JP2011017786A - 液晶表示パネル及び液晶表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】応答速度を高速化し、かつ、画像の表示品質の低下を防止する。
【解決手段】液晶表示パネルには、透過部52と反射部51とが配された画素1が形成されており、反射部51の液晶層30の厚みは、透過部52の液晶層30の厚みより薄く形成されており、素子基板10、及び対向基板20のそれぞれに配されている配向膜と、液晶層30との間には、液晶層30の液晶分子のプレチルト角を保持するポリマー層14・24が形成されており、素子基板10、及び対向基板20のそれぞれに配されている配向膜のうち、少なくとも一方の配向膜は、透過部52のポリマー層14またはポリマー層24との接触面に有機材料からなる有機配向膜17または有機配向膜27が配されており、反射部51のポリマー層14またはポリマー層24との接触面に無機骨格を有する材料から成る無機配向膜16または無機配向膜26が配されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、反射部と透過部とが形成された画素にPSA技術を適用した液晶表示パネル及び液晶表示装置に関する。
液晶表示装置は、薄型、軽量、及び低消費電力という特徴を備えているため、小さいサイズから大きいサイズまで、携帯電話用表示装置、パーソナルコンピューター用ディスプレイ及びテレビジョンなどの表示装置等に利用されている。
中でも持ち運び可能な携帯電話、PDA(Personal Data Assistance)及びノートパソコン等ではバッテリー駆動であり、外光の異なる場所で用いる事から、低消費電力かつ視認性が使用場所に影響されないという一層優れた性能を持つディスプレイが今後、多く必要とされると考えられる。
このような液晶表示装置として、例えば、反射膜に透過開口部を設け、反射光に加えて透過光も表示に利用できるようにした半透過型液晶表示装置が開発されている。
しかし、このような半透過型液晶表示装置は、反射表示として動作する場合と透過表示として動作する場合とでは、光の液晶層への透過経路が異なる為、表示品位(輝度)が異なる。
このような課題に対して、特許文献1では、反射表示部の液晶層の層厚を、透過表示部の液晶層の層厚より薄くし、さらに、反射表示部と透過表示部とに異なる配向方向を有する配向膜を配置することにより、反射表示部と透過表示部とで液晶の配向を異ならせることが開示されている。これにより、反射表示部と、透過表示部とを同時に表示することができ、視認性を改善することができる。
またさらに、液晶表示装置に関してさまざまな技術が開示されている。
特許文献2には、液晶の応答速度を向上させるために、PSA(polymer-sustained alignment)技術が提案されている。
PSA技術は、液晶内にモノマーを混合させておき、例えば液晶パネルに光を照射するなどによって、混合させたモノマーを重合化させてポリマーを形成する。この形成されたポリマーによって、配向膜の境界面付近の液晶のプレチルト角を保持し、面配向化を行なう技術である。このような技術により、液晶の高速応答化を行なうことが可能となる。
特許第3380482号(2002年12月13日登録) 特許第4076362号(2008年2月8日登録) 特開平9−281502号公報(1997年10月31日公開) 特開平5−173139号公報(1993年7月13日公開)
しかしながら、一般的に、液晶の応答速度は、液晶層の層厚に依存することが知られており、透過表示部と反射表示部とで液晶層の層厚が異なる半透過型液晶表示装置では、透過表示部と反射表示部とで液晶の応答齟齬が生じることになる。つまり、液晶層の層厚が厚い透過表示部に比べて、液晶層の層厚が薄い反射表示部では、液晶の応答速度が速くなる。このため、例えば、半透過型液晶表示装置にオーバーシュート駆動を併用した場合、透過表示部に液晶の応答速度を併せると、反射表示部では白光りし、表示品質が著しく低下する。
図8(a)はオーバーシュート(OS)駆動電圧に対する透過表示部の輝度の変化を表すグラフであり、(b)はオーバーシュート駆動電圧に対する反射表示部の輝度の変化を表すグラフである。図8(a)(b)ともに、横軸は電圧印加時間(sec)を表し、縦軸は規格化した輝度を表している。
矢印Dで表すように規格化輝度が0.9〜1の範囲内で安定化している電圧が最適なオーバーシュート駆動電圧である。図8(a)で示す透過表示部では3.37Vが最適なオーバーシュート駆動電圧である。しかし、図8(b)で示す反射表示部に3.37Vのオーバーシュート駆動電圧を印加すると、こぶができてしまい、このこぶが白光りの原因となる。図8(b)で示すように、反射表示部では透過表示部より低い3.23Vが最適なオーバーシュート駆動電圧となる。
このような、透過表示部と、反射表示部との液晶の応答速度差は、PSA技術を適用した場合、さらに顕著に現れやすい。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、応答速度を高速化し、かつ、画像の表示品質の低下を防止した液晶表示パネルを提供することである。
上記の課題を解決するために、本発明の液晶表示パネルは、配向膜がそれぞれ配されている第1基板及び第2基板によって液晶層が狭持され、画像を表示するための画素が形成されている液晶表示パネルであって、上記画素には、上記画素に入射する光を透過して上記画像を表示する透過部と、上記画素に入射する光を反射して上記画像を表示する反射部とが形成されており、上記反射部の液晶層の厚みは、上記透過部の液晶層の厚みより薄く形成されており、上記第1基板、及び第2基板のそれぞれに配されている配向膜と、上記液晶層との間には、上記液晶層の液晶分子のプレチルト角を保持するポリマーが形成されており、上記第1基板、及び上記第2基板のそれぞれに配されている配向膜のうち、少なくとも一方の配向膜は、上記透過部の上記ポリマーとの接触面に有機材料からなる有機配向膜が配されており、上記反射部の上記ポリマーとの接触面に無機骨格を有する材料から成る無機配向膜が配されていることを特徴としている。
ここで、上記透過部に形成されるポリマーと、上記反射部に形成されるポリマーとは層状に形成されていても、粒子状に形成されていてもよい。
上記構成によると、上記画素内には、当該画素に入射する光を透過して画像を表示する(以下、透過表示と称する)透過部と、上記画素に入射する光を反射して画像を表示する(以下、反射表示と称する)反射部とが形成されている。このため、画素の周囲の明るさに応じて、透過表示と反射表示とを行うことができる。また、上記反射部の液晶層の厚さは、上記透過部の液晶層の厚さより薄く形成されているので、上記透過部と、上記反射部とでの、上記画素に入射した光の液晶層内の経路長の違いにより生じる輝度差を抑制することができる。
そして、上記第1基板、及び第2基板のそれぞれに配されている配向膜と、上記液晶層との間には、上記液晶層の液晶分子のプレチルト角を保持するポリマーが形成されている。このように、ポリマーによって、液晶分子のプレチルト角が予め保持されているので、画素に駆動電圧が印加された際、液晶分子の応答速度を向上させることができる。
ここで、無機配向膜上にポリマーを形成すると、有機配向膜上にポリマーを形成した場合と比較して、当該ポリマーによる液晶分子のプレチルト角が付与されにくい。
そこで、上記構成は、上記第1基板、及び上記第2基板のそれぞれに配されている配向膜の少なくとも一方において、上記透過部の上記ポリマーとの接触面には、有機材料からなる有機配向膜が配されており、上記反射部の上記ポリマーとの接触面には、無機骨格を有する材料から成る無機配向膜が配されている。
これにより、上記反射部に形成されているポリマーによる液晶分子のプレチルト角の付与の程度を、上記透過部に形成されているポリマーによる液晶分子のプレチルト角の付与の程度と比較して小さくすることができる。このため、反射部の液晶層の液晶分子の応答速度を、透過部の液晶層の液晶分子の応答速度より、小さくすることができる。このため、透過部と反射部とで、液晶分子の応答速度差を低減することができる。
このように、上記構成によると応答速度を高速化し、かつ、画像の表示品質の低下を防止した液晶表示パネルを提供することができる。
上記第1基板に配されている配向膜と、上記第2基板に配されている配向膜とは、共に、上記透過部の上記ポリマーとの接触面に上記有機配向膜が配されており、上記反射部の上記ポリマーとの接触面に上記無機配向膜が配されていることが好ましい。
上記構成によると、ポリマーと接触している配向膜は、上記第1基板及び上記第2基板とも、上記透過部では有機配向膜であり、上記反射部では無機配向膜である。つまり、上記第1基板と上記第2基板とで、それぞれのポリマーを介して対向して配置されている配向膜は、同種類の材料から構成されている。このため、上記第1基板と、上記第2基板の配向膜の種類が異なることによる生じる上記第1基板と、第2基板とでの、画素内の対向電位のズレを防止することができる。このため、画像の表示品質の低下を防止することができる。
上記第1基板に配されている配向膜と、上記第2基板に配されている配向膜とのうち、一方の配向膜は、上記透過部の上記ポリマーとの接触面に上記有機配向膜が配されており、上記反射部の上記ポリマーとの接触面に上記無機配向膜が配されていることが好ましい。
上記第1基板と、上記第2基板とのうち、一方に形成されているポリマーは、上記透過部と比較して、上記反射部で、ポリマーによって保持される液晶分子のプレチルト角の付与の程度を小さくすることができる。このため、透過部と、反射部とでの液晶分子の応答速度差の低減効果を得ることができる。
さらに、上記第1基板と、上記第2基板とのうち、他方に配する配向膜は、一般的に使用されているような、透過部及び反射部ともに同一の材質からなる配向膜を配することができるので、有機配向膜と無機配向膜との両方を形成するための製造プロセスの増加を抑えることができる。
このように、上記構成によると、透過部と反射部とでの液晶分子の応答速度差の低減効果を得つつ、製造プロセス増加の低減効果を得ることができる。
上記第1基板及び上記第2基板のそれぞれに配されている配向膜のうち、少なくとも一方の配向膜は、上記透過部の上記ポリマーとの接触面に配されている上記有機配向膜が上記反射部にも配されており、当該反射部に配された有機配向膜の上層に、上記反射部の上記ポリマーとの接触面に配されている上記無機配向膜が配されていることが好ましい。
上記構成により、上記第1基板及び上記第2基板のそれぞれに配されている配向膜のうち、一方の配向膜を、上記透過部の上記ポリマーと接触する配向膜を有機配向膜とし、上記反射部の上記ポリマーと接触する配向膜を上記無機配向膜とすることができる。このため、応答速度を高速化し、かつ、画像の表示品質の低下を防止した液晶表示パネルを提供することができる。さらに、反射部に形成された有機配向膜を除去する場合と比較して、製造プロセスが増加することを抑えることができる。
上記第1基板及び上記第2基板のそれぞれに配されている配向膜のうち、少なくとも一方の配向膜は、上記反射部の上記ポリマーとの接触面に配されている上記無機配向膜が上記透過部にも配されており、当該透過部に配された無機配向膜の上層に、上記透過部の上記ポリマーとの接触面に配されている上記有機配向膜が配されていることが好ましい。
上記構成により、上記第1基板及び上記第2基板のそれぞれに配されている配向膜のうち、一方の配向膜を、上記透過部の上記ポリマーと接触する配向膜を有機配向膜とし、上記反射部の上記ポリマーと接触する配向膜を上記無機配向膜とすることができる。このため、応答速度を高速化し、かつ、画像の表示品質の低下を防止した液晶表示パネルを提供することができる。さらに、透過部に形成された無機配向膜を除去する場合と比較して、製造プロセスが増加することを抑えることができる。
上記透過部に配された有機配向膜と、上記反射部に配された無機配向膜との間には、隔壁が形成されていることが好ましい。
上記構成により、上記反射部に上記無機配向膜を形成する際、当該無機配向膜を形成するための液状材料を上記反射部に塗布したとき、上記隔壁によって、上記塗布した液状材料が、透過部の領域に広がることを防止することができる。このため、上記反射部に、無機配向膜を精度よく形成することができる。
また、上記透過部に上記有機配向膜を形成する際、当該有機配向膜を形成するための液状材料を上記透過部に塗布したとき、上記隔壁によって、上記塗布した液状材料が、反射部の領域に広がることを防止することができる。このため、上記透過部に、有機配向膜を精度よく形成することができる。
本発明の液晶表示装置は、上記液晶表示パネルを用いていることが好ましい。上記構成により、応答速度を高速化し、かつ、画像の表示品質の低下を防止した液晶表示装置を提供することができる。
本発明の液晶表示パネルは、配向膜がそれぞれ配されている第1基板及び第2基板によって液晶層が狭持され、画像を表示するための画素が形成されている液晶表示パネルであって、上記画素には、上記画素に入射する光を透過して上記画像を表示する透過部と、上記画素に入射する光を反射して上記画像を表示する反射部とが形成されており、上記反射部の液晶層の厚みは、上記透過部の液晶層の厚みより薄く形成されており、上記第1基板、及び第2基板のそれぞれに配されている配向膜と、上記液晶層との間には、上記液晶層の液晶分子のプレチルト角を保持するポリマーが形成されており、上記第1基板、及び上記第2基板のそれぞれに配されている配向膜のうち、少なくとも一方の配向膜は、上記透過部の上記ポリマーとの接触面に有機材料からなる有機配向膜が配されており、上記反射部の上記ポリマーとの接触面に無機骨格を有する材料から成る無機配向膜が配されている。
これにより、応答速度を高速化し、かつ、画像の表示品質の低下を防止した液晶表示パネルを提供することができるという効果を奏する。
本発明の液晶表示パネルに配される画素の構成を表す断面図である。 半透過型の画素にPSA技術を適用した画素の構成を表す断面図である。 PSA化の際に液晶分子に付与されるプレチルト角の配向膜の種類による依存特性を表すグラフである。 (a)は反射電極上に無機配向剤を塗布している様子を表す断面図であり、(b)は(a)で塗布した無機配向剤を固化させた様子を表す断面図であり、(c)は反射電極の形成領域外に有機配向剤を塗布している様子を表す断面図であり、(d)は(c)で塗布した有機配向剤を固化させている様子を表す断面図である。 (a)は反射電極及び反射電極の形成領域外に有機配向剤を塗布している様子を表す断面図であり、(b)は(a)で塗布した有機配向剤を固化させた様子を表す断面図であり、(c)は反射電極上に無機配向剤を塗布している様子を表す断面図であり、(d)は(c)で塗布した無機配向剤を固化させた様子を表す断面図である。 (a)は、周囲に隔壁部が形成された反射電極上に無機配向剤を塗布している様子を表す断面図であり、(b)は(a)で塗布した無機配向剤を固化させた様子を表す断面図であり、(c)は隔壁部が設けられた反射電極の領域外に有機配向剤を塗布している様子を表す断面図であり、(d)は(c)で塗布した有機配向剤を固化させた様子を表す断面図である。 (a)は、反射電極が形成された素子基板の全面に無機配向膜が形成され、無機配向膜の上層に有機配向膜が形成された様子を表す断面図であり、(b)は(a)の有機配向膜の上層にレジスト膜が形成された素子基板をマスク露光している様子を表す断面図であり、(c)は(b)の素子基板の反射電極上の有機配向膜及びレジスト膜が除去された様子を表す断面図であり、(d)は(c)の素子基板のレジスト膜が除去された様子を表す断面図である。 (a)(b)は従来の構成の液晶表示装置の画素をオーバーシュート駆動させた様子を表す図であり、(a)は透過部の応答速度の様子を表し、(b)は反射部の応答速度の様子を表す。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
まず、本発明の前提となる半透過型の液晶表示装置にPSA(Polymer Sustained Alignment)技術を適用した構成について説明する。
図2は、半透過型の画素にPSA技術を適用した構成を表す断面図である。
図2に示すように、図示しないTFTなどのスイッチング素子が形成されている素子基板60と、液晶層30を狭持して素子基板60と対向配置されている対向基板70とを備える。また、素子基板10の裏面側(対向基板70が配されている側とは逆側)には、光源としてのバックライト55が配されている。
素子基板60は、ガラスなどからなる基板11と、基板11上であって、画素50内の一部領域に形成され、画素50に入射する光を反射する反射電極15と、基板11及び反射電極15上に形成され、ITOなどの透明電極からなる電極12と、電極12上であって、液晶の液晶分子の配向方向を規制する配向膜13と、配向膜13上に形成されており液晶層30と接し、液晶分子のプレチルト角を保持するためのポリマー層14(ポリマー)とを備えている。
また、対向基板70は、ガラスなどからなる基板21と、ITOなどの透明電極からなる電極22と、液晶の液晶分子の配向方向を規制する配向膜23と、液晶層30と接し、液晶分子のプレチルト角を保持するためのポリマー層24(ポリマー)とが順に積層されている。対向基板70の裏面側(素子基板60が形成指されている側とは逆側)が、画像等を表示するための表示面である。
配向膜13と、配向膜23とは有機材料からなる配向膜(以下、有機配向膜と称する)であり、例えば、可溶性ポリイミドまたはポリアミック酸を主成分とする配向膜である。
なお、図示しないが、対向基板70にはカラーフィルタが形成されており、素子基板60には絶縁膜や、保護膜などが形成されており、さらに、対向基板70及び素子基板60のそれぞれの裏面側には偏光板が形成されているものとする。
反射部51は、画素50内の領域で、反射電極15が形成されている領域である。また、透過部52は、画素50内の領域で、反射電極15が形成されていない領域である。例えば、透過部52は、画素50に形成された反射電極15に開口部が設けられることにより形成される。
このように、半透過型の画素では、画素50内に反射部51と、透過部52とが設けられているので、画素50の周囲の光(外光)が明るい場合は、外光を反射電極15で反射することにより画像を表示(反射表示)することができ、また、外光が暗い場合は、バックライト55から出射する光によって画像を表示(透過表示)することができる。
また、画素50では、反射電極15の膜厚を調整することにより、反射部51の大部分の液晶層30の厚さは、透過部52の液晶層30の厚さと比較して、約1/2程度となるよう設定されている。これにより、反射表示の際、対向基板70の裏面側から画素50に入射した外光が、反射電極15で反射されることにより液晶層30を往復して対向基板70の裏面側から出射する経路長と、透過表示の際、バックライト55から出射した光が、素子基板60の裏面側から画素50に入射し、液晶層30を1回透過して、対向基板70の裏面側から出射する経路長とを、ほぼ等しくすることができる。これにより、反射部51から出射する光と、透過部52から出射する光の輝度差を低減することができる。
また、画素50は、ポリマー層14とポリマー層24とで液晶層30を狭持することにより、PSA化されている。
ポリマー層14は配向膜13と液晶層30との間に形成されており、ポリマー層24は配向膜23と液晶層30との間に形成されている。ポリマー層14と、ポリマー層24とは、液晶層30の液晶分子の配向方向を規制するものである。
ポリマー層14と、ポリマー層24とは、液晶層30にモノマーを混入させておき、液晶分子に所望のプレチルト角を付与し、固化するために液晶層30に印加する電圧(固化電圧)を液晶層30に印加した状態で、モノマーを混入させた液晶層30に対して、PSA化用の光源により光を照射し、モノマーを重合化することにより形成される(以下、PSA化処理と称する)。
通常、画素に電圧を印加すると、液晶分子が所定の角度で配向する。そして、画素に印加した電圧を解除すると、液晶分子の配向も解除される。一方、画素50のように、配向膜と液晶層30との界面に、ポリマー層14と、ポリマー層24とを形成することにより、画素50に電圧を印加、又は解除しても、ポリマー層14と、ポリマー層24に形成されたポリマーネットワークにより、ポリマー層14、及びポリマー層24の内部の液晶分子は、所定のプレチルト角が保持される。これにより、液晶層30の液晶分子の高速応答化が可能である。
このように、画素50の構成によると、半透過型の画素にPSA化を適用することができる。しかし、画素50の構成では、反射部51と、透過部52とで同じように、ポリマー層14、及びポリマー層24によって、液晶分子のプレチルト角が付与されることになるので、液晶層30の膜厚が異なる透過部52と、反射部51とで液晶層30の液晶分子の応答速度差が生じる。
さらに、PSA化処理を行う際、透過部52と比較して反射部51では液晶層30の厚さが薄いので、反射部51内での液晶の重合化反応が進行しすぎ(つまり反射部51内のポリマー層14・24が形成されすぎ)、透過部52に対して、反射部51では、液晶分子の高速応答化がされすぎるという課題が生じる。特に、オーバーシュート駆動を併用した場合、透過部52の液晶分子の応答速度に、画素50の駆動回路を最適化すると、反射部51では白光りし、表示品質が著しく低下するという課題が生じる。
次に、このような課題を解決するために、反射部51と、透過部52とで液晶層30の応答速度差の緩和及び平滑化が可能な画素構成について、図1を用いて説明する。
図1は、本実施の形態に係る画素の構成を表す断面図である。
図1に示す画素1と、図2に示した画素50とでは、素子基板、及び対向基板のそれぞれに配された配向膜の構成が異なる点で相違する。なお、画素50と同じ機能を有する部材については、同様の部材番号を付記し、その説明を省略する。
図1に示すように、画素1は、素子基板10(第1基板)と、液晶層30を狭持して素子基板10と対向配置される対向基板20(第2基板)とを備える。反射部51の液晶層30の厚みは、透過部52の液晶層30の厚みより薄く形成されている。
素子基板10は、素子基板60の配向膜13に替えて、反射部51には無機材料を基本骨格(無機骨格と称する)とする配向膜である無機配向膜16が配されており、透過部52には有機材料からなる配向膜である有機配向膜17が配されている。また、対向基板20は、対向基板70の配向膜23に替えて、反射部51には無機骨格を有する配向膜である無機配向膜26が配されており、透過部52には有機材料からなる配向膜である有機配向膜27が配されている。
すなわち、素子基板10には配向膜として、反射部51には無機配向膜16が配されており、透過部52には有機配向膜17が配されている。そして、無機配向膜16及び有機配向膜17と、液晶層30との間にはポリマー層14が形成されている。つまり、無機配向膜16は、反射部51のポリマー層14との接触面に配されている。そして、有機配向膜17は、透過部52のポリマー層14との接触面に配されている。
また、対向基板20には配向膜として、反射部51には無機配向膜26が配されており、透過部52には有機配向膜27が配されている。そして、無機配向膜26及び有機配向膜27と、液晶層30との境界部分にはポリマー層24が形成されている。つまり、無機配向膜26は、反射部51のポリマー層24との接触面に配されている。そして、有機配向膜27は、透過部52のポリマー層24との接触面に配されている。
ここで、本実施の形態では、画素1内で、各ポリマー層(ポリマー層14、ポリマー層24)は、各配向膜(有機配向膜17・27、無機配向膜16・26)の表面の全面を覆っているものとして説明する。しかし、各ポリマー層(ポリマー層14、ポリマー層24)は、必ずしも層状に形成されていなくてもよい。つまり、ポリマー層14、およびポリマー層24は、各配向膜(有機配向膜17・27、無機配向膜16・26)の表面の全面を覆っている必要はなく、粒子状に形成されていてもよい。
無機配向膜16、及び無機配向膜26としては、例えば、SiOxを基本骨格とし、垂直配向のための側鎖として、基本骨格の表面にアルキル基が形成された構成からなる配向膜であり、特許文献3に開示されている垂直配向膜を用いることができる。また、無機配向膜16、及び無機配向膜26として、例えばSiO斜方蒸着膜を使用することもできる。
有機配向膜17、及び有機配向膜27は、公知の垂直配向膜を使用することができ、例えば、可溶性ポリイミドまたはポリアミック酸を主成分とし、垂直配向のための側鎖としてアルキル基などを有する配向膜を用いることができる。
ここで、無機骨格を有する材料からなる無機配向膜16及び無機配向膜26は、有機材料からなる有機配向膜17及び有機配向膜27と比較して、PSA化処理の際に液晶層30の液晶分子のプレチルト角を付与し難いという特性を有する。
つまり、PSA化処理の際、反射部51と、透過部52とに同じ固定電圧を印加した場合、無機配向膜16及び無機配向膜26を反射部51に配し、有機配向膜17及び有機配向膜27を透過部52に配することにより、反射部51ではポリマー層14及びポリマー層24が形成され難くなる。透過部52に形成されたポリマー層14及びポリマー層24と比較して、反射部51に形成されたポリマー層14及びポリマー層24によって付与されるプレチルト角を小さくすることができる。
このため、透過部52より液晶層30の厚さが薄くなるように形成されることで、透過部52より液晶分子の応答速度が速くなっていた反射部51の液晶層30の液晶分子の応答速度を小さくすることができる。これにより、反射部51と透過部52とで液晶層30の液晶分子の応答速度差を緩和及び平滑化することができる。
このように、画素1の構成によると、反射部51の液晶層30の厚さを、透過部52の液晶層30の厚さより薄くすることにより、反射部51及び透過部52から出射される輝度差を低減し、画像の表示品質を向上させた液晶表示パネルの応答速度の高速化を行うことができ、かつ、反射部51と透過部52とで液晶分子の応答速度差を低減することができる。このため、画素1の構成によると、画像の表示品質を低下させることなく、半透過型液晶表示パネルの応答速度の高速化を行うことができる。
さらに、画素1がマトリクス状に配された液晶表示パネルを液晶表示装置として用いることで、画像の表示品質を低下させることなく、応答速度を高速化した液晶表示装置を構成することができる。
上述した説明では、画素1は、素子基板10及び対向基板20ともに、透過部52に有機配向膜17・27を配し、反射部51に無機配向膜16・26を配する構成とした。このように、素子基板10と対向基板20とで、それぞれのポリマー層14・24を介して対向して配置されている配向膜を、同種類の材料から構成することで、素子基板10と対向基板20との配向膜の種類、ならびにそれぞれに形成されるポリマー層14・24のポリマー形成量に違いが生じることを防ぐことができる。
特に、対向して配置される配向膜の種類が異なると、対向電位ズレが生じる。そこで、上述のように、素子基板10と対向基板20とで、それぞれのポリマー層14・24を介して対向して配置されている配向膜を、同種類の材料から構成することで、画素1内の対向電位のズレを防止することができる。これにより、画像の表示品質の低下を防止することができる。
また、画素1は、素子基板10と対向基板20とのうち、一方の配向膜の構成を、透過部52のポリマー層14(またはポリマー層24)との接触面に有機配向膜17(または有機配向膜27)を配し、反射部51のポリマー層14(またはポリマー層24)との接触面に無機配向膜16(または無機配向膜26)を配した構成としてもよい。
上記構成により、素子基板10と対向基板20とのうち、他方の配向膜は、有機配向膜のみ、または無機配向膜のみから構成することができる。このため、配向膜を成膜するための製造プロセスが増加することを抑え、かつ、反射部51と透過部52とでの液晶分子の応答速度差の低減効果を得ることができる。
次に、PSA化処理によりプレチルト角が付与される液晶分子の配向膜の材質の違いによる比較実験を行った結果を示す。
図3は、PSA化処理によりプレチルト角が付与される液晶分子の配向膜の種類による依存特性を表すグラフである。図3の横軸は、PSA化処理の際の固化電圧〔V〕を表し、縦軸はPSA化処理によって付与されたプレチルト量であるΔpretilt〔deg〕を表す。
通常の液晶表示パネルの配向膜に、無機配向膜を適用したサンプル、有機配向膜Aを適用したサンプル、有機配向膜Bを適用したサンプル、有機配向膜Cを適用したサンプルを作成し、配向膜の種類による固化電圧に対するΔpretilt〔deg〕の測定を行った。PSA化処理のための光源は、波長365nmのものを用いた。そして、光の照射条件は一定とし、液晶層としてネガ型液晶を用いた。
比較実験では、無機配向膜として、SiOを基本骨格とし、垂直配向のための側鎖として基本骨格であるSiOの表面にアルキル基が形成された塗布型の材質を用いた。
また、有機配向膜として、可溶性ポリイミドを主成分とする垂直配向膜を用い、同じ材質からなる有機配向膜A・B・C3つのサンプルを用いた。
図3に示すように、固化電圧を上昇に従って、有機配向膜A・B・C、及び無機配向膜ともにプレチルト量Δpretilt〔deg〕の値が増加している。そして、同じ固化電圧に対するプレチルト量Δpretilt〔deg〕の値が、有機配向膜A・B・Cは何れも、無機配向膜と比較して大きい。
このように、図3の実験結果から、光照射条件、及び固化電圧を一定とした場合、有機配向膜A・B・Cと比較して無機配向膜は、プレチルト量Δpretilt〔deg〕の値を小さくすることができる。
また、図3の実験例では、有機配向膜A・B・Cとして可溶性ポリイミドを主成分とする垂直配向膜を用いたが、有機配向膜A・B・Cとしてポリアミック酸を主成分とする垂直配向膜を用いても同様の結果が得られた。
次に、図4(a)〜(d)、図5(a)〜(d)、図6(a)〜(d)、図7(a)〜(d)を用い無機配向膜16、及び有機配向膜17の形成方法について説明する。
なお、本実施の形態では、素子基板10に無機配向膜16及び有機配向膜17を形成する例について説明するが、同様の方法によって、対向基板20にも無機配向膜26及び有機配向膜27を形成することができる。
図4(a)は反射電極15上に無機配向剤16aを塗布している様子を表す断面図であり、(b)は(a)で塗布した無機配向剤16aを固化させた様子を表す断面図であり、(c)は反射電極15の形成領域外に有機配向剤17aを塗布している様子を表す断面図であり、(d)は(c)で塗布した有機配向剤17aを固化させている様子を表す断面図である。
図4(a)に示すように、液滴吐出装置(インクジェット装置)の吐出ヘッド80を、基板11上に反射電極15及び電極12が形成されている素子基板10上であって、反射電極15が形成されている領域上に移動する。そして、吐出ヘッド80から、無機配向膜16となる固形分が分散された溶液である無機配向剤16aを、素子基板10の反射電極15が形成されている領域に局所的に吐出する。
次に、図4(b)に示すように、例えば素子基板10に熱を加えるなどして、吐出ヘッド80から吐出された無機配向剤16aの溶媒を気化させる。これにより、反射電極15上に局所的に無機配向膜16が形成される。
そして、図4(c)に示すように、吐出ヘッド80を、素子基板10上であって、反射電極15が形成されている領域外に、相対的に移動させる。次に、吐出ヘッド80から、有機配向膜17となる固形分が分散された溶液である有機配向剤17aを、素子基板10上であって、反射電極15が形成されている領域外に吐出する。
次に、図4(d)に示すように、例えば素子基板10に熱を加えるなどして、吐出ヘッド80から吐出された有機配向剤17aの溶媒を気化させる。これにより、反射電極15が形成されている領域外の表示領域に有機配向膜17が形成される。
また、同様にして、対向基板20にも無機配向膜26、及び有機配向膜27が形成される。このようにして形成された素子基板10と、対向基板20とを張り合わせ、重合性成分を含む液晶層30を注入し、さらに、PSA化処理を施すことにより、画素1が配された液晶表示パネルを製造することができる。
図4(a)〜(d)の例では、無機配向膜16、及び有機配向膜17を液滴吐出装置を用いたインクジェット法により形成する方法について説明したが、インクジェット法以外にも、例えば、印刷法、スピンコート法、蒸着法などによって形成してもよい。
また、図4(a)〜(d)の例では、素子基板10に、無機配向膜16を形成してから、有機配向膜17を形成するように説明したが、無機配向膜16と、有機配向膜17とを形成する順番は逆でもよい。すなわち、素子基板10に、有機配向膜17を形成してから、無機配向膜16を形成してもよい。
また、無機配向膜16は、有機配向膜17上に形成してもよい。これについて、図5(a)〜(d)を用いて説明する。
図5(a)は反射電極15及び反射電極15の形成領域外に有機配向剤17aを塗布している様子を表す断面図であり、(b)は(a)で塗布した有機配向剤17aを固化させている様子を表す断面図であり、(c)は反射電極15上に無機配向剤16aを塗布している様子を表す断面図であり、(d)は(c)で塗布した無機配向剤16aを固化させている様子を表す断面図である。
図5(a)に示すように、吐出ヘッド80を、素子基板10に対して相対的に移動させることにより、基板11上に反射電極15及び電極12が形成されている素子基板10上であって、反射電極15が形成されている領域を含め、素子基板10の全面に、有機配向剤17aを吐出する。
次に、図5(b)に示すように、例えば素子基板10に熱を加えるなどして、吐出ヘッド80から吐出された有機配向剤17aの溶媒を気化させる。これにより、反射電極15が形成されている領域を含め、素子基板10の全面に、有機配向膜17が形成される。
なお、素子基板10の全面に、有機配向膜17を成膜する方法としては、インクジェット法に限定されず、印刷法、スピンコート法、蒸着法などによって形成してもよい。
そして、図5(c)に示すように、反射電極15が形成されている領域上に吐出ヘッド80が位置するように、吐出ヘッド80と、素子基板10とを相対的に移動させ、吐出ヘッド80から、反射電極15が形成されている領域であって、有機配向膜17上に無機配向剤16aを局所的に吐出する。
次に、図5(d)に示すように、例えば素子基板10に熱を加えるなどして、吐出ヘッド80から吐出された無機配向剤16aの溶媒を気化させる。これにより、反射電極15が形成されている領域であって有機配向膜17上に、無機配向膜16が形成される。
また、同様にして、対向基板20にも有機配向膜27を形成してから、反射電極15と対向する領域であって、有機配向膜27上に無機配向膜26を形成する。そして、このようにして形成された素子基板10と、対向基板20とを張り合わせ、重合性成分を含む液晶層30を注入し、さらに、PSA化処理を施す。これにより、反射部51のポリマー層14との接触面には無機配向膜16が配され、透過部52のポリマー層14との接触面には有機配向膜17が配されている素子基板10と、反射部51のポリマー層24との接触面には無機配向膜26が配され、透過部52のポリマー層24との接触面には有機配向膜27が配されている対向基板20とからなる画素1が配された液晶表示パネルを構成することができる。
また、上述したように、インクジェット法により、素子基板10に対して、無機配向剤16aまたは有機配向剤17aを吐出させた場合、無機配向膜16または有機配向膜17を形成すべき領域以上に、素子基板10に吐出された、無機配向剤16aまたは有機配向剤17aが広がる場合がある。このように、素子基板10に吐出された無機配向剤16aまたは有機配向剤17aが必要以上に広がることを防止するために、反射電極15の周囲に隔壁を設けてもよい。これについて、図6(a)〜(d)を用いて説明する。
図6(a)は、周囲に隔壁部18が形成された反射電極15上に無機配向剤16aを塗布している様子を表す断面図であり、(b)は(a)で塗布した無機配向剤16aを固化させた様子を表す断面図であり、(c)は隔壁部18が設けられた反射電極15の領域外に有機配向剤17aを塗布している様子を表す断面図であり、(d)は(c)で塗布した有機配向剤17aを固化させた様子を表す断面図である。
図6(a)に示すように、基板11上に反射電極15及び電極12が形成されている素子基板10の反射電極15の周囲に、隔壁部18を形成する。この隔壁部18は、例えば、スパッタリング法によってメタル材料で形成してもよいし、フォトリソグラフィによってレジスト材料で形成してもよい。
そして、隔壁部18によって周囲を囲まれた反射電極15上に、吐出ヘッド80から無機配向剤16aを吐出する。このように、隔壁部18が反射電極15の周囲を囲んで形成されているので、吐出ヘッド80から吐出された無機配向剤16aは、隔壁部18によって囲まれた領域内に収まる。このため、無機配向膜16を形成すべき領域外に無機配向剤16aが広がることを防止することができる。
次に、図6(b)に示すように、例えば素子基板10に熱を加えるなどして、吐出ヘッド80から吐出された無機配向剤16aの溶媒を気化させる。これにより、反射電極15上に局所的に無機配向膜16が形成される。また、無機配向剤16aが必要以上に広がることを防止することにより、反射電極15が形成されている領域外に無機配向膜16が形成されることを防止することができる。
そして、図6(c)に示すように、吐出ヘッド80を、素子基板10上であって、反射電極15が形成されている領域外に、相対的に移動させる。次に、吐出ヘッド80から、有機配向剤17aを素子基板10上であって、反射電極15が形成されている領域外に吐出する。ここで、隔壁部18が反射電極15の周囲を囲んで形成されているので、吐出ヘッド80から吐出された有機配向剤17aが、隔壁部18によって囲まれた領域内に広がることを防止することができる。
次に、図6(d)に示すように、例えば素子基板10に熱を加えるなどして、吐出ヘッド80から吐出された有機配向剤17aの溶媒を気化させる。これにより、反射電極15が形成されている領域以外の表示領域に有機配向膜17が形成される。また、吐出ヘッド80から吐出された有機配向剤17aが必要以上に広がることを防止することにより、反射電極15が形成されている領域内に有機配向膜17が形成されることを防止することができる。
また、同様にして、基板21上に、反射電極15と対向する領域の周囲に、隔壁部18を形成する。そして、形成した隔壁部18内に無機配向膜26を形成し、それ以外の領域には有機配向膜27を形成する。そして、このようにして形成された素子基板10と、対向基板20とを張り合わせ、重合性成分を含む液晶層30を注入し、さらに、PSA化処理を施す。これにより、反射部51のポリマー層14との接触面には無機配向膜16が配され、透過部52のポリマー層14との接触面には有機配向膜17が配されている素子基板10と、反射部51のポリマー層24との接触面には無機配向膜26が配され、透過部52のポリマー層24との接触面には有機配向膜27が配されている対向基板20とからなる画素1が配された液晶表示パネルを構成することができる。
また、無機配向膜16は、図7(a)〜(d)に示すように、例えば、特許文献4に開示された方法によって、形成することもできる。
図7(a)は、反射電極15が形成された素子基板10の全面に無機配向膜16が形成され、無機配向膜16の上層に有機配向膜17が形成された様子を表す断面図であり、(b)は(a)の有機配向膜17の上層にレジスト膜19が形成された素子基板10をマスク露光している様子を表す断面図であり、(c)は(b)の素子基板の反射電極15上の有機配向膜17及びレジスト膜19が除去された様子を表す断面図であり、(d)は(c)の素子基板10のレジスト膜19が除去された様子を表す断面図である。
図7(a)に示すように、基板11上に反射電極15及び電極12が形成されている素子基板10上に、例えば、印刷法、スピンコート法、蒸着法、インクジェット法などによって、無機配向膜16を、反射電極15が形成されている領域を含め、素子基板10の全面に形成する。そして、さらに、無機配向膜16の上層に例えば、印刷法、スピンコート法、蒸着法、インクジェット法などによって、有機配向膜17を形成する。そして、有機配向膜17の上層に、熱硬化樹脂などからなるレジスト液を塗布し、半硬化させることによりレジスト膜19を形成する。
そして、図7(b)に示すように、反射電極15が形成されている領域以外の領域をフォトマスク56で覆い、露光を行なう。これにより、反射電極15が形成されている領域が露光され、反射電極15が形成されている領域外は遮光される。そして、現像を行なうことにより、図7(c)に示すように、反射電極15が形成されている領域上の有機配向膜17及びレジスト膜19除去する。つまり、リブ、またはリベット上の有機配向膜17及びレジスト膜19を除去する。
そして、図7(d)に示すように、反射電極15が形成されている領域外に形成されているレジスト膜19を剥離する。これにより、反射電極15が形成されている領域上には無機配向膜16が形成される。そして、反射電極15が形成されている領域外には、無機配向膜16が形成され、さらに、無機配向膜16の上層に有機配向膜17が積層されて形成される。
また、同様にして対向基板20にも、反射電極15と対向する領域の対向基板20に無機配向膜26が形成され、それ以外の領域には無機配向膜26の上層に有機配向膜17が積層されて形成される。そして、このようにして形成された素子基板10と、対向基板20とを張り合わせ、重合性成分を含む液晶層30を注入し、さらに、PSA化処理を施す。これにより、反射部51のポリマー層14との接触面には無機配向膜16が配され、透過部52のポリマー層14との接触面には有機配向膜17が配されている素子基板10と、反射部51のポリマー層24との接触面には無機配向膜26が配され、透過部52のポリマー層24との接触面には有機配向膜27が配されている対向基板20とからなる画素1が配された液晶表示パネルを構成することができる。
なお、上述した説明ではレジスト膜19としてポジレジストを用いた例を説明したが、レジスト膜19としてネガレジストを用いてもよい。レジスト膜19としてネガレジストを用いた場合は、図7(b)で説明した露光領域と、遮光領域とが反転することになる。
また、本実施の形態では、無機配向膜16として、塗布型の垂直配向を示す配向膜を用い、垂直配向モードの液晶表示パネルに対してPSA技術を適用する例について説明したが、例えば、斜方蒸着により形成が可能な無機配向膜を使用すれば、水平配向モードの液晶表示パネルに対してPSA技術を適用することができる。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、反射部と透過部とが画素に形成された液晶表示パネルに配される配向膜として、反射部には無機配向膜を配し、透過部には有機配向膜を配し、さらにPSA技術を適用することができるため、広く表示パネルに利用することができる。
1 画素
10 素子基板(第1基板)
14・24 ポリマー層(ポリマー)
15 反射電極
16・26 無機配向膜
17・27 有機配向膜
18 隔壁部
20 対向基板(第2基板)
30 液晶層
51 反射部
52 透過部

Claims (7)

  1. 配向膜がそれぞれ配されている第1基板及び第2基板によって液晶層が狭持され、画像を表示するための画素が形成されている液晶表示パネルであって、
    上記画素には、上記画素に入射する光を透過して上記画像を表示する透過部と、上記画素に入射する光を反射して上記画像を表示する反射部とが形成されており、
    上記反射部の液晶層の厚みは、上記透過部の液晶層の厚みより薄く形成されており、
    上記第1基板、及び第2基板のそれぞれに配されている配向膜と、上記液晶層との間には、上記液晶層の液晶分子のプレチルト角を保持するポリマーが形成されており、
    上記第1基板、及び上記第2基板のそれぞれに配されている配向膜のうち、少なくとも一方の配向膜は、上記透過部の上記ポリマーとの接触面に有機材料からなる有機配向膜が配されており、上記反射部の上記ポリマーとの接触面に無機骨格を有する材料から成る無機配向膜が配されていることを特徴とする液晶表示パネル。
  2. 上記第1基板に配されている配向膜と、上記第2基板に配されている配向膜とは、共に、上記透過部の上記ポリマーとの接触面に上記有機配向膜が配されており、上記反射部の上記ポリマーとの接触面に上記無機配向膜が配されていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示パネル。
  3. 上記第1基板に配されている配向膜と、上記第2基板に配されている配向膜とのうち、一方の配向膜は、上記透過部の上記ポリマーとの接触面に上記有機配向膜が配されており、上記反射部の上記ポリマーとの接触面に上記無機配向膜が配されていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示パネル。
  4. 上記第1基板及び上記第2基板のそれぞれに配されている配向膜のうち、少なくとも一方の配向膜は、上記透過部の上記ポリマーとの接触面に配されている上記有機配向膜が上記反射部にも配されており、当該反射部に配された有機配向膜の上層に、上記反射部の上記ポリマーとの接触面に配されている上記無機配向膜が配されていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示パネル。
  5. 上記第1基板及び上記第2基板のそれぞれに配されている配向膜のうち、少なくとも一方の配向膜は、上記反射部の上記ポリマーとの接触面に配されている上記無機配向膜が上記透過部にも配されており、当該透過部に配された無機配向膜の上層に、上記透過部の上記ポリマーとの接触面に配されている上記有機配向膜が配されていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示パネル。
  6. 上記透過部に配された有機配向膜と、上記反射部に配された無機配向膜との間には、隔壁が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示パネル。
  7. 請求項1〜6の何れか1項に記載の液晶表示パネルを用いたことを特徴とする液晶表示装置。
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