JP2011033453A - 蓄電装置の内部抵抗検出装置および開路電圧検出装置および残容量検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】蓄電装置の内部抵抗および開路電圧および残容量を精度良く検出する。
【解決手段】電圧近似微分演算部51及び電流近似微分演算部52は、電圧検出値Vact及び電流検出値Iactから角周波数(1/Td)以下の低周波成分つまり反応抵抗成分Hおよび充放電ヒステリシス電圧成分Mの寄与を除去し、各電圧検出値Vact及び電流検出値Iactの電圧変化ΔV及び電流変化ΔAを算出する。第1乗算部53は、内部抵抗推定値aestの前回値と電流変化ΔAを乗算して電圧変化推定値ΔVestを算出する。ゲイン設定部56は、所定の固定値又は高圧バッテリー17の状態変化に基づき、ゲインKを設定する。第2乗算部55は、電圧変化ΔVから電圧変化推定値ΔVestを減算した差分(ΔV−ΔVest)とゲインKを乗算して内部抵抗補正量Qを算出する。積分演算部57は、内部抵抗補正量Qを積分して内部抵抗推定値aestを算出する。
【選択図】図13
Description
これらの蓄電装置の内部抵抗検出装置および開路電圧検出装置および残容量検出装置では、内部抵抗成分を所定周波数領域の電圧変動と電流変動との比率に基づき算出し、過渡応答成分を充放電電流の検出値に基づき算出している。
このような問題が生じることに対して、例えば電流変動量が適正に大きな値を有するようにして、電流変動の期間を長くすると、化学反応などによる遅い抵抗成分の寄与が増大し、化学反応による抵抗のような遅い抵抗成分を含まないオーミック抵抗(=純抵抗)とされる内部抵抗成分の瞬時値の算出精度および信頼性が低下してしまうという問題が生じる。この場合、例えば時間平均処理などのフィルタリング処理を用いたとしても、誤差が最大で無限大になることから、算出精度および信頼性を向上させることは困難である。
しかも、この比率(電圧変動量/電流変動量)での電流変動量が、例えば蓄電装置の温度状態や充放電履歴や動作時間などに応じて頻繁に変化すること、また、電流および電圧の検出誤差が雑音により増大する虞があることなどによって、算出精度および信頼性が低下してしまうという問題が生じる。
すなわち、開路電圧は、例えば蓄電装置の温度や劣化等に関わらず、いわば一義的に残容量を記述する数値である。例えば蓄電装置の開路電圧以外の状態量に基づき残容量を推定する場合には、蓄電装置の温度や劣化の影響を除去する為の演算やマップ等が必要であり、これらの演算処理やマップ等の記憶に膨大なメモリーが必要になる。さらに、温度や劣化レベル毎にマップを作成する為に、予め事前に膨大な実験データを取得する必要が生じる。本発明の蓄電装置の残容量検出装置によれば、蓄電装置の開路電圧を精度良く推定することができるので、上述したような膨大な実験データや温度や劣化レベル毎に補正用のマップも必要とせず、蓄電装置の温度や劣化に関わらずに精度良く残容量を推定することができる。
この第1の実施形態による蓄電装置の残容量検出装置10aは、例えば電気自動車やハイブリッド車両等に備えられている。例えば図1に示す車両1は、駆動源としての内燃機関11およびモータ12を直列に直結し、少なくとも内燃機関11またはモータ12の何れか一方の動力を変速機構13を介して自車両の駆動輪Wに伝達して走行するハイブリッド車両である。この車両1では、減速時に駆動輪W側からモータ12側に動力が伝達されると、モータ12は発電機として機能していわゆる回生制動力を発生し、車体の運動エネルギーを電気エネルギーとして回収する。さらに、車両1の運転状態に応じて、モータ12は内燃機関11の出力によって発電機として駆動され、発電エネルギーを発生する。
PDU16は、例えばトランジスタのスイッチング素子から構成されたインバータ等を備えて構成され、モータ12と電気エネルギーの授受を行う高圧系の高圧バッテリー17にコンタクタ部18を介して接続されている。PDU16は、例えばモータ12の駆動時には、高圧バッテリー17から供給される直流電力を3相交流電力に変換してモータ12へ供給する。また、モータ12の回生作動時には、モータ12から出力される交流の回生電力を直流電力に変換して高圧バッテリー17を充電または直流電力をDC−DCコンバータ19へ供給する。モータ12には、モータ12の動作状態を検出するために、モータ12の回転速度(モータ回転数)NMを検出する回転速度センサ12a等のセンサが備えられ、センサから出力される検出信号は、モータ12の動作制御を行うためにCPU等を含む電子回路により構成されたモータ制御装置15に入力されている。
なお、コンタクタ部18は、メインコンタクタ18aと、メインコンタクタ18aに並列に設けられたプリチャージコンタクタ18bおよびプリチャージ抵抗器18cとを備えて構成されている。
高圧バッテリー17には、高圧バッテリー17からモータ12等の負荷へと供給される放電電流及び負荷から高圧バッテリー17へと供給される充電電流からなる電流Iを検出する電流センサ17a、高圧バッテリー17の端子電圧Vを検出する電圧センサ17b、高圧バッテリー17の温度TBを検出する温度センサ17c等のセンサが備えられている。各センサから出力される検出信号は、高圧バッテリー17の状態を監視、保護するためにCPU等を含む電子回路により構成されたバッテリー制御装置20に入力されている。
なお、エンジン制御装置14と、モータ制御装置15と、バッテリー制御装置20とはバス22を介して相互に接続されており、各制御装置14,15,20は、各センサ11a,11b,12a,17a,17b,17cから取得した各検出データや、制御処理に際して生成したデータを相互に授受可能とされている。
なお、本発明における残容量とは、高圧バッテリー17に満充電状態で蓄積されている電気量(Ah)を100%として、実際に高圧バッテリー17に蓄積されている電気量(Ah)の割合である。また、残容量は、電気量(Ah)の代わりに電力量(Wh)によって算出されてもよい。
すなわち、開路電圧Eは、高圧バッテリー17の温度や劣化に関わらず、いわば一義的に残容量を記述する数値である。
この開路電圧検出装置10bは、例えば下記数式(1)に示すように、高圧バッテリー17の端子電圧Vが4つの電圧成分、つまり開路電圧Eと内部抵抗成分Wと反応抵抗成分Hと充放電ヒステリシス電圧成分Mとからなると設定している。
また、内部抵抗成分Wは、例えば高圧バッテリー17の導電部材や電解液の抵抗等の高圧バッテリー17の構造に起因する抵抗による電圧成分である。
そして、反応抵抗成分Hは、例えば高圧バッテリー17の電解液の拡散抵抗や分極等の化学的な反応に起因する抵抗による電圧成分である。
そして、充放電ヒステリシス電圧成分Mは、高圧バッテリー17の充電時と放電時とで充放電停止時の端子電圧Vに生じるヒステリシスによる電圧成分である。
ここで、内部抵抗成分Wはバッテリー電流Iに比例し、例えば高圧バッテリー17の温度状態や充放電履歴や動作時間等に応じた比例係数である内部抵抗aによって、下記数式(2)に示すようにして記述される。
なお、以下において、バッテリー電流Iの符号は充電電流に対して正とし、放電電流に対して負とする。
なお、反応抵抗成分Hの時間遅れの応答は、下記数式(4)に示すように、単一の時定数Tの1次遅れ要素の応答によって近似してもよいし、後述するように、複数の異なる時定数Tn(nは任意の自然数)の各1次遅れ要素の線形結合からなる応答に近似してもよい。
また、例えば図9および下記数式(7)に示すように記述される整定電圧Msは、図8および下記数式(6)の例において、電流値に対する比例係数をゼロとした場合の例であって、高圧バッテリー17の充電時に所定の上限飽和電圧(uplimMs)となり、放電時に下限飽和電圧(lowlimMs)となり、充放電停止時にゼロとなる。
また、反応抵抗成分Hの整定電圧Hsおよび充放電ヒステリシス電圧成分Mの整定電圧Msは、例えば高圧バッテリー17の使用状況、劣化状態などによって変化する。このため、各整定電圧Hs,Msは、例えば図10に示す整定電圧調整器24により、絶対値積分器25から出力される電流検出値Iactの絶対値の積算値(使用電流積算量)や、使用期間演算器26から出力される高圧バッテリー17の使用期間や、後述する内部抵抗推定器34から出力される内部抵抗推定値aestや、後述する劣化判定器47から出力される高圧バッテリー17のバッテリー劣化度に係る劣化推定値や、後述する時定数決定器46から出力される反応抵抗成分Hの時間遅れの応答に係る時定数および充放電ヒステリシス電圧成分Mの時間遅れの応答に係る時定数や、温度センサ17cから出力される高圧バッテリー17の温度TBなどに応じて、随時、調整されてもよい。
なお、後述するように、各整定電圧Hs,Msはバッテリー電流Iに関する関数j(I)により記述されることから、整定電圧調整器24は、この関数j(I)を調整することになる。
この高圧バッテリー17の劣化度合いに応じた整定電圧Msの変更は、高圧バッテリー17の組成になど応じた特性(例えば、相対的に強いバッテリー特性を有するか否か、あるいは相対的に強いキャパシタ特性を有するか否かなど)に基づき、上記の各種パラメータを適宜用いて行なわれる。
このように、例えば上限飽和電圧(uplimMs)および下限飽和電圧(lowlimMs)などを、高圧バッテリー17の劣化状態に応じて変更(例えば、それぞれで選択される増大または低下など)することにより、開路電圧推定値Eestの検出精度を向上させることができる。
なお、充放電ヒステリシス電圧成分Mの時間遅れの応答は、下記数式(8)に示すように、単一の時定数Tの1次遅れ要素の応答によって近似してもよいし、後述するように、複数の異なる時定数Tm(mは任意の自然数)の各1次遅れ要素の線形結合からなる応答に近似してもよい。
不揮発メモリー(図示略)を備える状態量記憶部40は、状態量算出部31から出力される状態変数xを前回値xpとして記憶し、この前回値xpを状態量算出部31へ出力する。
また、後述するように、イグニッションスイッチ11cがOFFからONへと切り換えられる車両1の運転開始時の初期化モードにおいては、車両1の運転停止時の推定終了モードにて算出されて状態量記憶部40に格納された前回値xpが、離散演算の今回の処理にて状態量算出部31へ出力される。この初期化モードにおいては、後述するように、イグニッションスイッチ11cがONからOFFへと切り換えられた運転停止時から、イグニッションスイッチ11cがOFFからONへと切り換えられる運転開始時までの経過時間が、離散演算のサンプリング周期として設定されることになる。
例えば、イグニッションスイッチ11cがONからOFFへと切り換えられる車両1の運転停止時の推定終了モードにおいてタイマー44から出力される現在時刻tが時刻記憶部45に格納されると、イグニッションスイッチ11cがOFFからONへと切り換えられる車両1の運転開始時の初期化モードにおいては、推定終了モードで記憶された現在時刻tが前回時刻tpとなる。そして、この初期化モードでの現在時刻tと、前回時刻tpとの差である経過時間が、イグニッションスイッチ11cがONからOFFへと切り換えられた運転停止時から、イグニッションスイッチ11cがOFFからONへと切り換えられる運転開始時までに亘る高圧バッテリー17の充放電の休止時間となる。
また、初期化モードでは、状態量記憶部40から入力される前回の状態変数xpと、入力切換部41から出力される係数A’つまり初期係数A’iとに基づき、さらに、車両1の運転停止期間中のゼロまたは所定の休止時電流をバッテリー電流Iに入力することにより第1〜第3反応抵抗成分H1,H2,H3の推定値および第1〜第3充放電ヒステリシス電圧成分M1,M2,M3の推定値からなる状態変数xを算出する。
例えば下記数式(23)に示すパラメータ(α・ΔA)のように、電流変化ΔAのみに基づき設定されるゲインKでは、任意の定数α(例えば、α=1/100など)は、内部抵抗推定値aestが発散せずに、急激な変動ではなく適正な変動で収束するようにして、正負の符号と値の大きさとが設定される。
また、例えば下記数式(23)に示す各パラメータ((β・ΔV),(γ・ΔA+δ・ΔV),(ε・ΔA・ΔV))のように、電圧変化ΔVのみ、あるいは、電流変化ΔAと電圧変化ΔVとの和、あるいは、電流変化ΔAと電圧変化ΔVとの積などに基づき設定されるゲインKでは、各任意の定数β,γ,δ,εは、内部抵抗推定値aestが発散せずに、急激な変動ではなく適正な変動で収束するようにして、正負の符号と値の大きさとが設定される。
また、例えば所定の固定値は、予め実施される各種の試験結果などに応じて、内部抵抗推定値aestが発散せずに、急激な変動ではなく適正な変動で収束するようにして、正負の符号と値の大きさが設定される。
また、例えば状態変化量が所定の適正範囲の値となる場合には、内部抵抗推定値aest(あるいは内部抵抗補正量Q)の算出精度が高いと判断されて、ゲインKは最大の値とされる。これにより、高圧バッテリー17の充放電電流が、内部抵抗推定に最適な場合に演算された内部抵抗推定値aest(あるいは内部抵抗補正量Q)に大きな重みが与えられ、精度の高い内部抵抗推定値aestを得ることができる。
そして、これらの最小から最大の間においては、例えば負荷変動または電流変化ΔAまたは電圧変化ΔVまたは出力変化ΔWなどの状態変化量が増大することに伴いゲインKが増大傾向に変化するように、かつ、状態変化量が減少することに伴いゲインKが減少傾向に変化するようにして、ゲインKを設定する。
また、例えば状態変化量が所定の適正範囲を超えて大きな値となる場合には、内部抵抗推定値aest(あるいは内部抵抗補正量Q)の算出精度が低いと判断されて、ゲインKはより小さな値とされる。
なお、内部抵抗推定値aestの初期値は予め適宜に所定の内部抵抗固定値が設定されている。
また、例えば図15(B)に示す変換演算部34aは、入力値の所定範囲(例えば、電流検出値Iactでのゼロを含む所定範囲、電圧検出値Vactでの高圧バッテリー17の定格電圧を含む所定範囲など)において出力値が固定される不感帯を有し、下限値と不感帯との間および不感帯と上限値との間で入力値の増大に比例する単調増大の出力値を出力する。
また、例えば図15(A),(B)に示す各変換演算部34aにスムージング処理を行なって得た変換演算処理を行なってもよい。例えば図15(C)に示す変換演算部34aは、図15(B)に示す変換演算部34aにスムージング処理を行なって得たものであって、入力値の絶対値が増大することに伴い増大傾向に変化する出力値の増大率が低下する。
また、例えば図15(D)に示す変換演算部34aは、入力値の所定範囲(例えば、電流検出値Iactでのゼロを含む所定範囲、電圧検出値Vactでの高圧バッテリー17の定格電圧を含む所定範囲など)において出力値が固定される不感帯を有し、この不感帯以外において入力値の増大に比例する単調増大の出力値を出力する。
なお、例えば図15(A)〜(D)に示す各変換演算部34aにおいて、出力値=ゼロとなる横軸は、各パラメータに応じて適宜に上下に変更される場合がある。例えば電圧検出値Vactでは常にVact>0であることから、出力値=ゼロとなる横軸は、例えば図15(A)〜(D)に示す点線のようになる。
例えば図15(A),(B)に示すように出力値に対して下限値と上限値とを有する変換演算部34aにおいて、高圧バッテリー17の劣化度合いが増大した場合には、電流検出値Iact,電圧検出値Vact,電流変化ΔA,電圧変化ΔV,電圧変化推定値ΔVest,差分(ΔV−ΔVest)などに対する変換演算処理では、下限値と上限値との間の間隔を拡大させるようにして、下限値が低下されると共に上限値が増大される。また、内部抵抗補正量Q,内部抵抗推定値aestなどに対する変換演算処理では、例えば下限値と上限値との間の間隔を変更せずに下限値と上限値とを移動させるようにして、下限値および上限値が増大される。
また、例えば図15(C),(D)に示すように入力値の増大に伴い増大傾向に変化する出力値の増大率が低下し、かつ、入力値の低下に伴い低下傾向に変化する出力値の低下率が低下する変換演算部34aにおいて、高圧バッテリー17の劣化度合いが増大した場合には、電流検出値Iact,電圧検出値Vact,電流変化ΔA,電圧変化ΔV,電圧変化推定値ΔVest,差分(ΔV−ΔVest)などに対する変換演算処理では、出力値の増大率の低下度合いを低下、かつ、出力値の低下率の低下度合いを低下させる。また、内部抵抗補正量Q,内部抵抗推定値aestなどに対する変換演算処理では、出力値の増大率の低下度合いを低下、かつ、出力値の低下率の低下度合いを増大させる。
乗算部35は、電流検出値Iactと内部抵抗推定値aestとを乗算して得た値を内部抵抗成分推定値Westとして設定して出力する。
すなわち、上記数式(1)に示すように、高圧バッテリー17の端子電圧Vは開路電圧Eと内部抵抗成分Wと反応抵抗成分Hと充放電ヒステリシス電圧成分Mとからなり、電圧検出値Vactから、内部抵抗成分Wと反応抵抗成分Hと充放電ヒステリシス電圧成分Mとの各推定値を減算することによって、開路電圧Eの推定値を算出することができる。
残容量推定部38は、例えば図2に示すように高圧バッテリー17を無負荷状態で所定時間を超える長時間に亘って放置した際の端子電圧Vの値(開路電圧E)と高圧バッテリー17の残容量との相関関係を示すマップを記憶している。そして、ローパスフィルター37から出力される開路電圧推定値Eestに応じたマップ検索によって高圧バッテリー17の残容量を算出する。
また、イグニッションスイッチ11cがOFFからONへと切り換えられる車両1の運転開始時においては、以下に示す初期化モードに係る一連の処理を実行した後に、タイマー割り込み処理を所定周期(例えば10ms等)毎に実行するようになっている。
先ず、図16に示すステップS01においては、イグニッションスイッチ11cがOFFからONへと切り換えられたか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、後述するステップS09に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合、つまりイグニッションスイッチ11cがOFFからONへと切り換えられた場合には、ステップS02に進み、処理モードとして初期化モードを設定し、ステップS03に進む。
ステップS05においては、経過時間(t−tp)つまり高圧バッテリー17の充放電休止状態である休止時間をサンプリング周期として、高圧バッテリー17の時間変化特性を示す状態方程式(つまり上記数式(18)及び(19))を離散化し、初期係数A’iを算出する。
次に、ステップS06においては、休止時間においてバッテリー電流Iがゼロまたはゼロ近傍の所定の電流値(例えば、暗電流値等)の休止時電流に保持されると仮定する。そして、上記数式(20)において、ゼロまたは所定の休止時電流をバッテリー電流Iに入力し、状態量記憶部40から入力される前回の状態変数xpと、入力切換部41から出力される係数A’つまり初期係数A’iとに基づき状態遷移演算を実行し、今回の処理での状態変数xを算出する。
次に、ステップS07においては、算出した今回の状態変数xを、新たに前回の状態変数xpとして設定し、状態量記憶部40に記憶する。
次に、ステップS08においては、現在時刻tを、新たに前回時刻tpとして設定し、時刻記憶部45に記憶し、一連の処理を終了する。
この判定結果が「YES」の場合には、後述するステップS14に進む。
一方、この判定結果が「NO」の場合、つまりイグニッションスイッチ11cの状態が変更されていない場合には、ステップS10に進み、処理モードとして推定モードを設定し、ステップS11に進む。
ステップS11においては、現在時刻tを取得し、ステップS12に進み、電流センサ17aおよび電圧センサ17bの各検出値を取得し、ステップS13に進む。
ステップS13においては、上記数式(20)において、電流センサ17aの検出値をバッテリー電流Iに入力し、状態量記憶部40から入力される前回の状態変数xpと、入力切換部41から出力される係数A’つまり所定係数A’nとに基づき状態遷移演算を実行し、今回の処理での状態変数xを算出し、上述したステップS07に進む。
ステップS15においては、現在時刻tを取得し、ステップS16に進み、電流センサ17aおよび電圧センサ17bの各検出値を取得し、ステップS17に進む。
ステップS17においては、上記数式(20)において、電流センサ17aの検出値をバッテリー電流Iに入力し、状態量記憶部40から入力される前回の状態変数xpと、入力切換部41から出力される係数A’つまり所定係数A’nとに基づき状態遷移演算を実行し、今回の処理での状態変数xを算出し、ステップS18に進む。
ステップS18においては、タイマー割込禁止信号を出力し、上述したステップS07に進む。
これにより、バッテリー電流Iの変動に伴う電圧変動が本来有する収束性を、少なくとも充放電ヒステリシス電圧成分からなる過渡応答成分として適切にモデル化することによって、装置構成が複雑化することを抑制しつつ信頼性の高い推定処理を実行することができ、開路電圧推定値Eestの推定精度を向上させることができる。
そして、例えば図2に示すように、Ni−MHバッテリーからなる高圧バッテリー17において、残容量の変化に応じた開路電圧Eの変化が相対的に小さい残容量の中間領域に対しても、開路電圧Eの算出精度が向上することに伴い、残容量を精度良く算出することができる。
しかも、少なくとも上限飽和電圧(uplimMs)または下限飽和電圧(lowlimMs)を有する充放電ヒステリシス電圧成分Mの整定電圧Msを、高圧バッテリー17の劣化状態に応じて変更することにより、開路電圧推定値Eestの算出精度を、より一層向上させることができる。
また、例えばPDU16に具備されるインバータでのスイッチング動作等に起因する相対的に高い周波数の電圧変動成分には、相対的に時定数が長い反応抵抗成分Hおよび充放電ヒステリシス電圧成分Mの電圧変動の寄与が無視できることから、この相対的に高い周波数の電圧変化ΔVと電流変化ΔAとに基づき、内部抵抗推定値aestを迅速かつ精度良く算出することができる。
また、上述した本実施の形態において、充放電ヒステリシス電圧成分Mは複数(例えば、3つ)の異なる時定数T4,T5,T6の各1次遅れ要素の線形結合からなるとしたが、これに限定されず、充放電ヒステリシス電圧成分Mは複数の1次遅れ要素に対して非線形であってもよい。さらに、充放電ヒステリシス電圧成分Mは、1次遅れ要素に限らず、例えば2次遅れ要素等のその他の遅れ成分によって構成されてもよい。
また、高圧バッテリー17の残容量が所定値を超えることで残容量に余裕がある場合等においては、例えばモータ12に対するトルク軸電流は不変のまま界磁軸電流を増減させて内部抵抗補正量Qを算出してもよい。
例えば、差分演算部は、入力される各電圧検出値Vactおよび電流検出値Iactの所定周波数領域(例えば、反応抵抗成分Hによる電圧変動分が含まれる周波数領域よりも高い高周波領域)のデータに対して、現在値と所定時間以前の過去値との差(電圧差および電流差)を算出し、算出結果を出力する。
また、例えば、バンドパスフィルターは、入力される各電圧検出値Vactおよび電流検出値Iactの所定周波数領域(例えば、反応抵抗成分Hおよび充放電ヒステリシス電圧成分Mによる電圧変動分が含まれる周波数領域よりも高い高周波領域)のデータを抽出して、抽出結果を電圧変動算出部および電流変動算出部へ出力する。電圧変動算出部および電流変動算出部は、バンドパスフィルターから入力される所定周波数領域のデータに対して、例えば、周期的に振動するデータの振幅等を算出し、算出結果を出力する。
この第2の実施形態による蓄電装置の残容量検出装置60a(以下、単に、残容量検出装置60aと呼ぶ)および蓄電装置の開路電圧検出装置60b(以下、単に、開路電圧検出装置60bと呼ぶ)は、上述した第1の実施形態に係る残容量検出装置10aおよび開路電圧検出装置10bと同様にバッテリー制御装置20に備えられている。
さらに、残容量検出装置60aは、例えば、開路電圧検出装置60bと、上述した第1の実施形態に係る残容量検出装置10aに具備される残容量推定部38とを備えて構成されている。
残容量検出装置60aは、開路電圧検出装置60bにて算出されるバッテリー電圧推定値Vestに係る状態変数xから開路電圧推定値Eestを抽出し、開路電圧推定値Eestに応じたマップ検索によって高圧バッテリー17の残容量を算出する。
なお、下記数式(25)における関数P(E)は、バッテリー電流Iの単位電流変化に伴う開路電圧Eの時間変化率であって、例えば開路電圧Eに関する適宜の関数とされている。
開路電圧及び過渡応答成分算出部62は、状態量算出部61により算出した状態変数xに上記数式(24)に示す係数Cを作用させて、第1〜第3反応抵抗成分H1,H2,H3の線形結合からなる反応抵抗成分Hおよび第1〜第3充放電ヒステリシス電圧成分M1,M2,M3の線形結合からなる充放電ヒステリシス電圧成分Mおよび開路電圧Eの各推定値である反応抵抗成分推定値Hestおよび充放電ヒステリシス電圧成分推定値Mestおよび開路電圧推定値Eestを抽出し、加算部63へ出力する。
減算部64は、電圧センサ17bにより検出される電圧検出値Vactからバッテリー電圧推定値Vestを減算することによって、バッテリー電圧推定値Vestの推定誤差である電圧差Verrを算出し、この算出結果を状態量算出部61へ出力する。
また、状態量算出部61にて算出される状態変数xは開路電圧抽出部65に入力されており、開路電圧抽出部65は、例えば状態変数xにベクトル(0,0,0,0,0,0,1)を作用させて開路電圧推定値Eestを抽出し、残容量推定部38へ出力する。
図18に示すステップS06においては、休止時間においてバッテリー電流Iがゼロまたはゼロ近傍の所定の電流値(例えば、暗電流値等)の休止時電流に保持されると仮定し、上記数式(27)において、ゼロまたは所定の休止時電流をバッテリー電流Iに入力する。そして、状態量記憶部40から入力される前回の状態変数xpと、入力切換部41から出力される係数A’,L’,Z’、つまり初期係数A’i,L’i,Z’iと、前回の処理にて減算部64から出力されたバッテリー電圧推定値Vestと電圧検出値Vactとの電圧差Verrに基づき状態遷移演算を実行し、今回の処理での状態変数xを算出し、上述したステップS07に進む。
ステップS22においては、電圧センサ17bにより検出される電圧検出値Vactからバッテリー電圧推定値Vestを減算することによって、バッテリー電圧推定値Vestの推定誤差である電圧差Verrを算出する。そして、この電圧差Verrを前回の電圧差Verrとして記憶部(図示略)に記憶し、一連の処理を終了する。
つまり、上述した第2の実施形態においては、電圧差Verrがゼロとなるようにフィードバック制御を行うことで、少なくとも開路電圧Eおよび反応抵抗成分Hおよび充放電ヒステリシス電圧成分Mの何れか1つに係る状態変数xが修正される。
なお、各時定数は、反応抵抗成分Hの時間遅れの応答に係る単一の時定数Tあるいは複数の異なる時定数Tn(nは任意の自然数であって、上述した第1の実施形態および第2の実施形態では各時定数T1,T2,T3)と、充放電ヒステリシス電圧成分Mの時間遅れの応答に係る単一の時定数Tあるいは複数の異なる時定数Tm(mは任意の自然数であって、上述した第1の実施形態および第2の実施形態では各時定数T4,T5,T6)とである。
すなわち、減算部36は、電圧センサ17bにより検出される電圧検出値Vactから、少なくとも反応抵抗成分推定値Hestと充放電ヒステリシス電圧成分推定値Mestとを減算することによって開路電圧推定値Eestを算出する。
すなわち、上述した第2の実施形態においては、少なくとも反応抵抗成分Hと充放電ヒステリシス電圧成分Mとに係る状態変数xがバッテリー電流Iに基づき算出される。
この変形例に係る内部抵抗推定器34は、例えば、電圧近似微分演算部51と、電流近似微分演算部52と、除算部83と、減算部84と、乗算部85と、ゲイン設定部56と、積分演算部57とを備えて構成されている。
なお、内部抵抗推定値aestの初期値は予め適宜に所定の内部抵抗固定値が設定されている。
10b、60b 蓄電装置の開路電圧検出装置
17 高圧バッテリー(蓄電装置)
17a 電流センサ(電流検出手段)
17b 電圧センサ(電圧検出手段)
31 状態量算出部(状態量算出手段)
32 過渡応答成分算出部(状態量算出手段)
34 内部抵抗推定器(蓄電装置の内部抵抗検出装置、劣化度検出手段、変換演算変更手段)
34a 変換演算部
36 減算部(開路電圧算出手段)
38 残容量推定部(残容量算出手段、記憶手段)
51 電圧近似微分演算部(電圧変動算出手段)
52 電流近似微分演算部(電流変動算出手段)
53 第1乗算部(電圧変動推定値算出手段)
55 第2乗算部(内部抵抗算出手段)
56 ゲイン設定部(内部抵抗算出手段)
57 積分演算部(内部抵抗算出手段)
61 状態量算出部(状態量算出手段、フィードバック手段)
62 開路電圧及び過渡応答成分算出部(状態量算出手段、フィードバック手段)
63 加算部(フィードバック手段)
64 減算部(フィードバック手段)
65 開路電圧抽出部(開路電圧算出手段)
83 除算部(電流変動推定値算出手段)
85 乗算部(内部抵抗算出手段)
Claims (24)
- 蓄電装置の端子電圧の電圧値を検出する電圧検出手段と、
前記電圧検出手段により検出される前記電圧値の変動である電圧変動値を算出する電圧変動算出手段と、
前記電圧検出手段により検出される前記電圧値の変動である電圧変動の推定値を算出する電圧変動推定値算出手段と、
前記電圧変動算出手段により算出される前記電圧変動値と、前記電圧変動推定値算出手段により算出される前記電圧変動の前記推定値との差分に基づき、前記蓄電装置の内部抵抗を算出する内部抵抗算出手段と
を備えることを特徴とする蓄電装置の内部抵抗検出装置。 - 前記蓄電装置の放電電流または充電電流の電流値を検出する電流検出手段と、
前記電流検出手段により検出される前記電流値の変動である電流変動値を算出する電流変動算出手段とを備え、
前記電圧変動の前記推定値は、前記電流変動算出手段により算出された前記電流変動値と、前記内部抵抗算出手段により算出された値とを乗算して得られる値であることを特徴とする請求項1に記載の蓄電装置の内部抵抗検出装置。 - 蓄電装置の放電電流または充電電流の電流値を検出する電流検出手段と、
前記電流検出手段により検出される前記電流値の変動である電流変動値を算出する電流変動算出手段と、
前記電流検出手段により検出される前記電流値の変動である電流変動の推定値を算出する電流変動推定値算出手段と、
前記電流変動算出手段により算出される前記電流変動値と、前記電流変動推定値算出手段により算出される前記電流変動の前記推定値との差分に基づき、前記蓄電装置の内部抵抗を算出する内部抵抗算出手段と
を備えることを特徴とする蓄電装置の内部抵抗検出装置。 - 前記蓄電装置の端子電圧の電圧値を検出する電圧検出手段と、
前記電圧検出手段により検出される前記電圧値の変動である電圧変動値を算出する電圧変動算出手段とを備え、
前記電流変動の前記推定値は、前記電圧変動算出手段により算出された前記電圧変動値を、前記内部抵抗算出手段により算出された値で除算して得られる値であることを特徴とする請求項3に記載の蓄電装置の内部抵抗検出装置。 - 前記電圧変動算出手段により算出される前記電圧変動値は、前記電圧検出手段により検出される前記電圧値あるいは該電圧値に係る状態量の所定周波数領域成分の時間変動値であることを特徴とする請求項1および請求項2および請求項4の何れか1つに記載の蓄電装置の内部抵抗検出装置。
- 前記電流変動算出手段により算出される前記電流変動値は、前記電流検出手段により検出される前記電流値あるいは該電流値に係る状態量の所定周波数領域成分の時間変動値であることを特徴とする請求項2から請求項4の何れか1つに記載の蓄電装置の内部抵抗検出装置。
- 前記所定周波数領域成分の周波数領域は、前記蓄電装置の放電電流または充電電流の電流値の変動に対する前記蓄電装置の端子電圧の電圧値の応答の過渡応答成分の周波数領域よりも高い周波数領域に設定されることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の蓄電装置の内部抵抗検出装置。
- 前記内部抵抗算出手段は、前記電流変動値に基づき前記内部抵抗を補正量により補正しており、前記電流変動値が増大することに伴い前記補正量が増大傾向に変化するように、かつ、前記電流変動値が減少することに伴い前記補正量が減少傾向に変化するようにして、前記補正量を設定することを特徴とする請求項2から請求項4および請求項6の何れか1つに記載の蓄電装置の内部抵抗検出装置。
- 前記内部抵抗算出手段は、前記電圧変動値に基づき前記内部抵抗を補正量により補正しており、前記電圧変動値が増大することに伴い前記補正量が増大傾向に変化するように、かつ、前記電圧変動値が減少することに伴い前記補正量が減少傾向に変化するようにして、前記補正量を設定することを特徴とする請求項1および請求項2および請求項4および請求項5の何れか1つに記載の蓄電装置の内部抵抗検出装置。
- 前記内部抵抗算出手段は、前記蓄電装置の負荷変動値または負荷変動指令値に基づき前記内部抵抗を補正量により補正しており、前記負荷変動値または前記負荷変動指令値が増大することに伴い前記補正量が増大傾向に変化するように、かつ、前記負荷変動値または前記負荷変動指令値が減少することに伴い前記補正量が減少傾向に変化するようにして、前記補正量を設定することを特徴とする請求項1から請求項7の何れか1つに記載の蓄電装置の内部抵抗検出装置。
- 前記内部抵抗算出手段は、前記電圧変動値と前記推定値との前記差分にゲイン定数を乗算することによって前記内部抵抗を算出することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の蓄電装置の内部抵抗検出装置。
- 前記内部抵抗算出手段は、前記電流変動値と前記推定値との前記差分にゲイン定数を乗算することによって前記内部抵抗を算出することを特徴とする請求項3または請求項4に記載の蓄電装置の内部抵抗検出装置。
- 前記内部抵抗算出手段は、前記蓄電装置の放電電流または充電電流の電流値の変動である電流変動値が増大することに伴い前記ゲイン定数が増大傾向に変化するように、かつ、前記電流変動値が減少することに伴い前記ゲイン定数が減少傾向に変化するようにして、前記ゲイン定数を設定することを特徴とする請求項11または請求項12に記載の蓄電装置の内部抵抗検出装置。
- 前記内部抵抗算出手段は、前記蓄電装置の端子電圧の電圧値の変動である電圧変動値が増大することに伴い前記ゲイン定数が増大傾向に変化するように、かつ、前記電圧変動値が減少することに伴い前記ゲイン定数が減少傾向に変化するようにして、前記ゲイン定数を設定することを特徴とする請求項11または請求項12に記載の蓄電装置の内部抵抗検出装置。
- 前記内部抵抗算出手段は、前記蓄電装置の負荷変動値または負荷変動指令値が増大することに伴い前記ゲイン定数が増大傾向に変化するように、かつ、前記負荷変動値または前記負荷変動指令値が減少することに伴い前記ゲイン定数が減少傾向に変化するようにして、前記ゲイン定数を設定することを特徴とする請求項11または請求項12に記載の蓄電装置の内部抵抗検出装置。
- 前記蓄電装置の放電電流または充電電流の電流値を検出する電流検出手段による前記電流値の出力または前記蓄電装置の端子電圧の電圧値を検出する前記電圧検出手段による前記電圧値の出力から、前記内部抵抗算出手段による前記内部抵抗の出力までに至る各種パラメータの演算経路に、入力値の増大に伴い増大傾向に変化する出力値が上限値を有する又は前記入力値の増大に伴い増大傾向に変化する前記出力値の増大率が低下し、かつ、前記入力値の低下に伴い低下傾向に変化する前記出力値が下限値を有する又は前記入力値の低下に伴い低下傾向に変化する前記出力値の低下率が低下する変換演算手段を備え、
該変換演算手段により少なくとも何れか1つの前記パラメータに対して変換演算処理を行なうことを特徴とする請求項1から請求項15の何れか1つに記載の蓄電装置の内部抵抗検出装置。 - 前記蓄電装置の劣化度を検出する劣化度検出手段と、
前記劣化度検出手段により検出された前記劣化度に応じて、前記変換演算手段の前記上限値又は前記増大率の低下度合い、かつ、前記変換演算手段の前記下限値又は前記低下率の低下度合いを変更する変換演算変更手段とを備えることを特徴とする請求項16に記載の蓄電装置の内部抵抗検出装置。 - 前記変換演算変更手段は、前記劣化度が増大することに伴い、前記内部抵抗に係る前記パラメータに対する前記変換演算手段において、前記上限値を増大又は前記増大率の前記低下度合いを低下、かつ、前記下限値を増大又は前記低下率の低下度合いを増大させることを特徴とする請求項17に記載の蓄電装置の内部抵抗検出装置。
- 前記変換演算変更手段は、前記劣化度が増大することに伴い、前記電流値又は前記電圧値又は前記電流値の変動である電流変動値又は前記電圧値の変動である電圧変動値に係る前記パラメータに対する前記変換演算手段において、前記上限値を増大又は前記増大率の前記低下度合いを低下、かつ、前記下限値を低下又は前記低下率の低下度合いを低下させることを特徴とする請求項17に記載の蓄電装置の内部抵抗検出装置。
- 前記変換演算手段は、前記入力値の所定範囲において前記出力値が固定される不感帯を有することを特徴とする請求項16から請求項19の何れか1つに記載の蓄電装置の内部抵抗検出装置。
- 請求項1から請求項20の何れかひとつに記載の蓄電装置の内部抵抗検出装置と、
前記蓄電装置の放電電流または充電電流の電流値の変動に対する前記蓄電装置の端子電圧の電圧値の応答の過渡応答成分に係る状態量を前記電流値に基づき算出する状態量算出手段と、
前記蓄電装置の端子電圧の電圧値を検出する前記電圧検出手段により検出された前記電圧値から、前記状態量算出手段により算出される前記状態量に係る前記過渡応答成分と、前記蓄電装置の内部抵抗検出装置により検出される前記内部抵抗による電圧変化である内部抵抗成分とを減算して前記蓄電装置の開路電圧を算出する開路電圧算出手段と
を備えることを特徴とする蓄電装置の開路電圧検出装置。 - 請求項1から請求項20の何れかひとつに記載の蓄電装置の内部抵抗検出装置と、
前記蓄電装置の放電電流または充電電流の電流値の変動に対する前記蓄電装置の端子電圧の電圧値の応答の過渡応答成分に係る第1の状態量と、前記蓄電装置の開路電圧に係る第2の状態量とを備える状態量を算出する際に、少なくとも前記第1の状態量を前記電流値に基づき算出する状態量算出手段と、
前記状態量算出手段により算出される前記第1の状態量に係る前記過渡応答成分および前記第2の状態量に係る前記開路電圧と前記内部抵抗算出手段により算出される前記内部抵抗による電圧変化である内部抵抗成分とを加算して得た値と、前記蓄電装置の端子電圧の電圧値を検出する前記電圧検出手段により検出された前記電圧値との差異がゼロとなるように、前記第1の状態量および前記第2の状態量のうち少なくとも前記第2の状態量を修正するフィードバック手段と、
前記第2の状態量から前記開路電圧を算出する開路電圧算出手段と
を備えることを特徴とする蓄電装置の開路電圧検出装置。 - 請求項21または請求項22に記載の蓄電装置の開路電圧検出装置と、
前記開路電圧算出手段により算出される前記開路電圧に基づき、前記蓄電装置の残容量を算出する残容量算出手段とを備えることを特徴とする蓄電装置の残容量検出装置。 - 前記残容量算出手段は、前記開路電圧と前記残容量との所定の相関関係を示すデータを記憶する記憶手段を備え、
前記記憶手段に記憶された前記データに基づき、前記開路電圧算出手段により算出される前記開路電圧に応じた前記蓄電装置の前記残容量を算出することを特徴とする請求項23に記載の蓄電装置の残容量検出装置。
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