JP2010526172A - 環状オレフィンコポリマーを組み込んだシートからの熱成形品 - Google Patents

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Abstract

本発明の熱成形品は、環状オレフィン/エチレンコポリマー及びLLDPEを含む。
この熱成形品は、1.5以上の面延伸比で成形され、また成形深絞り部品用に好適な延性と共に、予想外に高い剛性を示す。
多層シートを、所望の設定の特性を成し遂げるために使用する。

Description

[優先権の主張]
本願は、同じ発明の名称で2007年5月2日に出願せる米国仮特許出願第60/927268号に基づく。
米国仮特許出願第60/927268号の優先権を本願で主張し、参照することによりその開示全体を本特許出願に援用する。
本発明は、環状オレフィンコポリマーを含む熱成形可能シートから作製される熱成形品に関する。一態様で、環状オレフィンコポリマー及びLLDPEを組み込んだ少なくとも1層を備えるシートを利用して、非常に優れた剛性、貫通耐性(puncture resistance)、収縮耐性、及び「深絞り」熱成形での加工性を有する物品を製造する。この物品は、優れたバリア特性及び光学的特性を有するので、医薬品、医療器具、電子機器、食料製品などの湿度や酸素の影響を受けやすい製品を包装するのに有用である。
環状オレフィンコポリマー又は「COC」は、比較的新しい市販のポリマーである。市販のポリマーとしてはTopas Advanced Polymersにより供給されるTOPAS(登録商標)、三井化学により供給されるApel(商標)、ゼオンケミカルにより供給されるZeonor(登録商標)及びZeonex(登録商標)、及び日本合成ゴムにより供給されるArton(商標)などが挙げられる。市販のCOCは通常、エチレンとノルボルネンとのランダムコポリマーである。ノルボルネンは、エチレンとシクロペンタジエンとのディールスアルダー反応を経て合成される。メタロセン触媒を用いたエチレンとノルボルネンとの重合で、環状オレフィンコポリマーが製造される。ポリエチレン骨格にランダムに分布する大きく嵩高い環は、エチレンの結晶化を妨げ、非晶状態にする。
COCのグレードは、ガラス転移温度(Tg)及び分子量によって識別される。ガラス転移温度は、ノルボルネンのモル%に依存する。典型的な市販のCOCのTg範囲は、68から170℃の間である。COCには、高い水蒸気バリア及び香気バリア、化学的耐性、透明性、純度、剛性及び強度を含めた、多くの重要な基本性質属性がある。Dingらの米国特許第6255396号は、環状オレフィンコポリマー及び直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)を含むフィルム作製用のポリマーブレンドを開示する。更に、エチレン−ノルボルネンコポリマーとのLLDPEブレンドが、Ar junanらの米国特許第6111019号に開示されている。類似の組成の延伸フィルムが、Bennettらの米国特許第5583192号に開示されている。環状オレフィンコポリマー層は、米国特許第6042906号にItohらによって開示される、香気保持多層プラスチック容器などの多層物品で使用されている。Lamonte,R.「Stiffer, Thinner Packaging Films with Improved Sealing Using Cyclic Olefin Copolymers(環状オレフィンコポリマーを用い、密封性が向上した、より剛性が高く薄い包装用フィルム)」、第10回Worldwide Flexible Packaging Conference、アムステルダム(2000年11月)や「Optimization of Wall Thickness Distribution of Pharmaceutical Press−Through Blisters(医薬品プレススルーブリスターの壁厚分布の至適化)」、Wolf,Jら、Institute for Plastics Processing(IKV)、アーヘン、ドイツ、ANTEC、1999も参照。
環状オレフィンコポリマーを含む熱成形可能複合フィルムが、Beerらの米国特許第6329047号や、Beerらの米国特許第6641925号に認められる。これらの特許の複合フィルムは、環状オレフィンコポリマー層とポリ塩化ビニリデン(PVDC)層とを含んでいる。熱成形可能な複合フィルムが、ブリスター包装用に提案されている。Gebranchsmusterschrift DE20116341 U1も参照。
Bravetらの以下の特許、すなわち、米国特許第7101611号、同第6998169号及び同第6811857号はすべて、環状オレフィンコポリマー層及び耐スクラッチ層で形成された透明になる範囲、を開示している。
当該技術分野での進歩にかかわらず、剛性及び強度が高く、光学的特性及びバリア性に優れ、低厚み変動と収縮に対する耐性とにより特徴付けられる加工性を備えた熱成形品が必要とされ続けている。シートの延性が顕著な特徴である、いわゆる「深絞り部品」を成形しようとする場合に、加工及び製品の問題が特に深刻になる。
本発明の一態様では、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)と環状オレフィン/エチレンコポリマーとを含み、環状オレフィンコポリマーの含有量は約5重量%以上約45重量%以下であり、深絞り熱成形に好適な延性や比較的高い剛性を有するシートから調製された熱成形品が提供される。上記シートは、約3ミル〜約20ミルの厚さを有し、且つシート中のLLDPEに比して少なくとも2の相対的な押出し方向(MD)の弾性率と、シート中のLLDPEに比して0.5を上回る相対的なMD方向の伸びを示す。上記熱成形品は更に、それを成形する元のシートに対して少なくとも1.5の面延伸比を有するという特徴がある。
本発明の別の態様は、約3ミル〜約20ミルの厚さの多層シートから調製される多層の熱成形品であって、上記多層シートは、主にLLDPEからなる少なくとも1の層と、主に環状オレフィン/エチレンコポリマーからなる少なくとも1の隣接する層とを含む。上記シートは、シート中のLLDPEに比して少なくとも2の相対的なMD方向の弾性率を示す。
熱成形品と、それらを作製するシートは、包装医薬品、縫合キット及び充填シリンジなどの医療器具や、電子機器、食料製品などに好適となるような優れたバリア性、機械的特性、光学的特性及び加工性を示す。
本発明の利点及び特徴は図1〜6から理解され、これらは、シート及び熱成形部品の特性を示すレーダーチャート(Spider graph)である。
図1は、本発明の6ミル多層シート製品と比較用の12ミルLDPE/アイオノマー/LDPE製品のシート及び熱成形品の特性を示す。本発明の製品は、弾性率が格段に高く、厚みの低減が可能になる。
図2で同様に、本発明の単層製品が、LDPE/アイオノマー/LDPE製品よりも格段に高い弾性率を示すことが認められる。
図3では、6ミルPP/LDPE/PP製品を、本発明の4.7ミル製品と比較する。本発明の製品は、ある程度高い剛性及び引張強度を含め同等の機械的特性を有している。本発明の製品はまた、加工性の向上の指標となる寸法変化が格段に低く、また、格段に低いヘイズ値を示す。
図4では、本発明の単層シートは5層PE/接着層/PA/接着層/PE製品と比べて有利なことが認められるが、図5では、本発明の多層製品はPE/PA多層シートよりも実質的に剛性が高いことが認められる。
図6でもまた、本発明で寸法変化の低減が容易に成し遂げられることを示している。厚み4.7ミルの本発明の単層製品は、6ミルLDPE/アイオノマー/LDPE製品と比べて有利である。
本発明を、下記の図面を参照して以下に詳説する。
図1は、12ミルLDPE/アイオノマー/LDPE(対照例D) 対 6ミルb−LLDPE/COCE/EVA/COCE/b−LLDPE(実施例8)のレーダーチャートを示す。 図2は、LDPE/アイオノマー/LDPE(対照例C) 対 b− LLDPE w/30% 8007F−100(実施例7)のレーダーチャートを示す。 図3は、6ミルPP/LLDPE+LDPE/PP(対照例E) 対 4.7ミルh−LLDPE w/15% 9506及び6013(実施例2)のレーダーチャートを示す。 図4は、5.9ミルPE/接着層/PA/接着層/PE6ミル(対照例F) 対 o−LLDPE w/30% 8007F−100(実施例7)のレーダーチャートを示す。 図5は、5.9ミルPE/接着層/PA/接着層/PE(対照例E) 対 6.0ミルm−h−LLDPE+LDPE+9506/5013(実施例5)のレーダーチャートを示す。 図6は、6ミルLDPE/アイオノマー/LDPE(対照C) 対 4.7ミルh−m−LLDPE+LDPE+15% 9506及び6013(実施例2)のレーダーチャートを示す。 図7は、本発明の層構造の模式図を示す。 図8は、本発明の熱成形品の斜視図を示す。
以下に、様々な実施例によって本発明を詳細に説明する。請求項に示す本発明の要旨及び範囲に含まれる特定の例への変更が、当業者には容易に明らかになるであろう。
代表的な実施態様で、成形品は、シートに対して面延伸比が1.5〜5であることにより特徴付けられ、且つ上記シートは15質量%以上35質量%以下の環状オレフィン/エチレンコポリマー含量など、10質量%以上40質量%以下の環状オレフィン/エチレンコポリマー含量を有する。いくつかの実施態様で、上記シートは、少なくとも20重量%、又は少なくとも25重量%の環状オレフィン/エチレンコポリマー含量を有する。
場合によって、上記シートは、シート中のLLDPEに対して少なくとも3の相対的なMD方向の弾性率を示し、更には、上記シートは、シート中のLLDPEに対して少なくとも4の相対的なMD方向の弾性率を示す。上記シートは、本質的にLLDPEと環状オレフィン/エチレンコポリマーとのブレンドからなる単層シート又は、主にLLDPEからなる層と、それに隣接する主に環状オレフィン/エチレンコポリマーからなる層とを含む多層シートである。いくつかの実施態様で、主にLLDPEからなる層は環状オレフィン/エチレンコポリマーを含有し;主に環状オレフィン/エチレンコポリマーからなる層はLLDPEを含有し、上記シートは異なる2つの環状オレフィン/エチレンコポリマーのブレンドを含有してもよい。
代表的な特性のうち、熱成形品が、成形品中のLLDPEで成形される同様の成形品に対して少なくとも1.25の圧縮耐性を示すことが認められ、又は熱成形品が成形品中のLLDPEで成形される同様の物品に対して少なくとも1.75の圧縮耐性を示すことが認められる。いくつかの好ましい場合では、熱成形品が成形品中のLLDPEで成形される同様の成形品に対して少なくとも2の圧縮耐性を示す。更に、シート中のLLDPEで成形される同様の成形品に対して、熱成形品は少なくとも1.25の底部貫通耐性を示してもよく、又はシート中のLLDPEで成形される同様の成形品に対して、上記熱成形品は少なくとも1.5の底部貫通耐性を示してもよい。いくつかの好ましい場合では、シート中のLLDPEで成形される同様の成形品に対して、上記熱成形品は少なくとも1.75の底部貫通耐性を示し、また熱成形品は95%を上回る底部耐貫通保持率を示す。シート中のLLDPEで成形される同様の成形品に対して相対的な隅部の貫通耐性が少なくとも1.2か、又はシート中のLLDPEで成形される同様の成形品に対して相対的な隅部の貫通耐性が少なくとも1.5の場合に、底部耐貫通保持率は容易に100%を超えるか、又は125%を超える。
熱成形品が95%、好ましくは98%以上の保持体積を示すことが多い場合、収縮は比較的低い。60°の光沢度が80以上、又は60°の光沢度が100以上の場合、20%以下のヘイズ値になるのが一般的である。
好適には、環状オレフィン/エチレンコポリマーのガラス転移温度(Tg)は、少なくとも30℃、例えば、30℃〜200℃の範囲;又は45℃〜190℃の範囲;又は65℃〜190℃の範囲;又は90℃〜190℃の範囲内などである。
熱成形品の製造方法は、(a)LLDPEと環状オレフィン/エチレンコポリマーとを含む熱成形可能シートを調製する。上記環状オレフィンコポリマーは約5質量%〜約45質量%含まれる。また、上記シートは約3ミル〜約20ミルの厚さを有する。そして、シート中のLLDPEに対して少なくとも2の相対的なMD方向の弾性率と、シート中のLLDPEに対して0.5を上回る相対的なMD方向の伸びを示す。(b)上記シートを少なくとも1.5の面延伸比で熱成形品に熱成形する工程を含む。多くの場合、上記シートは少なくとも1.75の面延伸比で熱成形品に熱成形されるか、又は上記シートは少なくとも2の面延伸比で熱成形品に熱成形される。
多層シートを用いる場合、上記シートは少なくとも3層を有するか、シートは少なくとも5層を有するか、又はシートは少なくとも7層を有する。同様に、上記シートは偶数の層を有してもよい。
上記シートは、任意に低密度ポリエチレン(LDPE)層及びそれに隣接する2つのLLDPE/LDPEブレンド層を含んでもよい。また、シートはエチレン酢酸ビニル(EVA)コポリマー層を含んでもよい。主にLLDPEからなる層に、環状オレフィン/エチレンコポリマーを配合してもよい。上記シートは、少なくとも15℃の熱成形範囲を有してもよく、又は少なくとも20℃の熱成形範囲を有してもよい。任意に、実質的にポリエチレンビニルアルコール(EVOH)からなる酸素バリア層が与えられる。また、実質的に塩化ポリビニリデン(PVDC)からなる酸素バリア層、又は実質的にナイロンポリマーからなる酸素バリア層、などの酸素バリア層が与えられる。
上記シートは、共押出しシートであって、LDPE、中密度ポリエチレン(MDPE)及び高密度ポリエチレン(HDPE)から選択されるポリマーを主体とする層を更に含んでもよく、又は上記シートは、共押出しシートであって、更にポリプロピレン層を含んでもよい。
本発明の熱成形品は、例えば、医薬品、医療器具、電子機器又は食料製品の包装に用いることができる。
他に示さない限り、用語は通常の意味に従って解釈される。パーセントは、別途示さない限り、例えば重量パーセントを示す。
面延伸比は、ある部分の総表面積の、それが成形される元の熱成形可能材料のシートの面積に対する割合(図8)をいう。1mのシートから2mの総表面積を有する熱成形品とした場合の熱成形品の面延伸比は2である。面延伸比については、更に後述する。
相対的圧縮耐性は、異なる材料の同様の部分に対するたわみを測定することによって求められ、そして相対的圧縮耐性は、たわみの比の逆数として表される。1.9lbfの加重の下に10mmのたわみを呈するCOCE含有部分の、LLDPEの同様な物品に対する相対的圧縮耐性は、LLDPE部分が同じ加重の下に20mmのたわみを呈するのであれば、2である。
「別個の」ポリマーとは、異なる特性を有するものである。例えば、異なるガラス転移(Tg)を有する2つのCOCEポリマーは、別個のポリマーである。
「層(layer)」とは、その厚さを超える横方向の広がりを有する材料の層(stratum)を言う。単層は1層のみを有するが、多層製品は異なる組成の複数層を有し、分離層とも称される。
異なる材料の「同様の」シート又は部分は、同じ幾何学的特性、すなわち、厚さ及び形状を有するが、異なる材料で作製されるものである。上記部分又はシートも、実質的に同じ方法で作製される。
MDは、Machine direction(押出し方向)を意味する。TDは、幅方向を言う。
LLDPE又は他のポリマーに対するMD弾性率(剛性)は、LLDPE又は他のポリマーの同様のシートに対する、そのシートのMD弾性率の比である。100のMD弾性率を有するCOC含有シートの相対的な弾性率は、LLDPEの同様のシートの弾性率が25であれば4である。
LLDPE又は他のポリマーに対するMD伸び(延性)は、LLDPE又は他のポリマーの同様のシートのMD破断伸びに対する、そのシートのMD破断伸びの比である。750%のMD伸びのCOC含有シートは、LLDPEの同様のシートが1000%のMD伸びを有していれば0.75の相対MD伸びを有する。
「主に」及び同様の用語は、50重量%以上であることを意味する。
相対的な底部又は隅部の貫通耐性は、他のある材料で作製した同様の部分で観察される貫通力とCOCE含有部分で観察される、貫通力との比である。12lbfの底部貫通耐性を示すCOCE含有部分は、LLDPEの同様の部分が6lbfの底部貫通耐性を示すのであれば、LLDPEに対して2の相対的底部貫通耐性を有する。
「貫通維持(retention)」は、%で表す。この数値は、熱成形フィルムの貫通強度の、同じ組成及び構造の非成形フィルムの貫通強度に対する百分率であり、これについては更に後述する。
「熱成形する」、「熱成形された」などの用語は、その通常の意味が同様に充てられる。最も簡単な形式では、熱成形は軟化したシートの成形型全体へのドレーピングである。更に進んだ形式では、熱成形は正確に温度制御されたシートの、圧空作動成形ステーションへの自動高速配置であって、これによりその物品の形状が金型によって規定され、その後当該技術分野で周知のようにバリ取り及び粉砕再生材料の回収を行う。更に他の選択肢となる措置としては、ドレープ、減圧、加圧、フリーブロー、マッチドダイ、ビロー(billow)ドレープ、真空スナップバック、ビロー真空、プラグアシスト(plug assist)真空、プラグアシストでの逆絞り、加圧発泡浸漬、捕捉シート、スリップ、隔膜、ツインシート(twin−sheet)カットシート、ツインシートロール送り成形、又はこれらの好適な任意の組合せ、の使用が挙げられる。詳細は、Coulthardにより1987年に出版されたJ.L.Throne’s book、Thermoformingに提供されている。この本の第21〜29頁を、参照することにより本明細書に援用する。好適な代替措置としてはまた、2枚の熱軟化シート間に空気陽圧を発生させて、クランプ止めした雄/雌成形型システムに対してそれらを膨らませることで中空製品を製造するピロー成形法も挙げられる。自然な外観又は織られたような布目の外観を模倣するために、微細から粗大の範囲のパターンで金属型をエッチングする。好適な成形品を並べて切削ダイスでトリミングする。材料が本来熱可塑性であるので、再粉砕品は任意に再利用される。生産性向上のための他の措置として、スループットを高め、スクラップを減らすための、複数ダイスを用いた複数物品の同時成形が挙げられる。いくつかの実施態様においては、その物品を作製する元となる溶融混練組成物には、任意にポリプロピレン、追加のポリエチレン成分及び/又は充填剤並びに二酸化チタンなどの顔料を含む。シートは通常、そのガラス転移温度(Tg)よりも20〜30℃高いがその溶融温度範囲を充分に下回る温度で熱成形される。熱成形温度をいう場合、シートの温度で特定する。「熱成形範囲」は、1.5以上の面延伸比で良好にシート材料の成形がなされる温度範囲である。
便宜上、以下の略語を明細書及び特許請求の範囲で用いる。
COC−環状オレフィンコポリマー
COCE−環状オレフィン/エチレンコポリマー
CV−変動係数
EVA−エチレン/酢酸ビニル樹脂
EVOH−エチレン/ビニルアルコール樹脂
PA−ナイロン
PE−ポリエチレン
HDPE−高密度ポリエチレン
LDPE−低密度ポリエチレン
LLDPE−直鎖状低密度ポリエチレン
MDPE−中密度ポリエチレン
PP−ポリプロピレン
PVDC−塩化ポリビニリデン
材料
環状オレフィン/エチレンコポリマー(COCE)環状オレフィン/エチレンコポリマーは、本明細書ではCOCEと称することがあり、エチレンとノルボルネンなどの環状オレフィンとのコポリマーをいう。環状オレフィンコポリマーの総重量に基づき、これらのポリマーは、一般的に、0.1〜99.9重量%の、以下の式I、II、II’、III、IV、V又はVIで示される多環式オレフィンの少なくとも1つに由来する重合単位を含むことが好ましい。
Figure 2010526172
式中、R、R、R、R、R、R、R及びRは同じか又は異なり、かつ水素原子又はC−C20−炭化水素基(直鎖状又は分枝状のC−C−アルキル基、C−C18−アリール基、C20−アルキレンアリール基、又は環式若しくは非環式C20−アルケニル基など)か、又は飽和、不飽和若しくは芳香環を形成し、この場合、様々な式I〜VI中でR〜Rは、異なる意味であることができ、nは0〜5の数値と想定できる。
環状オレフィン単位は、極性基、例えば、ハロゲン、ヒドロキシ、エステル、アルコキシ、カルボキシ、シアノ、アミド、イミド又はシリル基を有するものなど、環状オレフィンの誘導体も含みうる。
特に好ましい樹脂として、後述のようなTopas(登録商標)COCE樹脂グレード8007(Tg:80℃)、5013、6013(Tg:140℃)、及び9506(Tg:68℃)が挙げられる。
ポリエチレン(PE)
本発明のポリマー処方は、環状オレフィン/エチレンコポリマー樹脂に加えてポリエチレン成分を含む。ポリエチレンは、その特性がほとんど重合プロセスによって左右される半結晶性の熱可塑性物質である(Saechtling、Kunststoff−Taschenbuch[Plastics handbook]、第27版)。
「HDPE」は、0.941g/cc以上の密度を有するポリエチレンである。HDPEは、分岐度が低く、このため分子間力及び引張強度が強い。HDPEは、クロム/シリカ触媒、チグラー・ナッタ触媒又はメタロセン触媒によって製造可能である。分岐の欠如は、触媒(例えば、クロム触媒又はチグラー・ナッタ触媒)及び反応条件の適切な選択によって確実になる。
「LDPE」は、0.910〜0.940g/ccの密度範囲のポリエチレンである。LDPEは、非常に長い内部分岐状側鎖を有し高分岐状PEを与えるフリーラジカル開始にて、高圧で調製される。従って、瞬間的な双極子−誘起双極子間力が低いほど、分子間力が小さくなる。この結果、引張強度の低下と延性の増大が引き起こされる。
用語「LLDPE」は、短い分岐をかなりの数備えた実質的に直鎖状のポリエチレンであり、通常エチレンと短鎖α−オレフィンとの共重合(例えば、1−ブテン、1−ヘキセン、又は1−オクテンとの共重合で、それぞれb−LLDPE、h−LLDPE,及びo−LLDPEが得られる)により、金属錯体触媒を介して作製される。LLDPEは通常、0.915〜0.925g/ccの密度範囲で製造される。
しかし、使用するα−オレフィンとLLDPE中でのα−オレフィンの含量との関数として、LLDPEの密度は、HDPEの密度と0.865g/ccの超低密度の間に調整できる。超低密度のポリエチレンは、VLDPE(超低密度)又はULDPE(超極低密度)とも称されている。LLDPEは、LDPEよりも引張強度が高く、LDPEよりも高い衝撃及び貫通耐性を示す。厚さ(ゲージ)の小さいフィルムほど、ブロー成形が可能で、LDPEに比べて環境応力亀裂耐性がより良好である。LDPEに比べて、より厚さ(ゲージ)の小さいものを使用できる。
「MDPE」は、0.926〜0.940g/ccの密度範囲を有するポリエチレンである。MDPEは、クロム/シリカ触媒、チグラー・ナッタ触媒又はメタロセン触媒によって製造可能である。MDPEは、良好な衝撃及び落下耐性を有する。また、ノッチ感度はHDPEよりも低く、耐応力亀裂性はHDPEよりも良好である。
メタロセン金属錯体触媒を使用して、例えば、高靱性及び貫通耐性などの特定の性質を有するLLDPEを調製することができる。メタロセン触媒を用いて調製されるポリエチレンは、「m−LLDPE」と称される。m−LLDPEの密度範囲の可変性はLLDPEの密度範囲の可変性に類似している。また、超低密度のグレードのものは、プラストマーとも称される。
ポリエチレンのすべてのタイプにおいて、極めて流動性の異なるグレードのものが市販されている。製品がワックスを含むような程度に連鎖停止反応を制御することで、分子量を低下させることができる。非常に高分子量のHDPEグレードは、HMWPE及びUHMWPEと称される。
「アイオノマー」の用語は、電気的に中性の繰り返し単位と、イオン性の繰り返し単位(通常、15%以下)との両者を含有するコポリマーを含む高分子電解質を包含する。市販されており、広く使用されるアイオノマーとして、デュポンのSurlyn(登録商標)などの製品が挙げられる。
「ナイロン」は、ポリマー主鎖の一部に必須成分として、アミド基[−CO−NH−]の繰り返し単位を有する長鎖ポリアミドエンジニアリング熱可塑性樹脂である。ナイロンは、ジカルボン酸、ジアミン、アミノ酸及びラクタムなどの中間体から合成できる。
ナイロンの例は以下のとおりである:2−ピロリドン[CHCHCHC(O)NH]のポリマーであるナイロン4(ポリピロリドン);カプロラクタム[CH(CHNHCO]の重縮合によって作製されるナイロン6(ポリマーカプロラクタム);ヘキサメチレンジアミン[HN(CHNH]とアジピン酸[COOH(CHCOOH]との縮合によって作製されるナイロン6/6;ヘキサメチレンジアミンとセバシン酸[COOH(CHCOOH]との縮合によって作製されるナイロン6/10;ヘキサメチレンジアミンと12−炭素二塩基酸とから作製されるナイロン6/12;モノマー11−アミノ−ウンデカン酸[NHCH(CHCOOH]の重縮合によって生産されるナイロン11;ラウロラクタム[CH(CH10CO)又はシクロドデカラクタムと11メチレン単位との、ポリマー鎖の連結−NH−CO−基の間の重合によって作製されるナイロン12。
「ポリプロピレン」としては、好適な触媒(一般的には、溶媒と混合したアルミニウムアルキル及び四塩化チタン)を用いてプロピレンを重合することにより作製される熱可塑性樹脂が挙げられる。この定義には、全メチル基が鎖の同じ側に整列しているもの(イソタクチック)、メチル基が交互になっているもの(シンジオタクチック)、メチルの配置がランダムな他のあらゆるもの(アタクチック)、及びそれらが混合したものなど、あらゆる幾何学的配置が含まれる。
塩化ビニリデン系ポリマー(PVDC)は、最も広く用いられる高酸素バリア樹脂のうちの一種である。包装で最も慣用されている塩化ビニリデン系ポリマーの例は、市販のSaran(登録商標)製品である。広く使用されている他の高酸素バリアポリマーとして、エチレンビニルアルコール(EVOH)コポリマー及びナイロンが挙げられる。
試験方法
特に記載している場合を除いて2007年1月1日に実施されているバージョンを用い、以下の試験方法を採用する。
厚み:ASTM D374
総ヘイズ及び光沢度:ASTM D1003;ASTM D2457
引張特性、弾性率及び引張強度:ASTM D882−02
貫通耐性:ASTM F1306
圧縮耐性:ASTM 649
エルメンドルフ引裂強さ:ASTM D1922
ガラス転移温度:ASTM D3418
対照例A〜F及び実施例1〜9
15枚のフィルムを表1〜10に記載し、表11〜14に比較したものを示す。環状オレフィン/エチレンコポリマーを含まない6枚のフィルム、及び15から30重量%までの含有量で環状オレフィン/エチレンコポリマー(本明細書ではCOCEと示すことがある)を用いた9枚のフィルムは、Davis標準装置での押出し注型物である。
代表的な押出し条件は、約210℃〜240℃の金型温度、約600〜750psigの金型圧、及び約35℃〜85℃のロール温度からなる。
非環状オレフィン/エチレンコポリマーフィルムの2つは、不均一触媒によるブテン及びオクテンのLLDPEであり、それぞれの密度とメルトインデクス(MI)は、0.918及び0.920g/ccと、2.0及び1.0dg/分である。
市販の医薬用成形製品を代表するフィルムとして、25/50/25層比でLDPE−アイオノマー−LDPEからなる、152及び304ミクロン(6及び12ミル)の3層フィルムが挙げられる。
5層フィルム構造を表7、9、及び10に記載し、表11、13及び14に他のフィルムとの比較を示す。対照例E(オレフィン)及び対照例F(ナイロン)の2つの構造は、市販の工業用、医薬用及び食用成形フィルムを代表するものである。第3構造の実施例8は、ブテンLLDPE(b−LLDPE)−COCE−EVA−COCE−b−LLDPEからなる。対照例Fを例外として、5層のフィルムはすべて押出し注型物であった。7層フィルム構造の実施例4〜6は、表4及び5に記載する。これらのフィルムは、Alpine又はBattenfeld Gloucester Engineeringの量産スケールの延伸ブロー成形フィルムラインのいずれかで作製され、図7に模式的に示すA−B−C−D−E−F−G共押出し構造を有する。
物理的諸特性を表15〜28(下記)にまとめている。
様々な試料を比較する、選択した物理的特性のレーダーチャートを図1〜6にプロットする(レーダーチャートに対するデータは、表29〜34で確認できる)。記録した特性値はすべて、5種の相加平均である。
フィルム厚みは、較正マイクロメータで求める(ASTM D374)。
材料費は、ポリマー密度及び厚み差の変化に該当する単位面積ベースで算出する。
樹脂の価格は、Plastics Technologyからオンラインで入手される。TOPAS環状オレフィン/エチレンコポリマーの価格は、一覧表に基づくものである。
ヘイズ及び60°での光沢度(表22)を、Gardner Hazeメータを用いて、それぞれのASTM D1003及びASTM D2457プロトコルに従って測定する。
引張物性として、弾性率及び引張強度(表17〜19)は、ASTM D882−02に従い、Instron Universal試験機にてMD方向及びTD方向の両方で測定する。フィルム試料は、2.54×15.24cm(1.0×6.0インチ)のストリップに打ち抜く。それらは23℃±2℃/50%±5%RHで40時間以上調整しておく。
標線間長は、エアグリップ間の距離によって5.08cm(2.0インチ)に設定される。
クロスヘッド速度は、50.8cm/分(20インチ/分)である。
貫通耐性(表23及び24)は、ASTM F1306に従って測定する。
非支持フィルムの幾何学的特性、及び貫入プローブの直径は、フラットフィルム試験の場合と同じである。
非支持フィルムの直径は3.175cm(1.25インチ)であり、プローブは0.635cm(0.25インチ)の直径の半球状の先端にされる。
試験は、25.4cm/分(10インチ/分)のクロスヘッド速度にてInstron Universal試験機で行われる。
熱成形:プロセス
Macron熱成形機は、改良された医薬ブリスター成形機である。
成形型は、2.54cm(1インチ)の深さの、非常に単純な6.35×10.16cm(2.5×4.0インチ)のトレイである。
このトレイの壁はテーパを付けられ、すべての隅部は0.5インチの曲率を有する。第5側面は、可剥性蓋付きとするための剥離タブに適応するように設計される。この機器の面延伸比は、1.87である(図8参照)。
この延伸比の逆数に初期のフィルム厚みをかけると、成形されるキャビティの平均厚みの予測値が得られる。102、119、152及び304ミクロン(4.0、4.7、6.0及び12.0ミル)のフィルムに対し、これらの予測値はそれぞれ53.3、63.5、81.3及び162.6ミクロン(2.1、2.5、3.2及び6.4ミル)である。
表15に示す成形温度は、試行錯誤から求めている。これらの温度は、成形キャビティの最良の外観に基づいて選択される。その後の温度は、定めた初発成形温度の上下に5又は10℃ずつ変化するように選択される。
3種の温度を単層フィルムに対する成形範囲として特定し、そして4種の温度を多層フィルムに対する成形範囲として特定した。これらの成形範囲温度を、表15にまとめている。各成形温度の下で、サイクル時間を1分あたり10、14又は18サイクルに調整する。これらの試験のために、成形圧を0.1378MPa(20psi)に保つ。厚み分布、又はより詳細には最低厚み変動に基づく最良の成形温度及びサイクル時間が決定できれば、成形圧を0.0689〜0.2068MPa(10及び30psi)に調整する。これらの最終実験から、最適な成形条件を特定する。
熱成形:トレイ特性
成形されるトレイ厚み分布は、変動係数(CV)により数量化される。CVは、厚み標準偏差を厚み平均値によって割った数値として(表20参照)定義される。各成形条件下にて、5つのキャビティを測定する。各成形キャビティの6点を、MD方向及びTD方向の両方で別々に測定する(図8参照)。すべてのトレイ厚み測定値は、Magna−Mike 8000、Panametrics Incで求める。最適な成形CVは、最低厚み変動の成形条件の設定により達成される。全体的な実験デザイン又は成形範囲CVは、全成形条件の平均CVである。
厚み分布に加えて、成形キャビティにつき4種の更なる測定値を求める。それらは、保持体積(表25)、圧縮耐性(表26)、隅部貫通耐性(表27)、及び底部貫通耐性(表28)である。これらの測定は、最適条件下で熱成形キャビティにて実施される。
保持体積は、成形キャビティ中の量又は収縮又はスナップバックの尺度である。成形キャビティの体積は、水置換(Topas法)による測定値である。水によって加えられる加重によりキャビティが歪むのを防ぐ固定具にて、成形キャビティを支持する。この固定具は、複数種のトレイ深度に適合するように設計される。成形トレイの縁部は、流出を防ぐために透明な熱可塑性の蓋で固定する。水は、蓋のポートホールを通して加えられる。充填後に、水を直接メスシリンダー内に吸い上げる。キャビティ体積を機器の体積で割って、保持体積を規定する(表25)。
圧縮耐性(表26)は、ASTM 649(圧縮特性)を用いて測定する。成形キャビティに、2枚の平行板によって力を加える。試験は、1.27cm/分(0.5インチ/分)で実施する。圧縮は、成形キャビティにおいて8.45ニュートン(1.9ポンド力)の加重で起こるたわみの量として定義される。
熱成形キャビティの貫通耐性(表27及び28)は、2箇所、すなわち底部及び隅部で特性評価される。キャビティ底部は、トレイの中央である。隅部は、剥離タブの反対側の部分である。フラットフィルムとの同一の試験上の幾何学特性を保つために、成形キャビティをマンドレル上に載置して固定する。マンドレルは、貫入プローブに対して垂直な隅部の外側表面を呈示するように固定具上に載置する。
種々の実施例の詳細と、得られた結果を以下の1〜28に示す。
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上記のデータから理解されるように、剛性増強は、環状オレフィン/エチレンコポリマーの配合による顕著な特徴的利点の1つである。表17は、オクテンLLDPEへの、15〜30重量%の環状オレフィン/エチレンコポリマーの添加により、LLDPEの2倍以上のMD/TD弾性率になることを示す(実施例1、3、及び7参照)。30重量%の環状オレフィン/エチレンコポリマーとブテンLLDPEとを用いた実施例9は、わずかに高いMD/TD弾性率を有していた。表17も、5層及び7層の環状オレフィン/エチレンコポリマーフィルムが良好なMD/TD剛性バランスを有していたことを示している。5層フィルムは注型され、7層はブロー成形されるものであり、上記性質がプロセスに依存しないことを示唆している。多くの環状オレフィン/エチレンコポリマー含有の単層フィルムはバランスが悪く、TD方向で生じる剛性増強の程度が低い。実施例5及び6は、非常に良好なバランスのMD/TD弾性率を示す。152から102ミクロン(6から4ミル)へのこれらのフィルムの厚み低下では、剛性は低減せず、材料を節約できる。
ほとんどの対照例の非環状オレフィン/エチレンコポリマー可撓性成形フィルムは、柔軟で且つ剛性が低い。環状オレフィン/エチレンコポリマーによってもたらされる剛性の向上によって、包装がより強固になるようである。
表18は、オクテンLLDPEへの15〜30重量%の環状オレフィン/エチレンコポリマーの添加で、MD及びTDの引張強度が中程度に増加し、バランスがとれたことを示す。環状オレフィン/エチレンコポリマー含有成形フィルムは、通常は対照C及びDよりも強い。環状オレフィン/エチレンコポリマー成形フィルムの厚み低下は、引張強度を損なわない。しかし、単層又は多層の実施例4、5、6、及び8は、引張強度が低い傾向にある。これらの引張強度の低い値は、ポリマー間の相溶性の程度に左右される。相溶性には、配合ポリマーのバルク特性(密度及び分子量を含むがこれらに限定されない)による影響を受ける。
表19の実施例1、3、及び7は、LLDPE−環状オレフィン/エチレンコポリマーフィルムの延性が、脆弱な環状オレフィン/エチレンコポリマーをポリマー骨格に加えることで、予想されるよりも強いことを示唆する。このポリマーに15%の環状オレフィンを添加することで、TD%及びMD%はわずかしか低減しない。環状オレフィン%を30にすると、多い場合、3分の1程度MD及びTD%が低減する。この知見は、環状オレフィン/エチレンコポリマーの取り込みでも、成形フィルムがその成形前の靱性をほぼ維持できるようになるのであれば重要である(表27及び28参照)。
CVにより測定した場合に厚み変動が小さいことが、熱成形キャビティにとって望ましい。最適の条件下で成形された環状オレフィン/エチレンコポリマー含有成形フィルムの厚み変動、「最適成形CV」は、環状オレフィン/エチレンコポリマー含量にあまり影響されなかった(表20参照)。それでもやはり、実施例のフィルムのほとんどが良好に成形され、対照例の半結晶性、非環状オレフィン/エチレンコポリマーフィルムと比べても遜色がなかった。しかし、成形条件、「全体的な設計CV」をすべて考慮すると、環状オレフィン/エチレンコポリマー含量が増加するほど厚み変動が低下することは明らかであった。30%の環状オレフィン/エチレンコポリマーを用い、単層LLDPE−環状オレフィン/エチレンコポリマーである実施例7の厚み変動は非常に小さく、アイオノマー成形フィルム(対照例C及びD)に近似している。「最適」成形条件と「全」成形条件との間で、厚み変動に大きな差があることが予測される。ほとんどの対照例の非環状オレフィン/エチレンコポリマー成形フィルムで、この点が示されている。他方、ほとんどの環状オレフィン/エチレンコポリマー含有成形フィルムは、「最適」成形条件と「全体的な設計」成形条件との間の差がかなり小さい。この差は、環状オレフィン/エチレンコポリマー含量が高いと小さく、環状オレフィン/エチレンコポリマーで成形フィルムに非常に広い成形範囲がもたらされることを示唆している。
表21に、エルメンドルフ引裂強さ値をまとめている。表21に示す、実施例の環状オレフィン/エチレンコポリマーフィルムのエルメンドルフ引裂強さ値のほとんどが、対照例C及びFについて報告されるものと類似している。表21の実施例1、3、及び7は、環状オレフィン/エチレンコポリマーの添加が引裂きに対する耐性を低減することを示している。
低いヘイズ値及び高い光沢度は、環状オレフィン/エチレンコポリマーフィルムで達成できる(表22)。環状オレフィン/エチレンコポリマーの、LLDPE及びLDPEとの相溶性は、単層フィルムにおけるヘイズ値に影響を及ぼすであろう。PEマトリックスと相溶可能な環状オレフィン/エチレンコポリマー相のドメインサイズは通常は非常に小さく、また、光の反射が少なくなりへイズ値の低減につながる。LLDPE−環状オレフィン/エチレンコポリマー−LDPE配合単層フィルムの実施例2のヘイズ値は、6.7%である。共押出しによる更なる最適化が可能である。その材料のレオロジー特性が層間不安定性を排除するのに充分な程度に近似していれば、多層フィルムでのヘイズ値の低減が可能である。高い外側へイズ値を呈する単層フィルムへの表面薄層の追加が、別のアプローチとしてあげられる。30重量%の環状オレフィン/エチレンコポリマーとブテンLLDPE/EVA/環状オレフィン/エチレンコポリマー/EVA/ブテンLLDPEとからなる5層の152ミクロン(6ミル)注型フィルムである実施例8のヘイズ値は、8%未満である。特に多層構造を持つ場合に、低いヘイズ値は通常、高い光沢度と対応する。環状オレフィン/エチレンコポリマー含有フィルムの光学的特性は、対照例C及びD(アイオノマー)並びに対照例F(ナイロンフィルム)に匹敵する。
表23及び24に、環状オレフィン/エチレンコポリマーの添加に伴う、単層フィルムでの貫通耐性の増大を示す。LDPEは、靱性及び貫通耐性を低減するようである。
非晶質材料は、半結晶性樹脂よりも小さな残留応力で熱成形が可能である。15から30重量%の間の含量の環状オレフィン/エチレンコポリマーを用いた単層環状オレフィン/エチレンコポリマーLLDPEフィルムの場合、保持体積は約100%である(表25)。この結果は、比較的少量でも、フィルム中に付与される環状オレフィン/エチレンコポリマーの非晶質性を反映するものである。低応力は、成形後収縮又はスナップバックが小さいことを意味し、柔軟な包装に剛直な外観を与える。高LDPE含量のフィルム構造は、保持体積が低い傾向にある。ナイロン及びPPなどの他の半結晶性材料から成形されたキャビティは、通常ある程度の体積の減損がある。
成形キャビティの圧縮耐性(表26)を求めるために、2枚の平行板の間で予め規定した荷重である8.45ニュートン(1.9lbf)に達するのに必要な変位又はたわみを測定する。152ミクロン(6ミル)の単層注型フィルムの場合、15〜30重量%の環状オレフィン/エチレンコポリマーの添加が、たわみを23.2から15.6mmに低下させる(実施例1及び7参照)。環状オレフィン/エチレンコポリマーを含有する包装は、非環状オレフィン/エチレンコポリマーのものよりも圧縮力への抵抗に効果的である。事実、対照例Dの304ミクロン(12ミル)アイオノマー成形フィルムで、30%の環状オレフィン/エチレンコポリマーを用いた152ミクロン(6ミル)単層フィルムである実施例9と同じ保持がもたらされるが、後者によれば実質的な材料費節約の機会が提供される。このような利点は、より小さい厚みにすることで達成される。24重量%の環状オレフィン/エチレンコポリマーを用いた119ミクロン(4.7ミル)の多層フィルムである実施例4は、対照Cの152ミクロン(6.0ミル)アイオノマーフィルムと同じ圧縮耐性を有するが、より低価格である。
隅部は通常、トレイの最も薄い部分であり、より貫通損傷を受けやすい。隅部は、3平面の交差によって生じ、通常は包装において応力が最も高い領域である。表27では、15〜30重量%の環状オレフィン/エチレンコポリマーの単層o−LLDPEへの添加で、5.7から8.5ポンドに隅部貫通耐性が向上している(実施例1及び7参照)。実施例1及び7に関する隅部耐貫通保持率(フラットフィルム貫入に対する、隅部の比である)は、およそ80から96%に向上している。この重要な知見は、環状オレフィン/エチレンコポリマーで、成形フィルムがその成形前の靱性のほとんどを維持できるようになることを示唆している。
25から30重量%の間の環状オレフィン/エチレンコポリマーを用いた一層又は多層の環状オレフィン/エチレンコポリマーLLDPEフィルム(実施例5〜9)は、対照例C及びD(アイオノマーフィルム)と同程度に強靱である。環状オレフィン/エチレンコポリマー成形フィルムの厚み低下は、必ずしも貫通耐性を犠牲にしないが、これは、当該フィルムの隅部の厚さが元のフィルムの厚さの33から50%以上の間であるが、非環状オレフィン/エチレンコポリマー含有フィルムでは20から33%の間であるためである。
底部貫通(表28)は、成形キャビティの貫通耐性の尺度である。底部でのフィルム厚みは、成形トレイに対する平均厚みに非常に近似している。単層の環状オレフィン/エチレンコポリマーLLDPEフィルム(表28の実施例1、3、7)において、環状オレフィン/エチレンコポリマーを15〜30重量%添加すると、成形された底部貫通耐性が7.6から11.7ポンドに向上する。耐貫通保持率は、熱成形フィルムの貫通強度の、未成形フィルムの貫通強度に対する百分率である。152ミクロン(6ミル)の、実施例の単層環状オレフィン/−エチレンコポリマーフィルムすべてで、底部耐貫通保持率は意外にも100%を超える。これは、フィルムの貫通耐性が、30%環状オレフィン/エチレンコポリマーを用いた2種の単層フィルムの成形に関しては30%ほども向上することを示している。環状オレフィン/エチレンコポリマーによってフィルムを成形中に均一に二軸延伸させることができるようになり、靱性及びトレイの完成度が向上する。この性能は、対照例C及びD(アイオノマー)並びに対照例F(ナイロン)の成形トレイと同様であり、これらは両者とも、靱性及び耐久性につき高い市場評価を得ている。
本発明の熱成形品の利点を更に例証するために、上記の材料及び技術を用いて、より大きな絞りの深さ及び高い面延伸比を有する熱成形品を作製した。一般的に言えば、絞りの深さは、熱成形で用いる非常に単純な、材料の伸長パラメータである。絞りの深さは、機器の上部と底部との間の距離又は高さとして簡単に定義される。分割可変深度ツールを用いることにより、熱成形トレイの絞りの深さを1.00から1.75インチまで、0.25インチずつ増加するようにして増大させた。これらの深さセグメントを我々の成形機器に加えることによって、成形トレイの表面積を増加させる。よって、材料の伸長の最も有意義な尺度は、面延伸比である。これは、未成形シートの利用可能な表面積に対する、成形部分の表面積の比である。この、利用可能な表面積は通常、成形機器の開口周長によって規定される。成形キャビティの幾何学的構造の複雑さによっては、面延伸比の計算はかなり複雑である可能性がある。詳細は、Throne’s Handbook of Thermoforming(本明細書に前出)に見出すことができる。
3枚のフィルムの成形性及び特性に対する絞りの深さの効果を、表29、30及び31にまとめている。対照例Aの材料は、オクテンLLDPEからなる代表的な成形フィルムである。対照例Cの材料は、好ましい市販のアイオノマー成形フィルムを代表する。実施例7の材料は、30重量%のCOCを含有する単層オクテンLLDPEフィルムである。面延伸比は、絞りの深さの関数として増大する。フィルムは、表面積の増加に適合するように、より伸長する必要がある。例えば、面延伸比が2の場合、フィルムは成形部分の面積を覆うように、元の成形前の面積の2倍伸長する必要がある。面延伸比が大きいほど、フィルムが適切に伸長し及び成形できることに対する要求が高まる。
体積保持は、内部応力を軽減するために成形材料が収縮する傾向を測定するものである。表29に示すとおり、対照例Aの材料、対照例Cの材料、及び実施例7の材料間の差は小さく、実施例7の材料と対照例Cの材料は同じ保持体積を有している。この結果は、オクテンLLDPEへの30重量%のCOCの添加が、成形フィルムの内部応力を低減し、その結果、成形後に収縮する傾向を減少させることを示唆する。面延伸比が大きい場合、実施例7の材料は、非常に高い、ほぼ100%の体積保持を呈し、良好な寸法安定性と、ごくわずかな成形後収縮を示している。対照例Cの材料は、成形キャビティが適切な機械的完全性を欠き、軟らかすぎて容易に歪むために、2.69の面延伸比では測定できなかった。
これらのフィルムに対して使用される成形温度を、表29にまとめている。これらは、非常に良好な成形の結果をもたらすことが確認されている温度である。実施例7の材料は、COCのガラス転移温度である約80℃より25℃高い105℃で成形され、これは非晶質ポリマーの成形温度を選択するための確立された経験則に合致している。
表30には、成形トレイにおける材料分布に対する面延伸比の効果をまとめている。応力は、複雑な機器の幾何学的特性、及び成形時のシートの不均一な冷却が原因となって、通常は均一に分布しない。成形されたキャビティ厚みに対する変動係数は、フィルムの構成及び面延伸比(又は絞りの深さ)の双方の影響を受ける。予測されうるとおり、対照例Aの材料は最高の厚み変動である36%を示し、対照例Cの材料は最低の20%を示した。実施例7の材料でオクテンLLDPEに30%COCを添加することによって、対照A例の材料と比較して26%対36%と、厚み変動の有意な低減が示された。フィルムは、より高い面延伸比での成形時に、より高い応力がかかる。面延伸比の増大に伴い、すべてのフィルムで測定した厚み変動が増大していた。対照例Aの材料については面延伸比の中程度の増大で、厚みの変動の大幅な増大を示している。これは、熱成形に適していない材料の典型である。良好な成形フィルムである対照例Cの材料は、大幅であるが容認できる厚み変動の増大を示した。実施例7の材料は、対照例Aの材料に対して、2.1の面延伸比の場合33対67%、そして2.39の面延伸比の場合52対81%と、有意な変動の低減を示した。COCは確かに、LLDPEの厚み変動を有意に低減させる。
成形物品の肉厚が過剰に変動するのは、望ましくない。成形部品の肉薄領域は、脆弱性と、完全性欠如を示唆する。成形された壁の平均厚さ、及び成形された隅部の平均厚さを、各フィルム及び面延伸比に対して表30にまとめている。成形前における、すべてのフィルムの測定値は、5.45から5.65ミルの間であった。各面延伸比で、実施例7の材料は対照例Aの材料に対して、成形された壁と隅部の厚さの平均値で有意とはいかないまでも顕著な向上が示された。実施例7の材料は、対照例Cの材料の平均厚みに一致したり、又はこれを超えたりすることはなかったが、これらの2種のフィルムの差は、面延伸比が増大するにつれて減少した。例えば、1.91の面延伸比で成形された壁の平均厚みは、例えば実施例7の材料及び対照Cの材料でそれぞれ、2.40及び3.30ミルであった。しかし、2.69の面延伸比では、それぞれ1.70及び2.00ミルであった。
成形トレイの貫通耐性は、その包装全体としての機能性にとって重大なものである。表31に示すのは、4種の面延伸比の各々にて成形されたトレイの底部で測定される、貫通耐性と、貫通のためのエネルギーである。1.9の面延伸比で、実施例7の材料は、対照例Aの材料及び対照例Cの材料の双方に対して優れた貫通耐性を示す。実施例7の材料及び対照例Cの材料の貫通のためのエネルギーは、ほぼ同じである。COCは確かに、LLDPE成形フィルムに耐久性と靱性とをもたらす。実施例7の材料は2.1の面延伸比にて、貫通耐性及び貫通のためのエネルギーの吸収の双方の面で対照例Aの材料及び対照例Cの材料よりも性能が優れている。この結果は、実施例7の材料が最も薄い厚みであっても生じていた。実施例7の材料は、2.69の面延伸比では対照例Cの材料の性能に匹敵していなかった。それでも、LLDPEへの30%COCの添加(対照例Aの材料 対 実施例7の材料)では、すべての面延伸比にわたり、貫通耐性及び吸収されるエネルギーの増強が示された。
実施例7の材料は、対照Cのアイオノマー材料ほど均一な厚み分布を示していなかったが、30%のCOCを添加することにより、面延伸比の範囲にわたってLLDPEに優れた体積保持及び貫通耐性を付与できる。これは明らかに、新しく且つ更に向上された成形フィルム、従来のアイオノマー系のものよりも、特に剛性、貫通耐性及び体積保持に関連して有用性が高いフィルムを作り出す上での、COCの価値を立証している。
Figure 2010526172
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以上の記載、発明の背景及び詳細な説明に関する当該技術分野における関連知識及び上述の参考文献に鑑み、それらの開示はすべて参照することにより本明細書に援用し、更なる記載は不要と考える。

Claims (15)

  1. 直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)と環状オレフィン/エチレンコポリマーとを含み、前記環状オレフィンコポリマーは約5重量%以上約45重量%以下の量で存在するシートから調製される熱成形品であって、
    前記シートは、約3ミル以上約20ミル以下の厚さを有し、且つシート中のLLDPEに比して少なくとも2の相対的な押出し方向(MD)の弾性率と、シート中のLLDPEに比して0.5を上回る相対的なMD方向の伸びを示し、
    前記熱成形品は更に、それを成形する元のシートに対して少なくとも1.5の面延伸比を有することを特徴とする熱成形品。
  2. 前記熱成形品は、それを成形する元のシートに対して少なくとも2.5の面延伸比を有する、請求項1記載の熱成形品。
  3. 前記熱成形品は、それを成形する元のシートに対して1.5以上5以下の面延伸比を有することを特徴とする、請求項1記載の熱成形品。
  4. 前記シートの環状オレフィン/エチレンコポリマー含量は、10重量%以上40重量%以下である、請求項1記載の熱成形品。
  5. 前記シートの環状オレフィン/エチレンコポリマー含量は、15重量%以上35重量%以下である、請求項1記載の熱成形品。
  6. 前記シートは、シート中のLLDPEに比して少なくとも3の相対的なMDの弾性率を示す、請求項1記載の熱成形品。
  7. 前記シートは、シート中のLLDPEに比して少なくとも4の相対的なMDの弾性率を示す、請求項1記載の熱成形品。
  8. 前記熱成形品は、前記熱成形品中のLLDPEで成形される同様の成形品に対して少なくとも2の圧縮耐性を示す、請求項1記載の熱成形品。
  9. 前記熱成形品は、100%を上回る底部耐貫通保持率を示す、請求項1記載の熱成形品。
  10. 前記熱成形品は、前記シート中のLLDPEで成形される同様の成形品に比して少なくとも1.5の相対的な隅部貫通耐性を示す、請求項1記載の熱成形品。
  11. 前記熱成形品は、98%以上の保持体積を示す、請求項1記載の熱成形品。
  12. 熱成形品の製造方法であって、
    (a)LLDPEと環状オレフィン/エチレンコポリマーとを含む熱成形可能シートを調製する工程であり、前記環状オレフィンコポリマーは約5重量%以上約45重量%以下の量で存在しており、前記シートは約3ミル以上約20ミル以下の厚さを有し、且つシート中のLLDPEに比して少なくとも2の相対的なMDの弾性率と、シート中のLLDPEに比して0.5を上回る相対的なMD方向の伸びを示し、及び
    (b)前記シートを少なくとも1.5の面延伸比で熱成形品に熱成形する工程、を含む熱成形品の製造方法。
  13. 前記シートは、少なくとも3の分離層を有する、請求項12記載の多層の熱成形品。
  14. 前記シートは、少なくとも5の分離層を有する、請求項12記載の多層の熱成形品。
  15. 約3ミル以上約20ミル以下の厚さの多層の熱成形可能シートであって、前記多層シートは、主にLLDPEである少なくとも1の層と、主に環状オレフィン/エチレンコポリマーである少なくとも1の隣接する層とを含んでおり、前記シートは、シート中のLLDPEに対して少なくとも2の相対的なMD方向の弾性率を示し、且つ前記シートは、第2のポリマー材料を2%以上60重量%以下含む、熱成形可能シート。
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