JP2010538161A - 前駆体モノマーからフッ素化層を付着するための方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 フッ素化層を基板上に付着するための方法を提供する。
【解決手段】 この方法は、フッ素化化合物とキャリヤーガスを含むガス状混合物の0.8〜1.2barの圧力で大気低温プラズマの放電または後放電のための領域中に注入することを含む。本発明は、フッ素化化合物が1barの圧力で25℃を越える沸点を持つことを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】 この方法は、フッ素化化合物とキャリヤーガスを含むガス状混合物の0.8〜1.2barの圧力で大気低温プラズマの放電または後放電のための領域中に注入することを含む。本発明は、フッ素化化合物が1barの圧力で25℃を越える沸点を持つことを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、基板の表面での疎水性化合物の薄層の付着に関する。
表面に新しい特性を付与するための表面の変性は従来から行われている。この方策では、粘着防止性表面(蛋白質に対してを含む)を汚れ忌避性またはさらに(超)疎水性にするために、その表面に全体的または部分的にフッ素化分子からなる層を付着することが一般的である。
これらの方法は、現在、主にPACVD(プラズマ補助化学蒸着法)またはPECVD(プラズマ強化化学蒸着法)技術により達成されている。通常の技術は、低圧で操作するプラズマ反応器中にフッ素化ガス状モノマー(CF4が最も単純であるが、C2F6,C3F8,C4F8、フルオロアルキルシラン等の多くの代替物が存在する)を注入することからなる。
使用されるプラズマのタイプ(RF、マイクロ波プラズマ‐‐‐)は研究に依存して異なるが、原理は同じままである。前駆体は低圧放電中で活性化され、ガス相または界面でプラズマ重合が起こる。これらの技術の主な限界は、それらが低圧(減圧下)で必ず起こるという事実にある。
文献US2004/0247886は膜付着法を記載し、そこではプラズマ発生ガスが大気プラズマの後放電領域内で反応性フッ素化化合物を含むガスと接触させられ、このプラズマ発生ガスが単独でプラズマ領域中に注入されている。このタイプの方法の主要な欠点は、それが十分に反応性の化合物の使用を必要とすることである。これらの反応性化合物の殆どは、そのとき、親水性極性基を直接持つか、または長期間では雰囲気酸素または湿分と反応し、極性基を発生し、従って表面の疎水性を減らすという欠点を持つ。
一般的に、殆どのこれらの技術の限界は、それらが極めて反応性の、従って輸送、貯蔵及び取扱いが危険な、ガスの使用を必要とするということである。これらのガスはまた、温室ガス効果の強い発生体であり、それらの使用は京都議定書により規制されている。これらの拘束は、高い付加価値を持つ製品へのフッ素化層の付着を制限することに寄与する。
本発明の目的は、実在する方法の欠点を避ける前駆体モノマーからフッ素化層を付着するための方法を提案することである。特に、減圧で操作する必要性を避けることを試みる。その目的はまた、ガス状モノマーより取扱いが容易でかつ毒物学的及び環境的レベルで論争の少ないことが多い液体モノマーの使用を可能にすることである。
本発明は、基板上にフッ素化層を付着するための方法に関し、それは0.8〜1.2barの圧力での低温大気プラズマの放電または後放電領域内にフッ素化化合物とキャリヤーガスを含むガス混合物の注入を含み、前記フッ素化化合物が1barの圧力で25℃を越える沸点を持つことを特徴とする。
「大気プラズマ(atmospheric plasma)」または「低温大気プラズマ(cold atmospheric plasma)」は、熱力学的平衡からはるかに遠い、電子、(分子または原子)イオン、原子または分子、及びラジカルを含む、部分的または全体的にイオン化されたガスを意味し、その電子温度はイオン及び中性のそれより有意に高く、その圧力は約1mbar〜約1200mbar、より好ましくは、800〜1200mbarである。
本発明の好適実施態様では、この方法は次の工程:
− キャリヤーガスを液体フッ素化化合物と接触させること;
− 前記キャリヤーガスを前記フッ素化化合物の蒸気で飽和し、ガス混合物を形成すること;
− 前記ガス混合物を大気プラズマの放電領域中にもたらすこと;
− 基板を前記大気プラズマの放電または後放電領域内に置くこと;
を含む。
− キャリヤーガスを液体フッ素化化合物と接触させること;
− 前記キャリヤーガスを前記フッ素化化合物の蒸気で飽和し、ガス混合物を形成すること;
− 前記ガス混合物を大気プラズマの放電領域中にもたらすこと;
− 基板を前記大気プラズマの放電または後放電領域内に置くこと;
を含む。
好ましくは、前記フッ素化化合物は水素原子も含まずまたは酸素原子も含まない。
好ましくは、この方法はプラズマを使用しない後処理を含まない。
本発明の特別な実施態様では、フッ素化化合物は、C6F14,C7F16,C8F18,C9F20及びC10F22からなる群から選ばれた化合物、またはそれらの混合物である。
好ましくは、フッ素化化合物はパーフルオロヘキサン(C6F14)である。
本発明の別の好適実施態様では、フッ素化化合物は:
のタイプのものであり、ここでR1,R2及びR3は式CnF2n+1のパーフルオロアルカンタイプの基であり、またはこれらの化合物の混合物である。
のタイプのものであり、ここでR1,R2及びR3は式CnF2n+1のパーフルオロアルカンタイプの基であり、またはこれらの化合物の混合物である。
好ましくは、フッ素化化合物はパーフルオロトリブチルアミン((C4F9)3N)(CAS番号311−89−7)である。
好ましくは、室温での前記フッ素化化合物の蒸気圧は1mbar〜1barである。
本発明の好適実施態様では、前記キャリヤーガス中の前記フッ素化化合物の分圧は、キャリヤーガスが注入される前記フッ素化化合物の浴の温度をプラズマ中に注入される前に制御することにより調節される。
好ましくは、浴の温度は、前記化合物の蒸気圧が10mbar未満、好ましくは2mbar未満である温度に維持される。
本発明の好適実施態様では、前記フッ素化化合物は25℃で10mbar未満、好ましくは2mbar未満の蒸気圧を持つ。
本発明の好適実施態様では、大気プラズマは誘電バリヤータイプの装置により生成される。
本発明の好適実施態様では、大気プラズマはマイクロ波を使用するタイプの装置により生成される。
好ましくは、キャリヤーガスは:窒素と希ガスまたはそれらの混合物からなる群から選ばれた低い反応性を持つガス、好ましくは希ガスまたは希ガス混合物、好ましくはアルゴンである。
本発明の特別な実施態様では、基板はポリマー、特にPVCまたはポリエチレンを含む付着表面を含む。
別の実施態様では、基板は金属、または金属合金、特に鋼を含む付着表面を含む。
本発明の別の実施態様では、基板はガラス、特に非晶質シリカを含むガラスを含む付着表面を含む。
本発明は、大気圧で操作するプラズマ技術を介してフッ素化ポリマー層を付着するための方法を開示する。それは、プラズマ中にまたはプラズマの後放電領域中に注入されるフッ素化化合物を介してフッ素化ポリマー層の付着を可能にする。選択された実施例では、モノマーは、室温(25℃)で液体であるパーフルオロヘキサンであり、かつキャリヤーガスのアルゴンを介してプラズマ中に運ばれる。本ケースの場合では、プラズマは誘電バリヤーを持つ放電中で発生され、処理される試料は放電内に、または放電の出口直後(後放電)に置かれる。
付着厚さの制御を改善しかつフッ素化汚染物質蒸気の放出を減少するために、プラズマ中のフッ素化化合物の分圧は低い値に、好ましくは10mbar未満に維持される。この低圧は、フッ素化液体を低温に維持することによるか、または室温で10mbar未満の蒸気圧を持つフッ素化液体を選択することによるかのいずれかで得られる。
プラズマ内のフッ素化化合物のこれらの低濃度の使用は特に超薄層の付着を可能にし、それにより透明層が得られることができる。さらに、粘着性及び湿潤性は本質的に非常に短い距離に渡る相互作用に関係するので、付着の厚さはこれらの性質を劣化しない。
本発明はさらに、放電のジオメトリーが適合している限りどのような表面も処理されることができる利点を持ち、かつ単一の、簡単なかつ迅速な工程で進行する利点を持つ。
本発明の特別な実施態様では、フッ素化化合物は:
のタイプのものであり、ここでR1,R2及びR3は式CnF2n+1のパーフルオロアルカンタイプの基である。かかるタイプの分子の利点はC−C結合(4.9eVの結合エネルギー)に比較してC−N結合(2.8eVの結合エネルギー)の弱さにあり、プラズマ生成ラジカルR1,R2及びR3における前駆体のフラグメンテーションスキームを促進し、従ってプラズマ放電領域内及びプラズマ後放電領域内での反応性種の性質の良好な制御を可能にする。驚くべきことに、このタイプの分子の使用は、付着膜中への少量の窒素の取り込みを誘発する。
のタイプのものであり、ここでR1,R2及びR3は式CnF2n+1のパーフルオロアルカンタイプの基である。かかるタイプの分子の利点はC−C結合(4.9eVの結合エネルギー)に比較してC−N結合(2.8eVの結合エネルギー)の弱さにあり、プラズマ生成ラジカルR1,R2及びR3における前駆体のフラグメンテーションスキームを促進し、従ってプラズマ放電領域内及びプラズマ後放電領域内での反応性種の性質の良好な制御を可能にする。驚くべきことに、このタイプの分子の使用は、付着膜中への少量の窒素の取り込みを誘発する。
より詳細には、長いフラグメントは付着層の性質を改善する。特にパーフルオロトリブチルアミン((C4F9)3N)は優れた性質を示した。
以下の実施例では、基板はPVC(ポリ塩化ビニル)、PE(ポリエチレン)、鋼またはガラスのフィルムからなるが、これに限定されず、当業者は、この技術が直ちにどのようなタイプの基板にも転用しうることが理解されるだろう。
実施例1
実施例1は、以下の条件下の後放電内で達成されたPVC上へのパーフルオロヘキサンの付着を示す:
Solvayブランドの4cm×4cmのPVCフィルムとしての試料3が切り離され、メタノールとイソオクタンで洗浄され、大気圧で操作する(誘電バリヤーによる放電の)低温プラズマトーチ(図1)の出口(0.05cmに)に置かれた。フッ素化モノマー(パーフルオロヘキサン)が、アセトンとドライアイスの混合物を含むデュワー瓶内に沈められたガラス(パイレックス(登録商標))バブラー内に置かれる。混合物、従ってモノマーの温度は約−80℃である。この温度でのパーフルオロヘキサンの蒸気圧は約1.2mbarである。アルゴン流が次いで1.375barの初期過圧でバブラー中に送られる。アルゴン/パーフルオロヘキサンガス混合物1はトーチの内側中に運ばれる。プラズマは3200ボルトの電圧及び16kHzの周波数で1分間発生される。
実施例1は、以下の条件下の後放電内で達成されたPVC上へのパーフルオロヘキサンの付着を示す:
Solvayブランドの4cm×4cmのPVCフィルムとしての試料3が切り離され、メタノールとイソオクタンで洗浄され、大気圧で操作する(誘電バリヤーによる放電の)低温プラズマトーチ(図1)の出口(0.05cmに)に置かれた。フッ素化モノマー(パーフルオロヘキサン)が、アセトンとドライアイスの混合物を含むデュワー瓶内に沈められたガラス(パイレックス(登録商標))バブラー内に置かれる。混合物、従ってモノマーの温度は約−80℃である。この温度でのパーフルオロヘキサンの蒸気圧は約1.2mbarである。アルゴン流が次いで1.375barの初期過圧でバブラー中に送られる。アルゴン/パーフルオロヘキサンガス混合物1はトーチの内側中に運ばれる。プラズマは3200ボルトの電圧及び16kHzの周波数で1分間発生される。
実施例2
実施例2は、以下の条件下に誘電バリヤーを持つ放電内で生成されたPVC上のパーフルオロヘキサンの付着を示す。
試料は、円筒状誘電バリヤーを持つ放電の外部電極9の内側に取り付けられる。電圧が付与されている「熱」電極8は、アルミナカップで覆われた内部電極である。アルミナセメントがシールを提供する(図2)。
フッ素化モノマーは実施例1におけるように放電中にもたらされる。3000Vの電圧及び20kHzの周波数での1分間の処理が続いて適用される(放電領域での処理)。PVC膜の表面でのフッ素化層の明白な存在はX線光電子分光法により立証される。図3及び4のスペクトルは炭素領域の全体の調査と拡大を示す。CF2基のフッ素の存在は、689eVに位置したフッ素ピークを介して明らかに識別され、291.5eVの炭素ピークの位置は実際に炭素−CF2−に相当する。付着した層の安定性は1週間の熟成(空気中)後の接触角の値の保存により証明される。
実施例2は、以下の条件下に誘電バリヤーを持つ放電内で生成されたPVC上のパーフルオロヘキサンの付着を示す。
試料は、円筒状誘電バリヤーを持つ放電の外部電極9の内側に取り付けられる。電圧が付与されている「熱」電極8は、アルミナカップで覆われた内部電極である。アルミナセメントがシールを提供する(図2)。
フッ素化モノマーは実施例1におけるように放電中にもたらされる。3000Vの電圧及び20kHzの周波数での1分間の処理が続いて適用される(放電領域での処理)。PVC膜の表面でのフッ素化層の明白な存在はX線光電子分光法により立証される。図3及び4のスペクトルは炭素領域の全体の調査と拡大を示す。CF2基のフッ素の存在は、689eVに位置したフッ素ピークを介して明らかに識別され、291.5eVの炭素ピークの位置は実際に炭素−CF2−に相当する。付着した層の安定性は1週間の熟成(空気中)後の接触角の値の保存により証明される。
実施例3
実施例3は基板を除き実施例1と同一である。この実施例では、基板はポリエチレンである。
実施例3は基板を除き実施例1と同一である。この実施例では、基板はポリエチレンである。
実施例4
実施例4は基板を除き実施例3と同一である。この実施例では、基板はポリエチレンである。PE試料のスペクトル(図6)は285eV付近に主ピークを含む。それは炭素(C1s)に相当する。低い強度のピークの存在がまた、530eV付近に認められ、それは汚染酸素に相当する。
実施例4は基板を除き実施例3と同一である。この実施例では、基板はポリエチレンである。PE試料のスペクトル(図6)は285eV付近に主ピークを含む。それは炭素(C1s)に相当する。低い強度のピークの存在がまた、530eV付近に認められ、それは汚染酸素に相当する。
プラズマへの露光後、スペクトルは二つの成分を含み(図7)、一方はCF2タイプの689.7eVのF1sであり、他方は292.1eVのC1sである。計算された組成は61.2%のフッ素、38.8%の炭素である。
実施例5
実施例5では、鋼基板上のフッ素化層の付着は実施例1及び3と同じ付着工程により作られたが、この時のモノマーはパーフルオロトリブチルアミンであり、その温度は25℃に維持された。25℃でのパーフルオロトリブチルアミンの蒸気圧は1.75mbarである。
実施例5では、鋼基板上のフッ素化層の付着は実施例1及び3と同じ付着工程により作られたが、この時のモノマーはパーフルオロトリブチルアミンであり、その温度は25℃に維持された。25℃でのパーフルオロトリブチルアミンの蒸気圧は1.75mbarである。
実施例6
実施例6では、鋼基板上のフッ素化層の付着は実施例2及び4と同じ付着工程により作られたが、この時のモノマーはパーフルオロトリブチルアミンであり、その温度は25℃に維持された。25℃でのパーフルオロトリブチルアミンの蒸気圧は1.75mbarであり、それは、それが室温で使用されることを可能にする。
実施例6では、鋼基板上のフッ素化層の付着は実施例2及び4と同じ付着工程により作られたが、この時のモノマーはパーフルオロトリブチルアミンであり、その温度は25℃に維持された。25℃でのパーフルオロトリブチルアミンの蒸気圧は1.75mbarであり、それは、それが室温で使用されることを可能にする。
通常の浄化後も、鋼表面はなお酸素と炭素により汚染されている。試料へのわずかなイオン噴霧により、この汚染を部分的に除去することが可能である(図8:処理前のXPS)。
プラズマへの露光後、XPSスペクトルは二つの主要成分を含み、低い強度(図9)の新成分の発生がまた認められる。主成分はCF2タイプの689.7eV(F1s)と292.1eV(C1s)に位置している。新しい成分は400eV付近に位置しており、それは窒素(N1s)に相当する。計算された組成は62.2%のフッ素、33.3%の炭素及び4.5%の窒素である。窒素のための成分は、窒素を含むモノマー(C12F27N)が使用されるときに存在するのみである。
実施例7
実施例7では、ガラス基板上のフッ素化層の付着は実施例5と同じ付着工程により作られた。
実施例7では、ガラス基板上のフッ素化層の付着は実施例5と同じ付着工程により作られた。
実施例8
実施例8では、ガラス基板上のフッ素化層の付着は実施例6と同じ付着工程により作られた。
実施例8では、ガラス基板上のフッ素化層の付着は実施例6と同じ付着工程により作られた。
前述のように、プラズマへの露光後、スペクトルは二つの主要成分を含み、低い強度(図10)の新成分の発生がまた認められる。主成分はCF2タイプの689.7eV(F1s)と292.1eV(C1s)に位置している。新しい成分は400eV付近に位置しており、それは窒素(N1s)に相当する。計算された組成は63.0%のフッ素、32.8%の炭素及び4.2%の窒素である。
実施例9
実施例2により調製された試料は室温で大気中で一週間熟成させられた。
実施例2により調製された試料は室温で大気中で一週間熟成させられた。
実施例10(比較)
フッ素化モノマーの不存在下に実施例1と同じ実験スキームにより後放電領域内のアルゴンの大気プラズマにPVC試料をさらした。
フッ素化モノマーの不存在下に実施例1と同じ実験スキームにより後放電領域内のアルゴンの大気プラズマにPVC試料をさらした。
実施例11(比較)
フッ素化モノマーの不存在下に実施例2と同じ実験スキームにより放電領域内のアルゴンの大気プラズマにPVC試料をさらした。実施例1〜9では、ピークのエネルギー並びに処理後に得られた表面の組成はPTFE試料に対して得られた値に非常に近い。実際、文献に示されたPTFEスペクトル(図11)もまた、二つのピーク、一つはフッ素に相当する689.7eVに、他の一つは炭素(C1s)に相当する292.5eVを含む。表面の組成は66.6%のフッ素と33.4%の炭素である。
フッ素化モノマーの不存在下に実施例2と同じ実験スキームにより放電領域内のアルゴンの大気プラズマにPVC試料をさらした。実施例1〜9では、ピークのエネルギー並びに処理後に得られた表面の組成はPTFE試料に対して得られた値に非常に近い。実際、文献に示されたPTFEスペクトル(図11)もまた、二つのピーク、一つはフッ素に相当する689.7eVに、他の一つは炭素(C1s)に相当する292.5eVを含む。表面の組成は66.6%のフッ素と33.4%の炭素である。
表1は、異なる例の表面上及び非処理基板の表面上の水の接触角を示す。
全てのこれらの例では、付着されたポリマー層は完全に透明でありかつ肉眼では見えない。
この方法は、エネルギー注入法に関係なく(DBDのみならずRF、マイクロ波‐‐‐も)、全ての低温大気プラズマに適用されることができる。
この方法は、フッ素化層により覆われるべき全ての表面:ガラス、鋼、ポリマー、セラミック、塗料、金属、金属酸化物、混合ゲルに適用されることができる。
疎水層は、もし初期モノマーが酸素または水素を全く含まないなら付着されることができる。実際、プラズマ放電内または後放電領域内の酸化ラジカルの存在は、一方では付着層中への親水性酸化機能の組み込みを直接誘発し、他方では水素化ラジカルの存在が残留酸素または湿度とのそれらの再結合を誘発し、一般的に非常に親水性であるOHラジカルの発生を起こす。
1 フッ素化化合物/アルゴン混合流
2 発電機
3 試料
4 アルミナまたは金属電極
5 アルミナで覆われた電極
6 銅支持体(接地)
7 銅電極(接地)
8 内部可動「熱」電極
9 外部金属電極
2 発電機
3 試料
4 アルミナまたは金属電極
5 アルミナで覆われた電極
6 銅支持体(接地)
7 銅電極(接地)
8 内部可動「熱」電極
9 外部金属電極
Claims (18)
- 基板上にフッ素化層を付着させるための方法であって、0.8〜1.2barの圧力で大気プラズマの放電または後放電領域内にフッ素化化合物とキャリヤーガスを含むガス混合物を注入することを含む方法において、前記フッ素化化合物が1barの圧力で25℃を越える沸点を持つことを特徴とする方法。
- − キャリヤーガスを液体フッ素化化合物と接触させる;
− 前記キャリヤーガスを前記フッ素化化合物の蒸気で飽和し、ガス混合物を形成する;
− 前記ガス混合物を大気プラズマの放電領域中にもたらす;
− 基板を前記大気プラズマの放電または後放電領域内に置く;
工程を含み、前記フッ素化化合物が酸素または水素を含まないことを特徴とする請求項1に記載の方法。 - 前記方法が、プラズマを使用しない後処理を含まないことを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
- フッ素化化合物がC6F14,C7F16,C8F18,C9F20及びC10F22からなる群から選ばれた化合物またはそれらの混合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
- フッ素化化合物がパーフルオロヘキサンであることを特徴とする請求項4に記載の方法。
- フッ素化化合物が
のタイプのものであり、ここでR1,R2及びR3が式CnF2n+1のパーフルオロアルカンタイプの基であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の方法。 - 前記フッ素化化合物がパーフルオロトリブチルアミン((C4F9)3N)を含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。
- 室温での前記フッ素化化合物の蒸気圧が1mbar〜1barであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
- 室温での前記フッ素化化合物の蒸気圧が0.5mbar〜10mbarであることを特徴とする請求項8に記載の方法。
- 前記キャリヤーガス中の前記フッ素化化合物の分圧が、キャリヤーガスが注入される前記フッ素化化合物の浴の温度をプラズマ中に注入する前に制御することにより調節されることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
- 浴の温度が、前記化合物の蒸気圧が10mbar未満である温度に維持されることを特徴とする請求項10に記載の方法。
- 前記大気プラズマが、誘電バリヤータイプの装置により生成されることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
- 前記大気プラズマが、マイクロ波を使用するタイプの装置により生成されることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
- 基板が、ポリマーを含む付着表面を含むことを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の方法。
- 基板が、ポリ塩化ビニルまたはポリエチレンを含む付着表面を含むことを特徴とする請求項14に記載の方法。
- 基板が、金属または金属合金を含む付着表面を含むことを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の方法。
- 基板が、鋼を含む付着表面を含むことを特徴とする請求項16に記載の方法。
- 基板が、ガラスを含む付着表面を含むことを特徴とする請求項1〜17のいずれかに記載の方法。
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Cited By (1)
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