JP2010506962A - オフセットインク中での使用に適したフタロシアニン染料 - Google Patents

オフセットインク中での使用に適したフタロシアニン染料 Download PDF

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Abstract

溶剤ベース又は油ベースのインクビヒクルに調合するのに適したIR吸収性フタロシアニン染料が開示される。フタロシアニンは1つ又は複数のスルホン酸基を含み、少なくとも1つのスルホン酸基の対イオンはホスホニウムカチオンである。スルホン化されたガリウムナフタロシアニンのホスホニウム塩はこのような染料を例示する。


【選択図】図1

Description

発明の詳細な説明
[発明の分野]
本出願は、ナフタロシアニンなどのフタロシアニン染料に関する。本出願は主に、アナログ印刷に適した油ベースのインク中のIR吸収性フタロシアニン染料の吸収特性を最適化するために開発された。
[発明の背景]
IR吸収性染料には、光学記録システム、サーマルライティングディスプレイ(thermal writing display)、レーザフィルタ、赤外線写真、医療用途、印刷など多くの用途がある。一般に、これらの用途に使用される染料は、近IRの半導体レーザの発光波長(例えば約700から2000nm、好ましくは約700から1000nm)において強い吸収を有することが望ましい。例えば光学記録技術では、ガリウムアルミニウムヒ素(GeAlAs)及びインジウムリン(InP)ダイオードレーザが光源として広く使用されている。
IR染料の他の重要な用途は、印刷インクなどのインクである。印刷された書式(printed form)内のデジタル情報の記憶及び取出しは特に重要である。この技術のよく知られた例はスキャニング可能な印刷されたバーコードの使用である。バーコードは一般に、特定の製品に関連付けられたタグ又はラベル上に印刷され、識別、価格などその製品に関する情報を含む。バーコードは通常、目に見える黒色インクの線として印刷され、スキャナからの可視光を使用して検出される。スキャナは一般に、LED又はレーザ(例えば633nmで発光するHeNeレーザ)光源と、反射光を検出する光電池とを備える。バーコードインク中での使用に適した黒色染料は例えば国際公開第WO03/074613号パンフレットに記載されている。
しかしながら、この技術の他の用途(例えばセキュリティタグ付け(security tagging))では、肉眼では見えないが、UV又はIR光下では検出することができるインクを使用して印刷されたバーコード或いは他の分かりやすいマークを有することが望ましい。
不可視だが検出可能なインクの特に重要な用途は、自動識別システム、特に「ネットページ(netpage)」及び「Hyperlabel(商標)」システムである。ネットページシステムは、上記の相互参照のセクションに詳細が記された特許及び特許出願に記載されている。
同時係属のこれらのすべての特許/特許出願の開示は参照によって本明細書に組み込まれる。一部の特許出願は暫定的に事件整理番号によって識別される。それらの番号は、出願番号が使用可能になったときに出願番号に置き換えられる。
一般に、ネットページシステムは、ネットページの生成及び人とネットページとの対話に依存する。ネットページは、テキスト、グラフィック及び画像からなり、通常の紙に印刷されたページではあるが、双方向性ウェブページと同様に機能するページである。情報は、実質的に不可視のインクを使用してそれぞれのページに符号化される。しかしながら、このインク、したがって符号化されたデータは、光学画像化ペンによって感知することができ、ネットページシステムに送信することができる。
情報をネットワークにリクエストし、又はネットワークサーバにプリファランス(preference)を伝えるために、それぞれのページ上のアクティブボタン及びハイパーリンクをこのペンでクリックすることができる。いくつかの形態では、ネットページ上の手書きのテキストを、ネットページシステム内で自動的に認識し、コンピュータテキストに変換することができ、これによって書式に記入することができる。他の形態では、ネットページ上に記録された署名を自動的に照合することができ、これによってeコマーストランザクションを安全に許可することができる。
ネットページは、基礎であり、その上にネットページネットワークが構築される。ネットページは、公表された情報及び双方向性サービスに対する紙ベースのユーザインターフェースを提供することができる。
ネットページは、そのページのオンライン記述への参照が目に不可視タグとして付けられた印刷されたページ(又は他の表面領域)からなる。オンラインページ記述は、ネットページページサーバによって持続的に維持される。ページ記述は、テキスト、グラフィック及び画像を含むページの可視レイアウト及びコンテンツを記述する。ページ記述はさらに、ボタン、ハイパーリンク及び入力フィールドを含むページ上の入力エレメントを記述する。ネットページは、ネットページの表面にネットページペンによってなされたマーキングが、ネットページシステムによって同時に捕捉され、処理されることを可能にする。
複数のネットページが同じページ記述を共有することができる。しかしながら、他の点ではまったく同じページを介しての入力を区別できるように、それぞれのネットページには固有のページ識別子が割り当てられる。このページIDは、非常に多数のネットページを区別するのに足る十分な精度を有する。
本出願の出願人のデジタルインクジェットプリンタとともに使用するのに適した好ましい一形態では、ページ記述へのそれぞれの参照が印刷されたタグの中に符号化される。タグは、そのタグが表面に現れた固有のページを識別し、それによってページ記述を間接的に識別する。タグはさらに、そのページ上におけるそのタグ自体の位置を識別する。
タグは、通常の紙などの赤外線を反射する被印刷物(substrate)上に、赤外線を吸収するインクで印刷される。近赤外波長は人には不可視だが、適当なフィルタを備えた固体イメージセンサによって容易に感知される。
タグは、ネットページペン内のエリアイメージセンサ(area image sensor)によって感知され、タグデータは、最も近いネットページプリンタを介してネットページシステムに伝送される。ネットページペンは無線式であり、短距離無線リンクを介してネットページプリンタと通信する。ページを1回クリックするだけでもネットページペンが少なくとも1つのタグを確実に画像化することができるように、タグは十分に小さく、且つ密集して配置される。ペンとページとの対話はステートレス(stateless)であるため、ページと対話するたびに、ペンがページID及び位置を認識することが重要である。表面の損傷をある程度許容できるように、タグは、誤りを訂正できるように符号化される。
ネットページページサーバは、印刷されたそれぞれのネットページの固有のページインスタンスを維持し、これによって、ネットページページサーバは、印刷されたそれぞれのネットページのページ記述中の入力フィールドに対してユーザが供給した異なる一組の値を維持することができる。
Hyperlabel(商標)はオーストラリアSilverbrook Research Pty Ltd.社の商標である。本出願の出願人のデジタルインクジェットプリンタとともに使用するのに適したHyperlabel(商標)の好ましい一形態では、不可視(例えば赤外線)タグ付けスキームが製品アイテムを一意的に識別する。このことには、それによって、製品の包装又はラベルのグラフィックデザインに影響を与えることなく、製品の表面全体又は製品の表面のかなりの部分にタグ付けすることができるという重要な利点がある。製品の表面全体にタグ付けされる場合(「全面タグ付け(omnitagged)」)、製品の向きは、製品の被スキャン能力に影響を及ぼさない。即ち、可視バーコードの見通し線に関する欠点のかなりの部分が排除される。さらに、タグがコンパクトで、広範囲に模写される場合(「全面タグ(omnitag)」)、ラベルの損傷もスキャニングを妨げない。
したがって、Hyperlabelのタグ付けは、製品アイテムの表面の大きな部分を、光学的に読取り可能な目に不可視タグで覆うことからなる。タグが赤外線スペクトルの反射又は吸収を利用するとき、それらのタグは、赤外線識別(infrared identification:IRID)タグと呼ばれる。Hyperlabelタグはそれぞれ、タグがその表面に現れた製品を一意的に識別することができる。それぞれのタグはさらに、ネットページと対話できる下流消費者の利益を提供するため、任意選択で、製品アイテムの表面のタグ自体の位置を識別する。
Hyperlabel(商標)は一般に、製品の製造及び/又は包装中にデジタルプリンタ、好ましくはインクジェットプリンタを使用して取り付けられる。このデジタルプリンタは、他の手段によってテキスト及びグラフィックが印刷された後にタグを印刷するアドオン赤外線プリンタ、又はタグ、テキスト及びグラフィックを同時に印刷する一体型カラー/赤外線プリンタとすることができる。
適当な近IR周波数を有する光源を使用することを除き、Hyperlabel(商標)は、バーコードと同様の技術を使用して検出することができる。光源は、レーザ(例えば830nmで発光するGaAlAsレーザ)又はLEDとすることができる。
本出願の出願人らは、いずれも2006年7月18日に出願した本出願の出願人らの同時係属米国特許出願第11/488162号、第11/488163号、第11/488164号及び第11/488167号(これらの出願の内容はすべて相互参照によって本明細書に組み込まれる)に、デジタルプリンタを使用してHyperlabel(商標)タグを印刷するシステムの代替システムを記載した。この代替システムでは、タグが、アナログ(例えばオフセット)印刷プロセスによって印刷され、製品アイテムが、これらのタグ内に符号化された独立した識別子及び/又はレイアウト識別子を担持する。この代替システムは、タグがそれぞれの個々の製品アイテムを一意的に識別する必要がなく、したがって、同一のタグの複数のバッチを巻取紙に印刷するアナログ印刷プロセスによってタグを印刷することができるという利点を有する。
したがって、アナログ印刷インクに調合するのに適したIR吸収性染料を提供することが望ましいであろう。オフセット印刷用インクは一般に油ベースのインクである。
この染料が、近赤外線領域(例えば700から1000nm)における強い吸収、無又は低強度の可視吸収、良好な耐光性、良好な熱安定性、無又は低毒性、低コスト製造など、ネットページ及びHyperlabel(商標)システムと両立する特性を示すとさらに望ましいであろう。
いくつかのIR染料が、Epolin Products社、Fujifilm Imaging Colorants社、H.W.Sands Corp.社など様々な供給元から販売されている。
さらに、先行技術は様々なIR染料を記載している。例えば米国特許第5,460,646号は、染料、ビヒクル(vehicle)及び溶剤を含む赤外線印刷インクを記載しており、この染料は、ケイ素(IV)2,3−ナフタロシアニン−ビス−トリアルキルシリルオキシドである。
米国特許第5,282,894号は、無金属フタロシアニン、錯化(complexed)フタロシアニン、無金属ナフタロシアニン、錯化ナフタロシアニン、ニッケルジチオレン、アミニウム化合物、メチン化合物又はアズレンスクエア酸を含む溶剤ベースの印刷インクを記載している。
しかしながら、従来技術の油ベースのインクは強く着色されており、ネットページ及びHyperlabel(商標)用途には適していない傾向がある。
[発明の概要]
第1の態様では、溶剤ベース又は油ベースのインクビヒクルに調合するのに適したIR吸収性フタロシアニン染料であって、前記フタロシアニンが1つ又は複数のスルホン酸基を含み、少なくとも1つのスルホン酸基の対イオンがホスホニウムカチオンである染料が提供される。
任意選択で、前記フタロシアニンが、対応する複数のホスホニウムカチオンを有する複数のスルホン酸基を含む。
任意選択で、前記フタロシアニンがナフタロシアニンである。
任意選択で、前記ホスホニウムカチオン又はそれぞれの前記ホスホニウムカチオンが式:P(R)(R)(R)(R)を有し、R、R、R及びRがそれぞれ独立に、C1〜30アルキル、C5〜12アリール及びC5〜30アリールアルキルから選択される。
任意選択で、R、R、R及びRのうちの少なくとも1つが5つ以上の炭素原子を含む。
任意選択で、前記染料が式(1)を有し、

MがGa(A)、
が、−OH、ハロゲン、−OR、−OC(O)R又は−O(CHCHO)から選択されたアキシアル配位子であり、eが2から10までの整数、Rが、H、C1〜8アルキル又はC(O)C1〜8アルキルであり、
及びRが互いに同じでも又は異なっていてもよく、水素又はC1〜12アルコキシから選択され、
が、C1〜12アルキル、C5〜12アリール、C5〜12アリールアルキル又はSi(R)(R)(R)から選択され、
が、C1〜12アルキル、C5〜12アリール又はC5〜12アリールアルキルから選択され、
、R及びRが互いに同じでも又は異なっていてもよく、C1〜12アルキル、C5〜12アリール、C5〜12アリールアルキル、C1〜12アルコキシ、C5〜12アリールオキシ又はC5〜12アリールアルコキシから選択され、
がホスホニウムカチオンである。
任意選択で、Zが式:P(R)(R)(R)(R)を有し、R、R、R及びRがそれぞれ独立に、C1〜30アルキル、C5〜12アリール及びC5〜30アリールアルキルから選択される。
任意選択で、R、R、R及びRのうちの少なくとも1つが5つ以上の炭素原子を含む。任意選択で、R、R、R及びRのうちの少なくとも1つが6つ以上の炭素原子を含む。
任意選択で、R、R、R及びRのうちの少なくとも3つが5つ以上の炭素原子を含む。任意選択で、R、R、R及びRのうちの少なくとも3つが6つ以上の炭素原子を含む。
任意選択で、R、R、R及びRのうちの少なくとも3つが独立にC6〜30アルキル基から選択される。任意選択で、R、R、R及びRのうちの少なくとも1つが独立にC10〜30アルキル基から選択される。
任意選択で、RとRがともに水素である。
任意選択で、MがGa(OH)である。
第2の態様では、上で定義された染料を含む溶剤ベース又は油ベースのインクが提供される。
第3の態様では、インク供給源と、印刷版と、前記インク供給源からのインクを前記版上へ配置する手段とを備え、前記インクが上で定義された染料を含むアナログプリンタ又はアナログプリンタのモジュールが提供される。
第4の態様では、上で定義された染料がその表面又はその内部に配置された被印刷物が提供される。
任意選択で、前記被印刷物が、製品アイテムのラベル、包装又は表面である。
第5の態様では、符号化された被印刷物と対話するシステムであって、
人間が読み取ることができる情報と機械が読み取ることができる符号化されたデータとがその表面又はその内部に配置された被印刷物と、
前記機械が読み取ることができる符号化されたデータを読み取る感知装置と
を備え、前記符号化されたデータが上で定義された染料を含む
システムが提供される。
第6の態様では、リクエストされたアクションを印刷された被印刷物を介してコンピュータシステム内で開始する方法であって、前記被印刷物が、人間が読み取ることができる情報と機械が読み取ることができる符号化されたデータとを含み、前記方法が、
前記被印刷物に対する動作位置に感知装置を配置するステップと、
前記符号化されたデータの少なくとも一部を感知するステップと、
前記リクエストされたアクションを前記コンピュータが識別することを可能にする指示データを、前記感知された符号化されたデータの少なくとも一部を使用して感知装置内に生成するステップと、
前記指示データを前記コンピュータシステムに送るステップと
を含み、前記符号化されたデータが上で定義された染料を含む
方法が提供される。
第7の態様では、製品アイテムと対話する方法であって、前記製品アイテムが、人間が読み取ることができる情報と機械が読み取ることができる符号化されたデータとを含む印刷された表面を有し、前記方法が、
前記被印刷物に対する動作位置に感知装置を配置するステップと、
前記符号化されたデータの少なくとも一部を感知するステップと、
前記対話に関するパラメータを前記コンピュータが識別することを可能にする指示データを、前記感知された符号化されたデータの少なくとも一部を使用して感知装置内に生成するステップと、
前記指示データを前記コンピュータシステムに送るステップと
を含み、前記符号化されたデータが上で定義された染料を含む
方法が提供される。
印刷されたサンプルネットページとそのオンラインページ記述との間の関係の概略図である。 ネットページペン、ウェブ端末、ネットページプリンタ、ネットページ中継器、ネットページページサーバ、ネットページアプリケーションサーバ及びウェブサーバ間の対話の概略図である。 ネットワークを介して相互接続されたネットページサーバ、ウェブ端末、プリンタ及び中継器の集合を示す図である。 印刷されたネットページの高レベル構造及びそのオンラインページ記述の概略図である。 タグの4つの符号語の記号のインタリービング及び回転を示す平面図である。 図5aに示されたタグのマクロドットレイアウトを示す平面図である。 図5a及び5bに示されたタグを9つ配置した様子を示す平面図であり、隣接するタグ間でターゲットが共有されている。 図5aに示されたタグの集合とネットページペンの形態のネットページ感知装置の視野との間の関係を示す平面図である。 ネットページペン及びその関連タグ感知視野円錐の透視図である。 図6に示されたネットページペンの分解透視図である。 図6及び7に示されたネットページペンのペンコントローラの概略ブロック図である。 壁取付け型ネットページプリンタの透視図である。 図9のネットページプリンタの縦断面図である。 2重印刷エンジン及び糊ホイールアセンブリの断面を示す図10の拡大された部分である。 図9及び10のネットページプリンタのインクカートリッジ、インク、空気及び糊経路、並びに印刷エンジンの詳細図である。 インクカートリッジの分解図である。 アイテムIDの構造の概略図である。 Hyperlabelタグの構造の概略図である。 ペンクラス図の概略図である。 製品アイテム、固定製品スキャナ、ハンドヘルド製品スキャナ、スキャナ中継器、製品サーバ及び製品アプリケーションサーバ間の対話の概略図である。 サーマルベンドアクチュエータの基本動作原理を示す図である。 サーマルベンドアクチュエータの基本動作原理を示す図である。 サーマルベンドアクチュエータの基本動作原理を示す図である。 図17に従って構築された単一のインクジェットノズル配置の3次元図である。 図18に示されたノズル配置のアレイを示す図である。 レイアウトIDクラス図の一例である。 Hyperlabelタグクラス図の代替例である。 Hyperlabelタグと別個のRFIDタグとを有する製品アイテムを示す図である。 Hyperlabelタグと別個のバーコード識別子とを有する製品アイテムを示す図である。 ランダムに分散させたタガントを含むインクによって上重ね印刷されたHyperlabelタグを有する製品アイテムを示す図である。 DMSOに溶解した2.52×10−6Mテトラキス(トリヘキシルテトラデシルホスホニウム)塩5溶液の溶液スペクトルを示す図である。 直射日光及びオフィスの大気汚染物に連続的にさらした3%w/wホスホニウム塩5のオフセット印刷ストリップの反射率スペクトルを示す図である。 3%w/wヘキサデシルオキシガリウムナフタロシアニン6のオフセット印刷ストリップの反射率スペクトルを示す図である。
[詳細な説明]
IR吸収性染料
本明細書で使用されるとき、用語「フタロシアニン」は、広く大環状フタロシアニン類に属する任意の化合物を指し、ナフタロシアニン、キノリンフタロシアニンなど、及びそれらの置換された誘導体を含む。
本明細書で使用されるとき、用語「IR吸収性染料」は、赤外線を吸収し、したがって赤外線センサによる検出に適した物質を意味する。IR吸収性染料は、近赤外線領域の放射を吸収することが好ましく、好ましくは700から1000nm、より好ましくは750から900nm、より好ましくは780から850nmの範囲のλmaxを有する。この範囲のλmaxを有する染料は、ガリウムアルミニウムヒ素ダイオードレーザなどの半導体レーザによる検出に特に適する。
本発明に基づく製剤は、可視性が低く、溶剤ベース又は油ベースのインクに調合するのに適するという有利な特徴を有する。したがって、本発明の染料は、符号化されたデータがアナログ(例えばオフセット)印刷プロセスによって印刷される、本出願の出願者らの同時係属出願HYG019、HYG020、HYG021及びHYG022に記載されたネットページ及びHyperlabel(商標)用途に使用するのに適する可能性がある。これらの出願の内容は参照によって本明細書に組み込まれる。
これまでのところ、スルホン化されたフタロシアニンのホスホニウム塩は、溶剤ベース又は油ベースのインクに調合するのに適したIR吸収性染料としては提案されていない。伝統的に、フタロシアニン大員分子が本来的に備える疎水性は、フタロシアニンを溶剤又は油に可溶化する手段として利用されてきた。しかしながら、本発明では、フタロシアニンがスルホン化され、対イオンが、油に可溶化するのに必要な疎水性を提供する。この方法の1つの利点は、相補的な(complementary)水溶性及び油溶性染料を共通のスルホン酸中間体から製造することができることである。
他の利点は、相補的な水溶性及び油溶性染料が同じ発色団を有し、したがって同様のλmaxを有することである。IR染料は通常、特定の波長に対して最大感度を有する特定のIRセンサとともに使用されるように設計される。したがって、デジタル(例えばインクジェット)又はアナログ(例えばオフセット)プロセスによって印刷することができ、同じλmaxを有し、同じIRセンサとともに使用されるように最適化された、相補的な一組の水ベースの染料及び油ベースの染料を生成することが望ましい。後述する実施例に記載される油溶性及び溶剤可溶性染料は、本発明の出願者らの以前の出願IRB011US及びIRB017USに記載された水溶性染料と相補関係にあることは容易に理解される。これらの出願の内容は参照によって本明細書に組み込まれる。これらの染料はそれぞれ、スルホン化されたガリウムナフタロシアニン発色団を共有し、したがって同様の吸収特性を有する。
本発明に基づくIR染料の重大な利点はそれらの低い可視性である。この低い可視性は、隣接する分子間の低いπ−πスタッキングの結果であると考えられる。ホスホニウムカチオンは凝集を妨害し、それによってよりシャープなQバンド(Q−band)を有するより大きなモノマー成分を提供すると考えられる。IR領域におけるよりシャープなQバンドは一般に、可視領域の吸収を低下させ、したがって印刷されたときに全体の可視性を低下させる。
大きなホスホニウムカチオンが一般に好ましいが、リンの大きな原子サイズを考えると、ホスホニウムカチオンはどんなものであれ凝集を少なくともある程度は妨害し、より可視性の低い染料を生み出すものと本発明の発明者らは理解している。したがって、R、R、R及びRは、アルキル及びアリール基の範囲からを選択することができる。しかしながら、5個以上又は6個以上の炭素原子を有するアルキル及びアリール基が一般に好ましい。一般に、R、R、R及びRのうちの少なくとも1つが11個以上の炭素原子を有する。他の対イオン(例えば金属イオン)と比較すると、ホスホニウムカチオンは、驚くほど低い可視吸収及び標準オフセットインクビヒクル中での優れた溶解度を有する染料を提供する。
本発明の最も一般的な形態では、フタロシアニン染料が無金属でもよく、又は中心金属原子部分Mを含んでもよい。任意選択で、Mは、Si(A)(A)、Ge(A)(A)、Ga(A)、Mg、Al(A)、TiO、Ti(A)(A)、ZrO、Zr(A)(A)、VO、V(A)(A)、Mn、Mn(A)、Fe、Fe(A)、Co、Ni、Cu、Zn、Sn、Sn(A)(A)、Pb、Pb(A)(A)、Pd及びPtから選択される。ある範囲の中心金属原子部分を有するフタロシアニンは文献においてよく知られている(例えばAldrich Catalogueを参照されたい)。
任意選択で、Mは、Si(A)(A)、Ge(A)(A)、Ga(A)、Al(A)、VO、Mn、Mn(A)、Cu、Zn、Sn及びSn(A)(A)から選択される。
任意選択で、MはGa(A)である。
及びAはアキシアル配位子であり、互いに同じでも又は異なっていてもよい。任意選択で、A及びAは、−OH、ハロゲン又は−ORから選択される。任意選択で、A及びAを、−OC(O)R又は−O(CHCHO)とすることができ、eは2から10までの整数、Rは、H、C1〜8アルキル又はC(O)C1〜8アルキルである。
は、C1〜12アルキル、C5〜12アリール、C5〜12アリールアルキル又はSi(R)(R)(R)とすることができる。
は、C1〜12アルキル、C5〜12アリール又はC5〜12アリールアルキルとすることができる。
、R及びRは互いに同じでも又は異なっていてもよく、C1〜12アルキル、C5〜12アリール、C5〜12アリールアルキル、C1〜12アルコキシ、C5〜12アリールオキシ又はC5〜12アリールアルコキシから選択される。
は一般にヒドロキシル基(−OH)である。或いは、染料分子上に特定の特性を与えるように、Aを選択又は修飾することができる。染料分子にアキシアル立体バルク(axial steric bulk)を追加し、それによって隣接する染料分子間の共面(cofacial)相互作用をさらに低減させるように、Aを選択することができる。
本明細書では用語「アリール」が、フェニル、ナフチル又はトリプチセニルなどの芳香族基を指すために使用される。C6〜12アリールは例えば、置換基を除いて6から12個の炭素原子を有する芳香族基を指す。用語「アリーレン」は、もちろん、上記の1価のアリール基に対応する2価の基を指す。適当な場合、アリールへの一切の言及は暗黙的にアリーレンを含む。
そうではないと特に明示されない限り、アリール基は、任意選択で、下記の1、2、3、4又は5つの置換基で置換されていてもよい。この任意選択の置換基(1つ又は複数)は、C1〜8アルキル、C1〜8アルコキシ、−(OCHCHOR(dは2から5000までの整数、RはH、C1〜8アルキル又はC(O)C1〜8アルキルである)、シアノ、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシル、チオール、−SR、−NR、ニトロ、フェニル、フェノキシ、−CO、−C(O)R、−OCOR、−SO、−OSO、−SOOR、−NHC(O)R、−CONR、−CONR、−SONRの中から独立に選択され、R及びRは、水素、C1〜12アルキル、フェニル又はフェニル−C1〜8アルキル(例えばベンジル)の中から独立に選択される。例えば1つの基が2つ以上の置換基を含む場合、異なる置換基は異なるR又はR基を有することができる。例えば、ナフチル基は、以下の3つの置換基で置換されていてもよい:−SONHPh、−COMe基及び−NH
本明細書では用語「アルキル」が、直鎖と枝分れ鎖の両方の形態のアルキル基を指すために使用される。アルキル基は、O、N又はSから選択された1、2又は3つのヘテロ原子によって中断(interrupted)されていてもよい。アルキル基はさらに、1、2又は3つの2重及び/又は3重結合によって中断されていてもよい。しかしながら、用語「アルキル」は通常、ヘテロ原子による中断或いは2重又は3重結合による中断のないアルキル基を指す。「アルケニル」基に特に言及される場合、「アルケニル」基を、上記の「アルキル」の定義に対する限定と解釈することは意図されない。
用語「アルキル」はハロゲノアルキル基をも含む。例えばC1〜12アルキル基は、ハロゲン原子によって置換された5つまでの水素原子を有することができる。例えば−OC(O)C1〜12アルキル基は具体的には−OC(O)CFを含む。
例えばC1〜30アルキルに言及される場合、これは、そのアルキル基が1から30までの任意の数の炭素原子を含むことができることを意味する。そうではないと特に明示されない限り、「アルキル」への言及はC1〜30アルキルを意味する。
用語「アルキル」はシクロアルキル基をも含む。本明細書で使用されるとき、用語「シクロアルキル」は、シクロアルキル、ポリシクロアルキル及びシクロアルケニル基、並びにこれらと線状アルキル基との組合せ、例えばシクロアルキルアルキル基を含む。シクロアルキル基は、O、N又はSから選択された1、2又は3つのヘテロ原子によって中断されていてもよい。しかしながら、用語「シクロアルキル」は通常、ヘテロ原子による中断のないシクロアルキル基を指す。シクロアルキル基の例には、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘキシルメチル及びアダマンチル基などがある。
用語「アリールアルキル」はベンジル、フェニルエチル及びナフチルメチルなどの基を指す。
本明細書では用語「ハロゲン」又は「ハロ」が、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素のいずれかを指すために使用される。しかしながら、ハロゲンは通常、塩素又はフッ素置換基を指す。
本明細書に記載されたキラル化合物には立体記述子(stereo−descriptor)が与えられていない。しかしながら、化合物に立体異性体が存在しうるときには、すべての可能な立体異性体及びその混合物(例えば鏡像異性体、ジアステレオマー、及びラセミ混合物を含むすべての組合せなど)が含まれる。
同様に、化合物にいくつかの位置異性体が存在しうるときには、すべての可能な位置異性体及びその混合物が含まれる。
疑念を避けるため、「comprising a」などの句における用語「a」(又は「an」)は、「少なくとも1つ」を意味し、「1つだけ」を意味しない。用語「少なくとも1つ」が特に使用されている場合、これを、上記「a」の定義に対する限定と解釈してはならない。
本明細書の全体を通じて、用語「含む、備える(comprising)」、又は「含む、備える(comprise)」、「含む、備える(comprises)」などの異形は、言及された要素、完全体又はステップを含むものと解釈すべきであり、他の要素、完全体又はステップを除外するものと解釈すべきではない。
インク
本発明はさらに、溶剤ベース又は油ベースのインクを提供する。任意選択で、このインクは、オフセット印刷などのアナログ印刷に適する。しかし、このインクは、気泡発生のために水ベースのインクを必要としないデジタルインクジェット印刷ヘッドにも適する可能性があることが理解される。このような印刷ヘッドの例は、圧電印刷ヘッド、及び後により詳細に説明する本出願の出願人のサーマルベンドアクチュエータ(thermal bend actuator)印刷ヘッドである。
アナログ印刷に適した溶剤ベース及び油ベースのインク製剤は当業者によく知られている。このような印刷インクは一般に、以下のものを含む4つの材料カテゴリからなる。(a)染料。これは顔料、トナー及び染料を含む。(b)ビヒクル又はワニス。これは、印刷操作の間、染料のキャリヤの働きをし、乾燥後に染料を被印刷物に結合する。(c)溶剤。これは主にビヒクルの形成を助け、インクの粘度を低下させる。(d)添加剤。これは、印刷適性、薄膜特性、乾燥速度及び最終用途特性に影響を与える。
プリンタ
オフセットプリンタなどのアナログプリンタは当技術分野において数10年にわたって知られており、当業者の共通の一般知識の一部である。
既に述べたとおり、本明細書に記載の溶剤ベースのインクは、本出願の出願人のサーマルベンドアクチュエータインクジェット印刷ヘッドとともに使用することができる。このサーマルベンドアクチュエータでは一般に、インクを含むノズルチャンバと、チャンバ内に配置されたパドルに接続されたサーマルベンドアクチュエータとを有するノズル配置が提供される。サーマルアクチュエータデバイスは、ノズルチャンバからインクを噴射するように作動する。好ましい実施形態は、導電性トレースの伝導加熱を提供する一連のテーパ付き部分を含む特定のサーマルベンドアクチュエータを含む。アクチュエータは、ノズルチャンバのスロット壁を通して受け取られたアームを介してパドルに接続される。ノズルチャンバ壁のスロットの表面と実質的に対合するように、アクチュエータアームは対合形状を有する。
最初に図17(a)〜(c)を参照すると、この実施形態のノズル配置の基本動作の概略図が示されている。インク入口チャネル503によってインク502が充填されたノズルチャンバ501が提供される。インク入口チャネル503は、ノズルチャンバ501が載るウェーハ基板内にエッチングすることができる。ノズルチャンバ501はさらに、その周囲にインクメニスカスができるインク噴射ポート504を含む。
ノズルチャンバ501内には、ノズルチャンバ501の壁のスロットを通してアクチュエータ508に相互接続されたパドル型デバイス507がある。アクチュエータ508は、ポスト510の端部に隣接して位置するヒータ手段、例えば509を含む。ポスト510は基板に固定される。
図17(b)に示されているように、ノズルチャンバ501からインク滴を噴射することが望ましいときに、ヒータ手段509が、熱膨張するように加熱される。ヒータ手段509自体又はアクチュエータ508の他の部分が、高い曲げ効率(bend efficiency)を有する材料から構築されることが好ましい。曲げ効率は以下のように定義される。
ヒータ手段に適した材料は、ガラス材料を曲げるように形成することができる銅ニッケル合金である。
活動化の効果がパドル端507のところで強められ、その結果、ポスト510の近くでの小さな熱膨張がパドル端の大きな運動に結びつくように、理想的にはヒータ手段509が、ポスト510の端部に隣接して配置される。
ヒータ手段509の運動及びその結果起こるパドルの運動によって、インクメニスカス505の周囲の圧力が全般的に増大し、インクメニスカス505が、図17(b)に示されているように急速に膨張する。ヒータ電流がパルシングされ、ポート504からインクが押し出され、加えてインクチャネル503からインクが流入する。
続いて、パドル507が非活動化されて、再びその休止位置に戻る。この非活動化によって、インクがノズルチャンバ内へ全体的に逆流する。このノズルリムの外側へのインクの前方への運動量及び対応する逆流の結果、印刷媒体に向かって進むインク滴512が全体的にくびれ、ちぎれる。メニスカス505の崩壊の結果、インクフローチャネル503を介したノズルチャンバ502内へのインクの全体的な吸込みが起こる。そのうちに、ノズルチャンバ501が再充填され、その結果、図17(a)の位置に再び戻り、続いて、ノズルチャンバが別のインク滴を噴射する準備が整う。
図18はこのノズル配置の側面透視図を示す。図19は、図18のノズル配置のアレイの断面図を示す。これらの図では、以前に導入された要素の符号が維持されている。
最初に、アクチュエータ508は、窒化チタン層517の上に形成された上部ガラス部分516(非晶質二酸化ケイ素)を含むテーパの付いた一連のアクチュエータユニット、例えば515を含む。或いは、より高い曲げ効率を有する銅ニッケル合金層(以下キュプロニッケルと呼ぶ)を利用することもができる。
窒化チタン層517はテーパの付いた形態をとり、そのため、ポスト510の端部の近くで抵抗性加熱が起こる。隣接する窒化チタン/ガラス部分515はブロック部分519のところで互いに接続されており、ブロック部分519はさらに、アクチュエータ508に機械的な構造支持を提供する。
加熱したときに、アクチュエータ508の軸に沿って生じる曲げる力が最大化されるように、理想的には、ヒータ手段509が、細長く、間隔を置いて配置された複数のテーパ付きアクチュエータユニット515を含む。隣接するテーパ付きユニット515間にはスロットが画定され、これらのスロットは、それぞれのアクチュエータ508が隣接するアクチュエータ508に対してわずかにずれて動作することを見込んだものである。
ブロック部分519はアーム520に相互接続される。アーム520は、ノズルチャンバ501の側面に形成されたスロット、例えば522によって、ノズルチャンバ501の内側のパドル507に接続される。アーム520の周囲からインクが流出する機会を最小化するため、スロット522は、アーム520の表面と全体的に対合するように設計される。インクは、スロット522の周囲の表面張力効果によって全体的にノズルチャンバ501内に保持される。
アーム520を作動させたいときには、必要な電力及び制御回路をノズル配置に提供する下部CMOS層506に接続したブロック部分519内のバイアを通して、窒化チタン層517に伝導電流が流される。この伝導電流は、ポスト510に隣接した窒化層517の加熱を加熱し、この加熱が、アーム20を全体的に上方へ曲げ、その結果、ノズル504からインクを噴射させる。噴射されたインク滴は、前述のインクジェットプリンタの通常の方法でページに印刷される。
ノズル配置のアレイを形成して、単一の印刷ヘッドを製作することができる。例えば、図24には、印刷ヘッドアレイを形成するようにインタリーブされた列としてレイアウトされた図18の複数のインク噴射ノズル配置を含む様々なアレイの部分断面図が示されている。もちろん、フルカラーアレイなどを含む異なるタイプのアレイを製作することもできる。
記載された印刷ヘッドシステムの構築は、本発明の出願人の「Image Creation Method and Apparatus(IJ41)」という名称の米国特許第6,243,113号に記載された諸ステップを適当に変更することにより、標準MEMS技法を利用して実施することができる。この特許の内容はその全体が相互参照によって組み込まれる。
被印刷物
前述のとおり、本発明の染料は、Hyperlabel(商標)及びネットページシステムでの使用に特に適している。該システムについては、後続のセクション及び前掲の特許出願において詳細に説明される。それらの特許出願はすべて、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
したがって、本発明は、前述のIR吸収性染料がその表面又はその内部に配置された被印刷物を提供する。好ましくは、この被印刷物がインターフェース面を含む。好ましくは、ネットページ及び/又はHyperlabel(商標)システムでの使用に適した符号化されたデータの形態の染料が配置される。例えば、この符号化されたデータは、製品アイテムの複数の位置及び/又は識別を指示することができる。好ましくは、符号化されたデータが、被印刷物のインターフェース面のかなりの部分(インターフェース面の例えば20%超、50%超又は90%超)に配置される。
好ましくは、表面に配置された染料を感知装置によって検出することができるように、被印刷物がIR反射性である。被印刷物は、プラスチック(例えばポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミドなど)、紙、金属又はこれらの組合せなど、適当な材料からなることができる。被印刷物は積層されていてもよい。
ネットページ用途では、被印刷物が枚葉紙であることが好ましい。Hyperlabel(商標)用途では、被印刷物が、製品アイテムのタグ、ラベル、包装材料又は表面であることが好ましい。タグ及びラベルは一般にプラスチック、紙又はこれらの組合せからなる。
ネットページ及びHyperlabel(商標)
次に、ネットページ及びHyperlabel(商標)を詳細に概観する。注記:Memjet(商標)及びHyperlabel(商標)は、オーストラリアSilverbrook Research Pty Ltd.社の商標である。すべての実施態様が、この基本システムに関して後に論じられる特定の詳細及び拡張の全部又は大部分を具体化するわけではないことが理解される。しかしながら、本発明の好ましい実施形態及び態様が機能する文脈を理解しようとするときの外部参照の必要性を低減させるため、この基本システムを、その最も完全な形態に関して説明する。
簡単に概要を述べると、ネットページシステムの好ましい形態は、マップされた表面(mapped surface)、即ちコンピュータシステム内に維持されたその表面のマップへの参照を含む物理的表面の形態のコンピュータインターフェースを使用する。これらのマップ参照は、適当な感知装置によって問い合わせることができる。その特定の実施態様に応じて、マップ参照は、可視的に又は不可視的に符号化することができ、マップされた表面でのローカル問合せが、そのマップ内と異なるマップ間の両方において明確なマップ参照を与えるような方法で、マップ参照を定義することができる。このコンピュータシステムは、マップされた表面のフィーチャ(feature)に関する情報を含むことができ、このような情報は、マップされた表面とともに使用される感知装置によって供給されるマップ参照に基づいて取り出すことができる。このようにして取り出される情報は、オペレータと表面フィーチャとの対話に応答して、オペレータに代わりコンピュータシステムによって開始されるアクションの形態をとることができる。
その好ましい形態では、ネットページシステムが、ネットページの生成及び人とネットページとの対話に依存する。ネットページは、テキスト、グラフィック及び画像からなり、通常の紙に印刷されたページではあるが、双方向性ウェブページと同様に機能するページである。情報は、肉眼では実質的に不可視のインクを使用してそれぞれのページに符号化される。しかしながら、このインク、したがって符号化されたデータは光学画像化ペンによって感知することができ、ネットページシステムに送信することができる。
好ましい形態では、情報をネットワークにリクエストし、又はネットワークサーバにプリファランス(preference)を伝えるために、それぞれのページ上のアクティブボタン及びハイパーリンクをこのペンでクリックすることができる。一実施形態では、ネットページ上の手書きのテキストが、ネットページシステム内で自動的に認識され、コンピュータテキストに変換され、これによって書式(form)に記入することができる。他の実施形態では、ネットページ上に記録された署名が自動的に照合され、これによってeコマーストランザクションを安全に許可することができる。
図1に示されているように、印刷されたネットページ1は、ユーザが、この印刷されたページ上に物理的に記入することも、ペンとネットページシステムとの間の通信によって「電子的に」記入することもできる双方向性書式を表すことができる。この例は、名前フィールド及び住所フィールド並びに送信ボタンを含む「リクエスト」書式を示す。このネットページは、可視インクを使用して印刷されたグラフィックデータ2と、不可視インクを使用してタグ4の集合として印刷された符号化されたデータ3とからなる。ネットページネットワーク上に記憶された対応するページ記述5は、そのネットページの個々のエレメントを記述する。具体的には、ページ記述5は、ネットページを介した入力をネットページシステムが正確に解釈することができるように、それぞれの双方向性エレメント(即ちこの例ではテキストフィールド又はボタン)のタイプ及び空間的広がり(ゾーン)を記述する。例えば送信ボタン6は、対応するグラフィック8の空間的広がりに対応するゾーン7を有する。
図2に示されているように、ネットページペン101は、パーソナルコンピュータ(PC)、ウェブ端末75又はネットページプリンタ601とともに機能する。ネットページペン101の好ましい一形態が図6及び7に示されており、ネットページペン101については後により詳細に説明する。ネットページプリンタは、インターネットに接続された家庭用、オフィス用又はモバイル用の印刷機器である。このペンは無線式であり、短距離無線リンク9を介してネットページネットワークと安全に通信する。短距離通信は、PC、ウェブ端末又はネットページプリンタ内に埋め込まれたローカル中継機能、或いは別個の中継装置44によって提供されたローカル中継機能によってネットページネットワークに中継される。この中継機能は、携帯電話器、又は短距離通信機能と長距離通信機能の両方を含む他の装置によっても提供することができる。
代替実施形態では、ネットページペンが、PC、ウェブ端末、ネットページプリンタ又は中継装置への有線接続、例えばUSB又は他のシリアル接続を利用する。
ネットページプリンタ601は、個人化された新聞、雑誌、カタログ、パンフレット及び他の出版物を定期的に又はオンデマンドで送付することができ、これらの出版物はすべて、双方向性ネットページとして高品質で印刷される。ネットページプリンタ601の好ましい一形態が図9から11に示されており、ネットページプリンタ601については後により詳細に説明する。パーソナルコンピュータとは違い、ネットページプリンタは、ユーザのキッチン、食卓の近く、又は玄関の近くなど、朝のニュースが最初に消費される場所に隣接して、例えば壁に取り付けることができる機器である。ネットページプリンタはさらに、卓上型、机上型、携帯型及び小型プリンタの形態をとる。
それらの消費場所で印刷されるネットページは、紙の使いやすさと、双方向媒体の適時性及び双方向性とを結合する。
図2に示されているように、ネットページペン101は、印刷されたネットページ1(又は製品アイテム(product item)201)上の符号化されたデータと対話し、短距離無線リンク9を介してこの対話を中継器に伝達する。中継器は、この対話を、解釈のために関連ネットページページサーバ10に送る。適当な状況では、このページサーバが、ネットページアプリケーションサーバ13上で実行されているアプリケーションコンピュータソフトウェアに、対応するメッセージを送る。アプリケーションサーバは次いで、起点となったプリンタに印刷される応答を送ることができる。
代替実施形態では、PC、ウェブ端末、ネットページプリンタ又は中継装置が、ローカル又はリモートウェブサーバを含むローカル又はリモートアプリケーションソフトウェアと直接に通信することができる。これに関連して、出力は、ネットページプリンタによって印刷されることに限定されない。出力は、PC又はウェブ端末上に表示することもでき、追加の対話を紙ベースではなくスクリーンベースとすることができ、又はこれら2つの混合とすることができる。
好ましい実施形態では、高速マイクロエレクトロメカニカルシステム(microelectromechanical system:MEMS)に基づくインクジェット(Memjet(商標))プリンタとともに使用することによって、このネットページシステムが相当に便利になる。この技術の好ましい形態では、消費者が、比較的に高速且つ高品質の印刷を手頃な費用で利用できるようになる。その好ましい形態では、ネットページ出版物が、容易なナビゲーション及び快適な取扱いのために互いに結合された、両面にフルカラーで印刷された一組のレターサイズの光沢ページなどの伝統的なニュース雑誌の物理特性を有する。
ネットページプリンタは、拡大しているブロードバンドインターネットアクセスの利用可能性を利用する。ケーブルサービスは、米国の家庭の95%で使用可能であり、ブロードバンドインターネットアクセスを提供するケーブルモデムサービスは既に米国の家庭の20%で使用可能である。このネットページプリンタはより低速の接続でも機能することができるが、送付時間が長くなり、画質が低下する。実際、消費者向けの既存のインクジェットプリンタ及びレーザプリンタを使用しても、このネットページシステムを使用可能にすることはできるが、システムはより低速で動作し、したがって消費者から見てより受け入れがたいものとなる。他の実施形態では、このネットページシステムが専用イントラネット上に置かれる。他の実施形態では、このネットページシステムが、単一のコンピュータ、又はコンピュータによって使用可能にされる装置、例えばプリンタに置かれる。
ネットページネットワーク上のネットページ発行サーバ14は、印刷品質の出版物をネットページプリンタに送付するように構成される。定期出版物は、購読を申し込んだネットページプリンタに、ポイントキャスティング及びマルチキャスティングインターネットプロトコルを介して自動的に送付される。個人化された出版物はフィルタにかけられ、個々のユーザプロフィールに従ってフォーマットされる。
ネットページプリンタは、任意の数のペンをサポートするように構成することができ、ペンは、任意の数のネットページプリンタとともに機能することができる。好ましい実施態様では、それぞれのネットページペンが固有の識別子を有する。家庭では、着色されたネットページペンの集合を所有することができ、これらを家族の一人ひとりに1本ずつ割り当てることができる。これによって、それぞれのユーザが、ネットページ発行サーバ又はアプリケーションサーバに対して異なるプロフィールを維持することができる。
さらに、ネットページペンをネットページ登録サーバ11に登録することができ、1つ又は複数の支払いカードアカウントにリンクさせることができる。これにより、ネットページペンを使用してeコマース支払いを安全に許可することができる。ネットページ登録サーバは、ネットページペンによって捕捉された署名を、以前に登録された署名と比較し、それによって、eコマースサーバに対してユーザの識別を認証することができる。他のバイオメトリック情報(biometric)を使用して、識別を照合することもできる。ネットページペンの一形態は、ネットページ登録サーバによって同様の方法で照合される指紋スキャニングを含む。
ネットページプリンタは、朝刊紙などの定期出版物をユーザの介入なしで送付することができるが、頼んでいないジャンクメール(junk mail)を送付しないように、ネットページプリンタを構成することができる。その好ましい形態では、ネットページプリンタが、購読申込みを受けた出版元又は他の方法で許可された出版元からの定期出版物だけを送付する。この点で、ネットページプリンタは、電話番号又は電子メールアドレスを知っているジャンクメールの差出人から丸見えのファックス装置又は電子メールアカウントとは異なる。
1 ネットページシステムアーキテクチャ
このシステムのオブジェクトモデルはそれぞれ、ユニファイドモデリングランゲージ(Unified Modeling Language:UML)のクラス図を使用して記述される。クラス図は、関係によって接続された一組のオブジェクトクラスからなり、ここでは2種類の関係、即ち関連(association)及び汎化(generalization)が重要である。関連は、オブジェクト間、即ちクラスのインスタンス間のある種類の関係を表す。汎化は実際のクラスを関係付けるものであり、以下のように理解することができる:あるクラスが、そのクラスのすべてのオブジェクトの集合と考えられ、クラスAがクラスBの汎化である場合、Bは単純にAの部分集合である。UMLは、2次モデリング、即ち「クラスのクラス」を直接にはサポートしない。
それぞれのクラスは、クラスの名称が記された長方形として描かれる。この長方形は、水平線によって名称から分けられたそのクラスの属性のリスト、及び水平線によって属性リストから分けられたそのクラスの操作のリストを含む。しかしながら、以下のクラス図で操作がモデリングされることはない。
関連は、2つのクラスをつなぐ線として描かれ、任意選択で、どちらかの端に関連の多重度が書き込まれる。デフォルトの多重度は1である。アスタリスク(*)は「many」、即ちゼロ以上の多重度を示す。それぞれの関連には任意選択でその名称が記入され、やはり任意選択で、どちらかの端に対応するクラスのロール(role)が記入される。白抜きの菱形は、集約(aggregation)関連(「is−part−of」)を示し、関連線のアグリゲータ(aggregator)端に描かれる。
汎化関係(「is−a」)は、2つのクラスをつなぐ実線として描かれ、汎化端には矢印(白抜きの三角形)が付けられる。
クラス図が複数の図に分割されると、複製されたクラスは、それを定義する主図を除き、破線の輪郭線で示される。クラス図は、それが定義されたところだけ属性とともに示される。
1.1 ネットページ
ネットページは、その上にネットページネットワークが構築される基礎である。ネットページは、公表された情報及び双方向サービスに対する紙ベースのユーザインターフェースを提供する。
ネットページは、そのページのオンライン記述への参照が目に不可視タグとして付けられた印刷されたページ(又は他の表面領域)からなる。オンラインページ記述は、ネットページページサーバによって持続的に維持される。ページ記述は、テキスト、グラフィック及び画像を含むページの可視レイアウト及びコンテンツを記述する。ページ記述はさらに、ボタン、ハイパーリンク及び入力フィールドを含むページ上の入力エレメントを記述する。ネットページは、ネットページの表面にネットページペンによってなされたマーキングが、ネットページシステムによって同時に捕捉され、処理されることを可能にする。
複数のネットページが同じページ記述を共有することができる。しかしながら、他の点ではまったく同じページを介しての入力を区別できるように、それぞれのネットページには固有のページ識別子が割り当てられる。このページIDは、非常に多数のネットページを区別するのに足る十分な精度を有する。
ページ記述へのそれぞれの参照は印刷されたタグの中に符号化される。タグは、そのタグが表面に現れた固有のページを識別し、それによってページ記述を間接的に識別する。タグはさらに、そのページ上におけるそのタグ自体の位置を識別する。タグの特性については後により詳細に説明する。
タグは、通常の紙などの赤外線を反射する被印刷物上に、赤外線を吸収するインクで印刷される。近赤外波長は人の眼には不可視だが、適当なフィルタを備えた固体イメージセンサによって容易に感知される。
タグは、ネットページペン内のエリアイメージセンサ(area image sensor)によって感知され、タグデータは、最も近いネットページプリンタを介してネットページシステムに伝送される。ネットページペンは無線式であり、短距離無線リンクを介してネットページプリンタと通信する。ページを1回クリックするだけでもネットページペンが少なくとも1つのタグを確実に画像化することができるように、タグは十分に小さく、且つ密集して配置される。ペンとページとの対話はステートレス(stateless)であるため、ページと対話するたびに、ペンがページID及び位置を認識することが重要である。表面の損傷をある程度許容できるように、タグは、誤りを訂正できるように符号化される。
ネットページページサーバは、印刷されたそれぞれのネットページの固有のページインスタンスを維持し、これによって、ネットページページサーバは、印刷されたそれぞれのネットページのページ記述中の入力フィールドに対してユーザが供給した異なる一組の値を維持することができる。
ページ記述、ページインスタンス及び印刷されたネットページ間の関係が図4に示されている。印刷されたネットページを、印刷されたネットページ文書(document)45の部分とすることができる。ページインスタンスは、それを印刷したネットページプリンタと、それをリクエストしたネットページユーザ(分かっている場合)の両方に関連付けられる。
図4に示されているように、例えば製品アイテムのラベル、包装又は実際の表面に印刷されたときなど、製品アイテムなどの1つの現実のオブジェクトに、1つ又は複数のネットページを関連付けることもできる。
1.2 ネットページタグ
1.2.1 タグデータのコンテンツ
好ましい一形態では、それぞれのタグが、そのタグが現れた領域及びその領域内でのそのタグの位置を識別する。タグはさらに、その領域全体に関係するフラグ又はそのタグに関係するフラグを含むことができる。1つ又は複数のフラグビットは例えば、タグ感知装置がその領域の記述を参照する必要なしに、そのタグのそのエリアに関連付けられた機能を指示するフィードバックを供給するようタグ感知装置に知らせる。ネットページペンがハイパーリンクのゾーン内にあるとき、ネットページペンは例えば「アクティブエリア(active area)」LEDを点灯することができる。
後により明確に説明するが、好ましい一実施形態では、それぞれのタグが、容易に認識される変化しない構造を含み、この構造は、最初の検出を助け、表面によって又は感知プロセスによって引き起こされるゆがみ(warp)の影響を最小化するのに役立つ。タグは、ページ全体を覆い、ページを1回クリックするだけでもネットページペンが少なくとも1つのタグを確実に画像化することができるように、十分に小さく、且つ密集して配置されることが好ましい。ペンとページとの対話はステートレスであるため、ページと対話するたびに、ペンがページID及び位置を認識することが重要である。
好ましい一実施形態では、タグが指す領域がページ全体と一致し、したがって、タグ中に符号化された領域IDが、タグが表面に現れたページのページIDと同義である。他の実施形態では、タグが指す領域を、ページ又は他の表面の任意の部分領域とすることができる。例えば、タグが指す領域を双方向性エレメントのゾーンと一致させることができ、その場合、領域IDは、双方向性エレメントを直接に識別することができる。
好ましい形態では、それぞれのタグが120ビットの情報を含む。一般に、領域IDには最大100ビット、タグIDには少なくとも16ビットが割り当てられ、残りのビットはフラグなどに割り当てられる。タグ密度が1平方インチ当たり64個であるとすると、16ビットのタグIDは、最大1024平方インチの領域サイズをサポートする。単純に隣接した領域及びマップを使用することによって、タグIDの精度を増大させることなくより大きな領域を連続的にマップすることができる。100ビットの領域IDによって、2100(約1030、即ち100万×1兆×1兆)個の異なる領域を一意的に識別することができる。
1.2.2 タグデータの符号化
一実施形態では、(15,5)リード−ソロモン(Reed−Solomen)符号を使用して、120ビットのタグデータが冗長に符号化される。この符号は、それぞれが15個の4ビット記号からなる6個の符号語(codeword)からなる360個の符号化されたビットを与える。(15,5)符号は、符号語あたり5個までの記号誤りを訂正することを可能にし、即ち、符号語あたり33%までの符号誤り率を許容する。
それぞれの4ビット記号は、タグの中に空間的にコヒーレントな方法で表され、6つの符号語の記号がタグ内で空間的にインタリーブされる。このことは、バースト誤り(空間的に隣接する複数のビットに影響を及ぼす誤り)が、全体としてできるだけ少ない数の記号及び任意の1つの符号語内のできるだけ少ない数の記号に損傷を与えることを保証し、したがってバースト誤りを完全に訂正することができる可能性を最大にする。
(15,5)リード−ソロモン符号の代わりに適当な任意の誤り訂正符号、例えば、より多くの又はより少ない冗長性を有し、同じ又は異なる記号及び符号語サイズを有するリード−ソロモン符号、他のブロック符号、又は畳込み符号などの異なる種類の符号を使用することができる(例えば、その内容が参照によって組み込まれる、Stephen B.Wicker、「Error Control Systems for Digital Communication and Storage」、Prentice−Hall、1995年を参照されたい)。
タグが付けられた領域との感知装置を介した「シングルクリック」対話をサポートするためには、感知装置が領域のどこにあろうとも、又はどの向きに配置されていようとも、感知装置は、その視野の中に、少なくとも1つのタグ全体を収めることができなければならない。したがって、必要な感知装置の視野の直径はタグのサイズ及び間隔の関数である。
1.2.3 タグの構造
図5aは、4つの透視ターゲット(perspective target)17を有するタグ726の形態のタグ4を示す。タグ726は、60個の4ビットリード−ソロモン記号747を表し、合計240ビットを表す。このタグでは、マクロドット(macrodot)と呼ばれるマーク748が存在することによってそれぞれのビットが「1」を表し、対応するマクロドットが不在しないことによってそれぞれのビットが「0」を表す。図5cは、例示のためすべて「1」ビットを含む9つのタグの正方形タイリング(tiling)728を示す。透視ターゲットは、隣接するタグ間で共有されるように設計されていることに留意されたい。図5dは、16個のタグの正方形タイリング、及び2つのタグの対角線をまたぐ対応する最小視野193を示す。
(15,7)リード−ソロモン符号を使用すると、符号化された240ビットを生み出すために、112ビットのタグデータが冗長に符号化される。バースト誤りに対する障害許容力(resilience)を最大化するために、タグ内で、4つの符号語が空間的にインタリーブされる。上記と同じく16ビットのタグIDを仮定すると、これは、92ビットまでの領域IDを可能にする。
タグの集団がターゲットに似た構造を生成することがないように、データを担持したタグのマクロドット748は、近傍のマクロドットと重ならないように設計される。これによってインクも節約される。透視ターゲットはタグの検出を可能にし、そのため、追加のターゲットが不要となる。
タグは、センサに対するタグの4つの可能な方向の一義化を可能にする方向フィーチャを含むことができるが、本発明は、タグデータ内に方向データを埋め込むことに関する。例えば、図5aに示されているように、タグのそれぞれの方向(回転上の向き)がその方向に置かれた1つの符号語を含むように、4つの符号語を配置することができる。それぞれの記号には、その符号語の番号(1〜4)及びその符号語内の記号の位置(A〜O)が記されている。タグの復号は、回転方向ごとに1つの符号語を復号することからなる。それぞれの符号語は、それが第1の符号語であるかどうかを指示する単一のビットか、又はそれがどの符号語であるかを指示する2つのビットを含むことができる。後者の方法は、例えば1つの符号語のデータコンテンツだけが必要な場合に、所望のデータを得るのに最大2つの符号語を復号すればよいので有利である。これは例えば、ストローク(stroke)内で領域IDが変化しないと予想され、したがってストロークの最初に領域IDが復号されるだけである場合に当てはまる。ストローク内では、タグIDを含む符号語だけが求められる。さらに、ストローク内では感知装置の回転がゆっくりと予想可能に変化するので、一般に、フレームあたり1つの符号語だけを復号すればよい。
透視ターゲットを完全に省き、その代わりに、自己整合性(self−registering)のデータ表現に依存することも可能である。この場合、それぞれのビット値(又はマルチビット値)が一般に、明示のグリフ(glyph)によって表される。即ち、「0」ビット値がグリフの不在によって表される。このことは、データ格子が高密度に占有される(well−populated)ことを保証し、したがって、データサンプリング中に格子が確実に識別され、その透視歪み(perspective distorotion)が検出され、続いて補正されることを可能にする。タグ境界が検出されることを可能にするため、それぞれのタグデータはマーカパターンを含まなければならず、信頼できる検出を可能にするために、これらは冗長に符号化されなければならない。このようなマーカパターンのオーバヘッドは、明示の透視ターゲットのオーバヘッドと同様である。2001年10月11日に出願された本出願の出願人の同時係属のPCT出願、PCT/AU01/01274号には、このような様々なスキームが記載されている。
図5cの配置728は、正方形タグ726を使用して、任意のサイズの平面にタグを敷き詰める、即ち隙間又は重なりなしにタグを配置することができることを示している。
好ましい実施形態では、本明細書に記載されたタグ付けスキームが、区別のない単一のマクロドットの有無を使用して単一のデータビットを符号化するが、タグ付けスキームは、2001年10月11日に出願された本出願の出願人の同時係属のPCT出願、PCT/AU01/01274号に示されたグリフのセットなどの区別分けされたグリフのセットを使用して、シングルビット値又はマルチビット値を表すこともできる。
1.3 ネットページネットワーク
好ましい一実施形態では、図3に示されているように、ネットページネットワークが、インターネットなどのネットワーク19を介して接続された分散した一組のネットページページサーバ10、ネットページ登録サーバ11、ネットページIDサーバ12、ネットページアプリケーションサーバ13、ネットページ発行サーバ14、ウェブ端末75、ネットページプリンタ601及び中継装置44からなる。
ネットページ登録サーバ11は、ユーザ、ペン、プリンタ、アプリケーション及び出版物間の関係を記録し、それによって様々なネットワーク活動を許可するサーバである。ネットページ登録サーバ11はユーザを認証し、アプリケーショントランザクションにおいては、認証されたユーザに代わって署名の代理を務める。ネットページ登録サーバ11はさらに手書き文字認識サービスを提供する。前述のとおり、ネットページページサーバ10は、ページ記述及びページインスタンスに関する持続的な情報を維持する。ネットページネットワークは、それぞれがページインスタンスのサブセットを処理する任意の数のページサーバを含む。ページサーバはさらに、それぞれのページインスタンスに対するユーザ入力値を維持するので、ネットページプリンタなどのクライアントはネットページ入力を適当なページサーバに直接に送る。ページサーバは、対応するページの記述に関するこのような入力を解釈する。
ネットページIDサーバ12は、オンデマンドで文書ID51を割り当て、そのID割当てスキームを介してページサーバのロードバランシングを提供する。
ネットページプリンタは、インターネットディストリビューテッドネームシステム(Distributed Name System:DNS)又は同様のシステムを使用して、ネットページページID50を、対応するページインスタンスを処理するネットページページサーバのネットワークアドレスにリゾルブする。
ネットページアプリケーションサーバ13は、双方向性ネットページアプリケーションを記憶したサーバである。ネットページ発行サーバ14は、ネットページ文書をネットページプリンタに発行するアプリケーションサーバである。
ネットページサーバは、IBM、Hewlett Packard、Sun社などのメーカの様々なネットワークサーバプラットホーム上に置くことができる。複数のネットページサーバを単一のホスト上で同時に動かすことができ、単一のサーバをいくつかのホストに分散させることができる。また、ネットページサーバによって提供される機能の一部又は全部、特にIDサーバ及びページサーバによって提供される機能の一部又は全部を、ネットページプリンタなどのネットページ機器又はコンピュータワークステーションに直接に提供し、或いはローカルネットワーク上に直接に提供することができる。
1.4 ネットページプリンタ
ネットページプリンタ601はネットページシステムに登録された機器であり、ネットページ文書をオンデマンドで、及び定期購読によって印刷する。それぞれのプリンタは固有のプリンタID62を有し、インターネットなどのネットワークを介して、理想的にはブロードバンド接続によってネットページネットワークに接続される。
不揮発性メモリ内の識別及びセキュリティ設定を除けば、ネットページプリンタは持続的な記憶装置を含まない。ユーザに関係する限り、「ネットワークがコンピュータである(the network is the computer)」。ネットページは、分散型ネットページページサーバ10の助けを借り、特定のネットページプリンタから独立し、空間及び時間を横断して、双方向的に機能する。
ネットページプリンタは、定期購読されたネットページ文書をネットページ発行サーバ14から受け取る。それぞれの文書は、2つの部分、即ちページレイアウトと、ページを埋める実際のテキストオブジェクト及び画像オブジェクトとに分けて配布される。個人化のため、ページレイアウトは一般に特定の購読者ごとに固有であり、そのため、適当なページサーバを介して購読者のプリンタにポイントキャスト(pointcast)される。一方、テキストオブジェクト及び画像オブジェクトは一般に他の購読者と共有され、そのため、すべての購読者のプリンタ及び適当なページサーバにマルチキャスト(multicast)される。
ネットページ発行サーバは、ポイントキャスト及びマルチキャストへの文書コンテンツのセグメンテーションを最適化する。文書のページレイアウトのポイントキャストを受け取った後、プリンタは、プリンタが受信に使用するマルチキャストを知る。
印刷すべき文書を定義した完全なページレイアウト及びオブジェクトを受け取った後、プリンタはその文書を印刷することができる。
プリンタは、奇数ページ及び偶数ページをラスタ化し、シートの両面に同時に印刷する。プリンタは、この目的にMemjet(商標)印刷ヘッド350を利用する2重化された印刷エンジンコントローラ760及び印刷エンジンを含む。
印刷プロセスは分離された2つの段、即ちページ記述のラスタ化と、ページ画像の展開及び印刷とからなる。ラスタ画像処理装置(raster image processor:RIP)は、並行して動作する1つ又は複数の標準DSP757からなる。2重印刷エンジンコントローラは、印刷エンジン内の印刷ヘッドの動作と同期して、ページ画像をリアルタイムで展開し、ディザ処理し、印刷するカスタムプロセッサからなる。
IR印刷能力を持たないプリンタは、IR吸収性黒インクを使用してタグを印刷する選択肢を有するが、こうすることは、タグがなければ空白になるページのエリアにタグを限定する。このようなページはIR印刷されたページよりも限定された機能を有するが、これらのページもやはりネットページに分類される。
通常のネットページプリンタはネットページを紙のシート上に印刷する。より特化したネットページプリンタは、球体などのより特殊な表面に印刷することができる。それぞれのプリンタは少なくとも1つの表面タイプをサポートし、表面タイプごとに少なくとも1つのタグタイリングスキーム、したがってタグマップをサポートする。文書を印刷するために実際に使用されるタグタイリングスキームを記述したタグマップ811は、その文書のタグを正確に解釈することができるようにその文書に関連付けられる。
図2は、ネットページネットワーク上の登録サーバ11によって維持されたプリンタ関連情報を反映したネットページプリンタクラス図を示す。
1.5 ネットページペン
このネットページシステムの能動感知装置は一般に、埋め込まれたコントローラ134を使用して、イメージセンサを介してあるページからIR位置タグを捕捉し、復号することができるペン101である。イメージセンサは、近赤外波長のみでの感知を可能にする適当なフィルタを備えた固体デバイスである。後により詳細に説明するが、このシステムは、ペン先(nib)が表面と接触したことを感知することができ、このペンは、人間の手書き文字を捕捉する十分な速度(即ち200dpi以上及び100Hz以上)でタグを感知することができる。ペンによって捕捉された情報は暗号化され、プリンタ(又は基地局)に無線で送信され、プリンタ又は基地局は、(既知の)ページ構造に関してそのデータを解釈する。
ネットページペンの好ましい実施形態は、通常のマーキングインクペンと非マーキングスタイラスの両方として機能する。しかしながら、インターネットインターフェースとしてペンが使用されるときなど、ネットページシステムをブラウジングシステムとして使用するのにはマーキング態様は不要である。ネットページペンはそれぞれネットページシステムに登録され、固有のペンID61を有する。図14は、ネットページネットワーク上の登録サーバ11によって維持されたペン関連情報を反映したネットページペンクラス図を示す。
どちらかのペン先がネットページと接触したとき、ペンは、そのページに対するペン自体の位置及び方向を決定する。ペン先は力センサに取り付けられており、ペンが「アップ」なのか又は「ダウン」なのかを指示するために、ペン先に加わった力が閾値に対して解釈される。このことは、例えばネットワーク上の情報をリクエストするために、ペンのペン先で押すことによって、ページ上の双方向エレメントを「クリックする」ことを可能にする。さらに、例えば署名の完全な動態を照合されることを可能にするため、この力は連続値として捕捉される。
ペンは、ペン先の近くのページのエリア193を赤外スペクトルで画像化することによって、ネットページ上のペンのペン先の位置及び方向を決定する。ペンは、最も近いタグを復号し、画像化されたタグ上の観察された透視歪み及びペン光学系の既知のジオメトリから、そのタグに対するペン先の位置を計算する。タグの位置分解能は低い可能性があるが、ページ上のタグ密度はタグサイズに反比例するため、調整された位置分解能は非常に高く、正確な手書き文字認識のために必要とされる最低分解能を超える。
ネットページに対するペンの運動は一連のストロークとして捕捉される。ストロークは、ページ上のタイムスタンプが押された一連のペン位置からなり、ペンダウン事象によって開始され、その後のペンアップ事象によって完了する、さらに、ページIDが変わるたびに、そのネットページのページID50がストロークにタグ付けされ、通常の状況ではそれはストロークの開始時である。
ネットページペンはそれぞれ、コピーアンドペーストなどの操作をユーザが実行することを可能にする、ペンに関連付けられた現在の選択(current selection)826を有する。定義された期間の後にシステムがその選択を破棄することができるように、この選択にはタイムスタンプが押される。現在の選択はページインスタンスの領域を記述する。現在の選択は、ペンを通して捕捉された、そのページのバックグラウンドエリアに対する最も最近のデジタルインクストロークからなる。現在の選択は、選択ハイパーリンク活動化を介して現在の選択があるアプリケーションに送信された後、その特定のアプリケーションに合った方法で解釈される。
ペンはそれぞれ現在のペン先824を有する。現在のペン先824は、ペンによってシステムに最後に通知されたペン先である。前述のデフォルトのネットページペンの場合には、マーキングブラックインクペン先か又は非マーキングスタイラスペン先が、現在のペン先である。さらに、ペンはそれぞれ現在のペン先スタイル825を有する。ペン先スタイル825は、アプリケーションによって、例えばユーザがパレットからある色を選択したことに応答して、ペンに最後に関連付けられたペン先スタイルである。デフォルトのペン先スタイルは現在のペン先に関連付けられたペン先スタイルである。ペンを通して捕捉されたストロークには現在のペン先スタイルがタグ付けされる。続いてそれらのストロークが再現されるときには、それらのストロークにタグ付けされたペン先スタイルでそれらのストロークが再現される。
ペンが、そのペンが通信することができるプリンタの範囲内にあるとき、ペンはその「オンライン」LEDをゆっくりと点滅させる。ペンが、ページに対するストロークの復号に失敗すると、ペンは、その「誤り」LEDを少しの間活動化させる。ペンが、ページに対するストロークの復号に成功すると、ペンは、その「ok」LEDを少しの間活動化させる。
捕捉された一連のストロークはデジタルインクと呼ばれる。デジタルインクは、線画及び手書き文字のデジタル交換、手書き文字のオンライン認識、及び署名のオンライン照合に対する基礎を形成する。
ペンは無線式であり、デジタルインクを短距離無線リンクを介してネットページプリンタに送信する。送信されたデジタルインクは、プライバシー及びセキュリティのために暗号化され、効率的な送信のためにパケット化されるが、プリンタにおける適時の処理を保証するため、ペンアップ事象が起こると常にフラッシュ(flush)される。
プリンタの範囲外にあるとき、ペンは、デジタルインクを内部メモリにバッファし、内部メモリは、10分を超える連続する手書き文字をバッファする容量を有する。再びプリンタの範囲内に入ると、ペンは、バッファされたすべてのデジタルインクを送信する。
1本のペンを任意の数のプリンタに登録することができるが、すべての状態データは、紙上とネットワーク上の両方のネットページに存在するため、特定の時刻にペンがどのプリンタと通信しているのかはあまり重要ではない。
下記では、ペンの好ましい一実施形態を、図6から8を参照してより詳細に説明する。
1.6 ネットページ対話
ネットページ1と対話するためにペンが使用されているときに、ネットページプリンタ601は、ストロークに関するデータをペン101から受け取る。ストロークなどの動きを実行するためにペンが使用されているときに、タグ4の符号化されたデータ3がペンによって読み取られる。このデータは、特定のページ及び関連双方向性エレメントの識別を決定すること、並びにそのページに対するペンの相対的な位置の指示を得ることを可能にする。この指示データはプリンタに送信され、そこで、プリンタは、DNSを介して、このストロークのページID50を、対応するページインスタンス830を維持するネットページページサーバ10のネットワークアドレスにリゾルブする。プリンタは次いでそのストロークをページサーバに送信する。そのページが、以前のストロークにおいて最近識別されものである場合、プリンタは、関連ページサーバのアドレスをそのキャッシュの中に既に保有している可能性がある。ネットページはそれぞれ、ネットページページサーバによって持続的に維持されたコンパクトなページレイアウトからなる(下記参照)。ページレイアウトは、一般にネットページネットワーク上のどこかに記憶された画像、フォント及びテキスト片などのオブジェクトを指す。
ペンからストロークを受け取ると、ページサーバは、そのストロークが適用されたページ記述を取り出し、そのストロークが、ページ記述のどのエレメントと交差するのかを決定する。ページサーバは次いで、その関連エレメントのタイプの文脈でそのストロークを解釈することができる。
「クリック」は、ペンダウン位置とその後のペンアップ位置との間の距離及び時間がともにある最大値よりも小さいストロークである。クリックによって活動化されるオブジェクトは一般に、クリックが活動化されることを必要とし、したがってより長いストロークは無視される。登録のための「雑な(sloppy)」クリックなどのペンアクションの失敗は、ペンの「ok」LEDからの応答がないことよって指示される。
ネットページのページ記述には2種類の入力エレメント、即ちハイパーリンク及び書式フィールドがある。書式フィールドからの入力も、関連ハイパーリンクの活動化をトリガすることができる。
2 ネットページペンの説明
2.1 ペンの機構
図6及び7を参照すると、全体が参照符号101によって示されたペンは、ペンの諸構成要素を取り付けるための内部空間104を画定する壁103を有するプラスチック成形品の形態のハウジング102を含む。操作時、ハウジング102の一端106にはペントップ105が回転可能に取り付けられる。ハウジング102の反対端108には半透明のカバー107が固定される。カバー107も成形プラスチックからなり、ハウジング102内に取り付けられたLEDのステータスをユーザが見ることができるようにするため半透明の材料から形成される。カバー107は、ハウジング102の端108を実質的に取り囲む主部109と、主部109から後方へ突き出し、ハウジング102の壁103に形成された対応するスロット111にぴったりとはまる突出し部110とを含む。突出し部110の背後のハウジング102内に無線アンテナ112が取り付けられる。カバー107の開口113Aの周囲に、金属製の端片114を受け取るようにねじ山113が配置され、金属製の端片114は対応するねじ山115を含む。インクカートリッジの交換を可能にするため金属製の端片114は取外し可能である。
さらに、カバー107内では、フレキシブルPCB117上に3色ステータスLED116が取り付けられる。アンテナ112もフレキシブルPCB117に取り付けられる。どの方向からもよく視認できるように、ステータスLED116はペン101の上面に取り付けられる。
ペンは、通常のマーキングインクペンとしても、マーキング用ではないスタイラスとしても機能することができる。ハウジング102内には、ペン先119を有するインクペンカートリッジ118と、スタイラスペン先121を有するスタイラス120とが並んで取り付けられる。ペントップ105を回転させることによって、インクカートリッジペン先119又はスタイラスペン先121を、金属製の端片114の開端122を通して前進させることができる。インクカートリッジ118及びスタイラス120にはそれぞれ、それぞれのスライダブロック123及び124が取り付けられる。操作時、ペントップ105には回転可能なカムバレル(cam barrel)125が固定され、ペントップ105とともに回転するように配置される。カムバレル125は、カムバレルの壁181にスロットの形態のカム126を含む。スライダブロック123及び124から突き出したカム従動子127及び128がカムスロット126にぴったりとはまる。カムバレル125が回転すると、スライダブロック123又は124が互いに対して移動して、ペンのペン先119又はスタイラスペン先121を金属製の端片114の穴122を通して外側へ突出させる。ペン101は3つの動作状態を有する。トップ105を90°ずつ回転させることによるこれらの3つ状態は以下のとおりである:
・ スタイラス120のペン先121が外、
・ インクカートリッジ118のペン先119が外、及び
・ インクカートリッジ118のペン先119も、スタイラス120のペン先121も外。
ハウジング102内に置かれた電子部品シャシ(chassis)130上に第2のフレキシブルPCB129が取り付けられる。第2のフレキシブルPCB129は、表面に投射する赤外線放射を提供する赤外線LED131を備える。表面から反射された放射を受け取るため、第2のフレキシブルPCB129上にイメージセンサ132が取り付けられる。第2のフレキシブルPCB129はさらに、RF送信器及びRF受信器を含む無線周波チップ133と、ペン101の動作を制御するコントローラチップ134とを備える。カバー107内に、(成形透明プラスチックから形成された)光学系ブロック135が置かれ、表面への赤外線ビームを投射し、イメージセンサ132上への画像を受け取る。電力供給線136が、第2のフレキシブルPCB129上の諸構成要素を、カムバレル125内に取り付けられた電池接点137に接続する。端子138が、電池接点137及びカムバレル125に接続する。カムバレル125内には、3ボルトの充電式電池139が電池接点と接触して置かれる。誘導による電池の139の再充電を可能にするため、第2のフレキシブルPCB129の周囲に誘導充電コイル140が取り付けられる。ペン先119又はスタイラスペン先121によって表面に加えられた力を決定することを可能にするため、第2のフレキシブルPCB129はさらに、書くためにスタイラス120又はインクカートリッジ118が使用されたときのカムバレル125内における変位を検出する赤外線LED143及び赤外線フォトダイオード144を備える。IRフォトダイオード144は、スライダブロック123及び124上に取り付けられた反射器(図示せず)を介してIR LED143からの光を検出する。
ペン101を握りやすくするために、ハウジング102の端108の近くにゴム製のグリップパッド141及び142が提供され、トップ105はさらに、ペン101をポケットにクリップ留めするためのクリップ142を含む。
3.2 ペンコントローラ
ペン101は、ペン先の近くの表面のエリアを赤外線スペクトルで画像化することによって、ペン101のペン先(スタイラスペン先121又はインクカートリッジのペン先119)の位置を決定するように配置される。ペン101は、最も近い位置タグからの位置データを記録する。ペン101は、光学系135及びコントローラチップ134を利用して、位置タブからのペン先121又は119の距離を計算するように配置される。コントローラチップ134は、画像化されたタグ上で観察された透視歪みから、ペンの方向及びペン先−タグ距離を計算する。
ペン101は、RFチップ133及びアンテナ112を利用して、これらのデジタルインクデータ(このデータは、セキュリティのために暗号化され、効率的な伝送のためにパッケージ化される)をコンピューティングシステムに送信することができる。
ペンが受信器の範囲内にあるとき、デジタルインクデータが形成されると、そのデータは送信される。ペン101が範囲外に移動すると、デジタルインクデータはペン101内でバッファリングされ(ペン101の回路は、表面上でのペンの運動の約12分の間デジタルインクデータを記憶するように配置されたバッファを含む)、後に送信することができる。
コントローラチップ134は、ペン101の内部の第2のフレキシブルPCB129上に取り付けられる。図8は、コントローラチップ134のアーキテクチャをより詳細に示すブロック図である。図8はさらに、RFチップ133、イメージセンサ132、3色ステータスLED116、IR照射LED131、IR力センサLED143及び力センサフォトダイオード144の図表現を示す。
ペンコントローラチップ134は制御プロセッサ145を含む。バス146は、コントローラチップ134の諸構成要素間のデータ交換を可能にする。フラッシュメモリ147及び512KB DRAM148も含まれる。アナログ−デジタル変換器149は、力センサフォトダイオード144からのアナログ信号をデジタル信号に変換するように配置される。
イメージセンサインターフェース152はイメージセンサ132とインターフェースする。RFチップ133とインターフェースするため、トランシーバコントローラ153及びベースバンド回路154も含まれ、RFチップ133は、RF回路155と、アンテナ112に接続されたRF共振器&インダクタ156とを含む。
制御プロセッサ145は、イメージセンサ132を介して表面から得られたタグの位置データを捕捉、復号し、力センサフォトダイオード144を監視し、LED116、131及び143を制御し、無線トランシーバ153を介した短距離無線通信を処理する。制御プロセッサ145は、中程度の性能(約40MHz)の汎用RISCプロセッサである。
プロセッサ145、デジタルトランシーバの構成要素(トランシーバコントローラ153及びベースバンド回路154)、イメージセンサインターフェース152、フラッシュメモリ147及び512KB DRAM148は、単一のコントローラASICに組み込まれる。アナログRF構成要素(RF回路155及びRF共振器&インダクタ156)は別個のRFチップ上に提供される。
イメージセンサはCCD又はCMOSイメージセンサである。タグ付けスキームに応じて、イメージセンサは、約100×100画素から200×200画素までの範囲のサイズを有する。National Semiconductor社のLM9630を含む多くの小型CMOSイメージセンサが市販されている。
ペン101が表面と接触していないとき、コントローラASIC134は、ある不活動期間の後に休止状態に入る。コントローラASIC134は、力センサフォトダイオード144を監視し、ペンダウン事象が起こったときにパワーマネージャ151を介してコントローラ134を目覚めさせる専用回路150を含む。
無線トランシーバは、コードレス電話によって通常使用されている免許の要らない900MHzバンド、或いは免許の要らない2.4GHzの産業科学医療用(ISM:industrial,scientific and medical)バンドで通信し、周波数ホッピング及び衝突検出を使用して、干渉のない通信を提供する。
代替実施形態では、ペンが、基地局即ちネットページプリンタと短距離通信するためのインフラレッドデータアソシエーション(Infrared Data Association:IrDA)インターフェースを含む。
他の実施形態では、ペン101が、ペン101軸の垂直面に取り付けられた一対の直交加速度計を含む。図7及び8では、加速度計190がゴースト輪郭線で示されている。
加速度計を配置することによって、ペン101のこの実施形態は、表面の位置タグを参照することなく運動を感知することができ、このことは、位置タグをより低速でサンプリングすることを可能にする。それぞれの位置タグIDは次いで、表面上の位置ではなく関心のオブジェクトを識別することができる。例えば、オブジェクトがユーザインターフェース入力エレメント(例えばコマンドボタン)である場合、入力エレメントのエリア内のそれぞれの位置タグのタグIDはその入力エレメントを直接に識別することができる。
加速度計によって測定されたx方向及びy方向のそれぞれの加速度は時間について積分されて、瞬間速度及び位置を生成する。
ストロークの開始位置は不明のため、ストローク内の相対位置だけが計算される。位置積分は、感知された加速度の誤差を蓄積するが、加速度計は一般に高い分解能を有し、誤差が蓄積するストロークの持続時間は短い。
3 ネットページプリンタの説明
3.1 プリンタの機構
完全に組み立てられた垂直取付け型のネットページウォールプリンタ601が図9に示されている。ネットページウォールプリンタ601は、図10及び10aに示された2重8 1/2インチMemjet(商標)印刷エンジン602及び603を使用して、ネットページをレター/A4サイズの媒体に印刷する。ネットページウォールプリンタ601はまっすぐな紙経路を使用し、紙604は、シートの両面にフルカラー、フルブリード(full bleed)で同時印刷する2重印刷エンジン602及び603を通過する。
一体型の紙綴じアセンブリ605が、印刷されたそれぞれのシートの一縁に沿って糊(glue)のストリップを塗布し、それによって、そのシートを前のシートに押し付けたときにそのシートを前のシートに接着することができる。これによって綴じられた最終的な文書618が作成され、綴じられた最終的な文書618は1枚から数百枚の範囲の厚さを有することができる。
2重印刷エンジンに結合された図12に示された交換可能インクカートリッジ627は、定着剤、接着剤並びにシアン、マゼンタ、イエロー、ブラック及び赤外線インクを貯蔵するためのブラダ又はチャンバを有する。カートリッジはさらに、ベース成形物内にマイクロエアフィルタを含む。マイクロエアフィルタは、ホース639を介してプリンタの内側の空気ポンプ638とインターフェースする。このマイクロエアフィルタは、ろ過された空気を印刷ヘッドに供給して、さもなければ印刷ヘッドのノズルを詰まらせる可能性があるMemjet(商標)印刷ヘッド350内へのマイクロ粒子の進入を防ぐ。カートリッジ内にエアフィルタを組み込むことによって、フィルタの動作寿命がカートリッジの寿命に効果的に結び付けられる。インクカートリッジは、3000ページ(1500シート)の印刷及び糊付け能力を有する完全にリサイクル可能な製品である。
図10を参照すると、モータ駆動の媒体ピックアップローラアセンブリ626が、媒体トレーの一番上のシートを、第1の印刷エンジン602上の紙センサを経て、2重Memjet(商標)印刷ヘッドアセンブリ内へ直接に押し出す。2つのMemjet(商標)印刷エンジン602及び603は、まっすぐな紙経路に沿って、対向直列逐次(opposing in−line sequential)構成に取り付けられている。紙604は、一体型の電動式ピックアップローラ626によって第1の印刷エンジン602内へ引っ張り込まれる。紙604の位置及びサイズが感知され、フルブリード印刷が始まる。同時に、乾燥を助けてできるだけ短時間で乾燥するように、定着剤が印刷される。
紙は、ゴム引きローラに対して作用する(まっすぐな紙経路に沿って整列した)一組の電動式出口スパイクホイールを通って第1のMemjet(商標)印刷エンジン602を出る。これらのスパイクホイールは「湿った」印刷表面と接触し、引き続き第2のMemjet(商標)印刷エンジン603内へシート604を供給する。
図10及び10aを参照すると、紙604は、2重印刷エンジン602及び603から紙綴じアセンブリ605内へ移動する。印刷されたページは、繊維質の支持ローラを有する電動式スパイクホイール軸(axle)670と、スパイクホイール及び瞬間作用糊ホイールを有する別の可動軸との間を通過する。可動軸/糊アセンブリ673は金属製の支持ブラケットに取り付けられ、可動軸/糊アセンブリ673は前方へ送られて、カム軸の作用により歯車を介して電動軸670とインターフェースする。このカム軸は別個のモータが駆動する。
糊ホイールアセンブリ673は、インクカートリッジ627から延びる糊供給ホース641との回転軸継手を有する部分的に中空の軸679からなる。この軸679は、毛管作用によって半径方向の穴を通して接着剤を吸い込む糊ホイールに接続する。前面に開口を有する成形ハウジング682が糊ホイールを取り囲む。金属ブラケットには、軸回転するサイドモールディング及びばね仕掛けの外扉が取り付けられ、これらは、アセンブリ673の残りの部分が前方へ押し出されたときに蝶番式に横に開く。この動きによって、成形ハウジング682の前面から糊ホイールが露出する。不活動期間の間は引張ばねがこのアセンブリを閉じ、糊ホイールに効果的にふたをする。
糊ホイールアセンブリ673内へシート604が入ると、シート604が紙綴じアセンブリ605内へ下方へ送られるときに、(文書の最初のシートを除く)表側の一方の垂直縁に接着剤が塗布される。
4 製品タグ付け
自動識別は、バーコード、磁気ストライプカード、スマートカード、RFトランスポンダなどの技術の使用をして、データ処理システムに対するオブジェクトを手による打鍵なしで(半)自動的に識別することを指す。
自動識別の目的のため、製品アイテムは普通、印刷されたバーコードの形態に機械可読に符号化された12桁のユニバーサルプロダクトコード(Universal Product Code:UPC)によって識別される。最も一般的なUPCナンバリングシステムは、5桁のメーカ番号及び5桁のアイテム番号を含む。その限られた精度のため、UPCは、製品の種別を識別するために使用され、個々の製品アイテムを識別するためには使用されない。ユニフォームコードカウンシル(Uniform Code Council)及びEANインターナショナル(EAN International)は、UPC及び関連コードを、14桁のグローバルトレードアイテムナンバー(Global Trade Item Number:GTIN)のサブセットと定義し、管理している。
サプライチェーンマネジメントにおいては、個々の製品アイテムを一意的に識別し、それによって個々の製品アイテムを追跡できるようにするために、UPCスキームを拡張し、又は別のものに置き換えることにかなりの関心が集まっている。個々のアイテムのタグ付けは、商品の紛失、盗難又は損傷による「縮小」を低減させ、需要主導型の製造及び供給の効率を向上させ、製品使用のプロファイリングを容易にし、顧客経験(customer experience)を向上させることができる。
個々のアイテムのタグ付けには主に2つの競争相手がある。いわゆる2次元バーコードの形態の光学タグと、無線周波識別(radio frequency identification:RFID)タグである。RFIDタグの詳細な説明については、Klaus Finkenzeller、RFID Handbook、John Wiley & Son(1999)を参照されたい。この文献の内容は相互参照によって本明細書に組み込まれる。光学タグには安価であるという利点があるが、読み取るためには光学見通し線(optical line−of−sight)が必要である。RFIDタグには全方向読取りをサポートするという利点があるが、比較的に高価である。金属又は液体の存在は、RFIDタグの性能を相当に妨害する可能性があり、全方向読取りの利点を低下させる。受動型(リーダ給電型)RFIDタグは、2003年末までに数百万個の生産で1つ10セント、その後すぐに1つ5セントにすることが計画されているが、それでも、食料雑貨品などの安価なアイテムに対する業界目標である1セント未満には到達しない。大部分の光学タグが読取り専用であることも欠点として挙げられている。これは、アイテムがサプライチェーンを進むときの状態変化をタグに書き込むことができないことによる。しかしながら、この欠点は、読取り専用タグが、ネットワーク上に動的に維持された情報を参照することができることによって緩和される。
マサチューセッツ工科大学(MIT)のAuto−ID Centerは、インターネットベースのオブジェクトネーミングサービス(Object Name Service:ONS)及びプロダクトマークアップランゲージ(Product Markup Language:PML)と結合された96ビットのエレクトロニックプロダクトコード(Electronic Product Code:EPC)規格を開発した。スキャンされ又は他の方法で取得された後、EPCは、PMLでポータブルに符号化されたマッチング製品情報を、おそらくはONSを介して探索するために使用される。EPCは、8ビットのヘッダ、28ビットのEPCマネージャ、24ビットのオブジェクトクラス及び36ビットのシリアル番号からなる。EPCの詳細な説明については、Brock,D.L.、「The Electronic Product Code(EPC)」、MIT Auto−ID Center(2001年1月)を参照されたい。この文献の内容は相互参照によって本明細書に組み込まれる。Auto−ID Centerは、EPCと現行のプラクティスとの間の両立性を示すため、EPC上へのGTINのマッピングを定義した(Brock,D.L.、「Integrating the Electronic Product Code(EPC)and the Global Trade Item Number(GTIN)」、MIT Auto−ID Center(2001年11月)。この文献の内容は相互参照によって本明細書に組み込まれる)。EPCは、EANとUCCの共同事業体であるEPCglobalによって管理される。
EPCは技術的に中立であり、多くの形態で符号化し、添付することができる。Auto−ID Centerは、低価格の受動型RFIDタグを使用してEPCを添付することを強く主張し、RFIDタグの価格を短期間に最小化することを可能にするために64ビット版のEPCを定義した。低価格RFIDタグの特性の詳細な説明については、Sarma,S.、「Towards the 5c Tag」、MIT Auto−ID Center(2001年11月)を参照されたい。この文献の内容は相互参照によって本明細書に組み込まれる。市販の低価格受動型RF1Dタグの説明については、「915MHz RFID Tag」、Alien Technology(2002)を参照されたい。この文献の内容は相互参照によって本明細書に組み込まれる。64ビットEPCの詳細な説明については、Brock,D.L.、「The Compact Electronic Product Code」、MIT Auto−ID Center(2001年11月)を参照されたい。この文献の内容は相互参照によって本明細書に組み込まれる。
EPCは、アイテムレベルの固有タグ付け及び追跡に対して使用するだけでなく、ケースレベル及びパレットレベルのタグ付け、並びにコンテナ、トラックなどの他の出荷及び輸送ロジスティック単位のタグ付けに使用することも意図される。分散型PMLデータベースは、アイテムとより高レベルの容器との間の包装、出荷及び輸送階層における動的関係を記録する。
4.1 サプライチェーンにおけるHyperlabel(商標)タグ付け
製品アイテムを一意的に識別するために不可視(例えば赤外線)タグ付けスキームを使用することには、それによって、製品の包装又はラベルのグラフィックデザインに影響を与えることなく、製品の表面全体又は製品の表面のかなりの部分にタグ付けすることができるという重要な利点がある。製品の表面全体にタグ付けされる場合、製品の向きは、製品の被スキャン能力に影響を及ぼさない。即ち、可視バーコードの見通し線に関する欠点のかなりの部分が排除される。さらに、このタグは小さく、広範囲に模写されるため、ラベルの損傷もスキャニングを妨げない。
Hyperlabelのタグ付けは、製品アイテムの表面の大きな部分を、光学的に読取り可能な不可視タグで覆うことからなる。Hyperlabelタグはそれぞれ、タグがその表面に現れた製品アイテムを一意的に識別する。Hyperlabelは、アイテムの製品コード(例えばEPC)を直接に符号化することができ、又はデータベースを探索することによって製品コードを識別する代用IDを符号化することができる。それぞれのHyperlabelタグはさらに、任意選択で、製品アイテムの表面のタグ自体の位置を識別し、以前に説明したネットページ双方向性の利益を下流消費者に提供する。
Hyperlabelタグは、製品の製造及び/又は包装中にデジタルプリンタを使用して取り付けられる。このデジタルプリンタは、他の手段によってテキスト及びグラフィックが印刷された後にHyperlabelタグを印刷するアドオン赤外線プリンタ、又はHyperlabelタグ、テキスト及びグラフィックを同時に印刷する一体型カラー/赤外線プリンタとすることができる。デジタル印刷されたテキスト及びグラフィックは、ラベル又は包装上のあらゆるものを含むことができ、或いは、可変部分だけからなり、他の部分はこれまでどおり他の手段によって印刷することもできる。
4.2 Hyperlabel(商標)タグ付け
図13に示されているように、製品の固有アイテムID215は、固有オブジェクトID210の特別な種類として見ることができる。エレクトロニックプロダクトコード(EPC)220はアイテムIDの1つの新興規格である。アイテムIDは一般に製品ID214及びシリアル番号213からなる。製品IDは製品のクラスを識別し、シリアル番号は、そのクラスの特定のインスタンス、即ち個々の製品アイテムを識別する。製品IDは一般に、メーカ番号211及び製品クラス番号212からなる。最もよく知られた製品IDは、EAN.UCCユニバーサルプロダクトコード(UPC)221及びその異形である。
図14に示されているように、Hyperlabelタグ202は、ページID(又は領域ID)50及び2次元(2D)位置86を符号化する。領域IDはタグを含む表面領域を識別し、位置は、2次元領域内のタグの位置を識別する。当該表面は現実の製品アイテム201の表面であるため、領域IDと製品アイテムの固有オブジェクトID210、より具体的には領域IDと製品アイテムのアイテムID215との間1対1写像を定義することが有用である。しかしながら、Hyperlabelタグの有用性を危うくすることなく、この写像を多対1とすることができることに留意されたい。例えば、製品アイテムの包装のそれぞれのパネルは、異なる領域ID50を有することができる。反対に、HyperlabelタグはアイテムIDを直接に符号化することができ、この場合、領域IDは、全体のネットページ領域ID割当てからアイテムID割当てを分離するように適当にプレフィクス(prefix)が付けられたアイテムIDを含む。領域IDは、対応する表面領域を、グローバルネットページシステム内で識別される他のすべての表面領域から一意的に区別することに留意されたい。
アイテムID215は、Auto−ID Centerによって提案されたEPC220であることが好ましい。これは、HyperlabelタグとEPCを添付したRFIDタグとの間の直接の両立性を提供するためである。
図14には、任意選択として位置86が示されている。これは、サプライチェーンにおけるHyperlabelタグの有用性の多くの部分は領域ID50に由来することを示すためであり、特定の製品について希望されない場合には、この位置を省略してもよい。
ネットページシステムとの相互運用性のため、Hyperlabelタグ202はネットページタグ4であり、即ち、Hyperlabelタグ202は、ネットページタグの論理構造、現実のレイアウト及びセマンティクスを有する。
ネットページペン101などのネットページ感知装置がHyperlabelタグを画像化し、復号するとき、その視野の中のタグの位置及び方向を使用し、これを、タグの中の符号化された位置と組み合わせて、タグに対する感知装置自体の位置を計算する。Hyperlabelがタグ付けされた表面領域に対して感知装置が移動すると、それによって、感知装置は、その領域に対する装置自体の運動を追跡し、その時間変化する経路を表すタイムスタンプが押された一組の位置サンプルを生成することができる。感知装置がペンであるとき、この経路は一連のストロークからなり、それぞれのストロークは、ペンが表面と接触したときに始まり、ペンが表面から離れたときに終わる。
あるストロークが、領域IDを担当するページサーバIDに転送されると、サーバは、領域IDによってキーされた(keyed)領域の記述を取り出し、その記述に関してストロークを解釈する。例えば、その記述がハイパーリンクを含み、そのストロークがそのハイパーリンクのゾーンと交差する場合、サーバは、そのストロークをそのハイパーリンクの指定と解釈し、そのハイパーリンクを活動化することができる。
4.3 Hyperlabel(商標)タグの印刷
Hyperlabelタグプリンタは、製品の製造及び/又は組立ての前、最中又は後に、Hyperlabelタグを製品のラベル、包装又は実際の表面に印刷するデジタルプリンタである。Hyperlabelタグプリンタはネットページプリンタ601の特別なケースである。Hyperlabelタグプリンタは、Hyperlabelタグの連続パターンを、一般に近赤外線吸収インクを使用して表面に印刷する能力を有する。高速環境では、プリンタが、タグレンダリングを加速するハードウェアを含む。これは一般に、タグ位置などの可変タグデータのリアルタイムリード−ソロモン符号化、及び印刷ヘッドのドット分解能での、実際のタグパターンのテンプレートベースのリアルタイムレンダリングを含む。
このプリンタは、他の手段によってテキスト及びグラフィックが印刷された後にHyperlabelタグを印刷するアドオン赤外線プリンタ、又はHyperlabelタグ、テキスト及びグラフィックを同時に印刷する一体型カラー/赤外線プリンタとすることができる。デジタル印刷されたテキスト及びグラフィックは、ラベル又は包装上のあらゆるものを含むことができ、或いは、可変部分だけからなり、他の部分はこれまでどおり他の手段によって印刷することもできる。したがって、赤外線及びブラック印刷能力を有するHyperlabelタグプリンタを、可変データの印刷に使用されている従来の熱転写又はインクジェットプリンタなどの既存のデジタルプリンタの代わりに使用することができる。
以下の議論の目的上、アイテムラベル上に印刷すると言うときには、通常はアイテムの包装に印刷すること、又はアイテムに表面に直接に印刷することを含むことが意図される。さらに、アイテムID215への言及は、領域ID50(又はパネルごとの領域IDの集合)或いはその構成要素を含むことが意図される。
このプリンタは一般に、固定及び/又は可変のテキスト及びグラフィック、並びにHyperlabelタグに含めるアイテムIDをプリンタに供給するホストコンピュータによって制御される。このホストコンピュータは、プリンタのリアルタイム制御を提供することができ、それにより、ホストコンピュータは、印刷の進行に合わせてデータをプリンタにリアルタイムで供給する。最適化として、ホストコンピュータは、印刷が始まる前にプリンタに固定データを供給し、可変データだけをリアルタイムで提供してもよい。このプリンタはさらに、ホストコンピュータによって供給されるパラメータに基づいてアイテムごとの可変データを生成する能力を有してもよい。例えば、ホストコンピュータは、印刷の前にベースアイテムIDをプリンタに供給することができ、プリンタは、このベースアイテムIDを単純に増分して、連続するアイテムIDを生成することができる。或いは、インクカートリッジ内の記憶装置又はプリンタに挿入された他の記憶媒体を固有アイテムIDの供給元とすることができ、その場合、プリンタは、ホストコンピュータによって記録するために、アイテムIDの割当てをホストコンピュータに報告する。
或いは、このプリンタは、以前の製造ステップ中に固有IDがある形態でラベルに印刷されている場合に、Hyperlabelタグが印刷されているラベルから、既存のアイテムIDを読み取る能力を有することができる。例えば、アイテムIDが、可視2Dバーコードの形態又はRFIDタグ内に符号化されて、既に存在することがある。前者の場合、プリンタは、光学バーコードスキャナを含むことができる。後者の場合、プリンタは、RFIDリーダを含むことができる。
プリンタはさらに、アイテムIDを他の形態にレンダリングする能力を有することができる。例えば、プリンタは、2Dバーコードの形態のアイテムIDを印刷し、或いは1Dバーコードの形態のアイテムIDの製品ID構成要素を印刷し、或いは書込み可能なRFIDタグ又はライトワンス(write−once)RFIDタグにアイテムIDを書き込む能力を有することができる。
4.4 Hyperlabel(商標)タグのスキャニング
アイテム情報は一般に、存在するスキャン事象に応答して、例えばアイテムが配送され、在庫品とするためにスキャンされるとき、アイテムが小売店の商品棚に置かれるとき、及びアイテムが販売時にスキャンされるときに、製品サーバへと流れる。ネットページペンに使用されている技術と同様の技術又は同じ技法を使用したレーザベースの2Dスキャニング及び2Dイメージセンサベースのスキャニングを使用して、Hyperlabelタグが付けられた製品アイテムをスキャンするのには、固定スキャナとハンドヘルドスキャナの両方を使用することができる。
図16に示されているように、固定スキャナ254及びハンドヘルドスキャナ252はともに、製品サーバ251にスキャンデータを送信する。製品サーバは、関連製品サーバとのデータの共有を実現することができる同位(peer)製品サーバ(図示せず)又は製品アプリケーションサーバ250に、製品アイテム事象データを送信することができる。例えば、小売店の在庫の動きは、小売店の製品サーバ上にローカルに記録することができるが、製品アイテムが販売された後にメーカの製品サーバに通知することもできる。
4.5 Hyperlabel(商標)タグに基づくネットページ双方向性
ラベル、包装又は実際の表面にHyperlabelがタグ付けされた製品アイテムは、他のネットページと同じレベルの双方向性を提供する。
ネットページと両立する製品タグ付けに対しては強力な主張がなされている。ネットページは、印刷された任意の表面を、ウェブページと同類の細かく区別されたグラフィカルユーザインターフェースに変え、製品の表面へうまくマップする多くのアプリケーションがある。これらのアプリケーションには、様々な種類の製品情報(栄養情報、調理説明書、レシピ、関連製品、賞味期限、サービス説明書、リコール通知)を得ること、ゲームをすること、競技会に参加すること、所有権を管理する(登録、盗品の場合などの問合せ、譲渡)こと、製品フィードバックを提供すること、メッセージ送信、及び間接装置コントロールなどがある。一方、区別のない2Dバーコード又はRFIDに添付されたアイテムIDの場合など、製品タグ付けが画一的である場合、情報ナビゲーションの負担が情報送付装置に伝えられ、情報送付装置が、ユーザ経験の複雑さ又は送付装置ユーザインターフェースの要求される洗練度をかなり増大させる可能性がある。
次に、以下の実施例を参照して本発明を説明する。しかし、当然のこと、添付の特許請求の範囲に定義された本発明の範囲を逸脱することなく、本発明を、他の多くの形態で具体化することができることが理解される。
4.7 レイアウトデータを符号化したHyperlabel(商標)タグ
前述のとおり、Hyperlabelがタグ付けされた表面には、Hyperlabelタグの連続アレイが印刷されている。Hyperlabelタグは一般に、製品アイテムの固有識別子(例えばEPC)及びデジタル署名(1つ又は複数)、並びに2次元座標格子を符号化する。
ラベル及び包装を生産するのには、グラビア、活版、オフセット、フレキソ及びデジタル印刷を含むある範囲のアナログ印刷プロセスが使用される。一部の包装は複数のプロセスを順番に使用して生み出される。例えば、包装のグラフィックを巻取紙フレキソ印刷機で印刷することができ、完成したそれぞれ包装紙上に、バッチ情報及び期限情報が、レーザマーキング又はインクジェットを使用してデジタル印刷される。
Hyperlabelタグは、カラー印刷機の前又は後に置かれたアドオンデジタルプリンタを使用してデジタル印刷することができる。Hyperlabelデジタルアドオンプリンタは、前述のMemjet印刷ヘッド、又はHP Indigo、Xaar、Xeikon、Agfa.dotrix、VideoJet、Mark Andyなどのある範囲の任意の市販レーザ及びインクジェット印刷ヘッドを利用することができる。Hyperlabelデジタルプリンタは、プリンタが追加されるラインに応じて巻取紙又は枚葉紙プリンタとすることができる。
印刷されたグラフィックとHyperlabelタグとの間の位置合せを保証するために、アドオンデジタルプリンタはカラー印刷機と同期していなければならない。これは、従来の手段によって、例えば刷りの印刷と同期した電子信号をカラー印刷機内で生成し、その信号をHyperlabelプリンタに供給することによって、達成することができる。或いは、Hyperlabelプリンタは、ダイカッタをカラー印刷機と同期させるために時に使用されるカラー印刷機によって印刷される基準を、光学的に検出することができる。
Hyperlabelプリンタは、カラー印刷機とおおまかに同期させることができるだけであり、微細な同期は、予めタグ付けされたネットページの余白に関して他のセクションで説明したように、達成される実際の位置合せ精度を測定し、対応するオフセットをネットページサーバデータベースに記録することによって達成することができる。この測定は、包装がまだ巻取紙若しくは枚葉紙の形態にある間に、又は折りたたまれた後に、或いは製品アイテムに使用された後に実施することができる。前者の場合には、例えば前述の基準を介した製品グラフィックの位置合せ精度の検出が依然として必要であり、後者の場合には、ラインに沿って通過する個々の包装によって製品グラフィックの位置合せ精度が決定される。これは、ラインの設計において本来的に備わっていることがあり、又はアイテムの通過を検出する光検出器を含むことができる。Hyperlabelタグパターンの検出は、いずれの場合もHyperlabelリーダを使用する。
巻取紙又は枚葉紙に、連続する大きな2次元座標空間を符号化し、明示のアイテム識別子を符号化しないHyperlabelタグを予め印刷する(又は上流のデジタルHyperlabelプリンタによってインラインで印刷する)ことができる。カラー印刷機を通過した後、それぞれのアイテムの包装は異なる範囲の座標を有する。これらの座標を前述のとおりに検出し、そのアイテム及びそのアイテム識別子に関連付けられたネットページサーバデータベース(及び/又は製品データベース)に記録することができる。続いて、特定のアイテム上のHyperlabelタグが読み取られるときに、ネットページサーバ(又は製品サーバ)に問い合わせることによって、その座標をアイテム識別子に変換することができる。
Memjetデジタル印刷ヘッドに関して以前に説明したように、製品グラフィックとHyperlabelタグの両方を印刷するように、デジタル印刷ヘッドを適合させることができる。追加の赤外線インクチャネルを提供することによって、他のデジタル印刷ヘッドも同様に適合させることができる。
Hyperlabelタグをデジタル印刷する代わりに、グラビア、活版、オフセット、フレキソ印刷などのアナログプロセスを、例えば製品グラフィックを印刷するのに使用されるカラー印刷機と同じカラー印刷機で使用してHyperlabelタグを印刷することもできる。カラー印刷機は、追加の赤外線インクチャネルを提供することによって、即ちHyperlabelタグの画像を有する追加の版(plate)を提供することによって、Hyperlabelタグを印刷するように適合される。Hyperlabel版は、コンピュータツーフィルム(CtF)、ダイレクトコンピュータツープレート(CtP)などの従来の手段によって製作することができる。以下に記載される任意のHyperlabelタグ202を、本発明に基づくインクを用いて印刷することができることが理解される。
Hyperlabelタグは理想的には、赤外線インクなどの不可視インクを使用して印刷されるが、Hyperlabelタグは、着色、ブラック又はグレーインクなどの可視インクを使用して印刷することもできることに留意されたい。また、Hyperlabelタグは理想的には製品包装の全体に印刷されるが、Hyperlabelタグを特定のエリアに選択的に印刷することもできる。また、Hyperlabelタグは理想的には位置を指示するが、本明細書の他のセクションで説明されているように、Hyperlabelタグはオブジェクトを指示することもできる。
アナログ印刷機を使用してHyperlabelタグが印刷される場合、それぞれの製品アイテムの包装に固有のシリアル番号を印刷することは非現実的である。しかしながら、Hyperlabelタグは依然として、アイテム識別子の製品識別子部分及び通常の2次元座標格子を符号化することができる。さらに、このタグは、包装の特定のグラフィック(及び双方向)レイアウトを識別する固有のレイアウト番号を符号化しなければならない。Hyperlabelタグはさらに、それらのタグが、シリアル番号ではなくレイアウト番号を符号化していると、任意のHyperlabelリーダが判定することを可能にするフラグを符号化する。レイアウト番号は、同じ製品識別子に関連付けられた異なるレイアウトに対してだけ一意的に識別可能であればよい。レイアウト番号は、図20に示されているように、製品識別子と対をなしたときに固有のレイアウト識別子を形成する。レイアウト番号は、特定の販売促進用、特定の地域用などの新たなグラフィック包装デザインに対する新たな版が製作されたときに正確に変化する。CtPは、頻繁なレイアウト変更を特に便利にする。
アナログ印刷されたHyperlabelタグはしたがって、図21に示されているように、アイテム識別子ではなくレイアウト識別子を符号化することができる。その後のHyperlabelリーダを介した製品アイテムとの対話の間に、その対話が通常の方法で解釈されることを可能にする対応するレイアウトを取り出すために、レイアウト識別子が使用される。便宜上、本発明の出願人らは、このようなHyperlabelタグを(アイテム指示Hyperlabelタグと区別するため)「レイアウト指示」Hyperlabelタグと呼び、Hyperlabelリーダからネットページサーバに送られるデータを「レイアウトデータ」と呼ぶ。
それによってHyperlabelリーダがその製品を識別することが可能になるため、レイアウト識別子内に製品識別子を符号化すると都合がよい。しかしながら、レイアウトは識別するが、製品は直接には識別しない純粋なレイアウト識別子を、Hyperlabelタグ内に符号化することも可能である。同等に、Hyperlabelタグ内に純粋な座標格子を符号化し、その座標の範囲を使用して、対応するレイアウトを識別することも可能である。したがって、同じグラフィック包装レイアウトを共有するすべての製品アイテムは同じ座標格子範囲を共有し、レイアウトが変更されると座標格子範囲も変更されることになる。純粋な座標格子とアイテム識別子又はレイアウト識別子と結合された座標格子との間の同等性は、相互参照に記載された特許出願で論じられている。
レイアウトを指示するHyperlabelタグは、Hyperlabelタグ202が符号化するレイアウト識別子及び座標格子、並びにHyperlabelタグ202が符号化する製品識別子を介した製品の識別(製品アイテム識別ではない)を介して、通常の方法で双方向性を与えることができる。
個々の製品アイテムの識別も依然として重要である。個々の製品アイテムの識別は、サプライチェーンにおいて、他のセクションで詳細に論じられる様々な利益をもたらし、様々な双方向シナリオにおいてある役割を演ずる。例えば、競技会への参加、商品券の引換えなど、一部の製品プロモーションは理想的には一度しか使用されない。
さらに、そのアイテムに対して固有のデジタル署名に結合されたアイテムレベルの識別は、製品アイテムの認証を可能にする。以下の議論では、アイテム指示Hyperlabelタグが一般に、アイテムのデジタル署名(1つ又は複数)を通常の方法で担持する。
4.8 位置指示タグと代替アイテム識別子との結合
アイテムレベル識別は、位置指示又はレイアウト指示Hyperlabelタグとともに様々な方法で提供することができる。例えば、位置指示又はレイアウト指示タグを、包装全体に印刷することができ、アイテム指示タグを、小さなエリアにだけ印刷することができる。巻取紙又は枚葉紙の全幅にわたってタグを印刷する必要がもはやなく、それぞれの包装の小さなエリアにだけ印刷すればよいため、こうすることには、対応するデジタルHyperlabelプリンタを比較的に小さくすることができるという利点がある。バッチ及び期限情報を印刷するデジタルプリンタ、並びに2次元バーコードなどのアイテムレベル証印(indicia)を印刷するデジタルプリンタは既に従来の包装ワークフローの一部である。このような包装ワークフローの同様の位置に、小面積デジタルHyperlabelプリンタを組み込むことができる。
アイテムレベル識別は、従来の無線周波識別(RFID)タグ210或いは線状又は2次元バーコード211(図22及び23)を使用して提供することができる。たとえこのような担体が包装上に存在する場合でも、アイテム指示Hyperlabelタグ202は標準Hyperlabelリーダによって読み取ることができるため、その上さらに、アイテム指示Hyperlabelタグ202を小さなエリアに提供したほうが都合がよいことがある。競技会への参加、商品券の引換え、アイテムの認証などアイテムレベル識別を必要とするHyperlabelハイパーリンクは、アイテム指示Hyperlabelエリアにおいて実現することができる。或いは、レイアウト指示タグだけが存在する製品上のどこかほかの場所にある一度しか使用されないハイパーリンクを呼び出した後に、アイテムを識別するため、アイテム指示Hyperlabelエリアをクリックするようにユーザに促すことができる。
アイテムレベル識別担体がRFIDタグ210である場合、Hyperlabelリーダ101が位置指示又はレイアウト指示Hyperlabelタグ202を読み取るのと同時に、RFIDタグ210からアイテム識別子を得ることを可能にするために、Hyperlabelリーダ101はRFIDタグリーダを含むことができる。Hyperlabelタグ(1つ又は複数)4及びRFIDタグ210に含まれるデータを読み取った後、Hyperlabelリーダは、アイテムID及びリーダの位置を識別する「指示データ」をネットページサーバに送る。Hyperlabelタグ202が位置指示タグである場合、ネットページサーバは、指示データに含まれるアイテムIDからレイアウトを識別することができる。したがって、アイテムレベル識別を必要とするHyperlabelハイパーリンクは、位置指示又はレイアウト指示Hyperlabelタグ202とRFIDタグ210との組合せによって実現することができる。したがって、Hyperlabelリーダ101は、Hyperlabelタグ202を感知する光学センサと、RFIDタグを感知するRFIDトランシーバと、指示データを生成するプロセッサと、ネットページサーバと(例えば無線又は有線通信によって)通信する手段とを備えることができる。
同等に、RFIDリーダによって、RFIDタグを有するオブジェクト又は表面との大まかな双方向性を提供することが既に可能な装置を、Hyperlabelリーダによって、RFID及びHyperlabelタグを有するオブジェクト又は表面とのはるかにきめの細かい双方向性をサポートすることができるように拡張することができる。
アイテムレベル識別担体が可視バーコード211である場合、不可視アイテム指示Hyperlabelタグ202を、バーコードと同じエリアに提供することができる。これによって、たとえHyperlabelリーダ101が可視(任意に大きな)バーコードを読み取ることができない可能性があっても、Hyperlabelリーダ101のユーザは、バーコードをクリックして、アイテム識別子を得ることができる。或いは又は加えて、別個のHyperlabelインクチャネルの必要性を排除するため、バーコードの隣に、バーコードと同じ可視インクを使用してアイテム指示タグを印刷することもできる。従来のバーコードを読み取ることができるように、Hyperlabelリーダ101を拡張することもできる。
RFIDタグ又はバーコードは、アイテム指示Hyperlabelタグと同じアイテム識別子及びデジタル署名(1つ又は複数)を符号化することができる。
RFIDタグ210、バーコード211又はHyperlabelタグ202内にアイテム識別子を明示的に符号化するのではなく、ランダムパターンを印刷し、アイテム識別子とデジタル署名の両方の働きをするように特徴付けることができる。ランダムパターン又はランダムパターンの少なくとも一部分はオブジェクトの「指紋」の役目を果たす。
米国の特許出願第20050045055号(「Security Printing Method」、2003年8月28日出願)において、Gelbartは、後の認証のために、印刷中に粉末タガント(powder taggant)を加えることを論じている。この出願の内容は参照によって本明細書に組み込まれる。他のセクションで議論されているように、このようなタガントの存在と、タガントによって形成される正確なランダムパターンの両方を、認証及びおそらくは識別の基礎として使用することができる。
タガントによって形成されたランダムパターンが認証の基礎として使用されるときには、製品の製造又は包装中にそのパターンが測定され、記録され、その後の認証中に、以前の記録に関して測定され、照合される。ランダムパターンは、製品の表面全体又は表面のサブセットを覆うことができる。パターンから導き出される記録された参照データ(参照指紋)は、パターン全体又はパターンのサブセットを覆うことができる。認証中にパターンから導き出される照合データ(又は指紋データ)は一般に、パターンの小さなエリア(例えば1つの指紋)だけに関係する。したがって、照合データを参照データの正しいサブセットと比較することができるように、パターンのどのエリアが照合されているのかを知る必要がある。いくつかのシステムでは、このことが、テキスト、ラインアートなどの他の表面フィーチャ特徴を検出し、そのようなフィーチャを基準として使用することに依存する。このようなフィーチャは一般に固有ではないため、この方法は、人間のオペレータによる誘導を必要とする可能性がある。
Hyperlabelタグ202は2次元座標格子を符号化するため、Hyperlabelタグ202は、参照データと照合データの両方をそれに対して登録することができる一組の固有の基準を提供する。これは、認証の信頼性を増大させ、人間による誘導の必要性を排除する。タガントは、Hyperlabelを印刷するために使用される赤外線インクと混合することができ、又はグラフィックユーザ情報を印刷するために使用される着色インクと混合することができる。図24では、語「TEA」を印刷するために使用されたインクが、ランダムに分散させたタガントを含む。或いは、赤外線インクとタガントを混合することによってタガントが付着される場合、Hyperlabelタグパターン4が高密度であること、及びHyperlabelタグパターン4が(一般に)表面を完全に覆うことが、タガントも、タグを有する表面全体に密に存在することを保証する。
タガントによって形成されるランダムパターンを、タグを有する表面全体を横切って測定することができるが、少なくとも、画定された領域内でランダムパターンを測定することができる。この領域が、アイテムレベル識別及び/又は認証を獲得できる場所であることをユーザに指示するために、この領域の輪郭をグラフィックで描くことができる。
ランダムパターンが包装ラインを通過するときに、包装がまだ巻取紙又は枚葉紙上にある間に、或いは個々の包装が折りたたまれ又は詰められた後で、製品包装ごとにランダムパターンを特徴付けることができる。この段階で、ランダムパターンの空間的性質が分析され、一組の空間フィーチャとして又はこのような空間フィーチャのハッシュとして記録される。例えば、ランダムパターン内の検出されたそれぞれのフィーチャに、Hyperlabel座標系内の量子化された2次元座標を割り当てることができ、量子化された一組の座標をハッシュして、単一のコンパクトな番号を生成することができる。次いで、照合は、等価なハッシュを生成し、それを参照ハッシュと比較することからなる。
Hyperlabelリーダ101は、タガントによって形成されたランダムパターンを読み取るリーダを含むことができる。タガントが光学的に読み取られる場合、Hyperlabelリーダのイメージセンサを使用して、タガントパターンを読み取ることができる。タガントが、Hyperlabelタグパターンとは異なる波長を使用する場合、Hyperlabelリーダ101は、Hyperlabelタグパターンの波長に整合させたLEDと、タガントの波長に整合させたLEDとを交互に活動化させることができる。Hyperlabelタグパターンよりも大きな倍率でタガントを画像化する必要がある場合、Hyperlabelリーダは、このより大きな倍率で常に画像化し、Hyperlabelタグ画像を処理するときにはサブサンプリングすることができ、又は任意選択で単一の外部開口を可能にするためにビームスプリッタを使用して、2重光学経路を組み込むことができる。
明示のアイテムレベル識別子が(例えばRFIDタグ210、バーコード211又はHyperlabelタグ202から)獲得できない場合には、参照データ(例えばハッシュ)がアイテム識別子の役目も果たすことができる。製品アイテムには、製造時に標準アイテム識別子が割り当てられ、標準アイテム識別子は、参照データによってキーされた製品データベースに記憶され、続いて、識別又は照合のために、データベースを調べるキーとして照合データ(例えばハッシュ)を使用して、標準アイテム識別子を回復することができる。
製品識別子を符号化したレイアウト指示Hyperlabelタグが存在するとき、ランダムパターンは、シリアル番号にマップするだけでよく、アイテム識別子全体にマップする必要はない。
順番に並べられた製品アイテムは、一般に製品識別子とシリアル番号とからなる固有のアイテム識別子を担持する。製品アイテムはアイテムIDをいくつかの方法で担持することができる。例えば、アイテムIDは、線状又は2次元バーコード211、RFIDタグ210或いはHyperlabelタグパターン4内に含めることができる。製品アイテムはさらに、そのアイテムが本物であることをある程度確実にリーダが照合することを可能にする、アイテムIDに関連付けられたデジタル署名を担持することができる。
以上に説明したHyperlabelタグ202はいずれも、本発明に基づくインクを用いて印刷することができることが理解される。
本出願の出願人らの以前の出願IRB011US、IRB017US及びIRB018US(これらの出願の内容は参照によって本明細書に組み込まれる)で、本出願の出願人らは、ガリウムナフタロシアニンテトラスルホン酸の様々な塩の調製について記載した。本発明のホスホニウム塩は、対応するスルホン酸から従来の方法によって容易に調製することができることを、当業者は容易に理解するであろう。
調製例1−ヒドロキシガリウムナフタロシアニンテトラスルホン酸4の調製
(i)緩慢な窒素ストリーム下で、塩化ガリウム(III)(5.70g、0.032モル)を無水トルエン(68ml)に溶解し、次いで、その結果得られた溶液を氷/水中で冷却した。ナトリウムメトキシド(25%メタノール溶液、23.4ml)を攪拌しながらゆっくりと加え、濃厚な白色沈殿を形成させた。この添加の完了後、この混合物を室温で1時間攪拌し、次いで、ナフタレン−2,3−ジカルボニトリル(22.8g、0.128モル)を数回に分けて加え、続いてトリエチレングリコールモノメチルエーテル(65ml)を加えた。この濃スラリを2時間蒸留して、メタノール及びトルエンを除去した。トルエンが除去されると、反応混合物は均質となり、粘度が低下し、容易に攪拌された。190℃(内部)で3時間熱した。この褐色/黒色の反応混合物を60℃まで冷却し、クロロホルム(150ml)で希釈し、焼結ガラス漏斗で重力によってろ過した。固体残留物を別のクロロホルム(50ml)で洗浄し、次いでさらに別のクロロホルム(50ml)を加え、減圧下で吸引ろ過した。次いで、その結果得られた濃緑色の固体を、アセトン(2×50ml)、DMF(2×50ml)、水(2×50ml)、アセトン(2×50ml)及びジエチルエーテル(2×50ml)を順番に用いて減圧下で洗浄した。湿った固体を風乾して乾燥粉末とし、次いで、高真空下で約100℃、1時間加熱して、乾燥過程を完了させた。ナフタロシアニナトガリウムメトキシトリエチレンオキシド3が、微細な濃緑色粉末(23.14g、80%)として得られた。λmax(NMP)770nm。
(II)ナフタロシアニナトガリウムメトキシトリエチレンオキシド3(9.38g、0.010モル)を、窒素雰囲気下の氷/水浴中で冷却しながら滴下漏斗によって30%発煙硫酸(47ml)をゆっくりと加えることによって処理した。この添加の完了後、反応混合物を予め55℃に加熱された水浴に移し、この温度で2時間攪拌した。この間に、混合物は、均質な粘性の濃青色溶液となった。攪拌した反応混合物を氷/水浴中で冷却し、次いで2−プロパノール(40ml)を滴下漏斗によってゆっくりと加えた。この混合物を次いで2−プロパノール(100ml)に注ぎ入れ、別の2−プロパノール(160ml)を使用して反応フラスコの残留物を洗い流した。この混合物にジエチルエーテル(100ml)を加え、次いでこれを焼結ガラス漏斗に移し、重力によってろ過して、湿った暗褐色の固体と、黄/褐色の濾液とを得た。この固体を、エーテル(50ml)、アセトン/エーテル(1:1、100ml)及びエーテル(100 ml)を順番に用いて減圧吸引下で洗浄した。高真空下での乾燥の後に得られた固体(13.4g)を次いで、エタノール/エーテル(1:3、100ml)中で3日間攪拌し、次いでろ過、乾燥して、テトラスルホン酸4を、微細な赤/褐色固体(12.2g、理論収量の105%、電位差滴定法による純度90%)として得た。H NMR(d−DMSO)δ7.97、8.00(4H、dd、J7、8=J7、6=7.2Hz、H7);8.49(4H、dd、J8、7=7.2、J8、1=5.7Hz、H8);8.84、8.98(4H、d、J6、7=7.2Hz、H6);10.10、10.19、10.25(4H、d、J1、8=5.7Hz、H1);11.13、11.16(4H、s、H4)。
実施例1−テトラキス(トリヘキシルテトラデシルホスホニウム)塩5の調製
ヒドロキシガリウム(III)ナフタロシアニンテトラスルホン酸(29.1g、0.026モル)を水(50ml)及びメタノール(350ml)に溶解した溶液に、トリヘキシルテトラデシルホスホニウムクロリド(50.0g、0.096モル)をメタノール(50ml)に溶解した溶液を加えた。この溶液を半分の体積まで濃縮し、濃縮溶液を水(100ml)で希釈して、生成物を沈殿させた。このホスホニウム塩を瀘別し、温アセトン/水(50:50、2×300ml)及び温水(2×300ml)で洗浄し、風乾した。次いで固体を沸騰ヘキサン(2×300ml)で洗浄し、乾燥させて、生成物5を濃緑色粉末(63.1g、86%)として得た。
H NMR(d−DMSO):δ0.85(48H、m);1.0〜1.5(192H、m);1.90(32H、m);7.9〜11.1(20H、m)。
UV−Vis−NIR(DMSO):λmax795nm(ε=365、000);756nm(s=59、000);706nm(ε=65、000);341nm(ε=102、000)。
UV−Vis−NIR(CHCl):λmax790nm(λ=87,000);333nm(ε=85、000)。
比較例1−ヘキサデシルオキシガリウム(III)ナフタロシアニン6の調製
塩化ガリウム(III)(3.68g、0.0206モル)を無水トルエン(30ml)に溶解した溶液に、ナトリウムメトキシドのメタノール溶液(25%、14.5ml=3.63g、0.067モル)を一滴ずつ加えて無色の沈殿物を得た。2,3−ナフタレンジニトリル(14.6g、0.0820モル、3.98当量)、1−ヘキサデカノール(26.8g、0.11モル)及び1,2−ジクロロベンゼン(75ml)を加え、メタノール及びトルエンを蒸留除去するために、反応混合物を加熱した。内部温度を170℃まで上昇させ、一晩、加熱し続けた。ジクロロベンゼン約20mlを蒸留するために、温度を上昇させた。反応混合物を冷却し、アセトン(100ml)で希釈し、生成物をろ過によって集めた。固体をアセトン、水及びアセトンで洗浄し、風乾して、生成物6を濃緑色の粉末(85%、17.85g)として得た。
H NMR(d−DMSO):δ0.86(3H、m);1.15〜1.25(29H、m);8.05(8H、m);8.85(8H、m);10.15(8H、m)。
UV−Vis−NIR(NMP、5.176×10−6M):λmax770nm(ε=277、000);690nm(ε=51、000);338nm(ε=95、000)。
実施例2−ホスホニウム塩5を含むインク製剤
ホスホニウム塩5を、市販オフセットインクビヒクルMatrix ECO PMS Trans White(DIC Colortron Pty Ltd社、カタログ番号MX6010/1)に、3%w/wで調合した。その結果得られたインクを普通紙に見本(swatch)として印刷し、直射日光及びオフィスの大気汚染物にさらした。図26は、様々な時間における見本の反射率スペクトルを示す。
比較例2−ヘキサデシルオキシガリウム(III)ナフタロシアニン6を含むインク製剤
比較のため、ナフタロシアニン6を、同じオフセットインクビヒクルMatrix ECO PMS Trans White(DIC Colortron Pty Ltd社、カタログ番号MX6010/1)に、3%w/wで調合した。その結果得られたインクを普通紙に見本として印刷した。図27は、この見本の反射率スペクトルを示す。
図26と27を比較すると、ホスホニウム塩5が、ナフタロシアニン6に比べて、よりシャープで、赤色側へよりシフトしたQバンドを示すことが分かる。この赤色側へのシフト及びよりシャープなQバンドは、ホスホニウムカチオンがπ−πスタッキングを妨害した結果として、ホスホニウム塩5により多くのモノマー成分が存在するためと考えられる。これらのスペクトルは、紙に印刷されたときにホスホニウム塩5がナフタロシアニン6よりもかなり見えにくいという観察と一致する。

Claims (20)

  1. 溶剤ベース又は油ベースのインクビヒクルに調合するのに適したIR吸収性フタロシアニン染料であって、前記フタロシアニンが1つ又は複数のスルホン酸基を含み、少なくとも1つのスルホン酸基の対イオンがホスホニウムカチオンである染料。
  2. 複数のスルホン酸基を含む、請求項1に記載の染料。
  3. 対応する複数のホスホニウム対イオンを含む、請求項2に記載の染料。
  4. ナフタロシアニンである、請求項1に記載の染料。
  5. 前記ホスホニウムカチオン又はそれぞれの前記ホスホニウムカチオンが式:P(R)(R)(R)(R)を有し、R、R、R及びRがそれぞれ独立に、C1〜30アルキル、C5〜12アリール及びC5〜30アリールアルキルから選択された、請求項1に記載の染料。
  6. 、R、R及びRのうちの少なくとも1つが5つ以上の炭素原子を含む、請求項5に記載の染料。
  7. 式(1)を有する請求項1に記載の染料であって、

    MがGa(A)、
    が、−OH、ハロゲン、−OR、−OC(O)R又は−O(CHCHO)から選択されたアキシアル配位子であり、eが2から10までの整数、Rが、H、C1〜8アルキル又はC(O)C1〜8アルキルであり、
    及びRが互いに同じでも又は異なっていてもよく、水素又はC1〜12アルコキシから選択され、
    が、C1〜12アルキル、C5〜12アリール、C5〜12アリールアルキル又はSi(R)(R)(R)から選択され、
    が、C1〜12アルキル、C5〜12アリール又はC5〜12アリールアルキルから選択され、
    、R及びRが互いに同じでも又は異なっていてもよく、C1〜12アルキル、C5〜12アリール、C5〜12アリールアルキル、C1〜12アルコキシ、C5〜12アリールオキシ又はC5〜12アリールアルコキシから選択され、
    がホスホニウムカチオンである
    染料。
  8. が式:P(R)(R)(R)(R)を有し、R、R、R及びRがそれぞれ独立に、C1〜30アルキル、C5〜12アリール及びC5〜30アリールアルキルから選択された、請求項7に記載の染料。
  9. 、R、R及びRのうちの少なくとも1つが5つ以上の炭素原子を含む、請求項7に記載の染料。
  10. 、R、R及びRのうちの少なくとも3つが5つ以上の炭素原子を含む、請求項7に記載の染料。
  11. 、R、R及びRのうちの少なくとも3つが独立にC4〜30アルキル基から選択された、請求項7に記載の染料。
  12. とRがともに水素である、請求項1に記載の染料。
  13. MがGa(OH)である、請求項1に記載の染料。
  14. 請求項1に記載の染料を含む溶剤ベース又は油ベースのインク。
  15. インク供給源と、印刷版と、前記インク供給源からのインクを前記版上へ配置する手段とを備え、前記インクが請求項1に記載の染料を含むアナログプリンタ又はアナログプリンタのモジュール。
  16. 請求項1に記載の染料がその表面又はその内部に配置された被印刷物。
  17. 製品アイテムのラベル、包装又は表面である、請求項1に記載の被印刷物。
  18. 符号化された被印刷物と対話するシステムであって、
    人間が読み取ることができる情報と機械が読み取ることができる符号化されたデータとがその表面又はその内部に配置された被印刷物と、
    前記機械が読み取ることができる符号化されたデータを読み取る感知装置と
    を備え、前記符号化されたデータが請求項1に記載の染料を含む
    システム。
  19. リクエストされたアクションを印刷された被印刷物を介してコンピュータシステム内で開始する方法であって、前記被印刷物が、人間が読み取ることができる情報と機械が読み取ることができる符号化されたデータとを含み、前記方法が、
    前記被印刷物に対する動作位置に感知装置を配置するステップと、
    前記符号化されたデータの少なくとも一部を感知するステップと、
    前記リクエストされたアクションを前記コンピュータが識別することを可能にする指示データを、前記感知された符号化されたデータの少なくとも一部を使用して前記感知装置内に生成するステップと、
    前記指示データを前記コンピュータシステムに送るステップと
    を含み、前記符号化されたデータが請求項1に記載の染料を含む
    方法。
  20. 製品アイテムと対話する方法であって、前記製品アイテムが、人間が読み取ることができる情報と機械が読み取ることができる符号化されたデータとを含む印刷された表面を有し、前記方法が、
    前記被印刷物に対する動作位置に感知装置を配置するステップと、
    前記符号化されたデータの少なくとも一部を感知するステップと、
    前記対話に関するパラメータを前記コンピュータが識別することを可能にする指示データを、前記感知された符号化されたデータの少なくとも一部を使用して前記感知装置内に生成するステップと、
    前記指示データを前記コンピュータシステムに送るステップと
    を含み、前記符号化されたデータが請求項1に記載の染料を含む
    方法。
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