JP2010264085A - 放射線画像撮影装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】放射線の曝射開始を迅速に検出して無駄に電荷が捨てられることを防止するとともに、バッテリの消費量を抑えつつ効率的にリセット処理を行うことのできる放射線画像撮影装置を提供する。
【解決手段】放射線画像撮影装置1は、バイアス線を流れる電流の電流値を検出する電流検出手段43と、電流値について常時積分処理を行い、その積分値の変化量を検出するとともに、検出された積分値の変化量から放射線の曝射が開始されたか否かを判断する制御手段22とを備え、走査駆動手段15は、非撮影時に、スイッチ手段8にオン電圧を印加して、放射線検出素子のリセット処理を間欠的に行わせ、制御手段22は、放射線の曝射が開始されたと判断するときは、走査駆動手段15に対して、リセット処理の中止を指示する。
【選択図】図9
【解決手段】放射線画像撮影装置1は、バイアス線を流れる電流の電流値を検出する電流検出手段43と、電流値について常時積分処理を行い、その積分値の変化量を検出するとともに、検出された積分値の変化量から放射線の曝射が開始されたか否かを判断する制御手段22とを備え、走査駆動手段15は、非撮影時に、スイッチ手段8にオン電圧を印加して、放射線検出素子のリセット処理を間欠的に行わせ、制御手段22は、放射線の曝射が開始されたと判断するときは、走査駆動手段15に対して、リセット処理の中止を指示する。
【選択図】図9
Description
本発明は、放射線画像撮影装置に係り、特に、放射線検出素子内に蓄積された余分な電荷を放出させる放射線検出素子のリセット処理を行う放射線画像撮影装置に関する。
照射されたX線等の放射線の線量に応じて検出素子で電荷を発生させて電気信号に変換するいわゆる直接型の放射線画像撮影装置や、照射された放射線をシンチレータ等で可視光等の他の波長の電磁波に変換した後、変換され照射された電磁波のエネルギに応じてフォトダイオード等の光電変換素子で電荷を発生させて電気信号に変換するいわゆる間接型の放射線画像撮影装置が種々開発されている。なお、本発明では、直接型の放射線画像撮影装置における検出素子や、間接型の放射線画像撮影装置における光電変換素子を、あわせて放射線検出素子という。
このタイプの放射線画像撮影装置はFPD(Flat Panel Detector)として知られており、従来は支持台(或いはブッキー装置)と一体的に形成されていたが、近年、放射線検出素子等をハウジングに収納した可搬型の放射線画像撮影装置が開発され、実用化されている。
可搬型の放射線画像撮影装置は、内部にバッテリを内蔵し、ケーブルレスで駆動可能となっており、患者のベッドサイド等におけるポータブル撮影をはじめとする自由度の高い撮影が可能となる。
可搬型の放射線画像撮影装置は、内部にバッテリを内蔵し、ケーブルレスで駆動可能となっており、患者のベッドサイド等におけるポータブル撮影をはじめとする自由度の高い撮影が可能となる。
ところで、放射線画像撮影装置の内部構造は、後述する図4や図7等に示すように、通常、基板上に互いに交差するように配設された複数の走査線5と複数の信号線6とで区画された各小領域rにそれぞれ放射線検出素子7が二次元状(マトリクス状)に配列されて形成されている。そして、前述したように、放射線検出素子7では照射された放射線の線量に応じてその内部に電荷が発生し、各放射線検出素子7の電荷がそれぞれ読み出され、読み出し回路17で電荷電圧変換され増幅される等して画像データとして取り出される。
しかし、放射線画像撮影装置に放射線が照射されない場合でも、放射線検出素子7自体の熱による熱励起等によりその内部で電荷が発生しており、その電荷はいわゆる暗電荷として各放射線検出素子7内に蓄積される。また、前回の放射線画像撮影での放射線の照射より発生した電荷の読み残し分が各放射線検出素子7内に残存している場合もある。そして、各放射線検出素子7内に暗電荷や読み残し分の電荷が残存した状態で放射線画像撮影を行うと、それらの暗電荷や読み残し分の電荷が今回の放射線画像撮影で各放射線検出素子7から読み出される画像データにノイズ成分として重畳されてしまう。
そこで、この暗電荷等によるノイズ成分を可能な限り除去するため、通常、放射線画像撮影装置に対して放射線が照射される直前や放射線照射後等に、放射線検出素子7内等に蓄積された暗電荷等の余分な電荷を除去するためのリセット処理が行われる。
放射線検出素子7のリセット処理では、図4や図7等に示したように各走査線5に接続された各放射線検出素子7のスイッチ手段であるTFT8(Thin Film Transistor)のゲート電極8gに走査線5を介してオン電圧を印加してTFT8のゲートを開き、TFT8を介して放射線検出素子7内に蓄積された余分な電荷を信号線6に放出させる。
撮影の際に、暗電荷等によるノイズ成分が除去された撮影に適した状態にしておくためには、このようなリセット処理をできるだけ撮影直前に行うことが好ましい。そこで、常時リセット処理を行い、放射線の曝射が開始されたらリセット処理を中止してTFT8のゲートを閉じるという手法も考えられる。
この点、放射線の曝射開始を検出するためには、従来、例えばバイアス線を流れる電流の電流値を検出し、A/D変換後にこの電流値を積分処理して、得られた積分値により放射線の曝射が開始されたと判断する手法がとられていた。なお、バイアス線又は信号線を流れる電流を検出する手法は、特許文献1等において公知である。
この点、放射線の曝射開始を検出するためには、従来、例えばバイアス線を流れる電流の電流値を検出し、A/D変換後にこの電流値を積分処理して、得られた積分値により放射線の曝射が開始されたと判断する手法がとられていた。なお、バイアス線又は信号線を流れる電流を検出する手法は、特許文献1等において公知である。
しかしながら、このようにA/D変換後に積分処理を行う手法では放射線の曝射が開始されたか否かの判定が遅れてしまい、常時リセット処理を行っている場合には、リセット処理を中止する判断が遅くなってしまう。このため、積分処理を行って放射線の曝射開始時の検出をしている間、すなわち、放射線の曝射が開始されてからリセット処理が中止されるまでの間にTFT8に溜まるはずだった電荷が捨てられる結果となってしまう。これにより、撮影における放射線の蓄積量が減って、画質にも影響を及ぼす可能性がある。
また、常時リセット処理を行うことは、暗電荷等によるノイズ成分の蓄積を防ぐ点において優れているが、他方で消費電力が多くなるため、バッテリの消耗が激しくなり、撮影や画像データの転送処理等の途中でバッテリ容量が足りなくなる等の事態が起こり得るという問題もある。
そこで、本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、放射線の曝射開始を迅速に検出して無駄に電荷が捨てられることを防止するとともに、バッテリの消費量を抑えつつ効率的にリセット処理を行うことのできる放射線画像撮影装置を提供することを目的とする。
前記の問題を解決するために、本発明の放射線画像撮影装置は、
互いに交差するように配設された複数の走査線および複数の信号線と、前記複数の走査線および前記複数の信号線により区画された各領域に二次元状に配列された複数の放射線検出素子とを備える検出部と、
前記放射線検出素子ごとに配置され、接続された前記走査線にオン電圧が印加されると前記放射線検出素子内で発生した電荷を放出させ、接続された前記走査線にオフ電圧が印加されると前記放射線検出素子内で発生した電荷を前記放射線検出素子内に蓄積させるスイッチ手段と、
前記各走査線を介して前記スイッチ手段に印加する電圧を制御する走査駆動手段と、
前記各放射線検出素子に接続されたバイアス線と、
前記バイアス線を介して前記各放射線検出素子にバイアス電圧を印加するバイアス電源と、
前記バイアス線を流れる電流の電流値を検出する電流検出手段と、
前記電流検出手段により検出された電流値について常時積分処理を行い、その積分値の変化量を検出する積分変化量検出手段と、
前記積分変化量検出手段により検出された積分値の変化量から放射線の曝射が開始されたか否かを判断する曝射開始判断手段と、
を備え、
前記走査駆動手段は、非撮影時に、前記各走査線を介して前記スイッチ手段に前記オン電圧を間欠的に印加して、前記放射線検出素子内に蓄積された余分な電荷を放出させる前記放射線検出素子のリセット処理を間欠的に行わせ、
前記曝射開始判断手段は、放射線の曝射が開始されたと判断するときは、前記走査駆動手段に対して、前記リセット処理の中止を指示することを特徴とする。
互いに交差するように配設された複数の走査線および複数の信号線と、前記複数の走査線および前記複数の信号線により区画された各領域に二次元状に配列された複数の放射線検出素子とを備える検出部と、
前記放射線検出素子ごとに配置され、接続された前記走査線にオン電圧が印加されると前記放射線検出素子内で発生した電荷を放出させ、接続された前記走査線にオフ電圧が印加されると前記放射線検出素子内で発生した電荷を前記放射線検出素子内に蓄積させるスイッチ手段と、
前記各走査線を介して前記スイッチ手段に印加する電圧を制御する走査駆動手段と、
前記各放射線検出素子に接続されたバイアス線と、
前記バイアス線を介して前記各放射線検出素子にバイアス電圧を印加するバイアス電源と、
前記バイアス線を流れる電流の電流値を検出する電流検出手段と、
前記電流検出手段により検出された電流値について常時積分処理を行い、その積分値の変化量を検出する積分変化量検出手段と、
前記積分変化量検出手段により検出された積分値の変化量から放射線の曝射が開始されたか否かを判断する曝射開始判断手段と、
を備え、
前記走査駆動手段は、非撮影時に、前記各走査線を介して前記スイッチ手段に前記オン電圧を間欠的に印加して、前記放射線検出素子内に蓄積された余分な電荷を放出させる前記放射線検出素子のリセット処理を間欠的に行わせ、
前記曝射開始判断手段は、放射線の曝射が開始されたと判断するときは、前記走査駆動手段に対して、前記リセット処理の中止を指示することを特徴とする。
本発明の放射線画像撮影装置によれば、電流検出手段によって検出された電流値を常時積分処理して得られる積分値の変化量に基づいて放射線の曝射開始を判断するので、放射線の曝射が開始されたか否かの判断を迅速に行うことができる。
また、短時間のリセット処理を間欠的に行うため、放射線の曝射があった場合に無駄に捨てられる電荷量を少なくすることができる。
さらに、常時リセット処理を行う場合と比較して消費電力を抑えることが可能となる。
また、短時間のリセット処理を間欠的に行うため、放射線の曝射があった場合に無駄に捨てられる電荷量を少なくすることができる。
さらに、常時リセット処理を行う場合と比較して消費電力を抑えることが可能となる。
以下、本発明に係る放射線画像撮影装置の実施の形態について、図面を参照して説明する。
なお、以下では、放射線画像撮影装置が、シンチレータ等を備え、照射された放射線を可視光等の他の波長の電磁波に変換して電気信号を得るいわゆる間接型の放射線画像撮影装置である場合について説明するが、本発明は、直接型の放射線画像撮影装置に対しても適用することが可能である。また、放射線画像撮影装置が可搬型である場合について説明するが、支持台等と一体的に形成された放射線画像撮影装置に対しても適用される。
図1は、本実施形態に係る放射線画像撮影装置の外観斜視図であり、図2は、図1のA−A線に沿う断面図である。本実施形態に係る放射線画像撮影装置1は、図1や図2に示すように、筐体2内にシンチレータ3や基板4等が収納された可搬型(カセッテ型)の装置として構成されている。
筐体2は、少なくとも放射線の照射を受ける側の面R(以下、放射線入射面Rという。)が放射線を透過するカーボン板やプラスチック等の材料で形成されている。なお、図1や図2では、筐体2がフレーム板2Aとバック板2Bとで形成された、いわゆる弁当箱型である場合が示されているが、筐体2を一体的に角筒状に形成した、いわゆるモノコック型とすることも可能である。
また、図1に示すように、筐体2の側面部分には、電源スイッチ36や、LED等で構成されたインジケータ37、図示しないバッテリ41(後述する図7参照)の交換等のために開閉可能とされた蓋部材38等が配置されている。また、本実施形態では、蓋部材38の側面部には、外部と無線で通信するための通信手段であるアンテナ装置39が埋め込まれている。
また、図2に示すように、筐体2の内部には、基板4の下方側に図示しない鉛の薄板等を介して基台31が配置され、基台31には、電子部品32等が配設されたPCB基板33や緩衝部材34等が取り付けられている。なお、本実施形態では、基板4やシンチレータ3の放射線入射面Rには、それらを保護するためのガラス基板35が配設されている。
シンチレータ3は、基板4の後述する検出部Pに貼り合わされるようになっている。シンチレータ3は、例えば、蛍光体を主成分とし、放射線の入射を受けると300〜800nmの波長の電磁波、すなわち可視光を中心とした電磁波に変換して出力するものが用いられる。
基板4は、本実施形態では、ガラス基板で構成されており、図3に示すように、基板4のシンチレータ3に対向する側の面4a上には、複数の走査線5と複数の信号線6とが互いに交差するように配設されている。基板4の面4a上の複数の走査線5と複数の信号線6により区画された各小領域rには、それぞれ放射線検出素子7がそれぞれ設けられている。
このように、走査線5と信号線6で区画された各小領域rに二次元状に配列された複数の放射線検出素子7が設けられた領域r全体、すなわち図3に一点鎖線で示される領域が検出部Pとされている。
本実施形態では、放射線検出素子7としてフォトダイオードが用いられているが、この他にも例えばフォトトランジスタ等を用いることも可能である。各放射線検出素子7は、図3や図4の拡大図に示すように、スイッチ手段であるTFT8のソース電極8sに接続されている。また、TFT8のドレイン電極8dは信号線6に接続されている。
そして、TFT8は、後述する走査駆動手段15により、接続された走査線5にオン電圧が印加され、ゲート電極8gにオン電圧が印加されるとオン状態となり、放射線検出素子7内で発生し蓄積されている電荷を信号線6に放出させるようになっている。また、TFT8は、接続された走査線5にオフ電圧が印加され、ゲート電極8gにオフ電圧が印加されるとオフ状態となり、放射線検出素子7から信号線6への電荷の放出を停止して、放射線検出素子7内で発生した電荷を放射線検出素子7内に蓄積させるようになっている。
ここで、本実施形態における放射線検出素子7やTFT8の構造について、図5に示す断面図を用いて簡単に説明する。図5は、図4におけるX−X線に沿う断面図である。
基板4の面4a上に、AlやCr等からなるTFT8のゲート電極8gが走査線5と一体的に積層されて形成されており、ゲート電極8g上および面4a上に積層された窒化シリコン(SiNx)等からなるゲート絶縁層81上のゲート電極8gの上方部分に、水素化アモルファスシリコン(a−Si)等からなる半導体層82を介して、放射線検出素子7の第1電極74と接続されたソース電極8sと、信号線6と一体的に形成されるドレイン電極8dとが積層されて形成されている。
ソース電極8sとドレイン電極8dとは、窒化シリコン(SiNx)等からなる第1パッシベーション層83によって分割されており、さらに第1パッシベーション層83は両電極8s、8dを上側から被覆している。また、半導体層82とソース電極8sやドレイン電極8dとの間には、水素化アモルファスシリコンにVI族元素をドープしてn型に形成されたオーミックコンタクト層84a、84bがそれぞれ積層されている。以上のようにしてTFT8が形成されている。
また、放射線検出素子7の部分では、基板4の面4a上に前記ゲート絶縁層81と一体的に形成される絶縁層71の上にAlやCr等が積層されて補助電極72が形成されており、補助電極72上に前記第1パッシベーション層83と一体的に形成される絶縁層73を挟んでAlやCr、Mo等からなる第1電極74が積層されている。第1電極74は、第1パッシベーション層83に形成されたホールHを介してTFT8のソース電極8sに接続されている。
第1電極74の上には、水素化アモルファスシリコンにVI族元素をドープしてn型に形成されたn層75、水素化アモルファスシリコンで形成された変換層であるi層76、水素化アモルファスシリコンにIII族元素をドープしてp型に形成されたp層77が下方から順に積層されて形成されている。
放射線画像撮影装置1の筐体2の放射線入射面Rから放射線が入射し、シンチレータ3で可視光等の電磁波に変換され、変換された電磁波が図中上方から照射されると、電磁波は放射線検出素子7のi層76に到達して、i層76内で電子正孔対が発生する。放射線検出素子7は、このようにして、シンチレータ3から照射された電磁波を電荷に変換するようになっている。
また、p層77の上には、ITO等の透明電極とされた第2電極78が積層されて形成されており、照射された電磁波がi層76等に到達するように構成されている。本実施形態では、以上のようにして放射線検出素子7が形成されている。なお、p層77、i層76、n層75の積層の順番は上下逆であってもよい。また、本実施形態では、放射線検出素子7として、上記のようにp層77、i層76、n層75の順に積層されて形成されたいわゆるpin型の放射線検出素子を用いる場合が説明されているが、これに限定されない。
放射線検出素子7の第2電極78の上面には、第2電極78を介して放射線検出素子7にバイアス電圧を印加するバイアス線9が接続されている。なお、放射線検出素子7の第2電極78やバイアス線9、TFT8側に延出された第1電極74、TFT8の第1パッシベーション層83等、すなわち放射線検出素子7とTFT8の上面部分は、その上方側から窒化シリコン(SiNx)等からなる第2パッシベーション層79で被覆されている。
図3や図4に示すように、本実施形態では、それぞれ列状に配置された複数の放射線検出素子7に1本のバイアス線9が接続されており、各バイアス線9はそれぞれ信号線6に平行に配設されている。また、各バイアス線9は、基板4の検出部Pの外側の位置で1本の結線10に結束されている。
本実施形態では、図3に示すように、各走査線5や各信号線6、バイアス線9の結線10は、それぞれ基板4の端縁部付近に設けられた入出力端子(パッドともいう)11に接続されている。各入出力端子11には、図6に示すように、後述する走査駆動手段15のゲートドライバ15bとして機能するゲートIC12a等のチップが組み込まれたCOF(Chip On Film)12が異方性導電接着フィルム(Anisotropic Conductive Film)や異方性導電ペースト(Anisotropic Conductive Paste)等の異方性導電性接着材料13を介して接続されている。
また、COF12は、基板4の裏面4b側に引き回され、裏面4b側で前述したPCB基板33に接続されるようになっている。このようにして、放射線画像撮影装置1の基板4部分が形成されている。なお、図6では、電子部品32等の図示が省略されている。
ここで、放射線画像撮影装置1の回路構成について説明する。図7は本実施形態に係る放射線画像撮影装置1の等価回路を表すブロック図であり、図8は検出部Pを構成する1画素分についての等価回路を表すブロック図である。
前述したように、基板4の検出部Pの各放射線検出素子7は、その第2電極78にそれぞれバイアス線9が接続されており、各バイアス線9は結線10に結束されてバイアス電源14に接続されている。バイアス電源14は、結線10および各バイアス線9を介して各放射線検出素子7の第2電極78にそれぞれバイアス電圧を印加するようになっている。
また、バイアス電源14は、後述する制御手段22に接続されており、制御手段22は、バイアス電源14から各放射線検出素子7に印加するバイアス電圧を制御するようになっている。なお、本実施形態では、バイアス線9の結線10に、結線10(バイアス線9)を流れる電流の電流量(電流値)を検出する電流検出手段43が設けられている。
後述するように、電流検出手段43は、常に結線10を流れる電流の電流値を検出して、その検出結果を制御手段22に出力するようになっている。
後述するように、電流検出手段43は、常に結線10を流れる電流の電流値を検出して、その検出結果を制御手段22に出力するようになっている。
また、本実施形態では、放射線検出素子7のp層77側(図5参照)に第2電極78を介してバイアス線9が接続されていることからも分かるように、バイアス電源14からは、放射線検出素子7の第2電極78にバイアス線9を介してバイアス電圧として放射線検出素子7の第1電極74側にかかる電圧以下の電圧(すなわちいわゆる逆バイアス電圧)が印加されるようになっている。
各放射線検出素子7の第1電極74はTFT8のソース電極8s(図7、図8中ではSと表記されている。)に接続されており、各TFT8のゲート電極8g(図7、図8中ではGと表記されている。)は、後述する走査駆動手段15のゲートドライバ15bから延びる各走査線5の各ラインL1〜Lxにそれぞれ接続されている。また、各TFT8のドレイン電極8d(図7、図8中ではDと表記されている。)は各信号線6にそれぞれ接続されている。
走査駆動手段15は、本実施形態では、電源回路15aとゲートドライバ15bとを備えており、本実施形態では、ゲートドライバ15bは、前述したゲートIC12aが複数並設されて形成されている。また、走査駆動手段15は、ゲートドライバ15bに接続されている各走査線5を介してTFT8のゲート電極8gに印加する電圧を制御するようになっている。
具体的には、走査駆動手段15の電源回路15aは、ゲートドライバ15bから各走査線5に印加するオン電圧やオフ電圧の電圧値をそれぞれ所定の電圧値に設定して、ゲートドライバ15bに供給するようになっている。また、走査駆動手段15は、各放射線検出素子7のリセット時には、前述したように各放射線検出素子7を一括リセット処理するようになっているが、この点については後で詳しく説明する。
各信号線6は、読み出しIC16内に形成された各読み出し回路17にそれぞれ接続されている。なお、読み出しIC16には所定個数の読み出し回路17が設けられており、読み出しIC16が複数設けられることにより、信号線6の本数分の読み出し回路17が設けられるようになっている。
読み出し回路17は、増幅回路18と、相関二重サンプリング(Correlated Double Sampling)回路19と、アナログマルチプレクサ21と、A/D変換器20とで構成されている。なお、図7や図8中では、相関二重サンプリング回路19はCDSと表記されている。また、図8中では、アナログマルチプレクサ21は省略されている。
本実施形態では、増幅回路18はチャージアンプ回路で構成されており、オペアンプ18aと、オペアンプ18aにそれぞれ並列にコンデンサ18bおよび電荷リセット用スイッチ18cが接続されて構成されている。また、増幅回路18のオペアンプ18aの入力側の反転入力端子には信号線6が接続されており、増幅回路18の入力側の非反転入力端子には初期電圧V0が印加されるようになっている。なお、初期電圧V0は適宜の値に設定される。
また、増幅回路18の電荷リセット用スイッチ18cは、後述する制御手段22に接続されており、制御手段22によりオン/オフが制御されるようになっている。電荷リセット用スイッチ18cがオフの状態で、放射線検出素子7のTFT8がオン状態とされると(すなわち、TFT8のゲート電極8gに走査線5を介してオン電圧が印加されると)、当該放射線検出素子7から放出された電荷がコンデンサ18bに流入して蓄積され、蓄積された電荷量に応じた電圧値がオペアンプ18aの出力側から出力されるようになっている。
増幅回路18は、このようにして、各放射線検出素子7から出力された電荷量に応じて電圧値を出力して電荷電圧変換して増幅するようになっている。また、電荷リセット用スイッチ18cがオン状態とされると、増幅回路18の入力側と出力側とが短絡されてコンデンサ18bに蓄積された電荷が放電されて増幅回路18がリセットされるようになっている。なお、増幅回路18を、放射線検出素子7から出力された電荷に応じて電流を出力するように構成することも可能である。
増幅回路18の出力側には、相関二重サンプリング回路(CDS)19が接続されている。相関二重サンプリング回路19は、本実施形態では、サンプルホールド機能を有しており、この相関二重サンプリング回路19におけるサンプルホールド機能は、制御手段22から送信されるパルス信号によりそのオン/オフが制御されるようになっている。
すなわち、相関二重サンプリング回路19は、増幅回路18がリセットされ、電荷リセット用スイッチ18cがオフ状態とされた後、各放射線検出素子7からの画像データの読み出し時に、放射線検出素子7から放出された電荷がコンデンサ18bに流入して蓄積され始めた時点で制御手段22から1回目のパルス信号を受信すると、その時点で増幅回路18から出力されている電圧値を保持する。
そして、その時点から所定時間経過した後、放射線検出素子7から放出された電荷がコンデンサ18bに流入して蓄積された時点で制御手段22から2回目のパルス信号を受信すると、その時点で再び増幅回路18から出力されている電圧値を保持して、それらの電圧値の差分値を下流側に画像データとして出力するようになっている。
相関二重サンプリング回路19から出力された各放射線検出素子7の画像データは、アナログマルチプレクサ21に送信され、アナログマルチプレクサ21から順次A/D変換器20に送信される。そして、A/D変換器20で順次デジタル値の画像データに変換されて記憶手段40に出力されて順次保存されるようになっている。
制御手段22は、図示しないCPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力インターフェース等がバスに接続されたコンピュータやFPGA(Field Programmable Gate Array)等により構成されている。専用の制御回路で構成されていてもよい。そして、制御手段22は、放射線画像撮影装置1の各部材の動作等を制御するようになっている。また、制御手段22には、DRAM(Dynamic RAM)等で構成される記憶手段40が接続されている。
また、本実施形態では、制御手段22には、前述したアンテナ装置39が接続されており、さらに、検出部Pや走査駆動手段15、読み出し回路17、記憶手段40、バイアス電源14等の各部材に電力を供給するためのバッテリ41が接続されている。このように、バッテリ41は、放射線画像撮影装置1のハウジング2内に内蔵されており、バッテリ41には、外部装置からバッテリ41に電力を供給してバッテリ41を充電する際の接続端子42が取り付けられている。
また、前述したように、制御手段22は、バイアス電源14を制御してバイアス電源14から各放射線検出素子7に印加するバイアス電圧を設定したり、読み出し回路17の増幅回路18の電荷リセット用スイッチ18cのオン/オフを制御したり、相関二重サンプリング回路19にパルス信号を送信して、そのサンプルホールド機能のオン/オフを制御する等の各種の処理を実行するようになっている。
また、制御手段22は、各放射線検出素子7のリセット処理時や放射線画像撮影後の各放射線検出素子7からの画像データの読み出し時に、走査駆動手段15に対して、走査駆動手段15から各走査線5を介して各TFT8のゲート電極8gに印加する電圧をオン電圧とオフ電圧との間で切り替えさせるためのパルス信号を送信するようになっている。
本実施形態において、リセット処理は、短時間に各放射線検出素子7に対し一括して行われるようになっており、このような短時間のリセット処理を間欠的に繰り返すようになっている。1回のリセット処理に要する時間(以下、リセット処理時間という。)は、例えば0.1ミリ秒から0.5ミリ秒程度であり、撮影時における放射線の照射時間よりも短いことが好ましい。また、リセット処理を行う間隔(以下、リセット処理間隔という。)は、例えば10ミリ秒程度であることが好ましい。
なお、リセット処理時間は、リセット処理間隔の時間内に放射線検出素子7内に蓄積された電荷を間欠的なリセット処理によってリセットできるだけの長さが確保されていればよく、リセット処理時間及びリセット処理間隔は、ここに例示したものに限定されない。リセット処理時間は、短いほど好ましいが、リセット処理間隔を長く取るとその分多くの電荷が蓄積するため、リセット処理時間が短すぎると放射線検出素子7内に蓄積された電荷を十分に放出させることができない。そこで、リセット処理時間とリセット処理間隔とのバランスは、リセット処理間隔の時間内に放射線検出素子7内に蓄積される電荷の量と、蓄積された電荷をリセットする能力(すなわち、どの程度の処理時間があれば蓄積された電荷を放出させることができるかの能力)とに応じて決定されることが好ましい。
なお、リセット処理時間は、リセット処理間隔の時間内に放射線検出素子7内に蓄積された電荷を間欠的なリセット処理によってリセットできるだけの長さが確保されていればよく、リセット処理時間及びリセット処理間隔は、ここに例示したものに限定されない。リセット処理時間は、短いほど好ましいが、リセット処理間隔を長く取るとその分多くの電荷が蓄積するため、リセット処理時間が短すぎると放射線検出素子7内に蓄積された電荷を十分に放出させることができない。そこで、リセット処理時間とリセット処理間隔とのバランスは、リセット処理間隔の時間内に放射線検出素子7内に蓄積される電荷の量と、蓄積された電荷をリセットする能力(すなわち、どの程度の処理時間があれば蓄積された電荷を放出させることができるかの能力)とに応じて決定されることが好ましい。
また、前述のように、本実施形態では、制御手段22には、電流検出手段43から結線10(バイアス線9)を流れる電流の電流値の検出結果が出力されるようになっている。制御手段22は、電流検出手段43によって検出された電流値について常時積分処理を行い、その積分値の変化量を検出する積分変化量検出手段として機能する。
さらに、制御手段22は、この積分値の変化量から放射線の曝射開始時点を判断する曝射開始判断手段として機能する。
すなわち、放射線の曝射があったときには積分値が大きく変化するため、積分値の変化量を常時検出することにより、放射線の曝射開始時点を判断することができる。
具体的には、例えば、放射線の曝射のない状態において0.1ミリ秒ごとに1ずつ積分値が変化する場合、この積分値の変化量を予めRAM等に記憶させておき、積分値の変化量がこれを超えたときに放射線の曝射が開始されたと判断する。
なお、積分値の変化量から放射線の曝射開始の有無を判断する手法はこれに限定されない。例えば、予め積分値の変化のパターンをRAM等に記憶させておき、積分値の変化がこのパターンから一定以上ずれたときに放射線の曝射が開始されたと判断してもよい。
そして、制御手段22は、放射線が曝射されたと判断すると、リセット処理を停止するように各部に指示信号を送信する。これにより、現にリセット処理を行っている場合にはその処理が中止され、リセット処理を行っていない場合には、放射線画像撮影後の各放射線検出素子7からの画像データの読み出し処理が終了するまでリセット処理を行わないように装置各部を制御する。
すなわち、放射線の曝射があったときには積分値が大きく変化するため、積分値の変化量を常時検出することにより、放射線の曝射開始時点を判断することができる。
具体的には、例えば、放射線の曝射のない状態において0.1ミリ秒ごとに1ずつ積分値が変化する場合、この積分値の変化量を予めRAM等に記憶させておき、積分値の変化量がこれを超えたときに放射線の曝射が開始されたと判断する。
なお、積分値の変化量から放射線の曝射開始の有無を判断する手法はこれに限定されない。例えば、予め積分値の変化のパターンをRAM等に記憶させておき、積分値の変化がこのパターンから一定以上ずれたときに放射線の曝射が開始されたと判断してもよい。
そして、制御手段22は、放射線が曝射されたと判断すると、リセット処理を停止するように各部に指示信号を送信する。これにより、現にリセット処理を行っている場合にはその処理が中止され、リセット処理を行っていない場合には、放射線画像撮影後の各放射線検出素子7からの画像データの読み出し処理が終了するまでリセット処理を行わないように装置各部を制御する。
次に、図9及び図10を参照しつつ、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1の作用について説明する。
図9は、本実施形態における常時積分処理の結果と間欠リセットのタイミングと、単位時間当たりに蓄積される電荷量の変化とを模式的に示した説明図である。
なお、図9では、単位時間当たりに一定量の電荷が蓄積されていく場合(すなわち、単位時間当たりに蓄積される電荷量が一定の場合)を示している。
なお、図9では、単位時間当たりに一定量の電荷が蓄積されていく場合(すなわち、単位時間当たりに蓄積される電荷量が一定の場合)を示している。
本実施形態では、撮影後の読み出し時及びリセット処理時以外はTFT8をOFFとするようになっており、放射線が照射されていないときでもリセット処理がされない限りTFT8には暗電荷が蓄積されていく。
図9に示すように、本実施形態では、10ミリ秒の間隔で0.1ミリ秒間のリセット処理を間欠的に行っており、リセット処理が行われると、放射線検出素子7から電荷が放出されて、放射線検出素子7内の電荷の蓄積量が0又はそれに近い値まで下がる。そして、次のリセット処理までの間に再び蓄積時間に比例して徐々に電荷が蓄積されていき、リセット処理によって電荷が放出されることが繰り返される。
図9に示すように、本実施形態では、10ミリ秒の間隔で0.1ミリ秒間のリセット処理を間欠的に行っており、リセット処理が行われると、放射線検出素子7から電荷が放出されて、放射線検出素子7内の電荷の蓄積量が0又はそれに近い値まで下がる。そして、次のリセット処理までの間に再び蓄積時間に比例して徐々に電荷が蓄積されていき、リセット処理によって電荷が放出されることが繰り返される。
電流検出手段43は、結線10(バイアス線9)に流れる電流の電流値を常時検出して検出結果を制御手段22に出力する。
なお、TFT8がOFFとなっている場合には、結線10(バイアス線9)には本来電流が流れないが、実際には僅かに漏れてくるリーク分の電流が結線10を流れている。電流検出手段43は、このリーク分の電流の電流値を常時検出して制御手段22に送るようになっている。
なお、TFT8がOFFとなっている場合には、結線10(バイアス線9)には本来電流が流れないが、実際には僅かに漏れてくるリーク分の電流が結線10を流れている。電流検出手段43は、このリーク分の電流の電流値を常時検出して制御手段22に送るようになっている。
制御手段22は、電流検出手段43から送られた電流値を常時積分処理して積分値の変化量を検出し、この変化量が放射線の曝射のない状態(すなわち、暗電荷のみが蓄積されていく状態)における積分値の変化量(所定の変化量)を超えているか否かを判断する。そして、検出された変化量が所定の変化量を超えたと判断される場合には、放射線の曝射が開始されたものと判断し、制御手段22は、現にリセット処理を行っている場合にはその処理が中止するように装置各部を制御する。また、リセット処理を行っていない場合には、撮影により放射線検出素子7内に蓄積された電荷の読取処理が終了するまでリセット処理を行わないように装置各部を制御する。
なお、撮影後に放射線を照射しない状態で撮影と同じ時間暗電荷を蓄積させ、この暗電荷の蓄積量を検出することにより、オフセット補正値を取得することが好ましい。
ここで、従来の場合及び本実施形態の場合の、リセット処理のタイミングと電荷の蓄積とについて比較して説明する。
図10は、常時リセット処理を行う従来の手法における積分処理の結果とリセットのタイミングと、単位時間当たりに蓄積される電荷量の変化とを模式的に示した説明図である。
図10に示すように、従来の手法では、撮影時以外は常時リセット処理を行っているため、放射線検出素子7内に暗電荷が蓄積されることはない。しかし、この手法では、例えば電流検出手段によって検出された電流値がオフセット量を減じても0(又は所定の閾値以下)にならなかった時点を検出し、その後電流値が上昇している場合に、A/D変換後、制御手段がこの電流値を積分処理して、得られた積分値によって、放射線の曝射開始時点t1(図10参照)に放射線の曝射が開始されたと判断することとなる。そして、放射線の曝射が開始されたと判断すると、制御手段からリセット処理の停止が指示される。
この場合、制御手段による放射線の曝射開始の判断時点をt2とすると、電流検出手段により電流値が0(又は所定の閾値以下)にならなかった時点t1が検出されてから制御手段による積分処理が行われて放射線の曝射開始が判断される時点t2までの間、リセット処理が続けられ、この間に蓄積されるはずだった電荷は捨てられてしまうこととなる。例えば、積分処理に要する時間(すなわち、図10においてt1からt2までの時間)が1ミリ秒である場合には、この1ミリ秒間に蓄積されるはずだった電荷が無駄になってしまう。
また、リセット処理を常時行っているため、バッテリの消費電力量も多くなる。
図10に示すように、従来の手法では、撮影時以外は常時リセット処理を行っているため、放射線検出素子7内に暗電荷が蓄積されることはない。しかし、この手法では、例えば電流検出手段によって検出された電流値がオフセット量を減じても0(又は所定の閾値以下)にならなかった時点を検出し、その後電流値が上昇している場合に、A/D変換後、制御手段がこの電流値を積分処理して、得られた積分値によって、放射線の曝射開始時点t1(図10参照)に放射線の曝射が開始されたと判断することとなる。そして、放射線の曝射が開始されたと判断すると、制御手段からリセット処理の停止が指示される。
この場合、制御手段による放射線の曝射開始の判断時点をt2とすると、電流検出手段により電流値が0(又は所定の閾値以下)にならなかった時点t1が検出されてから制御手段による積分処理が行われて放射線の曝射開始が判断される時点t2までの間、リセット処理が続けられ、この間に蓄積されるはずだった電荷は捨てられてしまうこととなる。例えば、積分処理に要する時間(すなわち、図10においてt1からt2までの時間)が1ミリ秒である場合には、この1ミリ秒間に蓄積されるはずだった電荷が無駄になってしまう。
また、リセット処理を常時行っているため、バッテリの消費電力量も多くなる。
これに対して、本実施形態の場合、放射線の曝射開始時点t1(図9参照)に現にリセット処理を行っていた場合には、放射線の曝射開始からリセット処理が中止されるまでの間に蓄積されるはずだった電荷は捨てられることとなるが、1回のリセット処理時間は0.1ミリ秒間であるため、捨てられる電荷もこの間に蓄積されるはずだったものに限定される。
また、放射線の曝射開始時点t1にリセット処理を行っていなかった場合には、放射線検出素子7内に蓄積された電荷はすべて捨てられることなく読取られる。なお、この場合、読取られた電荷には、本来の放射線照射による電荷と放射線曝射前に蓄積されていた暗電荷とが含まれている。そこで、直前のリセット処理から放射線曝射開始までの間の時間にどれだけの暗電荷が蓄積するかを算出し、これを読取った電荷から差し引く処理を行うことが必要となる。暗電荷の算出は、例えば、放射線非照射時に、直前のリセット処理から放射線曝射開始までの間と同じ時間暗電荷を蓄積してみる等の手法により求めることができるが、暗電荷を算出する手法はこれに限定されない。
また、リセット処理を間欠的に行っているため、バッテリの消費電力量を低く抑えることができる。
また、放射線の曝射開始時点t1にリセット処理を行っていなかった場合には、放射線検出素子7内に蓄積された電荷はすべて捨てられることなく読取られる。なお、この場合、読取られた電荷には、本来の放射線照射による電荷と放射線曝射前に蓄積されていた暗電荷とが含まれている。そこで、直前のリセット処理から放射線曝射開始までの間の時間にどれだけの暗電荷が蓄積するかを算出し、これを読取った電荷から差し引く処理を行うことが必要となる。暗電荷の算出は、例えば、放射線非照射時に、直前のリセット処理から放射線曝射開始までの間と同じ時間暗電荷を蓄積してみる等の手法により求めることができるが、暗電荷を算出する手法はこれに限定されない。
また、リセット処理を間欠的に行っているため、バッテリの消費電力量を低く抑えることができる。
以上のように、本実施形態によれば、電流検出手段43によって検出された電流値を積分処理して得られる積分値の変化量に基づいて放射線の曝射開始を判断するので、従来の手法と比べて放射線の曝射開始の判断を迅速に行うことができる。
また、短時間のリセット処理を間欠的に行うため、放射線の曝射があった場合に無駄に捨てられる電荷量を少なくすることができるとともに、短い時間でも繰り返しリセット処理を行うことにより放射線検出素子7内に蓄積された電荷を適切に放出させることができる。
さらに、本実施形態における放射線画像撮影装置1は、バッテリ41により駆動するようになっているため、ケーブルレスでの使用が可能である。そしてこのようなバッテリ41で駆動する放射線画像撮影装置1の場合でも、短時間のリセット処理を間欠的に行うことにより、常時リセット処理を行う場合と比較して消費電力を抑えることができ、バッテリ41の長寿命化を実現することができる。
また、本実施形態では、リセット処理の1回あたりの時間は、0.1ミリ秒程度であり、撮影時における放射線の照射時間よりも短いため、たとえリセット処理中に放射線の曝射が開始されたとしても、無駄になる電荷は少なくてすむ。このため、取得される画像の品質を保つことができる。
また、短時間のリセット処理を間欠的に行うため、放射線の曝射があった場合に無駄に捨てられる電荷量を少なくすることができるとともに、短い時間でも繰り返しリセット処理を行うことにより放射線検出素子7内に蓄積された電荷を適切に放出させることができる。
さらに、本実施形態における放射線画像撮影装置1は、バッテリ41により駆動するようになっているため、ケーブルレスでの使用が可能である。そしてこのようなバッテリ41で駆動する放射線画像撮影装置1の場合でも、短時間のリセット処理を間欠的に行うことにより、常時リセット処理を行う場合と比較して消費電力を抑えることができ、バッテリ41の長寿命化を実現することができる。
また、本実施形態では、リセット処理の1回あたりの時間は、0.1ミリ秒程度であり、撮影時における放射線の照射時間よりも短いため、たとえリセット処理中に放射線の曝射が開始されたとしても、無駄になる電荷は少なくてすむ。このため、取得される画像の品質を保つことができる。
なお、本実施形態では、撮影後に放射線を照射しない状態で撮影と同じ時間暗電荷を蓄積させ、暗電荷の蓄積量を検出することにより、オフセット補正値を取得するようにしたが、間欠的なリセット処理の間に蓄積される暗電荷の量を検出することにより、オフセット補正値を取得するようにしてもよい。
すなわち、間欠的にリセット処理を行う場合、リセット処理を行うタイミングが分かっているため、どの程度の時間にどの程度の傾きで暗電荷の蓄積量が増加していくかを検出することによってオフセット補正値を算出することができる。このような構成とした場合には、撮影後に別途オフセット補正値の取得を行う必要がなく便宜である。
すなわち、間欠的にリセット処理を行う場合、リセット処理を行うタイミングが分かっているため、どの程度の時間にどの程度の傾きで暗電荷の蓄積量が増加していくかを検出することによってオフセット補正値を算出することができる。このような構成とした場合には、撮影後に別途オフセット補正値の取得を行う必要がなく便宜である。
1 放射線画像撮影装置
5 走査線
6 信号線
7 放射線検出素子
8 TFT(スイッチ手段)
12c、12d 抵抗器
15 走査駆動手段
15a 電源回路
15b ゲートドライバ
P 検出部
r 領域
5 走査線
6 信号線
7 放射線検出素子
8 TFT(スイッチ手段)
12c、12d 抵抗器
15 走査駆動手段
15a 電源回路
15b ゲートドライバ
P 検出部
r 領域
Claims (4)
- 互いに交差するように配設された複数の走査線および複数の信号線と、前記複数の走査線および前記複数の信号線により区画された各領域に二次元状に配列された複数の放射線検出素子とを備える検出部と、
前記放射線検出素子ごとに配置され、接続された前記走査線にオン電圧が印加されると前記放射線検出素子内で発生した電荷を放出させ、接続された前記走査線にオフ電圧が印加されると前記放射線検出素子内で発生した電荷を前記放射線検出素子内に蓄積させるスイッチ手段と、
前記各走査線を介して前記スイッチ手段に印加する電圧を制御する走査駆動手段と、
前記各放射線検出素子に接続されたバイアス線と、
前記バイアス線を介して前記各放射線検出素子にバイアス電圧を印加するバイアス電源と、
前記バイアス線を流れる電流の電流値を検出する電流検出手段と、
前記電流検出手段により検出された電流値について常時積分処理を行い、その積分値の変化量を検出する積分変化量検出手段と、
前記積分変化量検出手段により検出された積分値の変化量から放射線の曝射が開始されたか否かを判断する曝射開始判断手段と、
を備え、
前記走査駆動手段は、非撮影時に、前記各走査線を介して前記スイッチ手段に前記オン電圧を間欠的に印加して、前記放射線検出素子内に蓄積された余分な電荷を放出させる前記放射線検出素子のリセット処理を間欠的に行わせ、
前記曝射開始判断手段は、放射線の曝射が開始されたと判断するときは、前記走査駆動手段に対して、前記リセット処理の中止を指示することを特徴とする放射線画像撮影装置。 - 前記各機能部に電力を供給するバッテリを備え、前記バッテリにより駆動することを特徴とする請求項1に記載の放射線画像撮影装置。
- 前記リセット処理の1回あたりの時間は、撮影時における放射線の照射時間よりも短いことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の放射線画像撮影装置。
- 前記リセット処理は、前記各放射線検出素子に対して一括して行われることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の放射線画像撮影装置。
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