JP2010540715A - 減少した光沢を有する改良されたカーボネートポリマーブレンド - Google Patents
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Abstract
(a)カーボネートポリマー、(b)プロピレンポリマー、(c)相溶化グラフトコポリマー、(d)グラフト変性プロピレンポリマー及び/又はα−オレフィン−カルボン酸コポリマー及び/又はオレフィンブロックコポリマーから選択されたポリマー、任意的に(e)充填剤、(f)任意的に、(a)、(b)、(c)又は(d)以外の熱可塑性樹脂並びに(g)任意的に、安定剤、顔料、離型剤、流動増強剤又は耐電防止剤から選択された1種又はそれ以上の添加剤を含む、カーボネートポリマーブレンド組成物が開示される。このカーボネートポリマーブレンド組成物は、成形物品に於いて、物理的特性、耐衝撃性、加工性及び減少した光沢の良好なバランスを有する。
Description
本発明はカーボネートポリマー、プロピレンポリマー、相溶化グラフトコポリマー並びにグラフト変性プロピレンポリマー及び/又はα−オレフィンカルボン酸コポリマー及び/又はオレフィンブロックコポリマーを含むポリマー組成物並びにこのような組成物の製造方法に関する。特に、本発明は、特にしぼ化表面(grained surface)を有する成形物品に於いて、物理的特性、耐衝撃性、加工性及び減少した光沢の良好なバランスを示すカーボネートブレンド組成物に関する。
多くの熱可塑性樹脂、特に、ポリカーボネート(PC)又はスチレン系樹脂、例えば乳化重合したアクリロニトリル、ブタジエン及びスチレンターポリマー(ABS)のようなポリマーを含有する組成物は、射出成形されたときに、固有の高光沢仕上げを有する。多くの用途のために、高光沢は、非常に望ましい特性であり、これは、材料の選択に於ける最も重要な要因の一つであろう。他方、多くの他の用途、例えば自動車内装用途並びに情報技術装置、例えばコンピュータ及び他の電子装置筐体のために、基本的に、感覚的理由のために並びに費用のかかる被覆及び塗装工程の排除のために、マット仕上げ又は低光沢仕上げに向かう傾向がある。
生産コストを低下させ、改良された安全性を与える目的のために並びに光反射を減少させることによるくつろいだ感じのために、無被覆仕上げを有する成形物品、例えば自動車内装トリム及びインスツルメントパネルに向かう最近の傾向が存在する。更に、幾つかの車内部品、例えばインスツルメントパネル、エアーバッグカバー及びニーボルスターを、同じ材料から製造するための自動車用途に於ける最近の傾向は、成形物品に於いて物理的特性、耐衝撃性、加工性及び減少した光沢の良好なバランスを示す、最低安全必要条件に適合するように耐衝撃性及び剛性に於いてよくバランスの取れた材料についての要求を作り出す。このような成形物品は、物品の光沢を低減するためにしぼ化表面構造を有するであろう。しぼのタイプは、典型的には、物品及びOEMに依存する。
ポリカーボネートは、良好な絶縁及び非腐食特性と共に、高レベルの耐熱性、衝撃強度及び寸法安定性を示す。しかしながら、高光沢に加えて、ポリカーボネートは、成形することが困難であり、薄壁の射出成形物品にすることができないという欠点がある。この欠点は、その粘度を低下させるために、ポリカーボネートの分子量を減少させることによって幾らか軽減された。しかしながら、結果として、その光沢はしばしば増加し、その延性はしばしば減少する。延性に於ける減少は、ポリカーボネートをエマルジョン又はコアシェルエラストマー、例えばメタクリレート、ブタジエン及びスチレンコポリマー又はアクリル酸ブチルゴムとブレンドすることの実施によって、ある程度まで軽減された。しかしながら、これらのコアシェルゴムは、粘度を上昇させることによってブレンドの加工性を妨害し、光沢を低下させるための助けにはならない。
ポリカーボネートは、ブレンドの粘度を低下させ、なおかつ、物理的特性と熱特性との良好なバランスを維持するために、種々の熱可塑性ポリマーと成功裡にブレンドされてきた。PC/ABSブレンドは良好な例である。しかしながら、PC/ABSブレンドは、しぼ化表面仕上げを有する物品上でも、PC単独と同様の高い光沢外観を留める。ポリカーボネートはポリオレフィン(PO)とブレンドされた。PC/POブレンドは、また、PC単独に対して比較したときに、粘度も低下させた。しかしながら、ポリカーボネートをオレフィンポリマーとブレンドすることにより生ずる欠点の一つは、ブレンドしたポリカーボネートの耐衝撃性、靱性及び溶接強度の減少を生ずる、離層する傾向である。
特許文献1のような、ポリカーボネートと、エチレン、プロピレン及び任意的なジエンコポリマーにグラフト化されたスチレン及びアクリロニトリルコポリマーとのブレンドの組成物を開示している文献が知られている。更に、ポリカーボネートを、ポリオレフィン及びエチレン−プロピレン−ジエンターポリマーとブレンドすることの実施が、特許文献2に於いて検討されている。しかしながら、特許文献2に開示されている三成分ポリマーブレンド組成物は、光沢表面を有する成形部品の製造のために特に有用であると教示されている。
成形物品に於いて、物理的特性、耐衝撃性、加工性及び減少した光沢の良好なバランスを示すポリカーボネートポリマーブレンド組成物を提供することが非常に望ましいであろう。
本発明はこのような望ましい材料である。本発明は、特にしぼ化表面仕上げを有する成形物品に於いて、物理的特性、耐衝撃性、加工性及び減少した光沢の望ましいバランスを有するカーボネートポリマーブレンド組成物である。
一つの態様に於いて、本発明は、(a)カーボネートポリマー、(b)プロピレンポリマー、(c)相溶化グラフトコポリマー、(d)グラフト変性プロピレンポリマー(d.i)及び/又はオレフィン−カルボン酸コポリマー(d.ii)及び/又は1個若しくはそれ以上の硬質セグメント及び1個若しくはそれ以上の軟質セグメントを含み、そして以下に記載される面、即ち、
(d.iii.a)は、約1.7〜約3.5の重量平均分子量/数平均分子量比(Mw/Mn)、セルシウス度での少なくとも1個の融点(Tm)及びグラム/立方センチメートル(g/cc)での密度(d)を有する(ここで、Tm及びdの数値は、関係:
Tm>−2002.9+4538.5(d)−2422.2(d)2若しくは
Tm>−6553.3+13735(d)−7051.7(d)2
に対応する)若しくは
(d.iii.b)は、約1.7〜約3.5のMw/Mnを有し、ジュール/グラム(J/g)での融解熱(ΔH)及び最長の示差走査熱量法(DSC)ピークと最長の結晶化分析分別(CRYSTAF)ピークとの間の温度差として定義されるセルシウス度でのデルタ量(ΔT)によって特徴付けられる(ここで、ΔT及びΔHの数値は、下記の関係:
ゼロよりも大きくて130J/g以下のΔHについて、ΔT>−0.1299(ΔH)+62.81、
130J/gよりも大きいΔHについて、ΔT≧48℃
を有し、CRYSTAFピークは、累積ポリマー(cumulative polymer)の少なくとも5%を使用して決定され、ポリマーの5%よりも少ないものが同定可能なCRYSTAFピークを有する場合、CRYSTAF温度は30℃である)若しくは
(d.iii.c)は、エチレン/α−オレフィン共重合体の圧縮成形したフィルムで測定した、300%歪み及び1サイクルでのパーセントでの弾性回復(Re)によって特徴付けられ、グラム/立方センチメートル(g/cc)での密度(d)を有し(ここで、Re及びdの数値は、エチレン/α−オレフィン共重合体が架橋された相を実質的に含有しないとき、下記の関係:
Re>1481−1629(d)
を満足する)若しくは
(d.iii.d)は、TREFを使用して分別されたときに、40℃と130℃との間で溶離する分子画分を有し、前記画分が、同じ温度の間で溶離する相当するランダムエチレン共重合体画分のものよりも、少なくとも5%高いモルコモノマー含量を有する点で特徴付けられる(ここで、前記の相当するランダムエチレン共重合体は、同じコモノマー(群)を有し、エチレン/α−オレフィン共重合体のものの10%以内の、メルトインデックス、密度及びモルコモノマー含量(ポリマー全体基準)を有する;若しくは
(d.iii.e)は、25℃での貯蔵弾性率(G′(25℃))及び100℃での貯蔵弾性率(G′(100℃))を有する(ここで、G′(25℃)のG′(100℃)に対する比は、約1:1〜約9:1の範囲内である);若しくは
(d.iii.f)は、TREFを使用して分別されたときに、40℃と130℃との間で溶離する、少なくとも0.5〜約1以下のブロック指数及び約1.3よりも大きい分子量分布、Mw/Mnを有する点で特徴付けられる分子画分を有し、;若しくは
(d.iii.g)は、ゼロよりも大きくて約1.0以下の平均ブロック指数及び約1.3よりも大きい分子量分布Mw/Mnを有する、
の1個又はそれ以上によって特徴付けられるオレフィンブロックコポリマー(d.iii)から選択されたポリマー、(e)任意的な充填剤、(f)任意的な(a)、(b)、(c)又は(d)以外の熱可塑性又はエラストマー性樹脂並びに(g)任意的な安定剤、顔料、離型剤、流動増強剤又は耐電防止剤から選択された1種又はそれ以上の添加剤を含んでなる、カーボネートポリマーブレンド組成物である。
(d.iii.a)は、約1.7〜約3.5の重量平均分子量/数平均分子量比(Mw/Mn)、セルシウス度での少なくとも1個の融点(Tm)及びグラム/立方センチメートル(g/cc)での密度(d)を有する(ここで、Tm及びdの数値は、関係:
Tm>−2002.9+4538.5(d)−2422.2(d)2若しくは
Tm>−6553.3+13735(d)−7051.7(d)2
に対応する)若しくは
(d.iii.b)は、約1.7〜約3.5のMw/Mnを有し、ジュール/グラム(J/g)での融解熱(ΔH)及び最長の示差走査熱量法(DSC)ピークと最長の結晶化分析分別(CRYSTAF)ピークとの間の温度差として定義されるセルシウス度でのデルタ量(ΔT)によって特徴付けられる(ここで、ΔT及びΔHの数値は、下記の関係:
ゼロよりも大きくて130J/g以下のΔHについて、ΔT>−0.1299(ΔH)+62.81、
130J/gよりも大きいΔHについて、ΔT≧48℃
を有し、CRYSTAFピークは、累積ポリマー(cumulative polymer)の少なくとも5%を使用して決定され、ポリマーの5%よりも少ないものが同定可能なCRYSTAFピークを有する場合、CRYSTAF温度は30℃である)若しくは
(d.iii.c)は、エチレン/α−オレフィン共重合体の圧縮成形したフィルムで測定した、300%歪み及び1サイクルでのパーセントでの弾性回復(Re)によって特徴付けられ、グラム/立方センチメートル(g/cc)での密度(d)を有し(ここで、Re及びdの数値は、エチレン/α−オレフィン共重合体が架橋された相を実質的に含有しないとき、下記の関係:
Re>1481−1629(d)
を満足する)若しくは
(d.iii.d)は、TREFを使用して分別されたときに、40℃と130℃との間で溶離する分子画分を有し、前記画分が、同じ温度の間で溶離する相当するランダムエチレン共重合体画分のものよりも、少なくとも5%高いモルコモノマー含量を有する点で特徴付けられる(ここで、前記の相当するランダムエチレン共重合体は、同じコモノマー(群)を有し、エチレン/α−オレフィン共重合体のものの10%以内の、メルトインデックス、密度及びモルコモノマー含量(ポリマー全体基準)を有する;若しくは
(d.iii.e)は、25℃での貯蔵弾性率(G′(25℃))及び100℃での貯蔵弾性率(G′(100℃))を有する(ここで、G′(25℃)のG′(100℃)に対する比は、約1:1〜約9:1の範囲内である);若しくは
(d.iii.f)は、TREFを使用して分別されたときに、40℃と130℃との間で溶離する、少なくとも0.5〜約1以下のブロック指数及び約1.3よりも大きい分子量分布、Mw/Mnを有する点で特徴付けられる分子画分を有し、;若しくは
(d.iii.g)は、ゼロよりも大きくて約1.0以下の平均ブロック指数及び約1.3よりも大きい分子量分布Mw/Mnを有する、
の1個又はそれ以上によって特徴付けられるオレフィンブロックコポリマー(d.iii)から選択されたポリマー、(e)任意的な充填剤、(f)任意的な(a)、(b)、(c)又は(d)以外の熱可塑性又はエラストマー性樹脂並びに(g)任意的な安定剤、顔料、離型剤、流動増強剤又は耐電防止剤から選択された1種又はそれ以上の添加剤を含んでなる、カーボネートポリマーブレンド組成物である。
本発明の更なる態様に於いて、プロピレンポリマーは、好ましくはプロピレンのホモポリマー又はプロピレンとC2若しくはC4〜C20α−オレフィンとのコポリマーであり、好ましくは相溶化グラフトコポリマーは、EPDM−g−SANポリマーであり、好ましくはグラフト変性プロピレンポリマーは、PP−g−PMMAポリマーであり、好ましくはオレフィン−カルボン酸コポリマーはEAAコポリマーであり、好ましくはオレフィンブロックコポリマーは0.85〜0.895g/ccの密度及び/又は5〜35のI2/I10及び/又は0.15〜0.8の平均ブロック指数及び/又は1.9〜7の分子量分布(Mw/Mn)及び/又は40〜95重量%の軟質セグメント含有量を有する、エチレンと、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン又は1−オクテンとのとのコポリマーであり、好ましくは充填剤はタルク、ウォラストナイト、クレー、カチオン交換層化ケイ酸塩材料の単一層又はこれらの混合物であり、そして好ましくは追加のポリマーは低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、実質的に線状のエチレンポリマー、線状エチレンポリマー、ポリスチレン、ポリシクロヘキシルエタン、ポリエステル、エチレン/スチレン共重合体、シンジオタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリスチレン、エチレン/プロピレンコポリマー、水素化ビニル芳香族系コポリマー及びブロックコポリマー、非水素化ビニル芳香族系コポリマー及びブロックコポリマー、エチレン/ブチレンコポリマー、エチレン/α−オレフィンコポリマー、エチレン/プロピレン/ジエンターポリマー又はこれらの混合物から選択される。
本発明の別の態様は前記のカーボネートポリマーブレンド組成物の製造方法であって、(a)カーボネートポリマー、(b)プロピレンポリマー、(c)相溶化グラフトコポリマー、(d)グラフト変性プロピレンポリマー及び/又はオレフィン−カルボン酸コポリマー及び/又はオレフィンブロックコポリマーから選択されたポリマー、(e)任意的に充填剤、(f)任意的に(a)、(b)、(c)又は(d)以外の熱可塑性樹脂並びに(g)任意的に安定剤、顔料、離型剤、流動増強剤又は耐電防止剤から選択された1種又はそれ以上の添加剤を組み合わせることによる方法である。
本発明の別の態様は、カーボネートポリマーブレンド組成物の成形又は押出物品の製造方法であって、カーボネートポリマーブレンド組成物を製造する工程及び前記カーボネートポリマーブレンド組成物を、成形又は押出物品に成形する又は押し出す工程を含んでなる方法である。
本発明の別の態様は、成形又は押出物品、好ましくは自動車バンパービーム、自動車バンパーファシア(fascia)、自動車ピラー、自動車インスツルメントパネル、自動車内装トリム、自動車内装オーバーヘッドコンソール、自動車内装ベズル、ニーボルスター(knee bolster)、ステアリングカラムカウル、グローブボックストリム、電気装置デバイス筐体、電気装置デバイスカバー、家庭電気器具筐体、フリーザーコンテナー、クレート又は芝及び庭園家具の形での、前記のカーボネートポリマーブレンド組成物である。
本発明のカーボネートポリマーブレンド組成物中の成分(a)はカーボネートポリマーである。カーボネートポリマーは文献において公知であり、公知の技術によって製造することができ、例えば幾つかの適切な方法が、米国特許第3,028,365号明細書、米国特許第4,529,791号明細書及び米国特許第4,677,162号明細書(これらを、それらの全部を参照して本明細書中に含める)中に開示されている。一般的に、カーボネートポリマーは、多価化合物、好ましくは芳香族ジヒドロキシ化合物、例えばジフェノールを、カーボネート前駆体、例えばホスゲン、ハロホルメート又は炭酸エステル、例えば炭酸ジフェニル又は炭酸ジメチルと反応させることによって、1種又はそれ以上の多価化合物から製造することができる。好ましいジフェノールは2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、3,3−ビス(パラ−ヒドロキシフェニル)フタリド及びビスヒドロキシフェニルフルオレンである。これらのカーボネートポリマーは、これらの原材料から、幾つかの公知の方法、例えば公知の界面、溶液又は溶融プロセスのいずれかによって製造することができる。公知であるように、適切な連鎖停止剤及び/又は分岐剤を使用して、所望の分子量及び分岐度を得ることができる。
勿論、このカーボネートポリマーは、(1)2種若しくはそれ以上の異なった二価フェノール又は(2)ホモポリマーではなくてカーボネートコポリマー若しくはヘテロポリマーが望まれる場合には、二価フェノール及びグリコール若しくはヒドロキシ−若しくは酸−末端ポリエステル若しくは二塩基酸から誘導できることが理解される。従って、用語「カーボネートポリマー」には、米国特許第3,169,121号明細書、米国特許第4,156,069号明細書及び米国特許第4,260,731号明細書(これらを、それらの全部を参照して本明細書中に含める)中に記載されている種類のポリ(エステル−カーボネート)が含まれる。また、本発明の実施のために、上記のカーボネートポリマーの2種又はそれ以上のブレンドが適切である。上記のカーボネートポリマーの中で、ビスフェノール−Aのポリカーボネートが好ましい。
このカーボネートポリマーは、本発明のカーボネートポリマーブレンド組成物中に、成形物品に於いて、物理的特性、耐衝撃性、加工性及び減少した光沢の望ましいバランスを与えるために十分な量で使用される。一般的に、このカーボネートポリマーは、カーボネートポリマーブレンド組成物の全重量基準で、少なくとも約10重量部、好ましくは少なくとも約25重量部、最も好ましくは少なくとも約50重量部の量で使用される。一般的に、このカーボネートポリマーは、カーボネートポリマーブレンド組成物の全重量基準で、約90重量部又はそれ以下、好ましくは約75重量部又はそれ以下、最も好ましくは約65重量部又はそれ以下の量で使用される。
本発明のカーボネートポリマーブレンド組成物中の成分(b)はプロピレンポリマーである。本発明に於いて使用するために適しているプロピレンポリマーは文献において公知であり、公知の技術によって製造することができる。一般的に、プロピレンポリマーはアイソタクチック形であるが、他の形(例えばシンジオタクチック又はアタクチック)を使用することもできる。本発明のために使用されるプロピレンポリマーは、好ましくはポリプロピレンのホモポリマー又は更に好ましくはプロピレンとα−オレフィン、好ましくはC2若しくはC4〜C20α−オレフィンとのコポリマー、例えばランダム若しくはブロックコポリマーである。このα−オレフィンは、本発明のプロピレンコポリマー中に、20モル%以下、好ましくは15モル%以下、なお更に好ましくは10モル%以下、最も好ましくは5モル%以下の量で存在する。
プロピレン及びα−オレフィンコポリマーを構成するためのC2及びC4〜C20α−オレフィンの例には、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−ヘキサドデセン、4−メチル−1−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、3,3−ジメチル−1−ブテン、ジエチル−1−ブテン、トリメチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、エチル−1−ペンテン、プロピル−1−ペンテン、ジメチル−1−ペンテン、メチルエチル−1−ペンテン、ジエチル−1−ヘキセン、トリメチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ヘキセン、ジメチル−1−ヘキセン、3,5,5−トリメチル−1−ヘキセン、メチルエチル−1−ヘプテン、トリメチル−1−ヘプテン、ジメチルオクテン、エチル−1−オクテン、メチル−1−ノネン、ビニルシクロペンテン、ビニルシクロヘキセン及びビニルノルボルネン(ここで、アルキル分岐位置は特定されず、これは一般的にアルケンの3以上の位置にある)が含まれる。
本発明に於いて使用するために適しているプロピレンポリマーは、種々の方法、例えば一段又は多段で、スラリー重合、気相重合、塊状重合、溶液重合又はこれらの組合せのような重合方法により、メタロセン触媒又は所謂チーグラー−ナッタ触媒(通常、チタンを含む固体遷移金属成分を含んでなるものである)を使用することによって製造することができる。特に、遷移金属/固体成分として、必須成分としてチタン、マグネシウム及びハロゲンを含有する三塩化チタンの固体組成物;有機金属成分として、有機アルミニウム化合物並びに所望により電子供与体からなる触媒。好ましい電子供与体は窒素原子、リン原子、硫黄原子、ケイ素原子又はホウ素原子を含有する有機化合物であり、これらの原子を含有する、ケイ素化合物、エステル化合物又はエーテル化合物が好ましい。
種々のプロピレンポリマーの良好な検討は、Modern Plastics Encyclopedia/89、1988年10月中旬発行、第65巻、第11号、第86〜92頁(その全部の開示を参照して本明細書に含める)中に含まれている。本発明に於いて使用するプロピレンポリマーの分子量は、ASTM D1238に従って、230℃及び2.16キログラム(kg)の適用荷重での、メルトフロー測定値(時には、メルトフローレート(MFR)又はメルトインデックス(MI)として参照される)を使用して好都合に示される。メルトフローレートはポリマーの分子量に反比例する。従って、分子量が高くなるほど、メルトフローレートが低下するが、この関係は直線的ではない。本発明に於いて有用なプロピレンポリマーについてのメルトフローレートは、一般的に、約0.1グラム/10分(g/10分)よりも大きく、好ましくは約0.5g/10分よりも大きく、更に好ましくは約1g/10分よりも大きく、なお更に好ましくは約10g/10分よりも大きい。本発明に於いて有用なプロピレンポリマーについてのメルトフローレートは、一般的に、約200g/10分よりも小さく、好ましくは約100g/10分よりも小さく、更に好ましくは約75g/10分よりも小さく、更に好ましくは約50g/10分よりも小さい。
このプロピレンポリマーは、本発明のカーボネートポリマーブレンド組成物中に、成形物品に於いて、物理的特性、耐衝撃性、加工性及び減少した光沢の望ましいバランスを与えるために十分な量で使用される。一般的に、このプロピレンポリマーは、低光沢カーボネートポリマーブレンド組成物の全重量基準で、約10重量部又はそれ以上、好ましくは約12重量部又はそれ以上、最も好ましくは約14重量部又はそれ以上の量で使用される。一般的に、このプロピレンポリマーは、カーボネートポリマーブレンド組成物の全重量基準で、約90重量部又はそれ以下、好ましくは約70重量部又はそれ以下、最も好ましくは約40重量部又はそれ以下の量で使用される。
本発明のカーボネートポリマーブレンド組成物中の成分(c)は相溶化グラフトコポリマーである。この相溶化グラフトコポリマーは、オレフィン性ポリマー基体成分、好ましくはオレフィンエラストマー成分の上にグラフト化された、コポリマー成分(時には、「グラフト化コポリマー成分」として参照される)を含んでなる。このグラフト化コポリマー成分は、好ましくはモノビニリデン芳香族モノマー、特にスチレン(また置換スチレン、例えばα−メチルスチレンも)と、1種又はそれ以上の追加の不飽和共重合性モノマー、好ましくはエチレン、メタクリル酸メチル、無水マレイン酸又は更に好ましくはエチレン性不飽和ニトリルモノマー(例えばアクリロニトリル及び/若しくはメタクリロニトリル)とのコポリマーを含んでなる。好ましいグラフトコポリマーはビニル芳香族コポリマーグラフト化オレフィンエラストマーを含んでなり、更に好ましいグラフトコポリマーは約90/10〜約40/60、好ましくは約90/10〜約50/50、最も好ましくは約80/20〜約60/40の範囲内のスチレン/アクリロニトリルモノマー比を有する、スチレン及びアクリロニトリルコポリマーを含んでなる。本発明に従った組成物中に使用するのに適切な好ましい相溶化グラフトコポリマー成分は、相溶化グラフトコポリマーの全重量基準で、少なくとも約5重量部、好ましくは少なくとも約30重量部、更に好ましくは少なくとも約40重量部の量のスチレン及びアクリロニトリルのグラフト化コポリマー成分を含んでなり、残りがオレフィン性ポリマー基体成分である。本発明の組成物中に使用するために適切な相溶化グラフトコポリマーは、好ましくは相溶化グラフトコポリマーの全重量基準で、約75重量部又はそれ以下、好ましくは約70重量部又はそれ以下、更に好ましくは約60重量部又はそれ以下の量でスチレン及びアクリロニトリルのグラフト化コポリマー成分を含んでなり、残りがオレフィン性ポリマー基体成分である。
このコポリマー成分は、オレフィン性ポリマー基体成分、例えば1種又はそれ以上の実質的に線状のエチレンポリマー又は線状エチレンポリマー、好ましくはオレフィン性ホモポリマー、例えばエチレン又はプロピレン、好ましくはエチレンと1種又はそれ以上のC2〜C20α−オレフィンとのコポリマー、更に好ましくはエチレン及びモノビニリデン芳香族コポリマー、なお更に好ましくはエチレン、プロピレン及び任意的なジエンコポリマー、最も好ましくはエチレン、プロピレン及び非共役ジエンターポリマー(「EPDM」)(ここで、好ましい非共役ジエンはジシクロペンタジエン、更に好ましくは1−4−ヘキサジエン、なお更に好ましくはエチリデンノルボルネンである)の主鎖中のエチレン性不飽和部位の上にグラフト化される。グラフトコポリマーが結合される、好ましいエチレン、プロピレン及び非共役ジエンターポリマーは約50/50〜約75/25の範囲内のエチレン対プロピレンの重量比によって特徴付けられ、好ましくはテトラリン中で135℃(275°F)で測定したときに約1.5〜約2.6の範囲内の極限粘度数を有する。ゴム部分のムーニー粘度(275°FでのML−4)は、約30〜約100の範囲内である。典型的には、グラフト化されないゴムは約4〜約30の範囲内のヨウ素価によって定義される。
本発明の好ましい相溶化グラフトコポリマーはエチレン、プロピレン及び非共役ジエンターポリマーの上にグラフト化されたスチレン及びアクリロニトリルのコポリマー(「EPDM−g−SANポリマー」)を含んでなる。
グラフトコポリマーを好ましく形成させる方法、即ち好ましいスチレン及びアクリロニトリルコポリマーを、好ましいエチレン、プロピレン及び非共役ジエンターポリマーの上にグラフト化させる方法は、当該技術分野で公知であり、米国特許第3,489,821号明細書、米国特許第3,489,822号明細書及び米国特許第3,642,950号明細書中に詳細に記載されている。実際上、グラフト共重合方法の生成物は、実際には、一定量の分離したグラフト化されていないコポリマー成分と一緒の、オレフィン性ポリマー基体成分の上の真のグラフト化されたコポリマー成分の混合物(即ちグラフト化効率は100%ではない)であることが理解されるであろう。その代わりに、上記のようなグラフトコポリマーを、同じ又は類似の組成の非グラフト化オレフィンポリマーに添加して、グラフト化コポリマー成分を形成することができる。
この相溶化グラフトコポリマーは、本発明のカーボネートポリマーブレンド組成物中に、成形物品に於いて、物理的特性、耐衝撃性、加工性及び減少した光沢の望ましいバランスを与えるのに十分な量で使用される。一般的に、この相溶化グラフトコポリマーは、カーボネートポリマーブレンド組成物の全重量基準で、約2重量部又はそれ以上、好ましくは約4重量部又はそれ以上、最も好ましくは約8重量部又はそれ以上の量で使用される。一般的に、この相溶化グラフトコポリマーは、カーボネートポリマーブレンド組成物の全重量基準で、約30重量部又はそれ以下、好ましくは約20重量部又はそれ以下、最も好ましくは約16重量部又はそれ以下の量で使用される。
本発明のカーボネートポリマーブレンド組成物中の成分(d)は、(d)(i)グラフト変性プロピレンポリマー、好ましくはアクリレートグラフト変性プロピレンポリマー、更に好ましくはポリメタクリル酸メチルグラフト変性プロピレンポリマー(「PP−g−PMMAポリマー」)及び/又は(d)(ii)α−オレフィンカルボン酸コポリマー、好ましくはエチレンアクリル酸コポリマー(「EAAコポリマー」)及び/又は(d)(iii)オレフィンブロックコポリマーであってよい。プロピレンポリマーの適切なグラフト変性(d)(i)は、少なくとも1個のエチレン性不飽和(例えば少なくとも1個の二重結合)に加えて、少なくとも1個のカルボニル基(−C=O)を含有する任意の不飽和有機化合物(これは前記のようにしてポリプロピレンにグラフトするであろう)によって達成される。少なくとも1個のカルボニル基を含有する不飽和有機化合物の代表はカルボン酸、無水物、エステル及びこれらの塩(金属塩及び非金属塩の両方)である。好ましくは、この有機化合物はカルボニル基と共役したエチレン性不飽和を含有する。代表的な化合物には、マレイン酸、フマル酸、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、メチルクロトン酸及びケイ皮酸並びに存在する場合、それらの無水物、エスエル及び塩誘導体が含まれる。メタクリル酸メチルが、少なくとも1個のエチレン性不飽和及び少なくとも1個のカルボニル基を含有する好ましい不飽和有機化合物である。
少なくとも1個のカルボニル基を含有する不飽和有機化合物は、任意の公知の技術、例えば米国特許第3,236,917号明細書及び米国特許第5,194,509号明細書中に教示されているものによって、プロピレンポリマーにグラフト化させることができる。例えばポリマー粉末をバッチミキサーの中に導入し、70℃の温度で混合する。次いで、不飽和有機化合物を、遊離基開始剤、例えば過酸化ベンゾイルと一緒に添加し、成分を70℃で、グラフト化が完結するまで混合する。この方法によって、より少ないグラフトが作られるが、このグラフトはより高い分子量のものである。その代わりに、この反応温度をより高く、例えば210℃〜300℃にし、遊離基開始剤を使用しないか又は低下した濃度で使用する。この方法によって、多数のグラフトが作られ、その結果、グラフトは分子量がより低い。混合装置として二軸スクリュー液化押出機を使用することによるグラフトの高温度方法は米国特許第4,905,541号明細書中に教示されている(この開示を参照して本明細書に含める)。ポリプロピレン及び不飽和有機化合物を、この押出機内で、反応物が溶融する温度で、遊離基開始剤の存在下で、混合し、反応させる。好ましくは、不飽和有機化合物は、押出機内の圧力下で維持されているゾーンの中に注入される。本発明は、いずれか一方又は両方のグラフト技術から製造されたグラフト変性プロピレンポリマーを使用することができる。好ましくは、グラフト変性プロピレンポリマーは低温度バッチグラフト化技術を使用して製造される。
本明細書中に定義されているように、1種又はそれ以上の(P)アクリレートモノマー(AM)によってグラフト化されたプロピレンポリマー(PP)は略語PP−g−PAM(ここで、Pは1種又はそれ以上の(ポリ)アクリレートモノマーを表す)によって記載される。例えばアクリレートモノマーが1種又はそれ以上のメタクリル酸メチルモノマーである場合には、この略語はPP−g−PMMAであり、1種又はそれ以上のアクリレートがアクリル酸モノマーである場合には、略語はPP−g−PAAである。
グラフト化ポリプロピレンの不飽和有機化合物含有量は、プロピレンポリマー及び有機化合物を一緒にした重量基準で、約0.1重量%又はそれ以上、好ましくは約1重量%又はそれ以上、更に好ましくは約2重量%又はそれ以上、最も好ましくは約5重量%又はそれ以上である。不飽和有機化合物含有量の最大量は、都合により変えることができるが、プロピレンポリマー及び有機化合物を一緒にした重量基準で、典型的には、これは約25重量%を超えず、好ましくはこれは約20重量%を超えず、更に好ましくはこれは約15重量%を超えず、最も好ましくは、これは約12重量%を超えない。
本発明に於いて使用される適切なα−オレフィンカルボン酸コポリマー(d)(ii)は、エチレン性不飽和酸と、一般式:
R1−CH=CH2
(式中、R1は水素及び炭素数1〜8のアルキル基からなる種類から選択された基である)
を有するα−オレフィンとのコポリマーであり、このコポリマーのオレフィン含量はポリマー基準で少なくとも50モル%であり、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸は1個又は2個のカルボン酸基を有し、このコポリマー中の酸モノマー含量はコポリマー基準で0.2〜25モル%であり、このカルボン酸はコポリマー全体に均一に分布されている。
R1−CH=CH2
(式中、R1は水素及び炭素数1〜8のアルキル基からなる種類から選択された基である)
を有するα−オレフィンとのコポリマーであり、このコポリマーのオレフィン含量はポリマー基準で少なくとも50モル%であり、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸は1個又は2個のカルボン酸基を有し、このコポリマー中の酸モノマー含量はコポリマー基準で0.2〜25モル%であり、このカルボン酸はコポリマー全体に均一に分布されている。
適切なα−オレフィンには、エチレン、プロピレン、ブタン−1、ペンテン−1、ヘキサン−1、ヘプテン−1、3−メチルペンテン−1等が含まれる。より高い炭素数を有するオレフィンのポリマーを、本発明に於いて使用することができるが、これらは、容易に得られる又は利用できる材料ではない。α−オレフィンの濃度は、好ましくはコポリマー中で約50モル%又はそれ以上であり、更に好ましくは、約80モル%又はそれ以上である。
適切なα,β−エチレン性不飽和カルボン酸モノマーはアクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、前記ジカルボン酸のモノエステル、例えばマレイン酸水素メチル(methyl hydrogen maleate)、フマル酸水素メチル、フマル酸水素エチル及び無水マレイン酸である。無水マレイン酸は、カルボキシル基に結合した水素を有しない点でカルボン酸ではないが、この化学的反応性が酸のものであるので、これは、本発明の目的のために酸として考えることができる。同様に、カルボン酸の他のα,β−モノエチレン性不飽和無水物を使用することができる。示されるように、コポリマー中の酸性モノマーの濃度は約0.2モル%〜約25モル%、好ましくは約1〜約10モル%である。
本発明の組成物を形成する際に使用されるα−オレフィンカルボン酸コポリマーは数種類の方法で製造することができる。従って、このα−オレフィンカルボン酸コポリマーはα−オレフィンとカルボン酸モノマーとの混合物の共重合によって得ることができる。この方法は本発明に於いて使用されるエチレンのコポリマーのために好ましい。エチレンカルボン酸コポリマーの製造のために使用される方法は文献において記載されている。しかしながら、以下更に指摘するように、好ましい生成物は、カルボン酸基がコポリマー分子の全部に亘ってランダムに分布されている基本コポリマーから得られるものである。要するに、この技術は、単一相環境、即ちその中でモノマーが可溶性であり、液体形又は蒸発形であってよいもの、例えばベンゼン又はエチレン中でα−オレフィンとカルボン酸モノマーとの共重合を実施することを必要とする。好ましくは、特に、基本コポリマー中に、比較的少量のカルボン酸成分が望まれるとき、この方法は連続式であり、モノマーは、それらの相対ポリマー生成反応性の比で反応器に供給され、反応器内の滞留時間は、エチレン−モノマー供給物の約3〜20%が、ポリマーに転化されるように制限される。好ましい方法に於いて、2種のモノマーの混合物が、高圧、即ち50〜3000気圧及び上昇した温度、即ち150℃〜300℃で維持されている重合環境の中に、遊離基重合開始剤、例えば過酸化物と一緒に導入される。
α−オレフィンとカルボン酸とのコポリマーは、また、オレフィンとα,β−エチレン性不飽和カルボン酸誘導体(これは、続いて又は共重合の間に、完全に又は部分的に反応して、遊離酸を生成する)との共重合によっても製造することができる。従って、エステルコポリマーから酸コポリマーを生成するために、加水分解、鹸化又は熱分解を使用することができる。全ての分子に亘ってランダムに分布されたカルボン酸基を含有するコポリマーを使用することが好ましい。このようなランダム分布は直接共重合によって最も良く得られる。本発明のα−オレフィンカルボン酸コポリマーは、更に、第三の非反応性モノマーからなっていてよい。
使用されるα−オレフィンカルボン酸コポリマーは、好ましくは高分子量のものである。基本樹脂として有用であるコポリマーの分子量は、最も適切には、ASTM−D−1238(190℃/2160g)に詳細に記載されている、粘度の尺度であるメルトインデックスによって定義される。組成物の形成に於いて使用されるコポリマーのメルトインデックスは、好ましくは0.1〜1000g/10分の範囲内、更に好ましくは1.0〜100g/10分の範囲内である。
このα−オレフィンカルボン酸コポリマーは、必ずしも2成分ポリマーを含んでなることを必要としない。従って、コポリマーのオレフィン含有量は少なくとも50モル%でなくてはならないが、コポリマーベースの炭化水素性質を与えるために、1種より多いオレフィンを使用することができる。更に、他の共重合性モノエチレン性不飽和モノマー(その例示構成員をこのパラグラフの以下に記載する)を、オレフィン及びカルボン酸コモノマーと組み合わせて使用することができる。本発明に於いて使用するのに適しているα−オレフィンカルボン酸コポリマーの範囲を下記の例によって例示する。即ちエチレン/アクリル酸コポリマー、エチレン/メタクリル酸コポリマー、エチレン/イタコン酸コポリマー、エチレン/マレイン酸水素メチルコポリマー、エチレン/マレイン酸コポリマー、エチレン/アクリル酸/メタクリル酸メチルコポリマー、エチレン/メタクリル酸/アクリル酸エチルコポリマー、エチレン/イタコン酸/メタクリル酸メチルコポリマー、エチレン/マレイン酸水素メチル/アクリル酸エチルコポリマー、エチレン/メタクリル酸/酢酸ビニルコポリマー、エチレン/アクリル酸/ビニルアルコールコポリマー、エチレン/プロピレン/アクリル酸コポリマー、エチレン/スチレン/アクリル酸コポリマー、エチレン/メタクリル酸/アクリロニトリルコポリマー、エチレン/フマル酸/ビニルメチルエーテルコポリマー、エチレン/塩化ビニル/アクリル酸コポリマー、エチレン/塩化ビニリデン/アクリル酸コポリマー、エチレン/フッ化ビニル/メタクリル酸コポリマー及びエチレン/クロロトリフルオロエチレン/メタクリル酸コポリマー。
本発明の組成物に使用されるα−オレフィンカルボン酸コポリマーは、金属イオンを含有せず、金属イオンを本質的に含有せず、例えばオレフィン及びカルボン酸単位からなる。
本発明の好ましいα−オレフィンカルボン酸コポリマーはエチレン−メタクリル酸コポリマー(「EMMAコポリマー」)である。
本発明の好ましいα−オレフィンカルボン酸コポリマーはエチレンアクリル酸コポリマー(「EAAコポリマー」)である。本発明に於いて使用される好ましいEAAコポリマーは、エチレン及びアクリル酸モノマーの混合物に作用する、遊離基重合開始剤の作用によって、高圧で製造されるランダム共重合体として特徴付けられ、このランダム共重合体は、約0.5〜約50重量%のアクリル酸単位を含有すること、約0.91〜約1.3g/ccの範囲内の密度及びASTM D−1238(条件B)によって測定したときに約150g/10分から、ASTM D−1238(条件E)によって測定したときに約0.1g/10分までのメルトフロー値によって更に特徴付けられる。本発明の新規なブレンド中に使用されるEAAコポリマーは、更に正確には、「共重合体(interpolymer)」として参照される。それは、これらが、「グラフト化」又は「ブロック重合」方法によって製造されるコポリマーと対照区別して、コモノマーの混合物の重合によって形成されるからである。定常状態反応で、高圧及び高温で、撹拌式反応器内で、遊離基開始剤の存在下で、エチレン及び不飽和カルボン酸の共重合を開示している特許は、米国特許第4,351,931号明細書、米国特許第3,239,370号明細書、米国特許第3,520,861号明細書、米国特許第3,658,741号明細書、米国特許第3,884,857号明細書、米国特許第3,988,509号明細書、米国特許第4,248,990号明細書、米国特許第4,252,924号明細書、米国特許第4,417,035号明細書及び米国特許第4,599,392号明細書(これらの全てを参照して本明細書に含める)である。
ASTM D−1238(190℃/2160g)が定めているように、約0.1〜約5000g/10分の範囲内のメルトフローレートを有する好ましいEAAコポリマーは、実質的に一定の環境において、撹拌したオートクレーブ内で、温度、圧力及び流量の実質的に定常状態条件(これらの温度及び圧力は、単一相反応を作るために十分なものである)下で、遊離基開始剤を使用して製造するときに、製造の間に改良され(この改良は、反応混合物中に少量のテロゲン改質剤を使用することによって得られ)、この方法は、(a)テロゲンの存在無しで必要とされる温度よりも低い温度又は(b)改質剤の存在無しで必要とされる圧力よりも高い圧力の何れか一方又は両方の使用によって更に特徴付けられる。好ましいEAAは、米国特許第4,988,781号明細書及び米国特許第5,384,373号明細書(これらの両方を参照して本明細書に含める)中に開示されている。
本発明に於いて使用される適切なオレフィンブロックコポリマー(d)(iii)は、重合された形でエチレン及び1種又はそれ以上の共重合性α−オレフィンコモノマーを含んでなり、化学的又は物理的特性が異なっている2種又はそれ以上の重合されたモノマー単位の複数のブロック又はセグメントによって特徴付けられるエチレン/α−オレフィン共重合体(ブロック共重合体)であり、好ましくは米国特許第7,355,089号明細書及び米国特許出願公開第2006−0199930号明細書(参照して本明細書に含める)中に記載されているようなマルチ−ブロックコポリマーである。
用語「エチレン/α−オレフィン共重合体(interpolymer)」は、一般的に、エチレンと炭素数3又はそれ以上のα−オレフィン、例えばプロピレン又は前文に開示された他のC4〜C20α−オレフィンとを含んでなるポリマーを指す。好ましいα−オレフィンはプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−デセン及び1−ドデセンであり、1−オクタンが最も好ましい。好ましくはエチレンはポリマー全体の大モル分率を構成し、即ちエチレンはポリマー全体の少なくとも約50モル%を構成する。更に好ましくは、エチレンは少なくとも約60モル%、少なくとも約70モル%又は少なくとも約80モル%を構成し、ポリマー全体の実質的な残りは、少なくとも1種の他のコモノマー(これは、好ましくは、炭素数3又はそれ以上のα−オレフィンである)を含んでなる。多数のエチレン/オクテンコポリマーについて、好ましい組成は、ポリマー全体の約80モル%よりも大きいエチレン含有量及びポリマー全体の約10〜約15モル%、好ましくは約15〜約20モル%のオクテン含量を含んでなる。
用語「マルチ−ブロックコポリマー」は、好ましくは線状方式で結合された、2個又はそれ以上の化学的に区別される領域又はセグメント(また「ブロック」としても参照される)を含んでなるポリマー、即ちペンダント又はグラフト化様式ではなくて、重合されたエチレン性官能基に対して末端−末端結合されている、化学的に差別化された単位を含んでなるポリマーを指す。好ましい態様に於いて、これらのブロックは、それらの中に含有されているコモノマーの量若しくは種類、密度、結晶化度の量、このような組成物のポリマーに起因する微結晶(クリスタリット)、立体規則性(アイソタクチック又はシンジオタクチック)の種類若しくは程度、位置規則性若しくは位置不規則性、長鎖分岐若しくはハイパー分岐を含む分岐の量、均質性又は任意の他の化学的若しくは物理的特性に於いて異なる。マルチ−ブロックコポリマーは、コポリマーの独特の製造方法に起因する、多分散度指数(PDI又はMw/Mn)、ブロック長分布及び/又はブロック数分布の独特の分布によって特徴付けられる。更に詳しくは、連続式方法によって製造されるとき、このポリマーは、望ましくは約1.7〜約8、好ましくは約1.7〜約3.5、更に好ましくは約1.7〜約2.5、最も好ましくは約1.8〜約2.5又は約1.8〜約2.1のPDIを有する。バッチ式又はセミバッチ式方法によって製造されるときに、このポリマーは約1.0〜約2.9、好ましくは約1.3〜約2.5、更に好ましくは約1.4〜約2.0、最も好ましくは約1.4〜約1.8のPDIを有する。「ブロック(群)」と「セグメント(群)」とは、本明細書に於いて互換可能に使用されることが注目される。
本発明のオレフィンブロックコポリマー(d.iii)は、α−オレフィン共重合体、具体的には1個又はそれ以上の硬質セグメント及び1個又はそれ以上の軟質セグメントを含んでなるα−オレフィンブロックコポリマーであり、そして以下のように記載される面、即ち
(d.iii.a)は約1.7〜約3.5の重量平均分子量/数平均分子量比(Mw/Mn)、セルシウス度での少なくとも1個の融点(Tm)及びグラム/立方センチメートル(g/cc)での密度(d)を有する
(ここで、Tm及びdの数値は、関係:
Tm>−2002.9+4538.5(d)−2422.2(d)2若しくは
Tm>−6553.3+13735(d)−7051.7(d)2
に対応する)又は
(d.iii.b)は、約1.7〜約3.5のMw/Mnを有し、ジュール/グラム(J/g)での融解熱(ΔH)及び最長の示差走査熱量法(DSC)ピークと最長の結晶化分析分別法(CRYSTAF)ピークとの間の温度差として定義されるセルシウス度でのデルタ量(ΔT)によって特徴付けられる(ここで、ΔT及びΔHの数値は、下記の関係:
ゼロよりも大きくて130J/g以下のΔHについて、ΔT>−0.1299(ΔH)+62.81、
130J/gよりも大きいΔHについて、ΔT≧48℃
を有し、CRYSTAFピークは、累積ポリマーの少なくとも5%を使用して決定され、ポリマーの5%よりも少ないものが同定可能なCRYSTAFピークを有する場合、CRYSTAF温度は30℃である)又は
(d.iii.c)はエチレン/α−オレフィン共重合体の圧縮成形したフィルムで測定した、300%歪み及び1サイクルでのパーセントでの弾性回復(Re)によって特徴付けられ、グラム/立方センチメートル(g/cc)での密度(d)を有する(ここで、Re及びdの数値は、エチレン/α−オレフィン共重合体が、架橋された相を実質的に含有しないとき、下記の関係:
Re>1481−1629(d)
を満足する)又は
(d.iii.d)は、TREFを使用して分別されたときに、40℃と130℃との間で溶離する分子画分を有し、この画分が、同じ温度の間で溶離する相当のランダムエチレン共重合体画分のものよりも、少なくとも5%高いモルコモノマー含有量を有する点で特徴付けられる(ここで、この相当するランダムエチレン共重合体は同じコモノマー(群)を有し、エチレン/α−オレフィン共重合体のものの10%以内の、メルトインデックス、密度及びモルコモノマー含量(ポリマー全体基準)を有する、又は
(d.iii.e)は、25℃での貯蔵弾性率(G′(25℃))及び100℃での貯蔵弾性率(G′(100℃))を有し
(ここで、G′(25℃)のG′(100℃)に対する比は、約1:1〜約9:1の範囲内である)又は
(d.iii.f)は、TREFを使用して分別されたときに、40℃と130℃との間で溶離する少なくとも0.5〜約1以下のブロック指数及び約1.3よりも大きい分子量分布、Mw/Mnを有する点で特徴付けられる分子画分を有する又は
(d.iii.g)は、ゼロよりも大きくて約1.0以下の平均ブロック指数及び約1.3よりも大きい分子量分布Mw/Mnを有する、
の1個又はそれ以上によって特徴付けられる。
(d.iii.a)は約1.7〜約3.5の重量平均分子量/数平均分子量比(Mw/Mn)、セルシウス度での少なくとも1個の融点(Tm)及びグラム/立方センチメートル(g/cc)での密度(d)を有する
(ここで、Tm及びdの数値は、関係:
Tm>−2002.9+4538.5(d)−2422.2(d)2若しくは
Tm>−6553.3+13735(d)−7051.7(d)2
に対応する)又は
(d.iii.b)は、約1.7〜約3.5のMw/Mnを有し、ジュール/グラム(J/g)での融解熱(ΔH)及び最長の示差走査熱量法(DSC)ピークと最長の結晶化分析分別法(CRYSTAF)ピークとの間の温度差として定義されるセルシウス度でのデルタ量(ΔT)によって特徴付けられる(ここで、ΔT及びΔHの数値は、下記の関係:
ゼロよりも大きくて130J/g以下のΔHについて、ΔT>−0.1299(ΔH)+62.81、
130J/gよりも大きいΔHについて、ΔT≧48℃
を有し、CRYSTAFピークは、累積ポリマーの少なくとも5%を使用して決定され、ポリマーの5%よりも少ないものが同定可能なCRYSTAFピークを有する場合、CRYSTAF温度は30℃である)又は
(d.iii.c)はエチレン/α−オレフィン共重合体の圧縮成形したフィルムで測定した、300%歪み及び1サイクルでのパーセントでの弾性回復(Re)によって特徴付けられ、グラム/立方センチメートル(g/cc)での密度(d)を有する(ここで、Re及びdの数値は、エチレン/α−オレフィン共重合体が、架橋された相を実質的に含有しないとき、下記の関係:
Re>1481−1629(d)
を満足する)又は
(d.iii.d)は、TREFを使用して分別されたときに、40℃と130℃との間で溶離する分子画分を有し、この画分が、同じ温度の間で溶離する相当のランダムエチレン共重合体画分のものよりも、少なくとも5%高いモルコモノマー含有量を有する点で特徴付けられる(ここで、この相当するランダムエチレン共重合体は同じコモノマー(群)を有し、エチレン/α−オレフィン共重合体のものの10%以内の、メルトインデックス、密度及びモルコモノマー含量(ポリマー全体基準)を有する、又は
(d.iii.e)は、25℃での貯蔵弾性率(G′(25℃))及び100℃での貯蔵弾性率(G′(100℃))を有し
(ここで、G′(25℃)のG′(100℃)に対する比は、約1:1〜約9:1の範囲内である)又は
(d.iii.f)は、TREFを使用して分別されたときに、40℃と130℃との間で溶離する少なくとも0.5〜約1以下のブロック指数及び約1.3よりも大きい分子量分布、Mw/Mnを有する点で特徴付けられる分子画分を有する又は
(d.iii.g)は、ゼロよりも大きくて約1.0以下の平均ブロック指数及び約1.3よりも大きい分子量分布Mw/Mnを有する、
の1個又はそれ以上によって特徴付けられる。
エチレン/α−オレフィン共重合体の製造方法は、例えば下記の特許出願及び公開:即ち2004年3月17日に出願された米国仮特許出願第60/553,906号;2005年3月17日に出願された米国仮特許出願第60/662,937号;2005年3月17日に出願された米国仮特許出願第60/662,939号;2005年3月17日に出願された米国仮特許出願第60/5662,938号;2005年3月17日に出願されたPCT特許出願第PCT/US2005/008916号;2005年3月17日に出願されたPCT特許出願第PCT/US2005/008915号;2005年3月17日に出願されたPCT特許出願第PCT/US2005/008917号;2005年9月29日に公開されたWO第2005/090425号;2005年9月29日に公開されたWO第2005/090426号及び2005年9月29日に公開されたWO第2005/090427号(これらの全てを参照して本明細書に含める)中に開示されている。例えばこのような方法の一つは、エチレン及び、任意的に、エチレン以外の1種又はそれ以上の付加共重合性モノマーを、付加重合条件下で、
(A)高コモノマー導入指数(incorporation index)を有する第一オレフィン重合触媒、
(B)触媒(A)のコモノマー導入指数の90%よりも小さい、好ましくは50%よりも小さい、最も好ましくは5%よりも小さいコモノマー導入指数を有する第二のオレフィン重合触媒及び
(C)鎖シャトリング剤(chain shuttling agent)
を組み合わせることから得られる混合物又は反応生成物を含んでなる触媒組成物と接触させることを含む。
(A)高コモノマー導入指数(incorporation index)を有する第一オレフィン重合触媒、
(B)触媒(A)のコモノマー導入指数の90%よりも小さい、好ましくは50%よりも小さい、最も好ましくは5%よりも小さいコモノマー導入指数を有する第二のオレフィン重合触媒及び
(C)鎖シャトリング剤(chain shuttling agent)
を組み合わせることから得られる混合物又は反応生成物を含んでなる触媒組成物と接触させることを含む。
本発明のオレフィンブロックコポリマーを特徴化(characterization)するために、下記の試験方法を使用する。この方法は、米国特許第7,355,089号明細書及び米国特許公開第2006/0199930号明細書中で、更に詳細に記載されている。
「標準CRYSTAF方法」又は結晶化分析分別を、分岐分布を決定するために使用する。CRYSTAFは、PolymerChar、スペイン国Valenciaから市販されているCRYSTAF200装置を使用して決定する。サンプルを、1,2,4−トリクロロベンゼン中に、160℃で1時間溶解し(0.66mg/mL)、95℃で45分間安定化させる。サンプリング温度は、0.2℃/分の冷却速度で、95℃から30℃までの範囲である。ポリマー溶液濃度を測定するために、赤外検出器を使用する。累積可溶性濃度を、温度を低下させながらポリマーが結晶化するまで測定する。累積プロフィールの分析微分係数(analytical derivative)は、ポリマーの短鎖分岐分布を反映する。
CRYSTAFピーク温度及び面積は、CRYSTAFソフトウエア(バージョン2001.b、PolymerChar、スペイン国Valencia)に含まれるピーク解析モジュールによって同定される。CRYSTAFピーク発見常套手段は、dW/dT曲線に於ける極大及び微分曲線に於ける同定されたピークの何れかの側での最大正変曲の間の面積としてピーク温度を同定する。CRYSTAF曲線を計算するために、好ましい加工パラメーターは、70℃の温度限界及び0.1の温度限界の上で、0.3の温度限界の下の平滑化パラメーターにある。
「曲げ/割線弾性率/貯蔵弾性率(Flexural/Secant Modulus/Storage Modulus)」サンプルを、ASTM D1928を使用して圧縮成形する。曲げ弾性率及び2%割線弾性率は、ASTM D−790に従って測定する。貯蔵弾性率は、ASTM D5026−01又は等価技術に従って測定する。
「メルトインデックス」又はI2は、ASTM D1238、条件190℃/2.16kgに従って測定する。メルトインデックス又はI10は、また、ASTM D1238、条件190℃/10kgに従って測定する。比較のための有用な値は、比I10/I2である。
「DSC標準方法」又は示差走査熱量測定法の結果は、RCS冷却アクセサリー及びオートサンプラーを取り付けた、TAIモデルQ1000DSCを使用して決定する。50mL/分の窒素パージガス流を使用する。サンプルを薄いフィルムにプレスし、プレス内で約175℃で溶融し、次いで室温(25℃)にまで空気冷却する。次いで、3〜10mgの材料を、6mm直径円板に切断し、正確に秤量し、軽アルミニウムパン(約50mg)内に置き、次いで閉じ込める。サンプルの熱挙動を、下記の温度プロフィールで調査する。サンプルを、180℃まで急速に加熱し、等温で3分間保持して、任意の以前の熱履歴を除去する。次いで、このサンプルを10℃/分の冷却速度で−40℃まで冷却し、−40℃で3分間保持する。次いで、このサンプルを、10℃/分の加熱速度で150℃まで加熱する。冷却及び第二の加熱曲線を記録する。
DSC溶融ピークを、−30℃と溶融の終端との間で描かれた直線基線に対して、熱流速(W/g)に於ける最大値として測定する。融解熱は、直線基線を使用して、−30℃と溶融の終端との間の溶融曲線の下の面積として測定する。
DSCの較正は、下記のようにして行う。最初に、アルミニウムDSCパンの中に如何なるサンプルも入れないで、−90℃からDSCを稼働させることによって、基線を得る。次いで、7ミリグラムの新しいインジウムサンプルを、サンプルを180℃まで加熱し、このサンプルを10℃/分の冷却速度で140℃まで冷却し、続いてサンプルを140℃で1分間等温で保持し、続いてサンプルを、10℃/分の加熱速度で140℃から180℃まで加熱することによって解析する。インジウムサンプルの融解熱及び溶融の開始を決定し、溶融の開始のために156.6℃から0.5℃以内であること及び融解について28.71J/gから0.5J/g以内であることをチェックする。次いで、脱イオン水を、DSCパン内で新しいサンプルの小さい1滴を10℃/分の冷却速度で25℃から−30℃まで冷却することによって解析する。このサンプルを、−30℃で2分間等温で保持し、10℃/分の加熱速度で30℃まで加熱する。溶融の開始を決定し、0℃から0.5℃以内であることをチェックする。
「GPC方法」は、分子量決定のためのゲル浸透クロマトグラフィーである。このシステムは、Polymer Laboratories モデルPL−210又はPolymer Laboratories モデルPL−220装置で構成される。カラム及びカルーセルコンパートメントは、140℃で操作する。3本のPolymer Laboratories 10ミクロン Mixed−Bカラムを使用する。溶媒は、1,2,4−トリクロロベンゼンである。サンプルは、200ppmのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を含有する溶媒50mL中のポリマー0.1gの濃度で調製する。サンプルは、160℃で2時間、軽く撹拌することによって調製する。使用する注入体積は100μLであり、流速は1.0mL/分である。
GPCカラム設定の較正は、個々の分子量の間の少なくとも10個の分離を有する、6個の「カクテル」混合物中に配置された、580〜8,400,000の範囲内の分子量を有する21種の狭い分子量分布ポリスチレン標準物質で実施する。この標準物質は、Polymer Laboratories(英国Shropshire)から購入する。このポリスチレン標準物質は、1,000,000又はそれ以上の分子量のために、溶媒50mL中0.025gで、そして1,000,000よりも低い分子量のために溶媒50mL中のポリマー0.05gで製造する。ポリスチレン標準物質を、80℃で、ゆっくり撹拌しながら30分間溶解させる。狭い標準物質混合物を最初に通し、そして分解を最小にするために最高分子量成分を減少させる順序で通す。ポリスチレン標準物質ピーク分子量を、(Williams及びWard、J.Polym.Sci.、Polym.Let.、第6巻、第621頁(1968年)に記載されているような)下記の式:
Mポリエチレン=0.431(Mポリスチレン)
を使用して、ポリエチレン分子量に転換する。
Mポリエチレン=0.431(Mポリスチレン)
を使用して、ポリエチレン分子量に転換する。
ポリエチレン等価分子量計算は、Viscotek TriSECソフトウエア バージョン3.0を使用して実施する。
「密度」測定サンプルは、ASTM D1928に従って調製する。測定は、ASTM D792方法Bを使用するサンプルプレスの1時間以内に行う。
「ATREF」は、分析的温度上昇溶離分別分析であり、米国特許第4,798,081号明細書及びL.Wilde,L.、Ryle,T.R.、Knobeloch,D.C.、Peat,I.R.;Determination of Branching Distributions in Polyethylene and Ethylene Copolymers,J.Polym.Sci.、第20巻、第441−455頁(1982年)(それらの全部を、参照して本明細書に含める)に記載されている方法に従って実施する。分析すべき組成物を、トリクロロベンゼン中に溶解させ、不活性担体(ステンレススチールショット(shot))を含有するカラム内で、温度を、20℃まで0.1℃/分の冷却速度でゆっくり下げることによって結晶化させる。このカラムに赤外検出器を取り付ける。次いで、溶離溶媒(トリクロロベンゼン)の温度を、20℃から120℃まで1.5℃/分の速度でゆっくり上昇させることによって、カラムから結晶化したポリマーサンプルを溶離することによって、ATREFクロマトグラム曲線を発生させる。
「13C NMR分析」サンプルは、テトラクロロエタン−d2/オルトジクロロベンゼンの50/50混合物約3gを、10mmのNMRチューブ内のサンプル0.4gに添加することによって調製する。このサンプルを溶解し、チューブ及びその内容物を150℃まで加熱することによって均質化する。JEOL Eclipse(登録商標)400MHz分光計又はVarian Unity Plus(登録商標)400MHz分光計を使用して、100.5MHzの13C共鳴周波数に相当するデータを集める。これらのデータは、6秒パルス反復遅延(pulse repetition delay)で4000トランジェント/データファイルを使用して得る。定量分析のための最小信号対雑音を達成するために、多重データファイルを一緒に追加する。スペクトル幅は、32Kデータポイントの最小ファイルサイズで25,000Hzである。このサンプルを、130℃で10mmブロードバンドプローブで分析する。コモノマー導入は、Randallのトリアド方法(triad method)(Randall,J.C.、JMC-Rev.Macromol.Chem.Phys.、C29,201 317(1989))(その全部を参照して本明細書に含める)を使用して決定する。
「機械的特性−引張、ヒステリシス及び引裂」、一軸張力での応力−歪み挙動は、ASTM D1708微小引張試験片を使用して測定する。サンプルを、インストロンで、500%分-1で、21℃で延伸する。破断点での引張強度及び伸びを、5個の試験片の平均から報告する。
100%及び300%ヒステリシスは、インストロン(登録商標)装置で、ASTM D1708微小引張試験片を使用して、100%及び300%歪みへのサイクル荷重から決定する。サンプルに、21℃で3サイクル、267%分-1で荷重を加え、荷重を除去する。300%及び80℃でのサイクル実験は、環境チャンバーを使用して実施する。80℃の実験に於いて、サンプルを、試験の前に、試験温度で45分間平衡化させる。21℃、300%歪みサイクル実験に於いて、最初の荷重を除去するサイクルからの150%歪みでの収縮応力を記録する。全ての実験についての回復パーセントを、荷重が基線にまで戻る歪みを使用して、最初の荷重を除去するサイクルから計算する。回復パーセントは、
(式中、εfはサイクル荷重のために得られる歪みであり、εsは最初の荷重を除去するサイクルの間、荷重が基線に戻る歪みである)
のように定義される。
のように定義される。
エチレン/α−オレフィン共重合体の「ブロック指数」は、ゼロよりも大きくて約1.0以下の平均ブロック指数(ABI)及び約1.3よりも大きい分子量分布Mw/Mnによって特徴付けられる。ABIは、5℃の増分(他の温度増分、例えば1℃、2℃、10℃を使用することもできるが)で20℃から110℃まで、分取TREFに於いて得られるポリマー画分(温度上昇溶離分別によるポリマーの画分)のそれぞれについてのブロック指数(BI)の重量平均である:
(式中、BIiは、分取TREFに於いて得られる本発明のエチレン/α−オレフィン共重合体のi番目の画分についてのブロック指数であり、wiは、i番目の画分の重量%である)。同様に、この平均値の周りの二次モーメントの平方根(以下、二次モーメント重量平均ブロック指数として参照する)は、下記:
のように定義することができる。
上記の式に於いて、Nは、ゼロよりも大きいBIiを有する画分の数として定義される。BIは、2個の下記の式(この両方は、同じBI値を与える):
上記の式に於いて、Nは、ゼロよりも大きいBIiを有する画分の数として定義される。BIは、2個の下記の式(この両方は、同じBI値を与える):
の1個によって定義される。
ここで、Txは、i番目の画分についてのATREF(分析的TREF)溶離温度(好ましくはケルビンで表される)であり、Pxは、i番目の画分についてのエチレンモル分率であり、これは下記のようにNMR又はIRによって測定することができる。PABはエチレン/α−オレフィン共重合体全体(分別の前)のエチレンモル分率であり、これもNMR又はIRによって測定することができる。TA及びPAは、純粋な「硬質セグメント」(共重合体の結晶性セグメントを指す)についての、ATREF溶離温度及びエチレンモル分率である。「硬質セグメント」組成物が未知であるポリマーのための近似として、TA及びPA値は、高密度ポリエチレンホモポリマーについてのものに設定される。
ここで、Txは、i番目の画分についてのATREF(分析的TREF)溶離温度(好ましくはケルビンで表される)であり、Pxは、i番目の画分についてのエチレンモル分率であり、これは下記のようにNMR又はIRによって測定することができる。PABはエチレン/α−オレフィン共重合体全体(分別の前)のエチレンモル分率であり、これもNMR又はIRによって測定することができる。TA及びPAは、純粋な「硬質セグメント」(共重合体の結晶性セグメントを指す)についての、ATREF溶離温度及びエチレンモル分率である。「硬質セグメント」組成物が未知であるポリマーのための近似として、TA及びPA値は、高密度ポリエチレンホモポリマーについてのものに設定される。
TABは、本発明のコポリマーと同じ組成(PABのエチレンモル分率を有する)及び分子量のランダムコポリマーについてのATREF溶離温度である。TABは、下記の式:
Ln PAB=α/TAB+β
を使用して、(NMRによって測定される)エチレンのモル分率から計算することができる。
ここで、α及びβは、多数の、広組成ランダムコポリマーのよく特徴化された分取TREF画分及び/又は狭組成を有するよく特徴化されたランダムエチレンコポリマーを使用する較正によって決定することができる2個の定数である。α及びβは器械毎に変化し得ることに注意すべきである。更に、較正を作るために使用される分取TREF画分及び/又はランダムコポリマーについての適切な分子量範囲及びコモノマー種類を使用して、関心のあるポリマー組成物での適切な較正曲線を作ることが必要である。僅かな分子量効果が存在する。同様の分子量範囲から較正曲線が得られる場合、このような効果は本質的に無視できるであろう。ランダムエチレンコポリマー及び/又はランダムコポリマーの分取TREF画分は、下記の関係:
Ln P=−237.83/TATREF+0.639
を満足する。
上記の較正式は、エチレンのモル分率、Pを、狭組成ランダムコポリマー及び/又は広組成ランダムコポリマーの分取TREF画分についての分析的TREF溶離温度、TATREFに関係づける。TXOは、同じ組成(即ち同じコモノマー種類及び含量)及び同じ分子量のもので、PXのエチレンモル分率を有するランダムコポリマーについてのATREF温度である。TXOは、測定したPXモル分率から、Ln PX=α/TXO+βから計算できる。逆に、PXOは、同じ組成(即ち同じコモノマー種類及び含量)及び同じ分子量のもので、TXのATREF温度を有するランダムコポリマーについてのエチレンモル分率であり、これは、TXの測定値を使用して、Ln PXO=α/TX+βから計算することができる。それぞれの分取TREF画分についてのブロック指数(BI)が得られると、ポリマー全体についての重量平均ブロック指数、ABIを計算することができる。ブロック指数の決定は、また、米国特許出願公開第2006−019930(参照して本明細書に含める)中にも記載されている。
Ln PAB=α/TAB+β
を使用して、(NMRによって測定される)エチレンのモル分率から計算することができる。
ここで、α及びβは、多数の、広組成ランダムコポリマーのよく特徴化された分取TREF画分及び/又は狭組成を有するよく特徴化されたランダムエチレンコポリマーを使用する較正によって決定することができる2個の定数である。α及びβは器械毎に変化し得ることに注意すべきである。更に、較正を作るために使用される分取TREF画分及び/又はランダムコポリマーについての適切な分子量範囲及びコモノマー種類を使用して、関心のあるポリマー組成物での適切な較正曲線を作ることが必要である。僅かな分子量効果が存在する。同様の分子量範囲から較正曲線が得られる場合、このような効果は本質的に無視できるであろう。ランダムエチレンコポリマー及び/又はランダムコポリマーの分取TREF画分は、下記の関係:
Ln P=−237.83/TATREF+0.639
を満足する。
上記の較正式は、エチレンのモル分率、Pを、狭組成ランダムコポリマー及び/又は広組成ランダムコポリマーの分取TREF画分についての分析的TREF溶離温度、TATREFに関係づける。TXOは、同じ組成(即ち同じコモノマー種類及び含量)及び同じ分子量のもので、PXのエチレンモル分率を有するランダムコポリマーについてのATREF温度である。TXOは、測定したPXモル分率から、Ln PX=α/TXO+βから計算できる。逆に、PXOは、同じ組成(即ち同じコモノマー種類及び含量)及び同じ分子量のもので、TXのATREF温度を有するランダムコポリマーについてのエチレンモル分率であり、これは、TXの測定値を使用して、Ln PXO=α/TX+βから計算することができる。それぞれの分取TREF画分についてのブロック指数(BI)が得られると、ポリマー全体についての重量平均ブロック指数、ABIを計算することができる。ブロック指数の決定は、また、米国特許出願公開第2006−019930(参照して本明細書に含める)中にも記載されている。
本発明のオレフィンブロックコポリマーは、好ましくは0.85〜0.895g/cc、更に好ましくは0.86〜0.89g/cc、なお更に好ましくは0.87〜0.88g/ccの密度を有する。
本発明のオレフィンブロックコポリマーは、好ましくは15〜95、更に好ましくは40〜90、なお更に好ましくは70〜90のショアA硬度を有する。
本発明のオレフィンブロックコポリマーは、好ましくは5〜35、更に好ましくは5.5〜25、なお更に好ましくは6〜10のI10/I2を有する。
本発明のオレフィンブロックコポリマーは、約1.3よりも大きい、好ましくは1.9〜7、更に好ましくは2〜5、なお更に好ましくは2〜3のMw/Mnを有する。
本発明のオレフィンブロックコポリマーは、好ましくは8〜40、更に好ましくは9〜30、なお更に好ましくは10〜20のコモノマーモル%を有する。
本発明のオレフィンブロックコポリマーは、好ましくは40〜95、更に好ましくは50〜95、なお更に好ましくは60〜90の重量%での軟質セグメント含有量を有する。
本発明のオレフィンブロックコポリマーは、ゼロよりも大きくて約1.0以下、好ましくは0.15〜0.8、更に好ましくは0.2〜0.7、なお更に好ましくは0.4〜0.6のブロック指数(重量平均)を有する。
グラフト変性プロピレンポリマー(d)(i)及び/又はα−オレフィンカルボン酸コポリマー(d)(ii)及び/又はオレフィンブロックコポリマー(d)(iii)は、本発明のカーボネートポリマーブレンド組成物中に、成形物品に於いて、物理的特性、耐衝撃性、加工性及び減少した光沢の望ましいバランスを与えるのに十分な量で使用される。グラフト変性プロピレンポリマー及び/又はα−オレフィンカルボン酸コポリマー及び/又はオレフィンブロックコポリマーは、独立に、カーボネートポリマーブレンド組成物の全重量基準で、約0.1重量部又はそれ以上、好ましくは約0.5重量部又はそれ以上、好ましくは約1重量部又はそれ以上、好ましくは約2重量部又はそれ以上、好ましくは約4重量部又はそれ以上、最も好ましくは約5重量部又はそれ以上の量で使用することができる。一般的に、グラフト変性プロピレンポリマー及び/又はα−オレフィンカルボン酸コポリマー及び/又はオレフィンブロックコポリマーは、独立に、カーボネートポリマーブレンド組成物の全重量基準で、約30重量部又はそれ以下、好ましくは約20重量部又はそれ以下、好ましくは約18重量部又はそれ以下、好ましくは約16量部又はそれ以下、最も好ましくは約10重量部又はそれ以下の量で使用される。
任意的に、カーボネートポリマーブレンド組成物は、成分(e)充填剤、例えば炭酸カルシウム、タルク、クレイ、雲母、ウォラストナイト、中空ガラスビーズ、酸化チタン、シリカ、カーボンブラック、ガラス繊維又はチタン酸カリウムを含む。好ましい充填剤はタルク、ウォラストナイト、クレイ、カチオン交換積層シリケート材料の単層又はこれらの混合物である。タルク、ウォラストナイト及びクレイは、一般的に、種々のポリマー樹脂用の公知の充填剤である。例えばこれらの材料及びポリマー樹脂用の充填剤としてのそれらの適切性が一般的に記載されている、米国特許第5,091,461号明細書、米国特許第3,424,703号明細書、欧州特許出願公開第639,613A1号明細書及び欧州特許第391,413号明細書を参照されたい。適切な市販の鉱物タルクの例はOrlingerから入手可能なVANTALC F2003及びMinerals Technologyから入手可能なJETFIL(登録商標)700Cである。
本発明の範囲内に含まれるカーボネートポリマーブレンド組成物は、一般的に、約10マイクロメートル(μm)又はそれ以下、好ましくは約3μm又はそれ以下、更に好ましくは約2μm又はそれ以下、更に好ましくは約1.5μm又はそれ以下、最も好ましくは約1.0μm又はそれ以下の、走査型電子顕微鏡を使用して後方散乱電子画像形成により測定したときの数平均粒子サイズを有するような、無機充填剤(繊維状充填剤、例えばガラス繊維、炭素繊維、三次(tertiary)ポリマー繊維等を除く)を利用する。一般的に、入手可能であれば、約0.001μm又はそれ以上、好ましくは約0.01μm又はそれ以上、更に好ましくは約0.1μm又はそれ以上、最も好ましくは0.5μm又はそれ以上の、より小さい平均粒子サイズを、非常に適切に使用することができる。
充填剤は、本発明に従った低光沢ポリマー組成物に於いて、最適化された靱性と剛性との組合せを得るために使用することができる。存在する場合、充填剤は、カーボネートポリマー組成物の全重量基準で、約1重量部又はそれ以上、好ましくは約3重量部又はそれ以上、更に好ましくは約5重量部又はそれ以上、なお更に好ましくは約10重量部又はそれ以上、最も好ましくは約15重量部又はそれ以上の量で使用される。通常、カーボネートポリマー組成物の全重量基準で、約50重量部又はそれ以下、好ましくは約40重量部又はそれ以下、更に好ましくは約30重量部又はそれ以下、更に好ましくは約25重量部又はそれ以下、更に好ましくは約20重量部又はそれ以下、最も好ましくは約15重量部又はそれ以下の充填剤の量を使用することが十分であることが見出された。
更に、特許請求の範囲に記載されたカーボネートポリマーブレンド組成物には、また、任意的に、前記の成分(a)、(b)、(c)又は(d)以外の熱可塑性樹脂である(f)追加のポリマーが含有されていてもよい。好ましい追加のポリマーは、ポリエチレン、好ましくは低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)及び高密度ポリエチレン(HDPE)、米国特許第5,272,236号明細書及び米国特許第5,278,272号明細書に完全に記載されている実質的に線状のエチレンポリマー及び/又は米国特許第3,645,992号明細書、米国特許第4,937,299号明細書、米国特許第4,701,432号明細書、米国特許第4,937,301号明細書、米国特許第4,935,397号明細書、米国特許第5,055,438号明細書、欧州特許第129,368号明細書、欧州特許第260,999号明細書及び国際特許出願公開第WO90/07526号明細書に完全に記載されている線状エチレンポリマー、ポリスチレン、ポリシクロヘキシルエタン、ポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート、エチレン/スチレン共重合体、シンジオタクチックPP、シンジオタクチックPS、エチレン/プロピレンコポリマー(EP)、エチレン/ブタンコポリマー(EB)、エチレン/プロピレン/ジエンターポリマー(EPDM)、ブロックコポリマー耐衝撃性改質剤、コアシェル耐衝撃性改質剤、完全に水素化された、部分的に水素化された及び水素化されていないスチレンブタジエンブロック及びコポリマー、ポリエステル、ポリアミド、PEEK、PMMA、POM、PPO、ASA、アイオノマー、AES、EMA、MBS、EVA、SMA、TPU、TPE、スルホン化ポリオレフィン並びにこれらの混合物である。存在する場合、この追加のポリマーは、カーボネートポリマーブレンド組成物の重量基準で、約1重量部又はそれ以上、好ましくは約3重量部又はそれ以上、更に好ましくは約5重量部又はそれ以上、最も好ましくは約7重量部又はそれ以上の量で使用される。一般的に、この追加のポリマーは、カーボネートポリマーブレンド組成物の重量基準で、約40重量部又はそれ以下、好ましくは約30重量部又はそれ以下、更に好ましくは約20重量部又はそれ以下、最も好ましくは15重量部又はそれ以下の量で使用される。
更に、特許請求の範囲に記載されたプロピレンポリマー組成物には、また、任意的に、この種の熱可塑性ポリマー組成物中に通常使用される1種又はそれ以上の添加剤である成分(g)が含有されていてよい。この種の好ましい添加剤には、これらに限定するものではないが、発火防止添加剤、安定剤、例えばUV、熱酸化及びプロセス、着色剤、連鎖延長剤、連鎖補修添加剤、顔料、酸化防止剤、帯電防止剤、流動増強剤、離型剤、例えばステアリン酸金属(例えばステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム)、透明剤などを含む核生成剤、などが含まれる。添加剤の好ましい例は、発火防止添加剤、例えばこれらに限定するものではないが、ハロゲン化炭化水素、ハロゲン化カーボネートオリゴマー、ハロゲン化ジグリシジルエーテル、有機リン化合物、フッ素化オレフィン、酸化アンチモン及び芳香族硫黄の金属塩又はこれらの混合物を使用することができる。更に、これらに限定するものではないが、熱、光及び酸素又はそれらの混合物によって起こる劣化に対して、ポリマー組成物を安定化させる化合物を使用することができる。
使用する場合、このような添加剤は、カーボネートポリマーブレンド組成物の全重量基準で、約0.01重量部又はそれ以上、好ましくは約0.1重量部又はそれ以上、更に好ましくは約1重量部又はそれ以上、更に好ましくは約2重量部又はそれ以上、最も好ましくは約5重量部又はそれ以上の量で存在してよい。一般的に、この添加物は、カーボネートポリマーブレンド組成物の全重量基準で、約25重量部又はそれ以下、好ましくは約20重量部又はそれ以下、更に好ましくは約15重量部又はそれ以下、更に好ましくは約12重量部又はそれ以下、最も好ましくは約10重量部又はそれ以下の量で存在する。
本発明のカーボネートポリマーブレンド組成物の製造は当該技術分野で公知の任意の適切な混合手段によって達成することができる。例えば全ての成分を押出配合機(押出機)の中に入れ、溶融ブレンドし、押出し、細断して、成形ペレットを製造することができる。その代わりに、この成分を、個々の成分をドライブレンドすることによって混合し、次いでミル上で溶融し、微粉砕するか又は押出し、細断する。別法として、成分をドライ混合するか又は計量し、例えば射出又はトランスファー成形技術によって直接成形することができる。
別の態様に於いて、カーボネートポリマーブレンド組成物を、最初に、ポリカーボネート及び/又はポリプロピレン樹脂若しくは任意の相溶性追加ポリマー(即ち最終カーボネートポリマーブレンド組成物中で離層及び/又は他の有害な影響を起こさないもの)の中の任意の1種又はそれ以上の成分のコンセントレート又はマスターバッチを形成することによって製造することができる。このコンセントレート又はマスターバッチは、標準的な技術によって、成形配合物、例えば一般的な顆粒、ペレット等に、押出し、細断することができる。その後、このコンセントレート又はマスターバッチを、前記の方法又は当該技術分野で公知の他のブレンド方法のいずれかによって、他の成分と共に含有させる(時には、レットダウン(let down)として参照される)ことができる。
本発明のカーボネートポリマーブレンド組成物は熱可塑性である。熱の適用によって軟化又は溶融したとき、本発明のポリマーブレンド組成物を、一般的な技術、例えば圧縮成形、射出成形、気体補助射出成形、カレンダリング、真空成形、熱成形、押出及び/又はブロー成形を、単独で又は組み合わせて使用して、形成又は成形することができる。このカーボネートポリマーブレンド組成物は、また、フィルム、繊維、多層ラミネート若しくは押出シートに成形する、紡糸する若しくは引き取ることができ又はこのような目的のために適している任意の機械上で、1種又はそれ以上の有機物質又は無機物質と配合することができる。本発明のカーボネートポリマーブレンド組成物は、物品に、好ましくは射出成形されるか又は押出される。製作された物品の幾つかには、外部及び内部自動車部品、例えばバンパービーム、バンパーファシア、ピラー、自動車内装トリム、自動車内装オーバーヘッドコンソール、自動車内装ベズル、ニーボルスター、ステアリングカラムカウル、グローブボックストリム、インスツルメントパネル等、電気に於いて電気装置デバイス筐体及びカバー並びに例えば電気器具筐体、家庭雑貨、冷凍冷蔵庫容器及びクレートを含むその他の家庭用及び個人用物品;芝及び庭園家具、芝及び庭電力装置ハウジング並びにビルディング及び建設シートが含まれる。
本発明の実施を例示するために、好ましい態様の実施例を以下に示す。しかしながら、これらの実施例は、本発明の範囲を如何なる方法でも限定するものではない。
実施例1〜24及び比較例A〜Hは、下記のようにして製造する。カーボネートポリマー、プロピレンポリマー、相溶化グラフトコポリマー並びに任意的にグラフト変性プロピレン及び/又はオレフィン−カルボン酸コポリマーを、一緒にドライブレンドする。カーボネートポリマーは、配合する前に90℃で少なくとも5時間乾燥させる。このドライブレンドを、15分間タンブルし、次いで、Werner and Pfleiderer ZSK 25−3二軸スクリュー押出機に、15kg/時の供給速度、250回転/分のスクリュー速度、40〜45%のトルク及び180/225/260/270/280/285/290℃(供給入口からダイまで)の目標温度プロフィールで押し出す。押出物を、ストランドチョッパー内でペレットとして微粉砕する。
このペレットを使用して、A5プラーク物理的特性試験片(光沢試験片以外)を、Arburg470トン射出成形機で製造する。このペレットは、射出成形の前に、100℃で少なくとも4時間乾燥させる。下記のものは、射出成形条件である。バレル温度:ダイからホッパーまで265/280/280/275/255/55℃;70℃の金型温度;射出速度:35mm/秒;500バール/1秒;450バール/3秒;400バール/3秒;350バール/3秒の保持圧力;背圧:5バール及び32秒間の冷却時間。
このペレットを使用して、60度しぼ光沢(grain gloss)試験片を、Demag Ergotech100射出成形機で製造する。プラークを、「しぼ光沢トップ(Grain Grosstop)」及び「しぼ光沢ボトム」として参照される二つの異なった条件下で成形する。この二つの条件は、射出速度でのみ異なっている。しぼ光沢トップ条件は、60mm/秒の射出速度を有し、約0.51秒の充填時間及び38秒の全体サイクル時間になる。しぼ光沢ボトム条件は、5mm/秒の射出速度を有し、約5.5秒の充填時間及び約43秒の全体サイクル時間である。下記の成形条件は、しぼ光沢トップ条件及びしぼ光沢ボトム条件の両方について同じである。50、265、270、275及び280℃のホッパーからのバレル温度設定;280℃のノズル温度、70℃の金型温度(両側);背圧:75バール;保持圧力 600バール;保持時間 4秒;キャビティ開閉点 10mm;スクリューバック:36mm;ドージングストローク(dosing stroke):33mm及びドージング速度:100U/分。
成形する前に、材料を80℃で2時間乾燥する。光沢を、プラークの中心で測定する。材料を、金型の短い側の中間に位置する1個の射出点に通して射出する。金型表面は、約7.8マイクロメートルの表面粗さを有するフラットサンドブラスト3と呼ばれるしぼ付き(textured)金型インサートによって作る。「デルタしぼ光沢」は、しぼ光沢トップマイナスしぼ光沢ボトムの間の差の絶対値である。
デルタしぼ光沢=|しぼ光沢トップ−しぼ光沢ボトム|
好ましくは、本発明のカーボネートポリマーブレンド組成物は、約10又はそれ以下、更に好ましくは約8.5又はそれ以下、更に好ましくは約8又はそれ以下、更に好ましくは約7.5又はそれ以下、最も好ましくは約7又はそれ以下のしぼ光沢トップを有する低光沢カーボネートポリマーブレンド組成物である。好ましくは、本発明のカーボネートポリマーブレンド組成物は、約7又はそれ以下、更に好ましくは約4.5又はそれ以下、更に好ましくは約2又はそれ以下、更に好ましくは約1又はそれ以下、最も好ましくは約0.5又はそれ以下のデルタしぼ光沢を有する低光沢カーボネートポリマーブレンド組成物である。
実施例1〜24及び比較例A〜Hの配合含有量を、下記の表1に示す。量は、一緒にした成分(a)(カーボネートポリマー)、(b)(プロピレンポリマー)、(c)相溶化グラフトコポリマー並びに任意的に(d)(i)グラフト変性プロピレン及び/又は(d)(ii)オレフィン−カルボン酸コポリマーの全重量基準での重量部で示す。表1及び3に於いて、
「PC−1」は、ザ・ダウ・ケミカル社(The Dow Chemical Company)から、CALIBRE(登録商標)300−10ポリカーボネート樹脂として入手可能な、300℃及び1.2kgの適用荷重で10g/10分のメルトフローレートを有する、線状ビスフェノール−Aポリカーボネートである。
「PC−1」は、ザ・ダウ・ケミカル社(The Dow Chemical Company)から、CALIBRE(登録商標)300−10ポリカーボネート樹脂として入手可能な、300℃及び1.2kgの適用荷重で10g/10分のメルトフローレートを有する、線状ビスフェノール−Aポリカーボネートである。
「PC−2」は、300℃及び1.2kgの適用荷重で23g/10分のメルトフローレートを有する、線状ビスフェノール−Aポリカーボネートである。
「PP−1」は、ザ・ダウ・ケミカル社からDow Polypropylene C 767−07として入手可能な、約0.9g/cm3の密度、約7g/10分のMFRを有する、約3重量%のエチレン含有量を有する耐衝撃性プロピレンランダムコポリマーである。
「PP−2」は、約0.9g/cm3の密度、約12g/10分のMFRを有する、約15重量%のエチレン含有量を有する耐衝撃性プロピレンコポリマー約75重量%、約0.868g/cm3の密度、約160,000の分子量及び190℃で2.16kgの荷重下で0.5g/10分のMFRを有する、約20重量%の1−オクテンからなる飽和で実質的に線状のエチレン−オクテンコポリマー約5重量%、線状低密度ポリエチレンポリマー約5重量%並びに高純度アスベスト非含有含水ケイ酸マグネシウムタルク約15重量%を含んでなるプロピレンポリマー組成物である。
「EPDM−g−SAN」は、SANの90%よりも多くがEPDM上にグラフト化されており、ChemturaからROYALTUF(登録商標)372P20として入手可能である、約50重量%のSANでグラフト化された非架橋EPDMである。
「PP−g−PMMA」は、粉末の形で、Kometra GMBHからSCONA(登録商標)TPPP2507FAとして入手可能な、190℃で2.16kgの荷重下で6.3g/10分のMFRを有する、約11重量%のメタクリル酸メチルでグラフト化されたPPホモポリマーである。
「PP−g−PAA」は、ペレットの形で、Crompton CorporationからPOLYBOND(登録商標)1001として入手可能な、230℃で2.16kgの荷重下で40g/10分のMFRを有する、約6重量%のアクリル酸を含有するアクリル酸変性ホモポリマーポリプロピレンである。
「EAA」は、ザ・ダウ・ケミカル社からPRIMACOR(登録商標)1410EAAコポリマーとして入手可能な、0.938g/cm3の密度及び190℃で2.16kgの荷重下で1.5g/10分のMFRを有する、約10重量%のアクリル酸からなるエチレンアクリル酸コポリマーである。
実施例1〜24及び比較例A〜Hで下記の試験を行い、これらの試験の結果を、表2及び4に示す。
「しぼ光沢ボトム」は、「Dr.Lange RB3」反射計でISO2813に従って、成形後30分間で、約7.8ミクロンのしぼ表面を有し、約8cm×10cm×3mmの寸法の、しぼ付きプラーク上で成形した、(前記の)光沢ボトム条件から製造した試験片で、60°ガードナー光沢によって決定する。
「しぼ光沢トップ」は、「Dr.Lange RB3」反射計でISO2813に従って、成形後30分間で、約7.8ミクロンのしぼ表面を有し、約8cm×10cm×3mmの寸法の、しぼ付きプラーク上で成形した、(前記の)光沢トップ条件から製造した試験片で、60°ガードナー光沢によって決定する。
「G」は、平行板掴み具上で温度上昇を行う、Rheometrics ARESレオメーター(Orchestratorソフトウエア バージョン6.5.6)で決定されるような貯蔵弾性率である。サンプルを200℃で圧縮成形した。温度を、3度/分の速度で135℃から250℃まで上昇させ、1.0ラジアン/秒の剪断速度を使用して測定値を得た。G’を、マトリックスTgよりも120℃上で記録した。マトリックスTgは、DMS上で、捻れ内で行われる、固相温度上昇により定義された。タンデルタピーク値を、転移温度として記録した。Tgを定義する温度上昇は、3度/分の上昇速度で、1.0ラジアン/秒の剪断速度で、20℃から約150℃まで行った。
「引張降伏」、「引張破断伸び」及び「引張弾性率」は、ISO527に従って実施する。引張型1試験片は、試験の前に、23℃及び50%相対湿度で24時間コンディショニングする。試験は、Zwick1455機械式試験器を使用して23℃で実施する。
「ノッチ付きアイゾット」は、冷温度チャンバーを取り付けた標準アイゾット衝撃試験装置で、23℃及び−30℃で、ISO180に従って決定したノッチ付きアイゾット耐衝撃性である。
「ノッチ付きシャルピー」は、冷温度チャンバーを取り付けた標準シャルピー衝撃試験装置で、23℃及び−30℃で、DIN53453に従って決定したノッチ付きシャルピー耐衝撃性である。
「MFR」メルトフローレートは、230℃及び3.8kgの適用荷重又は260℃及び5kgの適用荷重で、Zwick4105 01/03プラストメーターで、ISO1133に従って決定する。サンプルは、試験の前に、80℃で2時間コンディショニングする。
「HDT」加熱撓み温度は、ISO175Bに従って0.45MPa又は1.82MPaで決定する。
「ビカー」軟化温度は、ISO179に従って120℃及び1kgの適用荷重で決定する。
実施例25〜32は、実施例1〜24及び比較例A〜Hについて前記したのと同じ方法によって製造する。
得られるペレットを使用して、Demag150/PTC3射出成形機で、60度しぼ光沢試験片及び物理的特性試験片を製造する。ペレットを、射出成形の前に、100℃で少なくとも4時間乾燥させる。下記のものは射出成形条件である。バレル温度:ダイからホッパーへ280/280/275/270/265/50℃;70℃の金型温度;射出速度:5s〜5.5s;600バールの保持圧力;75バールの背圧及び25秒間の冷却時間。
実施例25〜32の配合含有量を、下記の表3に示す。量は、一緒にした成分(a)(カーボネートポリマー)、(b)(プロピレンポリマー)、(c)相溶化グラフトコポリマー、(d)(i)グラフト変性プロピレン及び(d)(iii)オレフィンブロックコポリマーの全重量基準での重量部で示す。表3に於いて、
「PP−3」は、ザ・ダウ・ケミカル社からINSPIRE(登録商標)C715−12N HPとして入手可能な、0.9g/cm3の密度及び230℃で2.16kgの荷重下で12g/10分のMFRを有する、約8重量%のエチレンからなるプロピレンコポリマーである。
「PP−3」は、ザ・ダウ・ケミカル社からINSPIRE(登録商標)C715−12N HPとして入手可能な、0.9g/cm3の密度及び230℃で2.16kgの荷重下で12g/10分のMFRを有する、約8重量%のエチレンからなるプロピレンコポリマーである。
「OBC−1」は、1g/10分のI2メルトインデックス(190℃/2.14kg)、0.877g/ccの密度、27の硬質セグメント%及び75のショアA硬度を有する、エチレン−オクテンブロックコポリマーである。
「OBC−2」は、5g/10分のI2メルトインデックス(190℃/2.14kg)、0.866g/ccの密度、12の硬質セグメント%及び59のショアA硬度を有する、エチレン−オクテンブロックコポリマーである。
「OBC−3」は、5g/10分のI2メルトインデックス(190℃/2.14kg)、0.887g/ccの密度、49の硬質セグメント%及び86のショアA硬度を有する、エチレン−オクテンブロックコポリマーである。
「OBC−4」は、5.2g/10分のI2メルトインデックス(190℃/2.14kg)、0.8573g/ccの密度及び40のショアA硬度を有する、エチレン−プロピレンブロックコポリマーである。
「OBC−5」は、4.37g/10分のI2メルトインデックス(190℃/2.14kg)、0.8747g/ccの密度及び66のショアA硬度を有する、エチレン−プロピレンブロックコポリマーである。
下記の試験を、実施例25〜32で行い、これらの試験の結果を、表4に示す。表4に於いて、
「曲げ弾性率」は、ISO178に従って実施し、そして
「インスツルメンテッド(Instrumented)落槍衝撃」は、−10℃及び23℃でASTM3763に従って決定する。
Claims (22)
- (a)約10〜約90重量部の量のカーボネートポリマー;
(b)約10〜約90重量部の量のプロピレンポリマー;
(c)約2〜約30重量部の量の相溶化グラフトコポリマー;
(d)約0.1〜約25重量部の量の、
(i)グラフト変性プロピレンポリマー及び/又は
(ii)オレフィン−カルボン酸コポリマー及び/又は
(iii)1個若しくはそれ以上の硬質セグメント及び1個若しくはそれ以上の軟質セグメントを含んでなり、
(iii.a)約1.7〜約3.5の重量平均分子量/数平均分子量比(Mw/Mn)、セルシウス度での少なくとも1個の融点(Tm)及びグラム/立方センチメートル(g/cc)での密度(d)
(ここで、Tm及びdの数値は、関係:
Tm>−2002.9+4538.5(d)−2422.2(d)2若しくは
Tm>−6553.3+13735(d)−7051.7(d)2
に対応する)そして/若しくは
(iii.b)約1.7〜約3.5のMw/Mn、そしてジュール/グラム(J/g)での融解熱(ΔH)及び最長の示差走査熱量法(DSC)ピークと最長の結晶化分析分別(CRYSTAF)ピークとの間の温度差として定義されるセルシウス度でのデルタ量(ΔT)によって特徴付けられ
(ここで、ΔT及びΔHの数値は、下記の関係:
ゼロよりも大きくて130J/g以下のΔHについて、ΔT>−0.1299(ΔH)+62.81、
130J/gよりも大きいΔHについて、ΔT≧48℃
を有し、CRYSTAFピークは、累積ポリマーの少なくとも5%を使用して決定され、ポリマーの5%よりも少ないものが同定可能なCRYSTAFピークを有する場合、CRYSTAF温度は30℃である);そして/若しくは
(iii.c)エチレン/α−オレフィン共重合体の圧縮成形したフィルムで測定した、300%歪み及び1サイクルでのパーセントでの弾性回復(Re)、そしてグラム/立方センチメートル(g/cc)での密度(d)を有し
(ここで、Re及びdの数値は、エチレン/α−オレフィン共重合体が、架橋された相を実質的に含有しないとき、下記の関係:
Re>1481−1629(d)
を満足する);そして/若しくは
(iii.d)TREFを使用して分別されたときに、40℃と130℃との間で溶離する分子画分、この画分が、同じ温度の間で溶離する匹敵するランダムエチレン共重合体画分のものよりも、少なくとも5%高いモルコモノマー含量を有する点で特徴付けられ
(ここで、前記の相当するランダムエチレン共重合体は同じコモノマー(群)を有し、エチレン/α−オレフィン共重合体のものの10%以内の、メルトインデックス、密度及びモルコモノマー含量(ポリマー全体基準)を有し;そして/若しくは
(iii.e)25℃での貯蔵弾性率(G′(25℃))及び100℃での貯蔵弾性率(G′(100℃))を有し
(ここで、G′(25℃)のG′(100℃)に対する比は、約1:1〜約9:1の範囲内である);そして/若しくは
(iii.f)TREFを使用して分別されたときに、40℃と130℃との間で溶離する、少なくとも0.5〜約1以下のブロック指数及び約1.3よりも大きい分子量分布、Mw/Mnを有する点で特徴付けられる画分;そして/若しくは
(iii.g)ゼロよりも大きくて約1.0以下の平均ブロック指数及び約1.3よりも大きい分子量分布Mw/Mn、
を有するオレフィンブロックコポリマーから選択されたポリマー;
(e)任意的に充填剤;
(f)任意的に(a)、(b)、(c)又は(d)以外の熱可塑性樹脂;並びに
(g)任意的に安定剤、顔料、離型剤、流動増強剤又は耐電防止剤から選択された1種又はそれ以上の添加剤;
を含んでなる(ここで、部はカーボネートポリマーブレンド組成物の全重量基準である)カーボネートポリマーブレンド組成物。 - 前記プロピレンポリマーがプロピレンのホモポリマーである請求項1に記載のカーボネートポリマーブレンド組成物。
- 前記プロピレンポリマーがプロピレンとC2又はC4〜C20α−オレフィンとのコポリマーである、請求項1に記載のカーボネートポリマーブレンド組成物。
- 前記相溶化グラフトコポリマーがビニル芳香族コポリマーグラフト化オレフィンエラストマーである請求項1に記載のカーボネートポリマーブレンド組成物。
- 前記相溶化グラフトコポリマーがEPDM−g−SANポリマーである請求項1に記載のカーボネートポリマーブレンド組成物。
- 前記グラフト変性プロピレンポリマーがアクリレートグラフト変性プロピレンポリマーである請求項1に記載のカーボネートポリマーブレンド組成物。
- 前記グラフト変性プロピレンポリマーがPP−g−PMMAポリマーである請求項1に記載のカーボネートポリマーブレンド組成物。
- 前記オレフィン−カルボン酸コポリマーがEAAコポリマーである請求項1に記載のカーボネートポリマーブレンド組成物。
- 前記オレフィンブロックコポリマーがエチレンとプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン又は1−オクテンとのコポリマーである請求項1に記載のカーボネートポリマーブレンド組成物。
- 前記オレフィンブロックコポリマーが0.85〜0.895g/ccの密度及び5〜35のI2/I10を有する請求項1に記載のカーボネートポリマーブレンド組成物。
- 前記オレフィンブロックコポリマーが0.15〜0.8の平均ブロック指数を有する請求項1に記載のカーボネートポリマーブレンド組成物。
- 前記オレフィンブロックコポリマーが1.9〜7の分子量分布(Mw/Mn)を有する請求項1に記載のカーボネートポリマーブレンド組成物。
- 前記オレフィンブロックコポリマーが40〜95の重量%の軟質セグメント含量を有する請求項1に記載のカーボネートポリマーブレンド組成物。
- 前記充填剤が、約1〜約50重量部の量で存在し、タルク、ウォラストナイト、クレイ、カチオン交換積層シリケート材料の単層又はこれらの混合物から選択される請求項1に記載のカーボネートポリマーブレンド組成物。
- 前記充填剤がタルクである請求項14に記載のカーボネートポリマーブレンド組成物。
- 前記追加のポリマーが、約1〜約40重量部の量で存在し、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、実質的に線状のエチレンポリマー、線状エチレンポリマー、ポリスチレン、ポリシクロヘキシルエタン、ポリエステル、エチレン/スチレン共重合体、シンジオタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリスチレン、エチレン/プロピレンコポリマー、エチレン/プロピレン/ジエンターポリマー、エチレン/ブタンコポリマー、ブロックコポリマー耐衝撃性改良剤、コアシェル耐衝撃性改良剤、完全に水素化された、部分的に水素化された及び水素化されていないスチレンブタジエンブロック及びコポリマー、ポリエステル、ポリアミド、PEEK、PMMA、POM、PPO、ASA、アイオノマー、AES、EMA、MBS、EVA、SMA、TPU、TPE、スルホン化ポリオレフィン又はこれらの混合物から選択される請求項1に記載のカーボネートポリマーブレンド組成物。
- 約7.8ミクロンのしぼ表面を有するプラークからISO 2813に従った60°ガードナー光沢によって決定したときに、10よりも小さいしぼ光沢トップを有する請求項1に記載のカーボネートポリマーブレンド組成物。
- 約7.8ミクロンのしぼ表面を有するプラークからISO 2813に従った60°ガードナー光沢によって決定したときに、7よりも小さいデルタしぼ光沢を有する請求項1に記載のカーボネートポリマーブレンド組成物。
- カーボネートポリマーブレンド組成物の製造方法であって、
(a)約10〜約90重量部の量のカーボネートポリマー;
(b)約10〜約90重量部の量のプロピレンポリマー;
(c)約2〜約30重量部の量の相溶化グラフトコポリマー;
(d)約0.1〜約25重量部の量の、
(i)グラフト変性プロピレンポリマー及び/又は
(ii)オレフィン−カルボン酸コポリマー
(iii)1個若しくはそれ以上の硬質セグメント及び1個若しくはそれ以上の軟質セグメントを含んでなり、
(iii.a)約1.7〜約3.5の重量平均分子量/数平均分子量比(Mw/Mn)、セルシウス度での少なくとも1個の融点(Tm)及びグラム/立方センチメートル(g/cc)での密度(d)
(ここで、Tm及びdの数値は、関係:
Tm>−2002.9+4538.5(d)−2422.2(d)2若しくは
Tm>−6553.3+13735(d)−7051.7(d)2
に対応する)そして/若しくは
(iii.b)約1.7〜約3.5のMw/Mn、そしてジュール/グラム(J/g)での融解熱(ΔH)及び最長の示差走査熱量法(DSC)ピークと最長の結晶化分析分別(CRYSTAF)ピークとの間の温度差として定義されるセルシウス度でのデルタ量(ΔT)によって特徴付けられ、
(ここで、ΔT及びΔHの数値は、下記の関係:
ゼロよりも大きくて130J/g以下のΔHについて、ΔT>−0.1299(ΔH)+62.81、
130J/gよりも大きいΔHについて、ΔT≧48℃
を有し、CRYSTAFピークは、累積ポリマーの少なくとも5%を使用して決定され、ポリマーの5%よりも少ないものが同定可能なCRYSTAFピークを有する場合、CRYSTAF温度は30℃である);そして/若しくは
(iii.c)エチレン/α−オレフィン共重合体の圧縮成形したフィルムで測定した、300パーセント歪み及び1サイクルでのパーセントでの弾性回復(Re)、グラム/立方センチメートル(g/cc)での密度(d)を有する、ここで、Re及びdの数値は、エチレン/α−オレフィン共重合体が、架橋された相を実質的に含有しないとき、下記の関係:
Re>1481−1629(d)
を満足する);そして/若しくは
(iii.d)TREFを使用して分別されたときに、40℃と130℃との間で溶離する分子画分、同じ温度の間で溶離する相当するランダムエチレン共重合体画分のものよりも、少なくとも5%高いモルコモノマー含量を有する点で特徴付けられ
(ここで、前記の相当するランダムエチレン共重合体は、同じコモノマー(群)を有し、エチレン/α−オレフィン共重合体のものの10%以内の、メルトインデックス、密度及びモルコモノマー含量(ポリマー全体基準)を有し;そして/若しくは
(iii.e)25℃での貯蔵弾性率(G′(25℃))及び100℃での貯蔵弾性率(G′(100℃))
(ここで、G′(25℃)のG′(100℃)に対する比は、約1:1〜約9:1の範囲内である);そして/若しくは
(iii.f)TREFを使用して分別されたときに、40℃と130℃との間で溶離する、少なくとも0.5〜約1以下のブロック指数及び約1.3よりも大きい分子量分布Mw/Mnを有する点で特徴付けられる分子画分;そして/若しくは
(iii.g)ゼロよりも大きくて約1.0以下の平均ブロック指数及び約1.3よりも大きい分子量分布Mw/Mn、
を有するオレフィンブロックコポリマーから選択されたポリマー;
(e)任意的に充填剤;
(f)任意的に(a)、(b)、(c)又は(d)以外の熱可塑性樹脂;並びに
(g)任意的に安定剤、顔料、離型剤、流動増強剤又は耐電防止剤から選択された1種又はそれ以上の添加剤
(ここで、部はカーボネートポリマーブレンド組成物の全重量基準である)
を組み合わせる工程を含んでなる方法。 - カーボネートポリマーブレンド組成物の成形又は押出物品の製造方法であって、
(A)(a)約10〜約90重量部の量のカーボネートポリマー;
(b)約10〜約90重量部の量のプロピレンポリマー;
(c)約2〜約30重量部の量の相溶化グラフトコポリマー;
(d)約0.1〜約25重量部の量の、
(i)グラフト変性プロピレンポリマー及び/又は
(ii)オレフィン−カルボン酸コポリマー
(iii)1個若しくはそれ以上の硬質セグメント及び1個若しくはそれ以上の軟質セグメントを含んでなり、
(iii.a)約1.7〜約3.5の重量平均分子量/数平均分子量比(Mw/Mn)、セルシウス度での少なくとも1個の融点(Tm)及びグラム/立方センチメートル(g/cc)での密度(d)
(ここで、Tm及びdの数値は、関係:
Tm>−2002.9+4538.5(d)−2422.2(d)2若しくは
Tm>−6553.3+13735(d)−7051.7(d)2
に対応する)そして/若しくは
(iii.b)約1.7〜約3.5のMw/Mn、そしてジュール/グラム(J/g)での融解熱(ΔH)及び最長の示差走査熱量法(DSC)ピークと最長の結晶化分析分別(CRYSTAF)ピークとの間の温度差として定義されるセルシウス度でのデルタ量(ΔT)によって特徴付けられ
(ここで、ΔT及びΔHの数値は、下記の関係:
ゼロよりも大きくて130J/g以下のΔHについて、ΔT>−0.1299(ΔH)+62.81、
130J/gよりも大きいΔHについて、ΔT≧48℃
を有し、CRYSTAFピークは、累積ポリマーの少なくとも5%を使用して決定され、ポリマーの5%よりも少ないものが同定可能なCRYSTAFピークを有する場合、CRYSTAF温度は30℃である);そして/若しくは
(iii.c)エチレン/α−オレフィン共重合体の圧縮成形したフィルムで測定した、300%歪み及び1サイクルでのパーセントでの弾性回復(Re)、そしてグラム/立方センチメートル(g/cc)での密度(d)を有し
(ここで、Re及びdの数値は、エチレン/α−オレフィン共重合体が、架橋された相を実質的に含有しないとき、下記の関係:
Re>1481−1629(d)
を満足する);そして/若しくは
(iii.d)TREFを使用して分別されたときに、40℃と130℃との間で溶離する分子画分、この画分が、同じ温度の間で溶離する相当するランダムエチレン共重合体画分のものよりも、少なくとも5%高いモルコモノマー含量を有する点で特徴付けられ
(ここで、前記の相当するランダムエチレン共重合体は、同じコモノマー(群)を有し、エチレン/α−オレフィン共重合体のものの10%以内の、メルトインデックス、密度及びモルコモノマー含量(ポリマー全体基準)を有し;そして/若しくは
(iii.e)25℃での貯蔵弾性率(G′(25℃))及び100℃での貯蔵弾性率(G′(100℃))
(ここで、G′(25℃)のG′(100℃)に対する比は、約1:1〜約9:1の範囲内である);そして/若しくは
(iii.f)TREFを使用して分別されたときに、40℃と130℃との間で溶離する、少なくとも0.5〜約1以下のブロック指数及び約1.3よりも大きい分子量分布Mw/Mnを有する点で特徴付けられる画分;そして/若しくは
(iii.g)ゼロよりも大きくて約1.0以下の平均ブロック指数及び約1.3よりも大きい分子量分布、Mw/Mn、
を有するオレフィンブロックコポリマーから選択されたポリマー、
(e)任意的に充填剤、
(f)任意的に(a)、(b)、(c)又は(d)以外の熱可塑性樹脂並びに
(g)任意的に安定剤、顔料、離型剤、流動増強剤又は耐電防止剤から選択された1種又はそれ以上の添加剤(ここで、部はカーボネートポリマーブレンド組成物の全重量基準である)
からなるカーボネートポリマーブレンド組成物を製造する工程並びに
(B)前記カーボネートポリマーブレンド組成物を成形又は押出物品に成形又は押出す工程
を含んでなる方法。 - 成形又は押出物品の形での請求項1に記載のカーボネートポリマーブレンド組成物。
- 自動車バンパービーム、自動車バンパーファシア、自動車ピラー、自動車インスツルメントパネル、自動車内装トリム、自動車内装オーバーヘッドコンソール、自動車内装ベズル、ニーボルスター、ステアリングカラムカウル、グローブボックストリム、電気装置デバイスハウジング、電気装置デバイスカバー、家庭電気器具ハウジング、冷凍庫コンテナー、クレート又は芝及び庭園家具から選択される請求項21に記載の成形又は押出物品。
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