JP2010508301A - 5−置換及び6−置換ベンゾイミダゾールチオフェン化合物 - Google Patents

5−置換及び6−置換ベンゾイミダゾールチオフェン化合物 Download PDF

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チャン,ムイ
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Abstract

本発明は、5-置換及び6-置換ベンゾイミダゾールチオフェン化合物、該化合物を含む医薬組成物、該化合物を調製する方法、及び、医薬としてのそれらの使用に関する。

Description

本発明は、新規ベンゾイミダゾールチオフェン化合物、該化合物を含んでいる医薬製剤、及び、治療における該化合物の使用に関する。
ポロ様キナーゼ(「PLK」)は、細胞周期のプロセスの調節において重要な役割を果たす進化的に保存されたセリン/トレオニンキナーゼである。PLKは、酵母から哺乳動物細胞に至るまでのさまざまな生物で、有糸***への侵入及び有糸***からの脱出においてある役割を果たしている。PLKには、PLK1、PLK2、PLK3及びPLK4などがある。
PLK1の過剰発現は、新生物細胞(これは、癌を包含する)と強く関連しているように思われる。公表された研究によって、肺及び***の腫瘍の>80%ではPLK1 RNAが高レベルに発現されているが、隣接する正常組織では殆ど発現されていないか又は全く発現されていないことが示された。数種類の癌において、PLKの発現と組織学的グレードと予後の間に相関があることが、幾つかの研究によって示された。卵巣癌及び子宮内膜癌の組織学的グレードとPLK陽性細胞の割合(%)の間に、有意な相関が見出された(P<0.001)。これらの研究は、PLKが浸潤性子宮内膜癌細胞で強く発現されること、及び、これが子宮内膜癌の悪性度及び増殖の程度を反映し得ることを示した。RT-PCR分析を用いて、食道癌の97%及び胃癌の73%で、対応する正常組織と比較してPLKの過剰発現が検出された。さらに、食道癌でPLKの過剰発現のレベルが高い患者は、PLK過剰発現のレベルが低い患者と比較して、予後が有意に悪いグループに相当した。頭部癌及び頚部癌において、PLK1のmRNA発現の上昇が大部分の腫瘍で観察された;PLK1発現のレベルが中程度である患者がPLK1発現のレベルが高い患者よりも長期間生存したことが、カプラン・マイヤー分析によって示された。非小細胞肺癌を患っている患者の分析において、PLK1発現に関して同様の結果を示された。
PCT公開第WO2004/014899(SmithKline Beecham)には、式(I):
Figure 2010508301
[式中、
R1は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、-C(O)R7、-CO2R7、-C(O)NR7R8、-C(O)N(R7)OR8、-C(O)N(R7)-R2-OR8、-C(O)N(R7)-Ph、-C(O)N(R7)-R2-Ph、-C(O)N(R7)C(O)R8、-C(O)N(R7)CO2R8、-C(O)N(R7)C(O)NR7R8、-C(O)N(R7)S(O)2R8、-R2-OR7、-R2-O-C(O)R7、-C(S)R7、-C(S)NR7R8、-C(S)N(R7)-Ph、-C(S)N(R7)-R2-Ph、-R2-SR7、-C(=NR7)NR7R8、-C(=NR7)N(R8)-Ph、-C(=NR7)N(R8)-R2-Ph、-R2-NR7R8、-CN、-OR7、-S(O)fR7、-S(O)2NR7R8、-S(O)2N(R7)-Ph、-S(O)2N(R7)-R2-Ph、-NR7R8、N(R7)-Ph、-N(R7)-R2-Ph、-N(R7)-SO2R8及びHetからなる群から選択され;
Phは、ハロ、アルキル、-OH、-R2-OH、-O-アルキル、-R2-O-アルキル、-NH2、-N(H)アルキル、-N(アルキル)2、-CN及び-N3からなる群から選択される置換基で場合により1回〜3回置換されていてもよいフェニルであり;
Hetは、N、O及びSから選択される1個、2個、3個若しくは4個のヘテロ原子を有する5-7員のヘテロ環、又は、N、O及びSから選択される1個、2個、3個若しくは4個のヘテロ原子を有する5〜6員のヘテロアリールであり、ここで、これらは、それぞれ、ハロ、アルキル、オキソ、-OH、-R2-OH、-O-アルキル、-R2-O-アルキル、-NH2、-N(H)アルキル、-N(アルキル)2、-CN及び-N3からなる群から選択される置換基で場合により1回又は2回置換されていてもよく;
Q1は、式〔-(R2)a-(Y1)b-(R2)c-R3〕で表される基であり;
a、b及びcは、同一であるか又は異なっていて、それぞれ独立に、0又は1であって、a又はbの少なくとも一方は1であり;
nは、0、1、2、3又は4であり;
Q2は、式〔-(R2)aa-(Y2)bb-(R2)cc-R4〕で表される基であるか、又は、
隣接する2つのQ2基は、アルキル、アルケニル、-OR7、-S(O)fR7及び-NR7R8からなる群から選択されて、それらが結合している炭素原子と一緒に、C5-6シクロアルキル、C5-6シクロアルケニル、フェニル、5-7員のヘテロ環(ここで、該ヘテロ環は、N、O及びSから選択される1個又は2個のヘテロ原子を有している)又は5〜6員のヘテロアリール(ここで、該ヘテロアリールは、N、O及びSから選択される1個又は2個のヘテロ原子を有している)を形成し;
aa、bb及びccは、同一であるか又は異なっていて、それぞれ独立に、0又は1であり;
各Y1及びY2は、同一であるか又は異なっていて、独立に、-O-、-S(O)f-、-N(R7)-、-C(O)-、-OC(O)-、-CO2-、-C(O)N(R7)-、-C(O)N(R7)S(O)2-、-OC(O)N(R7)-、-OS(O)2-、-S(O)2N(R7)-、-S(O)2N(R7)C(O)-、-N(R7)S(O)2-、-N(R7)C(O)-、-N(R7)CO2-及び-N(R7)C(O)N(R7)-からなる群から選択され;
各R2は、同一であるか又は異なっていて、独立に、アルキレン、アルケニレン及びアルキニレンからなる群から選択され;
各R3及びR4は、同一であるか又は異なっていて、それぞれ独立に、H、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、-C(O)R7、-C(O)NR7R8、-CO2R7、-C(S)R7、-C(S)NR7R8、-C(=NR7)R8、-C(=NR7)NR7R8、-CR7=N-OR7、-OR7、-S(O)fR7、-S(O)2NR7R8、-NR7R8、-N(R7)C(O)R8、-N(R7)S(O)2R8、-NO2、-CN、-N3及び式(ii):
Figure 2010508301
で表される基からなる群から選択され;
ここで、環Aは、C5-10シクロアルキル、C5-10シクロアルケニル、アリール、5-10員のヘテロ環(ここで、該ヘテロ環は、N、O及びSから選択される1個、2個又は3個のヘテロ原子を有している)及び5-10員のヘテロアリール(ここで、該ヘテロアリールは、N、O及びSから選択される1個、2個又は3個のヘテロ原子を有している)からなる群から選択され;
各dは、0又は1であり;
eは、0、1、2、3又は4であり;
各R6は、同一であるか又は異なっていて、独立に、H、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、Ph、Het、-CH(OH)-R2-OH、-C(O)R7、-CO2R7、-CO2-R2-Ph、-CO2-R2-Het、-C(O)NR7R8、-C(O)N(R7)C(O)R7、-C(O)N(R7)CO2R7、-C(O)N(R7)C(O)NR7R8、-C(O)N(R7)S(O)2R7、-C(S)R7、-C(S)NR7R8、-C(=NR7)R8、-C(=NR7)NR7R8、-CR7=N-OR8、=O、-OR7、-OC(O)R7、-OC(O)Ph、-OC(O)Het、-OC(O)NR7R8、-O-R2-S(O)2R7、-S(O)fR7、-S(O)2NR7R8、-S(O)2Ph、-S(O)2Het、-NR7R8、-N(R7)C(O)R8、-N(R7)CO2R8、-N(R7)-R2-CO2R8、-N(R7)C(O)NR7R8、-N(R7)-R2-C(O)NR7R8、-N(R7)C(O)Ph、-N(R7)C(O)Het、-N(R7)Ph、-N(R7)Het、-N(R7)C(O)NR7-R2-NR7R8、-N(R7)C(O)N(R7)Ph、-N(R7)C(O)N(R7)Het、-N(R7)C(O)N(R7)-R2-Het、-N(R7)S(O)2R8、-N(R7)-R2-S(O)2R8、-NO2、-CN及び-N3からなる群から選択され;
ここで、bが1であり且つcが0であるとQ1が定義された場合、R3は、ハロ、-C(O)R7、-C(O)NR7R8、-CO2R7、-C(S)R7、-C(S)NR7R8、-C(=NR7)R8、-C(=NR7)NR7R8、-CR7=N-OR7、-OR7、-S(O)fR7、-S(O)2NR7R8、-NR7R8、-N(R7)C(O)R8、-N(R7)S(O)2R8、-NO2、-CN又は-N3ではなく;
ここで、bbが1であり且つccが0であるとQ2が定義された場合、R4は、ハロ、-C(O)R7、-C(O)NR7R8、-CO2R7、-C(S)R7、-C(S)NR7R8、-C(=NR7)R8、-C(=NR7)NR7R8、-CR7=N-OR7、-OR7、-S(O)fR7、-S(O)2NR7R8、-NR7R8、-N(R7)C(O)R8、-N(R7)S(O)2R8、-NO2、-CN又は-N3ではなく;
R5は、H、ハロ、アルキル、シクロアルキル、OR7、-S(O)fR7、-NR7R8、-NHC(O)R7、-NHC(O)NR7R8及び-NHS(O)2R7からなる群から選択され;
fは、0、1又は2であり;及び、
各R7及び各R8は、同一であるか又は異なっていて、それぞれ独立に、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル及びシクロアルケニルからなる群から選択され;
ここで、R1が-CO2CH3であり且つnが0である場合、Q1は-OHではない]
で表される新規ベンゾイミダゾールチオフェン化合物又はその製薬上許容される塩が開示されている。
上記化合物を含有する医薬組成物、上記化合物の製造方法及び上記化合物を用いてPLKが介在している状態を治療する方法も同様に開示されている。
WO2004/014899
本発明の第1の態様によれば、式(I):
Figure 2010508301
[式中、
R1は、F、Cl、CH3又はCF3であり;
環Aは、フェニル及び5〜6員のヘテロアリール(ここで、該ヘテロアリールは、N、O及びSから選択される1個又は2個のヘテロ原子を有している)から選択され;
Yは、-O-、-N(R4)-、-N(R4)-C(O)-及び-N(R4)-R2-OC(O)-から選択され;
R2は、-OHで場合により1置換されていてもよい直鎖又は分枝鎖のC1-4アルキレンであり;
R3は、-OR4、-N(R4)2及びHetから選択され;
各R4は、同一であるか又は異なっていて、独立に、H又はC1-4アルキルであり;
Hetは、5〜6員のヘテロ環(ここで、該ヘテロ環は、N、O及びSから選択される1個又は2個のヘテロ原子を有しており、並びに、ハロ、C1-4アルキル、オキソ、-OR4、-C(O)R4、-C(O)2R4、-SO2R4-及びCNから選択される1又は2の置換基で場合により置換されていてもよい)である]
で表される化合物及びその製薬上許容される塩が提供される。
第2の態様において、式(I-1)において表されている立体化学を有する式(I)で表されるエナンチオマー的に富化された化合物が提供される。
Figure 2010508301
ここで、*はキラル炭素を示しており、及び、全ての可変部分は上記で定義されているとおりである。
本発明の第4の態様において、式(I)又は式(I-1)で表される化合物又はそれらの製薬上許容される塩を含んでいる医薬組成物が提供される。一実施形態では、該医薬組成物は、製薬上許容される担体、希釈剤又は賦形剤をさらに含んでいる。
本発明の第5の態様において、PLKが介在する状態を治療することが必要な哺乳動物における該状態を治療する方法が提供される。該方法は、当該哺乳動物に、治療有効量の式(I)又は式(I-1)で表される化合物又はその製薬上許容される塩を投与することを含む。
本発明の第6の態様において、感受性新生物を治療することが必要な哺乳動物における感受性新生物を治療する方法が提供される。該方法は、当該哺乳動物に、治療有効量の式(I)又は式(I-1)で表される化合物又はその製薬上許容される塩を投与することを含む。そのような感受性新生物は、乳癌、大腸癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、前立腺癌、子宮内膜癌、胃癌、黒色腫、膵臓癌、卵巣癌、扁平上皮癌、頭部及び頚部の癌、食道癌、肝細胞癌並びに血液学的悪性腫瘍(例えば、急性白血病及び侵攻性リンパ腫)からなる群から選択され得る。特定の一態様において、乳癌を治療することが必要な哺乳動物における乳癌を治療する方法が提供され、ここで、該方法は、当該哺乳動物に、治療有効量の式(I)又は式(I-1)で表される化合物又はその製薬上許容される塩を投与することを含む。特定の一態様において、卵巣癌を治療することが必要な哺乳動物における卵巣癌を治療する方法が提供され、ここで、該方法は、当該哺乳動物に、治療有効量の式(I)又は式(I-1)で表される化合物又はその製薬上許容される塩を投与することを含む。特定の一態様において、非小細胞肺癌を治療することが必要な哺乳動物における非小細胞肺癌を治療する方法が提供され、ここで、該方法は、当該哺乳動物に、治療有効量の式(I)又は式(I-1)で表される化合物又はその製薬上許容される塩を投与することを含む。特定の一態様において、前立腺癌を治療することが必要な哺乳動物における前立腺癌を治療する方法が提供され、ここで、該方法は、当該哺乳動物に、治療有効量の式(I)又は式(I-1)で表される化合物又はその製薬上許容される塩を投与することを含む。特定の一態様において、血液学的悪性腫瘍を治療することが必要な哺乳動物における血液学的悪性腫瘍を治療する方法が提供され、ここで、該方法は、当該哺乳動物に、治療有効量の式(I)又は式(I-1)で表される化合物又はその製薬上許容される塩を投与することを含む。
本発明の第7の態様において、不適切な細胞増殖を特徴とする状態を治療する方法が提供される。該方法は、当該細胞を、治療有効量の式(I)又は式(I-1)で表される化合物又はその製薬上許容される塩と接触させることを含む。
第8の態様において、本発明は、細胞の増殖を阻害する方法を提供する。該方法は、当該細胞を、特定量の式(I)又は式(I-1)で表される化合物又はその製薬上許容される塩と接触させることを含む。
別の態様において、本発明は、細胞内の有糸***を阻害する方法を提供する。該方法は、当該細胞に、特定量の式(I)又は式(I-1)で表される化合物又はその製薬上許容される塩を投与することを含む。
別の態様において、本発明は、環Aが5位に存在している式(I)で表される化合物(即ち、式(I-5)で表される化合物)又はその製薬上許容される塩を調製する方法を提供する。該方法は、以下のいずれかを含む:
調製方法A
式(VII-5):
Figure 2010508301
[式中、Meはメチルであり、Xはハロゲンであり、及び、他の全ての可変部分は上記で定義されているとおりである]
で表される化合物を式(H-Y-R2-R3)で表される化合物と反応させて、式(I-5):
Figure 2010508301
[式中、全ての可変部分は上記で定義されているとおりである]
で表される化合物を調製すること;
又は、
調製方法B
式(VI-5):
Figure 2010508301
[式中、全ての可変部分は上記で定義されているとおりである]
で表される化合物を式(VIII-A):
Figure 2010508301
[式中、Zは、ボロン酸、ボロン酸エステル、トリフルオロホウ酸塩、スタンナン又はハロゲン化亜鉛であり、及び、他の全ての可変部分は上記で定義されているとおりである]
で表されるアリール金属試薬と反応させて、式(I-5)で表される化合物を調製すること。
別の態様において、本発明は、式(I)で表される化合物又はその製薬上許容される塩を調製する方法を提供する。該方法は、以下のいずれかを含む:
調製方法A
式(VII-5,6):
Figure 2010508301
[式中、Xはハロゲンであり、及び、他の全ての可変部分は上記で定義されているとおりであり、環Aはベンゾイミダゾールの5位又は6位に結合している]
で表される化合物を式(H-Y-R2-R3)で表される化合物と反応させて、式(I)で表される化合物を調製すること;
又は、
調製方法B
式(VI-5,6):
Figure 2010508301
[式中、全ての可変部分は上記で定義されているとおりであり、Brはベンゾイミダゾールの5位又は6位に結合している]
で表される化合物を式(VIII-A):
Figure 2010508301
[式中、Zは、ボロン酸、ボロン酸エステル、トリフルオロホウ酸塩、スタンナン又はハロゲン化亜鉛であり、及び、他の全ての可変部分は上記で定義されているとおりである]
で表されるアリール金属試薬と反応させて、式(I)で表される化合物を調製すること。
別の態様において、本発明は、治療において使用するための式(I)又は式(I-1)で表される化合物又はその製薬上許容される塩を提供する。
さらに別の態様において、本発明は、PLKが介在する状態を治療することが必要な哺乳動物における該状態の治療において使用するための式(I)又は式(I-1)で表される化合物又はその製薬上許容される塩を提供する。
さらに別の態様において、本発明は、哺乳動物における感受性新生物の治療において使用するための式(I)又は式(I-1)で表される化合物又はその製薬上許容される塩を提供する。特定の一態様において、哺乳動物における乳癌、卵巣癌、非小細胞肺癌、前立腺癌又は血液学的悪性腫瘍の治療において使用するための式(I)又は式(I-1)で表される化合物又はその製薬上許容される塩が提供される。
別の態様において、本発明は、不適切な細胞増殖を特徴とする状態の治療において使用するための式(I)又は式(I-1)で表される化合物又はその製薬上許容される塩を提供する。
さらに別の態様において、本発明は、細胞の増殖の阻害において使用するための式(I)又は式(I-1)で表される化合物又はその製薬上許容される塩を提供する。
さらに別の態様において、本発明は、細胞内の有糸***の阻害において使用するための式(I)又は式(I-1)で表される化合物又はその製薬上許容される塩を提供する。
さらに別の態様において、本発明は、哺乳動物におけるPLKが介在する状態を治療するための薬剤を調製するための式(I)又は式(I-1)で表される化合物又はその製薬上許容される塩の使用を提供する。
さらに別の態様において、本発明は、哺乳動物における感受性新生物(例えば、乳癌、大腸癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、前立腺癌、子宮内膜癌、胃癌、黒色腫、膵臓癌、卵巣癌、扁平上皮癌、頭部及び頚部の癌、食道癌、肝細胞癌並びに血液学的悪性腫瘍)を治療するための薬剤を調製するための式(I)又は式(I-1)で表される化合物又はその製薬上許容される塩の使用を提供する。
さらに別の態様において、本発明は、哺乳動物における乳癌、卵巣癌、非小細胞肺癌、前立腺癌又は血液学的悪性腫瘍を治療するための薬剤を調製するための式(I)又は式(I-1)で表される化合物又はその製薬上許容される塩の使用を提供する。
さらに別の態様において、本発明は、哺乳動物における不適切な細胞増殖を特徴とする状態を治療するための式(I)又は式(I-1)で表される化合物又はその製薬上許容される塩の使用を提供する。
さらに別の態様において、本発明は、細胞の増殖を阻害するための薬剤を調製するための式(I)又は式(I-1)で表される化合物又はその製薬上許容される塩の使用を提供する。
さらに別の態様において、本発明は、細胞内の有糸***を阻害するための薬剤を調製するための式(I)又は式(I-1)で表される化合物又はその製薬上許容される塩の使用を提供する。
さらに別の態様において、本発明は、哺乳動物における感受性新生物(例えば、乳癌、大腸癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、前立腺癌、子宮内膜癌、胃癌、黒色腫、膵臓癌、卵巣癌、扁平上皮癌、頭部及び頚部の癌、食道癌、肝細胞癌並びに血液学的悪性腫瘍)の治療において使用するための、式(I)又は式(I-1)で表される化合物又はその製薬上許容される塩を含んでいる医薬組成物を提供する。
本明細書中で使用されている場合、「本発明の化合物」は、アモルファス、非晶質、結晶質、任意の特定の形態(morphic form)、溶媒和物(これは、特に、水和物を包含する)及びエナンチオマー的に富化された形態(例えば、エナンチオマー的に富化された式(I-1)で表される化合物)を包含する、任意の形態にある式(I)で表される化合物又はその製薬上許容される塩を意味する。
同様に、単離可能な中間体、例えば、(とりわけ、下記に記載されている)式(III-5)、式(IV-5)、式(V-5)、式(VI-5,6)、式(VII-5,6)、式(XVIII)、式(IXX)、式(XX)、式(XXII)、式(XXIV)、式(XXV)及び式(XXVI)で表される化合物に関し、表現「式(数字)で表される化合物」は、任意の形態にある当該式で表される化合物及び製薬上許容される塩を意味する。
本明細書中で使用されている場合、用語「アルキル」(及び、「アルキレン」)は、1個〜8個の炭素原子を含んでいる直鎖又は分枝鎖の炭化水素鎖を意味する。本明細書中で使用されている「アルキル」の例としては、限定するものではないが、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル及びn-ペンチルなどを挙げることができる。本明細書中で使用されている「アルキレン」としては、限定するものではないが、メチレン、エチレン、プロピレン、イソプロピレン、ブチレン及びイソブチレンなどを挙げることができる。
用語「ハロ」又は「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素を意味する。
本明細書中で使用されている用語「オキソ」は、炭化水素環(即ち、シクロアルケニル又はアリール)、ヘテロ環式環又はヘテロアリール環の炭素原子又はヘテロ原子(N又はS)に直接結合している基=Oを意味する。従って、オキソとしては、-N-オキシド、スルホン及びスルホキシド(ここで、当該N又はSは、ヘテロ環式環又はヘテロアリール環の原子である)などがある。
用語「ヘテロ環」及び「ヘテロ環式」は、指定された数の員を有し、N、O及びSから選択される(ヘテロ原子について異なった数が指定されていない限り)1個、2個又は3個のヘテロ原子を含んでいる飽和又は不飽和の単環式非芳香族環基を意味する。特定のヘテロ環式基の例としては、限定するものではないが、テトラヒドロフラン、ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、ピラン、チエタン、1,4-ジオキサン、1,3-ジオキサン、1,3-ジオキソラン、ピペリジン、ピペラジン、テトラヒドロピリミジン、ピロリジン、モルホリン、チオモルホリン、チアゾリジン、オキサゾリジン、テトラヒドロチオピラン及びテトラヒドロチオフェンなどを挙げることができる。
用語「ヘテロアリール」は、指定された数の員を有し、N、O及びSから選択される(ヘテロ原子について異なった数が指定されていない限り)1個、2個又は3個のヘテロ原子を含んでいる芳香族単環式基を意味する。特定のヘテロアリール基の例としては、限定するものではないが、フラン、チオフェン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、テトラゾール、チアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、イソチアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピラジン及びピリミジンなどを挙げることができる。
ヘテロ環式基及びヘテロアリール基に関連する用語「員(member)」(及び、その変形、例えば、「員の(membered)」)は、当該環を形成している全原子(炭素原子及びヘテロ原子(N、O及び/又はS))を意味する。従って、6員のヘテロ環式環の例はピペリジンであり、6員のヘテロアリール環の例はピリジンである。
本明細書中で使用されている場合、用語「場合により(optionally)」は、それに続いて記載されている事象が起こっても又は起こらなくてもよいことを意味し、該用語は、起こる事象と起こらない事象の両方を包含する。
本発明は、式(I):
Figure 2010508301
[式中、
R1は、F、Cl、CH3又はCF3であり;
環Aは、フェニル及び5〜6員のヘテロアリール(ここで、該ヘテロアリールは、N、O及びSから選択される1個又は2個のヘテロ原子を有している)から選択され;
Yは、-O-、-N(R4)-、-N(R4)-C(O)-及び-N(R4)-R2-OC(O)-から選択され;
R2は、-OHで場合により1置換されていてもよい直鎖又は分枝鎖のC1-4アルキレンであり;
R3は、-OR4、-N(R4)2及びHetから選択され;
各R4は、同一であるか又は異なっていて、独立に、H又はC1-4アルキルであり;
Hetは、5〜6員のヘテロ環(ここで、該ヘテロ環は、N、O及びSから選択される1個又は2個のヘテロ原子を有しており、並びに、ハロ、C1-4アルキル、オキソ、-OR4、-C(O)R4、-C(O)2R4、-SO2R4-及びCNから選択される1又は2の置換基で場合により置換されていてもよい)である]
で表される化合物及びその製薬上許容される塩を提供する。
置換されている環A部分:
Figure 2010508301
は、式(I)中で番号が付けられているベンゾイミダゾールの5位又は6位のいずれかに結合し得る。
従って、本発明は、式(I-5)及び式(I-6):
Figure 2010508301
[式中、全ての可変部分は上記で定義されているとおりである]
で表される化合物を包含する。
一実施形態では、式(I)で表される化合物は、環Aが、フェニルであるか、又は、N、O及びSから選択される1個若しくは2個のヘテロ原子を有する6員ヘテロアリール環であると定義される。特定の実施形態では、式(I)で表される化合物は、環Aが、フェニルであるか、又は、1個若しくは2個のNを有する6員ヘテロアリール環であると定義される。好ましい実施形態では、環Aは、フェニル、ピリジン又はピリミジンである。一実施形態では、環Aはピリジンである。特定の別実施形態では、環Aはピリミジンである。
置換されている環A部分の特定の例としては、限定するものではないが、以下のものを挙げることができる:
Figure 2010508301
ここで、全ての可変部分は上記で定義されているとおりである。
一実施形態では、式(I)で表される化合物は、Yが-N(R4)-及び-N(R4)-C(O)-から選択されると定義される。特定の一実施形態では、Yは、-N(H)-、-N(CH3)-又は-N(H)-C(O)-である。特定の別の実施形態では、Yは、-N(H)-又は-N(CH3)-である。好ましい別の実施形態では、Yは-N(H)-である。
一実施形態では、式(I)で表される化合物は、R2が-OHで場合により1置換されていてもよい直鎖又は分枝鎖のC1-3アルキレンであると定義される。Yが-N(R4)-C(O)-である特定の一実施形態では、R2はメチレンである。Yが-N(R4)-である好ましい一実施形態では、R2は、それぞれ-OHで場合により1置換されていてもよいエチレン、プロピレン又はイソプロピレンである。
一実施形態では、式(I)で表される化合物は、R3が-N(R4)2又はHetであると定義される。好ましい一実施形態では、R3は、-NH2、-N(H)(CH3)又は-N(CH3)2である。特定の別の実施形態では、R3は、ハロ、C1-4アルキル、オキソ、-OR4、-C(O)R4、-C(O)2R4、-SO2R4及び-CNから選択される置換基で場合により1回又は2回置換されていてもよいHetであり;N-オキシド、N-メチル、N-エチルなどを包含する。R3がHetである好ましい一実施形態では、Hetは、ピロリジン、ピペリジン又はモルホリン(ここで、これらは、それぞれ、C1-4アルキル、オキソ、-OR4、-C(O)R4、-SO2R4-又はCNで場合により1回又は2回置換されていてもよい)であり;N-オキシド、N-メチル、N-エチルなどを包含する。R3がHetである好ましい実施形態では、Hetは、ピロリジン、ピペリジン又はモルホリン(ここで、これらは、それぞれ、C1-4アルキルで場合により1回又は2回置換されていてもよい)であり;N-メチル、N-エチルなどを包含する。
Y-R2-R3部分の特定の例としては、限定するものではないが、以下のものを挙げることができる:
Figure 2010508301
ここで、R5は、-O-、-N(H)-及び-N(CH3)-から選択され、及び、他の全ての可変部分は上記で定義されているとおりである。
本発明の化合物は立体異性体の形態で存在する(例えば、それらは、1個以上のキラル炭素原子又は不斉炭素原子を含んでいる)。用語「キラル」は、その鏡像の上に重ね合わせることができない分子を意味する。用語「アキラル」は、その鏡像の上に重ね合わせることができる分子を意味する。
用語「立体異性体」は、共通の化学構造を有するが原子又は基の空間配置が異なる化合物を意味する。立体異性体は、光学異性体又は幾何異性体であり得る。光学異性体には、エナンチオマーとジアステレオマーの両者が包含される。「エナンチオマー」は、キラル炭素原子を含んでいる1対の光学異性体の一方であって、その分子配置は左手及び右手(キラル)の形態を有する。即ち、「エナンチオマー」は、ある化合物の1対の光学異性体において、それらが互いの重ね合わせることができない鏡像であるもののそれぞれを意味する。「ジアステレオマー」は、2つ以上の非対称中心を有する化合物の1対の光学異性体において、それらの分子が互いの鏡像でないものの一方である。キラル中心の命名法は、(R)-(S)系に支配される。特定の化合物がこの系によって「R」エナンチオマーと称されるか又は「S」エナンチオマーと称されるかは、当該キラル炭素に結合している原子又は基の種類に依存する。
エナンチオマーは、平面偏光に対するそれらの挙動(即ち、それらの光学活性)の点で異なっている。平面偏光を時計回りの方向に回転させるエナンチオマーは右旋性と称され、そして記号「d」で示されるか又は正回転に対して「(+)」で示される。平面偏光を反時計回りの方向に回転させるエナンチオマーは左旋性と称され、そして記号「l」で示されるか又は負回転に対して「(-)」で示される。エナンチオマーの立体配置とそれらが平面偏光を回転させる方向との間に相関関係はない。(R)及び(S)の呼称と平面偏光の回転方向との間にも、必然的な相関関係はない。本発明化合物のエナンチオマーの光学活性又は平面偏光回転方向は、慣習的な方法を用いて決定することができる。
本発明の化合物は、ラセミ形態、エナンチオマー的に富化された形態又はエナンチオマー的に純粋な形態であり得る。本明細書中で用いられている用語「ラセミ化合物」及び「ラセミ混合物」は、特定の化合物の光学異性体(例えば、エナンチオマー又はジアステレオマー)の等しい比率(即ち、50:50の比率)の混合物を意味する。
本明細書中で用いられている用語「エナンチオマー的に富化された」は、一方のエナンチオマーの量がもう一方のエナンチオマーの量より多い光学異性体の混合物を含んでいる調製物を意味する。従って、「エナンチオマー的に富化された」は、エナンチオマーの比率が50:50より大きい光学異性体の混合物を意味する。エナンチオマー的に富化された化合物は、一方のエナンチオマーをもう一方のエナンチオマーと比較して50重量%より多く含んでいる。例えば、エナンチオマー的に富化された5-[5-(2-{[2-(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}-4-ピリジニル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}-オキシ)-2-チオフェンカルボキサミドは、その化合物の(S)-エナンチオマーと比較して50重量%より多い(R)-エナンチオマーを含んでいる組成物を意味する。一実施形態では、エナンチオマー的に富化された化合物は、一方のエナンチオマーをもう一方のエナンチオマーと比較して少なくとも75重量%含んでいる。別の実施形態では、エナンチオマー的に富化された化合物は、一方のエナンチオマーをもう一方のエナンチオマーと比較して少なくとも80重量%含んでいる。特定の一実施形態では、エナンチオマー的に富化された化合物は、一方のエナンチオマーをもう一方のエナンチオマーと比較して少なくとも85重量%含んでいる。本発明は、式(I)で表される各化合物のエナンチオマー的に富化された形態を包含する。
本明細書中で用いられている用語「エナンチオマー的に純粋な」は、一方のエナンチオマーをもう一方のエナンチオマーと比較して少なくとも90重量%含んでいるエナンチオマー的に富化された化合物を意味する。一実施形態では、エナンチオマー的に純粋な化合物は、一方のエナンチオマーをもう一方のエナンチオマーと比較して少なくとも95重量%含んでいる。特定の一実施形態では、エナンチオマー的に純粋な化合物は、一方のエナンチオマーをもう一方のエナンチオマーと比較して少なくとも99重量%含んでいる。本発明は、式(I)で表される各化合物のエナンチオマー的に富化された形態を包含する。
一実施形態において、本発明は、式(I-1):
Figure 2010508301
[式中、*はキラル炭素を示しており、及び、全ての可変部分は上記で定義されているとおりである]
において表されている立体化学を有する、式(I)で表されるエナンチオマー的に富化された化合物を提供する。
式(I)の化合物を定義する可変部分について上記で記載した本発明の特定の上記実施形態は、式(I-1)で表される化合物にも等しく適用される。さらに、本発明が上記で定義されている特定の基の全ての組合せ及びサブセットを包含するということは、理解されるべきである。
本発明の範囲内にある化合物の特定例には、下記実施例において挙げられている化合物及びその製薬上許容される塩が包含される。
本発明の化合物がそれらの製薬上許容される塩の形態で利用され得るということは、当業者には理解されるであろう。本発明の化合物(又は、それらのエナンチオマー的に富化された形態若しくはエナンチオマー的に純粋な形態)の製薬上許容される塩には、製薬上許容される無機又は有機の酸又は塩基から形成された慣習的な塩及び第四級アンモニウム塩が包含される。適切な酸塩のより特定的な例としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸、過塩素酸、フマル酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ギ酸、乳酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、パルモ酸、マロン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸(メシラート)、ナフタレン-2-スルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ヒドロキシナフトエ酸、ヨウ化水素酸、リンゴ酸、ステロ酸(steroic)、タンニン酸などを挙げることができる。
シュウ酸などの他の酸は、それら自体は製薬上許容されないが、本発明の化合物及びそれらの製薬上許容される塩を得る際の中間体として有用な塩の調製において有用であり得る。適切な塩基塩のより特定的な例としては、ナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩、カルシウム塩、亜鉛塩、N,N'-ジベンジルエチレンジアミン塩、クロロプロカイン塩、コリン塩、ジエタノールアミン塩、エチレンジアミン塩、N-メチルグルカミン塩及びプロカイン塩などを挙げることができる。
本発明化合物の製薬上許容される塩を調製する方法は、当技術分野において慣習的なものである。例えば、「Burger's Medicinal Chemistry And Drug Discovery 5th Edition, Vol 1: Principles And Practice」を参照されたい。
当業者には明らかなように、本発明の化合物を調製するための下記調製方法において、特定の中間体は、代替的に、当該化合物の製薬上許容される塩の形態であることができる。本発明化合物の調製方法において用いられる任意の中間体に適用される用語は、本発明の化合物に関して上記で示したのと同じ意味を有する。そのような中間体の製薬上許容される塩を調製する方法は、当技術分野では知られており、そして、本発明化合物の製薬上許容される塩を調製する方法と同様である。
本発明の化合物は、典型的には、PLK(特に、PLK1)の阻害薬である。「PLK阻害薬」は、下記の実施例に記載されているPLK阻害アッセイにおいて6より大きいpIC50を示す化合物を意味するか、又は、下記の実施例に記載されているCell-Titer Glo細胞増殖阻害アッセイ又はMethlene Blue細胞増殖阻害アッセイにおいて10μM未満のIC50を示す化合物を意味する;より特定の実施形態では、該PLK阻害薬は、下記実施例に記載されている方法を用いて、PLK阻害アッセイにおいて7より大きいpIC50を示すか、又は、Cell-Titer Glo細胞増殖阻害アッセイ若しくはMethlene Blue細胞増殖阻害アッセイにおいて1μM未満のIC50を示す。
本発明は、さらに、動物(例えば、哺乳動物、例えば、ヒト)の薬物療法において使用するための本発明化合物を提供する。特に、本発明は、PLK(特に、PLK1)が介在する状態の治療において使用するための化合物を提供する。より特定的には、本発明は、PLKが介在する状態(ここで、該状態は、PLK阻害薬(特に、PLK1阻害薬)を用いた治療に対して感受性を示す)の治療において使用するための化合物を提供する。本発明は、さらにまた、感受性新生物(下記で定義されている)の治療において使用するための化合物を提供する。特に、本発明は、さまざまな固形腫瘍(ここで、固形腫瘍としては、限定するものではないが、乳癌、卵巣癌、非小細胞肺癌及び前立腺癌などがある)及び血液学的悪性腫瘍(ここで、血液学的悪性腫瘍としては、限定するものではないが、急性白血病及び侵攻性リンパ腫などがある)の治療において使用するための化合物を提供する。「急性白血病」には、急性骨髄性白血病(acute myeloid leukemia)と急性リンパ性白血病(acute lymphoid leukemia)の両方が包含される。「N. Harris, et al., J Clin. Onc.(1999) 17(12): 3835-3849」を参照されたい。「侵攻性リンパ腫」は、当技術分野における用語である。「J. Chan, Hematological Onc.(2001) 19: 129-150」を参照されたい。
本発明は、不適切な細胞増殖を特徴とする状態の治療において使用するための化合物を提供する。本発明は、さらにまた、細胞の増殖の阻害において使用するための化合物を提供する。本発明は、さらにまた、細胞内の有糸***の阻害において使用するための化合物を提供する。
本発明は、数種類の状態又は疾患を治療する方法を提供し、ここで、該方法の全ては、治療有効量の本発明化合物を投与することを含む。本明細書中で用いられている場合、用語「治療」は、示されている状態を軽減すること、該状態の症状を排除又は低減すること、該状態の進行を遅延又は排除すること、及び、以前に苦しんだ被験者において該状態の再発を予防又は遅延することを意味する。
本明細書中で用いられている場合、用語「治療有効量」は、投与された被験者において、例えば研究者又は臨床医によって求められている、細胞培養物、組織、系、動物(ヒトを包含する)の生物学的又は医学的反応を引き出すのに充分な本発明化合物の量を意味する。例えば、PLK(特に、PLK1)が介在する状態を治療するための本発明化合物の治療有効量は、当該被験者におけるPLKが介在する状態を治療するのに充分な量である。同様に、感受性新生物を治療するための本発明化合物の治療有効量は、当該被験者における感受性新生物を治療するのに充分な量である。本発明の一実施形態では、本発明化合物の治療有効量は、乳癌を治療することが必要なヒトにおける乳癌を治療するのに充分な量である。本発明の一実施形態では、本発明化合物の治療有効量は、PLK(特に、PLK1)を調節し、変調し、結合させ又は阻害するのに充分な量である。
本発明化合物の正確な治療有効量は、治療対象の被験者の年齢及び体重、治療を必要とする正確な状態又は疾患及びその重症度、製剤の種類並びに投与経路(これらに限定されない)を包含する多数の要因に依存し、そして、最終的には、担当の医師又は獣医の裁量による。典型的には、本発明化合物は、治療のために、1日当たり又は1回投与当たり又は治療1サイクル当たり、レシピエント(動物)の体重1kg当たり、0.1〜200mgの範囲、より一般的には、1日当たり又は1回投与当たり又は治療1サイクル当たり、体重1kg当たり、1〜100mgの範囲で投与されるであろう。許容される1日投与量は、1日当たり又は1回投与当たり又は治療1サイクル当たり、約0.1〜約2000mg、好ましくは、1日当たり又は1回投与当たり又は治療1サイクル当たり、約0.1〜約500mgであり得る。
一態様として、本発明は、PLK(特に、PLK1)が介在する状態を治療するために、PLKを調節し、変調し、結合させ又は阻害する方法を提供する。「PLKを調節し、変調し、結合させ又は阻害する」は、PLK(特に、PLK1)活性を調節し、変調し、結合させ又は阻害すること、並びに、PLK(特に、PLK1)の過剰発現を調節し、変調し、結合させ又は阻害することを意味する。そのような状態には、PLK(特に、PLK1)と関連している特定の新生物(これは、癌及び腫瘍を包含する)及び不適切な細胞増殖を特徴とする状態が包含される。
本発明は、PLK(特に、PLK1)が介在する状態(ここで、該状態は、PLK阻害薬(特に、PLK1阻害薬)を用いた治療に対して感受性を示す)の治療方法を提供する。この方法は、当該動物に治療有効量の本発明化合物を投与することを含んでいる。本発明のこの方法及び別の方法は、動物(例えば、哺乳動物、特にヒト)の治療に有用である。PLKが介在する状態(ここで、該状態は、PLK阻害薬(特に、PLK1阻害薬)を用いた治療に対して感受性を示す)は、当技術分野で知られている。そのような状態としては、限定するものではないが、新生物及び不適切な細胞増殖を特徴とする状態などがある。
本発明は、さらにまた、感受性新生物(癌又は腫瘍)の治療を必要とする動物(例えば、哺乳動物、例えば、ヒト)における感受性新生物(癌又は腫瘍)を治療する方法も提供し、ここで、該方法は、当該動物に治療有効量の本発明化合物を投与することを含む。本明細書中で用いられている「感受性新生物」は、PLK阻害薬(特に、PLK1阻害薬)を用いた治療に対して感受性を示す新生物を意味する。PLKに関連しており、従ってPLK阻害薬を用いた治療に対して感受性を示す新生物は、当業者には知られており、そして、そのような新生物には、原発性及び転移性の両方の腫瘍及び癌が包含される。「M. Whitfield et al.,(2006) Nature Reviews / Cancer 6:99」を参照されたい。例えば、本発明の範囲内に含まれる感受性新生物としては、限定するものではないが、乳癌、大腸癌、肺癌(これは、小細胞肺癌及び非小細胞肺癌を包含する)、前立腺癌、子宮内膜癌、胃癌、黒色腫、卵巣癌、膵臓癌、扁平上皮細胞癌、頭部及び頚部の癌、食道癌、肝細胞癌並びに血液学的悪性腫瘍(例えば、急性白血病及び侵攻性リンパ腫)などがある。特定の一実施形態では、本発明は、乳癌の治療を必要とする動物(例えば、哺乳動物、例えば、ヒト)における乳癌を治療する方法を提供し、ここで、該方法は、治療有効量の本発明化合物を投与することによる。特定の別の実施形態では、本発明は、卵巣癌の治療を必要とする動物(例えば、哺乳動物、例えば、ヒト)における卵巣癌を治療する方法を提供し、ここで、該方法は、治療有効量の本発明化合物を投与することによる。特定の別の実施形態では、本発明は、非小細胞肺癌の治療を必要とする動物(例えば、哺乳動物、例えば、ヒト)における非小細胞肺癌を治療する方法を提供し、ここで、該方法は、治療有効量の本発明化合物を投与することによる。別の特定の実施形態では、本発明は、前立腺癌の治療を必要とする動物(例えば、哺乳動物、例えば、ヒト)における前立腺癌を治療する方法を提供し、ここで、該方法は、治療有効量の本発明化合物を投与することによる。特定の別の実施形態では、本発明は、血液学的悪性腫瘍(これは、急性白血病及び侵攻性リンパ腫を包含する)の治療を必要とする動物(例えば、哺乳動物、例えば、ヒト)における血液学的悪性腫瘍(これは、急性白血病及び侵攻性リンパ腫を包含する)を治療する方法を提供し、ここで、該方法は、治療有効量の本発明化合物を投与することによる。
本発明の化合物は、上記感受性新生物の治療において単独で使用することができるか、あるいは、本発明の1種類以上の別の化合物と一緒に使用して、又は、既存の特定の化学療法及び/若しくは別の抗腫瘍療法と併用して、相加効果又は相乗効果をもたらすことができる。さらに、本発明の化合物は、既存の特定の化学療法及び/又は別の抗腫瘍療法の有効性を回復させるために用いることもできる。本明細書中で用いられている場合、「抗腫瘍療法」としては、限定するものではないが、細胞毒性化学療法、ホルモン療法、標的化キナーゼ阻害薬、治療用モノクロナール抗体、外科及び放射線療法などがある。
本発明は、さらにまた、不適切な細胞増殖を特徴とする状態の治療を必要とする動物(例えば、哺乳動物、例えば、ヒト)における該状態を治療する方法を提供する。この方法は、治療有効量の本発明化合物を投与することを含んでいる。「不適切な細胞増殖」は、不適切な細胞成長に起因する細胞増殖、過剰な細胞***に起因する細胞増殖、加速的な細胞***に起因する細胞増殖、不適切な細胞生存に起因する細胞増殖、及び/又は、正常な速度で生じるがそれでも望ましくない正常細胞における細胞増殖を意味する。不適切な細胞増殖を特徴とする状態としては、限定するものではないが、新生物、血管増殖性障害、線維性疾患、メサンギウム細胞増殖性障害及び炎症性/免疫介在性疾患などがある。血管増殖性障害としては、関節炎及び再狭窄などがある。線維性疾患としては、肝硬変及びアテローム性動脈硬化症などがある。メサンギウム細胞増殖性障害としては、糸球体腎炎、悪性腎硬化症及び糸球体症などがある。炎症性/免疫介在性疾患としては、乾癬、慢性創傷治癒、臓器移植拒絶反応、血栓性微小血管症症候群及び神経変性疾患などがある。変形性関節症及び破骨細胞の増殖による別の過剰骨吸収性疾患は、細胞増殖が正常細胞において正常速度で起こるがそれでも望ましくない、不適切な細胞増殖を特徴とする状態の例である。
本発明は、さらにまた、細胞の増殖を阻害する方法を提供し、ここで、該方法は、当該細胞を細胞の増殖を阻害するのに充分な量の本発明化合物と接触させることを含む。特定の一実施形態では、該細胞は新生物細胞である。特定の一実施形態では、該細胞は不適切に増殖する細胞である。本明細書中で用いられている用語「不適切に増殖する細胞」は、不適切に(異常に)成長する細胞、過剰に若しくは加速度的に***する細胞、不適切に(異常に)生き残る細胞、及び/又は、正常速度で増殖する正常細胞においてその増殖が望ましくない正常細胞を意味する。新生物細胞(これは、癌細胞を包含する)は、不適切に増殖する細胞の例であるが、しかし、新生物細胞が不適切に増殖する唯一の細胞ではない。
PLKは、細胞の有糸***にとって必須である。従って、本発明の化合物は、有糸***を阻害するのに有効であると思われる。「有糸***を阻害する」は、細胞周期のM期への侵入を阻害すること、いったんM期に入った細胞周期のM期の正常な進行を阻害すること、及び、細胞周期のM期からの正常な脱出を阻害することを意味する。従って、本発明の化合物は、細胞が有糸***へ侵入するのを阻害することにより、有糸***を通した細胞進行を阻害することにより、又は、細胞が有糸***から脱出するのを阻害することにより、有糸***を阻害することができる。一態様として、本発明は、細胞内の有糸***を阻害する方法を提供し、ここで、該方法は、当該細胞に有糸***を阻害するのに充分な量の本発明の化合物を投与することを含む。特定の一実施形態では、該細胞は新生物細胞である。特定の一実施形態では、該細胞は不適切に増殖する細胞である。
本発明は、さらにまた、動物(例えば、哺乳動物、例えば、ヒト)におけるPLK(特に、PLK1)が介在する状態(ここで、該状態は、PLK阻害薬(特に、PLK1阻害薬)を用いた治療に対して感受性を示す)を治療するための薬剤を調製するための本発明化合物の使用を提供する。本発明は、さらに、動物(特に、哺乳動物、例えば、ヒト)における感受性新生物を治療するための薬剤を調製するための化合物の使用を提供する。特に、本発明は、乳癌を治療するための薬剤を調製するための化合物の使用を提供する。本発明は、さらにまた、卵巣癌を治療するための薬剤を調製するための化合物の使用を提供する。本発明は、非小細胞肺癌を治療するための薬剤を調製するための化合物の使用を提供する。本発明は、前立腺癌を治療するための薬剤を調製するための化合物の使用を提供する。本発明は、血液学的悪性腫瘍(例えば、急性白血病及び侵攻性リンパ腫を包含する)を治療するための薬剤を調製するための化合物の使用を提供する。本発明は、さらに、不適切な細胞増殖を特徴とする状態を治療するための薬剤を調製するための化合物の使用を提供する。本発明は、さらに、細胞の増殖を阻害するための薬剤を調製するための化合物の使用を提供する。本発明は、さらに、細胞内の有糸***を阻害するための薬剤を調製するための化合物の使用を提供する。
治療において使用するために、治療有効量の本発明化合物を原料のままの化学物質として投与することも可能であるが、該化合物は、典型的には、医薬組成物又は医薬製剤の活性成分として供する。従って、本発明は、さらに、本発明化合物を含んでいる医薬組成物を提供する。該医薬組成物には、さらに、1種類以上の製薬上許容される担体、希釈剤及び/又は賦形剤を含ませることができる。これらの担体、希釈剤及び/又は賦形剤は、当該製剤の残りの成分と適合性であり且つ当該製剤のレシピエントに対して有害ではないという意味において、許容し得るものでなければならない。本発明の別の態様により、医薬製剤を調製する方法も提供され、ここで、該方法は、本発明の化合物を1種類以上の製薬上許容される担体、希釈剤及び/又は賦形剤と混合させることを含む。
医薬製剤は、単位用量当たり所定量の活性成分を含んでいる単位用量形態で供し得る。そのような単位には、本発明化合物の治療有効用量を含有させることができるか、又は、複数の単位投与形態を所定の時間に投与して所望の治療有効用量が達成されるように治療有効用量の一部分を含有させることができる。好ましい単位投与製剤は、活性成分の本明細書中の上記で挙げた1日量若しくはサブ用量又はそれらの適切な一部分を含有する製剤である。さらに、そのような医薬製剤は、製薬の技術分野でよく知られている方法のいずれかにより調製することができる。
医薬製剤は、適切ないずれかの経路による投与、例えば、経口経路(口腔内又は舌下など)、直腸内経路、鼻内経路、局所経路(口腔内、舌下又は経皮など)、膣内経路又は非経口経路(皮下、筋肉内、静脈内又は皮内など)などによる投与に適合させることができる。そのような製剤は、製薬の技術分野で知られているいずれかの方法により、例えば、活性成分を担体又は賦形剤と一緒にすることにより調製することができる。
経口投与に適合させた医薬製剤は、カプセル剤若しくは錠剤のような個別単位;散剤若しくは顆粒剤;水性若しくは非水性の液体中の溶液剤若しくは懸濁液剤;食用泡状剤若しくはホイップ剤;又は、水中油型液体エマルション剤若しくは油中水型液体エマルション剤として供することができる。例えば、錠剤又はカプセル剤の形態で経口投与する場合、活性薬物成分を、エタノール、グリセロール及び水などのような経口用の無毒性で製薬上許容される不活性担体と組合せることができる。散剤は、当該化合物を適切な微細な寸法に粉砕し、食用炭水化物(例えば、デンプン又はマンニトール)などの同様に粉砕した製薬用担体と混合させることにより調製する。矯味矯臭剤、保存剤、分散剤及び着色剤も存在させることができる。
カプセル剤は、上記粉末混合物を調製し、形成されたゼラチン製被覆物に充填することにより製造する。充填操作に先立ち、コロイド状シリカ、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム又は固体状ポリエチレングリコールなどの滑沢剤及び流動促進剤(glidant)を前記粉末混合物に添加することができる。カプセル剤が摂取されたときの薬物の有効性を改善するために、寒天、炭酸カルシウム又は炭酸ナトリウムなどの可溶化剤又は崩壊剤を添加することもできる。
さらに、所望又は必要であれば、適切な結合剤、滑沢剤、崩壊剤及び着色剤もまた上記混合物中に組み入れることができる。適切な結合剤としては、デンプン、ゼラチン、天然の糖類、例えば、グルコース又はβ-ラクトース、トウモロコシ甘味剤、天然ゴム及び合成ゴム、例えば、アラビアゴム、トラガカントゴム又はアルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール及びワックスなどがある。上記投与形態において使用する滑沢剤としては、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム及び塩化ナトリウムなどがある。崩壊剤としては、限定するものではないが、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト及びキサンタンガムなどがある。
錠剤は、例えば、粉末混合物を調製し、造粒又はスラッギングし、滑沢剤及び崩壊剤を加え、圧縮成形して錠剤とすることによって製剤する。粉末混合物は、適切に粉砕した本発明化合物を、上記希釈剤又は基剤と混合させ、及び、場合により、結合剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギネート、ゼラチン又はポリビニルピロリドン、溶液抑制剤(solution retardant)、例えば、パラフィン、吸収促進剤(resorption accelerator)、例えば、4級塩、及び/又は、吸収剤、例えば、ベントナイト、カオリン又はリン酸二カルシウムなどと混合させることにより、調製する。前記粉末混合物は、シロップ、デンプンペースト、アラビアゴム粘液(acadia mucilage)又はセルロース物質若しくはポリマー物質の溶液などの結合剤で湿らせ、スクリーンを通して押し出すことによって造粒することができる。造粒に代わる別法として、前記粉末混合物を錠剤機に通すことができるが、それによって得られたものは形成の不完全なスラグであり、砕いて顆粒にする。この顆粒を、ステアリン酸、ステアリン酸塩、タルク又は鉱油を添加することによって滑沢化して、錠剤成形ダイに粘着するのを防ぐことができる。次いで、滑沢化された前記混合物を圧縮して錠剤とする。本発明の化合物は、さらにまた、易流動性の不活性担体と合して、造粒ステップ又はスラッギングステップを経ることなく直接圧縮成型して錠剤とすることもできる。セラックのシーラーからなる透明又は不透明の保護コーティング、糖又はポリマー物質のコーティング、及び、ワックスのつや出しコーティングを施すことができる。異なる単位投与量を区別するために、これらのコーティングに色素を添加することができる。
溶液剤、シロップ剤及びエリキシル剤などの経口用液体は、所定量が予め定められた量の活性成分を含むように投与単位形態で調製することができる。シロップ剤は、適切に矯味した水溶液に本発明化合物を溶解させることによって調製することができ、また、エリキシル剤は、無毒性のアルコール系ビヒクルを使用して調製する。懸濁液剤は、本発明化合物を無毒性ビヒクルに分散させることによって製剤することができる。エトキシル化イソステアリルアルコールやポリオキシエチレンソルビトールエーテルなどの可溶化剤及び乳化剤、保存剤、ペパーミント油などの着香添加剤、又は、天然甘味剤若しくはサッカリン若しくは別の人工甘味剤なども添加することができる。
適切な場合には、経口投与用の投薬単位製剤をマイクロカプセル化することができる。該製剤は、さらにまた、例えば、粒状物質にコーティングを施すか又は粒状物質をポリマー若しくはワックスなどに包埋することにより、放出が延長又は持続されるように調製することもできる。
本発明の化合物は、さらにまた、単ラメラ小胞、大単ラメラ小胞及び多重ラメラ小胞などのリポソーム送達系の形態で投与することもできる。リポソームは、コレステロール、ステアリルアミン又はホスファチジルコリンなどの種々のリン脂質から形成させることができる。
本発明の化合物は、さらにまた、化合物分子が結合している個々の担体としてのモノクローナル抗体を使用して送達することもできる。本発明化合物は、さらにまた、ターゲッティング可能な薬物担体としての可溶性ポリマーと結合させてもよい。そのようなポリマーとしては、ペプチド、ポリビニルピロリドン、ピラン共重合体、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミド-フェノール、ポリヒドロキシエチルアスパルトアミドフェノール又はパルミトイル残基で置換されているポリエチレンオキシドポリリシンなどを挙げることができる。さらに、本発明化合物は、薬物の制御放出を達成するのに有用なある種の生分解性ポリマー、例えば、ポリ乳酸、ポリε-カプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロピラン、ポリシアノアクリレート、及び、ヒドロゲルの架橋又は両親媒性ブロック共重合体などに結合させてもよい。
経皮投与に適合させた医薬製剤は、長期間にわたりレシピエントの表皮と充分に接触した状態で保持されることを意図した個別の貼付剤として供することができる。例えば、該活性成分は、「Pharmaceutical Research, 3(6), 318 (1986)」に概説されているように、イオン導入法によりパッチから送達させることができる。
局所投与に適合させた医薬製剤は、軟膏剤、クリーム剤、懸濁液剤、ローション剤、散剤、溶液剤、ペースト剤、ゲル剤、スプレー剤、エーロゾル剤又は油剤として製剤することができる。
眼の治療、又は、他の外部組織、例えば、口や皮膚などの治療に関しては、該製剤は、好ましくは、局所用軟膏剤又はクリーム剤として適用する。軟膏剤として製剤する場合、活性成分をパラフィン系軟膏基剤又は水混和性軟膏基剤のいずれかと一緒に用いることができる。あるいは、活性成分を、水中油型クリーム基剤又は油中水型基剤を有するクリーム剤として製剤することもできる。
眼への局所投与に適合させた医薬製剤としては、活性成分が適切な担体(特に、水性溶媒)に溶解又は懸濁されている点眼剤などがある。
口内への局所投与に適合させた医薬製剤としては、ロゼンジ剤、パステル剤及び口内洗浄剤などがある。
直腸内投与に適合させた医薬製剤は、坐剤又は浣腸剤として供することができる。
担体が固体である鼻内投与に適合させた医薬製剤としては、例えば20〜500ミクロンの範囲の粒径を有する粗粉末剤などがある。この粗粉末剤は、鼻から吸い込む方法により、即ち、鼻の近くに保持された粉末の容器から鼻腔を介して急速に吸入することにより投与される。経鼻スプレー剤又は点鼻剤として投与するための、担体が液体である適切な製剤としては、活性成分の水性溶液剤又は油性溶液剤などがある。
吸入による投与に適合させた医薬製剤としては、種々のタイプの定量加圧式エーロゾル、噴霧器又は吹き入れ器により生成させ得る微粒子ダスト剤又はミスト剤などがある。
膣内投与に適合させた医薬製剤は、膣坐剤、タンポン、クリーム剤、ゲル剤、ペースト剤、フォーム剤又はスプレー製剤として供することができる。
非経口投与に適合させた医薬製剤としては、酸化防止剤、バッファー、静菌剤、及び該製剤を意図されたレシピエントの血液と等張性にする溶質を含有させることができる水性及び非水性の無菌注射用溶液剤;並びに、懸濁化剤及び粘稠化剤を含有させることができる水性及び非水性の無菌懸濁液剤などがある。該製剤は、単位用量又は複数回分の用量の容器(例えば、密封したアンプル及びバイアル瓶など)に入れて供し得る。また、該製剤は、使用直前に無菌の液体担体(例えば、注射用蒸留水)を加えることのみが必要とされる凍結乾燥状態で貯蔵することができる。即製の注射用溶液及び懸濁液は、無菌の散剤、顆粒剤及び錠剤から調製することができる。
上記で特に挙げた成分に加えて、該製剤に、その製剤のタイプを考慮して、当技術分野で慣用の別の作用物質を含ませてもよいということは理解されるべきである。例えば、経口投与に適する製剤には、矯味矯臭剤を含ませることができる。
上記で記載した治療方法及び使用方法において、本発明化合物は、単独で、本発明の別の1種類以上の化合物と組み合わせて、又は、別の治療剤と組み合わせて、及び/又は、別の抗腫瘍療法と組み合わせて、使用することができる。特に、PLKが介在する状態を治療する方法及び感受性新生物を治療する方法においては、外科的療法及び放射線療法との組合せだけではなく、別の化学療法薬との組み合わせも想定される。本明細書中で用いられている用語「化学療法薬」は、それが投与される被験者に対して治療効果を有する任意の化学作用物質を意味する。「化学療法」薬としては、限定するものではないが、抗腫瘍薬、鎮痛薬及び制吐薬などがある。本明細書中で用いられている場合、「抗腫瘍薬」には、細胞増殖抑制薬及び細胞毒性薬(例えば、限定するものではないが、細胞毒性化学療法、ホルモン療法、標的化キナーゼ阻害薬及び治療用モノクロナール抗体など)の両者が包含される。従って、本発明による併用療法は、少なくとも1種類の本発明化合物の投与と少なくとも1種類の別の癌治療方法の使用を含んでいる。一実施形態では、本発明による併用療法は、少なくとも1種類の本発明化合物及び少なくとも1種類の別の化学療法薬の投与を含んでいる。特定の一実施形態では、本発明は、少なくとも1種類の本発明化合物及び少なくとも1種類の抗腫瘍薬の投与を含んでいる。付加的な態様として、本発明は、上記で記載した治療方法及び使用方法を提供し、ここで、該方法は、本発明化合物を少なくとも1種類の化学療法薬と一緒に投与することを含んでいる。特定の一実施形態では、該化学療法薬は抗腫瘍薬である。別の実施形態では、本発明は、少なくとも1種類の別の化学療法薬をさらに含んでいる上記医薬組成物を提供する。より特定的には、該化学療法薬は抗腫瘍薬である。
典型的には、治療対象の感受性新生物に対して活性を有する任意の化学療法薬を本発明化合物と組み合わせて利用することが可能であるが、但し、この特定の作用物質が本発明化合物を用いる治療と臨床的に適合することを条件とする。本発明において有用な典型的な抗腫瘍薬としては、限定するものではないが、以下のものを挙げることができる:抗微小管薬、例えば、ジテルペノイド及びビンカアルカロイド;白金配位錯体;アルキル化薬、例えば、ナイトロジェンマスタード、オキサザホスホリン、アルキルスルホネート、ニトロソ尿素及びトリアゼン;抗生物質製剤、例えば、アントラサイクリン、アクチノマイシン及びブレオマイシン;トポイソメラーゼII阻害薬、例えば、エピポドフィロトキシン;代謝拮抗薬、例えば、プリン及びピリミジン類似体並びに抗葉酸化合物;トポイソメラーゼI阻害薬、例えば、カンプトセシン;ホルモン薬及びホルモン類似体;シグナル伝達経路阻害薬;非受容体チロシンキナーゼ血管形成阻害薬;免疫療法薬;プロアポトーシス薬;並びに、細胞周期シグナル伝達阻害薬。
抗微小管薬又は抗有糸***薬は、細胞周期のM期即ち有糸***期に腫瘍細胞の微小管に対して活性を示す期特異的作用物質である。抗微小管薬の例としては、限定するものではないが、ジテルペノイド及びビンカアルカロイドなどがある。ジテルペノイドの例としては、限定するものではないが、パクリタキセル及びその類似体ドセタキセルなどがある。ビンカアルカロイドの例としては、限定するものではないが、ビンブラスチン、ビンクリスチン及びビンオレルビンなどがある。白金配位錯体は、DNAと相互作用する期非特異的抗腫瘍薬である。白金錯体は腫瘍細胞の中に入り、アクア化を受け、そして、DNAとストランド内架橋及びストランド間架橋を形成し、当該腫瘍に有害な生物学的効果を引き起こす。白金配位錯体の例としては、限定するものではないが、オキサリプラチン、シスプラチン及びカルボプラチンなどがある。
アルキル化薬は、期非特異的な抗腫瘍薬であり、そして、強力な求電子試薬である。典型的には、アルキル化薬は、アルキル化によって、DNA分子の求核性部分(例えば、ホスフェート基、アミノ基及びヒドロキシル基)を介してDNAとの共有結合を形成する。そのようなアルキル化は、核酸の機能を混乱させ、結果として細胞死をもたらす。アルキル化薬の例としては、限定するものではないが、以下のものなどがある:ナイトロジェンマスタード、例えば、シクロホスファミド、メルファラン及びクロラムブシル;アルキルスルホネート、例えば、ブスルファン;ニトロソ尿素、例えば、カルムスチン;並びに、トリアゼン、例えば、ダカルバジン。
抗生物質化学療法薬は、DNAに結合又は挿入される期非特異的作用物質である。典型的には、そのような作用は、安定なDNA複合体又はストランド破損を生じさせる。これは、核酸の通常の機能を混乱させ、結果として細胞死をもたらす。抗生物質抗腫瘍薬の例としては、限定するものではないが、以下のものなどがある:アクチノマイシン、例えば、ダクチノマイシン、アントラサイクリン、例えば、ダウノルビシン及びドキソルビシン;並びに、ブレオマイシン。
トポイソメラーゼII阻害薬としては、限定するものではないが、エピポドフィロトキシンなどがある。
エピポドフィロトキシンは、マンドレーク植物に由来する期特異的抗腫瘍薬である。エピポドフィロトキシンは、典型的には、トポイソメラーゼII及びDNAと三元複合体を形成することにより細胞周期のS期及びG2期にある細胞に影響を及ぼし、それにより、DNA鎖の破損を引き起こす。DNA鎖の破損が蓄積し、その後、細胞は死に至る。エピポドフィロトキシンの例としては、限定するものではないが、エトポシド及びテニポシドなどがある。
代謝拮抗性抗腫瘍薬は、DNA合成を阻害することで、又は、プリン塩基若しくはピリミジン塩基の合成を阻害し、それによってDNA合成を阻害することで、細胞周期のS期(DNA合成)に作用する期特異的抗腫瘍薬である。結果として、S期は進行せず、その後、細胞は死に至る。代謝拮抗性抗腫瘍薬の例としては、限定するものではないが、フルオロウラシル、メトトレキセート、シタラビン、メルカプトプリン(mecaptopurine)及びチオグアニンなどがある。
カンプトテシン及びカンプトテシン誘導体を包含するカンプトテシン類は、トポイソメラーゼI阻害薬として入手できるか又は開発中である。カンプトテシンの細胞毒性活性は、そのトポイソメラーゼI阻害活性に関連すると考えられる。カンプトテシン類の例としては、限定するものではないが、イリノテカン、トポテカン、及び、7-(4-メチルピペラジノ-メチレン)-10,11-エチレンジオキシ-20-カンプトテシンの種々の光学的形態などがある。
ホルモン及びホルモン類似体は、ホルモンと癌の増殖及び/又は増殖不足との間に関係が存在する癌を治療するのに有用な化合物である。新生物の治療において有用であると考えられるホルモン及びホルモン類似体の例としては、限定するものではないが、以下のものなどがある:副腎皮質ステロイド、例えば、小児の悪性リンパ腫及び急性白血病の治療において有用なプレドニゾン及びプレドニゾロン;副腎皮質癌及びエストロゲン受容体を含有するホルモン依存性乳癌の治療において有用なアミノグルテチミド及び別のアロマターゼ阻害薬、例えば、アナストロゾール、レトラゾール、ボラゾール及びエグゼメスタン;ホルモン依存性乳癌及び子宮内膜癌の治療において有用なプロゲストリン、例えば、酢酸メゲストロール;前立腺癌及び良性前立腺肥大症の治療において有用なエストロゲン、アンドロゲン及び抗アンドロゲン、例えば、フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、酢酸シプロテロン、並びに、5α-レダクターゼ、例えば、フィナステリド及びズタステリド;ホルモン依存性乳癌の治療において有用な抗エストロゲン、例えば、タモキシフェン、トレミフェン、ラロキシフェン、ドロロキシフェン及びヨードキシフェン;並びに、前立腺癌及びホルモン依存性乳癌の治療を適応とする性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)及びその類似体、例えば、酢酸ゴセレリン及びロイプロリド(これらは、短期又は断続的使用では黄体形成ホルモン(leutinizing hormone)(LH)及び/又は卵胞刺激ホルモン(FSH)の放出を刺激するが、長期使用ではLH及びFSHの阻害をもたらす)。
シグナル伝達経路阻害薬は、細胞内変化を誘起する化学プロセスを遮断又は阻害する阻害薬である。本明細書中で用いられている場合、この変化は、細胞の増殖、生存、血管形成又は分化である。本発明において有用なシグナル伝達阻害薬には、受容体チロシンキナーゼの阻害薬、非受容体チロシンキナーゼの阻害薬、SH2/SH3ドメインブロッカーの阻害薬、セリン/トレオニンキナーゼの阻害薬、ホスファチジル(phosphotidyl)イノシトール-3キナーゼの阻害薬、ミオイノシトールシグナル伝達の阻害薬及びRas癌遺伝子の阻害薬が包含される。
数種類のタンパク質チロシンキナーゼは、細胞増殖の調節に関与する種々のタンパク質における特定のチロシル残基のリン酸化を触媒する。そのようなタンパク質チロシンキナーゼは、受容体キナーゼ又は非受容体キナーゼとして大まかに分類することができる。
受容体チロシンキナーゼは、細胞外リガンド結合ドメイン、膜貫通ドメイン及びチロシンキナーゼドメインを有する膜貫通タンパク質である。受容体チロシンキナーゼは、細胞増殖の調節に関与し、そして、時には、増殖因子受容体と呼ばれる。これらのキナーゼの多くの不適切な又は制御されない活性化、即ち、例えば過剰発現又は突然変異による異常なキナーゼ増殖因子受容体活性は、結果として制御されない細胞増殖をもたらすということが示されている。従って、そのようなキナーゼの異常活性は、悪性の組織増殖と関連付けられてきた。その結果、そのようなキナーゼの阻害薬は、癌の治療方法を提供することができるであろう。増殖因子受容体としては、例えば、以下のものなどがある:表皮細胞増殖因子受容体(EGFr、ErbB2及びErbB4)、血小板由来増殖因子受容体(PDGFr)、血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)、免疫グロブリン様ドメイン及び表皮増殖因子相同性ドメインを有するチロシンキナーゼ(TIE-2)、インスリン増殖因子I受容体(IGF-I)、マクロファージコロニー刺激因子(cfms)、BTK、ckit、cmet、線維芽細胞増殖因子(FGF)の受容体、Trk受容体(TrkA、TrkB及びTrkC)、エフリン(Eph)受容体並びにRETプロトオンコジーン。増殖因子受容体の数種類の阻害薬が開発中にあり、そして、そのような阻害薬には、リガンド拮抗薬、抗体、チロシンキナーゼ阻害薬、アンチセンスオリゴヌクレオチド及びアプタマーが包含される。増殖因子受容体及び増殖因子受容体の機能を阻害する作用物質は、例えば、「Kath, John C., Exp. Opin. Ther. Patents (2000) 10(6): 803-818」、「Shawver et al DDT Vol 2, No. 2, February 1997」及び「Lofts, F. J. et al, "Growth Factor Receptors as Targets", New Molecular Targets for Cancer Chemotherapy, Ed. Workman, Paul and Kerr, David, CRC Press 1994, London」に記載されている。
増殖因子受容体キナーゼではないチロシンキナーゼは、非受容体チロシンキナーゼと称される。抗腫瘍薬の標的であるか又は潜在的な標的である本発明において有用な非受容体チロシンキナーゼとしては、cSrc、Lck、Fyn、Yes、Jak、cAbl、FAK(焦点接着キナーゼ)、Brutonsチロシンキナーゼ及びBcr-Ablなどがある。そのような非受容体キナーゼ及び非受容体チロシンキナーゼの機能を阻害す作用物質は、「Sinh, S. and Corey, S.J.,(1999) Journal of Hematotherapy and Stem Cell Research 8(5):465-80」及び「Bolen, J.B., Brugge, J.S.,(1997) Annual Review of Immunology. 15:371-404」に記載されている。
SH2/SH3ドメインブロッカーは、種々の酵素又はアダプタータンパク質におけるSH2又はSH3ドメイン結合を中断する作用物質であり、PI3-K p85サブユニット、Srcファミリーキナーゼ、アダプター分子(Shc、Crk、Nck、Grb2)及びRas-GAPなどがある。抗癌薬のための標的としてのSH2/SH3ドメインは、「Smithgall, T.E.(1995), Journal of Pharmacological and Toxicological Methods. 34(3) 125-32」で論じられている。
MAPキナーゼカスケード遮断薬を包含するセリン/トレオニンキナーゼの阻害薬としては、以下のものなどがある:Rafキナーゼ(Rafk)、マイトジェン又は細胞外調節キナーゼ(MEK)及び細胞外調節キナーゼ(ERK)の遮断薬;並びに、プロテインキナーゼCファミリーメンバー遮断薬をなどがあり、このプロテインキナーゼCファミリーメンバー遮断薬としては、PKCのサブタイプ(アルファ、ベータ、ガンマ、イプシロン、ミュー、ラムダ、イオタ、ゼータ)、IkBキナーゼファミリー(IKKa、IKKb)、PKBファミリーキナーゼ、Aktキナーゼファミリーメンバー及びTGFベータ受容体キナーゼの遮断薬などがある。そのようなセリン/トレオニンキナーゼ及びその阻害薬は、「Yamamoto, T., Taya, S., Kaibuchi, K.,(1999), Journal of Biochemistry. 126(5) 799-803」、「Brodt, P, Samani, A., and Navab, R.(2000), Biochemical Pharmacology, 60. 1101-1107」、「Massague, J., Weis-Garcia, F.(1996) Cancer Surveys. 27:41-64」、「Philip, P.A., and Harris, A.L.(1995), Cancer Treatment and Research. 78: 3-27」、「Lackey, K. et al Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters,(10), 2000, 223-226]及び「Martinez-Iacaci, L., et al, Int. J. Cancer(2000), 88(1), 44-52」に記載されている。
PI3-キナーゼ、ATM、DNA-PK及びKuの遮断薬を包含するホスファチジル(phosphotidyl)イノシトール-3キナーゼファミリーの阻害薬は、本発明との併用においても有用である。そのようなキナーゼは、「Abraham, R.T.(1996), Current Opinion in Immunology. 8(3) 412-8」、「Canman, C.E., Lim, D.S.(1998), Oncogene 17(25) 3301-3308」、「Jackson, S.P.(1997), International Journal of Biochemistry and Cell Biology. 29(7):935-8」及び「Zhong, H. et al, Cancer Res,(2000) 60(6), 1541-1545」で論じられている。
ミオイノシトールシグナル伝達阻害薬、例えば、ホスホリパーゼC遮断薬及びミオイノシトール類似体なども、本発明との併用において有用である。そのようなシグナル阻害薬は、「Powis, G., and Kozikowski A.,(1994) New Molecular Targets for Cancer Chemotherapy ed., Paul Workman and David Kerr, CRC Press 1994, London」に記載されている。
本発明との併用において有用なシグナル伝達経路阻害薬の別の群は、Rasオンコジーンの阻害薬である。そのような阻害薬としては、ファルネシルトランスフェラーゼ、ゲラニル-ゲラニルトランスフェラーゼ及びCAAXプロテアーゼの阻害薬、並びに、アンチセンスオリゴヌクレオチド、リボザイム及び免疫療法などがある。そのような阻害薬は、野生型変異体Rasを含んでいる細胞においてRasの活性化を遮断し、それによって抗増殖薬として作用するということが示されている。Rasオンコジーンの阻害については、「Scharovsky, O.G., Rozados, V.R., Gervasoni, S.I. Matar, P.(2000), Journal of Biomedical Science. 7(4) 292-8」、「Ashby, M.N.(1998), Current Opinion in Lipidology. 9(2)99-102」及び「BioChim. Biophys. Acta,(1989) 1423(3):19-30」で論じられている。
上記で述べたように、受容体キナーゼリガンド結合に対する抗体は、シグナル伝達阻害薬としても有用であり得る。この群のシグナル伝達経路阻害薬には、受容体チロシンキナーゼの細胞外リガンド結合ドメインに対するヒト化抗体の使用も包含される。例えば、Imclone C225 EGFR 特異的抗体(「Green, M.C. et al, Monoclonal Antibody Therapy for Solid Tumors, Cancer Treat. Rev.,(2000), 26(4), 269-286」を参照されたい); Herceptin(登録商標)ErbB2 抗体(「Tyrosine Kinase Signaling in Breast Cancer: ErbB Family Receptor Tyrosine Kinases, Breast Cancer Res., 2000, 2(3), 176-183」を参照されたい);及び、2CB VEGFR2 特異的抗体(「Brekken, R.A. et al, Selective Inhibition of VEGFR2 Activity by a Monoclonal Anti-VEGF Antibody Blocks Tumor Growth in Mice, Cancer Res.(2000) 60, 5117-5124」を参照されたい)。
受容体キナーゼ血管形成阻害薬もまた、本発明において使用することができる。VEGFR及びTIE2に関連する血管生成の阻害薬は、シグナル伝達阻害薬に関して上記で論じられている(両方の受容体は受容体チロシンキナーゼである)。別の阻害薬を、本発明の化合物と組み合わせて使用することができる。例えば、抗VEGF抗体(これは、VEGFR(受容体チロシンキナーゼ)を認識しないが、リガンドと結合する);血管形成を阻害するであろうインテグリン(アルファ、ベータ3)の小分子阻害薬;エンドスタチン及びアンギオスタチン(非RTK)もまた、PLK阻害薬との組み合わせにおいて有用であり得る。
免疫療法の計画に用いられる作用物質もまた、本発明化合物との組み合わせにおいて有用であり得る。
アポトーシス促進性の計画で用いられる作用物質(例えば、bcl-2アンチセンスオリゴヌクレオチド)もまた、本発明との組み合わせにおいて使用することができる。タンパク質のBcl-2ファミリーのメンバーは、アポトーシスを遮断する。従って、bcl-2のアップレギュレーションは、化学療法抵抗性と結び付けられてきた。研究によって、表皮細胞増殖因子(EGF)がbcl-2ファミリーの抗アポトーシスメンバー(即ち、mcl-1)を刺激することが示された。従って、腫瘍におけるbcl-2の発現をダウンレギュレートするように計画された戦略は、臨床的利益が実証されており、現在は、第II/III期治験にある。即ち、Genta's G3139 bcl-2アンチセンスオリゴヌクレオチドである。bcl-2に対するアンチセンスオリゴヌクレオチド戦略を用いるこのようなアポトーシス促進性戦略は、「Water JS et al., J. Clin. Oncol. 18:1812-1823(2000)」及び「Kitada S et al., Antisense Res. Dev. 4:71-79(1994)」で論じられている。
細胞周期シグナル伝達阻害薬は、細胞周期の制御に関与する分子を阻害する。サイクリン依存性キナーゼ(CDK)及びそれらの相互作用サイクリンは、真核細胞周期による進行を制御する。異なるサイクリン/CDK複合体の調整された活性化及び不活性化は、細胞周期を通した正常な進行にとって必要である。細胞周期シグナル伝達の数種類の阻害薬が開発中にある。例えば、CDK2、CDK4及びCDK6を包含するサイクリン依存性キナーゼ並びにそれらの阻害薬の例は、例えば、「Rosania, et al., Exp. Opin. Ther. Patents 10(2):215-230(2000)」に記載されている。
一実施形態では、本発明の方法は、本発明化合物をシグナル伝達経路阻害薬(特に、ゲフィチニブ(IRESSA(登録商標))と組み合わせて動物に投与することを含んでいる。
これらの組み合わせを用いる方法及び使用は、本発明化合物及び別の化学療法薬/抗腫瘍薬を、別個の医薬組成物又は合した医薬組成物にいれて、任意の順序で順次に投与するか又は同時に投与することを含み得る。同じ製剤中で組み合わせる場合、当該二種類の化合物が安定でなければならないこと及び当該二種類の化合物が互いに適合性を有し且つ当該製剤の残りの成分と適合性を有さなくてはならないこと、そして、投与用として製剤することができるということは理解されるであろう。別々に製剤する場合、それらは、当技術分野で当該化合物について知られている方法で、任意の便利な製剤に入れて提供することができる。
本発明の化合物を化学療法薬と組み合わせて使用する場合、各化合物の投与量は、当該化合物を単独で使用する場合の投与量とは異なり得る。適切な投与量は、当業者には容易に理解されるであろう。本発明化合物と別の治療活性薬の適切な投与量及び投与の相対的なタイミングは、所望される併用療法の効果を達成するために選択され、また、そのような適切な投与量と投与の相対的なタイミングは、担当医の専門的知識及び裁量の範囲内にある。
本発明の化合物は、下記反応スキームに示されているように、数種類の合成経路によって調製することができる。特に、環Aが5位に存在している式(I)で表される化合物は、以下のようにして調製することができる。
スキーム1
Figure 2010508301
ここで:
Meはメチルであり;Xはハロゲン(好ましくは、Cl又はF)であり;及び、他の全ての可変部分は上記で定義されているとおりである。
当業者には明らかなように、また、上記スキームに示されているように、先の反応におけるステップの順番は、本発明の調製方法の実施にとって重要ではない。例えば、アンモニアと反応させてエステルをアミドに変換するステップは、上記合成経路のもっと後の方で、例えば、必用に応じて、カップリング反応の後で、実施することができる。従って、上記反応ステップは、当業者の知識に基づいて、適切な任意の順番で実施することができる。さらに、当該反応に先立って保護基を導入することにより特定の反応ステップを最も効率よく実施することができるということは、当業者には明らかである。その保護基は、その後除去する。保護基の選択、並びに、それら保護基を導入及び除去するための一般的な技術は、当業者の範囲内である。
適切ないずれかの方法で調製された式(I)の化合物は、その製薬上許容される塩に変換することができるか、又は、以下に記載してある技術及び当技術分野で慣習的な技術を用いて、式(I)で表される異なった化合物若しくはその製薬上許容される塩に変換することができる。
本発明の特定の一調製方法では、式(I)(全ての式及び全ての可変部分は既に上記で定義されている)で表される化合物は、以下のステップを含む調製方法によって調製される:
(a) 2,5-ジブロモニトロベンゼンを式(II)で表される化合物と反応させて、式(III-5)で表される化合物を調製するステップ;
(b) 式(III-5)で表される該化合物を還元して、式(IV-5)で表される化合物を調製するステップ;
(c) 式(IV-5)で表される該化合物を環化して、式(V-5)で表される化合物を調製するステップ;
(d) 式(V-5)で表される該化合物をアンモニアと反応させて、式(VI-5)で表される化合物を調製するステップ;
(e) 式(VI-5)で表される該化合物を、パラジウム(0)触媒の存在下で、式(VIII):
Figure 2010508301
[式中、Xはハロゲンであり、及び、Zは、ボロン酸、ボロン酸エステル、トリフルオロホウ酸塩(例えば、B(OH)2又はピナコールボロネート)、スタンナン又はハロゲン化亜鉛(例えば、塩化亜鉛)である]
で表される試薬と反応させて、式(VII-5)で表される化合物を調製するステップ;
(f) 式(VII-5)で表される該化合物を式(H-Y-R2-R3)で表される化合物と反応させて、式(I-5)で表される化合物を調製するステップ;
(g) 場合により、保護基を除去するステップ;
(h) 場合により、式(I-5)で表される該化合物をその製薬上許容される塩に変換するステップ;及び、
(i) 場合により、式(I-5)で表される該化合物又はその製薬上許容される塩を式(I-5)で表される異なった化合物又はその製薬上許容される塩に変換するステップ。
より特定的には、式(I-5)で表される化合物は、式(H-Y-R2-R3)で表される化合物を用いて式(VII-5)で表される化合物を求核置換に付して、式(I-5)で表される化合物を調製することにより調製することができる。その求核置換は、不活性溶媒中で実施することが可能であり、また、場合によりマイクロ波照射を用いて、約80℃〜約190℃の温度まで加熱してもよい。典型的には、該反応は、等モル量の式(VI-5)で表される化合物を式(H-Y-R2-R3)で表される化合物から選択される等モル量の化合物と反応させることによって実施する。この反応に適切な溶媒としては、限定するものではないが、N,N-ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、ベンゼン、1,2-ジメトキシエタン、1-メチル-2-ピロリジノン、エタノール及びイソプロパノールなどがある。式(H-Y-R2-R3)で表される化合物は、市販されているか又は文献に従って調製することができる。
式(VII-5)で表される化合物は、複数の経路で調製することができる。一実施形態では、式(VII-5)で表される化合物は、有機合成の技術分野で慣習的なパラジウムが触媒するSuzuki、Stille又はNegishiパラジウム触媒クロスカップリング法を用いて、式(VI-5)で表される化合物を、式(VIII):
Figure 2010508301
[式中、Xはハロゲンであり、及び、Zは、ボロン酸、ボロン酸エステル、トリフルオロホウ酸塩(例えば、B(OH)2又はピナコールボロネート)、スタンナン又はハロゲン化亜鉛(例えば、塩化亜鉛)であり、環Aは上記で定義されているとおりである]
で表される試薬と反応させることにより調製することができる。
Suzukiクロスカップリング反応の概説に関しては、以下のものを参照されたい: Miyaura, N.; Suzuki, A. Chemical Reviews 1995, 95, 2457-2483。Suzukiクロスカップリング反応の実施形態では、Zは、ボロン酸、ボロン酸エステル又はトリフルオロホウ酸塩である。該Suzukiカップリングは、適切な触媒(例えば、ジクロロ[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロロメタン付加体)、塩基(例えば、水性炭酸ナトリウム又はトリエチルアミン)及び適切な不活性溶媒(例えば、N,N-ジメチルアセトアミド又はn-プロパノール)を使用して、場合によりマイクロ波照射の存在下、約50℃〜約150℃の温度で実施することができる。
Stilleクロスカップリング反応の概説に関しては、以下のものを参照されたい: Mitchell, T.N. Synthesis 1992, 803-815。Stilleクロスカップリング反応の実施形態では、Zは、典型的には、スタンナンである。該Stilleカップリングは、触媒としてテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)を使用して、促進剤(例えば、フッ化セシウム及びヨウ化銅(I))の存在下、適切な不活性溶媒(例えば、N,N-ジメチルホルムアミド)中で、約45℃の温度で実施することができる。
Negishiクロスカップリング反応の概説に関しては、以下のものを参照されたい: Negishi, E.; Zingzhong, T.Z.; Qian, M.; Hu, Q.; Huang, Z. Metal Catalyzed Cross-Coupling Reactions (2nd Edition), 2004, 2, 815-889。Negishiクロスカップリング反応の実施形態では、Zはハロゲン化亜鉛である。該Negishiカップリングは、触媒としてジクロロ[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-フェロセン]パラジウム(II)ジクロロメタン付加体を使用して、促進剤(例えば、ヨウ化銅(I))の存在下、適切な不活性溶媒(例えば、N,N-ジメチルアセトアミド)中で、約80℃の温度で実施することができる。
別の実施形態では、式(VII-5)で表される化合物は、以下のスキームに従って調製することができる。
Figure 2010508301
ここで、各Xは、同一のハロであるか又は異なるハロであり、Zは、ボロン酸、ボロン酸エステル、トリフルオロホウ酸塩(例えば、B(OH)2又はピナコールボロネート)、スタンナン又はハロゲン化亜鉛(例えば、塩化亜鉛)であり、及び、他の全ての可変部分は上記で定義されているとおりである。
この調製方法によれば、式(VII-5)で表される化合物は、以下のステップを含む2ステップ調製方法によって調製することができる:
(a) 式(VI-5)で表される化合物を、ボロン酸、ボロン酸エステル、トリフルオロホウ酸塩、スタンナン又はハロゲン化亜鉛を導入するのに適した試薬と反応させて、式(IX-5)で表される化合物を調製するステップ;及び、
(b) 式(IX-5)で表される該化合物を式(X)で表される化合物と反応させて、式(VII-5)で表される化合物を調製するステップ。
式(IX-5)で表される化合物と式(X)で表されるハロアレーンの上記反応は、上記方法を用いるパラジウムが触媒するSuzuki、Stille又はNegishiパラジウム触媒クロスカップリング法を用いて実施することができる。
式(IX-5)で表される化合物は、当技術分野で既知の技術を用いて、式(VI-5)で表される化合物を、ボロン酸、ボロン酸エステル、トリフルオロホウ酸塩、スタンナン又はハロゲン化亜鉛を導入するのに適した試薬と反応させることによって調製することができる。例えば、式(VI-5)で表される化合物を、パラジウム源の存在下、場合によりホスフィンリガンドの存在下、及び、塩基の存在下、適切な不活性溶媒中で、ビス(ピナコラート)ジボロンと反応させることができる。適切なパラジウム源の例としては、限定するものではないが、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)-パラジウム(II)又はアセタト(2'-ジ-t-ブチルホスフィノ-1,1'-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)などを挙げることができる。適切なホスフィンリガンドの例としては、限定するものではないが、9,9-ジメチル-4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン及びトリフェニルホスフィンなどを挙げることができる。適切な塩基の例としては、限定するものではないが、酢酸カリウム、炭酸セシウム、ナトリウムメトキシド及びトリエチルアミンなどを挙げることができる。適切な不活性溶媒の例としては、限定するものではないが、トルエン、N,N-ジメチルホルムアミド又は1,4-ジオキサンなどを挙げることができる。該反応は、場合により電子レンジの中で、約150℃の温度で実施することができる。スタンナン又はハロゲン化亜鉛を導入するのに適した試薬及び反応条件は、Stilleカップリング反応及びNegishiカップリング反応についての上記記載並びに利用可能な文献から当業者には容易に理解されるであろう。
式(I-5)で表される化合物は、式(VII-5)で表される化合物の調製に関して上記で記載した条件と類似したパラジウム触媒Suzuki、Stille又はNegishiカップリング条件の下で、式(VI-5)で表される化合物を式(VIII-A)で表される適切なアリール金属試薬と反応させることによって、式(VI-5)で表される化合物からより直接的に調製することができる。
Figure 2010508301
ここで、Zは、ボロン酸、ボロン酸エステル、トリフルオロホウ酸塩(例えば、B(OH)2又はピナコールボロネート)、スタンナン又はハロゲン化亜鉛(例えば、塩化亜鉛)であり、及び、他の全ての可変部分は上記で定義されているとおりである。
式(VI-5)で表される化合物は、式(V-5)で表される化合物をアンモニアと反応させることによって調製することができる。この反応は、不活性溶媒中のアンモニアの1モル溶液中で実施可能であり、また、70-100℃の温度に加熱することができる。この反応に適した溶媒の例としては、限定するものではないが、メタノール及びジオキサンなどを挙げることができる。
式(V-5)で表される化合物は、適切な環化剤を用いて(及び、保護基を用いている場合には、場合により、その保護基を除去して)、式(IV-5)で表される化合物を環化することによって調製することができる。適切な環化剤は、有機合成の当業者には明らかであり、そして、そのような適切な環化剤としては、例えば、場合により酸触媒(例えば、p-トルエンスルホン酸ピリジニウム)の存在下における、オルトギ酸トリエチル又はオルトギ酸トリメチルなどがある。一実施形態では、該環化剤は、オルトギ酸トリエチルである。好都合には、式(IV-5)で表される化合物と環化剤の反応は、何も加えずに又は溶媒(例えば、塩化メチレン)中で、約25℃〜約100℃の温度で実施することができる。一実施形態では、該反応は、周囲温度で行う。
式(IV-5)で表される化合物は、式(III-5)で表される化合物を還元することによって調製することができる。式(III-5)で表される化合物を還元するステップは、当該化合物に適した慣習的な還元方法を用いて実施することができる。特に、該還元は、水素雰囲気下における炭素担持パラジウム、水素雰囲気下における炭素担持硫化(sulfided)白金又は酢酸中における鉄粉などの条件を用いて実施することができる。一実施形態では、該還元は、水素雰囲気下における炭素担持硫化白金を用いて実施することができる。該反応は、大気圧下又は高圧下に、不活性溶媒中で実施することができる。適切な不活性溶媒としては、限定するものではないが、エタノール、メタノール及び酢酸エチルなどがある。
式(III-5)で表される化合物は、3,5-ジブロモニトロ-ベンゼンを式(II)で表される化合物と反応させることによって調製することができる。このカップリング反応は、慣習的なBuchwald反応条件を用いて実施することができる。適切なカップリング反応の例としては、限定するものではないが、パラジウム触媒クロスカップリング条件などがある。パラジウム触媒クロスカップリング条件としては、限定するものではないが、パラジウム源の存在下、場合によりホスフィンリガンドの存在下、及び、塩基の存在下、適切な不活性溶媒中での3,5-ジブロモニトロベンゼンと式(II)で表される化合物の反応などを挙げることができる。適切なパラジウム源の例としては、限定するものではないが、トリス(ジベンジリデンアセトン)-ジパラジウム(0)又はアセタト(2'-ジ-t-ブチルホスフィノ-1,1'-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)などを挙げることができる。適切なホスフィンリガンドの例としては、限定するものではないが、9,9-ジメチル-4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-キサンテンなどを挙げることができる。適切な塩基の例としては、限定するものではないが、炭酸セシウム、ナトリウムメトキシド及びトリエチルアミンなどを挙げることができる。適切な不活性溶媒の例としては、限定するものではないが、トルエン又は1,4-ジオキサンなどを挙げることができる。該反応は、約室温〜約100℃の温度で実施することができる。一実施形態では、該温度は約60℃である。ハロアレーンとアミンのパラジウム触媒クロスカップリングの概説に関しては、以下のものを参照されたい: Yang, B.H.; Buchwald, S.L. Journal of Organometallic Chemistry 1999, 576, 125-146。さらにまた、以下のものも参照されたい: Yin, J.; Zhao, M.M.; Huffman, M.A.; McNamara, J.M. Journal of Organic Chemistry 2002, 4, 3481-3484。
式(III-5)で表されるエナンチオマー的に富化された化合物は、式(II-1)で表されるエナンチオマー的に富化された化合物を用いることによって、直接的に調製することができる。
Figure 2010508301
式(II)で表される化合物は、慣習的な還元方法を用いて、式(XI)で表される化合物を還元することによって調製することができる。
Figure 2010508301
ここで、全ての可変部分は上記で定義されているとおりである。
当該還元反応に適切な条件は、当業者には明らかであり、そして、そのような適切な条件としては、例えば、適切な溶媒(例えば、酢酸)中における還元剤(例えば、鉄)などがある。該反応は、高温下、例えば、約50℃で、実施することができる。
式(XI)で表される化合物は、式(XII)で表される化合物を式(XIII)で表されるベンジルアルコールと反応させることによって調製することができる。
Figure 2010508301
ここで、全ての可変部分は上記で定義されているとおりである。
この反応は、ベンジル位の絶対立体化学を反転させる慣習的なMitsunobu法を用いて、エナンチオマー的に富化されたやり方で実施することができる。該反応は、不活性溶媒中で、標準的なMitsunobu条件下に実施する。「Hughes, D.L., Org. React. 42:335-656 (1992)」及び「Mitsunobu, O., Synthesis 1-28 (1981)」を参照されたい。典型的には、式(XII)で表される化合物、式(XIII)で表される化合物、トリアリールホスフィン及びアゾジカルボン酸ジアルキルを、場合により固体に担持された試薬を用いて、室温で一緒に反応させる。適切なトリアリールホスフィンの例としては、限定するものではないが、トリフェニルホスフィン、トリ-p-トリルホスフィン及びトリメシチルホスフィンなどを挙げることができる。適切なアゾジカルボン酸ジアルキルの例としては、限定するものではないが、アゾジカルボン酸ジエチル、アゾジカルボン酸ジイソプロピル及びアゾジカルボン酸ジ-tert-ブチルなどを挙げることができる。この反応に適した不活性溶媒の例としては、限定するものではないが、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2-ジメトキシエタン、ジクロロメタン及びトルエンなどを挙げることができる。
当業者には既知の技術を使用し、この調製方法を用いて、式(XI)で表されるエナンチオマー的に富化された化合物を調製することが可能であり、最終的には、式(II-1)で表されるエナンチオマー的に富化された化合物を調製することが可能である。
式(XII)で表される化合物は、文献(Barker, J.M.; Huddleston, P.R.; Wood, M.L.; Burkitt, S.A. Journal of Chemical Research (Miniprint) 2001, 1001-1022)に記載されている手順と同様の方法で調製することができる。
式(XIII)で表されるエナンチオマー的に富化された化合物は、市販されているか、又は、いずれのエナンチオマーも当技術分野で慣習的な知識を用いて調製することができる。
特定の一実施形態では、環Aが5-若しくは6-チアゾール又は5-若しくは6-オキサゾールである本発明の化合物は、上記スキーム1において記載した調製方法と同様の調製方法によって調製することができる。下記スキーム2は、環Aが5-オキサゾール又は5-チアゾールである式(I-5A)で表される化合物の調製に特定的な調製方法を表している。当業者は、適切な出発物質を使用して、対応する6-オキサゾール類似体及び6-チアゾール類似体が同じ手順を用いて調製され得るということを理解するであろう。
スキーム2
Figure 2010508301
ここで:
Meはメチルであり;Qは、O又はSであり(但し、本発明のこの実施形態に関し、Yが-O-である場合、QはSである);及び、他の全ての可変部分は上記で定義されているとおりである。
スキーム1と同様に、上記反応ステップは、適切な任意の順番で実施することが可能であり、及び、当該反応に先立って保護基を導入することにより特定の反応ステップを最も効率よく実施することができる。その保護基は、その後除去する。
式(I-5A)で表される化合物(即ち、式(I)[式中、環Aは5-オキサゾール又は5-チアゾールであり、及び、他の全ての可変部分は上記で定義されているとおりである]で表される化合物)は、以下のステップを含む調製方法によって調製され得る:
(a) 式(XV)で表される化合物を式(XVI)で表される化合物と反応させて、式(XVII)で表される化合物を調製するステップ;
(b) 式(XVII)で表される該化合物を式(II)で表される化合物と反応させて、式(XVIII)で表される化合物を調製するステップ;
(c) 式(XVIII)で表される該化合物を還元して、式(IXX)で表される化合物を調製するステップ;
(d) 式(IXX)で表される該化合物を環化して、式(XX)で表される化合物を調製するステップ;
(e) 式(XX)で表される該化合物をアンモニアと反応させて、式(I-5A)で表される化合物を調製するステップ;
(f) 場合により、保護基を除去するステップ;
(g) 場合により、式(I-5A)で表される該化合物をその製薬上許容される塩に変換するステップ;及び、
(h) 場合により、式(I-5A)で表される該化合物又はその製薬上許容される塩を式(I-5A)で表される異なった化合物又はその製薬上許容される塩に変換するステップ。
上記ステップ(b)からステップ(h)までは、類似した反応ステップについてスキーム1において上記で記載されている方法で実施することができる。
式(XVII)で表される化合物は、式(XV)で表される化合物を、不活性溶媒中、約室温〜約80℃の温度で、式(XVI)で表される尿素又はチオ尿素と反応させることによって調製することができる。適切な溶媒としては、限定するものではないが、N,N-ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、ベンゼン、1,2-ジメトキシエタン、1-メチル-2-ピロリジノン、エタノール及びイソプロパノールなどがある。
式(XV)及び式(XVI)で表される化合物は、市販されているか、又は、慣習的な技術を用いて調製することができる。式(XV-6):
Figure 2010508301
で表される化合物も、市販されているか、又は、慣習的な技術を用いて調製することが可能である。式(XV-6)で表される化合物を用いて、環Aが6-オキサゾール又は6-チアゾールである式(I)の化合物を調製することができる。
環Aがベンゾイミダゾールの5位又は6位に存在している本発明化合物は、下記スキーム3に概説されている調製方法によって調製することができる。
スキーム3
Figure 2010508301
ここで:
Meはメチルであり、Xはハロゲンであり、及び、他の全ての可変部分は上記で定義されているとおりであり、Brと環Aは、ベンゾイミダゾールの5位又は6位に結合している。
スキーム1と同様に、上記反応ステップは、適切な任意の順番で実施することが可能であり、及び、当該反応に先立って保護基を導入することにより特定の反応ステップを最も効率よく実施することができる。その保護基は、その後除去する。同様に、当該反応の任意の時点において、化合物又は中間体をその位置異性体に分離することができる。
一般に、本発明の化合物(全ての式及び全ての可変部分は既に上記で定義されている)を調製するためのスキーム3による調製方法は、以下のステップを含む:
(a) 5-ブロモ-1H-ベンゾイミダゾールを2-クロロ-3-オキソ-2,3-ジヒドロ-2-チオフェンカルボン酸メチルと反応させて、式(XXII)で表される化合物を調製するステップ;
(b) 式(XXII)で表される該化合物を式(XXIII)で表される化合物と反応させて、式(XXIV)で表される化合物を調製するステップ;
(c) 式(XXIV)で表される該化合物をアンモニアと反応させて、式(VI-5,6)で表される化合物を調製するステップ;
(d) 場合により、式(VI-5,6)で表される該化合物を式(VI-5)及び式(VI-6)で表される位置異性体に分離するステップ;
(e) 式(VI-5,6)で表される該化合物又は式(VI-5)及び式(VI-6)で表される位置異性体を式(VIII)で表される試薬と反応させて、式(VII-5,6)で表される化合物又は式(VII-5)及び式(VII-6)で表される位置異性体を調製するステップ;
(f) 式(VII-5,6)で表される該化合物又は式(VII-5)及び式(VII-6)で表される位置異性体を式(H-Y-R2-R3)で表される化合物と反応させて、式(I)で表される化合物又はその位置異性体を調製するステップ;
(g) 場合により、保護基を除去するステップ;
(h) 場合により、式(I)で表される該化合物をその製薬上許容される塩に変換するステップ;及び、
(i) 場合により、式(I)で表される該化合物又はその製薬上許容される塩を式(I)で表される異なった化合物又はその製薬上許容される塩に変換するステップ。
位置異性体の分離(regio-separation)は、場合により、当該反応の任意の段階で実施することができる。特に、位置異性体の分離は、エステルを対応するアミドに変換するためのアンモニアとの反応の前又は後のいずれかにおいて実施することができる。従って、ステップ(c)とステップ(d)は、上記に記載されている順番と逆の順番で実施し得る。位置異性体の分離は、慣習的なクロマトグラフィー分離法を用いて実施することができる。
不確かさを回避するために、言及されている位置異性体としては以下のものを挙げることができる:
Figure 2010508301
ここで、全ての可変部分は上記で定義されているとおりである。上記化合物はいずれも、本発明のさらなる態様を構成する。
より特定的には、式(I)で表される化合物は、スキーム1において上記で記載したパラジウム触媒カップリング反応又はパラジウム触媒カップリング反応及び求核置換反応を用いて、式(VI-5,6)で表される化合物、式(VII-5,6)で表される化合物又はそれらの位置異性体のいずれかから調製することができる。従って、式(I)で表される化合物は、式(VII-5,6)で表される化合物(又は、いずれかの個々の位置異性体)を式(H-Y-R2-R3)で表される化合物と反応させることによって調製することができる。式(I)で表される化合物は、さらにまた、式(VI-5,6)で表される化合物(又は、いずれかの個々の位置異性体)を式(VIII-A):
Figure 2010508301
[式中、Zは、ボロン酸、ボロン酸エステル、トリフルオロホウ酸塩、スタンナン又はハロゲン化亜鉛であり、及び、他の全ての可変部分は上記で定義されているとおりである]
で表されるアリール金属試薬と反応させることによっても調製することができる。
式(VI-5,6)で表される化合物は、式(V-5)で表される化合物とアンモニアの反応についてスキーム1で記載した方法で、式(XXIV)で表される化合物をアンモニアと反応させることによって調製することができる。
式(XXIV)で表される化合物は、Mitsunobu反応条件下で、式(XXII)で表される化合物を式(XXIII)で表される化合物と反応させることによって調製することができる。
Figure 2010508301
ここで、全ての可変部分は上記で定義されているとおりであり、Brはベンゾイミダゾールの5位又は6位に結合している。
該反応は、標準的なMitsunobu条件下に、不活性溶媒中で実施する。「Hughes, D.L., Org. React. 42:335-656 (1992)」及び「Mitsunobu, O., Synthesis 1-28 (1981)」を参照されたい。典型的には、式(XXII)で表される化合物、式(XXIII)で表される化合物、トリアリールホスフィン及びアゾジカルボン酸ジアルキルを、場合により固体に担持された試薬を用いて、室温で一緒に反応させる。適切なトリアリールホスフィンの例としては、限定するものではないが、トリフェニルホスフィン、トリ-p-トリルホスフィン及びトリメシチルホスフィンなどを挙げることができる。適切なアゾジカルボン酸ジアルキルの例としては、限定するものではないが、アゾジカルボン酸ジエチル、アゾジカルボン酸ジイソプロピル及びアゾジカルボン酸ジ-tert-ブチルなどを挙げることができる。この反応に適した不活性溶媒の例としては、限定するものではないが、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2-ジメトキシエタン、ジクロロメタン及びトルエンなどを挙げることができる。
当業者には明らかなように、式(XXII)で表される化合物との反応において式(XXIII-1)
Figure 2010508301
で表されるエナンチオマー的に富化された化合物を使用することによって、式(XXIV-1)で表されるエナンチオマー的に富化された化合物が生成され、この式(XXIV-1)で表されるエナンチオマー的に富化された化合物を用いて、式(VI-5,6)及び式(VII-5,6)で表されるエナンチオマー的に富化された化合物を生成させることが可能であり、最終的には、式(I-1)で表されるエナンチオマー的に富化された化合物を生成させることが可能である。
式(XXII)で表される化合物は、5-ブロモ-1H-ベンゾイミダゾールを2-クロロ-3-オキソ-2,3-ジヒドロ-2-チオフェンカルボン酸メチルと反応させることによって調製することができる。この反応のプロセスは、当業者には知られている。PCT国際出願WO 2004073612を参照されたい。当該反応は、典型的には、不活性溶媒中、室温で実施する。この反応に適した不活性溶媒の例としては、限定するものではないが、クロロホルム、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン及びトルエン並びに前述のもののいずれかと酢酸の混合物(例えば、クロロホルムと酢酸の混合物)などを挙げることができる。一実施形態では、該不活性溶媒は、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル及びトルエン並びに前述のもののいずれかと酢酸の混合物(例えば、クロロホルムと酢酸の混合物)から選択される。
当該反応は、1〜5当量の塩基添加剤の存在下で実施することができる。塩基添加剤は、その反応中に生成される塩酸に対するスカベンジャーとして作用すると考えられている。この反応に適した適切な塩基添加剤の例としては、限定するものではないが、重炭酸ナトリウム、トリエチルアミン、酢酸ナトリウム、N-メチルイミダゾール、ピリジン、N-メチルベンゾイミダゾール及び炭酸カリウムなどを挙げることができる。一実施形態では、該塩基添加剤は、重炭酸ナトリウム、トリエチルアミン、酢酸ナトリウム、N-メチルイミダゾール、ピリジン及びN-メチルベンゾイミダゾールから選択される。特定の一実施形態では、該塩基添加剤は重炭酸ナトリウムである。特定の一実施形態では、該塩基添加剤はN-メチルイミダゾールである。
別の実施形態では、式(I)[式中、環Aはベンゾイミダゾールの5位に存在し、Yは-N(R4)-C(O)-である]で表される化合物は、スキーム4に表されている調製方法に従って調製することができる。
スキーム4
Figure 2010508301
ここで、Xはハロであり、及び、他の全ての可変部分は上記で定義されているとおりである。
この実施形態によれば、式(I)で表される化合物は:
(a) 式(VII-5)で表される化合物を、慣習的なクロスカップリング反応条件の下で反応させて、式(XXV)で表される化合物を調製すること;
(b) 式(XXV)で表される該化合物を加水分解して、式(XXVI)で表される化合物を調製すること;
(c) 式(XXVI)で表される該化合物を、標準的なアミドカップリング条件の下で適切なカルボン酸と反応させて、式(I-5)で表される化合物を調製すること;
(d) 場合により、標準的な脱保護条件の下で保護基を除去すること;
(e) 場合により、式(I-5)で表される該化合物をその製薬上許容される塩に変換すること;及び、
(f) 場合により、式(I-5)で表される該化合物又はその製薬上許容される塩を式(I-5)で表される異なった化合物又はその製薬上許容される塩に変換すること;
を含むステップによって調製することができる。
記述されている別の合成経路と同様に、上記ステップの順番は本発明の実施にとって重要ではなく、その反応ステップは、当技術分野における技術に従う適切な任意の順番で実施することができる。出発物質として対応するエステルを使用し、その後、上記で記載したようにアンモニアと反応させることによって該エステルをアミドに変換することで、上記反応を実施することが可能であるということは理解されるであろう。例えば、エステルをアミドに変換するためのアンモニアとの該反応は、カルボン酸との反応の前に又は後で実施することができる。加えて、上記反応中の1つ以上のステップに関し、保護基を用いることが望ましいこともあり得る。保護基を導入及び除去するための方法は、当技術分野では知られている。
式(I-5)で表される化合物は、慣習的なアミド結合カップリング条件を用いて、式(XXVI)で表される化合物を式(HO2C-R2-R3)又は式(HO2C-R2-OC(O)-R2-R3)で表される適切なカルボン酸と反応させることによって調製することができる。この反応は、不活性溶媒中で、市販されているさまざまなカップリング試薬を用いて実施することができる。適切なカップリング試薬としては、限定するものではないが、N,N-ジシクロヘキシルカルボジイミド、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩、1,1'-カルボニルジイミダゾール、2-(7-アザ-1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート及びベンゾトリアゾール-1-イルオキシトリス(ジメチル-アミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェートなどがある。適切な別のカップリング試薬は、当業者には容易に理解されるであろう。上記カルボン酸は、場合により、対応する酸塩化物に変換することが可能であり、そして、その後、アンモニアで処理することが可能である。そのような酸塩化物の反応に適した試薬としては、限定するものではないが、塩化オキサリル、塩化チオニル及び1-クロロ-N,N,2-トリメチル-1-プロペニルアミンなどがある。上記カップリング反応には、場合により、塩基を添加することができる。該反応は、場合により、約40℃〜約100℃の温度まで加熱することが必要である。適切な塩基としては、限定するものではないが、トリアルキルアミン、ピリジン及び4-(ジメチルアミノ)ピリジンなどがある。この反応に適した溶媒の例としては、限定するものではないが、メタノール、ジクロロメタン、クロロホルム、ベンゼン、トルエン、N,N-ジメチルホルムアミド及びジクロロエタンなどを挙げることができる。この反応に続いて、慣習的な方法を用いる脱保護反応を実施することができる。カルバミン酸t-ブチルを用いる実施形態では、最終ステップは、慣習的な方法を用いる該基の除去を含んでいる。「Kocienski, P.J. Protecting Groups, Georg Thieme Verlag, Stuttgart, 1994」及び「Greene, T.W., Wuts, P. G. M. Protecting Groups in Organic Synthesis (2nd Edition), J. Wiley and Sons, 1991」を参照されたい。
慣習的な酸性脱保護方法を使用して、適切な有機溶媒中で強酸と反応させることにより、式(XXV)で表される化合物から式(XXVI)で表される化合物を調製することができる。そのようなトランスフォーメーションにおいて使用する適切な酸としては、限定するものではないが、塩酸などがある。そのようなトランスフォーメーションに適した溶媒としては、限定するものではないが、テトラヒドロフラン及び1,4-ジオキサンなどがある。「Kocienski, P.J. Protecting Groups, Georg Thieme Verlag, Stuttgart, 1994」及び「Greene, T.W., Wuts, P. G. M. Protecting Groups in Organic Synthesis (2nd Edition), J. Wiley and Sons, 1991」を参照されたい。
式(XXV)で表される化合物は、Pd(0)触媒、塩基及びホスフィンリガンドの存在下に、不活性溶媒中で、式(VII-5)で表される化合物をベンゾフェノンイミンとBuchwaldカップリングさせることによって調製することができる。適切なカップリング反応の例としては、限定するものではないが、パラジウム触媒クロスカップリング条件などを挙げることができる。パラジウム触媒クロスカップリング条件としては、限定するものではないが、パラジウム源の存在下、場合によりホスフィンリガンドの存在下、及び、塩基の存在下に、適切な不活性溶媒中で3,5-ジブロモニトロベンゼンを式(II)で表される化合物と反応させることなどがある。適切なパラジウム源の例としては、限定するものではないが、トリス(ジベンジリデンアセトン)-ジパラジウム(0)又はアセタト(2'-ジ-t-ブチルホスフィノ-1,1'-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)などを挙げることができる。適切なホスフィンリガンドの例としては、限定するものではないが、9,9-ジメチル-4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-キサンテンなどを挙げることができる。適切な塩基の例としては、限定するものではないが、炭酸セシウム、ナトリウムメトキシド及びトリエチルアミンなどを挙げることができる。適切な不活性溶媒の例としては、限定するものではないが、トルエン又は1,4-ジオキサンなどを挙げることができる。該反応は、約室温〜約100℃の温度で実施することができる。一実施形態では、該温度は約90℃である。
当業者には明らかなように、当業者には既知の慣習的な方法を用いて、式(I)で表される化合物を式(I)で表される別の化合物に変換することができる。例えば、式(I)[式中、Y-R2-R3はN(H)-(CH2)2-OHである]で表される化合物は、上記で記載した慣習的なアミド結合カップリング法を用いて、式(I)[式中、Y-R2-R3はN(H)-(CH2)2-OC(O)-(CH2)2-NH2である]で表される化合物に変換することができる。
Figure 2010508301
ここで、R1は上記で定義されているとおりである。
この開示内容及び本明細書に含まれている実施例に基づいて、当業者は、式(I)又は式(I-1)で表される化合物又はその製薬上許容される塩を式(I)又は式(I-1)で表される別の化合物又はその製薬上許容される塩に容易に変換することができる。
下記実施例で用いられている略語は、列挙されている意味を有する。
Figure 2010508301
試薬は、市販されているか、又は、文献に記載されている手順に従って調製される。下記構造において、「Me」は、-CH3を示す。
「エーテル」について言及されている場合、それは全てジエチルエーテルのことである。ブラインはNaClの飽和水溶液のことを示している。特に別途示されていない限り、全ての温度は℃(摂氏温度)で表されている。特に別途記載されていない限り、全ての反応は、不活性雰囲気下に室温で実施する。
1H NMRスペクトルは、Varian VXR-300、Varian Unity-300、Varian Unity-400計器又はGeneral Electric QE-300で記録した。化学シフトは、百万分率(ppm, δ単位)で表してある。結合定数は、ヘルツ(Hz)単位である。***パターンは、明白な多重度について記述しており、s(一重線)、d(二重線)、t(三重線)、q(四重線)、m(多重線)又はbr(広幅)として示されている。
低分解能質量スペクトル(MS)は、JOEL JMS-AX505HA、JOEL SX-102又はSCIEX-APIiii分光計で記録した;高分解能MSは、JOEL SX-102A分光計を用いて得た。全ての質量スペクトルは、エレクトロスプレーイオン化法(ESI)、化学イオン化法(CI)、電子衝撃法(EI)又は高速原子衝撃法(FAB)で得た。赤外線(IR)スペクトルは、1-mm NaClセルを用いるNicolet 510 FT-IR分光計で得た。全ての反応は、0.25mm E.Merckシリカゲルプレート(60F-254)上の薄層クロマトグラフィー( 紫外線、5%エタノール性リンモリブデン酸又はp-アニスアルデヒド溶液を用いて視覚化)又は質量分析(エレクトロスプレー又はAP)でモニタリングした。フラッシュカラムクロマトグラフィーは、シリカゲル(230-400メッシュ、Merck)で、又は、自動シリカゲルクロマトグラフィー(Isco, Inc. Sq 16x 又は 100sg Combiflash)を用いて、実施した。
記録されているHPLC保持時間(RT)は、210-500nmを読み取るWaters 996 ダイオードアレイ検出器に結合させたWaters 2795装置で得た。使用したカラムは、Synergi Max-RP(50×2mm)モデル#00B-4337-B0であった。溶媒の勾配は、6分間で、「15%MeOH:水」から「100% MeOH(0.1%ギ酸)」であった。流速は0.8mL/分であった。注入量は3μLであった。
中間体実施例1: 5-アミノ-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)-2-チオフェンカルボン酸メチル
Figure 2010508301
ステップA − 5-ニトロ-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)-2-チオフェンカルボン酸メチル
Figure 2010508301
DCM(1.0L)中のポリマー担持トリフェニルホスフィン(62.36g, 2.21mmol/g, 137.8mmol)のスラリーを、室温で10分間撹拌した。その混合物を0℃まで冷却した。3-ヒドロキシ-5-ニトロ-2-チオフェンカルボン酸メチル(20.00g, 98.44mmol)(これは、文献「Barker, J.M.; Huddleston, P.R.; Wood, M.L.; Burkitt, S.A. Journal of Chemical Research (Miniprint) 2001, 1001-1022」に記載されている手順と同様の方法で調製することができる)を添加した後、(1S)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エタノール(26.20g, 137.8mmol)及びアゾジカルボン酸ジ-tert-ブチル(31.73g, 137.8mmol)を添加した。その反応混合物を室温で21.25時間撹拌し、次いで、ガラス漏斗で濾過し、濃縮した。その残渣を1,4-ジオキサン(300mL)の4N HClで処理し、室温で3時間撹拌した。次いで、その混合物を、3N NaOH(300mL)と飽和水性重炭酸ナトリウム(200mL)を添加することによってクエンチした。その混合物をDCM(3×250mL)で抽出した。その有機画分を合してMgSO4で脱水し、濾過し、シリカゲル上で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(0%から25%までのEtOAc:ヘキサン)で精製して、36.08g(98%)の標題化合物を黄色の油状物として得た。
1H NMR(300MHz, CDCl3):δ 7.82(d, 1H, J=7.8Hz), 7.68(d, 1H, J=7.8Hz), 7.59(t, 1H, J=7.4Hz), 7.46(s, 1H), 7.42(t, 1H, J=7.6Hz), 5.77(q, 1H, J=6.1Hz), 3.94(s, 3H), 1.74(d, 3H, J=6.1Hz)。
ステップB − 5-アミノ-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)-2-チオフェンカルボン酸メチル(標題化合物)
温度プローブ、オーバーヘッド機械式撹拌機、還流冷却器及び添加漏斗を備えたフラスコに、鉄粉(26.84g, 480.6mmol)及びAcOH(130mL)を添加した。その鉄/AcOHスラリーを機械的に撹拌し、内部温度50℃まで加熱した。その添加漏斗に、5-ニトロ-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)-2-チオフェンカルボン酸メチル(36.08g, 96.13mmol)をAcOH(160mL)に溶解させた溶液を添加した。次いで、添加漏斗中のその溶液を鉄/AcOHのスラリーに内部温度が60℃未満に維持されるような速度で滴下して加えた(総添加時間 2.5時間)。その反応混合物を室温まで冷却し、DCM(500mL)で希釈し、次いで、6N NaOH(750mL)と飽和水性重炭酸ナトリウム(200mL)を添加することによってクエンチした。次いで、その混合物全体をセライトのパッドで濾過して不溶性物質を除去し、そのセライトを追加のDCM(250mL)で濯ぎ洗った。水性画分と有機画分を分離させた。その水性画分をEtOAc(2×400mL)で抽出した。有機画分を合し、MgSO4で脱水し、濾過し、濃縮して、30.66g(92%)の標題化合物を橙色の固体として得た。
1H NMR(300MHz, CDCl3):δ 7.89(d, 1H, J=7.7Hz), 7.62(d, 1H, J=7.7Hz), 7.56(t, 1H, J=7.7Hz), 7.36(t, 1H, J=7.7Hz), 5.72(s, 1H), 5.65(q, 1H, J=6.3Hz), 4.26(br s, 2H), 3.80(s, 3H), 1.66(d, 3H, J=6.3Hz); MS(APCI):368.00[M+Na]+
中間体実施例2: 5-アミノ-3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]-オキシ}-2-チオフェンカルボン酸メチル
Figure 2010508301
ステップA − 3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-5-ニトロ-2-チオフェンカルボン酸メチル
Figure 2010508301
中間体実施例1、ステップAと同様の手順によって、3-ヒドロキシ-5-ニトロ-2-チオフェンカルボン酸メチル及び(1S)-1-(2-クロロフェニル)エタノールから標題化合物を調製した。
1H NMR(400MHz, DMSO-d6):δ 7.96(s, 1H), 7.65(dd, 1H, J=1.7, 7.8Hz), 7.47(dd, 1H, J=1.5, 7.7Hz), 7.40(dt, 1H, J=1.3, 7.5Hz), 7.34(dt, 1H, J=1.9, 7.5Hz), 5.98(q, 1H, J=6.0Hz), 3.85(s, 3H), 1.59(d, 3H, J=6.2Hz)。
ステップB − 5-アミノ-3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-2-チオフェンカルボン酸メチル(標題化合物)
中間体実施例1、ステップBと同様の手順によって、3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-5-ニトロ-2-チオフェンカルボン酸メチルから標題化合物を調製した。
1H NMR(400MHz, DMSO-d6):δ 7.54(dd, 1H, J=1.8, 7.9Hz), 7.45(dd, 1H, J=1.4, 7.7Hz), 7.37(dt, 1H, J=1.4, 7.7Hz), 7.31(dt, 1H, J=1.8, 7.6Hz), 6.76(br s, 2H), 5.57(q, 1H, J=6.2Hz), 5.49(s, 1H), 3.63(s, 3H), 1.51(d, 3H, J=6.4Hz); MS(ESI):334.03[M+Na]+
実施例1: 5-[5-(2-{[2-(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}-4-ピリジニル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)-2-チオフェンカルボキサミド
Figure 2010508301
ステップA − 5-[(4-ブロモ-2-ニトロフェニル)アミノ]-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)チオフェン-2-カルボン酸メチル
Figure 2010508301
トルエン(175mL)中の5-アミノ-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)-2-チオフェンカルボン酸メチル(7.86g, 22.7mmol)と2,5-ジブロモニトロベンゼン(6.18g, 22.0mmol)とトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.42g, 0.46mmol)と4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9 ジメチルキサンテン(0.59g, 1.1mmol)の混合物を窒素下で撹拌しながら、それに、炭酸セシウム(35.0g, 88mmol)を添加した。その反応混合物を60℃で2時間撹拌し、その後、その混合物を僅かに冷却し、EtOAcと水の間で分配させた。その水相をEtOAcで再度抽出した。有機相を合し、MgSO4で脱水し、濾過した。濾液をシリカゲル上で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(10%から50%までのEtOAc:ヘキサン)で精製して、4.77g(40%)の標題化合物を赤色の を赤色の泡状物として得た。
1H NMR(400MHz, CDCl3):δ 9.46(s, 1H), 8.31(d, 1H, J=2.4Hz), 7.88(s, 1H, J=8.0Hz), 7.61(m, 2H), 7.47(m, 2H), 7.10(d, 1H, J=8.8Hz), 6.42(s, 1H), 5.70(m, 1H), 3.86(s, 3H), 1.71(d, 3H, J=6.4Hz)。
ステップB − 5-[(2-アミノ-4-ブロモフェニル)アミノ]-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)チオフェン-2-カルボン酸メチル
Figure 2010508301
25psiの水素下、5-[(4-ブロモ-2-ニトロフェニル)アミノ]-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]-エチル}オキシ)チオフェン-2-カルボン酸メチル(4.77g, 8.75mmol)及び硫化白金(炭素担持5重量%, 1.80g, 0.44mmol)をEtOAc(100mL)中で1時間撹拌し、その後、その混合物を濾過し、濃縮して、標題化合物を黄色の泡状物として得た(4.50g粗製生成物, 収率100%)。
MS(ESI):516.0 [M]+
ステップC − 5-(5-ブロモ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)-フェニル]エチル}オキシ)チオフェン-2-カルボン酸メチル
Figure 2010508301
5-[(2-アミノ-4-ブロモフェニル)アミノ]-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]-エチル}オキシ)チオフェン-2-カルボン酸メチル(4.50g粗製生成物)及び触媒量のp-トルエンスルホン酸ピリジニウム(100mg)をオルトギ酸トリエチル(10mL)中で室温で一晩撹拌し、その後、その反応混合物を固形重炭酸ナトリウムを用いて中和し、EtOAcと水の間で分配させた。その水相をEtOAcで2回抽出した。有機相を合し、MgSO4で脱水し、濾過し、濃縮して、4.50gの所望の粗製生成物を泡状物として得た。
1H NMR(400MHz, CDCl3):δ 7.90(m, 3H), 7.61(m, 2H), 7.41(m, 2H), 7.28(d, 1H, J=8.4Hz), 6.72(s, 1H), 5.78(m, 1H), 3.90(s, 3H), 1.75(d, 3H, J=6.4Hz); MS(ESI):524.9[M]+
ステップD − 5-(5-ブロモ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]-エチル}オキシ)チオフェン-2-カルボキサミド
Figure 2010508301
密封容器内で80℃で48時間加熱することにより、5-(5-ブロモ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)チオフェン-2-カルボン酸メチル(4.0g, 7.61mmol)及びMeOH中の7N アンモニア(100mL)から標題化合物を調製した。その混合物を室温まで冷却し、濾過して、黄色の固体を得た。残った濾液をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の50%から100%までのEtOAc)で精製し、得られた固体を上記黄色の固体と合して、3.30g(85%)の標題化合物を得た。
1H NMR(400MHz, CDCl3):δ 7.94(d, 1H, J=1.6Hz), 7.89(s, 1H), 7.66(m, 3H), 7.43(m, 2H), 7.28(m, 1H), 7.17(s, 1H), 6.61(s, 1H), 5.83(s, 1H), 5.78(m, 1H), 1.79(d, 3H, J=6.4Hz); MS(ESI):511.0[M+H]+
ステップE − 5-[5-(2-フルオロ-4-ピリジニル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)-2-チオフェンカルボキサミド
Figure 2010508301
N,N-ジメチルアセトアミド(30mL)中で、2-フルオロピリジン-4-ボロン酸(0.497g, 3.53mmol)と5-(5-ブロモ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)チオフェン-2-カルボキサミド(1.50g, 2.94mmol)と炭酸ナトリウム(水中1N, 10.3mL) を合した。1,1'-ビスジフェニルホスフィノ-フェロセンジクロロパラジウム(II)(0.24g, 0.3mmol)を添加し、得られた反応混合物を、窒素下で、80℃で加熱しながら1.5時間撹拌した。次いで、その混合物を冷却し、DCMと水の間で分配させた。その水相をDCMで抽出した。有機相を合してMgSO4で脱水し、シリカゲル上で濃縮し、カラムクロマトグラフィー(0%から50%までのEtOAc:ヘキサン)で精製して、ジエチルエーテル中で摩砕した後、1.52g(97%)の標題化合物を薄黄褐色の固体として得た。
1H NMR(400MHz, CDCl3):δ 8.29(d, 1H, J=5.3Hz), 8.12(s, 2H), 7.68(m, 4H), 7.51(m, 3H), 7.21(s, 1H), 7.18(s, 1H), 6.71(s, 1H), 5.85(m, 2H), 1.82(d, 3H, J=5.9Hz); MS(ESI):527.0[M+H]+
ステップF − 5-[5-(2-{[2-(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}-4-ピリジニル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)-2-チオフェンカルボキサミド(標題化合物)
5-[5-(2-フルオロ-4-ピリジニル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)-2-チオフェンカルボキサミド(0.248g, 0.471mmol)とN,N-ジメチル-1,2-エタンジアミン(1.5mL, 14.1mmol)のみからなる混合物を、Personal Chemistry電子レンジ内で、180℃で40分間加熱した。その後、その混合物をDCMで希釈し、水で洗浄した。水相をDCMで抽出した。有機相を合し、MgSO4で脱水し、シリカゲル上で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(10-90%の90/9/1のDCM/MeOH/水酸化アンモニウム:DCM)で精製して、0.200g(71%)の標題化合物を黄色の固体として得た。
1H NMR(400MHz, CDCl3):δ 8.15(d, 1H, J=5.3Hz), 8.03(d, 1H, J=1.3Hz), 7.96(s, 1H), 7.73(d, 1H, J=8.0Hz), 7.70(d, 1H, J=7.9Hz), 7.64(t, 1H, J=7.6Hz), 7.57(dd, 1H, J=8.6, 1.5Hz), 7.48(m, 2H), 7.21(br s, 1H), 6.83(dd, 1H, J=5.5, 1.3Hz), 6.66(m, 2H), 6.03(br s, 1H), 5.87(q, 1H, J=6.3Hz), 5.21(t, 1H, J=4.7Hz), 3.44(q, 2H, J=5.6Hz), 2.60(t, 2H, J=6.0Hz), 2.30(s, 6H), 1.81(d, 3H, J=6.2Hz); MS(ESI):595.1[M+H]+
実施例2: 5-[5-(2-{[2-(メチルアミノ)エチル]アミノ}-4-ピリジニル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)-2-チオフェンカルボキサミド
Figure 2010508301
ステップA − {2-[(4-{1-[5-(アミノカルボニル)-4-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)-2-チエニル]-1H-ベンゾイミダゾール-5-イル}-2-ピリジニル)アミノ]エチル}メチルカルバミン酸1,1-ジメチルエチル
Figure 2010508301
5-[5-(2-フルオロ-4-ピリジニル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)-2-チオフェンカルボキサミド(0.050g, 0.09mmol)(実施例1のステップEに準じて調製したもの)と(2-アミノエチル)メチルカルバミン酸1,1-ジメチルエチル(0.6mL)のみからなる混合物を密封管内で110℃で14時間加熱した。その後、その混合物をEtOAcで希釈し、水で洗浄した。その水相をEtOAcで2回抽出し、シリカゲル上で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(10-70%の90/9/1のDCM/MeOH/水酸化アンモニウム:DCM)で精製して、0.055g(86%)の標題化合物を泡状物として得た。
MS(ESI):681.3[M+H]+
ステップB − 5-[5-(2-{[2-(メチルアミノ)エチル]アミノ}-4-ピリジニル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)-2-チオフェンカルボキサミド(標題化合物)
{2-[(4-{1-[5-(アミノカルボニル)-4-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)-2-チエニル]-1H-ベンゾイミダゾール-5-イル}-2-ピリジニル)アミノ]エチル}メチルカルバミン酸1,1-ジメチルエチル(0.055g, 0.08mmol)とTFA(0.5mL)からなる溶液をDCM(2mL)中で室温で一晩撹拌した。余分な溶媒を減圧下に除去し、得られた反応混合物をシリカゲル上で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(10-90%の90/9/1のDCM/MeOH/水酸化アンモニウム:DCM)で精製して、0.034g(72%)の標題化合物を淡黄色の固体として得た。
1H NMR(400MHz, CDCl3):δ 8.12(d, 1H, J=5.3Hz), 7.99(s, 1H), 7.93(s, 1H), 7.71(d, 1H, J=8.1Hz), 7.68(d, 1H, J=7.9Hz), 7.62(t, 1H, J=7.5Hz), 7.53(dd, 1H, J=8.6, 1.3Hz), 7.47-7.42(m, 2H), 7.20(br s, 1H), 6.82(dd, 1H, J=5.3, 1.1Hz), 6.65(s, 1H), 6.12(br s, 1H), 5.85(q, 1H, J=6.2Hz), 5.10(t, 1H, J=5.4Hz), 3.51(q, 2H, J=5.6Hz), 2.93-2.90(m, 2H), 2.49(s, 3H), 1.96(s, 1H), 1.79(d, 3H, J=6.2Hz); MS(AP):581.2[M+H]+
実施例3: 5-(5-{2-[(N,N-ジメチルグリシル)アミノ]-4-ピリジニル}-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)-2-チオフェンカルボキサミド
Figure 2010508301
ステップA − 5-[5-(2-クロロ-4-ピリジニル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)-2-チオフェンカルボン酸メチル
Figure 2010508301
N,N-ジメチルアセトアミド(25mL)中で、2-クロロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-ピリジン(0.501g, 2.09mmol)と5-(5-ブロモ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)チオフェン-2-カルボン酸メチル(1.00g, 1.90mmol)(実施例1、ステップCに準じて調製したもの)と炭酸ナトリウム(水中1N, 7.5mL)を合した。1,1'-ビスジフェニル-ホスフィノフェロセンジクロロパラジウム(II)(0.233g, 0.209mmol)を添加した。得られた反応混合物を、窒素下で、80℃で加熱しながら1時間撹拌した。次いで、その混合物を冷却し、5:1のDCM:MeOHと飽和水性重炭酸ナトリウムの間で分配させた。その有機層をブラインで2回洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、セライト上で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(10%から100%までの1/9/90の水酸化アンモニウム/MeOH/DCM:DCM)で精製して、0.354g(33%)の標題化合物をオフホワイト色の固体として得た。
1H NMR(400MHz, CDCl3):δ 8.43(d, 1H, J=5.3Hz), 8.04(d, 2H, J=13.9Hz), 7.90(d, 1H, J=7.9Hz), 7.66(d, 1H, J=7.9Hz), 7.58(m, 4H), 7.47(dd, 1H, J=1.1, 5.1Hz), 7.41(t, 1H, J=7.6Hz), 6.78(s, 1H), 5.81(q, 1H, J=6.2Hz), 3.92(s, 3H), 1.77(d, 3H, J=6.2Hz); MS(ESI):558.1[M+H]+
ステップB − 5-(5-{2-[(ジフェニルメチリデン)アミノ]-4-ピリジニル}-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)-2-チオフェンカルボン酸メチル
Figure 2010508301
5-[5-(2-クロロ-4-ピリジニル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)-2-チオフェンカルボン酸メチル(0.250g, 0.45mmol, 実施例3ステップAを複数回繰り返して得られた物質を合したもの)及びベンゾフェノンイミン(0.09mL, 0.54mmol)を1,4-ジオキサン(2mL)に溶解させた溶液を脱ガスし、その溶液に炭酸セシウム(367mg, 1.13mmol)を添加し、次いで、4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチル-キサンテン(10.0mg, 0.018mmol)及びトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(8.0mg, 0.009mmol)を添加した。その反応混合物を90℃に24時間加熱した。次いで、その反応混合物をEtOAcで希釈し、シリカゲル上で濃縮し、カラムクロマトグラフィー(0%から60%までのEtOAc:ヘキサン)で精製して、0.255g(83%)の標題化合物をオフホワイト色の固体として得た。
MS(ESI):703.3[M+H]+
ステップC − 5-[5-(2-アミノ-4-ピリジニル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)-2-チオフェンカルボン酸メチル
Figure 2010508301
5-(5-{2-[(ジフェニルメチリデン)アミノ]-4-ピリジニル}-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)-2-チオフェンカルボン酸メチル(0.160mg, 0.228mmol)をTHF(6mL)に溶解させた溶液にHCl(2N, 水性, 3.0mL)を添加し、その溶液を室温で一晩撹拌した。次いで、その反応混合物をDCMで希釈し、飽和水性重炭酸ナトリウムで洗浄し、MgSO4で脱水した。濾液をシリカゲル上で蒸発させた。カラムクロマトグラフィー(10%から100%までの1/9/90の水酸化アンモニウム/MeOH/DCM:DCM)で精製して、0.107g(88%)の標題化合物をオフホワイト色の固体として得た。
MS(ESI):539.2[M+H]+
ステップD − 5-(5-{2-[(N,N-ジメチルグリシル)アミノ]-4-ピリジニル}-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)-2-チオフェンカルボン酸メチル
Figure 2010508301
5-[5-(2-アミノ-4-ピリジニル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)-2-チオフェンカルボン酸メチル(0.043g, 0.08mmol)及びN,N-ジメチルグリシン(0.013g, 0.10mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(0.052mL, 0.24mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(1.0mL)に溶解させた溶液に、2-(7-アザ-1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(0.057g, 0.12mmol)を添加し、その溶液を室温で14時間撹拌した。次いで、その反応混合物をEtOAcで希釈し、シリカゲル上で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(ヘキサン(0.5%のトリエチルアミン含有)中の20-100%のEtOAc)で精製して、0.030g(60%)の標題化合物を泡状物として得た。
MS(ESI):624.2[M+H]+
ステップE − 5-(5-{2-[(N,N-ジメチルグリシル)アミノ]-4-ピリジニル}-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)-2-チオフェンカルボキサミド(標題化合物)
実施例1、ステップDと同様の手順によって、5-(5-{2-[(N,N-ジメチルグリシル)アミノ]-4-ピリジニル}-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)-2-チオフェンカルボン酸メチル(30mg, 0.05mmol)から標題化合物を調製した。標題化合物は、収率41%で白色の固体として単離された(12mg)。
1H NMR(400MHz, CDCl3):δ 9.78(br s, 1H), 8.58(s, 1H), 8.36(d, 1H, J=5.3Hz), 8.13(d, 1H, J=1.1Hz), 7.99(s, 1H), 7.76-7.62(m, 4H), 7.51-7.46(m, 2H), 7.33(dd, 1H, J=5.2, 1.6Hz), 7.22(br s, 1H), 6.68(s, 1H), 5.94(br s, 1H), 5.87(q, 1H, J=6.2Hz), 3.17(s, 2H), 2.43(s, 6H), 1.82(d, 3H, J=6.2Hz); MS(ESI):609.3[M+H]+
実施例4: 5-{5-[2-(グリシルアミノ)-4-ピリジニル]-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル}-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)-2-チオフェンカルボキサミド
Figure 2010508301
ステップA − 5-[5-(2-アミノ-4-ピリジニル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)-2-チオフェンカルボキサミド
Figure 2010508301
密封容器内で85℃で10時間加熱することにより、5-[5-(2-アミノ-4-ピリジニル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)-2-チオフェンカルボン酸メチル(0.107g, 0.199mmol)(実施例3、ステップCに準じて調製したもの)及びMeOH中の7Nアンモニア(8mL)から標題化合物を調製した。その混合物をシリカゲル上で蒸発させ、カラムクロマトグラフィー(10%から90%までの1/9/90の水酸化アンモニウム/MeOH/DCM:DCM)で精製して、0.085g(82%)の所望生成物を白色の固体として得る。
1H NMR(400MHz, DMSO-d6):δ 8.58(s, 1H), 7.98(s, 1H), 7.92(m, 2H), 7.83(br s, 1H), 7.76(m, 2H), 7.57(m, 3H), 7.14(s, 1H), 7.12(br s, 1H), 6.84(d, 1H, J=5.3Hz), 6.75(s, 1H), 5.95(m, 3H), 1.73(d, 3H, J=6.0Hz); HRMS C26H21N5O2F3S:[M+H]+ 計算値 524.1368、実測値 524.1367。
ステップB − {2-[(4-{1-[5-(アミノカルボニル)-4-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)-2-チエニル]-1H-ベンゾイミダゾール-5-イル}-2-ピリジニル)アミノ]-2-オキソエチル}カルバミン酸1,1-ジメチルエチル
Figure 2010508301
5-[5-(2-アミノ-4-ピリジニル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)-2-チオフェンカルボキサミド(0.058g, 0.011mmol)及びN-{[(1,1-ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}グリシン(0.023g, 0.13mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(0.057mL, 0.33mmol)をDMF(1.0mL)に溶解させた溶液に、2-(7-アザ-1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(0.063g, 0.16mmol)を添加し、その溶液を室温で14時間撹拌した。次いで、その反応混合物をEtOAcで希釈し、シリカゲル上で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(10%から90%までの1/9/90の水酸化アンモニウム/MeOH/DCM:DCM)で精製して、0.055g(76%)の標題化合物を白色の固体として得た。
MS(ESI):681.2[M+H]+
ステップC − 5-{5-[2-(グリシルアミノ)-4-ピリジニル]-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル}-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)-2-チオフェンカルボキサミド(標題化合物)
{2-[(4-{1-[5-(アミノカルボニル)-4-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)-2-チエニル]-1H-ベンゾイミダゾール-5-イル}-2-ピリジニル)アミノ]-2-オキソエチル}カルバミン酸1,1-ジメチルエチル(0.055g, 0.08mmol)とTFA(0.5mL)からなる溶液をDCM(2mL)中で室温で一晩撹拌した。余分な溶媒を減圧下に除去し、得られた反応混合物をシリカゲル上で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(10-90%の90/9/1のDCM/MeOH/水酸化アンモニウム:DCM)で精製して、0.026g(55%)の標題化合物を白色の固体として得た。
1H NMR(400MHz, CDCl3):δ 9.90(br s, 1H), 8.59(s, 1H), 8.36(d, 1H, J=5.3Hz), 8.13(s, 1H), 7.99(s, 1H), 7.76-7.62(m, 4H), 7.51-7.46(m, 2H), 7.33(d, 1H, J=5.1Hz), 7.22(br s, 1H), 6.68(s, 1H), 5.92(br s, 1H), 5.87(q, 1H, J=6.3Hz), 3.55(s, 2H), 1.82(d, 3H, J=6.0Hz), 1.65(br s, 2H); MS(AP):581.1[M+H]+
実施例5: 5-[5-(2-{[3-(ジメチルアミノ)プロピル]アミノ}-4-ピリジニル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)-2-チオフェンカルボキサミド
Figure 2010508301
5-[5-(2-フルオロ-4-ピリジニル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)-2-チオフェンカルボキサミド(0.205g, 0.389mmol)(実施例1、ステップEに準じて調製したもの)及びN,N-ジメチル-1,3-プロパンジアミン(1.0mL)及びi-PrOH(0.5mL)からなる溶液を、Personal Chemistry電子レンジ内で、180℃で42分間加熱した。その後、その混合物をDCMで希釈し、水で洗浄した。その水層をDCM(×2)で抽出した。その有機相を合し、MgSO4で脱水し、シリカゲル上で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(10-100%の90/9/1のDCM/MeOH/水酸化アンモニウム:DCM)で精製して、N,N-ジメチル-1,3-プロパンジアミンで汚染された0.165g(黄色の固体)の生成物を得た。その黄色の固体を3mLのMeOHに溶解させ、20mLの蒸留水に添加した。MeOH共溶媒を減圧下に除去した後、溶液から所望の生成物が結晶化して、濾過後、白色の固体(110mg, 46%)が得られた。
1H NMR(400MHz, CDCl3):δ 8.11(d, 1H, J=5.3Hz), 8.02(d, 1H, J=1.1Hz), 7.95(s, 1H), 7.72(d, 1H, J=7.9Hz), 7.69(d, 1H, J=8.1Hz), 7.62(t, 1H, J=7.6Hz), 7.56(dd, 1H, J=8.4, 1.5Hz), 7.47(m, 2H), 7.18(br s, 1H), 6.81(dd, 1H, J=5.3, 1.3Hz), 6.66(s, 1H), 6.61(s, 1H), 6.07(br s, 1H), 5.85(q, 1H, J=6.2Hz), 3.42(t, 2H, J=6.6Hz), 2.48(t, 2H, J=6.8Hz), 2.30(s, 6H), 1.87-1.81(m, 2H), 1.79(d, 3H, J=6.2Hz); MS(AP):609.3[M+H]+
実施例6: 5-(5-{2-[(2-アミノエチル)アミノ]-4-ピリジニル}-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)-2-チオフェンカルボキサミド
Figure 2010508301
ステップA − {2-[(4-{1-[5-(アミノカルボニル)-4-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)-2-チエニル]-1H-ベンゾイミダゾール-5-イル}-2-ピリジニル)アミノ]エチル}カルバミン酸1,1-ジメチルエチル
Figure 2010508301
5-[5-(2-フルオロ-4-ピリジニル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)-2-チオフェンカルボキサミド(0.100g, 0.019mmol)(実施例1、ステップEに準じて調製したもの)及び(2-アミノエチル)カルバミン酸tert-ブチル(0.5mL)をEtOH(95%)に溶解させた溶液を密封管内で115℃で24時間加熱し、その後、その混合物をEtOAcで希釈し、シリカゲル上で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(ヘキサン(0.5%のトリエチルアミン含有)中の30-100%のEtOAc)で精製して、0.088g(70%)の標題化合物を泡状物として得た。
MS(ESI):667.3[M+H]+
ステップB − 5-(5-{2-[(2-アミノエチル)アミノ]-4-ピリジニル}-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)-2-チオフェンカルボキサミド(標題化合物)
実施例2、ステップBと同様の手順によって、{2-[(4-{1-[5-(アミノカルボニル)-4-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)-2-チエニル]-1H-ベンゾイミダゾール-5-イル}-2-ピリジニル)アミノ]エチル}カルバミン酸1,1-ジメチルエチル(88mg, 0.13mmol)から標題化合物を調製した。標題化合物は、収率40%で淡黄色の固体(30mg)として単離された。
1H NMR(400MHz, CDCl3):δ 8.13(d, 1H, J=5.3Hz), 8.02(s, 1H), 7.99(s, 1H), 7.72(d, 1H, J=8.0Hz), 7.69(d, 1H, J=8.2Hz), 7.62(t, 1H, J=7.5Hz), 7.55(d, 1H, J=9.5Hz), 7.48-7.44(m, 2H), 7.20(br s, 1H), 6.83(d, 1H, J=5.3Hz), 6.66(s, 1H), 6.64(s, 1H), 6.09(br s, 1H), 5.85(q, 1H, J=6.2Hz), 4.95(t, 1H, J=5.6Hz), 3.43(q, 2H, J=5.7Hz), 2.98(t, 2H, J=5.6Hz), 1.79(d, 3H, J=6.2Hz), 1.45(br s, 2H); MS(AP):567.1[M+H]+
実施例7: 5-(5-{2-[[2-(ジメチルアミノ)エチル](メチル)アミノ]-4-ピリジニル}-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)-2-チオフェンカルボキサミド
Figure 2010508301
5-[5-(2-フルオロ-4-ピリジニル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)-2-チオフェンカルボキサミド(0.100g, 0.19mmol)(実施例1、ステップEに準じて調製したもの)とN,N,N'-トリメチル-1,2-エタンジアミン(0.5mL)とEtOH(95%, 0.5mL)からなる溶液を、Personal Chemistry電子レンジ内で、180℃で35分間加熱した。その後、その混合物をEtOAcで希釈し、水で洗浄し、MgSO4で脱水し、シリカゲル上で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(10-90%の90/9/1のDCM/MeOH/水酸化アンモニウム:DCM)で精製して、0.073g(63%)の標題化合物を黄褐色の固体として得た。
1H NMR(400MHz, CDCl3):δ 8.21(d, 1H, J=5.3Hz), 8.05(s, 1H), 7.97(s, 1H), 7.74(d, 1H, J=8.1Hz), 7.71(d, 1H, J=7.9Hz), 7.64(t, 1H, J=7.6Hz), 7.58(dd, 1H, J=8.4, 1.5Hz), 7.52-7.45(m, 2H), 7.21(br s, 1H), 6.81(d, 1H, J=5.9Hz), 6.71(s, 1H), 6.68(s, 1H), 5.87(q, 1H, J=6.3Hz), 5.82(br s, 1H), 3.78(t, 2H, J=6.0Hz), 3.14(s, 3H), 2.61(br s, 2H), 2.36(br s, 6H), 1.82(d, 3H, J=6.2Hz); MS(ESI):609.3[M+H]+
実施例8: 5-(5-{2-[[3-(ジメチルアミノ)プロピル](メチル)アミノ]-4-ピリジニル}-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)-2-チオフェンカルボキサミド
Figure 2010508301
実施例7と同様の手順によって、5-[5-(2-フルオロ-4-ピリジニル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)-2-チオフェンカルボキサミド(100mg, 0.19mmol)及びN,N,N'-トリメチル-1,3-プロパンジアミン(0.5mL, 3.8mmol)から標題化合物を調製した。標題化合物は、収率86%で黄褐色の固体(101mg)として単離された。
1H NMR(400MHz, CDCl3):δ 8.20(d, 1H, J=5.3Hz), 8.06(d, 1H, J=1.1Hz), 7.97(s, 1H), 7.73(d, 1H, J=8.4Hz), 7.71(d, 1H, J=8.0Hz), 7.64(t, 1H, J=7.6Hz), 7.59(dd, 1H, J=8.5, 1.6Hz), 7.53-7.45(m, 2H), 7.19(br s, 1H), 6.80(dd, 1H, J=5.9, 1.1Hz), 6.74(s, 1H), 6.68(s, 1H), 5.99(br s, 1H), 5.87(q, 1H, J=6.2Hz), 3.65(t, 2H, J=7.1Hz), 3.12(s, 3H), 2.40(t, 2H, J=7.3Hz), 2.29(s, 6H), 1.88-1.82(m, 2H), 1.81(d, 3H, J=6.4Hz); MS(ESI):623.3 [M+H]+
実施例9: 5-[5-(2-{[3-(4-メチル-1-ピペラジニル)プロピル]アミノ}-4-ピリジニル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)-2-チオフェンカルボキサミド
Figure 2010508301
実施例7と同様の手順によって、5-[5-(2-フルオロ-4-ピリジニル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)-2-チオフェンカルボキサミド(166mg, 0.315mmol)及び[3-(4-メチル-1-ピペラジニル)プロピル]アミン(1.0mL, 5.9mmol)から標題化合物を調製した。標題化合物は、収率66%で黄色の固体(137mg)として単離された。
1H NMR(400MHz, CDCl3):δ 8.14(d, 1H, J=5.5Hz), 8.04(s, 1H), 7.97(s, 1H), 7.73(d, 1H, J=8.0Hz), 7.71(d, 1H, J=8.6Hz), 7.64(t, 1H, J=7.7Hz), 7.57(dd, 1H, J=8.6, 1.5Hz), 7.52-7.45(m, 2H), 7.20(br s, 1H), 6.82(dd, 1H, J=5.3, 1.3Hz), 6.67(s, 1H), 6.60(s, 1H), 5.87(q, 1H, J=6.2Hz), 5.79(br s, 1H), 5.40(t, 1H, J=5.1Hz), 3.43(q, 2H, J=6.0Hz), 2.70-2.32(br s, 8H), 2.52(t, 2H, J=6.8Hz), 2.29(s, 3H), 1.88-1.83(m, 2H), 1.81(d, 3H, J=6.4Hz); MS(ESI):664.3 [M+H]+
実施例10: 3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-5-[5-(2-{[2-(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}-4-ピリジニル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-2-チオフェンカルボキサミド
Figure 2010508301
ステップA − 5-[(4-ブロモ-2-ニトロフェニル)アミノ]-3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}チオフェン-2-カルボン酸メチル
Figure 2010508301
実施例1、ステップAと同様の手順によって、5-アミノ-3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-2-チオフェンカルボン酸メチル(8.58g, 30.5mmol)(中間体実施例2に準じて調製したもの)から標題化合物を調製した。標題化合物は、赤色の半固体(9.7g)として得られた。
MS(ESI):534.0[M+Na]+
ステップB − 5-[(2-アミノ-4-ブロモフェニル)アミノ]-3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}チオフェン-2-カルボン酸メチル
Figure 2010508301
実施例1、ステップBと同様の手順によって、5-[(4-ブロモ-2-ニトロフェニル)アミノ]-3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}チオフェン-2-カルボン酸メチル(9.7g, 19.0mmol)から標題化合物を調製した。標題化合物は、黄色の固体(9.1g)として得られた。
MS(ESI):482.0[M+H]+
ステップC − 5-(5-ブロモ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}チオフェン-2-カルボン酸メチル
Figure 2010508301
実施例1、ステップCと同様の手順によって、5-[(2-アミノ-4-ブロモフェニル)アミノ]-3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}チオフェン-2-カルボン酸メチル(9.1g, 18.9mmol)から標題化合物を調製した。標題化合物は、淡黄色の固体(8.3 g)として得られた。
1H NMR(300MHz, CDCl3):δ 8.02(s, 1H), 7.70(dd, 1H, J=7.6, 1.8Hz), 7.51-7.28(m, 6H), 6.74(s, 1H), 5.86(q, 1H, J=6.3Hz), 3.97(s, 3H), 1.79(d, 3H, J=6.5Hz); MS(APCI):492.79[M+H]+
ステップD − 5-(5-ブロモ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]-オキシ}チオフェン-2-カルボキサミド
Figure 2010508301
実施例1、ステップDと同様の手順によって、5-(5-ブロモ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}チオフェン-2-カルボン酸メチル(5.8g, 11.8mmol)から標題化合物を調製した。標題化合物、白色の固体(5.1g)として得られた。
1H NMR(400MHz, CDCl3):δ 8.00(s, 1H), 7.97(d, J=1.3Hz, 1H), 7.46-7.41(m, 3H), 7.35-7.26(m, 3H), 7.17(br s, 1H), 6.60(s, 1H), 5.85(q, J=6.4Hz, 1H), 5.75(br s, 1H), 1.76(d, J=6.4Hz, 3H); MS(APCI):478.0[M+H]+
ステップE − 3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-5-[5-(2-フルオロピリジン-4-イル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]チオフェン-2-カルボキサミド
Figure 2010508301
N,N-ジメチルアセトアミド(25mL)中で、2-フルオロピリジン-4-ボロン酸(0.440g, 3.15mmol)と5-(5-ブロモ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}チオフェン-2-カルボキサミド(1.0g, 2.10mmol)と1,1'-ビスジフェニルホスフィノフェロセンジクロロパラジウム(II)(0.171g, 0.21mmol)と炭酸ナトリウム(水中1N, 7.4mL)を合した。その反応混合物を、窒素下で、80℃で加熱しながら2時間撹拌した。その後、その混合物を冷却し、DCMと水の間で分配させた。その水層をDCMで抽出した(×5)。有機相を合してMgSO4で脱水し、シリカゲル上で濃縮し、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の10-100%のEtOAc)で精製して、0.735g(71%)を黄褐色の固体として得た。
1H NMR(400MHz, CDCl3):δ 8.33(d, 1H, J=5.3Hz), 8.11(d, 2H, J=16.0Hz), 7.50(m, 7H), 7.26(s, 1H), 7.23( br s, 1H), 6.71(s, 1H), 5.94(q, 1H, J=6.3Hz), 5.82(br s, 1H), 1.84(d, 3H, J=6.5Hz); MS(ESI):493.1[M+H]+
ステップF − 3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-5-[5-(2-{[2-(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}-4-ピリジニル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-2-チオフェンカルボキサミド(標題化合物)
実施例7と同様の手順によって、3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-5-[5-(2-フルオロピリジン-4-イル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]チオフェン-2-カルボキサミド (200mg, 0.41mmol)及びN,N-ジメチル-1,2-エタンジアミン(0.60mL, 5.5mmol)から標題化合物を調製した。標題化合物は、収率63%で淡褐色の固体(140mg)として単離された。
1H NMR(400MHz, CDCl3):δ 8.15(d, 1H, J=5.5Hz), 8.05(d, 1H, J=1.3Hz), 8.01(s, 1H), 7.58(dd, 1H, J=8.5, 1.6Hz), 7.50-7.43(m, 3H), 7.37-7.23(m, 2H), 7.21(br s, 1H), 6.85(dd, 1H, J=5.4, 1.4Hz), 6.68(s, 1H), 6.65(s, 1H), 5.89(q, 1H, J=6.3Hz), 5.77(br s, 1H), 5.30(br s, 1H), 3.49(q, 2H, J=5.0Hz), 2.67(br s, 2H), 2.35(s, 6H), 1.79(d, 3H, J=6.4Hz); MS(ESI):561.3[M+H]+
実施例11: 3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-5-[5-(2-{[3-(4-メチル-1-ピペラジニル)プロピル]アミノ}-4-ピリジニル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-2-チオフェンカルボキサミド
Figure 2010508301
実施例7と同様の手順によって、3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-5-[5-(2-フルオロピリジン-4-イル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]チオフェン-2-カルボキサミド (200mg, 0.41mmol)(実施例10に準じて調製したもの)及び[3-(4-メチル-1-ピペラジニル)プロピル]アミン(1.0mL, 5.9mmol)から標題化合物を調製した。標題化合物は、収率65%で黄色の固体(167mg)として単離された。
1H NMR(400MHz, CDCl3):δ 8.13(d, 1H, J=5.3Hz), 8.03(s, 1H), 7.99(s, 1H), 7.56(d, 1H, J=8.6Hz), 7.49-7.41(m, 3H), 7.36-7.27(m, 2H), 7.19(br s, 1H), 6.81(d, 1H, J=5.3Hz), 6.64(s, 1H), 6.60(s, 1H), 5.87(q, 1H, J=6.2Hz), 5.81(br s, 1H), 5.40(s, 1H), 3.43(q, 2H, J=5.8Hz), 2.60-2.40(br s, 10H), 2.32(s, 3H), 1.88-1.80(m, 2H), 1.77(d, 3H, J=6.2Hz); MS(ESI):630.3[M+H]+
実施例12: 3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-5-[5-(2-{[2-(4-モルホリニル)エチル]アミノ}-4-ピリジニル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-2-チオフェンカルボキサミド
Figure 2010508301
実施例7と同様の手順によって、3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-5-[5-(2-フルオロピリジン-4-イル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]チオフェン-2-カルボキサミド(90mg, 0.18mmol)(実施例10、ステップEに準じて調製したもの)及び[2-(4-モルホリニル)エチル]アミン(0.5mL, 3.8mmol)から標題化合物を調製した。標題化合物は、収率67%でベージュ色の固体(74mg)として単離された。
1H NMR(400MHz, CDCl3):δ 8.14(d, 1H, J=5.3Hz), 8.04(s, 1H), 7.99(s, 1H), 7.57(d, 1H, J=8.6Hz), 7.49-7.45(m, 2H), 7.43(d, 1H, J=7.7Hz), 7.36-7.27(m, 2H), 7.19(br s, 1H), 6.85(d, 1H, J=5.1Hz), 6.64(s, 2H), 5.87(q, 1H, J=6.4Hz), 5.83(br s, 1H), 5.22(s, 1H), 3.73(t, 4H, J=4.2Hz), 3.49-3.41(m, 2H), 2.66(t, 2H, J=5.8Hz), 2.50(m, 4H), 1.77(d, 3H, J=6.2Hz); MS(ESI):603.1[M+H]+
実施例13: 3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-5-[5-(2-{[(2R)-2,3-ジヒドロキシプロピル]アミノ}-4-ピリジニル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-2-チオフェンカルボキサミド
Figure 2010508301
実施例7と同様の手順によって、3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-5-[5-(2-フルオロピリジン-4-イル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]チオフェン-2-カルボキサミド(160mg, 0.34mmol)(実施例10、ステップEに準じて調製したもの)及び(2R)-3-アミノ-1,2-プロパンジオール(0.8mL, 8.8mmol)から標題化合物を調製した。標題化合物は、収率41%で黄褐色の固体(78mg)として単離された。
1H NMR(400MHz, CDCl3):δ 8.08(d, 1H, J=5.5Hz), 8.01(s, 1H), 7.99(s, 1H), 7.56(d, 1H, J=8.6Hz), 7.49-7.45(m, 2H), 7.41(t, 1H, J=7.8Hz ), 7.36-7.26(m, 2H), 7.18(m, 1H), 6.88(d, 1H, J=5.5Hz), 6.68(s, 1H), 6.64(s, 1H), 5.87(q, 1H, J=6.4Hz), 5.74(br s, 1H), 4.81(t, 1H, J=5.8Hz), 3.84-3.79(m, 1H), 3.71-3.65(m, 1H), 3.65-3.58(m, 4H), 2.70-2.58(m, 1H), 1.77(d, 3H, J=6.4Hz); MS(ESI):564.3[M+H]+
実施例14: 3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-5-(5-{2-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-4-ピリジニル}-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2-チオフェンカルボキサミド
Figure 2010508301
実施例5と同様の手順によって、3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-5-[5-(2-フルオロピリジン-4-イル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]チオフェン-2-カルボキサミド(270mg, 0.55mmol)(実施例10、ステップEに準じて調製したもの)及びエタノールアミン(1.0mL, 16.6mmol)から標題化合物を調製した。標題化合物は、収率54%で黄褐色の固体(158mg)として単離された。
1H NMR(400MHz, CDCl3):δ 8.09-8.05(m, 1H), 8.02(s, 1H), 7.99(s, 1H), 7.54(d, 1H, J=8.6Hz), 7.49-7.45(m, 2H), 7.42(d, 1H, J=7.6Hz), 7.36-7.27(m, 2H), 7.19(br s, 1H), 6.90-6.86(m, 1H), 6.71(s, 1H), 6.64(s, 1H), 5.87(q, 1H, J=6.4Hz), 5.78(br s, 1H), 5.20(br s, 1H), 3.85(t, 2H, J=4.5Hz), 3.58(q, 2H, J=4.0Hz), 1.77(d, 3H, J=6.2Hz); MS(ESI):534.2[M+H]+
実施例15: 2-({4-[1-(5-(アミノカルボニル)-4-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-2-チエニル)-1H-ベンゾイミダゾール-5-イル]-2-ピリジニル}アミノ)エチルL-バリナート
Figure 2010508301
ステップA − 2-({4-[1-(5-(アミノカルボニル)-4-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-2-チエニル)-1H-ベンゾイミダゾール-5-イル]-2-ピリジニル}アミノ)エチル N-{[(1,1-ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}-L-バリナート
Figure 2010508301
3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-5-(5-{2-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-4-ピリジニル}-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2-チオフェンカルボキサミド(0.093g, 0.17mmol)(実施例10に準じて調製したもの)及びN-{[(1,1-ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}-L-バリン(0.057g, 0.26mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(0.05mL, 0.24mmol)をDMF(1.0mL)に溶解させた溶液に、2-(7-アザ-1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(0.080g, 0.21mmol)を添加し、その溶液を室温で24時間撹拌した。次いで、その反応混合物をDCMで希釈し、水で洗浄し、DCMで2回抽出した。その有機相を合してMgSO4で脱水し、シリカゲル上で濃縮した。(10%から50%までの1/9/90の水酸化アンモニウム/MeOH/DCM:DCM)により、0.055g(43%)の所望の生成物を泡状物として得た。
MS(ESI):733.4[M+H]+
ステップB − 2-({4-[1-(5-(アミノカルボニル)-4-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-2-チエニル)-1H-ベンゾイミダゾール-5-イル]-2-ピリジニル}アミノ)エチルL-バリナート(標題化合物)
実施例2、ステップBと同様の手順によって、2-({4-[1-(5-(アミノカルボニル)-4-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-2-チエニル)-1H-ベンゾイミダゾール-5-イル]-2-ピリジニル}アミノ)エチル N-{[(1,1-ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}-L-バリナート(55mg, 0.075mmol)から標題化合物を調製した。標題化合物は、収率100%でベージュ色の固体(48mg)として単離された。
1H NMR(400MHz, CDCl3):δ 8.09(d, 1H, J=5.5Hz), 7.99(s, 1H), 7.97(s, 1H), 7.52-7.40(m, 4H), 7.36-7.26(m, 2H), 7.20(br s, 1H), 6.82(d, 1H, J=4.8Hz), 6.68(s, 1H), 6.63(s, 1H), 6.18(br s, 1H), 5.87(q, 1H, J=6.3Hz), 5.35(br s, 1H), 4.45-4.37(m, 1H), 4.36-4.30(m, 1H), 3.72-3.63(m, 2H), 3.34(d, 1H, J=5.0Hz), 2.30(br s, 2H), 2.07-1.98(m, 1H), 1.77(d, 3H, J=6.2Hz), 0.95(d, 3H, J=6.8Hz), 0.88(d, 3H, J=7.0Hz); MS(ESI):633.3[M+H]+
実施例16: 5-[5-(2-{[2-(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}ピリミジン-4-イル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)チオフェン-2-カルボキサミド
Figure 2010508301
ステップA − 5-[5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)チオフェン-2-カルボキサミド
Figure 2010508301
DMF(1.5mL)中で、5-(5-ブロモ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)チオフェン-2-カルボキサミド(0.114g, 0.223mmol)(実施例1、ステップDに準じて調製したもの)及びビス(ピナコラート)ジボロン(0.068g, 0.268mmol)及び酢酸カリウム(0.055g, 0.669mmol)及びジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(0.016g, 0.022mmol)を合した。その反応混合物を、Personal Chemistry電子レンジ内で、150℃で20分間加熱した。その後、その混合物をEtOAcで希釈し、シリカゲル上で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(10-100%のEtOAc:ヘキサン)で精製して、0.062g(50%)の標題化合物をオフホワイト色の固体として得た。MS(ESI):558.2[M+H]+。別の実験において、上記と同様の手順に従って、5-(5-ブロモ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)チオフェン-2-カルボキサミドの代わりに1-[5-(アミノカルボニル)-4-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)-2-チエニル]-1H-ベンゾイミダゾール-5-イルトリフルオロメタンスルホネートからも、標題化合物を調製した(収量:193mg, 90%)。
ステップB − 5-[5-(2-クロロピリミジン-4-イル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)チオフェン-2-カルボキサミド
Figure 2010508301
5-[5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)チオフェン-2-カルボキサミド(0.193g, 0.350mmol)(実施例16、ステップAと同様の手順を用いて、1-[5-(アミノカルボニル)-4-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)-2-チエニル]-1H-ベンゾイミダゾール-5-イルトリフルオロメタンスルホネートから調製したもの)及び2,4-ジクロロピリミジン(0.089g, 0.600mmol)をDMA(2.0mL)に溶解させた。炭酸ナトリウム(水中1N, 0.7mL)を添加した後、1,1'-ビスジフェニルホスフィノフェロセンジクロロパラジウム(II)(0.029g, 0.035mmol)を添加した。その反応混合物を、窒素下、80℃で加熱しながら15時間撹拌した。次いで、その混合物を冷却し、EtOAcと水の間で分配させた。その水層をEtOAcで抽出した。有機相を合してMgSO4で脱水し、シリカゲル上で濃縮し、カラムクロマトグラフィー(10-100%のEtOAc:ヘキサン)で精製して、0.100g(53%)の標題化合物を白色の固体として得た。
MS(ESI):544.1[M+H]+
ステップC − 5-[5-(2-{[2-(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}ピリミジン-4-イル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)チオフェン-2-カルボキサミド(標題化合物)
95%エタノール(1.5mL)中で、5-[5-(2-クロロピリミジン-4-イル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)チオフェン-2-カルボキサミド(0.064g, 0.116mmol)及びN,N-ジメチル-エチレンジアミン(0.5mL)を合した。その反応混合物を、Personal Chemistry電子レンジ内で、180℃で15分間加熱した。その後、その混合物をEtOAcで希釈し、水で洗浄した。その水層をEtOAcで2回抽出した。有機相を合してMgSO4で脱水し、濾過し、シリカゲル上で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(DCM中の10-100%の水酸化アンモニウム:MeOH:DCM(1:9:90))で精製して、0.050g(72%)をオフホワイト色の固体として得た。
1H NMR(400MHz, CDCl3):δ 8.47(s, 1H), 8.33(d, 1H, J=5.1Hz), 8.08(d, 1H, J=8.6Hz), 7.96(s, 1H), 7.71(dd, 2H, J=7.9, 14.1Hz), 7.63(t, 1H, J=7.5Hz), 7.46(m, 2H), 7.19(br s, 1H), 7.02(d, 1H, J=5.1Hz), 6.66(s, 1H), 5.85(m, 2H), 5.73(br s, 1H), 3.64(d, 2H, J=4.2Hz), 2.67(m, 2H), 2.36(s, 6H), 1.80(d, 3H, J=6.2Hz); MS(APCI):596.1[M+H]+
実施例17: 3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-5-[5-(2-{[3-(4-メチル-1-ピペラジニル)プロピル]アミノ}-4-ピリミジニル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-2-チオフェンカルボキサミド
Figure 2010508301
ステップA − 3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-5-[5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]チオフェン-2-カルボキサミド
Figure 2010508301
DMF(7.0mL)中で、5-(5-ブロモ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}チオフェン-2-カルボキサミド(0.521g, 1.09mmol)(実施例10、ステップDに準じて調製したもの)及びビス(ピナコラート)ジボロン(0.330g, 1.30mmol)及び酢酸カリウム(0.270g, 3.30mmol)及びジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(0.077g, 0.110mmol)を合した。その反応混合物を2つの5mL容電子レンジ用容器に等しく分け、その両方とも、Personal Chemistry電子レンジ内で、150℃で20分間加熱した。その後、それらの混合物をEtOAcで希釈し、合してシリカゲル上で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(10-100%のEtOAc:ヘキサン)で精製して、0.062g(50%)の標題化合物をオフホワイト色の固体として得た。
MS(ESI):524.2[M+H]+
ステップB − 3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-5-[5-(2-クロロピリミジン-4-イル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]チオフェン-2-カルボキサミド
Figure 2010508301
実施例16、ステップBと同様の手順によって、3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-5-[5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]チオフェン-2-カルボキサミド(50mg, 0.95mmol)から標題化合物を調製した。標題化合物は、白色の固体(485mg)として得られた。
MS(ESI):510.1[M+H]+
ステップC − 3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-5-[5-(2-{[3-(4-メチル-1-ピペラジニル)プロピル]アミノ}-4-ピリミジニル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-2-チオフェンカルボキサミド(標題化合物)
実施例16、ステップCと同様の手順によって、3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-5-[5-(2-クロロピリミジン-4-イル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]チオフェン-2-カルボキサミド(104mg, 0.204mmol)及び[3-(4-メチル-1-ピペラジニル)プロピル]アミン(0.5mL, 3.0mmol)から標題化合物を調製した。標題化合物は、黄色の固体(64mg, 収率48%)として単離された。
1H NMR(400MHz, CDCl3):δ 8.50(s, 1H), 8.32(d, 1H, J=5.1Hz), 8.06(d, 1H, J=8.6Hz), 7.99(s, 1H), 7.51-7.41(m, 3H), 7.36-7.27(m, 2H), 7.19(br s, 1H), 7.01(d, 1H, J=5.1Hz), 6.64(s, 1H), 5.87(q, 1H, J=6.3Hz), 5.77(br s, 1H), 3.59(m, 2H), 2.54(m, 10H), 2.35( br s, 3H), 1.84(m, 2H), 1.77(d, 3H, J=6.2Hz); MS(AP):631.1[M+H]+
実施例18: 3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-5-[5-(2-{[3-(ジメチルアミノ)プロピル]アミノ}-5-ピリミジニル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-2-チオフェンカルボキサミド
Figure 2010508301
ステップA − 3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-5-[5-(2-クロロ-5-ピリミジニル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-2-チオフェンカルボキサミド
Figure 2010508301
3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-5-[5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]チオフェン-2-カルボキサミド(530mg, 1.0mmol)(実施例17、ステップAに準じて調製したもの)及び5-ブロモ-2-クロロピリミジン(353mg, 1.8mmol)をDMA(5mL)に溶解させた。その混合物を、1N 水性炭酸ナトリウム(2mL)及び1,1-ビスジフェニルホスフィノフェラセン(ferracene)ジクロロパラジウム(II)(82mg, 0.10mmol)で処理した。その混合物を80℃に1時間加熱した。その反応物を室温まで冷却し、水とEtOAcの間で分配させた。層を分離し、水層をDCMで抽出した。有機層をNa2SO4で脱水した。有機層を濾過し、合し、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc)で精製して、当該生成物を黄色の固体(270mg, 収率52%)として得た。
1H NMR(400MHz, DMSO-d6):δ 9.19(s, 2H), 8.65(s, 1H), 8.27(s, 1H), 7.82(d, 2H, J=7.7Hz), 7.66(t, 2H , J=9.06Hz), 7.50(d, 1H, J=7.7Hz), 7.43-7.34(m, 2H), 7.22(s, 1H), 7.11(br s, 1H), 5.99(q, 1H, J=6.4Hz), 1.72(d, 3H, J=6.4Hz); C24H18Cl2N5O2S:[M+H]+ 計算値 510.0558, 実測値 510.0564。
ステップB − 3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-5-[5-(2-{[3-(ジメチルアミノ)プロピル]アミノ}-5-ピリミジニル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-2-チオフェンカルボキサミド(標題化合物)
3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-5-[5-(2-クロロ-5-ピリミジニル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-2-チオフェンカルボキサミド(80mg, 0.16mmol)(実施例17、ステップAに準じて調製したもの)及び3-(ジメチルアミノ)プロピルアミン(0.5mL, 4mmol)をEtOH(1.0mL)に懸濁させた。その反応物を180℃の電子レンジの中に15分間置いた。その反応混合物をEtOAcと水の間で分配させた。層を分離し、水層をDCMで抽出した。有機層をNa2SO4で脱水し、濾過し、合し、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(9:1:0.1のDCM:MeOH:水酸化アンモニウム)で精製して、標題化合物を淡褐色の固体(37mg, 41%)として得た。
1H NMR(400MHz, DMSO-d6):δ 8.66 (s, 2H), 8.59(s, 1H), 8.00(s, 1H), 7.82(s,1H), 7.68(d, 1H, J=7.7Hz), 7.63(d, 1H, J=9.7Hz), 7.56(d, 1H, J=8.4Hz), 7.51(d, 1H, J=7.9Hz), 7.44-7.31(m, 3H), 7.21(s, 1H), 7.11(br s, 1H), 5.99(q, 1H, J=6.3Hz), 3.4-3.2(m, 2H), 2.28(t, 2H, J=7.0Hz), 2.12(s, 6H), 1.72(d, 3H, J=6.2Hz), 1.66 (t, 2H, J=7.1Hz); C29H31ClN7O2S:[M+H]+ 計算値 576.1948, 実測値 576.1937。
実施例19: 3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-5-[5-(2-{[2-(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}-5-ピリミジニル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-2-チオフェンカルボキサミド
Figure 2010508301
3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-5-[5-(2-クロロ-5-ピリミジニル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-2-チオフェンカルボキサミド(50mg, 0.10mmol)(実施例17、ステップBに準じて調製したもの)及びN,N'-ジメチルエチレンジアミン(500μL, 7.0mmol)をEtOH(1.0mL)に懸濁させた。その反応混合物を180℃の電子レンジの中に15分間置いた。その反応混合物をEtOAcと水の間で分配させた。層を分離し、水層をDCMで抽出した。有機層をNa2SO4で脱水し、濾過し、合し、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(9:1:0.1のDCM:MeOH:水酸化アンモニウム)で精製して、標題化合物を黄色の固体(50mg, 91%)として得た。
1H NMR(400MHz, DMSO-d6):δ 8.67 (s, 2H), 8.59(s, 1H), 8.01(s, 1H), 7.82(s,1H), 7.68(d, 1H, J=7.0Hz), 7.63(d, 1H, J=8.6Hz), 7.56(d, 1H, J=8.4Hz), 7.51(d, 1H, J=7.1Hz), 7.43-7.34(m, 2H), 7.21(s, 1H), 7.10-7.00(m, 2H), 6.05-5.95(m, 1H), 3.44-3.3(m, 2H), 2.24(t, 2H, J=6.8Hz), 2.17(s, 6H), 1.72(d, 3H, J=5.7Hz); C28H29ClN7O2S:[M+H]+ 計算値 562.1792, 実測値 562.1790。
実施例20: 3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-5-[5-(2-{[3-(4-メチル-1-ピペラジニル)プロピル]アミノ}-5-ピリミジニル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-2-チオフェンカルボキサミド
Figure 2010508301
3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-5-[5-(2-クロロ-5-ピリミジニル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-2-チオフェンカルボキサミド(88mg, 0.17mmol)(実施例17、ステップBに準じて調製したもの)及び1,(3-アミノプロピル)-4-メチルピペラジン(500μL, 2.9mmol)をEtOH(1.0mL)に懸濁させた。その反応混合物を180℃の電子レンジの中に15分間置いた。その反応混合物をEtOAcと水の間で分配させた。層を分離し、水層をDCMで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、合し、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(9:1:0.1のDCM:MeOH:水酸化アンモニウム)で精製して、30mg(28%)の標題化合物を黄色の泡状物として得た。
1H NMR(400MHz, DMSO-d6):δ 8.65 (s, 2H), 8.57(s, 1H), 7.99(s, 1H), 7.80(s,1H), 7.67(d, 1H, J=7.3Hz), 7.61(d, 1H, J=8.1Hz), 7.55(d, 1H, J=8.6Hz), 7.50(d, 1H, J=7.9Hz), 7.43-7.30(m, 3H), 7.19(s, 1H), 7.10(br s, 1H), 5.98(q, 1H, J=6.2Hz), 3.44-3.3(m, 2H), 2.40-2.20(m,10H), 2.12(s, 3H), 1.69(d, 3H, J=6.2Hz), 1.70-1.60(m, 2H); C32H36ClN8O2S:[M+H]+ 計算値 631.2370, 実測値 631.2366。
実施例21: 3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-5-(5-{2-[[2-(ジメチルアミノ)エチル](メチル)アミノ]-5-ピリミジニル}-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2-チオフェンカルボキサミド
Figure 2010508301
3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-5-[5-(2-クロロ-5-ピリミジニル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-2-チオフェンカルボキサミド(80mg, 0.16mmol)(実施例17、ステップBに準じて調製したもの)及びN,N,N'-トリメチルエチレンジアミン(500μL, 6.2mmol)をEtOH(0.50mL)に懸濁させた。その反応混合物を180℃の電子レンジの中に15分間置いた。その反応混合物をEtOAcと水の間で分配させた。層を分離し、水層をDCMで抽出した。有機層をNa2SO4で脱水し、濾過し、合し、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(9:1:0.1のDCM:MeOH:水酸化アンモニウム)で精製して、48mg(53%)の標題化合物をベージュ色の固体として得た。
1H NMR(400MHz, CDCl3):δ 8.58 (s, 2H), 7.98(s, 1H), 7.88(s, 1H), 7.48-7.41(m, 4H), 7.36-7.29(m, 2H), 7.18(s, 1H), 6.63(s, 1H), 5.87(q, 1H, J=6.2Hz), 5.74(br s, 1H), 4.00-3.90(m, 2H), 3.25(s, 3H), 2.90-2.70(m, 2H), 2.52(s, 6H), 1.77(d, 3H, J=6.4Hz); C29H31ClN7O2S:[M+H]+ 計算値 576.1948, 実測値 576.1943。
実施例22: 3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-5-[5-(2-{[2-(4-モルホリニル)エチル]アミノ}-5-ピリミジニル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-2-チオフェンカルボキサミド
Figure 2010508301
3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-5-[5-(2-クロロ-5-ピリミジニル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-2-チオフェンカルボキサミド(75mg, 0.15mmol)(実施例17、ステップBに準じて調製したもの)及び4-(2-アミノエチル)モルホリン(500μL, 3.9mmol)をEtOH(1.0mL)に懸濁させた。その反応混合物を180℃の電子レンジの中に15分間置いた。その反応混合物をEtOAcと水の間で分配させた。層を分離し、水層をDCMで抽出した。有機層をNa2SO4で脱水し、濾過し、合し、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(9:1:0.1のDCM:MeOH:水酸化アンモニウム)で精製して、50mg(55%)の標題化合物をベージュ色の固体として得た。
1H NMR(400MHz, アセトン-d6):δ 8.64(s, 2H), 8.33(s, 1H), 7.92(s, 1H), 7.72(d, 1H, J=7.5Hz), 7.61-7.55(m, 3H), 7.51(d, 1H, J=8.4Hz), 7.50-7.37(m, 2H), 7.25(br s, 1H), 7.11(s, 1H), 6.91(br s, 1H), 6.08(q, 1H, J=6.4Hz), 3.90-3.40(m, 8H), 2.80-2.3(m, 4H), 1.81(d, 3H, J=6.4Hz); C30H31ClN7O3S:[M+H]+ 計算値 604.1898, 実測値 604.1898。
実施例23: 3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-5-[5-(3-{[2-(1-ピロリジニル)エチル]オキシ}フェニル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-2-チオフェンカルボキサミド
Figure 2010508301
実施例1、ステップEと同様の手順によって、5-(5-ブロモ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}チオフェン-2-カルボキサミド(100mg, 0.21mmol)(実施例10、ステップDに準じて調製したもの)から標題化合物を調製した。標題化合物は、収率92%(113mg)で得られた。
1H NMR(300MHz, DMSO-d6):δ 8.64(s, 1H), 8.01(s, 1H), 7.86(s, 1H), 7.74-7.39(m, 9H), 7.27(s, 1H), 7.16-7.10(m, 2H), 6.07-6.01(m, 1H), 4.30-4.21(m, 2H), 3.20-2.81(m, 6H), 1.85(s, 4H), 1.77(d, 3H, J=6.3Hz); MS(ESI) m/z 587(M++H)。
実施例24: 3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-5-(5-{4-[(4-モルホリニルアセチル)アミノ]フェニル}-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2-チオフェンカルボキサミド
Figure 2010508301
実施例1、ステップEと同様の手順によって、5-(5-ブロモ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}チオフェン-2-カルボキサミド(100mg, 0.21mmol)(実施例10、ステップDに準じて調製したもの)から標題化合物を調製した。標題化合物は、固体(148mg)として得られた。
1H NMR(400MHz, DMSO-d6):δ 9.81(s, 1H), 8.62(s, 1H), 7.98(s, 2H), 7.81(s, 1H), 7.70-7.67(m, 2H), 7.64(s, 1H), 7.52-7.36(m, 6H), 7.24(s, 1H), 7.60(s, 1H), 6.02-5.97(m, 1H), 3.64(t, 4H, J=4.4, 8.8Hz), 3.14(s, 2H), 2.51(t, 4H, J=4.4, 8.8Hz), 1.73(d, 3H, J=6.4Hz); MS(ESI) m/z 616(M++H)。
実施例25: 5-[5-(6-{[2-(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}-3-ピリジニル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)-2-チオフェンカルボキサミド
Figure 2010508301
ステップA − 5-[5-(6-フルオロ-3-ピリジニル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)-2-チオフェンカルボキサミド
Figure 2010508301
実施例1、ステップEと同様の手順によって、5-(5-ブロモ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]-エチル}オキシ)チオフェン-2-カルボキサミド(1.0g, 2.0mmol)(実施例10、ステップDに準じて調製したもの)及び2-フルオロピリジン-5-ボロン酸(0.33g, 2.35mmol)から標題化合物を調製した。標題化合物は、収率70%(700mg)で得られた。
MS(ESI):527.0[M+H]+
ステップB − 5-[5-(6-{[2-(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}-3-ピリジニル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)-2-チオフェンカルボキサミド(標題化合物)
実施例7と同様の手順によって、5-[5-(6-フルオロピリジン-3-イル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)-2-チオフェンカルボキサミド(300mg, 0.58mmol)(実施例25に準じて調製したもの)から標題化合物を調製した。標題化合物は、収率38%(130mg)で得られた。
1H NMR(400MHz, CD3OD):δ 8.34(s, 1H), 8.26(d, J=2.6Hz, 1H), 7.86-7.84(m, 2H), 7.78(dd, J=8.6, 2.3Hz, 2H), 7.71(t, J=7.6Hz, 1H), 7.53(m, 2H), 7.44(d, J=8.6Hz, 1H), 6.97(s, 1H), 6.65(d, J=8.9Hz, 1H), 6.04-5.98(m, 1H), 3.50(m, 2H), 2.71(t, J=6.6Hz, 2H), 2.41(s, 6H), 2.26(s, 1H), 1.81(d, J=6.4Hz, 3H); MS(ESI) m/z 595.29(M+H)+
実施例26: 5-[5-(6-{[2-(メチルアミノ)エチル]アミノ}-3-ピリジニル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)-2-チオフェンカルボキサミド
Figure 2010508301
ステップA − 5-[5-(6-クロロ-3-ピリジニル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)-2-チオフェンカルボン酸メチル
Figure 2010508301
実施例1、ステップEと同様の手順によって、5-(5-ブロモ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)-2-チオフェンカルボン酸メチル(0.8g, 1.5mmol)(実施例1、ステップCに準じて調製したもの)及び2-クロロ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジン(0.55g, 2.3mmol)から標題化合物を調製した。標題化合物は、収率46%(390mg)で得られた。
MS(ESI):558.1[M+H]+
ステップB − 5-{5-[6-({2-[{[(1,1-ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}-(メチル)アミノ]エチル}アミノ)-3-ピリジニル]-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル}-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)-2-チオフェンカルボン酸メチル
Figure 2010508301
実施例3、ステップBと同様の手順によって、5-[5-(6-クロロ-3-ピリジニル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)-2-チオフェンカルボン酸メチル(150mg, 0.27mmol)(実施例26、ステップAに準じて調製したもの)及び(2-アミノエチル)メチルカルバミン酸1,1-ジメチルエチル(100mg, 0.57mmol)から標題化合物を調製した。標題化合物は、収率30%(57mg)で得られた。
MS(ESI):696.3[M+H]+
ステップC − {2-[(5-{1-[5-(アミノカルボニル)-4-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)-2-チエニル]-1H-ベンゾイミダゾール-5-イル}-2-ピリジニル)アミノ]エチル}メチルカルバミン酸1,1-ジメチルエチル
Figure 2010508301
実施例1、ステップDと同様の手順によって、5-{5-[6-({2-[{[(1,1-ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}(メチル)アミノ]エチル}アミノ)-3-ピリジニル]-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル}-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)-2-チオフェンカルボン酸メチル(57mg, 0.08mmol)(実施例26、ステップBに準じて調製したもの)から標題化合物を調製した。標題化合物は、収率52%(29mg)で得られた。
MS(ESI):581.3[M+H]+
ステップD − 5-[5-(6-{[2-(メチルアミノ)エチル]アミノ}-3-ピリジニル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)-2-チオフェンカルボキサミド(標題化合物)
実施例3、ステップCと同様の手順によって、{2-[(5-{1-[5-(アミノカルボニル)-4-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)-2-チエニル]-1H-ベンゾイミダゾール-5-イル}-2-ピリジニル)アミノ]エチル}メチルカルバミン酸1,1-ジメチルエチル(29mg, 0.043mmol)(実施例26、ステップCに準じて調製したもの)から標題化合物を調製した。標題化合物は、収率96%(27mg)で得られた。
1H NMR(300MHz, CD3OD):δ 9.32(s, 1H), 8.92-8.85(m, 1H), 8.49(dd, J=8.4, 1.9Hz, 1H), 8.38(s, 1H), 8.17(s, 1H), 7.96-7.70(m, 4H), 7.65-7.56(m, 1H), 7.38(d, J=9.4Hz, 1H), 7.22(s, 1H), 6.13-6.05(m, 1H), 3.94(t, J=6.2Hz, 2H), 3.45(t, J=6.4Hz, 2H), 2.87(s, 3H), 1.89(d, J=5.5Hz, 3H); MS(ESI) m/z 581.26(M+H)+
実施例27: 3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-5-(5-{6-[[2-(ジメチルアミノ)エチル](メチル)アミノ]-3-ピリジニル}-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2-チオフェンカルボキサミド
Figure 2010508301
ステップA − 3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-5-[5-(6-フルオロピリジン-3-イル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]チオフェン-2-カルボキサミド
Figure 2010508301
実施例1、ステップEと同様の手順によって、5-(5-ブロモ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}チオフェン-2-カルボキサミド(3.35g, 7.03mmol)(実施例1、ステップDに準じて調製したもの)及び2-フルオロピリジン-5-ボロン酸(1.19g, 8.43mmol)から標題化合物を調製した。標題化合物は、収率89%(3.09g)で調製した。
1H NMR(400MHz, CDCl3):δ 8.47(s, 1H), 8.02(m, 2H), 7.49(m, 4H), 7.34(m, 2H), 7.21(br s, 1H), 7.03(m, 1H), 6.67(s, 1H), 5.89(m, 1H), 5.76(br s, 1H), 1.79(d, 3H, J=5.6 Hz); MS(ESI):493.1[M+H]+
ステップB − 3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-5-(5-{6-[[2-(ジメチルアミノ)エチル](メチル)アミノ]-3-ピリジニル}-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2-チオフェンカルボキサミド(標題化合物)
実施例7と同様の手順によって、3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-5-[5-(6-フルオロピリジン-3-イル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]チオフェン-2-カルボキサミド(50mg, 0.10mmol)から標題化合物を調製した。標題化合物は、収率71%(41mg)で得られた。
1H NMR(400MHz, CDCl3):δ 8.41(d, J=2.5Hz, 1H), 7.96(s, 1H), 7.91(s, 1H), 7.75(dd, J=8.7, 2.5Hz, 1H), 7.50-7.41(m, 4H), 7.36-7.27(m, 2H), 7.24(s, 1H), 6.63-6.61(m, 2H), 5.87(m, 1H), 5.71(s, 1H), 4.03-3.97(m, 4H), 3.13(s, 3H), 2.67(s, 6H), 1.77(d, J=5.9Hz, 3H); MS(ESI) m/z 575.31[M+H]+
実施例28: 3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-5-(5-{6-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-3-ピリジニル}-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2-チオフェンカルボキサミド
Figure 2010508301
実施例7と同様の手順によって、3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-5-[5-(6-フルオロピリジン-3-イル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]チオフェン-2-カルボキサミド(50mg, 0.10mmol)(実施例27、ステップAに準じて調製したもの)から標題化合物を調製した。標題化合物は、収率59%(32mg)で得られた。
1H NMR(400MHz, CDCl3):δ 8.32(d, J=2.6Hz, 1H), 7.97(s, 1H), 7.89(s, 1H), 7.69(dd, J=8.4, 2.4Hz, 1H), 7.48-7.41(m, 4H), 7.36-7.27(m, 3H), 7.18(s, 1H), 6.62(s, 1H), 6.56(d, J=8.4Hz, 1H), 5.87(m, 1H), 5.71(s, 1H), 3.84(t, J=4.7Hz, 2H), 3.57(m, 2H), 1.77(d, J=6.7Hz, 3H); MS(ESI) m/z 534.19[M+H]+
実施例29: 3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-5-[5-(6-{[3-(ジメチルアミノ)プロピル]アミノ}-3-ピリジニル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-2-チオフェンカルボキサミド
Figure 2010508301
実施例7と同様の手順によって、3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-5-[5-(6-フルオロピリジン-3-イル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]チオフェン-2-カルボキサミド(100mg, 0.20mmol)(実施例27、ステップAに準じて調製したもの)から標題化合物を調製した。標題化合物は、収率87%(104mg)で得られた。
1H NMR(400MHz, CDCl3):δ 8.35(d, J=2.5Hz, 1H), 7.96(s, 1H), 7.90(s, 1H), 7.67(dd, J=8.6, 2.6Hz, 1H), 7.47-7.41(m, 3H), 7.36-7.27(m, 2H), 7.18(s, 1H), 6.62(s, 1H), 6.49(d, J=8.6Hz, 1H), 5.87(m, 1H), 5.71(s, 1H), 5.63(s, 1H), 3.45-3.38(m, 2H), 2.51(t, J=6.8Hz, 2H), 2.32(s, 6H), 1.89-1.82(m, 2H), 1.77(d, J=7.2Hz, 3H); MS[ESI] m/z 575.44(M+H)+
実施例30: 3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-5-[5-(6-{[2-(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}-3-ピリジニル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-2-チオフェンカルボキサミド
Figure 2010508301
実施例7と同様の手順によって、3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-5-[5-(6-フルオロピリジン-3-イル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]チオフェン-2-カルボキサミド(100mg, 0.20mmol)(実施例27、ステップAに準じて調製したもの)から標題化合物を調製した。標題化合物は、収率89%(104mg)で得られた。
1H NMR(400MHz, CDCl3):δ 8.36(d, J=2.6Hz, 1H), 7.96(s, 1H), 7.90(s, 1H), 7.67(dd, J=8.7, 2.4Hz, 1H), 7.47-7.41(m, 3H), 7.35-7.27(m, 2H), 7.18(s, 1H), 6.62(s, 1H), 6.52(d, J=8.4Hz, 1H), 5.87(q, J=6.5Hz, 1H), 5.73(s, 1H), 3.45(q, J=5.8Hz, 2H), 2.63(t, J=6.2Hz, 2H), 2.32(s, 6H), 2.23(m, 2H), 1.77(d, J=6.0Hz, 3H); MS[ESI] m/z 561.36(M+H)+
実施例31: 3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-5-[5-(6-{[3-(4-メチル-1-ピペラジニル)プロピル]アミノ}-3-ピリジニル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-2-チオフェンカルボキサミド
Figure 2010508301
実施例7と同様の手順によって、3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-5-[5-(6-フルオロピリジン-3-イル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]チオフェン-2-カルボキサミド(500mg, 1.0mmol)(実施例27、ステップAに準じて調製したもの)から標題化合物を調製した。標題化合物は、収率87%(545mg)で得られた。
1H NMR(400MHz, CDCl3):δ 8.35(d, J=2.2Hz, 1H), 7.96(s, 1H), 7.90(s, 1H), 7.67(dd, J=8.5, 2.5Hz, 1H), 7.47-7.41(m, 3H), 7.35-7.27(m, 2H), 7.18(s, 1H), 6.46(d, J=8.5Hz, 1H), 5.87(m, 1H), 5.77(s, 1H), 3.40(m, 2H), 2.66-2.39(m, 10H), 4.14(s, 3H), 1.83-1.77(m, 2H), 1.75(d, J=5.0Hz, 3H); MS(ESI) m/z 630.29[M+H]+
実施例32: 3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-5-[5-(6-{[2-(4-モルホリニル)エチル]アミノ}-3-ピリジニル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-2-チオフェンカルボキサミド
Figure 2010508301
実施例7と同様の手順によって、3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-5-[5-(6-フルオロピリジン-3-イル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]チオフェン-2-カルボキサミド(100mg, 0.20mmol)(実施例27、ステップAに準じて調製したもの)から標題化合物を調製した。標題化合物は、収率69%(84mg)で得られた。
1H NMR(400MHz, CDCl3):δ 8.37(d, J=2.3Hz, 1H), 7.96(s, 1H), 7.90(s, 1H), 7.70(dd, J=8.5, 2.9Hz, 2H), 7.48-7.41(m, 3H), 7.36-7.26(m, 2H), 7.18(s, 1H), 6.62(s, 1H), 6.50(d, J=8.4Hz, 1H), 5.87(q, J=6.4Hz, 1H), 5.73(s, 1H), 5.17(t, J=5.3Hz, 1H), 3.74-3.67(m, 4H), 3.42-3.38(m, 2H), 2.64(t, J=5.7Hz, 2H), 2.51-2.43(m, 4H), 1.77(d, J=4.3Hz, 3H); MS(ESI) m/z 603.25[M+H]+
実施例33: 3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-5-(5-{6-[[3-(ジメチルアミノ)プロピル](メチル)アミノ]-3-ピリジニル}-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2-チオフェンカルボキサミド
Figure 2010508301
実施例7と同様の手順によって、3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-5-[5-(6-フルオロピリジン-3-イル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]チオフェン-2-カルボキサミド(100mg, 0.20mmol)(実施例27、ステップAに準じて調製したもの)から標題化合物を調製した。標題化合物は、収率67%(79mg)で得られた。
1H NMR(400MHz, CDCl3):δ 8.43(d, J=2.4Hz, 1H), 7.96(s, 1H), 7.91(s, 1H), 7.71(dd, J=9.1, 2.8Hz, 1H), 7.49-7.40(m, 4H), 7.35-7.27(m, 2H), 7.19(s, 1H), 6.62-6.58(m, 2H), 5.87(q, J=6.4Hz, 1H), 5.78(s, 1H), 3.62(t, J=7.0Hz, 2H), 3.08(s, 3H), 2.40(m, 2H), 2.29(s, 6H), 1.76(d, J=6.6Hz, 3H); MS(APCI) m/z 589.54[M+H]+
実施例34: 3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-5-[5-(6-{[3-(4-メチル-1-ピペラジニル)プロピル]アミノ}-3-ピリダジニル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-2-チオフェンカルボキサミド
Figure 2010508301
ステップA − 3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-5-[5-(6-クロロ-3-ピリダジニル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-2-チオフェンカルボキサミド
Figure 2010508301
実施例16、ステップBと同様の手順によって、3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-5-[5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]チオフェン-2-カルボキサミド(175mg, 0.33mmol)(実施例17、ステップAに準じて調製したもの)及び3,6-ジクロロピリダジン(98mg, 0.66mmol)から標題化合物を調製した(収率31%, 52mg)。
MS(ESI):510.7[M+H]+
ステップB − 3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-5-[5-(6-{[3-(4-メチル-1-ピペラジニル)プロピル]アミノ}-3-ピリダジニル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-2-チオフェンカルボキサミド(標題化合物)
実施例16、ステップCと同様の手順によって、3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-5-[5-(6-クロロ-3-ピリダジニル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-2-チオフェンカルボキサミド(52mg, 0.10mmol)及び[3-(4-メチル-1-ピペラジニル)プロピル]アミン(0.3mL, 1.8mmol)から標題化合物を調製した。標題化合物は、黄色の固体(収率42%, 27mg)として単離された。
1H NMR(400MHz, CDCl3):δ 8.23(s, 1H), 8.19(d, 1H, J=8.0Hz), 8.00(s, 1H), 7.65(d, 1H, J=8.0Hz), 7.51-7.42(m, 2H), 7.40(d, 1H, J=8.0Hz), 7.38-7.28(m, 2H), 7.20(br s, 1H), 6.72(d, 1H, J=8.0Hz), 6.65(s, 1H), 6.22(t, 1H, J=4.0Hz), 6.05(br s, 1H), 5.87(q, 1H, J=4.0Hz), 3.59(d, 1H, J=4.0Hz), 2.62-2.41(m, 8H), 2.32(s, 3H), 2.28(m, 2H), 2.01( br s, 1H), 1.90-1.84(m, 2H), 1.77(d, 3H, J=4.0Hz); MS(ESI):632.1[M+H]+
生物学的実施例
I. PLK1の阻害に関するアッセイ
A. 6×N-末端Hisタグ融合PLKキナーゼドメインの調製
バキュロウィルスに感染したT.ni細胞から、ポリへドリンプロモーターの制御下に、6×N-末端Hisタグ融合PLKキナーゼドメイン(MKKGHHHHHHDが先行するアミノ酸21-346)(配列番号1)を調製した。全ての手順は4℃で行った。細胞を、50mM HEPES、200mM NaCl、50mM イミダゾール、5%グリセロール(pH7.5)の中で溶解させた。そのホモジネートをSLA-1500ローターで、14Krpmで1時間遠心分離し、上清を1.2ミクロンフィルターに通して濾過した。その上清をニッケルキレーティングセファロース(Amersham Pharmacia)カラム上にロードし、溶解バッファーで洗浄した。20%、30%及び100%のバッファーBの段階を用いてタンパク質を溶離させた(ここで、バッファーBは、以下のとおりであった:50mM HEPES、200mM NaCl、300mM イミダゾール、5% グリセロール;pH 7.5)。SDS-PAGEによって、PLK含有画分を決定した。PLK含有画分を、50mM HEPES、1mM DTT、5% グリセロール(pH7.5)で5倍希釈し、次いで、SPセファロース(Amersham Pharmacia)カラム上にロードした。そのカラムを50mM HEPES、1mM DTT、5% グリセロール(pH7.5)で洗浄した後、PLKを、50mM HEPES、1mM DTT、500mM NaCl、5% グリセロール(pH7.5)で段階的に溶離させた。PLKを、10kDa分子量カットオフ膜を用いて濃縮し、次いで、25mM HEPES、1mM DTT、500mM NaCl、5% グリセロール(pH7.5)中で平衡化させたSuperdex 200ゲル濾過(Amersham Pharmacia)カラム上にロードした。SDS-PAGEによって、PLK含有画分を決定した。PLKをプールし、アリコートに分け、-80℃で貯蔵した。質量分析、N-末端配列決定及びアミノ酸分析を用いて、サンプルの品質を管理した。
B. 酵素活性+/-阻害剤は下記のようにして決定した:
全ての測定値は、シグナルの生成が時間及び酵素と共に直線的に増大する条件下で得た。被験化合物を、100% DMSO中の可変既知濃度で、白色の384-ウェルアッセイプレートに加えた(10μLアッセイ及び幾つかの20μLアッセイに対して0.1μL, 幾つかの20μLアッセイに対して1μL)。DMSO(必用に応じて、最終 1-5%)及びEDTA(反応中65mM)を対照として使用した。反応ミックスは、22℃で下記のように調製した:
Figure 2010508301
自動液体ハンドラーによって酵素を添加した直後、各ウェルに反応ミックス(10μL又は20μL)を素早く加え、22℃で1〜1.5時間インキュベートした。20μLの酵素反応は、ウェル当たり50μLのストップミックス(50mM EDTA, 標準ダルベッコPBS(Mg2+及びCa2+非含有)中の4.0mg/mLのストレプトアビジンSPAビーズ, 50μM ATP)を用いて停止させた。10μLの反応は、ウェル当たり10μLのストップミックス(50mM EDTA, 標準ダルベッコPBS(Mg2+及びCa2+非含有)中の3.0mg/mLのストレプトアビジン結合SPAイメージングビーズ(「LeadSeeker」), 50μM ATP)を用いて停止させた。プレートを透明なプラスチックシールで密閉し、500×gで1分間回転させるか又は一晩沈澱させ、そして、Packard TopCountでウェル当たり30秒間カウントする(通常のSPA)、又は、Viewlux撮像装置(LeadSeeker SPA)を用いて撮像した。バックグラウンド(EDTA対照)より上のシグナルを、対照(DMSOのみ)のウェルで得られたシグナルに対する阻害割合(%)に変換した。
C. 結果
得られたデータを下記表1において公表する。
表1において、+ = pIC50 <6; ++ = pIC50 6〜7; +++ = pIC50 >7。
II. Cell-Titer Glo 細胞増殖阻害アッセイ
A549-L(ヒト肺)細胞株、Colo205(ヒト結腸)細胞株、HCT-116(ヒト結腸)細胞株、HT29(ヒト結腸)細胞株、MX-1(ヒト***)細胞株、SKOV3(ヒト卵巣)細胞株及びP388(ネズミ白血病)細胞株を、5%CO2インキュベーター内で、37℃で、10%ウシ胎児血清を含んでいるRPMI1640の中で培養した。アッセイの2〜3日前に細胞株を分けてT75フラスコ(Falcon #353136)の中に入れ、アッセイのために収穫する時点で約70〜80%の集密度を生じる密度に調整した。EDTAを含んでいる0.25%トリプシン(Glibco/Invitrogen #25200-056)を用いて細胞を収穫し、トリパンブルー排除染色を用いて細胞懸濁液に対して細胞数をカウントし、次いで、細胞を、96ウェル Costar #3916黒色平底プレート内で、ウェル当たり105□Lの培養倍地中で下記密度で平板培養した:A549-L 500細胞/ウェル、Colo205 500細胞/ウェル、HCT-116 500細胞/ウェル、HT29 500細胞/ウェル、MX-1 500細胞/ウェル、SKOV3 500細胞/ウェル、及び、P388 250細胞/ウェル。全てのプレートを5%CO2 37℃で一晩置き、次いで、その翌日に被験化合物を加えた。各細胞型の1つのプレートを、増殖測定第0日についてCellTiter-Glo(Promega #G7573)で処理し、下記のように読み取った。透明なポリプロピレン製U底96ウェルプレート(Falcon #35-1190)の中に、被験化合物を連続2倍希釈で調製した。これらの希釈物の9uLを細胞プレートの各ウェルの中に加えた。全てのウェルにおけるDMSOの最終濃度は0.15%であった。細胞を、37℃、5%CO2で72時間インキュベートした。化合物と一緒に72時間インキュベートした後、各プレートを現像して読み取った。ウェル中の細胞培養物の容積に等しい容積を用いて、CellTiter-Glo試薬をアッセイプレートに加えた。プレートを約2分間振盪し、室温で約15分間インキュベートし、化学発光シグナルを、Victor V又はEnvison 2100リーダー上で読み取った。細胞増殖の阻害割合(%)を、100%増殖(DMSO対照)に対する増殖割合(%)として表した。XLfitを用いてデータの4パラメータフィット又は6パラメーターフィットを行うことにより、細胞増殖の50%を阻害した化合物の濃度(IC50)を分析した。細胞を添加していないものについての値を、バックグラウンドとして全てのサンプルから差し引いた。データを下記表1に示す。
表1において、+ = IC50 >1μM; ++ = IC50 0.5-1μM; +++ = IC50 <0.5μM。
Figure 2010508301

Claims (24)

  1. 式(I):
    Figure 2010508301
    [式中、
    R1は、F、Cl、CH3又はCF3であり;
    環Aは、フェニル及び5〜6員のヘテロアリール(ここで、該ヘテロアリールは、N、O及びSから選択される1個又は2個のヘテロ原子を有している)から選択され;
    Yは、-O-、-N(R4)-、-N(R4)-C(O)-及び-N(R4)-R2-OC(O)-から選択され;
    R2は、-OHで場合により1置換されていてもよい直鎖又は分枝鎖のC1-4アルキレンであり;
    R3は、-OR4、-N(R4)2及びHetから選択され;
    各R4は、同一であるか又は異なっていて、独立に、H又はC1-4アルキルであり;
    Hetは、5〜6員のヘテロ環(ここで、該ヘテロ環は、N、O及びSから選択される1個又は2個のヘテロ原子を有しており、並びに、ハロ、C1-4アルキル、オキソ、-OR4、-C(O)R4、-C(O)2R4、-SO2R4-及び-CNから選択される1個又は2個の置換基で場合により置換されていてもよい)である]
    で表される化合物又はその製薬上許容される塩。
  2. 環Aが、フェニル、ピリジン又はピリミジンである、請求項1に記載の化合物。
  3. Yが、-N(H)-、-N(CH3)-又は-N(H)-C(O)-である、請求項1又は2に記載の化合物。
  4. R3が、-N(R4)2又はHetである、請求項1〜3のいずれかに記載の化合物。
  5. Hetが、それぞれC1-4アルキルで場合により1置換又は2置換されていてもよいピロリジン、ピペリジン又はモルホリンである、請求項1〜4のいずれかに記載の化合物。
  6. 式(I-1):
    Figure 2010508301
    [式中、*はキラル炭素を示しており、及び、全ての可変部分は請求項1で定義されているとおりである]
    において表されている立体化学を有する、請求項1に記載のエナンチオマー的に富化された化合物。
  7. 5-[5-(2-{[2-(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}-4-ピリジニル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)-2-チオフェンカルボキサミド;
    5-[5-(2-{[2-(メチルアミノ)エチル]アミノ}-4-ピリジニル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)-2-チオフェンカルボキサミド;
    5-(5-{2-[(N,N-ジメチルグリシル)アミノ]-4-ピリジニル}-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)-2-チオフェンカルボキサミド;
    5-{5-[2-(グリシルアミノ)-4-ピリジニル]-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル}-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)-2-チオフェンカルボキサミド;
    5-[5-(2-{[3-(ジメチルアミノ)プロピル]アミノ}-4-ピリジニル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)-2-チオフェンカルボキサミド;
    5-(5-{2-[(2-アミノエチル)アミノ]-4-ピリジニル}-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)-2-チオフェンカルボキサミド;
    5-(5-{2-[[2-(ジメチルアミノ)エチル](メチル)アミノ]-4-ピリジニル}-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)-2-チオフェンカルボキサミド;
    5-(5-{2-[[3-(ジメチルアミノ)プロピル](メチル)アミノ]-4-ピリジニル}-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)-2-チオフェンカルボキサミド;
    5-[5-(2-{[3-(4-メチル-1-ピペラジニル)プロピル]アミノ}-4-ピリジニル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)-2-チオフェンカルボキサミド;
    3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-5-[5-(2-{[2-(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}-4-ピリジニル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-2-チオフェンカルボキサミド;
    3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-5-[5-(2-{[3-(4-メチル-1-ピペラジニル)プロピル]アミノ}-4-ピリジニル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-2-チオフェンカルボキサミド;
    3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-5-[5-(2-{[2-(4-モルホリニル)エチル]アミノ}-4-ピリジニル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-2-チオフェンカルボキサミド;
    3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-5-[5-(2-{[(2R)-2,3-ジヒドロキシプロピル]アミノ}-4-ピリジニル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-2-チオフェンカルボキサミド;
    3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-5-(5-{2-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-4-ピリジニル}-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2-チオフェンカルボキサミド;
    2-({4-[1-(5-(アミノカルボニル)-4-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-2-チエニル)-1H-ベンゾイミダゾール-5-イル]-2-ピリジニル}アミノ)エチル L-バリナート;
    5-[5-(2-{[2-(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}ピリミジン-4-イル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)チオフェン-2-カルボキサミド;
    3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-5-[5-(2-{[3-(4-メチル-1-ピペラジニル)プロピル]アミノ}-4-ピリミジニル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-2-チオフェンカルボキサミド;
    3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-5-[5-(2-{[3-(ジメチルアミノ)プロピル]アミノ}-5-ピリミジニル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-2-チオフェンカルボキサミド;
    3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-5-[5-(2-{[2-(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}-5-ピリミジニル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-2-チオフェンカルボキサミド;
    3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-5-[5-(2-{[3-(4-メチル-1-ピペラジニル)プロピル]アミノ}-5-ピリミジニル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-2-チオフェンカルボキサミド;
    3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-5-(5-{2-[[2-(ジメチルアミノ)エチル](メチル)アミノ]-5-ピリミジニル}-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2-チオフェンカルボキサミド;
    3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-5-[5-(2-{[2-(4-モルホリニル)エチル]アミノ}-5-ピリミジニル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-2-チオフェンカルボキサミド;
    3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-5-[5-(3-{[2-(1-ピロリジニル)エチル]オキシ}フェニル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-2-チオフェンカルボキサミド;
    3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-5-(5-{4-[(4-モルホリニルアセチル)アミノ]フェニル}-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2-チオフェンカルボキサミド;
    5-[5-(6-{[2-(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}-3-ピリジニル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)-2-チオフェンカルボキサミド;
    5-[5-(6-{[2-(メチルアミノ)エチル]アミノ}-3-ピリジニル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-3-({(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)-2-チオフェンカルボキサミド;
    3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-5-(5-{6-[[2-(ジメチルアミノ)エチル](メチル)アミノ]-3-ピリジニル}-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2-チオフェンカルボキサミド;
    3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-5-(5-{6-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-3-ピリジニル}-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2-チオフェンカルボキサミド;
    3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-5-[5-(6-{[3-(ジメチルアミノ)プロピル]アミノ}-3-ピリジニル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-2-チオフェンカルボキサミド;
    3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-5-[5-(6-{[2-(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}-3-ピリジニル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-2-チオフェンカルボキサミド;
    3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-5-[5-(6-{[3-(4-メチル-1-ピペラジニル)プロピル]アミノ}-3-ピリジニル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-2-チオフェンカルボキサミド;
    3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-5-[5-(6-{[2-(4-モルホリニル)エチル]アミノ}-3-ピリジニル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-2-チオフェンカルボキサミド;
    3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-5-(5-{6-[[3-(ジメチルアミノ)プロピル](メチル)アミノ]-3-ピリジニル}-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2-チオフェンカルボキサミド;及び、
    3-{[(1R)-1-(2-クロロフェニル)エチル]オキシ}-5-[5-(6-{[3-(4-メチル-1-ピペラジニル)プロピル]アミノ}-3-ピリダジニル)-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル]-2-チオフェンカルボキサミド
    並びにそれらの製薬上許容される塩から選択される化合物。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の化合物を含む医薬組成物。
  9. 製薬上許容される担体、希釈剤又は賦形剤をさらに含む、請求項8に記載の医薬組成物。
  10. 化学療法薬をさらに含む、請求項8又は9に記載の医薬組成物。
  11. PLKが介在する状態を治療することが必要な哺乳動物におけるPLKが介在する状態を治療する方法であって、当該哺乳動物に治療有効量の請求項1〜7のいずれかに記載の化合物を投与することを含む、前記方法。
  12. 感受性新生物を治療することが必要な哺乳動物における感受性新生物を治療する方法であって、当該哺乳動物に治療有効量の請求項1〜7のいずれかに記載の化合物を投与することを含む、前記方法。
  13. 前記感受性新生物が、乳癌、大腸癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、前立腺癌、子宮内膜癌、胃癌、黒色腫、膵臓癌、卵巣癌、扁平上皮癌、頭部及び頚部の癌、食道癌、肝細胞癌並びに血液学的悪性腫瘍からなる群から選択される、請求項12に記載の方法。
  14. 不適切な細胞増殖を特徴とする状態を治療することが必要な哺乳動物における不適切な細胞増殖を特徴とする状態を治療する方法であって、当該哺乳動物に治療有効量の請求項1〜7のいずれかに記載の化合物を投与することを含む、前記方法。
  15. 環Aが5位に存在している請求項1〜7のいずれかに記載の化合物(I-5)を調製する方法であって:
    調製方法A
    式(VII-5):
    Figure 2010508301
    [式中、Meはメチルであり、Xはハロゲンであり、及び、他の全ての可変部分は請求項1で定義されているとおりである]
    で表される化合物を式(H-Y-R2-R3)で表される化合物と反応させて、式(I-5):
    Figure 2010508301
    [式中、全ての可変部分は請求項1で定義されているとおりである]
    で表される化合物を調製すること;
    又は、
    調製方法B
    式(VI-5):
    Figure 2010508301
    [式中、全ての可変部分は請求項1で定義されているとおりである]
    で表される化合物を式(VIII-A):
    Figure 2010508301
    [式中、Zは、ボロン酸、ボロン酸エステル、トリフルオロホウ酸塩、スタンナン又はハロゲン化亜鉛であり、及び、他の全ての可変部分は請求項1で定義されているとおりである]
    で表されるアリール金属試薬と反応させて、式(I-5)で表される化合物を調製すること;
    のいずれかを含む、前記方法。
  16. 請求項1〜7のいずれかに記載の化合物を調製する方法であって:
    調製方法A
    式(VII-5,6):
    Figure 2010508301
    [式中、Xはハロゲンであり、及び、他の全ての可変部分は請求項1で定義されているとおりであり、環Aはベンゾイミダゾールの5位又は6位に結合している]
    で表される化合物を式(H-Y-R2-R3)で表される化合物と反応させて、式(I)で表される化合物を調製すること;
    又は、
    調製方法B
    式(VI-5,6):
    Figure 2010508301
    [式中、全ての可変部分は請求項1で定義されているとおりであり、Brはベンゾイミダゾールの5位又は6位に結合している]
    で表される化合物を式(VIII-A):
    Figure 2010508301
    [式中、Zは、ボロン酸、ボロン酸エステル、トリフルオロホウ酸塩、スタンナン又はハロゲン化亜鉛であり、及び、他の全ての可変部分は上記で定義されているとおりである]
    で表されるアリール金属試薬と反応させて、式(I)で表される化合物を調製すること;
    のいずれかを含む、前記方法。
  17. 治療において使用するための、請求項1〜7のいずれかに記載の化合物。
  18. PLKが介在する状態を治療することが必要な哺乳動物におけるPLKが介在する状態の治療において使用するための、請求項1〜7のいずれかに記載の化合物。
  19. 乳癌、大腸癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、前立腺癌、子宮内膜癌、胃癌、黒色腫、膵臓癌、卵巣癌、扁平上皮癌、頭部及び頚部の癌、食道癌、肝細胞癌並びに血液学的悪性腫瘍のような感受性新生物を治療することが必要な哺乳動物における該感受性新生物の治療において使用するための、請求項1〜7のいずれかに記載の化合物。
  20. 不適切な細胞増殖を特徴とする状態を治療することが必要な哺乳動物における不適切な細胞増殖を特徴とする状態の治療において使用するための、請求項1〜7のいずれかに記載の化合物。
  21. PLKが介在する状態を治療することが必要な哺乳動物におけるPLKが介在する状態を治療するための薬剤を調製するための、請求項1〜7のいずれかに記載の化合物の使用。
  22. 乳癌、大腸癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、前立腺癌、子宮内膜癌、胃癌、黒色腫、膵臓癌、卵巣癌、扁平上皮癌、頭部及び頚部の癌、食道癌、肝細胞癌並びに血液学的悪性腫瘍のような感受性新生物を治療することが必要な哺乳動物における該感受性新生物を治療するための薬剤を調製するための、請求項1〜7のいずれかに記載の化合物の使用。
  23. 不適切な細胞増殖を特徴とする状態を治療するための薬剤を調製するための、請求項1〜7のいずれかに記載の化合物の使用。
  24. 乳癌、大腸癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、前立腺癌、子宮内膜癌、胃癌、黒色腫、膵臓癌、卵巣癌、扁平上皮癌、頭部及び頚部の癌、食道癌、肝細胞癌並びに血液学的悪性腫瘍のような感受性新生物を治療することが必要な哺乳動物における該感受性新生物の治療において使用するための、請求項1〜7のいずれかに記載の化合物を含む医薬組成物。
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