JP2011001236A - 大口径シリコン単結晶の結晶欠陥推定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】450mmあるいはそれより大径の大口径シリコン単結晶の結晶欠陥を、これより小さな径の小口径シリコン単結晶と同等の水準で、しかも低コストかつ短時間にて推定することができる大口径シリコン単結晶の結晶欠陥推定方法を提供する。
【解決手段】チョクラルスキー法によりシリコン融液から成長させる450mm径のシリコン単結晶の結晶欠陥を推定する方法であり、450mm径のシリコン単結晶の引き上げ時の熱履歴を、200mm径または300径のシリコン単結晶の引き上げ時の熱履歴により模擬し、この模擬した熱履歴に基づき450mm径のシリコン単結晶のCOP欠陥を推定する。
【選択図】なし
【解決手段】チョクラルスキー法によりシリコン融液から成長させる450mm径のシリコン単結晶の結晶欠陥を推定する方法であり、450mm径のシリコン単結晶の引き上げ時の熱履歴を、200mm径または300径のシリコン単結晶の引き上げ時の熱履歴により模擬し、この模擬した熱履歴に基づき450mm径のシリコン単結晶のCOP欠陥を推定する。
【選択図】なし
Description
本発明は、半導体デバイスに用いられるシリコンウェーハを製造する際に用いて好適な大口径シリコン単結晶の結晶欠陥推定方法に関し、更に詳しくは、450mmあるいはそれより大径の大口径シリコン単結晶の結晶欠陥を、これより小さな径のシリコン単結晶を用いて、低コストかつ短時間にて推定することができる技術に関するものである。
現在、半導体デバイスの半導体基板に用いられるシリコンウェーハは、200mmや300mmの径のシリコンウェーハが主流であり、これらのシリコンウェーハは、坩堝に収容された多結晶シリコン原料をヒーターで加熱してシリコン融液とし、このシリコン融液に種結晶を接触させ、この種結晶を回転させながら引き上げる、いわゆるチョクラルスキー法(以下、CZ法と略記する。)によりシリコン単結晶を生成し、このシリコン単結晶をワイヤソー等を用いて切断し、その後、少なくとも一主面を鏡面研磨することにより作製される(例えば、特許文献1、2等参照)。
ところで、半導体デバイスの製造工程においては、面積がより広いシリコンウェーハを用いることで生産性の向上が期待できることから、200mmや300mmの径の小口径シリコンウェーハに替わって、450mm、あるいはそれ以上の径の大口径シリコンウェーハが検討され、それに伴いシリコン単結晶の引き上げにおいても、450mm、あるいはそれ以上の径の大口径シリコン単結晶の引き上げが検討されている。
この大口径シリコン単結晶で問題になるのが結晶欠陥である。
シリコン単結晶の結晶欠陥としては、その冷却過程で発生するGrown−in欠陥があり、このGrown−in欠陥としては、1100℃〜1050℃にて発生するCOP(Crystal Originated Particle)欠陥(空孔型欠陥)、1050℃〜900℃にて発生するOSF(Oxidation induced Stacking Fault)欠陥、900℃〜600℃にて発生するBMD(Bulk Micro Defect)欠陥がある。
この大口径シリコン単結晶で問題になるのが結晶欠陥である。
シリコン単結晶の結晶欠陥としては、その冷却過程で発生するGrown−in欠陥があり、このGrown−in欠陥としては、1100℃〜1050℃にて発生するCOP(Crystal Originated Particle)欠陥(空孔型欠陥)、1050℃〜900℃にて発生するOSF(Oxidation induced Stacking Fault)欠陥、900℃〜600℃にて発生するBMD(Bulk Micro Defect)欠陥がある。
このGrown−in欠陥は、シリコン単結晶を成長させるときの引上げ速度V(mm/min)と固液界面近傍の引上げ軸方向の結晶温度勾配G(℃/mm)との比であるV/G(mm2/℃・min)値により、固液界面から導入される空孔量と格子間Si量が決定されると考えられており、このV/G値は、引上げ速度に従う空孔の移流と温度勾配に従う格子間Siの拡散とのバランスを示している。
このV/G値は、それが適切な範囲内であれば、固液界面から導入された空孔と格子間Siとは、引き上げ後のシリコン単結晶の温度が高いうちに結合して消滅する。
このV/G値は、それが適切な範囲内であれば、固液界面から導入された空孔と格子間Siとは、引き上げ後のシリコン単結晶の温度が高いうちに結合して消滅する。
しかし、V/G値が適切な範囲より大きい場合、引上速度に従う空孔の移流が温度勾配に従う格子間Siの拡散を上回り、空孔濃度が高くなる。そして、シリコン単結晶の引き上げの進行に伴う温度低下により空孔過飽和となると、引き上げ後のシリコン単結晶にCOP欠陥が検出されるようになる。一方、V/G値が適切な範囲より小さい場合、引上げ速度に従う空孔の移流が温度勾配に従う格子間Siの拡散を下回り、格子間Si濃度が高くなる。そして、シリコン単結晶の引き上げの進行に伴う温度低下により格子間Si過飽和となり、引き上げ後のシリコン単結晶に格子間欠陥が検出されるようになる。
このGrown−in欠陥の中でもCOP欠陥は、シリコンウェーハの初期の酸化膜耐圧特性(GOP)の劣化因子であるために、シリコン単結晶のCOP欠陥密度を低くすることが求められている。
一般に、引き上げ後のシリコン単結晶にCOP欠陥が検出されるV/G値は0.2(mm2/℃・min)以上とされ、十分な酸化膜耐圧特性が得られるCOP欠陥密度の低いシリコン単結晶を得るためには、V/G値の適切な範囲は0.2〜0.4(mm2/℃・min)とされている。
一般に、引き上げ後のシリコン単結晶にCOP欠陥が検出されるV/G値は0.2(mm2/℃・min)以上とされ、十分な酸化膜耐圧特性が得られるCOP欠陥密度の低いシリコン単結晶を得るためには、V/G値の適切な範囲は0.2〜0.4(mm2/℃・min)とされている。
しかしながら、450mm、あるいはそれ以上の径の大口径シリコン単結晶の引き上げについては、時間及び製造コストの点で次のような様々な問題点があった。
大口径シリコン単結晶は、小口径シリコン単結晶と比較して、単結晶を引き上げるだけでも2〜3週間の時間が必要であり、製造に要する時間が大幅に増加するという問題点があった。また、この大口径シリコン単結晶は、小口径シリコン単結晶より大型の引上げ装置が必要になり、この引上げ装置を稼働させるための電力量も増加するために、製造コストが高くなるという問題点があった。
大口径シリコン単結晶は、小口径シリコン単結晶と比較して、単結晶を引き上げるだけでも2〜3週間の時間が必要であり、製造に要する時間が大幅に増加するという問題点があった。また、この大口径シリコン単結晶は、小口径シリコン単結晶より大型の引上げ装置が必要になり、この引上げ装置を稼働させるための電力量も増加するために、製造コストが高くなるという問題点があった。
したがって、大口径シリコン単結晶を量産化する場合、この量産化に向けた品質改善のための各種試験や各種検査を頻繁に行う必要があるが、大口径シリコン単結晶の引き上げに多くの時間とコストが掛かるために、これらの各種試験や各種検査を頻繁に行うことは困難である。
さらに、面検器等の検査装置についても、大口径シリコン単結晶に対応することのできる検査装置が無く、この大口径シリコン単結晶の結晶構造や結晶欠陥については、小口径シリコン単結晶と同等の水準で検査することができないという問題点があった。
さらに、面検器等の検査装置についても、大口径シリコン単結晶に対応することのできる検査装置が無く、この大口径シリコン単結晶の結晶構造や結晶欠陥については、小口径シリコン単結晶と同等の水準で検査することができないという問題点があった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、450mmあるいはそれより大径の大口径シリコン単結晶の結晶欠陥を、これより小さな径の小口径シリコン単結晶と同等の水準で、しかも低コストかつ短時間にて推定することができる大口径シリコン単結晶の結晶欠陥推定方法を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に係る大口径シリコン単結晶の結晶欠陥推定方法は、チョクラルスキー法によりシリコン融液から成長させる大口径シリコン単結晶の結晶欠陥を推定する方法であって、前記大口径シリコン単結晶の引き上げ時の熱履歴を、前記大口径シリコン単結晶より小さな径の小口径シリコン単結晶の引き上げ時の熱履歴により模擬し、この模擬した熱履歴に基づき前記大口径シリコン単結晶の結晶欠陥を推定することを特徴とする。
本発明の請求項2に係る大口径シリコン単結晶の結晶欠陥推定方法は、請求項1記載の大口径シリコン単結晶の結晶欠陥推定方法において、前記結晶欠陥は、Grown−in欠陥であることを特徴とする。
本発明の請求項3に係る大口径シリコン単結晶の結晶欠陥推定方法は、請求項2記載の大口径シリコン単結晶の結晶欠陥推定方法において、前記Grown−in欠陥は、COP欠陥であることを特徴とする。
本発明の請求項4に係る大口径シリコン単結晶の結晶欠陥推定方法は、請求項1ないし3のいずれか1項記載の大口径シリコン単結晶の結晶欠陥推定方法において、前記小口径シリコン単結晶の引き上げ時の熱履歴として、成長した前記小口径シリコン単結晶を冷却させるときの結晶欠陥形成温度領域と、この結晶欠陥形成温度領域の滞在時間とを含むことを特徴とする。
本発明の請求項1に係る大口径シリコン単結晶の結晶欠陥推定方法によれば、前記大口径シリコン単結晶の引き上げ時の熱履歴を、前記大口径シリコン単結晶より小さな径の小口径シリコン単結晶の引き上げ時の熱履歴により模擬し、この模擬した熱履歴に基づき前記大口径シリコン単結晶の結晶欠陥を推定するので、小口径シリコン単結晶の結晶欠陥と同じ時間及びコストにて、大口径シリコン単結晶の結晶欠陥を推定することができる。したがって、大口径シリコン単結晶を量産化する場合においても、この量産化に向けた品質改善のための各種試験や各種検査を小口径シリコン単結晶の場合と同じ時間及びコストにて行うことができる。
本発明の請求項2に係る大口径シリコン単結晶の結晶欠陥推定方法によれば、結晶欠陥をGrown−in欠陥としたので、半導体デバイスの製造工程にて特性のばらつき及び歩留まりに大きな影響を及ぼす大口径シリコン単結晶のGrown−in欠陥を、小口径シリコン単結晶のGrown−in欠陥と同じ時間及びコストにて推定することができる。
本発明の請求項3に係る大口径シリコン単結晶の結晶欠陥推定方法によれば、Grown−in欠陥をCOP欠陥としたので、半導体デバイスの製造工程にてシリコンウェーハの初期の酸化膜耐圧特性(GOP)に大きな影響を及ぼす大口径シリコン単結晶のCOP欠陥を、小口径シリコン単結晶のCOP欠陥と同じ時間及びコストにて推定することができる。
本発明の請求項4に係る大口径シリコン単結晶の結晶欠陥推定方法によれば、小口径シリコン単結晶の引き上げ時の熱履歴として、成長した前記小口径シリコン単結晶を冷却させるときの結晶欠陥形成温度領域と、この結晶欠陥形成温度領域の滞在時間を含むこととしたので、大口径シリコン単結晶の結晶欠陥、特にCOP欠陥をより正確に推定することができ、小口径シリコン単結晶の結晶欠陥、特にCOP欠陥と同じ時間及びコストにて、大口径シリコン単結晶の結晶欠陥、特にCOP欠陥をより正確に推定することができる。したがって、大口径シリコン単結晶を量産化する場合においても、この量産化に向けた品質改善のための各種試験や各種検査を小口径シリコン単結晶の場合と同じ時間及びコストにて、より正確に行うことができる。
本発明の大口径シリコン単結晶の結晶欠陥推定方法を実施するための形態について説明する。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
本実施形態の大口径シリコン単結晶の結晶欠陥推定方法は、チョクラルスキー(CZ)法によりシリコン融液から成長させる大口径シリコン単結晶の結晶欠陥を推定する方法であり、前記大口径シリコン単結晶の引き上げ時の熱履歴を、前記大口径シリコン単結晶より小さな径の小口径シリコン単結晶の引き上げ時の熱履歴により模擬し、この模擬した熱履歴に基づき前記大口径シリコン単結晶の結晶欠陥を推定する方法である。
ここで、大口径シリコン単結晶とは、450mmあるいはそれより大径のシリコン単結晶のことであり、一方、小口径シリコン単結晶とは、現在、汎用されている200mmまたは300mmの径のシリコン単結晶のことである。
また、シリコン単結晶の結晶欠陥としては、その冷却過程で発生するGrown−in欠陥が挙げられ、このGrown−in欠陥としては、1100℃〜1050℃にて発生するCOP(Crystal Originated Particle)欠陥(空孔型欠陥)、1050℃〜900℃にて発生するOSF(Oxidation induced Stacking Fault)欠陥、900℃〜600℃にて発生するBMD(Bulk Micro Defect)欠陥が挙げられる。
中でも、半導体デバイスの製造工程にてシリコンウェーハの初期の酸化膜耐圧特性(GOP)に大きな影響を及ぼすCOP欠陥が重要である。
中でも、半導体デバイスの製造工程にてシリコンウェーハの初期の酸化膜耐圧特性(GOP)に大きな影響を及ぼすCOP欠陥が重要である。
図1は、引上げ速度を徐々に低下させながら成長させたシリコン単結晶の欠陥分布を示す部分縦断面図、図2は図1のA−A線に沿う横断面図である。
一般に、シリコン単結晶には、半導体デバイス製造工程にて問題となる様々な種類のGrown−in欠陥が生じる。
代表的なGrown−in欠陥は、格子間シリコン優勢領域である転位クラスター発生領域に発生する転位クラスター、及び空孔優勢領域である赤外線散乱体欠陥発生領域に発生するCOP欠陥またはボイドの二つであり、これらの領域の間はリング状OSF発生領域となる。
一般に、シリコン単結晶には、半導体デバイス製造工程にて問題となる様々な種類のGrown−in欠陥が生じる。
代表的なGrown−in欠陥は、格子間シリコン優勢領域である転位クラスター発生領域に発生する転位クラスター、及び空孔優勢領域である赤外線散乱体欠陥発生領域に発生するCOP欠陥またはボイドの二つであり、これらの領域の間はリング状OSF発生領域となる。
すなわち、シリコン単結晶の径方向の中間位置に、リング状OSF発生領域があり、このリング状OSF発生領域の内側には、無欠陥領域、COPまたはボイドを発生させる赤外線散乱体欠陥発生領域が順次形成されている。
一方、リング状OSF発生領域の外側には、酸素析出促進領域、酸素析出抑制領域(Pi領域)、転位クラスター発生領域が順次形成されている。この酸素析出促進領域は、空孔型のGrown−in欠陥フリー領域(PV領域)であり、酸素析出抑制領域は、格子間シリコン型のGrown−in欠陥フリー領域(PI領域)である。
一方、リング状OSF発生領域の外側には、酸素析出促進領域、酸素析出抑制領域(Pi領域)、転位クラスター発生領域が順次形成されている。この酸素析出促進領域は、空孔型のGrown−in欠陥フリー領域(PV領域)であり、酸素析出抑制領域は、格子間シリコン型のGrown−in欠陥フリー領域(PI領域)である。
このような欠陥分布は、次の二つの因子によって制御される。すなわち、一つは結晶引上げ速度であり、他の一つは凝固直後の結晶内温度分布である。
例えば、引上げ速度が速い段階では、リング状OSF発生領域は結晶外周部に位置している。したがって、高速引上げ条件にて成長させたシリコン単結晶から得られたシリコンウェーハは、シリコン単結晶の径方向のぼぼ全域にCOP欠陥が発生する。そこで、結晶引上げ速度を徐々に低下させると、この引上げ速度の低下に伴ってリング状OSF発生領域がシリコン単結晶の中心部へ向かって徐々に移動し、最終的には、シリコン単結晶の中心部で消滅する。これにより、低速引上げ条件にて成長させたシリコン単結晶から得られたシリコンウェーハは、シリコン単結晶の径方向のぼぼ全域が転位クラスター発生領域となる。
例えば、引上げ速度が速い段階では、リング状OSF発生領域は結晶外周部に位置している。したがって、高速引上げ条件にて成長させたシリコン単結晶から得られたシリコンウェーハは、シリコン単結晶の径方向のぼぼ全域にCOP欠陥が発生する。そこで、結晶引上げ速度を徐々に低下させると、この引上げ速度の低下に伴ってリング状OSF発生領域がシリコン単結晶の中心部へ向かって徐々に移動し、最終的には、シリコン単結晶の中心部で消滅する。これにより、低速引上げ条件にて成長させたシリコン単結晶から得られたシリコンウェーハは、シリコン単結晶の径方向のぼぼ全域が転位クラスター発生領域となる。
次に、本実施形態の大口径シリコン単結晶の結晶欠陥推定方法について、詳細に説明する。
まず、大口径シリコン単結晶の引き上げ時の熱履歴を、小口径シリコン単結晶の引き上げ時の熱履歴により模擬する。
図3は、シリコン単結晶引き上げ時の熱履歴をシミュレーションした結果を示す図であり、図中、Aは450mm径のシリコン単結晶における固液界面からの距離(mm)と結晶温度(℃)との関係を、Bは300mm径のシリコン単結晶における固液界面からの距離(mm)と結晶温度(℃)との関係を、Cは200mm径のシリコン単結晶における固液界面からの距離(mm)と結晶温度(℃)との関係を、それぞれ示している。
まず、大口径シリコン単結晶の引き上げ時の熱履歴を、小口径シリコン単結晶の引き上げ時の熱履歴により模擬する。
図3は、シリコン単結晶引き上げ時の熱履歴をシミュレーションした結果を示す図であり、図中、Aは450mm径のシリコン単結晶における固液界面からの距離(mm)と結晶温度(℃)との関係を、Bは300mm径のシリコン単結晶における固液界面からの距離(mm)と結晶温度(℃)との関係を、Cは200mm径のシリコン単結晶における固液界面からの距離(mm)と結晶温度(℃)との関係を、それぞれ示している。
図3によれば、450mm径のシリコン単結晶と、300mmまたは200mm径のシリコン単結晶とでは、シリコン単結晶の冷却速度が大きく異なることが分かる。
シリコン単結晶では、Grown−in欠陥が形成される温度領域は決まっており、例えば、COP欠陥が形成される温度領域は1100℃〜1050℃、OSF欠陥が形成される温度領域は1050℃〜900℃、BMD欠陥が形成される温度領域は900℃〜600℃である。したがって、これらの温度領域における滞在時間を制御することにより、シリコン単結晶内にCOP欠陥、OSF欠陥及びBMD欠陥のうちいずれか1種または2種以上を所望の濃度にて形成することができる。
シリコン単結晶では、Grown−in欠陥が形成される温度領域は決まっており、例えば、COP欠陥が形成される温度領域は1100℃〜1050℃、OSF欠陥が形成される温度領域は1050℃〜900℃、BMD欠陥が形成される温度領域は900℃〜600℃である。したがって、これらの温度領域における滞在時間を制御することにより、シリコン単結晶内にCOP欠陥、OSF欠陥及びBMD欠陥のうちいずれか1種または2種以上を所望の濃度にて形成することができる。
このように、大口径シリコン単結晶と小口径シリコン単結晶とでは、熱量が異なるために、冷却速度が大きく異なり、したがって熱履歴が大きく異なる。そこで、大口径シリコン単結晶の冷却速度と、小口径シリコン単結晶の冷却速度とが一致するように、大口径シリコン単結晶の冷却領域であるホットゾーン形状と、小口径シリコン単結晶の冷却領域であるホットゾーン形状とを、それぞれ変更することにより、大口径シリコン単結晶の熱履歴と、小口径シリコン単結晶の熱履歴とを一致させる。
例えば、大口径シリコン単結晶を引き上げる場合、徐冷にて引き上げを行っているので、ホットゾーンに水冷体を導入することで、単結晶の冷却速度を促進することができる。さらに、単結晶の引き上げ速度を促進することでも、単結晶の冷却速度を促進することができる。したがって、これら双方を組み合わせることにより、単結晶の冷却速度を任意に制御することが可能である。
以上により、大口径シリコン単結晶の引き上げ時の熱履歴を、小口径シリコン単結晶の引き上げ時の熱履歴により模擬することができる。
以上により、大口径シリコン単結晶の引き上げ時の熱履歴を、小口径シリコン単結晶の引き上げ時の熱履歴により模擬することができる。
次いで、この模擬した熱履歴に基づき、大口径シリコン単結晶の結晶欠陥、例えば、COP欠陥等のGrown−in欠陥を推定する。
図4は、シリコン単結晶引き上げ時の凝固後の熱履歴、すなわち冷却時間(分)と結晶温度(℃)との関係をシミュレーションした結果を示す図、図5は、図4の各熱履歴に対応したCOP欠陥の大きさを示す図であり、図中、Dは450mm径のシリコン単結晶における凝固後の冷却時間(分)と結晶温度(℃)との関係を、Eは450mm径のシリコン単結晶におけるDと異なる熱履歴の凝固後の冷却時間(分)と結晶温度(℃)との関係を、Fは300mm径のシリコン単結晶における凝固後の冷却時間(分)と結晶温度(℃)との関係を、Gは300mm径のシリコン単結晶におけるFと異なる熱履歴の凝固後の冷却時間(分)と結晶温度(℃)との関係を、Hは200mm径のシリコン単結晶における凝固後の冷却時間(分)と結晶温度(℃)との関係を、Jは450mm径のシリコン単結晶におけるD及びEと異なる熱履歴の凝固後の冷却時間(分)と結晶温度(℃)との関係を、それぞれ示している。
なお、上記のJでは、ホットゾーンに水冷体を導入して、このホットゾーンの引き上げ軸方向の温度勾配を高めることで、単結晶の冷却速度を促進し、さらに、単結晶の引き上げ速度を0.65mm/分以上に設定することで、シリコン単結晶内にCOP欠陥が形成される結晶欠陥形成温度領域(1100℃〜1050℃)の滞在時間を30分以下としている。
図4及び図5では、単結晶の引き上げ条件やホットゾーン形状によりシリコン単結晶の熱履歴が異なるので、単結晶の温度勾配、及び結晶欠陥形成温度領域に単結晶が滞在する滞在時間も異なっている。
図4及び図5によれば、シリコン単結晶内にCOP欠陥が形成される結晶欠陥形成温度領域は1100℃〜1050℃であるから、この結晶欠陥形成温度領域の滞在時間が長くなればなる程、COP欠陥が大きくなることが分かる。
また、この滞在時間がある一定時間を超えた場合、COP欠陥の成長が飽和し、COP欠陥の大きさが一定となることが分かる。
図4及び図5によれば、シリコン単結晶内にCOP欠陥が形成される結晶欠陥形成温度領域は1100℃〜1050℃であるから、この結晶欠陥形成温度領域の滞在時間が長くなればなる程、COP欠陥が大きくなることが分かる。
また、この滞在時間がある一定時間を超えた場合、COP欠陥の成長が飽和し、COP欠陥の大きさが一定となることが分かる。
以上により、450mm径のシリコン単結晶を引き上げる場合に、シリコン単結晶内にCOP欠陥が形成される結晶欠陥形成温度領域(1100℃〜1050℃)の滞在時間が30分以下となる熱履歴であれば、シリコン単結晶内に形成されるCOP欠陥を小さくすることができる。その結果、200mm径または300mm径のシリコン単結晶を用いて450mm径のシリコン単結晶の熱履歴を模擬することにより、450mm径のシリコン単結晶の結晶欠陥、例えば、COP欠陥等のGrown−in欠陥を推定することができる。
本実施形態の大口径シリコン単結晶の結晶欠陥推定方法によれば、450mm径のシリコン単結晶の引き上げ時の熱履歴を、200mm径または300mm径のシリコン単結晶の引き上げ時の熱履歴により模擬し、この模擬した熱履歴により450mm径のシリコン単結晶のCOP欠陥等のGrown−in欠陥を推定するので、200mm径または300mm径という汎用のシリコン単結晶の結晶欠陥と同じ時間及びコストにて、450mm径のシリコン単結晶のCOP欠陥等のGrown−in欠陥を推定することができる。したがって、450mm径のシリコン単結晶を量産化する場合においても、この量産化に向けた品質改善のための各種試験や各種検査を200mm径または300mm径という汎用のシリコン単結晶の場合と同じ時間及びコストにて、より正確に行うことができる。
Claims (4)
- チョクラルスキー法によりシリコン融液から成長させる大口径シリコン単結晶の結晶欠陥を推定する方法であって、
前記大口径シリコン単結晶の引き上げ時の熱履歴を、前記大口径シリコン単結晶より小さな径の小口径シリコン単結晶の引き上げ時の熱履歴により模擬し、この模擬した熱履歴に基づき前記大口径シリコン単結晶の結晶欠陥を推定することを特徴とする大口径シリコン単結晶の結晶欠陥推定方法。 - 前記結晶欠陥は、Grown−in欠陥であることを特徴とする請求項1記載の大口径シリコン単結晶の結晶欠陥推定方法。
- 前記Grown−in欠陥は、COP欠陥であることを特徴とする請求項2記載の大口径シリコン単結晶の結晶欠陥推定方法。
- 前記小口径シリコン単結晶の引き上げ時の熱履歴として、成長した前記小口径シリコン単結晶を冷却させるときの結晶欠陥形成温度領域と、この結晶欠陥形成温度領域の滞在時間とを含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項記載の大口径シリコン単結晶の結晶欠陥推定方法。
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