JP2011017342A - 脈流発生装置および医療機器、脈流発生装置の制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】容積変更手段が停止しているときに流体が流体噴射開口部から流出しない脈流発生装置を実現する。
【解決手段】脈流発生装置20は、流体室80の容積を変化させて流体噴射開口部96から流体をパルス状に噴射する脈流発生装置であって、ポンプ10から流体室80に流体を供給する入口流路81と、流体室80の容積を変化させる容積変更としての圧電素子30及びダイアフラム40と、流体室80から流体噴射開口部96まで流体を送出する出口流路82と、流体室80から流体を排出する排出流路83と、排出流路83を開閉する開閉バルブ100と、が備えられ、排出流路83の合成イナータンスL3が出口流路82の合成イナータンスL2よりも小さく設定されている。開閉バルブ100を開放するとともに圧電素子30の駆動を停止して排出流路83から液体を外部に排出する。
【選択図】図2
【解決手段】脈流発生装置20は、流体室80の容積を変化させて流体噴射開口部96から流体をパルス状に噴射する脈流発生装置であって、ポンプ10から流体室80に流体を供給する入口流路81と、流体室80の容積を変化させる容積変更としての圧電素子30及びダイアフラム40と、流体室80から流体噴射開口部96まで流体を送出する出口流路82と、流体室80から流体を排出する排出流路83と、排出流路83を開閉する開閉バルブ100と、が備えられ、排出流路83の合成イナータンスL3が出口流路82の合成イナータンスL2よりも小さく設定されている。開閉バルブ100を開放するとともに圧電素子30の駆動を停止して排出流路83から液体を外部に排出する。
【選択図】図2
Description
本発明は、流体をパルス状に噴射する脈流発生装置と、この脈流発生装置の制御方法に関する。
従来、流体をパルス状に噴射して対象物の切断または切除等を行う技術が知られている。例えば、医療分野では、生体組織を切開または切除する手術具としての流体噴射装置として、容積変更手段の駆動によって容積が変化される流体室と、この流体室に連通されたノズルとを備え、流体室に流体を供給すると共に容積変更手段を駆動することによって、流体を脈流に変換してノズルから流体をパルス状に高速噴射させるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
上記特許文献1によれば、流体供給手段としてのポンプによって流体を流体室に供給するが、流体室に供給される流体の流量あるいは圧力が生体組織を切開または切除に必要な状態に達していない状態で、流体がノズルから流出してしまうことがある。生体組織を切開または切除に必要な状態に達していない状態で流体がノズルから流出してしまうと、流出した流体によって切開または切除部位の術野の視認性が悪化し、手術の効率性や安全性を低下させる原因となる。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係る脈流発生装置は、流体室の容積を変化させて流体噴射開口部から流体をパルス状に噴射する脈流発生装置であって、流体供給手段から前記流体室に流体を供給する入口流路と、前記流体室の容積を変化させる容積変更手段と、前記流体室から前記流体噴射開口部まで流体を送出する出口流路と、前記流体室から流体を排出する排出流路と、前記排出流路を開閉する開閉バルブと、が備えられ、前記排出流路の合成イナータンスが、前記出口流路の合成イナータンスよりも小さくなっており、前記開閉バルブを閉鎖するとともに前記容積変更手段の駆動を開始し、前記開閉バルブを開放するとともに前記容積変更手段の駆動を停止することを特徴とする。
本適用例によれば、開閉バルブを開放するとともに容積変更手段の駆動を停止する。この際、排出流路の合成イナータンスを出口流路の合成イナータンスよりも小さく設定していることから、流体室内の流体は出口流路よりも排出流路に流れやすい。従って、容積変更手段の駆動を停止した状態では、流体噴射開口部から不必要な流体の流出を抑制し、切開または切除部位の術野の視認性を高めることができる。
[適用例2]上記適用例に係る脈流発生装置は、前記開閉バルブの閉鎖より遅れて前記容積変更手段の駆動を開始し、前記開閉バルブの開放より遅れて前記容積変更手段の駆動を停止することを特徴とする。
本適用例によれば、開閉バルブが閉鎖した状態で容積変更手段が駆動を開始する。従って、容積変更手段の動作により流体室内の圧力が十分に高められ、液体をパルス状に高速噴射させることができる。
また、本適用例によれば、開閉バルブが開放した状態で容積変更手段が駆動を停止する。このように優先的に開閉バルブを開放することによって、容積変更手段の動作に関わらず流体が排出流路に流動して排出されるため、流体開口部からの流体流出を抑制し、切開または切除部位の術野の視認性を高めることができる。
[適用例3]本適用例に係る脈流発生装置は、流体室の容積を変化させて流体噴射開口部から流体をパルス状に噴射する脈流発生装置であって、流体供給手段から前記流体室に流体を供給する入口流路と、前記流体室の容積を変化させる容積変更手段と、前記流体室から前記流体噴射開口部まで流体を送出する出口流路と、前記流体室から流体を排出する排出流路と、前記排出流路を開閉する開閉バルブと、前記開閉バルブの流体が排出される下流側に配設され流体を吸引する吸引手段と、が備えられ、前記開閉バルブを閉鎖するとともに、前記吸引手段の駆動の停止と前記容積変更手段の駆動の開始を行い、前記開閉バルブを開放するとともに、前記吸引手段の駆動の開始と前記容積変更手段の駆動の停止とを行う、ことを特徴とする。
本適用例によれば、開閉バルブを開放すると共に、容積変更手段の動作の停止と吸引手段の駆動を行い、強制的に流体室内の流体を排出することから、前述した適用例1と同様な効果が得られる。
また、吸引手段を設けることにより、排出流路の合成イナータンス及び出口流路の合成イナータンスの大小を設定しなくてもよく、脈流発生装置の入口流路及び出口流路の設計上の制約を排除することができる。
[適用例4]上記適用例に係る脈流発生装置は、前記開閉バルブの閉鎖および前記吸引手段の駆動の停止より遅れて前記容積変更手段の駆動の開始を行い、前記開閉バルブの開放および前記吸引手段の駆動の開始より遅れて前記容積変更手段の駆動の停止を行う、ことが好ましい。
本適用例によれば、開閉バルブの閉鎖および吸引手段の停止よりも遅れて容積変更手段の駆動の開始を行い、開閉バルブの開放および吸引手段の動作開始よりも遅れて容積変更手段の駆動の停止を行う。従って、前述の適用例2と同様な効果が得られる。
[適用例5]上記適用例に係る脈流発生装置は、前記排出流路が、前記出口流路に連通されていることを特徴とする。
排出流路を流体室と連通させても出口流路と連通させても流体室から流出する流体を排出することができるが、適用例3では排出流路を出口流路に連通させるようになっている。このような構成にすることによって、流体室と、流体室と直接連通する流路との接続部分を減らすことができ、接続部分に滞留する気泡を減らすことができる。流体室の容積を容積変更手段により変化させて脈流を発生させる脈流発生装置は、流体室内に気泡が存在すると内部圧力を十分に高められず、生体組織を切開または切除するために十分な脈流を発生させることができないことがある。従って、出口流路に排出流路を連通させる構造とすることにより、流体室に滞留する気泡の滞留を抑制し、流体室内の圧力を所望の圧力に高めることができる。
[適用例6]本適用例に係る脈流発生装置の制御方法は、流体供給手段から流体室に流体を供給する入口流路と、前記流体室の容積を変化させる容積変更手段と、前記流体室から流体噴射開口部まで流体を送出する出口流路と、前記流体室から流体を排出する排出流路と、前記排出流路を開閉する開閉バルブと、が備えられ、前記排出流路の合成イナータンスが前記出口流路の合成イナータンスよりも小さくなっており、前記流体室の容積を変化させて前記流体噴射開口部から流体をパルス状に噴射する脈流発生装置の制御方法であって、前記流体供給手段及び前記容積変更手段を停止し、前記開閉バルブを開放している前記脈流発生装置の停止状態から前記流体供給手段を駆動させる第1のステップと、前記開閉バルブを閉鎖させる第2のステップと、前記容積変更手段を駆動させて前記流体噴射開口部から流体をパルス状に噴射させる第3のステップと、前記開閉バルブを開放させるとともに、前記流体供給手段及び前記容積変更手段のうち、少なくとも前記容積変更手段を停止させる第4のステップと、を含むことを特徴とする。
本適用例の制御方法によれば、流体供給手段を駆動、容積変更手段を停止、開閉バルブを開放させる第1のステップは、流体室内に流体を供給開始する脈流発生装置の立ち上げ準備期間である。この期間では、所定の単位時間当たりの流量で流体を流体室に供給可能な状態にする。この期間は開閉バルブを開放しているので流体は排出流路に流動し、流体噴射開口部からの流体の流出を抑制でき、切開または切除部位の術野の視認性を高めることができる。
第2のステップは、流体供給手段を駆動しつつ開閉バルブを閉鎖させる脈流発生装置の立ち上げ期間である。この期間では、容積変更手段の駆動開始前に開閉バルブを閉鎖し、流体室内を流体噴射に必要な圧力に高めておく。従って、容積変更手段の駆動開始直後から生体組織を切開または切除するために十分なエネルギーを有する流体をパルス状に高速噴射させることができる。
第3のステップは、脈流発生装置の定常駆動の期間である。この期間は開閉バルブが閉鎖されている状態で容積変更手段を駆動するため、流体室内の圧力は十分に高められ、生体組織を切開または切除するために十分なエネルギーを有する流体をパルス状に高速噴射させることができる。
第4のステップでは、脈流発生装置を停止させる。この際、流体供給手段の駆動停止から実際に流体の供給停止までの時間差がある場合において、開閉バルブを開放しておくことにより、流体噴射開口部から流体が流出することを抑制することができ、切開または切除部位の術野の視認性を高めることができる。
なお、本適用例の第4のステップは、前記脈流発生装置の駆動中に前記開閉バルブを開放させる一時休止期間を含む。ここで、一時休止期間とは、例えば、脈流発生装置を駆動途中で一時的に停止し、再駆動させる期間を意味する。
このような制御方法によれば、脈流発生装置を駆動しているとき(流体供給手段と容積変更手段を駆動し、開閉バルブを閉鎖している状態)に開閉バルブを開放する。排出流路の合成イナータンスは出口流路の合成イナータンスよりも小さく設定されていることから、容積変更手段を駆動している状態であっても流体は排出流路から流出し、流体噴射開口部からの流出を抑制することができ、切開または切除部位の術野の視認性を高めることができる。
また、一時休止期間では、流体供給手段は駆動継続しているため、一時休止期間から第2のステップ、第3のステップに順次移行させることにより再駆動でき、再駆動の遅延時間を短縮させることができる。
[適用例7]本適用例に係る脈流発生装置の制御方法は、流体供給手段から流体室に流体を供給する入口流路と、前記流体室の容積を変化させる容積変更手段と、前記流体室から流体噴射開口部まで流体を送出する出口流路と、前記流体室から流体を排出する排出流路と、前記排出流路を開閉する開閉バルブと、前記開閉バルブの流体が排出される下流側に配設され流体を吸引する吸引手段と、が備えられ、前記流体室の容積を変化させて前記流体噴射開口部から流体をパルス状に噴射する脈流発生装置の制御方法であって、前記流体供給手段と前記容積変更手段及び前記吸引手段とを停止し、前記開閉バルブを開放させる前記脈流発生装置の停止状態から、前記流体供給手段及び前記吸引手段を駆動させる第1のステップと、前記開閉バルブを閉鎖し前記吸引手段を停止させる第2のステップと、前記容積変更手段を駆動させて前記流体噴射開口部から流体をパルス状に噴射させる第3のステップと、前記開閉バルブの開放、前記容積変更手段の停止並びに前記流体供給手段の停止若しくは前記流体供給手段及び前記吸引手段の駆動、を行う第4のステップと、を含むことを特徴とする。
本適用例によれば、開閉バルブを開放すると共に、容積変更手段の動作の停止と吸引手段の駆動を行い、強制的に流体室内の流体を排出することができ、前述した適用例4と同様な効果が得られる。
また、本適用例の第4のステップは、前記脈流発生装置の駆動中に前記開閉バルブを開放し、且つ前記吸引手段を駆動させる一時休止期間を含む。
このような制御方法によれば、流体供給手段と容積変更手段を駆動している状態で、開閉バルブを開放する。排出流路には吸引手段を配設していることから、容積変更手段を駆動している状態であっても流体を強制的に吸引しているため、流体噴射開口部からの流出をより抑制することができ、切開または切除部位の術野の視認性を高めることができる。
また、一時休止期間から第2のステップ、第3のステップに順次移行させることにより再駆動が可能であり、再駆動の遅延時間を短縮させることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本発明による脈流発生装置は、インク等を用いた描画、細密な物体及び構造物の洗浄、手術用メス等様々に採用可能であるが、以下に説明する実施形態では、生体組織を切開または切除することに好適な脈流発生装置を例示して説明する。従って、実施形態にて用いる流体は、水または生理食塩水等の液体である。なお、以降説明する図2、図5、図8、図9は、図示の便宜上、部材ないし部分の縦横の縮尺は実際のものとは異なる模式図である。
(実施形態1)
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る手術具としての流体噴射装置を示す構成説明図である。図1において、流体噴射装置1は、液体を収容する液体供給容器2(以降、単に容器2と表す)と、流体供給手段としてのポンプ10と、ポンプ10から供給される液体を脈流に変換させる脈流発生装置20と、を備えている。ポンプ10と脈流発生装置20とは液体供給チューブ4(以降、単にチューブ4と表す)によって接続されている。
脈流発生装置20には、細いパイプ状の接続流路管90が接続され、接続流路管90の先端部には流路径が縮小されたノズル95が挿着されている。
また、脈流発生装置20には液体排出チューブ5(以降、単にチューブ5と表す)が接続され、その末端は液体排出容器3(以降、単に容器3と表す)に達している。また、チューブ5と脈流発生装置20との接続部付近には、チューブ5の流路を開閉する開閉バルブ100が配設されている。
この流体噴射装置1における液体の流動を簡単に説明する。容器2に収容された液体は、ポンプ10によって吸引され、一定の圧力でチューブ4を介して脈流発生装置20に供給される。脈流発生装置20には、流体室80(図2、参照)と、この流体室80の容積を変化させる容積変更手段と、を備えており、容積変更手段を駆動して流体室80において脈流を発生させ、接続流路管90、ノズル95を介して液体をパルス状に高速噴射する。
ここで脈流とは、液体の流れる方向が一定で、液体の流量または流速が周期的または不定期な変動を伴った液体の流動を意味する。脈流には、液体の流動と停止とを繰り返す間欠流も含むが、液体の流量または流速が周期的または不定期な変動していればよいため、必ずしも間欠流である必要はない。同様に、液体をパルス状に噴射するとは、噴射する液体の流量または移動速度が周期的または不定期に変動した液体の噴射を意味する。パルス状の噴射の一例として、液体の噴射と非噴射とを繰り返す間欠噴射が挙げられるが、噴射する液体の流量または移動速度が周期的または不定期に変動していればよいため、必ずしも間欠噴射である必要はない。
脈流発生装置20については、図2を参照して後述する。
脈流発生装置20については、図2を参照して後述する。
また、チューブ5は、流体室80に連通する排出流路83(図2、参照)に接続されている。排出流路83とチューブ5の接続部には開閉バルブ100が設けられ、生体の切開や切除に不必要な液体を容器3に排出する。
なお、この流体噴射装置1を用いて手術をする際には、術者が把持する部位は脈流発生装置20である。従って、チューブ4,5はできるだけ柔軟であることが好ましい。
次に、本実施形態に係る脈流発生装置20の構造について説明する。
図2は、本実施形態に係る脈流発生装置を液体の噴射方向に沿って切断した断面図である。
脈流発生装置20は、ポンプ10からチューブ4を介して流体室80に液体を供給する入口流路81と、流体室80の容積を変化させる容積変更手段としての圧電素子30及びダイアフラム40と、流体室80から流体噴射開口部96まで液体を送出する出口流路82と、流体室80から液体を外部に排出する排出流路83と、排出流路83を開閉する開閉バルブ100と、を有して構成されている。
図2は、本実施形態に係る脈流発生装置を液体の噴射方向に沿って切断した断面図である。
脈流発生装置20は、ポンプ10からチューブ4を介して流体室80に液体を供給する入口流路81と、流体室80の容積を変化させる容積変更手段としての圧電素子30及びダイアフラム40と、流体室80から流体噴射開口部96まで液体を送出する出口流路82と、流体室80から液体を外部に排出する排出流路83と、排出流路83を開閉する開閉バルブ100と、を有して構成されている。
ダイアフラム40は、円盤状の金属薄板からなり、下ケース50と上ケース70によって密着されている。圧電素子30は、本実施形態では積層型圧電素子であって、両端部の一方がダイアフラム40に、他方が底板60に固着されている。
流体室80は、上ケース70のダイアフラム40に対向する面に形成される凹部とダイアフラム40とによって形成される空間である。流体室80の略中央部には出口流路82が開口されている。
上ケース70と下ケース50とは、それぞれ対向する面において接合一体化されている。上ケース70には、出口流路82に連通する接続流路91を有する接続流路管90が嵌着され、接続流路管90の先端部にはノズル95が挿着されている。そして、ノズル95には、流路径が縮小された流体噴射開口部96が開口されている。なお、接続流路91は出口流路82の一部である。
上ケース70には、流体室80と連通する入口流路81と排出流路83とが形成され、入口流路81にはチューブ4が取付けられている。また、排出流路83にはチューブ5が取付けられ、排出流路83とチューブ5との接合部には開閉バルブ100が装着されている。開閉バルブ100としては、電磁バルブやエアオペレートバルブ等を用いることができるが、開閉駆動信号に対して応答性が高い電磁バルブを用いることがより好ましい。
次に、本実施形態における脈流発生装置20の流体吐出動作について図1、図2を参照して説明する。本実施形態の脈流発生装置20の流体吐出は、入口流路81側の合成イナータンスL1と出口流路82側の合成イナータンスL2の差によって行われる。
まず、イナータンスについて説明する。
イナータンスLは、流体の密度をρ、流路の断面積をS、流路の長さをhとしたとき、L=ρ×h/Sで表される。流路の圧力差をΔP、流路を流れる流体の流量をQとした場合に、イナータンスLを用いて流路内の運動方程式を変形することで、ΔP=L×dQ/dtという関係が導き出される。
イナータンスLは、流体の密度をρ、流路の断面積をS、流路の長さをhとしたとき、L=ρ×h/Sで表される。流路の圧力差をΔP、流路を流れる流体の流量をQとした場合に、イナータンスLを用いて流路内の運動方程式を変形することで、ΔP=L×dQ/dtという関係が導き出される。
つまり、イナータンスLは、流量の時間変化に与える影響度合いを示しており、イナータンスLが大きいほど流量の時間変化が少なく、イナータンスLが小さいほど流量の時間変化が大きくなる。
ここで、入口流路81側の合成イナータンスL1は、入口流路81の範囲において算出される。この際、ポンプ10と入口流路81を接続するチューブ4は柔軟性を有するため、合成イナータンスL1の算出から削除してもよい。
また、出口流路82側の合成イナータンスL2は、接続流路91の流路径が出口流路82よりもはるかに大きく、接続流路管90の管部(管壁)の厚さが薄いため合成イナータンスL2への影響は軽微である。従って、出口流路82側の合成イナータンスL2は出口流路82のイナータンスに置き換えてもよい。
なお、接続流路管90の管壁の厚さは、流体の圧力伝播に対して十分な剛性を有している。
なお、接続流路管90の管壁の厚さは、流体の圧力伝播に対して十分な剛性を有している。
そして、本実施形態では、入口流路81側の合成イナータンスL1が出口流路82側の合成イナータンスL2よりも大きくなるように、入口流路81の流路長及び断面積、出口流路82の流路長及び断面積を設定する。
次に、流体吐出動作について説明する。
ポンプ10によって入口流路81には、常に一定圧力の圧力で液体が供給されている。その結果、圧電素子30が動作を行わない場合、ポンプ10の吐出力と入口流路側全体の流路抵抗の差によって液体は流体室80内に流動する。
ポンプ10によって入口流路81には、常に一定圧力の圧力で液体が供給されている。その結果、圧電素子30が動作を行わない場合、ポンプ10の吐出力と入口流路側全体の流路抵抗の差によって液体は流体室80内に流動する。
ここで、圧電素子30に駆動信号が入力され、圧電素子30がダイアフラム40の流体室80側の面に対して垂直方向に急激に伸長したとすると流体室80の容積が縮小され、流体室80内の圧力は、入口流路側及び出口流路側の合成イナータンスL1,L2が十分な大きさを有していれば急速に上昇して数十気圧に達する。
この圧力は、入口流路81に加えられていたポンプ10による圧力よりはるかに大きいため、入口流路81から流体室80内への液体の流入はその圧力によって減少し、出口流路82からの流出は増加する。
さらに、入口流路側の合成イナータンスL1は、出口流路側の合成イナータンスL2よりも大きいため、入口流路81から流体室80へ流入する流量の減少量よりも、出口流路82から吐出される液体の増加量のほうが大きいため、接続流路91にパルス状の液体吐出、つまり、脈流が発生する。この吐出の際の圧力変動が、接続流路管90内(接続流路91)を伝播して、先端のノズル95の流体噴射開口部96から流体が噴射される。
ここで、流体噴射開口部96の流路径は、出口流路82の流路径よりも縮小されているので、液体はさらに高圧となり、パルス状の液滴となって高速噴射される。
一方、流体室80内は、入口流路81からの液体流入量の減少と出口流路82からの液体流出の増加との相互作用で、圧力上昇直後に真空状態となる。そして、圧電素子30を元の形状に復元すると、ポンプ10の圧力と、流体室80内の真空状態の双方によって一定時間経過後、入口流路81の液体は圧電素子30の動作前(伸長前)と同様な速度で流体室80内に向かう流れが復帰する。
入口流路81内の液体の流動が復帰した後、圧電素子30の伸長があれば、流体噴射開口部96からパルス状の液滴を継続して噴射する。
続いて、排出流路83からの液体排出作用について図2を参照して説明する。まず、排出流路83側の合成イナータンスL3について説明する。合成イナータンスL3は、チューブ5が柔軟性を有することから、排出流路83と開閉バルブ100の流路のイナータンスの和とすることができる。そして、排出流路側の合成イナータンスL3は出口流路側の合成イナータンスL2よりもはるかに小さくなるように設定される。
従って、開閉バルブ100が開放されている場合は、合成イナータンスL3と合成イナータンスL2の関係から、排出流路83側に液体が流動しやすいため出口流路82からの流出を抑制することができる。
なお、容積変更手段としては、圧電素子30及びダイアフラム40を用いる構造の他にピストン等伸縮応答性の高い手段を用いることができる。
(実施形態1の制御方法)
(実施形態1の制御方法)
続いて、実施形態1に係る脈流発生装置の制御方法について図面を参照して説明する。
図3、図4は、本実施形態における脈流発生装置の制御方法のフローを示すタイミング図であって、図3は、脈流発生装置の停止から定常駆動までのステップを示し、図4は、定常駆動から一時休止、再駆動させる場合のステップを示している。
図3、図4は、本実施形態における脈流発生装置の制御方法のフローを示すタイミング図であって、図3は、脈流発生装置の停止から定常駆動までのステップを示し、図4は、定常駆動から一時休止、再駆動させる場合のステップを示している。
図3において、脈流発生装置20の停止期間では、ポンプ10及び圧電素子30を停止(OFF)し、開閉バルブ100を開放しておく。そして、脈流発生装置20に設けられるスイッチ等の外部操作部材25を操作してポンプ10を駆動(ON)する(第1のステップ)。
この期間は、流体室80内に液体の供給を開始する脈流発生装置20の立ち上げ準備期間であり、所定の単位時間当たりの流量で流体室80に液体を安定供給可能にする。そして、この期間では開閉バルブ100を開放しているので、供給された液体は、排出流路83より外部に排出され、流体噴射開口部96からの液体の流出は抑制されている。
脈流発生装置20の立ち上げ準備期間では、供給された液体を流体噴射開口部96から噴射しても、その噴射される流量は生体組織を切開または切除するのに十分な流量ではなく、生体組織の切開または切除に不必要な液体が流出されるだけである。生体組織の切開または切除に不必要な液体が流体噴射開口部96から噴射されると、液体が生体組織に着弾後、泡となって切開または切除部位の術野の視認性を悪化させることがある。そこで、本実施形態では、脈流発生装置20の立ち上げ準備期間は、開閉バルブ100を開放することによって、流体噴射開口部96からの液体の流出は抑制させ、術野の視認性の悪化を低減させることが可能となっている。
続いて、開閉バルブ100を閉鎖する(第2のステップ)。第2のステップは、ポンプ10を駆動しつつ開閉バルブ100を閉鎖させる脈流発生装置20の立ち上げ期間である。この期間では、圧電素子30の駆動開始前に開閉バルブ100を閉鎖し、流体室80内を流体噴射に必要な圧力に高めておく期間である。
続いて、圧電素子30を駆動させる第3のステップに移行する。第3のステップは、脈流発生装置20の定常駆動の期間であり、この期間に施術が行われる。この期間は開閉バルブ100が閉鎖されている状態で圧電素子30を駆動するため、流体室80内の圧力は十分に高められ、前述した流体噴射動作により液体をパルス状に高速噴射させる。
脈流発生装置20を停止させる場合は、開閉バルブ100を開放し、ポンプ10と圧電素子30を停止する(第4のステップ)。この際、これらの動作は、ほぼ同時に行ってもよいが、開閉バルブ100の開放より遅れて圧電素子30の停止とポンプ10の停止を行うことが好ましい。さらに、開閉バルブ100の開放、圧電素子30の停止、ポンプ10の停止の順で行うことがより好ましい。
これは、液体のない状態で圧電素子30の空動作を排除して圧電素子30が過熱することによる劣化を防止することと、ポンプ10の液体供給圧力によってチューブ4が膨張し、チューブ4の復元圧力によって液体が出口流路82から流出してしまうことを抑制するためである。
次に、第4のステップの別形態を示す。これは、定常駆動から一時休止、再駆動させる場合のステップであり、図4を参照して説明する。なお、ここでは第4のステップを第5のステップに置き換えて説明を行う。まず、ポンプ10と圧電素子30とを駆動(ON)、開閉バルブ100を閉鎖している定常駆動(第3のステップ)から開閉バルブ100を開放し、続いて、圧電素子30を停止し、ポンプ10の駆動は継続する(第5のステップ)。第5のステップは一時休止期間であって、開閉バルブ100が開放されているため、供給される液体の大部分が排出流路83から外部に排出される。また、第5のステップは、実質的に第1のステップと同一の状態となる。
そして、再駆動する場合は、第5のステップから第2のステップに移行させる。この際、ポンプ10は駆動を継続して液体を供給しているため、即再起動することが可能である。停止させる場合は、開閉バルブ100を開放し、ポンプ10と圧電素子30を停止する第4のステップに移行させる。
なお、脈流発生装置20の駆動及び停止(一時休止及び再駆動を含む)操作は、脈流発生装置20に設けられるスイッチ等の外部操作部材25によって行い、起動操作から第1のステップ〜第3のステップへの移行は、図示しない制御部のプログラムによって行われる。
以上説明した実施形態による脈流発生装置、及び制御方法によれば、開閉バルブ100を開放するとともに圧電素子30を駆動していない状態、つまり脈流発生装置20を停止している状態とする。そして、排出流路83の合成イナータンスL3を出口流路82の合成イナータンスL2よりも小さく設定していることから、流体室80内の液体は出口流路82よりも排出流路83に流れやすい。従って、脈流発生装置20を停止した状態では、流体噴射開口部96からの不必要な液体の流出を抑制し、切開または切除部位の術野の視認性を高めることができる。
また、開閉バルブ100を閉鎖している状態で圧電素子30を駆動するため、流体室80内の圧力は十分に高められ、液体をパルス状に高速噴射させることができる。
また、チューブ4は柔軟性を有していることから、ポンプ10の液体供給圧力により膨張し、ポンプ10を停止してもチューブ4の復元圧力によって液体が流体室80内に流動されることがある。そこで、開閉バルブ100を開放することによって液体は排出流路83に流動し、流体噴射開口部96からの流体流出を抑制することができる。
また、脈流発生装置20の立ち上げ準備期間(第1のステップ)により、所定の単位時間当たりの流量で液体を流体室80に供給可能な状態にすることができる。この期間は開閉バルブ100を開放しているので液体は排出流路83に流動し、流体噴射開口部96からの液体の流出を抑制でき、切開または切除部位の術野の視認性を高めることができる。
また、脈流発生装置の立ち上げ期間(第2のステップ)では、ポンプ10を駆動しつつ開閉バルブ100を閉鎖させる。この期間では、圧電素子30の駆動開始前に開閉バルブ100を閉鎖して流体室80内を流体噴射に必要な圧力に高めておく。このことにより、圧電素子30の駆動開始直後から生体組織を切開または切除するために十分なエネルギーを有する液体をパルス状に高速噴射させることができる。
そして、脈流発生装置の定常駆動の期間(第3のステップ)では、開閉バルブ100を閉鎖している状態で圧電素子30を駆動するため、流体室80内の圧力は十分に高められ、生体組織を切開または切除するために十分なエネルギーを有する液体をパルス状に高速噴射させることができる。
また、脈流発生装置20を停止させる場合は、開閉バルブ100を開放させるとともに、ポンプ10と圧電素子30を停止させる(第4のステップ)。この際、チューブ4が長い場合や柔軟性を有する場合、ポンプ10の駆動停止から実際に液体の供給停止までの時間差ができることがあるが、開閉バルブ100を開放しておくことにより、液体は排出流路83に流動し、流体噴射開口部96からの流体流出を抑制することができる。
また、脈流発生装置20の駆動において、駆動・一時休止・再駆動の繰り返し操作の場合、一時休止期間では、開閉バルブ100を開放、圧電素子30を停止した状態でポンプ10の駆動は継続する(第5のステップ)。従って、液体供給は継続していることから一時休止から再駆動の遅延時間を短縮させることができる。なお、実質的に一時休止期間と立ち上げ準備期間とは同一の状態となっている。
(実施形態2)
(実施形態2)
続いて、実施形態2に係る脈流発生装置について図面を参照して説明する。実施形態2は、前述した実施形態1が、出口流路82と排出流路83の合成イナータンス差によって排出流路83から余分の液体を排出していることに対して、排出流路83に吸引手段を配設して強制的に余分な液体を排出させることに特徴を有している。従って、実施形態1との共通部分には同じ符号を附し、相違箇所を中心に説明する。
図5は、実施形態2に係る脈流発生装置を示す断面図である。図5において、開閉バルブ100の流体が排出される下流側には液体を吸引する吸引手段としての吸引ポンプ110が配設され、チューブ5と接続されている。
吸引ポンプ110は、開閉バルブ100の開閉にほぼ同期して駆動及び停止させる。つまり、開閉バルブ100を開放する場合に吸引ポンプ110を駆動し、流体室80内の液体を排出流路83を介して強制的に吸引し外部に排出させる。そして、開閉バルブ100を閉鎖したときには、吸引ポンプ110を停止する。
(実施形態2の制御方法)
(実施形態2の制御方法)
続いて、実施形態2に係る脈流発生装置の制御方法について図面を参照して説明する。
図6、図7は、本実施形態における脈流発生装置の制御方法のフローを示すタイミング図であって、図6は、脈流発生装置の停止から定常駆動までのステップを示し、図7は、定常駆動から一時休止、さらに再駆動させる場合のステップを示している。
図6、図7は、本実施形態における脈流発生装置の制御方法のフローを示すタイミング図であって、図6は、脈流発生装置の停止から定常駆動までのステップを示し、図7は、定常駆動から一時休止、さらに再駆動させる場合のステップを示している。
なお、ポンプ10と圧電素子30及び開閉バルブ100の動作は、実施形態1(図3、図4参照)と同じである。ここで、吸引ポンプ110の駆動タイミングは開閉バルブ100の開閉タイミングにほぼ同期しているが、好ましくは、開閉バルブ100を開放から閉鎖に移行する場合は吸引ポンプ110の停止タイミングを若干早くし、閉鎖から開放へ移行する場合は吸引ポンプ110の駆動タイミングを若干遅くすることが好ましい。
一時休止、再起動する場合においても、吸引ポンプ110の駆動タイミングは開閉バルブ100の開閉タイミングにほぼ同期している。
本実施形態によれば、前述した実施形態1と同様な効果が得られるが、開閉バルブ100を開放するとともに、圧電素子30の動作の停止と吸引ポンプ110の駆動を行い、強制的に流体室80内の液体をより確実に排出することができる。
また、排出流路83には吸引ポンプ110を設けていることから、一時休止期間において圧電素子30を駆動している状態であっても液体を強制的に吸引するため、流体噴射開口部96からの流出をより抑制することができる。
また、一時休止期間から第1のステップ(立ち上げ準備期間)、第2のステップ(立ち上げ期間)、第3のステップ(定常駆動期間)に順次移行させることにより再駆動の遅延時間を短縮させることができる。
(実施形態3)
(実施形態3)
続いて、実施形態3に係る脈流発生装置について図面を参照して説明する。実施形態3は、前述した実施形態1及び実施形態2が、排出流路を流体室に直接連通させていることに対して、排出流路を出口流路に連通させていることに特徴を有している。実施形態1との共通部分には同じ符号を附し、相違箇所を中心に説明する。
図8は、実施形態3に係る脈流発生装置を示す断面図である。図8において、排出流路83は、接続流路管90の接続流路91に連通するように接続されている。本実施形態では、接続流路91は、出口流路82の一部である。
排出流路83には開閉バルブ100が設けられている。ここで、排出流路83の合成イナータンスL3は、出口流路82の合成イナータンスL2よりも小さくなるように設定される。また、流体噴射開口部96の流路径は、出口流路82の流路径よりも縮小されている。従って、開閉バルブ100が開放されている場合、供給された液体は、流体室80、出口流路82、接続流路91を通って、合成イナータンス差と、流体噴射開口部96の流体抵抗によって、液体がより流動しやすい排出流路83から外部に排出される。
なお、排出流路83は、出口流路82の途中に連通する構造とすることができる。この場合、排出流路83の合成イナータンスL3と、出口流路82の合成イナータンスL2のイナータンス差を大きくしやすくなる。
また、開閉バルブ100の下流側に吸引ポンプ110(図5、参照)を設ける構成としてもよい。吸引ポンプ110を設けることにより、排出流路83の合成イナータンス及び出口流路82の合成イナータンスの大小を設定しなくてもよく、脈流発生装置20の入口流路81及び出口流路82の設計上の制約を排除することができ、余分な液体を強制的に排出することができる。
従って、本実施形態では、前述した実施形態1または実施形態2と同様な効果が得られる。
また、本実施形態では、排出流路を出口流路に連通させるようになっている。このような構成にすることによって、流体室と、流体室と直接連通する流路との接続部分を減らすことができ、接続部分に滞留する気泡を減らすことができる。
流体室の容積を容積変更手段により変化させて脈流を発生させる脈流発生装置では、流体室内に気泡が存在すると内部圧力を十分に高められず、生体組織を切開または切除するために十分な脈流を発生させることができないことがある。従って、出口流路82(図8では接続流路91)に排出流路83を連通させる構造とすることにより、流体室80に滞留する気泡を抑制し、流体室80内の圧力を所望の圧力に高めることができるという効果がある。
(実施形態4)
(実施形態4)
続いて、実施形態4に係る脈流発生装置について図面を参照して説明する。前述した実施形態1〜実施形態3が、術者が把持して操作する脈流発生装置の構成を例示していることに対して、実施形態4は、脈流発生装置がチューブ先端に取り付けられ血管等の細管組織内に挿入可能な構成であることに特徴を有している。
図9は、実施形態4に係る脈流発生装置をダイアフラムに垂直方向に切断した切断面を示す断面図である。脈流発生装置120は、上ケース170と下ケース150の互いの対向面が接合された状態で、断面形状がほぼ円形の筒状に構成されている。下ケース150の上ケース170との対向面には凹部が穿設され、この凹部と上ケース170の下ケース150との対向面に密着固定されるダイアフラム140とで流体室180が構成されている。
下ケース150には、流体室180に連通する入口流路181と出口流路182とが形成され、ダイアフラム140の流体室180に対して反対側の表面には圧電素子130が固着されている。
また、流体室180の底面には排出流路183が設けられており、排出流路183の途中には開閉バルブ200が配設されている。
このように構成される脈流発生装置120は、チューブ6に接続される。チューブ6は、入口流路181に連通する液体供給接続流路6aと、排出流路183に連通する液体排出接続流路6bとが開設されている。
液体供給接続流路6aは、ポンプ10(図1、参照)に接続され、液体排出接続流路6bは、吸引ポンプ110(図5、参照)に接続される。ここで、脈流発生装置120は、血管等の細管組織に挿入して、細管組織内の付着物等を除去することに好適な装置であって、外径は2mm〜5mm程度である。従って、チューブ6の外径は、脈流発生装置120の外径とほぼ等しい。従って、チューブ6は、液体供給接続流路6aと液体排出接続流路6bとを有するカテーテルと考えることができる。
チューブ6と脈流発生装置120との接続面にはシール剤により密着されており、液体の漏洩がない構造である。
そして、チューブ6の長さは1000mm〜1500mmであることから、ポンプ10及び吸引ポンプ110は、脈流発生装置120から1000mm〜1500mm離間した位置に設けられる。液体供給接続流路6aと液体排出接続流路6bとは、ポンプ10または吸引ポンプ110近傍で分岐装置(図示せず)によって分岐されている。
本実施形態における流体噴射作用は、前述した実施形態1と同じ制御方法によって行うことができる。また、不必要な液体の排出作用は、前述した実施形態2の制御方法によって行うことができる。
なお、排出流路183の合成イナータンスL3を出口流路182の合成イナータンスL2よりも小さくすれば、吸引ポンプ110を省略することが可能である。
このように構成される細い筒状の脈流発生装置であっても、前述した実施形態1〜実施形態3と同様な効果が得られ、しかも、細管組織内に挿入して、細管組織内壁の付着物の除去に好適な手術器具として有効である。
さらに、細管構造物の管内の洗浄等にも用いることが可能である。
さらに、細管構造物の管内の洗浄等にも用いることが可能である。
10…流体供給手段としてのポンプ、20…脈流発生装置、30…容積変更手段としての圧電素子、40…ダイアフラム、80…流体室、81…入口流路、82…出口流路、83…排出流路、96…流体噴射開口部、100…開閉バルブ。
Claims (7)
- 流体室の容積を変化させて流体噴射開口部から流体をパルス状に噴射する脈流発生装置であって、
流体供給手段から前記流体室に流体を供給する入口流路と、
前記流体室の容積を変化させる容積変更手段と、
前記流体室から前記流体噴射開口部まで流体を送出する出口流路と、
前記流体室から流体を排出する排出流路と、
前記排出流路を開閉する開閉バルブと、が備えられ、
前記排出流路の合成イナータンスが、前記出口流路の合成イナータンスよりも小さくなっており、
前記開閉バルブを閉鎖するとともに前記容積変更手段の駆動を開始し、
前記開閉バルブを開放するとともに前記容積変更手段の駆動を停止することを特徴とする脈流発生装置。 - 請求項1に記載の脈流発生装置において、
前記開閉バルブの閉鎖より遅れて前記容積変更手段の駆動を開始し、
前記開閉バルブの開放より遅れて前記容積変更手段の駆動を停止する、ことを特徴とする脈流発生装置。 - 流体室の容積を変化させて流体噴射開口部から流体をパルス状に噴射する脈流発生装置であって、
流体供給手段から前記流体室に流体を供給する入口流路と、
前記流体室の容積を変化させる容積変更手段と、
前記流体室から前記流体噴射開口部まで流体を送出する出口流路と、
前記流体室から流体を排出する排出流路と、
前記排出流路を開閉する開閉バルブと、
前記開閉バルブの流体が排出される下流側に配設され流体を吸引する吸引手段と、が備えられ、
前記開閉バルブを閉鎖するとともに、前記吸引手段の駆動の停止と前記容積変更手段の駆動の開始とを行い、
前記開閉バルブを開放するとともに、前記吸引手段の駆動の開始と前記容積変更手段の駆動の停止とを行う、ことを特徴とする脈流発生装置。 - 請求項3に記載の脈流発生装置において、
前記開閉バルブの閉鎖および前記吸引手段の駆動の停止より遅れて前記容積変更手段の駆動の開始を行い、
前記開閉バルブの開放および前記吸引手段の駆動の開始より遅れて前記容積変更手段の駆動の停止を行う、ことを特徴とする脈流発生装置。 - 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の脈流発生装置において、
前記排出流路が、前記出口流路に連通されていることを特徴とする脈流発生装置。 - 流体供給手段から流体室に流体を供給する入口流路と、前記流体室の容積を変化させる容積変更手段と、前記流体室から流体噴射開口部まで流体を送出する出口流路と、前記流体室から流体を排出する排出流路と、前記排出流路を開閉する開閉バルブと、が備えられ、前記排出流路の合成イナータンスが前記出口流路の合成イナータンスよりも小さくなっており、前記流体室の容積を変化させて前記流体噴射開口部から流体をパルス状に噴射する脈流発生装置の制御方法であって、
前記流体供給手段及び前記容積変更手段を停止し、前記開閉バルブを開放している前記脈流発生装置の停止状態から前記流体供給手段を駆動させる第1のステップと、
前記開閉バルブを閉鎖させる第2のステップと、
前記容積変更手段を駆動させて前記流体噴射開口部から流体をパルス状に噴射させる第3のステップと、
前記開閉バルブを開放させるとともに、前記流体供給手段及び前記容積変更手段のうち、少なくとも前記容積変更手段を停止させる第4のステップと、を含むことを特徴とする脈流発生装置の制御方法。 - 流体供給手段から流体室に流体を供給する入口流路と、前記流体室の容積を変化させる容積変更手段と、前記流体室から流体噴射開口部まで流体を送出する出口流路と、前記流体室から流体を排出する排出流路と、前記排出流路を開閉する開閉バルブと、前記開閉バルブの流体が排出される下流側に配設され流体を吸引する吸引手段と、が備えられ、前記流体室の容積を変化させて前記流体噴射開口部から流体をパルス状に噴射する脈流発生装置の制御方法であって、
前記流体供給手段と前記容積変更手段及び前記吸引手段とを停止し、前記開閉バルブを開放させる前記脈流発生装置の停止状態から、前記流体供給手段及び前記吸引手段を駆動させる第1のステップと、
前記開閉バルブを閉鎖し前記吸引手段を停止させる第2のステップと、
前記容積変更手段を駆動させて前記流体噴射開口部から流体をパルス状に噴射させる第3のステップと、
前記開閉バルブの開放、前記容積変更手段の停止並びに前記流体供給手段の停止若しくは前記流体供給手段および前記吸引手段の駆動、を行う第4のステップと、を含むことを特徴とする脈流発生装置の制御方法。
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CN110093244A (zh) * | 2018-08-31 | 2019-08-06 | 华南理工大学 | 一种可产生脉动流的流动腔*** |
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