JP2011032897A - 内燃機関のカムシャフト構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】内燃機関の機関本体に軸支され、端部で内燃機関のクランクシャフトの回転に連動して回転し、内燃機関の各気筒に配設され吸気バルブ又は排気バルブ18を開閉するカムを備えたカムシャフト5において、吸気バルブ又は排気バルブ18を閉塞するバルブスプリング9の閉塞力に抗してバルブ開放時にカムシャフト5に作用する反力によって各気筒間を連結する気筒間カム軸部8に生じる変形を吸収するように、気筒間カム軸部8に貫通孔(凹部)16を形成したことを特徴とする。
【選択図】図1
Description
一方特開平10―141017号にあるような構造とすることで、偏磨耗及び、偏磨耗による回転抵抗の増大を防止することができる。
吸気側カムシャフト06には吸気バルブ(図示略)を開閉するカム08が1気筒あたり2個ずつ形成されている。吸気側カムシャフト06の略中央にある2のジャーナル06aに挟まれた部分には、他の部分よりも径が細くなった縮径部030が形成されている。
また、吸気側カムシャフト06の端部には可変バルブタイミング機構(以下VVT機構)023が配設されている。VVT機構はドリブンギア021に連結されている。
ドリブンギア021はエンジン(図示略)のクランクシャフト(図示略)の回転に同期して駆動される。VVT機構は油圧により駆動され、エンジンの回転数、負荷等により吸気バルブ(図示略)の開閉タイミングを早めたり、遅らせたりしてエンジン出力を最適な状態にコントロールする。
このため、噛合起振力の振動数と、吸気側振動系の固有振動数が一致して、共振現象が発生する恐れがある。その対応策として吸気側カムシャフト06の中間部で非軸支部分の所定の場所に縮径部030を設けて、縮径部030を振動モードの節とすることにより固有振動数を高くして、噛合起振力の振動数による共振を回避させている。
振動による曲げモーメント発生の変形は縮径部030だけで吸収する構造のため、当該部に高応力が発生することが予測される。
更に、カムシャフトの気筒間のカム軸部にはバルブスプリングによる曲げモーメントが作用しており、カムシャフト06のジャーナル部06a或いは軸受部に偏磨耗をまねく問題がある。
従って、変形量を隣接する気筒間のカム軸で吸収するので、他の気筒に影響が及ばないので、カムシャフトを支軸するジャーナル部のカム軸とカムキャップとが偏当りして、カムシャフト回転のフリクション増大や、偏摩耗の発生を防止できる。
ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定の記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明にすぎない。
図1は発明の実施形態に係るカムシャフトと吸気バルブとの関係を示す全体概略図である。
また、図1は多気筒(シリンダ1個=1気筒)の4バルブエンジン1(1気筒に吸気バルブ2個、排気バルブ2個)の吸気側カムシャフト5による吸気バルブ18が開閉される構造の概略図を示す。
尚、本実施形態の説明では、吸気バルブ用のカムシャフトと、排気バルブ用のカムシャフトとは同じ考え方なので、吸気バルブ用のカムシャフトで説明する。
内燃機関であるエンジン1(以下エンジン1と記す)の上部は、シリンダブロック3にシリンダライナー13が嵌入され、その上部にシリンダヘッド2が載置され。シリンダヘッド2とシリンダライナー13とシリンダライナー13内を上下に往復行程をするピストン12の上面とで燃焼室14を形成している。
シリンダヘッド2の上面にはエンジン1のクランクシャフト(図示省略)に連動して回転するカムシャフト5が配設されている。カムシャフト5は端部にクランクシャフトと連動するための装置(図示省略)例えばギヤトレイン等で連動している。
また、本カムシャフト5は鍛造成型した素材を機械加工したものを図示している。
上述の通り、カム6は吸気バルブ18を下方に押し下げて、吸気ポート15を開く動作をするとバルブスプリング9の強い反力(バネ定数を高くしてある)を受け、上方への曲げ力になって変形する。その変形量がジャーナル部10を支点として隣接する気筒のジャーナル部10にレバー比状に大きく影響する。
尚、本実施形態の場合、吸気バルブ18を下方に押し下げている気筒のジャーナル部10は両隣のカム6と距離が少なく、同位相のカムプロフィールなので、バルブスプリング9による反力が同じように作用するため偏磨耗が発生しがたい。
更に、貫通孔16の位置は各気筒間中心部とカム6のR形状部19の末端部を含まない部分から各気筒間中心部までの間とするとよい。
これは、貫通孔16の位置がカム6の側面から離れるとその分、ジャーナル部10を支点としてレバー比的に変形量が大きくなり、吸収量が大きくなる。
従って、貫通孔16の位置はカム6の側面のR部19を避けた、カム6の側面に近い方が効果的である。
本発明によるカムシャフト構造の第2実施形態を図3に基づいて説明する。
図3はカムシャフト20のカム21と凹部である孔23の部分拡大図を示し、中実状のカムシャフト20のカム軸部22にカム21の側面からカム軸部22に連結するR部25から少し離れた位置(R部を避けた位置またはR部にかからない位置)には孔23が配設されている。
また、本カムシャフト20は鍛造成型した素材を機械加工したものを図示している。
孔23はカム21の頂点とカム軸22の中心とを結ぶ線と略同じ方向に中心線を有している。しかし、孔23はカムシャフト20の中途までの円筒状の孔で、カム軸22の中心に対し対象に設けられ、軸線方向でずれた構造としてある。
更に、孔23の位置は各気筒間中心部とカム21のR部25の末端部を含まない部分から各気筒間中心部までの間とし、図3では上下2個だが必要に応じて増減するとよい。
更に、隣接するジャーナル部24の偏磨耗を防止して、回転フリクションの増加を防ぐ効果を有している。
本発明によるカムシャフト構造の第3実施形態を図4に基づいて説明する。
図4の(a)は他の凹部形状であり、(b)はC−C矢視の説明図である。
カムシャフト30のカム27と溝(凹部)28の部分拡大図を示し、中空状のカムシャフト30をバルジ加工等で成形する場合の形状を示す。
バルジ加工とはパイプの中側(中空部)に油圧等をかけて、外型の形状に沿わせるように成形する方法で、気筒間カム軸部26の外周部に弦方向に形成された切欠部または溝28を形成すると共に、中空管に外嵌したカム27を中空管に固定する方法である。
図4の(b)にC−C矢視で示すように、溝28は気筒間カム軸部26のカム27の頂点側位置と、気筒間カム軸部26の軸心を中心としたカム27の頂点と反対側の底辺側位置に、カム27の頂点と気筒間カム軸部26の中心とを結ぶ線と気筒間カム軸部26の軸心を含む面に対し略直角の方向に溝28が設けられている。
また、溝28の位置は各気筒間中心部とカム27のR部30の末端部を含まない部分から各気筒間中心部までの間とし、図4では上下2個だが必要に応じて増減するとよい。
しかも、溝28を気筒間カム軸部26の外周部で、カム27の頂点と気筒間カム軸部26の中心とを結ぶ線と気筒間カム軸部26の軸心を含む面に対し略直角の方向に、気筒間カム軸部26の軸心を中心としたカム27の頂点と反対側の底辺側位置に設けたので、カムシャフト25の断面剛性低減部の変形がより容易となり、変形の吸収量が大きくなり応力集中の防止がさらに図りやすくなる。
更に、隣接するジャーナル部29の偏磨耗を防止して、回転フリクションの増加を防ぐ効果については、実施形態1、2と同様に有している。
2 シリンダヘッド
5、20、30 カムシャフト
6、21、27 カム
7 カムキャップ
8、22、26 気筒間カム軸部
9 バルブスプリング
10 ジャーナル部
11 カム軸受
14 燃焼室
15 吸気ポート
16 貫通穴(凹部)
23 孔(凹部)
28 溝(凹部)
18 吸気バルブ
19、25、31 R部
24、29 ジャーナル部
Claims (6)
- 内燃機関の機関本体に軸支され、端部で前記内燃機関のクランクシャフトの回転に連動して回転し、前記内燃機関の各気筒に配設され吸気バルブ又は排気バルブを開閉するカムを備えたカムシャフトにおいて、
前記吸気バルブ又は排気バルブを閉塞するバルブスプリングの閉塞力に抗してバルブ開放時にカムシャフトに作用する反力によって各気筒間を連結する気筒間カム軸部に生じる変形を吸収するように、前記気筒間カム軸部に凹部を形成したことを特徴とする内燃機関のカムシャフト構造。 - 前記気筒間カム軸部と該気筒間カム軸部の両側に配置されたカムの端面との接続部にはコーナR部を形成し、前記カム軸部上の前記R部末部から前記凹部に滑らかに接続したことを特徴とする請求項1記載の内燃機関のカムシャフト構造。
- 前記気筒間カム軸部と該気筒間カム軸部の両側に配置されたカムの端面との接続部にはコーナR部を形成し、前記凹部は前記R部にかからない位置に配設したことを特徴とする請求項1記載の内燃機関のカムシャフト構造。
- 前記凹部は前記カムの頂点と前記カム軸の軸心とを結ぶ線と同じ方向に中心線を有するように配設したことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のカムシャフト構造。
- 前記凹部は前記カム軸の軸心に対し対称位置に配設されたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の内燃機関のカムシャフト構造。
- 前記凹部は貫通孔であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の内燃関のカムシャフト構造。
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