JP2010529839A - 細胞溶解および核酸抽出を行うためのデバイス - Google Patents
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Abstract
本発明は、細胞および/または粒子を含む液状試料の核酸抽出プロセスを実施するための集積型ラボオンチップデバイスを提供し、該デバイスは、(a)液状試料のローディングのための試料入口部(1)、(b)該液状試料に存在する細胞および/または粒子の溶解のための溶解ユニット(4)、(c)該溶解ユニットのための溶解液(7)のリザーバ、(d)該溶解ユニットの下流にある核酸抽出ユニット(5)ならびに(e)該核酸抽出ユニットのための第一の洗浄緩衝液および溶離液(8、9、10)のリザーバを含み、該デバイスは、(f)該核酸抽出ユニットの下流にある混合ユニット(6)および(g)該混合ユニットのための混合液(11)の供給源を更に含む。該溶解液、第一の洗浄緩衝液および溶離液のリザーバは、単一ポンプによって駆動されるように互いに並列して設けられ得る。
【選択図】 図1
【選択図】 図1
Description
本発明は、細胞溶解と核酸(NA)抽出との組合せを行うための集積型ラボオンチップ(lab−on−a−chip)診断デバイスに関する。本システムは、細胞および/または粒子を含む被験試料から核酸を抽出するために用いられ得る。
細菌細胞およびウイルス粒子由来のDNAおよび/またはRNAの分析は、多くの技術分野、例えば、診断法、環境モニタリング、法医学および分子生物学研究における重要なステップである。核酸を含む試料を分析するため、通常、2つの処置を行うことが必要である。第一に、試料は分解・単離・濃縮され、精製核酸抽出物を生成する。第二に、存在する核酸の量を増加させて核酸の検出を容易にするため、精製核酸抽出物は増幅される。
従来、核酸の抽出、精製および増幅は熟練技術者によって実験室において手作業で行われていた。これは、熟練ユーザの存在を必要とするのみならず、ユーザのエラーによる有意なエラー率も生じさせる。加えて、この従来の抽出は、抽出、精製および増幅が現場(point−of−care)から離れて行われることを要し、その結果、バイオアッセイの結果が遅延する。したがって、ユーザ入力を低減・簡易化し、かつ試料が実際に採取される時と場所、例えば、医院、診療所、獣医院内または更には患者の自宅または野外でアッセイが行われることを可能にするバイオアッセイを提供する必要性がある。
微細加工「ラブオンチップ」デバイスは内包された生物学的反応を行う魅力的な選択肢である。これらのデバイスはユーザによる最小限の試薬の取扱を必要とし、少ない試料容積の使用も可能にし、高価な試薬を必要とする生物学的反応には有意な利点である。
核酸を含む試料を抽出・精製する微細加工「ラブオンチップ」デバイスを提供する1つの過去の手法が国際公開第2005/073691号に述べられている。この明細書では、細胞および/または粒子を含む試料は濾過される。濾過物(すなわち、細胞および/または粒子)は溶解液による溶解を受ける。次に、溶解試料は核酸抽出ユニットの中を通される。核酸が抽出され、抽出ユニットに残留し、一方、溶解液はそのユニットの中を通る。好適な核酸抽出法の一例は、カオトロピック剤の存在下でのDNAのシリカ粒子への結合を含む(Boomら、J.Clin.Microbiol.1990,28,495−503を参照されたい)。抽出核酸は1つ以上の洗浄溶媒で洗浄され、次に、溶離液による核酸の抽出が続く。このステップは核酸を濃縮するのにも役立つ。
国際公開第2005/073691号では、試料がシステムに注入されると、国際公開第2005/073691号のシステム内のすべての流体を駆動させるために単一ポンプが用いられ得る方法について述べている。次に、国際公開第2005/073691号では、これを達成する1つの方法について述べており、すなわち、空隙によって分離された、単一チャネルにおける溶解液、洗浄液および溶離液を提供する。
核酸が抽出・濃縮・精製されると、通常、次に、核酸を増幅することが必要である。従来、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法が用いられているが、一部の状況において用いられ得る異なる増幅法は核酸配列ベース増幅(NASBA)である。当業者には理解されるように、NASBAはいくつかの点でPCRと異なる。特に、PCRは概してDNA増幅産物のみを生成する試料の熱サイクルを含むが、NASBAは概してRNA増幅産物を生成するために用いられる等温法である。
特にNASBAを行うために設計された微細加工システムが国際公開第02/22265号に述べられている。このシステムは2つのチャンバを含む。第一のチャンバは試料を加熱し、試料を変性させ、プライマーの変性試料への結合を容易にする。第二のチャンバはNASBA酵素を含み、約41℃の温度まで試料を等温的に加熱する。
増幅を行うため、核酸試料をプライマーと混合させることが必要である。これらのプライマーは混合液の存在を必要とする。この液はDMSOおよびソルビトールの一方または両方を含み得る。国際公開第02/22265号には、この液が第一の反応チャンバに予めロードされ、試料とその液との混合が第一の反応チャンバ内にて生じる方法が述べられている。
本発明は、細胞溶解および核酸(好ましくはmRNA)抽出を行うための改良集積デバイスを提供し、そのデバイスは細胞溶解および核酸抽出に必要な試薬を予めロードされる。本発明のデバイスは、予めロードされた種々の試薬が精密に制御され得、かつ単一ポンプによって駆動され得るようにロードされることを特徴とする。詳細には、予めロードされた試薬を含む並列セットの流体リザーバと組み合わせた可変位置バルブの使用は、流体が単一ポンプによって精密かつ確実に駆動されることを可能にする。加えて、またはその代わりに、該デバイスは、試料が核酸増幅ユニットに移動される前に、核酸試料が抽出・精製された後に試料を溶媒と混合させる手段を含むことを特徴とする。
したがって、本発明は、細胞および/または粒子を含む液状試料の核酸抽出プロセスを実施するための集積型ラブオンチップデバイスを提供し、該デバイスは、
(a)液状試料のローディングのための試料入口部、
(b)該液状試料に存在する細胞および/または粒子の溶解のための溶解ユニット、
(c)該溶解ユニットのための溶解液のリザーバ、
(d)該溶解ユニットの下流にある核酸抽出ユニットならびに
(e)該核酸抽出ユニットのための第一の洗浄緩衝液および溶離液のリザーバ
を含み、該デバイスは、
(f)該核酸抽出ユニットの下流にある混合ユニットおよび
(g)該混合ユニットのための混合液の供給源
を更に含む。
(a)液状試料のローディングのための試料入口部、
(b)該液状試料に存在する細胞および/または粒子の溶解のための溶解ユニット、
(c)該溶解ユニットのための溶解液のリザーバ、
(d)該溶解ユニットの下流にある核酸抽出ユニットならびに
(e)該核酸抽出ユニットのための第一の洗浄緩衝液および溶離液のリザーバ
を含み、該デバイスは、
(f)該核酸抽出ユニットの下流にある混合ユニットおよび
(g)該混合ユニットのための混合液の供給源
を更に含む。
第二の態様では、本発明は、細胞および/または粒子を含む液状試料の核酸抽出プロセスを実施するための集積型ラブオンチップデバイスを提供し、該デバイスは、
(a)液状試料のローディングのための試料入口部、
(b)該液状試料に存在する細胞および/または粒子の溶解のための溶解ユニット、
(c)該溶解ユニットのための溶解液のリザーバ、
(d)該溶解ユニットの下流にある核酸抽出ユニットならびに
(e)該核酸抽出ユニットのための第一の洗浄緩衝液および溶離液のリザーバ
を含み、該溶解液、第一の洗浄緩衝液および溶離液のリザーバが並列に配置され、各リザーバが上端および下端を有し、該デバイスは、
(h)該溶解液、第一の洗浄緩衝液および溶離液のリザーバの上端に連結された上部可変位置バルブ、
(i)該上部可変位置バルブに連結されたポンプ、
(j)該少なくとも3つの流体リザーバの下端に連結された下部可変位置バルブ、
(k)該下部可変位置バルブを該溶解ユニットに連結させる第一の駆動チャネルならびに
(l)該下部可変位置バルブを該核酸抽出ユニットに連結させる第二の駆動チャネル
を更に含む。
(a)液状試料のローディングのための試料入口部、
(b)該液状試料に存在する細胞および/または粒子の溶解のための溶解ユニット、
(c)該溶解ユニットのための溶解液のリザーバ、
(d)該溶解ユニットの下流にある核酸抽出ユニットならびに
(e)該核酸抽出ユニットのための第一の洗浄緩衝液および溶離液のリザーバ
を含み、該溶解液、第一の洗浄緩衝液および溶離液のリザーバが並列に配置され、各リザーバが上端および下端を有し、該デバイスは、
(h)該溶解液、第一の洗浄緩衝液および溶離液のリザーバの上端に連結された上部可変位置バルブ、
(i)該上部可変位置バルブに連結されたポンプ、
(j)該少なくとも3つの流体リザーバの下端に連結された下部可変位置バルブ、
(k)該下部可変位置バルブを該溶解ユニットに連結させる第一の駆動チャネルならびに
(l)該下部可変位置バルブを該核酸抽出ユニットに連結させる第二の駆動チャネル
を更に含む。
この第二の態様の特徴は第一の態様とは別に用いられ得、または第一の態様の特徴と組み合わせられ得る。
第三の態様では、本発明は、細胞および/または粒子を含む液状試料の核酸抽出および核酸配列増幅および検出プロセスを実施するための集積型ラボオンチップ診断システムを提供し、そのシステムは、本発明の第一または第二の態様による核酸抽出デバイスならびに核酸増幅ユニットを含む。
第四の態様では、本発明は、集積型ラブオンチップデバイスを用いて細胞および/または粒子を含む液状試料の核酸抽出プロセスを実施する方法を提供し、該方法は、
(i)試料入口部、溶解ユニット、核酸抽出ユニット、混合ユニットならびに溶解液、第一の洗浄緩衝液、溶離液および混合液のリザーバを含む集積型ラボオンチップデバイスを備えるステップ、
(ii)該デバイスの該試料入口部を通して試料をロードするステップ、
(iii)該溶解液リザーバからの該溶解液を該細胞および/または粒子上に通すことにより、該試料の該細胞および/または粒子の溶解を行うステップ、
(iv)核酸を抽出するために該核酸抽出ユニット中に該溶解液を通すステップ、
(v)該第一の洗浄緩衝液を該第一の洗浄緩衝液リザーバから該核酸抽出ユニット中に移動させるステップ、
(vi)該核酸抽出ユニットからの溶離試料を生成するために該溶離液を該溶離液リザーバから該核酸抽出ユニット中に移動させるステップならびに
(vii)該溶離試料を該混合ユニットにおいて該混合液と混合させるステップ
を備える。
(i)試料入口部、溶解ユニット、核酸抽出ユニット、混合ユニットならびに溶解液、第一の洗浄緩衝液、溶離液および混合液のリザーバを含む集積型ラボオンチップデバイスを備えるステップ、
(ii)該デバイスの該試料入口部を通して試料をロードするステップ、
(iii)該溶解液リザーバからの該溶解液を該細胞および/または粒子上に通すことにより、該試料の該細胞および/または粒子の溶解を行うステップ、
(iv)核酸を抽出するために該核酸抽出ユニット中に該溶解液を通すステップ、
(v)該第一の洗浄緩衝液を該第一の洗浄緩衝液リザーバから該核酸抽出ユニット中に移動させるステップ、
(vi)該核酸抽出ユニットからの溶離試料を生成するために該溶離液を該溶離液リザーバから該核酸抽出ユニット中に移動させるステップならびに
(vii)該溶離試料を該混合ユニットにおいて該混合液と混合させるステップ
を備える。
この方法において第一もしくは第二の態様のデバイスまたは第三の態様のシステムが用いられ得る。
第五の態様では、本発明は、集積型ラボオンチップデバイスを用いて細胞および/または粒子を含む液状試料の核酸抽出プロセスを実施する方法を提供し、該方法は、
(i)試料入口部、溶解ユニット、核酸抽出ユニットならびに溶解液、第一の洗浄緩衝液および溶離液のリザーバを含む集積型ラボオンチップデバイスを備えるステップ、
(ii)該デバイスの該試料入口部を通して試料をロードするステップ、
(iii)該溶解液リザーバからの該溶解液を該細胞および/または粒子上に通すことにより、該濾過された試料の該細胞および/または粒子の溶解を行うステップ、
(iv)核酸を抽出するために該核酸抽出ユニット中に該溶解液を通すステップ、
(v)該第一の洗浄緩衝液を該第一の洗浄緩衝液リザーバから該核酸抽出ユニット中に移動させるステップならびに
(vi)該核酸抽出ユニットからの溶離試料を生成するために該溶離液を該溶離液リザーバから該核酸抽出ユニット中に移動させるステップ
を備え、該溶解液、該第一の洗浄緩衝液および該溶離液は単一ポンプによって駆動される。
(i)試料入口部、溶解ユニット、核酸抽出ユニットならびに溶解液、第一の洗浄緩衝液および溶離液のリザーバを含む集積型ラボオンチップデバイスを備えるステップ、
(ii)該デバイスの該試料入口部を通して試料をロードするステップ、
(iii)該溶解液リザーバからの該溶解液を該細胞および/または粒子上に通すことにより、該濾過された試料の該細胞および/または粒子の溶解を行うステップ、
(iv)核酸を抽出するために該核酸抽出ユニット中に該溶解液を通すステップ、
(v)該第一の洗浄緩衝液を該第一の洗浄緩衝液リザーバから該核酸抽出ユニット中に移動させるステップならびに
(vi)該核酸抽出ユニットからの溶離試料を生成するために該溶離液を該溶離液リザーバから該核酸抽出ユニット中に移動させるステップ
を備え、該溶解液、該第一の洗浄緩衝液および該溶離液は単一ポンプによって駆動される。
この第五の態様の特徴は第四の態様とは別に用いられ得、または第四の態様の特徴と組み合わせられ得る。この方法において第一もしくは第二の態様のデバイスまたは第三の態様のシステムが用いられ得る。
本発明は、以下の図面に関連して説明される。これらの図面は本発明の例として示される。
本発明は、完全な試料調製プロセスを実施するための集積型ラボオンチップデバイスを提供する。該デバイスは、核酸増幅および検出を行うための微細加工反応チャンバシステムにおいて、またはこれと併せて、またはこれと一体的に形成されて用いられ得る。
本発明の発明人らは、核酸試料が増幅される前に核酸試料を調製するための国際公開第2005/073691号に述べられているシステムを用いる利点を認識した。本発明人らは、国際公開第02/22265号が核酸増幅反応、特にNASBAを行うための簡便な微細加工システムを提供することにも留意した。しかし、国際公開第2005/073691号に述べられているような試料調製システムと国際公開第02/22265号に述べられているような増幅システムとを組み合わせようとする場合、本発明人らは、組合せシステムが時としてマイクロスケール実験から期待されるものと比べて特異性および有効性の低下を示すことを見出した。
本発明人らは、驚くべきことに、この特異性の低下が増幅反応自体におけるプライマーから生じることを見出した。特に、国際公開第02/22265号は、増幅反応の試料のローディング前に試料の増幅反応のためのすべての試薬を国際公開第02/22265号の微細加工システムに予めロードすることを示唆している。本発明人らは、この手法が増幅システムの作製および作動を簡易化するためにこの手法が有利であると認識したが、本発明人らは、特定の1つの試薬の事前ローディングが増幅反応の特異性を低下させ得ることを見出した。この特定の試薬は、プライマーを溶媒和しプライマーを試料と混合させるために増幅において用いられる混合液である。
理論に制約されることを望まず、プライマー分子が十分に伸長するように、混合溶媒は増幅において用いられるプライマー分子を溶媒和するのに役立つと考えられる。混合溶媒が用いられない場合、プライマー分子は十分に伸長せず、したがって、プライマー分子の結合特異性は低下すると考えられる。本発明人らは、これが、DMSO/ソルビトール混合物がNASBAプライマーを溶媒和するために用いられ得るNASBAにおいて特別な問題であることを見出した。
したがって、本発明人らは混合液を供与する他の方法を探索した。本発明人らは、核酸抽出および精製後であるが、試料が核酸増幅ユニットに移動される前に混合液を核酸試料と混合させることにより、プライマーの試料への結合特異性が増大し得ることを見出した。
したがって、第一の態様では、本発明は、細胞および/または粒子を含む液状試料の核酸抽出プロセスを実施するための集積型ラボオンチップデバイスを提供し、該デバイスは、
(a)液状試料のローディングのための試料入口部、
(b)該試料入口部の下流にある任意の濾過ユニット、
(c)存在する場合、該濾過ユニットと一体化され、または該濾過ユニットの下流にある、該液状試料に存在する細胞および/または粒子の溶解のための溶解ユニット、
(d)該溶解ユニットのための溶解液のリザーバ、
(e)該溶解ユニットの下流にある核酸抽出ユニットならびに
(f)該核酸抽出ユニットのための第一の洗浄緩衝液および溶離液のリザーバ
を含み、該デバイスは、
(g)該核酸抽出ユニットの下流にある混合ユニットおよび
(h)該混合ユニットのための混合液の供給源
を更に含む。
(a)液状試料のローディングのための試料入口部、
(b)該試料入口部の下流にある任意の濾過ユニット、
(c)存在する場合、該濾過ユニットと一体化され、または該濾過ユニットの下流にある、該液状試料に存在する細胞および/または粒子の溶解のための溶解ユニット、
(d)該溶解ユニットのための溶解液のリザーバ、
(e)該溶解ユニットの下流にある核酸抽出ユニットならびに
(f)該核酸抽出ユニットのための第一の洗浄緩衝液および溶離液のリザーバ
を含み、該デバイスは、
(g)該核酸抽出ユニットの下流にある混合ユニットおよび
(h)該混合ユニットのための混合液の供給源
を更に含む。
本発明人らは、国際公開第2005/073691号のデバイスにおける予めロードされた試薬を駆動させる単一ポンプを用いる利点も認識した。特に、単一ポンプの使用は簡易化された微細加工アッセイを提供する。国際公開第2005/073691号は、溶解液、洗浄液および溶離液を空隙により単一チャネルにおいて分離するために単一ポンプを用いることができるように、国際公開第2005/073691号のシステムを設計する1つの方法を示唆している。しかし、本発明の発明人らは、この手法を用いる場合、異なる流体が融合しやすいことを見出した。これは、通常洗浄溶媒として用いられるアルコール(エタノールおよびイソプロパノールを含む)のような低表面エネルギ溶媒を用いる場合、特に問題である。
したがって、第二の態様では、本発明は、特定の試薬貯蔵ユニットの試薬を予めロードし、特定の試薬貯蔵ユニットの試薬の動作を制御するための特定の試薬貯蔵ユニットを有する、細胞および/または粒子を含む液状試料の核酸抽出プロセスを実施するための集積型ラボオンチップデバイスを提供する。このデバイスは、
(a)液状試料のローディングのための試料入口部、
(b)該試料入口部の下流にある任意の濾過ユニット、
(c)存在する場合、該濾過ユニットと一体化され、または該濾過ユニットの下流にある、該液状試料に存在する細胞および/または粒子の溶解のための溶解ユニット、
(d)該溶解ユニットのための溶解液のリザーバ、
(e)該溶解ユニットの下流にある核酸抽出ユニットならびに
(f)該核酸抽出ユニットのための第一の洗浄緩衝液および溶離液のリザーバ
を含み、該溶解液、第一の洗浄緩衝液および溶離液のリザーバが並列に配置され、各リザーバが上端および下端を有し、該デバイスは、
(i)該溶解液、第一の洗浄緩衝液および溶離液のリザーバの上端に連結された上部可変位置バルブ、
(g)該上部可変位置バルブに連結されたポンプ、
(h)該少なくとも3つの流体リザーバの下端に連結された下部可変位置バルブ、
(j)該下部可変位置バルブを該溶解ユニットに連結させる第一の駆動チャネルならびに
(k)該下部可変位置バルブを該核酸抽出ユニットに連結させる第二の駆動チャネル
を更に含む。
(a)液状試料のローディングのための試料入口部、
(b)該試料入口部の下流にある任意の濾過ユニット、
(c)存在する場合、該濾過ユニットと一体化され、または該濾過ユニットの下流にある、該液状試料に存在する細胞および/または粒子の溶解のための溶解ユニット、
(d)該溶解ユニットのための溶解液のリザーバ、
(e)該溶解ユニットの下流にある核酸抽出ユニットならびに
(f)該核酸抽出ユニットのための第一の洗浄緩衝液および溶離液のリザーバ
を含み、該溶解液、第一の洗浄緩衝液および溶離液のリザーバが並列に配置され、各リザーバが上端および下端を有し、該デバイスは、
(i)該溶解液、第一の洗浄緩衝液および溶離液のリザーバの上端に連結された上部可変位置バルブ、
(g)該上部可変位置バルブに連結されたポンプ、
(h)該少なくとも3つの流体リザーバの下端に連結された下部可変位置バルブ、
(j)該下部可変位置バルブを該溶解ユニットに連結させる第一の駆動チャネルならびに
(k)該下部可変位置バルブを該核酸抽出ユニットに連結させる第二の駆動チャネル
を更に含む。
この第二の態様の特徴は第一の態様において用いられ得、その逆もまた同様である。
本明細書で用いられるように、「下流」という用語は、使用時に試料がデバイスの異なる部分を連続的に通過することを意味する。「下流」という用語は、「下流」という用語の範囲内に直接流体連通しているデバイスの2つの部分を含むが、「下流」という用語は、「下流」という用語の範囲内に2つの部分が、例えば、バルブまたはデバイスの別の部分によって分離されている場合も含む。「一体化」という用語は、例えば、デバイスの同じ部分が試料を濾過し溶解ユニットとして機能するように、デバイスの2つの異なる部分が単一ユニットに組み合わせられることを意味する。「一体化」という用語が、核酸増幅ユニットと組み合わせられた本発明の第一および第二の態様のデバイスに適用される場合、「一体化」という用語は、システムの2つの部分が互いに連結し、そのため、使用時にはシステムの2つの部分が互いに流体連通していることを意味する。別の態様では、「一体化」という用語は、デバイスの異なる部分が共通の基板上に形成されることが好ましいことを意味する。デバイスの2つの部分に適用される場合の「連結」という用語は、その2つの部分が互いに直接流体連通し得(例えば、直接結合され、またはチャネルを通して結合されることを通じて)、または、例えば、バルブまたはデバイスの別の部分によって互いに分離され得ることを意味する。好ましくは、「〜に連結」という用語は、デバイスの2つの部分が互いに直接結合していることを意味する。
次に、第一および第二の態様の特徴を以下に更に詳細に説明する。
(試料入口部)
試料入口部は試料がデバイスにロードされることを可能にするように設計される。試料入口部は、例えば、シリンジを通じた試料の注入に適し得る。試料入口部はポンプに連結されてもよい。この場合、試料は容器自体の駆動手段を有さない容器内に含まれ得、そのため、使用時には試料はポンプによって試料入口部に吸引される。
試料入口部は試料がデバイスにロードされることを可能にするように設計される。試料入口部は、例えば、シリンジを通じた試料の注入に適し得る。試料入口部はポンプに連結されてもよい。この場合、試料は容器自体の駆動手段を有さない容器内に含まれ得、そのため、使用時には試料はポンプによって試料入口部に吸引される。
(濾過ユニット)
該デバイスは濾過ユニットを含み得る。このユニットは溶解ユニットの上流にあり、または溶解ユニットと一体的に形成され得る。濾過ユニットは、例えば、クロスフロー・フィルタまたは中空フィルタを含み得る。あるいは、溶解ユニット自体が液状試料を濾過する手段を更に含み得る。該手段は、例えば、溶解ユニットと一体化され得るクロスフロー・フィルタまたは中空フィルタを含み得る。
該デバイスは濾過ユニットを含み得る。このユニットは溶解ユニットの上流にあり、または溶解ユニットと一体的に形成され得る。濾過ユニットは、例えば、クロスフロー・フィルタまたは中空フィルタを含み得る。あるいは、溶解ユニット自体が液状試料を濾過する手段を更に含み得る。該手段は、例えば、溶解ユニットと一体化され得るクロスフロー・フィルタまたは中空フィルタを含み得る。
(溶解ユニットおよび任意の核酸断片化ユニット)
該デバイスは、液状試料(例えば、生体液または環境液またはこれに由来する液状試料)中に存在する細胞を溶解するのに適した溶解ユニットと、溶解ユニットにおいて溶解された細胞または粒子の内容物から核酸(例えば、mRNA)を抽出するのに適した核酸抽出ユニットとを含む。溶解ユニットは任意の溶解ユニットでよく、例えば、国際公開第2005/073691号に述べられているような溶解ユニットであり、その内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。溶解ユニットは任意の好ましい形状および構成を有し得るが、典型的には、チャネルまたはチャンバ形態である。好ましくは、溶解ユニットは、液状試料に含まれる真核および/または原核細胞ならびに粒子、例えば、ウイルス粒子の溶解用である。
該デバイスは、液状試料(例えば、生体液または環境液またはこれに由来する液状試料)中に存在する細胞を溶解するのに適した溶解ユニットと、溶解ユニットにおいて溶解された細胞または粒子の内容物から核酸(例えば、mRNA)を抽出するのに適した核酸抽出ユニットとを含む。溶解ユニットは任意の溶解ユニットでよく、例えば、国際公開第2005/073691号に述べられているような溶解ユニットであり、その内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。溶解ユニットは任意の好ましい形状および構成を有し得るが、典型的には、チャネルまたはチャンバ形態である。好ましくは、溶解ユニットは、液状試料に含まれる真核および/または原核細胞ならびに粒子、例えば、ウイルス粒子の溶解用である。
必要な場合には、デバイスは核酸断片化ユニットを更に含み得、これは溶解ユニットの下流、好ましくは、核酸抽出ユニットの上流にある。あるいは、溶解ユニット自体が、液状試料中の細胞/粒子が溶解される際に遊離される核酸を断片化する手段を更に含み得る。DNAまたはRNAのランダム断片化は試料前処理ステップとして必要な場合が多い。断片化は、制限酵素を用いて生化学的に、または分子を切断する物理的力の適用を通じて成され得る(例えば、P.N.Hengen,Trends in Biochem.Sci.、vol.22,pp 273−274、1997およびP.F.Davison,Proc.Nat.Acad.Sci.USA、vol.45、pp 1560−1568、1959を参照されたい)。通常、剪断によるDNA断片化は試料を短い狭窄部に通すステップを含む。好ましい実施形態では、DNAおよび/またはRNAは、狭い開口部を通って送り込まれると、分子の急激な伸張によって機械力下にて分解する。圧力駆動流は剪断力を引き起こし得、これは核酸の断片化をもたらす。国際特許出願第PCT/GB03/004768号では、核酸断片化のためのマイクロ流体デバイスについて述べている。
溶解ユニット自体が液状試料を濾過する手段、任意に、核酸を断片化する手段も更に含み得る。
(核酸抽出ユニット)
核酸抽出ユニットは任意の好ましい形状および構成を有し得るが、典型的には、チャネルまたはチャンバ形態である。核酸抽出ユニットは、核酸(例えば、mRNA)に非特異的に結合する物質のビーズ、粒子、フィルタまたは繊維、例えば、シリカで少なくとも部分的に充填され得る。その代わりに、または加えて、核酸抽出ユニットはシリカフィルタを含み得る。核酸はカオトロピック剤の存在下にてシリカ表面に結合する。通常、ユニットは基板および覆いカバーを含み、抽出ユニットは基板面における凹部およびカバーの隣接面により画成される。好ましくは、基板は、これらの2つ以上の混合物を含む、シリコン、PDMS(ポリ(ジメチルシロキサン))、PMMA(ポリメチルメチルアクリレート)、COC(シクロオレフィンコポリマー)、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PC(ポリカーボネート)、PL(ポリラクチド)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)およびPSU(ポリスルホン)から形成される。好ましいポリマーはCOCである。特定の実施形態では、核酸抽出ユニットは、チャネルにおけるシリカビーズ充填粒子フィルタまたは繊維を含む。
核酸抽出ユニットは任意の好ましい形状および構成を有し得るが、典型的には、チャネルまたはチャンバ形態である。核酸抽出ユニットは、核酸(例えば、mRNA)に非特異的に結合する物質のビーズ、粒子、フィルタまたは繊維、例えば、シリカで少なくとも部分的に充填され得る。その代わりに、または加えて、核酸抽出ユニットはシリカフィルタを含み得る。核酸はカオトロピック剤の存在下にてシリカ表面に結合する。通常、ユニットは基板および覆いカバーを含み、抽出ユニットは基板面における凹部およびカバーの隣接面により画成される。好ましくは、基板は、これらの2つ以上の混合物を含む、シリコン、PDMS(ポリ(ジメチルシロキサン))、PMMA(ポリメチルメチルアクリレート)、COC(シクロオレフィンコポリマー)、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PC(ポリカーボネート)、PL(ポリラクチド)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)およびPSU(ポリスルホン)から形成される。好ましいポリマーはCOCである。特定の実施形態では、核酸抽出ユニットは、チャネルにおけるシリカビーズ充填粒子フィルタまたは繊維を含む。
本発明者らは、核酸抽出ユニットの形状が如何なるものであっても、抽出ユニットが使用前に過酸化水素で処理される場合、抽出ユニットがより効果的であることを見出した。このことにより、より確実に増幅され得る試料を生成することが見出された。核酸抽出ユニットから抽出された時点での試料の希釈も選択的増幅を促進することが見出された。これは、例えば、混合液に希釈液(例えば、水)を含ませることによって行われ得る。
該デバイスは、溶解ユニットおよび/または核酸抽出ユニットの内容物を加熱する手段を更に含み得る。該手段は、例えば、溶解ユニットおよび/または核酸抽出ユニットに位置し、あるいは溶解ユニットおよび/または核酸抽出ユニットに隣接する1つ以上のペルティエ素子を含み得る。
(試薬貯蔵・駆動ユニット)
本発明の最も一般的な態様では、本発明は、3つの試薬貯蔵リザーバ、すなわち、溶解液リザーバ、第一の洗浄緩衝液リザーバおよび溶離液リザーバを含む。
本発明の最も一般的な態様では、本発明は、3つの試薬貯蔵リザーバ、すなわち、溶解液リザーバ、第一の洗浄緩衝液リザーバおよび溶離液リザーバを含む。
好ましい態様では、これらの3つのリザーバは並列に配置される。各リザーバは2つの端部を有し、これらの2つの端部は上端および下端という名称を名目上付与される。各リザーバの上端は第一の可変位置バルブ(公称「上部」可変位置バルブ)に連結され、下端は第二の可変位置バルブ(公称「下部」可変位置バルブ)に連結される。上部可変位置バルブは、3つの流体リザーバをすべて駆動させる単一ポンプにも連結される。単一ポンプは、デバイスに予めロードされた他のすべての流体および/またはデバイスに既にロードされた試料も駆動させ得る。下部可変位置バルブは、流体が使用時にデバイスの適切な部分に移動されることを可能にする。これを達成するため、該デバイスは、下部可変位置バルブを溶解ユニットに連結させる第一の駆動チャネルと、更に下部可変位置バルブを核酸抽出ユニットに連結させる第二の駆動チャネルとを備える。その結果、使用時に上部および下部可変位置バルブの適切な配置は、単一ポンプが溶解液を駆動させて溶解液を第一の駆動チャネルを通して溶解ユニットに移動させ、かつ第一の洗浄緩衝液および溶離液を駆動させて第一の洗浄緩衝液および溶離液を第二の駆動チャネルを通して核酸抽出ユニットに移動させることを可能にする。
任意に、他の3つのリザーバと並列に第四のリザーバが配置される。この第四のリザーバは核酸抽出ユニットのための第二の洗浄緩衝液のリザーバである。この場合も、このリザーバの2つの端部が上端および下端と公称される場合、この第四のリザーバの上端は上部可変位置バルブに連結され、下端は下部可変位置バルブに連結される。第二の洗浄緩衝液は、他の3つのリザーバを駆動させる同じポンプによって駆動される。使用時には、第四の洗浄緩衝液が第二の駆動チャネルを通って核酸抽出ユニットの中を流れるように、第四の洗浄緩衝液は駆動される。
したがって、各リザーバは各リザーバのそれぞれの試薬を予めロードされる。溶解ユニットのリザーバは溶解液を予めロードされ、第一の洗浄緩衝液のリザーバは第一の洗浄緩衝液を予めロードされ、溶離液のリザーバは溶離液を予めロードされる。任意に、第二の洗浄緩衝液のリザーバは第二の洗浄緩衝液を予めロードされ、混合液のリザーバは混合液を予めロードされる。
この特定のシステムを用いることにより、異なる流体を効果的かつ効率的に分離させる試薬貯蔵・駆動ユニットを用いることができ、そのため、貯蔵時または使用時に異なる流体が非意図的に混合しない。加えて、予めロードされたすべての流体を駆動させるために単一ポンプを用いることができる。これにより、システムは簡易化され、システムの信頼性が向上する。
溶解液は、液状試料中の対象とする細胞および/または粒子を溶解することが可能な任意の好ましい溶解液/緩衝液でもよい。好適な溶解緩衝液の一例は、100mM Tris/HCl,8M GuSCN(pH6.4)である。
溶離液は、核酸抽出ユニットから精製核酸を溶離するのに好適な任意の流体でもよい。好適な溶離緩衝液の一例は、10mM Tris/HCl,1mM EDTA Na2(pH8)である。
第一の洗浄溶媒は任意の好ましい溶媒から選択され得るが、好ましくは、容易に蒸発し得る溶媒、例えば、エタノールである。
第二の洗浄溶媒は任意の好ましい溶媒から選択され得るが、好ましくは、容易に蒸発し得る溶媒、例えば、イソプロパノールである。
混合液もこの試薬貯蔵システムの一部であり得る(下記参照)。使用される場合、一般的に、混合液は、下流のプロセスまたは反応、例えば、下流の核酸増幅反応を目的として核酸抽出ユニットから溶離した精製核酸に加えられる試薬である。一実施形態では、混合液はDMSO、ソルビトールまたはその混合物でもよい。当業者には他の混合液が周知である(例えば、グリセロールのような1つ以上のペンダントアルコール基を有する分子である多価アルコール)。上述のように、これらの特定の混合液は特にNASBAのために供与される。
試薬貯蔵・駆動システムの2つの可変位置バルブは、試薬リザーバに貯蔵された個々の試薬のデバイス中のフローを制御するため、協調して作動する。第一の可変位置バルブは上部バルブとして表され、ポンプと任意の試薬貯蔵チャネルとの流体連通を可能とするように可変的に配置され得る。第一の可変位置バルブはポンプ弁とも称され得る。第二の可変位置バルブは下部バルブとして表され、次に、駆動チャネルと1つ1つの試薬リザーバとの流体連通を選択的に確立するように可変的に配置され得る。第二の可変位置バルブはアクチュエータバルブとも称され得る。アクチュエータバルブの選択位置により、いずれの時点においても、1つの試薬リザーバのみが駆動チャネルと流体連通する。下部バルブは、デバイスが使用中である際、単一の試薬フローアクチュエータを用いて各試薬リザーバからの試薬フローが駆動されることを可能にする。
本発明の試薬貯蔵・駆動システムの使用は、デバイスが使用中である際、試薬リザーバから溶解ユニットおよび核酸抽出ユニットへ向かうデバイス中の試薬フローが、単一の試薬フローアクチュエータを用いて所定のプロトコルに従って駆動されることを可能にする。
(混合ユニット)
本発明のデバイスは、試料が増幅ユニットの第一の反応チャンバにロードされる前に試料を混合液と予混合するため、別個の混合ユニットを更に含み得る。本発明人らは、デバイスの複雑性を高めるにもかかわらず、このデバイスの変形例が実際に試料と混合液とのより一層効率的かつ効果的な混合を提供することを見出した。これは、下流の増幅ユニットにおいて行われる増幅反応の特異性を高めることができる。
本発明のデバイスは、試料が増幅ユニットの第一の反応チャンバにロードされる前に試料を混合液と予混合するため、別個の混合ユニットを更に含み得る。本発明人らは、デバイスの複雑性を高めるにもかかわらず、このデバイスの変形例が実際に試料と混合液とのより一層効率的かつ効果的な混合を提供することを見出した。これは、下流の増幅ユニットにおいて行われる増幅反応の特異性を高めることができる。
したがって、デバイスは、デバイスが使用中である際、抽出ユニットから溶離液を受け取るため、核酸抽出ユニットの下流にある混合ユニットを更に含み得る。混合ユニットも混合液を予めロードされた試薬リザーバと流体連通している。混合液は、増幅プライマーの標的との増幅プライマーの選択的ハイブリダイゼーションを促進するための流体でもよい。そのような溶媒の例には、スルホキシドおよび/またはソルビトールが含まれる。スルホキシドの一例はDMSOである。混合ユニットは、核酸抽出ユニットからの溶離液(または溶離液を含む流体、例えば、希釈溶離液)を予めロードされた混合液(例えば、DMSO/ソルビトール)と混合させるように設計される。
混合ユニットは任意の好ましい形状および構成を有し得る。
一実施形態では、混合液のリザーバは、溶解液、第一の洗浄緩衝液および溶離液のリザーバと並列に貯蔵される。このリザーバの2つの端部が上端および下端と公称される場合、混合液リザーバの上端は上部可変位置バルブに連結され、下端は下部可変位置バルブに連結される。これは、このリザーバが、デバイスに予めロードされた流体の他のすべてのリザーバと同じポンプによって駆動されることを可能にする便利な方法である。このようにして混合試薬が貯蔵される場合、デバイスは、下部可変位置バルブと混合ユニットとを連結させる第三の駆動チャネルを更に含む。使用時には、混合液が第三の駆動チャネルを通って混合ユニットに移動されるように、混合液は駆動され得る。この構成は、必要な場合、混合液が貯蔵され、次に、混合ユニットに供給されることを可能にする。
したがって、混合ユニットは、
(i)第三の可変位置バルブ、
(ii)第一および第二の端部を有する第一および第二のチャネル(該第一および第二のチャネルの該第一の端部は該第三の可変位置バルブに連結され、該第一および第二のチャネルの該第二の端部は共末端である)、
(iii)第一および第二の端部を有する細長いチャネル(その第三のチャネルの第一の端部は該第一および第二のチャネルの該第二の端部と共末端である)
を備え得る。
(i)第三の可変位置バルブ、
(ii)第一および第二の端部を有する第一および第二のチャネル(該第一および第二のチャネルの該第一の端部は該第三の可変位置バルブに連結され、該第一および第二のチャネルの該第二の端部は共末端である)、
(iii)第一および第二の端部を有する細長いチャネル(その第三のチャネルの第一の端部は該第一および第二のチャネルの該第二の端部と共末端である)
を備え得る。
使用時には、この構成は、試料が核酸抽出ユニットから溶離され、次に、第一のチャネルにロードされることを可能にする。次に、混合液が第二のチャネルにロードされる。最後に、溶離試料および溶媒が細長いチャネルに同時に注入される。
この構成において、混合ユニットは、第一のチャネルにおける、核酸抽出ユニットから溶離した試料および第二のチャネルにおける混合液の位置(または栓)を測定する手段を更に含み得る。これは、試料の混合液との効率的な混合を確実にするため、流体の精密な制御を可能にする。好ましくは、測定手段は光源を含む光学システムである。デバイスの設計を簡易化するため、光源は濁度測定において用いられる光源と同じ光源でもよい(下記参照)。
あるいは、混合液は両端が第三の可変位置バルブに連結されたリザーバに貯蔵され得る。この場合、混合チャネルまたはチャンバは第三の可変位置バルブに直接連結され得、したがって、デバイスは、核酸抽出ユニットの出口部に連結された可変位置バルブと、該可変位置バルブに連結された混合チャネルとを含む混合ユニットを含み、該混合液リザーバは両端を該第三の可変位置バルブに直接連結させる。本発明人らは、これが混合ユニットの作動を簡易化するため、これは有利であることを見出した。特に、これは、デバイスが、混合チャネルもしくはチャンバにロードされる前に試料の位置を測定するための簡易化検出システムを用いて、または検出システムを全く用いずに作動され得るということである。これはデバイスの信頼性を向上させることが見出された。
如何なる実施形態においても、通常、試料と混合液とが混合するチャネルまたはチャンバは、場合により混合を促進するインレーまたは構造化側壁を含む細長いチャネル形態である。この細長いチャネルは回旋状、例えば、波状でもよい。下流の試薬との溶離液の混合を達成するため、2つの流体は混合され、混合ユニットの細長いチャネルに沿って流される。この細長いチャネルは、2つの流体が単純な拡散によって混合することを可能にするのに十分な長さの流路を付与する。
上述の第三の可変位置バルブがデバイスの他の部分の制御を容易にし得ることに留意すべきである。あるいは、デバイス周囲の流体の駆動を容易にするために別個の可変位置バルブが設けられ得る。いずれの場合でも、このバルブは第一および第二の可変位置バルブと協調して作動し得る。そのようなものとして、そのバルブは試薬流路制御バルブとして表される。このバルブの役割は、選択リザーバと溶解ユニット、核酸抽出ユニットまたは(混合液を予めロードされたリザーバの場合)混合ユニットとの流体連通を確立するように位置づけられることであり得る。流路制御バルブの選択位置に従って、いずれの時点においても、1つの試薬リザーバのみが、溶解ユニット、核酸抽出ユニットまたは混合ユニット(存在する場合)と流体連通する。
(他の特徴)
通常、本発明によるデバイスは、試料入口部、溶解ユニットおよび核酸抽出ユニットの任意の1つまたは任意の組合せと流体連通した廃棄ユニットを更に含む。この廃棄ユニットへの流体フローを制御するために任意のバルブが存在し得る。該廃棄ユニットは微細加工され他の構成要素と一体化され得る。
通常、本発明によるデバイスは、試料入口部、溶解ユニットおよび核酸抽出ユニットの任意の1つまたは任意の組合せと流体連通した廃棄ユニットを更に含む。この廃棄ユニットへの流体フローを制御するために任意のバルブが存在し得る。該廃棄ユニットは微細加工され他の構成要素と一体化され得る。
デバイスは、空気(または他の流体)をデバイスに導入する手段である試薬フローアクチュエータと併せて用いられるものとする。例えば、試薬フローアクチュエータは試薬貯蔵システムに連結され得る。試薬フローアクチュエータはデバイスの一部を形成してもよく、またはデバイスと併せて用いられる別個の構成要素でもよい。試薬フローアクチュエータは、ポンプもしくはシリンジまたは試薬貯蔵システムと連通した可変容積チャンバを含み得る。
該デバイスは液状試料を試料入口部に導入する手段を更に含み、またはこれと併せて用いられ得る。該手段はポンプまたはシリンジを含み得る。あるいは、そのような手段は試料入口部と連通した1つ以上の可変容積チャンバを含み得、この可変容積チャンバの容積を変えることにより、その入口部に入り、かつ/あるいはその入口部から出る液状試料のフローを達成し、かつ/あるいは制限する。典型的には、可変容積チャンバは下部基板における中空の凹部を覆う柔軟な膜を含む。国際特許出願第PCT/GB02/005945号では、好ましい流体輸送システムについて述べている。
該デバイスは濁度センサを更に含み得る。このセンサは濾過ユニットの上流にあり得る。デバイスの設計を容易化するため、このセンサは混合システムの位置センサと同じ光源を用い得る。
該デバイスは圧力センサを更に含み得る。本発明人らは、デッドエンド圧力センサの使用が同じチップ上にて抽出・精製された異なる試料間の汚染を防止することを見出したため、好ましくは、この圧力センサはインライン圧力センサよりもデッドエンド圧力センサである。
(核酸抽出、増幅および検出を行うためのシステム)
本発明は、細胞および/または粒子を含む液状試料の核酸抽出および核酸配列増幅および検出プロセスを実施するための集積型ラボオンチップ診断システムも提供し、そのシステムは、本発明の第一もしくは第二の態様による核酸抽出デバイスおよび核酸増幅ユニットを含む。
本発明は、細胞および/または粒子を含む液状試料の核酸抽出および核酸配列増幅および検出プロセスを実施するための集積型ラボオンチップ診断システムも提供し、そのシステムは、本発明の第一もしくは第二の態様による核酸抽出デバイスおよび核酸増幅ユニットを含む。
核酸抽出ユニットからの溶離液またはその溶媒との混合物が核酸増幅ユニットへ直接流れることができるように、通常、核酸増幅ユニットは核酸抽出ユニットまたは、存在する場合、混合ユニットと流体連通する。それらの間の流体フローを制御するために任意のバルブが存在し得る。核酸反応ユニットは好ましくは微細加工され、好ましくは他の構成要素と一体化される。
その反応ユニットにおいて任意の従来の反応が行われ得る。特定の実施形態では、その反応は特定の標的核酸配列の検出および/または定量を可能にする。通常、核酸反応ユニットは核酸配列増幅ユニットを含み、これは核酸増幅反応による特定の配列の検出を可能にする。その例には、PCRおよび核酸配列ベース増幅(NASBA)のような等温増幅法が含まれる。最も好ましくは、増幅産物の検出のための分子ビーコンプローブを用いたリアルタイムNASBAである。
したがって、好ましい態様では、本発明は、細胞および/または粒子を含む液状試料の試料調製、核酸配列増幅および検出プロセスを実施するための集積型ラボオンチップ診断システム、より好ましくはリアルタイムNASBAを提供する。NASBAの全般的な特徴および必要条件は当分野において周知である。国際特許出願第02/22265号(その内容は参照により組み込まれる)では、本発明のシステムへ包含されることができるようになっている、NASBAを行うための微細加工反応チャンバシステムについて述べている。
核酸反応ユニットは任意の好ましい構成を有し得る。一実施形態では、該反応ユニットは複数の並列反応チャネルまたはチャンバを含み得る。一実施形態では、該反応チャンバ/チャネルは、核酸増幅および/または検出に必要な試薬、例えば、リアルタイムNASBAに必要な試薬を予めロードされ得る。そのような試薬には、酵素、緩衝成分、NTP、プライマー、プローブなどが含まれ得る。試薬は乾燥状態にて貯蔵され、例えば、システムの試料調製部において調製される液状核酸試料を加えることによって使用直前に再構成され得る。
好ましい一実施形態では、核酸増幅用のプライマーは増幅ユニットに予めロードされる。プライマーの事前ローディングと、本発明の混合ユニットにおける混合液と核酸試料との混合との組合せは、プライマーの標的へのプライマーの特異的結合を促進するのに役立つ。プライマーは、並列に配置された複数の2つのチャンバの第一のチャンバに予めロードされ得る。各第一のチャンバは共通の入口部に連結され得る。この場合、NASBA酵素のような増幅酵素は第二のチャンバに供され、好ましくは、予めロードされる。他のすべての試薬は第一のチャンバに供され、好ましくは、予めロードされ得る。
「事前ローディング」という用語は、試薬が、デバイスの最終用途前、例えば、デバイスの製造時にデバイスに加えられることを意味する。そのようなものとして、例えば、試薬の溶液中の溶媒が蒸発することを許容することにより、試薬の溶液を乾燥させることによって固形試薬がデバイス上に沈着され得る。
核酸反応ユニットは、液状核酸試料のアリコートが並列反応チャンバ/チャネルに導入されながら、液状核酸試料のアリコートを計量するための計量手段を更に含み得る。この計量手段は任意の好都合な形態をとり得る。
特定の実施形態では、本発明によるシステムは、液状試料中に存在する細胞の溶解、mRNAの抽出、1つ以上の特定の標的配列のNASBA増幅および増幅産物のリアルタイム検出に用いることができる。
(システムの微細加工)
デバイスの個々の構成要素は微細加工され得る。一実施形態では、溶解ユニット、核酸抽出ユニットおよび試薬貯蔵・駆動システムの試薬リザーバが微細加工されて一体化され、すなわち、共通の基板上に形成される。
デバイスの個々の構成要素は微細加工され得る。一実施形態では、溶解ユニット、核酸抽出ユニットおよび試薬貯蔵・駆動システムの試薬リザーバが微細加工されて一体化され、すなわち、共通の基板上に形成される。
典型的には、該システムまたは少なくともそのマスタバージョンは半導体材料から形成され、または半導体材料を含むが、誘電材料(例えば、ガラス、融解石英、石英、ポリマー材料およびセラミック材料)および/または金属材料も用いられ得る。半導体材料の例には、第IV族元素(すなわち、シリコンおよびゲルマニウム);第III−V族化合物(例えば、ガリウム砒素、ガリウムリン、アンチモン化ガリウム、リン化インジウム、ヒ化インジウム、ヒ化アルミニウムおよびアンチモン化アルミニウム);第II−VI族化合物(例えば、硫化カドミウム、セレン化カドミウム、硫化亜鉛、セレン化亜鉛);および第IV−VI族化合物(例えば、硫化鉛、セレン化鉛、テルル化鉛、テルル化スズ)のうち1つ以上が含まれる。シリコンおよびガリウム砒素が好ましい半導体材料である。該システムは、半導体マイクロエレクトロニクスデバイスのバッチ生産および、近年では、半導体マイクロメカニカルデバイスの生産と従来関連する従来のプロセスを用いて製造され得る。そのような微細加工技術には、例えば、エピタキシャル成長(例えば、気相、液相、分子線、有機金属化学気相成長)、リソグラフィ(例えば、フォト−、電子線−、X線−、イオンビーム−)、エッチング(例えば、化学、気相、プラズマ)、電着、スパッタリング、拡散ドーピング、イオン注入およびマイクロマシニングが含まれる。ガラスのような非晶質およびポリマー材料も用いられ得る。
ポリマー材料の例には、これらの2つ以上の混合物を含む、PMMA、PDMS(ポリ(ジメチルシロキサン))、PC(ポリカーボネート)、(ポリメチルメチルアクリレート)、COC(シクロオレフィンコポリマー)、PE(ポリエチレン(Ppolyethylene))、PP(ポリプロピレン(Ppolypropylene))、PL(ポリラクチド)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)およびPSU(ポリスルホン)が含まれる。好ましいポリマーはPDMSまたはCOCである。
通常、デバイスまたはシステムは一体的に形成される。デバイスまたはシステムは共通の基板材、例えば、本明細書で述べられる半導体材料上に微細加工され得るが、例えば、ガラスまたはセラミック材のような誘電体基板材が用いられ得る。しかし、共通の基板材は好ましくはプラスチックまたはポリマー材であり、好適な例は上記に示されている。好ましくは、デバイスまたはシステムは、例えば、シリコンマスタの複製により形成され得る。
小型構造のためにシリコンガラスの代わりにプラスチックを用いる利点は、少なくとも生物学的応用に関しては多数ある。最大の利点の1つは、マイクロインジェクション成形、高温エンボスおよび鋳造のような方法を用いた大量生産のコストの削減である。複雑な構造ではおそらく100倍またはそれ以上である。多層型インサートの構造物を複製する可能性により、設計自由度の大幅な柔軟性が得られる。通常用いられる標準的な部品を組み合わせる選択肢があるため、ミクロ・マクロ世界間の相互連結は、多くの場合、より容易である。例えば、微細構造に支えられた超音波(US)溶接もしくは溶剤接着、レーザー溶接、接着および積層のような異なる手法を組立技術に用いることができる。有益な他の特徴は表面改質である。生物学的分析に対応する小型構造では、表面が生体適合性であることが重要である。プラズマ処理およびプラズマ重合を用いることにより、組合せの柔軟性およびバリエーションをコーティングに適合させることができる。酸および塩基に対する耐化学性は、容易にエッチング除去されるシリコン基板よりプラスチックのほうがはるかに良好である。バイオ技術分野内の大部分の検出法は光学的測定を含む。したがって、プラスチックの透明度は透明ではないシリコンと比べて主要な特徴である。ポリマーマイクロ流体技術はラボオンチップ市場内にて今や確立されて更に成長している分野である。
本明細書で述べられる微細加工デバイスまたはシステムはナノ加工デバイスも包含するものとする。
シリコンまたは半導体マスタについては、例えば、1つ以上の可変容積チャンバ、マイクロ流体チャネル、反応チャンバおよび流体相互継手を正確な微小寸法によりシリコン基板においてエッチングまたは微細加工することによって定義することが可能である。次に、プラスチック複製がシリコンマスタで作製され得る。このようにして、エッチングまたは加工された微細構造を有するプラスチック基板は、任意の好ましい手段によって(例えば、接着剤を用いて、または加熱により)カバーに結合され得る。
(デバイスを使用する方法)
本発明のデバイスおよびシステムは、本発明の第五の態様の第四の態様に従って用いることができる。これらの方法ステップは以下に要約される。
本発明のデバイスおよびシステムは、本発明の第五の態様の第四の態様に従って用いることができる。これらの方法ステップは以下に要約される。
(i)試料が試料入口部を通してロードされる。
(ii)試料の濁度および/または圧力が任意に測定される。
(iii)試料が任意に濾過ユニットを通る。
(iv)試料からの流体が任意に廃棄ユニットに移動される。
(v)溶解液が溶解液リザーバから試料の細胞および/または粒子方向に移動される。これは、溶解液を第一の駆動チャネルに通すことによって行われ得る。
(vi)次に、溶解液は核酸抽出ユニットに通される。
(vii)核酸抽出ユニットに通された後に残存する流体が任意に廃棄ユニットに移動される。
(viii)第一の洗浄緩衝液が第一の洗浄緩衝液リザーバから核酸抽出ユニット中に移動され、次に、任意に廃棄ユニットに移動される。これは、第一の洗浄緩衝液を第一の洗浄緩衝液リザーバから第二の駆動チャネルに通すことによって行われ得る。
(ix)第二の洗浄緩衝液が任意に第二の洗浄緩衝液リザーバから核酸抽出ユニット中に移動され、次に、任意に廃棄ユニットに移動される。これは、第一の洗浄緩衝液を第一の洗浄緩衝液リザーバから第二の駆動チャネルに通すことによって行われ得る。
(x)溶離液が溶離液リザーバから第二の駆動チャネルを通して核酸抽出ユニット中に移動される。
(xi)任意に、次に、溶離試料が混合ユニットに移動される。
(xii)混合ユニットにおいて、溶離試料が混合液と混合される。
(xiii)次に、試料が増幅ユニットに移動される。
(ii)試料の濁度および/または圧力が任意に測定される。
(iii)試料が任意に濾過ユニットを通る。
(iv)試料からの流体が任意に廃棄ユニットに移動される。
(v)溶解液が溶解液リザーバから試料の細胞および/または粒子方向に移動される。これは、溶解液を第一の駆動チャネルに通すことによって行われ得る。
(vi)次に、溶解液は核酸抽出ユニットに通される。
(vii)核酸抽出ユニットに通された後に残存する流体が任意に廃棄ユニットに移動される。
(viii)第一の洗浄緩衝液が第一の洗浄緩衝液リザーバから核酸抽出ユニット中に移動され、次に、任意に廃棄ユニットに移動される。これは、第一の洗浄緩衝液を第一の洗浄緩衝液リザーバから第二の駆動チャネルに通すことによって行われ得る。
(ix)第二の洗浄緩衝液が任意に第二の洗浄緩衝液リザーバから核酸抽出ユニット中に移動され、次に、任意に廃棄ユニットに移動される。これは、第一の洗浄緩衝液を第一の洗浄緩衝液リザーバから第二の駆動チャネルに通すことによって行われ得る。
(x)溶離液が溶離液リザーバから第二の駆動チャネルを通して核酸抽出ユニット中に移動される。
(xi)任意に、次に、溶離試料が混合ユニットに移動される。
(xii)混合ユニットにおいて、溶離試料が混合液と混合される。
(xiii)次に、試料が増幅ユニットに移動される。
増幅ユニットにおいて、試料は、
(xiv)第一のチャンバに移動され、60℃またはそれ以上まで加熱され、次に、
(xv)NASBA酵素を含む第二のチャンバに移動され、約40℃まで加熱され得る。
(xiv)第一のチャンバに移動され、60℃またはそれ以上まで加熱され、次に、
(xv)NASBA酵素を含む第二のチャンバに移動され、約40℃まで加熱され得る。
前述した本発明の第一、第二および第三の態様から、この一連のステップに対して変更、追加および削除が行われ得ることは明らかである。
(デバイスの作製)
本発明は、本明細書で述べられる集積型ラボオンチップ診断システムの製造法も提供し、その方法は、
A.その表面に入口部凹部、溶解ユニット凹部、核酸抽出ユニット凹部、溶解液リザーバ凹部および溶離液リザーバ凹部を有する基板を備えるステップ;
B.カバーを備えるステップ;および
C.該カバーを該基板に結合し、(a)入口部、(b)溶解ユニット、(c)核酸抽出ユニット、(d)溶解液リザーバおよび(e)溶離液リザーバを作製するステップを備え、各々が該基板の表面におけるそれぞれの凹部および該カバーの隣接面により画成される。
本発明は、本明細書で述べられる集積型ラボオンチップ診断システムの製造法も提供し、その方法は、
A.その表面に入口部凹部、溶解ユニット凹部、核酸抽出ユニット凹部、溶解液リザーバ凹部および溶離液リザーバ凹部を有する基板を備えるステップ;
B.カバーを備えるステップ;および
C.該カバーを該基板に結合し、(a)入口部、(b)溶解ユニット、(c)核酸抽出ユニット、(d)溶解液リザーバおよび(e)溶離液リザーバを作製するステップを備え、各々が該基板の表面におけるそれぞれの凹部および該カバーの隣接面により画成される。
本明細書で用いられる凹部という用語は、例えば、その部分を含む溝、スロット、穴、深い溝およびチャネルを含む様々な特徴も包含するものとする。
該方法は、該カバーを該基板に結合する前またはその後に溶解液を該溶解液リザーバに導入するステップを更に含み得る。
該方法は、該カバーを該基板に結合する前またはその後に溶離液を該溶離液リザーバに導入するステップを更に含み得る。
該方法は、該カバーを該基板に結合する前またはその後に、例えば、エタノールを第一の洗浄溶媒リザーバに導入するステップを更に含み得る。
該方法は、該カバーを該基板に結合する前またはその後に、例えば、イソプロパノールを洗浄溶媒リザーバに導入するステップを更に含み得る。
基板は、例えば、シリコンから、覆いカバーは、例えば、ガラスから形成され得る。この場合、ガラスカバーは、任意に、基板面上に形成された中間酸化シリコン層を介して、好ましくはシリコン基板に陽極接合される。
シリコンにおける凹部は反応性イオンエッチングを用いて形成され得る。基板および/またはカバーに他の材料、例えば、ポリマー材料も用いられ得る。そのような材料は、例えば、シリコン複製を用いて作製され得る。あるいは、デバイスは、フライス加工および放電加工(EDM)による型インサートの構築、次に、チップ部品の射出成形、次に、ポリマー部品の機械的後処理、例えば、穴加工、フライス加工、デバリングにより作製され得る。この後にフィルタの挿入、溶剤結合および流体継手の装着が続き得る。
ポリマー材料の例には、これらの2つ以上の混合物を含む、PMMA(ポリメチルメチルアクリレート)、COC(シクロオレフィンコポリマー)、PDMS(ポリ(ジメチルシロキサン))PE(ポリエチレン(Ppolyethylene))、PP(ポリプロピレン(Ppolypropylene))、PC(ポリカーボネート)、PL(ポリラクチド)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)およびPSU(ポリスルホン)が含まれる。COCが好ましい。
好ましくは、特に細胞の内容物の光学的観察が必要な場合、覆いカバーは光透過性物質または材料、例えば、ガラス、PyrexまたはCOCで作製される。
微細加工部品と1つ以上の他の要素、例えば、ガラス板または補完的な微細加工要素との組合せは頻用され、本明細書で用いられる微細加工という用語の範囲内にあるものとする。
基板ベースの一部または全体が、典型的には1μmまで、好ましくは0.5μm未満の厚さのコーティングを備え得る。好ましくは、コーティングは、ポリエチレングリコール(PEG)、ウシ血清アルブミン(BSA)、tweenおよびデキストランを含む群の1つまたはそれ以上から形成される。好ましいデキストランは、9,000〜200,000の分子量を有し、特に好ましくは、20,000〜100,000、特に、25,000〜75,000、例えば、35,000〜65,000の分子量を有するデキストランである。Tween(すなわち、ポリオキシエチレンソルビタン)はSigma Aldrich Companyから入手可能な任意のものでもよい。コーティング手段としてはPEGが好ましく、単独で、または組み合わせて用いられる。PEGには、純ポリエチレングリコール、すなわち、化学式HO−(CH2CH2O)n−H(式中、nは整数であり、これにより、典型的には、200〜50,00の分子量を有するPEG、特に、1,000〜20,000、例えば、15,000〜20,000 PEGを付与する)または1つ以上のエチレングリコールオリゴマーがホモ二官能基、例えば、リン酸部分もしくは芳香族スペーサによって結合された化学修飾PEGが包含される。特に好ましいのは、15,000〜20,000の数平均分子量を有するポリエチレングリコールPEGである。このPEGの一例が製品P2263としてSigma Aldrich Companyによって販売されている。セル/チャンバ、入口部、出口部および/またはチャネルの表面に施される上述のコーティングは、システム中の流体フローを向上させることができる。特に、試料がそのような表面に付着または粘着しにくいことが見出されている。PEGコーティングが好ましい。
シリコンまたは半導体マスタについては、例えば、1つ以上の可変容積チャンバ、マイクロ流体チャネル、反応チャンバおよび流体相互継手を正確な微小寸法によりシリコン基板においてエッチングまたは微細加工することによって定義することが可能である(深堀り反応性イオンエッチング(DRIE)が好ましい技法である)。次に、プラスチック複製がシリコンマスタで作製され得る。このようにして、エッチングまたは加工された微細構造を有するプラスチック基板は、任意の好ましい手段によって(例えば、接着剤を用いて、または加熱により)カバーに結合され得、これにより、密閉されたフラグメント化セル、入口部、出口部および連結チャネルを形成する。
概して、デバイスはプラスチック、例えば、COCの射出成形により作製されることが好ましい。これにより、デバイスの簡易かつ簡便な製造が可能になる。
デバイスは基板の上面に形成される所望の微細構造を有する基板を含む。基板は、例えば、シリコンまたはシリコンマスタの複製により形成されるプラスチック基板でもよい。基板は基板の上面にてカバーに結合され、これにより、一連のユニット/セル、入口部、出口部および/またはチャネルを画成する。カバーは、例えば、プラスチックまたはガラスから形成され得る。好ましくは、カバーは透明であり、これにより、流体の観察が可能になる。デバイスがシリコンから作製される場合、デバイスはDRIEにより作製され得、あるいは、デバイスは、フライス加工および放電加工(EDM)による型インサートの構築、次に、チップ部品の射出成形、次に、ポリマー部品の機械的後処理、例えば、穴加工、フライス加工、デバリングにより作製され得る。この後にフィルタの挿入、溶剤結合および流体継手の装着が続き得る。
液状試料は、例えば、生体液、乳製品、環境液および/または飲用水でもよく、またはこれに由来し得、あるいは臨床組織試料、例えば、生検または類似の組織採取法、例えば、子宮頸部擦過から得られ、またはこれに由来する細胞含有液状試料でもよい。非限定的例には、血液、血清、唾液、尿、乳、飲用水、海水および池水が含まれる。多くの複雑な生体試料、例えば、血液および乳では、試料中の細菌細胞およびウイルス粒子からDNAおよび/またはRNAを分離・精製することができる前に、まず、ウイルス粒子および細菌細胞を試料中の他の粒子から分離することが必要であることが理解されよう。続けて細菌細胞壁またはウイルス蛋白質外被を分解し核酸を分離する前に、細菌細胞およびウイルス粒子を濃縮するため、更なる試料調製ステップを行い、すなわち、出発物質の容積を減じることが必要である場合があることも理解されよう。これは、出発物質が大容積、例えば、比較的少数の細菌細胞またはウイルス粒子を含む水溶液から成る場合に重要である。この種の出発物質は環境検査応用、例えば、飲用水の細菌汚染のルーチンモニタリングにおいて見られることが多い。
好ましくは、デバイスまたはシステムは1〜100mlの試料容積に対応するように設計される。
本発明は、生体および/または環境試料の分析用の装置も提供し、該装置は本明細書で述べられるシステムを含む。該装置は使い捨て装置でもよい。
これより、添付図面を参照して例として本発明について説明する。
図1に典型的なデバイス配置が概略的に示されている。該デバイスは、液状試料の入口部1、一体化フィルタを有する溶解ユニット4、核酸抽出ユニット5および混合ユニット6を含む。該デバイスは、溶解液(7)、第一の緩衝液(8)、溶離液(9)、任意の第二の緩衝液(10)および混合液(11)のリザーバを備える。
使用時に流体は試料入口部に注入される。流体は、例えば、シリンジの作用によって該入口部に活発に注入され得る。あるいは、試料が受動貯蔵システムから流体入口部へ吸引されるように、該入口部と流体連通したポンプが設けられ得る。このポンプは、該デバイスに予めロードされた流体を駆動させるためのポンプ27と同じでもよく、または異なってもよい。
任意に、該システムは濁度センサ2および/または圧力センサ3を含み得る。濁度は、通過および散乱光を試料の糖蛋白質含量および細胞数の指標として測定することにより、光センサアセンブリ2によっても測定され得る。圧力はフィルタロードの指標として圧力センサ3によって測定され得る。使用時に試料が所定レベルの圧力および濁度を有さない場合、その試料は排斥され得る。
使用時に試料が任意に濾過されると、その試料からの流体は廃棄ユニット12に移動され得る。加えて、溶解液および第一の緩衝液が該核酸抽出ユニットから溶離されると、廃棄ユニット12に移動され得る。図1には、これらの2つの出口部は異なる出口部として示されている。この場合、流体路を通り、または該廃棄ユニットへ向かう流体のフローを制御するために任意のバルブ15および16が用いられ得る。しかし、図2により簡便な方法が示されている。この図では、単一の廃棄ユニットが設けられている。これは、該システム内に圧力が増大しないように任意の出口部を有して示されている。この出口部は、核酸精製ユニットの任意の空気乾燥ステップ時に気体が該システムから放出されることも可能にする。更に、チップ周囲の試薬のフローは、第三の可変位置バルブまたは駆動バルブと前述された1つの可変位置バルブによって制御され得る。図2には示されないが、この第三の可変位置バルブは、図2に示される第三の可変位置バルブの他の機能と組み合わせて、または混合液11を混合ユニット6に供給する別個の可変位置バルブとして設けられ得る。
試薬7、8、9および10は並列試薬リザーバに備えられ得る。図3に3つの並列リザーバの例示的な構成が示されている。この図では、リザーバ20、21および22は各々、両端にて可変位置バルブ23(上部可変位置バルブ)および24(下部可変位置バルブ)に連結されている。リザーバ20は試薬7を含み、リザーバ21は試薬8を含み、リザーバ22は試薬9を含む。任意に、1または2つの更なる並列試薬リザーバが設けられ得る。これらは該混合液および/または該第二の洗浄緩衝液を含み得る。
該上部可変位置バルブはポンプ27に連結されている。好ましくは、このポンプは該デバイス上のすべての試薬7、8、9ならびに、存在する場合、10および11を駆動させる。
該下部可変位置バルブは第一および第二の駆動チャネル25および26に連結されている。使用時に該溶解液がポンプ27によって駆動され、該第一の駆動チャネルを通して該溶解ユニットに供給されるように、該第一の駆動チャネルは該溶解ユニットに連結されている。使用時に該第一の洗浄緩衝液および該溶離液が該第二の駆動チャネルを通して該核酸抽出ユニットに供給されるように、該第二の駆動チャネルは該核酸抽出ユニットに連結されている。
理解されるように、上部および下部可変位置バルブの協調制御を用いて、該デバイスに予めロードされた流体をすべて駆動させることができる。この制御は図2に示される第三の可変位置バルブの使用により更に向上させることができる。
該核酸抽出ユニットは、シリカビーズ、例えば、0.3mgの15〜30μmサイズのシリカビーズを含み得る。負荷電溶離核酸の動電学的回収のために充填層の直下に電極も設けられ得る(図示せず)。
図4および5に混合ユニット6に可能な2つの構成が示されている。図4では、第三の可変位置バルブ33が用いられて核酸抽出ユニット5からの溶離試料を第一のチャネル30に配置する。次に、該混合液リザーバからの混合液11が、第三の可変位置バルブ33を通って第二のチャネル31にロードされる。ロードされると、両チャネルは駆動される。該チャネルが細長い混合チャネル32の開始部において共末端であるため、該混合液および該溶離試料は該細長い混合チャネル内に入って混合する。該細長い混合チャネルの形状は該試料と該混合液との完全な混合を促進する。
図4において、好ましくは、該混合液および該溶離試料の栓の位置は光学機器によって測定される。好ましくは、この光学機器は試料に対して濁度測定を行う同じ光学機器である。これは図2における矢印によって示されている。濁度測定(52)ならびに混合ユニット55における該試料および該混合液の栓の配置のための光を検出する単一の光検出器アレイが設けられている。
図5は図4の代替構成を示す。具体的には、第三の可変位置バルブ33は混合チャネル32に直接連結されて設けられている。この第三の可変位置バルブは、34として示される混合液リザーバの両端にも連結されている。該バルブは核酸抽出ユニット5の出口部にも連結されている。使用時には、該可変位置バルブは、該試料および該混合液の栓の位置(すなわち、最前点)を測定する複雑な光学システムを必要性とせずに、該混合液と該核酸抽出ユニットから溶離される試料とを該混合チャネルにおいて直接混合されることを可能にする。
したがって、使用時には、図6に示されるように、該デバイスにロードされる試料は複数のステップを経る。ステップ1は試料ローディングである。1〜20mlの液状試料が、例えば、シリンジポンプを用いて試料入口部を介して該デバイスに導入され、溶解/濾過ユニットを通って廃棄へ流れる。該試料に存在する細胞および/または粒子は該溶解ユニットにおけるフィルタに保持される。圧力は圧力計を用いてフィルタロードの指標として測定される。該試料の糖蛋白質含量および細胞数の指標として、通過および散乱光を測定する光センサアセンブルを介して濁度も測定される。
ステップ2は溶解である。溶解液が、例えば、該第一の駆動チャネルを通って、溶解液を予めロードされた試薬リザーバから移動される。次に、該溶解液は該核酸抽出ユニットに移動される。ステップ1においてフィルタ上に保持された細胞および/または粒子は溶解され、該細胞および/または粒子の内容物を放出し、次に、溶解試料は該核酸抽出ユニットに移動する。該溶解試料に存在する核酸は、該核酸抽出ユニットにおけるシリカビーズに結合され保持される。流体は該抽出ユニットから流出し、廃棄に向かって流出する。可変位置バルブが該抽出ユニットの出口部に連結されて配置される場合、該バルブは、該核酸抽出ユニット中を流れる流体が廃棄に向かって流出することを可能にするように配置される。このステップにおいて、すべての流体は単一ポンプによって駆動され得る。
ステップ3は第一の洗浄である。好ましくは該第二の駆動チャネルを通して第一の洗浄溶媒が該核酸抽出ユニットに移動される。該核酸抽出ユニット中を流れる流体が廃棄に向かって流出することを可能にするように、核酸抽出チャンバの出口部に連結された第三の可変位置バルブが配置され得る。すべての流体は前のステップと同一の単一ポンプによって駆動され得る。
ステップ4は、例えば、イソプロパノールでの任意の第二の洗浄である。この洗浄の詳細は該第一の洗浄と同じである。やはり、すべての流体はステップ2〜4と同一の単一ポンプによって駆動され得る。
ステップ5は空気乾燥・加熱である。この場合もステップ2〜4においてすべての流体を駆動させるために用いられる単一ポンプが用いられ、空気を該核酸抽出ユニットに注入する。これは、例えば、第二の洗浄緩衝液が該核酸抽出ユニットに注入されることを可能にした流体路を開放させておくことによって達成される。必要な場合には、該チャンバは加熱され得る。
ステップ6は核酸の溶離である。ステップ2〜5においてすべての流体を駆動させるために用いられる同一の単一ポンプにより、該溶離液リザーバから溶離液が送り込まれる。存在する場合、第三の可変位置バルブが、該核酸抽出ユニット中を流れる流体が該混合ユニットに流出することを可能にするように配置される。核酸は該核酸抽出チャンバから溶離され、該混合ユニットに輸送される。該混合ユニットにおける溶離核酸の到達をモニタリングするために光センサを用いることができる。
ステップ7は混合である。前述のように、この混合ステップの細部は該混合ユニットの構成に依存する。
該混合液と混合されると、該試料は核酸増幅ユニットに移動する。
一実施形態では、該核酸増幅ユニットは図7に示される一連の2つのチャンバを含む。第一のチャンバ40内に増幅反応用のプライマーが予めロードされている。該プライマーは乾燥形態にて予めロードされ得る。該プライマーは核酸増幅ユニットの他の構成に対して同様に予めロードされて供与され得る。
図7において、反応チャンバシステムにおいてNASBAが行われる場合、第二のチャンバ41内にNASBA試薬が予めロードされる。第一または第二の反応チャンバまたは両方に、他のすべての試薬も予めロードされて供与され得る。
図8は本発明のデバイスの1つの可能な構成を示す。この図は、試料入口部(50)、圧力センサ(51)、混合ユニット(55)における流体の位置を測定するために用いることもできるように設計された濁度センサ(52)、一体化濾過・溶解ユニット(53)、核酸抽出ユニット(54)、廃棄ユニット(56)、該デバイス上のすべての流体を駆動させるためのポンプ(57)、上部および下部可変位置バルブ(58および59)、該混合ユニットにおいて試料および混合液を位置づけ、かつ流体のフローを該デバイスの周囲および廃棄ユニット(56)方向に制御するための第三の可変位置バルブ、試薬貯蔵リザーバ(61、62、63、64および65)ならびに該下部可変位置バルブを該溶解ユニット、該核酸抽出ユニットおよび該混合ユニットに連結させる特定の駆動チャネル(66、67および68)を示す。混合ユニット(55)の細長いチャネルを離れるチャネルが見え、これは核酸増幅ユニット(図示せず)に連結している。
図9は該混合ユニットの別の構成を示す。混合液リザーバ(70)を制御するために可変位置バルブ(72)が用いられる。該バルブは混合チャネル(71)に連結されている。試料は駆動チャネル(74)を通して該核酸抽出ユニットから供与される。
したがって、本発明のデバイスは、ルーチンの診断のためにミリリットルの試料容量において用いることができる。これは、50〜50000個の細胞を含む試料において本発明人らによって実証されている。詳細には、核酸増幅ユニットにHPV16に対するプライマーを供与し、細胞から抽出されたRNAを増幅するためにNASBAを用いた。上述のプロトコルに従った。詳細には、3mlの試料を試料入口部にロードした。該システムはCOCから作製された。核酸抽出ユニット内のシリカを3%過酸化水素で24時間前処理した。「Genomed社製A」シリカフィルタを用いた。
試料をロードした時点で、溶解液として120μlの「Biomerieux社製緩衝液(pH7.5)」を用いた。次に、第一の洗浄緩衝液として230μlの75%水中エタノールを用いた。第二の洗浄緩衝液は100%エタノールから成った。1.5ml/分にて供給される4mlの空気で7回、1.5ml/分にて供給される2mlの空気で1回、核酸抽出ユニットを乾燥させた。次に、60℃で20分間、核酸抽出ユニットの乾燥を行った。次に、HPV16に対するプライマーを用いて試料に対してNASBAを行った。試料について良好な結果が認められた。
Claims (19)
- 細胞および/または粒子を含む液状試料の核酸抽出プロセスを実施するための集積型ラブオンチップデバイスであって、
(a)液状試料のローディングのための試料入口部と、
(b)前記液状試料に存在する細胞および/または粒子の溶解のための溶解ユニットと、
(c)前記溶解ユニットのための溶解液のリザーバと、
(d)前記溶解ユニットの下流にある核酸抽出ユニットと、
(e)前記核酸抽出ユニットのための第一の洗浄緩衝液および溶離液のリザーバと
を備え、更に、
(f)前記核酸抽出ユニットの下流にある混合ユニットと、
(g)前記混合ユニットのための混合液の供給源と
を備える、集積型ラボオンチップデバイス。 - (h)前記溶解ユニットの上流にあり、または前記溶解ユニットと一体的に形成された濾過ユニット
を更に備える、請求項1に記載の集積型ラブオンチップデバイス。 - 前記溶解液、第一の洗浄緩衝液および溶離液のリザーバが並列に配置され、各リザーバが上端および下端を有し、
(i)前記溶解液、第一の洗浄緩衝液および溶離液のリザーバの上端に連結された上部可変位置バルブと、
(g)前記上部可変位置バルブに連結されたポンプと、
(h)前記少なくとも3つの流体リザーバの下端に連結された下部可変位置バルブと、
(j)前記下部可変位置バルブを前記溶解ユニットに連結させる第一の駆動チャネルと、
(k)前記下部可変位置バルブを前記核酸抽出ユニットに連結させる第二の駆動チャネルと
を更に備え、少なくとも前記溶解液、前記第一の洗浄緩衝液および前記溶離液が前記単一ポンプ(g)によって駆動される、請求項1または2に記載の集積型ラボオンチップデバイス。 - (l)前記溶解液、第一の洗浄緩衝液および溶離液のリザーバと並列に配置された、前記核酸抽出ユニットのための第二の洗浄緩衝液のリザーバ
を更に備え、前記第二の洗浄緩衝液のリザーバが上端および下端を有し、前記リザーバの上端が前記上部可変位置バルブに連結され、前記リザーバの下端が前記下部可変位置バルブに連結され、前記第二の洗浄緩衝液が前記単一ポンプ(g)によって駆動される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の集積型ラブオンチップデバイス。 - 前記混合液が、DMSO、ソルビトールまたはその混合物を備える、請求項1〜4のいずれか一項に記載の集積型ラボオンチップデバイス。
- 前記混合液が前記単一ポンプ(g)によって駆動される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の集積型ラブオンチップデバイス。
- 前記混合液のリザーバが、前記溶解液、第一の洗浄緩衝液および溶離液のリザーバと並列して配置され、かつ上端および下端を有し、前記上端が前記上部可変位置バルブに連結され、前記下端が前記下部可変位置バルブに連結された、請求項6に記載の集積型ラボオンチップデバイス。
- 前記下部可変位置バルブを前記混合ユニットと連結させる第三の駆動チャネルを更に備える、請求項7に記載の集積型ラボオンチップデバイス。
- 前記混合ユニットが、
(i)前記核酸抽出ユニットの下流にあって前記混合液のリザーバに連結された第三の可変位置バルブと、
(ii)前記第三の可変位置バルブの下流にある混合チャネルと
を備える、請求項1〜8のいずれか一項に記載の集積型ラブオンチップデバイス。 - 前記試料入口部を介してロードされる液状試料の濁度を測定するために配置された濁度センサを更に備える、請求項1〜9のいずれか一項に記載の集積型ラボオンチップデバイス。
- 前記試料入口部を介してロードされる液状試料の圧力を測定するために配置された圧力センサを更に備える、請求項1〜10のいずれか一項に記載の集積型ラブオンチップデバイス。
- (m)廃棄ユニット
を更に備え、前記廃棄ユニットが、前記溶解ユニットおよび/または前記核酸抽出ユニットと流体連通した、請求項1〜11のいずれか一項に記載の集積型ラボオンチップデバイス。 - 前記溶解ユニットおよび/または前記核酸抽出ユニットの内容物を加熱するための手段を更に備える、請求項1〜12のいずれか一項に記載の集積型ラボオンチップデバイス。
- 前記加熱するための手段が、前記溶解ユニットおよび/または前記核酸抽出ユニットに位置し、あるいは前記溶解ユニットおよび/または前記核酸抽出ユニットに隣接する1つ以上のペルティエ素子を備える、請求項13に記載の集積型ラボオンチップデバイス。
- 細胞および/または粒子を含む液状試料の核酸抽出プロセスを実施するための集積型ラブオンチップデバイスであって、
(a)液状試料のローディングのための試料入口部と、
(b)前記液状試料に存在する細胞および/または粒子の溶解のための溶解ユニットと、
(c)前記溶解ユニットのための溶解液のリザーバと、
(d)前記溶解ユニットの下流にある核酸抽出ユニットと、
(e)前記核酸抽出ユニットのための第一の洗浄緩衝液および溶離液のリザーバと
を備え、前記溶解液、第一の洗浄緩衝液および溶離液のリザーバが並列に配置され、各リザーバが上端および下端を有し、更に、
(i)前記溶解液、第一の洗浄緩衝液および溶離液のリザーバの上端に連結された上部可変位置バルブと、
(g)前記上部可変位置バルブに連結されたポンプと、
(h)前記少なくとも3つの流体リザーバの下端に連結された下部可変位置バルブと、
(j)前記下部可変位置バルブを前記溶解ユニットに連結させる第一の駆動チャネルと、
(k)前記下部可変位置バルブを前記核酸抽出ユニットに連結させる第二の駆動チャネルと
を備える、集積型ラブオンチップデバイス。 - 細胞および/または粒子を含む液状試料の核酸抽出および核酸配列増幅および検出プロセスを実施するための集積型ラボオンチップ診断システムであって、
請求項1〜15のいずれか一項に記載の核酸抽出用の集積型ラボオンチップデバイスと、
核酸反応ユニットと
を備える集積型ラボオンチップ診断システム。 - 前記核酸抽出用の集積型ラブオンチップデバイスと前記核酸反応ユニットとが一体的に形成された、請求項16に記載の集積型ラボオンチップ診断システム。
- 集積型ラボオンチップデバイスを用いて細胞および/または粒子を含む液状試料の核酸抽出プロセスを実施する方法であって、
(i)試料入口部、溶解ユニット、核酸抽出ユニット、混合ユニットならびに溶解液、第一の洗浄緩衝液、溶離液および混合液のリザーバを備える集積型ラブオンチップデバイスを設けるステップと、
(ii)前記デバイスの前記試料入口部を通して試料をロードするステップと、
(iii)前記溶解液リザーバからの前記溶解液を前記細胞および/または粒子上に通すことにより、前記試料の前記細胞および/または粒子の溶解を行うステップと、
(iv)前記核酸抽出ユニット中に前記溶解液を通して、核酸を抽出するステップと、
(v)前記第一の洗浄緩衝液を前記第一の洗浄緩衝液リザーバから前記核酸抽出ユニット中に移動させるステップと、
(vi)前記溶離液を前記溶離液リザーバから前記核酸抽出ユニット中に移動させて、前記核酸抽出ユニットからの溶離試料を生成するステップと、
(vii)前記溶離試料を前記混合ユニットにおいて混合液と混合させるステップと
を備える方法。 - 集積型ラボオンチップデバイスを用いて細胞および/または粒子を含む液状試料の核酸抽出プロセスを実施する方法であって、
(i)試料入口部、溶解ユニット、核酸抽出ユニット、混合ユニットならびに溶解液、第一の洗浄緩衝液、溶離液および混合液のリザーバを備える集積型ラブオンチップデバイスを設けるステップと、
(ii)前記デバイスの前記試料入口部を通して試料をロードするステップと、
(iii)前記溶解液リザーバからの前記溶解液を前記細胞および/または粒子上に通すことにより、前記試料の前記細胞および/または粒子の溶解を行うステップと、
(iv)前記核酸抽出ユニット中に前記溶解液を通して、核酸を抽出するにステップと、
(v)前記第一の洗浄緩衝液を前記第一の洗浄緩衝液リザーバから前記核酸抽出ユニット中に移動させるステップと、
(vi)前記溶離液を前記溶離液リザーバから前記核酸抽出ユニット中に移動させて、前記核酸抽出ユニットからの溶離試料を生成するステップと
を備え、前記溶解液、前記第一の洗浄緩衝液および前記溶離液が単一ポンプによって駆動される方法。
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