JP2010507224A - カソードコーティング - Google Patents

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Abstract

本発明のエレクトロルミネセンスデバイスの実施形態は、好ましくは、透明アノード;正孔輸送材料の層;エレクトロルミネセンス材料の層、電子輸送材料の層;例えば厚さ7 nm未満のリチウムキノラートもしくは置換リチウムキノラートの層;金属カソードから形成される。金属キノラートの層は、好ましくは厚さ約0.3-0.5 nmである。ある実施形態では、カソード;カソードと接触する電子注入層;アルミニウム、ジルコニウム、もしくはハフニウムのキノラート、またはそれらの混合物、またはそれらのいずれかと周期表の1、2、3、13、もしくは14族の金属のキノラートとの混合物を含む、電子注入層と接触する電子輸送層、を持つ有機発光ダイオードが提供され、ここで電子注入層は、リチウムキノラート、または、一つ以下の置換基がC2-C4アルキル基、アラルキル基、もしくはアリールオキシ基であるという条件で、C1-C4アルキル基、単環アリール基もしくはaralk-(C1-C4)-yl、アリールオキシ基もしくはフルオロ基から選択される一つ以上の置換基を持つ置換リチウムキノラート、またはそれらのオリゴマーを含み、電極はアルミニウムである。そのようなデバイスは、アセトニトリルを含む溶媒中で、アルキルリチウムもしくはリチウムアルコキシドを8-ヒドロキシキノリンもしくはその誘導体と反応させることによって、リチウムキノラート、または、一つ以下の置換基がC2-C4アルキル基、アラルキル基、もしくはアリールオキシ基であるという条件で、C1-C4アルキル基、単環アリール基もしくはaralk-(C1-C4)-yl、アリールオキシ基もしくはフルオロ基から選択される一つ以上の置換基を持つ置換リチウムキノラート、を形成するステップと、上記で形成されたリチウムキノラートもしくは置換リチウムキノラートをデバイスのカソード上に堆積して、電子注入層を設けるステップを含む方法によって作られ得る。

Description

本発明は、改良された電子注入層を有するエレクトロルミネセンスデバイスに関する。
US-A-5925472(Hu et al., Xerox Corporation)は、次の順で基板、アノード、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、いわゆる“電子注入層”、および電子注入層と接触するカソード、を含む、有機エレクトロルミネセンスデバイスを特に開示している。いわゆる電子注入層は、例えばトリス-(8-ヒドロキシキノリナート)アルミニウム(tris-(8-hydroxyquinolinate)-aluminum)、もしくはビス-(8-キノリンチオラト)-亜鉛(bis-(8-quinolinethiolato)-zinc)などの金属オキシノイド(oxinoid)化合物から構成され得る。実証されたカソードはMgAgである。アルミニウムやインジウムなど、仕事関数の高い他の金属と合金されたリチウムのカソードが開示されているが、実証はされていない。アルミニウムカソードの使用については、開示も示唆もされていない。電子輸送層は、有機材料の場合は10 nm以下、好ましくは7 nm未満と極めて薄くなければならず、開示された層が本当に電子輸送層であるかどうかは明らかでない。Huらによって開示された厚さの範囲は、彼らが電子輸送層と呼ぶものでは5-80 nmである。実施例では、堆積膜の厚さは80 nmと30 nmであり、これらの膜は電子注入層というよりもむしろ電子輸送層と見なされる。デバイスは、25 ma/m2の定電流で350-450 cd/m2の初期光出力を与え、光出力は、150-210時間の連続運転の期間にわたって、初期強度の50%に減少する。従って開示されたデバイスの有効期間は短い。
Hung et al., "Recent progress of molecular organic electroluminescent materials and devices", Materials Science and Engineering, R 39 (2002), 143-222は、例えばアルミニウムカソードとアルミニウムキノラート電子輸送層との間の、薄い(0.1-1.0 nm)LiF層に基づくOLED用の二層カソードが、MgAgカソードに比べて著しく改良されたI-V特性とEL効率を示すことを開示している。US-A-5776622(Hung et al., Kodak)も参照のこと。Al、MgAg、およびLif/Alをカソードとして用いる三つのOLEDの電流/電圧特性を比較すると、Alカソードを用いるOLEDは、MgAgを用いるものよりも高い駆動電圧を必要としたが、一方Al/LiFを用いるものはより低い駆動電圧を必要とした。Hungらは、OLEDでは、高い移動度と低い注入障壁のために正孔が主要なキャリアであると説明している。従って、電子注入に対する障壁の高さを低くすることは、電子電流と正孔電流のより良いバランスをもたらし、一定のバイアス電圧での輝度を劇的に増加するため、特に重要である。LiFをCsFやアルカリ土類金属のフッ化物に置き換えることも論じられている。
US-A-6558817(Ueda et al., Minolta)は、エレクトロルミネセンスデバイス内に電子注入層を形成するためのアルカリ金属およびアルカリ土類金属の塩および錯体の使用についての全般的な開示を提供する。電子注入体として有用とされる100種類の代表的な化合物のリストが挙げられており、その中でリチウムキノラートが言及されている。アセチルアセトナートは好ましいとされているが、本出願人らは、これらの物質の使用が、湿気に対する感受性、処理上の問題、デバイス寿命の不足、比較的高いドリフト電圧を引き起こすことを見出した。有用なカソード材料は、アルミニウム、インジウム、マグネシウム、カルシウム、チタン、イットリウム、リチウム、ガドリニウム、イッテルビウム、ルテニウム、マンガン、および、これらの合金を含むとされている。適切な純度と特性を有するリチウムキノラートの調製については記載されておらず、リチウムキノラートはいずれの実施例でも使用されていない。また、アルミニウムカソードと、リチウムキノラートもしくは置換キノラートの電子注入層との組み合わせは、開示も示唆もされておらず、Al/LiFよりも全体的特性が優れている材料の組み合わせを見つけるという問題についての検討も
されていない。例示されているOLEDは長い耐用年数にわたって安定な発光を示すと主張されているが、これはたった5時間の期間にわたっての光出力の測定にしか裏付けられておらず、光出力が初期強度の50%になるまでの時間は示されていない。実際には、例示されているデバイスの寿命は短い。
US-A-6885149(Parthasarathy et al., Princeton University)は、OLEDの製造中に、有機電子注入層をリチウムの超薄層上に堆積すること、または、リチウムの超薄層を有機電子注入層上に堆積することのいずれかによって、有機電子注入層が金属でドープされ得ることを開示している。有機材料は、例えば2,9-ジメチル-4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン(BCPもしくはバソクプロイン)である。US 2004/0085016 (Parthasarathy et al.)も参照のこと。金属をドープした電子注入層の使用はUS-A-7114638にも開示されており、その層の有機成分は、例えば下記に示す化合物である。
本発明の一態様に従って、カソード、カソードと接触する電子注入層、および電子注入層と接触する電子輸送層を有する有機発光ダイオードが提供され、この有機発光ダイオードは、アルミニウム、ジルコニウム、もしくはハフニウムキノラート、またはこれらの混合物、または、これらのいずれかと周期表の1、2、3、13、もしくは14族の金属のキノラートとの混合物を含み、ここで電子注入層は、リチウムキノラート、または、一つ以下の置換基がC2-C4アルキル基、アラルキル基、もしくはアリールオキシ基であるという条件で、C1-C4アルキル基、単環アリール基もしくはaralk-(C1-C4)-yl、アリールオキシ基もしくはフルオロ基から選択される一つ以上の置換基を持つ置換リチウムキノラート、または前記キノラートのオリゴマーを含み、電極はアルミニウムである。
リチウムキノラートは、OLEDディスプレイ製造でOLEDディスプレイ内の電子注入層として典型的に使用される材料であるフッ化リチウム(LiF)の低温代替品(direct replacement)である。低温OLED材料は、製造コストを削減し、ディスプレイの下位層に損傷を与える可能性を軽減するので、OLEDデバイスの寿命を改良する。低温OLED材料によって、ディスプレイ製造業者はOLEDディスプレイの効率と寿命を改良することができるだけでなく、動作電圧を減少し、電圧ドリフトを最小化することができる。赤、緑、および青のディスプレイにおいて、フッ化リチウムの代替品としてリチウムキノラートを用いる試験では、電流効率が最大で9%まで改良され、出力効率は15%も改良され、ディスプレイの寿命は最大で12%まで増加し、電圧ドリフトは最大で61%まで減少した。580℃を超える温度を必要とするフッ化リチウムに比べ、リチウムキノラートは295℃で蒸発するので、堆積を速
め、エネルギー消費を減少し、プラスチックを基板として使用する可能性をもたらす。製造温度の低下により、コストのかかる蒸発炉の必要もなくなるので、全体の製造コストが削減される。リチウムキノラートは空気中で扱うことができ、長時間熱蒸発(extended thermal evaporation)でのin situ質量分析では、分解のピークが見られなかった範囲では高い安定性が確認された。置換リチウムキノラートも同様の特性を持つことがわかっている。
別の態様では、本発明はエレクトロルミネセンスデバイスを作る方法を提供し、その方法は、アセトニトリルを含む溶媒中で、アルキルリチウムもしくはリチウムアルコキシドを8-ヒドロキシキノリンもしくはその誘導体と反応させることによって、リチウムキノラート、または、一つ以下の置換基がC2-C4アルキル基、アラルキル基、もしくはアリールオキシ基であるという条件で、C1-C4アルキル基、単環アリール基もしくはaralk-(C1-C4)-yl、アリールオキシ基もしくはフルオロ基から選択される一つ以上の置換基を持つ置換リチウムキノラート、を形成するステップと、上記で形成されたリチウムキノラートもしくは置換リチウムキノラートを、例えばアルミニウムカソードであるデバイスのカソード上に堆積し、電子注入層を設けるステップを含む。
リチウムキノラートもしくは置換キノラートの合成中の溶媒としてアセトニトリルを使用すること(EP-B-1144543を参照、この開示は本明細書に引用により組み込まれる)で、昇華の繰り返しによって容易に精製される形で、かつ有利な電気特性および他の特性を有する形で、これらの化合物が提供される。溶媒もしくはその構成成分として使用されるアセトニトリルは、観察される有利な特性をもたらすオリゴマーの形成を促進すると考えられる(が、本発明の有効性はこの考えに依存するものではない)。
さらなる態様では、電子注入層と電子輸送層がその上に形成されたカソードを持つ、OLEDもしくは他のエレクトロルミネセンスデバイスが提供される。ここで電子注入層は、リチウムキノラート、または、一つ以下の置換基がC2-C4アルキル基、アラルキル基、もしくはアリールオキシ基であるという条件で、C1-C4アルキル基、単環アリール基もしくはaralk-(C1-C4)-yl、アリールオキシ基もしくはフルオロ基から選択される一つ以上の置換基を持つ置換リチウムキノラート、のオリゴマーを含む。
本文中に図面の簡単な説明に該当する記載なし。
典型的なデバイスは、アノード層、正孔注入(バッファ)層、正孔輸送層、エレクトロルミネセンス層、電子輸送層、電子注入層、および、カソード層がその上に連続的に形成されている透明基板を含み、この透明基板は次に第二の透明基板に積層され得る。アルミニウムもしくは他の金属基板が、ITO層、正孔注入層、正孔輸送層、エレクトロルミネセンス層、電子輸送層、電子注入層、MgもしくはMgAgの薄層、およびITOもしくは他の透明カソードを支持し、カソードを通して発光する、トップエミッション型OLEDも可能である。さらに、アルミニウム、もしくは仕事関数の低い金属と合金されたアルミニウムのカソードが、連続して、電子注入層、電子輸送層、エレクトロルミネセンス層、正孔輸送層、正孔注入層、およびITOもしくは他の透明導電性アノードを支持し、アノードを通して発光する、反転型のOLEDも可能である。必要に応じて、例えば、エレクトロルミネセンス層と電子輸送層の間に正孔阻止層が挿入されてもよい。いずれの場合でも、電子注入層は金属キノラートもしくは置換キノラートもしくはそれらのオリゴマーである。
本発明のディスプレイは単色でも多色でもよい。従って、各々が異なる一次単色カラー(primary monochrome color)を発する三つの個別ピクセルを、光学系の異なる側面に配
置することによって、フルカラーディスプレイを形成することができ、光学系の別の側面から、複合されたカラー画像を見ることができる。あるいは、異なる色を発する蛍光もしくはリン光を発する希土類キレート化合物を製造して、三つの隣接するピクセルのグループ内の隣接するダイオードピクセルが、赤、緑、および青の光を生じるようにすることができる。さらに別の方法では、白色発光ディスプレイにフィールドシーケンシャルカラーフィルタ(field sequential color filter)を取り付けることができる。
ある実施形態では、電極の一方もしくは両方をシリコンおよびエレクトロルミネセンス材料で形成することができ、正孔輸送材料および電子輸送材料の中間層を、シリコン基板上のピクセルとして形成することができる。好ましくは、基板は結晶シリコンであり、基板の表面は、電極やエレクトロルミネセンス化合物を堆積する前に平坦な表面を作るために、研磨もしくは平滑化されてもよい。あるいは、非平滑化シリコン基板(非晶質シリコン、多結晶シリコン、微結晶シリコン、もしくは、連続粒界結晶シリコン(continuous grained silicon)であってもよい)を、さらに材料を堆積する前に平滑な平面を設けるために、導電性高分子もしくは低分子の層でコーティングすることができる。
ある実施形態では、各ピクセルは基板と接触する金属電極を含む。金属電極と透明電極の相対的な仕事関数によって、一方はアノードとして機能し、他方はカソードを構成し得る。
シリコン基板がカソードである場合は、酸化インジウムスズコーティングガラスがアノードとして機能し得、光はアノードを通して発光する。シリコン基板がアノードとして機能する場合は、カソードは、例えばMg/AgやITOなどの透明電極で形成され得る。適切な仕事関数を与えるために、アノードの上に金属の透明コーティングが形成され得る。前述の通り、これらのデバイスは、トップエミッション型デバイスと呼ばれることがある。
金属電極は、例えば、基板上に堆積されたアルミニウムなどの仕事関数の高い金属と、仕事関数の高い金属の上に堆積されたカルシウムなどの仕事関数の低い金属といった、複数の金属層から構成されてもよい。別の例では、さらに導電性高分子の層が、アルミニウムなどの安定な金属の上にある。
好ましくは、電極は各ピクセルの裏側の鏡としても機能し、基板の平坦化された表面上に堆積されるか、もしくはその中に沈められる。しかしながら、もう一つの方法として、基板に隣接する光吸収コントラスト増強層があってもよい。
さらに別の実施形態では、下端の導電性高分子層の選択領域が、適切な水溶液に晒すことによって非導電性になり、ピクセル電極のボトムコンタクトとして機能する導電性ピクセルパッドのアレイの形成が可能になる。
WO 00/60669に記載されているように、各ピクセルから発光する光の輝度は、マトリクス回路によって印加される電圧もしくは電流を調節すること、または、各ピクセル回路でアナログ信号に変換されるデジタル信号を入力することによって、アナログ式に制御可能であってもよい。基板は、好ましくは、画像を作り出すためにピクセルのアレイをアドレス指定する情報を処理するための、データドライバ、データコンバータおよびスキャンドライバも備える。印加電圧によって異なる色の光を発光するエレクトロルミネセンス材料が用いられるときは、各ピクセルの色はマトリクス回路によって制御され得る。ある実施形態では、各ピクセルは、電圧制御素子、および、様々な抵抗素子(両方とも金属‐酸化物‐半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)もしくはアクティブマトリクストランジスタによって簡便に形成される)を含むスイッチによって制御される。
本発明のエレクトロルミネセンスデバイスの実施形態は、
(i)透明アノード;
(ii)純粋であってもよいし、もしくはアクセプタでドープされてもよい、正孔注入材料の層;
(iii)正孔輸送材料の層;
(iv)エレクトロルミネセンス材料の層;
(v)純粋であってもよいし、もしくはドナーでドープされてもよい、電子輸送材料の層;
(vi)厚さ1 nm未満のリチウムキノラートの層;および、
(vii)金属カソード
から形成される。
リチウムキノラートの層は、好ましくは厚さ7 nm未満で、典型的には厚さ3-0.1 nm(例えば厚さ約0.3-0.5 nm)である。電子注入層の厚さが増加するにつれて、リチウムキノラートもしくは置換リチウムキノラートに比べてLiFでは効率が大幅に減少する。LiFは導電性の低いイオン性固体であるが、リチウムキノラートおよび置換リチウムキノラートはより導電性の高い有機金属錯体である。これは、リチウムキノラートおよび置換リチウムキノラートの厚さ制御がLiFほど重大ではないので、有用な特性である。
[アノード]
多くの実施形態では、第一の電極は、アノードとして機能する導電性ガラスやプラスチック材などの透明基板である。好ましい基板は、酸化スズ、酸化インジウムスズ、酸化アンチモンスズ、でコーティングされたガラス、もしくは酸化インジウム亜鉛コーティングガラスである。しかしながら、導電性であるか、もしくは、金属や導電性高分子などの導電層を持つ任意のガラスを使用することができる。
[正孔注入材料]
アノードとエレクトロルミネセンス材料の間に単一の層が設けられ得るが、多くの実施形態では、一方が正孔注入層(バッファ層)で、他方が正孔輸送層である少なくとも二つの層があり、二層構造は、ある実施形態では改良された安定性とデバイス寿命をもたらす(US-A-4720432(VanSlyke et al., Kodak、この開示は本明細書に引用により組み込まれる)を参照)。正孔注入層は、次の有機層の膜形成特性を改良し、正孔輸送層への正孔の注入を促進するように機能し得る。
材料およびセルの種類によって厚さが例えば0.1-200 nmとなり得る(例えば約25 nm)正孔注入層に適切な材料は、正孔注入ポルフィリン化合物(US-A-4356429(Tang, Eastman Kodak、この開示は本明細書に引用によって組み込まれる)を参照)、例えば、亜鉛フタロシアニン、銅フタロシアニン、および、構造式が下記の通りであるZnTpTPを含む。
正孔注入層がZnTpTPで、電子輸送層がジルコニウムもしくはハフニウムのキノラートである場合に特に良好なデバイス寿命が見込まれ得る。
また、正孔注入層は、フッ化炭素ガスのプラズマ重合によって形成されるフッ化炭素ベースの導電性高分子(US-A-6208075(Hung et al., Eastman Kodak))、トリアリールアミン高分子(EP-A-0891121(Inoue et al., TDK Corporation))、もしくはフェニレンジアミン誘導体(EP-A-1029909(Kawamura et al., Idemitsu))であってもよく、これらの開示は本明細書に引用により組み込まれる。
[正孔輸送材料]
使用され得る正孔輸送層は、好ましくは厚さ20から200 nmであり、キャリア移動度を増加し、動作電圧を減少するためにドープされてもよい。
正孔輸送材料の一種は、スピンコーティングもしくはインクジェットプリントを用いて層として堆積され得る高分子材料を含む。そのような高分子正孔輸送材料は、ポリ(N-ビニルカルバゾール)(PVK)、ポリチオフェン、ポリピロール、およびポリアニリンを含む。他の正孔輸送材料は、例えばポリ(p-フェニレンビニレン)(PPV)、およびPPVを含む共重合体などの共役高分子である。他の好ましい高分子は、例えばポリ(2-メトキシ-5-(2-メトキシペンチルオキシ-1,4-フェニレンビニレン)、ポリ(2-メトキシペンチルオキシ)-1,4-フェニレンビニレン、ポリ(2-メトキシ-5-(2-ドデシルオキシ-1,4-フェニレンビニレン)、および、アルコキシ基の少なくとも一つが長鎖可溶化アルコキシ基である他のポリ(2,5ジアルコキシフェニレンビニレン)などの、ポリ(2,5ジアルコキシフェニレンビニレン);ポリフルオレンとオリゴフルオレン;ポリフェニレンとオリゴフェニレン;ポリアントラセンとオリゴアントラセン;およびポリチオフェンとオリゴチオフェンである。
正孔輸送材料のさらなる種類は、昇華性小分子を含む。例えば、芳香族第三級アミンは
好ましい正孔輸送材料の種類を提供する。例えば、少なくとも二つの芳香族第三級アミン部分を含む芳香族第三級アミン(例えばビフェニルジアミンに基づくもの、もしくは“星形”構造のもの)であり、代表例は下記の通りである。
これはさらに、例えばスピロ-TAD(2,2',7,7'-テトラキス-(ジフェニルアミノ)-スピロ-9,9'-ビフルオレン)などの芳香族アミンであるスピロ結合分子を含む。
小分子正孔輸送材料のさらなる種類は、WO 2006/061594(Kathirgamanathan et al.、この開示は本明細書に引用により組み込まれる)に開示され、例えば下記の構造式のdiamino dainthracenesに基づく。
ここでAr1-Ar4は同じかもしくは異なってもよく、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、もしくは下記の構造であってもよく、
これは、C1-C4アルキル基(例えばメチル基)もしくはC1-C4アルコキシ基(例えばメトキシ基)で随意に置換されてもよい。典型的な化合物は、
9-(10-(N-(ナフタレン-1-イル)-N-フェニルアミノ)アントラセン-9-イル)-N-(ナフタレン-1-イル)-N-フェニルアントラセン-10-アミン(実施例の化合物Y);
9-(10-(N-ビフェニル-N-2-m-トリルアミノ)アントラセン-9-イル)-N-ビフェニル-N-2-m-トリルアミノ-アントラセン-10-アミン;および、
9-(10-(N-フェニル-N-m-トリルアミノ)アントラセン-9-イル)-N-フェニル-N-m-トリルアントラセン-10-アミン
を含む。
正孔輸送層のアクセプタもしくはp型ドーピングは、US 2004/0062949(Pfeiffer et al.、この開示は本明細書に引用により組み込まれる)、およびUS 2007/0145355(Werner et al.、この開示は本明細書に引用により組み込まれる)で論じられている。アクセプタの例は、テトラシアノキノジメタン(TCNQ)、テトラフルオロ-テトラシアノ-キノジメタン(F4-TCNQ)、およびアクリジン誘導体(例えば3,6-ビス-(ジメチルアミノ)-アクリジン)を含む。
[エレクトロルミネセンス材料]
原則としていかなるエレクトロルミネセンス材料を使用してもよく、例えばペリレン色素などの蛍光色素、例えばAlq3、Ir(III)L3などの金属錯体、例えばTb(III)錯体などの希土類キレート、例えばセキシチオフェンなどのデンドリマーおよびオリゴマー、もしくは
高分子電子放出物質(polymeric emissive materials)であってもよい分子固体が含まれる。エレクトロルミネセンス層は、発光物質として、金属キノラート、イリジウム、ルテニウム、オスミウム、ロジウム、イリジウム、パラジウム、もしくは白金の錯体、ホウ素錯体、もしくは希土類錯体を含んでもよい。これらの混合物も使用され得る。
エレクトロルミネセンス材料の一つの好ましい種類は、蛍光性、リン光性、もしくはイオンリン光性(希土類)であってもよい色素でドープされたホスト材料を含む。“エレクトロルミネセンスデバイス”という用語は、電気リン光性(electrophosphorescent)デバイスを含む。
上述の化合物は、放射光の色スペクトルを調節するため、および/または、フォトルミネセンス効率およびエレクトロルミネセンス効率を高めるためにも、蛍光レーザー色素、発光レーザー色素などの色素でドープされてもよい。化合物は、例えばポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン(好ましくはポリスチレン)といった高分子材料と混合することもできる。また、伝導特性および/またはエレクトロルミネセンス特性および/または蛍光特性を与えるために、例えばポリフルオレンなどの共役高分子と混合されてもよい。
好ましくは、化合物はドーパントとして少量の蛍光物質もしくはリン光性物質でドープされ、好ましくはドープされた混合物の重量で0.01から25%の量でドープされる。ドーパントは、より好ましくは重量で0.01%から10%の量(例えば0.01%から5%の量)で化合物中に存在する。
ドープされた化合物は、任意の従来の方法によって基板上に堆積され得る。例えば、
(a)化合物およびドーパントの混合物の真空蒸着による直接的な方法。
(b)有機溶媒の溶液からの蒸着、または化合物およびドーパントの同時蒸着。使用される溶媒は材料によるが、ジクロロメタンおよびn-メチルピロリドンなどの塩素化炭化水素;ジメチルスルホキシド;テトラヒドロフラン;ジメチルホルムアミドなどが多くの場合適している。
(c)溶液からの化合物およびドーパントのスピンコーティング。
(d)スパッタリング。
(e)溶融堆積(Melt deposition)。
(f)インクジェットプリント。
US-A-4769292(Tang et al., Kodak、この内容は引用により含まれる)で述べられる通り、蛍光物質の存在により、発光波長を幅広い許容範囲から選択することができる。特に、US-A-4769292で開示される通り、正孔‐電子の再結合に応じて発光可能な少量の蛍光物質に有機金属錯体を混合することによって、発光帯から放射される光の色相を調節することができる。理論上は、正孔‐電子の再結合に対して全く同じ親和力を持つ混合用のホスト材料と蛍光物資が見出される場合、各材料は発光帯で正孔と電子の注入の際に発光するはずである。感知される発光の色相は、両発光の視覚統合となる。しかしながら、こうしたホスト材料と蛍光物質のバランスを与えることには制限があるため、好ましい発光部位を与えるように蛍光物質を選ぶことが好ましい。好ましい発光部位を与える蛍光物質がごく一部しか存在しない場合は、蛍光物質に起因する新たなピーク強度波長の発光を優先して、ホスト材料に特有のピーク強度波長の発光が完全に除去され得る。
この効果をもたらすために十分な蛍光物質の最小割合はホスト材料に基づき様々であるが、いかなる場合であっても約10モルパーセントより多くの蛍光物質を利用する必要はなく、1モルパーセントより多くの蛍光物質を利用する必要はほとんどない。他方で、ホスト材料に基づき、蛍光物質のパーセントを極めて少ない量、典型的には約10-3モルパーセ
ント未満に制限することで、ホスト材料に特有の波長での発光を維持できるようになる。従って、好ましい発光部位を与えることができる蛍光物質の割合を選ぶことによって、発光波長の全てもしくは部分的なシフトのいずれかを実現することができる。これにより、使用用途に適するようにELデバイスのスペクトル発光を選択し、バランスをとることが可能になる。蛍光色素の場合、典型的な量は0.01から5 wt%、例えば2-3 wt%である。リン光性色素の場合、典型的な量は0.1から15 wt%である。イオンリン光性物質の場合、典型的な量は0.01-25 wt%、もしくは最大で100 wt%である。
好ましい発光部位を与えることができる蛍光物質を選ぶことは、蛍光物質の特性をホスト材料の特性に関連付けることを必然的に含む。ホストは、注入された正孔と電子のコレクターと見なすことができ、蛍光物質は発光の分子部位を与える。ホスト内に存在する際に発光の色相を調節することができる蛍光物質を選ぶために重要な一つの関係は、二つの材料の還元電位の比較である。発光波長をシフトすることが示された蛍光物質は、ホストの還元電位よりも正電位の(less negative)還元電位を示した。電子ボルトで測定される還元電位は、様々な測定技術と共に文献で幅広く報告されている。絶対値よりも、還元電位の比較が必要とされるので、蛍光物質とホスト材料の還元電位の両方が同様に測定されるならば、還元電位測定に認められたいかなる技術も利用することができることが明らかである。好ましい酸化還元電位測定技術は、R. J. Cox, Photographic Sensitivity, Academic Press, 1973, Chapter 15によって報告されている。
ホスト内に存在する際に発光の色相を調節することができる蛍光物質を選ぶために重要な第二の関係は、それら二つの材料のバンドギャップ電位の比較である。発光波長をシフトすることが示された蛍光物質は、ホストのバンドギャップ電位よりも低いバンドギャップ電位を示した。分子のバンドギャップ電位とは、その基底状態と第一一重項状態を隔てる電位差を電子ボルト(eV)であらわしたものとされる。バンドギャップ電位とその測定技術は、文献で幅広く報告されている。本明細書で報告されるバンドギャップ電位は、吸収ピークに対して深色性で(bathochromic to)、吸収ピークの大きさの1/10の大きさの吸収波長において電子ボルト(eV)で測定されたものである。絶対値よりもバンドギャップ電位の比較が必要とされるので、蛍光物質とホスト材料のバンドギャップの両方が同様に測定されるならば、バンドギャップ測定に認められたいかなる技術も利用することができることが明らかである。測定技術の一例は、F. Gutman and L. E. Lyons, Organic Semiconductors, Wiley, 1967, Chapter 5によって開示されている。
蛍光物質が存在しなくても、ホスト材料自体が発光することができる場合は、ホストと蛍光物質のスペクトル結合が実現される際に、ホストのみに特有の発光波長における発光が抑制され、蛍光物質の特有波長での発光が増強されることが観察されている。“スペクトル結合”とは、ホストのみに特有の発光波長と、ホストが存在しない場合の蛍光物質の光吸収波長との間に重なりが存在することを意味する。最適なスペクトル結合は、ホストの発光波長が蛍光物質のみの最大吸収の±25 nm以内である際に起こる。実際には、有利なスペクトル結合は、ピークの幅と、浅色・深色勾配(hypsochromic and bathochromic slopes)によって、最大で100 nm以上異なるピーク発光波長と吸収波長で起こり得る。ホストと蛍光物質間の最適スペクトル結合未満の部分を考慮すると、蛍光物質の浅色移動(hypsochromic displacement)と比較して、深色移動がより有効な結果をもたらす。
有用な蛍光物質は、ホストと混合され、本発明のELデバイスの発光帯を形成する上述の厚さ範囲を満たす薄膜として製造することができるようなものである。結晶有機金属錯体は薄膜形成に適していないが、ホストに限られた量の蛍光物質が存在することで、単独では薄膜形成が不可能な蛍光物質を使用することが可能になる。好ましい蛍光物質は、ホストと共通相を形成するようなものである。色素はホスト内での分子レベルでの分布に適しているので、蛍光色素は好ましい蛍光物質の一種を構成する。ホスト内に蛍光色素を分散
させるために任意の従来技術を使用することができるが、好ましい蛍光色素は、ホスト材料と共に真空蒸着させることができるようなものである。
ホスト材料の一種は、例えば、特許出願WO 2004/058913に開示されているような蛍光物質もしくは色素でドープされてもよい、リチウムキノラート、アルミニウムキノラート、チタンキノラート、ジルコニウムキノラート、もしくはハフニウムキノラートなどの金属キノラートといった金属錯体を含む。ホスト材料の別の種類は、昇華性の多環芳香族小分子を含む。
蛍光レーザー色素は、本発明の有機ELデバイスでの使用のために特に有用な蛍光物質であるとされる。使用され得るドーパントは、ジフェニルアクリジン、クマリン、ペリレン、およびそれらの誘導体を含む。有用な蛍光ドーパントはUS 4769292に開示されている。
好ましいドーパントの一種は、例えば下記の構造式のクマリンである。
ここでR1-R5は、水素、または、例えばメチル基もしくはエチル基などのアルキル基をあらわす。この種の化合物は、7-ヒドロキシ-2H-クロメン-2-オン、7-ヒドロキシ-2-オキソ-2H-クロメン-3-カルボニトリル、7-ヒドロキシ-4-メチル-2-オキソ-2H-クロメン-3-カルボニトリル、7-(エチルアミノ)-4,6-ジメチル-2H-クロメン-2-オン、7-アミノ-4-メチル-2H-クロメン-2-オン、7-(ジエチルアミノ)-4-メチル-2H-クロメン-2-オン、7-ヒドロキシ-4-メチル-2H-クロメン-2-オン、7-(ジメチルアミノ)-4-(トリフルオロメチル)-2H-クロメン-2-オン、および7-(ジメチルアミノ)-2,3-ジヒドロシクロペンタ[c]クロメン-4(1H)-オンを含む。加えて、下記の色素も使用され得る。
使用され得るさらなるドーパントは、3-(ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)-8-(ジエチルアミノ)-2H-ベンゾ[g]クロメン-2-オン、3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-8-(ジエチルアミノ)-2H-ベンゾ[g]クロメン-2-オン、9-(ペンタン-3-イル)-1H-ベンゾ[a]フェノキサジン-5(4H,7aH,12aH)-オン、ならびに、下記の構造式の10-(2-ベンゾチアゾリル)-1,1,7,7-テトラメチル-2,3,6,7-テトラヒドロ-1H,5H,11H-[1]ベンゾ-ピラノ[6,7,8-ij]キノリジン-11-オン(C-545-T)、およびC-545TBとC545MTなどのアナログを含む。
使用され得るさらなるドーパントは、例えば下記の構造式のうちの一つの化合物などの、ピレンおよびペリレン化合物を含む。
ここでR1からR4は、同じかもしくは異なってもよく、水素、ヒドロカルビル基、置換および非置換の芳香族、複素環および多環の環状構造、例えばトリフルオロメチル基などのフッ化炭素、例えばフッ素などのハロゲン、もしくはチオフェニル基から選択されるか、あるいは、置換もしくは非置換の縮合芳香族、複素環および多環の環状構造であってもよい。上記の化合物のうち好ましいものは、R1からR4が、水素、ならびに、例えばペリレンおよびテトラキス-t-ブチルペリレンなどのt-ブチル基から選択され、t-ブチル基の立体効果のためにマトリクスから外に結晶化しないような化合物、ならびに、下記の構造式の化合物である。
また、R1からR4は、例えばスチレンなどの単量体と共重合可能であってもよく、ビニル基もしくは-CH2-CH=CH-R基などの不飽和アルキレン基であってもよく、ここでRはヒドロカルビル基、アリール基、複素環、カルボキシ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミノ基、もしくは置換アミノ基(例えばスチリル基)である。この種の化合物は、少なくとも四つの縮合芳香族環、および、一つ以上のアルキル置換基を随意に含む多環芳香族炭化水素、例えばペリレン、テトラキス-(t-ブチル)-ペリレン、および下記の構造の7-(9-アントリル)-ジベンゾ[a,o]ペリレン(pAAA)を含む。ビス-ペリレンおよびジアントリルドーパントも利用され得る。
他のドーパントは、下記の構造のようなビスベンゼンスルホン酸(昇華よりもむしろスピンコーティングによる堆積を必要とする)、およびペリレンとペリレン誘導体の塩を含む。
とりわけイリジウムに基づく様々な蛍光ドーパントが、WO 2005/080526、WO 2006/003408、WO 2006/016193、WO 2006/024878およびWO 2006/087521に開示されており、これらの開示は本明細書に引用により組み込まれる。
例えば、ドーパントは下記から選択される一般構造式の錯体であってもよい。
ここでR1、R2、R3は同じかもしくは異なってもよく、水素、アルキル基、トリフルオロメチル基、もしくはフッ素からなる群から選択され;
R4、R5、R6は同じかもしくは異なる可能性があり、非置換であってもよく、または、一つ以上のアルキル基、アルコキシ基、トリフルオロメチル基、もしくはフルオロ基の置換基を持ってもよい、水素、アルキル基もしくはフェニル基からなる群から選択され;
Mはルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、もしくは白金であり;
nは1もしくは2である。
また、ドーパントは下記から選択される一般構造式の錯体であってもよい。
ここで、Mはルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、もしくは白金であり;
nは1もしくは2であり;
R1、R2、R3、R4、R5は同じかもしくは異なってもよく、水素、ヒドロカルビル基、ヒドロカルビルオキシ基、ハロゲン、ニトリル基、アミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、ジアリールアミノ基、およびチオフェニル基からなる群から選択され;
p、s、tのいずれかが2もしくは3の場合、それらの一つのみが飽和ヒドロカルビル基もしくはハロゲン以外となり得るという条件で、p、s、tは独立に0、1、2、もしくは3であり;
qもしくはrが2である場合、それらの一つのみが飽和ヒドロカルビル基もしくはハロゲン以外となり得るという条件で、qおよびrは独立に0、1、もしくは2である。
実施形態では、上述の化合物について、
(a)下記の構造式の化合物は、赤色ドーパントとして機能し得る。
ここでR1は例えばメチル基、エチル基、もしくはt-ブチル基などのアルキル基をあらわし、R2は水素、または、例えばメチル基、エチル基、もしくはt-ブチル基などのアルキル基をあらわし、R3およびR4は水素、例えばメチル基もしくはエチル基などのアルキル基、または、互いにおよびフェニル環に3位および5位で縮合し、かつ、例えばメチル基などの一つもしくは二つのアルキル基で随意にさらに置換された、C6環状構造をあらわす。そのような化合物の例は、下記を含む。
赤色ドーパントとして使用され得る特定のリン光性物質(WO 2005/080526を参照。この開示は本明細書に引用により組み込まれる)は、下記を含む。
(b)例えば下記の化合物は緑色ドーパントとして機能し得る。
ここでRはC1-C4アルキル基、単環アリール基、二環アリール基、単環へテロアリール基、二環へテロアリール基、アラルキル基もしくはチエニル基、好ましくはフェニル基である。
緑色ドーパントとして使用され得るさらなるリン光性化合物は下記の化合物を含む(WO
2005/080526を参照)。
(c)化合物、ペリレンおよび9-(10-(N-(ナフタレン-8-イル)-N-フェニルアミノ)アントラセン-9-イル)-N-(ナフタレン-8-イル)-N-フェニルアントラセン-10-アミンは、青色ド
ーパントとして機能し得る。
なおもさらに考えられるドーパントは、正孔輸送材料として上述された、少なくとも二つの芳香族第三級アミン部分を含む芳香族第三級アミン(例えばビフェニルジアミンに基づくもの、もしくは“星形”構造のもの)を含む。
他のドーパントは、例えば蛍光ジシアノメチレンピランおよびチオピラン色素などの、蛍光4-ジシアノメチレン-4H-ピランおよび4-ジシアノメチレン-4H-チオピランなどの色素である。また、有用な蛍光色素は、シアニン、錯体シアニン、およびメロシアニン(すなわち三核、四核、および多核のシアニンおよびメロシアニン)、オキソノール、ヘミオキソノール、スチリル、メロスチリル、およびストレプトシアニンを含む既知のポリメチン色素からも選択され得る。シアニン色素は、アゾリウムもしくはアジニウム核など、メチン結合で結合した二つの基本複素環核を含み、例えば、ピリジニウム、キノリニウム、イソキノリニウム、オキサゾリウム、チアゾリウム、セレナゾリウム、インダゾリウム、ピラゾリウム、ピロリウム、インドリウム、3H-インドリウム、イミダゾリウム、オキサジアゾリウム、チアジオキサゾリウム(thiadioxazolium)、ベンゾキサゾリウム、ベンゾチアゾリウム、ベンゾセレナゾリウム、ベンゾテルラゾリウム、ベンズイミダゾリウム、3H-もしくは1H-ベンゾインドリウム、ナフトキサゾリウム、ナフトチアゾリウム、ナフトセレナゾリウム、ナフトテルラゾリウム、カルバゾリウム、ピロロピリジニウム、フェナントロチアゾリウム、およびアセナフトチアゾリウムの四級塩に由来するものを含む。他の有用な種類の蛍光色素は、4-オキソ-4H-ベンズ-[d,e]アントラセン、およびピリリウム、チアピリリウム、セレナピリリウム、およびテルロピリリウム色素である。
なおもさらなるリン光性ドーパント(WO 2005/080526参照)は下記の化合物を含む。
例えば式(Lα)nMもしくは(Lα)n>M←Lpの希土類キレートはなおもさらに考えられるドーパントであり、ここでLαおよびLpは有機配位子であり、Mは希土類金属であり、nは金属Mの価数である。そのような化合物の例は、様々なランタニド錯体を記載している特許
出願WO 98/58037に開示され、また、US Patent No 6524727、6565995、6605317、6717354、および7183008にも開示されている。これらの明細書の各々の開示は、本明細書に引用により組み込まれる。
[電子輸送材料]
Kulkarni et al., Chem. Mater. 2004, 16, 4556-4573(この内容は本明細書に引用により組み込まれる)は、有機発光ダイオード(OLED)の性能を向上させるために利用される電子輸送材料(ETM)に関する文献について概説している。多数の有機材料に加えて、彼らはアルミニウムキノラートを含む金属キレートについて述べており、彼らが説明したものは、高いEA(〜 -3.0 eV;本出願人らによる測定では-2.9 eV)およびIP(〜 -5.95 eV;本出願人らによる測定では-5.7 eV)、良い熱安定性(Tg〜172℃)および真空蒸着によるピンホールフリー薄膜の即時堆積(ready deposition)などの優れた特性のために、依然として最も広く研究されている金属キレートである。アルミニウムキノラートは依然として好ましい材料であり、アルミニウムキノラートの層は、必要ならば電子輸送層として組み込まれてもよい。
さらに好ましい電子輸送材料は、ジルコニウム、ハフニウム、もしくはリチウムのキノラートから構成される、またはそれらを含む。
ジルコニウムキノラートは、電子輸送材料としての使用のために特に有利な特性の組み合わせを持ち、その特性によって、ジルコニウムキノラートは電子輸送材料として使用するとアルミニウムキノラートに対して顕著な改良を見せる。ジルコニウムキノラートは高い電子移動度を持つ。その融点(388℃)はアルミニウムキノラートの融点(414℃)よりも低い。ジルコニウムキノラートは昇華によって精製することができ、アルミニウムキノラートとは違って残留物を生じることなく再昇華するので、アルミニウムキノラートよりもさらに使用しやすい。アルミニウムキノラートの値と類似して、最低非占有分子軌道(LUMO)は-2.9 eVであり、最高占有分子軌道(HOMO)は-5.6 eVである。さらに予想外に、ジルコニウムキノラートは電荷輸送層に組み込まれると、デバイスが動作している時間の増加に伴う所定電流でのOLEDデバイスの輝度の損失を遅くし(すなわちデバイス寿命を増加し)、あるいは、所定の印加電圧に対する光出力、所定の輝度に対する電流効率、および/または所定の輝度に対する出力効率を増加することがわかっている。電子輸送材料がジルコニウムキノラートであるセルの実施形態は、ターンオン電圧を減らし、電子輸送材料がジルコニウムキノラートである 同様のセルの寿命の最大で4倍の寿命を示し得る。アルミニウムキノラートがOLEDのエレクトロルミネセンス層内でホストとして使用される場合、ジルコニウムキノラートはアルミニウムキノラートに適合するので、技術や設備を少し変えるだけで、多くのOLED製造業者が利用することができる。勿論、ジルコニウムキノラートはエレクトロルミネセンス層内のホストおよび電子輸送層の両方として使用することができる。ハフニウムキノラートの特性はジルコニウムキノラートの特性にほぼ類似している。
ジルコニウムもしくはハフニウムのキノラートは、電子輸送層の全体、もしくはほぼ全体であってもよい。主にジルコニウムキノラートである共堆積された(co-deposited)材料の混合物であってもよい。ジルコニウムもしくはハフニウムは、2006年7月26日出願のGB 06 14847.2(この内容は本明細書に引用により組み込まれる)に記載されるようにドープされてもよい。適切なドーパントは、ドープされた混合物の重量に基づいて例えば0.01-25 wt%の量で、例えばエレクトロルミネセンス層に関して上述したような、蛍光性もしくはリン光性の色素もしくはイオン蛍光物質を含む。他のドーパントは、低電圧で高い輝度を与えることができる金属を含む。加えて、もしくはあるいは、金属キノラートの混合物が使用されてもよく、例えばジルコニウムもしくはハフニウムのキノラートが、別の電子輸送材料と混合して使用されてもよい。そのような材料は、電子移動度をさらに増加す
る、従って伝導性をさらに増加するような、一価、二価、三価、もしくは五価の金属の錯体を含んでもよい。ジルコニウムおよびハフニウムのキノラートは、例えばリチウムキノラートもしくは亜鉛キノラートなどの、周期表の1、2、3、13もしくは14族の金属のキノラートと混合されてもよい。好ましくは、ジルコニウムもしくはハフニウムのキノラートは、電子輸送層の少なくとも30 wt%、より好ましくは少なくとも50 wt%を含む。
例えばリチウム、もしくは、例えば2-(4-ビフェニル)-5-(4-tert-ブチルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール(PBD)などの有機分子と共に、電子輸送層のドナーもしくはn型ドーピングも可能である。
[電子注入層]
電子注入層は、リチウムキノラートもしくは置換リチウムキノラートの固有の層である。
リチウムキノラートはカソードの仕事関数を下げるようにはたらき、エレクトロルミネセンスデバイスが低電圧で動作できるようにし、デバイスの寿命と性能を改良する。リチウムキノラートは以前使用されていたフッ化リチウムよりも優れていることがわかっている。リチウムキノラートは、下記の表から明らかなように、著しく低い蒸発温度を持つ。
適切なキノラートは下記の構造式を有する。
ここでR1とR2は同じかもしくは異なってもよく、同じかもしくは異なる環上にあってもよく、水素、C1-C4アルキル基、および、置換もしくは非置換の単環もしくは多環のアリール基もしくはヘテロアリール基、aralk-(C1-C4)-ylもしくはアリールオキシ基から選択され、nは2から6の整数である。
そのようなオリゴマーの結晶学的証拠は、Begley et al., Acta Cryst. (2006), E62, ml200-ml202によって与えられている。リチウムキノラートは二重積層三量体構造(Li3q3)2を持つとされ、三量体単位は下記の構造式である。
各三量体はO原子とLi原子が交互になった六員環から構成され、一つの環は他の環に対し60°回転し、環内だけでなく環の間でもO原子とLi原子が交互になるようになっている。キノリン-8-オラートのO原子に加えて、キノリンN原子もリチウムに配位して含まれ、構造中の各Li原子に対し配位数が4になっている。各六員環は平面で、核構造をあらわす交互のO原子とLi原子の六角柱になっている。出願人らは、MSデータから、溶媒がアセトニトリルである場合のみ、もしくはその場合に極めて優先的に、オリゴマーが、リチウムキノラートから形成するだけでなく、置換キノラートからも形成すると考える。リチウム化合物は、アルキルリチウムもしくはリチウムアルコキシド、および8-ヒドロキシキノリンもしくはその置換誘導体、およびアセトニトリルを含むかもしくは好ましくはアセトニトリルからなる溶媒から作られる。
[カソード]
金属キノラートの層が上にあるカソードは、好ましくは、例えばアルミニウム、バリウム、カルシウム、リチウム、希土類金属、遷移金属、マグネシウム、および、それらの合金(銀/マグネシウム合金、希土類金属合金など)といった、仕事関数の低い金属であり、アルミニウムが好ましい金属である。金属電極は、例えば基板上に堆積されるアルミニウムなどの仕事関数の高い金属、および仕事関数の高い金属の上に堆積されるカルシウムなどの仕事関数の低い金属といった、複数の金属層から構成され得る。いくつかの金属の仕事関数は下記の表2に挙げられる。
金属キノラートの層は、好ましくは厚さ約0.3 nmであり、好ましくはマグネシウムの3.7 eVよりも低い仕事関数を持ち、これは本発明の目的では低い仕事関数と見なされる。
[実施例]
ここで、本発明がどのように実行されるかを、下記の非制限的な実施例を参照して説明する。
[実施例1‐キノラートの調製および蒸発]
下記の化合物は、EP-B-1144543(WO 00/32717、この内容は本明細書に引用により組み込まれる)に開示された手順に従って、アルキルリチウムもしくはリチウムアルコキシドをアセトニトリル中で反応させることによって作られた。
上記の表で示された通り、測定されたMSピークは、化合物がオリゴマー種を形成したことを示し、その使用は本発明内に含まれる。本明細書で使用される通り、化合物への言及
はそのオリゴマー型への言及を含む。
Solciet真空蒸発装置(ULVAC Ltd. Chigacki, Japan)を用いて、フッ化リチウム、リチウムキノラート、および下記の化合物YおよびZの温度の関数として蒸発速度を測定した。結果は図1に示した。フッ化リチウムは500℃と600℃の間で蒸発し、一方金属キノラートは約300℃で蒸発し、試験した化合物の揮発性は化合物Z>化合物Y>Liqの順であることが明らかになるだろう。化合物Yはリチウム=2-メチル-キノリン-8-オラートで、化合物Zはリチウム=5,7-ジメチル-キノリン-8-オラートである。
一回目と二回目の昇華後の収率は下記に示す通りである(下記の化合物はMSで決定可能なオリゴマー型である)。
[実施例2‐デバイス構造]
予めエッチングされたITOコートガラス片(10 x 10cm2)を使用した。デバイスは、Solciet Machineを用いる真空蒸着によってITO上に層を連続的に形成することによって製造した。各ピクセルの活性領域は3mm x 3mmであった。ITO電極は常に正極に接続した。コンピュータ制御したKeithly 2400 source meterで電流vs.電圧測定を行った。
[実施例3]
フッ化リチウムおよびリチウムキノラートをカソード層として用いて、実施例2の方法によって二つのデバイスが形成された。デバイスは、
(i)ITO(100)/α-NPB(65)/化合物-H:化合物-A(25:0.5)/Zrq4/LiF(0.3)/Al
(ii)ITO(100)/α-NPB(65)/化合物-H:化合物-A(25:0.5)/Zrq4(20)/Liq(0.3)/Al
から構成され、ここでα-NPBは上記で示した通りであり、化合物は下記に示す2,6-ジ-tert-ブチル-9-ナフタレン-2-イルメチル-10-ナフタレン-1-イルメチル-アントラセンであり、化合物Hは下記に示す4,4'-ビス-(2,2-ジフェニル-ビニル)-ビフェニルであり、Zrq4はジルコニウムキノラートであり、LiFはフッ化リチウムであり、Liqはリチウムキノラートである。デバイスの性能を測定し、結果を図2から4に示した。見てわかる通り、リチウムキノラートはカソード上の層として、少なくともフッ化リチウムと同程度に有効であっ
た。
さらに、実施例2の方法を用いて、図5−8に示される構造と層組成を持つ青色蛍光デバイスが作られた。そのデバイスの性能はこれらの図に示される通りである。
[実施例4]
実施例2の方法を用いて、図9−12に示される構造と層組成を持つ緑色蛍光デバイスが作られた。そのデバイスの性能はこれらの図に示される通りであり、寿命は図13に示される。

Claims (18)

  1. 電子注入層および電子輸送層がその上に形成されたカソードを持つエレクトロルミネセンスデバイスであって、前記電子注入層は、リチウムキノラート、または、一つ以下の置換基がC2-C4アルキル基、アラルキル基、もしくはアリールオキシ基であるという条件で、C1-C4アルキル基、単環アリール基もしくはaralk-(C1-C4)-yl、アリールオキシ基もしくはフルオロ基から選択される一つ以上の置換基を持つ置換リチウムキノラート、のオリゴマーを含む、エレクトロルミネセンスデバイス。
  2. 前記リチウムキノラートもしくは置換リチウムキノラートは、アセトニトリルを含む溶媒中で、アルキルリチウムもしくはリチウムアルコキシドを、8-ヒドロキシキノリンもしくは置換8-ヒドロキシキノリンと反応させた結果得られる、請求項1のデバイス。
  3. 前記電子注入層はリチウムquin-8-olateを含む、請求項1のデバイス。
  4. 前記電子注入層はリチウム=2-メチル-キノリン-8-オラートを含む、請求項1のデバイス。
  5. 前記電子注入層はリチウム=5,7-ジメチル-キノリン-8-オラートを含む、請求項1のデバイス。
  6. 前記電子輸送層はアルミニウムキノラートを含む、先行する請求項のいずれか一項のデバイス。
  7. 前記電子輸送層はジルコニウムキノラートを含む、請求項1−5のいずれか一項のデバイス。
  8. 順に、
    (i)第一の電極、
    (ii)エレクトロルミネセンス材料の層、
    (iii)リチウムキノラート、または、一つ以下の置換基がC2-C4アルキル基、aralk-(C1-C4)-ylもしくはアリールオキシ基であるという条件で、C1-C4アルキル基、単環アリール基もしくはaralk-(C1-C4)-yl、アリールオキシ基もしくはフルオロ基から選択される一つ以上の置換基を持つ置換リチウムキノラート、のオリゴマーの層が上にある、第二の電極、
    を含む、エレクトロルミネセンスデバイス。
  9. 順に、
    (i)透明アノード、
    (ii)正孔輸送材料の層、
    (iii)エレクトロルミネセンス材料の層、
    (iv)電子輸送材料の層、
    (v)リチウムキノラート、または、一つ以下の置換基がC2-C4アルキル基、aralk-(C1-C4)-ylもしくはアリールオキシ基であるという条件で、C1-C4アルキル基、単環アリール基もしくはaralk-(C1-C4)-yl、アリールオキシ基もしくはフルオロ基から選択される一つ以上の置換基を持つ置換リチウムキノラート、のオリゴマーの層、
    (vi)金属カソード、
    を含む、請求項1のデバイス。
  10. R1およびR2の少なくとも一つが水素ではない、請求項9のデバイス。
  11. 前記電極もしくはカソードは、アルミニウム、バリウム、カルシウム、リチウム、希土類金属、遷移金属、マグネシウム、ならびにそれらの合金(銀/マグネシウム合金、希土類金属合金、および複数の金属層など)から選択される、先行する請求項のいずれか一項のデバイス。
  12. アセトニトリルを含む溶媒中で、アルキルリチウムもしくはリチウムアルコキシドを8-ヒドロキシキノリンもしくはその誘導体と反応させることによって、リチウムキノラート、または、一つ以下の置換基がC2-C4アルキル基、アラルキル基、もしくはアリールオキシ基であるという条件で、C1-C4アルキル基、単環アリール基もしくはaralk-(C1-C4)-yl、アリールオキシ基もしくはフルオロ基から選択される一つ以上の置換基を持つ置換リチウムキノラート、を形成するステップと、
    上記で形成されたリチウムキノラートもしくは置換リチウムキノラートをデバイスのカソード上に堆積し、電子注入層を設けるステップと、
    を含む、エレクトロルミネセンスデバイスを作る方法。
  13. カソードと、
    前記カソードと接触する電子注入層と、
    アルミニウム、ジルコニウム、もしくはハフニウムのキノラート、またはそれらの混合物、またはそれらのいずれかと周期表の1、2、3、13、もしくは14族の金属のキノラートとの混合物を含む、前記電子注入層と接触する電子輸送層と、
    を持ち、
    前記電子注入層が、リチウムキノラート、または、一つ以下の置換基がC2-C4アルキル基、アラルキル基もしくはアリールオキシ基であるという条件で、C1-C4アルキル基、単環アリール基もしくはaralk-(C1-C4)-yl、アリールオキシ基もしくはフルオロ基から選択される一つ以上の置換基を持つ置換リチウムキノラート、またはそれらのオリゴマーを含み、
    前記カソードがアルミニウムである、
    有機発光デバイス。
  14. 前記電子注入層は厚さ0.5-2 nmである、請求項13のデバイス。
  15. 前記電子注入層はリチウム=2-メチル-キノリン-8-オラートを含む、請求項13もしくは14のデバイス。
  16. 前記電子注入層はリチウム=5,7-ジメチル-キノリン-8-オラートを含む、請求項13もしくは14のデバイス。
  17. 前記電子輸送層はアルミニウムキノラートを含む、請求項13−16のいずれか一項のデバイス。
  18. 前記電子輸送層はジルコニウムキノラートを含む、請求項13−16のいずれか一項のデバイス。
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