JP2011028134A - 有機el表示装置に用いるカラーフィルタ及び有機el表示装置 - Google Patents

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和則 山田
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Abstract

【課題】有機EL表示光源を用いる場合に、正面及び斜め方向の視認性が良好となるカラーフィルタの提供。
【解決手段】好ましくは、基板上に感光性着色組成物の塗膜を形成する工程、遮光領域と全透過領域のほかに光透過率5%以上80%以下の半遮光領域を含むフォトマスクを用いて前記塗膜を露光する工程、および未露光部を現像する工程を含む方法により形成され、1画素内の画素パターンの端部を除く領域に傾斜角5度以上90度以下の傾斜面を複数有する画素パターンを具備する有機EL表示装置用カラーフィルタ、および該カラーフィルタおよび有機EL光源を具備する有機EL表示装置。
【選択図】図6

Description

本発明は、有機EL表示装置に用いるカラーフィルタ及び有機EL表示装置に関する。
現在、フラットパネルディスプレイは、液晶ディスプレイが主流となっており、低消費電力、省スペース等の利点から、パソコンのモニター、携帯電話のディスプレイや、ノート型パーソナルコンピューター、携帯情報端末等の様々な用途で使用され、近年は、従来のブラウン管テレビに替わり液晶テレビにも使用されている。液晶テレビの用途では、色再現性が重要視される。カラー液晶表示装置の色再現性は、赤、緑、青の画素パターンから放射される光の色で決まり、赤、緑、青の画素パターンの色度点をそれぞれ(xR,yR)、(xG,yG)、(xB,yB)としたとき、x−y色度図上のこれらの3点で囲まれる三角形の面積で評価され、アメリカNational Television System Committee(NTSC)により定められた標準方式の3原色、赤(0.67, 0.33)、緑(0.21, 0.71)、青(0.14, 0.08)により囲まれる面積に対する比(単位は%、以下NTSC比と略す。)で表現される。この値は、一般のノートパソコンで40〜100%、パソコン用のモニターで50〜100%、液晶テレビでは70〜100%となっている。
しかしながら、これらの液晶表示装置には、2つの大きな問題点があった。1つめは、カラーフィルタ中に含まれる顔料の光散乱起因でコントラストが低くなることである。また、2つめは、バックライトユニットが発光する光の透過量をコントロールすることで色発現しており、黒表示でもバックライトユニットは白表示と同じ発光をし続けているため、エネルギーの無駄が大きいという点である。
これらの問題を解決するために、近年では有機EL(以下、OLEDと略す。)を発光体とするバックライトユニットが用いられるようになってきた。OLEDの利点としては、直接バックライトユニットの発光をコントロールできるため、偏光板が不要となり、エネルギーの無駄も大幅に抑えられるということが挙げられる。
OLEDを用いると、TFTなどにより直接各画素の光源のオン/オフをコントロールすることができるため、黒表示において指定画素の光源を消すことが可能となる。
すなわち、OLEDを用いることによって、表示装置内に偏光板が不要となり、液晶体によりコントロールする必要が無くなり、黒表示においてはバックライトを消すことにより、エネルギーの消費が極端に減ることが実現された。これにより、例えばSONY社製「XEL−1」など、液晶表示装置にある問題点が解決された有機EL表示装置が開発されることになった(特許文献1参照)。
液晶表示装置では、バックライトユニットから射出される光の方向は偏光板と液晶によりコントロールされ、ほぼ真っ直ぐにカラーフィルタに入射するのに対し、通常の有機EL表示装置は偏光板や液晶を有さない。そのため、例えば有機EL表示装置で赤色を表示するために赤色画素に対応するTFTをオンにした場合にも、有機ELの赤色発光層で発生した赤色光が赤色画素に隣接する緑色画素や青色画素などに斜め方向に入射し、有機EL表示装置を斜めから観察した場合の視認性が不良となる問題があった。
こうした問題に対応するため、カラーフィルタの膜厚を厚くするなどにより、カラーフィルタの色純度を高くすることで有機EL表示装置の斜め視認性を改善する方法がある。しかしながら、この方法ではカラーフィルタの色純度を高くすることと引き換えにカラーフィルタの光透過率全体が低くなるため、有機EL表示装置を正面から観察した場合に明るい視認性を得るためには消費電力を高くすることが必要となる。また、カラーフィルタの膜厚を厚くした場合、フォトリソグラフィー工程での生産性が悪くなるという問題がある。
そのため、既存のカラー液晶表示装置用のカラーフィルタは、有機EL表示装置に求められる、高い明度と斜め視認性の2つの特性を満足できるものでは無かった。
特開2005−71735号公報
そこで、本発明は、有機EL表示光源を用いる場合に、正面及び斜め方向の視認性が良好となるカラーフィルタを提供することを目的とする。
本発明の有機EL表示装置用カラーフィルタは、1画素内の画素パターンの端部を除く領域に傾斜角5度以上90度以下の傾斜面を複数有する画素パターンを具備することを特徴とする。
本発明の有機EL表示装置用カラーフィルタにおいて、画素パターンは、基板上に感光性着色組成物の塗膜を形成する工程、遮光領域と全透過領域のほかに光透過率5%以上80%以下の半遮光領域を含むフォトマスクを用いて前記塗膜を露光する工程、および未露光部を現像する工程を含む方法により形成することができる。
また、本発明の有機EL表示装置用カラーフィルタにおいて、1色の画素パターンは、基板上に感光性着色組成物の塗膜を形成する工程、フォトマスクを用いて塗膜を露光する工程、および未露光部を現像する工程の3つの工程を、塗膜を露光する工程において異なるフォトマスクを用いて少なくとも2回繰り返す方法により形成することができる。
また、本発明の有機EL表示装置は、本発明のカラーフィルタおよび有機EL光源を具備することを特徴とする。
本発明のカラーフィルタは、1画素内の画素パターンの端部を除く領域に傾斜角5度以上90度以下の傾斜面を複数有する画素パターンを具備するため、有機EL表示装置に用いた場合に、正面方向、斜め方向のいずれの方向から観察した場合も視認性が良好となる。
以下、本発明のカラーフィルタと、有機EL表示装置について説明する。
本発明のカラーフィルタの最大の特徴は、1画素内の画素パターンの端部を除く領域に傾斜角5度以上90度以下の傾斜面を複数有する画素パターンを具備する点にある。このようなカラーフィルタは、通常のフォトリソグラフィー法とは異なる方法によって作製することができる。したがって、まず本発明のカラーフィルタの特徴について説明した後、カラーフィルタの製造方法について説明する。
本発明のカラーフィルタにおいて、「1画素内の画素パターンの端部を除く領域」における「端部」とは、たとえばブラックマトリクスと画素パターンの重なり、あるいは画素パターン同士の重なりによって生じた凹凸部分を意味し、「1画素内の画素パターンの端部を除く領域」は、従来技術では平滑な部分であった。
図1に示すように、基板と反対に位置する画素面が基板に対して傾斜していない平滑な通常の画素パターンにおいては、基板面に対して斜め(例として45度)の方向から入射した光は、画素パターン面に対して45度の入射角で入射し、画素パターンの屈折率(通常1より大きい)に応じて入射角に対して屈折し、画素パターンを透過する。一方、図2のように基板と反対に位置する画素面が基板に対して傾斜している場合、傾斜面における入射光の入射角は図1の画素パターンに比べて大きくなるため、光路長を比較すると図2の画素パターン内の光路長の方が、図1の画素パターン内の光路長よりも長くなる。したがって、図2の画素パターンの場合、隣接する画素またはそれよりも離れた画素に対応する有機EL光源から斜めに入射する不必要な光は、通常の画素パターンを透過する場合と比較して、画素パターン内の光路長が長いため大きく減衰される。
傾斜面の傾斜角は、図2に示す通り、基板と平行な面と、基板と反対に位置する画素パターン面とで挟まれた画素パターンの存在する側の角度を意味し、傾斜が曲線の場合はその接線を画素パターン面とする。本発明のカラーフィルタにおいて、該傾斜角は5度以上であり、10度以上であることが好ましい。傾斜面の傾斜角が5度以上のときは、斜め方向からの入射光を十分に減衰させることができる。また、傾斜面の傾斜角は90度以下であり、80度以下であることが好ましい。傾斜面の傾斜角が90度以下のときは、画素パターン上にオーバーコート剤などを形成した際に、オーバーコート剤の膜厚ムラが生じない。
傾斜面の形状は、傾斜面の傾斜角が上記の範囲内であればどのような形状でもよく、例として角錐型、角錐台型、円錐型、円錐台型、ドーム型などが挙げられる。
(カラーフィルタの製造方法)
本発明のカラーフィルタは、透明基板あるいは反射基板上に、赤、緑、青、イエロー、マゼンタ、シアンから選ばれる少なくとも2色の画素パターンが形成されたものである。
透明基板としては、ソーダ石灰ガラス、低アルカリ硼珪酸ガラス、無アルカリアルミノ硼珪酸ガラスなどのガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂板が用いられる。
画素パターンは、基板上に感光性着色組成物の塗膜を形成する工程、遮光領域と全透過領域のほかに光透過率5%以上80%以下の半遮光領域を含むフォトマスクを用いて前記塗膜を露光する工程、および未露光部を現像する工程を含む方法により形成することができる。
また、1色の画素パターンは、基板上に感光性着色組成物の塗膜を形成する工程、フォトマスクを用いて塗膜を露光する工程、および未露光部を現像する工程の3つの工程を、塗膜を露光する工程において異なるフォトマスクを用いて少なくとも2回繰り返す方法により形成することもできる。
基板上に感光性着色組成物の塗膜を形成する工程では、上記溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジスト材として調製した着色組成物を、透明基板あるいは反射基板上に、スプレーコートやスピンコート、スリットコート、ロールコート等の塗布方法により塗布する。
前記塗膜を露光する工程では、乾燥された膜に、この膜と接触あるいは非接触状態で設けられた所定のパターンを有するフォトマスクを通して紫外線露光を行う。
フォトマスクとしては、遮光領域と全透過領域のほかに光透過率5%以上80%以下の半遮光領域を含むフォトマスクを用いることが好ましい。このようなフォトマスクを用いると、フォトマスクの全透過領域を透過した紫外線により露光された画素領域では、着色組成物塗膜が十分に硬化するため膜厚の厚い領域を形成することができる。また、フォトマスクの半遮光領域を透過した紫外線により露光された画素領域では、フォトマスクの全透過領域を透過した紫外線により露光された画素領域と比べ着色組成物塗膜における硬化反応が十分に進行しないため、着色組成物塗膜の膜厚を薄くすることができる。その結果、1画素内に膜厚の厚い領域と膜厚の薄い領域が設けられ、複数の傾斜面を有する画素パターンが形成される。
フォトマスクの中に光透過率5%以上80%以下の半遮光領域を形成する方法としては、遮光部に用いられるクロムおよび酸化クロムの2層膜やITO(インジウム錫複合酸化物)の膜厚を薄くする方法、露光される照射光では解像できない程度に細かいスリットパターンやモザイクパターンを形成する方法などがある。
また、前記半遮光領域を有するフォトマスクを使用しない方法の1つとしては、通常のフォトリソグラフィー法により画素パターンを形成した後、再度同じ色の着色組成物の塗膜を塗布し、膜厚を厚くしたい領域のみが照射されるよう1回目のカラーフィルタ形成時とは異なるフォトマスクを用いて露光を行い、同様の方法により未露光部を現像する方法があり、このような方法によっても、1画素内に膜厚の厚い領域と膜厚の薄い領域を設け、複数の傾斜面を有する画素パターンを形成することが可能である。
更に、前記半遮光部を有するフォトマスクを使用しない別の方法としては、塗膜を露光する工程において2種類以上のフォトマスクを用いて、膜厚を厚くする領域のみが2回以上照射されるように露光した後、未露光部を現像する方法があり、このような方法によっても、1画素内に膜厚の厚い領域と膜厚の薄い領域を設け、複数の傾斜面を有する画素パターンを形成することが可能である。
紫外線としては、例えば、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライド灯、ガリウム灯、キセノン灯、カーボンアーク灯等を光源とする光を使用することができる。具体的には、点光源であること、輝度の安定性から、超高圧水銀ランプ、キセノン水銀ランプが用いられることが多い。感光性着色組成物塗布面側から照射する紫外線量は、5〜1000mJ/cmの範囲で適宜設定できるが、工程上管理しやすい30〜300mJ/cmの範囲であることが好ましい。
なお、紫外線露光感度を上げるために、上記感光性着色組成物を塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ可溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、紫外線露光を行うこともできる。
未露光部を現像する工程では、アルカリ現像液に浸漬するか、もしくはスプレーなどにより現像液を噴霧して未硬化部を除去し、所望のパターンを形成する。
上記アルカリ現像型着色レジスト材として調製した着色組成物の現像に際しては、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。
現像後には、さらに、アルカリ現像型着色レジスト材の重合を促進するため、必要に応じて加熱を施すこともできる。
透明基板あるいは反射基板上に各色画素パターンを形成する前に、あらかじめブラックマトリクスを形成しておくと、有機EL表示装置のコントラスト比を一層高めることができる。ブラックマトリクスとしては、クロムやクロム/酸化クロムの多層膜、窒化チタニウムなどの無機膜や、遮光剤を分散した樹脂膜が用いられるが、これらに限定されない。また、前記の透明基板あるいは反射基板上に薄膜トランジスター(TFT)をあらかじめ形成しておき、その後に各色画素パターンを形成することもできる。TFT基板上に各色画素パターンを形成することにより、有機EL表示パネルの開口率を高め、輝度を向上させることができる。
本発明のカラーフィルタ上には、必要に応じてオーバーコート膜や透明導電膜などが形成される。
カラーフィルタにおける各色画素パターンの膜厚は、透過率、カラーフィルタの生産性の問題から、3.0μm以下であることが好ましく、2.5μm以下であることがより好ましい。
本発明のカラーフィルタが具備する各色画素パターンは、少なくとも、色素、透明樹脂およびその前駆体の混合物からなる色素担体を含有する着色組成物を用いて形成される。以下に、着色組成物について詳細を述べるが、各色画素パターンに含まれる色素は、有機EL表示装置の色再現性に最も寄与するため、非常に重要である。そこで、まずは色素について説明する。
本発明のカラーフィルタを形成するために用いられる着色組成物は、色素を含む。色素としては染料又は顔料を用いることができる。
(緑色画素パターンの顔料)
緑色画素パターンには、例えばC.I.PigmentGreen 7、10、36、37、58等の緑色顔料を用いることができ、黄色顔料を併用できる。黄色顔料としては、C.I. Pigment Yellow1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、199、198、213、214が挙げられる。
(赤色画素パターンの顔料)
赤色画素パターンには、例えば、C.I.Pigment Red 7、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、81:1、81:2、81:3、81:4、146、168、177、178、179、184、185、187、200、202、208、210、224、242、246、254、255、264、270、272、279等の赤色顔料を用いることができる。また、必要に応じて、緑色画素パターンと同様の黄色顔料を併用できる。
(青色画素パターンの顔料)
青色画素パターンには、例えばC.I.Pigment Blue 15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64等の青色顔料を用いることができ、C.I.Pigment Violet 23等の紫色顔料や、C.I.Pigment Red 81:3を併用できる。
顔料は、顔料、水溶性無機塩および水溶性無機塩を実質的に溶解しない水溶性有機溶剤を含む混合物を混練(以下、この工程をソルトミリングと呼ぶ。)した後、水溶性無機塩と水溶性有機溶剤を除去することにより微細化することが好ましい。微細化した顔料を用いると、画素パターンの分光透過率が向上する。ソルトミリング時には、塩基性基含有誘導体、水溶性有機溶剤に少なくとも一部溶解する樹脂、あるいは分散剤等を併用することができる。このような処理によって得られた微細化顔料を用いることにより、より光学特性の優れた画素パターンを形成することができる。
顔料の平均一次粒子径は5nm以上500nm以下であることが好ましい。顔料の平均一次粒子径は5nm未満の場合、顔料を分散することが難しくなるため好ましくない。また、顔料の平均一次粒子径が500nmより大きい場合、画素パターンにおける顔料のパッキング状態が悪くなり、膜厚を薄くすることが困難になるため好ましくない。
(染料)
着色組成物に使用できる染料の具体例としては、C.I.Acid Red52、87、92、122、486、Solvent Red8、24、83、109、125、132、C.I.Disperse Red60、72、88、206、C.I.Basic Red12、27、C.I.Acid Blue9、40、83、129、249、C.I.Solvent Blue25、35、36、55、67、70、C.I.Disperse Blue56、81、60、87、149、197、211、214、C.I.Basic Blue1、7、26、77、C.I.Acid Green18、C.I.Solvent Green3、C.I.Basic Green1、C.I.Acid Yellow38、99、C.I.Solvent Yellow25、88、89、146、C.I.Disperse Yellow、42、60、87、198、C.I.Basic Yellow21などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
着色組成物の全不揮発成分中において、好ましい色素成分の濃度は、充分な色再現性を得る観点から1〜90重量%であり、より好ましくは2〜80重量%であり、最も好ましくは30〜70重量%である。色素成分の濃度が1重量%未満になると十分な色再現性を得ることができず、90重量%を超えると色素担体の濃度が低くなり、着色組成物の安定性が悪くなる。
着色組成物には、前記色素に加えて色素担体が含まれ、その他の添加剤が使用されてもよい。
(色素担体)
色素担体は、透明樹脂およびその前駆体の混合物から構成され、形成される画素パターンにおいて、樹脂質バインダーを提供する。透明樹脂は、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の樹脂である。透明樹脂には、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、および紫外線硬化性樹脂が含まれ、その前駆体には、紫外線照射により硬化して透明樹脂を生成するモノマーもしくはオリゴマーが含まれ、これらを単独で、または2種以上混合して用いることができる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ブチラール樹脂、スチレンーマレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン、ポリブタジエン、ポリイミド樹脂等が挙げられる。また、熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
紫外線硬化性樹脂としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等の反応性の置換基を有する線状高分子にイソシアネート基、アルデヒド基、エポキシ基等の反応性置換基を有する(メタ)アクリル化合物やケイヒ酸を反応させて、(メタ)アクリロイル基、スチリル基等の光架橋性基を該線状高分子に導入した樹脂が用いられる。また、スチレン−無水マレイン酸共重合物やα−オレフィン−無水マレイン酸共重合物等の酸無水物を含む線状高分子をヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル化合物によりハーフエステル化したものも用いられる。
透明樹脂の前駆体であるモノマー、オリゴマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、1, 6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、エステルアクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられる。これらは、単独でまたは2種類以上混合して用いることができる。
とりわけ、着色組成物塗膜をアルカリ現像する場合には、アルカリ可溶性を有する透明樹脂を用いることが好ましい。中でも、アルカリ可溶性を有する熱可塑性樹脂または紫外線硬化性樹脂を含むことが好ましい。
色素担体の含有量は、色素100重量部に対して20〜400重量部であることが好ましく、より好ましくは50〜250重量部である。
また、色素担体を構成する透明樹脂の重量平均分子量(Mw)は5000〜50000の範囲であることが好ましく、より好ましくは8000〜40000である。
着色組成物は、1種または2種以上の色素を、色素担体中に三本ロールミル、二本ロールミル、サンドミル、ニーダー、アトライター等の各種分散手段を用いて微細に分散して製造することができる。また、2種以上の色素を含む着色組成物は、各色素を別々に色素担体中に微細に分散したものを混合して製造することもできる。色素を色素担体に分散する際には、適宜、樹脂型顔料分散剤、界面活性剤、色素誘導体等の分散助剤、有機溶剤を含有させることができる。分散助剤は、色素の分散に優れ、分散後の色素の再凝集を防止する効果が大きいので、分散助剤を用いて色素を色素担体中に分散してなる着色組成物を用いた場合には、透明性に優れたカラーフィルタが得られる。また、色素を色素担体に分散する際には、色素を充分に色素担体中に分散させるため、有機溶剤を含有させることが望ましい。
界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレートなどのノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物などのカオチン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤が挙げられる。これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。界面活性剤は、色素100重量部に対して、通常、50重量部以下、好ましくは30重量部以下の量で用いることができる。
樹脂型分散剤は、色素に吸着する性質を有する色素親和性部位と、色素担体と相溶性のある部位とを有し、色素に吸着して色素の色素担体への分散を安定化する働きをするものである。樹脂型分散剤として具体的には、ポリウレタン、ポリアクリレートなどのポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩などの油性分散剤;(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、燐酸エステル系等が挙げられる。これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。樹脂型分散剤は、色素100重量部に対して、通常、0.1〜50重量部、好ましくは1〜30重量部の量で用いることができる。
色素誘導体は、有機色素に置換基を導入した化合物であり、色素の凝集を防ぎ、色素が微細に分散した状態を維持する働きをするものである。有機色素としてはジケトピロロピロール系顔料、アゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系顔料、銅フタロシアニン、ハロゲン化銅フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、アミノアントラキノン、ジアミノジアントラキノン、アントラピリミジン、フラバントロン、アントアントロン、インダントロン、ピラントロン、ビオラントロン等のアントラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、チオインジゴ系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、スレン系顔料、金属錯体系顔料が挙げられる。色素誘導体としては、例えば特開昭63−305173号公報、特公昭57−15620号公報、特公昭59−40172号公報、特公昭63−17102号公報、特公平5−9469号公報等に記載されているものを使用でき、これらは単独でまたは2種類以上を混合して用いることができる。
色素誘導体は、色素100重量部に対して、通常、0.1〜40重量部、好ましくは1〜30重量部の量で用いることができる。
好ましい色素誘導体の具体例を、表1に示す。
Figure 2011028134
(有機溶剤)
着色組成物には、色素を充分に色素担体中に分散させ、ガラス基板等の透明基板上に乾燥膜厚が3.3μm以下となるように塗布して画素パターンを形成することを容易にするために有機溶剤を含有させることができる。有機溶剤としては、溶剤としては、例えば1,2,3−トリクロロプロパン、1,3−ブタンジオール、1,3-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコールジアセテート、1,4−ジオキサン、2−ヘプタノン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,5,5-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-オン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メチル−1,3−ブタンジオール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、3-メトキシブタノール、3−メトキシブチルアセテート、4−ヘプタノン、m−キシレン、m−ジエチルベンゼン、m−ジクロロベンゼン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、n−ブチルアルコール、n−ブチルベンゼン、n−プロピルアセテート、N−メチルピロリドン、o−キシレン、o−クロロトルエン、o−ジエチルベンゼン、o−ジクロロベンゼン、p−クロロトルエン、p−ジエチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、γ―ブチロラクトン、イソブチルアルコール、イソホロン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノールアセテート、シクロヘキサノン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ダイアセトンアルコール、トリアセチン、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ベンジルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノール、酢酸n−アミル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、二塩基酸エステル等が挙げられ、これらを単独でもしくは混合して用いる。
有機溶剤は、色素100重量部に対して500〜4000重量部の割合で用いることが好ましい。
(その他の添加剤)
着色組成物には、さらに光重合開始剤が添加され、必要に応じて、多官能チオール、レベリング剤、貯蔵安定剤等が添加される。光重合開始剤の配合量は、色素の全量を基準(100重量%)として、5〜200重量%であることが好ましく、光硬化性及び現像性の観点から10〜150重量%であることがより好ましい。
光重合開始剤としては、
4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、及び2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン等のアセトフェノン系光重合開始剤;
ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、及びベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系光重合開始剤;
ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、及び4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン系光重合開始剤;
チオキサンソン、2−クロルチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、及び2,4−ジイソプロピルチオキサンソン等のチオキサンソン系光重合開始剤;
2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、及び2,4−トリクロロメチル(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系光重合開始剤;
ボレート系光重合開始剤; カルバゾール系光重合開始剤; イミダゾール系光重合開始剤;並びに、オキシムエステル系光重合開始剤等が用いられる。
中でもアセトフェノン系開始剤を使用した場合、画素パターンの傾斜角を90度以下にすることが容易に達成できるため、特に好ましい。
上記光重合開始剤は、単独あるいは2種以上混合して用いるが、増感剤として、
α−アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’−ジエチルイソフタロフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、及び4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等の化合物を併用することもできる。
増感剤を使用する際の配合量は、着色組成物中に含まれる光重合開始剤を基準(100重量%)として、3〜60重量%であることが好ましく、光硬化性、現像性の観点から5〜50重量%であることがより好ましい。
さらに、着色組成物には、連鎖移動剤としての働きをする多官能チオールを含有させることができる。
多官能チオールは、チオール基を2個以上有する化合物であればよく、例えば、ヘキサンジチオール 、デカンジチオール 、1,4−ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4−ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6−トリメルカプト−s−トリアジン、2−(N,N−ジブチルアミノ)−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン等が挙げられる。これらの多官能チオールは、1種または2種以上混合して用いることができる。
多官能チオールは、着色組成物中の色素100重量部に対して、0.1〜50重量部、好ましくは 1〜20重量部の量で用いることができる。
<レベリング剤>
着色組成物には、基板上での組成物のレベリング性を良くするため、レベリング剤を添加することが好ましい。レベリング剤としては、主鎖にポリエーテル構造又はポリエステル構造を有するジメチルシロキサンが好ましい。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、東レ・ダウコーニング社製FZ−2122、ビックケミー社製BYK−333などが挙げられる。主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、ビックケミー社製BYK−310、BYK−370などが挙げられる。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンと、主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンとは、併用することもできる。レベリング剤の含有量は通常、着色組成物の全重量を基準(100重量%)に対して0.003〜0.5重量%である。
レベリング剤として特に好ましいものとしては、分子内に疎水基と親水基を有するいわゆる界面活性剤の一種で、親水基を有しながらも水に対する溶解性が小さく、着色組成物に添加した場合、その表面張力低下能が低いという特徴を有し、さらに表面張力低下能が低いにも拘らずガラス板への濡れ性が良好なものが有用であり、泡立ちによる塗膜の欠陥が出現しない添加量において十分に帯電性を抑止できるものが好ましく使用できる。
レベリング剤としては、ポリアルキレンオキサイド単位を有するジメチルポリシロキサンが好ましく使用できる。ポリアルキレンオキサイド単位としては、ポリエチレンオキサイド単位、ポリプロピレンオキサイド単位があり、ジメチルポリシロキサンは、ポリエチレンオキサイド単位とポリプロピレンオキサイド単位とを共に有していてもよい。
また、ポリアルキレンオキサイド単位のジメチルポリシロキサンとの結合形態は、ポリアルキレンオキサイド単位がジメチルポリシロキサンの繰り返し単位中に結合したペンダント型、ジメチルポリシロキサンの末端に結合した末端変性型、ジメチルポリシロキサンと交互に繰り返し結合した直鎖状のブロックコポリマー型のいずれであっても良い。
ポリアルキレンオキサイド単位を有するジメチルポリシロキサンは、東レ・ダウコーニング株式会社から市販されており、例えば、FZ-2110、FZ-2122、FZ-2130、FZ-2166、FZ-2191、FZ-2203、FZ-2207が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
レベリング剤には、先に例示した、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、または両性の界面活性剤を補助的に加えることも可能である。界面活性剤は、2種以上混合して使用しても構わない。
着色組成物には、組成物の経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させることができる。貯蔵安定剤としては、例えばハイドロキノン、メチルハイドロキノン、2,5ジ−tert−ブチルハイドロキノン、tert−ブチルハイドロキノン、tert−ブチル−βベンゾキノン、tert−ブチルハイドロキノン2,5ジフェニル−p−ベンゾキノンなどのハイドロキノン系化合物、ベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸及びそのメチルエーテル、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリベンジルホスフィンなどのホスフィン化合物、トリオクチルホスフィンオキサイド、トリフェニルホスフィンオキサイドなどのホスフィンオキサイド化合物、トリフェニルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイトなどのホスファイト化合物、t−ブチルピロカテコールなどが挙げられる。貯蔵安定剤は、着色組成物中の色素100重量部に対して、0.001〜10重量部の量で用いることができる。
着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィルタ等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。
次に、本発明のカラーフィルタを備えた有機EL表示装置について説明する。
有機EL素子は、陽極と陰極間に一層または多層の有機層を形成した素子から構成されるが、ここで、一層型有機EL素子とは、陽極と陰極との間に発光層のみからなる素子を指す。一方、多層型有機EL素子とは、発光層の他に、発光層への正孔や電子の注入を容易にしたり、発光層内での正孔と電子との再結合を円滑に行わせたりすることを目的として、正孔注入層、正孔輸送層、正孔阻止層、電子注入層などを積層させたものを指す。したがって、多層型有機EL素子の代表的な素子構成としては、(1)陽極/正孔注入層/発光層/陰極、(2)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/陰極、(3)陽極/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰極、(4)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子注入層/陰極、(5)陽極/正孔注入層/発光層/正孔阻止層/電子注入層/陰極、(6)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子注入層/陰極、(7)陽極/発光層/正孔阻止層/電子注入層/陰極、(8)陽極/発光層/電子注入層/陰極等の多層構成で積層した素子構成が考えられる。
また、上述した各有機層は、それぞれ二層以上の層構成により形成されても良く、いくつかの層が繰り返し積層されていても良い。そのような例として、近年、光取り出し効率の向上を目的に、上述多層型有機EL素子の一部の層を多層化する「マルチ・フォトン・エミッション」と呼ばれる素子構成が提案されている。これは例えば、ガラス基板/陽極/正孔輸送層/電子輸送性発光層/電子注入層/電荷発生層/発光ユニット/陰極から構成される有機EL素子に於いて、電荷発生層と発光ユニットの部分を複数層積層するといった方法があげられる。
まず、各層に用いることのできる材料を具体的に例示するが、これらに限定されるものではない。
正孔注入層に用いることができる材料としては、フタロシアニン系化合物が有効であり、銅フタロシアニン(略:CuPc)、バナジルフタロシアニン(略:VOPc)等を用いることが出来る。また、導電性高分子化合物化学ドーピングを施した材料もあり、ポリエチレンジオキシチオフェン(略:PEDOT)にポリスチレンスルフォン酸(略:PSS)をドープした材料や、ポリアニリン(略:PANI)などを用いることもできる。また、酸化モリブデン(略:MoOx)、酸化バナジウム(略:VOx)、酸化ニッケル(略:NiOx)などの無機半導体の薄膜や、酸化アルミニウム(略:Al3)などの無機絶縁体の超薄膜も有効である。また、4 , 4’,4 ’’−トリス(N, N−ジフェニル−アミノ)−トリフェニルアミン(略:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニル−アミノ] −トリフェニルアミン( 略:MTDATA)、N,N’ −ビス(3−メチルフェニル)− N,N’−ジフェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン( 略:TPD) 、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(略:α− N TPD)、4,4’−ビス[N−(4−(N,N−ジ−m−トリル)アミノ)フェニル−N −フェニルアミノ]ビフェニル( 略:DNTPD)などの芳香族アミン系化合物も用いることができる。さらに、それら芳香族アミン系化合物に対してアクセプタ性を示す物質を芳香族アミン系化合物に添加してもよく、具体的にはVOPc にアクセプタである2,3,5,6−テトラフルオロ−7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン( 略:F4−TCNQ)を添加したものや、α−NPDにアクセプタであるMoOxを添加したものを用いてもよい。
正孔輸送層に用いることができる材料としては、芳香族アミン系化合物が好適であり、正孔注入材料で記述したTDATA 、MTDATA、TPD、α−NPD、DNTPDなどを用いることができる。
電子輸送層に用いることができる電子輸送材料としては、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム( 略:Alq3 )、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム( 略:Almq3)、ビス(1 0−ヒドロキシベンゾ[ h ]−キノリナト) ベリリウム(略:BeBq2 )、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−フェニルフェノラト)アルミニウム(略:BAlq)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾラト]亜鉛(略:Zn(BOX )2 )、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾラト]亜鉛(略:Zn(BTZ)2 )などの金属錯体が挙げられる。さらに、金属錯体以外にも、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1, 3,4−オキサジアゾール(略:PBD) 、1,3−ビス[ 5−( p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2− イル]ベンゼン(略:OXD−7) などのオキサジアゾール誘導体、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−5−(4−ビフェニリル)−1,2 ,4−トリアゾール(略:TAZ)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−(4−エチルフェニル)−5−( 4−ビフェニリル)− 1,2,4−トリアゾール(略:p−EtTA Z)などのトリアゾール誘導体、2,2’, 2”−(1,3,5−ベンゼントリイル)トリス[1−フェニル−1H−ベンズイミダゾール]( 略:TPBI)のようなイミダゾール誘導体、バソフェナントロリン( 略:BP hen) 、バソキュプロイン( 略:BCP) などのフェナントロリン誘導体を用いることができる。
電子注入層に用いることができる材料としては、先に記述したAlq3、Almq3、BeBq2、BAlq 、Zn(BOX)2、Zn(BTZ)2、PBD、OXD−7 、TAZ、p−EtTAZ、TPBI、BPhen 、BCPなどの電子輸送材料を用いることができる。その他に、LiF、CsFなどのアルカリ金属ハロゲン化物や、CaF2 のようなアルカリ土類ハロゲン化物、Li2Oなどのアルカリ金属酸化物のような絶縁体の超薄膜がよく用いられる。また、リチウムアセチルアセトネート(略:Li(acac))や8−キノリノラト−リチウム( 略:Liq)などのアルカリ金属錯体も有効である。また、これら電子注入材料に対してドナー性を示す物質を電子注入材料に添加してもよく、ドナーとしてはアルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属などを用いることができる。具体的にはBCPにドナーであるリチウムを添加したものや、Alq3 にドナーであるリチウムを添加したものを用いることができる。
さらに、正孔阻止層には、発光層を経由した正孔が電子注入層に達するのを防ぎ、薄膜形成性に優れた層を形成できる正孔阻止材料が用いられる。そのような正孔阻止材料の例としては、ビス(8−ヒドロキシキノリナ−ト)(4−フェニルフェノラ−ト)アルミニウム等のアルミニウム錯体化合物や、ビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナ−ト)(4−フェニルフェノラ−ト)ガリウム等のガリウム錯体化合物、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(略:BCP)等の含窒素縮合芳香族化合物があげられる。
白色の発光を得る発光層としては特に制限はないが、有機EL積層構造体の各層のエネルギ−準位を規定し、トンネル注入を利用して発光させるもの(欧州特許第0390551号公報)、同じくトンネル注入を利用する素子で実施例として白色発光素子が記載されているもの(特開平3−230584号公報)、二層構造の発光層が記載されているもの(特開平2−220390号公報および特開平2−216790号公報)、発光層を複数に分割してそれぞれ発光波長の異なる材料で構成されたもの(特開平4−51491号公報)、青色発光体(蛍光ピ−ク380〜480nm)と緑色発光体(480〜580nm)とを積層させ、さらに赤色蛍光体を含有させた構成のもの(特開平6−207170号公報)、青色発光層が青色蛍光色素を含有し、緑色発光層が赤色蛍光色素を含有した領域を有し、さらに緑色蛍光体を含有する構成のもの(特開平7−142169号公報)等が挙げられる。
さらに、本発明に用いられる発光材料として、例えば、下記に示す公知の化合物が好適に用いられる。
青色の発光は、ペリレン、2,5,8,11−テトラ−t−ブチルペリレン(略:TBP) 、9,10−ジフェニルアントラセン誘導体などをゲスト材料として用いることによって得られる。また、4 ,4’−ビス( 2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル(略:DPVBi )などのスチリルアリーレン誘導体や、9,10−ジ−2−ナフチルアントラセン(略:DNA) 、9,10−ビス(2−ナフチル)−2−tert− ブチルアントラセン(略:t−BuDNA)などのアントラセン誘導体から得ることができる。また、ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン)等のポリマーを用いても良い。
好ましい化合物の化合構造を、以下に示す。
化合物(B−1)
Figure 2011028134

化合物(B−2)
Figure 2011028134

化合物(B−3)
Figure 2011028134

化合物(B−4)
Figure 2011028134

化合物(B−5)
Figure 2011028134

化合物(B−6)
Figure 2011028134
緑色の発光は、クマリン30、クマリン6などのクマリン系色素や、ビス[2−(2,4− ジフルオロフェニル) ピリジナト] ピコリナトイリジウム(略:FIrpic)、ビス(2− フェニルピリジナト)アセチルアセトナトイリジウム(略:Ir(ppy)(a cac))などをゲスト材料として用いることによって得られる。また、トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム(略:Alq3)、BAlq 、Zn(BTZ)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)クロロガリウム(略:Ga(mq)2Cl) などの金属錯体からも得ることができる。また、ポリ(p−フェニレンビニレン)等のポリマーを用いても良い。
好ましい化合物の化合構造を、以下に示す。
化合物(G−1)
Figure 2011028134

化合物(G−2)
Figure 2011028134

化合物(G−3)
Figure 2011028134

化合物(G−4)
Figure 2011028134
橙色から赤色の発光は、ルブレン、4−( ジシアノメチレン)−2−[ p−( ジメチルアミノ) スチリル]−6−メチル−4H−ピラン(略:DCM1) 、4−( ジシアノメチレン)−2−メチル−6−(9−ジュロリジル)エチニル−4H−ピラン(略:DCM2) 、4−( ジシアノメチレン)−2,6−ビス[ p−( ジメチルアミノ)スチリル]−4H−ピラン( 略:BisDCM)、ビス[ 2−(2−チエニル)ピリジナト]アセチルアセトナトイリジウム(略:Ir(th p)2 (acac) ) 、ビス(2−フェニルキノリナト) アセチルアセトナトイリジウム(略:Ir(pq)(acac))などをゲスト材料として用いることによって得られる。ビス(8−キノキリノラト)亜鉛( 略:Znq2 )やビス[2−シンナモイル−8−キノリノラト] 亜鉛(略:Znsq 2)などの金属錯体からも得ることができる。また、ポリ(2 ,5−ジアルコキシ−1,4−フェニレンビニレン) 等のポリマーを用いても良い。
好ましい化合物の化合構造を、以下に示す。
化合物(R−1)
Figure 2011028134

化合物(R−2)
Figure 2011028134

化合物(R−3)
Figure 2011028134

化合物(R−4)
Figure 2011028134

化合物(R−5)
Figure 2011028134

化合物(R−6)
Figure 2011028134

化合物(R−7)
Figure 2011028134
さらに、本発明の有機EL素子の陽極に使用される材料は、仕事関数の大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物またはこれらの混合物を電極物質とするものが好ましく用いられる。このような電極物質の具体例としては、Au等の金属、CuI、ITO、SNO、ZNO等の導電性材料が挙げられる。この陽極を形成するには、これらの電極物質を、蒸着法やスパッタリング法等の方法で薄膜を形成させることができる。この陽極は、上記発光層からの発光を陽極から取り出す場合、陽極の発光に対する透過率が10%より大きくなるような特性を有していることが望ましい。また、陽極のシ−ト抵抗は、数百Ω/□以下としてあるものが好ましい。さらに、陽極の膜厚は、材料にもよるが通常10Nm〜1μm、好ましくは10〜200nmの範囲で選択される。
また、本発明の有機EL素子の陰極に使用される材料は、仕事関数の小さい(4eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物およびこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム・銀合金、アルミニウム/酸化アルミニウム、アルミニウム・リチウム合金、インジウム、希土類金属などが挙げられる。この陰極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させることにより、作製することができる。ここで、発光層からの発光を陰極から取り出す場合、陰極の発光に対する透過率は10%より大きくすることが好ましい。また、陰極としてのシ−ト抵抗は数百Ω/□以下が好ましく、さらに、膜厚は通常10nm〜1μm、好ましくは50〜200Nmである。
本発明の有機EL素子を作製する方法については、上記の材料および方法により陽極、発光層、必要に応じて正孔注入層、および必要に応じて電子注入層を形成し、最後に陰極を形成すればよい。また、陰極から陽極へ、前記と逆の順序で有機EL素子を作製することもできる。
この有機EL素子は、透光性の基板上に作製する。この透光性基板は有機EL素子を支持する基板であり、その透光性については、400〜700nmの可視領域の光の透過率が50%以上、好ましくは90%以上であるものが望ましく、さらに平滑な基板を用いるのが好ましい。
これら基板は、機械的、熱的強度を有し、透明であれば特に限定されるものではないが、例えば、ガラス板、合成樹脂板などが好適に用いられる。ガラス板としては、特にソ−ダ石灰ガラス、バリウム・ストロンチウム含有ガラス、鉛ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、石英などで成形された板が挙げられる。また、合成樹脂板としては、ポリカ−ボネ−ト樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレ−ト樹脂、ポリエ−テルサルファイド樹脂、ポリサルフォン樹脂などの板が挙げられる。
本発明の有機EL素子の各層の形成方法としては、真空蒸着、電子線ビ−ム照射、スパッタリング、プラズマ、イオンプレ−ティング等の乾式成膜法、もしくはスピンコ−ティング、ディッピング、フロ−コ−ティング、インクジェット法等の湿式成膜法、発光体をドナ−フイルム上に蒸着する方法、また、特表2002−534782やS.T.Lee, et al., Proceedings of SID’02, p.784(2002)に記載されているLITI(Laser Induced Thermal Imaging、レーザー熱転写)法や、印刷(オフセット印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷)、インクジェット等の方法を適用することもできる。
有機層は、特に分子堆積膜であることが好ましい。ここで分子堆積膜とは、気相状態の材料化合物から沈着され形成された薄膜や、溶液状態または液相状態の材料化合物から固体化され形成された膜のことであり、通常この分子堆積膜は、LB法により形成された薄膜(分子累積膜)とは凝集構造、高次構造の相違や、それに起因する機能的な相違により区分することができる。また特開昭57−51781号公報に開示されているように、樹脂等の結着剤と材料化合物とを溶剤に溶かして溶液とした後、これをスピンコ−ト法等により薄膜化することによっても、有機層を形成することができる。各層の膜厚は特に限定されるものではないが、膜厚が厚すぎると一定の光出力を得るために大きな印加電圧が必要となり効率が悪くなり、逆に膜厚が薄すぎるとピンホ−ル等が発生し、電界を印加しても充分な発光輝度が得にくくなる。したがって、各層の膜厚は、1nmから1μmの範囲が適しているが、10nmから0.2μmの範囲がより好ましい。
また、有機EL素子の温度、湿度、雰囲気等に対する安定性向上のために、素子の表面に保護層を設けたり、樹脂等により素子全体を被覆や封止を施したりしても良い。特に素子全体を被覆や封止する際には、光によって硬化する光硬化性樹脂が好適に使用される。
本発明の有機EL素子に印加する電流は通常、直流であるが、パルス電流や交流を用いてもよい。電流値、電圧値は、素子破壊しない範囲内であれば特に制限はないが、素子の消費電力や寿命を考慮すると、なるべく小さい電気エネルギ−で効率良く発光させることが望ましい。
本発明の有機EL素子の駆動方法は、パッシブマトリクス法のみならず、アクティブマトリックス法での駆動も可能である。また、本発明の有機EL素子から光を取り出す方法としては、陽極側から光を取り出すボトム・エミッションという方法のみならず、陰極側から光を取り出すトップ・エミッションという方法にも適用可能である。これらの方法や技術は、城戸淳二著、「有機ELのすべて」、日本実業出版社(2003年発行)に記載されている。
本発明の有機EL素子のフルカラー化方式の主な方式としては、3色塗り分け方式、色変換方式、白色光源+カラーフィルタ方式があげられる。3色塗り分け方式では、シャドウマスクを使った蒸着法や、インクジェット法や印刷法があげられる。また、特表2002−534782やS.T.Lee, et al., Proceedings of SID’02, p.784(2002)に記載されているレーザー熱転写法(Laser Induced Thermal Imaging、LITI法ともいわれる)も用いることができる。3色塗り分け方式ではカラーフィルタを組み合わせることにより色純度を高くすることも可能である。色変換方式では、青色発光の発光層を使って、蛍光色素を分散した色変換(CCM)層を通して、青色より長波長の緑色と赤色に変換する方法である。色変換方式ではカラーフィルタを組み合わせることにより色純度を高くすることも可能である。白色光源+カラーフィルタ方式では、白色発光の有機EL素子を使って、液晶用カラーフィルタを通して3原色の光を取り出す方法であるが、これら3原色に加えて、一部白色光をそのまま取り出して発光に利用することで、素子全体の発光効率をあげることもできる。
さらに、本発明の有機EL素子は、マイクロキャビティ構造を採用しても構わない。これは、有機EL素子は、発光層が陽極と陰極との間に挟持された構造であり、発光した光は陽極と陰極との間で多重干渉を生じるが、陽極及び陰極の反射率、透過率などの光学的な特性と、これらに挟持された有機層の膜厚とを適当に選ぶことにより、多重干渉効果を積極的に利用し、素子より取り出される発光波長を制御するという技術である。これにより、発光色度を改善することも可能となる。この多重干渉効果のメカニズムについては、J.Yamada等によるAM−LCD Digest of Technical Papers, OD−2,p.77〜80(2002)に記載されている。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。なお、実施例および比較例中、「部」とは「重量部」を意味する。
(アクリル樹脂溶液1の調製)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けた反応容器に、シクロヘキサノン70.0部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりn−ブチルメタクリレート13.3部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート4.6部、メタクリル酸4.3部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成社製「アロニックスM110」)7.4部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.4部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、固形分30重量%、重量平均分子量26000のアクリル樹脂の溶液を得た。
室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、測定結果に基づき、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにシクロヘキサノンを添加してアクリル樹脂溶液1を調製した。
(アクリル樹脂溶液2の調整)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けた反応容器に、シクロヘキサノン520.0部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりメタクリル酸7.0部、ベンジルメタクリレ−ト32.0部、2−ヒドロキシエチルメタクリレ−ト101.0部、メチルメタクリレ−ト11.0部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル2.0部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、アゾビスイソブチロニトリル1.0部をシクロヘキサノン50部に溶解させたものを添加し、さらに80℃で1時間反応を続けて、共重合体溶液を得た。次に得られた共重合体溶液337部に対して、2−メタクロイルエチルイソシアネ−ト33.0部、ラウリン酸ジブチル錫0.4部、シクロヘキサノン130.0部の混合物を70℃の条件で3時間かけて滴下した。
室温まで冷却した後、樹脂溶液約2Gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、測定結果に基づき、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにシクロヘキサノンを添加して感光性樹脂溶液(アクリル樹脂溶液2を調製した。得られた感光性樹脂の重量平均分子量は約37000、二重結合当量は460であった。
(緑色処理顔料1の調製)
フタロシアニン系緑色顔料C.I. Pigment Green36(東洋インキ製造社製「リオノールグリーン 6YK」)500部、塩化ナトリウム500部、およびジエチレングリコール250部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、120℃で4時間混練した。次に、この混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、490部の緑色処理顔料1(G1)を得た。
(黄色処理顔料1の調製)
フタロシアニン系緑色顔料C.I. Pigment Green36をアゾ系黄色顔料C.I. Pigment Yellow150(ランクセス社製「E−4GN」)に代えた以外は、緑色処理顔料1の調製と同様にして、490部の黄色処理顔料1(Y1)を得た。
(黄色処理顔料2の調製)
フタロシアニン系緑色顔料C.I. Pigment Green36をイソインドリノン系黄色顔料C.I. Pigment Yellow139(チバ・ジャパン社製「イルガフォアイエロー 2R−CF」)に代え、混練時間を4時間から8時間に代えた以外は、緑色処理顔料1の調製と同様にして、490部の黄色処理顔料2(Y2)を得た。
(青色処理顔料1の調製)
青色顔料C.I. Pigment Blue15:6(東洋インキ製造株式会社製「LIONOL BLUE ES」)200部、塩化ナトリウム1600部、およびジエチレングリコール(東京化成社製)100部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、70℃で12時間混練した。次に、この混合物を約5リットルの温水に投入し、約70℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間撹拌してスラリー状とした後、濾過、水洗して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除き、80℃で24時間乾燥し、198部の青色顔料1(B1)を得た。
(赤色処理顔料1の調製)
赤色顔料C.I. Pigment Red254(チバ・ジャパン社製「IRGAZIN RED 2030」)160部、塩化ナトリウム1600部、およびジエチレングリコール(東京化成社製)190部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で10時間混練した。次に、この混合物を約5リットルの温水に投入し、約70℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間撹拌してスラリー状とした後、濾過、水洗して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除き、80℃で24時間乾燥し、156部の赤色顔料1(R1)を得た。
(顔料分散体GP−1、YP1〜2、BP−1、及びRP−1の作製)
表5に示す組成の、顔料、色素誘導体(表1)、アクリル樹脂溶液1および有機溶剤の混合物を均一に撹拌混合した後、直径1mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で5時間分散した。その後RP−1にはメトキシプロピルアセテート(PGMEA)を30.0部、GP−1、YP1〜2、BP−1にはシクロヘキサノンを30.0部加えた後、5μmのフィルタで濾過し、それぞれの顔料分散体を作製した。
Figure 2011028134
(着色組成物(アルカリ現像型レジスト材)RR−1、GR−1及びBR−1、BR−2の作製)
ついで、表6に示す混合物を均一になるように攪拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して、各色着色組成物(アルカリ現像型レジスト材)を得た。表6中のジペンタエリスリトールヘキサアクリレート/ペンタアクリレート混合物としては、東亞合成株式会社製「アロニクスM402」を用いた。また、レベリング剤溶液としては、東レ・ダウコーニング社製「FZ−2122」(不揮発分100重量%))1部をシクロヘキサノン99部で希釈した溶液を用いた。
Figure 2011028134
[フォトマスクの作製]
石英ガラス上に形成されたクロムおよび酸化クロムの2層膜から成る遮光部を有するフォトマスクをフォトエッチング法により作製した。ここで、クロムおよび酸化クロム膜のスパッタリング時間とエッチング時間を代えることで、幅204μmのストライプの1画素内に、図3に示す開口部(A−1)と2μm間隔のスリットを配した平均透過率50%の半遮光部(A−2)の繰り返しパターンを有する領域と、幅204μmのストライプ遮光部パターンを有するフォトマスクAを作製した。ここで、クロムおよび酸化クロムの2層膜のエッチングには硝酸セリウム系クロム膜エッチング液を用いた。同様の方法により、1画素内に図4及び図5に示す開口部と遮光部の繰り返しパターンを有するフォトマスクB及びCを作製した。
[カラーフィルタの作製]
(実施例1)
ガラス基板上にブラックマトリクスをパターン加工し、該基板上にスピンコーターで表6に示す赤色着色組成物(RR−1)を塗布し、赤色着色組成物の被膜を形成した。該被膜にフォトマスクAを介して、超高圧水銀ランプを用いて照度20mW/cmにて150mJ/cmの紫外線を照射した。次いで炭酸ナトリウム0.15重量% 炭酸水素ナトリウム0.05重量% 陰イオン系界面活性剤(花王社製「ペリレックスNBL」)0.1重量%及び水99.7重量%からなるアルカリ現像液によりスプレー現像して未露光部分を取り除いた後、イオン交換水で洗浄し、この基板を230℃で20分加熱して、図6に示す膜厚の赤色画素のストライプパターンを形成した。同様の方法により、表6に示す緑色着色組成物(GR−1)を塗布し、フォトマスクAを介して紫外線を照射したのち、現像して赤色画素パターンの右隣に、図6に示すに示す膜厚の緑色画素のストライプパターンを形成した。次いで同様の方法により、表6に示す青色着色組成物(BR−1)を塗布し、フォトマスクAを介して紫外線を照射したのち、現像して赤色画素パターンの左隣に、図6に示すに示す膜厚の青色画素のストライプパターンを形成してカラーフィルタを作製した。
(実施例2)
フォトマスクCを用いたことを除き、実施例1と同様の方法によりガラス基板上に膜厚1.75μmのカラーフィルタを作製した。この膜厚1.75μmのカラーフィルタの上に、再度感光性着色組成物を塗布し被膜を形成した後、フォトマスクBを用いて膜厚を厚くする領域のみを照度20mW/cmにて150mJ/cmの紫外線を照射し露光した後、実施例1と同一のアルカリ現像液によりスプレー現像して未露光部分を取り除いた後、イオン交換水で洗浄し、この基板を230℃で20分加熱して画素パターンを積層したことを除き、実施例1と同様の方法で図6に示す膜厚を有するカラーフィルタを作製した。
(実施例3)
ガラス基板上にブラックマトリクスをパターン加工し、該基板上にスピンコーターで表6に示す赤色着色組成物(RR−1)を塗布し、赤色着色組成物の被膜を形成した。該被膜にフォトマスクCを介して、超高圧水銀ランプを用いて照度20mW/cmにて30mJ/cmの紫外線を照射した。次いで該被膜にフォトマスクBを介して、超高圧水銀ランプを用いて照度20mW/cmにて120mJ/cmの紫外線を膜厚を厚くする領域のみに照射した。その後、炭酸ナトリウム0.15重量% 炭酸水素ナトリウム0.05重量% 陰イオン系界面活性剤(花王社製「ペリレックスNBL」)0.1重量%及び水99.7重量%からなるアルカリ現像液によりスプレー現像して未露光部分を取り除いた後、イオン交換水で洗浄し、この基板を230℃で20分加熱して、図6に示す膜厚の赤色画素のストライプパターンを形成した。同様の方法により、緑色着色組成物(GR−1)を用いて赤色画素パターンの右隣に、図6に示すに示す膜厚の緑色画素のストライプパターンを形成した。次いで同様の方法により、青色着色組成物(BR−1)を用いて赤色画素パターンの左隣に、図6に示すに示す膜厚の青色画素のストライプパターンを形成してカラーフィルタを作製した。
(実施例4)
青色着色組成物としてBR−2を用いたことを除き、実施例2と同様にして図8に示す膜厚の青色画素パターンを有するカラーフィルタを作製した。
(比較例1)
フォトマスクCを用いたことを除き、実施例1と同様の方法により図7に示す膜厚を有するカラーフィルタを作製した。
(比較例2)
青色着色組成物としてBR−2を用い、フォトマスクBを用いてBR−2を露光するとき照度10mW/cmにて200mJ/cmの紫外線を照射したことを除き、実施例2と同様にして図9に示す膜厚の青色画素パターンを有するカラーフィルタを作製した。
[カラーフィルタの光透過率測定]
実施例1にて作製したカラーフィルタ(図6)の各色セグメントにおいて、膜厚2.00μmにおける光透過率を分光顕微鏡により測定した結果を図10に示す。
[カラーフィルタの屈折率見積もり]
実施例1にて作製したカラーフィルタ(図6)の各色セグメントと実施例4にて作製したカラーフィルタの青色セグメント(図8)において、透過率が最大となる波長(λmax)における屈折率と、透過率が低い波長(λL)における屈折率を表7に示す。ここで、カラーフィルタの屈折率はアクリル樹脂溶液1の屈折率と顔料の屈折率の値と、着色組成物中の顔料及びアクリル樹脂の重量比率を用いて相加平均により概算した。アクリル樹脂溶液1の屈折率の測定はショット日本社製ホウ珪酸ガラス(TEMPAX Float)にアクリル樹脂溶液1を塗工した後、230℃で20分加熱した塗膜の屈折率をScientific Computing International社製光学薄膜測定システム FilmTek3000にて測定した。また、顔料の屈折率については、IR用錠剤成型器(直径20mm)を用いて顔料のペレットを作製した後、日本分光社製M−200シリーズエリプソメーターで吸着ステージを使用して入射角45度,バンド幅:2nmの条件で反射測定を行うことにより求めた。
Figure 2011028134
[カラーフィルタ塗膜の光透過率]
実施例1〜4、比較例2にて作製したカラーフィルタ(図6、図7)の各色セグメントにおいて、正面から入射する光L(0°)と斜め45°から入射する光L(45°)がカラーフィルタのS1面(傾斜角のない水平面)、S2面(傾斜角14°)に入射した場合の平均透過率を、図10の透過率データを用いてランバートベールの法則により求めた。ここで、S1面、S2面の膜厚については、全S1面、全S2面それぞれの平均の膜厚である2.00μmとした。また、L(45°)がS3面から入射する光はS1面、S2面に入射する光に比べて大幅に少ないため計算対象から除外した。また、L(0°)がS3面から入射する光についても、S2面から入射する光透過率と同等であるため計算対象から除外した。更に、実施例4、比較例2のカラーフィルタにおいては傾斜面の傾斜角が垂直に近いため、S1面に入射するL(0°)と比較してS2面に入射するL(0°)の割合が非常に小さいため、計算対象から除外した。計算結果を表8に示す。
Figure 2011028134
[カラーフィルタ上のオーバーコート剤塗布適性の評価]
実施例1〜4、比較例1〜2のカラーフィルタ上に、S1面における膜厚が2.00μmとなるようアクリル樹脂溶液1を塗布したあと、230℃で20分加熱した。その後、カラーフィルタ基板面内のアクリル樹脂溶液1の塗膜について、図11に定義する膜厚段差(D)を求めた。Dが0.6μm以下のとき、オーバーコート剤の塗布適性を○、0.6μmより大きいとき、オーバーコート剤の塗布適性を×とした。
オーバーコート剤の塗布適性の評価結果を表9に示す。
Figure 2011028134
表8から明らかなように、カラーフィルタのS1面とS2面の透過率を平均したS1・S2面平均透過率を見ると、S1面のみを有する比較例1のカラーフィルタと比較してS2面を有する実施例1〜4のカラーフィルタでは斜めから入射する不要な光(波長λL)の透過率を小さくすることができ、斜め方向からの視認性が良好であった。ここで、L(0°)のλmaxにおける透過率はS1面とS2面で同等であるため、正面から観察した場合の視認性は実施例1〜3と比較例1で同等となる。即ち、実施例1〜3のカラーフィルタは比較例1のカラーフィルタと比較して正面方向の視認性を損なうことなく斜め方向の視認性を改善することができる。また、オーバーコート剤の塗布適性も良好であった。
また、青色画素における傾斜面の傾斜角が90度よりも大きい比較例2のカラーフィルタでは、オーバーコート剤の塗布適性が悪かった。
図1は、傾斜面を有さない有機EL表示装置用カラーフィルタに、斜めから光が入射したときの光の進路方向を示す図である。 図2は、傾斜面を有する有機EL表示装置用カラーフィルタに、斜めから光が入射したときの光の進路方向を示す図である。 図3は、フォトマスクAの開口部・遮光部・半遮光部の繰り返しパターンを示す図である。 図4は、フォトマスクBの開口部・遮光部・遮光部の繰り返しパターンを示す図である。 図5は、フォトマスクCの開口部・遮光部・遮光部の繰り返しパターンを示す図である。 図6は、実施例1〜3の有機EL表示装置用カラーフィルタの断面図と有機EL表示装置に入射する光を示す図である。 図7は、比較例1の有機EL表示装置用カラーフィルタの断面図と有機EL表示装置に入射する光を示す図である。 図8は、実施例4の有機EL表示装置用カラーフィルタの断面図と有機EL表示装置に入射する光を示す図である。 図9は、比較例2の有機EL表示装置用カラーフィルタの断面図と有機EL表示装置に入射する光を示す図である。 図10は、膜厚2.00μmのカラーフィルタにおける分光透過率を示す図である。 図11は、アクリル樹脂溶液1の塗膜における膜厚段差Dを示す図である。

Claims (4)

  1. 1画素内の画素パターンの端部を除く領域に傾斜角5度以上90度以下の傾斜面を複数有する画素パターンを具備することを特徴とする有機EL表示装置用カラーフィルタ。
  2. 画素パターンが、基板上に感光性着色組成物の塗膜を形成する工程、遮光領域と全透過領域のほかに光透過率5%以上80%以下の半遮光領域を含むフォトマスクを用いて前記塗膜を露光する工程、および未露光部を現像する工程を含む方法により形成されることを特徴とする請求項1記載の有機EL表示装置用カラーフィルタ。
  3. 1色の画素パターンが、基板上に感光性着色組成物の塗膜を形成する工程、フォトマスクを用いて塗膜を露光する工程、および未露光部を現像する工程の3つの工程を、塗膜を露光する工程において異なるフォトマスクを用いて少なくとも2回繰り返す方法により形成されることを特徴とする請求項1記載の有機EL表示装置用カラーフィルタ。
  4. 請求項1乃至3いずれか1項に記載のカラーフィルタおよび有機EL光源を具備することを特徴とする有機EL表示装置。
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