JP2011027886A - 液晶装置の製造方法、液晶装置、電子機器 - Google Patents

液晶装置の製造方法、液晶装置、電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】画素間の横電界による光漏れを低減可能な液晶装置の製造方法、液晶装置、電子機器を提供すること。
【解決手段】対向配置された第1基板としての素子基板10および第2基板としての対向基板20と、素子基板10と対向基板20とに挟持された液晶層50と、複数の画素G1とを備え、素子基板10において画素G1ごとに設けられた第1電極としての共通電極19と第2電極としての画素電極9との間に生ずる電界により液晶層50が配向制御される液晶装置100の製造方法であって、少なくとも素子基板10の画素内の領域に第1配向処理を施すと共に、少なくとも一方の方向における素子基板10の画素間の領域に第1配向処理とは異なる第2配向処理を施す配向処理工程を備えた。
【選択図】図5

Description

本発明は、液晶装置の製造方法、液晶装置、電子機器に関する。
上記液晶装置として、液晶層を挟持して対向配置された第1基板及び第2基板と、第1基板の液晶層側に設けられた第1電極及び第2電極とを備え、第1電極と第2電極との間に生ずる横電界によって液晶層の液晶分子が配向制御され、第1電極はデータ線と走査線に囲まれた画素領域に配置され、第2電極はデータ線と交差する方向に延在する複数の枝電極と、隣接する枝電極における少なくとも一方の端部を開放させるように各枝電極間を電気的に接続する導通部と、画素領域内で第1電極と平面的に重なる領域とを有するFFSモードの液晶装置が知られている(特許文献1)。
上記液晶装置によれば、枝電極の両端部を閉鎖するように導通部を設ける場合に比べて、枝電極の端部付近で生ずる電界方向の乱れに起因するリバースツイストを低減して、より輝度の高い表示が可能であるとしている。
特開2007−327997号公報
上記液晶装置において、光学設計を例えばノーマリーブラックモードとして、隣り合う画素の一方を白表示とし他方を黒表示とすると、画素を構成する第1電極間にも横電界が発生する。そうすると、画素間の液晶分子は該横電界の方向に配列(配向)しようとするので、黒表示が行われている画素側に向かって光漏れが生じ、輝度あるいはコントラストの低下を招くという課題がある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例の液晶装置の製造方法は、対向配置された第1基板および第2基板と、前記第1基板と前記第2基板とに挟持された液晶層と、第1の方向と前記第1の方向に交差する第2の方向とに配置された複数の画素と、前記第1基板において前記画素ごとに設けられた第1電極と第2電極との間に生ずる電界により前記液晶層が配向制御される液晶装置の製造方法であって、少なくとも前記第1基板の前記画素内の領域に第1配向処理を施すと共に、前記第1の方向と前記第2の方向のうち少なくとも一方の方向における前記第1基板の前記画素間の領域に前記第1配向処理とは異なる第2配向処理を施す配向処理工程を備えたことを特徴とする。
この方法によれば、配向処理工程では、第1基板の画素間の領域に画素内の第1配向処理とは異なる第2配向処理が施される。したがって、隣接する画素の第1電極間に横電界が発生したとしても、画素間の領域において配向する液晶分子は画素内において配向する液晶分子の挙動に影響され難い。言い換えれば、画素間において液晶分子の配向の乱れが生じ難い。ゆえに、第1電極間の横電界による液晶分子の配向の乱れに起因する光漏れが低減され、優れた光学特性を有する液晶装置を製造することができる。
[適用例2]上記適用例の液晶装置の製造方法において、前記配向処理工程は、前記第2基板の前記画素内の領域に前記第1配向処理を施し、前記少なくとも一方の方向における前記第2基板の前記画素間の領域に前記第1配向処理とは異なる前記第2配向処理を施す工程をさらに含むことを特徴とする。
この方法によれば、第1基板に対向配置される第2基板の画素間の領域にも第2配向処理が施されるので、画素間の領域における液晶層の厚み方向に亘って液晶分子の乱れが生じ難い。
[適用例3]上記適用例の液晶装置の製造方法において、前記第2配向処理は、前記第1配向処理に対して液晶分子のプレチルト角が大きくなる配向処理であることが好ましい。
この方法によれば、第1電極間に横電界が発生したとしても、第2配向処理の方が画素内の第1配向処理よりも液晶分子のプレチルト角が大きいので、横電界方向に液晶分子が配列し難い。すなわち、より光漏れが低減される。
[適用例4]上記適用例の液晶装置の製造方法において、前記第1配向処理が水平配向処理であり、前記第2配向処理が垂直配向処理であることが好ましい。
この方法によれば、第1電極間の横電界に対して液晶分子の配向の乱れを最も少なくした配向状態とすることができる。
[適用例5]上記適用例の液晶装置の製造方法において、前記第1基板と前記第2基板のうち少なくとも一方の基板の前記第2配向処理が施される領域に平面的に重なる遮光膜を形成する遮光膜形成工程をさらに備えることが好ましい。
この方法によれば、画素間の領域における液晶分子の配向の乱れに起因する光漏れを遮光膜によって遮光することができる。すなわち、より光漏れを低減した液晶装置を製造することができる。
[適用例6]上記適用例の液晶装置の製造方法において、前記遮光膜形成工程は、前記第2配向処理が施された領域を平面的に含む領域に前記遮光膜を形成するとしてもよい。
この方法によれば、画素間の領域における液晶分子の配向の乱れに起因する光漏れが視認され難い液晶装置を製造することができる。
[適用例7]本適用例の液晶装置は、対向配置された第1基板および第2基板と、前記第1基板と前記第2基板とに挟持された液晶層と、第1の方向と前記第1の方向に交差する第2の方向とに配置された複数の画素と、前記第1基板において前記画素ごとに設けられた第1電極と第2電極との間に生ずる電界により前記液晶層が配向制御される液晶装置であって、前記第1の方向と前記第2の方向のうち少なくとも一方の方向における前記第1基板の前記画素間の領域は、前記画素内の領域に対して異なる配向処理が施されていることを特徴とする。
この構成によれば、第1基板の画素間の領域に画素内の配向処理とは異なる配向処理が施されている。したがって、隣接する画素の第1電極間において、第1の方向と第2の方向のうち少なくとも一方の方向に横電界が発生したとしても、当該画素間の領域における液晶分子の配向の乱れが生じ難い。ゆえに、第1電極間の横電界による液晶分子の配向の乱れに起因する光漏れが低減され、優れた光学特性(輝度、コントラスト)を有する液晶装置を提供することができる。
[適用例8]上記適用例の液晶装置において、前記少なくとも一方の方向における前記第2基板の前記画素間の領域に前記画素内の領域とは異なる配向処理がさらに施されているとしてもよい。
この構成によれば、第1基板に対向配置される第2基板の画素間の領域にも異なる配向処理が施されているので、画素間の領域における液晶層の厚み方向に亘って液晶分子の乱れが生じ難い。つまり横電界による光漏れがより低減される。
[適用例9]上記適用例の液晶装置において、前記第1電極および前記第2電極は間隔を置いて交互に複数配置され、前記第1の方向と前記第2の方向のうち少なくとも前記第1電極と前記第2電極との間に生ずる電界の方向に沿った方向の前記第1基板の前記画素間の領域は、前記画素内の領域に対して異なる配向処理が施されていることが好ましい。
画素間の横電界による液晶分子の乱れに起因する光漏れは、第1電極と第2電極との間に生ずる電界方向に沿った方向が最も顕著となる。
この構成によれば、横電界が最も顕著に発生する方向の画素間の領域において異なる配向処理が施されているので、効果的に光漏れが低減された液晶装置を提供することができる。
[適用例10]上記適用例の液晶装置において、前記第2電極は、前記第1電極に対して絶縁層を挟んで配置されると共に、間隔を置いて互いに並列して延在する複数の枝電極を有し、前記第1の方向と前記第2の方向のうち少なくとも前記第1電極と前記枝電極との間に生ずる電界の方向に沿った方向の前記第1基板の前記画素間の領域は、前記画素内の領域に対して異なる配向処理が施されているとしてもよい。
画素間の横電界による液晶分子の乱れに起因する光漏れは、第1電極と第2電極の枝電極との間に生ずる電界方向に沿った方向が最も顕著となる。
この構成によれば、横電界が最も顕著に発生する方向の画素間の領域において異なる配向処理が施されているので、効果的に光漏れが低減されたFFS(Fringe Field Switching)方式の液晶装置を提供することができる。
[適用例11]上記適用例の液晶装置において、前記画素間の領域は、前記画素内の領域に対して液晶分子のプレチルト角が大きいことが好ましい。
この構成によれば、画素間に横電界が発生したとしても、画素内の配向処理よりも液晶分子のプレチルト角が大きいので、横電界方向に液晶分子が配列し難い。すなわち、より光漏れが低減された液晶装置を提供できる。
[適用例12]上記適用例の液晶装置において、前記画素内の領域における配向処理が水平配向処理であり、前記画素間の領域における配向処理が垂直配向処理であることが好ましい。
この構成によれば、画素間の横電界に対して液晶分子の配向の乱れを最も少なくした液晶装置を提供することができる。
[適用例13]上記適用例の液晶装置において、前記第1基板と前記第2基板のうち少なくとも一方の基板は、少なくとも前記異なる配向処理が施された領域に平面的に重なる遮光膜を有することが好ましい。
この構成によれば、画素間の領域における光漏れが遮光膜によって遮光され、優れた光学特性(輝度、コントラスト)を有する液晶装置を提供できる。
[適用例14]上記適用例の液晶装置において、前記遮光膜は、前記異なる配向処理が施された領域を平面的に含む領域に設けられているとしてもよい。
この構成によれば、画素間の領域における光漏れが遮光膜によってほとんど遮光され視認され難い液晶装置を提供できる。
[適用例15]本適用例の電子機器は、上記適用例の液晶装置を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、画素間の横電界による光漏れが低減され、優れた光学特性を有する液晶装置を備えているので、見栄えのよい表示品質を有する電子機器を提供することができる。
液晶装置の構成を示す概略図であり、(a)は正面図、(b)は(a)のH−H'線で切った断面図。 液晶装置の等価回路図。 (a)および(b)は液晶装置の光学設計条件を示す模式図。 実施例1の画素の構成を示す概略平面図。 (a)および(b)は図4のA−A'線で切った画素の構造を示す概略断面図。 実施例1の画素境界部の透過率分布を示すグラフ。 実施例1の液晶装置の製造方法を示すフローチャート。 (a)〜(d)は実施例1の液晶装置の製造方法を示す概略断面図。 (e)〜(g)は実施例1の液晶装置の製造方法を示す概略断面図。 実施例2の液晶装置の構造を示す要部概略断面図。 実施例2の画素境界部の透過率分布を示すグラフ。 実施例3の画素の構成を示す概略平面図。 (a)および(b)は図12のB−B'線で切った概略断面図。 実施例3の画素境界部の透過率分布を示すグラフ。 電子機器としての投射型表示装置の構成を示す模式図。 (a)および(b)は変形例のBMの配置を示す概略断面図。
以下、本発明を具体化した実施形態について図面に従って説明する。なお、使用する図面は、説明する部分が認識可能な状態となるように、適宜拡大または縮小して表示している。
(第1実施形態)
本実施形態では、薄膜トランジスター(Thin Film Transistor;TFT)を画素のスイッチング素子として備えたアクティブマトリックス型の液晶装置を例に挙げて説明する。
この液晶装置は、例えば後述する投射型表示装置(液晶プロジェクター)の光変調手段(液晶ライトバルブ)として好適に用いることができるものである。
<液晶装置>
まず、本実施形態の液晶装置について図1〜図3を参照して説明する。図1は液晶装置の構成を示す概略図であり、同図(a)は正面図、同図(b)は同図(a)のH−H'線で切った断面図である。
図1(a)および(b)に示すように、本実施形態の液晶装置100は、第1基板としての素子基板10および第2基板としての対向基板20と、これら一対の基板によって挟持された液晶層50とを有する。
素子基板10は対向基板20よりも一回り大きく、両基板は、シール材52を介して接合され、その隙間に正の誘電異方性を有する液晶が封入されて液晶層50を構成している。
同図(a)に示すように、素子基板10の1辺部に沿ってデータ線駆動回路101が設けられ、これに電気的に接続された複数の端子部102が配列している。該1辺部と直交し互いに対向する他の2辺部には、該2辺部に沿って走査線駆動回路104が設けられている。対向基板20を挟んで該1辺部と対向する他の1辺部には、2つの走査線駆動回路104を繋ぐ複数の配線105が設けられている。
額縁状に配置されたシール材52の内側には、同じく額縁状に見切り部53が設けられている。見切り部53は、遮光性を有する金属材料あるいは樹脂材料からなり、見切り部53の内側が複数の画素Gを有する表示領域10aとなっている。
同図(b)に示すように、素子基板10には、画素Gを区画する遮光膜としてのBM(ブラックマトリックス)が設けられている。この場合、BMは遮光性を有する例えばAl、Tiなどの金属材料またはその酸化物や窒化物、あるいはこれらの積層物からなる。BMは絶縁膜により覆われており、該絶縁膜上に画素Gごとに設けられたスイッチング素子としての薄膜トランジスター30と、信号配線と、これらを覆う配向膜18とが形成されている。詳しい構造は後述する。
対向基板20の液晶層50側の表面には、見切り部53と表示領域10aとを少なくとも覆うように成膜された配向膜29が形成されている。これらの配向膜18および配向膜29には、所定の方向に配向処理が施されている。
図2は、液晶装置の等価回路図である。図2に示すように、液晶装置100の表示領域10aを構成する各画素Gは、第2電極としての画素電極9と画素電極9をスイッチング制御するためのTFT30とを有している。画素電極9と第1電極としての共通電極19との間には液晶層50が介在している。共通電極19は走査線駆動回路104から延びる共通線3bと電気的に接続されており、各画素Gにおいて共通の電位に保持されるようになっている。
データ線駆動回路101から延びるデータ線6aがTFT30のソースと電気的に接続されている。データ線駆動回路101は、画像信号D1,D2,…,Dnを、データ線6aを介して各画素Gに供給する。画像信号D1〜Dnはこの順に線順次に供給しても構わないし、相隣接する複数のデータ線6a同士に対して、グループごとに供給するようにしてもよい。
また、TFT30のゲートには、走査線駆動回路104から延びる走査線3aが電気的に接続されている。走査線駆動回路104から所定のタイミングで走査線3aにパルス的に供給される走査信号SC1,SC2,…,SCmが、この順に線順次でTFT30のゲートに印加されるようになっている。画素電極9は、TFT30のドレインに電気的に接続されている。
スイッチング素子であるTFT30が走査信号SC1,SC2,…,SCmの入力により一定期間だけオン状態とされることで、データ線6aから供給される画像信号D1,D2,…,Dnが所定のタイミングで画素電極9に書き込まれるようになっている。画素電極9を介して液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号D1,D2,…,Dnは、画素電極9と液晶を介して対向する共通電極19との間で一定期間保持される。
図3(a)および(b)は、液晶装置の光学設計条件を示す模式図である。図3に示すように、本実施形態の液晶装置100の光学設計条件は、ノーマリーブラックモードとなっている。具体的には、図3(a)に示すように、入射光に対して液晶装置100を挟むように装備される一対の偏光板107,108は、光学軸としての透過軸を有している。偏光板107の透過軸107tと偏光板108の透過軸108tとは、互いに直交するように配置されている。
図3(b)に示すように、オン状態において画素電極9と共通電極19との間に発生する電界の方向は、データ線6aの延在方向と直交する方向、すなわち走査線3aの延在方向に沿った方向である。
素子基板10側の配向膜18には、例えば、データ線6aの延在方向に対して時計回りに5度の角度をなす方向に配向処理(ラビング処理)が施されている。これに対して対向する対向基板20側の配向膜29には、データ線6aの延在方向に対して時計回りに5度の角度をなす方向であって、配向膜18の配向処理方向(ラビング方向)とは180度異なる向きに配向処理(ラビング処理)が施されている。したがって、配向膜18,29のラビング方向、すなわち液晶層50のオフ状態における配向処理方向は、データ線6aの延在方向に対して時計回りに5度の角度をなす方向となる。
偏光板107の透過軸107tは配向膜18,29の配向処理方向と平行となっており、偏光板108の透過軸108tは配向膜18,29の配向処理方向と直交している。したがって、オフ状態において光源から照射された入射光は、偏光板107により直線偏光に変換され液晶層50を透過して偏光板108に入射する。直線偏光の偏光方向と偏光板108の透過軸108tとは直交しているため、入射した直線偏光は偏光板108を透過できない。よって、液晶装置100はオフ時に黒表示となるノーマリーブラックモードである。なお、透過軸108tが配向膜18,29の配向処理方向と平行し、透過軸107tが配向膜18,29の配向処理方向に直交する方式でもよい。
ところで、隣り合う画素Gにおいて、一方を白表示(オン状態)とし他方を黒表示(オフ状態)とするとき、画素電極9間における電位差によって電界が生ずることがある。これを画素間の横電界と呼ぶ。画素間に横電界が生ずると画素間の液晶層50における液晶分子の配向が乱れる。液晶分子の配向が乱れると当然ながら直線偏光にも乱れが生じて一部が偏光板108を透過する。すなわち、白表示が行われている画素Gから黒表示が行われている画素Gへと光漏れが生ずることになる。このような画素間の横電界による光漏れが生ずると、輝度あるいはコントラストが低下し、所望の光学特性が得られなくなり、液晶装置100の表示品質が低下する。特に、液晶装置100は、後述する投射型表示装置の光変調手段として用いられており、画素Gが拡大投影されるので、わずかな光漏れも表示品位に影響する。
そこで、発明者は画素間の領域における配向処理を工夫することにより、画素間の横電界による光漏れを低減した。詳しい、配向処理の方法および関連する液晶装置の構成については実施例を挙げて説明する。
(実施例1)
図4は実施例1の画素の構成を示す概略平面図、図5(a)および(b)は図4のA−A'線で切った画素の構造を示す概略断面図、図6は実施例1の画素境界部の透過率分布を示すグラフである。
図4に示すように、実施例1における液晶装置100は、互いに絶縁された状態で直交する走査線3a(あるいは共通線3b)とデータ線6aとによりマトリックス状に区分けされた領域に画素G1を有する。
画素G1には、データ線6aに沿って延在すると共に互いに間隔をおいて配列する複数の枝電極9aを有する画素電極9と、画素電極9に対して平面的に重なるように設けられた共通電極19とを有する。枝電極9aの一方の端部は開放されており、他方の端部は導電部に繋がっている。すなわち、画素電極9は櫛歯状となっている。共通電極19は平面視で四角形となっており、共通線3bと一部が重なって配置され、重なった部分において共通線3bと電気的に接続されている。
走査線3aとデータ線6aとの交差点の近傍において走査線3aに沿った位置にTFT30が配置されている。
TFT30は、ドレイン、ゲート、ソースの3つの領域を有する半導体層30aを備え、ゲートに対して平面的に重なる走査線3aの部分がゲート電極30gとなっている。また、ドレインに対して平面的に重なった部分にドレイン電極30d(コンタクトホール13a,14a)が設けられ、ソースに対して平面的に重なった部分にソース電極30s(コンタクトホール13b)が設けられている。ドレイン電極30dはコンタクトホール15aを介して画素電極9と電気的に接続されている。ソース電極30sは、延出されてデータ線6aと電気的に接続されている。
画素G1における配向処理方向は、前述した光学設計条件に基づいており、枝電極9aの延在方向に対して時計回りで5度傾いた方向となっている。
以降、走査線3aに沿った方向をX方向、データ線6aに沿った方向をY方向として説明する。
図5(a)に示すように、素子基板10には、画素G1を平面的に区分すると共に、画素間を遮光する遮光膜としてのブラックマトリックス(BM)が設けられている。また、BMを覆った絶縁膜11上に半導体層30aが設けられている。言い換えれば、素子基板10側から入射する入射光が半導体層30aに入射しないようにBMが設けられている。
半導体層30aを覆うようにゲート絶縁膜12が設けられており、ゲート絶縁膜12上にゲート電極30g(走査線3a)と共通線3bとが設けられている。これらの配線もしくは電極は、Alなどの低抵抗配線材料をゲート絶縁膜12上に成膜したのちにパターニングすることによって得られる。よって、TFT30はトップゲート構造となっている。
次に、ゲート電極30gや共通線3bを覆うように第1層間絶縁膜13が形成される。さらに、第1層間絶縁膜13とゲート絶縁膜12には、半導体層30aのドレインとソースのそれぞれに通ずるコンタクトホール13a,13bとなる孔が形成される。
第1層間絶縁膜13上に低抵抗配線材料を成膜し、これをパターニングすることによってデータ線6aとデータ線6aに繋がるコンタクトホール13bが形成される。
データ線6aを覆うように第2層間絶縁膜14が設けられ、第2層間絶縁膜14上にITOなどの透明導電膜を成膜してパターニングすることにより、共通電極19が形成されると共に、共通線3bとのコンタクトホール(図示省略)が形成される。
共通電極19を覆うように第3層間絶縁膜15が設けられ、第3層間絶縁膜15と第2層間絶縁膜14には、半導体層30aのドレインに通ずるコンタクトホール14a,15aとなる孔が形成される。
第3層間絶縁膜15上にITOなどの透明導電膜が成膜され、これをパターニングすることにより、複数の枝電極9aを有する画素電極9と画素電極9とソースとを繋ぐコンタクトホール15a,14a,13aが形成される。
画素電極9を覆うように配向膜18が設けられ、前述した光学設計条件に基づいた所定の方向にラビング処理(第1配向処理)が施されている。ラビングによって得られる第1配向処理は、液晶分子を配向膜面に対して数度のプレチルト角を有するもののほぼ水平な状態に配向させる水平配向処理である。一方、素子基板10の画素間に相当する領域には、ラビングによって得られる水平配向処理と異なる第2配向処理が施されている。実施例1における第2配向処理は、液晶分子の長軸が配向膜面に対してほぼ垂直に配向する垂直配向処理である。
このような配向処理が施された素子基板10に対してラビング処理(第1配向処理)された配向膜29を有する対向基板20を所定の間隔をおいて対向配置して、その間に液晶を充填することにより液晶層50を構成する。
このような構成および構造の液晶装置100は、第3層間絶縁膜15を介して対向配置された画素電極9と共通電極19との間に生ずる電界によって、液晶層50における液晶分子51の配向を制御するFFS(Fringe Field Switching)方式の液晶装置である。
画素G1における初期配向状態は、素子基板10と対向基板20との間において液晶分子51の長軸がラビング処理によって与えられた配向処理方向にほぼ水平な状態で配向している。
これに対して画素間の領域では、素子基板10の近傍で液晶分子51の長軸が垂直となり、対向基板20の配向膜面に近づくにつれて水平な状態に変位する配向状態となる(図5(c)参照)。
このような初期配向状態の液晶装置100において、図5(b)に示すように、一方の画素G1(紙面上では左側)をオフ状態とし、隣接する他方の画素G1(紙面上では右側)をオン状態とする。オン状態の画素G1では、画素電極9の枝電極9aと共通電極19との間に電界が生じ、液晶分子51は長軸が電界方向に向くようにツイストする。液晶分子51がツイストすることで偏光板107を透過した直線偏光は、液晶層50において旋光して偏光板108を透過する。すなわち、白表示となる。
一方、画素間において配向した液晶分子51は、素子基板10の近傍では垂直に近い状態で配向していたため、画素間を跨いで隣り合う枝電極9a間に横電界が生じても、誘電率が小さい液晶分子51のほぼ短軸方向に横電界が発生することになるので、それほど変位しない。つまり液晶分子51の配向が乱れ難い。したがって、液晶分子51の配向の乱れにより、オン状態の画素G1から隣接するオフ状態の画素G1へと光漏れが生ずることが低減される。
図6は画素境界部の透過率の分布を示すグラフである。より具体的には、画素間の領域の幅(すなわちX方向におけるBMの幅に相当)を2μmとし、第2配向処理(垂直配向処理)の幅を1μmとする。また、複屈折率Δn=0.12、誘電率Δε=8.0の正の誘電異方性を有する液晶を用いて、液晶層50の厚みを3.3μmとする。そして、一方の画素G1をオフ状態とし、隣接する他方の画素G1をオン状態として画素境界部の透過率の分布を光学的なシミュレーションにより求めたものである。なお、画素電極9と共通電極19の間の第3層間絶縁膜15の厚みはおよそ100nmとしている。
このような実施例1の液晶装置100によれば、図6に示すように、画素間の領域も画素内と同じ第1配向処理を施した従来例に比べて、オフ側への光漏れが低減されオフ側の画素G1における透過率が下がっていることが分かる。すなわち、隣接する画素間のコントラスト比が従来例に比べて向上した。
<液晶装置の製造方法>
次に、実施例1の液晶装置100の製造方法について図7〜図9を参照して説明する。図7は実施例1の液晶装置の製造方法を示すフローチャート、図8(a)〜(d)および図9(e)〜(g)は、実施例1の液晶装置の製造方法を示す概略断面図である。なお、図8および図9においては、素子基板10側のTFT30や配線など説明に直接係わらない構成は図示省略した。
図7に示すように、実施例1の液晶装置100の製造方法は、素子基板10の表面を覆うように配向膜18を成膜する配向膜成膜工程(ステップS1)と、成膜された配向膜18をパターニングする配向膜パターニング工程(ステップS2)と、画素間の領域に第2配向処理としての垂直配向処理を施す垂直配向処理工程(ステップS3)と、配向膜18を所定の方向にラビングするラビング工程(ステップS4)とを備えている。
また、対向基板20に配向膜29を形成する配向膜形成工程(ステップS5)と、配向膜29を所定の方向にラビングするラビング工程(ステップS6)とを備えている。
さらに、ラビング処理された素子基板10と対向基板20とを所定の間隔を置いて対向配置して接合し、その間に液晶を注入して封止する液晶注入・封止工程(ステップS7)を備えている。
ステップS1の配向膜成膜工程では、図8(a)に示すように、画素電極9(枝電極9a)を覆うように配向膜18を形成する。形成方法としては、配向膜材料として例えばポリイミド樹脂などを含む溶液をスピンコートやロールコートなどの方法で素子基板10の全面に亘って塗布し、乾燥・焼成することによって成膜する方法が挙げられる。膜厚はおよそ50nm〜100nmである。形成方法は全面塗布に限定されず、少なくとも表示領域10aを覆うように所定の範囲内に上記溶液を塗布するオフセットなどの印刷法やインクジェットなどの液体塗布法を用いてもよい。そして、ステップS2へ進む。
ステップS2の配向膜パターニング工程では、図8(b)に示すように、感光性のレジスト材料を素子基板10の全面にスピンコートやロールコートなどの方法で塗布して乾燥させ、レジスト層40を形成する。レジスト層40の層厚は、およそ1μm〜2μmである。
続いて、図8(c)に示すように、フォトリソグラフィ法によりレジスト層40を露光・現像して、画素間のレジスト層40に開口部40aを形成する。開口部40aは画素領域を区画するように平面視では額縁状に設ける。その幅は、前述したようにおよそ1μmである。このような幅の狭い開口部40aをフォトリソグラフィ法を用いて形成するにあたり、素子基板10に形成されているBMを基準としてフォトマスクのアライメントを行うことが好ましい。これにより画素間に対応してBMが配置された領域内に開口部40aを高精度に位置させ、横電界による光漏れが発生したとしてもBMによってムラなく遮光することが可能となる。
さらに、図8(d)に示すように、開口部40a内に露出した配向膜18をエッチングして除去する。エッチング方法としては、微細なエッチング加工が可能なRIE法(Reactive Ion Etching;反応性イオンエッチング法)が挙げられる。RIE法は、プラズマ化した酸素ガスを配向膜18に衝突させることにより、酸素イオンによるスパッタリングと同時に、有機材料である配向膜材料と酸素イオンとを化学反応させ、酸化物ガスとして排気・除去するエッチング方法である。そして、ステップS3へ進む。
ステップS3の垂直配向処理工程では、図9(e)に示すように、開口部40a内に露出した素子基板10の表面に垂直配向処理を施す。垂直配向処理の方法としては、素子基板10を窒素雰囲気下にて150℃〜180℃の温度で3時間程度加熱乾燥処理を行う。その後、ODS(Octadecyltrimethoxysilane)溶液を入れた容器と共にチャンバーなどの空間に密閉放置する。この容器を例えば150℃の温度で1時間程度加熱することにより、ODS溶液の蒸気を開口部40a内の露出面に接触させる。
ODS分子は、無機系の反応基となるメトキシシランを有しているため、レジスト層40などの有機材料と結合することなく、無機材料である露出した素子基板10の表面と結合する。そして、ODS分子の長鎖アルキル基を露出面に付与する。これにより、露出面に垂直配向処理が施される。このような垂直配向処理を以降ODS処理と呼ぶ。
続いて、図9(f)に示すように、マスクとして機能したレジスト層40を、有機溶剤や水系剥離液などを用いて剥離する。そして、ステップS4へ進む。
ステップS4のラビング工程では、素子基板10を所定の方向にラビングすることにより配向膜18に第1配向処理を施す。そして、ステップS5へ進む。
ステップS5の配向膜形成工程では、対向基板20の見切り部53および表示領域10aを少なくとも覆うように配向膜29を形成する。形成方向は、所定の領域に配向膜形成材料を含む溶液を塗布可能な印刷法やインクジェット法を用いる。塗布された溶液を乾燥・焼成して配向膜29を成膜する。配向膜29の膜厚も配向膜18と同様に50nm〜100nmである。そして、ステップS6へ進む。
ステップS6のラビング工程では、対向基板20を所定の方向にラビングすることにより配向膜29に第1配向処理を施す。そして、ステップS7に進む。
ステップS7の液晶注入・封止工程では、例えば、素子基板10の見切り部53(図1参照)を囲むように光硬化型のシール材52(図1参照)を配置し、減圧下でシール材52の内側に必要量の液晶を滴下して塗布する。その後、素子基板10に対向基板20を押圧して接合させ、光を照射してシール材52を硬化させる。これにより、図9(g)に示すように、素子基板10と対向基板20との間に挟持された液晶層50を形成する。
このような実施例1の液晶装置100の製造方法によれば、画素内の第1配向処理とは異なる第2配向処理としての垂直配向処理を狭い画素間の領域に位置精度よく施すことができる。
(実施例2)
次に、実施例2の液晶装置について図10および図11を参照して説明する。図10は実施例2の液晶装置の構造を示す要部概略断面図、図11は実施例2の画素境界部の透過率分布を示すグラフである。なお、実施例1の液晶装置100と同じ構成には同一の符号を付して詳細の説明は省略する。
図10に示すように、実施例2の液晶装置150は、実施例1の液晶装置100に対して、対向基板20側の画素間に相当する領域にも画素内の第1配向処理と異なる第2配向処理としての垂直配向処理を施した。
具体的には、対向基板20に配向膜29を形成した後に、実施例1と同様にして、配向膜29の画素間に相当する領域をおよそ1μmの幅でRIE法によりエッチング除去し、露出した対向基板20の表面に対してODS処理を施す。
このように、素子基板10および対向基板20の画素間の領域に垂直配向処理を施すことにより、画素間の液晶層50の厚み方向に亘って液晶分子51が垂直配向した状態が実現される。これにより、図11に示すように、光学的なシミュレーションによればオフ側の画素G1への光漏れが低減され、従来例および実施例1(図6)と比較してもオフ側の画素G1の透過率が低下していることが分かる。すなわち、従来例および実施例1の液晶装置100に比べて隣接する画素間のコントラスト比が向上した液晶装置150を実現できる。
また、実施例1に比べて画素間の横電界による光漏れ低減効果が優れることから、画素間の領域において垂直配向処理を施す幅を小さくすることができる。言い換えれば、実施例1に比べて画素間の幅が狭くなったとしても、横電界による光漏れを低減でき、高い開口率を有する画素G1を備えた液晶装置150を実現できる。
(実施例3)
次に、実施例3の液晶装置について図12〜図14を参照して説明する。図12は実施例3の画素の構成を示す概略平面図、図13(a)および(b)は図12のB−B'線で切った概略断面図、図14は実施例3の画素境界部の透過率分布を示すグラフである。
図12に示すように、実施例3の液晶装置200は、走査線3a(共通線3b)とデータ線6aとにより区分された領域に画素電極9'と共通電極19'とを備えた画素G2を有する。
画素電極9'は複数の枝電極9'aを有し、共通電極19'は同じく複数の枝電極19'aを有する。画素電極9'および共通電極19'は共に櫛歯状である。そして、互いの櫛歯つまり第2電極としての枝電極9'aと第1電極としての枝電極19'aとがほぼ等間隔で交互に配列するように配置されている。
画素電極9'はコンタクトホール14aを介してTFT30のドレインと電気的に接続されている。共通電極19'は共通線3bと重なった部分において電気的に接続している。
このような構成を有する液晶装置200は、IPS(In Plane Switching)方式と呼ばれるものである。
液晶装置200における光学設計条件は、実施例1と同じくノーマリーブラックモードであって、画素G2における配向処理方向は、Y方向つまり枝電極9'(枝電極19')の延在方向に対して時計回りに5度傾いた方向となっている。
図13(a)に示すように、液晶装置200は、素子基板10上に画素G2を区画するようにBMを形成した後に、トップゲート構造のTFT30を形成する。そして、TFT30を覆う第1層間絶縁膜13上にデータ線6aとソース電極30s(コンタクトホール13a)とを形成する。これらを覆うように第2層間絶縁膜14を形成し、さらに第2層間絶縁膜14上に枝電極9'aと枝電極19'aとが交互に配置されるように画素電極9'と共通電極19'をパターニング形成すると共に、ドレイン電極30d(コンタクトホール14a)を形成する。
画素電極9'および共通電極19'を覆うように配向膜18を形成して、画素間の領域に実施例1と同様にして画素内の水平配向処理(第1配向処理)と異なる垂直配向処理(第2配向処理)をODS処理により施す。
また、対向基板20側の配向膜29についても画素間に相当する領域内に垂直配向処理をODS処理により施す。垂直配向処理が施された領域の幅はおよそ1μmであり、画素間の幅はおよそ2μmである。
素子基板10と対向基板20の間には、実施例1と同様に複屈折率Δn=0.12、Δε=8.0の正の誘電異方性を有する液晶が充填されている。
このような液晶装置200において、図13(b)に示すように隣接する画素G2の一方(紙面では左側)をオフ状態とし、他方(紙面では右側)をオン状態とする。
オン状態の画素G2では、枝電極9'aと枝電極19'aとの間に生じた電界方向に長軸が配列するように液晶分子51がツイストする。したがって、偏光板107側から入射した入射光は液晶層50を透過して偏光板108側から射出する。すなわち、白表示となる。
画素間の液晶分子51は液晶層50の厚み方向に亘って垂直配向しているため、隣接する画素G2の枝電極9'aと枝電極19'aとの間に横電界が生じても、液晶分子51の配向が乱れ難いので、オン状態の画素G2からオフ状態の画素G2に向かう光漏れが低減される。
図14に示すように、光学的なシミュレーションによれば、オフ側の画素G2への光漏れが低減され、画素間の領域も水平配向処理としたIPS方式の従来例に比較してオフ側の画素G2の透過率が低下していることが分かる。すなわち、従来例に比べて隣接する画素間のコントラスト比が向上したIPS方式の液晶装置200を提供できる。
以上に述べた上記第1実施形態によれば、FFS方式の液晶装置100,150またはIPS方式の液晶装置200において、画素間の領域には、画素内の水平配向処理(第1配向処理)と異なる垂直配向処理(第2配向処理)が施され、画素間に横電界が生じても液晶分子51の配向が乱れ難くなっている。これにより、オン側からオフ側の画素への光漏れが低減され、少なくとも従来例に比べて隣接する画素間のコントラスト比が改善されている。
なお、上記第1実施形態の実施例1〜実施例3では、画素間の幅およそ2μmに対して、垂直配向処理が施された領域の幅をおよそ1μmとしたが、これに限定されるものではない。垂直配向処理が施された領域の幅をおよそ1μmとすることで画素間の横電界による光漏れを低減可能であるが、画素間の幅は、画素を構成する各電極や配線、これらに繋がるスイッチング素子の配置に関連して設定される画素の大きさにより影響されることは言うまでもない。例えば、画素間の幅を広げれば画素の開口率が低下して、オフ状態とオン状態とのコントラスト比は下がる。それゆえに、画素間の横電界による実際の光漏れの程度を考慮して、画素内と異なる配向処理を施す領域の幅を設定すればよい。開口率が低下しない範囲で異なる配向処理を施す領域の幅は1μmよりも広い方が好ましく、光漏れをより低減できる。また、わずかな光漏れも遮光しようとすれば、画素間において少なくとも異なる配向処理が施された領域を平面的に含む領域にBMを配置することが望ましい。
また、実施例1〜実施例3において画素間に生ずる横電界は、画素電極9の枝電極9aと共通電極19との間、あるいは枝電極9'aと枝電極19'aとの間の電界方向に沿ったX方向(走査線3aに沿った方向)が最も顕著となる。それゆえに、画素内と異なる垂直配向処理を施す領域は、X方向における画素間のみでもその効果を奏する。
同様に、横電界による光漏れを遮光する遮光膜としてのBMもX方向における画素間のみに設ける構成としてもよい。したがって、実施例1〜実施例3の場合には、画素間にBMを設けずに、遮光性を有するデータ線6aを遮光膜として用いることができる。
さらには、画素内の水平配向処理(第1配向処理)と異なる第2配向処理は、垂直配向処理に限定されず、少なくとも第1配向処理によってもたらされる液晶分子51のプレチルト角よりも大きなプレチルト角となるように第2配向処理を施せば、同様な作用・効果が得られる。
(第2実施形態)
次に、本実施形態の電子機器としての投射型表示装置(液晶プロジェクター)について、図15を参照して説明する。図15は電子機器としての投射型表示装置の構成を示す模式図である。
図15に示すように、本実施形態の投射型表示装置1000は、光源1100と、2つのダイクロイックミラー1103,1104と、3つの反射ミラー1105,1106,1107と、入射レンズ1108と、リレーレンズ1109と、出射レンズ1201と、3つの光変調手段としての液晶ライトバルブ1202,1203,1204と、クロスダイクロイックプリズム1205と、投射レンズ1206とを備えている。
光源1100はメタルハライド等のランプ1101とランプの光を反射するリフレクター1102とからなる。
青色光・緑色光反射のダイクロイックミラー1103は、光源1100からの光束のうちの赤色光を透過させるとともに、青色光と緑色光とを反射する。透過した赤色光は反射ミラー1107で反射されて、赤色光用の液晶ライトバルブ1202に入射される。一方、ダイクロイックミラー1103で反射された光のうち緑色光は緑色光反射のダイクロイックミラー1104によって反射され、緑色光用の液晶ライトバルブ1203に入射される。一方、青色光は第2のダイクロイックミラー1104も透過する。青色光に対しては、長い光路による光損失を防ぐため、入射レンズ1108、リレーレンズ1109、出射レンズ1201を含むリレーレンズ系からなる導光手段1200が設けられ、これを介して青色光が青色光用の液晶ライトバルブ1204に入射される。
各液晶ライトバルブ1202,1203,1204により変調された3つの色光はクロスダイクロイックプリズム1205に入射する。このプリズムは、4つの直角プリズムが貼り合わされ、その内面に赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが十字状に形成されている。これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成されて、カラー画像を表す光が形成される。合成された光は、投射光学系である投射レンズ1206によってスクリーン1300上に投射され、画像が拡大されて表示される。
各液晶ライトバルブ1202,1203,1204は、上記第1実施形態の液晶装置100,150,200のいずれかが用いられている。
このような投射型表示装置1000は、より明るいカラー画像をスクリーン1300に映し出すために、高出力な光源1100が用いられる。したがって、光源1100自体からの発熱と、入射する光によって各液晶ライトバルブ1202,1203,1204が熱せられるので、図示しないファン等の冷却装置を備えて、冷却が必要な部位が冷却される。
各液晶ライトバルブ1202,1203,1204には、上記第1実施形態の液晶装置100,150,200のいずれかが用いられているので、画素間の横電界による光漏れが低減され高いコントラスト比が得られる投射型表示装置1000が実現されている。
上記実施形態以外にも様々な変形例が考えられる。以下、変形例を挙げて説明する。
(変形例1)上記第1実施形態におけるBMの配置は、これに限定されない。図16(a)および(b)は変形例のBMの配置を示す概略断面図である。例えば、図16(a)に示すように、液晶装置300は、実施例1の液晶装置100に対して、BMを対向基板20の画素間に相当する位置に配置したものである。入射光が対向基板20側から入射するとすれば、対向基板20側にBMを設けても、光漏れを遮光することができる。
さらには、図16(b)に示すように、液晶装置400は、実施例1の液晶装置100に対して、BMを素子基板10と対向基板20における双方の画素間に設けた。これにより、入射光がどちらから入射しても光漏れを十分に遮光することができる。
(変形例2)上記第1実施形態の素子基板10に設けられたTFT30の構成は、これに限定されない。例えば、走査線3a上に絶縁膜を介して半導体層30aを配置し、半導体層30aと重なった走査線3aの部分をゲート電極30gとするボトムゲート構造としてもよい。
(変形例3)上記第1実施形態のFFS方式の液晶装置100,150における画素電極9と共通電極19の構成は、これに限定されない。例えば、電気的に画素電極9と共通電極19とを入れ替えてもよい。つまり液晶層50に近い側を枝電極を備えた共通電極19とし、第3層間絶縁膜15を介して枝電極を有しない画素電極9を配置する構成としてもよい。
(変形例4)上記第1実施形態の液晶装置100,150,200における光学設計条件は、これに限定されない。例えば、ノーマリーブラックモードに比べて画素間の横電界による光漏れ低減効果は減少すると考えられるものの、ノーマリーホワイトモードとしてもよい。
また、枝電極9a(枝電極9'a,19'a)の延在方向は、データ線6aに沿った方向に限定されず、例えば走査線3aに沿った方向としてもよい。
(変形例5)画素間の領域に画素内と異なる配向処理が施された領域を有する液晶装置は、上記第1実施形態のFFS方式の液晶装置100,150およびIPS方式の液晶装置200に限定されない。例えば、素子基板10側に画素電極を配置し、対向基板20側に共通電極を配置する。すなわち、液晶層50を挟んで画素電極と共通電極とが配置される構成においても画素電極間に横電界が生ずるため、該横電界による光漏れを低減するために画素間に異なる配向処理を施してもよい。
(変形例6)上記第1実施形態の液晶装置100,150,200の構成は、これに限定されない。例えば、対向基板20側にカラーフィルターを有する構成とする。これにより、フルカラー表示が可能な直視型の液晶装置100,150,200を提供することができる。また、透過型に限定されず、反射型としても同様な作用・効果を奏する。
(変形例7)したがって、上記第1実施形態の液晶装置100,150,200のいずれかを備えた電子機器は、投射型表示装置1000に限定されない。例えば携帯型電話機やDVDプレーヤーやビューワー、ナビゲーターなどの各種電子機器の表示装置として好適に用いることができる。
9…第2電極としての画素電極、9a…枝電極、9'a…第2電極としての枝電極、10…第1基板としての素子基板、19…第1電極としての共通電極、19'a…第1電極としての枝電極、20…第2基板としての対向基板、50…液晶層、51…液晶分子、100,150,200…液晶装置、1000…電子機器としての投射型表示装置、BM…遮光膜としてのブラックマトリックス、G,G1,G2…画素。

Claims (15)

  1. 対向配置された第1基板および第2基板と、前記第1基板と前記第2基板とに挟持された液晶層と、第1の方向と前記第1の方向に交差する第2の方向とに配置された複数の画素と、前記第1基板において前記画素ごとに設けられた第1電極と第2電極との間に生ずる電界により前記液晶層が配向制御される液晶装置の製造方法であって、
    少なくとも前記第1基板の前記画素内の領域に第1配向処理を施すと共に、前記第1の方向と前記第2の方向のうち少なくとも一方の方向における前記第1基板の前記画素間の領域に前記第1配向処理とは異なる第2配向処理を施す配向処理工程を備えたことを特徴とする液晶装置の製造方法。
  2. 前記配向処理工程は、前記第2基板の前記画素内の領域に前記第1配向処理を施し、前記少なくとも一方の方向における前記第2基板の前記画素間の領域に前記第1配向処理とは異なる前記第2配向処理を施す工程をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の液晶装置の製造方法。
  3. 前記第2配向処理は、前記第1配向処理に対して液晶分子のプレチルト角が大きくなる配向処理であることを特徴とする請求項1または2に記載の液晶装置の製造方法。
  4. 前記第1配向処理が水平配向処理であり、前記第2配向処理が垂直配向処理であることを特徴とする請求項3に記載の液晶装置の製造方法。
  5. 前記第1基板と前記第2基板のうち少なくとも一方の基板の前記第2配向処理が施される領域に平面的に重なる遮光膜を形成する遮光膜形成工程をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の液晶装置の製造方法。
  6. 前記遮光膜形成工程は、前記第2配向処理が施された領域を平面的に含む領域に前記遮光膜を形成することを特徴とする請求項5に記載の液晶装置の製造方法。
  7. 対向配置された第1基板および第2基板と、前記第1基板と前記第2基板とに挟持された液晶層と、第1の方向と前記第1の方向に交差する第2の方向とに配置された複数の画素と、前記第1基板において前記画素ごとに設けられた第1電極と第2電極との間に生ずる電界により前記液晶層が配向制御される液晶装置であって、
    前記第1の方向と前記第2の方向のうち少なくとも一方の方向における前記第1基板の前記画素間の領域は、前記画素内の領域に対して異なる配向処理が施されていることを特徴とする液晶装置。
  8. 前記少なくとも一方の方向における前記第2基板の前記画素間の領域に前記画素内の領域とは異なる配向処理がさらに施されていることを特徴とする請求項7に記載の液晶装置。
  9. 前記第1電極および前記第2電極は間隔を置いて交互に複数配置され、
    前記第1の方向と前記第2の方向のうち少なくとも前記第1電極と前記第2電極との間に生ずる電界の方向に沿った方向の前記第1基板の前記画素間の領域は、前記画素内の領域に対して異なる配向処理が施されていることを特徴とする請求項7または8に記載の液晶装置。
  10. 前記第2電極は、前記第1電極に対して絶縁層を挟んで配置されると共に、間隔を置いて互いに並列して延在する複数の枝電極を有し、
    前記第1の方向と前記第2の方向のうち少なくとも前記第1電極と前記枝電極との間に生ずる電界の方向に沿った方向の前記第1基板の前記画素間の領域は、前記画素内の領域に対して異なる配向処理が施されていることを特徴とする請求項7または8に記載の液晶装置。
  11. 前記画素間の領域は、前記画素内の領域に対して液晶分子のプレチルト角が大きいことを特徴とする請求項7乃至10のいずれか一項に記載の液晶装置。
  12. 前記画素内の領域における配向処理が水平配向処理であり、前記画素間の領域における配向処理が垂直配向処理であることを特徴とする請求項11に記載の液晶装置。
  13. 前記第1基板と前記第2基板のうち少なくとも一方の基板は、少なくとも前記異なる配向処理が施された領域に平面的に重なる遮光膜を有することを特徴とする請求項7乃至12のいずれか一項に記載の液晶装置。
  14. 前記遮光膜は、前記異なる配向処理が施された領域を平面的に含む領域に設けられていることを特徴とする請求項13に記載の液晶装置。
  15. 請求項7乃至14のいずれか一項に記載の液晶装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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