JP2011000729A - 液体吐出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】液体吐出装置において、小型で低コストを維持しながら、クロストークの発生を極力少なくするよう工夫すること。
【解決手段】圧力室用側壁(23)により区画された複数の圧力室(3)と、
前記複数の圧力室にそれぞれ連通して設けられたノズル(2)及び液体供給路(9)と、
前記圧力室の一部を構成する振動板(5)、及びこの振動板と一体的に形成される電気機械変換素子(6)により構成され、前記圧力室に圧力を発生させる圧力発生部材(13)とから成り、
前記電気機械変換素子(6)に電圧を印加することにより、前記ノズル(2)から液滴を吐出させる液体吐出装置を前提として、
複数の空間を区画する空間用側壁(24)が前記圧力室用側壁(23)に対応して形成されたフレーム部材(7)が、前記圧力発生部材(13)を覆うように設けられ、前記空間用側壁が前記振動板(5)に固定され、かつ前記振動板の両端部の剛性を低下させたことである。
【選択図】図2

Description

本発明は、液体吐出装置に関するものであり、さらに詳しくは、圧力発生部材により圧力室に圧力を発生させ、ノズルから液滴を吐出させる液体吐出装置に関するものである。この液体吐出装置は、インクジェットプリンタ、MFP(Multifunction Peripheral:複合機)に使用するデジタル印刷装置、オフィスやパーソナルで使用するプリンタやMFP、又はインクジェット技術を利用する三次元造型技術などに応用することが可能である。
液体吐出装置を、例えばインクジェットヘッドに応用する場合、近年、インクジェットプリンタとして普及が進み、市場においては一層の高画質が求められている。そこで、ノズルの高集積化が進み、300dpi/列、600dpi/列という高集積ヘッドが要求されてきている。このような高集積化を図るには、圧力室を高密度に配列することが必要になり、隣接する圧力室を区画する側壁の幅は必然的に薄くなり、その結果、剛性が不足することになる。このように圧力室の剛性が不足すると、隣接する圧力室同士でクロストークが発生する。このクロストークは、特にインク滴の飛翔速度にバラツキを与え、付着させるドット位置精度を大きく劣化させる。また、吐出するインク滴の体積にも影響を与えて画像濃度のバラツキに影響を及ぼし、画像品質を劣化させる。
液体吐出装置において、上記のような問題の発生を防止することは、例えば、特許第3422364号公報(「インクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置」、特許文献1)、特開2008−132733号公報(「液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置及び液滴吐出ヘッドの製造方法」、特許文献2)、特開2001−179973号公報(「インクジェット式記録ヘッド」、特許文献3)、及び特許第3681288号公報(「インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置」、特許文献4)などに記載されているように、既に提案されている。
上記特許文献1に記載されているインクジェット式記録ヘッドは、図8に示されるように、ノズル開口35を穿設したノズルプレート36と、側壁32aにより区画された複数の圧力発生室32とインク供給路34と連通部33を有する流路形成基板30と、圧電素子48を備え上記圧力発生室32の一部を形成する弾性膜38と、上記側壁32aに対応する区画壁47により区画された複数の圧電素子保持部44とリザーバ部41とインク導入路46を有するリザーバ形成基板40と、可撓部42とインク導入口45を有するコンプライアンス基板50と、上記圧電素子48の電極に接続される外部配線52から構成されている。
このように構成されるインクジェット式記録ヘッドは、インク導入口45からインクを取り込んで内部をインクで満たした後、図示しない外部の駆動回路から外部配線52を介して入力される記録信号に従って、各圧力発生室32に対応するそれぞれの圧電素子48をたわみ変形させることにより、各圧力発生室32に圧力を発生させノズル開口35からインク滴を吐出させる。
このように、特許文献1に記載されたインクジェット式記録ヘッドでは、図8(c)に示されるように、上記リザーバ形成基板40において、圧力発生室32の側壁32aに対応して区画壁47を設けて剛性を高くしているが、しかし、高集積ヘッドでは、このような構造にしてもまだ剛性が不足することになり、隣接する圧力発生室への影響を抑えてクロストークを防止することは難しい。
また、このようなクロストークは、圧力発生室32で発生した圧力がリザーバ(共通液室)49を介して他の圧力発生室へ伝わることによっても発生する。このようなクロストークを防止するには、圧力発生室32からリザーバ49へつながるインク供給路34の断面積を小さくし、圧力が伝わり難くしていたが、断面積を小さくすることにより、インクの供給速度が遅くなり、インクを粒子化する応答周波数が低くなる、つまり記録速度が低下するなどの問題があった。
また、上記特許文献2(特開2008−132733号公報)に記載されている液滴吐出ヘッドは、図9に示されるように、ノズル孔56を有するノズル基板55と、ノズル連通孔61と吐出室62と供給口63と共通リザーバ(共通インク室)64とリザーバ貫通部65を有する流路基板60と、振動板66とリザーバダイヤフラム67を有する振動板基板68と、電極用凹部71と個別電極72と共通電極73と圧力緩衝凹部74とインク供給孔75を有する電極基板70から構成されている。
このように構成される液滴吐出ヘッドでは、インクがインク供給孔75から共通リザーバ64内に供給され、さらに個々の供給口63から各吐出室62とノズル連通孔61を経て、ノズル孔56の先端まで満たされて、駆動制御回路により電極取り出し部76を経て個別電極72に駆動信号(パルス電圧)が供給されると、この個別電極72にはパルス電圧が印加され、これに対応する振動板66はマイナスに帯電する。このとき、個別電極72と振動板66の間には静電気力(クーロン力)が発生し、振動板66がたわみ変形して吐出室62に圧力が発生する。この圧力により吐出室62内のインクの一部がノズル連通孔61を通り、インク滴となってノズル孔56から吐出される。
このように、特許文献2に記載されている液滴吐出ヘッドでは、流路基板60をノズル基板55と振動板基板68の間に設け、その流路基板60にリザーバ64を設けることにより、クロストークの防止に十分なリザーバ体積を確保できるとしている。
しかし、これではノズル孔56と同一面に十分な体積を有するリザーバ64を設けることになり、流路基板60の面積が大きくなってしまう等の不具合が発生し、充分にリザーバ64を大きくすることができなくなり、クロストークの防止には不十分なものであった。
また、上記特許文献2のものにおける問題点を解決する方法として、特許文献3(特開2001−179973号公報)に記載されているインクジェット式記録ヘッドでは、インク供給部を圧力室と同一面には設けず、アクチュエータユニットを介して反対側に配置する構成をとることにより、小型でシンプルな記録ヘッドにすることができるとしているが、クロストークの防止には不十分なものであった。
また、上記特許文献4(特許第3681288号公報)に記載されているインクジェットヘッドでは、ダイヤフラム層の両端を薄くして、変位効率を向上させる提案がなされている。この提案では、ダイヤフラム層の両端を薄くしすぎると変位量が増大しても発生する圧力が不足し、ヘッド特性が低下する。逆に、薄くしないと変位量が小さくなると同時に、ダイヤフラムの変形力が隣接するダイヤフラムに伝達するので、クロストーク発生の原因になるという不具合がある。
そこで、本発明の課題は、上記従来の液体吐出装置の問題点を解決するために、液体吐出装置において、小型で低コストを維持しながら、クロストークの発生を極力少なくするよう工夫することである。
以下に、上記課題を解決するために講じた手段を作用とともに説明する。
(1) 本発明に係る液体吐出装置(請求項1に対応)は、圧力室用側壁により区画された複数の圧力室と、
前記複数の圧力室にそれぞれ連通して設けられたノズル及び液体供給路と、
前記圧力室の一部を構成する振動板、及びこの振動板と一体的に形成される電気機械変換素子により構成され、前記圧力室に圧力を発生させる圧力発生部材とから成り、
前記電気機械変換素子に電圧を印加することにより、前記ノズルから液滴を吐出させる液体吐出装置を前提として、
複数の空間を区画する空間用側壁が前記圧力室用側壁に対応して形成されたフレーム部材が、前記圧力発生部材を覆うように設けられ、前記空間用側壁が前記振動板に固定され、かつ前記振動板の両端部の剛性を低下させたことである。
共通液室8から液体供給路9を介して圧力室3に充填されている液体(インク)は、電気機械変換素子(薄膜PZT)6に電圧を印加し、圧力発生部材13の振動板5を変位させて圧力室3に圧力を発生させることにより、ノズル2から吐出される。このとき、本発明に係る構成を備えていなければ、圧力室3で発生した圧力が液体供給路9を介して共通液室8に影響を与える。この共通液室8の圧力変動は他の圧力室に影響を与え、液滴(インク滴)の吐出性能を劣化させる。同時に振動板5の変位力が、隣接する振動板に伝達し、同じく吐出性能を劣化させる。
また、高集積ヘッドほど圧力室を高密度に配列することが必要になり、隣接する圧力室を区切る側壁の幅は必然的に薄くなり、剛性が不足することになる。
これを防止するために、上記のように構成することによって、フレーム7の側壁(空間用側壁)24と基板4の側壁(圧力室用側壁)23で振動板5を挟む構造として剛性を高めると同時に、振動板5の両端部に切り欠き25を形成し、剛性を効率よく低くして振動板5の変位力が隣接する振動板や圧力室用側壁23に伝達しないようにしたので、クロストークの発生を殆ど防止することができる。
(2) また、上記(1)の液体吐出装置において、圧力発生部材が設けられた領域を、共通液室の少なくとも一部と圧力室の少なくとも一部により挟む位置関係とすることができる。(請求項2に対応)
クロストークを低減する方法の1つとして共通液室の体積を増大する方法があるが、従来の構造では共通液室を大きく取ると、圧力室を形成するシリコン基板の面積が増大して、資源が多く必要となりコスト高となる。
上記のように構成することによって、共通液室8と圧力室3で圧力発生部材13を挟む位置関係にすることになり、液体吐出装置に用いるシリコン基板の必要面積を最小限に減らすことができる。
(3) また、上記(1)又は(2)の液体吐出装置において、空間用側壁で区画される空間は、大気に連通することができる。(請求項3に対応)
ゴミなどの混入を防止するには区画された空間26を密閉した方が良いが、密閉してしまうと、環境変化などによる空間26内の空気などの膨張又は収縮が、振動板5の変位特性に影響を及ぼすことになる。
上記のように構成することによって、空間26を大気と連通することになり、安定した変位特性を保持することができ、液体吐出装置の特性を良好に維持することができる。
(4) また、上記(1)〜(3)のいずれかの液体吐出装置において、圧力室をシリコン基板で形成すると共に、フレーム部材をガラスで形成することができる。(請求項4に対応)
さらにコストダウンを図るには、部品単体から個別に加工するより、ウェハレベルでの一括加工/接合後、切断して次の工程に移すことによって、さらなるコストダウンをすることができる。したがって、各材料は熱膨張係数がほぼ同等であること、異種材料の切断加工の容易性、その材料の加工精度、及び材料コストなどを考慮して組み合わせることが重要である。
上記のように構成することによって、基板4をシリコン基板とし(高集積化が可能で、加工精度を高くできる)、フレーム部材をガラスとする(そこそこの精度で加工でき、材料コストを安くできる)ことになり、最も好ましい組み合わせにすることができる。
(5) また、上記(1)〜(4)のいずれかの液体吐出装置において、複数の圧力室が2列に千鳥配置され、液体供給路に連通する共通液室が、フレーム部材に前記各列の複数の圧力室に対応して設けられ、これらの共通液室の間に電気機械変換素子の電極に接続される電極引き出し部材を設けることができる。(請求項5に対応)
このように構成することによって、複数の圧力室を千鳥配列とすることになり、液体吐出装置において、より一層の小型化、高集積化、及び低コスト化を実現することが可能である。
本発明の効果を請求項にしたがって整理すると次のとおりである。
(1) 請求項1に係る発明
フレームの側壁(空間用側壁)と基板の側壁(圧力室用側壁)で振動板を挟む構造として剛性を高めると同時に、振動板の両端部に切り欠きを形成し、剛性を効率よく低くして振動板の変位力が隣接する振動板や圧力室用側壁に伝達しないようにしたので、クロストークの発生を防止すると共に、小型化や高集積化を図ることができる。
(2) 請求項2に係る発明
共通液室と圧力室で圧力発生部材を挟む位置関係にすることによって、液体吐出装置に用いるシリコン基板の必要面積を最小限に減らすことができるので、低コスト化を図ることができる。
(3) 請求項3に係る発明
空間用側壁で区画される空間を大気と連通することにより、振動板の安定した変位特性を保持することができるので、液体吐出装置の特性を良好に維持することが可能である。
(4) 請求項4に係る発明
基板をシリコン基板とすることによって、高集積化が可能になり加工精度を高くすることができる。また、フレーム部材をガラスとすることによって、そこそこの精度で加工することができ材料コストを安くすることができる。
したがって、基板をシリコン基板とし、フレーム部材をガラスとすることによって、最も好ましい組み合わせにすることができる。
(5) 請求項5に係る発明
液体吐出装置において、複数の圧力室を千鳥配列とすることによって、上記請求項1〜請求項4に係る発明の効果と相俟って、より一層の小型化、高集積化、及び低コスト化を実現することができる。
は、本発明の実施例1による液体吐出装置(インクジェットヘッド)の模式的な断面図であり、図2のB−B断面図、又は図4のC−C断面図を示す。 は、同じく実施例1による液体吐出装置の模式的な断面図であり、図1のA−A断面図を示す。 は、圧力発生部材付近の模式的な平面図であり、基板に形成された流体抵抗部の説明図である。 は、本発明の実施例2による液体吐出装置(インクジェットヘッド)の模式的な断面図であり、図5のD−D断面図を示す。 は、同じく実施例2による液体吐出装置の模式的な平面図であり、上蓋を取り外した状態を示す。 は、圧力発生部材(振動板と圧電素子)の変位状態を説明する模式図である。 は、振動板の両端部に切り欠きを設けた場合の圧力発生部材の変位状態を説明する模式図である。 は、従来の液体吐出装置(インクジェットヘッド)の模式図であり、(a)は平面図、(b)及び(c)は(a)におけるE−E断面図及びF−F断面図を示す。 は、従来の別の液体吐出装置(インクジェットヘッド)の模式的な断面図である。
本発明は、高集積の液体吐出装置において、クロストークを極力少なくするという目的を、小型化や低コスト化を犠牲にすることなしに実現したものである。
本発明の実施例1による液体吐出装置をインクジェットヘッドに適用した場合について、図1〜図3、図6及び図7を参照しながら説明する。図1及び図2はインクジェットヘッドの断面図であり、図3は基板に形成する流体抵抗部の幅について説明する平面図であり、図6及び図7は圧力発生部材(振動板と圧電素子)の変位状態を説明する模式図である。
本実施例1のインクジェットヘッドは、ノズル2が形成されている樹脂又は金属で構成されるノズル板1と、複数の圧力室3が設けられた基板4が接合されている。この基板4は、ガラスや薄い金属板の積層体、好ましくはシリコン基板で作製されている。ノズル板1に対抗する圧力室3の反対側の面には、非常に薄い振動板5が形成されている。この振動板5はSOI(Silicon On Insurator)基板のSiO層で形成し、シリコン基板をエッチングして圧力室3を形成するときのエッチングストップ層として使うことができる。また、振動板5は、Si0、SiNなどで成膜した振動板にすることにより、SOI基板より安価になるので、コストダウンを図ることができる。
上記振動板5の圧力室3と反対側の面には、電気機械変換素子(圧電素子等)、具体的にはスパッタリングやゾルゲル(sol-gel)法などの加工方法によって形成された薄膜PZT(Pb(ZrTi)O)6が設けられている。上記振動板5と薄膜PZT6により、圧力室3に圧力を発生させる圧力発生部材13を構成する。この薄膜PZT6に電圧を印加するための下電極、上電極、及び必要な絶縁層などについては、通常用いられる一般的な技術を用いることができるので、ここでは煩雑さを避けるために説明を省略する。
上記薄膜PZT6の上部には、これを囲むように樹脂、シリコン基板、又は金属などで構成されるフレーム(フレーム部材)7が、基板4に接着剤10により接合されて設けられている。このフレーム7としては、好ましくは比較的安く、加工精度もあり、かつ熱膨張率が基板4と同程度であり、厚さも比較的自由に選択することができるガラス製のものが良い。これにより、共通液室8の深さも十分深くすることができ、クロストークをある程度防止できる体積を確保することができる。
上記基板4とフレーム7を接着する接着剤10は、例えば、感光性エポキシ樹脂などでできているシート状のものが好ましい。このフレーム7には、共通液室8が圧力発生部材13の上部に設けられており、フレーム7の貫通口9aと基板4の貫通口9bによって形成される液体供給路9を介して圧力室3に連通している。この液体供給路9は流体抵抗としての機能を持っている。この液体供給路9の流体抵抗の機能は、各貫通口9a、9bの断面積により発生するようにしても良いが、好ましくは図3に示すように、この流体抵抗部は、基板4における貫通口9bの幅(圧力室3の幅15方向の幅)14として形成されることが望ましい。その理由は、貫通口9a、9bの断面積の精度で流体抵抗を設定すると厳しい精度が要求されるが、貫通口9bの幅14として形成されると、幅14の精度はある程度ばらついても、長さ(幅方向と直交する寸法)が長ければその寸法バラツキを吸収できるからである。
上記薄膜PZT6から電極を引き出すためのFPC(フレキシブルプリント基板)11には、薄膜PZT6を駆動するドライバーIC(集積回路)12が装着されている。FPC11はワイヤーボンディング、又はACF(異方性導電フィルム)接合などの一般的な接合技術により電気的な接合がなされている。また、圧力室3を区切っている圧力室用側壁23に対応して、フレーム7に同様の空間用側壁24を設けている。この空間用側壁24はフレーム7に溝加工を施し形成しても良いが、好ましくは接着剤の一部を利用して形成した方が加工コストは安くなる。
また、上記振動板5の両端部に切り欠き25を設けて剛性を低くすることにより、振動板5の変位力が隣接する振動板5や圧力室用側壁23に伝達しないようにしている。この切り欠き25は単に剛性を低くすれば良いというものではなく、最も効率よく薄膜PZT6の変位を引き出すように形成することが必要である。
上記薄膜PZT6の曲がり方向が一様になるように、上記振動板5の一部の剛性を変えるようにすると良い。一般的には図6に示すように、薄膜PZT6の変位状態は伸びる部分と縮む部分が混在し、変曲点が存在する。これは効率的に考えると非常に効率が悪いものである。一方、図7に示されるものでは、振動板5が切り欠き25を備えているため、変曲点がこの切り欠き部に移動し、薄膜PZT6は一様な方向へ曲がることができるため、非常に効率が良いものである。
上記薄膜PZT6に電圧を印加することにより、圧力発生部材13は圧力室に圧力を発生させ、インクをノズル2から吐出させる。振動板5は、圧力室用側壁23と空間用側壁24で挟み込まれているため、振動板5の変位力による変位が隣接する圧力室に影響を与えるのを防いでいる。このように剛性を高め、変位力の伝達を防ぐことによって、より効果的にクロストークの発生を防止することができる。
これにより、インクジェットヘッドにおいて、クロストークの低減、小型化、低コスト化、及び高集積化を同時に実現することができる。
さらに、圧力発生部材13を含む領域は、共通液室8の少なくとも一部と圧力室3の少なくとも一部により挟まれる位置関係にある。これによって、基板4の長さ(図2の左右方向の寸法)は必要最小限に収まることになる。極論すれば、基板4の長さが圧力室3の長さだけあれば、共通液室8の体積を十分に確保することができる。
特に、シリコン基板によって基板4を製造する場合、必要な面積を極力小さくし、いわゆる取り数(シリコン基板1枚から取れる基板4の個数)を多くすることが、コストダウンをする上で重要なことである。しかも、基板4の加工は、圧力室3のエッチングと貫通口9bのみであり、非常に安い加工コストで済むことになる。
上記フレーム7とその空間用側壁24で囲まれる空間26は、大気と連通していることが好ましい。ゴミなどの混入を防止するには密閉した方が良いが、密閉してしまうと、環境変化などにより空間26内の空気などが膨張又は収縮することにより、振動板5の変位特性に影響を及ぼすことになる。したがって、空間26を大気と連通することにより、安定した変位特性を保持することができ、ヘッド特性を良好に維持することができる。
本発明の実施例2による液体吐出装置をインクジェットヘッドに適用した場合について、図4及び図5を参照しながら説明する。図4はインクジェットヘッドの断面図であり、図5はインクジェットヘッドの平面図である。
本実施例2のインクジェットヘッドは、ノズル2を千鳥配置に並べた例であり、フレーム(フレーム部材)7の中央にはFPC(フレキシブルプリント基板)17を取り出す開口部16が設けられており、この開口部16の両側にはそれぞれ共通液室8が設けられている。フレーム7には共通液室8を密閉するように、樹脂やガラスなどで作製された上蓋21が接合されている。この上蓋21には、図示していないインクカートリッジからインクが供給される供給口20が設けられている。この供給口20は各共通液室8の両端部に設けられ、インクは循環するように供給されている。また、上記上蓋21にはフレーム7の開口部16とほぼ同程度の開口部22が設けられ、FPC17が取り出せるようになっている。上記供給口20から入ったインクは共通液室8を満たし、液体供給路9から圧力室3に供給される。
このような構成にすることにより、全体がコンパクトになり、特にFPCが1枚で構成できるため、コストダウンが計れると同時に、十分な体積を持つ共通液室8を確保することができ、また、その大きさも圧力発生部材13を覆う位置に配置することにより、基板4の大きさを極力小さくすることができる。さらに、フレーム7の空間用側壁24(図1を参照)により圧力発生部材13の剛性を高め、かつ振動板5の両端部に切り欠きを設けることにより、小型で低コストを維持しながら、クロストークの発生を殆どなくすことができる。
インクジェットヘッドでは、高集積ヘッドほど圧力室3を高密度に配列することが必要になり、隣接する圧力室3を区切る圧力室用側壁23の幅は必然的に薄くなり、剛性が不足することになる。この圧力室3の剛性が不足すると、隣接する圧力室同士でクロストークが発生する。このクロストークは、特にインク滴の飛翔速度にバラツキを与え、付着するドット位置精度を大きく劣化させる。また、吐出するインクの体積にも影響を与え、画像濃度のバラツキに影響を及ぼし、画像品質を劣化させる。
したがって、高集積ヘッドほど本発明による効果が高いことが分かる。
1…ノズル板 2…ノズル
3…圧力室 4…基板
5…振動板 6…電気機械変換素子(圧電素子)
7…フレーム(フレーム部材) 8…共通液室
9…液体供給路 9a…フレーム貫通口
9b…基板貫通口 10…接着剤
11…FPC(フレキシブルプリント基板)
12…ドライバーIC(ドライバー集積回路)
13…圧力発生部材 14…流体抵抗部の幅
15…圧力室の幅 16…フレーム開口部
17…FPC(フレキシブルプリント基板)
18…ドライバーIC(ドライバー集積回路)
20…供給口 21…上蓋
22…上蓋開口部 23…圧力室用側壁
24…空間用側壁 25…切り欠き
26…空間
特許第3422364号公報(特開2000−296616) 特開2008−132733号公報 特開2001−179973号公報 特許第3681288号公報(特開2000−71449)

Claims (5)

  1. 圧力室用側壁により区画された複数の圧力室と、
    前記複数の圧力室にそれぞれ連通して設けられたノズル及び液体供給路と、
    前記圧力室の一部を構成する振動板、及びこの振動板と一体的に形成される電気機械変換素子により構成され、前記圧力室に圧力を発生させる圧力発生部材とから成り、
    前記電気機械変換素子に電圧を印加することにより、前記ノズルから液滴を吐出させる液体吐出装置において、
    複数の空間を区画する空間用側壁が前記圧力室用側壁に対応して形成されたフレーム部材が、前記圧力発生部材を覆うように設けられ、前記空間用側壁が前記振動板に固定され、かつ前記振動板の両端部の剛性を低下させたことを特徴とする液体吐出装置。
  2. 前記圧力発生部材が設けられた領域を、前記共通液室の少なくとも一部と前記圧力室の少なくとも一部により挟む位置関係としたことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
  3. 前記空間用側壁で区画される空間は、大気に連通していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液体吐出装置。
  4. 前記圧力室をシリコン基板で形成すると共に、前記フレーム部材をガラスで形成することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の液体吐出装置。
  5. 前記複数の圧力室が2列に千鳥配置され、前記液体供給路に連通する共通液室が、前記フレーム部材に前記各列の複数の圧力室に対応して設けられ、これらの共通液室の間に前記電気機械変換素子の電極に接続される電極引き出し部材を設けたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の液体吐出装置。
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