JP2010535040A - 眼科用注射器具のための再使用制限アセンブリ - Google Patents

眼科用注射器具のための再使用制限アセンブリ Download PDF

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Abstract

眼科用ハンドピースのための再使用制限アセンブリは、軸を有するアクチュエータと、該アクチュエータに電力を供給するための電源と、前記アクチュエータを制御するためのコントローラと、機械的結合インターフェースと、ハウジングとを有する。前記機械的結合インターフェースは、前記アクチュエータの軸に取り付けられ、一端に合わせ面を有する。前記ハウジングは、前記電源と前記コントローラと前記アクチュエータを少なくとも部分的に封入する。前記再使用制限アセンブリは、使い捨て型注射器具に着脱自在である。

Description

本願は2006年10月16日出願の米国特許出願第11/581,629号、2006年10月16日出願の米国特許出願第11/581,630号、2006年10月16日出願の米国特許出願第11/581,591号及び2006年5月17日出願の米国特許出願第11/435,906号の一部継続出願である。
本発明は使い捨て型医療機器に関し、特に、改良されたプランジャ結合部とシールを有する使い捨て可能な先端を備えたツーピースの眼科用薬物送達装置に関する。
眼球後部の数々の疾患・状態には視力を脅かすものがある。例えば、加齢黄斑変性症(ARMD)、脈絡膜血管新生(CND)、網膜障害(例えば、糖尿病性網膜症、硝子体網膜症)、網膜炎(例えば、サイトメガロウィルス(CMV)網膜炎)、ぶどう膜炎、黄斑浮腫、緑内障、および神経障害などがそうである。
これら、および他の病気は目に薬剤を注射することで治療可能である。このような注射は、従来の注射器と針を使用して通常、手動操作によってなされている。図1は、目に薬剤を注入するのに使用される従来型注射器の斜視図である。図1において、注射器は、針105、ルアーハブ110、チャンバ115、プランジャ120、プランジャ軸125及び親指当て130を有している。周知のように、注入されるべき薬剤はチャンバ115内にある。親指当て130を押すことでプランジャ120により薬剤が針105を介して射出される。
そのような注射器を使用する際に、外科医は、針で眼球組織に穴をあけ、注射器をしっかりと保持し、(看護師による補助の有無にかかわらず)注射器プランジャを作動させて眼球内部に液体を注入しなければならない。注射器上の副尺が小さな注入量に正確に比例しているわけではないので、注入量は通常、正確な形では制御されない。液体の流速は制御されない。また、副尺を読むことも視差を被り易くなる。「不安定な」注射のために組織を損傷してしまう可能性もある。又、針を眼球から引き抜く際に薬剤が逆流する可能性もある。
これまで少量の液体送出を制御するための試みがなされてきた。市販の液体ディスペンサには、ロードアイランド州プロビデンスのEFD社のULTRA(登録商標)容積型ディスペンサがある。このULTRAディスペンサは通常、少量の工業用接着剤の調剤に使用される。それは従来の注射器とカスタム化された分配先端を利用する。注射器プランジャは、電気ステップモータと作動流体を用いて作動される。オハイオ州クリーブランドのParker Hann-ifin社は、カリフォルニア州サンディエゴのAurora Instru-ments LLCによって作られた創薬利用のために少量液体ディスペンサを配給している。パーカー/オーロラのディスペンサは圧電型の調剤機構を用いている。スイスのYpsomed社は、主に患者自身によるインシュリンやホルモン注射のために、注射ペンと自動化された注射器の系列を生産している。この製品ラインは簡単な使い捨て型ペンと電子制御の電動式注射器を含んでいる。
特許文献1は、網膜剥離や網膜裂傷に対処する外科手術の際の流体/輸液交換において、眼球に粘性流体(例えば、シリコン油)を注射する一方で、眼球から2番目の粘性流体(例えば、ペルフルオロカーボン液体)を吸引するような眼科用システムを開示している。このシステムはプランジャを備えた従来の注射器を備えている。注射器の一端は、プランジャを作動させるために一定の空気圧を供給する気圧源と流動的に連結されている。注射されるべき粘性流体を投与するために、注射器の他方端は管類を介して注入カニューレと流動的に結合される。
米国特許第6,290,690号
再利用可能なアセンブリに着脱可能な比較的安価な先端セグメントを有した、眼球に薬剤を注入するための携帯型ハンドピースを持つことが望ましい。先端アセンブリの中に滅菌部品を保持する一方で、再利用可能なアセンブリの中に、電子部品や駆動機構などのより高価な部品を配置することは、薬物送達システムの効率とコストパフォーマンスを向上させることになる。注入プロセスのための機能部品を再利用可能なアセンブリに持たせることも好ましいだろう。又、次に、注射時は再利用可能なアセンブリに容易に取り付けることができ、又注射後は容易に取り外して廃棄可能な使い捨て型先端セグメントを持つことも好ましい。そのようなシステムは従来の注射器を超え、多大なる利益をもたらす。
本発明の原理に一致する一実施形態において、本発明は、軸が付いたアクチュエータ、電力をアクチュエータに供給するための電源、アクチュエータを制御するためのコントローラ、機械的結合インターフェース及びハウジングを備えた再使用制限アセンブリから構成される。機械的結合インターフェースは、アクチュエータ軸に結合されて、一端に合わせ面を備える。ハウジングは、電源、コントローラ及びアクチュエータを少なくとも部分的に取り囲む。再使用制限アセンブリは使い捨て型注射器具に着脱可能である。
本発明の原理に一致するもう1つの実施形態において、本発明は、軸が付いたアクチュエータ、電力をアクチュエータに供給するための電源、アクチュエータを制御するためのコントローラ、機械的結合インターフェース、ハウジング及びインジケータを備えた再使用制限アセンブリから構成される。機械的結合インターフェースは、アクチュエータ軸に結合されて、一端に合わせ面を備える。ハウジングは、電源、コントローラ及びアクチュエータを少なくとも部分的に取り囲む。インジケータはハウジング上に位置し、再使用制限アセンブリの状態に関する情報を提供する。コントローラは、眼球内に所定用量の薬剤が投与されるべくアクチュエータがアクチュエータ軸を駆動するように、アクチュエータの作動を制御する。
以上の概略説明と以下の詳細な説明の双方は、典型的かつ説明的なものであって、請求されたように本発明の更なる説明を提供することを意図したものであることを理解されたい。以下の説明も本発明の実践も、発明の更なる利点と目的を説明し、提案するものである。
本願明細書に組み入れられ、その一部を成す添付図面は本発明の幾つかの実施形態を示しており、記述と共に本発明原理の説明を果たしている。
従来技術による注射器の斜視図である。 本発明の一実施形態による使い捨て型先端セグメントと再使用制限アセンブリを含む眼科用医療機器を示す図である。 本発明の原理に従った、再使用制限アセンブリの他の実施形態を示す図である。 本発明の原理に従った、再使用制限アセンブリの別の実施形態を示す断面図である。 本発明の一実施形態による、使い捨て型先端セグメントと再使用制限アセンブリの断面図である。 本発明の一実施形態による、眼科用医療機器のための使い捨て型先端セグメントの断面図である。 本発明の一実施形態による、眼科用医療機器のための使い捨て型先端セグメントの断面図である。 本発明の一実施形態による、使い捨て型先端セグメントの断面図及び再使用制限アセンブリの部分図である。 本発明の一実施形態による、眼科用医療機器のための使い捨て型先端セグメントの断面図である。 図9Aの一実施形態の端面図である。 本発明の実施形態に含まれ得る回路の概略図である。 本発明の実施形態に含まれ得る回路の概略図である。 本発明の実施形態に含まれ得る回路の概略図である。 本発明の実施形態に含まれ得る回路の概略図である。 本発明の原理に従った、再使用制限アセンブリの端面図である。 本発明の一実施形態による、再使用制限アセンブリの断面図である。 本発明の一実施形態による、再使用制限アセンブリの断面図である。 本発明の原理に従ったサブアセンブリの断面図である。 本発明の原理に従ったサブアセンブリの断面図である。 本発明の原理に従った、再使用制限アセンブリ、先端セグメント及び充填ベースの断面図である。 本発明の原理に従った、眼球内物質注入に関係する1方法のフローチャートである。 本発明の原理に従った、眼球内物質注入に関係する1方法のフローチャートである。 本発明の原理に従った、眼球内物質注入に関係する1方法のフローチャートである。 本発明の原理に従った、眼球内物質注入に関係する1方法のフローチャートである。 本発明の原理に従った、眼球内物質注入に関係する1方法のフローチャートである。
その例を添付図面に示した本発明の典型的実施形態を詳細に参照する。図面を通じ、同一又は類似部品については可能な限り同一番号を使用することとする。
図2は、本発明の一実施形態による、使い捨て型先端セグメントと再使用制限アセンブリを含む眼科用医療機器の1つの図面である。 図2において、医療機器は先端セグメント205と再使用制限アセンブリ250を備えている。 先端セグメント205は、針210、ハウジング215及びオプションライト275を備える。 再使用制限アセンブリ250は、ハウジング255、スイッチ270、ロック機構265及びネジ部260を備える。
先端セグメント205は、再使用制限アセンブリ250に着脱可能である。この実施形態では先端セグメント205は、ハウジング215の内面上に、再使用制限アセンブリ250のネジ部260上にねじ込まれるネジ部を備える。さらに、ロック機構265により先端セグメント215が再使用制限アセンブリ250に固着される。ロック機構265は、ボタンやスライド・スイッチ、又は片持ち機構の形態でもよい。互いに整合する構造上の特徴を持つような、再使用制限アセンブリ250に先端セグメント205を接続するための他の機構がこの技術分野において公知であり、本発明の範囲内に含まれる。
針210は、薬剤などの物質を眼球内に投与するようになっている。針210は如何なる公知形状でもよい。望ましくは、針210は、その熱的特性が結果として特定の薬物送達を促すように設計される。例えば加熱された薬剤を投与するような場合、針210は薬剤の適切供給を容易にすべく(熱的目的のために)その長さは比較的短くても(数ミリメートル)良い。
スイッチ270は、システムに入力を供給するようになっている。例えば、スイッチ270を、システムの始動や温度制御装置をオンさせるのに使用してもよい。他のスイッチ、ボタン又はユーザ主導の制御入力が一般的に知られており、これらを再使用制限アセンブリ250及び/又は先端セグメント205に装備させてもよい。
先端セグメント205の使用準備ができている時、オプションライト275は点灯する。オプションライト275をハウジング215から突出させても良く、或いはハウジング215内に収納させるようにしても良い。但し、この場合オプションライト215はハウジング215の透明部分を通して見ることになる。他の実施形態ではオプションライト275を、使い捨て型先端セグメント205の状態を示す、例えば液晶ディスプレイのようなインジケータや分割ディスプレイや他の装置で置き換えるようにしても良い。例えば、システム・エラーやバッテリの充電状態、バッテリの充電不十分状態又は先端セグメント205と再使用制限アセンブリ250の接続不良状態などに限定されないような他の状態を示すべく、オプションライト275を点滅させても良い。ここではインジケータを先端セグメント205に示しているが、オプションライト275や追加のインジケータを再使用制限アセンブリ250上に配置しても良い。
図3は本発明原理に従った再使用制限アセンブリの他の実施形態である。再使用制限アセンブリ250は、ボタン308、ディスプレイ320及びハウジング330を備えている。使い捨て型先端セグメント205は、再使用制限アセンブリ250の端部340に結合する。ボタン308は、システムに入力を供給するために作動される。スイッチ270同様、ボタン308によって温度制御装置を作動させたり、プランジャの作動を開始させるようにしても良い。ディスプレイ320は、使い捨て型先端セグメント205や再使用制限アセンブリ250の状態を示すような液晶ディスプレイや分割ディスプレイ、或いは他の装置からなる。
図4は本発明原理に従った再使用制限アセンブリの別の実施形態の断面である。図4において、電源505、インターフェース517、アクチュエータ515及びアクチュエータ軸510はハウジング255内に配置される。ハウジング255の上部はネジ部260となっている。ロック機構265、スイッチ270、ボタン308及びインジケータ306、307は全て、ハウジング255上に配置される。
通常、電源505はリチウムイオン電池のように再充電可能なバッテリから構成されるが、他の種類のバッテリでも良い。また、電源505として他のいかなる種類の動力電池も充当可能である。電源505は、システム、特にアクチュエータ515に電力供給する。また、電源505は再使用制限アセンブリ250に接続した先端セグメントにも電源供給する。そのような場合には、電源505は先端セグメント内に位置する温度制御装置(図示せず)に電源供給するようにしても良い。オプションとしては、電源505をドアや他の類似した機構(図示せず)を介してハウジング255から取り外すこともできる。
通常、インターフェース517は、電力を電源505からアクチュエータ515まで流せる導体からなる。電力をシステムの他の部分に提供するべく、インターフェース517のような他のインターフェースを設けても良い。
アクチュエータ軸510は、アクチュエータ515を接続されて駆動される。アクチュエータ515は通常、アクチュエータ軸510を正確な距離をもって動かせるステップモータか他の種類のモータである。一実施形態において、アクチュエータ軸510は、薬剤を眼球に供給する先端セグメントに機械的リンクを介して接続される。このような場合、アクチュエータ515は、正確な量の薬剤を眼球に供給するべく正確に軸510を動かせるステップモータから構成される。アクチュエータ515は、例えば、アクチュエータ外面に係合するタブによってハウジング255の内面に固定される。
他の実施形態では、アクチュエータ515は、リニアアクチュエータ又はリニアドライバである。このような場合、アクチュエータ515は、バネ又はバネ駆動機構だったり、リニアドライブに取り付けられた回転センサ付き歯車DCモータ又はリニアセンサ付きリニアドライブに取り付けられたDCモータであったり、或いはリニアステップモータでもよい。また、回転型永久磁石モータのように、他の種類のモータをアクチュエータ515用として使用しても良い。
ロック機構265、スイッチ270及びボタン308は、それらが手で操作できるように全てハウジング255上に配置される。同様に、インジケータ306、307も又、それらを見ることができるようにハウジング255上に配置される。また、ロック機構265、スイッチ270、ボタン308及びインジケータ306、307は全てハウジング255内に位置するインターフェース(図示せず)を介してコントローラ(図示せず)に接続される。
図5は本発明の一実施形態による使い捨て型先端セグメントと再使用制限アセンブリの断面図である。図5は先端セグメント205がどのようにして再使用制限アセンブリ250に連結するかを示している。図5に示す実施形態では、先端セグメント205は、アセンブリ555、プランジャ・インターフェース420、プランジャ415、調剤チャンバ・ハウジング425、先端セグメントハウジング215、温度制御装置450、熱センサ460、針210、調剤チャンバ405、インターフェース530及び先端インターフェース・コネクタ453を有する。再使用制限アセンブリ250は、機械的結合インターフェース545、アクチェータ軸510、アクチュエータ515、電源505、コントローラ305、再使用制限アセンブリ・ハウジング255、インターフェース535及び再使用制限アセンブリインターフェース・コネクタ553を備えている。
先端セグメント205において、プランジャ・インターフェース420は、プランジャ415の一端に配置される。プランジャ415の他端は調剤チャンバ405の一端を形成する。プランジャ415は、調剤チャンバ405内部でスライドするようになっている。プランジャ415の外面は調剤チャンバ・ハウジング425の内面に流体密封される。調剤チャンバ・ハウジング425は調剤ハウジング405を囲んでいる。通常、調剤チャンバ・ハウジング425は円筒形状である。同様に、調剤チャンバ405も又、円筒形状である。先端セグメント205において、アセンブリ555は以下に記述する多数の部品を備える。
針210は調剤チャンバ405に流体的に接続される。このような場合、調剤チャンバ405に含まれた物質は、針210を通って眼球内に入ることができる。温度制御装置450は調剤チャンバ・ハウジング425を少なくとも部分的に取り囲む。この場合、温度制御装置450は、調剤チャンバ・ハウジング425と調剤チャンバ405内の物質を加熱、及び/又は冷却するようになっている。インターフェース530は先端インターフェース・コネクタ453に温度制御装置450を接続する。
調剤チャンバ・ハウジング425、温度制御装置450及びプランジャ415を先端セグメント205の各部品は、先端セグメントハウジング215によって少なくとも部分的に封入される。本発明原理に一致する1つの実施形態において、プランジャ415は調剤チャンバ・ハウジング425の内面に対しシールされる。このシールによって、調剤チャンバ405に含まれたどんな物質からの汚染を防ぐことができる。 医療目的上、そのようなシールは好ましい。このシールは、プランジャ415上や調剤チャンバ・ハウジング425上の如何なる地点にも位置させることができる。
再使用制限アセンブリ250において、電源505はアクチュエータ515に電力供給する。電源505とアクチュエータ515の間のインターフェース(図示せず)はアクチュエータ515に電力を供給するための電線管として働く。アクチュエータ515はアクチュエータ軸510に接続される。アクチュエータ515がステップモータである場合、アクチュエータ軸510はアクチュエータ515と一体化される。機械的結合インターフェース545はアクチュエータ軸510に接続される。また、この構成では、アクチュエータ515はアクチュエータ軸510を針210に向かって上方に動かすと機械的結合インターフェース545も又針210に向かって上方に動くことになる。本発明の他の実施形態では、機械的結合インターフェース545とアクチュエータ軸510は単一部品から構成される。言い換えれば、アクチュエータ515に接続された軸は、単一アセンブリとして、アクチュエータ軸510と機械的結合インターフェース545の双方を備えることになる。
コントローラ305は、インターフェース535を介して再使用制限アセンブリインターフェース・コネクタ553に接続される。再使用制限アセンブリインターフェース・コネクタ553は、機械的結合インターフェース545に隣接する再使用制限アセンブリ・ハウジング255の上面上に配置される。 この様に、再使用制限アセンブリインターフェース・コネクタ553と機械的結合インターフェース545の両方が、それぞれ先端インターフェース・コネクタ453とプランジャ・インターフェース420に接続されるように形成されている。
コントローラ305とアクチュエータ515は、インターフェース(図示せず)によって接続される。このインターフェース(図示せず)により、コントローラ305のアクチュエータ515への作動制御が可能になる。さらに、電源505とコントローラ305の間のインターフェース(図示せず)により、コントローラ305の電源505への作動制御が可能になる。このような場合において電源505が再充電可能な電池である場合、コントローラ305によって電源505の充電と放電を制御しても良い。
コントローラ305は、通常、論理機能を実行できる電源、入力及び出力ピンを備えた集積回路からなる。様々な実施形態では、コントローラ305は標的となる装置コントローラである。このような場合には、コントローラ305は、例えば温度制御装置や電源供給装置といったような特定の装置や部品を対象とする特定制御機能を実行する。例えば、温度制御装置コントローラは、温度制御装置を制御するための基本機能を有する。他の実施形態では、コントローラ305はマイクロプロセッサからなる。そのような場合、コントローラ305は、装置を構成する1個以上の部品を制御できるようにプログラム可能である。他のケースにおいて、コントローラ305がプログラム可能なマイクロプロセッサでないこともあるが、その場合には、異なる機能を果たす異なる部品を制御するように構成された特殊用途のコントローラとなる。図5ではコントローラ305は1部品として示されているが、多くの異なる部品や集積回路から構成されるようにしても良い。
先端セグメント205は再使用制限アセンブリ250と結合するか、それに取り付けられるようになっている。図5の実施形態では、プランジャ415の底面に位置するプランジャ・インターフェース420は、再使用制限アセンブリ・ハウジング255の上面近くに位置する機械的結合インターフェース545と結合するように形成される。加えて、先端インターフェース・コネクタ453は、再使用制限アセンブリインターフェース・コネクタ553と接続するようになっている。この様に先端セグメント205が再使用制限アセンブリ250に接続された際には、アクチュエータ515とアクチュエータ軸510がプランジャ415を針210に向かって上方に駆動するようになっている。更に、コントローラ305と温度制御装置450の間にインターフェースが形成される。信号は、コントローラ305からインターフェース535、再使用制限アセンブリインターフェース・コネクタ553、先端インターフェース・コネクタ453及びインターフェース530を通って、温度制御装置450へと送ることが可能になる。
作動に関しては、先端セグメント205が再使用制限アセンブリ250に接続された時、コントローラ305はアクチュエータ515の作動を制御する。アクチュエータ515が作動するとアクチュエータ軸510が針210に向かって上方に移動される。これにより、プランジャ・インターフェース420に結合した機械的結合インターフェース545は、プランジャ415を針210に向けて上方に移動させる。次いで、調剤チャンバ405内にある物質が針210を通って射出される。
更に、コントローラ305が温度制御装置450の作動を制御する。温度制御装置450は、調剤チャンバ・ハウジング425とその内容物を加熱及び/又は冷却するようになっている。調剤チャンバ・ハウジング425は、少なくとも部分的には伝熱性となっているため、調剤チャンバ・ハウジング425を加熱したり冷却すると、調剤チャンバ405内にある物質を加熱又は冷却することになる。熱センサ460からの温度情報は、インターフェース530、先端インターフェース・コネクタ453、再使用制限アセンブリインターフェース・コネクタ553及びインターフェース535を介してコントローラ305まで伝達することができる。この温度情報は温度制御装置450の作動制御に使用できる。温度制御装置450がヒーターである場合、コントローラ305は温度制御装置450への電流値を制御する。温度制御装置450に送られる電流が大きい程、装置はより熱くなる。そのような方法で、コントローラ305は、温度制御装置450の作動を制御するべく、熱センサ460からの情報を用いたフィードバックループを利用できる。例えば、比例・積分・微分(PID)アルゴリズムといったような、いかなる種類の制御アルゴリズムを温度制御装置450の作動制御に使用可能である。
図6は本発明の一実施形態による眼科用医療機器のための使い捨て型先端セグメントの断面図である。図6において、使い捨て型先端セグメント205は、ハウジング215、針210、プランジャ415、プランジャ・インターフェース420、調剤チャンバ405、調剤チャンバ・ハウジング425、アセンブリ555、温度制御装置450、熱センサ460、任意のルアー430、先端インターフェース・コネクタ451、452、および453及びインターフェース461、462、463を備える。使い捨て型先端セグメント205は使い捨て注射器具として機能する。
図6の実施形態では、プランジャ415は調剤チャンバ・ハウジング425内に位置する。調剤チャンバ405は、調剤チャンバ・ハウジング425とプランジャ415によって閉じられる。プランジャ415は、調剤チャンバ・ハウジング425の内面と共に流体シールを形成する。針210は調剤チャンバ405に流体的に接続される。この様に、調剤チャンバ405内の物質は、プランジャ415と接触して針210の外に押し出される。針210は、任意のルアー430によって使い捨て型先端セグメント205に固着しても良く、又、永久に取り付けるようにしても良い。温度制御装置450は、調剤チャンバ・ハウジング425上に配置され、少なくとも部分的に調剤チャンバ405を取り囲む。ハウジング215は使い捨て型先端セグメント205における外皮を形成する。
本発明の様々な実施形態では、温度制御装置450は、加熱及び/又は冷却装置からなる。温度制御装置450は調剤チャンバ・ハウジング425と熱的に接触している。その結果、温度制御装置450は調剤チャンバ405内の物質の温度を変えることができる。
図6では、プランジャ415はO−リングを備えている。O−リングは調剤チャンバ・ハウジング425の内面に封止めする。この様に、滅菌シールが保持されて、調剤チャンバ405内での物質の汚染を回避している。プランジャ415は、例えば、ガラス、ステンレス又は高分子化合物等、いかなる適合材料から形成されても良い。O−リングは通常、ゴムか高分子化合物から形成される。又、他の種類のシールを使用しても良い。例えば、プランジャ415は環状リングを備えても良く、プランジャ415の外周周りに配置させることで環状リングが調剤チャンバ425の内面に接するようにしても良い。この環状リングによりプランジャを調剤チャンバ425の内面に対して封止することができる。このような場合、環状リングはプランジャ415と一体化させ、プランジャ415をゴムか高分子化合物から形成しても良い。プランジャ・インターフェース420はいかなる形状でも良い。例えば、プランジャ・インターフェースは、図示したように実質上椀形であったり、実質上平らだったり、円錐又は球体であっても良い。又、プランジャ・インターフェースにリップや他の類似機構を備えさせても良い。
先端インターフェース・コネクタ451、452、453は、先端セグメント205と再使用制限アセンブリとの間の接続に貢献している。インターフェース461は、熱センサ460を先端インターフェース・コネクタ451に接続する。インターフェース462は、温度制御装置450を先端インターフェース・コネクタ452に接続する。インターフェース463は、アセンブリ555を先端インターフェース・コネクタ453に接続している。
アセンブリ555は多くの異なった部品のいずかを具備することができる。一実施形態においてアセンブリ555は、熱ボタンが作動された時、又は使い捨て型先端セグメント205の使用後において飛ばされるヒューズを備える。この方法により、ヒューズによって使い捨て型先端セグメント205の再使用を防止する。別の実施形態では、アセンブリ555は、使い捨て型先端セグメント205の種類に関する情報、投薬量情報、温度情報、プランジャ動作情報、又は使い捨て型先端セグメント205の特性を特定する他の情報か、使い捨て型先端セグメント205の作動方法を格納するようなメモリを備える。他の実施形態においてアセンブリ205は、NANDフラッシュIC、RFIDタグ、平行に接続された一連のヒューズと抵抗器のような、データを表すものを格納できるハード・ワイヤードの有線回路のような有線記憶装置、又は他の種類の装置を備える。
眼球に投与されるべき物質、通常、薬剤は、調剤チャンバ405内に位置する。この方法では、薬剤は調剤チャンバ・ハウジング425の内面とプランジャ415の一面に接する。温度制御装置450は調剤チャンバ・ハウジング425と熱的接触している。この様にして、温度制御装置450は、調剤チャンバ405の内容物温度を制御するようになっている。
本発明の様々な実施形態において、温度制御装置450は調剤チャンバ405内に位置する相転移化合物を加熱する。この相転移化合物は眼球内に注射されることになる薬剤を運ぶ。相転移化合物は固体だったり、或いは低温で半固体状態、高温でより液体の状態であったりする。そのような物質は、温度制御装置450でより液体の状態に加熱して、眼球内に注射し、そこで時間経過と共に磨滅していくような急速静注薬を成すことができる。同様に、逆ゲル化化合物を使用しても良い。逆ゲル化化合物は固体、或いは低温で半固体状態でかつ高温でより液体の状態であったりする。そのような化合物は、温度制御装置450でより液体の状態に冷却して、眼球内に注射し、そこで時間経過と共に磨滅していくような急速静注薬を成すことができる。そういうものとして、温度制御装置450は、調剤チャンバ405内の物質を加熱する装置、又は調剤チャンバ405内の物質を冷却する装置(又は、双方の組み合わせ)でも良い。眼球内投与後には、相転移化合物や逆ゲル化化合物は時間経過と共に摩滅し、ある量の薬剤を長期間に亘って供給することになる。相転移化合物や逆ゲル化化合物を使用することにより、より良い薬物投与を、より少ない注射回数を以て達成することができる。
熱センサ460は、温度制御装置450の作動制御に役立つ温度情報を提供する。熱センサ460を調剤チャンバ・ハウジング425近くに配置させ、調剤チャンバ・ハウジング425近傍の温度を測定させるようにしても良い。又、熱センサ460は調剤チャンバ・ハウジング425と熱的接触するように配置し、調剤チャンバ・ハウジング425の温度を測定させるようにしても良い。他の実施形態では、熱センサ460が測定した温度を、調剤チャンバ405内の物質温度に相関付けることも可能である。言い換えれば、調剤チャンバ405内の物質温度を計算するために、調剤チャンバ・ハウジング425の温度測定値を使用することができる。調剤チャンバ・ハウジング425とその中にある物質の熱的特性は公知であって、更に温度制御装置450の温度が制御可能であるため、特定期間に亘って温度制御装置を使用することで、結果として調剤チャンバ405内の物質温度に関して計算可能な変化をもたらす。熱センサ460は、温度情報を提供できる多くの異なった装置のどれでも良い。例えば、熱センサ460は、温度によってその抵抗値が変化するような熱電対や抵抗デバイスでも良い。
本発明の一実施形態において、調剤チャンバ405内にある物質は、調剤チャンバに前もって充填された薬剤からなる。このような場合、使い捨て型先端セグメント205は、使い捨て用消耗品として相応しいものである。そのような使い捨て製品は、所定量の薬剤が装着された状態で、工場で組み立てることができる。
調剤チャンバ405に予め薬剤を充填する際には、設定量の薬剤を予備充填することができる。例えば、100マイクロリットルの薬剤を調剤チャンバ405内に充填でき、100マイクロリットルまでのいかなる量の薬剤も投与できる。調剤チャンバ205内にある薬剤量に関する情報と他の投薬量情報をアセンブリ555に格納できる。このような場合、調剤チャンバ405から針210を介して眼球内に正確な量の薬剤を投与するべくプランジャ415を正確な距離を以て移動することができる。これにより投薬の柔軟性と組み付けの容易さがもたらされる。
図7は本発明の実施形態による眼科用医療機器のための使い捨て型先端セグメントの断面図である。図7では、使い捨て型先端セグメント205は、ハウジング215、針210、プランジャ415、プランジャ・インターフェース420、調剤チャンバ405、調剤チャンバ・ハウジング425、アセンブリ555、温度制御装置450、熱センサ460、任意のルアー430、先端インターフェース・コネクタ452、453、インターフェース462、463及びロック機構471を備えている。
図7の実施形態は図6の実施形態のように機能する。図7の先端セグメント205を成す様々な部品は、図6の部品と同じ特性を持ち、それらと実質的に同じように作動する。ロック機構471は、先端セグメント205を再使用制限アセンブリに取り付けるのに役立つ。再使用制限アセンブリ上にあるロック機構265のような結合機構は、ロック機構471に結合し、再使用制限アセンブリに先端セグメント205を固着させる。
図8は、本発明の実施形態による使い捨て型先端セグメントの断面図と再使用制限アセンブリの部分図である。図7では、使い捨て型先端セグメント205は、ハウジング215、針210、プランジャ415、プランジャ・インターフェース420、調剤チャンバ405、調剤チャンバ・ハウジング425、RFIDタグ1110、温度制御装置450、先端インターフェース・コネクタ452及びインターフェース462を有する。再使用制限アセンブリの部分図には、機械的結合インターフェース545、アクチュエータ軸510、インターフェース535、再使用制限アセンブリ・インターフェース・コネクタ552、RFIDリーダー1120及びRFIDインターフェース1130が示されている。
図8の実施形態は図6及び図7の実施形態のように機能する。図8の先端セグメント205を成す様々な部品は、図6、図7の部品と同じ特性を持ち、それらと実質的に同じように作動する。しかしながら、図8の実施形態は、情報を格納・伝達するための有線アセンブリ555よりむしろRFIDシステムを使用する。RFIDリーダー1120は、隣接再使用制限アセンブリの先端近く、機械的結合インターフェース545に隣接して配置される。RFIDタグは先端セグメント205の底に位置している。RFIDリーダー1120は、RFIDタグ1110から情報を読み込むように設計されている。RFIDインターフェース1130はコントローラ305(図示せず)に接続される。
RFIDタグ1110は、アセンブリ555が図5乃至図7の実施形態で保持し得るのと同じ種類の情報を保持するために構成される。この様に、RFIDタグ1110は別の種類のメモリである。しかしながら一般に知られているように、RFIDタグ1110がRFIDリーダー1120に対する有線接続を必要としない。この様にして、先端セグメント205(RFIDタグ1110)と再使用制限アセンブリ(RFIDリーダー1120)との間に無線接続を確立することができる。
RFIDシステムの1つのタイプである受動型RFIDシステムでは、RFIDタグ1110は電力供給装置を持たない。その代わりに、受動型RFIDタグがその電力のためにRFIDリーダー1120によって生成された電磁場に依存する。RFIDリーダー1120によって生成されかつRFIDリーダーアンテナ(図示せず)から発された電磁場はRFIDタグ1110に小さな電流を誘発する。この小電流によりRFIDタグ1110が作動する。この受動型システムにおいてRFIDタグは、RFIDリーダー1120によって放たれた電磁場から電力を集め、更にRFIDリーダー1120によって受信されるアウトバウンド信号を送信するように設計されている。
作動において、RFIDリーダーアンテナ(図示せず)はRFIDリーダー1120によって生成された信号を送信する。RFIDタグアンテナ(図示せず)はこの信号を受信し、小電流がRFIDタグ1110内に誘導される。この小電流はRFIDタグ1110に電力供給する。そして、RFIDタグ1110は、RFIDタグアンテナを介して、RFIDリーダーアンテナとRFIDリーダー1120自身に信号を送信できる。この様にして、RFIDタグ1110とRFIDリーダー1120は、無線周波数リンク上で相互通信可能となる。RFIDタグ1110は、RFIDタグアンテナを介して、投薬量情報や先端セグメント情報のような情報をRFIDリーダー1120へ伝達する。この情報はRFIDリーダー1120によって受信される。この様にして、情報は先端セグメント205から再使用制限アセンブリへと伝達することができる。RFIDリーダー1120は同様に、RFIDタグ1110に情報を伝達すことができる。例えば、RFIDリーダー1120は、RFIDリーダー1120によって放たれた無線周波数信号に乗った投薬量情報などの情報を伝えることができる。RFIDタグ1120は情報を伴ったこの無線周波数信号を受信する。この際RFIDタグ1110はこの情報を格納することができる。
図8の実施形態はRFIDシステムを持つものとして記述したが、再使用制限アセンブリ250と先端セグメント205の間に情報伝達に関しては、どんな種類の無線システムも使用できる。例えば、多分ブルートゥースプロトコルが再使用制限アセンブリ250と先端セグメント205の間の通信リンクを確立していたはずである。情報は、次に、この通信リンク上で再使用制限アセンブリ250と先端セグメント205の間で伝達することができる。情報伝達に使用される他の実施形態としては、赤外線のプロトコル、802.11、ファイヤーワイヤー又は他の無線プロトコルなどがある。
一実施形態において、RFIDタグ1110(又は、アセンブリ555)には投薬量情報が含まれている。調剤チャンバ405に含まれた薬剤のための適切な投薬量に関する情報を、RFIDタグ1110(又は、アセンブリ555)上に含まれるようにしても良い。そのような場合には、コントローラ305は、RFIDタグ1110(又は、アセンブリ555)からの投薬量情報を読み込み、適切な投薬を達成するのに適当な方法でアクチュエータ515を作動することができる。例えば、調剤チャンバ405内に100マイクロリットルが含まれるかもしれない。この場合、眼球内部に20マイクロリットルの投薬をなすべきとの情報が、RFIDタグ1110(又は、アセンブリ555)上に格納されるかもしれない。このような場合には、コントローラ305は、RFIDタグ1110(又は、アセンブリ555)からその投薬量情報(即ち、20マイクロリットルの薬剤を眼球に投与すべきとの情報)を読み込むことになる。この時、コントローラ305は、20マイクロリットル投与するようにアクチュエータ515を作動できる。コントローラ305によってアクチュエータ515は、アクチュエータ軸510と機械的結合インターフェース545を、20マイクロリットルの投薬と関係した設定距離だけ移動させることができる。このような場合、20マイクロリットル分だけの薬剤が針210から射出されて眼球に入るように、プランジャ415はこの所定距離分だけ移動されることになる。
本発明原理と一致する別の実施形態において、コントローラ305は、所望の投薬量を成すためにプランジャ415に求められる移動距離を計算するようにしても良い。例えば、20マイクロリットルの薬物投与に対応する投薬量情報がコントローラ305によってRFIDタグ1110(又は、アセンブリ555)から読み込まれたならば、その際コントローラ305は、プランジャ415に求められる適切な移動距離を計算するために、この情報を使用しても良い。調剤チャンバ405に充填された薬剤の容量だけでなく調剤チャンバ405自体の容積が既知であるため、要求された量の投薬を達成するために求められるプランジャ415の移動距離はコントローラ305によって算出することができる。調剤チャンバ405が円筒形の場合、調剤チャンバの容積は、円筒形の断面積(円の面積)×調剤チャンバ高さによって算出できる。調剤チャンバ405の全容積の算出にもこの単純な数式を使用できる。この調剤チャンバ405の断面積は与えられた如何なる用途においても一定であるために、プランジャ415移動距離に対応する上記高さは、如何なる投薬量でも算出することができる。
例えば、100マイクロリットルの薬が調剤チャンバ405に充填され、その調剤チャンバ405の横断面積が10であったと仮定する。調剤チャンバ405が円筒形状である時、そのシリンダの高さもまた10である。調剤チャンバ405の全容積の20%に相当する20マイクロリットルの投薬を成すためには、プランジャ415を針210に向かって上向きに2の距離分だけ移動させることが必要にある。言い換えれば、20マイクロリットルの投薬は調剤チャンバ405の全容積の20%に対応する。このような場合には、プランジャ415は、調剤チャンバ405の全高の20%に等しい距離だけ針210に向かって上方に移動しなければならない。そしてその際、コントローラ305は、アクチュエータ軸510がプランジャ415を調剤チャンバ405の全高の20%の距離だけ上方に駆動するように、アクチュエータ515を制御することができる。
更に、コントローラ305は、所定量の適切な薬物投与をするためにプランジャ415が動かされるべき速度の情報を読み込んでも良い。このような場合には、コントローラ305は、RFIDタグ1110(又は、アセンブリ555)から投薬速度に関する情報を読み込み、その情報を用いてその速度でプランジャ415を動かすべくアクチュエータ515を作動させる。プランジャ415の移動速度は、固定値であったり、可変であるかもしれない。幾つかの適用例では、他の適用例よりも速くプランジャ415を移動させることが好ましい場合もある。例えば、調剤チャンバ405に含まれる薬剤が、眼球内に注射される前に加熱されるべきものである場合、加熱された薬剤が冷えて針210を詰まらせることのないような速度でプランジャ415を動かすのが好ましい場合もある。他の適用例では、調剤チャンバ405に含まれる薬剤投与を改善するためにプランジャ415をゆっくり動かすのが望ましい場合もある。
また、RFIDタグ1110(又は、アセンブリ555)はまた、薬剤投与に関する他のいかなる情報も含んでも良い。例えば、RFIDタグ1110(又は、アセンブリ555)は、調剤チャンバ405に含まれる薬剤の種類や、その薬剤の様々な特性、或いはその薬剤の適切な投薬量や適切な供給に関する他の特性の情報を含んでも良い。更に、RFIDタグ1110(又は、アセンブリ555)には、安全情報、先端セグメント205の適切な作動情報、又は先端セグメントや再使用制限アセンブリに関連する他のいかなる情報をも含ませても良い。
本発明原理と一致した別の実施形態において、投薬量は、薬剤を与えている医療専門家によって選択できるようにしても良い。このような場合、再使用制限アセンブリ250や先端セグメント205上に位置する入力装置(図示せず)によって、医師が所望の投薬量を選択できるようにしても良い。このような場合には、コントローラ305が所望の投薬量を受信し、アクチュエータ515を作動させ、所望薬物投与をするために必要な距離だけプランジャ415を移動させる。そのようなユーザ選択型の投与スキームは、単に別の入力装置を加えることで実行されるようにしても良い。
投薬エラーの可能性を低めるべく、RFIDタグ1110(又は、アセンブリ555)上に投薬量情報を入れることが望ましい場合がある。このような場合には、多くの異なった薬剤投与先端セグメント205が製造され、工場で薬剤が充填されるようにしても良い。投薬量情報も又、工場においてRFIDタグ1110(又は、アセンブリ555)上に載せることができる。そのような場合、それぞれ調剤チャンバ405に含まれている薬剤量が同じでも、RFIDタグ1110(又は、アセンブリ555)上に記憶された投薬量情報が異なるような、多数の異なる先端セグメントを製造・出荷することができる。また、医師はRFIDタグ1110(又は、アセンブリ555)上に必要とする投薬量情報が載っている先端セグメント205を注文することができる。適切な調剤が患者に投与されるように、パッケージには投薬量情報が識別できるように明確にラベル表示することができる。
図9Aは本発明の一実施形態による眼科用医療機器のための使い捨て型先端セグメントの断面図である。図9において、使い捨て型先端セグメント205は、ハウジング215、針210、プランジャ415、プランジャ軸417、プランジャ・インターフェース420、調剤チャンバ405、調剤チャンバ・ハウジング425、アセンブリ555、温度制御装置450、熱センサ460、任意のルアー430、先端インターフェース・コネクタ452、453、インターフェース462、463及びタブ472、473を備える。
図9の先端セグメント205を成す様々な部品は、図5乃至図8の部品と同じ特性を持ち、それらと実質的に同じように作動する。図9の実施形態は、再使用制限アセンブリのスロットに係合する2つのタブ472、473を備える。これらの2つのタブ472、473がスロットに挿入された後に、先端アセンブリ205は、再使用制限アセンブリ上の所定位置に固定するために回転される。2つのタブ472、473は、先端セグメント205と再使用制限アセンブリの間に適切なインターフェースを提供するように、異なる形やサイズであっても良い。 これらの2つのタブ472、473が異なって形成されるか、または違うサイズで形成された場合、先端セグメント405は1つの方向性をもって再使用制限アセンブリに適合するしかない。本発明の他の実施形態では、異なる形やサイズのタブを、異なる再使用制限アセンブリ上の異なる形状やサイズのスロットと共に使用することが可能である。この様に、相補的形状又は寸法のタブを持った先端セグメント205を収納するために、数多くの異なる再使用制限アセンブリを異なる形状や寸法のスロットを備えた形で製造しても良い。
更に、図9の実施形態はプランジャ415に接続されるプランジャ軸417を備える。この実施形態では、プランジャ415はプランジャ軸417上にオーバーモールド成形しても良い。プランジャ軸417は、その中間直径が遠位末端や近接端部の直径よりも小さい略円筒状に形成される。プランジャ・インターフェース420は、プランジャ軸417の近接端部上の面から構成される。プランジャ軸417は通常、ステンレス鋼などの堅固な材料から作られる。一方、プランジャ415はゴムか高分子材料から形成され。本発明の別の実施形態では、プランジャ軸417の遠位末端には、プランジャ415を当てることができるリップを備えている。プランジャ415はプランジャ軸417上に圧入することができ、プランジャ軸417の遠位末端のリップにより定位置に保持されることになる。これにより一層簡単な組み付けが可能になる。軸上にプランジャ415をオーバーモールドする代わりに、プランジャ415を分割部品として製造し、プランジャ軸417の遠位末端に圧着することも可能である。 プランジャ・インターフェース420はいかなる適合形状でもよい。
図9Bは図9Aに示した先端セグメントの端面図である。図9Bは、針210から最も遠い先端セグメント205の端部を示している。この端部を以て再使用制限アセンブリと結合する。図示されているのは、ハウジング215、プランジャ・インターフェース420、先端インターフェース・コネクタ451、452、453、454、455、456、タブ472、473及び位置合わせスロット481である。
図9Bの実施形態では、プランジャ・インターフェース420の一端は完全なる円形というわけではない。それは、同様の断面形状を持つ機械的結合インターフェースと合うように設計された平坦部分を備えている。このオプション機能は、先端セグメントと再使用制限アセンブリを適切に整合させる目的で設計されている。本発明の他の実施形態では、プランジャ・インターフェース420の一端の横断面は円形である。
図9Bの実施形態も又、先端セグメントを再使用制限アセンブリに適切に合わせる際の補助となる、任意の位置合わせスロット481を備えている。位置合わせスロット481は、再使用制限アセンブリ上の位置合わせピン(図11に番号581で示されている)に係合する。本発明の別実施形態では、タブ472、473は互いに異なったサイズを有する。或いは、タブ472、473は互いに異なる形状を有しても良い。2つのタブ472、473も又、図11のスロット572、573と係合することで、先端セグメントを再使用制限アセンブリに合わせる際の補助をすることになる。
本発明原理と一致する一の実施形態では、先端セグメントは、タブ472、473がスロット572、573に挿入されるように、再使用制限アセンブリ上に配置される。次いで、先端セグメントは、タブ472、473がスロット572、573内で保持されるように再使用制限アセンブリに対し回転される。その際に、位置合わせピン581と位置合わせスロット481が適切に整列されることになる。
コネクタ451、452、453、454、455、456は、先端セグメントを再使用制限アセンブリに電気的に連結する。コネクタ451、452、453、454、455、456は、再使用制限アセンブリ(図11に示す)上の同様のコネクタ551、552、553、554、557、556と夫々接続する。これらのコネクタは、先端セグメントと再使用制限アセンブリの間を通る信号のための経路を提供する。
図10A乃至図10Dは、本発明の実施形態に含み得る4つの異なる回路の概略図である。図10Aは温度制御装置450のための多くの異なった構成の1つを示している。図10Aにおいて、温度制御装置450はコネクタ452、455に接続される。電力及び/又は制御信号がコネクタ452、455を介して温度制御装置450に供される。
図10Bは熱センサ460のための多くの異なった構成の1つを示している。図10Bにおいて、熱センサ460はコネクタ451、454に接続される。熱センサ460から信号はコネクタ451、454を介して受信される。
図10Cはヒューズ1011のための多くの異なった構成の1つを示している。ヒューズ1011はアセンブリ555内に含まれるようにしたり、図10Cに示されたように実行しても良い。図10Cでは、ヒューズ1011はコネクタ453、456間で接続されている。この実施形態では、ヒューズ1011は先端セグメントが使い捨て装置であることを確実にする働きをする。ヒートボタンが作動された時や使い捨て型先端セグメント205が使用された後にヒューズ1011が飛ぶ。前述したように、再使用制限アセンブリのコントローラは、接続された先端セグメントの使用完了時点を検出し、更にヒューズ1011に流す電流を増加させてヒューズ1011を飛ばす。ヒューズ1011が飛ばされた時点で、先端セグメントはもはや作動可能ではなくなり、廃棄を余儀なくされる。
図10Dはアセンブリ555ための多くの異なった構成の1つを示している。図10Dにおいて、アセンブリ555はコネクタ453、456に接続される。電力及び/又は制御信号がコネクタ453、456を介してアセンブリ555に供される。
コネクタ451、452 453、454、455、456に関しては、それ以外の多くの形態を採用しても良い。例えば、図では6個のコネクタが示されているが、いかなる数のコネクタを使用しても良い。更に、異なる回路からなる任意の組み合わせを先端セグメント内に含ませるようにしても良い。
図11は本発明原理による再使用制限アセンブリの端面図である。図11に示した再使用制限アセンブリの端部は、図9Bに示した先端セグメントの端部と結合する。 図11に示す再使用制限アセンブリの端面図は、ハウジング255、機械的結合インターフェース545、再利用アセンブリ・インターフェースコネクタ551、552、553、554、557、556、スロット572、573及び位置合わせピン581を示している。
図11の実施形態では、機械的結合インターフェース545の一端は完全に円形であるというわけではない。それは、同様の断面形状を持つプランジャ・インターフェースに一致するように設計された平坦部分を備える。このオプション機能は、先端セグメントと再使用制限アセンブリを適切に整合させる目的で設計されている。本発明の他の実施形態では、機械的結合インターフェース545の一端の横断面は円形である。
図11の実施形態も又、先端セグメントを再使用制限アセンブリに適切に合わせる際の補助となる、任意の位置合わせスロット581を備えている。位置合わせピン581は、先端セグメント上の位置合わせスロット(図9Bに番号481で示されている)に係合する。本発明の別実施形態では、スロット572、573は互いに異なったサイズを有する。或いは、スロット572、573は互いに異なる形状を有しても良い。2つのスロット572、573も又、図9Bに示す先端セグメントのタブ472、473と係合することで、先端セグメントを再使用制限アセンブリに合わせる際の補助となる。
コネクタ551、552、553、554、557、556により先端セグメントは再使用制限アセンブリに電気的に接続される。コネクタ551、552、553、554、557、556は先端セグメント側のコネクタ451、452 453、454、455、456(図9に示す)と結合する。これらのコネクタは、先端セグメントと再使用制限アセンブリの間で行き来する信号の経路を提供する。
図12は本発明の一実施形態による再使用制限アセンブリの断面図である。図12において、再使用制限アセンブリ250は、機械的結合インターフェース545、アクチュエータ軸510、アクチュエータ515、電源505、コントローラ305、再使用制限アセンブリ・ハウジング255、インターフェース535、再使用制限アセンブリインターフェース・コネクタ551、変位センサ1215、電源コントローラ444及び誘導要素1225を備えている。
変位センサ1215はアクチュエータ軸510の移動を測定する。変位センサは、数ある中でも、光学ロータリー・エンコーダ、リニアエンコーダ、電流検出回路(ホールセンサ)、回転式ポテンショメータ又はリニアポテンショメータでも良い。他の実施形態では、変位センサは、アクチュエータ515がストールしたかどうかを検出することができる。例えば、ホールセンサはストール状態を示すアクチュエータ515によって増加した電流引き込みを検出することができる。又、変位センサ1215はアクチュエータ515からの逆起電力を測定するようにしても良い。変位センサ1215は単一部品でも複数部品からなるものでも良い。本発明の原理と一致する一実施形態において、変位センサ1215は、アクチュエータ軸510の移動距離を測定する装置と、アクチュエータ515がストールしているか否かを検出する装置を備えている。
変位センサ1215はアクチュエータ軸510の位置を測定する。機械的結合インターフェース545がアクチュエータ軸510に接続されているために、変位センサ1215はその位置を測定する。そのような変位センサ1215は、薬剤の全量が投与されたかどうか決定するのに使用できる。仮に、変位センサ1215によって、アクチュエータ軸510が機械的結合インターフェース545とプランジャ415の動きに相当する特定距離だけ移動したことが検出されたならば、その時、所定量の薬剤が針210から射出されたことが既成事実となる。このように薬剤が眼球に投与されるような場合、変位センサ1215は、薬剤の全量が投与されたか否かを決定するのに使用できる、アクチュエータ軸510移動量に関する情報を提供する。
場合によっては、アクチュエータ515がストールしてしまい、アクチュエータ軸510、機械的結合インターフェース545及びプランジャ415を、薬剤全量を眼球に投与するだけの適正距離だけ駆動できない可能性もある。このような場合には、変位センサ1215はアクチュエータ軸510、機械的結合インターフェース545及びプランジャ415が移動した距離を測定する。この距離情報から、実際投与された薬剤量を計算できる。例えば、調剤チャンバ405が円筒状である場合、その円形断面積は既知である。そのような場合には変位センサ1215によって測定された距離がシリンダの高さになり、変位分の容積は、(例えば、コントローラ305により)容易に算出できる。この投与された量はストール表示を伴って、例えばディスプレイ320(図3)などの表示装置を介して通知することができる。
変位センサ1215は又、投薬プロセスに有用な他の情報を提供する場合がある。例えば、先端セグメントが再使用制限アセンブリに接続される時、アクチュエータ軸510を、先端セグメントとの接続のための定位置まで後退させたり、又は移動させても良い。この場合、変位センサ1215はこの定位置へのアクチュエータ軸510の移動を測定できる。又、アクチュエータ軸510は、投薬に先立ち、再使用制限アセンブリに先端セグメントを取り付けることのできる定位置か配置されるようにしても良い。一実施形態において、変位センサから読み込まれる情報は、投薬のためのアクチュエータ515作動前にアクチュエータ軸510が定位置にあることを確認することに使用される。
図12の実施形態も又、電源コントローラ444と誘導要素1225を備えている。例えば、電源505が再充電可能なバッテリである場合、これらの2部品が、電源505の充電を制御することになる。電源コントローラ444は電源505の充電、モニタリング及びメンテナンスに関係する多くの異なった機能のいずれも実行し得る回路を備えている。他の実施形態では、電源コントローラ444をコントローラ305に実装したり、一体化するようにしても良い。
本発明の一実施形態において、電源コントローラ444(場合によっては、コントローラ305)は再使用制限アセンブリ250の使用回数をカウントする。カウントされた使用回数が予め定められた安全使用回数に達した後に、再使用制限アセンブリ250は無効化される。或いは、電源コントローラ444(場合によっては、コントローラ305)は、電源505の充電回数(電源505が受けた充電サイクル数)をカウントする。カウントされた充電回数が予め定められた敷値にした時、再使用制限アセンブリ250は無効化される。本発明の他の実施形態では、電源コントローラ444(場合によっては、コントローラ305)は、電源505の故障状態や他の不安全状態を検出し、再使用制限アセンブリ250の更なる使用を回避する。
電源505を充電するに当たっては、誘導要素1225が充電ベース(図示せず)の別の誘導要素近くに配置された時、電流が誘導要素1225内に誘導される。
図13は本発明の一実施形態による再使用制限アセンブリの断面図である。 図12において、再使用制限アセンブリ250は、機械的結合インターフェース545、アクチュエータ軸510、アクチュエータ515、電源505、コントローラ305、再使用制限アセンブリ・ハウジング255、インターフェース535、再使用制限アセンブリインターフェース・コネクタ551、変位センサ1215、電源コントローラ444及び充電接点1235を備えている。
図13の実施形態では、電源505に電力を提供するため、接点1235は充電ベース(図示せず)上の接点に接合する。一実施形態において、接点1235は、例えばドッキングステーション付きの携帯用電子機器に使用されるようなUSB型接続部からなる。一実施形態ではMolexR CradleC-on(モレックス・クレドルコン-登録商標)コネクタが使用される。他の種類のコネクタを使っても良い。
図14及び図15は、本発明の原理による2つのサブアセンブリの断面図である。これらサブアセンブリの夫々がアクチュエータ515から針210まで経路を示している。図14がアクチュエータ軸510に堅固に接続される機械的結合インターフェース545を示すのに対し、図15は玉継ぎ手805を持った機械的結合アセンブリ545を示している。玉継ぎ手805を使用することで機械的結合インターフェース545をプランジャ・インターフェース420に合わせるのを補助する。
図14において、アクチュエータ515は機械的結合インターフェース545に堅固に接続されるアクチュエータ軸510を有する。機械的結合インターフェースはプランジャ・インターフェース420と整合する。プランジャ415は、調剤チャンバ・ハウジング425内に配置されると共に調剤チャンバ・ハウジング425の内面に対し封止される。調剤チャンバ405は、調剤チャンバ・ハウジング425の内面とプランジャ415の末端によって囲まれている。温度制御装置450は調剤チャンバ・ハウジング425を少なくとも部分的に囲む。針210は調剤チャンバ405に流体的に接続される。
図15において、アクチュエータ515は、玉継ぎ手を介して軸810に連結されたアクチュエータ軸510を備える。機械的結合インターフェース545は、玉継ぎ手805を介して軸810に回転可能に接続される。機械的結合インターフェースはプランジャ・インターフェース420と整合する。プランジャ415は、調剤チャンバ・ハウジング425内に配置されると共に調剤チャンバ・ハウジング425の内面に対し封止される。調剤チャンバ405は、調剤チャンバ・ハウジング425の内面とプランジャ415の末端によって囲まれている。温度制御装置450は調剤チャンバ・ハウジング425を少なくとも部分的に囲む。針210は調剤チャンバ405に流体的に接続される。
図14及び図15において、アクチュエータ515はアクチュエータ軸510を上方に(針210に向う方向に)駆動する。次いで、機械的結合インターフェース545も又、上方に駆動される。機械的結合インターフェース545がプランジャ・インターフェース420に結合された時、プランジャ420も又上方に駆動される。調剤チャンバ405に含まれた物質は、針210を通って射出される。この様に、動作と力がアクチュエータ軸510から機械的結合インターフェース545、プランジャ415へと伝達されることになる。
調剤チャンバ405が眼球に投与されることになる薬剤を含む時、図14及び図15の構成は、眼球から針を抜く際に生じる逆流を解消する。プランジャ415の動作は単一の方向(調剤チャンバ405内の薬剤を吐出させる方向)である。機械的結合インターフェース545が針210から離れた方向に移動される時であって、例えば薬剤が眼球内に噴射された後には、プランジャ415は所定位置に留まる。プランジャ415は機械的結合インターフェース545に堅固に接続されてはいないため、機械的結合インターフェース545が引き込められた際にも、プランジャ415は引き込められない。
図16は、図13の再使用制限アセンブリと充電ベースの断面図である。図16において、再使用制限アセンブリ250の底面は充電ベース1615と適合する。再使用制限アセンブリ250が充電ベース1615内に置かれた時に電源505は充電可能となる。充電後に再使用制限アセンブリ250を充電ベース1615から取り外すことができる。本発明の一実施形態において、先端セグメント205を取り付けた状態で再使用制限アセンブリ250が充電ベース1615に置かれ、調剤チャンバ405内の物質が温度制御装置450によって加熱したり冷却されたりする。この様にして、充電ベース1615は温度制御装置450に電力供給する。調剤チャンバ405内の物質が(熱センサ460からの情報から決定されたような)適切な温度に達した時、先端セグメント205を取り付けた状態の再使用制限アセンブリ250を充電ベースから取り外すことができる。これは、再使用制限アセンブリ250と付属の先端セグメント205が充電ベース1615から取り外した際の噴射過程のために電源505を節約することになる。
図17A及び図17Bは、本発明の原理による眼球内に物質注射する1方法のフローチャートである。まず1705では、先端セグメントと再使用制限アセンブリとの接続が確認される。次に1710では、再使用制限アセンブリに接続された先端セグメントの種類が識別される。ここでは例えば、投薬先端セグメント自体や投薬先端セグメントの種類を識別しても良い。例えば、メモリやRFIDタグからの情報など、先端セグメントからの情報を読み込むことで識別するようにしても良い。次に1715では先端セグメントから投薬量情報を受信する。先端セグメントの種類の関連情報と同様に投薬量情報は、先端セグメントにある記憶装置からコントローラやRFIDリーダー、或いは再使用制限アセンブリにある類似した装置を使って読み込むようにしても良い。
1720では、温度制御装置が、調剤チャンバ内にある物質の温度を変えるために作動される。前述したように、ここで物質は加熱されたり、冷却される。付け加えるが、このような加熱や冷却は充電ベース上に先端セグメントと再使用制限アセンブリが位置する時だけ行うようにしても良い。1725では、物質が入っている調剤チャンバ近傍に位置する熱センサから温度情報を受信する。 次いで1730では、この温度情報を、物質温度を調整する温度制御装置の制御のために使用する。
1735ではアクチュエータ軸が定位置に移動される。例えば、この定位置確保のために、アクチュエータ軸を完全に引っ込ませても良い。この定位置は、変位センサのための基準点となることができる。言い換えれば、変位センサはアクチュエータ軸の移動をその定位置から測定開始することができる。1740では、(アクチュエータ軸に一体、又は接続している)機械的結合インターフェースがプランジャ・インターフェースと接するまでアクチュエータ軸が移動される。この位置において、更にアクチュエータ軸を移動させることで調剤チャンバから物質が放出されることになる。機械的結合インターフェースがプランジャ・インターフェースに接触した時点で、装置は、眼球内に物質注射する準備完了の状態になる。このステップは、物質の温度を注射のための適温に維持できるように、眼球内に物質を注射する前に実行される。 例えば、先端セグメントと再使用制限アセンブリが充電ベース上にある間に、物質は加熱されたり冷却されたりするかもしれない。先端セグメントと再使用制限アセンブリが充電ベースから取り外された場合、物質の温度が適切な温度範囲外にまで低下する前に注射を実行するべく、医師には限られた時間しかない場合がある。 プランジャ・インターフェースに機械的結合インターフェースを接触させることで、注射自体を短時間で実行することができる。
1745では、物質が眼球に投与されることを示す入力が受信される。例えば、医師がボタンを押して、アクチュエータが物質投与のために作動されることになるのを示す信号をコントローラに送っても良い。1750では、投薬量情報を用いて、適切な用量の薬剤を適切な速度で投与すべくアクチュエータの作動が制御される。物質はそれが適切な温度範囲にある後にだけ、眼球内に投与されることになる。1755では、変位センサから情報を受信する。この情報は、アクチュエータ軸の移動距離を示すものである。アクチュエータ軸の移動距離は投薬量に相互関係がある。軸がより遠くに移動した分、それだけ大きくプランジャが変位したことになり、投薬量も多くなる。1760では、提供された投薬量の表示がなされる。例えば、完全な量の薬剤が首尾よく提供されたような注射の成功を、緑のランプや(マイクロリットルのオーダーで投与された物質の量を示す)数値で表示しても良い。失敗の注射では、実際に投与された物質量が表示される。1765では例えば、先端セグメント内のヒューズを飛ばすことで先端セグメントの再使用を防止する。
図18は、本発明の原理に従い、眼球内に物質注射することに関係した1つの方法のフローチャートである。図18は、先端セグメントと再使用制限アセンブリが充電ステーションに位置している間に、調剤チャンバ内の物質を加熱、又は冷却する温度制御装置の作動方法を表わしている。1805ではまず、先端セグメントと再使用制限アセンブリの接続が認識される。1810では、先端セグメントの種類が確認される。1815では、先端セグメントから投薬量情報を受信する。1820では、先端セグメントと再使用制限アセンブリが充電ベースの上に位置しているか否かが決定される。仮に、それらが充電ベース上にないなら、1825でシステムは待機し、1820に戻る。先端セグメントと再使用制限アセンブリが充電ベー上にある場合、1830で温度制御装置が作動され、調剤チャンバに含まれた物質の温度を変更する。次に1835で熱センサから温度情報を受信する。そして1840ではこの温度情報が使用され、温度制御装置を制御することになる。
図19は、本発明の原理に従い、眼球内に物質注射することに関係した1つの方法のフローチャートである。図19は、適切な用量の薬剤が投与されたか否かを決定することに関係する方法を示している。まず1910では、アクチュエータが投薬量と投薬速度情報に基づいて制御される。アクチュエータはプランジャを駆動し、物質を投与する。1920では変位センサから、アクチュエータ軸の移動距離を示す情報を受信する。1930では、この距離情報をもって、適切な量の薬剤が投与されたか否かが決定される。仮にアクチュエータ軸が、適切な用量の薬剤を投与するのに必要な距離だけ移動したならば、1940で適切な用量の薬剤が投与された旨の表示がなされる。 仮にアクチュエータ軸が、適切な用量の薬剤を投与するのに必要な距離を移動していない場合、1950で、実際にアクチュエータ軸が移動した距離に基づき、実際投与された薬量が算出される。そして1960において、投与された用量の表示がなされる。
図20は、本発明の原理に従い、眼球内に物質注射することに関係した1つの方法のフローチャートである。図20は、アクチュエータ軸がストールした状況に関係するものである。まず2010では、アクチュエータが投薬量と投薬速度情報に基づいて制御される。アクチュエータはプランジャを駆動し、物質を投与する。2020ではストールセンサからデータを受信する。2030では、このデータを使用してアクチュエータ軸がストールしたか否か決定される。仮に軸がストール状態となったなら、2040でストール状態の表示を行う。2050では、アクチュエータ軸の移動距離を示す変位センサからデータを受信する。2060では、距離情報に基づいて実際投与された薬剤量が表示される。仮に軸がストールしていなかったならば、2070で適正な用量の薬剤が投与された表示がなされる。
以上の説明から、本発明が、眼球内に正確な量の物質を投与する改良システムと方法を提供するものであることが理解されよう。本発明は、正確な用量で投薬可能な、シングルユースであって使い捨て可能な投薬装置の先端セグメントを提供している。先端セグメントは再使用制限アセンブリと適合する。ここでは例を用いて本発明を説明したが、様々な変更が当業者によってなされても良い。
以上使い捨て型投薬装置に照らして説明してきたが、本発明は、電力源と連結可能などんな使い捨て型医療装置機器をも包含するものである。本願明細書を考察し、ここに開示された発明を実践すれば、当業者には本発明の他の実施形態も明らかになるであろう。以下の請求の範囲に示された発明の真の範囲と精神と共に、本願明細書及び数々の例は単に模範的なものであると理解されたい。

Claims (47)

  1. 眼科用ハンドピースのための再使用制限アセンブリであって、軸を有するアクチュエータと、該アクチュエータに電力を供給するための電源と、前記アクチュエータを制御するためコントローラと、前記軸に取り付けられかつ一端に合わせ面を有する機械的結合インターフェースと、前記電源と前記コントローラと前記アクチュエータを少なくとも部分的に封入するハウジングとを有し、前記再使用制限アセンブリは、使い捨て型注射器具に着脱自在であることを特徴とする再使用制限アセンブリ。
  2. 更に、前記再使用制限アセンブリのインターフェース面上に配置された1組のインターフェース・コネクタを有することを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
  3. 前記インターフェース・コネクタの組は、先端セグメントに電力を提供することを特徴とする請求項2に記載のアセンブリ。
  4. 前記インターフェース・コネクタの組は、温度制御装置に電力を供給することを特徴とする請求項2に記載のアセンブリ。
  5. 前記インターフェース・コネクタの組は、前記コントローラを熱センサに接続することを特徴とする請求項2に記載のアセンブリ。
  6. 前記インターフェース・コネクタの組は、前記コントローラを記憶装置に接続することを特徴とする請求項2に記載のアセンブリ。
  7. 先端セグメントの状態に関するデータは、前記インターフェース・コネクタの組を通って前記コントローラに送られることを特徴とする請求項6に記載のアセンブリ。
  8. 投薬量データが、前記インターフェース・コネクタの組を介して前記コントローラに伝達されることを特徴とする請求項6に記載のアセンブリ。
  9. 前記投薬量データは前記アクチュエータを制御するのに使用されることを特徴とする請求項8に記載のアセンブリ。
  10. 温度データは、前記インターフェース・コネクタの組を通って前記コントローラに送られることを特徴とする請求項6に記載のアセンブリ。
  11. 前記温度データは温度制御装置を制御するのに使用されることを特徴とする請求項10に記載のアセンブリ。
  12. 更に、前記アクチュエータがストール状態に遭遇しているかどうか検出するためのストールセンサと、該ストールセンサを前記コントローラに接続するためのインターフェースとを有することを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
  13. 更に、前記アクチュエータ軸の移動距離を測定する変位センサと、該変位センサを前記コントローラに接続するためのインターフェースとを有することを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
  14. 前記電源はバッテリであることを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
  15. 前記アクチュエータはステップモータであることを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
  16. 前記アクチュエータはバネ駆動機構であることを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
  17. 前記アクチュエータ軸は前記機械的結合インターフェースに堅固に接続されることを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
  18. 前記アクチュエータ軸は玉継ぎ手を介して前記機械的結合インターフェースに結合されることを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
  19. 更に、前記電源の状態をモニタリングするための電源コントローラを有することを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
  20. 更に、前記再使用制限アセンブリの底面に配置された電気接点であって、充電ベースとインターフェースをとるための電気接点を有することを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
  21. 前記電気接点は電子タイプのインターフェースであることを特徴とする請求項20に記載のアセンブリ。
  22. 更に、前記再使用制限アセンブリの底面近くに配置される誘導要素であって、充電ベースとインターフェースをとるための誘導要素を有することを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
  23. 更に、前記ハウジング内に位置するRFIDリーダーであって、RFIDタグからの情報を読みこむようになっているRFIDリーダーを有することを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
  24. 前記コントローラは、所定用量の物質を供給するために前記アクチュエータ軸と前記機械的結合インターフェースを移動させる距離を決定することを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
  25. 前記コントローラは、前記アクチュエータ軸が一定の速度で動くように前記アクチュエータを作動させることを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
  26. 前記コントローラは、前記アクチュエータ軸が可変速度で動くように前記アクチュエータを作動させることを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
  27. 更に、前記ハウジング上に配置されるインジケータであって、前記再使用制限アセンブリの状態に関する情報を提供するためのインジケータを有することを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
  28. 前記インジケータはディスプレイであることを特徴とする請求項27に記載のアセンブリ。
  29. 眼科用ハンドピースのための再使用制限アセンブリであって、軸を有するアクチュエータと、該アクチュエータに電力を供給するための電源と、前記アクチュエータを制御するためのコントローラと、前記軸に取り付けられかつ一端に合わせ面を有する機械的結合インターフェースと、前記再使用制限アセンブリのインターフェース面上に設けられた1組のインターフェース・コネクタと、前記アクチュエータ軸の移動距離を測定するための変位センサと、前記変位センサを前記コントローラに接続するためのインターフェースと、前記電源と前記コントローラと前記アクチュエータを少なくとも部分的に封入するハウジングと、該ハウジング上に配置され前記再使用制限アセンブリの状態に関する情報を提供するインジケータとを有し、前記コントローラは、所定用量の物質を眼球に供給するべく前記アクチュエータが前記アクチュエータ軸を駆動するように、前記アクチュエータの作動を制御することを特徴とする再使用制限アセンブリ。
  30. 前記インターフェース・コネクタの組は、先端セグメントに電力を供給することを特徴とする請求項29に記載のアセンブリ。
  31. 前記インターフェース・コネクタの組は、前記コントローラを熱センサに接続することを特徴とする請求項29に記載のアセンブリ。
  32. 前記インターフェース・コネクタの組は、前記コントローラを記憶装置に接続することを特徴とする請求項29に記載のアセンブリ。
  33. 前記先端セグメントの状態に関するデータが、前記インターフェース・コネクタの組を介して前記コントローラに伝達されることを特徴とする請求項32に記載のアセンブリ。
  34. 投薬量データが、前記インターフェース・コネクタの組を介して前記コントローラに伝達されることを特徴とする請求項32に記載のアセンブリ。
  35. 前記投薬量データは、前記アクチュエータを制御するのに使用されることを特徴とする請求項34に記載のアセンブリ。
  36. 温度データが、前記インターフェース・コネクタの組を介して前記コントローラに伝達されることを特徴とする請求項29に記載のアセンブリ。
  37. 前記温度データは、温度制御装置を制御するのに使用されることを特徴とする請求項36に記載のアセンブリ。
  38. 更に、前記アクチュエータがストール状態に遭遇しているかどうか検出するためのストールセンサと、該ストールセンサを前記コントローラに接続するためのインターフェースとを有することを特徴とする請求項29に記載のアセンブリ。
  39. 前記電源はバッテリであることを特徴とする請求項29に記載のアセンブリ。
  40. 前記アクチュエータは、ステップモータ、DCモータ、リニア駆動部に結合された回転センサを備えたDCモータ、及びリニアセンサを備えたリニア駆動部に結合されたDCモータからなるグループから選択されたものであることを特徴とする請求項29に記載のアセンブリ。
  41. 前記アクチュエータはバネ駆動機構であることを特徴とする請求項29に記載のアセンブリ。
  42. 前記アクチュエータ軸は前記機械的結合インターフェースに堅固に接続されることを特徴とする請求項29に記載のアセンブリ。
  43. 前記アクチュエータ軸は玉継ぎ手を介して前記機械的結合インターフェースに結合されることを特徴とする請求項29に記載のアセンブリ。
  44. 更に、前記ハウジング内に位置するRFIDリーダーであって、RFIDタグからの情報を読みこむようになっているRFIDリーダーを有することを特徴とする請求項29に記載のアセンブリ。
  45. 前記コントローラは、前記アクチュエータ軸が一定の速度で動くように前記アクチュエータを作動させることを特徴とする請求項29に記載のアセンブリ。
  46. 前記コントローラは、前記アクチュエータ軸が可変速度で動くように前記アクチュエータを作動させることを特徴とする請求項29に記載のアセンブリ。
  47. 前記インジケータはディスプレイであることを特徴とする請求項29に記載のアセンブリ。
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