JP2010534206A - ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン誘導体 - Google Patents

ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン誘導体 Download PDF

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Abstract

下記式(I)の化合物は、微小管親和性調節キナーゼの阻害剤であり、したがって、タウの過剰リン酸化に伴う神経変性疾患の治療に使用される。

Description

本発明は、アルツハイマー病などの神経変性疾患を治療または予防するための方法および材料に関する。特に、微小管親和性調節キナーゼ(MARK)を選択的に阻害する特定クラスのピラゾロ[1,5−a]ピリミジン誘導体を開示する。
アルツハイマー病(AD)は、高齢者の認知症における最も一般的な原因であり、認知機能における低下が特徴であり、ゆっくり進行して記憶喪失および見当識障害などの症状が生じる。平均して、診断9年後に死亡する。ADの発生率は年齢とともに増加するため、年齢が70歳以上の人々の約5%が患者であり、この数字は、80歳を超える人々では20%に増加する。
現存の治療は、ADの初期症状だけを標的にしている。罹患ニューロンは、不十分または過剰な量の特定の神経伝達物質を放出する恐れがあるため、現在の薬物は、神経伝達物質の濃度を増加させること、または神経伝達物質による神経細胞の刺激を減少させることを目的としている。これらの薬物は、ADの症状において一部の改善をもたらすが、疾患の根本原因に取り組んでいない。
ADの古典的な臨床的および神経病理学的特徴は、老人斑または神経突起プラーク、および線維のもつれた束(神経原線維濃縮体)である[Verdile,G.ら、Pharm.Res.50:397−409頁(2004)]。さらに、海馬および大脳皮質におけるニューロンの激しい減少がある。神経突起プラークは、主にβアミロイドペプチド(Aβ)の沈着からなり、ジストロフィー型の(膨張し、損傷し、変性している)神経突起、および炎症過程によって活性化されたグリア細胞によって囲まれている細胞外病変である。対照的に、神経原線維濃縮体(NFT)は、脳(例えば、ADにおける主に皮質および海馬)において広範囲に認められる、過剰リン酸化形態のタンパク質タウからなる細胞内クラスターである。タウは、微小管安定化に関与する可溶性の細胞質内タンパク質である。このタンパク質の過剰リン酸化は、これを不溶性にし、対のらせん状フィラメント中にこの凝集を起こし、該凝集が次にNFTを形成する。
アミロイドカスケード仮説は、Aβペプチド、特にAβ42の異常蓄積が、ADの古典的症状に至り、最終的に患者の死亡に至る一連の事象を惹起すると提唱している。タウ機能の調節不全は、最終的にニューロン死に至るアルツハイマー病の一連の症状における重要な段階であるという強力な証拠がある[例えば、Rapoport,M.ら(2002)Proc.Natl.Acad.Sci USA 99:6364−6369頁]。さらに、タウの突然変異およびNFTは、染色体17(FTDP−17)に関連する前頭側頭型認知症、ピック病およびパーキンソン症など、Aβの症状が存在しない他の認知症に認められる[Mizutani,T.(1999)Rinsho Shikeigaku 39:1262−1263頁]。また、ADにおいて、NFTの頻度は、老人斑の程度よりもよく認知症の程度と相互に関連する[Arriagada,P.V.ら(1992)Neurology 42:631−639頁]一方、有意な数のアミロイドプラークが、非認知症の高齢者の脳においてしばしば認められ、アミロイドの病理だけでは認知症を起こすのに十分ではないことを示唆している。これらの理由により、タウ機能の正常化(特に、過剰リン酸化の防止)は、ADおよび他の認知症傾向の状態の治療にとって望ましい治療目標としてみなされる。
タウは、主に軸索に局在する中枢神経系(CNS)において広範に発現するMapt(微小管関連タンパク質タウ)遺伝子によってコードされる352−441アミノ酸タンパク質である[Binderら、J.Cell Biol.1985、101(4)、1371−1378頁]。タウの主な機能は、微小管(MT)、軸索輸送および軸索伸長など多くの基本的な細胞プロセスを調節するのに不可欠なチューブリン二量体からなる細胞内構造成分、ならびに細胞極性および細胞形状の発生の安定性を調節することである。チューブリンに結合しているタウは、MTの(動的不安定性と呼ばれる)重合/脱重合の速度を決定するのに重要な因子であり、タウはしたがって、多くの基本的な細胞プロセスの調節に重要である[例えば、Butner,K.A.、Kirschner、M.W.(1991)J.Cell.Biol.115:717−730頁を参照のこと]。
タウは、多数のセリン残基およびトレオニン残基を有する塩基性タンパク質であり、これら残基の多くがリン酸化を受けやすい。正常なタウは、2個から3個のリン酸化アミノ酸残基を有するが、ADおよび他のタウオパチーにおいて認められる過剰リン酸化タウは、通常、8個または9個のリン酸化残基を有する。KXGSモチーフとしても知られているLys−(IIe/Cys)−Gly−Ser配列でタウをリン酸化する、グリコーゲン合成酵素キナーゼ3β(GSK3β)およびサイクリン依存性キナーゼ5(cdk5)などのプロリン指向性キナーゼならびにタンパク質キナーゼA(PKA)およびカルモジュリン(CaM)キナーゼIIなどの非プロリン指向性キナーゼを含めて、様々なキナーゼがこれらの部位のリン酸化を促進する。MT結合反復のそれぞれに、1つのKXGSモチーフが見られる。これらの部位でのリン酸化はタウ−MT結合の調節に重要であり、リン酸化の程度が正常に低い一方で、AD患者の脳組織において増加することが認められている。KXGSモチーフであるSer−262内における特定の一残基のリン酸化は、ADにおけるNFTから抽出されるタウタンパク質において上昇することが認められており[Hasegawa,M.ら(1992)J.Biol.Chem 267:17047−17054頁]、この部位でのリン酸化は、MT結合を劇的に低減するとも思われる[Biernat,J.ら(1993)Neuron 11:153−163頁]。
Nishimuraら[Cell 116:671−682頁(2004)]は、ドロソフィラ(Drosophila)におけるキナーゼPAR−1の過剰発現が、増強されたタウ媒介毒性、ならびにGSK3βおよびCdk5によってリン酸化された部位を含めてSer−262、Ser−356および他のアミノ酸残基におけるタウのリン酸化の増加に至ることを実証した。これらの知見は、Ser−262部位およびSer−356部位のリン酸化が、他のキナーゼによる下流部位での後続リン酸化のための必要条件であるとともに、PAR−1キナーゼは、タウ過剰リン酸化の過程中に主要キナーゼとして作用することを示唆している。
PAR−1の哺乳類オルソログは、微小管親和性調節キナーゼ(MARK)である。4つのMARKアイソフォームがあり、これらは、AMP依存性タンパク質キナーゼ(AMPK)ファミリーの一部を形成する。PAR−1と同様に、MARKは、おそらく、Aβによって引き起こされるCa2+恒常性の混乱などの外的侵襲に応答してタウをリン酸化し、さらなるリン酸化現象のためにこれを刺激すると考えられる。MARKによるタウのリン酸化が、直接、MTからのこの分離に至るかどうか、または後続するリン酸化現象が分離を引き起こすかどうかは明らかでない。結果として生じる非結合性の過剰リン酸化タウは、細胞体樹状突起区画に非局在化され、次いで、カスパーゼによって切断されて、凝集する傾向がある断片を形成する[Drewes,G.(2004)、Trends Biochem.Sci 29:548−555頁;Gamblin,T.C.ら、(2003)Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.100:10032−10037頁]。これらの凝集は、中毒性である可能性がある線維に成長し、最終的にはAD中に見られるNFTを形成する恐れがある。
Verdile,G.ら、Pharm.Res.50:397−409頁(2004) Rapoport,M.ら(2002)Proc.Natl.Acad.Sci USA 99:6364−6369頁 Mizutani,T.(1999)Rinsho Shikeigaku 39:1262−1263頁 Arriagada,P.V.ら(1992)Neurology 42:631−639頁 Binderら、J.Cell Biol.1985、101(4)、1371−1378頁 Butner,K.A.、Kirschner、M.W.(1991)J.Cell.Biol.115:717−730頁 Hasegawa,M.ら(1992)J.Biol.Chem 267:17047−17054頁 Biernat,J.ら(1993)Neuron 11:153−163頁 Nishimuraら[Cell 116:671−682頁(2004)] Drewes,G.(2004)、Trends Biochem.Sci 29:548−555頁 Gamblin,T.C.ら、(2003)Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.100:10032−10037頁
これらの理由により、MARK阻害剤は、ADおよび他のタウオパチーにおける神経変性の予防または回復を可能にすると提唱されている。
国際公開第98/54093号、国際公開第00/53605号、国際公開第2004/052286号、国際公開第2004/052315号およびFraleyら、Biorg.Med.Chem.Lett.、12(2002)3537−41頁において、様々な3,6−二置換ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン誘導体が、血管新生および他の細胞増殖過程に関係するチロシンキナーゼ(例えばKDRキナーゼ)の阻害剤として開示されているが、MARK阻害剤としての有用性、またはタウオパチーの治療もしくは予防における有用性の開示がなく、この発明の化合物の開示がない。
本発明によると、式I
Figure 2010534206
(式中、
Aは、0−3個がO、NおよびSから独立して選択されるヘテロ原子である最大10個までの環原子の単環式または二環式芳香族環系を表し、前記環系は、ハロゲン、CN、C1−4アルキル、CFおよびC1−4アルコキシから独立して選択される0−3個の置換基を有し、
Xは、1−3個がN、OおよびSから選択され、残りがCである最大10個までの環原子を含む単環式系または二環式環系を表し、前記環系は、ハロゲン、CN、R−L、RO−L、RN−LおよびRCONRから独立して選択される0−3個の置換基を有し、
Lは、結合を表し、またはCO、(CO)(CH、(CO)(CHO、(CO)(CHNRおよび(CO)(CHSから選択される連結基を表し、
mは、0または1であり、
nは、0、1、2、3または4であり、
は、
H、
最大3個までのハロゲン原子で、またはOH、CN、C3−6シクロアルキル、C1−4アルコキシ、C1−4アルコキシカルボニル、アミノ、C1−4アルキルアミノもしくはジ(C1−4アルキル)アミノで場合によって置換されているC1−6アルキル、ならびに
いずれかが、最大3個までのハロゲン原子で、またはOH、CN、CF、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C1−4アルコキシカルボニル、アミノ、C1−4アルキルアミノもしくはジ(C1−4アルキル)アミノで場合によって置換されている、フェニルまたはC3−6シクロアルキル
から選択され、
は、HまたはC1−4アルキルを表し、
または同じ窒素原子に結合しているRおよびRは、最大3個までのハロゲン原子で、またはOH、CN、CF、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C1−4アルコキシカルボニル、アミノ、C1−4アルキルアミノもしくはジ(C1−4アルキル)アミノで場合によって置換されている、最大7個までの環原子の複素環を完成することができ、
は、Hを表し、またはOH、CN、CF、C1−4アルコキシ、アミノ、C1−4アルキルアミノもしくはジ(C1−4アルキル)アミノで場合によって置換されているC1−4アルキルを表し、
は、
(i)H、
(ii)いずれかが、ハロゲン、OH、CN、CF、OR、SR、SO、SON(R、COR、CO、CON(R、N(R、NRCORおよびNRSOから独立して選択される最大3個までの置換基を場合によって有する、C1−8アルキルまたはC2−8アルケニル、ならびに
(iii)いずれもが、ハロゲン、OH、オキソ、CN、CF、R、OR、SR、SO、SON(R、COR、CO、CON(R、N(R、NRCORおよびNRSOから独立して選択される最大3個までの置換基を場合によって有する、C3−10シクロアルキル、C3−10シクロアルキルC1−4アルキル、Het、HetC1−4アルキル、アリールまたはアリールC1−4アルキル(ここで「アリール」は、フェニルまたはヘテロアリールのいずれかが5員もしくは6員の炭素環または複素環に場合によって縮合している、フェニルまたは5員もしくは6員のヘテロアリールを指し、「Het」は、最大10個までの環原子の非芳香族単環式または二環式の複素環系を指す。)
から選択され、
またはRおよびRは一緒になって、ハロゲン、OH、オキソ、CN、CF、R、OR、SR、SO、SON(R、COR、CO、CON(R、N(R、NRCORおよびNRSOから独立して選択される最大3個までの置換基を場合によって有する、最大10個までの環原子の単環式または二環式の複素環系を完成することができ、
は、Hを表し、または最大3個までのハロゲン原子で、もしくはOH、CN、CF、C1−4アルコキシ、アミノ、C1−4アルキルアミノもしくはジ(C1−4アルキル)アミノで場合によって置換されているC1−6アルキルを表し、またはRは、いずれもが、ハロゲン、OH、CN、CF、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、アミノ、C1−4アルキルアミノおよびジ(C1−4アルキル)アミノから独立して選択される最大3個までの置換基を場合によって有する、フェニル、ベンジルまたは5員もしくは6員のヘテロアリールを表し、
または同じ窒素原子に結合している2個のR基は、ハロゲン、OH、オキソ、CN、CF、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、アミノ、C1−4アルキルアミノおよびジ(C1−4アルキル)アミノから独立して選択される最大3個までの置換基を場合によって有する、最大6個までの環原子の複素環を完成することができ、
は、RがHでないことを除き、Rと同じ定義を有する。)
に従った化合物、またはこの医薬として許容できる塩もしくは水和物が提供される。
本発明は、ヒト患者におけるタウの過剰リン酸化に伴う神経変性疾患を治療または予防するための方法をさらに提供し、前記方法は、上記で定義した通りの式Iの化合物またはこの医薬として許容できる塩もしくは水和物の有効量をこの患者に投与することを含む。
タウの過剰リン酸化に伴う神経変性疾患として、AD、前頭側頭型認知症、ピック病および染色体17(FTDP−17)に関連するパーキンソン症が挙げられる。
さらなる態様において、本発明は、ヒト患者における過剰リン酸化タウの産生を減少させるための方法を提供し、前記方法は、上記で定義した通りの式Iの化合物またはこの医薬として許容できる塩もしくは水和物の有効量を前記患者に投与することを含む。
本明細書で使用される場合、xが1より大きい整数である「C1−xアルキル」という表現は、構成炭素原子の数が1個からx個の範囲である直鎖および分枝のアルキル基を指す。特定のアルキル基は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピルおよびt−ブチルである。「C2−6アルケニル」、「ヒドロキシC1−6アルキル」、「ヘテロアリールC1−6アルキル」、「C2−6アルキニル」および「C1−6アルコキシ」などの派生表現は、同様に解釈されるべきである。最も適切には、こうした基における炭素原子の数は6を超えない。
「ハロゲン」という用語は、本明細書で使用される場合、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を含む。
xが3より大きい整数である「C3−xシクロアルキル」という表現は、本明細書で使用される場合、3個からx個の環原子を含有する非芳香族炭化水素環系を指す。前記系は、xの大きさが可能であれば、単環式または二環式であってよい。例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、ビシクロヘプチルおよびデカリニルが挙げられる。
特に記載のない限り、「二環式」という用語は、架橋二環式およびスピロ結合の環系ならびに縮合環系を含む。しかし、1つまたは両方の環が芳香族である二環系は、必然的に縮合環系である。
「複素環」または「複素環式」という用語は、環原子の1個、2個または3個が、O、NおよびSから独立して選択される環を指し、またはテトラゾールを指す。前記環は、完全に飽和されてよく、または芳香族を含めていかなる程度までも不飽和であってよい。「ヘテロアリール」は、芳香族である複素環のサブセットを指す。
医薬における使用に関し、式Iの化合物は、医薬として許容できる塩の形態であってよい。しかし他の塩も、式Iの化合物またはこれらの医薬として許容できる塩の調製に有用であり得る。本発明の化合物の医薬として許容できる適切な塩として、例えば、塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、安息香酸、シュウ酸、クエン酸、酒石酸、炭酸またはリン酸など、医薬として許容できる酸の溶液と、本発明による化合物の溶液とを混合することによって形成することができる酸付加塩が挙げられる。別法として、本発明の化合物が酸性部分を保有する場合、医薬として許容できる塩は、前記酸性部分を適切な塩基で中和することによって形成することができる。こうして形成された医薬として許容できる塩の例として、ナトリウム塩またはカリウム塩などのアルカリ金属塩;アンモニウム塩;カルシウム塩またはマグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩;ならびに(ピリジニウム塩を含めて)アミン塩および第4級アンモニウム塩など、適切な有機塩基で形成される塩が挙げられる。
本発明に有用な化合物が、1つまたは複数の不斉中心を有する場合、即ちこれらはエナンチオマーとして存在することができる。本発明による化合物が2つ以上の不斉中心を所有する場合、これらはさらに、ジアステレオマーとして存在することができる。すべてのこうした異性体および任意の割合におけるこれらの混合物が、本発明の範囲内に包含されることは理解されるべきである。
本発明に有用な化合物が、互変異性のケト型およびエノール型で存在できる場合、前記形態の両方が本発明の範囲内であると考えられる。
ヘテロアリール環の一部を形成する窒素原子は、N−オキシドの形態であってよい。非芳香族複素環の一部を形成する硫黄原子は、S−オキシドまたはS,S−ジオキシドの形態であってよい。
ヘテロアリール基は、芳香族性の維持に一致するという条件で、環炭素または環窒素を介して分子の残基に結合することができる。
式Iにおいて、Aは、0−3個がO、NおよびSから独立して選択されるヘテロ原子である最大10個までの環原子の単環式または二環式芳香族環系を表し、前記環系は、ハロゲン、CN、C1−4アルキル、CFおよびC1−4アルコキシから独立して選択される0−3個の置換基を有する。Aの定義内における二環式環系の例として、ナフタレン、キノリン、イソキノリン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インドール、インダゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾオキサゾールおよびベンズイミダゾールが挙げられる。Aが二環系を表す場合、CONR部分およびピラゾロピリミジン核は、Aの同じ構成環、またはAの別の構成環に結合することができる。
特定の実施形態において、Aは単環式であり、したがって、フェニルまたは5員もしくは6員のヘテロアリールを表す。Aの6員ヘテロアリールの実施形態の例として、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニルおよびピラジニルが挙げられる。Aの5員ヘテロアリールの実施形態の例として、チエニル、フリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリルおよびイソオキサゾリルが挙げられる。特定の実施形態において、Aは、フェニル、チエニルまたはチアゾリル、特にフェニルまたはチエニルを表す。Aがフェニルを表す場合、CONR部分は、フェニル環の3位または4位で結合するのが好ましい。Aがチエニルまたはチアゾリルを表す場合、ピラゾロピリミジン核が4位で結合するとともに、CONR部分は、チオフェン環またはチアゾール環の2位で結合するのが好ましい。
A上の空の環位置の最大3つまでが、ハロゲン、CN、C1−4アルキル、CFおよびC1−4アルコキシから独立して選択される置換基を場合によって有するが、通常2個以下のこうした置換基がA上に存在し、好ましくは0個または1個のこうした置換基がA上に存在する。好ましい置換基はC1−4アルキルであり、例えばメチルである。別の好ましい置換基はClである。
式Iにおいて、Xは、1−3個がN、OおよびSから選択されるヘテロ原子であり、残りがCである最大10個までの環原子を含む単環式系または二環式環系を表す。2個または3個のヘテロ原子を含む二環系の場合、前記ヘテロ原子は、該環の1つに留めることができ、または該環の両方に分配することができる。二環系の場合、好ましくは該環の少なくとも1つは芳香族であり、例えば、式Iのピラゾロピリミジン系に結合している環である。単環系の場合、該環は通常5個または6個の環原子を含み、芳香族または非芳香族であってよく、特定の実施形態において、こうした環は芳香族または部分的に不飽和のいずれかである。
Xによって表される芳香族単環系の例として、ピリジン、ピラゾール、イミダゾール、ピロール、チオフェンおよびフランが挙げられる。
Xによって表される非芳香族単環系の例として、ジヒドロピリジンおよびテトラヒドロピリジンが挙げられる。
Xによって表される二環系の例として、インドール、ベンゾフラン、キノリン、イソキノリン、1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン、5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[1,2−b]ピラゾールおよび2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾールが挙げられる。
Xによって表される環系は、ハロゲン、CN、R−L、RO−L、RN−LおよびRCONR(式中、R、RLは、すでに定義した通りである。)から独立して選択される最大3個までの置換基を場合によって有する。Lの特定の類似例として、結合、CH、CHCH、CHCHCH、CHCHO、CHCHCHO、CHCHNH、CHCHCHNHおよびCOが挙げられる。
適切な置換基の例として、R、RCH、RO、RCO、ROCHCHNH、RN、RNCHCH、RNCHCHCH、およびRNCHCHCHO(式中、RおよびRは、すでに定義した通りである。)が挙げられる。Rのための適切な類似例として、H、(メチル、エチル、プロピルおよびブチルなどの)C1−6アルキル、(シクロプロピルメチルなどの)C3−6シクロアルキルC1−6アルキル、(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルなどの)ヒドロキシC1−6アルキル、(2−メトキシエチルなどの)C1−4アルコキシC1−6アルキルおよびフェニルが挙げられる。Rのための適切な類似例として、Hおよびメチル、特にHが挙げられる。別法として、同じ窒素原子に結合しているRおよびRは、最大3個までのハロゲン原子で、またはOH、CN、CF、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C1−4アルコキシカルボニル、アミノ、C1−4アルキルアミノまたはジ(C1−4アルキル)アミノで場合によって置換されている、最大7個までの環原子の複素環を完成させることができる。適切な複素環として、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジンおよびモルホリンが挙げられる。特定の実施形態において、前記複素環は非置換であり、または最大2個までのフッ素置換基を有する。
不飽和環上のヒドロキシル置換基がケトンに互変異性化でき得ることは、当業者に明らかである。こうした状況において、両互変異性体は同等と考えられるべきである。したがって、例えば、2−ヒドロキシピリジンは、2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジンと同等と考えられる。
特定の実施形態において、Xは、1位(即ち、ジヒドロピリジン環の窒素原子)にRN(CH(式中、pは、2または3であり、RおよびRは、すでに定義した通りである。)置換基を有する2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−イルを表す。この実施形態内において、RNのための具体的な類似例として、ジメチルアミノ、ピロリジン−1−イル、3−フルオロピロリジン−1−イル、3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル、ピペリジン−1−イル、3−フルオロピペリジン−1−イル、3,3−ジフルオロピペリジン−1−イル、4,4,−ジフルオロピペリジン−1−イルおよびモルホリン−4−イルが挙げられる。
代替実施形態において、Xは、すでに定義した通りに場合によって置換されているピリジンを表し、特に、非置換であるまたは6位で置換されている3−ピリジンを表す。この実施形態において、好ましい置換基として、NH、ジメチルアミノ、ピペラジン−1−イル、4−メチルピペラジン−1−イル、2−(モルホリン−4−イル)エチルアミノ、シクロプロピルメトキシ、アセチルアミノ、3−(ジメチルアミノ)プロポキシ、メトキシ、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルアミノ、モルホリン−4−イルおよび2−メトキシエチルアミノが挙げられる。
別の実施形態において、Xは、すでに定義した通りに場合によって置換されている5員ヘテロアリールを表し、例えば、場合によって置換されているフラン、チオフェン、ピロール、イミダゾールまたはピラゾール、特に、場合によって置換されているイミダゾールまたはピラゾールを表す。特定の置換基として、C1−6アルキル(具体的にはメチル)、(ベンジルなどの)フェニルC1−4アルキルおよび(アセチルなどの)C2−6アシルが挙げられる。この実施形態において、Xのための適切な類似例として、1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル、1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル、1−(3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)−1H−ピラゾール−4−イル、1−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾール−4−イル、1−[3−(モルホリン−4−イル)プロピル]−1H−ピラゾール−4−イル、1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル、1−ベンジル−1H−ピラゾール−4−イル、1H−ピロール−2−イル、1H−ピラゾール−3−イル、3−チエニル、3−フリル、2−フリル、5−アセチル−2−チエニルおよび1H−ピラゾール−4−イルが挙げられる。
Xによって表される基のさらなる例として、5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[1,2−b]ピラゾール−3−イル、キノリン−6−イル、キノリン−3−イル、イソキノリン−4−イル、1−メチル−1H−インドール−5−イル、1H−インドール−5−イル、1H−インドール−6−イル、1−ベンゾフラン−5−イル、1−H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イルおよび2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−5−イルが挙げられる。
は、Hを表し、またはOH、CN、CF、C1−4アルコキシ、アミノ、C1−4アルキルアミノまたはジ(C1−4アルキル)アミノで場合によって置換されているC1−4アルキルを表す。特に、Rは、H、C1−4アルキル(具体的にはメチル)または(ジメチルアミノエチルまたは2,2,2−トリフルオロエチルなどの)置換C1−4アルキルを表す。特定の実施形態において、RはHである。
一実施形態において、RはHである。
代替実施形態において、Rは、いずれかが、ハロゲン、OH、CN、CF、OR、SR、SO、SON(R、COR、CO、CON(R、N(R)、NRCORおよびNRSO(式中、RおよびRは、すでに定義した通りである。)から独立して選択される最大3個までの置換基を場合によって有する、C1−8アルキルまたはC2−8アルケニルを表す。この実施形態において、Rは、例えば、エチル、イソプロピル、1,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、2−メチルプロピル、2,2,2−トリフルオロエチル、3,3,3−トリフルオロプロピル、2−メチル−1−(トリフルオロメチル)プロピル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、2−アミノ−2−メチルプロピル、2−ヒドロキシ−1−メチルエチル、2−メトキシエチル、2−ヒドロキシエチル、2−メトキシ−1−メチルエチル、2−ヒドロキシ−3,3,3−トリフルオロプロピル、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(トリフルオロメチル)プロピル、2−(ジメチルアミノ)エチル、2−エトキシエチルまたは2,3−ジヒドロキシプロピルにおけるように、すでに定義した通り、特にCF、OH、NH、メトキシ、エトキシおよびジメチルアミノから独立して選択される0個、1個または2個の基で場合によって置換されているC1−6アルキルを表すのが非常に適切である。
別の実施形態において、Rは、いずれもが、ハロゲン、OH、オキソ、CN、CF、R、OR、SR、SO、SON(R、COR、CO、CON(R、N(R、NRCORおよびNRSOから独立して選択される最大3個までの置換基を場合によって有する、C3−10シクロアルキル、C3−10シクロアルキルC1−4アルキル、Het、HetC1−4アルキル、アリールまたはアリールC1−4アルキルを表し、ここで「アリール」は、フェニルまたはヘテロアリールのいずれかが5員もしくは6員の炭素環または複素環に場合によって縮合している、フェニルまたは5員もしくは6員のヘテロアリールを指し、「Het」は、最大10個までの環原子の非芳香族単環式または二環式の複素環系を指し、ならびにRおよびRは、すでに定義した通りである。
この実施形態内において、適切なシクロアルキル基の例として、例えば、2−ヒドロキシシクロヘキシル、4−ヒドロキシシクロヘキシル、2−アミノシクロヘキシル、3−アミノシクロヘキシル、2−(メチルアミノ)シクロヘキシル、2−(メタンスルホニルアミノ)シクロヘキシル、2−ヒドロキシシクロペンチル、2−(モルホリン−4−イル)シクロペンチル、3,3,−ジフルオロシクロペンチル、2−アミノ−6,6−ジフルオロシクロヘキシル、2−アミノ−3,3−ジフルオロシクロヘキシル、および2,2−ジフルオロ−6−ヒドロキシシクロヘキシルにおけるように、すでに定義した通りに、特に0個、1個または2個のフッ素原子、およびF、OH、NH、メチルアミノ、モルホリン−4−イルおよびメタンスルホニルアミノから選択される基で場合によって置換されている、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルが挙げられる。
この実施形態内において、適切なシクロアルキルアルキル基の例として、例えば、1−シクロプロピルエチル、(1−モルホリン−4−イルシクロヘプチル)メチル、(1−モルホリン−4−イルシクロペンチル)メチル、(1−ジメチルアミノシクロヘキシル)メチル、(1−モルホリン−4−イルシクロヘキシル)メチル、(1−ピペリジン−1−イルシクロペンチル)メチル、(2−ヒドロキシ−2−メチルシクロヘキシル)メチルおよび(1−ヒドロキシシクロヘキシル)メチルにおけるように、すでに定義した通りに、特にOH、C1−4アルキル、ジ(C1−4アルキル)アミノ、ピペリジン−1−イル、ピロリジン−1−イル、およびモルホリン−4−イルから独立して選択される0個、1個または2個の基で場合によって置換されている、シクロプロピルメチル、シクロプロピルエチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチルおよびシクロヘプチルメチルが挙げられる。
この実施形態内において、「Het」またはHetC1−4アルキルによって表される基の適切な類似例として、例えば、(1,1−ジオキシドテトラヒドロ−3−チエニル)メチル、テトラヒドロフラン−2−イルメチル、1,1−ジオキシドテトラヒドロ−3−チエニル、テトラヒドロ−3−チエニル、4−ヒドロキシ−1,1−ジオキシドテトラヒドロ−3−チエニル、ピペリジン−3−イル、1−メチルピペリジン−3−イル、1−メチルピペリジン−4−イル、オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール−5−イル、オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール−4−イル、オクタヒドロシクロペンタ[b]ピロール−4−イル、1−メチルアゼチジン−3−イル、ピロリジン−3−イル、1−メチルピロリジン−3−イル、1−メチル−2−オキソピロリジン−3−イル、1−イソプロピルピロリジン−3−イル、1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル、テトラヒドロピラン−3−イル、テトラヒドロピラン−4−イル、テトラヒドロフラン−3−イルおよびテトラヒドロフラン−2−イルにおけるように、Hetが、すでに定義した通りに、特にハロゲン、OH、オキソ、アミノ、C1−4アルキルおよびCFから独立して選択される0個、1個または2個の基で場合によって置換されている、テトラヒドロチオフェン環、テトラヒドロフラン環、テトラヒドロピラン環、アゼチジン環、ピロリジン環、ピペリジン環、オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール環、オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール環または1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン環であるものが挙げられる。さらに適切な例として、3−アミノ−1,1−ジオキシドテトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イルおよび4−アミノ−1,1−ジオキシドテトラヒドロ−2H−チオピラン−3−イルが挙げられる。
この実施形態内において、「アリール」またはアリールC1−4アルキルによって表される基の適切な類似例として、例えば、5−フルオロ−2−ピリジル、6−アミノ−2−ピリジル、3−ピリジル、6−メトキシ−3−ピリジル、6−メチル−3−ピリジル、4−ペンチルフェニル、3−フルオロフェニル、2−フルオロフェニル、4−ブロモフェニル、2−フルオロ−4−メチルフェニル、4−クロロフェニル、4−メチルフェニル、4−メトキシフェニル、4−シアノメチルフェニル、4−クロロ−3−メチルフェニル、4−ヒドロキシフェニル、3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル、4−ブロモ−2−フルオロフェニル、4−(ジメチルアミノ)フェニル、4−(トリフルオロメチル)フェニル、5−メチルチオ−1H−1,2,4−トリアゾール−3−イル、チアゾール−2−イル、5−メチルチアゾール−2−イル、4−メチルチアゾール−2−イル、1H−インダゾール−5−イル、4−アミノ−1−フェニル−1H−ピラゾール−3−イル、2,2,2−トリフルオロ−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル、2,2,2−トリフルオロ−1−(6−メチルピリジン−2−イル)エチル、2,2,2−トリフルオロ−1−(ピリジン−2−イル)エチル、3−チエニルメチル、チアゾール−2−イルメチル、2(2−フリル)エチル、2,5−ジフルオロベンジルおよび2−アミノ−3,3,3−トリフルオロ−1−フェニルプロピルにおけるように、「アリール」が、すでに定義した通りに、特にハロゲン、OH、C1−6アルキル、CF、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオ、シアノC1−4アルキル、アミノ、ジ(C1−4アルキル)アミノおよびフェニルから独立して選択される最大3個まで(好ましくは0個、1個または2個)の基で場合によって置換されている、フェニル環、ピリジン環、チオフェン環、ピラゾール環、トリアゾール環、チアゾール環またはインダゾール環であるものが挙げられる。
さらなる実施形態において、RおよびRは一緒になって、ハロゲン、OH、オキソ、CN、CF、R、OR、SR、SO、SON(R、COR、CO、CON(R、N(R、NRCORおよびNRSO(式中、RおよびRは、すでに定義されている。)から独立して選択される最大3個までの置換基を場合によって有する、最大10個までの環原子の単環式または二環式の複素環系を完成させる。この実施形態内において、RおよびRによって完成される環系の例として、例えば、3−アミノアゼチジン、3,3−ジフルオロアゼチジン、2−ヒドロキシメチルピロリジン、2−メトキシメチルピロリジン、3−(メチルアミノ)ピロリジン、3−(ジメチルアミノ)ピロリジン、3−フルオロピロリジン、3−フルオロメチルピロリジン、3−(トリフルオロメチル)ピロリジン、3−ヒドロキシピロリジン、3,3,−ジフルオロピロリジン、3,4−ジフルオロピロリジン、3−アミノピペリジン、3−フルオロピペリジン、4−フルオロピペリジン、4,4−ジフルオロピペリジン、オクタヒドロピロロ[3,4−b]ピロール−5−イル、1−メチル−1,2,4,5,6,6a−ヘキサヒドロピロロ[3,4−b]ピロール−5−イル、2,6−ジアザスピロ[3,3]ヘプタンおよび6−ヒドロキシメチル−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンにおけるように、すでに定義した通りに、特にハロゲン、OH、C1−6アルキル、CF、ヒドロキシC1−4アルキル、C1−4アルコキシC1−4アルキル、フルオロC1−4アルキル、アミノ、C1−4アルキルアミノおよびジ(C1−4アルキル)アミノから独立して選択される最大3個まで(好ましくは、0個、1個または2個)の基で場合によって置換されている、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、オクタヒドロピロロ[3,4−b]ピロール、1,2,4,5,6,6a−ヘキサヒドロピロロ[3,4−b]ピロール、2,6−ジアザスピロ[3,3]ヘプタンおよび3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンが挙げられる。
のための特定の類似例は、
Figure 2010534206
(式中、nは0または1であり、Rは、H、C1−6アルキル、フェニルまたはピリジルを表し、前記のフェニルまたはピリジルは、ハロゲン、CF、C1−4アルキルおよびC1−4アルコキシから選択される置換基を場合によって有する。Rのための特定の類似例として、H、イソプロピル、フェニル、2−ピリジル、5−フルオロ−2−ピリジルおよび6−メチル−2−ピリジルが挙げられる。nが1の場合、Rはフェニルであるのが非常に適切である。)
である。
のための別の特定の類似例は、
Figure 2010534206
(式中、
mは、0または1であり、Vは、H、OHまたはNHを表し、およびWは、CH、CFまたはSOを表す。非常に適切には、mが1であり、VがNHであり、WがCFである。)
である。
本発明の化合物の第1サブセットは、式II
Figure 2010534206
(式中、
Z1は、Sまたは0を表し、
Z2は、NまたはCRを表し、
およびRは、H、ハロゲン、CN、C1−4アルキル、CFおよびC1−4アルコキシから独立して選択され、
ならびにX、RおよびRは、すでに定義した通りの同じ意味および特定の類似例を有する。)
の化合物およびこれらの医薬として許容できる塩または水和物からなる。
非常に適切には、RおよびRは独立して、Hであり、またはメチルなどのC1−4アルキルである。
非常に適切には、Z1がSであり、Z2がCRであり(好ましくはCH)、Rが、H、メチルもしくはClであり、またはZ1がSであり、Z2がNであり、Rが、H、メチルもしくはClである。
このサブセット内において、Xは、1−メチルピラゾール−4−イルを表すのが非常に適切である。このサブセット内においてまた、RはHであるのが非常に適切である一方、Rは、上記に示された式(i)または(ii)を有する。
本発明の化合物の第2サブセットは、式III
Figure 2010534206
(式中、
およびRは、H、ハロゲン、CN、C1−4アルキル、CFおよびC1−4アルコキシから独立して選択され、
ならびにX、RおよびRは、すでに定義した通りと同じ意味および特定の類似例を有する。)
の化合物およびこれらの医薬として許容できる塩または水和物からなる。
特定の実施形態において、CONR部分は、フェニル環の3位または4位で結合する。
好ましくは、少なくとも1つのRおよびRはHであり、非常に適切には、RおよびRの両方がHである。
本発明に従った化合物の具体例は、以下の実施例において提供される。
式Iの化合物は、化合物(1)をボロン酸誘導体(2a)
Figure 2010534206
(式中、Rは、HもしくはC1−6アルキルを表し、または2個のRO基は、ピナコレートなどの環式ボロネートを完成し、A、X、RおよびRは、上記と同じ意味を有する。)
と鈴木カップリングすることによって調製することができる。該反応は、通常の鈴木条件下で行われ、例えば、含水ジオキサン中にて約100℃で、触媒として炭酸ナトリウムおよびPd(PPhなどの塩基の存在下で行われる。最も適切には、2個のRO基はピナコレートを表す。この経路の変形において、カップリングは、アリールカルボン酸エステル(2b)(式中、Rは、メチルまたはエチルなどのC1−4アルキルを表す。)を使用して行われ、該アミドは、引き続いて、エステルの加水分解、および標準のアミドカップリング条件下でのRNHとのカップリングを介して形成される。
化合物(1)は、二臭化物(3a)とX−B(OR)
Figure 2010534206
(式中、XおよびRは、上記と同じ意味を有する。)
との鈴木カップリングから入手できる。この文脈において、RはHであるのが非常に適切である。該反応は、上記した通りの通常の鈴木条件下で行われる。
別法として、式Iの化合物は、鈴木カップリングが行われる順番を逆にすることによって、例えば、(3b)を(2a)または(2b)と鈴木条件下で反応させ、続いてX−B(OR)とカップリングさせ、アミド基がすでに存在していない場合アミド基を導入することによって得ることができる。
式Iに従った個々の化合物は、標準的合成技術を使用して、式Iに従った他の化合物に変換できることは、当業者に明らかである。例えば、Xがフルオロ置換芳香族部分である化合物は、DMF中でアルカリの存在下にて昇温で、1級または2級アミンで処理して、対応するアミノ置換誘導体を生成することができる。同様に、Xがジヒドロ環またはテトラヒドロピリジン環を含む化合物または同様の化合物は、標準的方法を使用してN−アルキル化することができる。さらに、Aによって表される環上の置換基は、標準的方法によって導入または相互変換することができる。例えば、Aによって表されるチオフェン環は、例えば80℃にて塩化チオニルで処理することによって炭素化することができる。こうした変態は、式Iの化合物の合成において中間体上で行うこともできる。
これら自体が市販されていない場合、上記した出発原料および試薬は、よく知られている合成手順および/または以下の実施例の項で開示されている方法の手段によって、市販されている前駆体から得ることができる。
本発明において使用される化合物を調製する上記方法が、立体異性体の混合物を生じさせる場合、これらの異性体は、分取クロマトグラフィーなどの従来技術によって分離することができる。該化合物はラセミ体で調製することができ、または個々のエナンチオマーは、エナンチオ選択的合成または分割のいずれかによって調製することができる。該化合物は、例えば、分取用HPLCなどの標準的技術によって、またはジ−p−トルオイル−D−酒石酸および/またはジ−p−トルオイル−L−酒石酸などの光学活性酸で塩形成することによりジアステレオマー対を形成し、続いて分別晶出および遊離塩基の再生をすることによって、これらのエナンチオマー成分に分割することができる。該化合物は、ジアステレオマーエステルまたはアミドの形成、続いてクロマトグラフィー分離およびキラル補助基の除去によって分割することもできる。
上記合成順序のいずれかにおいて、関与する分子のいずれかの上で感応基または反応性基を保護することが必要および/または望ましいと思われる。これは、Protective Groups in Organic Chemistry、編集J.F.W.McOmie、Plenum Press、1973;およびT.W.Greene & P.G.M.Wuts、Protective Groups in Organic Synthesis、John Wiley & Sons、1991に記載されているものなどの従来の保護基の手段によって達成することができる。保護基は、当技術で知られている方法を使用し、都合のよい後続の段階で除去することができる。
式Iの化合物は、該活性成分(即ち、式Iの化合物またはこの医薬として許容できる塩もしくは水和物)および医薬として許容できる担体を含む医薬組成物の形態で患者に投与するのが適切であり、前記医薬組成物は、本発明のさらなる態様を構成する。
好ましくは、これらの組成物は、経口、非経口、鼻腔内、舌下もしくは直腸投与、または吸入もしくは吹入による投与のための、錠剤、丸薬、カプセル、粉末、顆粒、滅菌非経口用溶液もしくは懸濁液、計量エアゾールもしくは液スプレー、点滴剤、アンプル、経皮パッチ、自動注入装置または坐剤などの単位剤形である。主要活性成分は、通常、医薬品担体、例えば、コーンスターチ、ラクトース、ショ糖、ソルビトール、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウムおよび第二リン酸カルシウムなどの従来の錠剤化成分、またはガム、分散剤、懸濁剤、もしくはソルビタンモノオレエートおよびポリエチレングリコールなどの界面活性剤、ならびに他の医薬希釈剤、例えば水と混合して、本発明の化合物または医薬として許容できるこれらの塩を含有する均質の予備処方組成物を形成する。これらの予備処方組成物を均質であると言及する場合、該活性成分が組成物中に均一に分散して、該組成物が、錠剤、丸薬およびカプセルなど、等しく有効な単位剤形に容易に細分できることを意味する。この予備処方組成物は、次いで、本発明の活性成分0.1mgから約500mgを含有する上記した型の単位剤形に細分される。通常の単位剤形は、1mgから100mg、例えば1mg、2mg、5mg、10mg、25mg、50mgまたは100mgの活性成分を含有する。該組成物の錠剤または丸薬は、持続性作用の利点を与える剤形を可能にするため、コーティングすることができ、またはそれ以外では配合することができる。例えば、該錠剤または丸薬は、内部投薬成分および外部投薬成分を含むことが可能であり、後者は、前者上の外被の形態である。2つの該構成成分は、胃における崩解に抵抗する役目をし、内部成分が無傷で十二指腸に通過すること、または放出が遅延することを可能にする腸溶性層によって分離することができる。こうした腸溶性層またはコーティング剤用に様々な原料を使用することが可能であり、こうした原料として、多くのポリマー酸、およびポリマー酸とセラック、セチルアルコールならびに酢酸セルロースなどの原料との混合物が挙げられる。
本発明に有用な組成物が、経口投与または注入によって組み込むことができる液状形態として、水溶液、液またはゲル充填カプセル、適切に風味をつけたシロップ、水性または油性懸濁液、および綿実油、ゴマ油、やし油または落花生油などの食用油で風味をつけた乳濁液、ならびにエリキシルおよび同様の医薬品賦形剤が挙げられる。水性懸濁液のための適切な分散剤および懸濁剤として、トラガカント、アカシア、アルギネート、デキストラン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(ビニルピロリドン)またはゼラチンなどの合成および天然型ガムが挙げられる。
本発明の一実施形態において、式Iの化合物は、AD、FTDP−17、ピック病または前頭側頭型認知症、特にADを患う患者に投与される。
本発明の代替実施形態において、式Iの化合物は、軽度認知障害または加齢性認知衰退を患う患者に投与される。こうした治療の好ましい成果は、ADの発症を予防または遅延することである。加齢性認知衰退および軽度認知障害(MCI)は、記憶障害が存在する状態であるが、認知症に対する他の診断基準は存在しない(SantacruzおよびSwagerty、American Family Physician、63(2001)、703−13頁)。(「The ICD−10 Classification of Mental and Behavioural Disorders」、Geneva:World Health Organisation、1992、64−5頁も参照のこと)。本明細書で使用される場合、「加齢性認知衰退」は、記憶および学習;注意および集中;思考;言語;ならびに視空間機能のうち少なくとも1つにおいて、少なくとも6カ月の期間の低下、ならびにMMSEなどの標準化された神経心理学テストの基準を下回る一標準偏差を超える成績を意味する。特に、記憶における進行性低下があり得る。より重度の状態であるMCIにおいて、記憶障害の程度は患者の年齢で正常と考えられる範囲外であるが、ADは存在しない。MCIおよび軽度ADの鑑別診断は、Petersenら、Arch.Neurol.、56(1999)、303−8頁によって説明されている。MCIの鑑別診断に対するさらなる情報は、Knopmanら、Mayo Clinic Proceedings、78(2003)、1290−1308によって提供されている。高齢被験者の研究において、Tuokkoら(Arch、Neurol.、60(2003)577−82頁)は、当初MCIを呈している高齢被験者では、5年以内に認知症を発症するリスクが3倍増加することを発見した。
Grundmanら(J.Mol.Neurosci.、19(2002)23−28)は、MCI患者において、より低い基線海馬体積は、それに続くADの予後指標となることを報告している。同様に、Andreasenら(Acta Neurol.Scand、107(2003)47−51頁)は、総タウの高いCSF濃度、ホスホ−タウの高いCSF濃度およびAβ42の低下したCSF濃度がすべて、MCIからADへ進行するリスクの増加を伴うことを報告している。
この実施形態内において、式Iの化合物は、記憶機能障害を患っているが認知症の症状を呈していない患者に投与されるのが有利である。記憶機能のこうした障害は、通常、下垂体機能不全によって引き起こされる脳卒中または代謝障害など、全身性疾患または大脳疾患に起因するのではない。こうした患者は、特に、55歳以上の人々、具体的には60歳以上の人々、好ましくは65歳以上の人々であり得る。こうした患者は、彼らの年齢に対して正常な成長ホルモン分泌パターンおよびレベルを有する場合がある。しかし、こうした患者は、アルツハイマー病を発症するための1つまたは複数の追加の危険因子を有する恐れがある。こうした因子として、疾患の家族歴、疾患に対する遺伝性素因、血清コレステロール上昇、および成人発症型糖尿病が挙げられる。
本発明の特定の実施形態において、式Iの化合物は、疾患の家族歴、疾患に対する遺伝性素因、血清コレステロール上昇、成人発症型糖尿病、上昇した基線海馬体積、総タウの上昇したCSF濃度、ホスホタウの上昇したCSF濃度、およびAβ(1−42)の低下したCSF濃度から選択される、ADを発症する1つまたは複数の危険因子をさらに有する加齢性認知衰退またはMCIを患う患者に投与される。
(具体的には、早期AD発症に向かう)遺伝性素因は、APP、プレセニリン1遺伝子およびプレセニリン2遺伝子を含めて、多くの遺伝子の1つまたは複数における点突然変異から生じ得る。また、アポリポタンパクE遺伝子のε4アイソフォームのホモ接合型である対象者は、ADを発症するリスクが大きくなる。
患者の認知衰退または認知障害の程度は、これらにおける変化、例えば認知衰退の減速または停止などが検知できるように、本発明に従った治療コース前、治療コース中および/または治療コース後に一定の間隔で評価するのが有利である。基準が年齢および教育に関して調節されるミニメンタルステート検査(MMSE)など、様々な神経心理学的検査が、この目的の技術分野において知られている(Folsteinら、J.Psych.Res.、12(1975)、196−198、Anthonyら、Psychological Med.、12(1982)、397−408頁;Cockrellら、Psychopharmacology、24(1988)、689−692;Crumら、J.Am.Med.Assoc’n.18(1993)、2386−2391頁)。MMSEは、成人における認知状態の簡易な定量的測定である。これを使用して、認知衰退または認知障害をスクリーニングし、認知衰退または認知障害の重症度を所定の時点で推定し、個人の時間経過における認知変化の過程を追跡し、治療に対する個々の応答を記録することができる。別の適切な試験は、アルツハイマー病評価スケール(ADAS)、特にこの認知要素(ADAS−cog)である(Rosenら、Am.J Psychiatry、141(1984)、1356−64を参照のこと)。
アルツハイマー病を治療または予防するために、該活性化合物の適切な投与量は、1日当たり約0.01mgから250mg/体重kg、好ましくは1日当たり約0.01mgから100mg/体重kg、およびより好ましくは1日当たり約0.05mgから50mg/体重kgである。該化合物は、1日当たり1回から4回の投与計画で投与することができる。しかし場合によって、これらの制限外の投与量を使用することができる。
式Iの化合物は、場合によって、ADもしくはこの症状の治療または予防に有用であると知られている1つまたは複数の追加の化合物と組み合わせて投与することができる。したがって、こうした追加の化合物として、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(例えば、ドネペジルおよびガランタミン)、NMDAアンタゴニスト(例えば、メマンチン)またはPDE4阻害剤(例えば、Ariflo(商標)、および国際公開第03/018579号、国際公開第01/46151号、国際公開第02/074726号および国際公開第02/098878号に開示されている化合物のクラス)などの認知促進薬が挙げられる。こうした追加の化合物として、スタチンなどのコレステロール低下薬、例えばシンバスタチンも挙げられる。こうした追加の化合物として、(γ−セクレターゼ阻害剤、γ−セクレターゼ修飾剤およびβ−セクレターゼ阻害剤を含めて)Aβの分泌を修飾する化合物、Aβの凝集を阻害する化合物、およびAβに選択的に結合する抗体など、脳におけるAβの産生またはプロセッシングを調節することで知られている化合物(「アミロイド調節剤」)が同様に挙げられる。こうした追加の化合物として、例えば、国際公開第2004/080459号に記載されているような成長ホルモン分泌促進物質がさらに挙げられる。
本発明のこの実施形態において、アミロイド調節剤は、Aβの分泌を阻害する化合物、例えば、(国際公開第01/90084号、国際公開第02/30912号、国際公開第01/70677号、国際公開第03/013506号、国際公開第02/36555号、国際公開第03/093252号、国際公開第03/093264号、国際公開第03/093251号、国際公開第03/093253号、国際公開第2004/039800号、国際公開第2004/039370号、国際公開第2005/030731号、国際公開第2005/014553号、国際公開第2004/089911号、国際公開第02/081435号、国際公開第02/081433号、国際公開第03/018543号、国際公開第2004/031137号、国際公開第2004/031139号、国際公開第2004/031138号、国際公開第2004/101538号、国際公開第2004/101539号および国際公開第02/47671号に開示されているものなどの)γ−セクレターゼの阻害剤、もしくは(国際公開第03/037325号、国際公開第03/030886号、国際公開第03/006013号、国際公開第03/006021号、国際公開第03/006423号、国際公開第03/006453号、国際公開第02/002122号、国際公開第01/70672号、国際公開第02/02505号、国際公開第02/02506号、国際公開第02/02512号、国際公開第02/02520号、国際公開第02/098849号および国際公開第02/100820号に開示されているものなどの)β−セクレターゼ阻害剤、または国際公開第98/28268号、国際公開第02/47671号、国際公開第99/67221号、国際公開第01/34639号、国際公開第01/34571号、国際公開第00/07995号、国際公開第00/38618号、国際公開第01/92235号、国際公開第01/77086号、国際公開第01/74784号、国際公開第01/74796号、国際公開第01/74783号、国際公開第01/60826号、国際公開第01/19797号、国際公開第01/27108号、国際公開第01/27091号、国際公開第00/50391号、国際公開第02/057252号、米国特許出願第2002/0025955号明細書および米国特許出願第2002/0022621号明細書に開示されているものを含めて、およびPhielら、Nature、423(2003)、435−9頁に開示されているように、GSK−3阻害剤、特にリチウムなどのGSK−3α阻害剤も含めて、Aβの形成または放出を阻害する任意の他の化合物であってよい。
別法として、アミロイド調節剤は、γ−セクレターゼの活性を修飾してAβ(1−42)の産生を選択的に減少させる化合物であってよい。この効果を示すと報告されている化合物として、(tarenflurbilまたはフロリザン(商標)としても知られている)R−フルルビプロフェン(国際公開第01/78721号および米国特許出願第2002/0128319号明細書およびWeggenら、Nature、414(2001)212−16頁;Moriharaら、J.Neurochem.、83(2002)、1009−12頁;およびTakahashiら、J Biol.Chem.、278(2003)、18644−70頁を参照のこと)、ならびにPPARαおよび/またはPPARδの活性を修飾する化合物(国際公開第02/100836号)など、特定の非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)およびこれらの類似体が挙げられる。γ−セクレターゼ修飾剤のさらなる例は、国際公開第2005/054193号、国際公開第2005/013985号、国際公開第2005/108362号、国際公開第2006/008558号、国際公開第2006/043064号、国際公開第2007/054739号、国際公開第2007/110667号、国際公開第2007/116228号、国際公開第2007/125364号および国際公開第2008/030391号に開示されている。
別法として、アミロイド調節剤は、Aβの凝集を阻害する化合物、またはそれ以外では神経毒性を減少させる化合物であってよい。適切な例として、クリオキノール(GourasおよびBeal、Neuron、30(2001)、641−2頁)などのキレート剤および国際公開第99/16741号に開示されている化合物、特にDP−109として知られている化合物(Kalendarevら、J Pharm.Biomed.Anal.、24(2001)、967−75頁)が挙げられる。本発明において使用するのに適切な他のAβ凝集阻害剤として、Apan(商標)(Praecis)として知られている化合物を含めて、国際公開第96/28471号、国際公開第98/08868号および国際公開第00/052048号;国際公開第00/064420号、国際公開第03/017994号、国際公開第99/59571号(特に、トラミプロセートまたはアルゼメド(商標)としても知られている3−アミノプロパン−1−スルホン酸);国際公開第00/149281号、ならびにPTI−777およびPTI−00703(プロテオテク)として知られている組成物;国際公開第96/39834号、国際公開第01/83425号、国際公開第01/55093号、国際公開第00/76988号、国際公開第00/76987号、国際公開第00/76969号、国際公開第00/76489号、国際公開第97/26919号、国際公開第97/16194号、および国際公開第97/16191号に開示されている化合物が挙げられる。さらなる例として、米国特許第4,847,082号明細書に開示されている通りのフィチン酸誘導体、および米国特許出願第2004/0204387号明細書に教示されている通りのイノシトール誘導体が挙げられる。
別法として、アミロイド調節剤は、Aβに選択的に結合する抗体であってよい。前記抗体は、多クローンまたは単クローンであってよいが、好ましくは単クローンであり、好ましくはヒトまたはヒト化されている。好ましくは、該抗体は、国際公開第03/016466号、国際公開第03/016467号、国際公開第03/015691号および国際公開第01/62801号に記載されている通り、体液から可溶性Aβを捕捉することができる。適切な抗体として、(国際公開第01/62801号に記載されている)ヒト化抗体266および国際公開第03/016466号に記載されているこの修正版が挙げられる。適切な抗体として、国際公開第2004/031400号に開示されているようなAβ由来拡散性リガンド(ADDLS)に特異的なものも挙げられる。
本明細書で使用される場合、「との組合せで」という表現は、式Iの化合物と追加の化合物との両方の治療有効量が対象に投与されることを必要とするが、これを達成する方法に制限を設けない。したがって、該2種は、対象に同時投与するための単一剤形中で組み合わせることが可能であり、または対象に同時投与または逐次投与するための別々の剤形で提供することが可能である。逐次投与は、時間が近くてもまたは時間が離れていてもよく、例えば1種を午前中に、他方を夕方に投与する。該別々の種は、同じ頻度または異なる頻度で投与でき、例えば1種を1日1回、他方を1日2回以上投与することができる。該別々の種は、可能であれば両種の経口投与が好ましいが、同じ経路または異なる経路で投与でき、例えば1種を経口で、他方を非経口で投与することができる。追加の化合物が抗体である場合、通常、非経口で式Iの化合物と別に投与される。
MARK3アッセイ
Cdc25Cビオチン化ペプチド基質(セルシグナリングテクノロジー)を使用し、MARK3活性をインビトロにおいてアッセイした。ホモジニアス時間分解蛍光(HTRF)アッセイ系(Parkら、1999、Anal.Biochem.269:94−104頁)を使用し、リンペプチド生成物を定量化した。該反応混合物は、50mM HEPES/トリス−HCl、pH7.4;10mM NaCl、5mM MgCl、0.2mM NaVO、5mM βグリセリンリン酸、0.1%ツイン20、2mM ジチオスレイトール、0.1%BSA、10μM ATP、1μM ペプチド基質および10nM組換えMARK3酵素(ダンディー大学)を12μlの最終容量で含有した。緩衝液は、プロテアーゼ阻害剤カクテル(ロシュEDTAフリー、50mlにつき1錠)を追加として含有した。キナーゼ反応物を2時間25℃でインキュベートし、次いで、3μlの停止/検出緩衝液(50mM HEPES、pH7.0、16.6mM EDTA、0.5M KF、0.1%ツイン20、0.1%BSA、2μg/ml SLXent665(CISBIO)および2μg/ml Eu3+クリプテート標識抗体(CISBIO))で終了させた。反応は終夜0℃で平衡化させ、および相対蛍光単位を、HTRF専用プレートリーダー(例えば、テカンGENios Pro)で読み取った。
阻害剤化合物を、上記した反応物中でアッセイして、化合物のIC50を決定した。DMSOに溶解させた化合物のアリコットを、1nMから10μMの範囲にわたる1/3対数希釈系列で反応ウェルに添加した。HTRF蛍光単位として読み取られた相対的ホスホ基質形成を、化合物濃度の範囲にわたって測定し、滴定曲線を作成した。
下記の化合物は、上記アッセイにおいて、IC50値が1μM以下、通常500nM以下、および好ましい例において50nM以下であった。以下の表で、上記アッセイにおけるIC50値の代表例を示す。
Figure 2010534206
pタウ(S262)細胞の生化学および機能アッセイ
下に記載したMARK阻害剤の細胞生化学的効力を、オカダ酸の作用によって誘導されたラット皮質ニューロンの初代細胞培養において、S262でタウのリン酸化を遮断するこれらの能力を測定することによって評価した。
試薬:
・Neurobasal(インビトロジェン、cat.21103−049)
・B27(インビトロジェン、cat.17504−044)
・L−グルタミン(インビトロジェン、cat.25030−081)
・ペニシリン−ストレプトマイシン(インビトロジェン、cat.15140)
・パパイン、滅菌凍結乾燥済み(ワーシントン、cat.NC9212788)
○10X溶液用に10mLの1M Hepesを添加
・組織培養プレート
○384ウェル:BDファルコンBDバイオコートポリ−D−リシン黒/透明マイクロテスト、組織培養処理されたポリスチレン(cat.354663)
・E18初代ラット皮質細胞:BrainBits、cat.cx2
・保存培地(NB):Neurobasal+B−27(1:50)+0.5mMのL−グルタミン+1%ペン/ストレップ
単離ニューロンの調製
1.使用する直前まで組織を4℃で保存(1−2日)する。
2.プレート直前に、IXパパインを含有するHibernate−Ca中の酵素溶液2mLを作製する。0.2μmフィルターで滅菌溶液を濾過する。
3.組織を乱さないようにしながら、組織管から15mLファルコンチューブに培地2mLを移す。培地を保存する。
4.2mLの酵素培地(2)を組織に添加する。30分間37℃でインキュベートする。
5.組織を乱さないようにしながら酵素溶液を除去。(3)から培地1mLを戻す。
6.滅菌プラスチック先端が付いたピペッターを使用し、細胞の大部分が分散するまでおよそ10倍に倍散する。
7.重力1分によって未分散片を沈降させる。
8.分散細胞(上澄み)を、1mLの培地を含有する15mLファルコンチューブ中に(3)から移す。回旋によって細胞を穏やかに混合する。
9.1,100rpmで1分間細胞を回転させる。上澄みを除去する。
10.チューブを軽く振って細胞ペレットを緩める。NB 5mL中に細胞を再懸濁する。
11.40μm細胞ストレーナーを使用し、新しい50mLファルコンチューブに移す。5mL培地で15mLファルコンチューブを濯ぎ、ストレーナーに添加する。
12.血球計を使用し、細胞を数える。
13.7,000細胞/100μL/ウェルでNB中に細胞を希釈する。
14.5%COを用いて37℃で細胞をインキュベートする。
a.4DIV:1ウェル当たり1/2容量(50μL)のNBを交換する。
b.6DIV:神経突起アッセイ。
組織培養液/化合物処理
−384ウェル、黒/透明底の、ポリD−リシンでコートしたBDファルコンバイオコートプレートに6K細胞/ウェルで平板培養された初代ラット皮質ニューロン。
培地:プレーティングの時点でNeurobasal+1X B27+2mM L−グルタミン(+10%FBS)
−37℃および5%CO6日間培養液中で保持された細胞、3−4日毎のw/1/2培地交換。
−化合物処理
第1プレート:順次3倍系列希釈の100%DMSO中200X化合物を調製
中間プレート:1:40希釈度の培地(2.5%DMSO)中200X化合物を調製
1:5希釈度で、培地中の細胞に5X化合物を添加(0.5%最終DMSO)
30分間37℃でインキュベート。
−オカダ酸(OA)処理
OA原液(100%DMSO中240uM)を、培地(0.5%DMSO)中6X最終濃度に希釈。
6X OAを細胞に1:6希釈度(最終200nM)で添加。
1.5時間37℃でインキュベートする。
処置および免疫染色
−処置:PBS中に希釈された1%PFA
PBSで1Xを洗浄、30ul/ウェル残留。
30ul/ウェルで温めた2%PFAを添加、30分室温でインキュベート(最終1%PFA)
−3XをPBSで洗浄、30μl/ウェル残留
−透過処理&遮蔽。
30μl/ウェルのPBS+0.2%トリトンX−100+10%正常ヤギ血清(最終0.1%トリトン&5%NGS)を添加。
1時間室温で、またはO/Nにて4℃でインキュベート
−PBSで3Xを洗浄、30μl/ウェル残留
−初代抗体:PBS中に希釈された30μl/ウェル2X最終濃度の抗体を添加
マウス抗タウ3R
ウサギ抗タウpS262
O/Nにて4℃でインキュベート
−PBSで4Xを洗浄、30μl/ウェル残留
−二次抗体&核染色:PBS中に希釈された30μl/ウェル2X最終濃度の染色剤を添加
AlexaFluorヤギ抗マウス488
AlexaFluorヤギ抗ウサギ594
ヘキスト
暗所にて1時間室温でインキュベート
−PBSで4Xを洗浄、30μl/ウェル残留、光から保護
−INCell Analyzer1000 & Operaで画像を入手。
下記の化合物は、S262でタウのリン酸化の阻害を測定する上記アッセイにおいて、IC50値が10μM以下、通常1000nM以下、および好ましい例において250nM以下であった。
合成スキーム
Figure 2010534206
スキーム2の最終ステップにおいて用いる求電子試薬は購入した、またはスキーム1において概略する経路に従って調製した。アミンをTHP保護3−ブロモ−1−プロパノールでアルキル化して、1型のアミノプロパノールを生成した。アルコールの脱保護および塩化チオニルで処理することによる塩化アルキルへの変換で、求電子試薬3を生成した。
Figure 2010534206
9型のN−アルキルピリジノンの調製を、2−フルオロピリジン−4−ボロン酸を用いたジブロモピラゾロピリミジン4の位置選択的鈴木カップリングで開始した。二次鈴木カップリングを用いて、チオフェンカルボン酸エステル(6)を導入した。塩酸水溶液を用いたメチルエステルおよびフルオロピリジンの加水分解により、ピリジノン7を生成した。アミド(8)を標準的カップリング条件下で形成し、続いてピリジノンのN−アルキル化により、標的分子9を得た。
Figure 2010534206
ボロン酸エステル12を、スキーム3において概略した手順に従って調製した。アミンを用いた市販のカルボン酸10の標準的カップリングにより、アミド11を生成した。ピナコールジボランを用いたボロン酸エステルのパラジウム触媒形成により、エステル12を得た。
Figure 2010534206
ボロン酸エステル15の調製は、市販のニトロ−ボロン酸エステル13の水素化およびCDI(スキーム4)を用いた環式尿素類の形成によって完了した。
Figure 2010534206
置換トリフルオロエチルアミンの調製は、スキーム5に従って行った。芳香族アルデヒドを、t−ブチルスルフィンアミンで縮合し、トリメチルシリルトリフルオロメタンおよびTBATで処理して、詳述したトリフルオロエチルスルフィンアミン17を生成した。塩化水素を用いた脱保護により、所望の生成物18を得た。
Figure 2010534206
22型の分子を、スキーム6に従って調製した。4アリールボロン酸/エステルの鈴木カップリングにより、位置選択的なカップリング生成物19を得た。チオフェンボロン酸エステルを用いた二次鈴木カップリングにより、20を得た。エステルを塩酸水溶液で加水分解し、アミド22を標準的カップリング条件下で形成した。
Figure 2010534206
中間体22を調製するための代替戦略を、スキーム7に示す。N,N−ジメチルアクロレインの臭素化、続いてアミノピラゾールを用いた縮合により、ブロモピラゾロピリミジン25を得た。25のヨウ素化により、ブロモ−ヨードピラゾロ−ピリミジン26を得た。パラジウム触媒条件下でボロン酸エステル12を用いた26のカップリングにより、アリールブロミド27を生成した。二次鈴木カップリングにより、最終生成物22を得た。
Figure 2010534206
アミノピリジン中間体29の調製を、フルオロピリジン類似体28を使用し、熱変位条件下で達成した。
Figure 2010534206
市販の7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン−2−オンをデオキソフルオルと反応させて、3,3−ジフッ化生成物30を得た。トリメチルアルミニウムを用いたエポキシド活性化、および公知キラルアミンを用いた反応により、アミノアルコール31を生成した。水素化を介して、遊離アミン32を暴露し、次いで、tert−ブチルカルバメート33として再保護した。トリフレート34の変換によって、アルコールを、置換に対して活性化した。アジ化ナトリウムによる求核置換で36を生成し、引き続きこれを還元して、アミン37を得た。
Figure 2010534206
中間体35を、対応するジアミン38に還元した。酸性条件下での38の脱保護により、ビス−HCl塩39を生成した。39の選択的モノ保護により、Boc保護ジアミン40を得た。
Figure 2010534206
市販の4−ブロモ−5−メチル−2−チオフェンカルボン酸41(1.03g、4.66mmol)およびトリメチルオルトアセテート(1.53ml、13.98mmol)を、40分100℃にてマイクロ波反応器内で加熱して、エチルエステル42を得た。パラジウム媒介カップリングを介し、ビスピナコレートジボロンを用いて、ボロン酸エステル43を生成した。
Figure 2010534206
スキーム9から中間体として得られた化合物31を、穏和な条件下でメシル化した。化合物44およびトリエチルアミンのTHF溶液を、密閉したマイクロ波バイアル内で100℃に加熱することによって、アジリジン45を形成した。酸性条件下でアジリジン45を開環して、新たなジフルオロアミノアルコール46を得た。ベンジル基を次いで、標準的水素化条件下で除去して、化合物47を得た。
Figure 2010534206
室温で化合物47をBoc保護して、化合物48を得た。トリフル酸無水物を、48のDCMとピリジンとの4対1混合物中溶液に−20℃で添加した。室温で水系後処理した後、カルバメート49を生成した。水酸化リチウムを用いて、THF、水およびメタノールの三種溶媒混合物中、50℃でカルバメートを開環することにより、シスジフルオロアミノアルコール50を生成した。
Figure 2010534206
52を得るためのチオフェン51の1塩素化を、適切な塩化チオニル中で8時間還流することによって達成した。
実施例1
Figure 2010534206
4−{6−[2−オキソ−1−(2−ピペリジン−1−イルエチル)−1,2−ジヒドロピリジン−4−イル]ピラゾロ[1.5−a]ピリミジン−3−イル}−N−(2,2,2−トリフルオロエチル}チオフェン−2−カルボキシアミド(スキーム2)
ステップA:鈴木カップリング
3,6−ジブロモピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(3.80g、13.7mmol)を、2−フルオロピリジン−4−イル−4−ボロン酸(2.51g、17.80mmol)と混合した。ジオキサン(100mL)および1M NaCO(27.4mL)を添加した。混合物を脱気し、攪拌下にて窒素で洗い流し、次いで、Pd(PhP)(0.81g、0.70mmol)を窒素の向流中で添加した。反応混合物を攪拌下で16時間還流し、冷却し、5倍過剰な水中に注いだ。生成物をCHClで3回抽出した。有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CHCl/MeOH、10:1)によって精製した。3−ブロモ−6−(2−フルオロピリジン−4−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジンの収量:2.16g(54%)。
ステップB:鈴木カップリング
メチル4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)チオフェン−2−カルボキシレート(2.160g、5.24mmol)を、3−ブロモ−6−(2−フルオロピリジン−4−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(1.18g、4.03mmol)に添加した。ジオキサン(80mL)および1M NaCO(8.0mL)を添加した。混合物を脱気し、攪拌下にて窒素で洗い流し、次いで、Pd(PhP)(0.33g、0.28mmol)を窒素の向流中で添加した。反応混合物を攪拌下で16時間還流し、冷却し、5倍過剰な水中に注いだ。生成物をCHClで3回抽出した。有機層を、水、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。粗生成物メチル4−[6−(2−フルオロピリジン−4−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル]チオフェン−2−カルボキシレートの収量:1.460g。
ステップC:加水分解
メチル4−[6−(2−フルオロピリジン−4−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル]チオフェン−2−カルボキシレートの加水分解を、9M HCl(25mL)中にて還流下で12時間行った。水を留出させ、残渣をアセトニトリルで共蒸発させ、真空オーブン内にて59℃で乾燥させた。酸(塩酸塩)の収量:1.11g(2つのステップで70%)。
ステップD:カップリング
4−[6−(2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル]チオフェン−2−カルボン酸(1.10g、2.95mmol)を、DMF(30mL)中に溶解した。BOP(1.09g、2.46mmol)を添加し、反応混合物を20分間攪拌した。DIPEA(2.60mL、14.75mmol)および2,2,2−トリフルオロエチルアミン(0.52g、5.89mmol)を添加した。反応混合物を終夜室温で攪拌した。DMFを留出させた。残渣をフィルター上にて水、5%NaHCOおよびエーテルで洗浄し、真空オーブン中にて59℃で乾燥させた。アミドの収量:0.810g(65%)。
ステップE:アルキル化
4−[6−(2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル]−N−(2,2,2−トリフルオロエチル)チオフェン−2−カルボキシアミド(0.140g、0.334mmol)、1−(2−クロロエチル)塩酸ピペリジン(0.092g、0.5mmol)、CsCO(0.435g、1.34mmol)、およびNaI(0.010g、0.067mmol)の混合物を脱気し、アルゴンで洗い流した。DMF(15mL)を添加した。混合物を16時間65−70℃で攪拌し、蒸発させた。残渣を、フィルター上にて水、エーテルで洗浄し、HPLC上で精製した。4−{6−[2−オキソ−1−(2−ピペリジン−1−イルエチル)−1,2−ジヒドロピリジン−4−イル]ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル}−N−(2,2,2−トリフルオロエチル)チオフェン−2−カルボキシアミド(ビス−TFA塩)の収量:0.022g。H NMR(400MHz,DMSO−d):1.57−1.77(4H,m)、1.82−1.92(2H,m)、2.90−3.02(2H,m)、3.40−3.50(4H,m)、4.05−4.15(2H,m)、4.33(2H,dd,J=6.85Hz,J=6.85Hz)、6.98(1H,dd,J=7.1Hz,J=2.2Hz)、7.13(1H,d,J=2.2Hz)、7.89(1H,d,J=7.1Hz)、8.25(1H,d,J=1.2Hz)、8.50(1H,d,J=1.2Hz)、8.73(1H,s)、9.11(1H,d,J=2.2Hz)、9.17(1H,br s)、9.23(1H,dd,J=6.35Hz,J=6.35Hz)、9.70(1H,J=2.2Hz)。LC−MS APCI:m/z 531.1[M+H]
実施例2
Figure 2010534206
4−[6−(1−{3−[(3S)−3−フルオロピロリジン−1−イル]プロピル}−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル]−N−(2,2,2−トリフルオロエチル)チオフェン−2−カルボキシアミド(スキーム1および2)
ステップA:置換/脱保護
(3S)−3−フルオロピロリジン0.126g(1.0mmol)および2−(3−ブロモプロポキシ)−テトラヒドロ−2H−ピラン0.335g(1.5mmol)を含有する混合物を、DMF 5mL中に溶解し、414mg(3.0mmol)のKCOを添加した。反応混合物を16時間室温で攪拌し、5倍過剰な水中に注いだ。生成物をEtOAc(2×15mL)で抽出し、NaCO上で乾燥させ、真空中で蒸発させた。残渣(およそ0.30g)および0.295g(1.550mmol)のPTSAをMeOH 20mL中に溶解し、16時間室温で攪拌し、真空蒸発させ、20%KCO水溶液20mL中に溶解した。生成物をEtOAcで抽出し、有機層を真空濃縮し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CHCl/MeOH+NH、20:1)によって精製した。収量:0.143g(粗生成物)。
ステップB:塩化物形成
塩化チオニル0.143g(1.2mmol)を、3−[(3S)−3−フルオロピロリジン−1−イル]プロパン−1−オール0.143g(1.0mmol)の溶液(氷浴)に添加した。反応混合物を2時間50℃で攪拌し、真空濃縮して、(3S)−1−(3−クロロプロピル)−3−フルオロピロリジン0.103g(50%、3つのステップ)を得た。
合成の残りは、最終ステップにおいて、上記で調製した(3S)−1−(3−クロロプロピル)−3−フルオロピロリジンを使用し、実施例1に類似の方法で行った。H NMR(400MHz,DMSO−d):2.05−2.45(6H,m)、3.05−3.30(4H,m)、3.55−3.75(2H,m)、4.02(2H,dd,J=6.85Hz,J=6.85Hz)、4.05−4.16(2H,m)、6.92(1H,dd,J=7.1Hz,J=2.2Hz)、7.07(1H,d,J=2.2Hz)、7.87(1H,d,J=7.1Hz)、8.25(1H,d,J=1.2Hz)、8.50(1H,d,J=1.2Hz)、8.72(1H,s)、9.09(1H,d,J=2.2Hz)、9.24(1H,dd,J=6.35Hz,J=6.35Hz)、9.68(1H,J=2.2Hz)、9.85−10.22(1H,非常なbr s)。LC−MS APCI:m/z 549.0[M+H]
以下の実施例は、実施例1および2に記載されている方法と類似の方法で調製した。
Figure 2010534206
Figure 2010534206
実施例13
Figure 2010534206
4−(6−ピリジン−3−イルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル)−N−[2,2,2−トリフルオロ−1−(6−メチルピリジン−2−イル)エチル]チオフェン−2−カルボキシアミド(スキーム5および6)
ステップA:縮合
2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド(0.18g、1.49mmol)の塩化メチレン(3mL)中溶液に、硫酸銅(0.24g、1.49mmol)を添加し、続けて6−メチルピリジン−2−カルバルデヒド(0.2g、1.63mmol)を添加した。反応物を周囲温度で16時間攪拌し、次いで、(塩化メチレンで洗浄しながら)セライトのパッドを通して濾過し、真空蒸発させて、未精製の2−メチル−N−[(1E)−(6−メチルピリジン−2−イル)メチレン]プロパン−2−スルフィンアミドを得た。LC−MS EIMS:m/z 225.1[M+H]
ステップB:トリフルオロメチルの添加
2−メチル−N−[(1E)−(6−メチルピリジン−2−イル)メチレン]プロパン−2−スルフィンアミド(0.33g、1.48mmol)のTHF(6mL)中溶液を、TBAT(0.88g、1.63mmol)を含有する乾燥フラスコに添加し、溶液を窒素雰囲気下で−78℃に冷却した。これにトリメチル(トリフルオロメチル)シラン(0.26mL、1.78mmol)を添加し、反応物を−20℃にまで2時間温めた。反応物を塩化アンモニウム溶液でクエンチし、水と酢酸エチルとの間で分配した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空蒸発させた。フラッシュクロマトグラフィー(5−40%酢酸エチル/ヘキサン)による精製で、2−メチル−N−[2,2,2−トリフルオロ−1−(6−メチルピリジン−2−イル)エチル]プロパン−2−スルフィンアミドを得た。LC−MS EIMS:m/z 295.1[M+H]
ステップC:脱保護
2−メチル−N−[2,2,2−トリフルオロ−1−(6−メチルピリジン−2−イル)エチル]プロパン−2−スルフィンアミド(0.2g、0.68mmol)のメタノール(1.4mL)中溶液を、(4M溶液0.5mL、2.0mmol)で処理し、反応物を38℃にまで16時間加熱した。反応物を室温に冷却し、水/酢酸エチルの間で分配した。有機物を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空で蒸発させた。逆相クロマトグラフィーによる精製で、2,2,2−トリフルオロ−1−(6−メチルピリジン−2−イル)エタンアミンを得た。LC−MS EIMS:m/z 191.1[M+H]
ステップD:鈴木カップリング
3−ピリジルボロン酸(1.33g、10.8mmol)および3,6−ジブロモピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(3.0g、10.8mmol)のDMF(300mL)中溶液および1M炭酸水素ナトリウム水溶液(22mL、22mmol)を、窒素で脱気し、パラジウムテトラキストリフェニルホスフィン(0.63g、0.54mmol)で処理し、85℃にまで16時間加熱した。反応物を室温に冷却し、水/塩化メチレンの間で分配した。有機物を水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空で蒸発させた。フラッシュクロマトグラフィー(1−5%メタノール/塩化メチレン)による精製で、3−ブロモ−6−ピリジン−3−イルピラゾロ[1,5−a]ピリミジンを得た。LC−MS EIMS:m/z 275.0[M+H]
ステップE:鈴木カップリング
メチル4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)チオフェン−2−カルボキシレート(1.09g、4.1mmol)と3−ブロモ−6−ピリジン−3−イルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(1.1g、4.1mmol)とのジオキサン(20mL)中溶液、および1M炭酸水素ナトリウム水溶液(12.2mL、12.2mmol)を、窒素で脱気し、パラジウムテトラキストリフェニルホスフィン(0.24g、0.20mmol)で処理し、85℃にまで16時間加熱した。反応物を室温に冷却し、水/塩化メチレンの間で分配した。有機物を、水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空蒸発させた。フラッシュクロマトグラフィー(1−5%メタノール/塩化メチレン)による精製で、メチル4−(6−ピリジン−3−イルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル)チオフェン−2−カルボキシレートを得た。LC−MS EIMS:m/z 337.1[M+H]
ステップF:ケン化
メチル4−(6−ピリジン−3−イルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル)チオフェン−2−カルボキシレート(0.19g、0.57mmol)の9M塩酸(5.7mL、51mmol)中溶液を、100℃にまで16時間加熱した。反応物を次いで、真空蒸発させ、アセトニトリルと共沸混合して、4−(6−ピリジン−3−イルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル)チオフェン−2−カルボン酸を、この粗HCl塩として得た。LC−MS EIMS:m/z 323.0[M+H]
ステップG:アミドカップリング
4−(6−ピリジン−3−イルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル)チオフェン−2−カルボン酸塩酸塩(20mg、0.06mmol)、2,2,2−トリフルオロ−1−(6−メチルピリジン−2−イル)エタンアミン(ステップC、12mg、0.06mmol)、BOP(41mg、0.09mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(16□L、0.09mmol)のDMF(0.6mL)中溶液を、40℃で4時間攪拌した。反応物を、水と酢酸エチルとの間で分配した。有機物を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空蒸発させた。逆相LCによる精製で、4−(6−ピリジン−3−イルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル)−N−[2,2,2−トリフルオロ−1−(6−メチルピリジン−2−イル)エチル]チオフェン−2−カルボキシアミドを得た。H NMR(600MHz,CDCl):δ 9.42(bs,1H)、9.11(s,1H)、9.00(d,J=2.4Hz,1H)、8.84(d,J=5.3Hz,1H)、8.81(d,J=2.3Hz,1H)、8.55(s,2H)、8.34(d,J=8.3Hz,1H)、8.17(s,1H)、7.99(t,J=8.5Hz,1H)、7.85(dd,J=7.9,5.3Hz,1H)、7.58(d,J=7.4Hz,1H)、7.48(m,1H)、6.13(m,1H)、3.48(s,3H)。LC−MS EIMS:m/z 495.1[M+H]
以下の実施例は、ステップAにおける適切なアルデヒドおよびステップDにおける適切なボロン酸を使用し、実施例13に記載されている方法と類似の方法で調製した。
Figure 2010534206
実施例17
4−(6−キノリン−6−イルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル)−N−(2,2,2−トリフルオロ−1−ピリジン−2−イルエチル)チオフェン−2−カルボキシアミド(スキーム3および7)
ステップA:アミドカップリング
4−ブロモ−2−チオフェンカルボン酸(1当量)とBOP(1.2当量)とのDMF(10mL)中混合物を、15分の時間をかけて攪拌した。ジイソプロピルエチルアミン(3当量)および対応するアミン2,2,2−トリフルオロ−1−ピリジン−2−イルエタンアミン(1.2当量)を添加した。混合物を終夜室温で攪拌した。DMFを留出させた。残渣をキシレンと共蒸発させ、水、5%NaHCO、ブラインで洗浄し、乾燥させた。4−ブロモ−N−(2,2,2−トリフルオロ−1−ピリジン−2−イルエチル)チオフェン−2−カルボキシアミドを、カラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン−ヘキサン、10:1)によって得た。
ステップB:ピナコールジボランカップリング
4−ブロモ−N−(2,2,2−トリフルオロ−1−ピリジン−2−イルエチル)チオフェン−2−カルボキシアミド(1当量)、ビス−ピナコールジボラン(1.3当量)、Pd(dppf)Cl(0.03当量)、dppf(0.03当量)およびKOAc(3当量)のジオキサン10mL中溶液が入ったフラスコを3回脱気した。反応混合物を、30時間の時間をかけて90−100℃で攪拌した。混合物を蒸発させ、残渣をクロロホルム中に溶解した。該溶液を、セライトを通して濾過し、10%NaHCOおよび次いで水で洗浄した。有機層を分離し、蒸発させて、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−N−(2,2,2−トリフルオロ−1−ピリジン−2−イルエチル)チオフェン−2−カルボキシアミドを得た。
ステップC:臭素化
3−ジメチルアミノアクロレイン(1.98g、20mmol)をベンゼン(20mL)中に溶解した。Br(1.07mL、21mmol)を、15℃でゆっくり滴下により添加した。得られた凝乳状の塊を16時間攪拌した。固相を濾過し、フィルター上にてベンゼンで洗浄し、ビーカー内に移した。KCOの20%溶液およびベンゼンを添加した。有機層を分離した。水性層をベンゼンでさらに2回洗浄した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、(2Z)−2−ブロモ−3−(ジメチルアミノ)アクリルアルデヒドを得た。
ステップD:縮合
3−アミノピラゾール(0.75g、9.04mmol)を、前のステップで得られた(2Z)−2−ブロモ−3−(ジメチルアミノ)アクリルアルデヒド(1.85g、10.4mmol)と混合した。無水エタノール(20mL)および氷酢酸(2mL)を添加した。反応混合物を還流下で16時間攪拌し、蒸発乾固させた。残渣をフィルター上にて冷やしたエタノール/ヘキサン混合物(3:1)で洗浄し、真空オーブン内にて30℃で乾燥させて、6−ブロモピラゾロ[1,5−a]ピリミジンを得た。
ステップE:ヨウ素化
化合物6−ブロモピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(1当量)、セリウムアンモニウムナイトレート(0.6当量)およびI(0.6当量)のアセトニトリル(10mL)中混合物を、24時間の時間をかけて室温で攪拌した。形成された析出物を濾過し、アセトニトリルで洗浄し、アセトニトリルから再結晶させた。濾液を蒸発させ、生成物をジクロロメタンで抽出した。後者を蒸発させ、残渣をアセトニトリルから再結晶させて、6−ブロモ−3−ヨードピラゾロ[1,5−a]ピリミジンを得た。
ステップF:鈴木カップリング
6−ブロモ−3−ヨードピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(1当量)を、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−N−(2,2,2−トリフルオロ−1−ピリジン−2−イルエチル)チオフェン−2−カルボキシアミド(1当量、ステップB)と混合した。ジオキサン(10mL)および1M NaCO(2当量)を添加した。混合物を脱気し、攪拌下にて窒素で洗い流し、次いで、Pd(PhP)(0.05当量)を窒素流中で添加した。温度を90℃にした。反応混合物を、この温度で終夜攪拌し、濃縮した。残渣を5倍過剰な水中に注いだ。混合物をクロロホルムで抽出した。有機層をブラインで洗浄した。MgSOで乾燥させ、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタンメタノール、100:1)によって精製して、4−(6−ブロモピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル)−N−(2,2,2−トリフルオロ−1−ピリジン−2−イルエチル)チオフェン−2−カルボキシアミドを得た。
ステップG:鈴木カップリング
4−(6−ブロモピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル)−N−(2,2,2−トリフルオロ−1−ピリジン−2−イルエチル)チオフェン−2−カルボキシアミド(1当量)を、キノリン−6−イルボロン酸(1.3当量)と混合した。ジオキサン(10mL)および1M NaCO(2当量)を添加した。混合物を脱気し、攪拌下にて窒素で洗い流し、次いで、Pd(PhP)(0.05当量)のジオキサン中溶液を、不活性ガス下で添加した。温度を100℃にした。反応混合物を、この温度で終夜攪拌した。反応混合物を、セライトを通して濾過し、後者をメタノールで洗浄した。逆相LCによる精製で、4−(6−キノリン−6−イルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル)−N(2,2,2−トリフルオロ−1−ピリジン−2−イルエチル)チオフェン−2−カルボキシアミドを得た。H NMR(400MHz,DMSO−d):6.11−6.22(1H,m)、7.47−7.52(1H,m)、7.67(1H,dd,J=8.3Hz,J=4.4Hz)、7.81(1H,d,J=7.8Hz)、7.93−7.98(1H,m)、8.19(1H,d,J=8.8Hz)、8.32(1H,d,J=1.2Hz)、8.34(1H,dd,J=8.8Hz,J=1.95Hz)、8.48−8.53(1H,m)、8.59(1H,d,J=1.95Hz)、8.67−8.70(1H,m)、8.72(1H,s)、8.76(1H,d,J=1.2Hz)、9.00(1H,dd,J=4.4Hz,J=1.7Hz)、9.26(1H,d,J=2.2Hz)、9.54(1H,d,J=9.3Hz)、9.71(1H,d,J=2.2Hz)。LC−MS APCI:m/z 531.0[M+H]
以下の例は、ステップAにおける適切なアミンおよびステップGにおける適切なボロン酸を使用し、実施例17に記載されている方法と類似の方法で調製した。
Figure 2010534206
Figure 2010534206
Figure 2010534206
Figure 2010534206
実施例48
4[6−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル]−N−(2,2,2−トリフルオロエチル)チオフェン−2−カルボキシアミド(スキーム4および7)
Figure 2010534206
2−ニトロ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)アニリン(2.35g、8.9mmol)の酢酸エチル(100mL)中溶液を、酸化白金(IV)(0.2g)で処理し、水素雰囲気下で30分間激しく攪拌した。反応混合物を窒素で脱気し、酢酸エチルで洗浄しながらセライトを通して濾過した。この溶液を次いで、CDI(1.8g、11.1mmol)で処理し、終夜周囲温度で攪拌した。溶液を塩化メチレン(100mL)で希釈し、析出物を濾過し、冷メタノールで洗浄した。固体を真空乾燥させて、5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンズイミダゾール−2−オンを白色固体として得た。
実施例17のステップGにおけるように、4−[6−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル]−N−(2,2,2−トリフルオロエチル)チオフェン−2−カルボキシアミドを、次いで調製した。LC−MS EIMS:m/z 458.9[M+H]
実施例49
4−(6−{6−[(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)アミノ]ピリジン−3−イル}ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル)−N−[(1R)−2−メチル−1−(トリフルオロメチル)プロピル]チオフェン−2−カルボキシアミド(スキーム6、7および8)
Figure 2010534206
ステップA:鈴木カップリング
(6−フルオロピリジン−3−イル)ボロン酸を使用し、実施例13のステップDにおけるように、3−ブロモ−6−(6−フルオロピリジン−3−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジンを調製した。
ステップB:求核置換
3−ブロモ−6−(6−フルオロピリジン−3−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(0.1g、0.34mmol)、1−アミノ−2−メチルプロパン−2−オール(0.06g、0.68mmol)および炭酸カリウム(0.9g、0.68mmol)のDMF(3mL)中溶液を、80℃にまで72時間加熱した。反応物を直接、逆相LCによって精製して、1−{[5−(3−ブロモピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)ピリジン−2−イル]アミノ}−2−メチルプロパン−2−オールを得た。LC−MS EIMS:m/z 364.0[M+H]
ステップC:鈴木カップリング
((2R)−1,1,1−トリフルオロ−3−メチルブタン−2−アミンを使用し、ステップAおよびB、実施例17に従って調製された)N−[(1R)−2−メチル−1−(トリフルオロメチル)プロピル]−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)チオフェン−2−カルボキシアミドを使用し、実施例17のステップGにおけるように、4−(6−{6−[(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)アミノ]ピリジン−3−イル}ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル)−N−[(1R)−2−メチル−1−(トリフルオロメチル)プロピル]チオフェン−2−カルボキシアミドを調製した。LC−MS EIMS:m/z 533.1[M+H]
以下の実施例は、実施例49に記載されている方法と類似の方法で調製した。
Figure 2010534206
類似の方法を使用し、以下のさらなる実施例を調製した。
Figure 2010534206
Figure 2010534206
Figure 2010534206
Figure 2010534206
Figure 2010534206
Figure 2010534206
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実施例209
Figure 2010534206
N−シクロプロピル−4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル]ベンズアミド(スキーム6の変形)
ステップA:鈴木カップリング
3,6−ジブロモピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(2.0g、7.22mmol)を、1−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(1.51g、7.22mmol)と混合した。ジオキサン(36mL)および1M NaCO(10.8mL)を添加した。混合物を脱気し、攪拌下にて窒素で洗い流し、次いで、Pd(PhP)(0.42g、0.36mmol)を、窒素の向流中で添加した。反応混合物を、85℃にまで攪拌下で16時間加熱し、冷却し、5倍過剰な水中に注いだ。生成物をCHClで3回抽出した。有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィー(1−5%メタノール/DCM)によって精製して、3−ブロモ−6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジンを黄色固体として得た。LC/MS[M+H]=277.9。
ステップB:鈴木カップリング
[4−(メトキシカルボニル)フェニル]ボロン酸(0.5g、2.77mmol)を、3−ブロモ−6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(0.7g、2.52mmol)に添加した。DMF(12.5mL)および1M NaCO(3.8mL)を添加した。混合物を脱気し、攪拌下にて窒素で洗い流し、次いで、Pd(PhP)(0.15g、0.13mmol)を、窒素の向流中で添加した。反応混合物を、85℃にまで16時間加熱し、冷却し、5倍過剰な水中に注いだ。固体を濾過し、乾燥させて、未精製のメチル4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル]ベンゾエートを得た。LC/MS[M+H]=334.0。
ステップC:加水分解
メチル4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル]ベンゾエート(0.5g、1.5mmol)のメタノール(7.0mL)中溶液を、メタノール(6.0mmol、6.0mL)中の1M水酸化カリウムで処理し、生じた溶液を60℃にまで48時間加熱した。反応物を室温に冷却し、濃HClで処理し、蒸発乾固させた。固体を水で洗浄し、濾過し、真空中で乾燥させて、4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル]安息香酸を黄色固体として得た。LC/MS[M+H]=320.0。
ステップD:カップリング
4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル]安息香酸(50mg、0.16mmol)を、DMF(2mL)中に溶解した。樹脂に結合したCDI(288mg、0.4mmol)、HOBT(26mg、0.17mmol)およびシクロプロピルアミン(20mg、0.32mmol)を添加した。反応物を密封し、マイクロ波中にて120℃で20分間加熱した。反応物を周囲温度に冷却し、濾過し、逆相クロマトグラフィーによって精製して、N−シクロプロピル−4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル]ベンズアミドを黄色固体として得た。LC/MS[M+H]=359.0。
以下の実施例は、ステップBにおける適切なボロン酸およびステップDにおける適切なアミンを使用し、実施例209に記載されている方法と類似の方法で調製した。
Figure 2010534206
Figure 2010534206
実施例230
Figure 2010534206
5−クロロ−4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル]−N−(2,2,2−トリフルオロエチル)チオフェン−2−カルボキシアミド
ステップA:塩素化
4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル]−N−(2,2,2−トリフルオロエチル)チオフェン−2−カルボキシアミド(107mg、0.263mmol)を、塩化チオニル(2ml、27.4mmol)中に溶かし、80℃で終夜加熱した。溶媒を真空蒸発させ、3mlのDMF中に溶かし、逆相30−100%ACN/HO w/.1%TFAによって精製した。溶媒を真空蒸発させて、60mgの淡黄色固体(51.7%)を得た。LRMS[M+H]=441.0。
中間体
上記した実施例の合成に使用された特定の中間体は、以下の通りに調製した。
Figure 2010534206
tert−ブチル[(1R,6R)−2−アミノ−3,3−ジフルオロシクロヘキシル]カルバメート(スキーム9)
ステップA:ジフルオロ化
7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン−2−オン(55.8g、0.5mol)の、0℃に冷却したジクロロメタン(200mL)中溶液に、1,1,1−トリフルオロ−N,N−ビス(2−メトキシエチル)シランアミン(デオキソフルオル、202mL、1.1mol)を添加し、生じた反応物を周囲温度に温め、16時間攪拌した。反応物を−20℃に冷却し、水(10mL、ゆっくり添加)で慎重にクエンチした。反応物を次いで、水/ジクロロメタンの間で分配し、有機物を、シリカゲルのプラグに通過させた。30のこの未精製の有機溶液を、次の反応に移した。
ステップB:エポキシド開環
(1R)−1−フェニルエタンアミン(30、72mL、0.57mol)のジクロロメタン(200mL)中溶液を、0℃に冷却し、トリメチルアルミニウム(260mL、0.52mol)で処理し、生じた溶液を1時間0℃で攪拌した。この溶液に、2,2−ジフルオロ−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン(66g、0.49mol)のジクロロメタン(200mL)中溶液を添加し、生じた混合物を0℃で3時間攪拌した。反応物を次いで、周囲温度にまで16時間温めた。反応物を0℃に冷却し、フッ化ナトリウム103gで処理し、次いで、水(90mL、ゆっくり添加)でクエンチした。反応物を周囲温度に温め、固体を濾過し、溶液を真空で蒸発させた。フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中50−100%酢酸エチル)による精製で、(1S,6R)−2,2−ジフルオロ−6−{[(1R)−1−フェニルエチル]アミノ}シクロヘキサノール31 36.3g(29%)(さらに1R,6Sジアステレオマー32g)を白色固体として得た。H NMR(500MHz,CDCl)δ 7.32(5H,s)、3.90(1H,q,J=6.6Hz,)、3.39(1H,ddd,J=19.8,9.8,4.2Hz)、2.70(1H,m)、2.11(1H,m)、1.80(1H,m)、1.62(2H,m)、1.43(1H,m)、1.36(3H,d,J=6.6Hz)、0.96(1H,m)。
ステップC:水素化
(1S,6R)−2,2−ジフルオロ−6−{[(1R)−1−フェニルエチル]アミノ}シクロヘキサノール31(2g、7.83mmol)のメタノール(100mL)中溶液を、窒素で脱気し、Pd(OH)/C(0.55g)で処理し、次いで、水素の雰囲気下に置き、16時間激しく攪拌した。反応物を、メタノールで洗浄しながら濾過し、真空蒸発させて、(1S,6R)−6−アミノ−2,2−ジフルオロシクロヘキサノール32 1.0g(84%)を白色固体として得た。H NMR(500MHz,CDOD)δ 3.34(1H,m)、2.74(1H,m)、2.07(1H,m)、1.89(1H,m)、1.73(2H,m)、1.50(1H,m)、1.27(1H,m)。
ステップD:アミン保護
(1S,6R)−6−アミノ−2,2−ジフルオロシクロヘキサノール32(2g、7.54mmol)のジクロロメタン(60mL)中溶液を、トリエチルアミン(5.26mL、37.7mmol)およびBoc無水物(1.81g、8.30mmol)で処理し、生じた溶液を周囲温度で16時間攪拌した。反応物を真空蒸発させ、フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中10−30%酢酸エチル)によって精製して、tert−ブチル[(1R,2S)−3,3−ジフルオロ−2−ヒドロキシシクロヘキシル]カルバメート33 0.6g(32%)を白色固体として得た。H NMR(500MHz,CDCl)δ 4.67(1H,bs)、3.67(1H,bm)、3.50(1H,bm)、3.21(1H,bs)、2.15(1H,m)、2.03(1H,m)、1.62(3H,m)、1.45(9H,s)、1.34(1H,m)。
ステップE:トリフレート形成
tert−ブチル[(1R,6S)−3,3−ジフルオロ−2−ヒドロキシシクロヘキシル]カルバメート33(1.78g、7.08mmol)のジクロロメタン(50mL)中溶液を、ピリジン(12.5mL)で処理し、0℃に冷却した。トリフル酸無水物(4.43mL、26.2mmol)を滴下により添加し、反応物を0℃で2時間攪拌し、水でクエンチした。反応物を、水とエーテルとの間で分配し、有機物を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空で蒸発させた。フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中0−15%酢酸エチル)による精製で、(1S,6R)−6−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2,2−ジフルオロシクロヘキシルトリフルオロメタンスルホネート34 2.33(86%)を白色固体として得た。H NMR(500MHz,CDCl)δ 4.77(bm,1H)、4.69(bd,1H)、3.92(bm,1H)、2.28(m,1H)、2.08(m,1H)、1.79(m,2H)、1.64(m,2H)、1.45(s,9H)。
ステップF:アジ化物置換
(1S,6R)−6−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2,2−ジフルオロシクロヘキシルトリフルオロメタンスルホネート34(2.32g、6.05mmol)とアジ化ナトリウム(2.36g、36.3mmol)とのDMF中溶液を密封し、100℃にまで3時間マイクロ波反応器内で加熱した。反応物を、水と酢酸エチルとの間で分配した。有機物を水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、真空で蒸発させた。フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中0−15%酢酸エチル)による精製で、tert−ブチル[(1R,2R)−2−アジド−3,3−ジフルオロシクロヘキシル]カルバメート36 0.94g(56%)を白色固体として得た。H NMR(500MHz,CDCl)δ 4.75(1H,m)、3.98(1H,bs)、3.88(1H,bm)、1.96(2H,m)、1.70(2H,m)、1.46(9H,s)、1.37(2H,m)。
ジアステレオマー35も、この手順から得た。H NMR(500MHz,CDCl)δ 4.82−4.80(1H,br d,J=9.4Hz)、3.93−3.89(1H,dt,J=11.1,10.5,12.6,8.1Hz)、3.31−3.27(1H,m)、2.24−2.19(1H,m)、2.13−2.10(1H,m)、1.86−1.67(2H,m)、1.55−1.52(2H,m)、1.48−1.41(11H,m);19F NMR(CDCl,564MHz)δ −102.2−−102.7(1F,d,J=244Hz)、−113.9−−114.5(1F,m)。
ステップG:アジ化物還元
tert−ブチル[(1R,6R)−2−アジド−3,3−ジフルオロシクロヘキシル]カルバメート36(0.94g、3.40mmol)のメタノール(20mL)中溶液を、窒素で脱気し、10%Pd/C(72mg)で処理した。生じた不均一溶液を水素雰囲気に暴露し、16時間激しく攪拌した。反応物を、メタノールで洗浄しながら濾過し、真空蒸発させて、tert−ブチル[(1R,2R)−2−アミノ−3,3−ジフルオロシクロヘキシル]カルバメート37 0.78g(91%)を白色固体として得た。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ 6.67(1H,d,J=8.3Hz)、3.55(1H,bs)、3.07(1H,bs)、2.03(1H,m)、1.62(3H,m)、1.45(1H,m)、1.36(12H,m)。
Figure 2010534206
tert−ブチル[(1R,6S)−2−アミノ−3,3−ジフルオロシクロヘキシル]カルバメート(スキーム10)
ステップA:アジ化物の還元
tert−ブチル[(1R、2S)−2−アジド−3,3−ジフルオロシクロヘキシル]カルバメート35(18.84g、68.2mmol)を充填した清潔な乾燥した1L RBFに、400mLのメタノールを添加した。該系を脱気し、Pd/C(1.45g)の添加前に(Nで3×)パージした。反応物を2日間水素1気圧下で攪拌した。反応完了直後、反応物を、セライトのプラグを通して濾過し、濃縮乾固させて、tert−ブチル[(1R、2S)−2−アミノ−3,3−ジフルオロシクロヘキシル]カルバメート38(16.47g、97%の収率)を純白固体として得た。H NMR(CDCl3,500MHz)δ 4.76−4.74(1H,d,J=10Hz)、3.61−3.56(1H,m)、2.63−2.59(1H,dd J=9.5Hz)、2.2−2.0(2H,m)、1.8−1.68、(2H,m)、1.53−1.42(11H,m)、1.29−1.21(m,2H);19F NMR(CDCl,564MHz)δ −101.7−−102.1(1F,J=241Hz)、−114.3−−114.9(1F,m)
ステップB:BOC脱保護
清潔な乾燥した100ml RBFに、38(5g、19.98mmol)、ジクロロメタン(50mL)およびTFA(6.16mL、80mmol)を添加した。反応物を終夜攪拌した。反応完了直後、溶媒を減圧下で除去し、7.5g(99%)の純粋なビス−TFA塩39を茶色オイルとして単離した。19F NMR(CDCl3,564MHz)δ −81.07(6F,s)、−99.7−−100.1(1F,d,J=241.6Hz)、−111.1−−111.5(1F,br d,J=242.1Hz)。
ステップC:ジアミンのモノ保護
39(7.5g、19.8mmol)を充填した清潔な乾燥した250ml RBFに、ジクロロメタン(100mL)、トリエチルアミン(11.1mL、79.0mmol)、続けてBOCO(5.52mL、23.8mmol)を添加した。反応物を10時間周囲温度で攪拌した。完了直後、溶媒を減圧下で除去し、結果として生じる残渣を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、1%NHOH含有ヘキサン中の10−50%酢酸エチル、直線勾配)によって精製して、単離された純粋物質のtert−ブチル[(1R、2S)−2−アミノ−3,3−ジフルオロシクロヘキシル]カルバメート40(1.8g、38%の収率)を、2.2gの混合Boc生成物とともに得た。H NMR(CDCl,500MHz)δ 4.76(1H,br s)、3.39(br m,1H)、2.71−2.64(1H,m)、2.2−2.1(2H,m)、1.7−1.59(2H,m)、1.56−1.51(2H,m)、1.45(9H,s)、1.29−1.21(2H,m);19F NMR(CDCl,564MHz)δ −100.4−−100.9(1F,d,J=236Hz)、−114.35−−114.87(1F,br d,J=232Hz)
Figure 2010534206
メチル5−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−2−チオフェンカルボキシレート(スキーム11)
ステップA:エステル化
5mLマイクロ波バイアル内に、4−ブロモ−5−メチル−2−チオフェンカルボン酸(41)(1.03g、4.66mmol)およびトリメチルオルトアセテート(1.53ml、13.98mmol)を適切に添加した。該系を40分間100℃で加熱した。反応物を次いで、水とDCMとの間で分配した。有機物を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。粗物質42は、直接次のステップに使用した。MS APCI:[M+H]m/z 236.1。
ステップB:ボロン酸エステル合成
DMSO(4.8mL)中のエステル42(213mg、0.963mmol)に、酢酸カリウム(284mg、2.89mmol)およびピナコレートジボロン(269mg、1.060mmol)を添加した。この不均一溶液を15分間Ar(g)でスパージした。PdCl(dppf)(211mg、0.289mmol)を添加し、該系を、80℃で4時間加熱する前にAr(g)でパージした。反応物を水(10mL)で希釈し、ジクロロメタン(2×15mL)で抽出した。合わせた有機物を、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、次いで、減圧下で濃縮した。結果として生じた残渣を、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0−20%アセトン、直線勾配)によって精製して、メチル5−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−2−チオフェンカルボキシレート0.139g(51%の収率)、43を得た。H NMR(500MHz,CDCl)δ 7.92(1H,s)、3.83(3H,s)、2.68(3H,s)、1.31(6H,s)、1.25(6H,s)。
Figure 2010534206
(1R,6S)−2,2−ジフルオロ−6−ヒドロキシシクロヘキサンアミニウムトリフルオロアセテート(スキーム12)
ステップA:メシレート形成
トリエチルアミン(0.273mL、1.958mmol)を、31(500mg、1.958mmol)のTHF(10ml)中溶液に添加した。5分後、メタンスルホニルクロリド(0.183mL、2.350mmol)を添加した。反応物を35℃で終夜攪拌させておいた。室温に冷却した後、反応混合物を濾過し、濾液を圧力下で濃縮して、未精製の所望生成物を得た。粗生成物をNP FC(20−60%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製して、44(470mg、1.410mmol、72.0%の収率)を得た。H NMR(CDCl3,500MHz)δ 7.38−7.30(4H,m)、7.27−7.22(1H,m)、4.64−4.52(1H,m)、4.08−4.0(1H,q J=6.5Hz)、3.19(3H,s)、2.84−2.76、(1H,m)、2.22−2.08(1H,m)、1.86−1.78(1H,m)、1.66−1.58(1H,m)、1.4−1.3(4H,m)、1.28−1.16(1H,m);19F NMR(CDCl3,470MHz)δ −99.56−−100.3(1F,J=245Hz)、−113.5−−115.0(1F,m)。
ステップB:アジリジン形成
トリエチルアミン(393μl、2.82mmol)を、44(470mg、1.410mmol)のTHF(7049μl)中溶液に、密閉したマイクロ波バイアル内で添加した。反応物を100℃で終夜油浴に入れた。室温に冷却した後、水浴温度が35℃を超えないように注意しながら、反応混合物を圧力下で濃縮した。未精製の濃縮反応混合物を、シリカカラム上に充填し、精製(0−70%エーテル/ヘキサン)して、45を得た。H NMR(CDCl3,500MHz)δ 7.46−7.42(2H,m)、7.41−7.36(2H,m)、7.34−7.28(1H,m)、2.67−2.61(1H,q J =6.4Hz)、2.1−1.94、(2H,m)、1.85−1.50(5H,m)、1.50−1.4(3H,d J=6.6Hz);19F NMR(CDCl3,470MHz)δ −92.42−−93.08(1F,J=248Hz)、−96.86−−97.54(1F,m)。
ステップC:アジリジン開環
前のステップから理論収率を推定し、45を9M硫酸(5000μl、45.0mmol)中で2時間還流した。室温に冷却した後、反応混合物を1N NaOHでクエンチした。混合物を次いで、水で希釈し、ジクロロメタンで3回抽出した。有機層を合わせ、圧力下で乾燥させた。粗生成物をRP FCによって215nmで精製して、46(283mg、0.766mmol、54.3%の収率)を得た。H NMR(CD3OD,500MHz)δ 7.57−7.52(2H,m)、7.48−7.40(3H,m)、4.80−4.73(1H,q J=6.9Hz)、3.89−3.81(1H,m)、3.45−3.33、(1H,m)、2.26−2.14(1H,m)、2.12−2.0(1H,m)、2.0−1.82(1H,m)、1.75−1.70(3H,d J=7.1Hz)、1.54−1.41(1H,m);19F NMR(CD3OD,470MHz)δ −96.06−−96.2(1F,J=246Hz)、−111.42−−111.68(1F,m)。
ステップD:水素化
炭素(163mg、0.153mmol)上のパラジウムを、46(283mg、0.766mmol)のメタノール(5108μl)中溶液に添加した。反応フラスコを水素バルーンに連結し、反応物を週末にかけて水素雰囲気下で攪拌させておいた。反応混合物を次いで、セライトのベッドに通して濾過し、メタノールおよそ30mLで3回洗浄した。濾液を圧力下で蒸発させて、47(190mg、0.717mmol、94%の収率)を得た。H NMR(CD3OD,500MHz)δ 3.7−3.62(1H,m)、3.39−3.28(1H,m)、2.26−2.14(1H,m)、2.21−2.0(1H,m)、2.0−1.76、(2H,m)、1.58−1.40(2H,m);19F NMR(CD3OD,470MHz)δ −99.66−−100.3(1F,J=243Hz)、−115.16−−115.92(1F,m)。
Figure 2010534206
(1R,6R)−2,2−ジフルオロ−6−ヒドロキシシクロヘキサンアミニウムトリフルオロアセテート(スキーム13)
ステップA:Boc保護
DIPEA(125μl、0.717mmol)を、47(190mg、0.717mmol)のDCM(3583μl)中溶液に添加した。5分後、Boc無水物(183μl、0.788mmol)を添加し、反応混合物を室温で終夜攪拌した。ジクロロメタンを圧力下で除去し、残留している残渣を、NP FC(100%ヘキサンでBoc副生成物を溶出、次いで0−50%酢酸エチル/ヘキサンで生成物を溶出)によって精製して、48(173mg、0.689mmol、96%の収率)を得た。H NMR(CDCl3,500MHz)δ 5.35−5.0(1H,m)、3.82−3.66(1H,m)、3.52−3.49(1H,m)、3.49−3.4(1H,br s)、2.18−2.0、(2H,m)、1.8−1.6(2H,m)、1.5−1.3(11H,m);19F NMR(CDCl3,470MHz)δ −99.32−−99.98(1F,J=243Hz)、−113.4−114.36(1F,m)。
ステップB:カルバメート形成
48(173mg、0.689mmol)のDCM(2754μl)中溶液およびピリジン(689μl)を、−20℃に冷却した。トリフル酸無水物(116μl、0.689mmol)をゆっくり添加し、反応物を、完了するまで−20℃で攪拌させておいた。室温に温めた後、反応混合物を水で希釈し、ジクロロメタンで3回抽出した。合わせた有機層を蒸発乾固させた。残留している残渣を、シリカプラグ(100%ヘキサン次いで0−50%酢酸エチル/ヘキサンで生成物を溶出)によって精製して、49(104mg、0.587mmol、85%の収率)を得る。19F NMR(CDCl3,470MHz)δ −93.08−−93.78(1F,m)、−100.6−−101.32(1F,m)。
ステップC:カルバメート開環
THF(1086μl)中の水酸化リチウム(60.4mg、1.411mmol)、メタノール(109μl)および水(217μl)を、49(50mg、0.282mmol)を含有するフラスコに添加した。反応物を50℃で週末にかけて攪拌した。室温に冷却した後、反応混合物を濾過した。TFA(500μl、6.49mmol)を濾液に添加し、混合物を1分間激しく攪拌した。混合物を次いで、圧力下で濃縮して、50を得た。H NMR(CD3OD,500MHz)δ 4.23−4.17(1H,m)、3.68−3.60(1H,m)、2.22−2.12(1H,m)、2.0−1.8(3H,m)、1.72−1.58、(2H,m);19F NMR(CD3OD,470MHz)δ −96.6−−97.7(1F,J=245Hz)、−108.0−−109.5(1F,m)
用語集
DMF − ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
p−TSA − p−トルエンスルホン酸
BOP − ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート
DIPEA/DIEA ジイソプロピルエチルアミン
dppf − 1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)
CDI − 1,1’−カルボニルジイミダゾール
TBAT − テトラブチルアンモニウムトリフェニルジフルオロシリケート
HOBT 1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
ACN アセトニトリル
CAN セリウムアンモニウムナイトレート
Tf トリフリル(トリフルオロメタンスルホニル)

Claims (16)

  1. 式I
    Figure 2010534206
    (式中、
    Aは、0−3個がO、NおよびSから独立して選択されるヘテロ原子である最大10個までの環原子の単環式または二環式芳香族環系を表し、前記環系は、ハロゲン、CN、C1−4アルキル、CFおよびC1−4アルコキシから独立して選択される0−3個の置換基を有し、
    Xは、1−3個がN、OおよびSから選択され、残りがCである最大10個までの環原子を含む単環式系または二環式環系を表し、前記環系は、ハロゲン、CN、R−L、RO−L、RN−LおよびRCONRから独立して選択される0−3個の置換基を有し、
    Lは、結合を表し、またはCO、(CO)(CH、(CO)(CHO、(CO)(CHNRおよび(CO)(CHSから選択される連結基を表し、
    mは、0または1であり、
    nは、0、1、2、3または4であり、
    は、
    H、
    最大3個までのハロゲン原子で、またはOH、CN、C3−6シクロアルキル、C1−4アルコキシ、C1−4アルコキシカルボニル、アミノ、C1−4アルキルアミノもしくはジ(C1−4アルキル)アミノで場合によって置換されているC1−6アルキル、ならびに
    いずれかが、最大3個までのハロゲン原子で、またはOH、CN、CF、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C1−4アルコキシカルボニル、アミノ、C1−4アルキルアミノもしくはジ(C1−4アルキル)アミノで場合によって置換されている、フェニルまたはC3−6シクロアルキル
    から選択され、
    は、HまたはC1−4アルキルを表し、
    または同じ窒素原子に結合しているRおよびRは、最大3個までのハロゲン原子で、またはOH、CN、CF、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C1−4アルコキシカルボニル、アミノ、C1−4アルキルアミノもしくはジ(C1−4アルキル)アミノで場合によって置換されている、最大7個までの環原子の複素環を完成することができ、
    は、Hを表し、またはOH、CN、CF、C1−4アルコキシ、アミノ、C1−4アルキルアミノもしくはジ(C1−4アルキル)アミノで場合によって置換されているC1−4アルキルを表し、
    は、
    (i)H、
    (ii)いずれかが、ハロゲン、OH、CN、CF、OR、SR、SO、SON(R、COR、CO、CON(R、N(R、NRCORおよびNRSOから独立して選択される最大3個までの置換基を場合によって有する、C1−8アルキルまたはC2−8アルケニル、ならびに
    (iii)いずれもが、ハロゲン、OH、オキソ、CN、CF、R、OR、SR、SO、SON(R、COR、CO、CON(R、N(R、NRCORおよびNRSOから独立して選択される最大3個までの置換基を場合によって有する、C3−10シクロアルキル、C3−10シクロアルキルC1−4アルキル、Het、HetC1−4アルキル、アリールまたはアリールC1−4アルキル(ここで「アリール」は、フェニルまたはヘテロアリールのいずれかが5員もしくは6員の炭素環または複素環に場合によって縮合している、フェニルまたは5員もしくは6員のヘテロアリールを指し、および「Het」は、最大10個までの環原子の非芳香族単環式または二環式の複素環系を指す。)
    から選択され、
    またはRおよびRは一緒になって、ハロゲン、OH、オキソ、CN、CF、R、OR、SR、SO、SON(R、COR、CO、CON(R、N(R、NRCORおよびNRSOから独立して選択される最大3個までの置換基を場合によって有する、最大10個までの環原子の単環式または二環式の複素環系を完成することができ、
    は、Hを表し、または最大3個までのハロゲン原子で、もしくはOH、CN、CF、C1−4アルコキシ、アミノ、C1−4アルキルアミノもしくはジ(C1−4アルキル)アミノで場合によって置換されているC1−6アルキルを表し、またはRは、いずれもが、ハロゲン、OH、CN、CF、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、アミノ、C1−4アルキルアミノおよびジ(C1−4アルキル)アミノから独立して選択される最大3個までの置換基を場合によって有する、フェニル、ベンジルまたは5員もしくは6員のヘテロアリールを表し、
    または同じ窒素原子に結合している2個のR基は、ハロゲン、OH、オキソ、CN、CF、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、アミノ、C1−4アルキルアミノおよびジ(C1−4アルキル)アミノから独立して選択される最大3個までの置換基を場合によって有する、最大6個までの環原子の複素環を完成することができ、
    は、RがHでないことを除き、Rと同じ定義を有する。)
    の化合物、またはこの医薬として許容できる塩もしくは水和物。
  2. Aが、フェニル、チエニルまたはチアゾリルを表す、請求項1に記載の化合物。
  3. Xが、1位に置換基RN(CH(式中、pは2または3である。)を有する2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−イルを表す、請求項1に記載の化合物。
  4. Xが、非置換または6位で置換されている3−ピリジンを表す、請求項1に記載の化合物。
  5. 置換基が、NH、ジメチルアミノ、ピペラジン−1−イル、4−メチルピペラジン−1−イル、2−(モルホリン−1−イル)エチルアミノ、シクロプロピルメトキシ、アセチルアミノ、3−(ジメチルアミノ)プロポキシ、メトキシ、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルアミノ、モルホリン−1−イルおよび2−メトキシエチルアミノから選択される、請求項4に記載の化合物。
  6. Xが、場合によって置換されている5員のヘテロアリールを表す、請求項1に記載の化合物。
  7. Xが、1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル、1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル、1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル、1−ベンジル−1H−ピラゾール−4−イル、1H−ピロール−2−イル、1H−ピラゾール−3−イル、3−チエニル、3−フリル、2−フリル、5−アセチル−2−チエニルまたは1H−ピラゾール−4−イルを表す、請求項6に記載の化合物。
  8. 式II
    Figure 2010534206
    (式中、
    Z1は、SまたはOを表し、
    Z2は、NまたはCRを表し、
    およびRは、H、ハロゲン、CN、C1−4アルキル、CFおよびC1−4アルコキシから独立して選択され、
    ならびにX、RおよびRは、請求項1において定義した通りである。)
    の化合物である、請求項1に記載の化合物またはこの医薬として許容できる塩もしくは水和物。
  9. Z1がSであり、Z2がCR(好ましくはCH)であり、Rが、H、メチルもしくはClである、またはZ1がSであり、Z2がNであり、Rが、H、メチルもしくはClである、請求項8に記載の化合物。
  10. Xが1−メチルピラゾール−4−イルを表す、請求項1または請求項8に記載の化合物。
  11. がHであり、Rが、
    Figure 2010534206
    (式中、nは、0または1であり、Rは、H、C1−6アルキル、フェニルまたはピリジルを表し、前記フェニルまたはピリジルは、ハロゲン、CF、C1−4アルキルおよびC1−4アルコキシから選択される置換基を場合によって有する。)
    を表し、
    またはRが、
    Figure 2010534206
    (式中、mは、0または1であり、Vは、H、OHまたはNHを表し、Wは、CH、CFまたはSOを表す。)
    を表す、請求項1または請求項8に記載の化合物。
  12. が式(i)を有し、Rが、H、イソプロピル、フェニル、2−ピリジル、5−フルオロ−2−ピリジルもしくは6−メチル−2−ピリジルを表す、
    またはRが式(ii)を有し、およびmが1であり、VがNHであり、およびWがCFである、
    請求項8に記載の化合物。
  13. 請求項1において定義した通りの式Iの化合物またはこの医薬として許容できる塩もしくは水和物、および医薬として許容できる担体を含む医薬組成物。
  14. 請求項1において定義した通りの式Iの化合物またはこの医薬として許容できる塩もしくは水和物の有効量をヒト患者に投与することを含む、前記ヒト患者におけるタウの過剰リン酸化に伴う神経変性疾患を治療または予防するための方法。
  15. 神経変性疾患がアルツハイマー病である、請求項14に記載の方法。
  16. 請求項1において定義した通りの式Iの化合物またはこの医薬として許容できる塩もしくは水和物の有効量をヒト患者に投与することを含む、前記ヒト患者における過剰リン酸化タウの産生を減少させるための方法。
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