JP2011038007A - ジインモニウム化合物および当該化合物を含む近赤外線吸収組成物 - Google Patents
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- FTBAVQQMMMKRGX-UHFFFAOYSA-N Cc1cc(C)c2N(C)Cc2c1 Chemical compound Cc1cc(C)c2N(C)Cc2c1 FTBAVQQMMMKRGX-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
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Abstract
Description
本発明は、近赤外域に吸収を有する新規なジインモニウム化合物、および当該化合物を含有する近赤外線吸収組成物に関する。
近年、フラットパネルディスプレイが広く普及しており、なかでもプラズマディスプレイパネル(PDP)は映像の素早い動きにも対応できるため、高品質ディスプレイとして幅広く用いられている。PDPは、画像表示には不要な近赤外線を放射してしまうことがあるが、これは近赤外線リモコンの受光部に作用し、誤動作を引き起こす原因となることが知られている。不要な近赤外線放射を防止するためには、例えば、可視光線は透過するが近赤外線は遮断する性質を持った色素化合物を含有させたフィルタ等を用いることが必要である。
その他にも、近赤外線吸収色素は広い分野において様々な用途に適用されている。例えば、光学レンズやデジタルカメラの撮像素子、自動車用ガラス、建材用ガラスなどに用いるフィルタ、近赤外線吸収インク・トナー用途等として、近赤外線色素を含有する組成物が広く用いられている。
その他にも、近赤外線吸収色素は広い分野において様々な用途に適用されている。例えば、光学レンズやデジタルカメラの撮像素子、自動車用ガラス、建材用ガラスなどに用いるフィルタ、近赤外線吸収インク・トナー用途等として、近赤外線色素を含有する組成物が広く用いられている。
これらの用途に用いられる近赤外線吸収色素は、可視光域を透過しつつ、効果的に近赤外光領域を吸収することはもちろん、耐熱性に優れることが求められる。さらに、近赤外線吸収色素を用いた塗布成膜による安価なフィルタ製造を可能とするためには、色素化合物が高い溶解性を有することが要求される。かかる点を考慮した近赤外線吸収色素として、ジインモニウム塩が提案されている(例えば、特許文献1〜5参照)。
しかしながら、本発明者らの確認したところによると、上記特許文献1、4及び5に開示された化合物は溶媒への溶解性が低く、塗布成膜に用いる溶媒がきわめて限定され製造適性に劣っていた。他方、特許文献2及び3に開示されたものは耐熱性が低く、使用時の熱劣化により赤外線吸収能が低下してしまう。これまで実用上十分な近赤外線吸収能を有し、しかも耐熱性と溶解性とを兼ね備えたものはなく、これらの要求特性を同時に満足する新たな近赤外線吸収色素化合物が強く望まれ、この提供を目的とした。
すなわち、本発明は、実用上十分な近赤外線吸収能を有し、加熱により近赤外線吸収能が低下しない耐熱性と、塗布成膜に適した溶媒への良好な可溶性とを有する新規なジインモニウム化合物およびこれを含有する近赤外線吸収組成物を提供することを課題とする。
すなわち、本発明は、実用上十分な近赤外線吸収能を有し、加熱により近赤外線吸収能が低下しない耐熱性と、塗布成膜に適した溶媒への良好な可溶性とを有する新規なジインモニウム化合物およびこれを含有する近赤外線吸収組成物を提供することを課題とする。
本発明の課題は、下記の手段により解決された。
<1>一般式(1)で表されるジインモニウム化合物。
<1>一般式(1)で表されるジインモニウム化合物。
<2>前記一般式(1)において、X−が5.6eV以上のHOMO値を有するアニオンであることを特徴とする<1>記載のジインモニウム化合物。
<3>前記一般式(AN−1)において、R12が炭素数1〜8の直鎖または分岐のアルキル基であることを特徴とする<1>または<2>に記載のジインモニウム化合物。
<4>前記一般式(AN−1)において、R11が電子求引性基を有するアリール基であることを特徴とする<1>または<2>に記載のジインモニウム化合物。
<5>前記一般式(AN−2)において、電気的に中性かつ非環状の電子求引性基を有するアリール基が下記一般式(AN−3)で表されるアリール基及び下記一般式(AN−4)で表されるアリール基からなる群より選ばれることを特徴とする<1>または<2>に記載のジインモニウム化合物。
<6><1>〜<5>のいずれか1項に記載のジインモニウム化合物を含むことを特徴とする近赤外線吸収組成物。
<7>組成物中に含まれるアニオンが、実質的にHOMO値5.6eV以上のアニオンのみからなることを特徴とする<6>に記載の近赤外線吸収組成物。
<3>前記一般式(AN−1)において、R12が炭素数1〜8の直鎖または分岐のアルキル基であることを特徴とする<1>または<2>に記載のジインモニウム化合物。
<4>前記一般式(AN−1)において、R11が電子求引性基を有するアリール基であることを特徴とする<1>または<2>に記載のジインモニウム化合物。
<5>前記一般式(AN−2)において、電気的に中性かつ非環状の電子求引性基を有するアリール基が下記一般式(AN−3)で表されるアリール基及び下記一般式(AN−4)で表されるアリール基からなる群より選ばれることを特徴とする<1>または<2>に記載のジインモニウム化合物。
<7>組成物中に含まれるアニオンが、実質的にHOMO値5.6eV以上のアニオンのみからなることを特徴とする<6>に記載の近赤外線吸収組成物。
本発明のジインモニウム化合物およびこれを含有する近赤外線吸収組成物は、実用上十分な近赤外線吸収能を有し、加熱により近赤外線吸収能が低下しない耐熱性と、塗布成膜に適した溶媒への良好な可溶性とを実現するという優れた作用効果を奏する。
以下、本発明について詳細に説明する。
まず、下記一般式(1)で表されるジインモニウム化合物について説明する。
まず、下記一般式(1)で表されるジインモニウム化合物について説明する。
前記一般式(1)中、2つあるX−は互いに同じであっても異なっていてもよい。下記一般式(AN−1)または(AN−2)で表されるアニオンを有する本発明のジインモニウム化合物は、良好な溶解性を示す。
一般式(AN−1)において、R11及びR12は置換基を有していてもよい。この置換基は、前述の置換基Wと同義であり、好ましい範囲も同様である。
R11としては、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリール基(例えばフェニル、p−トリル、ナフチル、m−クロロフェニル、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル、フェロセニル)、または後述する電子求引性基を有するアリール基が好ましい。具体的には、p−クロロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、2,4,6−トリクロロフェニル基、ペンタクロロフェニル基、p−ブロモフェニル基、p−ヨードフェニル基、p−シアノフェニル基、o−ニトロフェニル基、m−ニトロフェニル基、p−ニトロフェニル基、p−アセチルフェニル基、p−ペンタフルオロエチルフェニル基、p−エトキシカルボニルフェニル基、または下記一般式(AN−3)または(AN−4)で表される電子求引性基を有するアリール基が好ましく用いられる。なかでも、下記一般式(AN−3)または(AN−4)で表される電子求引性基を有するアリール基がより好ましい。
R11としては、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリール基(例えばフェニル、p−トリル、ナフチル、m−クロロフェニル、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル、フェロセニル)、または後述する電子求引性基を有するアリール基が好ましい。具体的には、p−クロロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、2,4,6−トリクロロフェニル基、ペンタクロロフェニル基、p−ブロモフェニル基、p−ヨードフェニル基、p−シアノフェニル基、o−ニトロフェニル基、m−ニトロフェニル基、p−ニトロフェニル基、p−アセチルフェニル基、p−ペンタフルオロエチルフェニル基、p−エトキシカルボニルフェニル基、または下記一般式(AN−3)または(AN−4)で表される電子求引性基を有するアリール基が好ましく用いられる。なかでも、下記一般式(AN−3)または(AN−4)で表される電子求引性基を有するアリール基がより好ましい。
R12としては、炭素数1〜8の置換または無置換のアルキル基(例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、2−メチルペンチル、n−ヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、ジフルオロメチル、フルオロメチル、1,1,2,2−テトラフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピル、2−シアノエチル、2−ニトロエチル)が好ましく、炭素数1〜8の直鎖または分岐のアルキル基(例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、2−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、2,2−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、2−エチルブチル、n−ヘプチル、2−ヘプチル、3−ヘプチル、4−ヘプチル、2−メチルヘキシル、3−メチルヘキシル、4−メチルヘキシル、5−メチルヘキシル、n−オクチル、2−エチルヘキシル)がより好ましく、炭素数1〜8の分岐のアルキル基(例えばイソプロピル、2−ブチル、イソブチル、t−ブチル、2−ペンチル、3−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、2,2−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、2−エチルブチル、2−ヘプチル、3−ヘプチル、4−ヘプチル、2−メチルヘキシル、3−メチルヘキシル、4−メチルヘキシル、5−メチルヘキシル、2−エチルヘキシル)がさらに好ましい。
本実施態様のアニオンにおいて、R13を電気的に中性かつ非環状の電子求引性基を有するアリール基としたことにより、電荷を持つイオン性の置換基や化合物の環状骨格に由来する難溶性に起因する溶解性低下を回避することができ、ジインモニウム化合物において十分な耐熱性を維持し、しかも湿式塗布に好適に用いられる溶媒への溶解性が特に良化する。
本発明において、電子求引性基としては、Chemical Review 第91巻2号(1991年)165−195項に記載のハメットのσp値が0以上の置換基が好ましく用いられ、なかでもF(σp値=0.06)、Cl(σp値=0.23)、Br(σp値=0.39)、I(σp値=0.18)、CN(σp値=0.66)、NO2(σp値=0.78)、−COCH3(σp値=0.50)、−CnF2n+1(σp値=約0.5:nは1〜4の整数を表す。)、−COOC2H5(σp値=0.45)がより好ましく用いられる。
R13としては、p−クロロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、2,4,6−トリクロロフェニル基、ペンタクロロフェニル基、p−ブロモフェニル基、p−ヨードフェニル基、p−シアノフェニル基、o−ニトロフェニル基、m−ニトロフェニル基、p−ニトロフェニル基、p−アセチルフェニル基、p−ペンタフルオロエチルフェニル基、または前記一般式(AN−3)または(AN−4)で表される電気的に中性かつ非環状の電子求引性基を有するアリール基が好ましい。なかでも、前記一般式(AN−3)または(AN−4)で表される電気的に中性かつ非環状の電子求引性基を有するアリール基がより好ましい。
R13としては、p−クロロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、2,4,6−トリクロロフェニル基、ペンタクロロフェニル基、p−ブロモフェニル基、p−ヨードフェニル基、p−シアノフェニル基、o−ニトロフェニル基、m−ニトロフェニル基、p−ニトロフェニル基、p−アセチルフェニル基、p−ペンタフルオロエチルフェニル基、または前記一般式(AN−3)または(AN−4)で表される電気的に中性かつ非環状の電子求引性基を有するアリール基が好ましい。なかでも、前記一般式(AN−3)または(AN−4)で表される電気的に中性かつ非環状の電子求引性基を有するアリール基がより好ましい。
前記一般式(1)中、X−はHOMO(Highest Occupied Molecular Orbital,最高被占有分子軌道)値が5.6eV以上のアニオンであることが好ましく、5.8eV以上のアニオンであることがさらに好ましい。すなわち、一般式(AN−1)または一般式(AN−2)で表されるアニオンのHOMO値が5.6eV以上であることが好ましく、5.8eV以上であることがさらに好ましい。
ここで、HOMO値とは、真空中を想定した条件で分子軌道計算B3LYP/6−31G*で求められる構造を使用して、CHCl3溶媒雰囲気下を想定した分子軌道計算B3LYP/6−31G*で求められる数値である。
本発明により熱安定性が向上したジインモニウム化合物が得られる理由は、化合物の分解機構がアニオンからジインモニウム母核への電子移動による還元であり、アニオンのHOMO値を上昇させて電子を放出しにくくさせることによりこの電子移動を抑制できるためであると推測する。化合物の熱安定性がアニオンのHOMO値により一意的に決定されることは、このメカニズムを支持するものと考える。
ここで、HOMO値とは、真空中を想定した条件で分子軌道計算B3LYP/6−31G*で求められる構造を使用して、CHCl3溶媒雰囲気下を想定した分子軌道計算B3LYP/6−31G*で求められる数値である。
本発明により熱安定性が向上したジインモニウム化合物が得られる理由は、化合物の分解機構がアニオンからジインモニウム母核への電子移動による還元であり、アニオンのHOMO値を上昇させて電子を放出しにくくさせることによりこの電子移動を抑制できるためであると推測する。化合物の熱安定性がアニオンのHOMO値により一意的に決定されることは、このメカニズムを支持するものと考える。
前記一般式(1)において、R1〜R8は水素原子または炭化水素基であれば特に制限はないが、好ましくは、置換または無置換のアルキル基、フェニル基であり、より好ましくは炭素数が1〜8の置換または無置換のアルキル基であり、さらに好ましくは炭素数が1〜8の直鎖または分岐のアルキル基(例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、2−メチルペンチル、n−ヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル)である。
本発明において、R1〜R8が炭化水素基の場合には、該炭化水素基は置換基を有していてもよい。
本発明において、特定の部分を「基」と称した場合には、当該部分はそれ自体が置換されていてもいなくてもよく、また、一種以上の(可能な最多数までの)別の置換基でさらに置換されていてもよいことを意味する。例えば、本発明において「アルキル基」とは置換または無置換のアルキル基を意味し、置換基を有する場合は、当該置換基がさらに置換されていてもよい。
本発明において、R1〜R8が有する置換基をWとすると、Wで示される置換基としては、いかなるものでもよく、特に制限は無いが、例えば、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基を含む。)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む。)、アルキニル基、アリール基、複素環基(ヘテロ環基といってもよい。)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む。)、アンモニオ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル及びアリールスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール及びヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、ホスホノ基、シリル基、ヒドラジノ基、ウレイド基、ボロン酸基(−B(OH)2)、ホスファト基(−OPO(OH)2)、スルファト基(−OSO3H)、その他の公知の置換基が挙げられる。
本発明において、特定の部分を「基」と称した場合には、当該部分はそれ自体が置換されていてもいなくてもよく、また、一種以上の(可能な最多数までの)別の置換基でさらに置換されていてもよいことを意味する。例えば、本発明において「アルキル基」とは置換または無置換のアルキル基を意味し、置換基を有する場合は、当該置換基がさらに置換されていてもよい。
本発明において、R1〜R8が有する置換基をWとすると、Wで示される置換基としては、いかなるものでもよく、特に制限は無いが、例えば、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基を含む。)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む。)、アルキニル基、アリール基、複素環基(ヘテロ環基といってもよい。)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む。)、アンモニオ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル及びアリールスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール及びヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、ホスホノ基、シリル基、ヒドラジノ基、ウレイド基、ボロン酸基(−B(OH)2)、ホスファト基(−OPO(OH)2)、スルファト基(−OSO3H)、その他の公知の置換基が挙げられる。
さらに具体的な置換基Wの例としては、下記の(1)〜(48)が挙げられる。
(1)ハロゲン原子
例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子
(2)アルキル基
直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルキル基を表す。それらは、下記の(2−a)〜(2−e)等も包含するものである。
(2−a)アルキル基
好ましくは炭素数1〜30のアルキル基(例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチル、n−オクチル、エイコシル、2−クロロエチル、2−シアノエチル、2−エチルヘキシル)
(2−b)シクロアルキル基
好ましくは、炭素数3〜30の置換または無置換のシクロアルキル基(例えば、シクロヘキシル、シクロペンチル、4−n−ドデシルシクロヘキシル)
(2−c)ビシクロアルキル基
好ましくは、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基(例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル)
(2−d)トリシクロアルキル基
好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のトリシクロアルキル基(例えば、1−アダマンチル)
(2−e)さらに環構造が多い多環シクロアルキル基
なお、以下に説明する置換基の中のアルキル基(例えばアルキルチオ基のアルキル基)はこのような概念のアルキル基を表すが、さらにアルケニル基、アルキニル基も含むこととする。
(1)ハロゲン原子
例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子
(2)アルキル基
直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルキル基を表す。それらは、下記の(2−a)〜(2−e)等も包含するものである。
(2−a)アルキル基
好ましくは炭素数1〜30のアルキル基(例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチル、n−オクチル、エイコシル、2−クロロエチル、2−シアノエチル、2−エチルヘキシル)
(2−b)シクロアルキル基
好ましくは、炭素数3〜30の置換または無置換のシクロアルキル基(例えば、シクロヘキシル、シクロペンチル、4−n−ドデシルシクロヘキシル)
(2−c)ビシクロアルキル基
好ましくは、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基(例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル)
(2−d)トリシクロアルキル基
好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のトリシクロアルキル基(例えば、1−アダマンチル)
(2−e)さらに環構造が多い多環シクロアルキル基
なお、以下に説明する置換基の中のアルキル基(例えばアルキルチオ基のアルキル基)はこのような概念のアルキル基を表すが、さらにアルケニル基、アルキニル基も含むこととする。
(3)アルケニル基
直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルケニル基を表す。それらは、下記の(3−a)〜(3−c)を包含するものである。
(3−a)アルケニル基
好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換のアルケニル基(例えば、ビニル、アリル、プレニル、ゲラニル、オレイル)
(3−b)シクロアルケニル基
好ましくは、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシクロアルケニル基(例えば、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル)
(3−c)ビシクロアルケニル基
置換または無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基(例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル)
直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルケニル基を表す。それらは、下記の(3−a)〜(3−c)を包含するものである。
(3−a)アルケニル基
好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換のアルケニル基(例えば、ビニル、アリル、プレニル、ゲラニル、オレイル)
(3−b)シクロアルケニル基
好ましくは、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシクロアルケニル基(例えば、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル)
(3−c)ビシクロアルケニル基
置換または無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基(例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル)
(4)アルキニル基
好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のアルキニル基(例えば、エチニル、プロパルギル、トリメチルシリルエチニル基)
(5)アリール基
好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリール基(例えばフェニル、p−トリル、ナフチル、m−クロロフェニル、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル、フェロセニル)
(6)複素環基
好ましくは5または6員の置換もしくは無置換の、芳香族もしくは非芳香族の複素環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、さらに好ましくは、炭素数3〜50の5もしくは6員の芳香族の複素環基である。(例えば、2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル。なお、1−メチル−2−ピリジニオ、1−メチル−2−キノリニオのようなカチオン性の複素環基でもよい)
好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のアルキニル基(例えば、エチニル、プロパルギル、トリメチルシリルエチニル基)
(5)アリール基
好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリール基(例えばフェニル、p−トリル、ナフチル、m−クロロフェニル、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル、フェロセニル)
(6)複素環基
好ましくは5または6員の置換もしくは無置換の、芳香族もしくは非芳香族の複素環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、さらに好ましくは、炭素数3〜50の5もしくは6員の芳香族の複素環基である。(例えば、2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル。なお、1−メチル−2−ピリジニオ、1−メチル−2−キノリニオのようなカチオン性の複素環基でもよい)
(7)シアノ基
(8)ヒドロキシル基
(9)ニトロ基
(10)カルボキシル基
(11)アルコキシ基
好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシ、n−オクチルオキシ、2−メトキシエトキシ)
(12)アリールオキシ基
好ましくは、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシ基(例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ)
(13)シリルオキシ基
好ましくは、炭素数3〜20のシリルオキシ基(例えば、トリメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシ)
(14)ヘテロ環オキシ基
好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のヘテロ環オキシ基(例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)
(15)アシルオキシ基
好ましくはホルミルオキシ基、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルオキシ基(例えば、ホルミルオキシ、アセチルオキシ、ピバロイルオキシ、ステアロイルオキシ、ベンゾイルオキシ、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ)
(8)ヒドロキシル基
(9)ニトロ基
(10)カルボキシル基
(11)アルコキシ基
好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシ、n−オクチルオキシ、2−メトキシエトキシ)
(12)アリールオキシ基
好ましくは、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシ基(例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ)
(13)シリルオキシ基
好ましくは、炭素数3〜20のシリルオキシ基(例えば、トリメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシ)
(14)ヘテロ環オキシ基
好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のヘテロ環オキシ基(例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)
(15)アシルオキシ基
好ましくはホルミルオキシ基、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルオキシ基(例えば、ホルミルオキシ、アセチルオキシ、ピバロイルオキシ、ステアロイルオキシ、ベンゾイルオキシ、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ)
(16)カルバモイルオキシ基
好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基(例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ、モルホリノカルボニルオキシ、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ、N−n−オクチルカルバモイルオキシ)
(17)アルコキシカルボニルオキシ基
好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基(例えばメトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、t−ブトキシカルボニルオキシ、n−オクチルカルボニルオキシ)
(18)アリールオキシカルボニルオキシ基
好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基(例えば、フェノキシカルボニルオキシ、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ)
(19)アミノ基
好ましくは、アミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアニリノ基(例えば、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、アニリノ、N−メチル−アニリノ、ジフェニルアミノ)
好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基(例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ、モルホリノカルボニルオキシ、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ、N−n−オクチルカルバモイルオキシ)
(17)アルコキシカルボニルオキシ基
好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基(例えばメトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、t−ブトキシカルボニルオキシ、n−オクチルカルボニルオキシ)
(18)アリールオキシカルボニルオキシ基
好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基(例えば、フェノキシカルボニルオキシ、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ)
(19)アミノ基
好ましくは、アミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアニリノ基(例えば、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、アニリノ、N−メチル−アニリノ、ジフェニルアミノ)
(20)アンモニオ基
好ましくはアンモニオ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキル、アリール、ヘテロ環が置換したアンモニオ基(例えば、トリメチルアンモニオ、トリエチルアンモニオ、ジフェニルメチルアンモニオ)
(21)アシルアミノ基
好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基(例えば、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、ピバロイルアミノ、ラウロイルアミノ、ベンゾイルアミノ、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ)
(22)アミノカルボニルアミノ基
好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノ(例えば、カルバモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノ)
(23)アルコキシカルボニルアミノ基
好ましくは炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基(例えば、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ、N−メチル−メトキシカルボニルアミノ)
好ましくはアンモニオ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキル、アリール、ヘテロ環が置換したアンモニオ基(例えば、トリメチルアンモニオ、トリエチルアンモニオ、ジフェニルメチルアンモニオ)
(21)アシルアミノ基
好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基(例えば、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、ピバロイルアミノ、ラウロイルアミノ、ベンゾイルアミノ、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ)
(22)アミノカルボニルアミノ基
好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノ(例えば、カルバモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノ)
(23)アルコキシカルボニルアミノ基
好ましくは炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基(例えば、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ、N−メチル−メトキシカルボニルアミノ)
(24)アリールオキシカルボニルアミノ基
好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基(例えば、フェノキシカルボニルアミノ、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ)
(25)スルファモイルアミノ基
好ましくは、炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ基(例えば、スルファモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ)
(26)アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基
好ましくは炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ(例えば、メチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ、p−メチルフェニルスルホニルアミノ)
(27)メルカプト基
(28)アルキルチオ基
好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルチオ基(例えばメチルチオ、エチルチオ、n−ヘキサデシルチオ)
好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基(例えば、フェノキシカルボニルアミノ、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ)
(25)スルファモイルアミノ基
好ましくは、炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ基(例えば、スルファモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ)
(26)アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基
好ましくは炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ(例えば、メチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ、p−メチルフェニルスルホニルアミノ)
(27)メルカプト基
(28)アルキルチオ基
好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルチオ基(例えばメチルチオ、エチルチオ、n−ヘキサデシルチオ)
(29)アリールチオ基
好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールチオ(例えば、フェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、m−メトキシフェニルチオ)
(30)ヘテロ環チオ基
好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換のヘテロ環チオ基(例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ)
(31)スルファモイル基
好ましくは炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイル基(例えば、N−エチルスルファモイル、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル、N−アセチルスルファモイル、N−ベンゾイルスルファモイル、N−(N’−フェニルカルバモイル)スルファモイル)
(32)スルホ基
(33)アルキルもしくはアリールスルフィニル基
好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルフィニル基、6〜30の置換または無置換のアリールスルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、フェニルスルフィニル、p−メチルフェニルスルフィニル)
好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールチオ(例えば、フェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、m−メトキシフェニルチオ)
(30)ヘテロ環チオ基
好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換のヘテロ環チオ基(例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ)
(31)スルファモイル基
好ましくは炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイル基(例えば、N−エチルスルファモイル、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル、N−アセチルスルファモイル、N−ベンゾイルスルファモイル、N−(N’−フェニルカルバモイル)スルファモイル)
(32)スルホ基
(33)アルキルもしくはアリールスルフィニル基
好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルフィニル基、6〜30の置換または無置換のアリールスルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、フェニルスルフィニル、p−メチルフェニルスルフィニル)
(34)アルキルもしくはアリールスルホニル基
好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニル基、6〜30の置換もしくは無置換のアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、フェニルスルホニル、p−メチルフェニルスルホニル
(35)アシル基
好ましくはホルミル基、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニル基、炭素数4〜30の置換もしくは無置換の炭素原子でカルボニル基と結合しているヘテロ環カルボニル基(例えば、アセチル、ピバロイル、2−クロロアセチル、ステアロイル、ベンゾイル、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル、2−ピリジルカルボニル、2−フリルカルボニル)
(36)アリールオキシカルボニル基
好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル、o−クロロフェノキシカルボニル、m−ニトロフェノキシカルボニル、p−t−ブチルフェノキシカルボニル)
(37)アルコキシカルボニル基
好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、n−オクタデシルオキシカルボニル)
(38)カルバモイル基
好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のカルバモイル(例えば、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル、N−(メチルスルホニル)カルバモイル)
(39)アリール及びヘテロ環アゾ基
好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールアゾ基、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のヘテロ環アゾ基(例えば、フェニルアゾ、p−クロロフェニルアゾ、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ)
好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニル基、6〜30の置換もしくは無置換のアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、フェニルスルホニル、p−メチルフェニルスルホニル
(35)アシル基
好ましくはホルミル基、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニル基、炭素数4〜30の置換もしくは無置換の炭素原子でカルボニル基と結合しているヘテロ環カルボニル基(例えば、アセチル、ピバロイル、2−クロロアセチル、ステアロイル、ベンゾイル、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル、2−ピリジルカルボニル、2−フリルカルボニル)
(36)アリールオキシカルボニル基
好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル、o−クロロフェノキシカルボニル、m−ニトロフェノキシカルボニル、p−t−ブチルフェノキシカルボニル)
(37)アルコキシカルボニル基
好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、n−オクタデシルオキシカルボニル)
(38)カルバモイル基
好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のカルバモイル(例えば、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル、N−(メチルスルホニル)カルバモイル)
(39)アリール及びヘテロ環アゾ基
好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールアゾ基、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のヘテロ環アゾ基(例えば、フェニルアゾ、p−クロロフェニルアゾ、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ)
(40)イミド基
好ましくは、N−スクシンイミド、N−フタルイミド
(41)ホスフィノ基
好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィノ基(例えば、ジメチルホスフィノ、ジフェニルホスフィノ、メチルフェノキシホスフィノ)
(42)ホスフィニル基
好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニル基(例えば、ホスフィニル、ジオクチルオキシホスフィニル、ジエトキシホスフィニル)
(43)ホスフィニルオキシ基
好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニルオキシ基(例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ)
(44)ホスフィニルアミノ基
好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニルアミノ基(例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ、ジメチルアミノホスフィニルアミノ)
(45)ホスフォ基
(46)シリル基
好ましくは、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシリル基(例えば、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、t−ブチルジメチルシリル、フェニルジメチルシリル)
(47)ヒドラジノ基
好ましくは炭素数0〜30の置換もしくは無置換のヒドラジノ基(例えば、トリメチルヒドラジノ)
(48)ウレイド基
好ましくは炭素数0〜30の置換もしくは無置換のウレイド基(例えばN,N−ジメチルウレイド)
好ましくは、N−スクシンイミド、N−フタルイミド
(41)ホスフィノ基
好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィノ基(例えば、ジメチルホスフィノ、ジフェニルホスフィノ、メチルフェノキシホスフィノ)
(42)ホスフィニル基
好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニル基(例えば、ホスフィニル、ジオクチルオキシホスフィニル、ジエトキシホスフィニル)
(43)ホスフィニルオキシ基
好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニルオキシ基(例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ)
(44)ホスフィニルアミノ基
好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニルアミノ基(例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ、ジメチルアミノホスフィニルアミノ)
(45)ホスフォ基
(46)シリル基
好ましくは、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシリル基(例えば、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、t−ブチルジメチルシリル、フェニルジメチルシリル)
(47)ヒドラジノ基
好ましくは炭素数0〜30の置換もしくは無置換のヒドラジノ基(例えば、トリメチルヒドラジノ)
(48)ウレイド基
好ましくは炭素数0〜30の置換もしくは無置換のウレイド基(例えばN,N−ジメチルウレイド)
また、前記一般式(1)で表されるジインモニウム化合物が上記置換基Wを二つ以上有する場合、これらの置換基Wは、互いに結合して環を形成してもよい。このような環としては、例えば、芳香族、又は非芳香族の炭化水素環、又は複素環や、これらがさらに組み合わされて形成された多環縮合環が挙げられる。例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、フルオレン環、トリフェニレン環、ナフタセン環、ビフェニル環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、インドリジン環、インドール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、イソベンゾフラン環、キノリジン環、キノリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、キノキサリン環、キノキサゾリン環、イソキノリン環、カルバゾール環、フェナントリジン環、アクリジン環、フェナントロリン環、チアントレン環、クロメン環、キサンテン環、フェノキサチイン環、フェノチアジン環、フェナジン環等が挙げられる。
上記の置換基Wの中で、水素原子を有するものは、これを取り去り更に上記の置換基で置換されていてもよい。そのような置換基の例としては、−CONHSO2−基(スルホニルカルバモイル基、カルボニルスルファモイル基)、−CONHCO−基(カルボニルカルバモイル基)、−SO2NHSO2−基(スルフォニルスルファモイル基)が挙げられる。より具体的には、アルキルカルボニルアミノスルホニル基(例えば、アセチルアミノスルホニル)、アリールカルボニルアミノスルホニル基(例えば、ベンゾイルアミノスルホニル基)、アルキルスルホニルアミノカルボニル基(例えば、メチルスルホニルアミノカルボニル)、アリールスルホニルアミノカルボニル基(例えば、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル)が挙げられる。
R1〜R8はジインモニウムカチオンのベンゼン環と結合して環を形成してもよい。このような構造を有するジインモニウムカチオンの例として、下記の一般式(IM−11)及び(IM−12)で表されるジインモニウムカチオンが挙げられる。
一般式(IM−12)中、R111〜R114は同一であっても異なっていてもよい。また、m、nはそれぞれ独立して1以上の整数を表し、好ましくは1〜8の整数であり、より好ましくは1〜4の整数である。
以下に、本発明の前記一般式(1)で表される化合物の具体例を示す。ただし、本発明の化合物はこれらの具体例に限定されるものではない。なお、下記において「HOMO」はX−で表されるアニオンの各具体例におけるHOMO値(概算値)である。
本発明の前記一般式(1)で表される化合物の合成法はいかなる方法を用いてもよいが、例えば、下記の方法によって合成することができる。
一般式(DA−1)で示される化合物と、OXONE(登録商標:2KHSO5・KHSO4・K2SO4),酸化銀などの酸化剤を、アセトニトリル,N−メチル−2−ピロリドン,N,N−ジメチルアセトアミド,水等の溶媒中、温度−30〜150℃で反応させ、不溶物をろ別した後、一般式(AN−1)または(AN−2)で示されるアニオンとカチオンとからなる塩を添加し、水等の溶媒を加えて生じた沈殿をろ過することにより、本発明の化合物を得ることができる。
一般式(DA−1)で示される化合物と、OXONE(登録商標:2KHSO5・KHSO4・K2SO4),酸化銀などの酸化剤を、アセトニトリル,N−メチル−2−ピロリドン,N,N−ジメチルアセトアミド,水等の溶媒中、温度−30〜150℃で反応させ、不溶物をろ別した後、一般式(AN−1)または(AN−2)で示されるアニオンとカチオンとからなる塩を添加し、水等の溶媒を加えて生じた沈殿をろ過することにより、本発明の化合物を得ることができる。
その他の点については、例えば、国際公開第2004/048480号パンフレット、特開2006−143674号公報、特開昭64−40380号公報等の特許文献を参照することできる。
次に、本発明の近赤外線吸収組成物について説明する。
本発明の近赤外線吸収組成物は、前記一般式(1)で表される化合物を含有し、優れた近赤外線吸収特性、高い耐光性を有する。本発明の近赤外線吸収組成物は、900〜1200nmの範囲に吸収極大を示すものであることが好ましい。
本発明の近赤外線吸収組成物における前記一般式(1)で表される化合物の含有量は、必要に応じて調節することができるが、近赤外線吸収組成物中に0.01〜50質量%含有させることが好ましく、0.1〜10質量%含有させることがより好ましい。また、本発明の近赤外線吸収組成物は、組成物中に含まれるアニオンが、実質的にHOMO値5.6eV以上のアニオンのみからなるものであることが好ましい。換言すると、本発明の近赤外線吸収組成物には、HOMO値5.6eV未満のアニオンが0.1質量%以下であることが好ましく、0.01質量%であることがより好ましい。
本発明の近赤外線吸収組成物は、前記一般式(1)で表される化合物を含有し、優れた近赤外線吸収特性、高い耐光性を有する。本発明の近赤外線吸収組成物は、900〜1200nmの範囲に吸収極大を示すものであることが好ましい。
本発明の近赤外線吸収組成物における前記一般式(1)で表される化合物の含有量は、必要に応じて調節することができるが、近赤外線吸収組成物中に0.01〜50質量%含有させることが好ましく、0.1〜10質量%含有させることがより好ましい。また、本発明の近赤外線吸収組成物は、組成物中に含まれるアニオンが、実質的にHOMO値5.6eV以上のアニオンのみからなるものであることが好ましい。換言すると、本発明の近赤外線吸収組成物には、HOMO値5.6eV未満のアニオンが0.1質量%以下であることが好ましく、0.01質量%であることがより好ましい。
本発明の近赤外線吸収組成物は、水系であっても非水系であってもよい。
(水系組成物)
本発明の近赤外線吸収組成物が水系組成物である場合、前記一般式(1)で表される化合物を分散する水性の液体としては、水を主成分とし、所望により親水性有機溶剤を添加した混合物を用いることができる。
(水系組成物)
本発明の近赤外線吸収組成物が水系組成物である場合、前記一般式(1)で表される化合物を分散する水性の液体としては、水を主成分とし、所望により親水性有機溶剤を添加した混合物を用いることができる。
前記親水性有機溶剤としては,例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等のアルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールものブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテートトリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル等のグリコール誘導体、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ポリエチレンイミン、テトラメチルプロピレンジアミン等のアミン、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、アセトニトリル、アセトン等が挙げられる。
さらに、本発明の近赤外線吸収組成物には水性樹脂を含んでいてもよい。水性樹脂としては,水に溶解する水溶解性の樹脂,水に分散する水分散性の樹脂,コロイダルディスパーション樹脂、またはそれらの混合物が挙げられる。水性樹脂の具体例としては、アクリル系,スチレン−アクリル系,ポリエステル系,ポリアミド系,ポリウレタン系,フッ素系等の樹脂が挙げられる。
本発明において用いられる水分散性の樹脂は、主成分が水である分散媒(本明細書では溶媒と呼ぶこともある)に疎水性の合成樹脂が分散された分散物である。
溶媒中に含まれる水の含量は、30質量%〜100質量%が好ましく、50質量%〜100質量%がより好ましい。水以外の溶媒としては、メタノールやエタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、アセトンやメチルエチルケトンなどのケトン類、テトラヒドロフランやブチルセロソルブなど、水に溶解性を有する溶剤が好ましく用いられる。
合成樹脂(ポリマー)としては、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等、ポリアミド樹脂、フッ素系樹脂など種々のポリマーを使用することができる。また、水溶性の樹脂としてはゼラチン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースなどが挙げられる。
溶媒中に含まれる水の含量は、30質量%〜100質量%が好ましく、50質量%〜100質量%がより好ましい。水以外の溶媒としては、メタノールやエタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、アセトンやメチルエチルケトンなどのケトン類、テトラヒドロフランやブチルセロソルブなど、水に溶解性を有する溶剤が好ましく用いられる。
合成樹脂(ポリマー)としては、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等、ポリアミド樹脂、フッ素系樹脂など種々のポリマーを使用することができる。また、水溶性の樹脂としてはゼラチン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースなどが挙げられる。
アクリル樹脂としては、アクリル酸、アクリル酸アルキル等のアクリル酸エステル類、アクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリル酸、メタクリル酸アルキル等のメタクリル酸エステル類、メタクリルアミド及びメタクリロニトリルのいずれかのモノマーの単独重合体又はこれらのモノマー2種以上の重合により得られる共重合体を挙げることができる。これらの中では、アクリル酸アルキル等のアクリル酸エステル類、及びメタクリル酸アルキル等のメタクリル酸エステル類のいずれかのモノマーの単独重合体又はこれらのモノマー2種以上の重合により得られる共重合体が好ましい。例えば、炭素原子数1〜6のアルキル基を有するアクリル酸エステル類及びメタクリル酸エステル類のいずれかのモノマーの単独重合体又はこれらのモノマー2種以上の重合により得られる共重合体を挙げることができる。上記アクリル樹脂は、上記組成を主成分とし、カルボジイミド化合物との架橋反応が可能なように、例えば、メチロール基、水酸基、カルボキシル基及びアミノ基のいずれかの基を有するモノマーを一部使用して得られるポリマーである。
上記ビニル樹脂としては、ポリビニルアルコール、酸変性ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリビニルメチルエーテル、ポリオレフィン、エチレン/ブタジエン共重合体、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル/(メタ)アクリル酸エステル共重合体及びエチレン/酢酸ビニル系共重合体(好ましくはエチレン/酢酸ビニル/(メタ)アクリル酸エステル共重合体)を挙げることができる。これらの中で、ポリビニルアルコール、酸変性ポリビニルアルコール、ポリビニルホリマール、ポリオレフィン、エチレン/ブタジエン共重合体及びエチレン/酢酸ビニル系共重合体(好ましくは、エチレン/酢酸ビニル/アクリル酸エステル共重合体)が好ましい。上記ビニル樹脂は、カルボジイミド化合物との架橋反応が可能なように、ポリビニルアルコール、酸変性ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリビニルメチルエーテル及びポリ酢酸ビニルでは、例えば、ビニルアルコール単位をポリマー中に残すことにより水酸基を有するポリマーとし、他のポリマーについては、例えば、メチロール基、水酸基、カルボキシル基及びアミノ基のいずれかの基を有するモノマーを一部使用することにより架橋可能なポリマーとする。
上記ポリウレタン樹脂としては、ポリヒドロキシ化合物(例、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン)、ポリヒドロキシ化合物と多塩基酸との反応により得られる脂肪族ポリエステル系ポリオール、ポリエーテルポリオール(例、ポリ(オキシプロピレンエーテル)ポリオール、ポリ(オキシエチレン−プロピレンエーテル)ポリオール)、ポリカーボネート系ポリオール、及びポリエチレンテレフタレートポリオールのいずれか一種、あるいはこれらの混合物とポリイソシアネートから誘導されるポリウレタンを挙げることができる。上記ポリウレタン樹脂では、例えば、ポリオールとポリイソシアネートとの反応後、未反応として残った水酸基をカルボジイミド化合物との架橋反応が可能な官能基として利用することができる。
上記ポリエステル樹脂としては、一般にポリヒドロキシ化合物(例、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン)と多塩基酸との反応により得られるポリマーが使用される。上記ポリエステル樹脂では、例えば、ポリオールと多塩基酸との反応終了後、未反応として残った水酸基、カルボキシル基をカルボジイミド化合物との架橋反応が可能な官能基として利用することができる。もちろん、水酸基等の官能基を有する第三成分を添加してもよい。
なお、ポリマーの水性分散物の分散状態としては、ポリマーが分散媒中に乳化されているもの、乳化重合されたもの、ミセル分散されたもの、あるいはポリマー分子中に部分的に親水的な構造を持つもの等、いずれでもよい。なお、ポリマーの水性分散物(または単に水分散物と呼ぶ)については、「合成樹脂エマルジョン(奥田平、稲垣寛編集、高分子刊行会発行(1978))、「合成ラテックスの応用(杉村孝明、片岡靖男、鈴木聡一、笠原啓司編集、高分子刊行会発行(1993))」、「合成ラテックスの化学(室井宗一著、高分子刊行会発行(1970))等に記載されている。分散粒子の平均粒径は1〜50000nm、より好ましくは5〜1000nm程度の範囲が好ましい。分散粒子の粒径分布に関しては特に制限はなく、広い粒径分布を持つものでも単分散の粒径分布を持つものでもよい。
なお、水分散物としては下記のような市販ポリマーを用いてもよい(いずれも商品名)。スーパフレックス830、460、870、420、420NS(第一工業製薬製ポリウレタン)、ボンディック1370NS、1320NS、ハイドランHw140SF、WLS201、WLS202、WLS213(大日本インキ化学工業製ポリウレタン)、オレスターUD350、UD500、UD600(三井化学製ポリウレタン)、ネオレッツR972、R966、R9660(楠本化成製ポリウレタン)、ファインテックスEs650、Es2200(大日本インキ化学工業製ポリエステル)、バイロナールMD1100、MD1400、MD1480(東洋紡製ポリエステル)、ジュリマーET325、ET410、AT−613、SEK301(日本純薬製アクリル)、ボンコートAN117、AN226(大日本インキ化学工業製アクリル)、ラックスターDS616、DS807(大日本インキ化学工業製スチレン−ブタジエンゴム)、ニッポールLX110、LX206、LX426、LX433(日本ゼオン製スチレン−ブタジエンゴム)、ニッポールLX513、LX1551、LX550、LX1571(日本ゼオン製アクリロニトリル−ブタジエンゴム)。
本発明の組成物のバインダとして用いるポリマーは1種類を単独で用いてもよいし、必要に応じて2種類以上を混合して使用してもよい。バインダとして用いられるポリマーの分子量には特に制限はないが、通常、重量平均分子量で3,000〜1,000,000程度のものが好ましい。重量平均分子量が3,000未満のものは塗布層の強度が不十分になる場合があり、1,000,000を超えるものは塗布面状が悪い場合がある。
さらに,微粒子の分散および画像の品質を向上させるため,界面活性剤および分散剤を用いてもよい。界面活性剤としては、アニオン性,ノニオン性,カチオン性,両イオン性の界面活性剤が挙げられ、いずれの界面活性剤を用いてもよいが、アニオン性または非イオン性の界面活性剤を用いるのが好ましい。アニオン性界面活性剤としては,例えば、脂肪酸塩,アルキル硫酸エステル塩,アルキルベンゼンスルホン酸塩,アルキルナフタレンスルホン酸塩,ジアルキルスルホコハク酸塩,アルキルジアリールエーテルジスルホン酸塩,アルキルリン酸塩,ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩,ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸塩,ナフタレンスルホン酸フォルマリン縮合物,ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル塩,グリセロールボレイト脂肪酸エステル,ポリオキシエチレングリセロール脂肪酸エステル等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては,例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル,ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル,ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー,ソルビタン脂肪酸エステル,ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル,ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル,グリセリン脂肪酸エステル,ポリオキシエチレン脂肪酸エステル,ポリオキシエチレンアルキルアミン,フッ素系,シリコン系等が挙げられる。
(非水系組成物)
本発明の近赤外線吸収組成物が非水系組成物である場合、当該組成物は、前記一般式(1)で表される化合物を非水系ビヒクルに分散してなる。
非水系ビヒクルに使用される樹脂は、例えば、石油樹脂、カゼイン、セラック、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ニトロセルロース、セルロースアセテートブチレート、環化ゴム、塩化ゴム、酸化ゴム、塩酸ゴム、フェノール樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、ビニル樹脂、塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂、乾性油、合成乾性油、スチレン/マレイン酸樹脂、スチレン/アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂塩素化ポリプロピレン、ブチラール樹脂、塩化ビニリデン樹脂等が挙げられる。非水系ビヒクルとして、光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂を用いてもよい。
本発明の近赤外線吸収組成物が非水系組成物である場合、当該組成物は、前記一般式(1)で表される化合物を非水系ビヒクルに分散してなる。
非水系ビヒクルに使用される樹脂は、例えば、石油樹脂、カゼイン、セラック、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ニトロセルロース、セルロースアセテートブチレート、環化ゴム、塩化ゴム、酸化ゴム、塩酸ゴム、フェノール樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、ビニル樹脂、塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂、乾性油、合成乾性油、スチレン/マレイン酸樹脂、スチレン/アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂塩素化ポリプロピレン、ブチラール樹脂、塩化ビニリデン樹脂等が挙げられる。非水系ビヒクルとして、光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂を用いてもよい。
また、非水系ビヒクルに使用される溶剤としては、例えば、トルエンやキシレン、メトキシベンゼン等の芳香族系溶剤、酢酸エチルや酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の酢酸エステル系溶剤、エトキシエチルプロピオネート等のプロピオネート系溶剤、メタノール、エタノール等のアルコール系溶剤、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、ヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクタム、N−メチル−2−ピロリドン、アニリン、ピリジン等の窒素化合物系溶剤、γ−ブチロラクトン等のラクトン系溶剤、カルバミン酸メチルとカルバミン酸エチルの48:52の混合物のようなカルバミン酸エステル等が挙げられる。
本発明の近赤外線吸収組成物は、インク、トナー、赤外性情報記録物等の情報記録材料、光熱変換体、フィルタ等の用途に用いられる塗布物とすることができる。この塗布物はその使用用途に応じて、本発明の組成物に加えて、例えば、バインダ、褪色防止剤、UV吸収剤、粘着剤、無機粒子、金属(錯体)等を適宜加えることができる。
本発明の前記一般式(1)で表される化合物およびそれを含む近赤外線吸収組成物は、優れた近赤外線吸収能を有し、優れた不可視性と優れた耐光性とを両立することができる。
本発明の前記一般式(1)で表される化合物およびそれを含む近赤外線吸収組成物の用途としては、画像、特に不可視画像を形成するための画像記録材料やフィルタ用途、光熱変換材料用途が挙げられ、具体的には、赤外線カットフィルタやインクジェット方式記録材料を始めとして、感熱記録材料、感圧記録材料、電子写真方式を用いる記録材料、転写式ハロゲン化銀感光材料、印刷インク、記録ペン、フラッシュ定着用光熱変換材料や光照射溶融接着剤、赤外線センサーなどの光電変換材料、色素増感型太陽電池、有機薄膜型太陽電池、赤外線吸収型遮熱フイルム、赤外線発光材料等が挙げられる。好ましくは、赤外線カットフィルタ、ンクジェット方式記録材料、印刷インク、フラッシュ定着用光熱変換材料や光照射溶融接着剤、赤外線センサーなどの光電変換材料、赤外線吸収型遮熱フイルムの用途が挙げられる。
本発明の前記一般式(1)で表される化合物およびそれを含む近赤外線吸収組成物の用途としては、画像、特に不可視画像を形成するための画像記録材料やフィルタ用途、光熱変換材料用途が挙げられ、具体的には、赤外線カットフィルタやインクジェット方式記録材料を始めとして、感熱記録材料、感圧記録材料、電子写真方式を用いる記録材料、転写式ハロゲン化銀感光材料、印刷インク、記録ペン、フラッシュ定着用光熱変換材料や光照射溶融接着剤、赤外線センサーなどの光電変換材料、色素増感型太陽電池、有機薄膜型太陽電池、赤外線吸収型遮熱フイルム、赤外線発光材料等が挙げられる。好ましくは、赤外線カットフィルタ、ンクジェット方式記録材料、印刷インク、フラッシュ定着用光熱変換材料や光照射溶融接着剤、赤外線センサーなどの光電変換材料、赤外線吸収型遮熱フイルムの用途が挙げられる。
本発明のジインモニウム化合物は、可視光領域にはほとんど吸収を示さず、近赤外光領域である900〜1200nm領域に強い吸収を示すという優れた近赤外線吸収能を持つ。また、本発明のジインモニウム化合物は、溶解性に優れ、湿式での薄膜作製に好適に用いることができる。さらに、本発明のジインモニウム化合物は、耐熱性が高く、長期間の使用においても近赤外線吸収能が低下することがなく、耐久性が必要な赤外線吸収フィルタや染料などに好ましく適用することができる。
以下、本発明を実施例に基づき更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下の実施例及び比較例において単に「部」又は「%」というとき、特に断らない限り、質量基準である。
実施例1
[例示化合物(IM−105)の調製]
化合物Aの合成
三つ口フラスコにp−トリフルオロメチルベンゼンスルホンアミド2.25gとアセトニトリル10mLを入れ、室温で炭酸カリウム2.76gとイソプロピルスルホニルクロリド1.43gを加えて2時間加熱還流し、さらにイソプロピルスルホニルクロリド0.71gを加えて1時間加熱還流した。室温まで冷却後固体をろ別し、ろ液から溶媒を減圧留去した。得られた固体をアセトン−トルエンを用いて再沈殿させることにより化合物Aを1.66g得た。
化合物A:1H NMR(DMSO−d6) δ 1.15(d,J=7Hz,6H),3.20(sept,J=7Hz,1H),7.79(d,J=8Hz,2H),7.93(d,J=8Hz,2H)。19F NMR(DMSO−d6) δ −61.15。ESIMS(neg) m/z 330([A−K]−)。
[例示化合物(IM−105)の調製]
化合物Aの合成
三つ口フラスコにp−トリフルオロメチルベンゼンスルホンアミド2.25gとアセトニトリル10mLを入れ、室温で炭酸カリウム2.76gとイソプロピルスルホニルクロリド1.43gを加えて2時間加熱還流し、さらにイソプロピルスルホニルクロリド0.71gを加えて1時間加熱還流した。室温まで冷却後固体をろ別し、ろ液から溶媒を減圧留去した。得られた固体をアセトン−トルエンを用いて再沈殿させることにより化合物Aを1.66g得た。
化合物A:1H NMR(DMSO−d6) δ 1.15(d,J=7Hz,6H),3.20(sept,J=7Hz,1H),7.79(d,J=8Hz,2H),7.93(d,J=8Hz,2H)。19F NMR(DMSO−d6) δ −61.15。ESIMS(neg) m/z 330([A−K]−)。
実施例2、3
[例示化合物(IM−103)、(IM−108)の調製]
実施例1と同様の手法により、前記例示化合物(IM−103)(m.p.187〜192℃(dec.))及び前記例示化合物(IM−108)(m.p.172〜177℃(dec.))を合成した。
[例示化合物(IM−103)、(IM−108)の調製]
実施例1と同様の手法により、前記例示化合物(IM−103)(m.p.187〜192℃(dec.))及び前記例示化合物(IM−108)(m.p.172〜177℃(dec.))を合成した。
実施例4
[例示化合物(IM−204)の調製]
三つ口フラスコに化合物B1.84gを入れ、アセトニトリル20mL、蒸留水3mLを加えて0℃に冷却し、OXONE(登録商標:2KHSO5・KHSO4・K2SO4)1.23gを添加した。更に、室温で2時間撹拌した後、固体をろ別し、ペンタフルオロベンゼンスルホン酸ナトリウム1.62gを加えて室温で10分攪拌した。この混合物に蒸留水200mLを加えて析出した固体をろ取し、蒸留水で洗浄することにより、前記例示化合物(IM−204)(m.p.214〜218℃(dec.))1.10gを得た。別途スペクトル測定を行ったところ、極大吸収波長(Abs.λmax)は1090nm(CHCl3)であった。他方、可視光領域には実質的に吸収がみられなかった。
[例示化合物(IM−204)の調製]
三つ口フラスコに化合物B1.84gを入れ、アセトニトリル20mL、蒸留水3mLを加えて0℃に冷却し、OXONE(登録商標:2KHSO5・KHSO4・K2SO4)1.23gを添加した。更に、室温で2時間撹拌した後、固体をろ別し、ペンタフルオロベンゼンスルホン酸ナトリウム1.62gを加えて室温で10分攪拌した。この混合物に蒸留水200mLを加えて析出した固体をろ取し、蒸留水で洗浄することにより、前記例示化合物(IM−204)(m.p.214〜218℃(dec.))1.10gを得た。別途スペクトル測定を行ったところ、極大吸収波長(Abs.λmax)は1090nm(CHCl3)であった。他方、可視光領域には実質的に吸収がみられなかった。
実施例5
[例示化合物(IM−203)の調製]
実施例3と同様の手法により、前記例示化合物(IM−203)(m.p.180〜184℃(dec.))を合成した。
[例示化合物(IM−203)の調製]
実施例3と同様の手法により、前記例示化合物(IM−203)(m.p.180〜184℃(dec.))を合成した。
実施例6
上述の実施例で得られた化合物の溶解性および耐熱性を評価した。
(1)トルエンに対する溶解性の評価
室温(20〜25℃)で、トルエン100部を攪拌し、前記実施例で得られた各化合物(IM−103)、(IM−105)、(IM−108)、(IM−204)および下記比較用化合物(IM−301)、(IM−302)、(IM−303)を1部ずつ加え、目視にて不溶解分の有無を判定した。結果を表1に示す。表1において、「○」は完全に溶解し、不溶分が確認できないものを、「×」は不溶分が目視で確認できるものをあらわす。
上述の実施例で得られた化合物の溶解性および耐熱性を評価した。
(1)トルエンに対する溶解性の評価
室温(20〜25℃)で、トルエン100部を攪拌し、前記実施例で得られた各化合物(IM−103)、(IM−105)、(IM−108)、(IM−204)および下記比較用化合物(IM−301)、(IM−302)、(IM−303)を1部ずつ加え、目視にて不溶解分の有無を判定した。結果を表1に示す。表1において、「○」は完全に溶解し、不溶分が確認できないものを、「×」は不溶分が目視で確認できるものをあらわす。
(2)キシレン、メトキシベンゼンに対する溶解性の評価
さらに、トルエン以外の溶媒として、キシレン、メトキシベンゼンについても上述の(1)の手法と同様にしてサンプルを調製し、溶解性を評価した。その結果、これらの溶媒に対しても本発明の化合物は良好な溶解性を示すことがわかった。
さらに、トルエン以外の溶媒として、キシレン、メトキシベンゼンについても上述の(1)の手法と同様にしてサンプルを調製し、溶解性を評価した。その結果、これらの溶媒に対しても本発明の化合物は良好な溶解性を示すことがわかった。
(3)熱安定性評価
ポリエステル樹脂(商品名:ニチゴーポリエスターHP−325)5gをクロロホルムに溶解させた後、上記で合成した各化合物(IM−103)、(IM−105)、(IM−108)、(IM−204)および下記比較用化合物(IM−302)に、各25mgのクロロホルム溶液を添加して、室温で溶媒を減圧留去することにより、色素分散体を作成した。得られた色素分散体サンプルのうち、300mgを分取し130℃で5分間加熱した。加熱前後のサンプル各20mgを、クロロホルム5mlに溶解させた溶液を調製し、1000nmでの吸光度を測定した。加熱の前後による吸光度の変化をもとに、ジインモニウム化合物の残存率を求めた。結果を表2に示す。
ポリエステル樹脂(商品名:ニチゴーポリエスターHP−325)5gをクロロホルムに溶解させた後、上記で合成した各化合物(IM−103)、(IM−105)、(IM−108)、(IM−204)および下記比較用化合物(IM−302)に、各25mgのクロロホルム溶液を添加して、室温で溶媒を減圧留去することにより、色素分散体を作成した。得られた色素分散体サンプルのうち、300mgを分取し130℃で5分間加熱した。加熱前後のサンプル各20mgを、クロロホルム5mlに溶解させた溶液を調製し、1000nmでの吸光度を測定した。加熱の前後による吸光度の変化をもとに、ジインモニウム化合物の残存率を求めた。結果を表2に示す。
表2から明らかなように、本発明の前記一般式(1)で表される化合物は、加熱後の残存率が高い。すなわち、本発明の化合物は、耐熱性に優れ、加熱による近赤外域の吸収低下が少ないことがわかる。
また、加熱後の色素の分解による可視光領域の呈色もわずかであった。
また、加熱後の色素の分解による可視光領域の呈色もわずかであった。
実施例7
下記の表3に示す化合物を用いて、上述した実施例6(3)と同様の手法にて熱安定性評価を行い、各化合物の残存率を測定した。各化合物の残存率(%)と該化合物のアニオンのHOMO値(eV)との関係を図1に示す。
下記の表3に示す化合物を用いて、上述した実施例6(3)と同様の手法にて熱安定性評価を行い、各化合物の残存率を測定した。各化合物の残存率(%)と該化合物のアニオンのHOMO値(eV)との関係を図1に示す。
図1の結果から明らかなように、アニオンのHOMO値が5.6eV以上のジインモニウム化合物は、加熱後の残存率が飛躍的に向上していることがわかる。
Claims (7)
- 前記一般式(1)において、X−が5.6eV以上のHOMO値を有するアニオンであることを特徴とする請求項1記載のジインモニウム化合物。
- 前記一般式(AN−1)において、R12が炭素数1〜8の直鎖または分岐のアルキル基であることを特徴とする請求項1又は2に記載のジインモニウム化合物。
- 前記一般式(AN−1)において、R11が電子求引性基を有するアリール基であることを特徴とする請求項1または2に記載のジインモニウム化合物。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のジインモニウム化合物を含むことを特徴とする近赤外線吸収組成物。
- 組成物中に含まれるアニオンが、実質的にHOMO値5.6eV以上のアニオンのみからなることを特徴とする請求項6記載の近赤外線吸収組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009187363A JP2011038007A (ja) | 2009-08-12 | 2009-08-12 | ジインモニウム化合物および当該化合物を含む近赤外線吸収組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009187363A JP2011038007A (ja) | 2009-08-12 | 2009-08-12 | ジインモニウム化合物および当該化合物を含む近赤外線吸収組成物 |
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