JP2010536366A5 - - Google Patents

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JP2010536366A5
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本発明の様々な態様及び用途は、以下の図面の簡単な説明、及び本発明の詳細な説明、及びその好ましい実施形態を鑑みて当業者に明らかとなる。
[請求項1001]
細胞に導入した場合にEBI3、CDKN3、EF−1δ、又はNPTXRのin vivo発現、及び細胞増殖を阻害する単離二本鎖分子であって、互いにハイブリダイズすることで該二本鎖分子を形成するセンス鎖とそれに相補的なアンチセンス鎖とを含む、二本鎖分子。
[請求項1002]
前記センス鎖が配列番号18、配列番号20、配列番号49、配列番号51、配列番号84、及び配列番号85から成る群から選択される標的配列に対応する配列を含む、請求項1001に記載の二本鎖分子。
[請求項1003]
前記二本鎖分子が、約19ヌクレオチド長〜約25ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドである、請求項1002に記載の二本鎖分子。
[請求項1004]
介在一本鎖によって連結したセンス鎖及びアンチセンス鎖の両方を含む単一のポリヌクレオチドから成る、請求項1001に記載の二本鎖分子。
[請求項1005]
一般式:
5’−[A]−[B]−[A’]−3’
を有する二本鎖分子であって、式中、[A]は配列番号18、配列番号20、配列番号49、配列番号51、配列番号84、及び配列番号85から成る群から選択される標的配列に対応する配列を含むセンス鎖であり、[B]は3個〜23個のヌクレオチドから成る介在一本鎖であり、かつ[A’]は[A]に相補的な配列を含むアンチセンス鎖である、請求項1004に記載の二本鎖分子。
[請求項1006]
請求項1001〜1005のいずれか1項に記載の二本鎖分子を発現するベクター。
[請求項1007]
EBI3、CDKN3、EF−1δ又はNPTXR遺伝子から成る群から選択される少なくとも1つの遺伝子を発現する癌を治療する方法であって、請求項1001〜1004のいずれか1項に記載の単離二本鎖分子、又は請求項1006に記載のベクターの少なくとも1つを投与する工程を含む方法。
[請求項1008]
治療される前記癌が肺癌である、請求項1007に記載の方法。
[請求項1009]
EBI3、CDKN3、EF−1δ又はNPTXR遺伝子から成る群から選択される少なくとも1つの遺伝子を発現する癌を治療するための組成物であって、請求項1001〜1004のいずれか1項に記載の単離二本鎖分子又は請求項1006に記載のベクターの少なくとも1つを含む、組成物。
[請求項1010]
治療される前記癌が肺癌である、請求項1009に記載の組成物。
[請求項1011]
肺癌を診断する方法であって、
(a)被験体から得た生体試料において、
(i)EBI3、DLX5、及びCDKN3の群から選択されるmRNAを検出すること、
(ii)EBI3、DLX5、及びCDKN3の群から選択されるタンパク質を検出すること、及び
(iii)EBI3、DLX5、及びCDKN3の群から選択されるタンパク質の生物活性を検出すること
から成る群から選択される方法のいずれか1つによって、遺伝子の発現レベルを求める工程、並びに
(b)前記遺伝子の正常対照レベルと比較した場合の、工程(a)において求められる前記発現レベルの上昇を、肺癌の存在と関連付ける工程
を含む、方法。
[請求項1012]
工程(a)において求められる前記発現レベルが、前記正常対照レベルより少なくとも10%高い、請求項1011に記載の方法。
[請求項1013]
工程(a)において求められる前記発現レベルをEBI3、DLX5、及びCDKN3の群から選択されるタンパク質に対する抗体の結合を検出することにより求める、請求項1011に記載の方法。
[請求項1014]
前記被験体から得た生体試料が生検材料、痰、血液、胸水、又は尿を含む、請求項1011に記載の方法。
[請求項1015]
肺癌患者の予後を判定又は決定する方法であって、
(a)患者から得た生体試料において遺伝子の発現レベルを検出する工程、
(b)検出される前記発現レベルを対照レベルと比較する工程、及び
(c)工程(b)の比較に基づいて前記患者の予後を決定する工程
を含み、前記遺伝子がEBI3、DLX5、CDKN3、又はEF−1δから成る群から選択される、方法。
[請求項1016]
前記対照レベルが予後良好な対照レベルであり、該対照レベルと比較した場合の前記発現レベルの上昇が、予後不良であると決定される、請求項1015に記載の方法。
[請求項1017]
前記上昇が前記対照レベルより少なくとも10%高い、請求項1015に記載の方法。
[請求項1018]
前記発現レベルが、
(a)EBI3、DLX5、CDKN3、又はEF−1δのmRNAを検出すること、
(b)EBI3、DLX5、CDKN3又はEF−1δタンパク質を検出すること、及び
(c)EBI3、DLX5、CDKN3又はEF−1δタンパク質の生物活性を検出すること
から成る群から選択される方法のいずれか1つによって求められる、請求項1015に記載の方法。
[請求項1019]
前記患者から得た生体試料が生検材料、痰、又は血液、胸水、又は尿を含む、請求項1015に記載の方法。
[請求項1020]
肺癌を診断するか、又は肺癌患者の予後を判定若しくは決定するためのキットであって、
(a)遺伝子のmRNAを検出するための試薬、
(b)前記遺伝子によりコードされるタンパク質を検出するための試薬、及び
(c)前記タンパク質の生物活性を検出するための試薬
から成る群から選択される試薬を含み、前記遺伝子がEBI3、DLX5、CDKN3、又はEF−1δから成る群から選択される、キット。
[請求項1021]
前記試薬が前記遺伝子の遺伝子転写産物に対するプローブである、請求項1020に記載のキット。
[請求項1022]
前記試薬が前記遺伝子によりコードされる前記タンパク質に対する抗体である、請求項1020に記載のキット。
[請求項1023]
被験体において肺癌を診断する方法であって、
(a)診断される被験体に由来する血液試料を準備する工程、
(b)前記血液試料におけるEBI3タンパク質のレベルを求める工程、及び
(c)工程(b)において求められる前記EBI3レベルを正常対照のEBI3レベルと比較する工程
を含み、前記血液試料におけるEBI3レベルが前記正常対照と比較して高いことにより、前記被験体が肺癌を患っていることが示唆される、方法。
[請求項1024]
前記血液試料が全血、血清、及び血漿から成る群から選択される、請求項1023に記載の方法。
[請求項1025]
前記EBI3タンパク質をイムノアッセイにより検出する、請求項1023に記載の方法。
[請求項1026]
前記イムノアッセイがELISAである、請求項1025に記載の方法。
[請求項1027]
(d)前記血液試料におけるCEAのレベルを求める工程、及び
(e)工程(d)において求められる前記CEAレベルを正常対照のCEAレベルと比較する工程
をさらに含み、前記血液試料におけるEBI3レベル及びCEAレベルのいずれか又は両方が前記正常対照と比較して高いことにより、前記被験体が肺癌を患っていることが示唆される、請求項1023に記載の方法。
[請求項1028]
前記肺癌がNSCLCである、請求項1027に記載の方法。
[請求項1029]
(d)前記血液試料におけるCYFRAのレベルを求める工程、
(e)工程(e)において求められる前記CYFRAレベルを正常対照のCYFRAレベルと比較する工程
をさらに含み、前記血液試料におけるEBI3レベル及びCYFRAレベルのいずれか又は両方が前記正常対照と比較して高いことにより、前記被験体が肺癌を患っていることが示唆される、請求項1023に記載の方法。
[請求項1030]
前記肺癌がSCCである、請求項1029に記載の方法。
[請求項1031]
(d)前記血液試料におけるpro−GRPのレベルを求める工程、
(e)工程(e)において求められる前記pro−GRPレベルを正常対照のpro−GRPレベルと比較する工程
をさらに含み、前記血液試料におけるEBI3レベル及びpro−GRPレベルのいずれか又は両方が前記正常対照と比較して高いことにより、前記被験体が肺癌を患っていることが示唆される、請求項1023に記載の方法。
[請求項1032]
前記肺癌がSCLCである、請求項1031に記載の方法。
[請求項1033]
EBI3を発現する癌を検出するためのキットであって、
(i)血液試料におけるEBI3のレベルを求めるためのイムノアッセイ試薬、及び
(ii)EBI3に対する陽性対照試料
を含む、キット。
[請求項1034]
(iii)血液試料におけるCEA、CYFRA、及び/又はpro−GRPのレベルを求めるためのイムノアッセイ試薬、及び
(iv)CEA、CYFRA、及び/又はpro−GRPに対する陽性対照試料をさらに含む、請求項1033に記載のキット。
[請求項1035]
前記陽性対照試料がEBI3、CEA、CYFRA、及び/又はpro−GRPに対して陽性である、請求項1034に記載のキット。
[請求項1036]
被験体における肺癌を診断する方法であって、
(a)診断を受ける被験体から血液試料を採取する工程、
(b)前記血液試料におけるNPTX1及びCYFRAのレベルを求める工程、
(c)工程(b)において求められる前記NPTX1レベル及び前記CYFRAレベルを、正常対照のNPTX1レベル及びCYFRAレベルと比較する工程、及び
(d)前記血液試料において、前記正常対照と比較して高いNPTX1レベル及び高いCYFRAレベルのいずれか又は両方が、前記被験体が肺癌を患っていることを示唆すると判断する工程
を含む、方法。
[請求項1037]
前記肺癌が扁平上皮癌(SCC)である、請求項1036に記載の方法。
[請求項1038]
前記血液試料が全血、血清、及び血漿から成る群から選択される、請求項1036に記載の方法。
[請求項1039]
NPTX1及びCYFRAタンパク質を発現する癌を検出するためのキットであって、
(i)血液試料におけるNPTX1及びCYFRAタンパク質のレベルを求めるためのイムノアッセイ試薬、及び
(ii)NPTX1及びCYFRAタンパク質に対する陽性対照試料
を含む、キット。
[請求項1040]
肺癌を治療若しくは予防するか、又は肺癌細胞の成長を阻害するための候補化合物をスクリーニングする方法であって、
(a)試験化合物をEBI3、DLX5、又はCDKN3のポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチドと接触させる工程、
(b)前記ポリペプチドと前記試験化合物との結合活性を検出する工程、及び
(c)前記ポリペプチドに結合する化合物を選択する工程
を含む、方法。
[請求項1041]
肺癌を治療若しくは予防するか、又は肺癌細胞の成長を阻害するための候補化合物をスクリーニングする方法であって、
(a)試験化合物をEBI3、DLX5、又はCDKN3のポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチドと接触させる工程、
(b)工程(a)の前記ポリペプチドの生物活性を検出する工程、及び
(c)EBI3、DLX5、又はCDKN3の前記ポリヌクレオチドによりコードされる前記ポリペプチドの生物活性を、前記試験化合物の非存在下で検出される該ポリペプチドの生物活性と比較して抑制する試験化合物を選択する工程
を含む、方法。
[請求項1042]
前記生物活性が細胞増殖、細胞浸潤、細胞外分泌、ホスファターゼ活性、及びAktリン酸化の促進の群から選択される、請求項1041に記載の方法。
[請求項1043]
前記ホスファターゼ活性がEF−1δを用いて検出されたものである、請求項1042に記載の方法。
[請求項1044]
肺癌を治療若しくは予防するか、又は肺癌細胞の成長を阻害するための候補化合物をスクリーニングする方法であって、
(a)候補化合物をEBI3、DLX5、又はCDKN3を発現する細胞と接触させる工程、及び
(b)前記試験化合物の非存在下で検出される発現レベルと比較して、EBI3、DLX5、又はCDKN3の発現レベルを低下させる候補化合物を選択する工程
を含む、方法。
[請求項1045]
肺癌を治療若しくは予防するか、又は肺癌細胞の成長を阻害するための候補化合物をスクリーニングする方法であって、
(a)候補化合物をEBI3、DLX5、又はCDKN3の転写調節領域、及び該転写調節領域の制御下で発現されるレポーター遺伝子を含むベクターを導入した細胞と接触させる工程、
(b)前記レポーター遺伝子の発現又は活性を測定する工程、及び
(c)対照と比較して、前記レポーター遺伝子の発現又は活性レベルを低下させる候補化合物を選択する工程
を含む、方法。
[請求項1046]
肺癌を治療若しくは予防するか、又は肺癌細胞の成長を阻害するための候補化合物をスクリーニングする方法であって、
(a)試験化合物の存在下で、CDKN3ポリペプチド又はその機能的等価物を、VRSポリペプチド、EF−1αポリペプチド、EF−1βポリペプチド、EF−1γポリペプチド、EF−1δポリペプチド、及びそれらの機能的等価物から成る群から選択される相互作用パートナーと接触させる工程、
(b)前記ポリペプチド間の結合を検出する工程、及び
(c)これらのポリペプチド間の結合を阻害する試験化合物を選択する工程
を含む、方法。
[請求項1047]
前記EF−1δポリペプチドの機能的等価物が、配列番号48から成るポリペプチドを含む、請求項1046に記載の方法。
[請求項1048]
前記CDKN3ポリペプチドの機能的等価物がVRSポリペプチド、EF−1αポリペプチド、EF−1βポリペプチド、EF−1γポリペプチド、又はEF−1δ結合ドメインのアミノ酸配列を含む、請求項1046に記載の方法。
[請求項1049]
肺癌を治療又は予防するための化合物をスクリーニングする方法であって、
(a)候補化合物をCDKN3を過剰発現する細胞と接触させる工程、
(b)Akt Ser473のリン酸化を測定する工程、及び
(c)対照と比較して、前記リン酸化を低下させる候補化合物を選択する工程
を含む、方法。
[請求項1050]
肺癌を治療又は予防するための化合物をスクリーニングする方法であって、
(a)試験化合物の存在下で、NPTX1ポリペプチド又はその機能的等価物を、NPTXRポリペプチド又はその機能的等価物と接触させる工程、
(b)前記ポリペプチド間の結合を検出する工程、及び
(c)これらのポリペプチド間の結合を阻害する試験化合物を選択する工程
を含む、方法。
[請求項1051]
前記NPTX1ポリペプチドの機能的等価物がNPTXR結合ドメインを含む、請求項1050に記載の方法。
[請求項1052]
前記NPTXRポリペプチドの機能的等価物がNPTX1結合ドメインを含む、請求項1050に記載の方法。
[請求項1053]
配列番号88又は配列番号89を含むポリペプチドに結合する抗体。
[請求項1054]
NPTX1中和活性を有する、請求項1053に記載の抗体。
[請求項1055]
肺癌を治療又は予防するための組成物であって、薬学的に有効な量の抗NPTX1抗体又はその断片を含む、組成物。
[請求項1056]
前記NPTX1抗体が請求項1053及び1054に記載の抗体である、請求項1055に記載の組成物。
[請求項1057]
被験体において肺癌を治療又は予防する方法であって、該被験体に抗NPTX1抗体又はその断片を投与することを含む、方法。
[請求項1058]
前記NPTX1抗体が請求項1053及び1054に記載の抗体である、請求項1057に記載の方法。
[請求項1059]
ENQSLRGVVQELQQAISKL(配列番号61)を含むポリペプチド又は該ポリペプチドに機能的に等価なポリペプチドのアミノ酸配列であって、配列番号8から成るペプチドの生物学的機能を欠く、ポリペプチド。
[請求項1060]
前記生物学的機能が細胞増殖活性である、請求項1059に記載のポリペプチド。
[請求項1061]
前記ポリペプチドが8個〜30個の残基から成る、請求項1059に記載のポリペプチド。
[請求項1062]
前記ポリペプチドが細胞膜透過性物質で修飾される、請求項1059に記載のポリペプチド。
[請求項1063]
一般式:
[R]−[D]
を有し、配列番号8から成るペプチドの生物学的機能を欠くポリペプチドであって、式中、[R]及び[D]はリンカーGGGを介して直接的又は間接的に連結してもよく、[R]は細胞膜透過性物質を表し、[D]はENQSLRGVVQELQQAISKL(配列番号61)を含む断片配列のアミノ酸配列、又は該断片配列を含む該ポリペプチドに機能的に等価なポリペプチドのアミノ酸配列を表す、請求項1059に記載のポリペプチド。
[請求項1064]
前記細胞膜透過性物質が:
ポリアルギニン、
Tat/RKKRRQRRR/配列番号63、
ペネトラチン/RQIKIWFQNRRMKWKK/配列番号64、
ブホリンII/TRSSRAGLQFPVGRVHRLLRK/配列番号65、
トランスポータン/GWTLNSAGYLLGKINLKALAALAKKIL/配列番号66、
MAP(モデル両親媒性ペプチド)/KLALKLALKALKAALKLA/配列番号67、
K−FGF/AAVALLPAVLLALLAP/配列番号68、
Ku70/VPMLK/配列番号69、
Ku70/PMLKE/配列番号70、
プリオン/MANLGYWLLALFVTMWTDVGLCKKRPKP/配列番号71、
pVEC/LLIILRRRIRKQAHAHSK/配列番号72、
Pep−1/KETWWETWWTEWSQPKKKRKV/配列番号73、
SynB1/RGGRLSYSRRRFSTSTGR/配列番号74、
Pep−7/SDLWEMMMVSLACQY/配列番号75、及び
HN−1/TSPLNIHNGQKL/配列番号76
から成る群から選択されるいずれか1つである、請求項1063に記載のポリペプチド。
[請求項1065]
前記ポリアルギニンが11個のArg(RRRRRRRRRRR/配列番号77)である、請求項1064に記載のポリペプチド。
[請求項1066]
活性成分として請求項1059〜1065のいずれか一項に記載のポリペプチドを含む、癌の治療及び予防のいずれか又は両方のための薬剤。
[請求項1067]
前記癌が肺癌である、請求項1066に記載の薬剤。
[請求項1068]
請求項1059〜1065のいずれか一項に記載のポリペプチドを投与する工程を含む、癌を治療又は予防する方法。
[請求項1069]
前記癌が肺癌である、請求項1068に記載の方法。
腫瘍組織、細胞株、及び正常組織におけるEBI3発現の分析を示す図である。半定量的RT−PCR分析により検出された、15組の臨床肺癌及び周囲正常肺組織の試料(上パネル)(肺腺癌(ADC)、肺扁平上皮癌(SCC)、及び小細胞肺癌(SCLC);最上部)、並びに23種の肺癌細胞株(下パネル)におけるEBI3の発現を示す。 腫瘍組織、細胞株、及び正常組織におけるEBI3発現の分析を示す図である。癌細胞株及び気管支上皮細胞における内因性EBI3タンパク質の発現及び細胞内局在化を示す。EBI3は、NCI−H1373細胞株及びLC319細胞株においては粒状外観を呈した細胞の細胞質で染色されたが、NCI−H2170細胞株及び気管支上皮由来のBEAS−2B細胞株においては染色されなかった。 腫瘍組織、細胞株、及び正常組織におけるEBI3発現の分析を示す図である。培養培地における肺癌細胞株からのELISAによる分泌EBI3の検出を示す。分泌EBI3は、EBI3を発現する細胞株の培養培地において検出された。 腫瘍組織、細胞株、及び正常組織におけるEBI3発現の分析を示す図である。16種の正常成人ヒト組織におけるEBI3転写産物のノーザンブロット分析の結果である。強いシグナルが胎盤において観察された。 腫瘍組織、細胞株、及び正常組織におけるEBI3発現の分析を示す図である。免疫組織化学による正常組織と腫瘍組織との間のEBI3タンパク質発現の比較を示す。 EBI3過剰発現とNSCLC患者の予後不良との関連性を示す図である。肺癌組織及び正常組織におけるEBI3発現が強い例、弱い例、及び発現のない例を示す。原倍率:×100(上レーン)、×200(下レーン)。 EBI3過剰発現とNSCLC患者の予後不良との関連性を示す図である。EBI3の発現に応じたNSCLC患者の生存率のカプラン・マイヤー分析の結果を示す(ログランク検定によるP=0.0011)。 ELISAにより求めた、肺癌患者及び健常対照又はCOPDの非腫瘍性肺疾患患者におけるEBI3の血清中濃度を示す図である。肺ADC、肺SCC、又はSCLCの患者に由来する血清におけるEBI3の分布を示す。黒線:平均血清レベル。ADC患者と健常個体/COPD患者との間の差(それぞれP<0.001、マンホイットニーU検定)、SCC患者と健常個体/COPD患者との間の差(P<0.001)、及びSCLC患者と健常/COPD個体との間の差(P<0.001)は有意であったが、健常個体とCOPD患者との間の差は有意ではなかった(P=0.160)。 ELISAにより求めた、肺癌患者及び健常対照又はCOPDの非腫瘍性肺疾患患者におけるEBI3の血清中濃度を示す図である。肺ADC、肺SCC、又はSCLCの様々な臨床段階での患者に由来する血清におけるEBI3の分布を示す。LDは限局性疾患を意味する。EDは広範な疾患を意味する。 肺癌患者又は手術後の患者におけるEBI3の血清濃度、EBIのROC曲線分析とCEA(NSCLC)又はpro−GRP(SCLC)のROC曲線分析との比較、及びEBI3に対するsiRNAによる肺癌細胞の成長の阻害を示す図である。左パネルは、肺癌に対する血清マーカーとしてのEBI3のROC曲線分析を示す。X軸:1−特異度。Y軸:感度。カットオフレベルは、EBI3に最適な診断精度及び尤度比(最小の偽陰性及び偽陽性結果)をもたらすように設定した(すなわち、11.8単位/mL)。右パネルは、原発性NSCLCの切除前及び切除後のEBI3の血清レベルを示す。手術後の血清は、外科手術の2ヶ月後に得た。 肺癌患者又は手術後の患者におけるEBI3の血清濃度、EBIのROC曲線分析とCEA(NSCLC)又はpro−GRP(SCLC)のROC曲線分析との比較、及びEBI3に対するsiRNAによる肺癌細胞の成長の阻害を示す図である。同じNSCLC患者の原発性腫瘍組織における血清EBI3レベル(U/mL)及びEBI3の発現レベルを示す。 肺癌患者又は手術後の患者におけるEBI3の血清濃度、EBIのROC曲線分析とCEA(NSCLC)又はpro−GRP(SCLC)のROC曲線分析との比較、及びEBI3に対するsiRNAによる肺癌細胞の成長の阻害を示す図である。上パネルは、EBI3(青色)、及び肺癌の各々の組織型に対する血清マーカーである他の従来の腫瘍マーカー(CEA:赤色、CYFRA:緑色、ProGRP:黄色)のROC曲線分析を示す。X軸:1−特異度。Y軸:感度。下パネルはEBI3と他の腫瘍マーカーとの組み合わせ分析を示す。感度及び偽陽性の両方における右のバーは、肺癌の各々の組織型におけるEBI3、並びに3つの腫瘍マーカー(CEA、CYFRA、及びProGRP)のいずれかを用いた組み合わせアッセイの感度又は偽陽性を示す。 肺癌患者又は手術後の患者におけるEBI3の血清濃度、EBIのROC曲線分析とCEA(NSCLC)又はpro−GRP(SCLC)のROC曲線分析との比較、及びEBI3に対するsiRNAによる肺癌細胞の成長の阻害を示す図である。EBI3に対するsiRNAによる肺癌細胞の成長の阻害を示す。上パネルは、半定量的RT−PCRにより分析した、A549細胞及びLC319細胞におけるEBI3発現に対する、si−EBI3(#1及び#2)及び対照siRNA(si−CNT/ON−target、si−LUC/ルシフェラーゼ)による遺伝子ノックダウン効果を示す。下パネルは、si−EBI3又は対照siRNAをトランスフェクトしたA549細胞及びLC319細胞のコロニー形成アッセイ及びMTTアッセイを示す。コラム:三連アッセイの相対吸光度。バー:標準偏差。 肺癌患者又は手術後の患者におけるEBI3の血清濃度、EBIのROC曲線分析とCEA(NSCLC)又はpro−GRP(SCLC)のROC曲線分析との比較、及びEBI3に対するsiRNAによる肺癌細胞の成長の阻害を示す図である。高いレベルのEBI3を発現する2つの独立した形質転換体(COS−7−EBI3−#1及びCOS−7−EBI3−#2、上パネル)及び対照(COS−7−M1及びCOS−7−M2)を各々三連で培養した。120時間後、細胞生存率をMTTアッセイ及びコロニー形成アッセイにより評価した(下パネル)。 肺腫瘍及び正常組織におけるDLX5の発現を示す図である。半定量的RT−PCRにより検査した、NSCLC(腺癌及び扁平上皮癌)及び正常肺組織の臨床試料における遠位欠失ホメオボックス5(DLX5)の発現を示す。 肺腫瘍及び正常組織におけるDLX5の発現を示す図である。半定量的RT−PCRにより明らかにした、肺癌細胞株におけるDLX5の発現を示す。βアクチン(ACTB)の発現を量的対照とした。 肺腫瘍及び正常組織におけるDLX5の発現を示す図である。共焦点顕微鏡法により検査したDLX5タンパク質の細胞内分布(subcellulardistribution)を示す。 肺腫瘍及び正常組織におけるDLX5の発現を示す図である。ノーザンブロット分析により検出した、正常ヒト組織におけるDLX5の発現を示す。 DLX5タンパク質発現の免疫組織化学的評価(immunohistochemicalevaluation)、及びその過剰発現とNSCLC患者に関する予後不良との関連性、及びSBC−5癌細胞におけるDLX5に対するsiRNAによる成長の阻害を示す図である。ウサギポリクローナル抗DLX5抗体を用いた免疫組織化学的染色(対比染色にはヘマトキシリンを用いた)により検出した、5種の正常ヒト組織及び肺SCCにおけるDLX5の発現を示す(×200)。ポジティブ染色は、胎盤(矢印)における合胞体栄養細胞層の細胞質及び/又は核、並びに肺癌細胞において見られた。 DLX5タンパク質発現の免疫組織化学的評価、及びその過剰発現とNSCLC患者に関する予後不良との関連性、及びSBC−5癌細胞におけるDLX5に対するsiRNAによる成長の阻害を示す図である。肺癌(SCC、×100)及び正常肺(×100)におけるDLX5の発現の代表的な例、並びにSCC陽性症例の拡大図(×200)を示す。 DLX5タンパク質発現の免疫組織化学的評価、及びその過剰発現とNSCLC患者に関する予後不良との関連性、及びSBC−5癌細胞におけるDLX5に対するsiRNAによる成長の阻害を示す図である。NSCLC患者におけるDLX5発現レベルによる腫瘍特異的な生存のカプラン・マイヤー分析の結果を示す。 DLX5タンパク質発現の免疫組織化学的評価、及びその過剰発現とNSCLC患者に関する予後不良との関連性、及びSBC−5癌細胞におけるDLX5に対するsiRNAによる成長の阻害を示す図である。SBC−5細胞において半定量的RT−PCRにより検出したDLX5発現のレベルを示す。対照siRNA(si−EGFP又はsi−スクランブル/SCR)又はsi−DLX5のいずれかによる治療の効果を、上部パネルに示す。MTTアッセイにより検出した、DLX5に対するsiRNAの細胞生存率に対する効果は、下部パネルに示す。 肺腫瘍におけるNPTX1の発現を示す図である。上部パネルは、半定量的RT−PCRにより検査した、15種の肺癌臨床試料(10種のNSCLC及び5種のSCLC)(T)及びそれらに対応する正常肺組織(N)におけるNPTX1の発現を示す。各々の一本鎖cDNAの適当な希釈物は臨床肺癌試料のmRNAから調製し、βアクチン(ACTB)の発現レベルを量的対照とする。下部パネルは、半定量的RT−PCRにより検査した、23種の肺癌細胞株におけるNPTX1の発現を示す。 肺腫瘍におけるNPTX1の発現を示す図である。ウエスタンブロット分析により検査した、4種の肺癌細胞株におけるNPTX1タンパク質の発現を示す。 肺腫瘍におけるNPTX1の発現を示す図である。4種の肺癌細胞株における内因性NPTX1タンパク質の細胞内局在化を示す。NPTX1は、NCI−H226細胞、NCI−H520細胞、及びSBC−5細胞においては粒状外観を呈した細胞の細胞質で染色されたが、NCI−H2170細胞では染色されなかった。 肺腫瘍におけるNPTX1の発現を示す図である。NPTX1を発現するNCI−H226細胞、NCI−H520細胞、及びSBC−5細胞、並びにNPTX1を発現しないNCI−H2170細胞からの馴化培地における、分泌NPTX1タンパク質のELISAによる検出を示す。 肺腫瘍におけるNPTX1の発現を示す図である。半定量的RT−PCRにより検査した、9種の臨床肺癌(下部パネル)及び23種の肺癌細胞株(上部パネル)におけるNPTX1及びNPTXRの発現を示す。 正常組織及び肺癌組織におけるNPTX1の発現を示す図である。ノーザンブロット分析により検出した、正常ヒト組織におけるNPTX1の発現を示す。 正常組織及び肺癌組織におけるNPTX1の発現を示す図である。代表的な肺腺癌(ADC)組織及び5種の正常組織(心臓、肝臓、腎臓、副腎)におけるNPTX1タンパク質の免疫組織化学的評価の結果を示す。 正常組織及び肺癌組織におけるNPTX1の発現を示す図である。組織マイクロアレイ上の抗NPTX1抗体を用いた代表的な肺腺癌(ADC)、肺扁平上皮癌(SCC)、及び小細胞肺癌(SCLC)におけるNPTX1の免疫組織化学的染色の結果を示す(原倍率:×200)。 正常組織及び肺癌組織におけるNPTX1の発現を示す図である。上部パネルは、肺ADCにおけるNPTX1発現が強い例、弱い例、及び発現のない例を示す。下部パネルは、NSCLC患者におけるNPTX1発現による腫瘍特異的な生存のカプラン・マイヤー分析を示す(P<0.0001、ログランク検定)。 肺癌患者及び健常ドナー又はCOPDの非腫瘍性肺疾患患者における、ELISAにより求められるNPTX1の血清濃度を示す図である。肺ADC、肺SCC、又はSCLCの患者に由来する血清におけるNPTX1の分布を示す。ADC患者と健常/COPD個体との間の差(P<0.001、マンホイットニーU検定)、SCC患者と健常/COPD個体との間の差(P=0.005)、及びSCLC患者と健常/COPD個体との間の差(P=0.0051)は有意であった。健常個体とCOPD個体との間の差は有意ではなかった。 肺癌患者及び健常ドナー又はCOPDの非腫瘍性肺疾患患者における、ELISAにより求められるNPTX1の血清濃度を示す図である。肺癌の様々な臨床段階での患者に由来する血清におけるNPTX1の分布を示す。LDは限局性疾患を意味する。EDは広範な疾患を意味する。 肺癌患者及び健常ドナー又はCOPDの非腫瘍性肺疾患患者における、ELISAにより求められるNPTX1の血清濃度を示す図である。NSCLC患者における外科手術の前及び後(手術後2ヶ月)のNPTX1の血清濃度を示す。 肺癌患者及び健常ドナー又はCOPDの非腫瘍性肺疾患患者における、ELISAにより求められるNPTX1の血清濃度を示す図である。同じNSCLC患者の原発性腫瘍組織における血清NPTX1レベル及びNPTX1の発現レベルを示す(原倍率:×100)。 NPTX1のオートクリン細胞成長効果を示す図である。NPTX1に対するsiRNAによる肺癌細胞の成長阻害を示す。上部パネルは、RT−PCR分析により分析した、A549細胞及びSBC−5細胞における、si−NPTX1(si−1、si−2)又は対照siRNA(LUC又はSCR)に応じたNPTX1の発現を示す。中央のパネルは、NPTX1に関して特異的なsiRNA又は対照プラスミドをトランスフェクトしたA549細胞及びSBC−5細胞のコロニー形成アッセイにより検査したコロニーの画像を示す。下パネルは、si−NPTX1、si−LUC、又はsi−SCRに応じた、MTTアッセイにより評価したA549細胞又はSBC−5細胞の生存率を示す。全てのアッセイは三連ウェルで3回実行した。 NPTX1のオートクリン細胞成長効果を示す図である。COS−7細胞において一過性に過剰発現されたNPTX1の成長促進効果を示す。上パネルは、ウエスタンブロット分析により検出した、COS−7細胞におけるNPTX1の一過性発現を示す。下パネルは、MTTアッセイ(左)及びコロニー形成アッセイ(右)により評価したCOS−7細胞の生存率を示す。 NPTX1のオートクリン細胞成長効果を示す図である。左パネルは、哺乳類細胞の成長に対するNPTX1のオートクリン/パラクリン効果を示す。細胞生存率はMTTアッセイにより計算した(COS−7細胞は最終濃度0nM、0.1nM、又は1nMのNPTX1で処理した)(PBSで示した右レーン)。MTTアッセイによって、COS−7細胞の培養培地におけるNPTX1タンパク質(0nM、0.1nM、又は1nM)の活性に対する抗NPTX1モノクローナル抗体(mAb−75−1、50nM)及び対照IgG(正常マウス、50nM)の競合的中和効果を評価する(抗NPTX1mAb及びIgGで示した左及び中央のレーン)。右パネルは、抗NPTX1モノクローナル抗体(25nM又は50nM)による、NPTX1を過剰発現した肺癌A549細胞のin vitro成長の用量依存的な阻害を示す。各々の実験は三連で行なった。 NPTX1のオートクリン細胞成長効果を示す図である。抗NPTX1抗体による各種肺癌細胞のin vitro成長の阻害を示す。MTTアッセイにより、抗NPTX1モノクローナル抗体(mAb−75−1、50nM)の、NPTX1を過剰発現する肺癌細胞株SBC−5(P=0.012、各々両側t検定)、並びにNPTX1を発現しない肺癌細胞株SBC−3及びNCI−H2170の成長に対する効果を評価する。各々の実験は三連で行なった。 NPTX1発現プラスミドをトランスフェクトした哺乳類細胞の浸潤能亢進を示す図である。アッセイにより、ヒトNPTX1に対する発現プラスミドをトランスフェクトした後のマトリゲルマトリクスにおけるNIH−3T3細胞の浸潤性を実証する。左上パネルは、ウエスタンブロット分析により検出したNIH−3T3細胞におけるNPTX1の一過性発現を示す。下パネルは、マトリゲル被覆フィルタを通って移動する細胞のギムザ染色(×200)及び数を示す。アッセイは各々三連ウェルで3回実行した。 ヌードマウスに移植したA549細胞に対する抗NPTX1モノクローナル抗体の効果を示す図である。上パネルには、抗NPTX1モノクローナル抗体(mAb−75−1、300μg/体重)又は正常マウスIgG(対照1、300μg/体重)で週2回処理した3匹のマウス、及び処理しなかった3匹のマウス(対照2)の平均腫瘍容積をプロットした。値は腫瘍容積の平均±標準誤差として表される。動物に各々の抗体を腹腔内注射により30日間週2回投与した。下パネルは、抗NPTX1抗体で処理した、HE染色した腫瘍(A549)の組織病理学的検査を示す。NPTX1抗体による処理の30日後、対照IgGで処理した腫瘍組織又は処理しなかった腫瘍組織と比較して、抗NPTX1抗体で処理した腫瘍組織においては、線維腫性(fibromatic)変化及び生癌細胞のより有意な減少が観察された。 成長促進経路におけるNPTX1とNPTXRとの相互作用を示す図である。NPTX1又はNPTXRを発現するCOS−7細胞を用いて共焦点顕微鏡法を行なった。緑色:NPTX1(myc)。赤色:NPTXR。左パネルでは、COS−7細胞をTriton X−100により透過処理し、NPTX1を検出する抗myc抗体により染色した。右パネルでは、COS−7細胞を、NPTX1に対する抗体(myc−tag)及びNPTXR抗体を用いて細胞外表面染色について染色した。 成長促進経路におけるNPTX1とNPTXRとの相互作用を示す図である。NPTX1又はNPTXRを発現するCOS−7細胞を用いて、共焦点顕微鏡法を行なった。左パネルでは、COS−7細胞をNPTX1(myc)及びNPTXR抗体を用いて細胞外表面染色について染色した。右パネルでは、細胞表面上のNPTX1を除去するためにグリシン治療を実行した。 成長促進経路におけるNPTX1とNPTXRとの相互作用を示す図である。NPTX1又はNPTXRを発現するSBC−5細胞(C)を用いて、共焦点顕微鏡法を行なった。左パネルでは、SBC−5細胞をNPTX1(myc)及びNPTXR抗体を用いて細胞外表面染色について染色した。右パネルでは、細胞表面上のNPTX1を除去するためにグリシン治療を実行した。 成長促進経路におけるNPTX1とNPTXRとの相互作用を示す図である。NPTXRに対するsiRNAによる肺癌細胞成長の阻害を示す。上パネルは、RT−PCR分析により分析した、A549細胞及びSBC−5細胞におけるsi−NPTX1(si−1及びsi−2)又は対照siRNA(si−LUC及びsi−SCR)に応じたNPTX1の発現を示す。下パネルは、NPTXRに対して特異的なsiRNA又は対照siRNAをトランスフェクトしたA549細胞及びSBC−5細胞のコロニー形成アッセイにより検査したコロニーの画像を示す。中央のパネルは、MTTアッセイにより評価した、si−NPTXR、si−LUC、又はsi−SCRに応じたA549細胞又はSBC−5細胞の生存率を示す。全てのアッセイは三連ウェルで3回実行した。 NPTXRとの結合後のNPTX1の内在化を示す図である。レシピエントCOS−7細胞を、NPTX1をトランスフェクトした(+)ドナーCOS−7細胞からの馴化培地と共にインキュベートした。c−mycタグ付きNPTX1が、レシピエント細胞をドナーの馴化培地で処理した3時間後に検出された。緑色:NPTX1。核はDAPIにより可視化した。(a)細胞を、NPTX1を検出するための抗myc抗体を用いて細胞外表面染色について染色した。(b)細胞をTriton X−100により透過処理し、NPTX1(myc)について染色した。(c)PBSで3時間処理した。 NPTXRとの結合後のNPTX1の内在化を示す図である。レシピエントSBC−5細胞を、NPTX1をトランスフェクトした(+)ドナーSBC−5細胞からの馴化培地と共にインキュベートした。c−mycタグ付きNPTX1が、レシピエント細胞をドナーの馴化培地で処理した3時間後に検出された。緑色:NPTX1。核はDAPIにより可視化した。(a)細胞を、NPTX1を検出するための抗myc抗体を用いて細胞外表面染色について染色した。(b)細胞をTriton X−100により透過処理し、NPTX1(myc)について染色した。(c)PBSで3時間処理した。 NPTXRとの結合後のNPTX1の内在化を示す図である。レシピエントCOS−7細胞は、ドナーNPTX1をトランスフェクトした(+)COS−7細胞からの馴化培地において、分泌されたNPTX1を時間に依存して取り込むように見えた。ドナーNPTX1をトランスフェクトした(+)COS−7細胞からの馴化培地でレシピエントCOS−7細胞を処理した1時間後又は3時間後、内在化したNPTX1を抗myc抗体を用いたウエスタンブロット法により検出した。 NPTX1を発現するCOS−7細胞からの馴化培地における、分泌された外因性NPTX1タンパク質のウエスタンブロット分析による検出を示す図である。 外因性NPTX1を発現するCOS−7細胞における、NPTX1のNPTXRタンパク質への結合の免疫沈降分析による検出を示す図である。 肺癌及び脳転移におけるCDKN3の発現を示す図である。半定量的RT−PCRにより検査した、NSCLCの臨床試料(T)及び対応する正常肺組織(N)におけるCDKN3の発現を示す。 肺癌及び脳転移におけるCDKN3の発現を示す図である。半定量的RT−PCRにより検査した、早期原発性NSCLC(I期〜IIIa期)、進行性原発性NSCLC(IIIb期〜IV期)、及びADCに由来する転移性脳腫瘍の臨床試料(T)、並びに正常肺組織(N)におけるCDKN3の発現を示す(上パネル)。PCR産物のデンシトメトリー強度(Densitometric intensity)を、画像分析ソフトウェアにより定量化した(下パネル)。 肺癌及び脳転移におけるCDKN3の発現を示す図である。ノーザンブロット分析により検出した、正常ヒト組織におけるCDKN3の発現を示す。 肺癌におけるCDKN3の発現、及びNSCLC患者に関する臨床転帰不良とのその関連性を示す図である。マウスモノクローナル抗CDKN3抗体を用いた免疫組織化学的染色(対比染色にはヘマトキシリンを用いた)により検出した、6種の正常ヒト組織及びNSCLC症例におけるCDKN3の発現を示す(×200)。 肺癌におけるCDKN3の発現、及びNSCLC患者に関する臨床転帰不良とのその関連性を示す図である。組織マイクロアレイ上での抗CDKN3抗体を用いた、代表的な手術で摘出したNSCLC(肺SCC)及び正常肺の免疫組織化学的染色の結果を示す(×100)。 肺癌におけるCDKN3の発現、及びNSCLC患者に関する臨床転帰不良とのその関連性を示す図である。NSCLC患者におけるCDKN3発現による腫瘍特異的な生存のカプラン・マイヤー分析を示す(ログランク検定によるP<0.0001)。 CDKN3と相互作用する新規の分子としてのEF−1β、EF−1γ、EF−1δ/ValRSの同定を示す図である。CDKN3と相互作用するタンパク質のスクリーニングを示す。銀染色によって示される140kDa、50kDa、31kDa、及び25kDaのバンドが抽出された。これらは抗CDKN3モノクローナル抗体を用いて免疫沈降させたLC319細胞に由来する細胞可溶化物において見られたが、正常マウスIgGを用いたものにおいては見られなかった。MALDI−TOF質量分析配列決定によるそれらのペプチド配列によって、個々のバンドがそれぞれVARS、EF−1γ、EF−1δ、EF−1βであると規定された。CDKN3タンパク質のバンドの位置は星印で示す。分子量マーカー(kDa)の位置は左側に示す。 CDKN3と相互作用する新規の分子としてのEF−1β、EF−1γ、EF−1δ/ValRSの同定を示す図である。半定量的RT−PCR分析により検出した、NSCLC細胞株におけるCDKN3、ValRS、EF−1γ、EF−1δ、EF−1β、及びそれらの関連分子CDK1の発現を示す。 肺癌におけるEF−1δの発現、及びNSCLC患者に関する臨床転帰不良とのその関連性を示す図である。ウエスタンブロット分析により検出した、肺癌細胞株におけるCDKN3及びEF−1δタンパク質の発現を示す。 肺癌におけるEF−1δの発現、及びNSCLC患者に関する臨床転帰不良とのその関連性を示す図である。組織マイクロアレイ上の抗EF−1δ抗体を用いた、NSCLC(肺SCC)及び正常肺を含む代表的な手術で摘出した試料の免疫組織化学的染色の結果を示す(×100)。 肺癌におけるEF−1δの発現、及びNSCLC患者に関する臨床転帰不良とのその関連性を示す図である。EF−1δ発現と、NSCLC患者における臨床転帰不良との関連性を示す。NSCLC患者におけるEF−1δ発現による腫瘍特異的な生存のカプラン・マイヤー分析を示した(ログランク検定によるP=0.0006)。 CDKN3によるEF−1δの脱リン酸化を示す図である。LC319細胞の抽出物に由来する内因性CDKN3及びEF−1δの免疫沈降により確認した、肺癌細胞におけるCDKN3とEF−1δとの関連性を示す。IP:免疫沈降、IB:免疫ブロット。 CDKN3によるEF−1δの脱リン酸化を示す図である。様々な細胞周期でのLC319細胞における内因性CDKN3(緑色)、及び内因性EF−1δ(赤色)の共局在化を示す。 CDKN3によるEF−1δの脱リン酸化を示す図である。外因性及び内因性のEF−1δのリン酸化を示す。外因性EF−1δを過剰発現するCOS−7細胞からの細胞抽出物(左パネル)、及びLC319細胞からの細胞抽出物(右パネル)をλタンパク質ホスファターゼ(λ−PPase)で処理した。λ−PPaseで処理した細胞抽出物においてバンドシフトが検出された。白矢印及び黒矢印は、それぞれリン酸化EF−1δ及び脱リン酸化EF−1δを示す。 CDKN3によるEF−1δの脱リン酸化を示す図である。LC319細胞において外因的に過剰発現されたCDKN3による、内因性EF−1δの脱リン酸化を示す。CDKN3発現ベクターをLC319細胞にトランスフェクトした。 EF−1δのCDKN3結合領域の同定を示す図である。CDKN3を一過性に過剰発現したCOS−7細胞における、外因性EF−1δの脱リン酸化を示す。内因性CDKN3及びEF−1δを弱く発現するCOS−7細胞に、Flag−HAタグ付きCDKN3発現ベクター、Flag−HAタグ付きEF−1δ−発現ベクター、又は2つの発現ベクターの両方をトランスフェクトした。これらの細胞からの全細胞抽出物を、抗HA抗体を用いたウエスタンブロット分析に使用した(左パネル)。斜線矢印、白矢印、及び黒矢印は、それぞれCDKN3、リン酸化EF−1δ、及び脱リン酸化EF−1δを示す。抗Flag抗体を用いて免疫沈降させたこれらの細胞抽出物を、抗ホスホセリン抗体を用いて免疫ブロットした(右パネル)。白矢印はリン酸化EF−1δを示す。IP:免疫沈降。IB:免疫ブロット。 EF−1δのCDKN3結合領域の同定を示す図である。EF−1δの配列スキームを示す。EF−1δの1つの完全長構築物及び4つの欠失構築物を示す。 EF−1δのCDKN3結合領域の同定を示す図である。EF−1δにおけるCDKN3と結合する領域の免疫沈降実験による同定を示す。EF−1δにおけるN末端160アミノ酸ポリペプチドを欠いた、EF−1δのl61〜281構築物は、LC319細胞において内因性CDKN3と相互作用するいかなる能力も保持しなかったが、これはEF−1δにおいてロイシンジッパーモチーフを含有する89アミノ酸ポリペプチド(コドン72〜160)が、CDKN3との相互作用において重要な役割を果たし得ることを示唆する。IP:免疫沈降。IB:免疫ブロット。 CDKN3又はEF−1δの肺癌細胞の成長に対する効果を示す図である。左上パネルは、半定量的RT−PCRにより分析した、LC319細胞におけるsi−CDKN3(si−A及びsi−B)又は対照siRNA(EGFP、ルシフェラーゼ(LUC)、又はスクランブル(SCR))に応じたCDKN3の発現を示す。右上パネルは、MTTアッセイにより評価した、si−CDKN3、si−EGFR、si−LUC、又はsi−SCRに応じたLC319細胞の生存率を示す。下パネルは、特異的なsiRNA又は対照プラスミドをトランスフェクトしたLC319細胞のコロニー形成アッセイを示す。 CDKN3又はEF−1δの肺癌細胞の成長に対する効果を示す図である。左上パネルは、半定量的RT−PCRにより分析した、LC319細胞におけるsi−EF−1δ(si−1及びsi−2)又は対照siRNA(EGFP、ルシフェラーゼ(LUC)、又はスクランブル(SCR))に応じたEF−1δの発現を示す。右上パネルは、MTTアッセイにより評価した、si−EF−1δ又は対照siRNAに応じたLC319細胞の生存率を示す。下パネルは、si−EF−1δ又は対照siRNAをトランスフェクトしたLC319細胞のコロニー形成アッセイの結果を示す。 細胞浸潤活性を増大し、Aktを活性化するCDKN3の能力を実証する図である。モックベクター又はCDKN3発現ベクターをトランスフェクトしたNIH−3T3細胞の浸潤能の増大を実証する、マトリゲル浸潤アッセイの結果を示す。マトリゲル被覆フィルタを通って浸潤する細胞の数を示す。 細胞浸潤活性を増大し、Aktを活性化するCDKN3の能力を実証する図である。半定量的RT−PCR分析により検出した、NSCLC細胞株におけるEF−1α1及びEF−1α2の発現を示す。 細胞浸潤活性を増大し、Aktを活性化するCDKN3の能力を実証する図である。LC319細胞の抽出物を用いた免疫沈降により確認した、肺癌細胞におけるCDKN3とEF−1αとの関連性を示す。IP:免疫沈降。IB:免疫ブロット(左パネル)。 細胞浸潤活性を増大し、Aktを活性化するCDKN3の能力を実証する図である。CDKN3発現ベクターをトランスフェクトしたLC319細胞におけるAkt−リン酸化を示す。CDKN3を発現する細胞からの総タンパク質抽出物を、抗Akt抗体、抗ホスホ−Akt抗体(Ser473)、抗Flag抗体、又は抗c−Myc抗体を用いたウエスタンブロット分析により検出した。モックベクターをトランスフェクトした細胞からのタンパク質抽出物を対照として使用し、βアクチンをローディング対照として使用した。 細胞浸潤活性を増大し、Aktを活性化するCDKN3の能力を実証する図である。モックベクター又はCDKN3発現ベクターをトランスフェクトしたNIH−3T3細胞を、LY294002又はDMSO(ビヒクル)と共にプレインキュベートし、浸潤能の増大を実証するマトリゲル浸潤アッセイを行なった。マトリゲル被覆フィルタを通って浸潤する細胞の数を示した。 EF−1δにおけるCDKN3結合領域の同定を示す図である。そのNH末端で膜形質導入11ポリアルギニン配列に共有結合した、5種の細胞透過性ペプチドの概略図を示す。EF−1δにおけるロイシンジッパーモチーフの配列、及びEF−1δに由来する5種の細胞透過性ペプチドを示す。 EF−1δにおけるCDKN3結合領域の同定を示す図である。MTTアッセイにより評価した、5種の細胞透過性ペプチドに応じたLC319細胞の生存率を示す(上パネル)。免疫沈降により検出した、11R−EF−1δ90〜108ペプチドで処理したLC319細胞における内因性CDKN3とEF−1δタンパク質との間の複合体形成の減少を示す(下パネル)。
(i)ポリクローナル抗体:
ポリクローナル抗体は、動物において関連抗原及びアジュバントの頻回皮下(sc)又は腹腔内(ip)注射により生じさせるのが好ましい。本発明では、抗原は、配列番号88若しくは配列番号89、又は配列番号61等のEF−1δのCDKN3結合領域を含むポリペプチドであるがこれに限定されない。二官能性物質又は誘導体化剤、例えばマレイミドベンゾイルスルホスクシンイミドエステル(システイン残基を介する共役)、N−ヒドロキシスクシンイミド(リシン残基を介する)、グルタルアルデヒド、無水コハク酸、SOC1、又はR’N=C=NR(式中、R’及びRは異なるアルキル基である)を用いて、免疫化される種において免疫原性のあるタンパク質、例えばキーホールリンペットヘモシアニン、血清アルブミン、ウシサイログロブリン、又はダイズトリプシン阻害因子と、関連抗原とを共役させることが有用であり得る。
所望の特異性、親和性、及び/又は活性を有する抗体を産生するハイブリドーマ細胞を同定した後、そのクローンを限界希釈法によってサブクローニングし、標準的な方法(Goding, Monoclonal Antibodies: Principles and Practice, pp. 59-103 (Academic Press, 1986))によって成長させてもよい。この目的に適した培養培地には、例えばD−MEM培地又はRPMI−1640培地が含まれる。また、ハイブリドーマ細胞を動物において腹水腫瘍として、in vivoで成長させてもよい。
ヒト抗体はまた、in vitro活性化B細胞によって作り出してもよい(米国特許第5,567,610号明細書及び同第5,229,275号明細書を参照)。SCIDマウスを用いてヒト抗体を作り出す好ましい手段は、共有の(commonly-owned)同時係属中の出願に開示されている。
本発明の二本鎖分子を含有する組成物
上記の他に、本発明はまた、分子をコードする、本発明の二本鎖分子又はベクターの少なくとも1つを含む医薬組成物を提供する。特に本発明は、以下の組成物[1]〜[25]を提供する:
[1]互いにハイブリダイズして二本鎖分子を形成するセンス鎖及びそれに相補的なアンチセンス鎖から成る、EBI3、CDKN3、EF−1δ、又はNPTXRの発現及び細胞増殖を阻害する少なくとも1つの単離二本鎖分子を含む、癌細胞の成長を阻害し、癌を治療するための組成物(該癌細胞及び癌はEBI3、CDKN3、EF−1δ又はNPTXR遺伝子の中から選択される少なくとも1つの遺伝子を発現する)、
[2]二本鎖分子が配列番号18(配列番号1の679nt〜697ntの位置)、配列番号20(配列番号1の280nt〜298ntの位置)、配列番号49(配列番号5の310nt〜328ntの位置)、配列番号51(配列番号7の225nt〜243ntの位置)、配列番号84(配列番号86の1280nt〜1298ntの位置)、及び配列番号85(配列番号86の1393nt〜1411ntの位置)の中から選択される標的配列と一致するmRNAで作用する、[1]に記載の組成物、
[3]二本鎖分子において、センス鎖が配列番号18、配列番号20、配列番号49、配列番号51、配列番号84、及び配列番号85の中から選択される標的配列に対応する配列を含有する、[2]に記載の組成物、
[4]治療される癌が肺癌である、[1]に記載の組成物
[5]肺癌がNSCLC又はSCLCである、[4]に記載の組成物
[6]組成物が複数種の二本鎖分子を含有する、[1]に記載の組成物、
[7]複数種の二本鎖分子が同じ遺伝子を標的とする、[6]に記載の組成物。
[8]二本鎖分子が約100ヌクレオチド長未満である、[3]に記載の組成物。
[9]二本鎖分子が約75ヌクレオチド長未満である、[8]に記載の組成物。
[10]二本鎖分子が約50ヌクレオチド長未満である、[9]に記載の組成物。
[11]二本鎖分子が約25ヌクレオチド長未満である、[10]に記載の組成物。
[12]二本鎖分子が約19ヌクレオチド〜約25ヌクレオチド長の間である、[11]に記載の組成物。
[13]二本鎖分子が、介在一本鎖によって連結される、センス鎖とアンチセンス鎖とを含む単一ポリヌクレオチドから成る、[1]に記載の組成物。
[14]二本鎖分子が一般式:5’−[A]−[B]−[A’]−3’(式中、[A]は配列番号18、配列番号20、配列番号49、配列番号51、配列番号84、及び配列番号85の中から選択される標的配列に対応する配列を含有するセンス鎖配列であり、[B]は3個〜23個のヌクレオチドから成る介在一本鎖であり、[A’]は[A]に相補的な配列を含有するアンチセンス鎖である)を有する、[13]に記載の組成物、
[15]二本鎖分子がRNAである、[1]に記載の組成物。
[16]二本鎖分子がDNA及び/又はRNAである、[1]に記載の組成物。
[17]二本鎖分子がDNAポリヌクレオチドとRNAポリヌクレオチドとのハイブリッドである、[16]に記載の組成物。
[18]センス鎖ポリヌクレオチドとアンチセンス鎖ポリヌクレオチドとがそれぞれ、DNAとRNAとから成る、[17]に記載の組成物。
[19]二本鎖分子がDNAとRNAとのキメラである、[16]に記載の組成物。
[20]アンチセンス鎖の3’末端に隣接する領域、又はセンス鎖の5’末端に隣接する領域及びアンチセンス鎖の3’末端に隣接する領域の両方がRNAから成る、[19]に記載の組成物、
[21]隣接領域が9個〜13個のヌクレオチドから成る、[20]に記載の組成物。
[22]二本鎖分子が3’オーバーハングを含有する、[1]に記載の組成物。
[23]二本鎖分子がベクターによってコードされ、組成物に含有される、[1]に記載の組成物。
[24]二本鎖分子が一般式:5’−[A]−[B]−[A’]−3’(式中、[A]は配列番号18、配列番号20、配列番号49、配列番号51、配列番号84、及び配列番号85の中から選択される標的配列に対応する配列を含有するセンス鎖であり、[B]は3個〜23個のヌクレオチドから成る介在一本鎖であり、[A’]は[A]に相補的な配列を含有するアンチセンス鎖である)を有する、[23]に記載の組成物、並びに
[25]トランスフェクション増強剤と薬学的に許容可能な担体とを含む、[1]に記載の組成物。
本発明によれば、組成物は、複数種の二本鎖分子を含有することができ、その分子のそれぞれが、EBI3、CDKN3、EF−1δ、及び/又はNPTXRの同じ標的配列又は異なる標的配列に指向性を有し得る。例えば、組成物は、EBI3、CDKN3、EF−1δ又はNPTXRに指向性を有する二本鎖分子を含有することができる。代替的に、例えば組成物は、EBI3、CDKN3、EF−1δ及びNPTXRから選択される、1つ、2つ又はそれ以上の標的配列に指向性を有する二本鎖分子を含有することができる。
本発明において、「血液試料におけるEBI3又はNPTX1のレベル」とは、全血における赤血球容積を補正した後、血中に存在するEBI3又はNPTX1の濃度を指す。当業者は、血中の赤血球容積率が個体間で大きく異なることを認識するであろう。例えば、全血における赤血球の割合は男性と女性との間で非常に異なる。さらに、個体間の差は無視することはできない。したがって、血球成分を含む全血中の物質の見かけの濃度は、赤血球容積率に応じて大きく異なる。例えば、血清中の濃度が同じであっても、大量の血球成分を有する試料に対する測定値は、少量の血球成分を有する試料に対する値より低くなる。したがって、血中の成分の測定値を比較するために、赤血球容積を補正した値が通常使用される。
II部:DLX5関連実験
実施例 一般的方法
1.肺癌細胞株及び組織試料
この研究において使用されるヒト肺癌細胞株は以下のようであった:肺腺癌(ADC)、A427、A549、LC319、PC3、PC9、及びNCI−H1373;細気管支肺胞上皮癌(BAC)、NCI−H1781;肺扁平上皮癌(SCC)、RERF−LC−AI、SK−MES−1、EBC−I、LU61、NCI−H520、NCI−H1703、及びNCI−H2170;肺腺扁平上皮癌(ASC)、NCI−H226及びNCI−H647;肺大細胞癌(LCC)、LX1;並びに小細胞肺癌(SCLC)、DMS114、DMS273、SBC−3、及びSBC−5。全ての細胞を10%ウシ胎仔血清(FCS)を補充した適当な培地において単層で成長させ、5%COの加湿空気の雰囲気で37℃に維持した。ヒト末梢気道上皮細胞(SAEC)は、Cambrex Bio Science Inc.(Walkersville,MD)から購入した最適化培地(SAGM)において成長させた。14種の原発性NSCLC(7種のADC及び7種のSCC)を、以前に記載されているように(Kato T, et al., Cancer Res 65: 5638-46 (2005))、書面によるインフォームドコンセントを行なった上で患者から得た。合計で369種のNSCLC及び隣接正常肺組織の組織マイクロアレイ上での免疫染色用の試料は、埼玉県立がんセンター(埼玉県、日本)において根治的外科手術を受ける患者から得た。この研究及び全ての臨床材料の使用は、企業研究倫理委員会によって認可されたものであった
実施例 肺癌及び正常組織におけるDLX5遺伝子の発現
肺癌に対する新規の治療剤及び/又はバイオマーカーの開発のための標的分子を同定するために、初めに、分析した86種のNSCLC又は15種のSCLCの50%より多くにおいて、5倍以上の発現を示す遺伝子についてcDNAマイクロアレイによるスクリーニングを実行した(Kikuchi T, et al. Oncogene. 2003 Apr 10;22 (14): 2192-205、Taniwaki M, et al, Int J Oncol. 2006 Sep; 29(3): 567-75、Kakiuchi S, et al. Mol Cancer Res. 2003 May; 1(7): 485-99)。スクリーニングした27648種の遺伝子のうち、DLX5遺伝子が肺癌の大部分において過剰発現されることが同定され、半定量的RT−PCR実験によって14種のさらなるNSCLC症例のうち9種(7種のADCのうち2種及び7種のSCCの全て)(図5A)並びに23種の肺癌細胞株のうち10種においてその過剰発現が確認されたが、一方で正常気管支上皮に由来するSAEC細胞においては、その発現はほとんど検出不可能であった(図5B)。肺癌細胞における内因性DLX5の細胞内局在化を求めるために、続いてヒトDLX5に特異的なウサギポリクローナル抗体を作出し、SBC−5細胞の核において強く染色され、細胞質において弱く染色されることを見出した(図5C)。DLX5のcDNAをプローブとして用いたノーザンブロット分析により、検査した23種の組織のうち胎盤においてのみ1.8kbの転写産物に対応する強いシグナルを同定した(図5D)。さらに、5種の正常組織(心臓、肝臓、腎臓、肺、及び胎盤)におけるDLX5タンパク質の発現を、抗DLX5ポリクローナル抗体を用いて免疫組織化学的分析により肺癌における発現と比較した。ノーザン分析の結果と一致して、胎盤及び肺癌においてはDLX5の発現が観察されたが、他の4種の正常組織においてはほとんど検出不可能であった(図6A)。
実施例10 NSCLC患者でのDLX5発現と予後不良との関連性
DLX5の臨床病理的意義を確認するために、DLX5タンパク質の発現を、根治性の外科的切除を受けた369人の患者由来の肺癌組織を含有する組織マイクロアレイによりさらに検査した。DLX5発現パターンを欠損/弱(0〜1+にスコア付け)〜強(2+)の範囲で組織アレイ上で分類した(図6B)。ポジティブ染色が、234種中191種(81.6%)のADC腫瘍、95種中80種(84.2%)のSCC腫瘍、27種中24種(88.9%)のLCC腫瘍、及び13種中10種(76.9%)のASC腫瘍で見出された。次にDLX5発現(強陽性対弱陽性/欠損)と様々な臨床病理的パラメータとの相関関係を検査し、pT分類との有意な相関関係が見出された(大きい腫瘍でより高い、P=0.0053、フィッシャーの直接確率検定)(表3A)。
検査した369件のNSCLC症例の中で、DLX5が160症例で強く染色され(43.4%、スコア2+)、145症例で弱く染色され(39.3%、スコア1+)、及び64症例で染色されなかった(17.3%、スコア0)(詳細を表3Aに示す)。腫瘍が強いDLX5発現を示したNSCLC患者は、欠損/弱いDLX5発現のものに比べて腫瘍特異的な生存期間が短いことを明らかにした(P=0.0045、ログランク検定、図6C)。また単変量分析は、患者の予後と、年齢(65歳未満対65歳以上)、性別(女性対男性)、組織型(ADC対非ADC)、pT分類(T1対T2、T3、T4)、pN分類(N0対N1、N2)、及びDLX5状態(0、1+対2+)を含む他の因子との関連性を評価するのに適用した。
(表3A)NSCLC組織におけるDLX5陽性度と患者の特性との間の関連性(n=369)
Figure 2010536366
(表3B)NSCLCの患者における予後因子のCox比例ハザードモデル分析
Figure 2010536366
実施例11 DLX5に対する特定のsiRNAによるNSCLC細胞の成長阻害
DLX5が肺癌細胞の成長又は生存に不可欠であるか否かを判定するために、DLX5に対するsiRNA(si−DLX5−#1及びsi−DLX5−#2)を発現するプラスミド及び2つの対照プラスミド(EGFP及びスクランブルに対するsiRNA)を構築し、肺癌細胞株、SBC−5及びNCI−H1781にトランスフェクトした。si−DLX5−#2をトランスフェクトした細胞におけるmRNAレベルは、これらの2つの対照siRNA又はsi−DLX5−#1のいずれかをトランスフェクトしたものに比べて有意に低下した。コロニー数及びMTTアッセイによって測定された生細胞の数で有意な低下が観察され、このことによりDLX5の上方制御が、癌細胞の成長又は生存に関連することが示唆された(SBC−5の代表的なデータを図6Dに示す)。
パートIII:NPTX1関連実験
実施例12 一般的方法
1.細胞株及び組織試料
この試験で使用される23種のヒト肺癌細胞株としては、9種の腺癌(ADC;A427、A549、LC319、PC−3、PC−9、PC−14、NCI−H1373、NCI−H1666及びNCI−H1781)と、9種の扁平上皮癌(SCC;EBC−1、LU61、NCI−H226、NCI−H520、NCI−H647、NCI−H1703、NCI−H2170、RERF−LC−AI、及びSK−MES−1)と、1種の大細胞癌(LCC;LX1)と、4種の小細胞肺癌(SCLC;DMS114、DMS273、SBC−3及びSBC−5)とが挙げられる。全ての細胞を、10%ウシ胎仔血清(FCS)を添加した適当な培地中で単層で成長させ、5%COで加湿空気雰囲気下で37℃に維持した。ヒト末梢気道上皮細胞(SAEC)をCambrex Bio Science Inc.(Walkersville, MD)から購入した最適化培地(SAGM)中で成長させた。初代の肺癌組織試料は、以前に記載されたように(Kikuchi 2003、Taniwaki 2006)、書面によるインフォームドコンセントにより取得した。238種のADC、95種のSCC、28種のLCC、及び13種のASC、及び隣接正常肺組織を含む、合計で374種の原発性NSCLCのホルマリン固定試料は、埼玉県立がんセンター(埼玉県、日本)において外科手術を受けた患者から臨床病理的データと共に早期に得た。13種のSCLCを、広島大学(広島県、日本)で剖検を受けた個体から得た。腫瘍検体の組織学的分類は、WHO基準に基づいていた(Travis WD)。NSCLC検体及び死後材料(ADCを有する2個体)由来の5種の組織(心臓、肝臓、肺、腎臓、及び副腎)も広島大学から入手した。この研究及び言及した全ての臨床材料の使用は、個々の倫理審査委員会によって認可されたものであった。
実施例13 肺腫瘍及び正常組織におけるNPTX1発現
治療剤の開発のための新規の標的分子及び/又は肺癌に対する診断上のバイオマーカーを求めるために、初めにcDNAマイクロアレイ(Kikuchi, 2003, 2006, Kakiuchi, 2004, Taniwaki)によって分析された101種の肺癌試料の半分以上において、正常な細胞よりも癌細胞で3倍を超える高い発現レベルを示した遺伝子をスクリーニングした。スクリーニングした27648個の遺伝子の中で、NPTX1の過剰発現が、検査した肺癌の大部分で同定され、15種の内10種のさらなる肺癌組織及び23種の内17種の肺癌細胞株において半定量的RT−PCR実験によってそのトランス活性化を確認した(図7A、上パネル及び下パネル)。その後ヒトNPTX1に特異的なマウスモノクローナル抗体を生成し、4つの肺癌細胞株(3つのNPTX1陽性細胞株:NCI−H226、NCI−H520、及びSBC−5対1つのNPTX1陰性細胞株、NCI−H2170)及び末梢気道上皮由来細胞(SAEC)における内因性NPTX1タンパク質の発現として、ウエスタンブロット分析により確認した(図7B)。
実施例14 NPTX1発現と予後不良との関連性
NPTX1の生物学的及び臨床病理的な意義を確認するために、NPTX1タンパク質の発現を、374人のNSCLC患者由来の原発性NSCLC組織と、13人の患者由来のSCLC組織とを含有する組織マイクロアレイにより検査した。NPTX1に関する陽性細胞質染色が、手術で切除したNSCLCの56.1%(210/374)及びSCLCの69.2%(9/13)で観察され、検査した正常肺組織のいずれにおいても染色は観察されなかった(図8C)。次にそのポジティブ染色と、374人のNSCLC患者における様々な臨床病理的パラメータとの相関を検査した。組織アレイ上で、NPTX1発現パターンを、欠損(0でスコア付け)から弱/強陽性(1+〜2+とスコア付け)の範囲で分類した(図8D、上パネル、方法を参照されたい)。
(表1B)NSCLCの患者における予後因子のCox比例ハザードモデル分析
Figure 2010536366
実施例15 肺癌患者におけるNPTX1の血清レベル
NPTX1が分泌タンパク質をコードするので、NPTX1タンパク質が肺癌患者の血清に分泌されたか否かを研究した。ELISA実験によって、329人の肺癌患者由来の血清学的試料の大部分でNPTX1が検出され、肺癌患者におけるNPTX1の血清レベルは、1.36±1.60ng/ml(平均±1SD)であり、健常個体におけるNPTX1の血清レベルは0.59±0.44ng/mlであった(差異は、マンホイットニーU検定ではP値が0.001未満で有意であった;図9A)。肺癌の組織型に従って、NPTX1の血清レベルは、ADC患者で1.41±1.27ng/mlであり、SCC患者で1.09±0.95ng/mlであり、SCLC患者で1.42±2.33ng/mlであり、3つの組織型間の差異は有意なものではなかった。NPTX1の血清レベルは、良性肺疾患のCOPD患者で0.67±0.48ng/mlであった。肺癌患者でのNPTX1の血清レベルは、正常ボランティア及びCOPD患者のものより有意に高かった(P<0.0001)。初期段階の腫瘍を有する患者であっても高レベルの血清NPTX1が検出された。有意には、初期段階疾患(I期〜IIIA期又はLD期)の患者由来の血清よりも局所進行性肺癌(IIIB期)又は遠隔器官転移(IV期又はED期)の患者由来の血清で、さらなるレベルのNPTX1がより一般的であった(図9B)。これらの329人の癌患者及び102人の健常な対照のデータによって作成した受信者動作特性(ROC)曲線を用いて、このアッセイにおけるカットオフレベルは、NPTX1に最適な診断精度と尤度比とを与えるように、即ちNPTX1で1.28ng/ml(NSCLCで41.5%、ADCで44.3%、SCCで29.4%、及びSCLCで31.2%の感度で)及びNSCLCで96.1%の特異度で)に設定された。80人のCOPD患者の中で、7人(8.8%)が陽性NPTX1レベルを有していた。次に同じ患者で血清NPTX1レベルをモニタリングするために、対となる術前及び術後の(手術後2ヶ月の)4人のNSCLC患者由来の血清試料を使用してELISA実験を実施した。原発腫瘍の外科的切除後、血清NPTX1濃度が劇的に低減した(図9C)。本発明者らはさらに、手術前に血清を採取した12人のNSCLC症例(6人のNPTX1陽性の腫瘍を有する患者及び6人のNPTX1陰性の腫瘍を有する患者)の同じ組において、原発性腫瘍で血清NPTX1値をNPTX1の発現レベルと比較した。血清NPTX1のレベルは、原発性腫瘍でNPTX1の発現レベルと良好な相関関係を示した(図9D)。その結果により独立して、初期段階での癌の検出、並びに腫瘍の切除及び疾患の再発のモニタリングのためのバイオマーカーとしての血清NPTX1の高い特異性及び大きな可能性が支持される。
実施例16 腫瘍マーカーとしてのNPTX1、CEA、CYFRA及びProGRPの組み合わせアッセイ
また、診療所において腫瘍検出バイオマーカーとして血清NPTX1レベルの臨床的有用性を評価するために、癌患者及び対照個体由来の同じ組の血清試料において2つの従来の腫瘍マーカー(ADC患者ではCEA、SCC患者ではCYFRA、及びSCLC患者ではproGRP)の血清レベルもELISAによって測定した。ROC分析によって求められるこのアッセイにおけるカットオフレベルは、最適な診断精度及び尤度比をもたらすように、CEAではすなわち2.5ng/ml(ADCでは38.4%の感度で及び98.0%の特異度で)、CYFRAではすなわち2.0ng/ml(SCCでは29.4%の感度で及び98.0%の特異度で)及びproGRPではすなわち、46.0pg/ml(SCLCでは62.4%の感度で及び99.0%の特異度で)に設定された。血清NPTX1とCEA値との間の相関係数は有意ではなかった(スピアマンの順位相関係数:p=0.109、P=0.1474)。
実施例17 肺癌細胞に対するNPTX1のオートクリン成長促進効果
NPTX1の上方制御が肺癌細胞の成長又は生存に関与するか否かを判定するために、2つの異なる対照プラスミド(ルシフェラーゼ(LUC)、及びスクランブル(SCR)に対するsiRNA)と共に、NPTX1に対するsiRNA(si−NPTX1−1、si−NPTX1−2)を発現するようにプラスミドを設計及び構築し、それらをA549細胞及びSBC−5細胞にトランスフェクトし、内因性NPTX1の発現を抑制した。si−NPTX1−2をトランスフェクトした細胞におけるNPTX1の量は、2つの対照siRNAのいずれかをトランスフェクトした細胞に比べて有意に低減した(図10A、上パネル)。si−NPTX1−1は、NPTX1発現に対する抑制効果をほとんど示さなかった。遺伝子発現レベルに対する抑制効果と一致して、トランスフェクトしたsi−NPTX1−2は、コロニー形成アッセイ及びMTTアッセイによって測定されたコロニー数及び細胞生存率の有意な低減をもたらすが、かかる効果は、2つの対照siRNA又はsi−NPTX1−1では観察されなかった(図10A、中央及び下パネル)。
実施例18 NPTX1による細胞浸潤の活性化
組織マイクロアレイ上での免疫組織化学的分析によって、NPTX1強陽性腫瘍を有するNSCLC患者が、NPTX1弱陽性又はNPTX1陰性腫瘍を有するNSCLC患者よりも短い癌特異的な生存期間を示すことが示唆されたので、NIH−3T3細胞を使用してマトリゲルアッセイを用いて、細胞浸潤におけるNPTX1の考え得る役割を検査した。NPTX1のcDNAのNIH−3T3細胞へのトランスフェクションは、モックベクターをトランスフェクトした細胞に比べて、マトリゲルによるその浸潤活性を有意に高めた(図11)。
実施例19 in vivoでの抗NPTX1モノクローナル抗体による肺癌細胞の成長の阻害
本発明はさらに、マウスモデルにおける治療的薬剤としての抗NPTX1抗体のin vivo腫瘍抑制効果を研究した。本発明者らは、A549細胞を7週齢の雌BALB/cヌードマウス(nu/nu)の皮下に移植し、30日間、1週間に2回、300μg/体の親和性精製した抗NPTX1モノクローナル抗体(mAb−75−1)、又は正常マウスIgG(対照)を腫瘍に投与した。抗NPTX1モノクローナル抗体(mAb−75−1)により、A549肺癌の成長が有意に抑制されたが、同じ用量の正常マウスIgGは腫瘍成長に影響を与えなかった(P=0.016、それぞれ両側t検定;図12、上パネル)。切除腫瘍の凍結切片を用いたHE染色により、抗NPTX1抗体で処理した腫瘍組織において生癌細胞の有意な繊維腫変化及び減少が検出された(図12、下パネル)。まとめると、これらの結果により、抗NPTX1モノクローナル抗体(mAb−75−1)がin vitro及びin vivoでの癌細胞に対する成長抑制効果を有することが明らかになった。
実施例20 成長促進経路におけるNPTX1に対する受容体としてのNPTXR
既知のNPTX1受容体、NPTXRは、シナプス前ヘビ毒毒素タイポキシンのシナプスへの輸送に関与することが示唆され、これはシナプス残屑の除去に関与する新規のニューロンへの取り込み経路を表し得る(Kirkpatrick LL, et al., J Biol Chem 278:17786-92(2000), Dodds DC, et al., J Biol Chem 272(34):21488-94(1997))。NPTXR遺伝子が、肺癌で発現されたか否か、及び成長促進効果に関与していたか否かを研究するために、本発明者らは、半定量的RT−PCR実験によって肺癌細胞株及び臨床組織におけるNPTXRの発現を分析した。NPTXRは、肺癌試料で比較的高いレベルで発現されたが、正常肺では発現されなかった(図7E)。NPTXRの発現パターンは、これらの腫瘍におけるNPTX1発現との良好な一致を示した。上記のように、NPTX1のオートクリン成長促進効果に関して検査したCOS−7細胞は、半定量的RT−PCR分析及び免疫組織化学分析により、内因的にNPTXRを発現することを確認した(データ図示せず)。このデータによって、NPTX1が肺癌細胞におけるNPTXRとの相互作用によって、その成長促進効果を媒介すると考えられることが示唆された。
実施例21 NPTXRとの結合後のNPTX1の内在化
NPTX1/NPTXRシグナル伝達の調節に関与する機構を求めるために、本発明者らは、NPTX1及びNPTXRの細胞内分布の共焦点顕微鏡観察によって、NPTX1/NPTXRは、細胞が分泌NPTX1に曝されると内在化し得るか否かを検査した。レシピエントCOS−7細胞又はSBC−5細胞は、培地においてカバースリップ上で37℃で一晩成長させた。また、NPTX1ベクターをトランスフェクトしたドナーCOS−7細胞又はSBC−5細胞の上清を採取した。それから、レシピエントCOS−7細胞又はSBC−5細胞を、ドナー細胞の上清と3時間インキュベートした。本発明者らは、免疫組織化学法によってNPTX1とこれらの細胞の表面との結合を検出した(図14A及び図14B)。また、これらの2つの細胞株の表面上で外因性NPTX1と内因性NPTXRとの共局在化が観察された(データ図示されず)。それから、膜透過条件下で免疫組織化学法を行ない、本発明者らは内在化した外因性NPTX1を検出した(図14A及び図14B)。レシピエントCOS−7細胞のドナーNPTX1トランスフェクト(+)COS−7細胞由来の馴化培地による処理の1時間又は3時間後、内在化したNPTX1が、抗myc抗体を用いたウエスタンブロット法によって検出された。レシピエントCOS−7細胞は、ドナーNPTX1トランスフェクト(+)COS−7細胞由来の馴化培地において時間に依存的に分泌NPTX1を取り込むと考えられた(図14C)。全ての分析は、実験者の処理条件の知識なしの盲検で実行した。
パートIV:CDKN3及びEF−1δ関連実験
実施例22 一般的方法
1.細胞株及び臨床組織試料
この試験で使用される15種のヒト肺癌細胞株は以下のようであった:15種のNSCLC;LC176、LC319、A549、NCI−H23、NCI−H226、NCI−H552、PC3、PC9、PC14、SK−LU−1、EBC−1、RERF−LC−AI、SK−MES−1、SW900、及びSW1573。全ての細胞を、10%ウシ胎仔血清(FCS)を添加した適当な培地中で単層で成長させ、5%COで加湿空気雰囲気下で37℃に維持した。ヒト末梢気道上皮細胞(SAEC)をCambrex Bio Science Inc.(Walkersville, MD)から購入した最適化培地(SAGM)中で成長させた。7種のADC及び7種のSCCを含む原発性NSCLCは、他で記載したように(Kikuchi et al., 2003)取得した。243種のADC、102種のSCC、28種のLCC、及び12種の腺扁平上皮癌(ASC)、及び隣接正常肺組織を含む、合計で385種の原発性NSCLCのホルマリン固定試料は、埼玉県立がんセンター(埼玉県、日本)において根治的外科手術を受ける患者から臨床病理的データと共に早期に得た。NSCLC検体及び死後材料(SCCを有する2個体)由来の5種の組織(心臓、肝臓、肺、腎臓、及び胃)も広島大学から入手した。この研究及び全ての臨床材料の使用は、個々の研究倫理審査委員会によって認可されたものであった。
実施例23 肺腫瘍及び正常組織におけるCDKN3発現
治療剤及び/又は診断上のバイオマーカーの開発のための新規の標的分子を検索するために、初めにcDNAマイクロアレイにより分析した101種の肺癌の50%より多くで3倍を超える発現を示す遺伝子をスクリーニングした。スクリーニングした27648個の遺伝子の中で、サイクリン依存性キナーゼ抑制因子3(CDKN3)をコードする遺伝子が、肺癌で頻繁に過剰発現され、CDKN3発現の増大が14件中12件のさらなるNSCLC症例(7件中6件の腺癌(ADC)及び7件中6件の扁平上皮癌(SCC))で確認されたことが同定された(図16A)。興味深いことに、初期段階の原発性肺腫瘍のものと比べて、CDKN3のより高い発現パターンが、脳転移及び進行性原発性肺腫瘍(腺癌、ADC)で観察された(図16B)。プローブとしてのCDKN3のcDNAによるノーザンブロット法により、23種の検査した正常ヒト組織の中において睾丸で0.9kb転写産物に対応する強い強いシグナルが同定され、胸腺、結腸、胃及び骨髄で非常に弱いシグナルが同定された(図16C)。また、CDKN3タンパク質の発現を6つの正常組織(心臓、肝臓、腎臓、肺、結腸及び睾丸)で抗CDKN3抗体によって検査し、CDKN3が睾丸(主に一次***細胞の細胞質)及び肺癌で豊富に発現されたが、その発現は、残りの5つの正常組織ではほとんど検出することができなかったことを見出した(図17A)。
実施例24 CDKN3過剰発現と予後不良との関連性
CDKN3の生物学的及び臨床病理的意義を確認するために、臨床NSCLCにおけるCDKN3タンパク質発現を、385人の患者由来のNSCLC組織及び15人の患者由来のSCLC組織を含有する組織マイクロアレイにより検査した。CDKN3に対するポジティブ染色(細胞質及び核)が、手術で切除したNSCLCの65.7%(253/385)及びSCLCの80.0%(12/15)で観察されたが、検査した正常肺組織のいずれでも染色は観察されなかった(図17B)。それから、ポジティブ染色と様々な臨床病理的パラメータとの間の相関関係を385人のNSCLC患者で検査した。SCLCの試料サイズはさらに評価するには小さすぎた。性別(男性でより高い、P=0.0054、フィッシャーの直接確率検定)、組織学的分類(非ADCでより高い、P<0.0001、フィッシャーの直接確率検定)、及びpN段階(N1、N2でより高い、P=0.0057、フィッシャーの直接確率検定)が有意にCDKN3陽性度に関連していた(表4A)。腫瘍がCDKN3のポジティブ染色を示したNSCLC患者は、CDKN3発現が欠損したものと比べて腫瘍特異的な生存期間が短いことを明らかにした(P<0.0001、ログランク検定)(図17C)。単変量分析によって、高齢(65歳以上)、男性、非ADC組織学的分類、進行性pT段階、進行性pN段階及びCDKN3陽性度は全て、NSCLC患者では腫瘍特異的な生存率が低いことと有意に関連していた(表4B)。予後因子の多変量分析では、高齢、進行性pT段階、進行性pN段階及びCDKN3陽性度が独立した予後因子であることを示していた(表4B)。
(表4B)NSCLCにおける予後因子のCox比例ハザードモデル分析
Figure 2010536366
実施例25 CDKN3と相互作用する新規の分子としてのEF−1β−γ−δ/ValRSの同定
発癌におけるCDKN3の機能を解明するために、肺癌細胞においてCDKN3と相互作用するタンパク質を求めた。LC319細胞由来の細胞抽出物を抗CDKN3モノクローナル抗体又はマウスIgG(陰性対照)で免疫沈降させた。SDS−PAGEによる分離の後に、タンパク質複合体を銀染色した。抗CDKN3抗体による免疫沈降体で見られたが、マウスIgGによる免疫沈降体では見られなかった、140kDa、50kDa、31kDa及び25kDaのタンパク質バンドを、切り出し、トリプシン消化して、質量分析にかけた。140kDa、50kDa、31kDa及び25kDaバンド由来のペプチドがそれぞれ、バリル−tRNAシンテターゼ(バリル−tRNAシンテターゼ、ValRS;140kDa)、真核性翻訳延長因子1γ(EF−1γ;50kDa)、真核性翻訳延長因子1δ(EF−1δ;31kDa)、真核性翻訳延長因子1β(EF−1β;25kDa)の配列に一致した(図18A)。
実施例26 NSCLCの成長及び進行に対するEF−1δの効果
EF−1δの臨床病理的意義を明らかにするために、385人の患者由来の肺癌組織を含有する組織マイクロアレイによって、臨床NSCLCにおいてEF−1δタンパク質発現を検査した。EF−1δに対するポジティブ染色(細胞質及び核)が手術で切除したNSCLCの67.5%で観察された(260/385)(図19B)。EF−1δに対する染色は、検査した正常肺組織のいずれでもほとんど観察されなかった。CDKN3タンパク質の発現は、これらの腫瘍においてEF−1δ発現と有意に一致していた(P<0.0001、フィッシャーの直接確率検定)。NSCLCにおけるEF−1δのポジティブ染色は、性別(男性でより高い;P=0.0004、フィッシャーの直接確率検定)、組織型(非ADCでより高い;P<0.0001、フィッシャーの直接確率検定)、及び進行性pN段階(N1、N2でより高い;P=0.0141、フィッシャーの直接確率検定)及び5年生存率(P=0.0006、ログランク検定)に有意に関連していた(図19C;表5A)。予後因子の多変量分析では、年齢、pT段階、pN段階及びEF−1δ陽性度が独立した予後因子であることを示していた(表5B)。
(表5B)NSCLCにおける予後因子のCox比例ハザードモデル分析
Figure 2010536366
実施例27 EF−1δのCDKN3媒介性脱リン酸化反応
ウエスタンブロット分析により、肺癌細胞で2つの異なるサイズのEF−1δタンパク質が検出された一方で(図20A)、報告によるとEF−1δはin vitroでそのセリン残基及びスレオニン残基でリン酸化された(Minella O, et al., Biosci Rep. 3:119-27(1998))。in vivoでEF−1δリン酸化反応の可能性を検査するために、本発明者らは、タンパク質ホスファターゼの存在又は非存在下でFlag−HAタグ付きEF−1δを過剰発現したCOS−7細胞由来の抽出物をインキュベートし、ウエスタンブロット分析によってEF−1δタンパク質の分子量を分析した。ホスファターゼで処理した抽出物中の大部分のEF−1δタンパク質の測定量は、非処理細胞のものより少なかった(図20C、左パネル)。一方、Flag−HAタグ付きEF−1βタンパク質及びFlag−HAタグ付きEF−1γタンパク質の分子量は、ホスファターゼで処理後も変化しなかった(図20C、中央の右パネル)。
実施例28 EF−1δにおけるCDKN3結合領域の同定
その後、これら2つのタンパク質と、肺癌に対する治療標的としてのその潜在性との関連性の生物学的重要性を研究した。CDKN3との相互作用に必要とされるEF−1δにおけるドメインを求めるために、そのN末端及びC末端にFLAG−HA配列を有するEF−1δの各々の構築物をLC319細胞にトランスフェクトした(EF−1δ72〜160、EF−1δ161〜281、EF−1δ1〜160、EF−1δ72〜281、及び全長EF−1δ1〜281;図21B)。モノクローナル抗Flag抗体による免疫沈降により、EF−1δ72〜160、EF−1δ1〜160、EF−1δ72〜281及びEF−1δ1〜281がCDKN3と相互作用することが可能であったが、EF−1δ161〜281は可能ではなかったことが示された(図21B)。これらの実験により、EF−1δにロイシンジッパーモチーフを含有する89アミノ酸ポリペプチド(コドン72〜160;配列番号48)がCDKN3との相互作用に重要な役割を果たすことが示唆された。
実施例29 CDKN3及びEF−1δに対するsiRNAによるNSCLC細胞の成長抑制
CDKN3が肺癌細胞の成長又は生存に不可欠であるか否かを判定するために、CDKN3に対するsiRNA(si−A及びsi−B)を発現するプラスミド、及び3つの異なる対照プラスミド(EGFP、ルシフェラーゼ(LUC)又はスクランブル(SCR)に対するsiRNA)を設計及び構築し、それらをLC319細胞(図22A)及びA549細胞(データ図示せず)にトランスフェクトした。si−Aをトランスフェクトした細胞でのCDKN3転写産物の量は、3つの対照siRNAのいずれかをトランスフェクトした細胞に比べて最も有意に低下し、si−BはCDKN3発現に対して抑制効果をほとんど示さなかった(図22A:上部左パネル)。遺伝子発現に対するその抑制効果と一致して、トランスフェクトしたsi−Aにより、MTT及びコロニー形成アッセイによって測定された細胞生存率及びコロニー数の減少が起こったが、かかる効果は3つの対照又はsi−Bでは観察されなかった(図22A:上部右及び下パネル)。
実施例30 CDKN3の過剰発現は、細胞浸潤を増大し、Aktを活性化するのに十分である。
組織マイクロアレイ上の免疫組織化学的分析により、CDKN3強陽性腫瘍を有する肺癌患者が、腫瘍がCDKN3に対して陰性であった患者よりも短い癌特異的な生存期間を示したことが示されたので(図19B及び図19C)、CDKN3が細胞浸潤能に関与し得るか否かを求めるのに、マトリゲル浸潤アッセイを実行した。マトリゲルによるCDKN3発現ベクターをトランスフェクトしたNIH−3T3細胞の浸潤は、モックベクターをトランスフェクトした対照細胞に比べて有意に高まり(図19C)、これによりCDKN3がまた、悪性の高い表現型の肺癌細胞に寄与し得ることが示唆された。一方、EF−1β、γ、δ、及びValRSと関連することが知られたEF−1αは、複数の機能に関与するとされる。
実施例31 CDKN3のドミナントネガティブペプチドによるNSCLC細胞の成長阻害
それから、肺癌細胞の成長又は生存に対するCDKN3とEF−1δとの間の相互作用の機能的意義を研究するために、これらの2つのタンパク質の結合を阻害することが期待される生体活性細胞透過性ペプチドが、開発された。次に、EF−1δのコドン73〜160に含まれた19アミノ酸配列の5つの異なるペプチドを合成した(図24A)。これらのペプチドをNH末端で11個のアルギニン残基(11R)を伝達する膜に共有結合させた。5つの11R−EF−1δペプチドの、LC319細胞の培養培地への添加による成長に対する効果を評価し、ここで11R−EF−1δ90−108ペプチドによる処理が、MTTアッセイによって測定されるように細胞生存率を有意に低下させた(図24B、上パネル)。11R−EF−1δ90−108の、LC319細胞の培養培地への添加が、免疫沈降実験による内因性CDKN3とEF−1δとの間の複合体形成を低減した(図24B、下パネル)。これらのデータにより、11R−EF−1δ90−108がCDKN3とEF−1δとの間の相互作用を特異的に阻害することができることが示された。
グアニンヌクレオチド交換因子として機能することが知られ、アミノアシルtRNAのリボソームへの酵素的送達に関与する、延長因子−1複合体のサブユニットであるEF−1δが、新規のCDKN3細胞内標的分子として発見された。アミノアシルtRNAは、リボソームタンパク質合成におけるアミノ酸供与体である。tRNA分子は、アミノアシルtRNAシンテターゼによって、対応するアミノ酸でアミノアシル化される。アミノアシルtRNAは、延長因子−1α(EF−1α)との三重複合体に変換され、タンパク質合成のためにアミノ酸の直接前駆体を与える。アミノアシルt−RNAとリボソームとの結合に関与するGタンパク質である延長因子−1(EF−1)は、4つの異なるサブユニット(EF−1β、EF−1γ、EF−1δ及びValRS)とEF−1αとのグアニン−ヌクレオチド交換複合体から成る(Brandsma et al.,1995;Riis et al., 1990;Nygard et al., 1990;Motorin et al., 1988;Motorin et al., 1991)。EF−1β−γ−δ/ValRSは、タンパク質キナーゼC(PKC)、カゼインキナーゼII(CK2)及びサイクリン依存性キナーゼ1(CDK1)によってリン酸化される。EF−1複合体の構成要素としてEF−1δは少なくとも哺乳類でPKCによってリン酸化されることが知られている(Venema, R. C., et al, J Biol Chem. 266, 11993-11998.(1991);Venema R. C., et al, J Biol Chem. 266, 12574-12580.(1991))。一方、EF−1δの過剰発現が、NIH3T3細胞を形質転換し、それらをヌードマウスにおいて腫瘍原性にする可能性があり、さらにそのアンチセンスmRNAによるEF−1δのブロッキングによって、その発癌性の有意な反転が起こった(Joseph, P., et al., J Biol Chem. 277:6131-6136(2002);Lei, Y. X., et al., Teratog Carcinog Mutagen. 22:377-383(2002))
一方、EF−1αは、複数の細胞機能に関与し、EF−1β−γ−δ/ValRSによって調節される(Minella O, et al., Biosci Rep. 3:119-27(1998))。最近の報告により、EF−1αの2つのアイソフォームの1つであるEF−1α2が、乳癌細胞における細胞移動及び細胞浸潤を刺激することができることが示された一方で(Amiri A, et al., Oncogene 26:3027-40(2007))、このEF−1α2は非転移性対照に比べて、転移性ラット乳腺癌細胞株で過剰発現した(Pencil SD、Breast Cancer Res Treat. 25:165-74(1993);Edmonds BT, et al., J Cell Sci. 109:2705-14(1996))
10.EBI3を発現するCOS−7形質転換体
EBI3を安定発現する形質転換体を標準プロトコルに従って樹立した。EBI3の全コード領域を、プライマーセット(5'−CCGCTCGAGGGAATTCCAGCCATGACCCCGCAGCTT−3':配列番号92及び5'−TGCTCTAGAGCACTTGCCCAGGCTCATTGTGGC−3':配列番号93)を用いたRT−PCRにより増幅した。産物をEcoRI及びXbaIを用いて消化し、EBI3タンパク質のCOOH末端のc−myc−Hisエピトープ配列(LDEESILKQEHHHHHH:配列番号94)を含有するpcDNA3.1−myc/HisA(+)ベクター(Invitrogen)の適当な部位にクローニングした。FuGENE 6トランスフェクション試薬(Roche Diagnostics,Basel,Switherland)を製造業者のプロトコルに従って用いて、内因性EBI3を発現しないCOS−7細胞に、EBI3を発現するプラスミド(pcDNA3.1−EBI3−myc/His)、又はモックプラスミド(pcDNA3.1−myc/His)のいずれかをトランスフェクトした。トランスフェクトした細胞を、10%FBS及びジェネテシン(0.4mg/mL)を含有するDMEM中で14日間培養した。次に、50個の別個のコロニーをトリプシン処理し、限界希釈アッセイにより安定な形質転換体についてスクリーニングした。各々のクローンにおいてEBI3の発現を、ウエスタンブロット法及び免疫染色により求めた。
3.半定量的RT−PCR分析
総RNAを、製造業者のプロトコルに従って、Trizol試薬(Life Technologies, Inc. Gaithersburg, MD)を使用して培養細胞及び臨床組織から抽出した。抽出RNA及び正常なヒト組織のポリA RNAをDNaseI(Roche Diagnostics, Basel, Switzerland)で処理した後、オリゴ(dT)12−18プライマーとSuperScript II逆転写酵素(Life Technologies, Inc.)とを用いて逆転写した。半定量的RT−PCR実験を、合成NPTX1遺伝子特異的プライマー(5'−GTTGGGGACCGGAGGTAAA−3':配列番号80及び5'−AAACCACGACTTCGTCAAGC−3':配列番号81)、合成NPTXR遺伝子特異的プライマー(5'−TCTGCCAGATCTTCCCATCT−3':配列番号95及び5'−GGCTTCAGCTTCCTCATCTG−3':配列番号96)、又は内部対照としてβアクチン(ACTB)特異的プライマー(5'−ATCAAGATCATTGCTCCTCCT−3':配列番号97及び5'−CTGCGCAAGTTAGGTTTTGT−3':配列番号98)を用いて行った。全てのPCR反応は、GeneAmp PCRシステム9700(Applied Biosystems, Foster City, CA)で、94℃、2分間の初期変性、その後の22サイクル(ACTBでは)又は35サイクル(NPTX1では)の94℃、30秒、54℃又は60℃、30秒、及び72℃、60秒を包含した。
本発明のヘアピンループ構造を有する例示的な二本鎖分子は以下に示される。以下の構造では、ループ配列は、AUG、CCC、UUCG、CCACC、CTCGAG、AAGCUU、CCACACC及びUUCAAGAGAから成る群から選択することができるが、本発明はこれらに限定されない:
CAAUGAGCCUGGGCAAGUA−[B]−UACUUGCCCAGGCUCAUUG(標的配列番号18):配列番号99−106
UCACGGAUGUCCAGCUGUU−[B]−AACAGCUGGACAUCCGUGA(標的配列番号20):配列番号107−114
UAUAGAGUCCCAAACCUUC−[B]−GAAGGUUUGGGACUCUAUA(標的配列番号49):配列番号115−122
GUGGAGAACCAGAGUCUGC−[B]−GCAGACUCUGGUUCUCCAC(標的配列番号51):配列番号123−130
GACAAUGGCUGGCACCACA−[B]−UGUGGUGCCAGCCAUUGUC(標的配列番号84):配列番号131−138;及び
CAUCAAGCCUCAUGGGAUC−[B]−GAUCCCAUGAGGCUUGAUG(標的配列番号85):配列番号139−146
11.合成細胞透過性ペプチド
CDKN3の考え得る結合部位を含有したEF−1δタンパク質の一部に対応する19アミノ酸ペプチド配列は、そのNH2末端で膜伝達11ポリアルギニン配列と共有結合した(11R;Futaki et al., Hayama et al., 2006, 2007を参照されたい)。5種の細胞透過性ペプチドが合成された:11R−EF−1δ73−91、RRRRRRRRRRR−GGG−TSGDHGELVVRIASLEVEN(配列番号147);11R−EF−1δ90−108、RRRRRRRRRRR−GGG−ENQSLRGVVQELQQAISKL(配列番号62);11R−EF−1δ108−126、RRRRRRRRRRR−GGG−LEARLNVLEKSSPGHRATA(配列番号148);11R−EF−1δ125−143、RRRRRRRRRRR−GGG−TAPQTQHVSPMRQVEPPAK(配列番号149);11R−EF−1δ142−160、RRRRRRRRRRR−GGG−AKKPATPAEDDEDDDIDLF(配列番号150)。ペプチドを調製逆相高圧液体クロマトグラフィで精製した。LC319細胞を、5日間、2.5μM、5.0μM及び7.5μMの濃度で11Rペプチドとインキュベートした。培地を適当な濃度の各々のペプチドで48時間毎に交換し、処理後5日目に、細胞の生存率をMTTアッセイにより評価した。
9.RNA干渉アッセイ
低分子干渉RNA(siRNA)二本鎖(Dharmacon, Inc.,Lafayette,CO)(600pM)を、30μlのLipofectamine 2000(Invitrogen、Carlsbad、CA)を用いて、製造業者のプロトコルに従って、NSCLC細胞株A549及びLC319にトランスフェクトした。トランスフェクトした細胞を7日間培養し、細胞の生存率を3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MTT)アッセイ(セルカウンティングキット−8溶液;同仁化学研究所、熊本県、日本)により評価した。EBI3発現の抑制を確認するために、半定量的RT−PCRを上記のEBI3に特異的な合成プライマーを用いて行なった。RNAiに関する合成オリゴヌクレオチドの配列は、以下のようであった:
対照1(On−Target plus;Dharmacon, Inc.;
5'−UGGUUUACAUGUCGACUAA−3'(配列番号53に対応するRNA)、
5'−UGGUUUACAUGUUUUCUGA−3'(配列番号54に対応するRNA)、
5'−UGGUUUACAUGUUUUCCUA−3'(配列番号55に対応するRNA)、
5'−UGGUUUACAUGUUGUGUGA−3'(配列番号56に対応するRNA)のプール)、
対照2(ルシフェラーゼ/LUC:フォチヌス・ピラリス(Photinus pyralis)ルシフェラーゼ遺伝子);
5'−NNCGUACGCGGAAUACUUCGA−3'(配列番号151に対応するRNA)、
EBI3−1に対するsiRNA(si−EBI3−#1);
5'−UACUUGCCCAGGCUCAUUGUU−3'(配列番号17)、
si−EBI3−#1の標的配列;
5'−CAATGAGCCTGGGCAAGTA−3'(配列番号18)、
si−EBI3−#2;
5'−AACAGCUGGACAUCCGUGAUU−3'(配列番号19)、
si−EBI3−#1の標的配列;
5'−TCACGGATGTCCAGCTGTT−3'(標的配列20)。

Claims (20)

  1. 肺癌マーカーを検出する方法であって、
    (a)被験体から得た生体試料において、
    (i)EBI3のmRNAを検出すること、
    (ii)EBI3タンパク質を検出すること、及び
    (iii)EBI3タンパク質の生物活性を検出すること
    から成る群から選択される方法のいずれか1つによって、遺伝子の発現レベルを求める工程、並びに
    (b)前記遺伝子の正常対照レベルと比較した場合の、工程(a)において求められる前記発現レベルの上昇を、肺癌細胞の存在と関連付ける工程
    を含む、方法。
  2. 工程(a)において求められる前記発現レベルが、前記正常対照レベルより少なくとも10%高い、請求項に記載の方法。
  3. 工程(a)において求められる前記発現レベルをEBI3タンパク質に対する抗体の結合を検出することにより求める、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記被験体から得た生体試料が生検材料、痰、血液、胸水、又は尿を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 肺癌マーカーを検出するためのキットであって、
    (a)遺伝子のmRNAを検出するための試薬、
    (b)前記遺伝子によりコードされるタンパク質を検出するための試薬、及び
    (c)前記タンパク質の生物活性を検出するための試薬
    から成る群から選択される試薬を含み、前記遺伝子がEBI3である、キット。
  6. 前記試薬が前記遺伝子の遺伝子転写産物に対するプローブである、請求項に記載のキット。
  7. 前記試薬が前記遺伝子によりコードされる前記タンパク質に対する抗体である、請求項に記載のキット。
  8. 被験体から得た血液試料において肺癌マーカーを検出する方法であって、
    (a)対象となる被験体から採取した血液試料を準備する工程、
    (b)前記血液試料におけるEBI3タンパク質のレベルを求める工程、及び
    (c)工程(b)において求められる前記EBI3レベルを正常対照のEBI3レベルと比較する工程
    を含み、前記血液試料におけるEBI3レベルが前記正常対照と比較して高いことにより、前記被験体肺癌の疑いが示唆される、方法。
  9. 前記血液試料が全血、血清、及び血漿から成る群から選択される、請求項に記載の方法。
  10. 前記EBI3タンパク質をイムノアッセイにより検出する、請求項8または9に記載の方法。
  11. 前記イムノアッセイがELISAである、請求項10に記載の方法。
  12. (d)前記血液試料におけるCEAのレベルを求める工程、及び
    (e)工程(d)において求められる前記CEAレベルを正常対照のCEAレベルと比較する工程
    をさらに含み、前記血液試料におけるEBI3レベル及びCEAレベルのいずれか又は両方が前記正常対照と比較して高いことにより、前記被験体肺癌の疑いが示唆される、請求項8〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記肺癌がNSCLCである、請求項12に記載の方法。
  14. (d)前記血液試料におけるCYFRAのレベルを求める工程、
    (e)工程(d)において求められる前記CYFRAレベルを正常対照のCYFRAレベルと比較する工程
    をさらに含み、前記血液試料におけるEBI3レベル及びCYFRAレベルのいずれか又は両方が前記正常対照と比較して高いことにより、前記被験体肺癌の疑いが示唆される、請求項8〜11のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記肺癌がSCCである、請求項14に記載の方法。
  16. (d)前記血液試料におけるpro−GRPのレベルを求める工程、
    (e)工程(d)において求められる前記pro−GRPレベルを正常対照のpro−GRPレベルと比較する工程
    をさらに含み、前記血液試料におけるEBI3レベル及びpro−GRPレベルのいずれか又は両方が前記正常対照と比較して高いことにより、前記被験体肺癌の疑いが示唆される、請求項8〜11のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記肺癌がSCLCである、請求項16に記載の方法。
  18. EBI3を発現する癌マーカーを検出するためのキットであって、
    (i)血液試料におけるEBI3のレベルを求めるためのイムノアッセイ試薬、及び
    (ii)EBI3に対する陽性対照試料
    を含む、キット。
  19. (iii)血液試料におけるCEA、CYFRA、及び/又はpro−GRPのレベルを求めるためのイムノアッセイ試薬、及び
    (iv)CEA、CYFRA、及び/又はpro−GRPに対する陽性対照試料をさらに含む、請求項18に記載のキット。
  20. 前記陽性対照試料がEBI3、CEA、CYFRA、及び/又はpro−GRPに対して陽性である、請求項19に記載のキット。
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