JP2010522738A - 局所鎮痛、局所麻酔又は神経ブロックを提供するためのドラッグデリバリーデバイス - Google Patents

局所鎮痛、局所麻酔又は神経ブロックを提供するためのドラッグデリバリーデバイス Download PDF

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Abstract

本発明は、局所鎮痛、局所麻酔又は神経ブロックを必要とするヒト又は動物における部位にて、局所鎮痛、局所麻酔又は神経ブロックを提供するためのドラッグデリバリーデバイスに関しており、該デバイスは、繊維状コラーゲンマトリックス;並びにアミノアミド型麻酔薬、アミノエステル型麻酔薬及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの製剤原料を含み、少なくとも1つの製剤原料は、コラーゲンマトリックス中で実質的に均一に分散しており、かつ投与後少なくとも約1日持続する局所鎮痛、局所麻酔又は神経ブロックの持続時間を提供するのに十分な量にて存在している。
【選択図】図2

Description

発明の分野
本発明は、局所鎮痛、局所麻酔又は神経ブロックを提供するためのドラッグデリバリーデバイス、及びそれらを必要とするヒト又は動物において、局所鎮痛、局所麻酔又は神経ブロックを提供するための方法に関する。
関連背景技術
術後の疼痛は、中枢神経系の過敏性を刺激する外科手術のあいだの組織外傷に対する複合反応である。術後の疼痛は、術後の合併症の可能性を増大させ、医療費を増加させ、最も重要なことには、日常生活の正常な活動への回復及び復帰を妨げる。術後の疼痛の管理は、患者の基本的な権利である。よりよく疼痛が制御されるか又は除去される場合、患者は、歩行又は摂食などの活動に関与することが可能であり、これによって患者の回復が促進されるであろう。患者はまたよりよく眠れ、これによって治癒過程が補助される。
コラーゲンスポンジは、止血剤として世界的に使用されてきた。本発明者らは、塩酸ブピバカインなどの少なくとも1種の麻酔薬を染み込ませた任意の形態のコラーゲンスポンジのドラッグデリバリーデバイスを開発し、外科手術(中程度/大きな整形外科手術、腹部手術、婦人科手術又は胸部外科手術が挙げられるが、これらに限定されない)の後の、術後の疼痛の管理における使用を意図した。1つの実施態様において、少なくとも1種の麻酔薬が、(ウシアキレス腱から精製したI型コラーゲンなどの)繊維状コラーゲンを含むコラーゲンマトリックス内に含まれる。
1963年に導入されたブピバカインは、長期の作用持続時間を有する広く使用されているアミド型局所麻酔薬である。ブピバカインは、運動神経よりもむしろ感覚神経に影響を与え、運動ブロックなしに数日間の効果的な鎮痛を提供するためにもまた、使用できる。
ブピバカインは、他の局所麻酔薬と比較して、そのより長い持続時間及び遅い作用発現によって特徴付けられる。ブピバカインは、顕著に心臓毒性である。過剰量のブピバカインに全身曝露されると、主に中枢神経系(CNS)及び心臓血管が影響される結果となる(CNSへの影響は通常はより低い血漿濃度にて起こり、さらなる心臓血管への影響はより高濃度にて現れるが、心臓血管の虚脱は低濃度でも起き得る)。CNSへの影響としては、CNSの興奮(神経過敏、口周辺のヒリヒリ感、耳鳴、振戦、目まい、霧視、けいれん)、その後の抑制(眠気、意識消失、呼吸抑制及び無呼吸)を挙げることができる。心臓血管への影響としては、低血圧、徐脈、不整脈、及び/又は心停止(このうちいくつかは、呼吸抑制に続発する低酸素症に起因し得る)が挙げられる。
切開用局所麻酔
局所麻酔での創傷浸潤は、術後の疼痛のために広く使用されており、これは、単純で安全でかつ低コストである。しかし、外科手術手順における差異又は内臓成分が有効性に影響するかどうかは明らかではない。切開用麻酔としては、以下の部位(皮膚、皮下組織、筋膜、筋肉及び/又は壁側腹膜)での局所麻酔薬の浸潤、局所投与又は点滴が挙げられる。しかし、幅広い用途にも関わらず、創傷浸潤は未だ一貫性なくかつランダムに、多くの外科医及び麻酔科医によって使用されている。
この主題について多数の論文及び総説があるが、いつ、そしてどの外科手術手順の後に、切開用の局所麻酔が臨床的に意義のある術後の疼痛の緩和を提供し得るかについて、意見の一致がほとんど得られていない。外科手術手順におけるどの程度の差異、又はどの程度の内臓成分の関与が、有効性に影響するかについては、特に興味がもたれ得る。切開用の局所麻酔は、広範囲の外科手術モデルにて研究されてきており、このモデルには、腹式子宮摘出術、そ径部ヘルニア切除術、開腹胆嚢摘出術、虫垂切除術、帝王切開術及び他の開腹手術手順が挙げられる。開腹術は、腹腔内に近づくための腹壁を介した切開を含む、外科手技である。
術後の疼痛の軽減に関して評価される麻酔薬としては、リドカイン、ブピバカイン、ロピバカイン及びメピバカインが挙げられ、これらは全てアミノアミド型麻酔薬群に属する。子宮摘出手術における切開用麻酔の使用についてのデータの総説では、矛盾する結果が得られている。1996年のSinclairらによる研究において、エアロゾルとして皮下に投与された500mgのリドカインは、研究の最初の24時間のあいだの疼痛スコア及び補助的な鎮痛剤の消費量において、およそ50%という有意な減少を引き起こしたが、その後はそうではなかった。Hannibal及び共働者らによる研究において、筋膜下及び皮下に浸潤した0.25%ブピバカイン溶液45mlは、鎮痛剤の消費量を50%減少させたが、疼痛スコア又は最初の鎮痛剤要求までの時間は、減少させなかった。対照的に、ブピバカイン溶液の皮下浸潤を未処置と比較して評価している2つの研究は、鎮痛において何の改善も示さなかった(Cobbyら、1997、Victoryら、1995)。
他モデルでの研究は、4時間から7時間にわたる短時間の鎮痛効果を示している。帝王切開術についての3つの研究において、0.25%又は0.5%のブピバカイン20mlは、鎮痛剤消費量を20〜50%減少させたが、この効果は4時間しか持続しなかった。上腹部手術における別の研究において、日々のモルヒネ投与(補助的な筋肉内モルヒネ)(10mg)においてはわずかな減少しか指摘されず、モビリゼーションのあいだのみ、視覚アナログスコア(VAS)における減少が、記録された(50mm)(Bartholdyら、1994)。術後の疼痛の制御のための切開用麻酔の総説において、Moinicheら(1998)は、腹部切開を使用した外科手術における1200人を超える患者が関与する26の研究について評価した。結果は、ヘルニア切除手術における切開用麻酔について一貫性のある統計的効果及び臨床効果を示したが、鎮痛は短時間であった(2〜7時間)。しかし、子宮摘出術を含む、評価された他の外科手術モデルにおいては、結果は研究間で様々であった。
評価された26の研究(Moinicheら、1998)のうち、8つは明らかにネガティブであった。大多数の研究は、少なくとも1つの疼痛の測定において有意な差異を示したが、いくつかは臨床的重要性が疑わしく、著者らは、局所麻酔がより一貫性のあるポジティブな結果と結びついていないことに驚いた。著者らは、使用される技術と麻酔薬を投与する部位とにおける重要性もまた指摘した。
1998年の総説以来、外科手術の創傷浸潤試験が持続して行われており、強力な証拠がないにもかかわらず、その実行が比較的一般的なままであると公表されている。例えば、Leicester、UKのグループは、2種の子宮摘出術試験について公表しており(Kleinら、2000及びNgら、2002)、ここでは、最高でも術後4時間までしか効果が持続しないと、結論付けている。
対照的に、持続的又は間欠的基盤にて、留置カテーテルを介して術後にブピバカインが注入される試験は、よりずっと成功しかつ効果的であることが証明される傾向にあった。Guptaら(2004)は、標準的な生理食塩水の注入を、24時間にわたる0.25%レボブピバカインの注入(12.5mg/hr)と比較して、子宮摘出術後1〜2時間での切開の疼痛、深部痛及び咳の際の疼痛において有意な減少を示した。総ケトベミドン(PCA麻薬)は、4〜24時間にわたって有意に減少され、著者らは、レボブピバカインの腹腔内注入が、待期的な腹式子宮摘出術後に有意なオピオイド節約効果を有すると、結論付けた。
麻酔薬注入の見かけの有効性は、I−Flow’s ON−Q(登録商標)Painbusterなどの携帯型の疼痛ポンプの幅広い使用を説明している。しかし、このような持続的な注入デバイスは、ずっと多くのブピバカイン総用量(2.5mg/hrと50mg/hrの間で、それぞれ最大投薬持続時間が5日及び2日)を使用し、生分解性の移植物よりも、当然より不便である。疼痛ポンプシステムで使用される留置カテーテルは、感染を導き得、医師又は看護士によって除去されなければならない。対照的に、ブピバカイン−コラーゲンスポンジなどのドラッグデリバリーデバイスは、下に明示されるように、効果的で長続きする鎮痛を提供するが、用量については、創傷への1回のみのボーラス浸潤とちょうど同等である。
Gupta A, Perniola A, Axelsson K, Thorn SE, Crafoord K, and Rawal N (2004).Postoperative pain after abdominal hysterectomy: a double-blind comparison between placebo and local anesthetic infused intraperitoneally. Anesth Analg 99:1173-1179. Leung CC, Chan YM, Ngai SW, et al (2000). Effect of pre-incision skin infiltration on post-hysterectomy pain-a double-blind randomized controlled trial. Anaesth Intensive Care 2000;28:510-516. Ng A, Swami A, Smith G, et al (2002). The analgesic effects of intraperitoneal and incisional bupivacaine with epinephrine after total abdominal hysterectomy. Anesth Analg 2002;95:158-162. Sinclair et al, 1996 Postoperative pain relief by topical lidocaine in the surgical wound of hysterectomized patients; Acta Anaesthesiologica Scandinavica 40: 589-594 Hannibal et al, 1996 Preoperative wound infiltration with bupivacaine reduces early and late opioid requirements after hysterectomy. British Journal of Anaethesiology 83: 376-381 Cobby et al, 1997 Wound infiltration with local anaesthetic after abdominal hysterectomy British Journal of Anaethesiology :78: 431-432 Victory et al, 1995 Effect of preincision versus postincision infiltration with bupivacaine on postoperative pain Journal of Clinical Anesthesia 7:192-196 Bartholdy et al, 1994 Preoperative infiltration of the surgical area enhances postoperative analgesia of a combined low-dose epidural bipivacaine and morphine regimen after upper abdominal surgery. Acta Anaesthesiologica Scandinavica 38: 262-265 Moiniche et al, 1998 A qualitative systemic review of incisional local anaesthesia for postoperative pain relief after abdominal operations; British Journal of Anaesthesia; 81: 377-383 Klein et al, 2000 Infiltration of the abdominal wall with local anaesthetic after total abdominal hysterectomy with no opioid-sparing effect; British Journal of Anaesthesia 84 (2): 248-9
本発明において、この長続きする鎮痛は、局所鎮痛、局所麻酔又は神経ブロックを必要とするヒト又は動物における部位にて、局所鎮痛、局所麻酔又は神経ブロックを提供するためのドラッグデリバリーデバイスの使用を介して達成され、該デバイスは繊維状コラーゲンマトリックス;並びにアミノアミド型麻酔薬、アミノエステル型麻酔薬及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの製剤原料を含み、該少なくとも1つの製剤原料は、コラーゲンマトリックス中で実質的に均一に分散しており、かつ投与後少なくとも約1日持続する局所鎮痛、局所麻酔又は神経ブロックの持続時間を提供するのに十分な量にて存在している。したがって、本発明は、第1の局面において、局所鎮痛、局所麻酔又は神経ブロックを必要とするヒト又は動物における部位にて、局所鎮痛、局所麻酔又は神経ブロックを提供するためのドラッグデリバリーデバイスを提供し、該デバイスは繊維状コラーゲンマトリックス;並びにアミノアミド型麻酔薬、アミノエステル型麻酔薬及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの製剤原料を含み、該少なくとも1つの製剤原料は、コラーゲンマトリックス中で実質的に均一に分散しており、かつ投与後少なくとも約1日持続する局所鎮痛、局所麻酔又は神経ブロックの持続時間を提供するのに十分な量にて存在している。
ブピバカイン−コラーゲンスポンジのようなドラッグデリバリーデバイスは、コラーゲンスポンジ又は増加した全身麻酔薬(ブピバカインなど)レベルによる毒性に関連する悪影響なしに、患者に術後の疼痛の管理を提供するであろうと仮定される。ブピバカイン−コラーゲンスポンジのようなドラッグデリバリーデバイスが、48時間又は72時間までのあいだにわたり、外科手術部位の局所的な疼痛の軽減を患者に提供し、全身鎮痛に対する患者の要求とそれに伴う悪影響とを減少させるであろうと、仮定される。
発明の要旨
本発明は、局所鎮痛、局所麻酔又は神経ブロックを必要とするヒト又は動物における部位にて、局所鎮痛、局所麻酔又は神経ブロックを提供するためのドラッグデリバリーデバイスに関し、該デバイスは繊維状コラーゲンマトリックス;並びにアミノアミド型麻酔薬、アミノエステル型麻酔薬及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの製剤原料を含み、該少なくとも1つの製剤原料は、コラーゲンマトリックス中で実質的に均一に分散しており、かつ投与後少なくとも約1日持続する局所鎮痛、局所麻酔又は神経ブロックの持続時間を提供するのに十分な量にて存在している。本発明は、任意の実施態様において、生分解性の体内に残されるデバイスについて述べる。
図1は、コラーゲン生成のためのフローチャートを概略的に示す。 図2は、ブピバカイン−コラーゲンスポンジの選択形態でのドラッグデリバリーデバイスの作製のためのフローチャートを概略的に示す。
発明の詳細な説明
本発明は、局所鎮痛、局所麻酔又は神経ブロックを必要とするヒト又は動物における部位にて、局所鎮痛、局所麻酔又は神経ブロックを提供するためのドラッグデリバリーデバイスに関しており、該デバイスは繊維状コラーゲンマトリックス;並びにアミノアミド型麻酔薬、アミノエステル型麻酔薬及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの製剤原料を含み、該少なくとも1つの製剤原料は、コラーゲンマトリックス中で実質的に均一に分散しており、かつ投与後少なくとも約1日持続する局所鎮痛、局所麻酔又は神経ブロックの持続時間を提供するのに十分な量にて存在している。
第2の局面において、本発明は、局所鎮痛、局所麻酔又は神経ブロックを必要とするヒト又は動物において、局所鎮痛、局所麻酔又は神経ブロックを提供するための方法に関しており、該方法は、繊維状コラーゲンマトリックス;並びにアミノアミド型麻酔薬、アミノエステル型麻酔薬及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの製剤原料を含むドラッグデリバリーデバイスを、局所鎮痛、局所麻酔又は神経ブロックを必要とするヒト又は動物における部位に投与することを含み、該少なくとも1つの製剤原料は、コラーゲンマトリックス中で実質的に均一に分散しており、かつ投与後少なくとも約1日持続する局所鎮痛、局所麻酔又は神経ブロックの持続時間を提供するのに十分な量にて存在している。
本発明のドラッグデリバリーデバイスを提供するために、アミノアミド型麻酔薬、アミノエステル型麻酔薬及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの製剤原料の、繊維状コラーゲンマトリックス中への取り込みが、繊維状コラーゲンマトリックスからの該少なくとも1つの製剤原料の放出を遅延させ、それによって、ドラッグデリバリーデバイスの投与の少なくとも約1日後まで、局所鎮痛、局所麻酔又は神経ブロックの持続時間が延長される。
「部位」又は「外科手術部位」は、外科手術手順の意図された目的である、組織(単数又は複数)又は器官(単数又は複数)(例えば、外科手術手順としての子宮摘出術については、今や除去された子宮の周辺部)を意味する。
理論に束縛されることなく、局所鎮痛、局所麻酔又は神経ブロックの持続時間は、本発明のドラッグデリバリーデバイス中に取り込まれないで達成される局所鎮痛、局所麻酔又は神経ブロックの持続時間の、少なくとも3倍(任意に少なくとも4倍、さらに任意に少なくとも5倍)延長されると考えられる。
任意に、本発明のデバイス又は方法において、少なくとも1つの製剤原料は、投与後少なくとも約2日間持続する局所鎮痛、局所麻酔又は神経ブロックの持続時間を提供するのに十分な量にて存在する。
任意に、本発明のデバイス又は方法において、少なくとも1つの製剤原料は、投与後少なくとも約3日間、さらに任意に少なくとも4日間持続する局所鎮痛、局所麻酔又は神経ブロックの持続時間を提供するのに十分な量にて存在する。
少なくとも1つの製剤原料は、アミノアミド型麻酔薬、アミノエステル型麻酔薬及びそれらの混合物からなる群から選択される。アミノアミド型麻酔薬の混合物;アミノエステル型麻酔薬の混合物;並びにアミノアミド型麻酔薬とアミノエステル型麻酔薬との混合物は、本発明のデバイス及び方法の一部を形成するとして具体的に意図されている。さらに、本発明の任意のデバイス及び方法は、さらに1以上のさらなる製剤原料を含んでもよく、該1以上のさらなる製剤原料は、アミノアミド型麻酔薬、アミノエステル型麻酔薬及びそれらの混合物ではない。このようなさらなる製剤原料は、局所鎮痛、局所麻酔又は神経ブロックを提供するのに有効な薬物を含んでもよい。
任意に、本発明のデバイス又は方法において、少なくとも1つの製剤原料は、ブピバカイン、レボブピバカイン、リドカイン、メピバカイン、プリロカイン、ロピバカイン、アルチカイン、トリメカイン並びにそれらの塩及びプロドラッグを含む群から選択されるアミノアミド型麻酔薬である。さらに任意に、本発明のデバイス又は方法において、少なくとも1つの製剤原料は、ブピバカイン並びにそれらの塩及びプロドラッグから選択されるアミノアミド型麻酔薬である。またさらに任意に、本発明のデバイス又は方法において、少なくとも1つの製剤原料は、レボブピバカイン、リドカイン、メピバカイン、プリロカイン、ロピバカイン、アルチカイン、トリメカイン並びにそれらの塩及びプロドラッグを含む群から選択されるアミノアミド型麻酔薬である。
任意に、本発明のデバイス又は方法において、繊維状コラーゲンマトリックスは、I型コラーゲンマトリックスである。
任意に、本発明のデバイス又は方法において、繊維状コラーゲンマトリックスは、I型コラーゲンマトリックスであって、少なくとも1つの製剤原料は、ブピバカイン並びにそれらの塩及びプロドラッグから選択されるアミノアミド型麻酔薬である。さらに任意に、ドラッグデリバリーデバイスは、複数のコラーゲンスポンジを含んでおり、各コラーゲンスポンジは、約3.6から約8.0mg/cmのI型コラーゲン及び約2.0から約6.0mg/cmの塩酸ブピバカインを含む。またさらに任意に、ドラッグデリバリーデバイスは、複数のコラーゲンスポンジを含んでおり、各コラーゲンスポンジは、約5.6mg/cmのI型コラーゲン及び約4.0mg/cmの塩酸ブピバカインを含む。
任意に、本発明の方法において、該方法は、開腹術の後のヒトにおいて、局所鎮痛、局所麻酔又は神経ブロックを提供するための方法である。
任意に、本発明の方法において、該方法は、整形外科手術、腹部手術、婦人科手術又は胸部外科手術手順(良性の腹部又は胸部外科手術手順など)の後のヒトにおいて、局所鎮痛、局所麻酔又は神経ブロックを提供するための方法である。任意に、良性の腹部又は胸部外科手術手順としては、腹式子宮摘出術、筋腫摘出術及び付属器の外科手術などの、良性の婦人科手順が挙げられる。
任意に、本発明の方法において、局所鎮痛、局所麻酔又は神経ブロックを必要とするヒト又は動物における部位は、体腔(例えば、腹腔又は胸腔)内部の外科手術部位などの、外科手術部位を含む。さらに任意に、本発明の方法において、多くの本発明のドラッグデリバリーデバイスは、外科手術部位に隣接した1以上の組織破壊部位に配置され、その数は、局所鎮痛、局所麻酔又は神経ブロックを必要とするヒト又は動物において有効な局所鎮痛、局所麻酔又は神経ブロックを提供するような数である。
任意に、本発明の方法において、ドラッグデリバリーデバイスは、複数のコラーゲンスポンジを含んでおり、ここで1スポンジは、外科手術部位に隣接した領域間で分割され、1スポンジは分割されて体腔壁(例えば腹膜)における切開にわたって配置され、1スポンジは分割されて切開周辺の鞘と皮膚との間に配置される。
さらに任意に、本発明の方法において、ドラッグデリバリーデバイスは、複数のコラーゲンスポンジを含んでおり、ここで少なくとも1スポンジは、外科手術部位に隣接して、任意に組織破壊部位(単数又は複数)に隣接して配置され;少なくとも1スポンジは、体腔壁(例えば腹膜(腹腔壁))における切開にわたって配置され;少なくとも1スポンジは切開周辺の鞘と皮膚との間に配置される。
またさらに任意に、本発明の方法において、ドラッグデリバリーデバイスは、複数のコラーゲンスポンジを含んでおり、ここで少なくとも1スポンジは、1以上の外科手術部位自体、皮膚、皮下組織、筋膜、筋肉及び/又は壁側腹膜などの、組織破壊部位(単数又は複数)に隣接して配置される。
任意に、移植される総用量は、投与されるスポンジの数及び大きさ、並びに移植されるスポンジの位置によって制御される。投薬は、外科医が様々な組織破壊領域上及び周辺に1以上のスポンジを移植するという原則に基づく。例えば、腹部又は胃腸(GI)外科手術の場合、スポンジは、皮膚切開の下及び腹膜切開にわたって配置されるであろう。必要とされるスポンジの数及び大きさ(及びそれゆえに薬物の総用量)は、外科手術手順の型及び切開の大きさなどの変数に依存するだろう。慣用の外科手術手順のうち圧倒的多数に対しては、総表面積が500cmまで(及び奥行き又は厚みが0.5cm)を有するスポンジ(例えば総表面積が125cmまで(及び奥行き又は厚みが0.5cm)を有するスポンジ)が、破壊された組織領域に、有効な局所鎮痛、局所麻酔又は神経ブロックを提供するのに十分であろうと、考えられる。
任意に、本発明の方法において用いられる用量は、移植されるスポンジの数及び大きさを変化させることによって、組織破壊の程度にしたがって特定の外科手術手順に対して調整され得る。
任意に、本発明の方法において用いられる用量は、移植するべきスポンジの位置を変化させることによって、組織破壊部位にしたがって特定の外科手術手順に対して調整され得る。さらに任意に、本発明の方法において用いられる用量は、組織破壊(外科手術部位に隣接した組織破壊部位に隣接、体腔壁(例えば、腹膜)における切開に隣接、及び/又は切開周辺の鞘と皮膚との間など)を覆うようにスポンジを配置することによって、組織破壊部位にしたがって特定の外科手術手順に対して調整され得る。
種々の腹部外科手術のために提言されたブピバカイン投薬処方は、以下のとおりである:
・ヘルニア縫合術:表面積が50cmでかつ奥行き又は厚みが0.5cmを有するスポンジ(100mgの塩酸ブピバカイン)
・子宮摘出術:表面積が75cmでかつ奥行き又は厚みが0.5cmを有するスポンジ(150mgの塩酸ブピバカイン)
・GI外科手術:表面積が75又は100cmでかつ奥行き又は厚みが0.5cmを有するスポンジ(150又は200mgの塩酸ブピバカイン)
4つ(各々5×5cm、厚み0.5cmを有する)のスポンジの提案された最大用量は、200mgの総塩酸ブピバカイン用量に相当する。USPブピバカイン注射のための添付文書によると、これは標準的なボーラス用量である175mgをわずかに上回るが、推奨される日々の用量の上限である400mgの範囲内に十分入る。移植されたスポンジの最大の数及び大きさ(並びに、それゆえ、薬物用量)は、問題となっている薬物(単数又は複数)に対して推奨される日々の用量にしたがって変化してもよいことが、当然理解されるであろう。
製剤原料
適切な製剤原料は、アミノアミド型麻酔薬及びアミノエステル型麻酔薬並びにそれらの塩、水和物及びプロドラッグを含む。このような製剤原料としては、ブピバカイン、レボブピバカイン、リドカイン、メピバカイン、プリロカイン、ロピバカイン、アルチカイン、トリメカインなどのアミノアミド、並びにそれらの塩及びプロドラッグ;並びに、ベンゾカイン、クロロプロカイン、コカイン、プロカイン、テトラカインなどのアミノエステル、並びにそれらの塩及びプロドラッグが挙げられるが、これらに限定されない。ブピバカイン、並びにその塩及びプロドラッグは、任意の製剤原料である。アミノアミドの混合物が、アミノエステルの混合物と同様に意図される。アミノアミド及びアミノエステルの混合物もまた、意図される。
塩酸(HCl)ブピバカインは、強力な麻酔薬であり、中程度から長期の麻酔を生じ得る。他の利用できるアミノアミド型麻酔薬と比較すると、運動ブロックではなく感覚ブロックへのその作用と連関した、相対的により長い作用持続時間が、術後の疼痛に対する長期の麻酔を可能にしている。ブピバカインHClは、数日間にわたる有効な感覚ブロック及び鎮痛を提供し得る。ブピバカインHClは、中程度から長期の局所麻酔に適応されており、それゆえ、中程度から重大な疼痛の処置に適応される。
ブピバカインに関する毒性は、高い全身レベルによって引き起こされ、舌のしびれ、朦朧状態、目まい及び振戦、それに引き続くけいれん疾患及び心臓血管障害によって特徴付けられる。
ブピバカインの薬物動態及び薬力学は、十分に理解されている。ブピバカインは、血漿タンパク質に約95%が結合する。報告されている半減期は、成人で1.5時間から5.5時間であり、新生児で約8時間である。ブピバカインは肝臓で代謝されて、主に、未変化の薬物を5%から6%だけを含む代謝産物として、尿中に排出される。ブピバカインは、母乳中に少量分配される。ブピバカインは、胎盤を越えるが、母体濃度に対する胎児濃度の比率は、比較的低い。ブピバカインはまた、脳脊髄液(CSF)中へも拡散する。
ブピバカインの血漿濃度についての毒性の閾値は、2から4マイクログラム/mLの範囲内に存在すると考えられており、米国では、無水塩酸ブピバカインの推奨される最大単回用量は、175mgである。臨床状況におけるブピバカインレベルの測定は、投薬及び全身レベルがこれらの安全パラメーター内であることを実証する必要がある。したがって、ブピバカインを投与することが提言される場合には、コラーゲンスポンジが1個又は数個であれ、総用量は、無水塩酸ブピバカインについて、約250mg以下であり、任意に約200mg以下であるべきであることが提言される。
コラーゲン
市販の繊維状コラーゲン(例えば、Devro Biomedical Collagen(オーストラリア)の生物医学的コラーゲン)を含む、種々の供給源由来の繊維状コラーゲンを、使用してもよい。現在、繊維状コラーゲン型には公知の5つの型があり、I型、II型、III型、V型及びXI型である。あるいは、コラーゲンは、種々の動物の腱又は皮革から抽出でき、動物としては、ウマ、ウシ、ヒツジ及びブタが挙げられる。当業者は、Gelseら(Advanced Drug Delivery Review 55 (2003)、1531-1546)に注目し、その全内容は、様々なコラーゲン型についてのさらなる詳細について、本明細書中において参照によって援用されている。本発明者らは、ブピバカイン−コラーゲンスポンジの製造のために、ウシ由来のI型コラーゲンを使用した。ウマ由来のI型コラーゲンもまた、ブタ及びヒツジ由来のI型コラーゲンなどと同様、繊維状コラーゲンとして、本発明における使用に適切である。I型コラーゲンは、動物の腱及び他の供給源から抽出された結合組織であり;この場合、コラーゲンは、ウシの腱由来である。I型コラーゲンは、3つのおよそ1,050アミノ酸長のポリペプチド鎖からなっており、2つはα1鎖であり、1つはα2鎖である。これらはコイルとなって、共通の軸の周囲に、右巻らせん(3重らせんとして公知である)を形成する。この棒状分子は、長さ2900オングストローム、直径14オングストローム、及び分子量およそ300,000ダルトンを有している。
製造方法
以下の一般的な製造方法は、ウシの腱から生成されるI型コラーゲンに関する。しかし、繊維状コラーゲンの代替的供給源(I型又はIII型コラーゲンの代替的供給源など)が、本発明の教示の範囲から逸脱せずに、この方法論にかわって使用できる。
以下の一般的な製造方法は、製剤原料としてのブピバカインに関する。代替的な製剤原料(単数又は複数)、又は付加的な製剤原料(単数又は複数)(すなわち、ブピバカインに対して付加的)が、本発明の教示の範囲から逸脱せずに、ブピバカイン単独にかわって使用できることが、理解されるであろう。
コラーゲン
ウシの腱由来のI型コラーゲンの生成:コラーゲンは、ウシアキレス腱から抽出される。製造プロセスのあいだ、ウシの腱は、材料を清浄化して精製し、かつ脂肪含量を激減させるために、1N水酸化ナトリウム(NaOH)で最初に処理され、続いて、1N HClで中和される。この工程に続いて、0.9%塩化ナトリウム(NaCl)溶液で処理して、コラーゲンの低分子量可溶成分を除去する。過酸化水素溶液での処理は、腱の漂白を確実にする。
コラーゲン材料の粒径を減じて、その後ペプシンを使用して発酵分解する。ペプシンでの処理は、汚染血清タンパク質成分(主にウシ血清アルブミン)を分解するために使用され、コラーゲン分子の非らせん部分(テロペプチド)の分離を引き起こす。ろ過後、pH操作(酸性pHから中性pH)によって、コラーゲンの沈澱が達成される。繊維状I型コラーゲン材料が、最終的に溶液から沈澱して、残存ペプシンを除去するために蒸留水でもう一度洗浄され、次いで遠心によって濃縮される。この生成プロセスは、図1に概要される。
ブピバカインコラーゲンスポンジ−製造方法
図2は、ブピバカイン−コラーゲンスポンジの作製を表すフローチャートである。当業者は、他の製剤原料(単数又は複数)が、ブピバカインの代わりに又はブピバカインに加えて使用できることを、理解するであろう。
調合プロセス及び設備
図1のように調製した繊維状I型コラーゲン材料は、ステンレススチール(SS)容器内にて予め加熱した水(42℃より低い温度)に添加される。コラーゲンの膨張及びそれに続く分散物形成が、高せん断ホモジェナイザーの使用によって得られる。用いられるホモジェナイザーは、回転するホモジェナイザーヘッドを介してコラーゲン材料を引っ張り、かつ近位固定ステーターヘッドに押し付けることによって、高せん断力を生み出すように設計されているローター−ステーターヘッドを有している。分散物の調製の最初に、繊維性コラーゲンの塊を分離するのに必要とされる高せん断力を促進するのは、この設計である。
コラーゲン分散物形成の完了に続いて、分散物は、最終的な調合のために、加熱した密閉ジャケット付容器へと移される。被覆の温度は、36〜38℃に維持される。
この又は各製剤原料(ブピバカインHClなど)の原料は、最初に室温にて水の一部に溶解されて、次いで低せん断混合下にて、ヒートジャケット付SS容器の中に導入されて、薬物を積載したコラーゲン分散物の均質性が得られる。コラーゲン/ブピバカイン分散物は、自由に流動する乳白色からオフホワイト色の不透明な液体である。
分散物は、続いて凍結乾燥されて、1つの実施態様においては、5cm×5cmの最終的な凍結乾燥産物において、5.6mg/cmのコラーゲン及び4.0mg/cmのブピバカインHClを含むスポンジが生ずる。他の大きさの産物もまた製造され得、ある実施態様においては、5.6mg/cmのコラーゲン及び4.0mg/cmのブピバカインHClを同様に含む、10cm×10cmのスポンジが挙げられる。
充填/凍結乾燥プロセス及び設備
コラーゲン/薬物分散物は、凍結乾燥のための適切な大きさの凍結乾燥鋳型又はブリスタートレイに充填され、充填プロセスは、容積型ポンプを使用して行われる。ポンプはバルブがなくて、セラミックのピストンを有しており、容積式の原理に基づいて機能する。
トレイ充填が完了すると、充填された鋳型又はブリスタートレイは、凍結乾燥機中に配置される。熱電対が、産物中及び棚上の両方に配置され、伝導率プローブは、プロセスの温度及び伝導率に対して、プロセス進行中のフィードバックを提供するためにもまた用いられる。ブピバカイン−コラーゲンスポンジのために使用される凍結乾燥プロセスサイクルは、3.5時間にわたり−38℃の温度にまで下げて凍結することと、それに続いて、14.5時間にわたり30℃の温度で乾燥することを含む。
エチレンオキシド(EtO)滅菌プロセス
凍結乾燥済みのスポンジは、適切な包装材料中に包装され、これは、ポリエチレン/LDPEラミネート又はアルミホイルからなる外袋内の、密封したポリエチレンブリスター又は低密度ポリエチレン(LDPE)小袋を含んでもよい。次いで産物は、最終的な滅菌に供され、これは、ガスを介するエチレンオキシド滅菌又は放射線(ガンマ又は電子線)であり得る。好ましい実施態様においては、エチレンオキシドガスによる滅菌が選択された。
エチレンオキシド(CO)は、操作温度において気体であり、強力なアルキル化剤としての作用を介して滅菌する。正しい条件下において、生体の細胞構成要素(核酸複合体、機能タンパク質及び酵素など)は、エチレンオキシドと反応して、アルキル基の付加を引き起こす。アルキル化の結果として、細胞再生が妨げられ、細胞死が確実となる。標的産物内でこの効果を得るためには、具体的な処理条件及びパラメーター(チャンバー内の容認可能なエチレンオキシド濃度及び生体内の最小水分活性レベルが挙げられるが、これらに限定されない)を満たさなければならない。このプロセスは、本質的に化学反応であり、それゆえ温度依存的である(反応速度は、温度とともに増加する)。最適温度は、30と40℃の範囲内である。これらの特性が、エチレンオキシド滅菌プロセスの重要な特徴を規定している。
このプロセスは、スポンジに存在する水分含量に依存しており、滅菌に先立って大気湿度と産物を平衡化させることによって、一定範囲の含水量が得られる。最適な水分含量は、9%以上である。産物は、ステンレススチールワイヤーメッシュバスケットに積載されて、規定された積載パターンを使用して、ステンレススチールの滅菌チャンバー内に配置される。次いで、滅菌チャンバーは、空気を除去するために脱気され、必要な濃度が得られるまで、エチレンオキシドが導入される。
産物は、規定された期間のあいだこれらの条件下で保持され、予め決定した滞留期間の完了時に、触媒コンバーターを介して、チャンバーからエチレンオキシドが大気中に排出される。これらのユニットは、エチレンオキシドの二酸化炭素及び水への非常に効率的な触媒転換を確実にしている。次いで、チャンバーから残存エチレンオキシドを除去するために、滅菌チャンバー及びその内容物が、繰り返し空気で洗浄される。滅菌後の洗浄完了後、産物は、より長時間の通気のために、保持領域に移される。プロセスのこの段階は、産物及び包装から、低レベルの残留エチレンオキシドをさらに取り除く役割を果たしている。産物は、エチレンオキシド誘導体残留物が限界に到達するまで、室温にて保持される。
代替の滅菌プロセス及び設備
ガンマ及び電子線を含む放射線滅菌を、上記に述べたEtO滅菌プロセスのかわりに使用してもよい。
この一般的な製造方法下で製造されるブピバカイン−コラーゲンスポンジは、アミド型局所麻酔薬であるブピバカインHClを含むI型コラーゲンマトリックスからなるドラッグデリバリーシステムである。ブピバカインの放出は主に、不活性型デリバリーシステムとして作用するコラーゲンスポンジを用いた、多孔性マトリックスからの溶解及び分散による。
子宮摘出術
子宮摘出術は、アメリカ合衆国において、女性では2番目に最も一般的な外科手術である。National Center For Health Statisticsによると、617,000例の子宮摘出術が、2004年に米国で行われた。子宮摘出術の適応症としては、良性腫瘍(子宮筋腫など)、重い月経、生理痛及び慢性骨盤痛が挙げられる。子宮摘出術を行うための最も一般的な経路は、腹壁の切開を介するものであるが、しかし約20%が、経膣的に行われる。腹腔鏡補助下の経膣子宮摘出術は、正当な理由がある場合に行われる。
外科手術(子宮摘出術など)後の疼痛制御
効果的な術後の疼痛の管理は、外科被験体が術後に順調にかつうまく回復するのを確実にするために重要である。腹式子宮摘出術後の疼痛は、多因性であり得る。切開の疼痛、より深部(内臓)構造からの疼痛、及び特に動的な疼痛(いきみ、咳、又は動くあいだなど)は、非常に深刻であり得る。1つの研究において、著者らは、子宮摘出術後最初の48時間のあいだは、内臓の疼痛が支配的であることを見出した(Leung、2000)。
モルヒネは、術後の疼痛を制御するために、患者自己管理鎮痛(PCA)ポンプを介してしばしば使用されるが、多くの量が必要とされると、疲労、吐き気及び嘔吐、並びに眠気のために動くことができない状態を導き得る。被験体は通常、少なくとも24時間PCAを必要とし、その後経口鎮痛薬物を受ける。最初の24時間のあいだの平均的な術後の麻薬消費量は、35から62mg(Gupta、2004)と様々であり、腹式子宮摘出術後の創傷の層及び表層の両方におけるブピバカイン浸潤を使用する平均的な術後のモルヒネ消費量は、54mg(Kleinら、2000)及び44mg(Ngら、2002)であった。
コラーゲン産物
不溶性及び可溶性コラーゲンの特性は、心臓弁から皮膚移植片までの範囲の様々な医学的な適用でのその使用を導いた。可溶性コラーゲンは、有用な機械的特性及び生体適合性を与える生分解性又は非生分解性の材料を作製するために使用され得る。
可溶性コラーゲンは、顔用美容において使用される皮内注射などの皮内注射によって送達され得る半永久的で非吸収性の移植片を作製するために、架橋され得る。これらは、1980年代に、米国食品医薬品局(FDA)によって最初に承認された。
本発明のコラーゲンマトリックスは、繊維状(I型又はIII型)コラーゲンマトリックス(任意にウシアキレス腱に由来する)に基づく局所的なドラッグデリバリーシステムであり得る。これらの産物は、凍結乾燥スポンジとして製造される。
本発明の実施態様は、先に述べた一般的な製造方法を参照してここで実証され、これは次いで下に記載した臨床研究を参照して例示されるであろう。
発明の具体的な実施態様は、以下の一般的な製造方法及び実施例を参照してここで実証されるであろう。これらの実施例は、発明を説明するためにのみ開示されるのであって、本発明の範囲を制限すると決して解釈すべきではないことが、理解されるべきである。
臨床研究
疼痛の効果的な軽減は、外科手術を受ける患者の処置にとって最も重要である。これは人道的な理由のために成し遂げられるべきであるが、今では疼痛の軽減が有意な生理的利益を有するという証拠が存在する。効果的な疼痛の軽減は、順調な術後の経過(病院からのより早い退院)を意味するだけではなくて、慢性疼痛症候群の発病もまた低減し得る。外科手術部位への直接的な麻酔薬の局部的投与又は局所的投与は、潜在的な全身毒性濃度を最小化しながら、高い局所麻酔薬濃度を生じるという利点を有する。
ブピバカイン−コラーゲンスポンジは非常に適応性があり、直接、巻かれて、又は折りたたまれて適用され得、閉鎖が予定される創傷への適用に関して、外科医に大きな柔軟性を与える。
患者は3つの5cm×5cm(×0.5cmの厚み)のスポンジを受け入れた;1スポンジは、外科手術部位に隣接した(この場合は、新たに除去した子宮の位置に隣接)領域間で分割し、1スポンジは分割して体腔壁(この場合は、腹膜)における切開にわたって配置し、並びに最後のスポンジは分割して切開周辺の鞘と皮膚との間に配置した。各スポンジは、50mgの塩酸ブピバカインを含んでおり、患者あたり150mgの総用量を与えた。
これは、子宮摘出術における疼痛の制御について、子宮摘出術後の患者において、ブピバカイン−コラーゲンスポンジの形態におけるドラッグデリバリーデバイスを詳細に調べるための、単回用量の非盲検の前向き臨床研究であった。子宮腺癌、子宮頸部癌、平滑筋肉腫又はこれらの癌が存在しない条件にて、患者らは子宮摘出術を受ける予定を立てた。登録した患者らは、創傷閉鎖に先立って、創傷の特定の層に移植された全部で3つの5cm×5cm×0.5cmブピバカイン−コラーゲンスポンジを受け入れることになった。各ブピバカイン−コラーゲンスポンジに、4mg/cmのブピバカインを染み込ませた。
患者の選択基準
包含
18から60歳の間の年齢
体重60〜95Kg
プロトコールに概説した疼痛軽減処方に従うことが可能でかつその意思がある
除外
アミド型局所麻酔薬、NSAIDS、オピオイド及びウシコラーゲンに対する既知の過敏性
心不整脈又はAV伝導障害
他のアミド型局所麻酔薬の併用使用
抗不整脈薬(例えば、アミオダロン)の併用使用
プロパノロールの併用使用
脊髄ブロック
強力/中程度のCYP3A4阻害剤又は誘発剤(例えば、マクロライド系抗生物質、グレープフルーツジュースなど)の併用使用
過去6ヶ月に、先行する大手術
肝障害
任意の臨床的に有意な不安定心臓疾患、神経疾患、免疫疾患、腎臓疾患、又は血液疾患、あるいは調査者の意見で、研究の経過を阻害するであろう任意の他の状態
直近の6ヶ月における、治験対象製品を使用した臨床試験への参加
直近の4週間における、任意の時点で血行動態的に不安定
直近の3ヶ月における、輸血の要求
ヘモグロビンが10g/dLより下
目的
目的
・子宮摘出術創傷におけるブピバカイン−コラーゲンスポンジの潜在的な鎮痛効果を詳細に調べること
・術後の鎮痛処方の一部としてのブピバカイン−コラーゲンスポンジの使用の、モルヒネ節約効果を詳細に調べること
・疼痛強度の数的評価スケールにおける傾向を評価すること
研究の結果は以下を含む:
・視覚アナログ疼痛評価スケール(VAS)
・モルヒネ節約効果
研究期間
スクリーニング評価(インフォームドコンセント、病歴、バイタルサイン、12誘導心電図、臨床生化学及び臨床血液学、尿検査並びにデモグラフィックス)を、ブピバカイン−コラーゲンスポンジの投与の、1日前から14日前の間に行った。ベースライン(0時間)の手順は、研究番号の割り当て、ベースライン疼痛スコアリング、及びスポンジの移植を含んだ。追跡手順は、移植後96時間にわたって行った。追跡コールは、移植の8日後に行った。
方法論
安全性解析
全身ブピバカイン毒性の兆候に関するバイタルサイン及び臨床評価を、30分、1時間、1.5時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、9時間、12時間及び96時間で繰り返した。追跡コールは、患者がなんらかの有害事象に羅患していたかどうか、又は創傷に伴うなんらかの問題を経験しているかどうかを調べるために、外科手術の8日後に行うこととした。併用医薬(モルヒネ及び他の疼痛医薬の用量を含む)は、評価18まで、スクリーニングから回収した。
Figure 2010522738
有効性評価
視覚アナログスコア(VAS)を使用する疼痛スコアリングを使用して、1時間、1.5時間、2時間、3時間、6時間、9時間、12時間、18時間、24時間、36時間、48時間、72時間及び96時間の時点における患者の疼痛経験を評価した。
術後、患者は、PCAポンプを介してPRN(per re nata、必要に応じて)モルヒネを受けた。モルヒネに対する患者の要求を、記録した。睡眠を妨害しないように、18時間での疼痛の評価は任意であった。
略語のリスト
AE 有害事象
AUClast 時間ゼロから時間t(最後の定量化可能な血漿濃度の時間)までの、血漿濃度−時間曲線下面積
AUCinf 時間ゼロから無限までの、血漿濃度−時間曲線下面積
max 最大血漿濃度
LOQ 定量化の限界
PCA 患者自己管理鎮痛
PRN per re nata(必要に応じて)
lag 遅延時間
max 最大血漿濃度の時間
1/2 終末相(terminal)半減期
λ 終末相(terminal phase)速度定数
VAS 視覚アナログスケール
疼痛制御医薬(ブピバカイン−コラーゲンスポンジに対する補足)
誘導時に、患者は、50〜75μgのフェンタニルを受けた。カテーテル挿入の後でかつ外科手術開始に先立って、直腸内に100mgのジクロフェナクもまた受けた。手術中に、適正な鎮痛レベルを維持するために必要なときは、モルヒネを静脈内投与した。術後、患者は、1gのパラセタモールを6時間毎に、50mgのジクロフェナクを8時間毎に(任意の24時間にて最大3用量)、及び患者自己管理鎮痛ポンプを使用してモルヒネをPRN(per re nata、必要に応じて)で受けた。
併用治療
認可された併用治療
術後に受けた鎮痛量の一致性を確実にするために、全ての患者は、6時間間隔にて1000mgのパラセタモールと、及び8時間間隔にて50mgのジクロフェナクと、PCAポンプを使用するモルヒネPRNとを受けた。
禁止された併用治療
全ての鎮痛剤は、研究開始前に24時間停止させた。さらに、以下の治療(表2)は、ブピバカイン−コラーゲンスポンジの移植と併用して投与されなかった。
Figure 2010522738
結果
安全性解析
臨床研究から得た最新の安全性データ
Figure 2010522738
Figure 2010522738
Figure 2010522738
有効性解析
ブピバカイン−コラーゲンスポンジの有効性は、視覚アナログスケールの使用とモルヒネ節約効果とによって決定した。
疼痛スコアリング(視覚的アナログ疼痛評価スケール)
0(疼痛なし)から100(想像できるうちで最も痛い)の範囲の視覚アナログスケールを使用する疼痛スコアリング。これらは評価計画に従って、1時間以降に評価した。個々の疼痛スコアを、各評価時間について記入した。
モルヒネ節約
患者らに、6時間毎の1000mgパラセタモール用量、8時間毎の50mgジクロフェナク用量及び患者自己管理鎮痛(PCA)ポンプを介したモルヒネPRNを与えた。処置期間の最初の24時間を通して各患者が要求したモルヒネ用量を記録して、文献上の過去のデータと比較した。処置期間を通して必要とされたモルヒネ総用量を、各患者について記入した。
現在までに12人の被験体が、この研究において投薬されかつ完了している。これら12人の被験体によって報告された総モルヒネ使用量及び疼痛スコア(0から100mmの視覚アナログスケール、ここで0は疼痛なしであり、100は想像できるうちで最も痛いである)を、表3及び4に示す。
以下の表3は、最初の4人の登録した患者らについての術後の平均モルヒネ消費量が、術後最初の24時間で、9mgであったことを示す。対照的に、腹式子宮摘出術後の創傷の深層及び表層両方において、ブピバカイン浸潤を使用する術後の平均モルヒネ消費量は、54mg(Kleinら、2000)及び44mg(Ngら、2002)であり、最初の24時間の間の麻薬消費量は、35mgから62mgまで変動した(Gupta、2004)。
モルヒネ節約(PCA)
PCAモルヒネ使用を、24時間にわたって照合し、平均消費量は16.8mg(12人全ての患者について)であった(以下の表3参照)。この平均値は、2つの異常値を含んでいる。一人の患者は、背中の基礎状態に起因して、58mgのモルヒネを消費し、外科手術のあいだ標準的ではない麻酔/鎮痛を受けた2番目の患者は74mgを消費した。これら2つの異常値を外すと、平均モルヒネ消費量は、7.1mgであった。文献データは、最初の24時間にわたる、32mgと65mgの間の範囲のモルヒネ使用を示しており、研究データは、24時間にわたって31mgから99mgのモルヒネ消費を示している。表3は、各患者についてのPCAモルヒネ消費量のデータを提供する。
視覚アナログスコア(疼痛)
疼痛の軽減の開始は、約6時間で起こり(平均VASは10.3mm)、VASデータに従うと退院の日(4〜6日目)まで維持された。術後24時間にて、平均スコアは6.8mm(25%の患者が0のスコアであった)であり;術後48時間にて、2.8mm(12人の患者のうち7人が0のスコアであった)であり、及び術後72時間にて、平均VASが2.7mmであり、かつ50%の患者が、この時点にて0のスコアであった。数人の患者は、創傷への圧力の適用にさえも、疼痛なしを報告した。表4は、VAS疼痛スコアのまとめを提供しており、表3は、全ての患者について、重要な時点における個々の疼痛スコア及びモルヒネ消費量の表を表す。
Figure 2010522738
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薬物動態:
平均Cmaxは、0.22μg/mlであり、最も高い個体のCmaxは、0.44μg/mlであり、これはブピバカインについて公知の全身毒性レベルである2〜4μg/mlを十分に下回っていた。PKプロファイルは、全ての患者について同様であり、24時間後に全身レベルにおける減少が示された。表5は、PKパラメーターのまとめを提供する。
Figure 2010522738
安全性:
全部で45例の有害事象(AE)が、全患者によって報告されており、このうち44例は処置により発現したものであった。本研究で報告された大多数のAEは、処理関連であるとして分類されておらず、44例のうち8例のみが、関連していると考えられた。これらのうち、大多数は重症度が軽度であり、全て回復した。研究の間に1例の重大な有害事象が報告され、これは重症度が中程度であって、本発明のブピバカイン含有ドラッグデリバリーデバイスの使用に関連していなかった。
結論:
この試験の結果は非常に有望であり、VASデータに従うと、疼痛軽減が術後最初の72時間(及びそれ以上)にわたる範囲であることを実証している。観察された低モルヒネ使用は、患者の回復を促進しかつ消耗性の麻薬の副作用を避けるための、本発明のドラッグデリバリーデバイスの重要な特長である。
実施例:臨床研究−腹式子宮摘出術及び他の腹腔鏡によらない良性の婦人科手順(筋腫摘出術及び付属器の外科手術など)のための用量決定
本発明のドラッグデリバリーデバイスは、組織破壊部位へのドラッグデリバリーデバイスの直接的な適用によって、長期局所鎮痛を提供するように設計されている。しかし、本発明のドラッグデリバリーデバイスが、全ての術後の疼痛の完全な軽減を提供することも救済的な鎮痛医薬の必要性を完全に排除することも期待されないが、その代わりに、安全でかつ効果的な疼痛管理のための多様な治療の一部として意図されていることが強調されるべきである。
各ブピバカイン含有ドラッグデリバリースポンジは、表面積が25cm(5×5cm)で、厚みがおよそ0.5cmを有する。活性成分(塩酸ブピバカイン)は、コラーゲンドラッグデリバリーマトリックス中に均一に分散しており、表面積に基づくと、濃度2mg/cmを有している。この濃度は、本発明のドラッグデリバリーデバイスの最適な物理化学的特性及び性能属性をなお維持するコラーゲン7部に対して達成可能なブピバカイン最大薬物積載量を目標としており、これは、重量比で塩酸ブピバカイン5部に相当する。
ブピバカイン用量は表面積を基準として決定されるが、移植される総用量は、投与されるスポンジの数及びスポンジの投与位置に支配される。投薬は、外科医が組織破壊領域の上及び周辺にスポンジを移植するという原則に基づく。例えば、GI外科手術の場合には、スポンジは皮膚切開の下及び腹膜切開にわたって配置されるであろう。必要とされるスポンジの数(及びそれゆえ、塩酸ブピバカインの総用量)は、外科手術手順の型及び切開の大きさなどの変数に依存するであろう。慣用の外科手術手順の圧倒的多数については、総表面積が100cm又は125cmまでで、かつ厚みが0.5cmを有するスポンジが、破壊された組織領域を適正に覆うのに十分であろうと、考えられる。
本発明者らは、中程度の外科手術(ヘルニア縫合術)及び大きな外科手術(腹部子宮全摘出術及び胃腸の開腹手術)の両方における有効性について研究している。これら種々の外科手術のために提案された投薬処方は、以下のとおりである:
・ヘルニア縫合術:総表面積が50cmでかつ厚みが0.5cmを有するスポンジ(100mgの塩酸ブピバカイン)
・子宮摘出術:総表面積が75cmでかつ厚みが0.5cmを有するスポンジ(150mgの塩酸ブピバカイン)
・GI外科手術:総表面積が75又は100cmでかつ厚みが0.5cmを有するスポンジ(150又は200mgの塩酸ブピバカイン)
4つの(5×5cm、厚み0.5cmを有する)スポンジの提案された最大用量は、総塩酸ブピバカイン用量200mgに相当する。USPブピバカイン注射のための添付文書によると、これは標準的なボーラス用量である175mgをわずかに上回るが、推奨される1日用量の上限である400mgの範囲内に十分入る。
要約すると、2mg/cm塩酸ブピバカイン(50mg/スポンジ;5×5cm、厚み0.5cmを有する)という固定用量によって提供されるような様々な投薬処方は、確立された安全性、有効性並びに製品技術的な因子及び原則を考慮に入れる場合に、以下の理由のために正当とされる:
i)用量の上限(mg/cm基準にて)は、主に本発明のドラッグデリバリー技術によって制御される。この技術を使用する組織破壊部位中への局所鎮痛の可能性は、それゆえ、本発明のドラッグデリバリースポンジ中に最適な薬物高積載量を有することによって、最大化される。
ii)製剤原料(ブピバカインなど)の用量は、組織破壊の程度にしたがって、移植されるスポンジの数及び大きさを変化させることによって、特定の外科手術手順に対して調整され得る。
iii)製剤原料(ブピバカインなど)の用量は、組織破壊部位にしたがって、移植されるスポンジの位置を変化させることによって、特定の外科手術手順に対して調整され得る。
iv)表面積が500cmまででかつ厚みが0.5cmを有するスポンジ中の製剤原料最大用量は、中程度及び大きな外科手術の大多数に対して十分な適用範囲を提供する。表面積が125cmまででかつ厚みが0.5cmを有するスポンジ中のブピバカイン最大用量は、中程度及び大きな外科手術の圧倒的大多数に対して十分な適用範囲を提供する。相当する塩酸ブピバカインの最大用量は200mgであり、これは標準的なボーラス用量をわずかに上回るが、USPブピバカイン注射のために推奨される1日用量(400mg)の範囲内に十分入る。
v)本発明のブピバカイン含有ドラッグデリバリースポンジは、術後の疼痛管理のための多様な治療の一部として意図されており、術後の疼痛の完全な軽減を提供することも救済的な医薬の必要性を完全に排除することも期待されない。予期される結果は、患者の利益の低下及び救済的な医薬に対するより大きな依存の1つであるので、それゆえ、より低い薬物積載量(すなわち、2mg/cm未満)を調べるための臨床試験は、価値が限定的であると考えられる。
本発明は、本明細書中にて説明されかつ例示された実施態様に限定されず、これらの実施態様は、本発明の範囲から逸脱することなく、改変され、修正され得る。本発明を、それらの具体的な実施態様に関して上に説明してきたが、多くの変化、改変、及び変形が、本明細書中に開示された発明の概念から逸脱することなくなされ得ることは明らかである。したがって本発明は、添付されている特許請求の範囲の精神及び広い範囲内にある、このような変化、改変、及び変形の全てを包含することが意図されている。
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Claims (32)

  1. 局所鎮痛、局所麻酔又は神経ブロックを必要とするヒト又は動物における部位にて、局所鎮痛、局所麻酔又は神経ブロックを提供するためのドラッグデリバリーデバイスであって、該デバイスは、繊維状コラーゲンマトリックス;並びにアミノアミド型麻酔薬、アミノエステル型麻酔薬及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの製剤原料を含み、該少なくとも1つの製剤原料は、コラーゲンマトリックス中で実質的に均一に分散しており、かつ投与後少なくとも約1日持続する局所鎮痛、局所麻酔又は神経ブロックの持続時間を提供するのに十分な量にて存在している、ドラッグデリバリーデバイス。
  2. 前記少なくとも1つの製剤原料が、投与後少なくとも約2日間持続する局所鎮痛、局所麻酔又は神経ブロックの持続時間を提供するのに十分な量にて存在する、請求項1に記載のドラッグデリバリーデバイス。
  3. 前記少なくとも1つの製剤原料が、投与後少なくとも約3日間持続する局所鎮痛、局所麻酔又は神経ブロックの持続時間を提供するのに十分な量にて存在する、請求項1又は2に記載のドラッグデリバリーデバイス。
  4. 前記少なくとも1つの製剤原料が、ブピバカイン、レボブピバカイン、リドカイン、メピバカイン、プリロカイン、ロピバカイン、アルチカイン、トリメカイン並びにそれらの塩及びプロドラッグを含む群から選択されるアミノアミド型麻酔薬である、請求項1から3のいずれか1項に記載のドラッグデリバリーデバイス。
  5. 前記少なくとも1つの製剤原料が、ブピバカイン並びにその塩及びプロドラッグから選択されるアミノアミド型麻酔薬である、請求項1から3のいずれか1項に記載のドラッグデリバリーデバイス。
  6. 前記繊維状コラーゲンマトリックスがI型コラーゲンマトリックスである、請求項1から5のいずれか1項に記載のドラッグデリバリーデバイス。
  7. 前記繊維状コラーゲンマトリックスがI型コラーゲンマトリックスであり、かつ前記少なくとも1つの製剤原料が、ブピバカイン並びにその塩及びプロドラッグから選択されるアミノアミド型麻酔薬である、請求項1から4のいずれか1項に記載のドラッグデリバリーデバイス。
  8. 前記ドラッグデリバリーデバイスが複数のコラーゲンスポンジを含み、各コラーゲンスポンジが、約3.6mg/cmから約8.0mg/cmのI型コラーゲン及び約2.0mg/cmから約6.0mg/cmの塩酸ブピバカインを含む、請求項7に記載のドラッグデリバリーデバイス。
  9. 前記ドラッグデリバリーデバイスが複数のコラーゲンスポンジを含み、各コラーゲンスポンジが、約5.6mg/cmのI型コラーゲン及び約4.0mg/cmの塩酸ブピバカインを含む、請求項7又は8に記載のドラッグデリバリーデバイス。
  10. 局所鎮痛、局所麻酔又は神経ブロックを必要とするヒト又は動物において、局所鎮痛、局所麻酔又は神経ブロックを提供するための方法であって、該方法は、繊維状コラーゲンマトリックス;並びにアミノアミド型麻酔薬、アミノエステル型麻酔薬及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの製剤原料を含むドラッグデリバリーデバイスを、局所鎮痛、局所麻酔又は神経ブロックを必要とするヒト又は動物における部位に投与することを含み、該少なくとも1つの製剤原料は、コラーゲンマトリックス中で実質的に均一に分散しており、かつ投与後少なくとも約1日持続する局所鎮痛、局所麻酔又は神経ブロックの持続時間を提供するのに十分な量にて存在している、方法。
  11. 前記少なくとも1つの製剤原料が、投与後少なくとも約2日間持続する局所鎮痛、局所麻酔又は神経ブロックの持続時間を提供するのに十分な量にて存在する、請求項10に記載の方法。
  12. 前記少なくとも1つの製剤原料が、投与後少なくとも約3日間持続する局所鎮痛、局所麻酔又は神経ブロックの持続時間を提供するのに十分な量にて存在する、請求項10又は11に記載の方法。
  13. 前記少なくとも1つの製剤原料が、ブピバカイン、レボブピバカイン、リドカイン、メピバカイン、プリロカイン、ロピバカイン、アルチカイン、トリメカイン並びにそれらの塩及びプロドラッグを含む群から選択されるアミノアミド型麻酔薬である、請求項10から12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記少なくとも1つの製剤原料が、ブピバカイン並びにその塩及びプロドラッグから選択されるアミノアミド型麻酔薬である、請求項10から12のいずれか1項に記載の方法。
  15. 前記繊維状コラーゲンマトリックスがI型コラーゲンマトリックスである、請求項10から14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 前記繊維状コラーゲンマトリックスがI型コラーゲンマトリックスであり、かつ前記少なくとも1つの製剤原料が、ブピバカイン並びにその塩及びプロドラッグから選択されるアミノアミド型麻酔薬である、請求項10から13のいずれか1項に記載の方法。
  17. 前記ドラッグデリバリーデバイスが複数のコラーゲンスポンジを含み、各コラーゲンスポンジが、約3.6mg/cmから約8.0mg/cmのI型コラーゲン及び約2.0mg/cmから約6.0mg/cmの塩酸ブピバカインを含む、請求項16に記載の方法。
  18. 前記ドラッグデリバリーデバイスが複数のコラーゲンスポンジを含み、各コラーゲンスポンジが、約5.6mg/cmのI型コラーゲン及び約4.0mg/cmの塩酸ブピバカインを含む、請求項16又は17に記載の方法。
  19. 開腹術の後のヒトにおいて、局所鎮痛、局所麻酔又は神経ブロックを提供するためである、請求項10から18のいずれか1項に記載の方法。
  20. 整形外科手術、腹部手術、婦人科手術又は胸部外科手術手順の後のヒトにおいて、局所鎮痛、局所麻酔又は神経ブロックを提供するためである、請求項10から18のいずれか1項に記載の方法。
  21. 良性の腹部又は胸部外科手術手順の後のヒトにおいて、局所鎮痛、局所麻酔又は神経ブロックを提供するためである、請求項20に記載の方法。
  22. 腹式子宮摘出術、筋腫摘出術及び付属器の外科手術の後のヒトにおいて、局所鎮痛、局所麻酔又は神経ブロックを提供するためである、請求項21に記載の方法。
  23. 前記ドラッグデリバリーデバイスが複数のコラーゲンスポンジを含み、ここで少なくとも1スポンジが、外科手術部位に隣接して配置され、少なくとも1スポンジが体腔壁における切開にわたって配置され、かつ少なくとも1スポンジが切開周辺の鞘と皮膚の間に配置される、請求項10から22のいずれか1項に記載の方法。
  24. 局所鎮痛、局所麻酔又は神経ブロックを必要とするヒト又は動物において局所鎮痛、局所麻酔又は神経ブロックを提供するための医薬を製造するための、繊維状コラーゲンマトリックス;並びにアミノアミド型麻酔薬、アミノエステル型麻酔薬及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの製剤原料を含む、ドラッグデリバリーシステムの使用であって、該少なくとも1つの製剤原料は、コラーゲンマトリックス中で実質的に均一に分散しており、かつ投与後少なくとも約1日持続する局所鎮痛、局所麻酔又は神経ブロックの持続時間を提供するのに十分な量にて存在しており、該使用が、局所鎮痛、局所麻酔又は神経ブロックを必要とするヒト又は動物における部位に該医薬を投与することを含む、使用。
  25. 前記少なくとも1つの製剤原料が、ブピバカイン、レボブピバカイン、リドカイン、メピバカイン、プリロカイン、ロピバカイン、アルチカイン、トリメカイン並びにそれらの塩及びプロドラッグを含む群から選択されるアミノアミド型麻酔薬であり、ここで、前記少なくとも1つの製剤原料が任意に、ブピバカイン並びにその塩及びプロドラッグから選択されるアミノアミド型麻酔薬である、請求項24に記載の使用。
  26. 前記ドラッグデリバリーデバイスが複数のコラーゲンスポンジを含み、ここで少なくとも1スポンジが、外科手術部位に隣接して配置され、少なくとも1スポンジが体腔壁における切開にわたって配置され、かつ少なくとも1スポンジが切開周辺の鞘と皮膚の間に配置される、請求項24又は25に記載の使用。
  27. 前記ドラッグデリバリーデバイスが複数のコラーゲンスポンジを含み、各コラーゲンスポンジが、約3.6mg/cmから約8.0mg/cmのI型コラーゲン及び約2.0mg/cmから約6.0mg/cmの塩酸ブピバカインを含む、請求項25に記載の使用。
  28. 前記ドラッグデリバリーデバイスが複数のコラーゲンスポンジを含み、各コラーゲンスポンジが、約5.6mg/cmのI型コラーゲン及び約4.0mg/cmの塩酸ブピバカインを含む、請求項25又は27に記載の使用。
  29. 開腹術の後のヒトにおいて、局所鎮痛、局所麻酔又は神経ブロックを提供するためである、請求項24から28のいずれか1項に記載の使用。
  30. 整形外科手術、腹部手術、婦人科手術又は胸部外科手術手順の後のヒトにおいて、局所鎮痛、局所麻酔又は神経ブロックを提供するためである、請求項24から28のいずれか1項に記載の使用。
  31. 良性の腹部又は胸部外科手術手順の後のヒトにおいて、局所鎮痛、局所麻酔又は神経ブロックを提供するためである、請求項30に記載の使用。
  32. 腹式子宮摘出術、筋腫摘出術及び付属器の外科手術の後のヒトにおいて、局所鎮痛、局所麻酔又は神経ブロックを提供するためである、請求項31に記載の使用。
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