放射線画像撮影の際に前記各スイッチ手段に前記オン電圧を印加してから再度前記オフ電圧を印加するまでの時間間隔と同じ時間間隔だけ前記各スイッチ手段に前記オン電圧を印加し、前記各スイッチ手段に印加する電圧を前記オフ電圧に切り替えた後、ダーク読取処理を行うことを特徴とする放射線画像撮影装置。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013000440A (ja) * | 2011-06-20 | 2013-01-07 | Konica Minolta Medical & Graphic Inc | 放射線画像撮影システムおよび放射線画像撮影装置 |
-
2009
- 2009-08-13 JP JP2009187630A patent/JP2011041075A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013000440A (ja) * | 2011-06-20 | 2013-01-07 | Konica Minolta Medical & Graphic Inc | 放射線画像撮影システムおよび放射線画像撮影装置 |
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