JP2011016782A - グリコール酸の製造方法、及びグリコール酸含有組成物 - Google Patents

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昌裕 佐藤
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Shohei Ogawa
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Abstract

【課題】金属触媒を使用せずに低コストでグリセリンを酸化し、効率的かつ選択的にグリコール酸を得ることのできる、優れたグリコール酸の製造方法、及び該製造方法により得られるグリコール酸を含有するグリコール酸含有組成物の提供。
【解決手段】本発明のグリコール酸の製造方法は、少なくとも、環状アミンオキシド及び芳香族アミンオキシドの少なくともいずれか、及びハロゲン系酸化剤の存在下で、グリセリンを酸化することを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、グリコール酸の製造方法、及び該グリコール酸の製造方法により得られるグリコール酸を含有するグリコール酸含有組成物に関する。
近年、バイオディーゼル燃料(BDF)が、カーボンニュートラルな軽油代替燃料として注目されつつある。BDFを製造する過程では、副生物としてグリセリンが生成されるが、将来的なBDF生産増に伴い、グリセリンは供給過剰となることが予想され、その有効活用が模索されている。
グリセリンの酸化により得られるグリコール酸は、様々な用途に有用であり、例えば、医薬品や化粧品の原料などとして使用される。このようなグリセリンの酸化反応については、Bi−PtやAuといった金属触媒を用いた基礎研究が行われているが(例えば、特許文献1、非特許文献1参照)、工業化されていないのが現状である。また、このような金属触媒は特殊で高価なものであり、高コストになるなどの問題がある。また、用いた金属触媒は、反応後に回収する必要があり、手間がかかることや、近年望まれているグリーンケミストリーの観点からも望ましくないなどの問題がある。
これまでにグリセリンの酸化反応として、グリセリンをニトロキシドラジカルとアルカリ金属ハライド及び/又はアルカリ土類金属ハライドとの存在下で塩素系酸化剤で酸化する反応が提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかし、この反応では、オキシマロン酸(タルトロン酸)が製造され、グリコール酸は製造されない。
また、グリセリンを所定の触媒組成物の存在下に酸化剤により接触酸化する反応が提案されている(例えば、特許文献3参照)。前記反応では、不純物としてグリコール酸が生成されることが記載されている。しかしながら、前記反応は、タルトロン酸塩を製造するための反応であり、グリコール酸の製造を目的とするものではない。
したがって、金属触媒を使用せずに低コストでグリセリンを酸化し、効率的かつ選択的にグリコール酸を得ることのできる、優れたグリコール酸の製造方法は、未だ開発されておらず、その提供が強く求められているのが現状である。
特許3276413号公報 特開平11−21266号公報 特開平6−279352号公報
Chem.Commun.,2002,696−697
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、金属触媒を使用せずに低コストでグリセリンを酸化し、効率的かつ選択的にグリコール酸を得ることのできる、優れたグリコール酸の製造方法、及び該製造方法により得られるグリコール酸を含有するグリコール酸含有組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、少なくとも、環状アミンオキシド及び芳香族アミンオキシドの少なくともいずれか、及びハロゲン系酸化剤の存在下で、グリセリンを酸化することにより、グリコール酸が生成され、効率的かつ選択的にグリコール酸を得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
前記方法は、特殊で高価な金属触媒を使用する必要がなく、そのため、低コストである点で、有利である。また、前記方法は、反応後の金属触媒の回収等を行う必要もないため、手間がかからず、近年望まれているグリーンケミストリーの観点からも、有利な製造方法であるということができる。
本発明は、本発明者らの前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 少なくとも、環状アミンオキシド及び芳香族アミンオキシドの少なくともいずれか、及びハロゲン系酸化剤の存在下で、グリセリンを酸化することを特徴とするグリコール酸の製造方法である。
<2> 環状アミンオキシドが下記構造式(1)で表され、芳香族アミンオキシドが下記構造式(2)で表される前記<1>に記載のグリコール酸の製造方法である。
ただし、前記構造式(1)中、Rは、炭化水素基を表す。
前記構造式(2)中、Rは、水素原子、炭化水素基、アミノ基、ハロゲン基、及び芳香族基のいずれかを表す。
<3> ハロゲン系酸化剤が、塩素酸、過塩素酸、亜塩素酸、次亜塩素酸、臭素酸、ヨウ素酸、及びこれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種である前記<1>から<2>のいずれかに記載のグリコール酸の製造方法である。
<4> ハロゲン系酸化剤(C)と、環状アミンオキシド及び芳香族アミンオキシドの少なくともいずれか(B)とのモル比(C)/(B)が、1〜10,000であり、
グリセリン(A)と、環状アミンオキシド及び芳香族アミンオキシドの少なくともいずれか(B)とのモル比(A)/(B)が、1〜10,000である前記<1>から<3>のいずれかに記載のグリコール酸の製造方法である。
<5> 前記<1>から<4>のいずれかに記載のグリコール酸の製造方法により製造されたグリコール酸を含有することを特徴とするグリコール酸含有組成物である。
<6> グリコール酸含有組成物における、グリコール酸、グリセリン酸、タルトロン酸、及びグリセリンの合計質量に対する、前記グリコール酸の質量が60質量%以上である前記<5>に記載のグリコール酸含有組成物である。
本発明によれば、前記従来における諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、金属触媒を使用せずに低コストでグリセリンを酸化し、効率的かつ選択的にグリコール酸を得ることのできる、優れたグリコール酸の製造方法、及び該製造方法により得られるグリコール酸を含有するグリコール酸含有組成物を提供することができる。
(グリコール酸の製造方法)
本発明のグリコール酸の製造方法は、少なくとも、環状アミンオキシド及び芳香族アミンオキシドの少なくともいずれか、及びハロゲン系酸化剤の存在下で、グリセリンを酸化する工程(以下、「酸化工程」と称することがある。)を少なくとも含み、必要に応じて適宜その他の工程を含む。
<グリセリン>
前記グリセリンは、グリコール酸を得るための出発原料として使用される。
前記グリセリンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、植物由来のもの、動物由来のもの、合成されたもののいずれであっても使用することができる。また、前記グリセリンとしては、精製グリセリン、粗グリセリンのいずれであっても使用することができる。
前記出発原料として、前記グリセリンは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、前記出発原料としては、前記グリセリンに加え、更に他の成分が含まれる原料を使用してもよい。
前記グリセリンの使用量としては、特に制限はなく、例えば、所望のグリコール酸の生成量に応じて、適宜選択することができる。
<環状アミンオキシド及び芳香族アミンオキシドの少なくともいずれか>
前記環状アミンオキシド及び芳香族アミンオキシドの少なくともいずれかは、触媒として用いられる。
前記環状アミンオキシドとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、下記構造式(1)で表されるアルキルモルホリンN−オキシド誘導体が好ましい。
ただし、前記構造式(1)中、Rは、炭化水素基を表す。
前記炭化水素基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、メチル基、エチル基が好ましい。
前記アルキルモルホリンN−オキシド誘導体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、N−メチルモルホリンN−オキシド、N−エチルモルホリンN−オキシドが、高い水溶性を有するという点で、好ましい。
前記芳香族アミンオキシドとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、下記構造式(2)で表されるピリジンN−オキシド誘導体が好ましい。
ただし、前記構造式(2)中、Rは、水素原子、炭化水素基、アミノ基、ハロゲン基、及び芳香族基のいずれかを表す。
前記炭化水素基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、メチル基が好ましい。
前記アミノ基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ジメチルアミノ基が好ましい。
前記ハロゲン基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、塩素、臭素が好ましい。
前記芳香族基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、フェニル基が好ましい。
前記ピリジンN−オキシド誘導体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ピリジンN−オキシド、4−ジメチルアミノピリジンN−オキシドハイドレート、2,6−ジメチルピリジンN−オキシド、2,6−ジクロロピリジンN−オキシド、4−フェニルピリジンN−オキシドが好ましく、ピリジンN−オキシド、4−ジメチルアミノピリジンN−オキシドハイドレートがより好ましい。前記ピリジンN−オキシド、4−ジメチルアミノピリジンN−オキシドハイドレートは、高い水溶性を有するという点で、有利である。
前記触媒は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、前記触媒として、非環状アミンオキシド類を用いても、グリコール酸を生成させることができない。
<ハロゲン系酸化剤>
前記ハロゲン系酸化剤は、再酸化剤として用いられる。
前記ハロゲン系酸化剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、塩素酸、過塩素酸、亜塩素酸、次亜塩素酸、臭素酸、ヨウ素酸、及びこれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
前記塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩などが挙げられる。
前記ハロゲン系酸化剤の中でも、次亜塩素酸塩が好ましく、次亜塩素酸ナトリウムがより好ましい。前記次亜塩素酸ナトリウムは、工業的に製造されており安価であるという点で、有利である。
前記ハロゲン系酸化剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、前記再酸化剤として、過酸化水素を用いても、グリコール酸を生成させることができない。
<ハロゲン系酸化剤(C)と、環状アミンオキシド及び芳香族アミンオキシドの少なくともいずれか(B)とのモル比(C)/(B)>
前記モル比(C)/(B)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1〜10,000が好ましく、5〜1,000がより好ましく、10〜500が特に好ましい。前記モル比(C)/(B)が、1未満であると、触媒量が多すぎ、コスト的に不利になることがあり、10,000を超えると、再酸化剤の量が多すぎ、グリセリン酸が生成されることがある。一方、前記モル比(C)/(B)が、前記特に好ましい範囲内であると、適度な反応が進行し所望の程度の反応物を得ることができる点で、有利である。
<グリセリン(A)と、環状アミンオキシド及び芳香族アミンオキシドの少なくともいずれか(B)とのモル比(A)/(B)>
前記モル比(A)/(B)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1〜10,000が好ましく、5〜1,000がより好ましく、10〜500が特に好ましい。前記モル比(A)/(B)が、1未満であると、触媒量が多すぎ、コスト的に不利になることがあり、10,000を超えると、グリセリンの量が多すぎ、未反応物の残存量が増えることがある。一方、前記モル比(A)/(B)が、前記特に好ましい範囲内であると、適度な反応が進行し所望の程度の反応物を得ることができる点で、有利である。
<溶媒>
前記酸化工程は、溶媒中で行われる。
前記溶媒としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水、アセトン、アセトニトリルなどが挙げられる。これらの中でも、水が好ましい。なお、水溶性の溶媒でアルコール系の溶媒は、酸化される可能性があるので好ましくない。
前記水の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イオン交換水などが挙げられる。
前記水の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記グリセリンに対して、質量比で、1〜1,000が好ましく、10〜500がより好ましく、10〜200が特に好ましい。前記水の使用量が、1未満であると、グリセリン濃度が高すぎ、系の粘度が高いため、反応が不均一化することがあり、1,000を超えると、グリセリン濃度が薄すぎ、生成したグリコール酸の精製に多大な労力を必要とすることがある。一方、前記水の使用量が、前記特に好ましい範囲内であると、適度な反応が進行し所望の程度の反応物を得ることができる点で、有利である。
<反応>
−反応方法−
前記酸化工程における反応方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、反応容器中に前記グリセリン、前記溶媒、及び前記環状アミンオキシド及び芳香族アミンオキシドの少なくともいずれかを仕込み、攪拌し、次いで、前記攪拌して得られた液に再酸化剤を滴下し、反応させる方法が挙げられる。
−反応温度−
前記酸化工程における反応温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0℃〜80℃が好ましく、0℃〜40℃がより好ましく、0℃〜25℃が特に好ましい。前記反応温度が、0℃未満であると、前記酸化工程は、水溶媒で行うため、反応させることができず、80℃を超えると、反応が速すぎて副生物を生成したり、前記再酸化剤の分解が促進されたりすることがある。一方、前記反応温度が、前記特に好ましい範囲内であると、適度な反応が進行し所望の程度の反応物を得ることができる点で、有利である。
−反応時間−
前記酸化工程における反応時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1時間〜8.0時間が好ましく、0.1時間〜5.0時間がより好ましく、0.1時間〜3.0時間が特に好ましい。前記反応時間が、0.1時間未満であると、未反応グリセリンが残存することがあり、8.0時間を超えると、反応が長すぎて副生成物を生成したりすることがある。一方、前記反応時間が、前記特に好ましい範囲内であると、適度な反応が進行し所望の程度の反応物を得ることができる点で、有利である。
<その他の工程>
前記その他の工程としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、精製工程などが挙げられる。
−精製工程−
前記精製工程は、前記酸化工程で得られた反応物中のグリコール酸を分離、精製する工程である。
前記分離、精製の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、再結晶、晶析、各種クロマトグラフィーなどを利用し常法に従い、分離、精製する方法が挙げられる。
本発明のグリコール酸の製造方法は、特殊で高価な金属触媒を使用する必要がなく、低コストである点で、有利である。また、本発明のグリコール酸の製造方法は、反応後の金属触媒の回収などを行う必要もないため、手間がかからず、近年望まれているグリーンケミストリーの観点からも、有利な製造方法である。
(グリコール酸含有組成物)
本発明のグリコール酸含有組成物は、前記本発明のグリコール酸の製造方法により製造される。
前記グリコール酸含有組成物は、少なくともグリコール酸を含み、更にその他の成分を含んでもよい。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、グリセリン酸、タルトロン酸、グリセリン、などが挙げられる。
前記グリコール酸含有組成物におけるグリコール酸の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記グリコール酸含有組成物における、グリコール酸、グリセリン酸、タルトロン酸、及びグリセリンの合計質量に対する、前記グリコール酸の質量が、60質量%が好ましく、70質量%以上が好ましく、80質量%が特に好ましい。
以下、実施例、比較例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
内容積50mLのナスフラスコにグリセリン 0.92g(10mmol)、イオン交換水 10.00g、1質量%ピリジンN−オキシド水溶液 0.80g(0.1mmol)を仕込み、25℃で30分攪拌した。その後、有効塩素濃度5質量%次亜塩素酸ナトリウム水溶液17.00gを30分かけて滴下し、さらに1時間反応を行った。
得られた反応物中のグリセリン、グリコール酸、グリセリン酸、及びタルトロン酸量を下記のように定量した。反応条件の詳細、及び結果を表1に示す。
<反応物中のグリセリン、グリコール酸、グリセリン酸、及びタルトロン酸量の定量>
前記実施例1の反応終了後、得られた反応物について、下記の分析条件で高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を行った。反応物(サンプル)は溶離液により、5倍に希釈して測定を行った。内部標準としてエチレングリコールを用い、グリセリン、グリコール酸、グリセリン酸、タルトロン酸標準物質による検量線を作成し定量を行った。
−分析条件−
カラム:Shodex RSpak KC−811 φ8.0mm×300mm×2
カラム温度:60℃
溶離液:5mmol/L 過塩素酸水溶液
流速:1.0mL/min
分析時間:40min.
検出器:RI
(実施例2)
内容積50mLのナスフラスコにグリセリン 0.92g(10mmol)、イオン交換水 10.00g、1質量%N−メチルモルホリンN−オキシド水溶液 1.17g(0.1mmol)を仕込み、25℃で30分攪拌した。その後、有効塩素濃度5質量%次亜塩素酸ナトリウム水溶液17.00gを30分かけて滴下し、さらに1時間反応を行った。
得られた反応物中のグリセリン、グリコール酸、グリセリン酸、及びタルトロン酸量を実施例1と同様にして定量した。反応条件の詳細、及び結果を表1に示す。
(実施例3)
内容積50mLのナスフラスコにグリセリン 0.92g(10mmol)、イオン交換水 10.00g、1質量%ピリジンN−オキシド水溶液 0.80g(0.1mmol)を仕込み、5℃で30分攪拌した。その後、有効塩素濃度5質量%次亜塩素酸ナトリウム水溶液17.00gを30分かけて滴下し、さらに1時間反応を行った。
得られた反応物中のグリセリン、グリコール酸、グリセリン酸、及びタルトロン酸量を実施例1と同様にして定量した。反応条件の詳細、及び結果を表1に示す。
(実施例4)
内容積50mLのナスフラスコにグリセリン 0.92g(10mmol)、イオン交換水 10.00g、1質量%ピリジンN−オキシド水溶液 0.80g(0.1mmol)を仕込み、5℃で30分攪拌した。その後、有効塩素濃度5質量%次亜塩素酸ナトリウム水溶液34.00gを30分かけて滴下し、さらに1時間反応を行った。
得られた反応物中のグリセリン、グリコール酸、グリセリン酸、及びタルトロン酸量を実施例1と同様にして定量した。反応条件の詳細、及び結果を表1に示す。
(実施例5)
内容積50mLのナスフラスコにグリセリン 0.92g(10mmol)、イオン交換水 10.00g、1質量%ピリジンN−オキシド水溶液 0.80g(0.1mmol)を仕込み、25℃で30分攪拌した。その後、有効塩素濃度5質量%次亜塩素酸ナトリウム水溶液17.00gを30分かけて滴下し、さらに0.5時間反応を行った。
得られた反応物中のグリセリン、グリコール酸、グリセリン酸、及びタルトロン酸量を実施例1と同様にして定量した。反応条件の詳細、及び結果を表1に示す。
(実施例6)
内容積50mLのナスフラスコにグリセリン 0.92g(10mmol)、イオン交換水 10.00g、1質量%ピリジンN−オキシド水溶液 0.08g(0.01mmol)を仕込み、25℃で30分攪拌した。その後、有効塩素濃度5質量%次亜塩素酸ナトリウム水溶液17.00gを30分かけて滴下し、さらに1時間反応を行った。
得られた反応物中のグリセリン、グリコール酸、グリセリン酸、及びタルトロン酸量を実施例1と同様にして定量した。反応条件の詳細、及び結果を表1に示す。
(比較例1)
内容積50mLのナスフラスコにグリセリン 0.92g(10mmol)、イオン交換水 10.00gを仕込み、25℃で有効塩素濃度5質量%次亜塩素酸ナトリウム水溶液17.00gを30分かけて滴下し、さらに1時間反応を行った。
得られた反応物中のグリセリン、グリコール酸、グリセリン酸、及びタルトロン酸量を実施例1と同様にして定量した。反応条件の詳細、及び結果を表2に示す。
(比較例2)
内容積50mLのナスフラスコにグリセリン 0.92g(10mmol)、イオン交換水 10.00g、1質量%ピリジンN−オキシド水溶液 0.80g(0.1mmol)を仕込み、25℃で1時間反応を行った。
得られた反応物中のグリセリン、グリコール酸、グリセリン酸、及びタルトロン酸量を実施例1と同様にして定量した。反応条件の詳細、及び結果を表2に示す。
(比較例3)
内容積50mLのナスフラスコにグリセリン 0.92g(10mmol)、イオン交換水 10.00g、1質量%ドデシルジメチルアミンN−オキシド水溶液 2.29g(0.1mmol)を仕込み、25℃で30分攪拌した。その後、有効塩素濃度5質量%次亜塩素酸ナトリウム水溶液17.00gを30分かけて滴下し、さらに1時間反応を行った。
得られた反応物中のグリセリン、グリコール酸、グリセリン酸、及びタルトロン酸量を実施例1と同様にして定量した。反応条件の詳細、及び結果を表2に示す。
前記表1〜2中のグリコール酸、グリセリン酸、及びタルトロン酸の数値は、反応物中のグリセリン、グリコール酸、グリセリン酸、及びタルトロン酸の総和を100とした場合の比率(質量%)を示す。
以上、実施例1〜6、及び、比較例1〜3の結果から、少なくとも、環状アミンオキシド及び芳香族アミンオキシドの少なくともいずれか、及びハロゲン系酸化剤の存在下で、グリセリンを酸化することを特徴とする本発明のグリコール酸の製造方法(実施例1〜6)は、前記各要件の少なくともいずれかを満たさない比較例(比較例1〜3)の製造方法と比較して、目的物のグリコール酸を効率的かつ選択的に得ることができることがわかった。
本発明のグリコール酸の製造方法は、特殊で高価な金属触媒を使用する必要がなく、低コストである点で、有利である。また、本発明のグリコール酸の製造方法は、反応後の金属触媒の回収等を行う必要もないため、手間がかからず、近年望まれているグリーンケミストリーの観点からも、有利な製造方法であるということができる。本発明により得られたグリコール酸は、例えば、医薬品、化粧品の原料などとして、様々な用途に好適に利用可能である。

Claims (6)

  1. 少なくとも、環状アミンオキシド及び芳香族アミンオキシドの少なくともいずれか、及びハロゲン系酸化剤の存在下で、グリセリンを酸化することを特徴とするグリコール酸の製造方法。
  2. 環状アミンオキシドが下記構造式(1)で表され、芳香族アミンオキシドが下記構造式(2)で表される請求項1に記載のグリコール酸の製造方法。
    ただし、前記構造式(1)中、Rは、炭化水素基を表す。
    前記構造式(2)中、Rは、水素原子、炭化水素基、アミノ基、ハロゲン基、及び芳香族基のいずれかを表す。
  3. ハロゲン系酸化剤が、塩素酸、過塩素酸、亜塩素酸、次亜塩素酸、臭素酸、ヨウ素酸、及びこれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1から2のいずれかに記載のグリコール酸の製造方法。
  4. ハロゲン系酸化剤(C)と、環状アミンオキシド及び芳香族アミンオキシドの少なくともいずれか(B)とのモル比(C)/(B)が、1〜10,000であり、
    グリセリン(A)と、環状アミンオキシド及び芳香族アミンオキシドの少なくともいずれか(B)とのモル比(A)/(B)が、1〜10,000である請求項1から3のいずれかに記載のグリコール酸の製造方法。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載のグリコール酸の製造方法により製造されたグリコール酸を含有することを特徴とするグリコール酸含有組成物。
  6. グリコール酸含有組成物における、グリコール酸、グリセリン酸、タルトロン酸、及びグリセリンの合計質量に対する、前記グリコール酸の質量が60質量%以上である請求項5に記載のグリコール酸含有組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104355982A (zh) * 2014-09-18 2015-02-18 中国科学院宁波材料技术与工程研究所 一种由甘油制备羟基乙酸的方法
CN104557514A (zh) * 2013-10-12 2015-04-29 中国科学院宁波材料技术与工程研究所 一种由富含纤维素的生物质制备羟基乙酸的方法
CN110577468A (zh) * 2019-09-20 2019-12-17 广东石油化工学院 一种利用碱性氮掺杂介孔碳材料负载Pt催化剂合成丙醇二酸的方法

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