本発明の安定した液体製剤によって、対象に製剤を投与する前に、正確かつ無菌的方法を使用して調製物を再構成し、溶液が清澄になるまで一定期間待つという必要がない、対象(ヒト対象など)に投与する関心対象の治療的または予防的抗体(その抗体フラグメントを含む)、例えば、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体(例えば、7F3com−2H2)の使用準備済調製物が提供される。さらに、そのような再構成した溶液は、一定期間内に使用しなければならず、非常に高価な廃棄物につながる。この使用準備済調製物によって、医療専従者が対象に本製剤を投与する手順が簡略化される。
さらに、保管中のその高い安定性のために、本発明の製剤は、関心対象の治療的または予防的抗体(その抗体フラグメントを含む)、例えば、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体(例えば、7F3com−2H2)を約10mg/ml〜約300mg/mlの範囲の濃度で含むことができる。そのような安定性は、抗体の効力を確実にするだけでなく、対象での有害作用の潜在的な危険性を低減させる。さらに、製剤で使用する成分が少ないほど、混入の危険性も減少する。さらに、本発明の液体製剤の製造工程は簡略化され、凍結乾燥バージョン用の製造工程よりも効率的である。なぜなら、液体製剤の製造の全段階が、水溶液で実施され、凍結乾燥およびフリーズドライなどの乾燥工程を含まないからである。従って、同様により費用効果も高い。
本発明の方法に従って製剤化できる抗体の特性には、ある種の相挙動が含まれ、例えば、アンフォールドされた中間体の形成、コロイドの不安定さ、抗体分子の溶解性(soluable)会合、および抗体分子の沈殿が含まれ、高処理サイズ排除クロマトグラフィー(HPSEC)、タンジェンシャルフロー濾過(TFF)、静的光散乱法(SLS)、フーリエ変換赤外分光法(FTIR)、円二色性(CD)、尿素誘発タンパク質アンフォールディング技術、固有トリプトファン蛍光、示差走査熱量測定法(DSC)、および1−アニリノ−8−ナフタレンスルホン酸(ANS)タンパク質結合技術を含むが、それだけには限らない高感度分析法によって測定したとき、ヒスチジンなどを含む双性イオン性緩衝液の存在下で抗体を製剤化した場合、おそらく、ヒスチジンの双性イオン的性質による塩橋の分解により、ドメイン−ドメイン間相互作用が減少し、このヒスチジンが抗体と相互作用しうる。この相互作用によって、コロイド安定性の低減、溶解性会合、および沈殿が生じる恐れがあり、その全てが、タンパク質の凝集の増加という抗体製剤の不安定さの一因となる望ましくない結果につながりうる。従って、本発明は、非双性イオン性緩衝液(例えば、リン酸塩、トリス、クエン酸塩、コハク酸塩、および酢酸塩緩衝液)などのある種の緩衝液が、特定のタンパク質(モノクローナル抗体など)のある種の相挙動(例えば、コロイドの不安定さ、溶解性会合、および沈殿)の減少または低減を促進するかどうかを決定する方法を提供し、その方法により、それらのタンパク質は、本発明の方法を使用する製剤により適したものになる。
5.1.抗体製剤
本発明の安定した液体製剤は、長期保管中、凝集がわずかから皆無であり、安定性が高い抗体製剤を提供する。特定の実施形態では、そのような抗体製剤は均質である。一実施形態では、本発明の製剤は無菌である。本発明の製剤は、水性担体(蒸留水など)、リン酸緩衝液、または他の非双性イオン性緩衝液、および任意によりNaClなどの塩、および関心対象の治療的または予防的抗体(その抗体フラグメントを含む)、例えば、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体を含むが、ただし抗体は、そのpIより低いpHで、約10mg/ml〜約300mg/mlの濃度では、双性イオン性緩衝液中よりも非双性イオン性緩衝液中の方が安定している。一実施形態では、本発明の製剤は、水または好適な溶媒以外の他の成分を含まない。別の好ましい実施形態では、水は蒸留されている。特定の実施形態では、本発明の液体製剤に含まれる、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、4D4、4D4 H2−1 D11、4D4com−XF−9、4D4com−2F9、7F3、71A10、7F3 22D3、7F3com−2H2、7F3com−3H5、もしくは7F3com−3D4、またはその抗原結合フラグメントである。別の実施形態では、本発明の液体製剤に含まれる、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、4D4、4D4 H2−1 D11、4D4com−XF−9、4D4com−2F9、7F3、71A10、7F3 22D3、7F3com−2H2、7F3com−3H5、もしくは7F3com−3D4、またはその抗原結合フラグメントではない。一実施形態では、本発明の液体製剤に含まれるIL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、上表1に挙げたVH CDRの一つまたは複数および/またはVL CDRの一つまたは複数を含む抗体(その抗体フラグメントを含む)である。別の実施形態では、本発明の液体製剤に含まれる、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体(その抗体フラグメントを含む)は、別の部分(moiety)、それだけには限らないが、異種ポリペプチド、別の抗体(その抗体フラグメントを含む)、マーカー配列、診断薬、治療剤、放射性金属イオン、ポリマー、アルブミン、および固相担体を含む別の部分にコンジュゲートされている抗体(その抗体フラグメントを含む)である。さらに別の実施形態では、本発明の液体製剤は、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する2個以上の抗体(その抗体フラグメントを含む)を含み、その際、それらの抗体(その抗体フラグメントを含む)の少なくとも一個は、4D4、4D4 H2−1 D11、4D4com−XF−9、4D4com−2F9、7F3、71A10、7F3 22D3、7F3com−2H2、7F3com−3H5、もしくは7F3com−3D4、またはその抗原結合フラグメントである。
本発明の液体製剤に含まれる関心対象抗体(その抗体フラグメントを含む)、例えば、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体の濃度は、少なくとも10mg/ml、少なくとも15mg/ml、少なくとも20mg/ml、少なくとも25mg/ml、少なくとも30mg/ml、少なくとも35mg/ml、少なくとも40mg/ml、少なくとも45mg/ml、少なくとも50mg/ml、少なくとも55mg/ml、少なくとも60mg/ml、少なくとも65mg/ml、少なくとも70mg/ml、少なくとも75mg/ml、少なくとも80mg/ml、少なくとも85mg/ml、少なくとも90mg/ml、少なくとも95mg/ml、少なくとも100mg/ml、少なくとも105mg/ml、少なくとも110mg/ml、少なくとも115mg/ml、少なくとも120mg/ml、少なくとも125mg/ml、少なくとも130mg/ml、少なくとも135mg/ml、少なくとも140mg/ml、少なくとも150mg/ml、少なくとも175mg/ml、少なくとも200mg/ml、少なくとも250mg/ml、少なくとも275mg/ml、または少なくとも300mg/mlである。本発明の液体製剤に含まれる関心対象抗体(その抗体フラグメントを含む)、例えば、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体(例えば、7F3com−2H2)の濃度は、10mg/ml以上、少なくとも15mg/ml以上、少なくとも20mg/ml以上、少なくとも25mg/ml以上、少なくとも30mg/ml以上、少なくとも35mg/ml以上、少なくとも40mg/ml以上、少なくとも45mg/ml以上、少なくとも50mg/ml以上、少なくとも55mg/ml以上、少なくとも60mg/ml以上、少なくとも65mg/ml以上、少なくとも70mg/ml以上、少なくとも75mg/ml以上、少なくとも80mg/ml以上、少なくとも85mg/ml以上、少なくとも90mg/ml以上、少なくとも95mg/ml以上、少なくとも100mg/ml以上、少なくとも105mg/ml以上、少なくとも110mg/ml以上、少なくとも115mg/ml以上、少なくとも120mg/ml以上、少なくとも125mg/ml以上、少なくとも130mg/ml以上、少なくとも135mg/ml以上、少なくとも140mg/ml以上、少なくとも150mg/ml以上、少なくとも175mg/ml以上、少なくとも200mg/ml以上、少なくとも250mg/ml以上、少なくとも275mg/ml以上、または少なくとも300mg/ml以上である。特定の実施形態では、本発明の液体製剤に含まれる関心対象抗体(その抗体フラグメントを含む)、例えば、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体(例えば、7F3com−2H2)の濃度は、約50mg/ml、75mg/ml、約100mg/ml、約125mg/ml、約150mg/ml、約175mg/ml、約200mg/ml、約225mg/ml、約250mg/ml、約275mg/ml、または約300mg/mlである。別の実施形態では、本発明の液体製剤に含まれる関心対象抗体(その抗体フラグメントを含む)、例えば、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体(例えば、7F3com−2H2)の濃度は、10〜50mg/ml、15〜500mg/ml、50〜300mg/ml、50〜250mg/ml、50〜200mg/ml、50〜150mg/ml、100〜200mg/ml、50〜175mg/ml、50〜150mg/ml、50〜125mg/ml、または50〜100mg/mlである。特定の実施形態では、本発明の製剤は、抗IL−9抗体(例えば、7F3com−2H2)を約100mg/ml含む。
本製剤は、リン酸塩によって緩衝化しうる(しかし、他の好適な緩衝液、例えばトリス、クエン酸塩、コハク酸塩、および酢酸塩緩衝液を使用してもよい)。本発明の液体製剤に含まれるリン酸塩の濃度は、1mM〜5mM、1mM〜100mM、10mM〜30mM、25mM〜75mM、または10mM〜100mMの範囲である。特定の実施形態では、本発明の液体製剤に含まれるリン酸塩の濃度は、2mM、5mM、10mM、15mM、20mM、25mM、30mM、35mM、40mM、45mM、50mM、55mM、60mM、65mM、70mM、75mM、80mM、85mM、90mM、95mM、または100mMである。リン酸塩は、製剤および非経口投与に適した任意の形態で使用してよい。リン酸塩の純度は、少なくとも98%、少なくとも99%、または少なくとも99.5%である。本明細書で使用する場合、リン酸塩に関して「純度」という用語は、当技術分野で理解されているような、例えばThe Merck Index, 第13版, O’ Neilら編 (Merck & Co., 2001)に記載されているリン酸塩の化学純度をさす。特定の実施形態では、本発明の製剤は、25mMリン酸緩衝液を含む。リン酸塩に加えて、他の緩衝液、特に非双性イオン性緩衝液(例えば、トリス、クエン酸塩、コハク酸塩、および酢酸塩緩衝液)を1mM〜100mM、25mM〜75mM、もしくは10mM〜100mMの範囲の濃度で、または5mM、10mM、15mM、20mM、25mM、30mM、35mM、40mM、45mM、50mM、55mM、60mM、65mM、70mM、75mM、80mM、85mM、90mM、95mM、または100mMの濃度で本発明の製剤に使用してよい。
ある実施形態では、本発明の製剤は塩を含む。一実施形態では、本発明の製剤は、NaCl、KCl、CaCl2、およびMgCl2からなる群から選択される塩を含む。特定の実施形態では、塩はNaClである。本発明の液体製剤に含めてよいNaClの濃度は、10mM〜300mM、50mM〜200mM、100mM〜200mM、または125mM〜175mMの範囲でありうる。特定の実施形態では、本発明の液体製剤に含めてよいNaClの濃度は、約10mM、約25mM、約50mM、約75mM、約100mM、約125mM、約150mM、約175mM、約200mM、約225mM、約250mM、または約300mMでありうる。NaClの純度は、少なくとも98%、少なくとも99%、または少なくとも99.5%でありうる。特定の実施形態では、本発明の液体製剤に含まれるNaClの濃度は約150mMでありうる。本明細書で使用する場合、NaClに関して「純度」という用語は、当技術分野で理解されているような、例えばThe Merck Index, 第13版, O’ Neilら編 (Merck & Co., 2001)に記載されているNaClの化学純度をさす。
一般的に、本製剤のpHは、本製剤に使用する特定の抗体(その抗体フラグメントを含む)の等電点と同じであってはならず(例えば、4D4、4D4 H2−1 D11、4D4com−XF−9、4D4com−2F9、7F3、71A10、7F3 22D3、7F3com−2H2、7F3com−3H5、または7F3com−3D4の等電点の範囲は8.65〜8.89である)、約4.0〜約8.0の範囲、または約6.0〜約6.5の範囲でありうる。特定の実施形態では、本発明の製剤は、抗IL−9抗体(例えば、7F3com−2H2)を含み、pHは約6.0でありうる。
任意により、本発明の製剤に、さらに、他の賦形剤、例えば糖類(例えば、ショ糖、マンノース、トレハロースなど)、ポリオール(例えば、マンニトール、ソルビトールなど)、よび界面活性剤(例えば、Tween-20またはTween-80)を含めてよい。一実施形態では、その他の賦形剤は糖類(砂糖など)である。特定の実施形態では、糖類はショ糖であり、本製剤の約0%〜約10%、1%〜約20%、約5%〜約15%、または約8%〜10%の範囲の濃度である。別の実施形態では、糖類は、トレハロースであり、本製剤の約0%〜約10%、1%〜約20%、または約5%〜約15%、または約8%〜10%の濃度である。別の実施形態では、賦形剤はポリオールである。特定の実施形態では、ポリオールは、本製剤の0.001%、0.005%、0.01%、0.02%、0.05%、0.08%、0.1%、0.5%、または1%の濃度である。特定の実施形態では、ポリオールはソルビトールであり、本製剤の約0%〜約0.1%、0.001%〜約1%、または約0.01%〜約0.1%の範囲の濃度である。本発明の液体製剤には、マンニトールを含めても、または含めなくてもよい。別の実施形態では、賦形剤は界面活性剤である。具体的実施形態では、界面活性剤はTween-20またはTween-80であり、本製剤の約0%〜約0.1%、0.001%〜約1%、または約0.01%〜約0.1%の範囲の濃度である。特定の実施形態では、界面活性剤はTween-20またはTween-80であり、本製剤の0.001%、0.005%、0.01%、0.02%、0.05%、0.08%、0.1%、0.5%、または1%の濃度である。
本発明の製剤が、ヒト血液と等張であってよいことは当業者により理解されるであろうが、それは本発明の製剤がヒト血液と本質的に同じ浸透圧を有するということである。一般的に、そのような等張製剤の浸透圧は約250mOSm〜約350mOSmである。等張度は、例えば、蒸気圧型または氷結(ice-freezing)型浸透圧計によって測定することができる。製剤の張度は、張度調節物質を使用して調整する。「張度調節物質」は、ある等張の製剤を得るために、製剤に加えることができるような製薬上許容される不活性物質である。本発明に好適な張度調節物質には、それだけには限らないが、糖類、塩およびアミノ酸が含まれる。
ある実施形態では、本発明の製剤は、約51mg/ml〜約150mg/mlの抗IL−9抗体(例えば、7F3com−2H2)、約10mM〜約50mMのリン酸ナトリウム、約100mM〜約200mMのNaClを含んでよく、pHは約5.5〜約7.0である。別の実施形態では、本発明の製剤は、約100mg/mlの抗IL−9抗体(例えば、7F3com−2H2)、約25mMのリン酸ナトリウム、約150mMのNaClを含んでよく、pHは約6.0である。特定の実施形態では、本発明の製剤は、約100mg/mlの7F3com−2H2抗IL−9抗体、約25mMのリン酸ナトリウム、約150mMのNaClからなり、pHは約6.0である。
本発明の液体製剤は、38℃〜42℃の温度範囲で少なくとも15日間安定性を示し、いくつかの実施形態では長くても25日間、20℃〜24℃の温度範囲で少なくとも6ヵ月間、2℃〜8℃の温度範囲で(特に4℃で)少なくとも6ヵ月間、少なくとも1年間、少なくとも1年半、少なくとも2年間、少なくとも2年半、少なくとも3年間または少なくとも4年間、そして−20℃の温度で少なくとも2年間、少なくとも3年間、少なくとも4年間、または少なくとも5年間安定性を示し、それは、高処理サイズ排除クロマトグラフィー(HPSEC)の評価による。タンジェンシャルフロー濾過(TFF)、静的光散乱法(SLS)、フーリエ変換赤外分光法(FTIR)、円二色性(CD)、尿素誘発タンパク質アンフォールディング技術、固有トリプトファン蛍光、示差走査熱量測定法(DSC)、および/または1−アニリノ−8−ナフタレンスルホン酸(ANS)タンパク質結合法も、分子の相挙動、他の物性、および安定性の評価に使用される。すなわち、本発明の液体製剤は、本明細書で定義する通り、上記するような所定の期間保管後、低から検出不可能なレベルの凝集および/または断片化を示す。例えば、上記のような所定の期間保管後、HPSECによって測定したとき、わずか5%、わずか4%、わずか3%、わずか2%、わずか1%、最も好ましくはわずか0.5%の抗体(その抗体フラグメントを含む)が凝集体を形成する。
さらに、本発明の液体製剤は、例えば、抗原と免疫特異的に結合する抗体(その抗体フラグメントを含む)の能力を測定するための、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)およびラジオイムノアッセイを含む様々な免疫学的アッセイにより評価したとき、上記の条件下で長期保管中、抗体(その抗体フラグメントを含む)の生物活性の損失がほとんどないことを示す。本発明の液体製剤は、上に定義した期間保管後、保管前の製剤の初期生物活性(例えば、IL−9ポリペプチドに結合する能力)の80%超、85%超、90%超、95%超、98%超、99%超、または99.5%超を保持する。いくつかの実施形態では、本発明の液体製剤は、上に定義した期間保管後、保管前の抗体に相当する参照抗体と比較して、生物活性(例えば、IL−9ポリペプチドに結合する能力)の少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または少なくとも99.5%を保持する。
本発明の液体製剤は、単位用量形として調製することができる。例えば、一バイアル当たりの単位用量は、約15mg/ml〜約300mg/ml、約50mg/ml〜約300mg/ml、約50mg/ml〜約150mg/ml、約75mg/ml〜約300mg/ml、約95mg/ml〜約300mg/ml、約100mg/ml〜約300mg/ml、約150mg/ml〜約300mg/ml、約200mg/ml〜約300mg/ml、約100mg/ml〜約200mg/ml、約100mg/ml〜約150mg/ml、または約100mg/ml〜約175mg/mlの範囲の様々な濃度の抗体または抗体フラグメントを1ml、2ml、3ml、4ml、5ml、6ml、7ml、8ml、9ml、10ml、15ml、または20ml含みうる。必要であれば、これらの調製物は、各バイアルに無菌希釈剤を加えることによって、所望の濃度に調節することができる。
本発明は、単一関心対象抗体(その抗体フラグメントを含む)、例えば、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体を含む安定した液体製剤を包含する。本発明はまた、2種以上の関心対象抗体(その抗体フラグメントを含む)、例えば、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体類を含む安定した液体製剤を包含する。特定の実施形態では、本発明の安定した液体製剤は、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する4D4、4D4 H2−1 D11、4D4com−XF−9、4D4com−2F9、7F3、71A10、7F3 22D3、7F3com−2H2、7F3com−3H5、もしくは7F3com−3D4、またはそのフラグメントを含む。別の実施形態では、本発明の安定した液体製剤は、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する2種以上の抗体(その抗体フラグメントを含む)を含み、その際、それらの抗体(その抗体フラグメントを含む)の一つは、4D4、4D4 H2−1 D11、4D4com−XF−9、4D4com−2F9、7F3、71A10、7F3 22D3、7F3com−2H2、7F3com−3H5、もしくは7F3com−3D4、またはその抗原結合フラグメントである。別の実施形態では、本発明の安定した液体製剤は、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する2種以上の抗体(その抗体フラグメントを含む)を含むが、但し抗体(その抗体フラグメントを含む)は、4D4、4D4 H2−1 D11、4D4com−XF−9、4D4com−2F9、7F3、71A10、7F3 22D3、7F3com−2H2、7F3com−3H5、もしくは7F3com−3D4、またはその抗原結合フラグメントを含まない。
5.1.1.本発明の製剤に有用な抗体
本発明の方法に従って使用される抗体は、例えば、高処理サイズ排除クロマトグラフィー(HPSEC)、タンジェンシャルフロー濾過(TFF)、静的光散乱法(SLS)、フーリエ変換赤外分光法(FTIR)、円二色性(CD)、尿素誘発タンパク質アンフォールディング技術、固有トリプトファン蛍光、示差走査熱量測定法(DSC)、および1−アニリノ−8−ナフタレンスルホン酸(ANS)タンパク質結合技術によって測定したとき、塩(NaClなど)の存在下であり、抗体のpIより低いpHの双性イオン性緩衝液(ヒスチジン緩衝液など)の存在下で製剤化した場合、同じpHの非双性イオン性緩衝液(例えば、リン酸緩衝液)の存在下、かつ同じ濃度の塩の存在(または非存在)下で製剤化したときのその抗体と比較すると、それだけには限らないが、例えば、アンフォールドされた中間体の形成、コロイドの安定性の減少、溶解性会合、および沈殿など、ある種の相挙動を示す抗体を含む。具体的実施形態では、本発明の方法に従って使用される抗体(またはそのフラグメント)には、それだけには限らないが、4D4、4D4 H2−1 D11、4D4com−XF−9、4D4com−2F9、7F3、71A10、7F3 22D3、7F3com−2H2、7F3com−3H5、または7F3com−3D4が含まれる。好ましくは、本発明の方法に従って使用される抗体(またはそのフラグメント)は7F3com−2H2である。本発明の方法に従って使用される他の治療的または予防的抗体を例えば下記第5.1.1.1〜5.1.1.17節に開示する。
本発明に有用な抗体には、それだけには限らないが、モノクローナル抗体、合成抗体、多重特異的抗体(二重特異的抗体を含む)、ヒト抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体、一本鎖Fv(scFv)(二重特異的scFvを含む)、一本鎖抗体、Fabフラグメント、F(ab’)フラグメント、ジスルフィド結合Fv(sdFv)、および上記のいずれかのエピトープ結合フラグメントが含まれる。特に、本発明の抗体には、免疫グロブリン分子、および免疫グロブリン分子の免疫学的に活性部分、すなわち、抗原と免疫特異的に結合する抗原結合部位を含む分子が含まれる。本発明の免疫グロブリン分子は、任意のタイプ(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、IgAおよびIgY)、クラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1およびIgA2)または免疫グロブリン分子の下位クラスのものであってよい。
本発明に有用な抗体は、鳥類および哺乳動物(例えば、ヒト、マウス、ロバ、ヒツジ、ウサギ、ヤギ、モルモット、ラクダ、ウマ、またはニワトリ)を含む任意の動物源から得たものであってよい。好ましくは、抗体は、ヒトまたはヒト化モノクローナル抗体である。本明細書で使用する場合、「ヒト」抗体には、ヒト免疫グロブリンのアミノ酸配列を含む抗体が含まれ、ヒト免疫グロブリンライブラリーから単離した抗体、またはヒト遺伝子由来の抗体を発現するマウスもしくは他の動物から単離した抗体が含まれる。
本発明に有用な抗体は、単一特異性、二重特異性、三重特異性であってよく、またはより多重特異性のものであってよい。多重特異的抗体は、ポリペプチドの異なるエピトープと免疫特異的に結合し、または両ポリペプチドおよび異種エピトープ、例えば異種ポリペプチドまたは固相担体材と免疫特異的に結合しうる。例えば、国際公開第93/17715号、同第92/08802号、同第91/00360号、および同第92/05793号;Tuttら, 1991, J. Immunol. 147:60-69;米国特許第4,474,893号、同第4,714,681号、同第4,925,648号、同第5,573,920号、および同第5,601,819号;およびKostelnyら, 1992, J. Immunol. 148:1547-1553を参照されたい。
本発明に有用な抗体には、抗体の誘導体が含まれる。当業者に公知の標準的技術を、本発明の方法で使用される抗体をコードするヌクレオチド配列に変異を導入するために使用することができ、例えば、アミノ酸置換をもたらす部位特異的変異誘発およびPCR媒介変異誘発が含まれる。好ましくは、誘導体は、元の分子と比べて25個未満のアミノ酸置換、20個未満のアミノ酸置換、15個未満のアミノ酸置換、10個未満のアミノ酸置換、5個未満のアミノ酸置換、4個未満のアミノ酸置換、3個未満のアミノ酸置換、または2個未満のアミノ酸置換を含む。一実施形態では、保存性アミノ酸置換を有する誘導体は、一個以上の予想される非必須アミノ酸残基で作成される。「保存性アミノ酸置換」は、アミノ酸残基が、類似の電荷を持つ側鎖を有するアミノ酸残基に置換されているものである。類似の電荷を持つ側鎖を有するアミノ酸残基ファミリーは、当技術分野で定義されている。これらのファミリーには、塩基性側鎖(例えば、リジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、無電荷極性側鎖(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、チロシン、システイン)、非極性側鎖(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、β分枝側鎖(例えば、トレオニン、バリン、イソロイシン)および芳香族側鎖(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)を有するアミノ酸が含まれる。あるいは、飽和変異誘発(saturation mutagenesis)などにより、コード配列の全てまたは一部に沿って変異を無作為に導入することができ、得られた変異体を、活性を保持する変異体を同定するために、生物活性についてスクリーニングすることができる。変異誘発に続いて、コードされたタンパク質を発現させることができ、そのタンパク質の活性を定量することができる。
本発明に有用な抗体は誘導体を含み、この誘導体は、すなわち、共有結合のような、任意のタイプの分子とその抗体との共有結合により改変されている。例えば、限定するわけではないが、抗体誘導体には、例えば、糖鎖形成、アセチル化、PEG化、リン酸化、アミド化、公知の保護基/ブロック基による誘導体化、タンパク質分解切断、細胞リガンドまたは他のタンパク質との連結などにより改変された抗体が含まれる。それだけには限らないが、特異的化学的切断、アセチル化、ホルミル化、ツニカマイシンの存在下での合成などを含む公知の技術により、多くの化学的修飾の中から任意の修飾を実施しうる。加えて、誘導体は、従来のものではない一個以上のアミノ酸を含みうる。
本発明で有用な抗体またはそのフラグメントはまた、当業者に公知のフレームワーク領域を含んでもよい。ある実施形態では、本発明の方法で使用される抗体またはそのフラグメントの一個以上のフレームワーク領域、好ましくはフレームワーク領域の全てはヒトのものである。本発明のある他の実施形態では、本発明の抗体またはそのフラグメントのフラグメント領域はヒト化されている。ある実施形態では、本発明の方法で使用される抗体は、合成抗体、モノクローナル抗体、細胞内抗体、キメラ抗体、ヒト抗体、ヒト化キメラ抗体、ヒト化抗体、グリコシル化抗体、多重特異性抗体、ヒト抗体、一本鎖抗体、または二重特異性抗体である。
本発明のある実施形態では、本発明で有用な抗体の半減期は、哺乳動物、好ましくはヒトにおいて12時間超、1日超、3日超、6日超、10日超、15日超、20日超、25日超間、30日超、35日超、40日超、45日超、2ヵ月超、3ヵ月超、4ヵ月超、または5ヵ月超である。インビボ半減期が延長された抗体またはその抗原結合フラグメントは、当業者に公知の技術によって産生することができる。例えば、インビボ半減期が延長された抗体またはその抗原結合フラグメントは、FcドメインとFcRn受容体との間の相互作用に関与することが同定されているアミノ酸残基を改変(例えば、置換、欠失、または付加)することによって生成できる(例えば、Johnsonらにより2001年12月12日に出願されたPCT国際公開第97/34631号および米国特許第7,083,784号、名称「Molecules with Extended Half-Lives, Compositions and Uses Thereof(半減期が延長された分子、組成物、およびその使用)」を参照されたい。これらについて、その全体を参照により本明細書に組み込む)。そのような抗体またはその抗原結合フラグメントは、当業者に公知の方法を使用して、例えば、本明細書に記載したイムノアッセイによって、RSV抗原との結合活性およびインビボ効力について試験することができる。
さらに、インビボ半減期が延長された抗体またはその抗原結合フラグメントは、前記抗体または抗体フラグメントポリマー分子、例えば、高分子量ポリエチレングリコール(PEG)に取り付けることによって生成することができる。多機能性リンカーの有無に関わらず、PEGを前記抗体または抗体フラグメントに取り付けることができ、PEGと、前記抗体または抗体フラグメントのNまたはC末端との部位特異的コンジュゲーションを通じて、あるいはリジン残基に存在するイプシロン−アミノ基により取り付けることができる。生物活性の損失を最小にする直鎖または分枝ポリマー誘導体化を使用する。コンジュゲーションの程度をSDS−PAGEおよび質量分析により綿密にモニターして、PEG分子と抗体との適切なコンジュゲーションを確実にする。未反応PEGは、例えば、サイズ排除またはイオン交換クロマトグラフィーにより、抗体−PEGコンジュゲートから分離することができる。PEGにより誘導体化した抗体またはその抗原結合フラグメントは、当業者に公知の方法を使用して、例えば、本明細書に記載したイムノアッセイによって、RSV抗原との結合活性およびインビボ効力について試験することができる。
本発明に有用な抗体は一本鎖抗体でありうる。一本鎖抗体の設計および構築は、Marascoら, 1993, Proc Natl Acad Sci 90:7889-7893に記載されている。その全体を参照により本明細書に組み込む。
ある実施形態では、本発明で有用な抗体は、細胞内エピトープに結合し、すなわち細胞内抗体である。細胞内抗体は、抗原と免疫特異的に結合することができる抗体の少なくとも一部を含み、好ましくはその分泌物をコードする配列を含まない。そのような抗体は、細胞内でその抗原に結合する。一実施形態では、細胞内抗体は、一本鎖Fv(「sFv」)を含む。sFvは、抗体のVHおよびVLドメインを含む抗体フラグメントであり、これらのドメインは単一ポリペプチド鎖に存在する。一般的に、Fvポリペプチドは、VHとVLドメイン間にポリペプチドリンカーをさらに含み、それによってsFvは、抗原結合に望ましい構造を形成できるようになる。sFvの概説についてはPluckthun in The Pharmacology of Monoclonal Antibodies, vol. 113, Rosenburg and Moore編.Springer-Verlag, New York, pp. 269-315 (1994)を参照されたい。
別の実施形態では、好ましくは、細胞内抗体は、操作可能分泌性配列をコードせず、従って細胞内に残存する[概括的に、Marasco, WA, 1998,「Intrabodies: Basic Research and Clinical Gene Therapy Applications(細胞内抗体:基礎研究および臨床遺伝子治療応用)」Springer:New Yorkを参照]。
5.1.1.1. IL−9抗体
具体的実施形態では、本発明は、IL−9ポリペプチド(好ましくは、ヒトIL−9ポリペプチド)と免疫特異的に結合する抗体の製剤を提供する。特に、本発明は、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する以下の抗体の製剤を準備する:4D4またはその抗原結合フラグメント、4D4 H2−1 D11またはその抗原結合フラグメント、4D4com−XF−9またはその抗原結合フラグメント、4D4com−2F9またはその抗原結合フラグメント、7F3またはその抗原結合フラグメント、71A10またはその抗原結合フラグメント、7F3 22D3またはその抗原結合フラグメント、7F3com−2H2またはその抗原結合フラグメント、7F3com−3H5またはその抗原結合フラグメント、および7F3com−3D4またはその抗原結合フラグメント。一実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、7F3com−2H2またはその抗原結合フラグメント(例えば、7F3com−2H2の一個以上のCDR)である。4D4、4D4 H2−1 D11、4D4com−XF−9、4D4com−2F9、71A10、7F3 22D3、7F3com、7F3com−2H2、7F3com−3H5、および7F3com−3D4の定常領域は、パリズビズマブ(palizvizumab)(メドイミューン社)IgG1の定常領域と同一である(1998年10月20日発行の米国特許第5,824,307号を参照)。
本発明は、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体の製剤であって、前記抗体が、4D4(図1A;配列番号7)、4D4 H2−1 D11(図2A;配列番号9)、4D4com−XF−9(図3A;配列番号15)、4D4com−2F9(図4A;配列番号17)、7F3(図5A;配列番号21)、71A10(図6A;配列番号23)、7F3 22D3(図7A;配列番号21)、7F3com−2H2(図8A;配列番号27)、7F3com−3H5(図10A;配列番号29)、または7F3com−3D4(図11A;配列番号31)のVHドメインのアミノ酸配列を含むVHドメインを含む抗体製剤を提供する。一実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、7F3com−2H2(図8A;配列番号27)のVHドメインのアミノ酸配列を含むVHドメインを含む。
本発明は、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体の製剤であって、前記抗体が、上表1に挙げたVH CDRのいずれか一個のアミノ酸配列を有するVH CDRを含む抗体製剤を提供する。特に、本発明は、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体であって、上表1に挙げたVH CDRのいずれかのアミノ酸配列を有するVH CDRを1、2、3、4、5個、またはそれ以上含む(あるいは、それらからなる)抗体を提供する。一実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、配列番号1、配列番号11、配列番号19、または配列番号26のアミノ酸配列を有するVH CDR1を含む。別の実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、配列番号2、配列番号10、または配列番号61のアミノ酸配列を有するVH CDR2を含む。別の実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、配列番号3または配列番号12のアミノ酸配列を有するVH CDR3を含む。別の実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、配列番号1、配列番号11、配列番号19、または配列番号26のアミノ酸配列を有するVH CDR1および配列番号2、配列番号10、または配列番号61のアミノ酸配列を有するVH CDR2を含む。別の実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、配列番号1、配列番号11、配列番号19、または配列番号26のアミノ酸配列を有するVH CDR1および配列番号3または配列番号12のアミノ酸配列を有するVH CDR3を含む。別の実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、配列番号2、配列番号10、または配列番号61のアミノ酸配列を有するVH CDR2、および配列番号3または配列番号12のアミノ酸配列を有するVH CDR3を含む。別の実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、配列番号1、配列番号11、配列番号19、または配列番号26のアミノ酸配列を有するVH CDR1、配列番号2、配列番号10、または配列番号61のアミノ酸配列を有するVH CDR2、および配列番号3または配列番号12のアミノ酸配列を有するVH CDR3を含む。
本発明は、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体の製剤であって、前記抗体が、4D4(図1B;配列番号8)、4D4 H2−1 D11(図2B;配列番号8)、4D4com−XF−9(図3B;配列番号16)、4D4com−2F9(図4B;配列番号18)、7F3(図5B;配列番号22)、71A10(図6B;配列番号24)、7F3 22D3(図7B;配列番号25)、7F3com−2H2(図8B;配列番号28)、7F3com−3H5(図10B;配列番号30)、または7F3com−3D4(図11B;配列番号32)のVLドメインのアミノ酸配列を有するVLドメインを含む抗体製剤を提供する。一実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、7F3com−2H2(図8B;配列番号28)のVLドメインのアミノ酸配列を有するVLドメインを含む。
本発明はまた、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体の製剤であって、前記抗体が、上表1に挙げたVL CDRのいずれか一個のアミノ酸配列を有するVL CDRを含む抗体製剤も提供する。特に、本発明は、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体であって、上表1に挙げたVL CDRのいずれかのアミノ酸配列を有するVL CDRを1、2、3個、またはそれ以上含む(あるいは、それらからなる)抗体を提供する。一実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、配列番号4、配列番号13、または配列番号62のアミノ酸配列を有するVL CDR1を含む。別の実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、配列番号5、配列番号14、または配列番号65のアミノ酸配列を有するVL CDR2を含む。別の実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、配列番号6、配列番号20、配列番号63、または配列番号64のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含む。別の実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、配列番号4、配列番号13、または配列番号62のアミノ酸配列を有するVL CDR1および配列番号5、配列番号14、または配列番号65のアミノ酸配列を有するVL CDR2を含む。IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体の別の実施形態では、配列番号4、配列番号13、または配列番号62のアミノ酸配列を有するVL CDR1および配列番号6、配列番号20、配列番号63、または配列番号64のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含む。別の実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、配列番号5、配列番号14、または配列番号65のアミノ酸配列を有するVL CDR2および配列番号6、配列番号20、配列番号63、または配列番号64のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含む。別の実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、その抗体の一部である配列番号4、配列番号13、または配列番号62のアミノ酸配列を有するVL CDR1、配列番号5、配列番号14、または配列番号65のアミノ酸配列を有するVL CDR2、および配列番号6、配列番号20、配列番号63、または配列番号64のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含む。
本発明は、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体の製剤であって、前記抗体が、本明細書に開示したVLドメインまたは他のVLドメイン(例えば、2002年4月12日に米国特許出願第10/412,703号として出願され、米国特許公開第2003/0219439号A1として公開された特許に開示されているVLドメイン。その全体を参照により本明細書に組み込む)と組み合わせて本明細書に開示したVHドメインを含む抗体製剤を提供する。本発明はまた、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体であって、本明細書に開示したVHドメインまたは他のVHドメイン(例えば、2002年4月12日に米国特許出願第10/412,703号として出願され、米国特許公開第2003/0219439号A1として公開された特許に開示されているVHドメイン)と組み合わせて本明細書に開示したVLドメインを含む抗体も提供する。
本発明は、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体の製剤であって、前記抗体が、上表1に挙げたVH CDR、および2002年4月12日に米国特許出願第10/412,703号として出願され、米国特許公開第2003/0219439号A1として公開された特許に開示されているVL CDRを含む(または代わりに、それらからなる)抗体製剤を提供する。本発明はまた、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体であって、上表1に挙げたVL CDR、および2002年4月12日に米国特許出願第10/412,703号として出願され、米国特許公開第2003/0219439号A1として公開された特許に開示されているVH CDRを含む(または代わりに、それらからなる)抗体も提供する。本発明はさらに、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体であって、本明細書に記載し、2002年4月12日に米国特許出願第10/412,703号として出願され、米国特許公開第2003/0219439号A1として公開された特許に開示されているVH CDRとVL CDRの組合せを含む抗体を提供する。
本発明は、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体の製剤であって、前記抗体が、上表1に挙げたVH CDRを一個以上と、VL CDRを一個以上含む抗体製剤を提供する。特に、本発明は、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体であって、VH CDR1とVL CDR1;VH CDR1とVL CDR2;VH CDR1とVL CDR3;VH CDR2とVL CDR1;VH CDR2とVL CDR2;VH CDR2とVL CDR3;VH CDR3とVH CDR1;VH CDR3とVL CDR2;VH CDR3とVL CDR3;VH1CDR1、VH CDR2、およびVL CDR1;VH CDR1、VH CDR2、およびVL CDR2;VH CDR1、VH CDR2、およびVL CDR3;VH CDR2、VH CDR3、およびVL CDR1、VH CDR2、VH CDR3およびVL CDR2;VH CDR2、VH CDR2、およびVL CDR3;VH CDR1、VL CDR1、およびVL CDR2;VH CDR1、VL CDR1、およびVL CDR3;VH CDR2、VL CDR1、およびVL CDR2;VH CDR2、VL CDR1、およびVL CDR3;VH CDR3、VL CDR1、およびVL CDR2;VH CDR3、VL CDR1、およびVL CDR3;VH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、およびVL CDR1;VH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、およびVL CDR2;VH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、およびVL CDR3;VH CDR1、VH CDR2、VL CDR1、およびVL CDR2;VH CDR1、VH CDR2、VL CDR1、およびVL CDR3;VH CDR1、VH CDR3、VL CDR1、およびVL CDR2;VH CDR1、VH CDR3、VL CDR1、およびVL CDR3;VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、およびVL CDR2;VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、およびVL CDR3;VH CDR2、VH CDR3、VL CDR2、およびVL CDR3;VH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、およびVL CDR2;VH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、およびVL CDR3;VH CDR1、VH CDR2、VL CDR1、VL CDR2、およびVL CDR3;VH CDR1、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、およびVL CDR3;VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、およびVL CDR3;ならびに上表1に挙げたVH CDRおよびVL CDRのそのいかなる組合せも含む(または代わりに、それらからなる)抗体を提供する。
一実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、配列番号1、配列番号11、配列番号19、または配列番号26のアミノ酸配列を有するVH CDR1、および配列番号4、配列番号13、または配列番号62のアミノ酸配列を有するVL CDR1を含む。別の実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、配列番号1、配列番号11、配列番号19、または配列番号26のアミノ酸配列を有するVH CDR1、および配列番号5、配列番号14、または配列番号65のアミノ酸配列を有するVL CDR2を含む。別の実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、配列番号1、配列番号11、配列番号19、または配列番号26のアミノ酸配列を有するVH CDR1、および配列番号6、配列番号20、配列番号63、または配列番号64のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含む。
一実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、配列番号1、配列番号11、配列番号19、または配列番号26のアミノ酸配列を有するVH CDR1、および配列番号4、配列番号13、または配列番号62のアミノ酸配列を有するVL CDR1を含む。別の実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、配列番号1、配列番号11、配列番号19、または配列番号26のアミノ酸配列を有するVH CDR1、および配列番号5、配列番号14、または配列番号65のアミノ酸配列を有するVL CDR2を含む。別の実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、配列番号1、配列番号11、配列番号19、または配列番号26のアミノ酸配列を有するVH CDR1、および配列番号6、配列番号20、配列番号63、または配列番号64のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含む。
一実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、配列番号3または配列番号12のアミノ酸配列を有するVH CDR3、および配列番号4、配列番号13、または配列番号62のアミノ酸配列を有するVL CDR1を含む。別の実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、配列番号3または配列番号12のアミノ酸配列を有するVH CDR3、および配列番号5、配列番号14、または配列番号65のアミノ酸配列を有するVL CDR2を含む。別の実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、配列番号3または配列番号12のアミノ酸配列を有するVH CDR3、および配列番号6、配列番号20、配列番号3、または配列番号64のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含む。
本発明は、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体の製剤であって、前記抗体が、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する、本明細書に記載したVHドメイン、VH CDR、VLドメイン、またはVL CDRの誘導体を含む抗体製剤を提供する。当業者に公知の標準的技術、例えば、アミノ酸置換をもたらす部位特異的変異誘発およびPCR媒介変異誘発を含む技術を使用して、本発明の抗体をコードするヌクレオチド配列に変異(例えば、欠失、付加、および/または置換)を導入することができる。好ましくは、誘導体は、元の分子と比べて、25個未満のアミノ酸置換、20個未満のアミノ酸置換、15個未満のアミノ酸置換、10個未満のアミノ酸置換、5個未満のアミノ酸置換、4個未満のアミノ酸置換、3個未満のアミノ酸置換、または2個未満のアミノ酸置換を含む。一実施形態では、保存性アミノ酸置換を有する誘導体は、一個以上の予想される非必須アミノ酸残基(すなわち、抗体がIL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合するのに不可欠ではないアミノ酸残基)で作成される。「保存性アミノ酸置換」は、アミノ酸残基が、類似の電荷を持つ側鎖を有するアミノ酸残基で置換されているような置換である。類似の電荷を持つ側鎖を有するアミノ酸残基ファミリーは、当技術分野で定義されている。これらのファミリーには、塩基性側鎖を有するアミノ酸(例えば、リジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、無電荷極性側鎖(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、チロシン、システイン)、非極性側鎖(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、β分枝側鎖(例えば、トレオニン、バリン、イソロイシン)および芳香族側鎖(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)が含まれる。あるいは、飽和変異誘発などによって、コード配列の全てまたは一部に沿って変異を無作為に導入することができ、および活性を保持する変異体を同定するために、得られた変異体を生物活性に関してスクリーニングすることができる。変異誘発に続いて、コードされた抗体を発現させ、その抗体の活性を定量することができる。
具体的実施形態では、本発明は、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体の製剤であって、前記抗体が、その可変軽鎖(VL)ドメインおよび/または可変重鎖(VH)ドメインに一個以上のアミノ酸残基の置換を有する4D4、4D4 H2−1 D11、4D4com−XF−9、4D4com−2F9、7F3、71A10、7F3 22D3、7F3com−2H2、7F3com−3H5、または7F3com−3D4のアミノ酸配列を含む抗体の製剤を提供する。本発明はまた、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体であって、一個以上のVL CDRおよび/または一個以上のVH CDR中に、一個以上のアミノ酸残基の置換を有する4D4、4D4 H2−1 D11、4D4com−XF−9、4D4com−2F9、7F3、71A10、7F3 22D3、7F3com−2H2、7F3com−3H5、または7F3com−3D4アミノ酸配列を含む抗体を準備する。本発明はまた、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体であって、一個以上のVHフレームワークおよび/または一個以上のVLフレームワーク中に、一個以上のアミノ酸残基の置換を有する4D4、4D4 H2−1 D11、4D4com−XF−9、4D4com−2F9、7F3、71A10、7F3 22D3、7F3com−2H2、7F3com−3H5、もしくは7F3com−3D4アミノ酸配列、またはそのVHおよび/もしくはVLドメインを含む抗体も準備する。4D4、4D4 H2−1 D11、4D4com−XF−9、4D4com−2F9、7F3、71A10、7F3 22D3、7F3com−2H2、7F3com−3H5、または7F3com−3D4のVHドメイン、VH CDR、VLドメインVL CDR、および/またはフレームワーク中に置換を導入することによって生じた抗体は、例えば、IL−9ポリペプチドに結合する能力、またはIL−9が媒介する細胞増殖を阻害し、もしくは低減する能力、または自己免疫疾患、炎症性疾患、増殖性疾患もしくは呼吸器感染症、またはそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理する能力について、インビトロおよび/またはインビボで試験することができる。
一実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、4D4、4D4 H2−1 D11、4D4com−XF−9、4D4com−2F9、7F3、71A10、7F3 22D3、7F3com−2H2、7F3com−3H5、もしくは7F3com−3D4、またはその抗原結合フラグメントをコードするヌクレオチド配列とハイブリダイズするヌクレオチド配列を含み、当該ヌクレオチド配列はストリンジェント条件下、例えば、約45℃の6×塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)中でフィルターに結合させたDNAとハイブリダイゼーション後、約50〜65℃の0.2×SSC/0.1%SDSで一回または複数回の洗浄する条件下で、高ストリンジェント条件下、例えば、約45℃の6×SSC中でフィルターに結合させた核酸とハイブリダイゼーション後、約68℃の0.1×SSC/0.2%SDSで一回または複数回の洗浄する条件下で、あるいは当業者に公知の他のストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズする(例えば、Ausubel, F.M.ら編, 1989, Current Protocols in Molecular Biology, Vol. I, Green Publishing Associates, Inc. and John Wiley & Sons, Inc., New York, pp. 6.3.1-6.3.6 and 2.10.3を参照)。
別の実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、本明細書に記載したストリンジェント条件下で、または当業者に公知の他のストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、4D4、4D4 H2−1 D11、4D4com−XF−9、4D4com−2F9、7F3、71A10、7F3 22D3、7F3com−2H2、7F3com−3H5、または7F3com−3D4のVHまたはVLドメインをコードするヌクレオチド配列とハイブリダイズするヌクレオチド配列によってコードされている、VHドメインのアミノ酸配列またはVLドメインのアミノ酸配列を含む。別の実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、本明細書に記載したストリンジェント条件下で、または当業者に公知の他のストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、4D4、4D4 H2−1 D11、4D4com−XF−9、4D4com−2F9、7F3、71A10、7F3 22D3、7F3com−2H2、7F3com−3H5、または7F3com−3D4のVHおよびVLドメインをコードするヌクレオチド配列とハイブリダイズするヌクレオチド配列によってコードされている、VHドメインのアミノ酸配列およびVLドメインのアミノ酸配列を含む。別の実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、本明細書に記載したストリンジェント条件下で、または当業者に公知の他のストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、上表1に挙げたVH CDRまたはVL CDRのいずれか一個をコードするヌクレオチド配列とハイブリダイズするヌクレオチド配列によってコードされている、VH CDRのアミノ酸配列またはVL CDRのアミノ酸配列を含む。別の実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、本明細書に記載したストリンジェント条件下で、または当業者に公知の他のストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、上表1に挙げたVH CDRのいずれか一個および上表1に挙げたVL CDRのいずれか一個をコードするヌクレオチド配列とハイブリダイズするヌクレオチド配列によってコードされている、VH CDRのアミノ酸配列およびVL CDRのアミノ酸配列を含む。
特定の実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、4D4、4D4 H2−1 D11、4D4com−XF−9、4D4com−2F9、7F3、71A10、7F3 22D3、7F3com−2H2、7F3com−3H5、もしくは7F3com−3D4、またはその抗原結合フラグメントのアミノ酸配列と、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む。別の実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、4D4、4D4 H2−1 D11、4D4com−XF−9、4D4com−2F9、7F3、71A10、7F3 22D3、7F3com−2H2、7F3com−3H5、または7F3com−3D4のVHドメインと少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%同一であるVHドメインのアミノ酸配列を含む。別の実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、4D4、4D4 H2−1 D11、4D4com−XF−9、4D4com−2F9、7F3、71A10、7F3 22D3、7F3com−2H2、7F3com−3H5、または7F3com−3D4のVLドメインと、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%同一であるVLドメインのアミノ酸配列を含む。
別の実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、上表1に挙げたVL CDRのいずれかと少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%同一である一個以上のVL CDRのアミノ酸配列を含む。別の実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、上表1に挙げたVL CDRのいずれか一個と少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%同一である一個以上のVL CDRのアミノ酸配列を含む。
本発明は、IL−9ポリペプチドとの結合について本明細書に記載した抗体と競合する抗体製剤を包含する。特に、本発明は、IL−9ポリペプチドとの結合について、4D4、4D4 H2−1 D11、4D4com−XF−9、4D4com−2F9、7F3、71A10、7F3 22D3、7F3com−2H2、7F3com−3H5、もしくは7F3com−3D4、またはその抗原結合フラグメントと競合する抗体を包含する。特定の実施形態では、本発明は、本明細書に記載した競合アッセイまたは当技術分野で公知の競合アッセイで、4D4、4D4 H2−1 D11、4D4com−XF−9、4D4com−2F9、7F3、71A10、7F3 22D3、7F3com−2H2、7F3com−3H5、または7F3com−3D4と、IL−9ポリペプチドとの結合を、PBSなどの対照と比べて、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、またはそれ以上、または5〜15%、10〜25%、25%〜50%、45〜75%、または75〜99%減少させる抗体を包含する。別の実施形態では、本発明は、ELISA競合アッセイで、4D4、4D4 H2−1 D11、4D4com−XF−9、4D4com−2F9、7F3、71A10、7F3 22D3、7F3com−2H2、7F3com−3H5、または7F3com−3D4と、IL−9ポリペプチドとの結合を、PBSなどの対照と比べて、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、またはそれ以上、または5〜15%、10〜25%、25%〜50%、45〜75%、または75〜99%減少させる抗体製剤を包含する。一実施形態では、ELISA競合アッセイは、以下の方法で実施しうる:10μg/mlの濃度のPBSで組換えIL−9を調製する。ELISA98穴マイクロタイタープレートの各ウェルにこの溶液100μlを加え、4〜8℃で終夜インキュベートする。0.1%Tweenを補充したPBSでELISAプレートを洗浄して過剰な組換えIL−9を除去する。PBSで終濃度1%に調製したウシ血清アルブミン(BSA)100μlを加えることによって、非特異的タンパク質−タンパク質相互作用をブロックする。室温で1時間後、ELISAプレートを洗浄する。未標識の競合抗体は、1μg/ml〜0.01μg/mlの範囲の濃度のブロッキング液で調製する。対照ウェルには、ブロッキング液のみ、または1μg/ml〜0.01μg/mlの範囲の濃度の対照抗体を含める。西洋ワサビペルオキシダーゼで標識した試験抗体(例えば、7F3com−2H2)を1μg/mlの固定終濃度の競合抗体希釈物に加える。三つ組のELISAウェルに、試験および競合抗体混合物100μlを加え、プレートを室温で1時間インキュベートする。残留している未結合抗体を洗い流す。結合している試験抗体は、西洋ワサビペルオキシダーゼ基質100μlを各ウェルに加えることにより検出する。プレートを室温で30分間インキュベートし、自動プレートリーダーを使用し吸光度を読み取る。三つ組ウェルの平均を算出する。試験抗体と十分に競合する抗体では、対照ウェルと比較して測定吸光度が減少する。別の好ましい実施形態では、本発明は、ELISA競合アッセイ(上記)で、7F3com−2H2とIL−9ポリペプチドとの結合を、PBSなどの対照と比べて、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、またはそれ以上、または5〜15%、10〜25%、25%〜50%、45〜75%、または75〜99%減少させる抗体を包含する。
別の実施形態では、本発明は、本明細書に記載し、または当業者に公知の競合アッセで、4D4、4D4 H2−1 D11、4D4com−XF−9、4D4com−2F9、7F3、71A10、7F3 22D3、7F3com−2H2、7F3com−3H5、または7F3com−3D4の抗原結合フラグメント(例えば、VHドメイン、VH CDR、VLドメイン、またはVL CDR)を含む(あるいは、それらからなる)抗体と、IL−9ポリペプチドとの結合を、PBSなどの対照と比べて、少なくとも2%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、またはそれ以上、または5〜15%、10〜25%、25%〜50%、45〜75%、または75〜99%減少させる抗体製剤を包含する。別の実施形態では、本発明は、ELISA競合アッセイで、4D4、4D4 H2−1 D11、4D4com−XF−9、4D4com−2F9、7F3、71A10、7F3 22D3、7F3com−2H2、7F3com−3H5、または7F3com−3D4の抗原結合フラグメント(例えば、VHドメイン、VLドメイン、VH CDR、またはVL CDR)を含む(あるいは、それらからなる)抗体と、IL−9ポリペプチドとの結合を、PBSなどの対照と比べて、少なくとも2%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、またはそれ以上、または5%〜15%、10%〜25%、25%〜50%、45%〜75%、または75%〜99%を減少させる抗体を包含する。一実施形態では、本発明は、ELISA競合アッセイで、7F3com−2H2の抗原結合フラグメントを含む(あるいは、それらからなる)抗体とIL−9ポリペプチドとの結合を、PBSなどの対照と比べて、少なくとも2%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、またはそれ以上、または5〜15%、10〜25%、25%〜50%、45〜75%、または75〜99%減少させる抗体を包含する。
本発明は、IL−9ポリペプチドとの結合について、4D4、4D4 H2−1 D11、4D4com−XF−9、4D4com−2F9、7F3、71A10、7F3 22D3、7F3com−2H2、7F3com−3H5、または7F3com−3D4のVHドメインと競合するVHドメインを含む(あるいは、それらからなる)ポリペプチドまたはタンパク質の製剤を包含する。本発明はまた、IL−9ポリペプチドとの結合について、4D4、4D4 H2−1 D11、4D4com−XF−9、4D4com−2F9、7F3、71A10、7F3 22D3、7F3com−2H2、7F3com−3H5、または7F3com−3D4のVLドメインと競合するVLドメインを含む(あるいは、それらからなる)ポリペプチドまたはタンパク質の製剤を包含する。
本発明は、IL−9ポリペプチドとの結合について、上表1に挙げたVH CDRと競合するVH CDRを含む(あるいは、それらからなる)ポリペプチドまたはタンパク質の製剤を包含する。本発明はまた、IL−9ポリペプチドとの結合について、上表1に挙げたVL CDRと競合するVL CDRを含む(あるいは、それらからなる)ポリペプチドまたはタンパク質を包含する。
IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体には、改変された誘導体、すなわち、共有結合のような、任意のタイプの分子とその抗体との共有結合により改変された誘導体が含まれる。例えば、限定するわけではないが、抗体誘導体には、例えば、糖鎖形成、アセチル化、PEG化、リン酸化、アミド化、公知の保護基/ブロック基による誘導体化、タンパク質分解切断、細胞リガンドまたは他のタンパク質との連結などによって改変された抗体が含まれる。それだけには限らないが、特異的化学的切断、アセチル化、ホルミル化、ツニカマイシンの代謝合成などを含む公知の技術によって、多くの化学的修飾のいずれかの修飾を実施してよい。加えて、誘導体は、従来のものではない一個以上のアミノ酸を含みうる。
本発明はまた、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体の製剤であって、前記抗体が、当業者に公知のフレームワーク領域(例えば、ヒトまたは非ヒトフレームワーク)を含む抗体の製剤も提供する。フレームワーク領域は、天然のフレームワーク領域またはコンセンサスフレームワーク領域であってよい。本発明の抗体のフラグメント領域はヒトのものであってよい(例えば、Chothiaら, 1998, J. Mol. Biol. 278:457-479 for a listing of human framework regionsを参照。その全体を参照により本明細書に組み込む)。
本発明は、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体の製剤であって、前記抗体が、そのフレームワーク領域中に変異(例えば、一個以上のアミノ酸置換)を有する、4D4、4D4 H2−1 D11、4D4com−XF−9、4D4com−2F9、7F3、71A10、7F3 22D3、7F3com−2H2、7F3com−3H5、または7F3com−3D4のアミノ酸配列を含む製剤を包含する。ある実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、そのVHおよび/またはVLドメインのフレームワーク領域中に、一個以上のアミノ酸残基の置換を有する、4D4、4D4 H2−1 D11、4D4com−XF−9、4D4com−2F9、7F3、71A10、7F3 22D3、7F3com−2H2、7F3com−3H5、または7F3com−3D4のアミノ酸配列を含む。フレームワーク領域中のアミノ酸置換によって、抗体とIL−9ポリペプチドとの結合が改善されうる。
特定の実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体の製剤は、4D4、4D4 H2−1 D11、4D4com−XF−9、4D4com−2F9、7F3、71A10、7F3 22D3、7F3com−2H2、7F3com−3H5、または7F3com−3D4のCDRの一個以上のアミノ酸配列、QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKAS(配列番号33)またはQVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKAS(配列番号37)のアミノ酸配列を含むVHフレームワーク領域1、WVRQAPGQGLEWMG(配列番号34)のアミノ酸配列を含むVHフレームワーク領域2、RVTMTRDTSTSTVYMELSSLRSEDTAVYYCAR(配列番号35)またはRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCAR(配列番号38)のアミノ酸配列を含むVHフレームワーク領域3領域、およびWGQGTLVTVSS(配列番号36)のアミノ酸配列を含むVHフレームワーク領域4を含む。別の実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、4D4、4D4 H2−1 D11、4D4com−XF−9、4D4com−2F9、7F3、71A10、7F3 22D3、7F3com−2H2、7F3com−3H5、または7F3com−3D4のCDRの一個以上のアミノ酸配列、DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITC(配列番号39)のアミノ酸配列を有するVLフレームワーク領域1、WYQQKPGKAPKLLIY(配列番号40)のアミノ酸配列を有するVLフレームワーク領域2、GVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYC(配列番号41)のアミノ酸配列を有するVLフレームワーク領域3領域、およびFGGGTKVEIK(配列番号42)のアミノ酸配列を有するVLフレームワーク領域4領域を含む。さらに別の実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、4D4、4D4 H2−1 D11、4D4com−XF−9、4D4com−2F9、7F3、71A10、7F3 22D3、7F3com−2H2、7F3com−3H5、または7F3com−3D4のCDRの一個以上のアミノ酸配列、配列番号33または配列番号37のアミノ酸配列を含むVHフレームワーク領域1、配列番号34のアミノ酸配列を含むVHフレームワーク領域2、配列番号35または配列番号38のアミノ酸配列を含むVHフレームワーク領域3、配列番号36のアミノ酸配列を含むVHフレームワーク領域4、配列番号39のアミノ酸配列を有するVLフレームワーク領域1、配列番号40のアミノ酸配列を有するVLフレームワーク領域2、配列番号41のアミノ酸配列を有するVLフレームワーク領域3、および配列番号42のアミノ酸配列を有するVLフレームワーク領域4を含む。
本発明はまた、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体の製剤であって、前記抗体が、その可変領域およびフレームワーク領域中に変異(例えば、一個以上のアミノ酸残基の置換)を有する4D4、4D4 H2−1 D11、4D4com−XF−9、4D4com−2F9、7F3、71A10、7F3 22D3、7F3com−2H2、7F3com−3H5、または7F3com−3D4のアミノ酸配列を含む抗体の製剤を包含する。その可変領域およびフレームワーク領域中のアミノ酸置換によって、抗体とIL−9ポリペプチドとの結合が改善されうる。
本発明はまた、当業者に公知の定常領域を含む本発明の抗体製剤も提供する。本発明の抗体またはそのフラグメントの定常領域は、ヒトのものであってよい。
本発明は、活性化したT細胞または肥満細胞など、免疫細胞によって発現されるIL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体の製剤を包含する。本発明はまた、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合し、T細胞、B細胞、肥満細胞、好中球、および/または好酸球の活性または機能を調節する抗体を包含する。本発明は、さらに、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体で、かつ対象の組織、関節、もしくは器官中への炎症性細胞の浸潤を阻害し、または低減し、かつ/または上皮細胞過形成を阻害し、または低減する抗体を包含する。
本発明は、環境の中で見出せるIL−9ポリペプチド、すなわち、IL−9Rまたはそのサブユニットと結合していないIL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体の製剤を包含する。本発明はまた、溶解性IL−9Rαサブユニットに結合しているIL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体を包含する。本発明は、さらに、細胞膜結合IL−9Rまたはそのサブユニットと結合しているIL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体を包含する。
一実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、本明細書に記載し、または当業者に公知のインビボおよび/またはインビトロアッセイ(例えば、ELISAなどのイムノアッセイ)で、PBSまたはIgG対照抗体などの対照に比べて、IL−9ポリペプチドと、IL−9Rまたはそのサブユニットとの間の相互作用を約25%、約30%、約35%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、または約98%阻害し、かつ/または低減する。別の実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、本明細書に記載し、または当業者に公知のインビボおよび/またはインビトロアッセイ(例えば、ELISAなどのイムノアッセイ)で、PBSまたはIgG対照抗体などの対照に比べて、IL−9ポリペプチドと、IL−9Rまたはそのサブユニットとの間の相互作用を阻害しない。別の実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、例えば、ELISAなどのイムノアッセイを使用し、PBSまたはIgG対照抗体などの対照に比べて、IL−9ポリペプチドとIL−9Rとの間の相互作用を20%未満、15%未満、10%未満、または5%未満阻害する。
一実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、本明細書に記載し、または当業者に公知のインビボおよび/またはインビトロアッセイ(例えば、ヒトIL−9Rを発現するIL−9依存性マウスT細胞系などのIL−9依存性細胞系を使用する細胞増殖アッセイ)で、リン酸緩衝食塩水(「PBS」)またはIgG対照抗体などの対照に比べて、IL−9ポリペプチドと、IL−9Rまたは一個以上のそのサブユニットとの間の相互作用を少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%阻害し、または低減する。別の実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、本明細書に記載し、または当業者に公知のインビボおよび/またはインビトロアッセイ(例えば、ヒトIL−9Rを発現するIL−9依存性マウスT細胞系などのIL−9依存性細胞系を使用する細胞増殖アッセイ)で、PBSまたはIgG対照抗体などの対照に比べて、IL−9ポリペプチドと、IL−9Rまたは一個以上のそのサブユニットとの間の相互作用を阻害しない。別の実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、本明細書に記載し、または当業者に公知のインビボおよび/またはインビトロアッセイ(例えば、ヒトIL−9Rを発現するIL−9依存性マウスT細胞系などのIL−9依存性細胞系を使用する細胞増殖アッセイ)で、PBSまたはIgG対照抗体などの対照に比べて、IL−9ポリペプチドと、IL−9Rまたは一個以上のそのサブユニットとの間の相互作用を20%未満、15%未満、10%未満、または5%未満阻害する。
本発明は、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体であって、かつ本明細書に記載し、または当業者に公知のインビボおよび/またはインビトロアッセイで、PBSまたはIgG対照抗体などの対照に比べて、サイトカインの発現および/または放出を誘発も、または低減もしない抗体の製剤を包含する。一実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体であって、PBSまたはIgG対照抗体などの対照を投与した対象の血清中のサイトカイン、例えば、IFN−γ、IL−2、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−10、IL−12、IL−15、およびIL−23などの濃度と比べて、そのような抗体を投与した対象の血清中のそのようなサイトカインの濃度の上昇を誘発しない抗体。別の実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、本明細書に記載し、または当業者に公知のインビトロおよび/またはインビボアッセイで、PBSまたはIgG対照抗体などの対照に比べて、サイトカインの発現および/または放出を誘発する。特定の実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、PBSまたはIgG対照抗体などの対照を投与した対象の血清中のサイトカイン、例えば、IFN−γ、IL−2、IL−12、およびIL−15などの濃度と比べて、そのような抗体を投与した対象の血清中のそのようなサイトカインの濃度の上昇を誘発する。別の特定の実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、PBSまたはIgG対照抗体などの対照を投与した対象の血清中の、IFN−γなどのTh1細胞によって産生されるサイトカインおよびIL−12の濃度と比べて、そのような抗体を投与した対象で、そのようなサイトカインの濃度の上昇を誘発する。別の特定の実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、PBSまたはIgG対照抗体などの対照を投与した対象の血清中のサイトカイン、例えば、IL−4、IL−5、IL−10、IL−13、およびIL−23などの濃度と比べて、そのような抗体を投与した対象の血清中のそのようなサイトカインの濃度の減少を誘発する。別の特定の実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、PBSまたはIgG対照抗体などの対照を投与した対象の血清中の、肥満細胞によって産生されるサイトカイン、例えばTNF−α、IL−4、およびIL−13の濃度と比べて、そのような抗体を投与した対象の血清中のそのようなサイトカインの濃度の減少を誘発する。さらに別の特定の実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、PBSまたはIgG対照抗体などの対照を投与した対象の血清中の、Th2細胞によって産生されるサイトカイン、例えばIL−4、IL−5、IL−13、およびIL−10の濃度と比べて、そのような抗体を投与した対象の血清中のそのようなサイトカインの濃度の減少を誘発する。サイトカインの血清濃度は、当業者に公知の任意の技術、例えば、ELISAまたはウエスタンブロットアッセイなどによって測定することができる。
一実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、本明細書に記載し、または当業者に公知のインビボおよび/またはインビトロアッセイ(例えば、トリパンブルーアッセイまたは3H−チミジンアッセイ)で、PBSまたはIgG対照抗体などの対照に比べて、炎症性細胞(例えば、肥満細胞、T細胞、B細胞、マクロファージ、好中球、好塩基球、および/または好酸球)の増殖を少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%低減し、かつ/または阻害する。別の実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、本明細書に記載し、または当業者に公知のインビボおよび/またはインビトロアッセイで、PBSまたはIgG対照抗体などの対照に比べて、上気道および/または下気道への炎症性細胞の浸潤を少なくとも少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%を低減し、かつ/または阻害する。さらに別の実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、本明細書に記載し、または当技術分野で公知インビボおよび/またはインビトロアッセイで、PBSまたはIgG対照抗体などの対照に比べて、上気道および/または気道への炎症性細胞の浸潤を少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%を低減し、かつ/または阻害し、かつ本明細書に記載し、または当業者に公知のインビボおよび/またはインビトロアッセイ(例えば、トリパンブルーアッセイまたは3H−チミジンアッセイ)で、PBSまたはIgG対照抗体などの対照に比べて、炎症性細胞の増殖を少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%低減し、かつ/または阻害する。
ある実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、本明細書に記載し、または当業者に公知のインビボおよび/またはインビトロアッセイ(肥満細胞の脱顆粒アッセイの例については、例えばWindmiller and Backer, 2003, J. Biol. Chem. 278:11874-78を参照)で、PBSまたはIgG対照抗体などの対照に比べて、肥満細胞の脱顆粒を少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%低減する。他の実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、本明細書に記載し、または当業者に公知のインビボおよび/またはインビトロアッセイで、PBSまたはIgG対照抗体などの対照に比べて、肥満細胞の活性化を少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%阻害し、かつ/または低減する。他の実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、本明細書に記載し、または当業者に公知のインビボおよび/またはインビトロアッセイで、PBSまたはIgG対照抗体などの対照に比べて、肥満細胞の活性化および/または脱顆粒の生成物の発現および/または放出を少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%阻害し、かつ/または低減する。
特定の実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、本明細書に記載し、または当業者に公知のインビボおよび/またはインビトロアッセイで、PBSまたは対照IgG抗体などの対照に比べて、キマーゼおよびトリプターゼなどの肥満細胞プロテアーゼの発現、活性、血清濃度、および/または放出を少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%阻害し、かつ/または低減する。一実施形態では、肥満細胞の活性は、10ng/mlのIL−9の存在下で、一次肥満細胞または肥満細胞系をインビトロ培養することによって測定しうる。上清中のプロテアーゼ(例えば、キマーゼおよびトリプターゼ)ならびにロイコトリエンのベースラインレベルは、市販のELISAキットによって定量する。プロテアーゼまたはロイコトリエンレベルを調節する抗体の能力は、IL−9−反応性抗体または対照抗体を1μg/mlの濃度で直接培地に加えることによって評価する。プロテアーゼおよびロイコトリエンレベルは、24および36時の時間点で評価する。別の特定の実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、本明細書に記載し、または当業者に公知のインビボおよび/またはインビトロアッセイで、PBSまたは対照IgG抗体などの対照に比べて、肥満細胞ロイコトリエン、例えばC4、D4、およびE4の発現、活性、血清濃度、および/または放出を少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%阻害し、かつ/または低減する。別の特定の実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、本明細書に記載し、または当業者に公知のインビボおよび/またはインビトロアッセイ(例えば、ELISAまたはウエスタンブロットアッセイ)で、PBSまたは対照IgG抗体などの対照に比べて、肥満細胞サイトカイン、例えばTNF−α、IL−4、およびIL−13の発現、活性、血清濃度、および/または放出を少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%阻害し、かつ/または低減する。
他の実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、本明細書に記載し、または当技術分野で公知のインビボおよび/またはインビトロアッセイで、PBSまたは対照IgG抗体などの対照に比べて、肥満細胞の浸潤を少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%阻害し、かつ/または低減する。他の実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、本明細書に記載し、または当業者に公知のインビボおよび/またはインビトロアッセイ(例えば、トリパンブルーアッセイ、FACS、または3Hチミジンアッセイ)で、PBSまたは対照IgG抗体などの対照に比べて、肥満細胞の増殖を少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%阻害し、かつ/または低減する。さらに別の実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、本明細書に記載し、または当技術分野で公知のインビトロおよび/またはインビボアッセイで、PBSまたは対照IgG抗体などの対照に比べて、肥満細胞の浸潤を少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%阻害し、かつ/または低減し、かつ本明細書に記載し、または当業者に公知のインビボおよび/またはインビトロアッセイ(例えば、トリパンブルーアッセイ、FACS、または3Hチミジンアッセイ)で、PBSまたは対照IgG抗体などの対照に比べて、肥満細胞の増殖を少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%阻害し、かつ/または低減する。一実施形態では、肥満細胞の浸潤の低減は、卵白アルブミンで動物を感作することによってインビボで測定しうる。手短に言えば、1日目および21日目に、アルミニウムアジュバントと複合体を形成した卵白アルブミン100μgを皮下投与する。3週間の感作手順を通して、動物に5〜7日毎にIL−9反応性抗体または対照抗体を10mg/kg用量で投与する。29、30および31日目に、PBSで調製した1μg/ml溶液100μlをエアロゾル送達によって、または代わりに鼻腔内(intrasal)滴下することによって、アジュバントなしの卵白アルブミンに動物を曝露する。31日目、最後の卵白アルブミンチャレンジから6時間後、動物を安楽死させ、肺組織をホルマリンで灌流固定する。肥満細胞の浸潤は、肺上皮組織切片中、1フィールド当たりの肥満細胞をカウントすることによって組織学的に評価する。この実験デザインを使用し、(例えば、)異染性顆粒が存在するかどうかを評価することによって、かつ/または分化依存性細胞表面マーカー(FcepsilonRIなど)を使用し免疫組織化学によって、肥満細胞前駆体を肺上皮中の肥満細胞から区別しうる。
他の実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、本明細書に記載し、または当技術分野で公知のインビボおよび/またはインビトロアッセイで、PBSまたは対照IgG抗体などの対照に比べて、上気道および/または下気道中への肥満細胞前駆体の浸潤を少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%阻害し、かつ/または低減する。他の実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、本明細書に記載し、または当業者に公知のインビボおよび/またはインビトロアッセイ(例えば、トリパンブルーアッセイ、FACS、または3Hチミジンアッセイ)で、PBSまたは対照IgG抗体などの対照に比べて、肥満細胞前駆体の増殖を少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%阻害し、かつ/または低減する。さらに別の実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、本明細書に記載し、または当技術分野で公知インビボおよび/またはインビトロアッセイで、PBSまたは対照IgG抗体などの対照に比べて、上気道および/または下気道中への肥満細胞前駆体の浸潤を少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%阻害し、かつ/または低減し、かつ本明細書に記載し、または当業者に公知のインビボおよび/またはインビトロアッセイ(例えば、トリパンブルーアッセイ、FACS、または3Hチミジンアッセイ)で、PBSまたは対照IgG抗体などの対照に比べて、肥満細胞前駆体の増殖を少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%阻害し、かつ/または低減する。一実施形態では、肥満細胞前駆体の浸潤は、上記肥満細胞浸潤アッセイによりインビボで測定しうる。
ある実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、T細胞、特にTh2細胞のアポトーシスの増大を誘発することによって、末梢血T細胞の枯渇を媒介する。一実施形態では、Th2Tリンパ球枯渇は、卵白アルブミンで動物を感作することによってインビボで測定しうる。手短に言えば、1日目および21日目に、アルミニウムアジュバントと複合体を形成した卵白アルブミン100μgを皮下投与する。3週間の感作手順を通して、動物に5〜7日毎にIL−9反応性抗体または対照抗体を10mg/kg用量で投与する。28日目に、動物に、アジュバントなしの卵白アルブミンタンパク質の追加免疫100μgを静脈内投与する。静脈内追加免疫2日後、動物を安楽死させる。脾細胞を回収し、フローサイトメトリーによって分析する。IL−4に対する細胞質染色によって同定可能な脾臓Th2Tリンパ球は、対照抗体レシピエントと比較して、IL−9中和抗体を与えた動物で減少するであろう。別の実施形態では、本明細書に記載し、または当業者に公知のインビボおよび/またはインビトロアッセイ(例えば、FACS)で、PBSまたは対照IgG抗体などの対照に比べて、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、Th1およびTh2の分化を少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%媒介し、阻害し、かつ/または低減する。ある実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、当業者に公知のインビボおよび/またはインビトロアッセイで、PBSまたは対照IgG抗体などの対照に比べて、上気道および/または下気道中へのT細胞の浸潤、特にTh2細胞の浸潤を少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%阻害し、かつ/または低減する。他の実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、本明細書に記載し、または当業者に公知のインビボおよび/またはインビトロアッセイ(例えば、トリパンブルーアッセイ、FACS、または3Hチミジンアッセイ)で、PBSまたは対照IgG抗体などの対照に比べて、T細胞の増殖を少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%阻害し、かつ/または低減する。さらに別の実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、上気道および/または下気道中へのT細胞の浸潤、特にTh2細胞の浸潤を少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%阻害し、かつ/または低減し、本明細書に記載し、または当業者に公知のインビボおよび/またはインビトロアッセイで、PBSまたは対照IgG抗体などの対照に比べて、T細胞の増殖、特にTh2細胞増殖を少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%阻害し、かつ/または低減し、かつ/またはT細胞のアポトーシスを増大する。
ある実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、当業者に公知のインビボおよび/またはインビトロアッセイで、PBSまたは対照IgG抗体などの対照に比べて、マクロファージの浸潤を少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%を低減する。一実施形態では、卵白アルブミンで動物を感作することによってマクロファージの浸潤の低減をインビボで測定しうる。手短に言えば、1日目および21日目に、アルミニウムアジュバントと複合体を形成した卵白アルブミン100μgを皮下投与する。3週間の感作手順を通して、動物に5〜7日毎にIL−9反応性抗体または対照抗体を10mg/kg用量で投与する。29、30および31日目に、PBSで調製した1μg/ml溶液100μlをエアロゾル送達によって、または代わりに鼻腔内滴下することによって、アジュバントなしの卵白アルブミンに動物を曝露する。31日目、最後の卵白アルブミンチャレンジから6時間後、動物を安楽死させ、肺組織をホルマリンで灌流固定する。マクロファージの浸潤は、肺組織切片中の1フィールド当たりのCD14陽性細胞をカウントすることによる免疫細胞化学よって評価する。他の実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、本明細書に記載し、または当業者に公知のインビボおよび/またはインビトロアッセイ(例えば、トリパンブルーアッセイ、FACS、または3Hチミジンアッセイ)で、PBSまたは対照IgG抗体などの対照に比べて、マクロファージの増殖を少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%阻害し、かつ/または低減する。さらに別の実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、本明細書に記載し、または当業者に公知のインビボおよび/またはインビトロアッセイで、PBSまたは対照IgG抗体などの対照に比べて、マクロファージの浸潤を少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%阻害し、かつ/または低減し、そして本明細書に記載し、または当業者に公知のインビボおよび/またはインビトロアッセイで、PBSまたは対照IgG抗体などの対照に比べて、マクロファージの増殖を少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%阻害し、かつ/または低減する。
ある実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、本明細書に記載し、または当業者に公知のインビボおよび/またはインビトロアッセイで、PBSまたは対照IgG抗体などの対照に比べて、B細胞の浸潤を少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%を低減する。一実施形態では、Bリンパ球浸潤の低減は、卵白アルブミンに対して動物を全身的に感作することによってインビボで測定しうる。手短に言えば、1日目および21日目に、アルミニウムアジュバントと複合体を形成した卵白アルブミン100μgを皮下投与する。3週間の感作手順を通して、動物に5〜7日毎にIL−9反応性抗体または対照抗体を10mg/kg用量で投与する。29、30および31日目に、PBSで調製した1μg/ml溶液100μlをエアロゾル送達によって、または代わりに鼻腔内滴下することによって、アジュバントなしの卵白アルブミンに動物を曝露する。31日目、最後の卵白アルブミンチャレンジから6時間後、動物を安楽死させ、肺組織をホルマリンで灌流固定する。Bリンパ球浸潤は、肺組織切片中の1フィールド当たりのCD19陽性細胞をカウントすることによる免疫細胞化学によって評価する。他の実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、本明細書に記載し、または当業者に公知のインビボおよび/またはインビトロアッセイ(例えば、トリパンブルーアッセイ、FACS、または3Hチミジンアッセイ)で、PBSまたは対照IgG抗体などの対照に比べて、B細胞増殖を少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%阻害し、かつ/または低減する。さらに別の実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、本明細書に記載し、または当業者に公知のインビボおよび/またはインビトロアッセイで、PBSまたは対照IgG抗体などの対照に比べて、B細胞の浸潤を少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%阻害し、かつ/または低減し、そして本明細書に記載し、または当業者に公知のインビボおよび/またはインビトロアッセイで、PBSまたは対照IgG抗体などの対照に比べて、B細胞増殖を少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%阻害し、かつ/または低減する。
ある実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、本明細書に記載し、または当業者に公知のインビボおよび/またはインビトロアッセイ(例えば、Liら, 2000, Am. J. Respir. Cell Mol. Biol. 25:644-51を参照)で、PBSまたは対照IgG抗体などの対照に比べて、上気道および/または下気道中への好酸球の浸潤を少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%低減する。他の実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、本明細書に記載し(第5.6節を参照)、または当業者に公知のインビボおよび/またはインビトロアッセイ(例えば、トリパンブルーアッセイ、FACS、または3Hチミジンアッセイ)で、PBSまたは対照IgG抗体などの対照に比べて、好酸球の増殖を少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%阻害し、かつ/または低減する。さらに別の実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、本明細書に記載し、または当業者に公知のインビボおよび/またはインビトロアッセイで、PBSまたは対照IgG抗体などの対照に比べて、好酸球の浸潤を少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%阻害し、かつ/または低減し、そして本明細書に記載し、または当業者に公知のインビボおよび/またはインビトロアッセイで、PBSまたは対照IgG抗体などの対照に比べて、好酸球の増殖を少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%阻害し、かつ/または低減する。
他の実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、本明細書に記載し、または当業者に公知のインビボおよび/またはインビトロアッセイで、PBSまたは対照IgG抗体などの対照に比べて、好中球の浸潤を少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%を低減する。他の実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、本明細書に記載し、または当業者に公知のインビボおよび/またはインビトロアッセイ(例えば、トリパンブルーアッセイ、FACS、または3Hチミジンアッセイ)で、PBSまたは対照IgG抗体などの対照に比べて、好中球の増殖を少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%阻害し、かつ/または低減する。さらに別の実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、本明細書に記載し、または当業者に公知のインビボおよび/またはインビトロアッセイで、PBSまたは対照IgG抗体などの対照に比べて、好中球の浸潤を少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%阻害し、かつ/または低減し、そして本明細書に記載し、または当業者に公知のインビボおよび/またはインビトロアッセイで、PBSまたは対照IgG抗体などの対照に比べて、好中球の増殖を少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%阻害し、かつ/または低減する。
一実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、それだけには限らないが、炎症性細胞の動員、上皮過形成、上皮細胞のムチン産生、ならびに肥満細胞の活性化、脱顆粒、増殖、および/または浸潤を含むIL−9が媒介する生物学的作用を中和し、または阻害する。
特定の実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、IgEの発現、機能、および/または活性と拮抗するタンパク質剤(例えば、ペプチド、ポリペプチド、またはタンパク質(抗体を含む))および/または非タンパク質剤と相乗的に作用して、本明細書に記載し、または当業者に公知のインビボおよび/またはインビトロアッセイで、PBSまたは対照IgG抗体などの対照に比べて、肥満細胞の活性化、脱顆粒、増殖、および/または浸潤を少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%を低減し、または阻害する。
別の実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、肥満細胞プロテアーゼの発現、機能、および/または活性と拮抗するタンパク質剤(例えば、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質(抗体を含む))および/または非タンパク質剤と相乗的に作用して、本明細書に記載し、または当業者に公知のインビボおよび/またはインビトロアッセイで、PBSまたは対照IgG抗体などの対照に比べて、肥満細胞の活性化、脱顆粒、増殖、および/または浸潤を少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%低減し、または阻害する。
別の実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、幹細胞因子の発現、機能、および/または活性と拮抗するタンパク質剤(例えば、ペプチド、ポリペプチド、およびタンパク質(抗体を含む))または非タンパク質剤と相乗的に作用して、本明細書に記載し、または当業者に公知のインビボおよび/またはインビトロアッセイで、PBSまたは対照IgG抗体などの対照に比べて、肥満細胞の活性化、脱顆粒、増殖、および/または浸潤を少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%低減し、または阻害する。一実施形態では、一次肥満細胞または肥満細胞系は、1ng/ml IL−9と1ng/ml幹細胞因子を足したものの存在下で、インビトロ培養する。上清中のプロテアーゼ(例えば、キマーゼおよびトリプターゼ)ならびにロイコトリエンのベースラインレベルは、市販のELISAキットによって定量する。プロテアーゼまたはロイコトリエンレベルを調節する抗体の能力は、IL−9反応性抗体または対照抗体を直接培地に1μg/mlの濃度で加えることによって評価する。プロテアーゼおよびロイコトリエンレベルは、24および36時の時間点で評価する。
IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する本発明の抗体製剤は、単一特異性、二重特異性、三重特異性またはそれ以上の多重特異性であってよい。多重特異的抗体は、IL−9ポリペプチドの異なるエピトープに特異的であってよく、あるいはIL−9ポリペプチド、および異種ポリペプチドまたは固相担体材などの異種エピトープに特異的であってよい。例えば、国際公開第93/17715号、同第92/08802号、同第91/00360号、および同第92/05793号;Tuttら, J. Immunol. 147:60-69(1991);米国特許第4,474,893号、同第4,714,681号、同第4,925,648号、同第5,573,920号、および同第5,601,819号;およびKostelnyら, J. Immunol. 148:1547-1553 (1992)を参照されたい。
本発明は、IL−9ポリペプチドに対して高結合親和性を有する抗体を提供する。特定の実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体の結合速度定数、すなわち、k
on速度[抗体(Ab)+抗原(Ag)
Ab−Ag]は、少なくとも105M−1s−1、少なくとも1.5×105M−1s−1、少なくとも2×105M−1s−1、少なくとも2.5×105M−1s−1、少なくとも5×105M−1s−1、少なくとも106M−1s−1、少なくとも5×106M−1s−1、少なくとも107M−1s−1、少なくとも5×107M−1s−1、または少なくとも108M−1s−1、あるいは105〜108M−1s−1、1.5×105M−1s−1〜1×107M−1s−1、2×105〜1×106M−1s−1、または4.5×105×107M−1s−1である。一実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体のkonは、バイアコアアッセイによって定量したとき、少なくとも2×105M−1s−1、少なくとも2.5×105M−1s−1、少なくとも5×105M−1s−1、少なくとも106M−1s−1、少なくとも5×106M−1s−1、少なくとも107M−1s−1、少なくとも5×107M−1s−1、または少なくとも108M−1s−1であり、抗体は、本明細書に記載するようなマイクロ中和試験アッセイでヒトIL−9を中和する。一実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体のkonは、バイアコアアッセイによって定量したとき、せいぜい108M−1s−1、せいぜい109M−1s−1、せいぜい1010M−1s−1、せいぜい1011M−1s−1、またはせいぜい1012M−1s−1であり、抗体は、本明細書に記載するようなマイクロ中和試験アッセイでヒトIL−9を中和する。これらの実施形態によれば、そのような抗体は、4D4、4D4 H2−1 D11、4D4com−XF−9、4D4com−2F9、7F3、71A10、7F3 22D3、7F3com−2H2、7F3com−3H5、または7F3com−3D4のVHドメインおよび/またはVLドメイン、あるいは4D4、4D4 H2−1 D11、4D4com−XF−9、4D4com−2F9、7F3、71A10、7F3 22D3、7F3com−2H2、7F3com−3H5、または7F3com−3D4のVH CDRおよび/またはVL CDRを含みうる。
別の実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体のk
off速度(抗体(Ab)+抗原(Ag)
Ab−Ag)は、10−3s−1未満、5×10−3s−1未満、10−4s−1未満、2×10−4s−1未満、5×10−4s−1未満、10−5s−1未満、5×10−5s−1未満、10−6s−1未満、5×10−6s−1未満、10−7s−1未満、5×10−7s−1未満、10−8s−1未満、5×10−8s−1未満、10−9s−1未満、5×10−9s−1未満、または10−10s−1未満、あるいは10−3〜10−10s−1、10−4〜10−8s−1、または10−5〜10−8s−1である。一実施形態では、バイアコアアッセイによって定量したとき、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体のkoffは、10−5s−1、5×10−5s−1未満、10−6s−1未満、5×10−6s−1未満、10−7s−1未満、5×10−7s−1未満、10−8s−1未満、5×10−8s−1未満、10−9s−1未満、5×10−9s−1未満、または10−10s−1未満であり、抗体は、本明細書に記載するようなマイクロ中和試験アッセイで、ヒトIL−9を中和する。別の好ましい実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体のkoffは、10−13s−1超、10−12s−1超、10−11s−1超、10−10s−1超、10−9s−1超、または10−8s−1超である。これらの実施形態によれば、そのような抗体は、4D4、4D4 H2−1 D11、4D4com−XF−9、4D4com−2F9、7F3、71A10、7F3 22D3、7F3com−2H2、7F3com−3H5、または7F3com−3D4のVHドメインおよび/またはVLドメイン、あるいは4D4、4D4 H2−1 D11、4D4com−XF−9、4D4com−2F9、7F3、71A10、7F3 22D3、7F3com−2H2、7F3com−3H5、または7F3com−3D4のVH CDRおよび/またはVL CDRを含みうる。
別の実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体の親和定数、すなわちKa(kon/koff)は、少なくとも102M−1、少なくとも5×102M−1、少なくとも103M−1、少なくとも5×103M−1、少なくとも104M−1、少なくとも5×104M−1、少なくとも105M−1、少なくとも5×105M−1、少なくとも106M−1、少なくとも5×106M−1、少なくとも107M−1、少なくとも5×107M−1、少なくとも108M−1、少なくとも5×108M−1、少なくとも109M−1、少なくとも5×109M−1、少なくとも1010M−1、少なくとも5×1010M−1、少なくとも1011M−1、少なくとも5×1011M−1、少なくとも1012M−1、少なくとも5×1012M−1、少なくとも1013M−1、少なくとも5×1013M−1、少なくとも1014M−1、少なくとも5×1014M−1、少なくとも1015M−1、または少なくとも5×1015M−1、あるいは102〜5×105M−1、104〜1×1010M−1、または105〜1×108M−1である。別の実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体のKaは、せいぜい1011M−1、せいぜい5×1011M−1、せいぜい1012M−1、せいぜい5×1012M−1、せいぜい1013M−1、せいぜい5×1013M−1、せいぜい1014M−1、またはせいぜい5×1014M−1である。別の実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体の解離定数、すなわち、Kd(koff/kon)は、10−5M未満、5×10−5M未満、10−6M未満、5×10−6M未満、10−7M未満、5×10−7M未満、10−8M未満、5×10−8M未満、10−9M未満、5×10−9M未満、10−10M未満、5×10−10M未満、10−11M未満、5×10−11M未満、10−12M未満、5×10−12M未満、10−13M未満、5×10−13M未満、10−14M未満、5×10−14M未満、l0−15M未満、または5×10−15M未満、あるいは10−2M〜5×10−5M、10−6〜10−15M、または10−8〜10−14Mである。一実施形態では、バイアコアアッセイによって定量したとき、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する
抗体のKdは10−9M未満、5×10−9M未満、10−10M未満、5×10−10M未満、1×10−11M未満、5×10−11M未満、1×10−12M未満、5×10−12M未満、10−13M未満、5×10−13M未満または1×10−14M未満、あるいは10−9M〜10−14Mであり、抗体は、本明細書に記載するようなマイクロ中和試験アッセイでヒトIL−9を中和する。別の好ましい実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体のKdは、10−9M超、5×10−9M超、10−10M超、5×10−10M超、10−11M超、5×10−11M超、10−12M超、5×10−12M超、6×10−12M超、10−13M超、5×10−13M超、10−14M超、5×10−14M超、あるいは10−9M〜10−14M超である。これらの実施形態によれば、そのような抗体は、4D4、4D4 H2−1 D11、4D4com−XF−9、4D4com−2F9、7F3、71A10、7F3 22D3、7F3com−2H2、7F3com−3H5、または7F3com−3D4のVHドメインおよび/またはVLドメイン、あるいは4D4、4D4 H2−1 D11、4D4com−XF−9、4D4com−2F9、7F3、71A10、7F3 22D3、7F3com−2H2、7F3com−3H5、または7F3com−3D4のVH CDRおよび/またはVL CDRを含みうる。
ある実施形態では、本発明の抗体製剤は、当技術分野で公知の、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体を含まない。公知の、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体の非限定的な例には、4D4、4D4 H2−1 D11、4D4com−XF−9、4D4com−2F9、7F3、71A10、7F3 22D3、7F3com−2H2、7F3com−3H5、または7F3com−3D4が含まれる。
具体的実施形態では、本発明の抗体製剤は、IL−9の抗原性エピトープを有するペプチドおよびポリペプチドと結合し、前記抗原性エピトープを有するペプチドおよびポリペプチドは、任意の種に見出されるIL−9の少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50個の近接アミノ酸残基、または約15〜約30個の近接アミノ酸配列を含むか、それらからなる。免疫原性または抗原性エピトープを含むポリペプチドは、少なくとも8、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、または少なくとも35アミノ酸残基長である。
IL−9のエピトープを有するペプチド、ポリペプチド、およびそのフラグメントは、従来の任意の手段によって生成しうる。例えば、Houghten, R. A. (1985)「General method for the rapid solid-phase synthesis of large numbers of peptides: specificity of antigen-antibody interaction at the level of individual amino acids(多数のペプチドを迅速固相合成するための一般的方法:個々のアミノ酸のレベルでの抗原−抗体相互作用の特異性)」,Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82:5 13 1-5 135;この「Simultaneous Multiple. Peptide Synthesis (SMPS)」の方法は、さらに、Houghtenらへの米国特許第4,631,211号(1986)に記載されている。
本発明は、本明細書に記載した抗体の一個以上の可変または超可変領域を含むペプチド、ポリペプチド、および/またはタンパク質の製剤を提供する。本発明の抗体の一個以上の可変または超可変領域を含むペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質は、異種アミノ酸配列をさらに含む。ある実施形態では、そのような異種アミノ酸配列は、少なくとも5個の近接アミノ酸残基、少なくとも10個の近接アミノ酸残基、少なくとも15個の近接アミノ酸残基、少なくとも20個の近接アミノ酸残基、少なくとも25個の近接アミノ酸残基、少なくとも30個の近接アミノ酸残基、少なくとも40個の近接アミノ酸残基、少なくとも50個の近接アミノ酸残基、少なくとも75個の近接アミノ酸残基、少なくとも100個の近接アミノ酸残基、またはそれ以上の近接アミノ酸残基を含みうる。そのようなペプチド、ポリペプチド、および/またはタンパク質は融合タンパク質と呼んでよい。
特定の実施形態では、本発明の抗体の一個以上の可変または超可変領域を含むペプチド、ポリペプチド、またはタンパク質の製剤は、10アミノ酸残基、15アミノ酸残基、20アミノ酸残基、25アミノ酸残基、30アミノ酸残基、35アミノ酸残基、40アミノ酸残基、45アミノ酸残基、50アミノ酸残基、75アミノ酸残基、100アミノ酸残基、125アミノ酸残基、150アミノ酸残基、またはそれ以上アミノ酸残基長である。ある実施形態では、本発明の抗体の一個以上の可変または超可変領域を含むペプチド、ポリペプチド、またはタンパク質は、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する。他の実施形態では、本発明の抗体の一個以上の可変または超可変領域を含むペプチド、ポリペプチド、またはタンパク質は、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合しない。
特定の実施形態では、本発明は、本明細書に記載した抗体の一個のVHドメインおよび/またはVLドメイン(上表1を参照)を含むペプチド、ポリペプチド、および/またはタンパク質の製剤を提供する。一実施形態では、本発明は、上表1に挙げたCDRのいずれかのアミノ酸配列を含む一個以上のCDRを含むペプチド、ポリペプチド、および/またはタンパク質を提供する。これらの実施形態によれば、それらのペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質は、異種アミノ酸配列をさらに含みうる。
一個以上の可変または超可変領域を含むペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質は、例えば、抗イディオタイプ抗体の産生に有用であり、この抗体は、次いで疾患または疾病(例えば、自己免疫疾患、炎症性疾患、増殖性疾患、または感染(例えば、呼吸器感染症))に伴う一種以上の症状を予防し、治療し、かつ/または管理するために使用しうる。産生した抗イディオタイプ抗体はまた、抗イディオタイプ抗体の産生で使用されるペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質に含まれる可変または超可変領域を含む抗体を検出するために、例えばELISAなどのイムノアッセイに使用することができる。
5.1.1.2. RSV抗原と免疫特異的に結合する抗体
本発明の製剤は、RSV抗原と免疫特異的に結合する単離抗体を含む。その抗体は、モノクローナル抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体またはキメラ抗体でありうる。ある実施形態では、抗RSV抗原抗体はパリビズマブである。パリビズマブは、目下、小児患者でRSV感染の予防に使用されているヒト化モノクローナル抗体である。本発明は、一種以上のRSV抗原と免疫特異的に結合する抗体の製剤を提供する。本発明に有用な抗体は、RSV株に関わらず、一種以上のRSV抗原と免疫特異的に結合しうる。本発明はまた、RSVの一つの株に由来するRSV抗原に対して、別のあるRSV株よりも、差次的または優先的に結合する抗体も提供する。一実施形態では、本製剤は、RSV F糖タンパク質、G糖タンパク質、またはSHタンパク質と免疫特異的に結合する抗体を含む。別の実施形態では、本製剤は、RSV F糖タンパク質と免疫特異的に結合する抗体を含む。別の実施形態では、本製剤は、RSV F糖タンパク質のA、B、またはC抗原部位と結合する抗体を含む。本発明の方法を使用し製剤化することができる他のRSV抗体はまた、2006年6月23日出願の米国出願第11/473,537号、名称「Antibody Formulations Having Optimized Aggregation and Fragmentation Profiles(最適凝集および断片化プロフィールを有する抗体製剤)」に開示されている。それについては、その全体を参照により本明細書に組み込む。
5.1.1.3.ヒトメタニューモウイルス(hMPV)と免疫特異的に結合する抗体
本発明の製剤は、ヒトメタニューモウイルス(hMPV)の抗原と特異的に結合する単離抗体、およびこの抗体を含む組成物を含みうる。「抗hMPV抗原抗体」という用語は、hMPV抗原と免疫特異的に結合する抗体またはその抗体フラグメントをさす。hMPV抗原は、hMPVポリペプチドまたはそのフラグメントをさし、例えば、hMPV核タンパク質、hMPVリンタンパク質、hMPVマトリックスタンパク質、hMPV小型疎水性タンパク質、hMPV RNA依存性hMPVポリメラーゼ、hMPV Fタンパク質、およびhMPV Gタンパク質のフラグメントをさす。hMPV抗原は、hMPVポリペプチドまたはそのフラグメント、例えば、hMPV核タンパク質、hMPVリンタンパク質、hMPVマトリックスタンパク質、hMPV小型疎水性タンパク質、hMPV RNA依存性hMPVポリメラーゼ、hMPV Fタンパク質、およびhMPV Gタンパク質のフラグメントと比べると、類似するアミノ酸配列を有するポリペプチドもさす。
本発明で使用される抗hMPV抗原抗体は、モノクローナル抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、またはキメラ抗体でありうる。いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗hMPV抗体は、2003年7月25日に米国特許出願第10/628,088号として出願され、2004年5月20日、米国特許公開第2004/0096451号A1として公開された特許に開示されている抗体である。
この節の抗hMPV抗原抗体は、2003年7月25日に米国特許出願第10/628,088号として出願され、2004年5月20日、米国特許公開第2004/0096451号A1として公開された特許に記載されているように作製し、製剤化し、投与し、治療的に使用し、または予防的に使用することができる。その内容について、それらの全体をこれにより参照により組み込む。
5.1.1.4. インテグリンα v β 3 と免疫特異的に結合する抗体
本発明の製剤は、インテグリンαvβ3と特異的に結合する単離抗体、およびこの抗体を含む組成物を含みうる。その抗体は、モノクローナル抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、またはキメラ抗体でありうる。いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗インテグリンαvβ3抗体は、MEDI−522[ビタキシン(登録商標)]である。ビタキシン(登録商標)、およびビタキシン(登録商標)を含む組成物または製剤は、例えば、国際公開第98/33919号、同第00/78815号、および同第02/070007号;2002年3月4日に米国特許出願第10/091,236号として出願され、2002年11月12日、米国特許公開第2002/0168360号として公開された特許に開示されている。その各々について、その全体を参照により本明細書に組み込む。
別の実施形態では、インテグリンαvβ3と免疫特異的に結合する抗体は、ビタキシン(登録商標)、またはビタキシン(登録商標)の抗原結合フラグメントではない。インテグリンαVβ3と免疫特異的に結合する既知の抗体の例には、それだけには限らないが、11D2(Searle)、マウスモノクローナルLM609(Scripps、国際公開第89/05155号および米国特許第5,753,230号。その全体を参照により本明細書に組み込む。国際公開第98/33919号および同第00/78815号。その各々について、その全体を参照により本明細書に組み込む)、17661−37Eおよび17661−37E1−5(USBiological)、MON2032および2033(CalTag)、ab7166(BV3)およびab7167(BV4)(Abcam)、およびWOW−1(Kiossesら、Nature Cell Biology, 3:316-320)が含まれる。
αvβ3インテグリンは、多くの固形腫瘍の新しい血管および表面、活性化したマクロファージ、単球、および破骨細胞に見出された。そのようなものとして、この節の抗インテグリンαvβ3抗体は、例えば、調査抗体として使用し、または数種の破壊的疾患の予防もしくは治療で使用することができる。
この節の抗インテグリンαvβ3抗体は、以下の特許に記載されているように作製し、製剤化し、投与し、治療的に使用し、または予防的に使用することができる:2002年3月4日に米国特許出願第10/091,236号として出願され、2002年11月12日、米国特許公開第2002/0168360号A1として公開された特許;2004年1月30日に米国特許出願第10/769,712号として出願され、米国特許公開第2004/0208870号として公開された特許;2004年1月30日に米国特許出願第10/769,720号として出願され、2004年9月9日、米国特許公開第2004/0176272号として公開された特許;2003年3月4日出願の米国特許出願第10/379,145号、そして米国特許公開第2005/0084489号として公開された特許;2003年3月4日に米国特許出願第10/379,189号として出願され、米国特許公開第2004/0001835号として公開された特許;2004年1月30日出願のPCT出願PCT/US04/02701;Huseらによる国際出願公開第00/78815号、名称「Anti- αvβ3 recombinant human antibodies, nucleic acids encoding same and methods(抗αvβ3組換えヒト抗体、それををコードする核酸、および方法)」;およびHuseらによる国際出願公開第98/33919号、名称「Anti-alpha-V-veta-3 recombinant humanized antibodies, nucleic acids encoding same and methods of use(抗α−V−veta−3組換えヒト化抗体、それをコードする核酸、および使用法)」;国際公開第89/05155号。その内容について、それらの全体をこれにより参照により組み込む。
5.1.1.5. CD2と免疫特異的に結合する抗体
本発明の製剤は、CD2と免疫特異的に結合する単離抗体、およびこの抗体を含む組成物を含みうる。その抗体は、モノクローナル抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、またはキメラ抗体でありうる。いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗CD2抗体はシプリズマブ(MEDI−507)である。シプリズマブは、CD2抗原を発現している細胞(具体的には、T細胞、ナチュラルキラー細胞、および胸腺細胞)に選択的に結合することができ、例えば、T細胞リンパ腫または他の関連状態の予防および治療に使用することができる。MEDI−507は、例えば、国際公開第99/03502号、国際出願PCT/US02/22273およびPCT/US02/06761、および米国特許第6,849,258号、米国特許第2003/0068320号として公開された米国特許出願第10/091,268号、および米国特許公開第2003/0044406号として公開された米国特許出願第10/091,313号に開示されており、その各々について、その全体を参照により本明細書に組み込む。MEDI−507は、ヒトCD2ポリペプチドと免疫特異的に結合するヒト化IgG1κクラスモノクローナル抗体である。MEDI−507は、ラットモノクローナル抗体LO−CD2a/BTI−322から得たCDRをヒトIgG1フレームワーク中に挿入する分子技術を使用して構築された。LO−CD2a/BTI−322は、例えば、米国特許第5,730,979号、同第5,817,311号、および同第5,951,983号;および米国特許出願第09/056,072号および米国特許第6,849,258号(その各々について、その全体を参照により本明細書に組み込む)に開示されているアミノ酸配列、または寄託番号HB11423として1993年7月28日に米国菌培養収集所(ATCC(登録商標))、10801 University Boulevard, Manassas, Virginia 20110 2209在に寄託された細胞系によって生成されたモノクローナル抗体のアミノ酸配列を有する。
この節の抗CD2抗体は、製造し、製剤化し、投与し、治療的もしくは予防的に使用することができ、または他の場面では、2002年3月4日に米国特許出願第10/091,268号として出願され、2003年4月15日、米国特許公開第2003/0068320号として公開された特許;2002年3月4日に米国特許出願第10/091,313号として出願され、2003年3月6日、米国特許公開第2003/0044406号として公開された特許;および2003年9月5日に米国特許出願第10/657,006号として出願され、2004年12月30日、米国特許公開第2004/0265315号として公開された特許に記載されている通りである。それらの内容について、それらの全体をこれにより参照により組み込む。
5.1.1.6. CD19と免疫特異的に結合する抗体
本発明の製剤は、CD19と免疫特異的に結合する単離抗体およびこの抗体を含む組成物を含みうる。その抗体は、モノクローナル抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、またはキメラ抗体でありうる。いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗CD19抗体はMT−103である。MT−103は、二重特異性T細胞結びつけ(Bi-Specific T Cell Engagers:BiTE(商標))と呼ぶ新規なクラスの抗体誘導体の最先端をゆく臨床的代表である。BiTE化合物MT−103は、癌細胞に対する患者の自身の免疫系を標的とし活性化して、T細胞(非常に強力な白血球のタイプ)を刺激し、B腫瘍細胞(癌性白血球)を破壊する。MT−103は、癌性B細胞上には存在するが、他のタイプの血液細胞または健康な組織上には存在しない、特定のタンパク質(CD19抗原)を特異的に標的にし、それによって従来の化学療法の副作用を回避する。
この節の抗CD19抗体は、製造し、製剤化し、投与し、治療的もしくは予防的に使用することができ、または他の場面については米国特許第6,723,538号、および米国特許公開第2004/0162411号に記載されている通りである。
ヒトCD19分子は、ヒトB細胞の表面に発現する構造的に明瞭な細胞表面受容体である。本発明は、ヒトCD19抗原に結合する治療抗体を使用し、GVHD、体液性拒絶反応、およびヒト対象における移植後リンパ球増殖性疾患;自己免疫疾患および疾病;ならびに癌を予防し治療する免疫治療組成物および方法に関する。
HB12aおよびHB12b抗CD19抗体を産生するハイブリドーマは、ATCC寄託番号PTA−6580およびPTA−6581で寄託されている。また、米国特許出願番号が付与され(代理人整理番号:11605−006−999)、2006年2月15日に出願された米国特許出願第11/355,905号も参照されたい。その各々について、その全体を参照により本明細書に組み込む。
5.1.1.7. EphA2と免疫特異的に結合する抗体
本発明の製剤は、EphA2と免疫特異的に結合する単離抗体およびこの抗体を含む組成物を含みうる。本発明の抗体は、モノクローナル抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、またはキメラ抗体でありうる。いくつかの実施形態では、本発明の抗EphA2抗体はEA2である。いくつかの好ましい実施形態では、EA2抗体は、ヒトまたはヒト化抗体である。他の実施形態では、それはEA5である。いくつかの好ましい実施形態では、EA5抗体はヒトまたはヒト化抗体である。本発明の抗EphA2抗体を産生するハイブリドーマは、特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関するブダペスト条約の条項により米国菌培養収集所(ATCC、郵便番号1549、Manassas, VA 20108)に寄託され、寄託番号が割り当てられており、表2に示すようにこれを参照により組み込む。
EphA2は、成体上皮中に発現する130kDaの受容体チロシンキナーゼであり、そこではEphA2は低レベルで見られ、かつ細胞−細胞接着部位内に濃縮されている(Zantekら, Cell Growth & Differentiation 10:629, 1999;Lindbergら, Molecular & Cellular Biology 10: 6316, 1990)。EphA2は、多数の攻撃的癌腫細胞でアップレギュレートされる。本発明の抗EphA2抗体は、例えば、乳癌、結腸癌、前立腺癌、肺癌、および皮膚癌を含む様々な腫瘍の治療に、ならびに転移の予防に使用することができる。
この節の抗EphA2抗体は、以下の特許に記載されているように作製し、製剤化し、投与し、治療的に使用し、または予防的に使用することができる:2004年4月12日に米国特許出願第10/823,259号として出願され、2005年3月3日、米国特許公開第2005/0049176号として公開された特許;2004年4月12日に米国特許出願第10/823,254号として出願され、2005年3月17日、米国特許公開第2005/0059592号として公開された特許;2003年5月12日に米国特許出願第10/436,782号として出願され、2004年2月12日、米国特許公開第2004/0028685号として公開された特許;2003年5月12日に米国特許出願第10/436,783号として出願され、2004年5月13日、米国特許公開第2004/0091486号として公開された特許;2004年12月3日に米国特許出願第11/004,794号として出願され、2005年7月14日、米国特許公開第2005/0153923号として公開された特許;2004年11月19日に米国特許出願第10/994,129号として出願され、2005年7月14日、米国特許公開第2005/0152899号として公開された特許;2004年12月3日に米国特許出願第11/004,795号として出願され、2005年7月7日、米国特許公開第2005/0147593号として公開された特許;および2004年10月27日に出願された米国仮出願第60/662,517号、同第60/622,711号、同第60/622,489号。それらの内容について、それらの全体をこれにより参照により組み込む。
5.1.1.8. EphA4と免疫特異的に結合する抗体
本発明の製剤は、EphA4抗原と免疫特異的に結合する単離抗体、およびこの抗体を含む組成物を含みうる。本発明の抗体は、モノクローナル抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、またはキメラ抗体でありうる。本発明の方法に関連して使用される抗EphA4抗体を産生するハイブリドーマは、特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関するブダペスト条約の条項により、2004年6月4日に米国菌培養収集所(ATCC、郵便番号1549)(ATCC、郵便番号1549、Manassas, VA 20108)に寄託され、寄託番号PTA−6044を割り当てられており、参照により組み込む。
EphA4は、脳、心臓、肺、筋肉、腎臓、胎盤、膵臓(Foxら, Oncogene 10:897, 1995)およびメラニン細胞(Eastyら, Int. J. Cancer 71:1061, 1997)で発現される受容体チロシンキナーゼである。EphA4は、いくつかの癌で過剰に発現される。この節の抗EphA4抗体は、例えば、膵癌などの治療でEphA4の発現を減少させるために使用することができる。
この節の抗EphA4抗体は、以下の特許に記載されているように作製し、製剤化し、投与し、治療的に使用し、または予防的に使用することができる:2004年6月7日に米国特許出願第10/863,729号として出願され、2005年1月20日、米国特許公開第2005/0013819号として公開された特許;2004年12月3日に米国特許出願第11/004,794号として出願され、2005年7月14日、米国特許公開第2005/0153923号として公開された特許;2004年12月3日に米国特許出願第11/004,794号および同第11/004,795号として出願され、2005年7月7日、米国特許公開第2005/0147593号として公開された特許。その内容について、それらの全体をこれにより参照により組み込む。
5.1.1.9. HMG1と免疫特異的に結合する抗体
本発明の製剤は、HMG1と免疫特異的に結合する抗体、およびこの抗体を含む組成物を含むことができる。本発明の抗体は、モノクローナル抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、またはキメラ抗体でありうる。
初期炎症誘発性サイトカイン(例えば、TNF、IL−1など)は、炎症を媒介し、高移動度タンパク質1(HMG1)(HMG−1、HMG1、およびHMGB1としても知られる)の後期放出を誘発するが、この高移動度タンパク質1は、血清中に蓄積し、かつ遅発型致死遺伝子症(delayed lethality)および初期炎症誘発性サイトカインのさらなる誘発を媒介するタンパク質である。
HMG1分子のアセチル化を必要とする工程で、刺激を受けたマクロファージまたは単球によって、HMG1が、活発に分泌されうることが分かっているが、そのアセチル化によって、核から分泌性リソソームへの転座が可能になり、結果としてHMG1のアセチル化形が分泌される。PCT/IB2003/005718を参照されたい。従って、壊死細胞から受動的に放出されたHMG1、および炎症性細胞によって活発に分泌されるHMGB1は分子的に異なる。
さらに、HMG1は、内毒素血症では、遅発型致死遺伝子症のサイトカインメディエーターとして関与してきた。例えば、米国特許第6,468,533号および同第6,448,223号を参照されたい。より詳細には、細菌性エンドトキシン(リポ多糖(LPS))は、単球/マクロファージを活性化して、活性化に対する後期応答としてHMG1を放出し、その結果、有害である血清HMG1レベルが上昇することが判明している。HMG1に対する抗体は、初期サイトカイン応答後まで抗体の投与が遅れても、エンドトキシンによる死亡を防止することが示されている。他の炎症誘発性サイトカインのように、HMG1は、単球の強力なアクチベーターである。HMG1の気管内適用は、急性肺障害を引き起こすが、抗HMG1抗体はエンドトキシン誘発肺水腫に対して保護する。さらに、血清HMG1レベルは、重篤な敗血症または出血性ショック患者で高く、レベルは生存者と比較して非生存者で著しく高い。
この節の抗HMG1抗体は、以下の特許に記載されているように作製し、製剤化し、投与し、治療的に使用し、または予防的に使用することができる:2005年10月21日出願の米国特許公開第2006−0099207号、その全体を参照により本明細書に組み込む。その全体を参照により本明細書に組み込む、2005年10月21日出願の米国特許公開第2006−0099207号に記載した通り、3個のクローン、S6、S16、およびG4は、米国菌培養収集所(10801 University Boulevard, Manassas, Va. 20110-2209)に寄託され、ATCC寄託番号PTA−6143(2004年8月4日に寄託)、PTA−6259(2004年10月19日に寄託)およびPTA−6258(2004年10月19日に寄託)が割り当てられている(本明細書では、それぞれ「S6」、「S16」、および「G4」ともいう)。
5.1.1.10. ALKと免疫特異的に結合する抗体
本発明の製剤は、ALKと免疫特異的に結合する抗体、およびこの抗体を含む組成物を含むことができる。本発明の抗体は、モノクローナル抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、またはキメラ抗体でありうる。
ALKに対するモノクローナル抗体、ならびにALKモノクローナル抗体8B10、16G2−3、および9C10−5を産生するハイブリドーマ細胞系統[米国菌培養収集所 (10801 University Boulevard, Manassas, Va. 20110-2209)に寄託され、それぞれにATCC寄託番号が割り当てられている]については、2001年6月14日に米国特許出願第09/880,097号として出願され、2002年3月21日、米国特許公開第2002/0034768号として公開された特許に記載されており、その全体を参照により本明細書に組み込む。
プレイオトロフィン(Pleiotrophin:PTN)は、血管新生での役割を含め、多様な機能を有する136アミノ酸の分泌されたヘパリン結合サイトカインである。PTNは、未分化リンパ腫キナーゼ(Anaplastic Lymphoma Kinase:ALK)である受容体チロシンキナーゼと特異的に結合することが分かっており、そのような結合によって受容体が自動的リン酸化され、続いていくつかのシグナル伝達分子、例えば、IRS−1、PLC−γ、PI3キナーゼ、およびShcがリン酸化され、細胞生存経路が活性化される。PCT特許出願公開第01/96364号を参照されたい。従って、ALKが媒介するシグナル伝達経路を調節する薬剤および治療処置は、血管新生などを含む一または複数のALKが調節する機能に影響を与えることができる。ALKは、癌、および不必要または過剰な血管新生に関連する疾患を含む様々な疾患状態に関与する。加えて、ALKは、創傷治癒など、ある種の過程に望ましい方法で関与する。ALKおよび/またはPTNは、様々な腫瘍において高レベルで発現することが多い。従って、ALKおよび/またはPTNの機能をダウンレギュレートする薬剤は、腫瘍細胞に対する直接的効果、腫瘍により召集された血管新生過程に対する間接的効果、または直接的もしくは間接的効果の組合せによって腫瘍に作用しうる。
5.1.1.11. CD20と免疫特異的に結合する抗体
本発明の製剤は、CD20と免疫特異的に結合する抗体、およびこの抗体を含む組成物を含みうる。本発明の抗体は、モノクローナル抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、またはキメラ抗体でありうる。
CD20は、Bリンパ球によってのみ発現される(Stashenkoら, (1980) J Immunol 125:1678-1685;Tedderら, 1988a)。CD20は、ホモまたはヘテロ四量体複合体を形成するが、この複合体は、Bリンパ球で細胞周期の進行およびシグナル伝達を調節するのに機能的に重要である(Tedder and Engel, 1994)。加えて、CD20は、おそらくCa++の透過性カチオンチャンネルの機能性成分として、膜貫通型Ca++の透過性を調節する[Bubienら, J Cell Biol 121:1121-1132;Kanzakiら, (1997a) J Biol Chem 272:14733-14739;Kanzakiら, (1997b) J Biol Chem 272:4964-4969;Kanzakiら, (1995) J Biol Chem 270:13099-13104]。CD20に対する抗体は、非ホジキンリンパ腫の治療に有効である[McLaughlinら, (1998) Oncology 12:1763-1769;Onrustら, (1989) J Biol Chem 264:15323-15327;Weiner (1999) Semin Oncol 26:43-51]。
また、2003年9月30日に米国特許出願第10/433,287号として出願され、2004年7月15日、米国特許第20040137566号としてとして公開された特許を参照されたい。その全体を参照により本明細書に組み込む。
5.1.1.12. CD22と免疫特異的に結合する抗体
本発明の製剤は、CD22と免疫特異的に結合する抗体、およびこの抗体を含む組成物を含むことができる。本発明の抗体は、モノクローナル抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、またはキメラ抗体でありうる。
抗CD22抗体は、例えば、米国特許第5,484,892号、同第6,183,744号、同第6,187,287号、同第6,254,868号、同第6,306,393号、およびTuscanoら, Blood 94(4):1382 92 (1999)に記載されている(その各々のその全体を参照により本明細書に組み込む)。非ホジキンリンパ腫の治療に、抗CD22抗体を含むモノクローナル抗体を使用することは、例えばRennerら, Leukemia 11(Suppl. 2):S5509 (1997)に概説されている。
ヒト化CD22抗体の使用は、自己免疫疾患の治療(Tedder、米国特許出願公開第2003/0202975号を参照)、ならびにリンパ腫および白血病など、B細胞悪性腫瘍の治療について記載されている(Tuscano、米国特許出願公開第2004/0001828号を参照)。CD22上の特定のエピトープを標的とするヒト化CD22抗体は、癌での治療に使用される免疫コンジュゲートで用いることについて記載されている(Leungによる米国特許第5,789,554号および同第6,187,287号を参照)。
本発明の例示的なVHおよびVK抗体領域は、米国菌培養収集所(ATCC)に寄託した。特に、RHOv2と名付けた本発明のヒト化抗CD22 VH配列をコードするプラスミドは、2006年2月9日にATCC寄託番号PTA7372で寄託した。RHOv2ACDと名付けた本発明のヒト化抗CD22 VH配列をコードするプラスミドは、2006年2月9日にATCC寄託番号PTA7373で寄託した。本発明のヒト化抗CD22VK配列をコードするプラスミドRKAは、2006年2月9日にATCC寄託番号PTA7370で寄託した。本発明のヒト化抗CD22VK配列をコードするプラスミドRKCは、2006年2月9日にATCC寄託番号PTA7371で寄託した。
同様に、2006年3月6日出願の米国仮出願番号TBA、代理人整理番号BC320P1を参照されたい。その全体を参照により本明細書に組み込む。
5.1.1.13. キチナーゼと免疫特異的に結合する抗体
本発明の製剤は、キチナーゼと免疫特異的に結合する抗体、およびこの抗体を含む組成物を含むことができる。本発明の抗体は、モノクローナル抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、またはキメラ抗体でありうる。
インビボでキチナーゼ/キチナーゼ様タンパク質をブロックすると、マウスRAモデルで骨および軟骨が保護され、かつ体重減少が低減することが記載されている。これらの結果は、慢性炎症性疾患におけるキチナーゼ/キチナーゼ様タンパク質の役割を支持し、より具体的には、骨代謝および結合組織の疾病および疾患を含むOCL関連疾患における、キチナーゼ/キチナーゼ様タンパク質の役割を支持する。さらに、これらの結果は、OCL関連疾患の予防および治療に対する潜在的治療標的として、ヒトキチナーゼ/キチナーゼ様タンパク質を正当評価する。
同様に、2002年7月23日に米国特許出願第10/202,436号として出願され、2003年3月13日、米国特許第20030049261号として公開された特許を参照されたい。その全体を参照により本明細書に組み込む。
5.1.1.14.インターフェロンαと免疫特異的に結合する抗体
本発明の製剤は、インターフェロンαと免疫特異的に結合する抗体、およびこの抗体を含む組成物を含むことができる。本発明の抗体は、モノクローナル抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、またはキメラ抗体でありうる。
本発明は、対象でのインターフェロンαが媒介する疾患または疾病の治療方法であって、対象でインターフェロン−αが媒介する疾患が治療されるように、本発明の抗IFNα抗体を対象に投与すること含む治療方法を提供する。治療できる疾患の例には、自己免疫疾患(例えば、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、インスリン依存性糖尿病、炎症性腸疾患、乾癬、自己免疫甲状腺炎、リューマチ性関節炎、および糸球体腎炎)、移植拒絶、および移植片対宿主疾患が含まれる。
抗インターフェロンαモノクローナル抗体はまた、2004年12月10日出願の米国特許出願第11/009,410号に記載されている。その全体を参照により本明細書に組み込む。
5.1.1.15.インターフェロンα受容体と免疫特異的に結合する抗体
本発明の製剤は、インターフェロンα受容体と免疫特異的に結合する抗体、およびこの抗体を含む組成物を含むことができる。本発明の抗体は、モノクローナル抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、またはキメラ抗体でありうる。
本発明はまた、インターフェロンα受容体1を発現する細胞で、I型インターフェロンの生物活性を阻害する方法であって、I型インターフェロンの生物活性が阻害されるように、細胞と本発明の抗体とを接触させるステップを含む方法も提供する。本発明はまた、治療を必要とする対象でのI型インターフェロンが媒介する疾患または疾病の治療方法であって、対象でI型インターフェロンが媒介する疾患が治療されるように、本発明の抗体またはその抗原結合部分を対象に投与するステップを含む方法も提供する。I型インターフェロンが媒介する疾患は、例えば、インターフェロンαが媒介する疾患でありうる。
本発明の方法を使用し治療できる疾患または疾病の例には、全身性エリテマトーデス、インスリン依存性糖尿病、炎症性腸疾患、多発性硬化症、乾癬、自己免疫甲状腺炎、リューマチ性関節炎、糸球体腎炎、HIV感染、AIDS、移植拒絶、および移植片対宿主疾患が含まれる。
抗インターフェロン受容体モノクローナル抗体は、2005年6月20日出願、2006年2月9日公開、米国特許公開第2006−0029601号に記載されている。これについては、その全体を参照により本明細書に組み込む。
5.1.1.16.治療上の有用性がある抗体
本発明の製剤は、表3に示す抗体を含むが、それだけには限らない治療上有用性がある抗体を含む。
5.1.1.17.炎症性疾患または自己免疫疾患に使用できる抗体
本発明の製剤は、自己免疫疾患または炎症性疾患の治療および/または予防に、当技術分野で公知の抗体のいずれかをさらに含む。本発明に従って設計できる、炎症性疾患の治療または予防に使用される抗体の非限定的な例を表4Aに示し、自己免疫疾患の治療または予防に使用される抗体の非限定的な例を表4Bに示す。
表4A.本発明に従って使用できる炎症性疾患および自己免疫疾患用抗体。
表4B.本発明に従って使用できる自己免疫疾患用抗体。
5.1.1.18.半減期が延長された抗体
本発明は、インビボ半減期が延長した関心対象抗原(例えば、IL−9ポリペプチド)と免疫特異的に結合する抗体および抗体フラグメントの製剤を提供する。特に、本発明は、動物、好ましくは哺乳動物(例えば、ヒト)で半減期が3日超、7日超、10日超、好ましくは15日超、25日超間、30日超、35日超、40日超、45日超、2ヵ月超、3ヵ月超、4ヵ月超、または5ヵ月超の関心対象抗原(例えば、IL−9ポリペプチド)と免疫特異的に結合する抗体および抗体フラグメントの製剤を提供する。
インビボで抗体(例えば、モノクローナル抗体および一本鎖抗体)または抗体フラグメント(例えば、Fabフラグメント)の血清循環を延長するために、例えば、多機能性リンカーの有無に関わらず、高分子量ポリエチレングリコール(PEG)などの不活性ポリマー分子を抗体(その抗体フラグメントを含む)に取り付けることができ、PEGと抗体のNもしくはC末端との部位特異的コンジュゲーションを通じて、またはリジン残基に存在するイプシロン−アミノ基により取り付けることができる。生物活性の損失を最少にする直鎖または分枝ポリマー誘導体化を利用する。PEG分子と抗体との適切なコンジュゲーションを確実にするために、コンジュゲーションの程度は、SDS−PAGEおよび質量分析により綿密にモニターすることができる。未反応PEGは、サイズ排除またはイオン交換クロマトグラフィーにより、抗体−PEGコンジュゲートから分離することができる。PEGにより誘導体化した抗体(その抗体フラグメントを含む)は、当業者に公知の方法、例えば、本明細書に記載したイムノアッセイによってを使用して、結合活性およびインビボ効力に関して試験することができる。
インビボ半減期が延長した抗体はまた、IgG定常ドメインまたはそのFcRn結合フラグメント(好ましくは、FcまたはヒンジFcドメインフラグメント)中に、一個以上のアミノ酸修飾(すなわち、置換、挿入、または欠失)を導入して生成することができる。例えば、国際公開第98/23289号;国際公開第97/34631号、および米国特許第6,277,375号を参照されたい。その各々について、その全体を参照により本明細書に組み込む。
さらに、抗体(その抗体フラグメントを含む)をインビボでより安定にし、またはインビボ半減期をより長くするために、抗体(その抗体フラグメントを含む)をアルブミンにコンジュゲートさせることができる。その技術は、当技術分野で公知であり、例えば、国際公開第93/15199号、同第93/15200号、および同第01/77137号;および欧州特許第413,622号を参照されたい。それらの全てを参照により本明細書に組み込む。
5.1.1.19.抗体コンジュゲート
本発明は、融合タンパク質を生成するために、異種タンパク質もしくはポリペプチド(または、少なくとも10、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90または少なくとも100アミノ酸のポリペプチドのフラグメント)に、組換えによって融合し、または化学的にコンジュゲートさせた(共有結合性および非共有結合性コンジュゲートを含む)関心対象抗原(例えば、IL−9ポリペプチド)と免疫特異的に結合する抗体(その抗体フラグメントを含む)の製剤を提供する。特に、本発明は、本明細書に記載した抗体の抗原結合フラグメント(例えば、Fabフラグメント、Fdフラグメント、Fvフラグメント、F(ab)2フラグメント、VHドメイン、VH CDR、VLドメイン、またはVL CDR)および異種タンパク質、ポリペプチド、またはペプチドを含む融合タンパク質製剤を提供する。抗体(その抗体フラグメントを含む)が融合しうる異種タンパク質、ポリペプチド、またはペプチドは、呼吸上皮細胞、肥満細胞、好中球、好酸球、B細胞、マクロファージ、または活性化したT細胞を抗体の標的とするのに有用である。例えば、特定の細胞型(例えば、呼吸上皮細胞、肥満細胞、好中球、好酸球、B細胞、マクロファージ、または活性化したT細胞)により発現された細胞表面受容体と免疫特異的に結合する抗体は、本発明の抗体(その抗体フラグメントを含む)に融合し、またはコンジュゲートさせうる。特定の実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体を抗幹細胞因子または抗キットリガンドに融合し、またはコンジュゲートする。タンパク質、ポリペプチド、またはペプチドを抗体(その抗体フラグメントを含む)に融合し、またはコンジュゲートする方法は、当技術分野で公知である。例えば、米国特許第5,336,603号、同第5,622,929号、同第5,359,046号、同第5,349,053号、同第5,447,851号、および同第5,112,946号;欧州特許第307,434号および同第367,166号;国際公開第96/04388号および同第91/06570号;Ashkenaziら, 1991, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88: 10535-10539;Zhengら, 1995, J. Immunol. 154:5590-5600;およびVilら, 1992, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:11337- 11341を参照されたい。(前記参照文献のその全体を参照により本明細書に組み込む)。
追加の融合タンパク質は、遺伝子シャフリング、モチーフシャフリング、エクソンシャフリング、および/またはコドンシャフリング(集合的に「DNAシャフリング」と称する)技術を通じて産生しうる。DNAシャフリングは、本発明の抗体またはそのフラグメントの活性を改変(例えば、抗体またはそのフラグメントの親和性をより高く、解離速度をより低く)するために使用しうる。概括的に、米国特許第5,605,793号、同第5,811,238号、同第5,830,721号、同第5,834,252号、および同第5,837,458号;Pattenら, 1997, Curr. Opinion Biotechnol. 8:724-33;Harayama, 1998, Trends Biotechnol. 16(2):76-82;Hanssonら, 1999, J. Mol. Biol. 287:265-76;およびLorenzo and Blasco, 1998, Biotechniques 24(2):308- 313を参照されたい(これらの特許および刊行物の各々のその全体をこれにより参照により組み込む)。抗体(その抗体フラグメントを含む)、またはコードされた抗体またはそのフラグメントは、組換え前に、エラープローンPCR、ランダムヌクレオチド挿入、または他の方法により、ランダム変異誘発に付すことによって変化させうる。その抗体(その抗体フラグメントを含む)をコードするポリヌクレオチドは、一個以上の異種分子の一種以上の成分、モチーフ、断片、部分、ドメイン、フラグメントなどにより組み換えうる。
さらに、抗体(その抗体フラグメントを含む)は、精製を促進するために、ペプチドなどのマーカー配列に融合することができる。マーカーアミノ酸配列は、pQEベクター(キアゲン社、9259 Eton Avenue,Chatsworth,CA,91311)に提供されているタグなど、ヘキサ−ヒスチジンペプチドであってよく、とりわけ、その多くは市販されている。Gentzら, 1989, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86:821-824が記載しているように、例えば、ヘキサ−ヒスチジンによって、融合タンパク質の精製は簡便になる。精製に有用な他のペプチドタグには、それだけには限らないが、インフルエンザ赤血球凝集素タンパク質由来のエピトープに対応する赤血球凝集素(「HA」)タグ(Wilsonら, 1984, Cell 37:767)、およびその「フラグ」タグが含まれる。
他の実施形態では、本発明の抗体またはそのフラグメントは、診断剤または検出可能な薬剤にコンジュゲートされている。そのような抗体は、特定の治療効力の定量など、臨床試験手順の一部として、疾患または疾病(例えば、自己免疫疾患、炎症性疾患、増殖性疾患、または感染(例えば、呼吸器感染症))の発症、発生、進行および/または重症性のモニタリングまたは予後を見ることに使用することができる。そのような診断および検出は、抗体と、それだけには限らないが以下のものを含む検出可能物質とをカップリングすることによって達成できる:様々な酵素、例えば、ただしそれらだけには限らないが、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、またはアセチルコリンエステラーゼ;補欠分子族、例えば、ただしそれらだけには限らないが、ストレプトアビジン/ビオチンおよびアビジン/ビオチン;蛍光材、例えば、ただしそれらだけには限らないが、ウンベリフェロン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミンフルオレセイン、ダンシルクロリドまたはフィコエリトリン;発光材、例えば、ただしそれらだけには限らないがルミノール;生物発光材、例えば、ただしそれらだけには限らないが、ルシフェラーゼ、ルシフェリン、およびエクオリン;放射性物質、例えば、ただしそれらだけには限らないが、ヨウ素(131I、125I、123I、および121I)、炭素(14C)、硫黄(35S)、トリチウム(3H)、インジウム(115In、113In、112In、および111In)、テクネチウム(99Tc)、タリウム(201Ti)、ガリウム(68Ga、67Ga)、パラジウム(103Pd)、モリブデン(99Mo)、キセノン(133Xe)、フッ素(18F)、153Sm、177Lu、159Gd、149Pm、140La、175Yb、166Ho、90Y、47Sc、186Re、188Re,142Pr、105Rh、97Ru、68Ge、57Co、65Zn、85Sr、32P、153Gd、169Yb、51Cr、54Mn、75Se、113Sn、および117Sn、ならびに様々なポジトロン放出断層撮影法を使用するポジトロン放出金属、および非放射性(noradioactive)常磁性金属イオン。
本発明は、さらに、治療部分(therapeutic moiety)にコンジュゲートさせた抗体またはそのフラグメントの使用を包含する。抗体またはそのフラグメントは、治療部分、例えば、細胞毒素、例えば、細胞***停止剤もしくは細胞破壊剤、治療剤、または放射性金属イオン、例えばα放射体にコンジュゲートさせうる。細胞毒素または細胞傷害剤には、細胞に有害な任意の薬剤が含まれる。治療部分には、それだけには限らないが以下のものが含まれる:代謝拮抗物質(例えば、メトトレキセート、6−メルカプトプリン、6−チオグアニン、シタラビン、5−フルオロウラシルデカルバジン(decarbazine));アルキル化剤(例えば、メクロレタミン、チオエパクロランブシル(thioepa chlorambucilcyclothosphamide)、メルファラン、カルムスチン(BCNU)およびロムスチン(CCNU)、シクロトスフアミド(cyclothosphamide)、ブスルファン、ジブロモマンニトール、ストレプトゾトシン、マイトマイシンC、およびシスジクロロジアミン白金(II)(DDP)、およびシスプラチン);アンスラサイクリン(例えば、ダウノルビシン(旧名ダウノマイシン)およびドキソルビシン);抗生物質(例えば、ダクチノマイシン(旧名アクチノマイシン)、ブレオマイシン、ミトラマイシン、およびアントラマイシン(AMC));アウリスタチン分子(例えば、アウリスタチンPHE、ブリオスタチン1、およびソラスタチン10。Woykeら, Antimicrob. Agents Chemother. 46:3802-8 (2002)、Woykeら, Antimicrob. Agents Chemother. 45:3580-4 (2001)、Mohammadら, Anticancer Drugs 12:735-40 (2001)、Wallら, Biochem. Biophys. Res. Commun. 266:76-80 (1999)、Mohammadら, Int. J. Oncol. 15:367-72 (1999)を参照されたい。それらの全てを参照により本明細書に組み込む);ホルモン(例えば、グルココルチコイド、プロゲスチン、アンドロゲン、およびエストロゲン)、DNA修復酵素阻害薬(例えば、エトポシドまたはトポテカン)、キナーゼ阻害薬[例えば、化合物ST1571、メシル酸イマチニブ(Kantarjianら, Clin Cancer Res. 8(7):2167-76 (2002));細胞傷害性薬剤(例えば、パクリタキセル、サイトカラシンB、グラミシジンD、臭化エチジウム、エメチン、マイトマイシン、エトポシド、テノポシド(tenoposide)、ビンクリスチン、ビンブラスチン、コルヒチン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ジヒドロキシアントラシンジオン(dihydroxy anthracin dione)、ミトキサントロン、ミトラマイシン、アクチノマイシンD、1−デヒドロテストステロン、グルコルチコイドス(glucorticoids)、プロカイン、テトラカイン、リドカイン、プロプラノロール、およびピューロマイシン、ならびにその類似体または同族体、ならびに以下の特許に開示されているような化合物:米国特許第6,245,759号、同第6,399,633号、同第6,383,790号、同第6,335,156号、同第6,271,242号、同第6,242,196号、同第6,218,410号、同第6,218,372号、同第6,057,300号、同第6,034,053号、同第5,985,877号、同第5,958,769号、同第5,925,376号、同第5,922,844号、同第5,911,995号、同第5,872,223号、同第5,863,904号、同第5,840,745号、同第5,728,868号、同第5,648,239号、同第5,587,459号);ファルネシルトランスフェラーゼ阻害薬(例えば、R115777、BMS−214662、および例えば以下の特許により開示されているような化合物:米国特許第6,458,935号、同第6,451,812号、同第6,440,974号、同第6,436,960号、同第6,432,959号、同第6,420,387号、同第6,414,145号、同第6,410,541号、同第6,410,539号、同第6,403,581号、同第6,399,615号、同第6,387,905号、同第6,372,747号、同第6,369,034号、同第6,362,188号、同第6,342,765号、同第6,342,487号、同第6,300,501号、同第6,268,363号、同第6,265,422号、同第6,248,756号、同第6,239,140号、同第6,232,338号、同第6,228,865号、同第6,228,856号、同第6,225,322号、同第6,218,406号、同第6,211,193号、同第6,187,786号、同第6,169,096号、同第6,159,984号、同第6,143,766号、同第6,133,303号、同第6,127,366号、同第6,124,465号、同第6,124,295号、同第6,103,723号、同第6,093,737号、同第6,090,948号、同第6,080,870号、同第6,077,853号、同第6,071,935号、同第6,066,738号、同第6,063,930号、同第6,054,466号、同第6,051,582号、同第6,051,574号、および同第6,040,305号);トポイソメラーゼ阻害薬(例えば、カンプトテシン;イリノテカン;SN−38;トポテカン;9−アミノカンプトテシン;GG−211(GI 147211);DX−8951f;IST−622;ルビテカン;ピラゾロアクリジン(pyrazoloacridine);XR−5000;サイントピン;UCE6;UCE1022;TAN−1518A;TAN1518B;KT6006;KT6528;ED−110;NB−506;ED−110;NB−506;およびレベッカマイシン);ブルガレイン(bulgarein);DNAマイナーグルーブバインダー(minor groove binder)、例えばヘキスト(Hoescht)色素33342およびヘキスト色素33258;ニチジン;ファガロニン(fagaronine);エピベルベリン(epiberberine);コラリン(coralyne);β−ラパコン;BC−4−1;ビスホスホン酸塩(例えば、アレンドロン酸、シマドロント(cimadronte)、クロドロン酸塩、チルドロン酸塩、エチドロン酸塩、イバンドロン酸塩、ネリドロン酸塩、オルパンドロン酸塩、リセドロン酸塩、ピリドロン酸塩、パミドロン酸塩、ゾレンドロン酸塩)HMG−CoA還元酵素阻害薬、(例えば、ロバスタチン、シンバスタチン、アトルバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、スタチン、セリバスタチン、レスコール、ルピター(lupitor)、ロスバスタチンおよびアトルバスタチン);アンチセンスオリゴヌクレオチド(例えば、米国特許第6,277,832号、同第5,998,596号、同第5,885,834号、同第5,734,033号、および同第5,618,709号に開示されているような化合物);アデノシン脱アミノ酵素阻害薬(例えば、リン酸フルダラビンおよび2−クロロデオキシアデノシン);イブリツモマブチウキセタン(ZEVALIN(登録商標));トシツモマブ(BEXXAR(登録商標)))、ならびに製薬上許容されるその塩、溶媒和物、包接体、およびプロドラッグ。
さらに、抗体またはそのフラグメントは、所与の生物学的応答を改変する治療部分または薬物部分(drug moiety)にコンジュゲートさせうる。治療部分または薬物部分は、従来の化学的治療剤に限定されるとは解釈されない。例えば、薬物部分は、所望の生物活性を有するタンパク質、ペプチド、またはポリペプチドでありうる。そのようなタンパク質には、例えば、アブリン、リシンA、緑膿菌外毒素、コレラ毒素、またはジフテリア毒素などの毒素;タンパク質、例えば、腫瘍壊死因子、α−インターフェロン、β−インターフェロン、神経成長因子、血小板由来成長因子、組織プラスミノゲンアクチベーター、アポトーシス剤、例えば、TNF−α、TNF−β、AIM I(国際公開第97/33899号を参照)、AIM II(国際公開第97/34911号を参照)、Fasリガンド(Takahashiら, 1994, J. Immunol., 6:1567-1574)、およびVEGF(国際公開第99/23105号を参照)、抗血管形成剤、例えば、アンジオスタチン、エンドスタチンまたは凝固経路成分(例えば、組織因子);または生物学的応答調節物質、例えば、リンフォカイン(例えば、インターフェロンγ(「IFN−γ」)、インターロイキン−1(「IL−1」)、インターロイキン−2(「IL−2」)、インターロイキン−5(「IL−5」)、インターロイキン−6(「IL−6」)、インターロイキン−7(「IL−7」)、インターロイキン−10(「IL−10」)、インターロイキン−12(「IL−12」)、インターロイキン−15(「IL−15」)、インターロイキン−23(「IL−23」)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(「GM−CSF」)、および顆粒球コロニー刺激因子(「G−CSF」))、または増殖因子(例えば、成長ホルモン(「GH」))、または凝固剤(例えば、カルシウム、ビタミンK、組織因子、例えば、ただしそれらだけには限らないが、ハーゲマン因子(因子XII)、高分子量キニノゲン(HMWK)、プレカリクレイン(PK)、凝固タンパク質因子II(プロトロンビン)、因子V、XIIa、VIII、XIIIa、XI、XIa、IX、IXa、X、リン脂質など、フィブリンモノマーである、フィブリノーゲンαおよびβ鎖由来の線維素ペプチドAおよびB)が含まれる。特定の実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体と、ロイコトリエンアンタゴニスト(例えば、モンテルカスト、ザフィルルカスト、プランルカスト、およびジルオイトン(zyleuton))とをコンジュゲートする。
さらに、抗体は、治療部分、例えば、放射性金属イオン、例えば213Biなどのα放射体(alph-emiter)、またはそれだけには限らないが、131In、131L、131Y、131Ho、131Smを含む放射性金属イオンと、ポリペプチドまたは上記に挙げた化合物のいずれかとをコンジュゲートさせるのに有用な大環状キレート剤にコンジュゲートさせることができる。ある実施形態では、大環状キレート剤は、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−N,N’,N’’,N’’’−四酢酸(DOTA)であり、リンカー分子を通じてこれを抗体に取り付けることができる。そのようなリンカー分子は、当技術分野で公知あり、Denardoら, 1998, Clin Cancer Res. 4(10):2483-90;Petersonら, 1999, Bioconjug. Chem. 10(4):553-7;およびZimmermanら, 1999, Nucl. Med. Biol. 26(8):943-50に記載されている。各々のその全体を参照により組み込む。
治療部分と抗体とをコンジュゲートさせる技術はよく知られており、例えば、Arnonら,「Monoclonal Antibodies For Immunotargeting Of Drugs In Cancer Therapy(癌治療における薬物免疫標的用モノクローナル抗体)」, in Monoclonal Antibodies And Cancer Therapy, Reisfeldら(編), pp. 243-56 (Alan R. Liss, Inc. 1985);Hellstromら,「Antibodies For Drug Delivery(薬物送達用抗体)」, in Controlled Drug Delivery (第2版), Robinsonら(編), pp. 623-53 (Marcel Dekker, Inc. 1987);Thorpe,「Antibody Carriers Of Cytotoxic Agents In Cancer Therapy: A Review(癌治療における細胞傷害性薬剤の抗体担体:概説)」, in Monoclonal Antibodies 84: Biological And Clinical Applications, Pincheraら(編), pp. 475-506 (1985);「Analysis, Results, And Future Prospective Of The Therapeutic Use Of Radiolabeled Antibody In Cancer Therapy(癌治療における放射標識抗体の分析、結果、および治療的使用の将来の展望)」, in Monoclonal Antibodies For Cancer Detection And Therapy、Baldwinら(編), pp. 303-16 (Academic Press 1985), and Thorpeら, 1982, Immunol. Rev. 62:119-58を参照されたい。
あるいは、抗体は、米国特許第4,676,980号でSegalが記載したように、第2の抗体にコンジュゲートさせて、抗体ヘテロコンジュゲートを形成することができる。その全体を参照により本明細書に組み込む。
対象において、特定の疾患あるいは疾病、例えば、IL−9ポリペプチドの異常な発現および/もしくは活性に付随し、またはそれによって特徴付けられる疾患または疾病、IL−9Rもしくは一個以上のそのサブユニットの異常な発現および/もしくは活性に付随し、またはそれによって特徴付けられる疾患または疾病、自己免疫疾患、炎症性疾患、増殖性疾患、または感染(例えば、呼吸器感染症)、あるいは一種以上のそれらの症状に対する所望の予防または治療効果を実現するために、関心対象抗原(例えば、IL−9ポリペプチド)またはそのフラグメントにコンジュゲートする治療部分または薬物を選択すべきである。臨床医または他の医療従事者は、どの治療部分または薬物と、関心対象抗体、例えば、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体またはそのフラグメントとをコンジュゲートさせるか決める際には、以下:疾患の性質、疾患の重症性、および対象の状態を考慮すべきである。
抗体は、イムノアッセイまたは標的抗原の精製に特に有用である固相担体にも取り付けうる。そのような固相担体には、それだけには限らないが、ガラス、セルロース、ポリアクリルアミド、ナイロン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、またはポリプロピレンが含まれる。
対象で特定の疾病に対して所望の予防または治療効果を実現するために、関心対象抗体(その抗体フラグメントを含む)、例えば、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体にコンジュゲートする治療部分または薬物を選択すべきである。どの治療部分または薬物と、関心対象抗体(その抗体フラグメントを含む)、例えば、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体とをコンジュゲートするか決定する際には、臨床医または他の医療従事者は、以下:疾患の性質、疾患の重症性、および対象の状態を考慮すべきである。
5.2.抗体製剤を調製する方法
本発明は、関心対象抗原(例えば、IL−9ポリペプチド)と免疫特異的に結合する抗体または誘導体、類似体、またはそのフラグメントの液体製剤を調製する方法を提供する。図16は、精製抗IL−9抗体を調製するためのアウトラインを示す概略図である。本発明の液体製剤を調製する方法は、条件培地(培地の単一ロットまたはプールしたロット)から抗体(その抗体フラグメントを含む)を精製するステップ、および精製抗体(その抗体フラグメントを含む)の画分を終濃度約15mg/ml以上、約20mg/ml、約30mg/ml、約40mg/ml、約50mg/ml、約60mg/ml、約70mg/ml、約80mg/ml、約90mg/ml、約100mg/ml、約150mg/ml、約175mg/ml、約200mg/ml、約250mg/ml、または約300mg/mlに濃縮するステップを含みうる。抗体(その抗体フラグメントを含む)、例えば、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体を含む条件培地は、CUNO濾過にかけ、濾過した抗体をHS50カチオン交換クロマトグラフィーに付す。次いで、HS50カチオン交換クロマトグラフィーから得た画分をrプロテインAアフィニティクロマトグラフィー、続いて低pH処理に付す。低pH処理後、抗体(その抗体フラグメントを含む)画分をスーパーQ650アニオン交換クロマトグラフィー、次いでナノ濾過に付す。次いで、ナノ濾過後に得られた抗体(その抗体フラグメントを含む)画分をダイアフィルトレーションおよび限外濾過にかけて緩衝液を交換し、同じメンブレンを使用し、抗体(その抗体フラグメントを含む)画分を製剤緩衝液に濃縮する。抗体製剤の調製についての詳細な説明は、下記第6節を参照されたい。
本発明の製剤緩衝液は、リン酸塩(または他の非双性イオン、例えば、トリス、クエン酸塩、コハク酸塩、および酢酸塩)を約1mM〜約100mM、約5mM〜約50mM、約10mM〜約30mM、約10mM〜約25mM、約25mM〜約75mM、または約10mM〜約100mMの範囲の濃度で含む。特定の実施形態では、本発明の製剤緩衝液は、リン酸塩(または他の非双性イオン、例えば、トリス、クエン酸塩、コハク酸塩、および酢酸塩)を約10mM、約12mM、約15mM、約20mM、約25mM、約50mM、約55mM、約60mM、約65mM、約70mM、約75mM、約80mM、約90mM、約95mM、または約100mMの濃度で含む。本製剤のpHは、約4.0〜約8.0、例えば、約6.0〜約6.5の範囲でありうる。
本発明の液体製剤は、液体製剤のアリコートを含む一回使用用バイアルを調製することによって単位用量形として調製することができる。例えば、一バイアル当たりの単位用量は、約10mg/ml〜約300mg/mlの範囲の様々な濃度のIL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体(その抗体フラグメントを含む)を1ml、2ml、3ml、4ml、5ml、6ml、7ml、8ml、9ml、10ml、15ml、または20ml含みうる。必要に応じて、これらの調製物は、各バイアルに無菌希釈剤を加えることによって、所望の濃度に調節することができる。特定の実施形態では、pH6.2の50mMリン酸緩衝液および150mM塩化ナトリウムを含む無菌液体として、本発明の液体製剤を単一用量バイアルに製剤化する。各1.0mlの溶液には、水に抗体(その抗体フラグメントを含む)100mg、塩化ナトリウム50mgおよび1mgが含まれる。一実施形態では、本発明の抗体(その抗体フラグメントを含む)は、3ccのUSPI型ホウケイ酸製琥珀色バイアル(West Pharmaceutical Services - Part No. 6800-0675)に100mg/mlで供給される。目標充填容量は1.2mLである。
本発明の液体製剤は、滅菌濾過、照射などを含む様々な滅菌法によって滅菌しうる。最も好ましい実施形態では、2回濾過(difiltrated)抗体製剤は、予備滅菌した0.2μmフィルターによりフィルター滅菌されている。本発明の滅菌液体製剤は、疾患または疾病[例えば、IL−9ポリペプチドの異常な発現および/もしくは活性に付随し、またはそれによって特徴付けられる疾患または疾病、IL−9Rもしくは一個以上のそのサブユニットの異常な発現および/もしくは活性に付随し、またはそれによって特徴付けられる疾患または疾病、自己免疫疾患、炎症性疾患、増殖性疾患、または感染(例えば、呼吸器感染症)]、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理するために対象に投与してよい。
本発明は、液体非凍結乾燥製剤を対象とするが、所望の場合には本発明の製剤を凍結乾燥しうる同等物も目的とすることに留意されたい。従って、本発明は、本発明の製剤の凍結乾燥形態を包含する。
5.3.抗体の調製方法
抗原と免疫特異的に結合する抗体(その抗体フラグメントを含む)は、抗体を合成するための当技術分野で公知の任意の方法によって、特に化学合成、または好ましくは組換え発現技術によって製造することができる。
ある抗原に免疫特異的なポリクローナル抗体は、当技術分野で公知の様々な手順によって製造することができる。例えば、ヒト抗原に特異的なポリクローナル抗体を含む血清の生成を誘発するために、ヒト抗原を、それだけには限らないが、ウサギ、マウス、ラットなどを含む様々な宿主動物に投与することができる。宿主の種に応じて免疫応答を増大させるために、様々なアジュバントを使用してよく、アジュバントには、それだけには限らないが、フロイント(完全および不完全)、水酸化アルミニウムなどの鉱物ゲル;表面活性物質、例えば、リゾレシチン、プルロニックポリオール、ポリアニオン、ペプチド、油性乳濁液、キーホールリンペットヘモシアニン、ジニトロフェノール、および潜在的に有用なヒトアジュバント、例えば、BCG(カルメット−ゲラン杆菌)およびコリネバクテリウム・パルブム(corynebacterium parvum)が含まれる。そのようなアジュバントも当技術分野で公知である。
モノクローナル抗体は、ハイブリドーマ、組換え、およびファージディスプレイ技術の使用を含む当技術分野で公知の多彩な技術、またはそれらの組合せを使用し調製することができる。例えば、モノクローナル抗体は、当技術分野で公知であり、例えば、Harlowら, Antibodies: A Laboratory Manual, (Cold Spring Harbor Laboratory Press, 第2版,1988);Hammerlingら, in: Monoclonal Antibodies and T Cell Hybridomas 563 681 (Elsevier, N.Y., 1981)、およびHarlowら, Using Antibodies: A laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press (1999)(前記参照文献のそれら全体を参照により組み込む)に教示されているものを含むハイブリドーマ技術を使用し産生することができる。本明細書で使用する「モノクローナル抗体」という用語は、ハイブリドーマ技術により産生された抗体に限定されない。「モノクローナル抗体」という用語は、任意の真核生物クローン、原核生物クローン、またはファージクローンを含む単一クローンに由来する抗体をさし、それを産生する方法は限定しない。
ハイブリドーマ技術を使用する、特異的抗体を産生しスクリーニングする方法は、慣用的なものであり、当技術分野で公知である。手短に言えば、マウスは、非マウス抗原により免疫化することができ、一度免疫応答が検出されたならば、例えば、一度、そのマウス血清中にその抗原に特異的な抗体が検出されたならば、マウス脾臓を採取し脾細胞を単離する。次いで、公知の技術によって、その脾細胞と、任意の好適な骨髄腫細胞、例えば、ATCCから入手できる細胞系SP20由来細胞とを融合する。限界希釈法によって、ハイブリドーマを選択し、クローン化する。さらに、動物を免疫化するのに、RIMMS(反復性免疫化複数部位:repetitive immunization multiple sites)技術を使用することができる(Kilpatrackら, 1997, Hybridoma 16:381-9、その全体を参照により本明細書に組み込む)。次いで、本発明のポリペプチドと結合することができる抗体を分泌する細胞について、当技術分野で公知の方法によってハイブリドーマクローンをアッセイする。陽性ハイブリドーマクローンによりマウスを免疫化することによって、一般的に高レベルの抗体を含む腹水を得ることができる。
本発明は、モノクローナル抗体および抗体の生成方法を提供するが、その抗体は、本発明の抗体を分泌するハイブリドーマ細胞を培養するステップであって、好ましくは、該ハイブリドーマが、非マウス抗原により免疫化したマウスから単離した脾細胞と骨髄腫細胞とを融合するステップによって生じるステップ、次いでその抗原に結合できる抗体を分泌するハイブリドーマクローンを求めて、融合から生じたハイブリドーマをスクリーニングするステップを含む方法によって産生される。
特異的な特定のエピトープを認識する抗体フラグメントは、当業者に公知の任意の技術によって産生しうる。例えば、本発明のFabおよびF(ab’)2フラグメントは、酵素、例えば、パパイン(Fabフラグメントを産生する)またはペプシン(F(ab’)2フラグメントを産生する)を使用し、免疫グロブリン分子のタンパク質分解切断によって産生しうる。F(ab’)2フラグメントは、可変領域、軽鎖定常領域、および重鎖CH1ドメインを含む。さらに、本発明の抗体は、当技術分野で公知の様々なファージディスプレイ方法を使用して製造することもできる。
ファージディスプレイ法では、それらをコードするポリヌクレオチド配列を担持するファージ粒子の表面に機能性抗体ドメインが提示される。特に、VHおよびVLドメインをコードするDNA配列は、動物cDNAライブラリー(例えば、ヒトまたはマウス患部組織cDNAライブラリー)から増幅する。PCRによりVHおよびVLドメインをコードするDNAとscFvリンカーとを組換え結合し、ファージミドベクター中にクローン化する。そのベクターを大腸菌中に電気穿孔し、その大腸菌にヘルパーファージを感染させる。こうした方法で使用するファージは、典型的には、fdおよびM13を含む繊維状ファージであり、通常、VHおよびVLドメインは、組換えによってファージ遺伝子IIIまたは遺伝子VIIIに融合される。特定の抗原と結合する抗原結合ドメインを発現するファージは、抗原によって選択し同定することができ、例えば、標識抗原、または固体表面またはビーズに結合または捕獲させた抗原を使用し、選択し同定することができる。本発明の抗体を製造するために使用できるファージディスプレイ法の例には、以下に開示された方法などが含まれる:Brinkmanら, 1995, J. Immunol. Methods 182:41-50;Amesら, 1995, J. Immunol. Methods 184:177-186;Kettleboroughら, 1994, Eur. J. Immunol. 24:952-958;Persicら, 1997, Gene 187:9-18;Burtonら, 1994, Advances in Immunology 57:191-280;国際出願PCT/GB91/O1134;国際公開第90/02809号、同第91/10737号、同第92/01047号、同第92/18619号、同第93/11236号、同第95/15982号、同第95/20401号、および同第97/13844号;および米国特許第5,698,426号、同第5,223,409号、同第5,403,484号、同第5,580,717号、同第5,427,908号、同第5,750,753号、同第5,821,047号、同第5,571,698号、同第5,427,908号、同第5,516,637号、同第5,780,225号、同第5,658,727号、同第5,7
33,743号、同第5,969,108号、同第6,33,187号、同第5,824,520号、および同第5,702,892号。その各々について、その全体を参照により本明細書に組み込む。
上記参照文献に記載されているように、ファージの選択後、ファージから抗体コード領域を単離し使用して、ヒト抗体を含む抗体全体、または他の任意の所望する抗原結合フラグメントを生成し、そして例えば以下に記述するような哺乳動物細胞、昆虫細胞、植物細胞、酵母、および細菌を含む任意の所望の宿主で発現させることができる。PCT国際公開第92/22324号;Mullinaxら, 1992, BioTechniques 12(6):864-869;Sawaiら, 1995, AJRI 34:26-34; and Betterら, 1988, Science 240:1041-1043(前記参照文献のそれら全体を参照により組み込む)に開示されているような方法など、当技術分野で公知の方法を利用し、Fab、Fab'およびF(ab’)2フラグメントを組換え産生する技術を使用することもできる。
抗体全体を産生させるため、VHまたはVLヌクレオチド配列、制限部位、および制限部位を保護するためのフランキング配列を含むPCRプライマーを使用して、scFvクローン中のVHまたはVL配列を増幅することができる。当業者に公知のクローニング技術を使用し、PCR増幅したVHドメインを、VH定常領域、例えばヒトγ4定常領域を発現するベクターにクローン化することができ、PCR増幅したVLドメインは、VL定常領域、例えば、ヒトκまたはλ定常領域を発現するベクターにクローン化することができる。VHまたはVLドメインを発現するベクターは、EF−1αプロモーター、分泌シグナル、可変ドメインのクローニング部位、定常ドメイン、およびネオマイシンなどの選択マーカーを含みうる。VHおよびVLドメインはまた、必要な定常領域を発現する一個のベクター中にクローン化してもよい。次いで、当業者に公知の技術を使用し、重鎖転換ベクターおよび軽鎖転換ベクターを細胞系に同時形質移入して、IgGなどの全長抗体を発現する細胞系で安定的または一時的に産生させる。
ヒトでの抗体のインビボ使用、およびインビトロ検出アッセイを含むいくつかの用途には、ヒト化抗体またはキメラ抗体を使用するのが好ましいであろう。完全ヒト抗体およびヒト化抗体は、特に、ヒト対象の治療的処置に望ましい。ヒト抗体は、ヒト免疫グロブリン配列に由来する抗体ライブラリーを使用する上記のファージディスプレイ方法を含む、当技術分野で公知の様々な方法によって作製することができる。また、米国特許第4,444,887号、および同第4,716,111号;および国際公開第98/46645号、国際公開第98/50433号、同第98/24893号、同第98/16654号、国際公開第96/34096号、国際公開第96/33735号、および国際公開第91/10741号も参照されたい。その各々について、その全体を参照により本明細書に組み込む。
ヒト抗体は、機能性内在性免疫グロブリンは発現できないが、ヒト免疫グロブリン遺伝子は発現できるトランスジェニックマウスを使用し産生することもできる。例えば、ヒト重鎖と軽鎖免疫グロブリン遺伝子複合体は、無作為に、または相同組換えによってマウス胚性幹細胞中に導入しうる。あるいは、ヒト可変領域、定常領域、および多様な領域は、ヒト重鎖と軽鎖遺伝子に加えてマウス胚性幹細胞に導入しうる。マウス重鎖と軽鎖免疫グロブリン遺伝子は、別々に、または相同組換えによるヒト免疫グロブリン座位の導入と同時に非機能的なものにしうる。特に、JH領域のホモ接合型欠失によって、内在性抗体の産生が妨害される。改変された胚性幹細胞を増殖し、胚盤胞に微量注入してキメラマウスを生成する。次いで、そのキメラマウスを繁殖して、ヒト抗体を発現するホモ接合型子孫を生成する。通常の方法で、選択した抗原、例えば、本発明のポリペプチドの全てまたは一部を用いてトランスジェニックマウスを免疫化する。抗原を標的とするモノクローナル抗体は、従来のハイブリドーマ技術を使用して免疫化したトランスジェニックマウスから得ることができる。トランスジェニックマウスにより保持されているヒト免疫グロブリン導入遺伝子をB細胞分化中に再編成し、続いてクラススイッチングおよび体細胞変異を受けさせる。このようにして、そのような技術を使用し、治療上有用なIgG、IgA、IgMおよびIgE抗体を産生することができる。ヒト抗体を生成するこの技術の概要については、(Lonberg and Huszar (1995, Int. Rev. Immunol. 13:65 93)を参照されたい。ヒト抗体およびヒトモノクローナル抗体を生成するこの技術、およびそのような抗体を生成するプロトコルの詳細な考察については、例えば、国際公開第98/24893号、国際公開第96/34096号、および国際公開第96/33735号;および米国特許第5,413,923号、同第5,625,126号、同第5,633,425号、同第5,569,825号、同第5,661,016号、同第5,545,806号、同第5,814,318号、および同第5,939,598号を参照されたい。これらの特許のその全体を参照によりを本明細書に組み込む。さらに、アブジェニックス社(カリフォルニア州フリーモント)およびジェンファーム(カリフォルニア州サンノゼ)などの企業は、上記の技術に類似する技術を使用し、選択した抗原を対象とするヒト抗体を提供することに取り組むことができる。
キメラ抗体は、抗体の異なる部分が、異なる免疫グロブリン分子に由来する分子である。キメラ抗体を生成する方法は、当技術分野で公知である。例えば、Morrison, 1985, Science 229:1202;Oiら, 1986, BioTechniques 4:214;Gilliesら, 1989, J. Immunol. Methods 125:191-202;および米国特許第5,807,715号、同第4,816,567号、同第4,816,397号、および同第6,331,415号を参照されたい。これらのその全体を参照により本明細書に組み込む。
ヒト化抗体とは、所定の抗原に結合することができ、かつ実質的にヒト免疫グロブリンのアミノ酸配列を有するフレームワーク領域、および実質的に非ヒト免疫グロブリンのアミノ酸配列を有するCDRを含む、抗体もしくはその変異体またはそのフラグメントである。ヒト化抗体は、少なくとも一個の、典型的には2個の可変ドメイン(Fab、Fab’、F(ab’)2、Fabc、Fv)の全てを実質的に含み、その際、CDR領域の全てまたは実質的に全ては、非ヒト免疫グロブリンのものに対応し(すなわちドナー抗体)、そしてフレームワーク領域の全てまたは実質的に全ては、ヒト免疫グロブリンコンセンサス配列のものである。好ましくは、ヒト化抗体は、さらに免疫グロブリンの定常領域(Fc)の少なくとも一部、典型的にはヒト免疫グロブリンのそれを含む。通常は、抗体は、軽鎖および少なくとも重鎖可変ドメインを含む。抗体はまた、重鎖のCH1、ヒンジ、CH2、CH3、およびCH4領域を含みうる。ヒト化抗体は、IgM、IgG、IgD、IgAおよびIgEを含む免疫グロブリンの任意のクラス、およびIgG1、IgG2、IgG3およびlgG4を含む任意のアイソタイプから選択することができる。通常、定常ドメインは、ヒト化抗体が細胞障害活性を示し、クラスが典型的にはIgG1であるのが望ましい補体結合定常ドメインである。そのような細胞障害活性を望まない場合、定常ドメインは、IgG2クラスのものであってよい。ヒト化抗体は、一個を超えるクラスまたはアイソタイプからの配列を含んでよく、所望のエフェクター機能を最適化するために特定の定常ドメインを選択することは、当技術分野の通常の技術範囲内である。ヒト化抗体のフレームワークおよびCDR領域は、正確に親配列に対応していなくてもよく、例えば、ドナーCDRまたはコンセンサスフレームワークは、少なくとも一個の残基の置換、挿入、または欠失によって変異誘発されることがあり、その結果、その部位のCDRまたはフレームワーク残基は、コンセンサスまたは移入抗体に対応しない。しかし、そのような変異は広範なものではない。通常、ヒト化抗体残基の少なくとも75%は、親フレームワークおよびCDR配列のものに対応し、90%、および95%超対応することの方が多い。ヒト化抗体は、それだけには限らないが、以下の技術を含む当技術分野で公知の多彩な技術:CDRグラフト化(欧州特許第239,400号;国際公開第91/09967号;および米国特許第5,225,539号、同第5,530,101号、および同第5,585,089号)、ベニアリング(veneering)またはリサーフェイシング(resurfacing)[欧州特許第592,106号および同第519,596号;Padlan, 1991, Molecular Immunology 28(4/5):489-498;Studnickaら, 1994, Protein Engineering 7(6):805-814;およびRoguskaら, 1994, PNAS 91:969-973]、鎖シャフリング(米国特許第5,565,332号)、および例えば以下の特許に開示された技術:米国特許第6,407,213号、同第5,766,886号、国際公開第9317105号、Tanら, J. Immunol. 169:1119 25 (2002)、Caldasら, Protein Eng. 13(5):353-60 (2000)、Moreaら, Methods 20(3):267 79 (2000)、Bacaら, J. Biol. Chem. 272(16):10678 84 (1997)、Roguskaら, Protein Eng. 9(10):895 904 (1996)、Coutoら, Cancer Res. 55 (23 Supp):5973s 5977s (1995)、Coutoら, Cancer Res. 55(8):1717 22 (1995)、Sandhu JS, Gene 150(2):409 10 (1994)、およびPedersenら, J. Mol. Biol. 235(3):959 73 (1994)を使用し産生することができる。フレームワーク領域中のフレームワーク残基をCDRドナー抗体由来の対応する残基で置換して、抗原結合を変化させ、好ましくは改善することが多い。これらのフレームワーク置換は、当技術分野で公知の方法、例えば、CDRとフレームワーク残基の相互作用をモデリングして、抗原結合に重要なフレームワーク残基を同定し、配列比較して、特定の位置の異常なフレームワーク残基を同定することによって同定する(例えば、Queenら、米国特許第5,585,089号;およびRiechmannら, 1988, Nature 332:323を参照されたい。これらについて、その全体を参照により本明細書に組み込む)。
単一ドメイン抗体、例えば、軽鎖を欠く抗体は、当技術分野で公知の方法によって生成することができる。Riechmannら, 1999, J. Immuno. 231:25-38;Nuttallら, 2000, Curr. Pharm. Biotechnol. 1(3):253-263;Muylderman, 2001, J. Biotechnol. 74(4):277302;米国特許第6,005,079号;および国際公開第94/04678号、同第94/25591号、および同第01/44301号参照されたい。その各々について、その全体を参照により本明細書に組み込む。
さらに、当業者に公知の技術を使用し、抗原(IL−9ポリペプチドなど)と免疫特異的に結合する抗体を使用して、次いで抗原を「模倣する」抗イディオタイプ抗体を生成する(例えば、Greenspan & Bona, 1989, FASEB J. 7(5):437-444;およびNissinoff, 1991, J. Immunol. 147(8):2429-2438を参照されたい)。
5.3.1.抗体の組換え発現
本発明の製剤中に含まれる抗体(例えば、本発明の抗体もしくはそのフラグメント、または本発明の一本鎖抗体の重鎖または軽鎖)の組換え発現には、その抗体をコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクターを構築する必要があろう。一度、抗体分子、抗体またはそのフラグメント(好ましくは、ただし必ずしもでないが、重鎖または軽鎖可変ドメインを含む)の重鎖または軽鎖をコードするポリヌクレオチドが得られたなら、抗体分子産生用ベクターは、当技術分野で公知の技術を使用し、組換えDNA技術によって産生しうる。従って、ヌクレオチド配列をコードする抗体を含むポリヌクレオチドを発現することにより、タンパク質を調製する方法を本明細書に記載する。当業者に公知の方法を使用して、抗体コード配列、ならびに好適な転写および翻訳制御シグナルを含む発現ベクターを構築することができる。こうした方法には、例えば、インビトロ組換えDNA技術、合成技術、およびインビボ遺伝子組換えが含まれる。従って、本発明は、プロモーターに作動可能に連結して、本発明の抗体分子、抗体の重鎖もしくは軽鎖、抗体(その抗体フラグメントを含む)の重鎖もしくは軽鎖可変ドメイン、または重鎖もしくは軽鎖CDRをコードするヌクレオチド配列を含む複製可能ベクターを提供する。そのようなベクターは、抗体分子の定常領域をコードするヌクレオチド配列を含むことが可能であり(例えば、国際公開第86/05807号;同第89/01036号;および米国特許第5,122,464号を参照)、重鎖全体、軽鎖全体、または重鎖と軽鎖全体を発現させるためのベクター中に、抗体の可変ドメインをクローン化しうる。
発現ベクターは、従来技術によって宿主細胞に移植し、次いでその形質移入細胞を従来技術によって培養して本発明の抗体を産生する。従って、本発明は、異種プロモーターに作動可能に連結させた、本発明の抗体もしくはそのフラグメント、またはその重鎖もしくは軽鎖、またはそのフラグメント、あるいは本発明の一本鎖抗体をコードするポリヌクレオチドを含む宿主細胞を含む。好ましい実施形態では、二重鎖抗体を発現するためには、以下に詳述するように、免疫グロブリン分子全体を発現させるための宿主細胞で、重鎖と軽鎖をコードするベクターを同時に発現させうる。
様々な宿主発現ベクター系を使用して、本発明の抗体分子を発現しうる(例えば、米国特許第5,807,715号を参照)。そのような宿主−発現系は、それによって関心対象のコード配列を産生し、続いて精製しうるビヒクルを表すが、同様に、好適なヌクレオチドコード配列で形質転換し、またはこれを形質移入した場合、本発明の抗体分子をin situで発現しうる細胞も表す。これらには、それだけには限らないが以下のものが含まれる:微生物、例えば、抗体コード配列を含む組換えバクテリオファージDNA、プラスミドDNA、またはコスミドDNA発現ベクターで形質転換した細菌(例えば、大腸菌および枯草菌);抗体コード配列を含む組換え酵母発現ベクターで形質転換した酵母(例えば、サッカロミセスピキア);抗体コード配列を含む組換えウイルス発現ベクター(例えば、バキュロウイルス)に感染させた昆虫細胞系;抗体コード配列を含む組換えウイルス発現ベクター(例えば、カリフラワーモザイクウイルス、CaMV;タバコモザイクウイルス、TMV)に感染させたまたはその配列を含む組換えプラスミド発現ベクター(例えば、Tiプラスミド)で形質転換した植物細胞系;あるいは哺乳動物細胞ゲノム由来プロモーター(例えば、メタロチオネインプロモーター)または哺乳動物ウイルス由来プロモーター(例えば、アデノウイルス後期プロモーター;ワクシニアウイルス7.5Kプロモーター)を含む組換え発現構築体を保持する哺乳動物細胞系(例えば、COS、CHO、BHK、293、NS0、および3T3細胞)。大腸菌などの細菌細胞、および真核細胞、特に、組換え抗体分子全体を発現させるための真核細胞が、組換え抗体分子の発現に使用される。例えば、ヒトサイトメガロウイルス由来の主要中間体初期遺伝子プロモーター要素などのベクターと併せて、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)などの哺乳動物細胞は、抗体の効果的な発現系である(Foeckingら, 1986, Gene 45:101;およびCockettら, 1990, Bio/Technology 8:2)。特定の実施形態では、本発明の抗体、誘導体、類似体、またはそのフラグメントをコードするヌクレオチド配列の発現は、構成的プロモーター、誘導性プロモーター、または組織特異的プロモーターによって調節される。
細菌系では、抗体分子を発現させることを意図した使用に応じて、いくつかの発現ベクターを有利に選択しうる。例えば、そのような抗体を大量に製造する場合、抗体分子医薬組成物の生成には、精製が容易な融合タンパク質生成物を高レベルに発現するベクターが望ましいであろう。そのようなベクターには、それだけには限らないが、大腸菌発現ベクターpUR278(Rutherら, 1983, EMBO 12:1791)、その際、融合タンパク質が産生されるように、抗体コード配列は、lac Zコード領域によって別個にベクターにインフレームでライゲートしうる;pINベクター(Inouye & Inouye, 1985, Nucleic Acids Res. 13:3101-3109;Van Heeke & Schuster, 1989, J. Biol. Chem. 24:5503-5509)などが含まれる。pGEXベクターを使用して、グルタチオン5−トランスフェラーゼ(GST)との融合タンパク質として外来ポリペプチドを発現することも可能である。一般に、そのような融合タンパク質は、溶解性であり、マトリックス・グルタチオン・アガロースビーズに吸着し結合させるステップ、続いて遊離グルタチオンの存在下で溶出させるステップによって、溶解した細胞から容易に精製することができる。pGEXベクターは、GST部分からそのクローン化標的遺伝子産物を放出できるように、トロンビンまたは因子Xaプロテアーゼ切断部位を含むように設計されている。
昆虫系では、外来遺伝子を発現するベクターとして、Autographa californica核多核体病ウイルス(AcNPV)が使用される。このウイルスは、ヨトウガ細胞中で増殖する。抗体コード配列は、ウイルスの非不可欠領域(例えば、多角体遺伝子)中に別個にクローン化し、AcNPVプロモーター(例えば、多角体プロモーター)の制御下に配置しうる。
哺乳動物宿主細胞では、いくつかのウイルスベース発現系を使用しうる。アデノウイルスを発現ベクターとして使用する事例では、関心対象の抗体コード配列は、アデノウイルス転写/翻訳制御複合体、例えば、後期プロモーターおよび3つからなるリーダー配列にライゲートしうる。次いで、インビトロまたはインビボ組換えにより、このキメラ遺伝子をアデノウイルスゲノム中に挿入しうる。ウイルスゲノム(例えば、領域ElまたはE3)の非不可欠領域中への挿入によって、生存可能であり、感染宿主中で抗体分子を発現することが可能な組換えウイルスがもたらされる(例えば、Logan & Shenk, 1984, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 8 1:355-359を参照されたい)。特定の開始シグナルはまた、挿入した抗体コード配列の効率的翻訳にも必要であろう。これらのシグナルには、ATG開始コドンおよび隣接配列が含まれる。さらに、挿入物全体の翻訳を確実にするために、開始コドンは所望のコード配列の読み枠と一致するものでなければならない。これらの外来性翻訳制御シグナルおよび開始コドンは、天然および合成を含む様々な起源のものであってよい。発現効率は、好適な転写エンハンサー要素、転写ターミネーターなどを封入することによって高めることができる。(例えば、Bittnerら, 1987, Methods in Enzymol. 153:51-544を参照)。
さらに、挿入した配列の発現を調節し、または所望する特定の方式で遺伝子産物を改変し、プロセシングする宿主細胞株を選択しうる。タンパク質製品のそのような改変(糖鎖形成など)およびプロセシング(切断など)は、そのタンパク質の機能にとって重要であろう。異なる宿主細胞は、タンパク質および遺伝子産物の翻訳後のプロセシングおよび改変について、特徴的かつ特定の機序を有する。発現した外来タンパク質の正確な改変およびプロセシングを確実に行うために、好適な細胞系または宿主系を選択することができる。この目的のために、遺伝子産物の適切な一次転写産物のプロセシング、糖鎖形成、およびリン酸化を行うための細胞機構を有する真核生物宿主細胞を使用しうる。そのような哺乳動物宿主細胞には、それだけには限らないが、CHO、VERY、BHK、Hela、COS、MDCK、293、3T3、W138、BT483、Hs578T、HTB2、BT2OおよびT47D、NS0(いかなる免疫グロブリン鎖も内在的に産生しないマウス骨髄腫細胞系)、CRL7O3O、およびHsS78Bst細胞が含まれる。
組換えタンパク質を長期間高収量で産生するためには、安定した発現が好ましい。例えば、抗体分子を安定して発現する細胞系を設計しうる。ウイルスの複製起点を含む発現ベクターを使用するのではなく、好適な発現調節要素(例えば、プロモーター、エンハンサー、配列、転写ターミネーター、ポリアデニル化部位など)、および選択マーカーによって制御されたDNAにより、宿主細胞を形質転換することができる。外来DNAの導入に続き、設計した細胞を富栄養培地で1、2日間増殖させることができ、次いで選択培地に取り替える。組換えプラスミド中の選択マーカーは、選択に対して耐性を授け、そして細胞が安定してその染色体中にプラスミドを組み込み、増殖して増殖巣を形成できるようにし、次いでその増殖巣が細胞系中でクローン化し増殖することができる。この方法は、抗体分子を発現する細胞系の設計に有利に使用しうる。そのように設計した細胞系は、抗体分子と直接的または間接的に相互作用する組成物のスクリーニングおよび評価に特に有用かもしれない。
それだけには限らないが、単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ(Wiglerら, 1977, Cell 11:223)遺伝子、ヒポキサンチングアニンホスホリボシル転移酵素(Szybalska & Szybalski, 1992, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 48:202)遺伝子、およびアデニンホスホリボシル転移酵素(Lowyら, 1980, Cell 22:8-17)遺伝子を含むいくつかの選択系を使用してよく、それらは、それぞれ、tk−、hgprt−、またはaprt細胞で使用することができる。さらに、以下の遺伝子の選択基準として、代謝拮抗物質耐性を使用することができる:メトトレキセートに対する耐性を付与するdhfr(Wiglerら, 1980, Natl. Acad. Sci. USA 77:357;O’ Hareら, 1981, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 78:1527);マイコフェノール酸に対する耐性を付与するgpt(Mulligan & Berg, 1981, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 78:2072);アミノグリコシドG−418に対する耐性を付与するneo(Wu and Wu, 1991, Biotherapy 3:87-95;Tolstoshev, 1993, Ann. Rev. Pharmacol. Toxicol. 32:573-596;Mulligan, 1993, Science 260:926-932;およびMorgan and Anderson, 1993, Ann. Rev. Biochem. 62: 191-217;May, 1993, TIB TECH 11(5):l55-2 15);およびハイグロマイシンに対する耐性を付与するhygro(Santerreら, 1984, Gene 30:147)。組換えDNA技術の技術分野で一般に公知方法を常法に従って適用して、所望する組換えクローンを選択するが、そのような方法は、例えば、Ausubelら(編), Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, NY (1993);Kriegler, Gene Transfer and Expression, A Laboratory Manual, Stockton Press, NY (1990);およびinChapters 12 and 13, Dracopoliら(編), Current Protocols in Human Genetics, John Wiley & Sons, NY (1994);Colberre-Garapinら, 1981, J. Mol. Biol. 150:1に記載されている。これらについて、その全体を参照により本明細書に組み込む。
抗体分子の発現レベルは、ベクターを増幅することによって増大できる[概説については、BebbingtonおよびHentschel、『DNAクローニングにおいて、哺乳動物細胞中でクローン化遺伝子を発現させるための、遺伝子増幅に基づくベクターの使用(The use of vectors based on gene amplification for the expression of cloned genes in mammalian cells in DNA cloning)』第3巻を参照されたい。(Academic Press, New York, 1987)]。抗体を発現するベクター系でマーカーを増幅することができると、宿主細胞の培養中に存在する阻害薬レベルの上昇によってマーカー遺伝子の複製数が増加する。増幅領域は、抗体遺伝子に関連するので、抗体の産生も増大する(Crouseら, 1983, Mol. Cell. Biol. 3:257)。
宿主細胞は、本発明の2個の発現ベクターを用いて同時形質移入することが可能で、第1ベクターは重鎖由来のポリペプチドをコードし、第2ベクターは軽鎖由来ポリペプチドをコードする。その2個のベクターは、重鎖と軽鎖ポリペプチドの同等の発現が可能になる同一選択マーカーを含みうる。あるいは、重鎖と軽鎖ポリペプチドをコードし、発現することができる単一のベクターを使用しうる。そのような状況では、過剰な有害遊離重鎖を回避するために、軽鎖を重鎖の前に配置すべきである(Proudfoot, 1986, Nature 322:52;およびKohler, 1980, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77:2 197)。重鎖と軽鎖のコード配列はcDNAまたはゲノムDNAを含みうる。
一度、本発明の抗体分子が組換え発現によって産生されたならば、その抗体分子は、免疫グロブリン分子を精製するための当技術分野で公知の任意の方法、例えば、クロマトグラフィー(例えば、イオン交換、親和性、特にプロテインAの後の特異的抗原に対する親和性、およびサイジングカラムクロマトグラフィー)、遠心分離、分別溶解(differential solubility)、またはタンパク質精製の他の任意の標準的技術によって精製しうる。さらに、本発明の抗体またはそのフラグメントは、本明細書に記載し、または精製を促進するために当技術分野で公知の異種ポリペプチド配列に融合しうる。
5.4.抗体製剤の安定性および凝集のモニタリング方法
タンパク質の物理的および化学的構造、ならびにそれらの生物活性に基づき、抗体製剤を含むタンパク質製剤の安定性を評価するのに様々な方法を利用することができる。例えば、タンパク質の変性を研究するためには、電荷移動吸収、熱分析、蛍光分光法、円二色性(CD)、NMR、およびHPSEC、タンジェンシャルフロー濾過(TFF)、静的光散乱法(SLS)、フーリエ変換赤外分光法(FTIR)、尿素誘発タンパク質アンフォールディング技術、固有トリプトファン蛍光、示差走査熱量測定法、および1−アニリノ−8−ナフタレンスルホン酸(ANS)タンパク質結合技術などの方法を利用できる。例えば、Wangら, 1988, J. of Parenteral Science & Technology 42(Suppl):S4-S26を参照されたい。
rCGEおよびHPSECは、タンパク質凝集体の形成、タンパク質分解、およびタンパク質断片化を評価する最も一般的かつ最も簡単方法である。従って、本発明の液体製剤の安定性は、これらの方法によって評価しうる。
例えば、本発明の液体製剤の安定性は、HPSECまたはrCGEにより評価することができ、その際、ピーク領域率は、未分解抗体または未分解抗体フラグメントを表す。特に、約250μgの抗体(その抗体フラグメントを含む)(前記抗体または抗体フラグメントを10mg/mlで含む液体製剤約25μl)を、TSK SW x1ガードカラム(6.0mm CX4.0cm)を取り付けたTosoH Biosep TSK G3000SWXLカラム(7.8mm×30cm)に注入する。抗体(その抗体フラグメントを含む)は、0.1M硫酸ナトリウムおよび0.05%アジ化ナトリウムを含む0.1Mリン酸二ナトリウムを用いて、流量0.8〜1.0ml/minにより均一濃度で溶出させた。溶出タンパク質は、UV吸光度280nmを使用し検出する。アッセイでは対照として参照標準をランさせ、約12〜14分間に観察された、含めた容量ピークを除く他の全てのピークと比較して、生成モノマーピークの領域率としてその結果を報告する。モノマーピークよりも早く溶出するピークを凝集率として記録する。
本発明の液体製剤は、上記の方法のいずれかによって測定した凝集レベルが低から検出不可能のレベル(すなわち、タンパク質の重量につき、凝集体がわずか5%、わずか4%、わずか3%、わずか2%、わずか1%、およびわずか0.5%)、また断片化レベルが低から検出不可能のレベル(すなわち、インタクトな抗体(その抗体フラグメントを含む)を表すピーク中、全ピーク領域の80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、98%以上、または99%以上、または99.5%以上)を示す。SDS−PAGEの場合には、染色し、または放射性同位元素で標識した各バンドの密度または放射能を測定することができ、そして未分解抗体(その抗体フラグメントを含む)を表すバンド密度率または放射能率を得ることができる。
本発明の液体製剤の安定性は、製剤中の抗体の生物活性を測定する任意のアッセイによって評価することもできる。抗体の生物活性には、それだけには限らないが、抗原結合活性、補体活性化活性、Fc受容体結合活性などが含まれる。抗体(その抗体フラグメントを含む)の抗原結合活性は、それだけには限らないが、ELISA、ラジオイムノアッセイ、ウエスタンブロットなどを含む当業者に公知の任意の方法によって測定することができる。補体活性化活性は、補体成分の存在下で、抗体と、抗体が免疫特異的に結合する抗原を発現する細胞とを反応させる系で、C3a/C4aアッセイによって測定することができる。同様に、Harlowら, Antibodies: A Laboratory Manual, (Cold Spring Harbor Laboratory Press, 第2版,1988)を参照されたい(参照によりその全体を本明細書に組み込む)。例えば、ELISAに基づくアッセイは、抗体(その抗体フラグメントを含む)が、IL−9ポリペプチドと、4D4、4D4 H2−1 D11、4D4com−XF−9、4D4com−2F9、7F3、71A10、7F3 22D3、7F3com−2H2、7F3com−3H5、もしくは7F3com−3D4(または、本発明の製剤中の他の任意の抗体)参照標準とに免疫特異的に結合する能力を比較するために使用しうる。VnR結合ELISAと称するこのアッセイでは、単離したIL−9ポリペプチドでプレートをコートし、設定濃度の4D4、4D4 H2−1 D11、4D4com−XF−9、4D4com−2F9、7F3、71A10、7F3 22D3、7F3com−2H2、7F3com−3H5、または7F3com−3D4参照標準の結合シグナルと、同じ濃度の試験抗体(その抗体フラグメントを含む)の結合シグナルとを比較する。
本発明の液体抗体製剤の純度は、例えばHPSECなど、当業者に公知の任意の方法により測定しうる。液体抗体製剤の滅菌度は、以下のように評価しうる:名目上の空孔率が0.45μmの滅菌フィルターで液体抗体製剤を濾過することによって、無菌大豆カゼイン消化培地および液体チオグリコール酸(thioglycollate)培地に、試験液体抗体製剤を接種する。Sterisure(商標)またはSteritest(商標)方法を使用する場合、各フィルター器具に、滅菌大豆カゼイン消化培地または液体チオグリコール酸培地約100mlを無菌的に満たす。従来の方法を使用する場合には、フィルターを滅菌大豆カゼイン消化培地または流体チオグリコール酸培地100mlに無菌的に移送する。好適な温度で培地をインキュベートし、細菌または真菌の増殖の形跡について14日間にわたって3回観察する。
5.5.抗体製剤の予防および治療上の有用性
本発明は、疾患または疾病を予防し、治療し、かつ/または管理するために、対象、好ましくはヒトに、本発明の液体抗体製剤(または「抗体製剤」または「液体製剤」)を投与することを含む抗体ベースの治療法も目的とし、その疾患または疾病は、例えば、IL−9ポリペプチドの異常な発現および/もしくは活性に付随し、またはそれによって特徴付けられる疾患または疾病、IL−9Rもしくは一個以上のそのサブユニットの異常な発現および/もしくは活性に付随し、またはそれによって特徴付けられる疾患または疾病、自己免疫疾患、炎症性疾患、増殖性疾患、または感染(例えば、呼吸器感染症)、あるいは一種以上のそれらの症状である[2003年6月10日に米国仮出願第60/477,801号として出願され、米国特許公開第2006/0029601号、名称「Methods of Preventing or Treating Respiratory Conditions(呼吸状態を予防または治療する方法)」として公開された特許;2004年4月12日に米国出願第10/823810号として出願され、米国特許公開第2005/0147607号、名称「Methods of Preventing or Treating Respiratory Conditions(呼吸状態の予防または治療法)」として公開された特許;および2004年4月12日にこれと同時出願された名称「Methods of Preventing or Treating Respiratory Conditions(呼吸状態の予防または治療法)」の米国仮出願(代理人整理番号10271−113−999によって確認される)を参照されたい。それらは全て、参照によりその全体を本明細書に組み込む]。具体的実施形態では、本発明の液体製剤には、リン酸塩を含む溶液中約10mg/ml〜約300mg/mlの濃度で抗体(その抗体フラグメントを含む)が含まれ、その抗体(その抗体フラグメントを含む)は、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する。本発明の液体製剤は、IL−9ポリペプチド(例えば、4D4、4D4 H2−1 D11、4D4com−XF−9、4D4com−2F9、7F3、71A10、7F3 22D3、7F3com−2H2、7F3com−3H5、または7F3com−3D4)と免疫特異的に結合する単一抗体(その抗体フラグメントを含む)を含みうる。本発明の液体製剤は、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する2種以上の抗体(その抗体フラグメントを含む)を含んでもよい。特定の実施形態では、そのような液体製剤に含まれる抗体(その抗体フラグメントを含む)は、4D4、4D4 H2−1 D11、4D4com−XF−9、4D4com−2F9、7F3、71A10、7F3 22D3、7F3com−2H2、7F3com−3H5、もしくは7F3com−3D4、またはそのフラグメントである。別の実施形態では、そのような液体製剤に含まれる抗体(その抗体フラグメントを含む)は、4D4、4D4 H2−1 D11、4D4com−XF−9、4D4com−2F9、7F3、71A10、7F3 22D3、7F3com−2H2、7F3com−3H5、もしくは7F3com−3D4、またはそのフラグメントではない。さらに別の実施形態では、本発明の液体製剤は、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体(その抗体フラグメントを含む)を含み、その抗体(その抗体フラグメントを含む)はまた、それだけには限らないが、異種タンパク質、ペプチドまたはポリペプチド、別の抗体(その抗体フラグメントを含む)、マーカー配列、診断薬、治療剤、放射性金属イオン、および固相担体を含む別の部分とコンジュゲートする。
本発明の液体製剤は、治療剤として、身体に局所的または全身的に使用しうる。特に、本発明の液体製剤は、疾患または疾病の予防、治療、および/または管理に使用することが可能であり、例えば、IL−9ポリペプチドの異常な発現および/もしくは活性に付随し、またはそれによって特徴付けられる疾患または疾病、IL−9Rもしくは一個以上のそのサブユニットの異常な発現および/もしくは活性に付随し、またはそれによって特徴付けられる疾患または疾病、自己免疫疾患、炎症性疾患、増殖性疾患、または感染(例えば、呼吸器感染症)、あるいは一種以上のそれらの症状に使用しうる。本発明の製剤は、IL−9R発現細胞の活性を調節するために使用できる。特定の実施形態では、それだけには限らないが、免疫機能含む身体の様々な活性を調節するために、本発明の製剤を使用する。本発明の製剤はまた、一種以上の他の治療法(例えば、一種以上の他の予防剤または治療剤)、好ましくは、疾患あるいは疾病、例えば、IL−9ポリペプチドの異常な発現および/もしくは活性に付随し、またはそれによって特徴付けられる疾患または疾病、IL−9Rもしくは一個以上のそのサブユニットの異常な発現および/もしくは活性に付随し、またはそれによって特徴付けられる疾患または疾病、自己免疫疾患、炎症性疾患、増殖性疾患、または感染(例えば、呼吸器感染症)、あるいは一種以上のそれらの症状の予防、治療、および/または管理に有用な治療法と組み合せて有利に使用しうる。一種以上の他の治療法(例えば、予防剤もしくは治療剤)を使用する場合、それらの治療法は、任意の適した形態で、かつ任意の好適な経路によって、別々に投与することができる。治療剤または予防剤には、それだけには限らないが、小分子、合成薬物、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、核酸(例えば、それだけには限らないが、アンチセンスヌクレオチド配列、三重へリックス、RNAi、および生物学的に活性なタンパク質、ポリペプチド、またはペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むDNAおよびRNAヌクレオチド)抗体、合成または天然無機分子、模倣剤、ならびに合成または天然有機分子が含まれる。
IL−9ポリペプチドの異常な発現および/もしくは活性に付随し、またはそれによって特徴付けられる疾患または疾病、IL−9Rもしくは一個以上のそのサブユニットの異常な発現および/もしくは活性に付随し、またはそれによって特徴付けられる疾患または疾病、自己免疫疾患、炎症性疾患、増殖性疾患、または感染(例えば、呼吸器感染症)に伴う一種以上の症状の予防、治療、および/または管理に有用であることが知られ、または使用されてきた、または現在使用されている任意の治療法(例えば、予防剤もしくは治療剤)は、本明細書に記載した本発明に従って、本発明の液体抗体製剤と組み合わせて使用することができる。治療法、特に予防剤または治療剤に関する情報については、例えば、Gilmanら, Goodman and Gilman’s: The Pharmacological Basis of Therapeutics, 第10版, McGraw-Hill, New York, 2001;The Merck Manual of Diagnosis and Therapy, Berkow, M.D.ら(編), 第17版, Merck Sharp & Dohme Research Laboratories, Rahway, NJ, 1999;およびCecil Textbook of Medicine, 第20版, Bennett and Plum (編), W.B. Saunders, Philadelphia, 1996を参照されたいが、それらの予防剤または治療剤は、IL−9ポリペプチドの異常な発現および/もしくは活性に付随し、またはそれによって特徴付けられる疾患または疾病、IL−9Rもしくは一個以上のそのサブユニットの異常な発現および/もしくは活性に付随し、またはそれによって特徴付けられる疾患または疾病、自己免疫疾患、炎症性疾患、増殖性疾患、または感染(例えば、呼吸器感染症)、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理するために使用されてきた、または現在使用されている。予防剤および治療剤の例には、それだけには限らないが、以下のものが含まれる:免疫調節剤、抗炎症剤(例えば、アドレノコルチコイド、コルチコステロイド(例えば、ベクロメタゾン、ブデソニド、フルニソリド、フルチカゾン、トリアムシノロン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、プレドニゾン、ヒドロコルチゾン)、グルココルチコイド、ステロイド、非ステロイド系抗炎症薬(例えば、アスピリン、イブプロフェン、ジクロフェナク、およびCOX−2阻害薬)、およびロイコトレイン(leukotreine)アンタゴニスト(例えば、モンテルカスト、メチルキサンチン、ザフィルルカスト、およびジロイトン)、β2−アゴニスト(例えば、アルブテロール、ビテロール(biterol)、フェノテロール、イソエタリ(isoetharie)、メタプロテレノール、ピルブテロール、サルブタモール、テルブタリンフォルモテロール、サルメテロール、およびサルブタモールテルブタリン)、抗コリン作用剤(例えば、臭化イプラトロピウムおよび臭化オキシトロピウム)、スルファサラジン、ペニシラミン、ダプソン、抗ヒスタミン、抗マラリア剤(例えば、ヒドロキシクロロキン)、抗ウイルス剤、および抗生物質(例えば、ダクチノマイシン(旧名アクチノマイシン)、ブレオマイシン、エリトマイシン(erythomycin)、ペニシリン、ミトラマイシン、およびアントラマイシン(AMC))。
哺乳動物、好ましくはヒトに、本発明の液体製剤と、一種以上の他の治療法(例えば、一種以上の他の予防剤または治療剤)、好ましくは、IL−9ポリペプチドの異常な発現および/もしくは活性に付随し、またはそれによって特徴付けられる疾患または疾病、IL−9Rもしくは一個以上のそのサブユニットの異常な発現および/もしくは活性に付随し、またはそれによって特徴付けられる疾患または疾病、自己免疫疾患、炎症性疾患、増殖性疾患、または感染(例えば、呼吸器感染症)、あるいは一種以上のそれらの症状の予防、治療、および/または管理に有用な治療法を同時に投与してもよい。「同時に」という用語は、予防剤または治療剤/治療法を厳密に同時に投与することには限定されず、むしろ順次に、かつある時間間隔内に哺乳動物に、本発明の液体製剤およびその他の薬剤/治療法を投与することを意味し、その結果、液体製剤中に含まれる、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体(その抗体フラグメントを含む)が、その他の薬剤/治療法と一緒になって作用して、他の方法でそれらを投与する場合よりも利益を高めることができる。例えば、本発明の液体製剤、およびIL−9ポリペプチドの異常な発現および/もしくは活性に付随し、またはそれによって特徴付けられる疾患または疾病、IL−9Rもしくは一個以上のそのサブユニットの異常な発現および/もしくは活性に付随し、またはそれによって特徴付けられる疾患または疾病、自己免疫疾患、炎症性疾患、増殖性疾患、または感染(例えば、呼吸器感染症)、あるいは一種以上のそれらの症状の予防、治療および/または管理に有用な一種以上の他の予防剤または治療剤は、同時に、または異なる時間点で任意の順序で順次投与してもよいが、同時に投与しない場合は、所望の治療または予防効果を得るために、それらの薬剤は、十分に密接した時間内に投与すべきである。
様々な実施形態では、本発明の液体製剤と、一種以上の他の治療法(例えば、一種以上の他の予防剤または治療剤)、好ましくは、IL−9ポリペプチドの異常な発現および/もしくは活性に付随し、またはそれによって特徴付けられる疾患または疾病、IL−9Rもしくは一個以上のそのサブユニットの異常な発現および/もしくは活性に付随し、またはそれによって特徴付けられる疾患または疾病、自己免疫疾患、炎症性疾患、増殖性疾患、または感染(例えば、呼吸器感染症)、あるいは一種以上のそれらの症状の予防、治療および/または管理に有用な治療法は、1時間未満空けて、約1時間空けて、約1時間〜約2時間空けて、約2時間〜約3時間空けて、約3時間〜約4時間空けて、約4時間〜約5時間空けて、約5時間〜約6時間空けて、約6時間〜約7時間空けて、約7時間〜約8時間空けて、約8時間〜約9時間空けて、約9時間〜約10時間空けて、約10時間〜約11時間空けて、約11時間〜約12時間空けて、わずか24時間空けて、またはわずか48時間空けて投与する。好ましい実施形態では、本発明の液体製剤と、一種以上の他の治療法(例えば、一種以上の他の予防剤または治療剤)、好ましくは、IL−9ポリペプチドの異常な発現および/もしくは活性に付随し、またはそれによって特徴付けられる疾患または疾病、IL−9Rもしくは一個以上のそのサブユニットの異常な発現および/もしくは活性に付随し、またはそれによって特徴付けられる疾患または疾病、自己免疫疾患、炎症性疾患、増殖性疾患、または感染(例えば、呼吸器感染症)、あるいは一種以上のそれらの症状の予防、治療および/または管理に有用な治療法とは、同じ来院時に投与する。他の実施形態では、本発明の液体製剤と、一種以上の他の治療法(例えば、一種以上の他の予防剤または治療剤)、好ましくは、IL−9ポリペプチドの異常な発現および/もしくは活性に付随し、またはそれによって特徴付けられる疾患または疾病、IL−9Rもしくは一個以上のそのサブユニットの異常な発現および/もしくは活性に付随し、またはそれによって特徴付けられる疾患または疾病、自己免疫疾患、炎症性疾患、増殖性疾患、または感染(例えば、呼吸器感染症)、あるいは一種以上のそれらの症状の予防、治療および/または管理に有用な治療法は、約2〜4日空けて、約4〜6日空けて、約1週間空けて、約1〜2週間空けて、または2週間超空けて投与する。好ましい実施形態では、本発明の液体製剤と、一種以上の他の治療法(例えば、予防剤もしくは治療剤)、好ましくは、IL−9ポリペプチドの異常な発現および/もしくは活性に付随し、またはそれによって特徴付けられる疾患または疾病、IL−9Rもしくは一個以上のそのサブユニットの異常な発現および/もしくは活性に付随し、またはそれによって特徴付けられる疾患または疾病、自己免疫疾患、炎症性疾患、増殖性疾患、または感染(例えば、呼吸器感染症)、あるいは一種以上のそれらの症状の予防、治療および/または管理に有用な治療法は、両薬剤が依然として活性である時間枠内で投与する。当業者ならば、投与した薬剤の半減期を定量することによって、そのような時間枠を決定できるはずである。
ある実施形態では、本発明の液体製剤と、一種以上の他の治療法(例えば、一種以上の他の予防剤または治療剤)、好ましくは、IL−9ポリペプチドの異常な発現および/もしくは活性に付随し、またはそれによって特徴付けられる疾患または疾病、IL−9Rもしくは一個以上のそのサブユニットの異常な発現および/もしくは活性に付随し、またはそれによって特徴付けられる疾患または疾病、自己免疫疾患、炎症性疾患、増殖性疾患、または感染(例えば、呼吸器感染症)、あるいは一種以上のそれらの症状の予防、治療および/または管理に有用な治療法は、周期的に対象に投与する。周期治療は、ある期間第1薬剤を投与するステップ、続いてある期間第2薬剤および/または第3薬剤を投与するステップ、およびこの逐次投与を反復するステップを含む。周期治療は、それら治療法の一種以上に対する耐性の発生を低減し、治療法の一つの副作用を回避もしくは低減し、かつ/または治療効力を改善することができる。
ある実施形態では、本発明の液体製剤と、一種以上の他の治療法(例えば、一種以上の他の予防剤または治療剤)、好ましくは、IL−9ポリペプチドの異常な発現および/もしくは活性に付随し、またはそれによって特徴付けられる疾患または疾病、IL−9Rもしくは一個以上のそのサブユニットの異常な発現および/もしくは活性に付随し、またはそれによって特徴付けられる疾患または疾病、自己免疫疾患、炎症性疾患、増殖性疾患、または感染(例えば、呼吸器感染症)、あるいは一種以上のそれらの症状の予防、治療および/または管理に有用な治療法は、約3週間未満、約2週間毎に1回、約10日毎に1回、または約1週間毎に1回の周期で投与する。一周期は、約90分周期毎、約1時間周期毎、約45分周期毎にわたって、注入により治療剤または予防剤を投与するステップを含むことができる。各周期には、少なくとも1週間の休止、少なくとも2週間の休止、少なくとも3週間の休止を含めてよい。投与する周期数は、約1〜約12周期、より典型的には約2〜約10周期、より典型的には約2〜約8周期である。
他の実施形態では、本発明の液体製剤と、一種以上の他の治療法(例えば、予防剤もしくは治療剤)、好ましくはIL−9ポリペプチドの異常な発現および/もしくは活性に付随し、またはそれによって特徴付けられる疾患または疾病、IL−9Rもしくは一個以上のそのサブユニットの異常な発現および/もしくは活性に付随し、またはそれによって特徴付けられる疾患または疾病、自己免疫疾患、炎症性疾患、増殖性疾患、または感染(例えば、呼吸器感染症)、あるいは一種以上のそれらの症状の予防、治療および/または管理に有用な治療法は、規則正しい投薬計画で、連続注入、または休止期を延長しない高頻度投与により投与する。そのような規則正しい投与は、休止期なしの一定間隔での投薬を含んでよい。典型的には、予防剤または治療剤、特に細胞傷害性薬剤は低用量で使用する。そのような投薬計画は、長期間にわたり比較的低用量を習慣的に毎日投与することを包含する。好ましい実施形態では、低用量の使用によって、有害な副作用を最小限に抑え、休止期を省くことができる。ある実施形態では、予防剤および治療剤は、約24時間〜約2日、〜約1週、〜約2週間、〜約3週間、〜約1ヵ月、〜約2ヵ月、〜約3ヵ月、〜約4ヵ月、〜約5ヵ月、〜約6ヵ月の範囲で、習慣的に低用量または連続注入により送達される。
一実施形態では、本発明の液体製剤は、IL−9ポリペプチドに免疫特異的な抗体(その抗体フラグメントを含む)の血漿濃度を望ましいレベル(例えば、約0.1〜約100μg/ml)に維持する投薬計画で投与され、その濃度によりIL−9R活性を継続的に阻止する。特定の実施形態では、抗体(その抗体フラグメントを含む)の血漿濃度を0.2μg/ml、0.5μg/ml、1μg/ml、2μg/ml、3μg/ml、4μg/ml、5μg/ml、6μg/ml、7μg/ml、8μg/ml、9μg/ml、10μg/ml、15μg/ml、20μg/ml、25μg/ml、30μg/ml、35μg/ml、40μg/ml、45μg/mlまたは50μg/mlに維持する。対象で望ましい血漿濃度は、それだけには限らないが、疾患または疾病の性質、疾患または疾病の重症性、および対象の状態を含むいくつかの要因に応じて変わる。そのような投薬計画は、慢性疾患または疾病の予防、治療および/または管理に特に有益である。
一実施形態では、本発明の液体製剤は、IL−9ポリペプチドの異常な発現および/もしくは活性に付随し、またはそれによって特徴付けられる疾患または疾病、IL−9Rもしくは一個以上のそのサブユニットの異常な発現および/もしくは活性に付随し、またはそれによって特徴付けられる疾患または疾病、自己免疫疾患、炎症性疾患、増殖性疾患、または感染(例えば、呼吸器感染症)、あるいは一種以上のそれらの症状を有する対象に、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体(その抗体フラグメントを含む)の血漿濃度をあるレベルで維持する投薬計画を使用し投与され、そのレベルはIL−9ポリペプチドと結合するIL−9Rの少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%を阻止するものである。特定の実施形態では、IL−9ポリペプチドの異常な発現および/もしくは活性に付随し、またはそれによって特徴付けられる疾患または疾病、IL−9Rもしくは一個以上のそのサブユニットの異常な発現および/もしくは活性に付随し、またはそれによって特徴付けられる疾患または疾病、自己免疫疾患、炎症性疾患、増殖性疾患、または感染(例えば、呼吸器感染症)、あるいは一種以上のそれらの症状を有する対象で、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体(その抗体フラグメントを含む)の血漿濃度を約0.1μg/ml〜約100μg/ml維持する。
いくつかの実施形態では、本発明の液体製剤は断続的に対象に投与され、その際、液体製剤は、部分(moiety)(例えば、治療剤または毒素)にコンジュゲートされた抗体(その抗体フラグメントを含む)を含む。
IL−9ポリペプチドの異常な発現および/もしくは活性に付随し、またはそれによって特徴付けられる疾患または疾病、IL−9Rもしくは一個以上のそのサブユニットの異常な発現および/もしくは活性に付随し、またはそれによって特徴付けられる疾患または疾病、自己免疫疾患、炎症性疾患、増殖性疾患、または感染(例えば、呼吸器感染症)、あるいは一種以上のそれらの症状の予防、治療および/または管理に有用な他の治療法(例えば、予防剤および/または治療剤)と組み合せて使用する場合、本発明の液体製剤とその他の治療法は、相加的または相乗的に作用することができる。本発明は、他の治療法(例えば、予防剤もしくは治療剤)、好ましくはIL−9ポリペプチドの異常な発現および/もしくは活性に付随し、またはそれによって特徴付けられる疾患または疾病、IL−9Rもしくは一個以上のそのサブユニットの異常な発現および/もしくは活性に付随し、またはそれによって特徴付けられる疾患または疾病、自己免疫疾患、炎症性疾患、増殖性疾患、または感染(例えば、呼吸器感染症)、あるいは一種以上のそれらの症状の予防、治療および/または管理に有用な治療法と組み合せて、同一または異なる投与経路、例えば、経口および非経口経路により、本発明の液体製剤を投与することを企図している。ある実施形態では、有害な副作用(それだけには限らないが毒性を含む)を生じる恐れがある一種以上の治療法(例えば、予防剤もしくは治療剤)と同時に、本発明の液体製剤は投与する場合、その治療法(例えば、予防剤もしくは治療剤)を、有害な副作用が引き出される閾値以下の用量で有利に投与することができる。
5.5.1.癌治療
本発明の液体製剤は、癌あるいは一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理するために、それを必要とする対象に投与してよい。本発明の液体製剤は、癌あるいは一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理するために、それを必要とする対象に、一種以上の他の治療法、好ましくは癌(それだけには限らないが、下記第5.5.1.1節に挙げた予防剤または治療剤を含む)の予防、管理、または治療に有用な治療法と組み合せて投与しうる。特定の実施形態では、本発明は、癌、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理する方法であって、それを必要とする対象に、本発明の液体製剤の予防的または治療的有効量の用量を投与するステップを含む方法を提供する。別の実施形態では、本発明は、癌、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理する方法であって、それを必要とする対象に、本発明の液体製剤の予防的または治療的有効量の用量、および一種以上の治療法[例えば、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体(その抗体フラグメントを含む)以外の予防剤または治療剤]の予防的または治療的有効量の用量を投与するステップを含む方法を提供する。
本発明の液体製剤は、第1、第2、第3、または第4系統の癌治療として使用しうる。本発明は、癌に対する従来の治療法に不応な対象において、癌の一種以上の症状を予防し、治療し、かつ/または管理する方法であって、前記対象に、本発明の液体製剤の予防的または治療的有効量の用量を投与するステップを含む方法を提供する。治療に応答して、癌細胞の少なくともかなりの部分が死滅せず、またはそれらの細胞***が抑止されない場合、癌は治療手段に対して不応であると判定しうる。そのような判定は、そのような脈絡の中で当業界で受け入れられている「不応」の意味を使用し、癌細胞における治療有効性をアッセイする当技術分野で公知の任意の方法により、インビボまたはインビトロで行うことができる。特定の実施形態では、癌細胞数が著しく減少せず、または増加した場合、癌は不応である。
本発明は、癌、あるいは一種以上のそれらの症状を、そのような癌に対する既存の単一薬剤治療法に対して不応な対象で、予防し、治療し、かつ/または管理する方法であって、前記対象に、本発明の液体製剤の予防的または治療的有効量の用量、およびIL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体(その抗体フラグメントを含む)以外の一種以上の治療法(例えば、予防剤もしくは治療剤)の予防的または治療的有効量の用量を投与するステップを含む方法を提供する。本発明はまた、他の治療に不応であることが証明され、もはやこれらの治療に頼れない患者に、他の任意の治療(例えば、放射線療法、化学療法、または手術)と組み合せて、本発明の液体製剤を投与することによって、癌を予防し、治療し、かつ/または管理する方法も提供する。本発明はまた、癌を有し、かつ既に他の癌治療法を受けているという理由により、免疫抑制されている患者を管理または治療する方法も提供する。治療対象にとって化学療法、放射線療法、ホルモン療法、および/または生物学的療法/免疫療法が、非常に有害であることが証明され、または証明されかねない、すなわち許容できない、または耐えられない副作用をもたらす場合には、本発明はまた、癌、あるいは一種以上のそれらの症状の予防、治療、および/または管理の代替法も提供する。さらに、本発明は、治療を受けており、疾患の活性がない患者で、本発明の液体製剤を投与することによって、癌の再発を予防する方法を提供する。
本発明が包含する方法により治療できる癌には、それだけには限らないが、新生物、腫瘍、転移、または無制御細胞増殖によって特徴付けられる任意の疾患もしくは疾病が含まれる。癌は、原発性癌または転移性癌であってよい。癌は、IL−9Rを発現しても、またはしなくてもよい。本発明が包含する方法により治療できる癌の具体例には、それだけには限らないが、頭部、頚部、眼、口、咽頭、食道、胸部、骨、肺、結腸、直腸、胃、前立腺、***、卵巣、腎臓、肝臓、膵臓、および脳の癌が含まれる。さらなる癌には、それだけには限らないが、以下の癌が含まれる:白血病、例えば、ただしそれらだけには限らないが、急性白血病、急性リンパ球性白血病、急性骨髄球性白血病、例えば、骨髄芽球性、前骨髄球性、骨髄単球性、単球性、赤白血病白血病(erythroleukemia leukemias)および骨髄異形成症候群、慢性白血病、例えば、ただしそれらだけには限らないが、慢性骨髄球性(顆粒球性)白血病、慢性リンパ球性白血病、有毛細胞白血病;真性多血症;リンパ腫、例えば、ただしそれらだけには限らないが、ホジキン病、非ホジキン病;多発性骨髄腫、例えば、ただしそれらだけには限らないが、くすぶり型多発性骨髄腫、非分泌型骨髄腫、骨硬化性骨髄腫、形質細胞性白血病、孤立性形質細胞腫、および骨髄外形質細胞腫;ワルデンシュトレームマクログロブリン血症;重大性未定義型単クローン異常γグロブリン血症;良性単クローン異常γグロブリン血症;重鎖疾患;骨癌および結合組織肉腫、例えば、ただしそれらだけには限らないが、骨肉腫、骨髄腫骨疾患、骨肉腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、骨ページェット病、悪性巨細胞腫、骨線維肉腫、脊索腫、骨膜肉腫、柔組織肉腫、血管肉腫(angiosarcoma,hemangiosarcoma)、線維肉腫、カポジ肉腫、平滑筋肉腫、脂肪肉腫、リンパ管肉腫、神経鞘腫、横紋筋肉腫、滑膜肉腫;脳腫瘍、例えば、ただしそれらだけには限らないが、神経膠腫、星状膠細胞腫、脳幹部神経膠腫、上衣細胞腫、乏突起細胞腫、非神経膠腫、聴神経鞘腫、頭蓋咽頭腫、髄芽腫、髄膜腫、松果体細胞腫、松果体芽腫、原発性脳リンパ腫;乳癌、それだけには限らない、腺癌、小葉性(小細胞)癌腫、乳管癌、延髄性乳癌、粘液性乳癌、管状乳癌、乳頭部乳癌、ページェット病(若年性ページェット病を含む)、および炎症性乳癌を含む;副腎皮質癌、例えば、ただしそれらだけには限らないが、クロム親和細胞腫、および副腎皮質癌;甲状腺癌、例えば、ただしそれらだけには限らないが、乳頭部または濾胞性甲状腺癌、延髄性甲状腺癌および未分化甲状腺癌;膵癌、例えば、ただしそれらだけには限らないが、膵島細胞腺腫、ガストリン産生腫瘍、グルカゴン産生腫瘍、ビポーマ、ソマトスタチン分泌腫瘍、およびカルチノイドまたは膵島細胞腫瘍;下垂体癌、例えばそれらだけに限定されるが、クッシング疾患、プロラクチン分泌腫瘍、末端肥大症、および尿崩症(diabetes insipius);眼癌、例えば、ただしそれらだけには限らないが、眼黒色腫、例えば、虹彩黒色腫、脈絡叢黒色腫、および毛様体黒色腫、および網膜芽細胞腫;膣癌、例えば、扁平上皮癌、腺癌、および黒色腫;外陰部癌、例えば、扁平上皮癌、黒色腫、腺癌、基底細胞癌、肉腫、およびページェット病;子宮頚癌、例えば、ただしそれらだけには限らないが、扁平上皮癌、および腺癌;子宮癌、例えば、ただしそれらだけには限らないが、子宮内膜癌腫および子宮肉腫;卵巣癌、例えば、ただしそれらだけには限らないが、卵巣上皮癌腫、境界線腫瘍、胚細胞性腫瘍、および間質性腫瘍;食道癌、例えば、ただしそれらだけには限らないが、扁平上皮癌、腺癌、アデノイド嚢胞性(cyctic)癌腫、粘表皮癌、腺扁平上皮癌、肉腫、黒色腫、形質細胞腫、いぼ癌腫、および燕麦細胞(小細胞)癌腫;胃癌、例えば、ただしそれらだけには限らないが、腺癌、腫瘤形成性(ポリープ状)、潰瘍形成性、表面伝播性、拡散伝播性、悪性リンパ腫、脂肪肉腫、線維肉腫、および癌肉腫;大腸癌;直腸癌;肝臓癌、例えば、ただしそれらだけには限らないが、肝細胞癌および肝芽腫、胆嚢癌、例えば、腺癌;胆管癌、例えば、ただしそれだけには限らないが、乳頭、結節性、および拡散性;肺癌、例えば、非小細胞肺癌、扁平上皮癌(類表皮癌腫)、腺癌、大細胞癌および小細胞肺癌;精巣癌、例えば、ただしそれらだけには限らないが、胚腫瘍、精上皮腫、未分化、従来(通常)型、***細胞性、非精上皮腫、胚性癌腫、奇形癌腫、絨毛癌(卵黄嚢腫瘍)、前立腺癌、例えば、ただしそれらだけには限らないが、腺癌、平滑筋肉腫、および横紋筋肉腫;ペナル(penal)癌;口腔癌、例えば、ただしそれらだけには限らないが、扁平上皮癌;基底癌;唾液腺癌、例えば、ただしそれらだけには限らないが、腺癌、粘表皮癌、および腺様嚢胞癌;咽頭癌例えば、ただしそれらだけには限らないが、扁平上皮癌、およびいぼ;皮膚癌、例えば、ただしそれらだけには限らないが、基底細胞癌、扁平上皮癌および黒色腫、表在拡大型黒色腫、結節性黒色腫、悪性黒子由来黒色腫、末端性黒子性黒色腫;腎癌、例えば、ただしそれらだけには限らないが、腎細胞癌、腺癌、副腎腫、線維肉腫、転移性細胞癌(腎盂および/または尿管);ウイルムス腫瘍;膀胱癌、例えば、ただしそれらだけには限らないが、転移上皮癌、扁平上皮癌、腺癌、癌肉腫。さらに、癌には、粘液肉腫、骨原性肉腫、内皮肉腫、リンパ管内皮肉腫、中皮腫、滑膜腫、血管細胞芽腫、上皮癌腫、嚢胞腺癌、気管支原性肺癌、汗腺癌腫、皮脂腺癌腫、乳頭癌、および乳頭部腺癌が含まれる(そのような疾病の概説については、Fishmanら, 1985, Medicine,第2版, J.B. Lippincott Co., PhiladelphiaおよびMurphyら, 1997, Informed Decisions: The Complete Book of Cancer Diagnosis, Treatment, and Recovery, Viking Penguin, Penguin Books U.S.A., Inc., United States of Americaを参照されたい)。アポトーシスの異常によって生じた癌も本発明の方法および組成物によって治療できると考えられる。そのような癌は、それらだけには限らないが、濾胞性リンパ腫、p53変異を有する癌腫;***、前立腺および卵巣のホルモン依存性腫瘍;前癌病変、例えば、家族性大腸腺腫症、ならびに骨髄異形成症候群が含まれうる。
5.5.1.1.抗癌治療法
本発明は、癌、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理する方法であって、それを必要とする対象に、本発明の液体製剤と、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体(その抗体フラグメントを含む)以外の一種以上の治療法(例えば、予防剤もしくは治療剤)を投与するステップを含む方法を提供する。治療剤または予防剤には、それだけには限らないが、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、融合タンパク質、核酸分子、小分子、模倣剤、合成薬物、無機分子、および有機分子が含まれる。癌、あるいは一種以上のそれらの症状の予防、治療、および/または管理に有用であることが知られ、または使用されてきた、または現在使用されている任意の薬剤または治療法(例えば、化学療法、照射治療法、ホルモン療法、および/または生物学的治療法/免疫療法)は、本明細書に記載した本発明に従って、本発明の液体製剤と組み合わせて使用することができる。
ある実施形態では、抗癌剤は、化学療法剤などの免疫調節剤である。他のある実施形態では、抗癌剤は、化学療法剤以外の免疫調節剤である。他の実施形態では、抗癌剤は、免疫調節剤ではない。具体的実施形態では、抗癌剤は抗血管形成剤である。他の実施形態では、抗癌剤は抗血管形成剤ではない。具体的実施形態では、抗癌剤は抗炎症剤である。他の実施形態では、抗癌剤は抗炎症剤ではない。
特定の実施形態では、抗癌剤は、それだけには限らないが以下の化合物である:アシビシン;アクラルビシン;アコダゾール塩酸塩;アクロニン;アドゼレシン;アルデスロイキン;アルトレタミン;アンボマイシン;酢酸アメタントロン;アミノグルテチミド;アムサクリン;アナストロゾール;アントラマイシン;アスパラギナーゼ;アスペルリン;アザシチジン;アゼテパ;アゾトマイシン;バチマスタット;ベンゾデパ;ビカルタミド;ビサントレン塩酸塩;ビスナフィドジメシラート(bisnafide dimesylate);ビスホスホン酸塩(例えば、パミドロン酸塩(Aredria)、クロンドロン酸ナトリウム(Bonefos)、ゾレドロン酸(Zometa)、アレンドロン酸(Fosamax)、エチドロン酸塩、イバンドロネート(ibandornate)、シマドロン酸塩、リセドロン酸(risedromate)、およびチルドロム酸(tiludromate);ビセレシン;ブレオマイシン硫酸塩;ブレキナールナトリウム;ブロピリミン;ブスルファン;カクチノマイシン;カルステロン;カラセミド(caracemide);カルベチマー(carbetimer);カルボプラチン;カルムスチン;カルビシン塩酸塩;カルゼレシン;セデフィンゴール;クロランブシル;シロレマイシン;シスプラチン;クラドリビン;クリスナトールメシレート(crisnatol);シクロホスファミド;シタラビン;ダカルバジン;ダクチノマイシン;ダウノルビシン塩酸塩;デシタビン;デキソルマプラチン;デザグアニン;デザグアニンメシレート;ジアジコン;ドセタキセル;ドキソルビシン;ドキソルビシン塩酸塩;ドロロキシフェン;クエン酸ドロロキシフェン;プロピオン酸ドロモスタノロン;ズアゾマイシン(duazomycin);エダトレキサート;エフロルニチン塩酸塩;EphA2阻害薬(例えば、EphA2のリン酸化およびEphA2分解(degration)をもたらす抗EphA2抗体(米国特許出願第60/418,213号を参照されたい。その全体を参照により本明細書に組み込む);エルサミトルシン;エンロプラチン;エンプロマート;エピプロピジン;塩酸エピルビシン;エルブロゾール;エソルビシン塩酸塩;エストラムスチン;リン酸エストラムスチンナトリウム;エタニダゾール;エトポシド;リン酸エトポシド;エトプリン(etoprine);ファドロゾール塩酸塩;ファザラビン(fazarabine);フェンレチニド;フロックスウリジン;リン酸フルダラビン;フルオロウラシル;フルロシタビン;ホスキドン;ホストリエシンナトリウム(fostriecin sodium);ゲムシタビン;塩酸ゲムシタビン;ヒドロキシ尿素;イダルビシン塩酸塩;イホスフアミド;イルモホシン;インターロイキンII(組換えインターロイキンII、またはrIL2を含む)、インターフェロンα2a;インターフェロンα2b;インターフェロンαn1;インターフェロンαn3;インターフェロンβIa;インターフェロンγIb;イプロプラチン;塩酸イリノテカン;酢酸ランレオチド;レトロゾール;酢酸ロイプロリド;リアロゾール塩酸塩;ロメトレキソールナトリウム;ロムスチン;ロソキサントロン塩酸塩(losoxantrone hydrochloride);マソプロコール;マイタンシン;メクロレタミン塩酸塩;抗CD2抗体(例えば、シプリズマブ(メドイミューン社;国際公開第02/098370号、その全体を参照により本明細書に組み込む));酢酸メゲストロール;酢酸メレンゲストロール;メルファラン;メノガリル;メルカプトプリン;メトトレキセート;メトトレキセートナトリウム;メトプリン;メツレデパ;ミチンドミド(mitindomide);ミトカルシン(mitocarcin);ミトクロミン(mitocromin);ミトギリン(mitogillin);ミトマルシン(mitomalcin);マイトマイシン;ミトスペル(mitosper);ミトタン;ミトキサントロン塩酸塩;マイコフェノール酸;ノコダゾール;ノガラマイシン;オルマプラチン;オキシスラン;パクリタキセル;ペグアスパルガーゼ;ペリオマイシン;ペンタムスチン;ペプロマイシン硫酸塩;ペルホスフアミド(perfosfamide);ピポブロマン;ピポスルファン;ピロキサントロン塩酸塩;プリカマイシン;プロメスタン;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニムスチン;プロカルバジン塩酸塩;ピューロマイシン;ピューロマイシン塩酸塩;ピラゾフリン;リボプリン;ログレトイミド(rogletimide);サフィンゴール;サフィンゴール塩酸塩;セムスチン;シムトラゼン;スパルホセートナトリウム(sparfosate sodium);スパルソマイシン;スピロゲルマニウム塩酸塩;スピロムスチン;スピロプラチン;ストレプトニグリン;ストレプトゾシン;スロフェヌル;タリソマイシン;テコガランナトリウム(tecogalan sodium);テガフール;テロキサントロン塩酸塩;テモポルフィン;テニポシド;テルオキシロン(teroxirone);テストラクトン;チアミプリン;チオグアニン;チオテパ;チアゾフリン;チラパザミン;クエン酸トレミフェン;酢酸トレストロン;リン酸トリシリビン;トリメトレキセート;グルクロン酸トリメトレキセート;トリプトレリン;ツブロゾール塩酸塩;ウラシルマスタード;ウレデパ;バプレオチド;ベルテポルフィン;硫酸ビンブラスチン;硫酸ビンクリスチン;ビンデシン;硫酸ビンデシン;硫酸ビネピジン(vinepidine sulfate);硫酸ビングリシネート(vinglycinate sulfate);硫酸ビンロイロシン(vinleurosine sulfate);酒石酸ビノレルビン;硫酸ビンロシジン(vinrosidine sulfate);硫酸ビンゾリジン(vinzolidine sulfate);ボロゾール;ゼニプラチン;ジノスタチン;ゾルビシン塩酸塩。
他の抗癌薬には、それだけには限らないが、以下のものが含まれる:20−epi−1,25ジヒドロキシビタミンD3;5−エチニルウラシル;アビラテロン;アクラルビシン;アシルフルベン;アデシペノール;アドゼレシン;アルデスロイキン;ALL−TKアンタゴニスト;アルトレタミン;アンバムスチン;アミドックス;アミホスチン;アミノレブリン酸;アムルビシン;アムサクリン;アナグレライド;アナストロゾール;アンドログラホリド;血管新生阻害薬;アンタゴニストD;アンタゴニストG;アンタレリクス;抗背側化形態形成タンパク質−1(dorsalizing morphogenetic protein-1);抗アンドロゲン、前立腺癌剤;抗エストロゲン剤;抗新生物薬;アンチセンスオリゴヌクレオチド;アフィジコリングリシネート;アポトーシス遺伝子モジュレーター;アポトーシス制御因子;アプリン酸;ara−CDP−DL−PTBA;アルギニン脱アミノ酵素;アスラクリン;アタメスタン;アトリムスチン;アキシナスタチン1;アキシナスタチン2;アキシナスタチン3;アザセトロン;アザトキシン;アザチロシン;バッカチンIII誘導体;バラノール;バチマスタット;BCR/ABLアンタゴニスト;ベンゾクロリンス;ベンゾイルスタウロスポリン;βラクタム誘導体;β−アレチン;ベタクラマイシンB(betaclamycin B);ベツリン酸;bFGF阻害薬;ビカルタミド;ビサントレン;ビスアジリジニルスペルミン;ビスナフィド;ビストラテンA;ビゼレシン;ブレフレート(breflate);ブロピリミン;ブドチタン;ブチオニンスルホキシミン;カルシポトリオール;カルホスチンC;カンプトテシン誘導体;カナリヤポックスIL−2;カペシタビン;カルボキサミド−アミノ−トリアゾール;カルボキシアミドトリアゾール;CaRest M3;CARN 700;軟骨由来阻害薬;カルゼレシン;カゼインキナーゼ阻害薬(ICOS);カスタノスペルミン;セクロピンB;セトロレリクス;クロルンス(chlorlns);クロロキノキサリンスルホンアミド;シカプロスト;シス−ポルフィリン;クラドリビン;クロミフェン類似体;クロトリマゾール;コリスマイシンA;コリスマイシンB;コンブレタスタチンA4;コンブレタスタチン類似体;コナゲニン;クランベシジン816;クリスナトール;クリプトフィシン8;クリプトフィシンA誘導体;キュラシンA;シクロペンタアントラキノン類;シクロプラタム;シペマイシン;シタラビンオクホスファート;細胞溶解性因子;シトスタチン;ダクリキシマブ;デシタビン;デヒドロジデムニンB;デスロレリン;デキサメタゾン;デキシホスフアミド(dexifosfamide);デクスラゾキサン;デキスベラパミル(dexverapamil);ジアジコン;ジデムニンB;ジドックス;ジエチルノルスペルミン;ジヒドロ−5−アザシチジン;ジヒドロタキソール、ジオキサマイシン;ジフェニルスピロムスチン;ドセタキセル;ドコサノール;ドラセトロン;ドキシフルリジン;ドロロキシフェン;ドロナビノール;デュオカルマイシンSA;エブセレン;エコムスチン;エデルホシン;エドレコロマブ;エフロルニチン;エレメン(elemene);エミテフール;エピルビシン;エプリステリド;エストラムスチン類似体;エストロゲンアゴニスト;エストロゲンアンタゴニスト;エタニダゾール;リン酸エトポシド;エキセメスタン;ファドロゾール;ファザラビン;フェンレチニド;フィルグラスチム;フィナステリド;フラボピリドール;フレゼラスチン;フルアステロン;フルダラビン;フルオロダウノルニシン塩酸塩;ホルフェニメクス;ホルメスタン;ホストリエシン;ホテムスチン;ガドリウムテキサフィリン;硝酸ガリウム;ガロシタビン;ガニレリクス;ゼラチナーゼ阻害薬;ゲムシタビン;グルタチオン阻害薬;HMG CoA還元酵素阻害薬(例えば、アトルバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、レスコール、ルピター、ロバスタチン、ロスバスタチン、およびシンバスタチン);ヘプスルファム;ヘレグリン;ヘキサメチレンビスアセトアミド;ヒペリシン;イバンドロン酸;イダルビシン;イドキシフェン;イドラマントン;イルモホシン;イロマスタット;イミダゾアクリドン類;イミキモド;免疫賦活薬ペプチド;インスリン様成長因子−1受容体阻害薬;インターフェロンアゴニスト;インターフェロン;インターロイキン;イオベングアン;ヨードドキソルビシン;イポメアノール、4−イロプラクト;イルソグラジン;イソベンガゾール;イソホモハリコンドリンB;イタセトロン;ジャスプラキノリド;カハラリドF;ラメラリンNトリアセタート;ランレオチド;レイナマイシン;レノグラスチム;硫酸レンチナン;レプトルスタチンスタチン;レトロゾール;白血病阻害因子;白血球αインターフェロン;ロイプロリド+エストロゲン+プロゲステロン;ロイプロレリン;レバミソール;LFA−3TIP(バイオジェン,マサチューセッツ州ケンブリッジ;国際公開第93/0686号および米国特許第6,162,432号);リアロゾール;直鎖ポリアミン類似体;親油性二糖類ペプチド;親油性白金化合物;リソクリンアミド(lissoclinamide)7;ロバプラチン;ロンブリシン;ロメトレキソール;ロニダミン;ロソキサントロン;ロバスタチン;ロキソリビン;ルルトテカン;ルテチウムテキサフィリン;リソフィリン;溶解性ペプチド;マイタンシン;マンノスタチンA;マリマスタット;マソプロコール;マスピン;マトリリシン阻害薬;マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害薬;メノガリル;メルバロン;メテレリン;メチオニナーゼ;メトクロプラミド;MIF阻害薬;ミフェプリストン;ミルテホシン;ミリモスチム;ミスマッチ二本鎖RNA;ミトグアゾン;ミトラクトール;マイトマイシン類似体;ミトナフィド;ミトトキシン線維芽細胞増殖因子−サポリン;ミトキサントロン;モファロテン;モルグラモスチム;モノクローナル抗体、ヒト絨毛性ゴナドトロピン;モノホスホリル脂質A+ミオバクテリウム細胞壁sk;モピダモール;多剤耐性遺伝子阻害薬;多発性腫瘍サプレッサー1を基にした治療;マスタード抗癌剤;マイカペルオキシドB;マイコバクテリア細胞壁抽出物;ミリアポロン;N−アセチルジナリン;N−置換ベンズアミド類;ナファレリン;ナグレスチプ;ナロキソン+ペンタゾシン;ナパビン;ナフテルピン;ナルトグラスチム;ネダプラチン;ネモルビシン;ネリドロン酸;中性エンドペプチダーゼ;ニルタミド;ニサマイシン;一酸化窒素モジュレーター;ニトロキシド酸化防止剤;ニトルリン;O6−ベンジルグアニン;オクトレオチド;オキセノン;オリゴヌクレオチド;オナプリストン;オンダンセトロン;オンダンセトロン;オラシン;経口サイトカイン誘導物質;オルマプラチン;オサテロン;オキサリプラチン;オキサウノマイシン;パクリタキセル;パクリタキセル類似体;パクリタキセル誘導体;パラウアミン;パルミトイルリゾキシン;パミドロン酸;パナキシトリオール;パノミフェン;パラバクチン;パゼリプチン;ペグアスパルガーゼ;ペルデシン;ペントサンポリスルファートナトリウム(pentosan polysulfate sodium);ペントスタチン;ペントロゾール;ペルフルブロン;ペルホスフアミド;ペリリルアルコール;フェナジノマイシン;フェニル酢酸;ホスファターゼ阻害薬;ピシバニル;ピロカルピン塩酸塩;ピラルビシン;ピリトレキシム;プラセチンA;プラセチンB;プラスミノゲンアクチベーター阻害薬;白金複合体;白金化合物;白金−トリアミン複合体;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニゾン;プロピルビス−アクリドン;プロスタグランジンJ2;プロテアソーム阻害薬;プロテインAを基にした免疫モジュレーター;タンパク質キナーゼC阻害薬;タンパク質キナーゼC阻害薬、微細藻類;タンパク質チロシンホスファターゼ阻害薬;プリンヌクレオシドホスホリラーゼ阻害薬;プルプリン類;ピラゾロアクリジン;ピリドキシ化(pyridoxylated)ヘモグロビンポリオキシエチレンコンジュゲート;rafアンタゴニスト;ラルチトレキセド;ラモセトロン;rasファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害薬;ras阻害薬;rasギャップ阻害薬;デメチル化(demethylated)レテリプチン;レニウムRe186エチドロン酸塩;リゾキシン;リボザイム;RIIレチンアミド;ログレトイミド;ロヒツキン;ロムルチド;ロキニメキス(roquinimex);ルビギノンB1;ルボキシル;サフィンゴール;サイントピン;SarCNU;サルコフィトールA;サルグラモスチム;Sdi 1模倣体;セムスチン;老化由来阻害薬1;センスオリゴヌクレオチド;シグナル伝達阻害薬;シグナル伝達モジュレーター;一本鎖抗原結合タンパク質;シゾフィラン;ソブゾキサン;ボロカプト酸ナトリウム;フェニル酢酸ナトリウム;ソルベロール;ソマトメジン結合タンパク質;ソネルミン;スパルホス酸;スピカマイシンD;スピロムスチン;スプレノペンチン;スポンギスタチン1;スクアラミン;幹細胞阻害薬;幹細胞***阻害薬;スチピアミド;ストロメライシン阻害薬;スルフィノシン;超活性血管作動性腸管ペプチドアンタゴニスト;スラジスタ;スラミン;スワインソニン;合成グリコサミノグリカン類;タリムスチン;5−フルオロウラシル;ロイコボリン;タモキシフェンメトヨウ化物;タウロムスチン;タザロテン;テコガランナトリウム;テガフール;テルラピリリウム;テロメラーゼ阻害薬;テモポルフィン;テモゾロマイド;テニポシド;テトラクロロ十酸化物;テトラゾミン;タリブラスチン;チオコラリン;トロンボポエチン;トロンボポエチン模倣物;チマルファシン;チモポイエチン受容体アゴニスト;チモトリナン;甲状腺刺激ホルモン;スズエチルエチオプルプリン;チラパザミン;二塩化チタノセン;トプセンチン;トレミフェン;全能性幹細胞因子;翻訳阻害薬;トレチノイン;トリアセチルウリジン;トリシリビン;トリメトレキセート;トリプトレリン;トロピセトロン;ツロステリド;チロシンキナーゼ阻害薬;チルホスチン類;UBC阻害薬;ウベニメクス;尿生殖器洞由来増殖抑制因子;ウロキナーゼ受容体アンタゴニスト;バプレオチド;バリオリンB;ベクター系、赤血球遺伝子治療;サリドマイド;ベラレソール;ベラミン;ベルジン類;ベルテポルフィン;ビノレルビン;ビンキサルチン;ビタキシン(商標)(2002年11月14日付け米国特許公開第2002/0168360号A1、名称「Methods of Preventing or Treating Inflammatory or Autoimmune Disorders by Administering Integrin αvβ3 Antagonists in Combination With Other Prophylactic or Therapeutic Agents(他の予防剤または治療剤と組み合せてインテグリンαvβ3アンタゴニストを投与することによる、炎症または自己免疫疾患の予防または治療法)」を参照);ボロゾール;ザノテロン;ゼニプラチン;ジラスコルブ;およびジノスタチンスチマラマー。別の好ましい実施形態では、二重特異性T細胞結びつけ(BiTE(商標);メドイミューン社)として知られている、抗体誘導体クラスの一部であるMT103などの抗体誘導体も、本発明の一種以上の液体製剤と組み合せて使用しうる。
抗癌剤の他の例には、それだけには限らないが、血管新生阻害薬、トポイソメラーゼ阻害薬、および免疫調節剤[例えば、それだけには限らないが、化学療法剤および非治療用免疫調節剤、抗T細胞受容体抗体{例えば、抗CD4抗体{例えば、cM−T412(Boeringer)、アイデック−CE9.1(登録商標)(アイデックおよびSKB)、mAB 4162W94、オルトクロン(Orthoclone)およびOKTcdr4a(Janssen-Cilag)}、抗CD3抗体{例えば、ヌビオン(Nuvion)(Product Design Labs)、OKT3(ジョンソンエンドジョンソン)、またはリツキサン(アイデック)}、抗CD5抗体(例えば、抗CD5リシン結合免疫コンジュゲート)、抗CD7抗体(例えば、CHH−380(ノバルティス))、抗CD8抗体、抗CD40リガンドモノクローナル抗体(例えば、アイデック−131(アイデック))、抗CD52抗体(例えば,CAMPATH 1H(Ilex))、抗CD2抗体{例えば、MEDI−507(メドイミューン社、国際公開第02/098370号および同第02/069904号)、抗CD11a抗体(例えば、キサネリム(Xanelim)(ジェネンテク))、および抗B7抗体(例えば、アイデック−114)(アイデック)};抗サイトカイン受容体抗体[例えば、抗IFN受容体抗体、抗IL−2受容体抗体{例えば、ゼナパックス(Zenapax)(Protein Design Labs)}、抗IL−4受容体抗体、抗IL−6受容体抗体、抗IL−10受容体抗体、および抗IL−12受容体抗体]、抗サイトカイン抗体{例えば、抗IFN抗体、抗TNF−α抗体、抗IL−1β抗体、抗IL−6抗体、抗IL−8抗体(例えば、ABX−IL−8(アブジェニックス))、および抗IL−12抗体}];CTLA4−免疫グロブリン;LFA−3TIP(バイオジェン、国際公開第93/08656号および米国特許第6,162,432号);溶解性サイトカイン受容体(例えば、TNF−α受容体の細胞外ドメインまたはそのフラグメント、IL−1β受容体の細胞外ドメインまたはそのフラグメント、およびIL−6受容体の細胞外ドメインまたはそのフラグメント);サイトカインまたはそのフラグメント(例えば、インターロイキン(IL)−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12、IL−15、TNF−α、TNF−β、インターフェロン(IFN)−α、IFN−β、IFN−γ、およびGM−CSF);抗サイトカイン抗体(例えば、抗IL−2抗体、抗IL−4抗体、抗IL−6抗体、抗IL−10抗体、抗IL−12抗体、抗IL−15抗体、抗TNF−α抗体、および抗IFN−γ抗体)、ならびに腫瘍関連抗原と免疫特異的に結合する抗体(例えば、ハーセプチン(登録商標))が含まれる。
本発明はまた、癌細胞を破壊するためのX線、γ線、および他の照射源の使用を含む放射線療法と組み合せての、本発明の液体製剤の投与を包含する。好ましい実施形態では、照射処置は、外部ビーム照射、または照射が遠隔供給源から当てられる遠隔療法として投与される。他の好ましい実施形態では、照射治療は、内部処置、または放射(radiaoactive)源が、癌細胞または腫瘍塊に近い身体内側に配置される近接照射療法として投与される。
具体的実施形態では、乳癌患者に、本発明の液体製剤の予防的または治療的有効量と、それだけには限らないが、以下を含む乳癌治療に有用な一種以上の他の薬剤の予防的または治療的有効量を組み合せて投与する:ドキソルビシン、エピルビシン;ドキソルビシンとシクロホスファミドの組合せ(AC);シクロホスファミドと、ドキソルビシンと、5−フルオロウラシルの組合せ(CAF);シクロホスファミドと、エピルビシンと、5−フルオロウラシル組合せ(CEF);ハーセプチン(登録商標)、タモキシフェン;タモキシフェンと細胞障害性化学療法の組合せ。ある実施形態では、転移性乳癌患者に、本発明の一種以上の液体製剤の予防的または治療的有効量と、ドセタキセルおよびパクリタキセルなどのタキサンの有効量を組み合せて投与する。他の実施形態では、本発明の液体製剤の予防的または治療的有効量は、リンパ節転移陽性の局在性乳癌のアジュバント治療用に、タキサンに標準的ドキソルビシンとシクロホスファミドを加えたものの予防的または治療的有効量と組み合せて投与される。
具体的実施形態では、前立腺癌患者に、本発明の液体製剤の予防的または治療的有効量と、それだけには限らないが以下を含む、前立腺癌の治療に有用な一種以上の他の薬剤の予防的または治療的有効量を組み合せて投与する:外部ビーム放射線療法、放射性同位元素(すなわち、I125、パラジウム、イリジウム)の間質細胞移植(interstitial implantation)、ロイプロリドまたは他のLHRHアゴニスト、非ステロイド系抗アンドロゲン(フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド)、ステロイド抗アンドロゲン(酢酸シプロテロン);ロイプロリドとフルタミドの組合せ;エストロゲン、例えば、DES、クロロトリアニセン、エチニルエストラジオール、コンジュゲート型エストロゲンU.S.P.、DES−ジホスファート;ストロンチウム−89などの放射性同位元素;外部ビーム放射線療法とストロンチウム−89の組合せ;第2系統ホルモン療法、例えば、アミノグルテチミド、ヒドロコルチゾン、フルタミド休薬、プロゲステロン、およびケトコナゾール、低用量プレドニゾン、あるいは症状を自覚的に改善し、かつドセタキセル、パクリタキセル、エストラムスチン/ドセタキセル、エストラムスチン/エトポシド、エストラムスチン/ビンブラスチン、およびエストラムスチン/パクリタキセルを含むPSAレベルを低下させることが報告されている他の化学療法治療計画。具体的実施形態では、卵巣癌患者に、本発明の液体製剤の予防的または治療的有効量と、それだけには限らないが、以下を含む卵巣癌治療に有用な一種以上の他の薬剤の予防的または治療的有効量を組み合せて投与する:腹腔内放射線療法、例えば、P32治療、全腹部および骨盤放射線療法、シスプラチン;パクリタキセル(タキソール)またはドセタキセル(タキソテール)と、シスプラチンまたはカルボプラチンとの組合せ;シクロホスファミドとシスプラチンの組合せ;シクロホスファミドとカルボプラチンの組合せ;5−FUと、ロイコボリン、エトポシド、リポソームドキソルビシン、ゲムシタビン、またはトポテカンとの組合せ。白金不応疾患患者には、タキソールの投与と組み合せて、本発明の液体製剤の予防的または治療的有効量を投与することが企図される。含まれるものは、以下の投与を含む不応性卵巣癌患者の治療である:白金不応性疾患患者でイホスフアミド、シスプラチンを基にした組合せの治療計画の失敗後、サルベージ化学療法としてヘキサメチルメラミン(HMM)、およびそれらの腫瘍で細胞質エストロゲン受容体レベルが検出可能な患者でタモキシフェン。具体的実施形態では、骨肉腫患者に、本発明の液体製剤の予防的または治療的有効量と、それだけには限らないが、以下を含む骨肉腫治療に有用な一種以上の他の薬剤の予防的または治療的有効量を組み合せて投与する:ドキソルビシン、イホスフアミド、シスプラチン、高用量メトトレキセート、シクロホスファミド、エトポシド、ビンクリスチン、ダクチノマイシン、および手術。
具体的実施形態では、骨転移性腫瘍患者に、本発明の液体製剤の予防的または治療的有効量と、それだけには限らないが、以下を含む骨転移性腫瘍治療に有用な一種以上の他の薬剤の予防的または治療的有効量を組み合せて投与する:基本的に悪性の腫瘍(非限定的な例は、骨に転移した前立腺または乳癌ホルモン阻害薬、および手術である)の治療で使用される薬剤または療法、放射線療法(非限定的な例は、ストロンチウム89およびサマリウム153であり、これらは、抗腫瘍効果を発揮し症状を軽減することができる骨集積性放射性核種である)、ならびにビスホスポナート(bisphosponates)。
癌治療法、およびそれらの投薬量、投与経路および推奨される使用は、当技術分野で公知であり、Physicians’ Desk Reference (第60版,2006)などの文献に記載されている。
5.5.2.増殖性疾患
本発明の液体抗体製剤は、増殖性疾患、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理するために使用できる。特定の実施形態では、増殖性疾患は、IL−9が、T細胞、赤血球前駆体、B細胞、肥満細胞、好酸球、好中球、および胎児胸腺細胞(これらだけには限らない)の増殖を媒介する細胞の異常増殖(例えば、無制御増殖または増殖の欠如)によって特徴付けられる。
本発明は、IL−9が媒介する細胞の過剰増殖、特に、上皮細胞の過剰増殖(例えば、喘息、COPD、肺線維症、気管支応答性亢進、乾癬、リンパ球増殖性疾患、および脂漏性皮膚炎で)、ならびに内皮細胞の過剰増殖(例えば、再狭窄、過剰増殖血管疾患、ベーチェット症候群、アテローム性動脈硬化症、および黄斑変性症で)に伴う非癌疾病(すなわち、転移する可能性がない疾病)の一種以上の症状を予防し、治療し、かつ/または管理する方法であって、それを必要とする対象に、一種以上の本発明の抗体の有効量を投与するステップを含む方法を提供する。本発明はまた、IL−9が媒介する細胞過剰増殖に伴う非癌疾病を予防し、治療し、かつ/または管理する方法であって、それを必要とする対象に、一種以上の本発明の抗体の有効量、および前記疾病の予防、治療、および/または管理に有用な本発明の抗体以外の一種以上の他の治療法(例えば、一種以上の予防剤もしくは治療剤)の有効量を投与するステップを含む方法も提供する。
本発明は、IL−9が媒介する細胞過剰増殖に伴う非癌疾病の一種以上の症状を、そのような疾病の従来の治療法に不応な対象で予防し、治療し、かつ/または管理する方法であって、対象に、本発明の一種以上の抗体、組成物、または併用療法の有効量を投与するステップを含む方法を提供する。ある実施形態では、IL−9が媒介する細胞過剰増殖に伴う非癌疾病を有する患者は、その過剰増殖が根絶されず、かつ/またはその症状が緩和されていない場合、治療法に対して不応である。患者が不応であるかどうかの決定は、そのような脈絡の中で当業界で受け入れられている「不応」の意味を使用し、非癌性過剰増殖疾病の治療有効性をアッセイする当技術分野で公知の任意の方法によって、インビボまたはインビトロで行うことができる。様々な実施形態では、IL−9が媒介する細胞過剰増殖に伴う非癌疾病を有する患者のIL−9レベルが異常なままであり、かつ/または細胞増殖が減少しない場合、その患者は不応である。本発明はまた、IL−9が媒介する細胞過剰増殖に伴う非癌疾病を、そのような疾病の従来の治療法に不応な対象で予防し、治療し、かつ/または管理する方法であって、それを必要とする対象に、本発明の一種以上の抗体製剤の有効量、および前記疾病の予防、治療、および/または管理に有用な本発明の抗体製剤以外の、一種以上の他の治療法(例えば、一種以上の予防剤もしくは治療剤)の有効量を投与するステップを含む方法も提供する。
特定の実施形態では、増殖性疾患の危険にさらされ、またはそれに罹患している対象に、一種以上の本発明の抗体の有効量と、抗体(その抗体フラグメントを含む)、(例えば、4D4、4D4 H2−1 D11、4D4com−XF−9、4D4com−2F9、7F3、71A10、7F3 22D3、7F3com−2H2、7F3com−3H5、または7F3com−3D4)を含む本発明の液体製剤の有効量を組み合せて投与する。本発明の液体抗体製剤または本発明の併用療法は、増殖性疾患、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理する第1、第2、第3、第4、または第5の治療法として使用しうる。本発明は、他の疾患または疾病の治療法を受けている患者で、増殖性疾患、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理する方法も含む。本発明は、本発明の抗体以外の治療法に対して、いかなる有害作用も、または不耐性も発生する前にある患者で、増殖性疾患、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理する方法を包含する。本発明はまた、従来の治療法に対して有害反応を受けやすい患者で、増殖性疾患またはその症状を予防し、治療し、かつ/または管理する方法を包含する。
本発明は、本発明の抗体、組成物、または併用療法以外の治療法に対して不応であることが証明されている患者で、増殖性疾患またはその症状を予防し、治療し、かつ/または管理する方法を包含する。ある実施形態では、増殖疾病が根絶されていない、かつ/またはその症状が緩和されていない場合、増殖性疾患患者は、治療法に対して不応である。患者が不応であるかどうかの決定は、そのような脈絡の中で当業界で受け入れられている「不応」の意味を使用し、増殖性疾患の治療有効性をアッセイする当技術分野で公知の任意の方法によって、インビボまたはインビトロで行うことができる。様々な実施形態では、増殖性疾患患者のIL−9レベルが異常なままであり、かつ/または細胞増殖が減少しない場合、その患者は不応である。
本発明は、他の従来の治療法の代替法として、増殖性疾患、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理する方法を提供する。具体的実施形態では、本発明の方法に従って管理され、または治療を受けている患者は、他の治療法に対して不応であり、またはそのような治療法から有害反応を受けやすい。患者は、免疫系が抑制されている人(例えば、術後患者、化学療法患者、および免疫不全疾患患者)、腎機能もしくは肝機能が損なわれている人、高齢者、小児、幼児、神経精神医学的疾病を有する人、または向精神薬を服用している人、てんかん発作歴のある人、または増殖性疾患を管理し、または治療するために使用される従来の薬剤と負に相互作用するであろう投薬を受けている人でありうる。
増殖性疾患、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理するための療法および投薬量、投与経路、および治療法の推奨される使用は、当技術分野で公知であり、Physicians’ Desk Reference (第60版,2006)などの文献に記載されている。
5.5.3.炎症性疾患の治療
本発明の液体製剤は、炎症性疾患(喘息など)、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理するために、それを必要とする対象に投与してよい。本発明の液体製剤は、炎症性疾患、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理するために、それを必要とする対象に、一種以上の他の治療法、好ましくは炎症性疾患の予防、治療、および/または管理に有用な治療法(それだけには限らないが、下記下記5.5.3.1節に挙げる予防剤または治療剤を含む)と組み合せて投与しうる。特定の実施形態では、本発明は、炎症性疾患、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理する方法であって、それを必要とする対象に、本発明の液体製剤の予防的または治療的有効量の用量を投与するステップを含む方法を提供する。別の実施形態では、本発明は、炎症性疾患、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理する方法であって、それを必要とする対象に、本発明の液体製剤の予防的または治療的有効量の用量、およびIL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体(その抗体フラグメントを含む)以外の一種以上の治療法(例えば、予防剤もしくは治療剤)の予防的または治療的有効量の用量を投与するステップを含む方法を提供する。
本発明は、炎症性疾患の一種以上の症状を、そのような炎症性疾患の従来の治療法[例えば、メトトレキセートおよびTNF−αアンタゴニスト{例えば、レミケード(商標)またはエンブレル(商標)}]に不応な対象で、予防し、治療し、かつ/または管理する方法であって、前記対象に、本発明の液体製剤の予防的または治療的有効量の用量を投与するステップを含む方法を提供する。本発明はまた、炎症性疾患の一種以上の症状を、そのような炎症性疾患に対する既存の単一薬剤治療法に不応な対象で、予防し、治療し、かつ/または管理する方法であって、前記対象に、本発明の液体製剤の予防的または治療的有効量の用量、およびIL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体(その抗体フラグメントを含む)以外の一種以上の治療法(例えば、予防剤もしくは治療剤)の予防的または治療的有効量の用量を投与するステップを含む方法も提供する。本発明はまた、他の治療に不応であることが証明され、もはやこれらの治療に頼れない患者に、他の任意の治療と組み合せて本発明の液体製剤を投与することによって、炎症性疾患を管理し、または治療する方法も提供する。本発明はまた、治療対象にとって、別の治療法が、余りに有毒であることが証明され、または証明されかねない、すなわち許容できない、または耐えられない副作用をもたらす炎症性疾患を治療する代替法も提供する。例えば、対象が、TNFアンタゴニストまたはメトトレキセートに不応である場合、本発明の液体製剤を対象に投与してよい。さらに、本発明は、本発明の液体製剤の投与によって治療を受けており、疾患活性がない患者で、炎症性疾患の再発を予防する方法を提供する。
本発明が包含する方法により治療できる炎症性疾患には、それだけには限らないが、喘息、脳炎(encephilitis)、炎症性腸疾患、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、アレルギー性疾病、敗血症性ショック、肺線維症、未分化(undifferentitated)脊椎関節症、未分化関節症、関節炎、骨関節炎、脊椎関節症(例えば、乾癬性関節炎、強直性脊椎炎、ライター症候群(反応性関節炎)、炎症性骨溶解、ウィルソン病、および慢性ウイルス感染または細菌感染から生じた慢性炎症が含まれる。本明細書第5.5.4.1節に記載したように、いくつかの自己免疫疾患は炎症状態に随伴する。
抗炎症性治療法、およびそれらの投薬量、投与経路および推奨される使用は、当技術分野で公知であり、Physicians’ Desk Reference (第60版,2006)などの文献に記載されている。
5.5.3.1.抗炎症性治療法
本発明は、炎症性疾患、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理する方法であって、それを必要とする対象に、本発明の液体製剤と、一種以上の治療法(例えば、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体(その抗体フラグメントを含む)以外の予防剤または治療剤を投与するステップ含む方法を提供する。炎症性疾患、あるいは一種以上のそれらの症状の予防、治療、および/または管理に有用であることが知られ、または使用されてきた、または現在使用されているは任意の薬剤または治療法、本明細書に記載した本発明に従って、本発明の液体製剤と組み合わせて使用することができる。
炎症性疾患の治療法に有用な薬剤を含む、当業者に公知の任意の抗炎症剤を本発明の組成物および方法に使用することができる。抗炎症剤の非限定的な例には、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)、ステロイド系抗炎症薬、抗コリン作動薬(例えば、硫酸アトロピン、硝酸メチルアトロピン、および臭化イプラトロピウム(アトロベント(商標)))、β2−アゴニスト(例えば、アブテロール(abuterol)(ベントリン(商標)およびプロベンティル(商標))、ビトルテロール(トルナレート(TORNALATE)(商標))、レバルブテロール(キソポネックス(XOPONEX)(商標))、メタプロテレノール(アルペント(ALUPENT)(商標))、ピルブテロール(マキサイル(MAXAIR)(商標))、テルブトライン(terbutlaine)(ブレタイル(BRETHAIRE)(商標)およびブレチン(BRETHINE)(商標))、アルブテロール(プロベンティル(商標)、レペタブス(REPETABS)(商標)、およびボルマックス(商標))、フォルモテロール(ホラジルアエロリゼル(FORADIL AEROLIZER)(商標))、サルメテロール(セレベント(商標)およびセレベントディスカス(商標)))、ならびにメチルキサンチン(例えば、テオフィリン(ウニフィル(商標)、THEO-DUR(商標)、SLO-BID(商標)、およびTEHO-42(商標)))が含まれる。NSAIDの例には、それだけには限らないが、アスピリン、イブプロフェン、セレコキシブ(セレブレックス(商標))、ジクロフェナク(ボルタレン(商標))、エトドラク(ロジン(LODINE)(商標))、フェノプロフェン(ナルホン(NALFON)(商標))、インドメタシン(インドシン(INDOCIN)(商標))、ケトララク(ketoralac)(トラドール(商標))、オキサプロジン(ダイプロ(DAYPRO)(商標))、ナブメントン(レラフェン(商標))、スリンダク(クリノリル(商標))、トルメンチン(tolmentin)(トレクチン(商標))、ロフェコキシブ(バイオックス(商標))、ナプロキセン(アレブ(ALEVE)(商標)、ナプロシン(商標))、ケトプロフェン(アクトロン(商標))、およびナブメトン(レラフェン(商標))が含まれる。そのようなNSAIDは、シクロオキシゲナーゼ酵素(例えば、COX−1および/またはCOX−2)を阻害することによって機能する。ステロイド系抗炎症薬の例には、それだけには限らないが、グルココルチコイド、デキサメタゾン(デカドロン(商標))、コルチコステロイド(例えば、メチルプレドニゾロン(メドロール(商標)))、コルチゾン、ヒドロコルチゾン、プレドニゾン(プレドニゾン(商標)およびデルタソン(DELTASONE)(商標))、プレドニゾロン(プレロン(商標)およびペジアプレド(PEDIAPRED)(商標))、トリアムシノロン、アズルフィジン、ならびにエイコサノイド阻害薬[例えば、プロスタグランジン、トロンボキサン、およびロイコトリエン(ロイコトリエンの非限定的な例、およびそのような薬剤の通常の投薬量については下表2を参照)]が含まれる。
特定の実施形態では、炎症性疾患、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理するために、対象に、一種以上の本発明の抗体の有効量と、ビタキシン(商標)[メドイミューン社、2002年9月12日付けの国際公開第00/78815号、同第02/070007号A1、名称「Methods of Preventing or Treating Inflammatory or Autoimmune Disorders by Administering Integrin AlphaV Beta3 Antagonists(インテグリンαVβ3アンタゴニストの投与による炎症または自己免疫疾患の予防または治療法)」;2003年9月18日付けの国際公開第03/075957号A1、名称「The Prevention or Treatment of Cancer Using Integrin AlphaVBeta3 Antagonists in Combination With Other Agents(他の薬剤と組み合せてインテグリンαVβ3アンタゴニストを使用する癌の予防または治療)」;2002年11月14日付けの米国特許公開第2002/0168360号A1、名称「Methods of Preventing or Treating Inflammatory or Autoimmune Disorders by Administering Integrin αvβ3 Antagonists in Combination With Other Prophylactic or Therapeutic Agents(他の予防剤または治療剤と組み合せてインテグリンαvβ3アンタゴニストを投与することによる、炎症または自己免疫疾患の予防または治療法)」;および2003年9月18日付けの国際公開第03/075741号A2、名称「Methods of Preventing or Treating Disorders by Administering an Integrin αvβ3 Antagonist in Combination With an HMG-CoA Reductase Inhibitor or a Bisphosphonate(HMG−CoA還元酵素阻害薬またはビスホスホン酸塩と組み合せて、インテグリンαvβ3アンタゴニストを投与することによる疾病の予防または治療法)」、その各々の全体を参照により本明細書に組み込む]の有効量を組み合せて投与する。別の実施形態では、炎症性疾患、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理するために、対象に、一種以上の本発明の抗体の有効量と、シプリズマブ(メドイミューン社、国際公開第02/069904号)の有効量を組み合せて投与する。別の実施形態では、炎症性疾患、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理するために、対象に、一種以上の本発明の抗体の有効量と、一種以上のEphA2阻害薬[例えば、一または複数の抗EphA2抗体(メドイミューン社;2002年12月27日付けの国際公開第02/102974号A4、名称「Mutant Proteins, High Potency Inhibitory Antibodies and FIMCH Crystal Structure(変異体タンパク質、高能力阻害性抗体、およびFIMCH結晶構造)」;2003年11月20日付けの国際公開第03/094859号A2、名称「EphA2 Monoclonal Antibodies and Methods of Use Thereof(EphA2モノクローナル抗体およびその使用方法)」;米国出願第10/436,783号で米国特許公開第2004/0091486号として公開された特許;および米国出願第10/994,129号で米国特許公開第2005/0152899号として公開された特許。その各々を参照により本明細書に組み込む)]の有効量を組み合せて投与する。さらに別の好ましい実施形態では、炎症性疾患、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理するために、対象に、一種以上の本発明の抗体の有効量と、ビタキシン(商標)、シプリズマブ、および/またはEphA2阻害薬の有効量を組み合せて投与する。
一実施形態では、炎症性疾患の危険にさらされ、またはそれに罹患している対象に、本発明の一種以上の抗体製剤の有効量と、肥満細胞プロテアーゼ阻害薬を組み合せて投与する。別の実施形態では、肥満細胞プロテアーゼ阻害薬は、トリプターゼキナーゼ阻害薬、例えば、それだけには限らないが、GW−45、GW−58、およびゲニステインである。特定の実施形態では、肥満細胞プロテアーゼ阻害薬は、ホスファチジルイノシチド−3’(PI3)−キナーゼ阻害薬、例えば、それだけには限らないが、カルホスチンCである。別の実施形態では、肥満細胞プロテアーゼ阻害薬は、タンパク質キナーゼ阻害薬、例えば、それだけには限らないが、スタウロスポリンである。この実施形態に従えば、肥満細胞プロテアーゼ阻害薬は患部に局所的に投与するのが好ましい。
炎症性疾患を有する対象に、本発明の液体製剤と組み合せて投与できる免疫調節剤の具体例には、それだけには限らないが、メトトレキサート、レフルノミド、シクロホスファミド、サイトキサン、イムラン、シクロスポリンA、ミノサイクリン、アザチオプリン、抗生物質(例えば、FK506(タクロリムス))、メチルプレドニゾロン(MP)、コルチコステロイド、ステロイド、ミコフェノール酸モフェチル、ラパマイシン(シロリムス)、ミゾリビン、デオキシスペルグアリン、ブレキナール、マロノニトリロアミンド類(malononitriloamindes)(例えば、レフルンアミド(leflunamide))、抗T細胞受容体抗体(例えば、抗CD4抗体(例えば、cM−T412(Boeringer)、アイデック−CE9.1(登録商標)(アイデックおよびSKB)、mAB 4162W94、オルトクロンおよびOKTcdr4a(Janssen-Cilag))、抗CD3抗体(例えば、Nuvion(Product Design Labs)、OKT3(ジョンソンエンドジョンソン)、またはリツキサン(アイデック))、抗CD5抗体(例えば、抗CD5リシン結合免疫コンジュゲート)、抗CD7抗体(例えば、CHH−380(ノバルティス))、抗CD8抗体、抗CD40リガンドモノクローナル抗体(例えば、アイデック−131(アイデック))、抗CD52抗体(例えば,CAMPATH 1H(Ilex))、抗CD2抗体(例えば、MEDI−507(メドイミューン社、国際公開第02/098370号および同第02/069904号)、抗CD11a抗体(例えば、キサネリム(ジェネンテク))、および抗B7抗体(例えば、アイデック−114)(アイデック));抗サイトカイン受容体抗体(例えば、抗IFN受容体抗体、抗IL−2受容体抗体(例えば、ゼナパックス(Protein Design Labs))、抗IL−4受容体抗体、抗IL−6受容体抗体、抗IL−10受容体抗体、および抗IL−12受容体抗体)、抗サイトカイン抗体(例えば、抗IFN抗体、抗TNF−α抗体、抗IL−1β抗体、抗IL−6抗体、抗IL−8抗体(例えば、ABX−IL−8(アブジェニックス))、および抗IL−12抗体));CTLA4−免疫グロブリン;LFA−3TIP(バイオジェン、国際公開第93/08656号および米国特許第6,162,432号);溶解性サイトカイン受容体(例えば、TNF−α受容体の細胞外ドメインもしくはそのフラグメント、IL−1β受容体の細胞外ドメインもしくはそのフラグメン、およびIL−6受容体の細胞外ドメインもしくはそのフラグメント);サイトカインまたはそのフラグメント(例えば、インターロイキン(IL)−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12、IL−15、TNF−α、TNF−β、インターフェロン(IFN)−α、IFN−β、IFN−γ、およびGM−CSF);および抗サイトカイン抗体(例えば、抗IL−2抗体、抗IL−4抗体、抗IL−6抗体、抗IL−10抗体、抗IL−12抗体、抗IL−15抗体、抗TNF−α抗体、および抗IFN−γ抗体)が含まれる。
当業者に公知の任意のTNF−αアンタゴニストは、本発明の組成物および方法に使用することができる。炎症性疾患を有する対象に、本発明の液体製剤と組み合せて投与できるTNF−αアンタゴニストの非限定的な例には、タンパク質、ポリペプチド、ペプチド、融合タンパク質、抗体(例えば、ヒト、ヒト化、キメラ、モノクローナル、ポリクローナル、Fvs、ScFvs、Fabフラグメント、F(ab)2フラグメント、およびその抗原結合フラグメント)、例えば、TNF−αと免疫特異的に結合する抗体、ならびにTNF−αの機能、活性、および/または発現を阻止し、低減し、阻害し、または中和する核酸分子(例えば、アンチセンス分子または三重へリックス)、有機分子、無機分子、および小分子が含まれる。様々な実施形態では、TNF−αアンタゴニストは、TNF−αの機能、活性、および/または発現を、リン酸緩衝食塩水(PBS)などの対照に比べて、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または少なくとも99%低減する。TNF−αと免疫特異的に結合する抗体の例には、それだけには限らないが、インフリキシマブ(レミケード(商標);Centacor)、D2E7(アボットラボラトリーズ/クノールファーマシューティカルズ社, Mt. Olive, N.J.)、フミケード(HUMICADE)(商標)としても知られるCDP571、CDP−870(共にセルテック/ファルマシア, Slough, U.K.)、およびTN3−19.12(Williamsら, 1994, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91: 2762-2766;Thorbeckeら, 1992, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:7375-7379)が含まれる。本発明はまた、本発明の組成物および方法における、以下の米国特許に開示されるTNF−αと免疫特異的に結合する抗体の使用を包含する:米国特許第5,136,021号;同第5,147,638号;同第5,223,395号;同第5,231,024号;同第5,334,380号;同第5,360,716号;同第5,426,181号;同第5,436,154号;同第5,610,279号;同第5,644,034号;同第5,656,272号;同第5,658,746号;同第5,698,195号;同第5,736,138号;同第5,741,488号;同第5,808,029号;同第5,919,452号;同第5,958,412号;同第5,959,087号;同第5,968,741号;同第5,994,510号;同第6,036,978号;同第6,114,517号;および同第6,171,787号。その各々の全体を本明細書参照により組み込む。溶解性TNF−α受容体の例には、それだけには限らないが、sTNF−R1(アムジェン)、エタネルセプト(エンブレル(商標);イムネックス)およびそのラットホモログレンブレル(RENBREL)(商標)、ならびにTNFrI、TNFrII(Kohnoら, 1990, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:8331-8335)、およびTNF−αInh(Seckingerら, 1990, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:5188-5192)に由来するTNF−αの溶解性阻害薬が含まれる。
本発明が包含する他のTNF−αアンタゴニストには、それだけには限らないが、インターフェロンγにより活性化したマクロファージを通じてTNF−αの産生を阻止することが知られているIL−10、(Oswaldら, 1992, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:8676-8680);TNFR−IgG(Ashkenaziら, 1991, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88:10535-10539)、マウス産生物TBP−1(Serono/Yeda)、ワクチンCytoTAb(Protherics)、アンチセンス分子104838(ISIS)、ペプチドRDP−58(SangStat)、サリドマイド(セルジーン)、CDC−801(セルジーン)、DPC−333(デュポン)、VX−745(Vertex)、AGIX−4207(AtheroGenics)、ITF−2357(Italfarmaco)、NPI−13021−31(Nereus)、SCIO−469(Scios)、TACEターゲッター(Immunix/AHP)、CLX−120500(Calyx)、チアゾロピリム(Thiazolopyrim)(Dynavax)、オーラノフィン(リドーラ)(SmithKline Beecham Pharmaceuticals)、キナクリン(メパクリンジクロロ水和物)、テニダップ(Enablex)、メラニン(Large Scale Biological)、およびUriach社製抗p38MAPK薬剤が含まれる。
炎症性疾患を有する対象に、本発明の液体製剤と組み合せて投与できる抗炎症剤の非限定的な例には、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)、ステロイド系抗炎症薬、β−アゴニスト、抗コリン作動薬、およびメチルキサンチンが含まれる。NSAIDの例には、それだけには限らないが、アスピリン、イブプロフェン、セレコキシブ(セレブレックス(商標))、ジクロフェナク(ボルタレン(商標))、エトドラク(LODINE(商標))、フェノプロフェン(NALFON(商標))、インドメタシン(INDOCIN(商標))、ケトララク(トラドール(商標))、オキサプロジン(DAYPRO(商標))、ナブメントン(レラフェン(商標))、スリンダク(クリノリル(商標))、トルメンチン(トレクチン(商標))、ロフェコキシブ(バイオックス(商標))、ナプロキセン(ALEVE(商標)、ナプロシン(商標))、ケトプロフェン(アクトロン(商標))およびナブメトン(レラフェン(商標))が含まれる。そのようなNSAIDは、シクロオキシゲナーゼ酵素(例えば、COX−1および/またはCOX−2)を阻害することによって機能する。ステロイド系抗炎症薬の例には、それだけには限らないが、グルココルチコイド、デキサメタゾン(デカドロン(商標))、コルチゾン、ヒドロコルチゾン、プレドニゾン(DELTASONE(商標))、プレドニゾロン、トリアムシノロン、アズルフィジン、およびエイコサノイド、例えば、プロスタグランジン、トロンボキサン、およびロイコトリエンが含まれる。
具体的実施形態では、骨関節炎患者に、それだけには限らないが、以下を含む骨関節炎の予防、治療および/または管理に有用な他の薬剤または治療法と組み合せて、本発明の液体製剤の予防的または治療的有効量を投与する:鎮痛薬(非限定的な例は、4000mg/dまでの用量でアセトアミノフェン;フェナセチン;および200〜300mgの範囲の一日量でトラマドールである);NSAID[非限定的な例には、それだけには限らないが、アスピリン、ジフルニサル、ジクロフェナク、エトドラク、フェナマテス(fenamates)、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、メチルサリチル酸、ネブメトン(nebumetone)、ナプロキシン、オキサプラジン(oxaprazin)、フェニルブタゾン、ピロキシカム、スリンダク、およびトルメチンが含まれる。低用量NSAID、例えば、イブプロフェン1200mg/d、ナプロキセン500mg/dが好ましい。胃保護剤、例えば、ミソプロストール、ファモチジンまたはオメプラゾールは、NSAIDと同時に使用するのが好ましい];それだけには限らないが、サルサレート含む非アセチル化サリシレート;それだけには限らないが、セレコキシブおよびロフェコキシブ含むシクロオキシゲナーゼ(Cox)−2特異的阻害薬(CSI);保管グルココルチコイド調製物の関節内または関節周囲注射;ヒアルロン酸の関節内注射;カプサイシンクリーム;フィブリン、軟骨破片、および他の破片を洗い流すための膝関節症の大量灌注;および関節置換手術。本発明の液体製剤は、それだけには限らないが、以下を含む、骨関節炎の予防、治療および/または管理で他の非薬理学的手段と組み合せて使用することもできる:関節の負荷の低減(非限定的な例は、不十分な姿勢の修正であり、過剰な腰椎前弯に対する支え、関与する関節の過剰な負荷を回避し、長時間立ち、膝をつき、そしてうずくまることを回避する);患部関節を温めること;有酸素運動および他の物理的治療法。
具体的実施形態では、リューマチ性関節炎患者に、本発明の液体製剤の予防的または治療的有効量、それだけには限らないが、以下を含む、リューマチ性関節炎の予防、治療および/または管理に有用な他の薬剤または治療法と組み合せて投与する:NSAID(非限定的な例には、それだけには限らないが、アスピリン、ジフルニサル、ジクロフェナク、エトドラク、フェナマテス、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、メチルサリチル酸、ネブメトン、ナプロキシン、オキサプラジン、フェニルブタゾン、ピロキシカム、スリンダク、およびトルメチンが含まれる);鎮痛薬(非限定的な例は、アセトアミノフェン、フェナセチンおよびトラマドールである);それだけには限らないが、セレコキシブおよびロフェコキシブを含むCSI;グルココルチコイド(好ましくは、低用量経口グルココルチコイド、例えば、7.5mg/d未満のプレドニゾン、または高用量グルココルチコイドもしくは関節内グルココルチコイドによる月1回のパルス);それだけには限らないが、メトトレキセート(好ましくは、断続的に低用量、例えば、1回/週7.5〜30mgを与える)、金化合物(金塩など)、D−ペニシラミン、抗マラリア剤(例えば、クロロキン)、およびスルファサラジン含む疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD);それだけには限らないが、エタネルセプトおよびインフリキシマブ含むTNF−α中和剤;免疫抑制性および細胞傷害性薬剤(例としては、それだけには限らないが、アザチオプリン、レフルノミド、シクロスポリン、およびシクロホスファミドが含まれる)、ならびに手術(例としては、それだけには限らないが、関節形成術、全関節置換術、手の再建手術、切開または関節鏡視下滑膜切除術、および手首の初期腱鞘切除術が含まれる)。本発明の液体製剤は、それだけには限らないが、以下を含む、リューマチ性関節炎の予防、治療および/または管理での他の手段と組み合せても使用しうる:休憩、炎症を起こしている関節の望ましくない動きを減らすための添え木固定、運動、様々な装具および援助器具の使用、および他の物理的治療法。本発明の液体製剤は、それだけには限らないが、食事(例えば、食肉に見られる食事性のオメガ−6必須脂肪酸を、ある種の魚油に見られるエイコサペンタエン酸などのオメガ−3脂肪酸に代えること)、ワクチン、ホルモン、および局所的調製物含む、リューマチ性関節炎の予防、治療および/または管理でのいくつかの従来のものではない手法と組み合せても使用しうる。
具体的実施形態では、慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者に、本発明の液体製剤の予防的または治療的有効量と、それだけには限らないが、以下を含むCOPDの予防、治療および/または管理に有用な他の薬剤または治療法を組み合せて投与する:それだけには限らないが、短時間および長時間作用性β2−アドレナリン受容体アゴニスト(短時間作用性β2アゴニストの例には、それだけには限らないが、アルブテロール、ピルブテロール、テルブタリン、およびメタプロテレノールが含まれる;長時間作用性β2アゴニストの例には、それだけには限らないが、経口持続放出性アルブテロール、および吸入サルメテロールが含まれる)、抗コリン作動薬(例としては、それだけには限らないが、臭化イプラトロピウムが含まれる)、ならびにテオフィリンおよびその誘導体(テオフィリンの治療範囲は、10〜20μg/mLであることが好ましい)含む気管支拡張薬;グルココルチコイド;外来性α1AT(例えば、週用量60mg/kgで静脈内投与する保管ヒト血漿由来α1AT);酸素;肺移植;肺容量減少術;気管内挿管、換気補助;年一回23価多糖と共にインフルエンザワクチンおよび肺炎球菌ワクチン接種;運動;および禁煙。
具体的実施形態では、肺線維症患者に、本発明の液体製剤の予防的または治療的有効量と、それだけには限らないが、以下を含む、肺線維症治療に有用な一種以上の他の薬剤の有効量を組み合せて投与する:酸素;コルチコステロイド(非限定的な例は、毎日プレドニゾンを1〜1.5mg/kg/d(100mg/dまで)で始めて6週間投与し、3〜6ヵ月にわたって最小限維持用量の0.25mg/kg/dに漸減することである);細胞障害性薬物(非限定的な例は、一日1回経口のシクロホスファミド100〜120mg、および一日1回経口のアザチオプリン3mg/kg〜200mgまで);気管支拡張薬(非限定的な例は、短時間および長時間作用性β2−アドレナリン受容体アゴニスト、抗コリン作動薬、ならびにテオフィリンおよびその誘導体である);ならびに抗ヒスタミン(非限定的な例はジフェンヒドラミンおよびドキシラミンである)。
具体的実施形態では、喘息患者に、本発明の液体製剤の予防的または治療的有効量と、喘息治療に有用な一種以上の他の薬剤の有効量を組み合せて投与する。そのような薬剤の非限定的な例には、アドレナリン作動性興奮剤{例えば、カテコールアミン(例えば、エピネフリン、イソプロテレノール、およびイソエタリン)、レゾルシノール類(例えば、メタプロテレノール、テルブタリン、およびフェノテロール)、ならびにサリゲニン類(例えば、サルブタモール)}、アドレノコルチコイド、ブルココルチコイド類(blucocorticoids)、コルチコステロイド{例えば、ベクロメタドンス(beclomethadonse)、ブデソニド、フルニソリド、フルチカゾン、トリアムシノロン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、およびプレドニゾン}、他のステロイド、β2−アゴニスト{例えば、アルブツエロール(albtuerol)、ビトルテロール、フェノテロール、イソエタリン、メタプロテレノール、ピルブテロール、サルブタモール、テルブタリン、フォルモテロール、サルメテロール、およびアルブタモールテルブタリン(albutamol terbutaline)、抗コリン作動薬(例えば、臭化イプラトロピウムおよび臭化オキシトロピウム)、IL−4アンタゴニスト(抗体を含む)、IL−5アンタゴニスト(抗体を含む)、IL−13アンタゴニスト(抗体を含む)、PDE4−阻害薬、NF−Κ−β阻害薬、VLA−4阻害薬、CpG、抗CD23、セレクチンアンタゴニスト(TBC1269)、肥満細胞プロテアーゼ阻害薬{例えば、トリプターゼキナーゼ阻害薬(例えば、GW−45、GW−58、およびゲニステイン)、ホスファチジルイノシチド−3’(PI3)−キナーゼ阻害薬(例えば、カルホスチンC)、および他のキナーゼ阻害薬(例えば、スタウロスポリン){Temkinら, 2002 J Immunol 169(5):2662-2669;Vossellerら, 1997 Mol. Biol. Cell 8(5):909-922;およびNagaiら, 1995 Biochem Biophys Res Commun 208(2):576-581を参照}]、C3受容体アンタゴニスト(抗体を含む)、免疫抑制剤(例えば、メトトレキセートおよび金塩)、肥満細胞モジュレーター(例えば、
クロモリンナトリウム(インタール(商標))およびネドクロミルナトリウム(タイレード(TILADE)(商標)))、および粘液溶解薬(例えば、アセチルシステイン))が含まれる。特定の実施形態では、抗炎症剤は、ロイコトリエン阻害薬(例えば、モンテルカスト(シングレア(商標))、ザフィルルカスト(アコレート(商標))、プランルカスト(オノン(ONON)(商標))、またはジロイトン(ジフロ(商標))(表5を参照))である。
具体的実施形態では、アレルギー患者に、本発明の液体製剤の予防的または治療的有効量と、アレルギー治療に有用な一種以上の他の薬剤の有効量を組み合せて投与する。そのような薬剤の非限定的な例には、抗メディエーター薬(例えば、抗ヒスタミン薬、抗ヒスタミン薬の非限定的な例、およびそのような薬剤の通常の投薬量については下表6を参照)、コルチコステロイド、鬱血除去剤、交感神経模倣薬(例えば、α−アドレナリン作動性およびβ−アドレナリン作動性薬物)、TNX901(Leungら, 2003, N Engl J Med 348(11):986-993)、IgEアンタゴニスト(例えば、抗体rhuMAb−E25オマリズマブ(Finnら, 2003 J Allergy Clin Immuno 111(2):278-284;Correnら, 2003 J Allergy Clin Immuno 111(1):87-90;Busse and Neaville, 2001 Curr Opin Allergy Clin Immuno 1(1):105-108;およびTang and Powell, 2001, Eur J Pediatr 160(12): 696-704を参照)、HMK−12および6HD5( Miyajimaら, 2202 Int Arch Allergy Immuno 128(1):24-32を参照)、およびmAB Hu−901(van Neervenら, 2001 Int Arch Allergy Immuno 124(1-3):400を参照)、テオフィリンおよびその誘導体、グルココルチコイド、および免疫治療法(例えば、アレルゲンの反復長期注射、短期コース脱感作、およびハチ毒免疫療法)が含まれる。
5.5.4.自己免疫疾患の治療
本発明の液体製剤は、自己免疫疾患、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理するために、それを必要とする対象に投与してよい。本発明の液体製剤は、自己免疫疾患、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理するために、それを必要とする対象に、一種以上の他の治療法、好ましくは自己免疫疾患(それだけには限らないが、以下第5.5.4.1節に挙げた予防剤または治療剤を含む)の予防、管理、または治療に有用な治療法と組み合せて投与しうる。特定の実施形態では、本発明は、自己免疫疾患、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理する方法であって、それを必要とする対象に、本発明の液体製剤の予防的または治療的有効量の用量を投与するステップを含む方法を提供する。別の実施形態では、本発明は、自己免疫疾患、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理する方法であって、それを必要とする対象に、本発明の液体製剤の予防的または治療的有効量の用量、およびIL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体(その抗体フラグメントを含む)以外の一種以上の治療法(例えば、予防剤もしくは治療剤)の予防的または治療的有効量の用量を投与するステップを含む方法を提供する。
本発明は、そのような自己免疫疾患の従来の治療法に不応な対象で、自己免疫疾患、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理する方法であって、前記対象に、本発明の液体製剤の予防的または治療的有効量の用量を投与するステップを含む方法を提供する。本発明はまた、自己免疫疾患、あるいは一種以上のそれらの症状を、そのような自己免疫疾患に対する既存の単一薬剤治療法に不応な対象で予防し、治療し、かつ/または管理する方法であって、前記対象に、本発明の液体製剤の予防的または治療的有効量の用量、およびIL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体(その抗体フラグメントを含む)以外の一種以上の治療法(例えば、予防剤もしくは治療剤)の予防的または治療的有効量の用量を投与するステップを含む方法も提供する。本発明はまた、自己免疫疾患、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理する方法であって、他の治療に不応であることが証明され、もはやこれらの治療に頼れない患者に、他の任意の治療と組み合せて本発明の液体製剤を投与することによる方法も提供する。本発明はまた、治療対象にとって、別の治療法が、余りに有毒であることが証明され、または証明されかねない、すなわち許容できない、または耐えられない副作用をもたらす自己免疫疾患を管理し、または治療する代替法も提供する。特に、本発明は、患者が他の治療法に不応である自己免疫疾患の管理し、または治療する代替法を提供する。さらに、本発明は、本発明の液体製剤の投与によって治療を受けており、疾患活性がない患者で、自己免疫疾患の再発を予防する方法を提供する。
自己免疫疾患では、免疫系は、戦うべき外来物質ない場合、免疫応答を誘発し、身体の正常な防御免疫系が、誤って自己を攻撃することによって自身の組織が傷つけられる。異なる方式で身体に作用する多くの様々な自己免疫疾患がある。例えば、多発性硬化症の個人では脳が影響を受け、クローン病の個人では消化管が影響を受け、そしてリューマチ性関節炎の個人では、様々な関節の滑膜、骨、および軟骨が影響を受ける。自己免疫疾患が進行するにつれ、身体組織の一種以上の種類の破壊、器官の異常増殖、または器官機能の変化が生じうる。自己免疫疾患は、唯一の器官または組織の種類に作用し、または複数の器官および組織に作用しうる。一般に、自己免疫疾患によって影響を受ける器官および組織には、赤血球、血管、結合組織、内分泌腺(例えば、甲状腺または膵臓)、筋肉、関節、および皮膚が含まれる。本発明の方法によって治療することができる自己免疫疾患の例には、それだけには限らないが、円形脱毛症、強直性脊椎炎、抗リン脂質症候群、自己免疫性アジソン病、副腎の自己免疫疾患、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性肝炎、自己免疫性卵巣炎および***、自己免疫性血小板低減症、ベーチェット病、水疱性類天疱瘡、心筋症、セリアックスプルー皮膚炎、慢性疲労免疫機能異常症候群(CFIDS)、慢性炎症性脱髄性多発神経障害、チャーグストラウス症候群、瘢痕性類天疱瘡、クレスト症候群、寒冷凝集素病、クローン病、円板状エリテマトーデス(discoid lupus)、必須混合型クリオグロブリン血症、線維筋痛症−線維筋炎、糸球体腎炎、グレーブス病、ギランバレー、橋本甲状腺炎、特発性肺線維症、特発性血小板減少紫斑病(ITP)、IgA神経障害、若年性関節炎、扁平苔癬、エリテマトーデス、メニエール病、混合型結合組織病、多発性硬化症、一型糖尿病または免疫媒介糖尿病、重症筋無力症、尋常性天疱瘡、悪性貧血、結節性多発動脈炎、多発性軟骨炎、症候群、リウマチ性多発筋痛症、多発性筋炎および皮膚筋炎、原発性無ガンマグロブリン血症、原発性胆汁性肝硬変、乾癬、乾癬性関節炎、レイノー病(Raynauld’s phenomenon)、ライター症候群、リューマチ性関節炎、類肉腫症、強皮症、シェーグレン症候群、全身硬直症候群、全身性エリテマトーデス、紅斑性狼瘡、高安動脈炎、側頭動脈炎/巨細胞性動脈炎、潰瘍性大腸炎、ブドウ膜炎、血管炎、例えば、皮膚炎ヘルペス状血管炎、白斑症、およびウェジナー肉芽腫症が含まれる。
自己免疫治療法、ならびにそれらの投薬量、投与経路、および推奨される使用は、当技術分野で公知であり、Physicians’ Desk Reference (第60版,2006)などの文献に記載されている。
5.5.4.1.自己免疫疾患治療法
本発明は、自己免疫疾患、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理する方法であって、それを必要とする対象に本発明の液体製剤と、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体(その抗体フラグメントを含む)以外の一種以上の治療法(例えば、予防剤もしくは治療剤)を投与するステップを含む方法を提供する。自己免疫疾患、あるいは一種以上のそれらの症状の予防、治療、および/または管理に有用であることが知られ、または使用されてきた、または現在使用されている任意の薬剤または治療法は、本明細書に記載した本発明に従って、本発明の液体製剤と組み合わせて使用することができる。そのような薬剤の例には、それだけには限らないが、免疫調節剤、抗炎症剤およびTNF−αアンタゴニストが含まれる。自己免疫疾患を予防、治療、および/または管理するために、本発明の液体製剤と組み合わせて使用できる免疫調節剤、抗炎症剤およびTNF−αアンタゴニストの具体例は、本明細書上部に開示している。
具体的実施形態では、多発性硬化症(MS)患者に、本発明の液体製剤の予防的または治療的有効量と、それだけには限らないが、以下を含むMSの予防、治療および/または管理に有用な他の薬剤または治療法を組み合せて投与する:IFN−β1b(ベタセロン)(例えば、一日おきに皮下注射により8.0ミリオン国際単位(MIU)を投与する);IFN−β1a(アボネックス)(例えば、6.0MIUを週1回筋肉内注射により投与する);酢酸グラチラマー(コパキソン)(例えば、20mgを毎日皮下注射により投与する);ミトキサントロン(例えば、12mg/m2を3ヵ月に1回静脈内注入により投与する);アザチオプリン(例えば、2〜3mg/kg体重を毎日経口投与する);メトトレキセート(例えば、7.5mgを週1回経口投与する);シクロホスファミド;静脈内免疫グロブリン(例えば、0.15〜0.2g/kg体重を2年以内で月1回投与);グルココルチコイド;メチルプレドニゾロン(例えば、高用量を隔月周期で投与);2−クロロデオキシアデノシン(クラドリビン);バクロフェン(例えば、分割用量で15〜80mg/d、または240mg/dまでのより多い用量を経口的に、もしくは留置カテーテルによりくも膜下腔内に);シクロエンザプリン塩酸塩(cycloenzaprine hydrochloride)(例えば、5〜10mgを2回/日または3回/日);クロナゼパム(例えば、0.5〜1.0mgを就寝前用量を含め3回/日);クロニジン塩酸塩(例えば、0.1〜0.2mgを就寝前用量を含め3回/日);カルバマゼピン(例えば、分割増量用量で100〜1200mg/d);ガバペンチン(例えば、300〜3600mg/d);ディランティン(例えば、300〜400mg/d);アミトリプチリン(例えば、25〜150mg/d);バクロフェン(例えば、10〜80mg/d);プリミドン(例えば、125〜250mgを2回/日または3回/日);オンダンセトロン(例えば、4〜8mgを2回/日または3回/日);イソニアジド(例えば、分割用量で1200mgまで);オキシブチニン(例えば、5mgを2回/日または3回/日);トルテロジン(例えば、1〜2mgを2回/日);プロパンテリン(例えば、7.5〜15mgを4回/日);ベタネコール(例えば、10〜50mgを3回/日または4回/日);テラゾシン塩酸塩(例えば、1〜5mg就寝前に);クエン酸シルデナフィル(例えば、50〜100mgを必要時経口で);アマンタジング(例えば、100mgを2回/日);ペモリン(例えば、37.5mgを2回/日);高用量ビタミン;オロト酸カルシウム;ガンシクロビル;抗生物質;および血漿交換法。
具体的実施形態では、乾癬患者に、本発明の液体製剤の予防的または治療的有効量と、それだけには限らないが、以下を含む乾癬の予防、治療および/または管理に有用な他の薬剤または治療法を組み合せて投与する:局所的ステロイドクリームもしくは軟膏;タール[例には、それだけには限らないが、エスタル、プソリゲル(Psorigel)、ホトタル(Fototar)クリーム、およびヌトラダーム(Nutraderm)ローション中10%LCD、またはトリアムシノロンと直接混合された0.1%LCDクリームが含まれる];閉塞;局所的ビタミンD類似体(非限定的な例は、カルシポトリエン軟膏);紫外線;PUVA(ソラレン+紫外線Aである);メトトレキセート(例えば、25mgまでを1回/週、または12時間毎の分割用量で週一回3回用量);合成レチノイド(非限定的な例は、例えば、0.5〜1mg/kg/dの投薬量のエトレチナートである);免疫調節療法(非限定的な例はシクロスポリンである);スルファサラジン(例えば、3回/日1gの投薬量で)。
具体的実施形態では、クローン病患者に、本発明の液体製剤の予防的または治療的有効量と、それだけには限らないが、以下を含むクローン病の予防、治療および/または管理に有用な他の薬剤または治療法を組み合せて投与する:止瀉薬(例えば、ロペルアミド2〜4mgを4回/日まで、ジフェノキシレートとアトロピン1錠剤を4回/日まで、アヘンチンキ8〜15滴を4回/日まで、コレスチラミン2〜4gまたはコレスチポール5gを1回/日または2回/日)、鎮痙薬(例えば、プロパンテリン15mg、ジサイクロミン10〜20mg、またはヒヨスチアミン0.125mgを食前服用)、5−アミノサリチル酸剤[例えば、スルファサラジン1.5〜2gを2回/日、メサラミン(アサコール(登録商標))およびその徐放形態(ペンタサ(登録商標))、特に高投薬量で、例えば、ペンタサ(登録商標)1gを4回/日およびアサコール(登録商標)0.8〜1.2gを4回/日)、コルチコステロイド、免疫調節性薬物(例えば、アザチオプリン(1〜2mg/kg)、メルカプトプリン(50〜100mg)、シクロスポリン、およびメトトレキセート)、抗生物質、TNF阻害薬(例えば、インフリキスマブ(レミケード(登録商標))]、免疫抑制剤(例えば、タクロリムス、ミコフェノール酸モフェチル、およびサリドマイド)、抗炎症性サイトカイン(例えば、IL−10およびIL−11)、栄養上治療法、基礎的食事による腸内療法(例えば、4週間ビボネクス(Vivonex))、および全非経口栄養物。
具体的実施形態では、紅斑性狼瘡患者に、本発明の液体製剤の予防的または治療的有効量と、それだけには限らないが、以下を含む紅斑性狼瘡の予防、治療および/または管理に有用な他の薬剤または治療法を組み合せて投与する:抗マラリア剤(それだけには限らないが、ヒドロキシクロロキン含む);グルココルチコイド(例えば、低用量、高用量、または高用量静脈内パルス療法を使用することができる);免疫抑制剤(それだけには限らないが、シクロホスファミド、クロランブシル、およびアザンチオプリン含む);細胞傷害性薬剤(それだけには限らないが、メトトレキセートおよびミコフェノール酸モフェチル含む);アンドロゲンのステロイド(それだけには限らないが、ダナゾール含む);ならびに抗凝血剤(それだけには限らないがワーファリン含む)。
特定の実施形態では、自己免疫疾患、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理するために、対象に、本発明の一種以上の液体抗体製剤の予防的または治療的有効量と、ビタキシン(商標)[メドイミューン社、国際公開第00/78815号、国際公開第02/070007号A1、2002年9月12日付け、名称「Methods of Preventing or Treating Inflammatory or Autoimmune Disorders by Administering Integrin AlphaV Beta3 Antagonists(インテグリンαVβ3アンタゴニストの投与による炎症または自己免疫疾患の予防または治療法)」、国際公開第03/075957号A1、2003年9月18日付け、名称「The Prevention or Treatment of Cancer Using Integrin AlphaVBeta3 Antagonists in Combination With Other Agents(他の薬剤と組み合せてインテグリンαVβ3アンタゴニストを使用する癌の予防または治療)」、米国特許公開第2002/0168360号A1、2002年11月14日付け、名称「Methods of Preventing or Treating Inflammatory or Autoimmune Disorders by Administering Integrin αvβ3 Antagonists in Combination With Other Prophylactic or Therapeutic Agents(他の予防剤または治療剤と組み合せてインテグリンαvβ3アンタゴニストを投与することによる、炎症または自己免疫疾患の予防または治療法)」、および国際公開第03/075741号A2、2003年9月18日付け、名称「Methods of Preventing or Treating Disorders by Administering an Integrin αvβ3 Antagonist in Combination With an HMG-CoA Reductase Inhibitor or a Bisphosphonate(HMG−CoA還元酵素阻害薬またはビスホスホン酸塩と組み合せて、インテグリンαvβ3アンタゴニストを投与することによる疾病の予防または治療法)」その各々の全体を参照により本明細書に組み込む]の有効量を組み合せて投与する。別の好ましい実施形態では、自己免疫疾患、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理するために、対象に、一種以上の本発明の抗体の有効量と、シプリズマブ(メドイミューン社、国際公開第02/069904号)の有効量を組み合せて投与する。別の実施形態では、自己免疫疾患、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理するために、対象に、一種以上の本発明の抗体の有効量と、一種以上のEphA2阻害薬(例えば、一または複数の抗EphA2抗体[メドイミューン社;2002年12月27日付けの国際公開第02/102974号A4、名称「Mutant Proteins, High Potency Inhibitory Antibodies and FIMCH Crystal Structure(変異体タンパク質、高能力阻害性抗体、およびFIMCH結晶構造)」;2003年11月20日付けの国際公開第03/094859号A2、名称「EphA2 Monoclonal Antibodies and Methods of Use Thereof(EphA2モノクローナル抗体およびその使用方法)」;米国出願第10/436,783号で米国特許公開第2004/0091486号として公開された特許;および米国出願第10/994,129号で米国特許公開第2005/0152899号として公開された特許。その各々を参照により本明細書に組み込む)]の有効量を組み合せて投与する。さらに別の実施形態では、自己免疫疾患、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理するために、対象に、一種以上の本発明の抗体の有効量と、ビタキシン(商標)、シプリズマブ、および/またはEphA2阻害薬の有効量を組み合せて投与する。
本発明の抗体製剤または本発明の併用療法は、自己免疫疾患、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理するための第1、第2、第3、第4、または第5の治療法として使用しうる。本発明は、他の疾患または疾病の治療法を受けている患者で、自己免疫疾患、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理する方法も含む。本発明は、本発明の抗体以外の治療法に対して、いかなる有害作用も、または不耐性も発生する前にある患者で、自己免疫疾患、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理する方法を包含する。本発明はまた、不応患者で、自己免疫疾患またはその症状を予防し、治療し、かつ/または管理する方法を包含する。本発明は、本発明の抗体、組成物、または併用療法以外の治療法に対して不応であることが証明されている患者で、増殖性疾患またはその症状を予防し、治療し、かつ/または管理する方法を包含する。患者が不応であるかどうかの決定は、そのような脈絡の中で当業界で受け入れられている「不応」の意味を使用し、自己免疫疾患の治療有効性をアッセイする当技術分野で公知の任意の方法によって、インビボまたはインビトロで行うことができる。ある実施形態では、自己免疫疾患患者は、自己免疫疾患の一種以上の症状が予防も、管理も、かつ/または緩和もされていない場合、治療法に対して不応である。本発明はまた、従来の治療法に対して有害反応を受けやすい患者で、自己免疫疾患またはその症状を予防し、治療し、かつ/または管理する方法を包含する。
本発明は、他の従来の治療法の代替法として、自己免疫疾患、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理する方法を包含する。具体的実施形態では、本発明の方法に従って管理され、または治療を受けている患者は、他の治療法に対して不応であり、またはそのような治療法から有害反応を受けやすい。患者は、免疫系が抑制されている人(例えば、術後患者、化学療法患者、および免疫不全疾患患者、気管支肺異形成症患者、先天性心疾患患者、嚢胞性線維症患者、後天性もしくは先天性心疾患患者、および感染症患者)、腎機能もしくは肝機能が損なわれている人、高齢者、小児、幼児、未成熟出生児、神経精神医学的疾病を有する人、向精神薬を飲んでいる人、てんかん発作歴のある人、あるいはウイルス性呼吸器感染症、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理するために使用される従来の薬剤と負に相互作用するであろう投薬を受けている人でありうる。
自己免疫治療法、ならびにそれらの投薬量、投与経路、および推奨される使用は、当技術分野で公知であり、Physicians’ Desk Reference (2006年第60版)などの文献に記載されている。
5.5.5.ウイルス感染症
ウイルス感染、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理するために、本発明の一種以上の抗体製剤を対象に投与することができる。本発明の一種以上の抗体製剤は、ウイルス感染、好ましくは呼吸器のウイルス感染にかかり易い、またはかかっている対象に、ウイルス感染の予防、治療、および/または管理に有用な本発明の抗体製剤以外の一種以上の他の治療法(例えば、一種以上の予防剤もしくは治療剤)と組み合せて投与しうる。抗ウイルス剤の非限定的な例には、ウイルスとその受容体との付着、細胞中へのウイルスの内部転移、ウイルスの複製、または細胞からのウイルスの放出を阻害し、かつ/または低減するタンパク質、ポリペプチド、ペプチド、融合タンパク質、抗体、核酸分子、有機分子、無機分子、および小分子が含まれる。特に、抗ウイルス剤には、それだけには限らないが、ヌクレオシド類似体(例えば、ジドブジン、アシクロビル、ガンシクロビル、ビダラビン、イドキスリジン、トリフルリジン、およびリバビリン)、ホスカルネット、アマンタジン、リマンタジン、サキナビル、インジナビル、リトナビル、α−インターフェロンおよび他のインターフェロン、ならびにAZTが含まれる。
具体的実施形態では、抗ウイルス剤は、ウイルス抗原に免疫特異的な免疫調節剤である。本明細書で使用する場合、「ウイルス抗原」という用語には、それらだけには限定されないが、免疫応答を誘発しうる、任意のウイルス性ペプチド、ポリペプチド、ならびにタンパク質[例えば、HIVgp120、HIVnef、RSV F糖タンパク質、RSVG糖タンパク質、インフルエンザウイルスノイラミニダーゼ、インフルエンザウイルス赤血球凝集素、HTLVtax、単純ヘルペスウイルス糖タンパク質(例えば、gB、gC、gD、、gE)およびB型肝炎表面抗原]が含まれる。ウイルス感染症の治療に本発明で有用な抗体には、それだけには限らないが、例として、かつ制限されないものとして以下を含む、病原性ウイルスの抗原に対する抗体が含まれる:アデノウイルス科(adenovirdiae)(例えば、マストアデノウイルスおよびトリアデノウイルス)、ヘルペスウイルス科(例えば、単純ヘルペスウイルス1型、単純ヘルペスウイルス2型、単純ヘルペスウイルス5型、および単純ヘルペスウイルス6型)、レビウイルス科(例えば、レビウイルス、腸内細菌相MS2、アロールウイルス(allolevirus))、ポックスウイルス科(例えば、チョルドポックスウイルス亜科、パラポックスウイルス、アビポックスウイルス、カプリポックスウイルス、ウサギポックスウイルス、ブタポックスウイルス、モルシポックスウイルス、およびエントモポックスウイルス亜科)、パポーバウイルス科(例えば、ポリオーマウイルスおよび乳頭腫ウイルス)、パラミクソウイルス(例えば、パラミクソウイルス、パラインフルエンザウイルス1型、モルビリウイルス(例えば、麻疹ウイルス)、ルブラウイルス(例えば、流行性耳下腺炎ウイルス)、ニューモノ亜科(pneumonovirinae)(例えば、ニューモウイルス、ヒト呼吸器多核体ウイルス(respiratory synctial virus))、およびメタニューモウイルス(例えば、トリニューモウイルスおよびヒトメタニューモウイルス))、ピコルナウイルス科(例えば、エンテロウイルス、ライノウイルス、ヘパトウイルス(例えば、ヒトA型肝炎ウイルス)、カルジオウイルス、およびアプトウイルス(apthovirus))、レオウイルス科(例えば、オルトレオウイルス、オルビウイルス、ロタウイルス、サイポウイルス、フィジウイルス、ファイトレオウイルス、およびオリザウイルス)、レトロウイルス科(例えば、哺乳動物B型レトロウイルス、哺乳動物C型レトロウイルス、トリC型レトロウイルス、D型レトロウイルス群、BLV−HTLVレトロウイルス、レンチウイルス(例えば、ヒト免疫不全ウイルス1型およびヒト免疫不全ウイルス2型)、スプーマウイルス)、フラビウイルス科(例えば、C型肝炎ウイルス)、ヘパドナウイルス科(例えば、B型肝炎ウイルス)、トガウイルス科(例えば、アルファウイルス属(例えば、シンドビスウイルス)およびルビウイルス(例えば、風疹ウイルス))、ラブドウイルス科(例えば、ベシクロウイルス、リッサウイルス、エフェメロウイルス、サイトラブドウイルス、およびネクレオラブドウイルス(necleorhabdovirus))、アレナウイルス科(例えば、アレナウイルス、リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス、イピイウイルス(Ippy virus)、およびラッサ熱ウイルス)、ならびにコロナウイルス科(例えば、コロナウイルスおよびトロウイルス)。
ウイルス感染症の治療に有用で利用可能な抗体の具体例には、それだけには限らないが、HIV感染の治療に有用なCD4融合抗体であるPRO542(Progenics);B型肝炎ウイルスの治療に有用なヒト抗体であるオスタビル(Ostavir)(Protein Design Labs社、カリフォルニア州);およびサイトメガロウイルス(CMV)の治療に有用なヒト化IgG1抗体であるプロトウイルス(Protein Design Labs社、カリフォルニア州);およびRSVの治療に有用なヒト化抗体であるパリビズマブ(シナジス(登録商標);メドイミューン社;国際公開第02/43660号)が含まれる。
特定の実施形態では、本発明の組成物および方法で使用される抗ウイルス剤は、肺または呼吸器ウイルス感染を阻害し、または低減し、肺または呼吸器感染症を引き起こすウイルスの複製を阻害し、または低減し、あるいは他の細胞または対象への肺または呼吸器感染症を引き起こすウイルスの伝播を阻害し、または低減する。別の好ましい実施形態では、本発明の組成物および方法で使用される抗ウイルス剤は、RSV、hMPV、またはPIVによる感染を阻害し、または低減し、RSV、hMPV、またはPIVの複製を阻害し、または低減し、あるいは他の細胞または対象へのRSV、hMPV、またはPIVの伝播を阻害し、または低減する。RSV、hMPV、および/またはPIV感染治療のそのような薬剤および方法の例には、それだけには限らないが、ヌクレオシド類似体、例えば、ジドブジン、アシクロビル、ガンシクロビル、ビダラビン、イドキスリジン、トリフルリジン、およびリバビリン、同様にホスカルネット、アマンタジン、リマンタジン、サキナビル、インジナビル、リトナビル、およびα−インターフェロンが含まれる。2003年7月25日に米国特許出願第10/628,088号として出願され、米国特許公開第2004/0096451号A1、名称「Methods of Treating and Preventing RSV, HMPV, and PIV Using Anti-RSV, Anti-HMPV, and Anti-PIV Antibodies(抗RSV、抗HMPV、および抗PIV抗体を使用し、RSV、HMPV、およびPIVを治療し予防する方法)」として公開された特許;および2003年2月21日に米国特許出願第10/371,122号として出願され、米国特許公開第2004/0005544号として公開された特許参照されたい。これについて、その全体を参照により本明細書に組み込む。
好ましい実施形態では、ウイルス感染はRSVであり、抗ウイルス抗原はRSV抗原と免疫特異的に結合する抗体である。ある実施形態では、抗RSV−抗原抗体は、RSVのA群のRSV抗原と免疫特異的に結合する。他の実施形態では、抗RSV−抗原抗体は、RSVのB群のRSV抗原と免疫特異的に結合する。他の実施形態では、抗体が1群のRSVの抗原と結合し、その他の群の類似抗原と交差反応する。特定の実施形態では、抗RSV−抗原抗体は、RSV核タンパク質、RSVリンタンパク質、RSVマトリックスタンパク質、RSV小型疎水性タンパク質、RSV RNA依存性RNAポリメラーゼ、RSV Fタンパク質、および/またはRSV Gタンパク質と免疫特異的に結合する。さらに具体的実施形態では、抗RSV−抗原抗体は、RSV核タンパク質の対立形質変異体、RSV核カプシドタンパク質、RSVリンタンパク質、RSVマトリックスタンパク質、RSV付着糖タンパク質、RSV融合糖タンパク質、RSV核カプシドタンパク質、RSVマトリックスタンパク質、RSV小型疎水性タンパク質、RSVRNA依存性RNAポリメラーゼ、RSV Fタンパク質、RSV Lタンパク質、RSV Pタンパク質、および/またはRSV Gタンパク質と結合する。
RSV抗原と免疫特異的に結合する抗体が、当技術分野で公知であることは理解されよう。例えば、シナジス(登録商標)(パリビズマブ)は目下、小児患者でRSV感染の予防に使用されているヒト化モノクローナル抗体である。特定の実施形態では、本発明の方法で使用される抗体は、パリビズマブまたはその抗体結合フラグメントである[例えば、一個以上の相補性決定領域(CDR)を含むフラグメント、好ましくは、パリビズマブの可変ドメイン]。パリビズマブのアミノ酸配列は、例えば、Johnsonら, 1997, J. Infectious Disease 176:1215-1224、およびYoungらによる米国特許第5,824,307号および国際出願公開第02/43660号、名称「Methods of Administering/Dosing Anti-RSV Antibodies for Prophylaxis and Treatment(予防および治療用の抗RSV抗体の投与/投薬法)」に開示されている。これらについて、その全体を参照により本明細書に組み込む。
RSV抗原に免疫特異的に結合する、一種以上の抗体またはその抗原結合フラグメントであって、パリビズマブのFcドメインよりも、FcRn受容体に対して高い親和性を有するFcドメインを含む抗体またはその抗原結合フラグメントも本発明に従って使用することができる。そのような抗体は、2001年12月12日出願の米国特許出願第10/020,354号に記載されている。これについて、参照によりその全体を本明細書に組み込む。さらに、抗RSV−抗原抗体A4B4;P12f2P12f4;P11d4;Ale9;A12a6;A13c4;A17d4;A4B4;1X−493L1;FRH3−3F4;M3H9;Y10H6;DG;AFFF;AFFF(1);6H8;L1−7E5;L2−15B10;A13a11;A1h5;A4B4(1);A4B4−F52S;またはA4B4L1FR−S28Rを本発明に従って使用できる。これらの抗体は、Youngらによる国際出願公開第02/43660号、名称「Methods of Administering/Dosing Anti-RSV Antibodies for Prophylaxis and Treatment(予防および治療用の抗RSV抗体の投与/投薬法)」;および2003年7月25日に米国特許出願第10/628,088号として出願され、米国特許公開第2004/0096451号A1、名称「Methods of Treating and Preventing RSV, HMPV, and PIV Using Anti-RSV, Anti-HMPV, and Anti-PIV Antibodies(抗RSV、抗HMPV、および抗PIV抗体を使用し、RSV、HMPV、およびPIVを治療し予防する方法)」として公開された特許に開示されている。これらを参照により本明細書に組み込む。
ある実施形態では、抗RSV−抗原抗体は、抗RSV−抗原抗体であるか、または以下の方法によって調製される:Youngらにより、名称が全て「Methods of Administering/Dosing Anti-RSV Antibodies for Prophylaxis and Treatment(予防および治療用の抗RSV抗体の投与/投薬法)」である、2000年11月28日出願の米国特許出願第09/724,531号;2001年11月28日出願の米国特許出願第09/996,288号;および2001年11月28日に米国特許出願第09/996,265号として出願され、米国特許公開第2003/0091584号として公開された特許の方法。これらについて、その全体を参照により本明細書に組み込む。本発明の方法に使用することができる安定した抗体製剤用の方法および組成物は、2002年6月14日出願の米国仮出願第60/388,921号、および2003年5月7日出願の米国特許出願第10/461,863号であって、米国特許公開第2004/0018200号として公開された特許に開示されている。これらについて、その全体を参照により本明細書に組み込む。
抗ウイルス療法、ならびにそれらの投薬量、投与経路、および推奨される使用は、当技術分野で公知であり、Physicians’ Desk Reference (第60版,2006)などの文献に記載されている。呼吸器ウイルス感染症についてのさらなる情報は、Cecil Textbook of Medicine (第18版, 1988)に得られる。
5.5.5.1.ウイルス感染症の治療法
特定の実施形態では、本発明は、ウイルス性呼吸器感染症、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理する方法であって、それを必要とする対象に、本発明の一種以上の抗体製剤の有効量を投与するステップを含む方法を提供する。別の実施形態では、本発明は、ウイルス性呼吸器感染症、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理する方法であって、それを必要とする対象に、本発明の一種以上の抗体製剤の有効量と、本発明の抗体製剤以外の一種以上の治療法(例えば、一種以上の予防剤もしくは治療剤)の有効量を投与するステップを含む方法を提供する。
ある実施形態では、それを必要とする対象に、本発明の一種以上の抗体製剤の有効量と、一種以上の治療法(例えば、一種以上の予防剤もしくは治療剤)であって、ウイルス感染、例えばウイルス性呼吸器感染症、または一種以上のそれらの症状の予防、治療、および/または管理に現在使用されており、または使用されてきた、またはそれに有用であることが分かっている治療法の有効量を組み合せて投与する。ウイルス感染、例えばウイルス性呼吸器感染症の治療法には、それだけには限らないが、抗ウイルス剤、例えば、アマンタジン、オセルタミビル、リバビラン(ribaviran)、パリビズマブ(シナジス(商標))、およびアナミビル(anamivir)が含まれる。ある実施形態では、ウイルス感染、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理するために、それを必要とする対象に、本発明の一種以上の抗体製剤の有効量と、一つまたは複数の支持手段を組み合せて投与する。支持手段の非限定的な例には、超音波噴霧器による空気の加湿、気化(aerolized)ラセミ体エピネフリン、経口デキサメタゾン、静脈内輸液、挿管、解熱剤(例えば、イブプロフェン、アセトメタフィン(acetometaphin))、ならびに抗生物質療法および/または抗真菌療法(すなわち、二次細菌感染を予防し、または治療するため)が含まれる。
いかなるタイプのウイルス感染も、またはウイルス感染から生じた状態もしくはそれに伴う状態の(例えば、呼吸状態)も、本発明の一種以上の抗体製剤の有効量を単独で、または別の治療法(例えば、本発明の抗体製剤以外の予防剤または治療剤)の有効量と組み合わせて投与するステップを含む、本発明の方法に従って予防し、治療し、かつ/または管理することができる。ウイルス感染症を引き起こすウイルスの例には、それだけには限らないが、レトロウイルス[例えば、ヒトT細胞リンパ増殖性ウイルス(HTLV)I型とII型、およびヒト免疫不全ウイルス(HIV)]、ヘルペスウイルス[例えば、単純ヘルペスウイルス(HSV)I型とII型、エプスタイン−バーウイルスHHV6〜HHV8、およびサイトメガロウイルス]、アレナウイルス(arenavirues)(例えば、ラッサ熱ウイルス)、パラミクソウイルス(例えば、モルビリウイルス、ヒト呼吸器合胞体ウイルス、流行性耳下腺炎、hMPV、およびニューモウイルス)、アデノウイルス、ブニアウイルス(例えば、ハンタウイルス)、コロナウイルス、フィロウイルス(例えば、エボラウイルス)、フラビウイルス[例えば、C型肝炎ウイルス(HCV)、黄熱病ウイルス、および日本脳炎ウイルス]、ヘパドナウイルス(例えば、B型肝炎ウイルス(HBV))、オルソミクソウイルス(例えば、インフルエンザウイルスA、BおよびC、およびPIV)、パポバウイルス(例えば、パピローマウイルス(papillomavirues))、ピコルナウイルス(例えば、ライノウイルス、エンテロウイルスおよび肝炎Aウイルス)、ポックスウイルス、レオウイルス(例えば、ロタウイルス(rotavirues))、トガウイルス(例えば、風疹ウイルス)、ならびにラブドウイルス(例えば、狂犬病ウイルス)が含まれる。ウイルス感染に対する生物学的応答には、それだけには限らないが、IgE抗体レベルの上昇、T細胞の増殖および/または浸潤の増加、B細胞の増殖および/または浸潤の増加、上皮の過形成、ならびにムチンの産生が含まれる。特定の実施形態では、本発明はまた、一般的な風邪、ウイルス性咽頭炎、ウイルス性喉頭炎、ウイルス性クループ、ウイルス性気管支炎、インフルエンザ、パラインフルエンザウイルス性疾患(「PIV」)疾患(例えば、クループ、細気管支炎、気管支炎、肺炎)、呼吸器合胞体ウイルス(「RSV」)疾患、メタニューモウイルス(metapneumavirus)疾患、およびアデノウイルス疾患(例えば、熱性呼吸器疾患、クループ、気管支炎、肺炎)に関連し、またはそれを引き起こすウイルス性呼吸器感染症を予防し、治療し、かつ/または管理する方法であって、本発明の一種以上の抗体製剤の有効量を単独で、または別の治療法の有効量と組み合わせて投与するステップを含むを方法を提供する。
特定の実施形態では、インフルエンザウイルス感染、PIV感染、hMPV感染、アデノウイルス感染、および/もしくはRSV感染、またはその一種以上の症状を本発明の方法に従って予防し、治療し、かつ/または管理する。特定の実施形態では、本発明は、RSV呼吸器感染症、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理する方法であって、それを必要とする対象に、本発明の一種以上の抗体製剤の有効量を単独で、または一種以上の抗ウイルス剤、例えば、ただしそれらだけには限らないが、アマンタジン、リマンタジン、オセルタミビル、ズナミビル(znamivir)、リバビラン、RSV−IVIG(すなわち、静脈内免疫グロブリン注入)(レスピガム(RESPIGAM)(商標))、およびパリビズマブ(シナジス(商標))と組み合わせて投与するステップを含む方法を提供する。特定の実施形態では、本発明は、PIV感染、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理する方法であって、それを必要とする対象に、本発明の一種以上の抗体製剤の有効量を単独で、または一種以上の抗ウイルス剤、例えば、ただしそれらだけには限らないが、アマンタジン、リマンタジン、オセルタミビル、ズナミビル、リバビラン、およびパリビズマブ(シナジス(商標))の有効量と組み合わせて投与するステップを含む方法を提供する。別の特定の実施形態では、本発明は、hMPV感染、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理する方法であって、それを必要とする対象に、本発明の一種以上の抗体製剤の有効量を単独で、または一種以上の抗ウイルス剤、例えば、ただしそれらだけには限らないが、アマンタジン、リマンタジン、オセルタミビル、ズナミビル、リバビラン、およびパリビズマブ(シナジス(商標))の有効量と組み合わせて投与するステップを含む方法を提供する。特定の実施形態では、本発明は、インフルエンザを予防し、治療し、かつ/または管理する方法であって、それを必要とする対象に、本発明の一種以上の抗体製剤の有効量を単独で、または抗ウイルス剤、例えば、それだけには限らないが、ザナミビル(リレンザ(登録商標))、オセルタミビル(タミフル(登録商標))、リマンタジン、およびアマンタジン(シマジン(SYMADINE)(登録商標);シンメトレル(登録商標))の有効量と組み合わせて投与するステップを含む方法を提供する。
本発明は、ウイルス性呼吸器感染症に罹患している、または罹患していた対象で喘息の発生を予防する方法であって、本発明の一種以上の抗体製剤の有効量を単独で、または別の治療法の有効量と組み合わせて投与するステップを含む方法を提供する。特定の実施形態では、対象は、未成熟出生児、幼児、または小児である。別の特定の実施形態では、対象は、RSV感染を罹患していた、または罹患している。
特定の実施形態では、本発明は、一次ウイルス感染に対する一種以上の二次応答を予防し、治療し、かつ/または管理する方法であって、本発明の一種以上の抗体製剤の有効量を単独で、または他の治療法(他の予防剤または治療剤など)の有効量と組み合わせて投与するステップを含む方法を提供する。一次ウイルス感染、特に、一次ウイルス性呼吸器感染症に対する二次応答の例には、それだけには限らないが、粘膜刺激に対する喘息様応答、全呼吸抵抗の上昇、二次ウイルス、細菌、および真菌感染症に対する感受性の増加、およびそのような状態、例えば、ただしそれらだけには限らないが、肺炎、クループ、および熱性気管支炎の発生が含まれる。
特定の実施形態では、本発明は、ウイルス感染、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理する方法であって、それを必要とする対象に、本発明の一種以上の抗体製剤の有効量と、ビタキシン(商標)[メドイミューン社、国際公開第00/78815号、国際公開第02/070007号A1、2002年9月12日付け、名称「Methods of Preventing or Treating Inflammatory or Autoimmune Disorders by Administering Integrin AlphaV Beta3 Antagonists(インテグリンαVβ3アンタゴニストの投与による炎症または自己免疫疾患の予防または治療法)」、国際公開第03/075957号A1、2003年9月18日付け、名称「The Prevention or Treatment of Cancer Using Integrin AlphaVBeta3 Antagonists in Combination With Other Agents(他の薬剤と組み合せてインテグリンαVβ3アンタゴニストを使用する癌の予防または治療)」、米国特許公開第2002/0168360号A1、2002年11月14日付け、名称「Methods of Preventing or Treating Inflammatory or Autoimmune Disorders by Administering Integrin αvβ3 Antagonists in Combination With Other Prophylactic or Therapeutic Agents(他の予防剤または治療剤と組み合せてインテグリンαvβ3アンタゴニストを投与することによる、炎症または自己免疫疾患の予防または治療法)」、および国際公開第03/075741号A2、2003年9月18日付け、名称「Methods of Preventing or Treating Disorders by Administering an Integrin αvβ3 Antagonist in Combination With an HMG-CoA Reductase Inhibitor or a Bisphosphonate(HMG−CoA還元酵素阻害薬またはビスホスホン酸塩と組み合せて、インテグリンαvβ3アンタゴニストを投与することによる疾病の予防または治療法)」、その各々の全体を参照により本明細書に組み込む]の有効量を組み合せて投与するステップを含む方法を提供する。別の特定の実施形態では、本発明は、ウイルス感染、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理する方法であって、それを必要とする対象に、一種以上の本発明の抗体の有効量と、シプリズマブ(メドイミューン社、国際公開第02/069904号)の有効量を組み合せて投与するステップを含む方法を提供する。別の実施形態では、本発明は、ウイルス感染、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理する方法であって、それを必要とする対象に、一種以上の本発明の抗体の有効量と、一種以上のEphA2阻害薬[例えば、一または複数の抗EphA2抗体{メドイミューン社;2002年12月27日付けの国際公開第02/102974号A4、名称「Mutant Proteins, High Potency Inhibitory Antibodies and FIMCH Crystal Structure(変異体タンパク質、高能力阻害性抗体、およびFIMCH結晶構造)」;2003年11月20日付けの国際公開第03/094859号A2、名称「EphA2 Monoclonal Antibodies and Methods of Use Thereof(EphA2モノクローナル抗体およびその使用方法)」;米国出願第10/436,783号であって、米国特許公開第2004/0091486号として公開された特許;および米国特許出願第10/994,129号であって、米国特許公開第2005/0152899号として公開された特許。その各々を参照により本明細書に組み込む}]の有効量を組み合せて投与するステップを含む方法を提供する。さらに別の実施形態では、本発明は、ウイルス感染、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理する方法であって、それを必要とする対象に、一種以上の本発明の抗体の有効量と、ビタキシン(商標)、シプリズマブ、および/またはEphA2の有効量を組み合せて投与するステップを含む方法を提供する。
一実施形態では、ウイルス感染、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理するために、対象に、本発明の一種以上の抗体製剤の有効量と、一種以上の抗IgE抗体TNX901の有効量を組み合せて投与する。特定の実施形態では、ウイルス感染、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理するために、対象に、本発明の一種以上の抗体製剤の有効量と、抗IgE抗体rhuMAb−E25オマリズマブの有効量を組み合せて投与する。別の実施形態では、ウイルス感染、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理するために、対象に、本発明の一種以上の抗体製剤の有効量と、抗IgE抗体HMK−12の有効量を組み合せて投与する。特定の実施形態では、ウイルス感染、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理するために、対象に、本発明の一種以上の抗体製剤の有効量と、抗IgE抗体6HD5の有効量を組み合せて投与する。別の実施形態では、ウイルス感染、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理するために、対象に、本発明の一種以上の抗体製剤の有効量と、抗IgE抗体MAbHu−901の有効量を組み合せて投与する。
本発明は、ウイルス感染への罹患が予想され、またはそのような感染への危険性が高い患者、例えば、免疫系が抑制されている患者(例えば、臓器移植レシピエント、AIDS患者、化学療法を受けている患者、高齢者、未成熟出生児、幼児、小児、閉塞を伴う食道癌患者、気道内瘻孔を有する患者、神経系疾患患者(例えば、脳卒中、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、および筋疾患によって発症)、ならびに既に呼吸器感染症に罹患している患者で、ウイルス感染症、例えば、ウイルス性呼吸器感染症の発生を予防する方法を包含する。患者は、以前に、呼吸器感染症の治療を受けていても、または受けていなくてもよい。
本発明の抗体製剤または本発明の併用療法は、ウイルス感染、例えばウイルス性呼吸器感染症、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理するための第1、第2、第3、第4、または第5の治療法として使用しうる。本発明は、IL−9ポリペプチドの異常な発現および/または活性に付随し、またはそれによって特徴付けられる他の疾患または疾病、IL−9Rもしくは一個以上のそのサブユニットの異常な発現および/もしくは活性に付随し、またはそれによって特徴付けられる疾患または疾病、自己免疫疾患、炎症性疾患、増殖性疾患、または感染(例えば、呼吸器感染症)、あるいは一種以上のそれらの症状の治療法を受けている患者で、ウイルス感染、例えばウイルス性呼吸器感染症、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理する方法も含む。本発明は、本発明の抗体製剤以外の治療法に対して、いかなる任意の有害作用も、または不耐性も発生前にある患者で、ウイルス感染、例えばウイルス性呼吸器感染症、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理する方法を包含する。本発明はまた、不応患者で、ウイルス感染、例えばウイルス性呼吸器感染症、またはその症状を予防し、治療し、かつ/または管理する方法を包含する。ある実施形態では、ウイルス感染、例えばウイルス性呼吸器感染症の患者は、その感染があまり根絶されず、かつ/またはその症状があまり緩和されなかった場合、治療法に対して不応である。患者が不応であるかどうかの決定は、そのような脈絡の中で当業界で受け入れられている「不応」の意味を使用し、感染治療の有効性をアッセイする当技術分野で公知の任意の方法によって、インビボまたはインビトロで行うことができる。様々な実施形態では、ウイルス性呼吸器感染症患者は、ウイルスの複製が減少せず、または増加した場合不応である。本発明はまた、そのような感染が発生する危険がある患者で、ウイルス性呼吸器感染症の発症または再発を予防する方法を包含する。本発明はまた、従来の治療法に対して有害反応を受けやすい患者で、ウイルス感染、例えばウイルス性呼吸器感染症、またはその症状を予防し、治療し、かつ/または管理する方法を包含する。本発明は、さらに、抗ウイルス療法が利用できないウイルス感染、例えばウイルス性呼吸器感染症を予防し、治療し、かつ/または管理する方法を包含する。
本発明は、本発明の抗体製剤以外の治療法に対して不応であることが証明され、もはやこれらの治療法に頼れない患者で、ウイルス感染、例えばウイルス性呼吸器感染症、またはその症状を予防し、治療し、かつ/または管理する方法を包含する。ある実施形態では、本発明の方法に従って管理され、または治療を受けている患者は、抗生物質、抗ウイルス薬、抗真菌薬、または他の生物学的療法/免疫療法で既に治療を受けている患者である。特に、患者は、不応患者、従来の治療法には若過ぎる患者、および既存の治療法での管理または治療にもかかわらずウイルス感染症を繰り返す患者である。
本発明は、他の従来の治療法の代替法として、ウイルス感染、例えばウイルス性呼吸器感染症、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理する方法を包含する。具体的実施形態では、本発明の方法に従って管理され、または治療を受けている患者は、他の治療法に対して不応であり、またはそのような治療法から有害反応を受けやすい。患者は、免疫系が抑制されている人(例えば、術後患者、化学療法患者、および免疫不全疾患患者)、腎機能もしくは肝機能が損なわれている人、高齢者、小児、幼児、未成熟出生児、神経精神医学的疾病を有する人もしくは向精神薬を飲んでいる人、てんかん発作歴のある人、あるいはウイルス感染、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理するために使用される従来の薬剤と負に相互作用するであろう投薬を受けている人でありうる。
ウイルス感染治療法、ならびにそれらの投薬量、投与経路、および推奨される使用は、当技術分野で公知であり、Physicians’ Desk Reference (2006年第60版)などの文献に記載されている。
5.5.6.細菌感染
本発明は、細菌感染、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理する方法であって、それを必要とする対象に、本発明の一種以上の抗体製剤の有効量を投与するステップを含む方法を提供する。別の実施形態では、本発明は、細菌感染、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理する方法であって、それを必要とする対象に、本発明の一種以上の抗体製剤の有効量と、本発明の抗体製剤以外の一種以上の治療法(例えば、一種以上の予防剤もしくは治療剤)の有効量とを投与するステップを含む方法を提供する。細菌感染を予防し、治療し、かつ/または管理する当業者に公知の抗菌剤および治療法は、本発明の組成物および方法に使用することができる。抗菌剤の非限定的な例には、細菌感染を阻害し、または低減し、細菌の複製を阻害し、または低減し、あるいは他の対象への細菌の伝播を阻害し、または低減するタンパク質、ポリペプチド、ペプチド、融合タンパク質、抗体、核酸分子、有機分子、無機分子、および小分子が含まれる。特に、抗菌剤の例には、それだけには限らないが、ペニシリン、セファロスポリン、イミペネム、アキストレオナム(axtreonam)、バンコマイシン、シクロセリン、バシトラシン、クロラムフェニコール、エリスロマイシン、クリンダマイシン、テトラサイクリン、ストレプトマイシン、トブラマイシン、ゲンタマイシン、アミカシン、カナマイシン、ネオマイシン、スペクチノマイシン、トリメトプリム、ノルフロキサシン、リファンピン、ポリミキシン、アンフォテリシンB、ニスタチン、ケトカナゾール(ketocanazole)、イソニアジド、メトロニダゾール、およびペンタアミジンが含まれる。
一実施形態では、抗菌剤は、肺または呼吸器細菌感染を阻害し、または低減し、肺または呼吸器感染症を引き起こす細菌の複製を阻害し、または低減し、あるいは他の対象への肺または呼吸器感染症を引き起こす細菌の伝播を阻害し、または低減する薬剤である。肺または呼吸器細菌感染がマイコプラズマ感染(例えば、咽頭炎、気管気管支炎、および肺炎)である場合には、抗菌剤は、例えば、テトラサイクリン、エリスロマイシン、またはスペクチノマイシンである。肺または呼吸器細菌感染が、好気性グラム陰性菌(GNB)によって生じた肺炎である場合には、抗菌剤は、ペニシリン、第1第2、または第3世代セファロスポリン(例えば、セファクロル、セファドロキシル、セファレキシン、またはセファゾリン)、エリトマイシン、クリンダマイシン、アミノグリコシド(例えば、ゲンタマイシン、トブラマイシン、もしくはアミカシン)、またはモノラクタム(例えば、アズトレオナム)が好ましい。肺または呼吸器細菌感染が結核である場合には、抗菌剤は、リファンプシン、イソナイジド(isonaizid)、ピランジンアミド(pyranzinamide)、エタンブトール、およびストレプトマイシンが好ましい。呼吸器感染症が、反復性誤嚥性肺炎である場合には、抗菌剤は、ペニシリン、アミノグリコシド、または第2もしくは第3世代セファロスポリンが好ましい。
5.5.6.1.細菌感染の治療法
細菌感染(例えば、呼吸器感染症)から生じた、またはそれに伴ういかなるタイプの細菌感染または状態も、本発明の方法に従って予防し、治療し、かつ/または管理することができる。細菌感染を引き起こす細菌の例には、それだけには限らないが、アクアスピリラム属ファミリー、アゾスピリルム属ファミリー、アゾトバクター科ファミリー、バクテロイデス科ファミリー、バルトネラ種、デロビブリオ属ファミリー、カンピロバクター種、クラミジア種(例えば、肺炎クラミジア)、クロストリジウム属、腸内細菌ファミリー[例えば、シトロバクター種、エドワージエラ属、エンテロバクター属アエロゲネス、エルウィニア種、大腸菌、ハフニア(Hafnia)種、クレブシエラ種、モルガネラ種、尋常変形菌、プロビデンシア属、サルモネラ種、霊菌、および赤痢菌フレックスネリ)、ガルジネラ(Gardinella)ファミリー、インフルエンザ菌、ハロバクテリウム科ファミリー、ヘリコバクターファミリー、レジオナラ科(Legionallaceae)ファミリー、リステリア種、メチロコッカス科ファミリー、放線菌(例えば、結核菌)、ナイセリア科ファミリー、オセアノスピリルム(Oceanospirillum)ファミリー、パスツレラ科ファミリー、肺炎球菌種、シュードモナス種、リゾビウム科ファミリー、らせん菌ファミリー、スピロソマ科(Spirosomaceae)ファミリー、ブドウ球菌(例えば、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌およびブドウ球菌発熱物質類)、ストレプトコックス[例えば、ストレプトコックスエンテリチジス(Streptococcus enteritidis)、ストレプトコックスファシア(Streptococcus fasciae)、および肺炎連鎖球菌]、バンピロビブルヘリコバクター(Vampirovibr Helicobacter)ファミリー、およびヴァムピロビブリオ属(Vampirovibrio)ファミリーが含まれる。
特定の実施形態では、本発明は、細菌性呼吸器感染症、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理する方法であって、それを必要とする対象に、本発明の一種以上の抗体製剤の有効量を投与するステップを含む方法を提供する。別の実施形態では、本発明は、細菌性呼吸器感染症、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理する方法であって、それを必要とする対象に、本発明の一種以上の抗体製剤の有効量と、本発明の抗体製剤以外の一種以上の治療法(例えば、予防剤もしくは治療剤)の有効量を投与するステップを含む方法を提供する。
ある実施形態では、本発明は、細菌感染、例えば、細菌性呼吸器感染症、またはその症状の一種以上を予防し、治療し、かつ/または管理する方法であって、それを必要とする対象に、本発明の一種以上の抗体製剤と、細菌感染を予防し、治療し、かつ/または管理するために使用される本発明の抗体製剤以外の一種以上の治療法(例えば、一種以上の予防剤もしくは治療剤)と組み合せて、かつその有効量を投与するステップを含む方法を提供する。細菌感染の治療法、特に細菌性呼吸器感染症には、それだけには限らないが、抗菌剤[例えば、アミノグリコシド類(例えば、ゲンタマイシン、トブラマイシン、アミカシン、ネチルマイシン)アズトレオナム、セルファロスポリン類(celphalosporins)(例えば、セファクロル、セファドロキシル、セファレキシン、セファゾリン)、クリンダマイシン、エリスロマイシン、ペニシリン(例えば、ペニシリンV、結晶質ペニシリンG、プロカインペニシリンG)、スペクチノマイシン、およびテトラサイクリン(例えば、クロルテトラサイクリン、ドキシサイクリン、オキシテトラシシン(oxytetracycine))]および支持呼吸器治療、例えば、補充的および機械的換気が含まれる。ある実施形態では、細菌感染、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理するために、それを必要とする対象に、本発明の一種以上の抗体製剤と、一つまたは複数の支持手段を組み合せて投与する。支持手段の非限定的な例には、超音波噴霧器による空気の加湿、気化ラセミ体エピネフリン、経口デキサメタゾン、静脈内輸液、挿管、解熱剤(例えば、イブプロフェン、アセトメタフィン)、より好ましくは、抗生物質、または抗ウイルス療法(すなわち、二次感染を予防し、または治療するため)が含まれる。
本発明は、細菌感染、例えば、細菌性呼吸器感染症に対する生物学的応答、例えば、ただしそれらだけには限らないが、IgE抗体レベルの上昇;肥満細胞の増殖、脱顆粒、および/または浸潤;B細胞の増殖および/または浸潤の増加、ならびにT細胞の増殖および/または浸潤の増加を予防し、治療し、かつ/または管理する方法であって、それを必要とする対象に、本発明の一種以上の抗体製剤の有効量を単独で、または本発明の抗体製剤以外の一種以上の治療法(例えば、予防剤もしくは治療剤)の有効量と組み合わせて投与するステップを含む方法を提供する。本発明はまた、細菌感染、例えば、細菌性呼吸器感染症、例えば、ただしそれらだけには限らないが、ニューモノコッカール(pneumonococcal)肺炎、好気性グラム陰性菌によって生じた肺炎、反復性誤嚥性肺炎、レジオネラ症、連鎖球菌疾患;ヘモフィルス、百日咳、髄膜炎、もしくは結核によりもたらされた感染によって生じ、またはそれに関連する呼吸状態を予防し、治療し、かつ/または管理する方法であって、それを必要とする対象に、本発明の一種以上の抗体製剤の有効量を単独で、または別の治療法の有効量と組み合わせて投与するステップを含む方法も提供する。
特定の実施形態では、本発明の方法は、ニューモノコックス(Pneumonococcus)、放線菌、好気性グラム陰性菌、ストレプトコックス、もしくはヘモフィルスによって生じた細菌性呼吸器感染症、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理するために使用され、その方法は、それを必要とする対象に、本発明の一種以上の抗体製剤の有効量を単独で、または本発明の抗体製剤以外の一種以上の他の治療法(例えば、一種以上の予防剤もしくは治療剤)の有効量と組み合わせて投与するステップを含む。
特定の実施形態では、本発明は、一次細菌感染、例えば、一次細菌性呼吸器感染症に対する、一種以上の二次状態または応答を予防し、治療し、かつ/または管理する方法であって、それを必要とする対象に、本発明の一種以上の抗体製剤の有効量を単独で、または他の治療法(他の予防剤または治療剤など)の有効量と組み合わせて投与するステップを含む方法を提供する。一次細菌感染、特に、細菌性呼吸器感染症に対する二次状態または応答の例には、それだけには限らないが、粘膜刺激に対する喘息様応答、全呼吸抵抗の上昇;二次ウイルス、細菌、および真菌感染症に対する感受性の増加;およびそのような状態、例えば、ただしそれらだけには限らないが、肺炎、クループ、および熱性気管支炎(bronchitits)の発生が含まれる。
特定の実施形態では、本発明の方法は、細菌感染、例えば、細菌性呼吸器感染症、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理するために使用され、その方法は、それを必要とする対象に、一種以上の本発明の抗体の有効量と、ビタキシン(商標)[メドイミューン社、2002年9月12日付けの国際公開第00/78815号、同第02/070007号A1、名称「Methods of Preventing or Treating Inflammatory or Autoimmune Disorders by Administering Integrin AlphaV Beta3 Antagonists(インテグリンαVβ3アンタゴニストの投与による炎症または自己免疫疾患の予防または治療法)」、2003年9月18日付けの国際公開第03/075957号A1、名称「The Prevention or Treatment of Cancer Using Integrin AlphaVBeta3 Antagonists in Combination With Other Agents(他の薬剤と組み合せてインテグリンαVβ3アンタゴニストを使用する癌の予防または治療)」、2002年11月14日付けの米国特許公開第2002/0168360号A1、名称「Methods of Preventing or Treating Inflammatory or Autoimmune Disorders by Administering Integrin αvβ3 Antagonists in Combination With Other Prophylactic or Therapeutic Agents(他の予防剤または治療剤と組み合せてインテグリンαvβ3アンタゴニストを投与することによる、炎症または自己免疫疾患の予防または治療法)」、および2003年9月18日付けの国際公開第03/075741号A2、名称「Methods of Preventing or Treating Disorders by Administering an Integrin αvβ3 Antagonist in Combination With an HMG-CoA Reductase Inhibitor or a Bisphosphonate(HMG−CoA還元酵素阻害薬またはビスホスホン酸塩と組み合せて、インテグリンαvβ3アンタゴニストを投与することによる疾病の予防または治療法)」、その各々の全体を参照により本明細書に組み込む]の有効量を組み合せて投与するステップを含む。別の特定の実施形態では、本発明の方法は、細菌感染、例えば、細菌性呼吸器感染症、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理するために使用され、その方法は、それを必要とする対象に、一種以上の本発明の抗体の有効量と、シプリズマブ(メドイミューン社、国際公開第02/069904号)の有効量を組み合せて投与するステップを含む。別の実施形態では、本発明の方法は、細菌感染、例えば、細菌性呼吸器感染症、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理するために使用され、その方法は、それを必要とする対象に、一種以上の本発明の抗体の有効量と、一種以上のEphA2阻害薬[例えば、一または複数の抗EphA2抗体[メドイミューン社;2002年12月27日付けの国際公開第02/102974号A4、名称「Mutant Proteins, High Potency Inhibitory Antibodies and FIMCH Crystal Structure(変異体タンパク質、高能力阻害性抗体、およびFIMCH結晶構造)」、2003年11月20日付けの国際公開第03/094859号A2、名称「EphA2 Monoclonal Antibodies and Methods of Use Thereof(EphA2モノクローナル抗体およびその使用方法)」、米国出願第10/436,783号であって、米国特許公開第2004/0091486号として公開された特許;および米国出願第10/994,129号であって、米国特許公開第2005/0152899号として公開された特許。その各々を参照により本明細書に組み込む)]の有効量を組み合せて投与するステップを含む。さらに別の実施形態では、本発明は、細菌感染、例えば、細菌性呼吸器感染症、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理する方法であって、一種以上の本発明の抗体の有効量と、ビタキシン(商標)、シプリズマブ、および/またはEphA2の有効量を組み合せて投与するステップを含む方法を提供する。
本発明は、細菌性呼吸器感染症へ罹患が予想され、またはそのような感染への危険性が高い患者、例えば、免疫系が抑制されている患者[例えば、臓器移植レシピエント、AIDS患者、化学療法を受けている患者、高齢者、未成熟出生児、幼児、小児、閉塞を伴う食道癌患者、気道内瘻孔を有する患者、神経系疾患患者(例えば、脳卒中、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、および筋疾患によって発症)、ならびに既に感染、特に呼吸器感染症に罹患している患者]で、細菌感染、例えば、細菌性呼吸器感染症の発生を予防する方法を包含する。患者は、以前に感染の治療を受けていても、または受けていなくてもよい。
本発明の抗体製剤または本発明の併用療法は、細菌感染、例えば、細菌性呼吸器感染症、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理するための第1、第2、第3、第4、または第5の治療法として使用しうる。本発明は、他の疾患または疾病の治療法を受けている患者で、細菌感染、例えば、細菌性呼吸器感染症、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理する方法も含む。本発明は、本発明の抗体製剤以外の治療法に対して、いかなる任意の有害作用も、または不耐性も発生前にある患者で、細菌感染、例えば、細菌性呼吸器感染症、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理する方法を包含する。本発明はまた、不応患者で、細菌感染、例えば、細菌性呼吸器感染症、またはその症状を予防し、治療し、かつ/または管理する方法を包含する。ある実施形態では、細菌性呼吸器感染症患者は、その感染があまり根絶されず、かつ/またはその症状があまり緩和されなかった場合、治療法に対して不応である。患者が不応であるかどうかの決定は、そのような脈絡の中で当業界で受け入れられている「不応」の意味を使用し、感染治療の有効性をアッセイする当技術分野で公知の任意の方法によって、インビボまたはインビトロで行うことができる。様々な実施形態では、細菌性呼吸器感染症患者は、細菌の複製が減少せず、または増加した場合、不応である。本発明はまた、そのような感染が発生する危険がある患者で、細菌感染、例えば、細菌性呼吸器感染症の発症または再発を予防する方法を包含する。本発明はまた、従来の治療法に対して有害反応を受けやすい患者で、細菌感染、例えば、細菌性呼吸器感染症、またはその症状を予防し、治療し、かつ/または管理する方法を包含する。本発明は、さらに、抗菌療法を利用できない細菌感染、例えば、細菌性呼吸器感染症を予防し、治療し、かつ/または管理する方法を包含する。
本発明は、本発明の抗体製剤以外の治療法に不応であることが証明され、もはやこれらの治療法に頼れない患者で、細菌感染、例えば、細菌性呼吸器感染症またはその症状を予防し、治療し、かつ/または管理する方法を包含する。ある実施形態では、本発明の方法に従って管理され、または治療を受けている患者は、既に、抗炎症剤、抗生物質、抗ウイルス薬、抗真菌薬、または他の生物学的療法/免疫療法で治療を受けている患者である。特に、患者は、不応患者、従来の治療法には若過ぎる患者、および既存の治療法での管理または治療にもかかわらず細菌感染を繰り返す患者である。
本発明は、他の従来の治療法の代替法として、細菌感染、例えば、細菌性呼吸器感染症、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理する方法を包含する。具体的実施形態では、本発明の方法に従って管理され、または治療を受けている患者は、他の治療法に対して不応であり、またはそのような治療法から有害反応を受けやすい。患者は、免疫系が抑制されている人(例えば、術後患者、化学療法患者、および免疫不全疾患患者)、腎機能もしくは肝機能が損なわれている人、高齢者、小児、幼児、未成熟出生児、神経精神医学的疾病を有する人もしくは向精神薬を飲んでいる人、てんかん発作歴のある人(例えば、術後患者、化学療法患者、および免疫不全疾患患者)、腎機能もしくは肝機能が損なわれている人、高齢者、小児、幼児、未成熟出生児、神経精神医学的疾病を有する人もしくは向精神薬を飲んでいる人、てんかん発作歴のある人、あるいは細菌感染、例えば、細菌性呼吸器感染症、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理するために使用される従来の薬剤と負に相互作用するであろう投薬を受けている人でありうる。
細菌感染治療法、ならびにそれらの投薬量、投与経路、および推奨される使用は、当技術分野で公知であり、Physicians’ Desk Reference (2006年第60版)などの文献に記載されている。
5.5.7.真菌感染症
真菌感染症、あるいは一種以上のそれらの症状(例えば、真菌性呼吸器感染症)を予防し、治療し、かつ/または管理するための当業者に公知の抗真菌剤および治療法を本発明の組成物および方法に使用することができる。抗真菌剤の非限定的な例には、真菌感染症を阻害し、かつ/または低減し、真菌の複製を阻害し、かつ/または低減し、あるいは他の対象への真菌の伝播を阻害し、かつ/または低減するタンパク質、ポリペプチド、ペプチド、融合タンパク質、抗体、核酸分子、有機分子、無機分子、および小分子が含まれる。抗真菌剤の具体例には、それだけには限らないが、アゾール薬(例えば、ミコナゾール、ケトコナゾール(ニゾーラル(登録商標))、カスポファンギン酢酸(カンシダス(登録商標))、イミダゾール、トリアゾール類(例えば、フルコナゾール(ジフルカン(登録商標)))、およびイトラコナゾール(スポラノックス(登録商標)))、ポリエン(例えば、ニスタチン、アンフォテリシンB(ファンギゾン(登録商標))、アンフォテリシンB脂質複合体(「ABLC」)(アベルセット(登録商標))、アンフォテリシンBコロイド状の分散(「ABCD」)(アンホテック(AMPHOTEC)(登録商標))、リポソームアンフォテリシンB(アムビソン(AMBISONE)(登録商標)))、ヨウ化カリウム(KI)、ピリミジン(例えば、フルシトシン(アンコボン(ANCOBON)(登録商標)))、およびボリコナゾール(ブイフェンド(登録商標))が含まれる。特定の抗真菌剤およびそれらの推奨される投薬量のリストについては、例えば下表7を参照されたい。
ある実施形態では、抗真菌剤は、呼吸器真菌感染症を阻害し、または低減し、肺または呼吸器感染症を引き起こす真菌の複製を阻害し、または低減し、あるいは他の対象への肺または呼吸器感染症を引き起こす真菌の伝播を阻害し、または低減する薬剤である。肺または呼吸器真菌感染症が、ブラストミセスデルマティティジスである場合には、抗真菌剤は、イトラコナゾール、アンフォテリシンB、フルコナゾール、またはケトコナゾールが好ましい。肺または呼吸器真菌感染症が、肺アスペルギローマである場合には、抗真菌剤は、アンフォテリシンB、リポソームアンフォテリシンB、イトラコナゾール、またはフルコナゾールが好ましい。肺または呼吸器真菌感染症が、ヒストプラスマ症である場合には、抗真菌剤は、アンフォテリシンB、イトラコナゾール、フルコナゾール、またはケトコナゾールが好ましい。肺または呼吸器真菌感染症が、コクシジオイデス症である場合には、抗真菌剤は、フルコナゾールまたはアンフォテリシンBが好ましい。肺または呼吸器真菌感染症が、クリプトコッカス症である場合には、抗真菌剤は、アンフォテリシンB、フルコナゾール、または2種の薬剤の組合せが好ましい。肺または呼吸器真菌感染症が、黒色真菌感染症である場合には、抗真菌剤は、イトラコナゾール、フルコナゾール、またはフルシトシンが好ましい。肺または呼吸器真菌感染症が、ムコール症である場合には、抗真菌剤は、アンフォテリシンBまたはリポソームアンフォテリシンBが好ましい。肺または呼吸器真菌感染症が、偽性アレスケリアシス(pseudoallescheriasis)である場合には、抗真菌剤は、イトラコナゾール、またはミコナゾールが好ましい。
抗真菌薬治療法、ならびにその投薬量、投与経路、および推奨される使用は、当技術分野で公知であり、Doddsら, 2000 Pharmacotherapy 20(11) 1335-1355、Physicians’ Desk Reference (2006年第60版)、およびMerk Manual of Diagnosis and Therapy (第17版, 1999)などの文献記載されている。
5.5.7.1.抗真菌薬治療法
真菌感染症、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理するために、本発明の方法に従って、対象に本発明の一種以上の抗体製剤を投与することができる。真菌感染症および/または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理するために、さらに本発明の一種以上の抗体製剤は、対象に、真菌感染症、あるいは一種以上のそれらの症状の予防、治療、および/または管理に有用である、本発明の抗体製剤以外の一種以上の他の治療法(例えば、一種以上の予防剤もしくは治療剤)と組み合せて投与しうる。
特定の実施形態では、本発明は、真菌感染症、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理する方法であって、それを必要とする対象に、本発明の一種以上の抗体製剤の有効量を投与するステップを含む方法を提供する。別の実施形態では、本発明は、真菌感染症、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理する方法であって、それを必要とする対象に、本発明の一種以上の抗体製剤の有効量と、本発明の抗体製剤以外の一種以上の治療法(例えば、予防剤もしくは治療剤)の有効量とを投与するステップを含む方法を提供する。
いかなるタイプの真菌感染症、または真菌感染症(例えば、呼吸器感染症)から生じた、またはそれに伴う状態も、本発明の方法に従って予防し、治療し、かつ/または管理することができる。真菌感染症を引き起こす真菌の例には、それだけには限らないが、アブシディア種(例えば、アブシジアコリンビフェラ(Absidia corymbifera)およびアブシジアラモサ(Absidia ramosa))、アスペルギルス種、(例えば、黄色麹菌、アスペルギルスフミガツス、偽巣性コウジ菌、黒色麹菌、およびアスペルギルステルロイス(Aspergillus terreus)、バシジオボルスラナルム(Basidiobolus ranarum)、ブラストミセスデルマティティジス、カンジダ種(例えば、カンジダアルビカンス、カンジダグラブラタ、カンジダケル(Candida kerr)、カンジダクルセイ、カンジダパラプシロシス、カンジダシュードトロピカリス、カンジダキレルモンジイ(Candida quillermondii)、カンジダルゴサ、カンジダステラトイデア(Candida stellatoidea)、およびカンジダトロピカリス)、コクシジオイデスイミティス、コニディオボラス種、クリプトコックスネオホルムス(Cryptococcus neoforms)、クニンガメラ種、皮膚糸状菌、ヒストプラスマカプスラーツム、ミクロスポルムギプソイム(Microsporum gypseum)、ムコルプシルス(Mucor pusillus)、パラコクシジオイデスブラジリエンシス、プソイダレスケリアボイジイ(Pseudallescheria boydii)、リノスポリジウムセエベリ(Rhinosporidium seeberi)、ニューモシスチスカリニ、クモノスカビ種(例えば、リゾプスアリズス、リゾプスオリザ(Rhizopus oryzae)、およびリゾプスミクロスポルス(Rhizopus microsporus)、サッカロミセス種、スポロトリキススケンッキイ(Sporothrix schenckii)、接合菌類、および接合菌類、子嚢菌類、担子菌類、不完全菌類、および卵菌類などクラスのが含まれる。
特定の実施形態では、本発明は、真菌性呼吸器感染症、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理する方法であって、それを必要とする対象に、本発明の一種以上の抗体製剤の有効量を投与するステップを含む方法を提供する。別の実施形態では、本発明は、真菌性呼吸器感染症、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理する方法であって、それを必要とする対象に、本発明の一種以上の抗体製剤の有効量と、本発明の抗体製剤以外の一種以上の治療法(例えば、一種以上の予防剤もしくは治療剤)の有効量とを投与するステップを含む方法を提供する。
ある実施形態では、それを必要とする対象に、一種以上の抗体製剤の有効量と、真菌感染症、例えば真菌性呼吸器感染症の予防、治療、および/または管理に現在使用されている、使用されてきた、または有用であることが知られている、本発明の抗体製剤以外一種以上の治療法(例えば、一種以上の予防剤もしくは治療剤)の有効量を組み合せて投与する。真菌感染症の治療法には、それだけには限らないが、抗真菌剤、例えば、アゾール薬、例えば、ミコナゾール、ケトコナゾール(ニゾーラル(登録商標))、カスポファンギン酢酸塩(カンシダス(登録商標))、イミダゾール、トリアゾール類(例えば、フルコナゾール(ジフルカン(登録商標)))、およびイトラコナゾール(スポラノックス(登録商標)))、ポリエン(例えば、ニスタチン、アンフォテリシンBコロイド状の分散(「ABCD」)(アンホテック(登録商標))、リポソームアンフォテリシンB(アムビソン(登録商標)))、ヨウ化カリウム(KI)、ピリミジン(例えば、フルシトシン(アンコボン(登録商標)))、およびボリコナゾール(ブイフェンド(登録商標))が含まれる。ある実施形態では、真菌感染症、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理するために、それを必要とする対象に、本発明の一種以上の抗体製剤の有効量と、一つまたは複数の支持手段を組み合せて投与する。支持手段の非限定的な例には、超音波噴霧器による空気の加湿、気化ラセミ体エピネフリン、経口デサメタゾン(desamethasone)、静脈内輸液、挿管、解熱剤(例えば、イブプロフェンおよびアセトメタフィン)、および抗ウイルスまたは抗菌療法(すなわち、二次的ウイルスまたは細菌感染を予防し、または治療するため)が含まれる。
本発明はまた、真菌性呼吸器感染症に対する生物学的応答、例えば、ただしそれらだけには限らないが、IgE抗体レベルの上昇、神経成長因子(NGF)レベルの上昇;肥満細胞の増殖、脱顆粒、および/または浸潤;B細胞の増殖および/または浸潤の増加、ならびにT細胞の増殖および/または浸潤の増加を予防し、治療し、かつ/または管理する方法であって、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する一種以上の抗体製剤の有効量を単独で、または一種以上の他の治療法と組み合わせて投与するステップを含む方法も提供する。
特定の実施形態では、本発明は、一次真菌感染症、例えば、一次真菌性呼吸器感染症に対する一種以上の二次状態または応答を予防し、治療し、かつ/または管理する方法であって、それを必要とする対象に、本発明の一種以上の抗体製剤の有効量を単独で、または本発明の抗体製剤以外の他の治療法(他の予防剤または治療剤など)の有効量と組み合わせて投与するステップを含む方法を提供する。一次真菌感染症、特に、一次真菌性呼吸器感染症に対する二次状態または応答の例には、それだけには限らないが、粘膜刺激に対する喘息様応答、全呼吸抵抗の上昇、二次ウイルス、真菌、および真菌感染症に対する感受性の増大、ならびに例えば、ただしそれらだけには限らないが、肺炎、クループ、および熱性気管支炎などの状態の発生が含まれる。
特定の実施形態では、本発明は、真菌感染症、例えば真菌性呼吸器感染症、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理する方法であって、それを必要とする対象に、一種以上の本発明の抗体の有効量と、ビタキシン(商標)[メドイミューン社、国際公開第00/78815号、国際公開第02/070007号A1、2002年9月12日付け、名称「Methods of Preventing or Treating Inflammatory or Autoimmune Disorders by Administering Integrin AlphaV Beta3 Antagonists(インテグリンαVβ3アンタゴニストの投与による炎症または自己免疫疾患の予防または治療法)」、国際公開第03/075957号、2003年9月18日付け、名称「The Prevention or Treatment of Cancer Using Integrin AlphaVBeta3 Antagonists in Combination With Other Agents(他の薬剤と組み合せてインテグリンαVβ3アンタゴニストを使用する癌の予防または治療)」、米国特許公開第2002/0168360号A1、2002年11月14日付け、名称「Methods of Preventing or Treating Inflammatory or Autoimmune Disorders by Administering Integrin αvβ3 Antagonists in Combination With Other Prophylactic or Therapeutic Agents(他の予防剤または治療剤と組み合せてインテグリンαvβ3アンタゴニストを投与することによる、炎症または自己免疫疾患の予防または治療法)」、および国際公開第03/075741号A2、2003年9月18日付け、名称「Methods of Preventing or Treating Disorders by Administering an Integrin αvβ3 Antagonist in Combination With an HMG-CoA Reductase Inhibitor or a Bisphosphonate(HMG−CoA還元酵素阻害薬またはビスホスホン酸塩と組み合せて、インテグリンαvβ3アンタゴニストを投与することによる疾病の予防または治療法)」、その各々の全体を参照により本明細書に組み込む]の有効量を組み合せて投与するステップを含む方法を提供する。別の特定の実施形態では、本発明は、真菌性呼吸器感染症、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理する方法であって、それを必要とする対象に、一種以上の本発明の抗体の有効量と、シプリズマブ(メドイミューン社、国際公開第02/069904号)の有効量を組み合せて投与するステップを含む方法を提供する。別の実施形態では、本発明は、真菌性呼吸器感染症、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理する方法であって、それを必要とする対象に、一種以上の本発明の抗体の有効量と、一種以上のEphA2阻害薬[例えば、一または複数の抗EphA2抗体[メドイミューン社;2002年12月27日付けの国際公開第02/102974号A4、名称「Mutant Proteins, High Potency Inhibitory Antibodies and FIMCH Crystal Structure(変異体タンパク質、高能力阻害性抗体、およびFIMCH結晶構造)」、2003年11月20日付けの国際公開第03/094859号A2、名称「EphA2 Monoclonal Antibodies and Methods of Use Thereof(EphA2モノクローナル抗体およびその使用方法)」、米国出願第10/436,783号;および米国出願第10/994,129号であって、米国特許公開第2005/0152899号として公開された特許。その各々を参照により本明細書に組み込む)]の有効量を組み合せて投与するステップを含む方法を提供する。さらに別の実施形態では、本発明は、真菌感染症、例えば真菌性呼吸器感染症、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理する方法であって、それを必要とする対象に、一種以上の本発明の抗体の有効量と、ビタキシン(商標)、シプリズマブ、および/またはEphA2の有効量を組み合せて投与するステップを含む方法を提供する。
本発明は、真菌感染症、例えば真菌性呼吸器感染症へ罹患が予想され、またはそのような感染への危険性が高い患者で、真菌性呼吸器感染症の発生を予防する方法を包含する。そのような対象には、それだけには限らないが、免疫系が抑制されている患者(例えば、患者、臓器移植レシピエント、AIDS患者、化学療法を受けている患者、閉塞を伴う食道癌患者、気道内瘻孔を有する患者、神経系疾患患者(例えば、脳卒中、筋萎縮性側索硬化症(amyotorphic lateral sclerosis)、多発性硬化症、および筋疾患によって発症)、ならびに既にある呼吸状態、特に呼吸器感染症に罹患している患者)が含まれる。特定の実施形態では、患者は、気管支肺異形成症、先天性心疾患、嚢胞性線維症、および/または後天性もしくは先天性免疫不全症に罹患している。別の特定の実施形態では、患者は、未成熟出生児、幼児、小児、高齢者、またはグループホーム、老人ホーム、もしくは他のそうしたタイプの施設にいる人である。本発明はまた、いかなる治療法も利用できない呼吸状態に関する従来の治療法に対して有害反応を受けやすい患者で、ある呼吸状態、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理する方法を包含する。
本発明の抗体製剤または本発明の併用療法は、真菌感染症、例えば真菌性呼吸器感染症、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理するための第1、第2、第3、第4、または第5の治療法として使用しうる。本発明は、他の疾患または疾病の治療法を受けている患者で、真菌感染症、例えば真菌性呼吸器感染症、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理する方法も含む。本発明は、本発明の抗体製剤以外の治療法に対して、いかなる有害作用も、または不耐性も発生する前にある患者で、真菌感染症、例えば真菌性呼吸器感染症、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理する方法を包含する。本発明はまた、不応患者で、真菌感染症、例えば真菌性呼吸器感染症、またはその症状を予防し、治療し、かつ/または管理する方法を包含する。ある実施形態では、真菌感染症、例えば真菌性呼吸器感染症を有する患者は、その感染があまり根絶されず、かつ/またはその症状があまり緩和されなかった場合、治療法に対して不応である。患者が不応であるかどうかの決定は、そのような脈絡の中で当業界で受け入れられている「不応」の意味を使用し、感染治療の有効性をアッセイする当技術分野で公知の任意の方法によって、インビボまたはインビトロで行うことができる。様々な実施形態では、真菌感染症、例えば真菌性呼吸器感染症を有する患者は、真菌の複製が減少せず、または増加した場合、不応である。本発明はまた、そのような感染が発生する危険がある患者で、真菌感染症、例えば真菌性呼吸器感染症の発症または再発を予防する方法を包含する。本発明はまた、従来の治療法に対して有害反応を受けやすい患者で、真菌感染症、例えば真菌性呼吸器感染症、またはその症状を予防し、治療し、かつ/または管理する方法を包含する。本発明は、さらに、いかなる抗真菌療法も利用できない真菌感染症、例えば真菌性呼吸器感染症を予防し、治療し、かつ/または管理する方法を包含する。
本発明は、本発明の抗体製剤以外の治療法に対して不応であることが証明され、もはやこれらの治療法に頼れない患者で、真菌感染症、例えば真菌性呼吸器感染症、またはその症状を予防し、治療し、かつ/または管理する方法を包含する。ある実施形態では、本発明の方法に従って管理され、または治療を受けている患者は、抗生物質、抗ウイルス薬、抗真菌薬、または他の生物学的療法/免疫療法で既に治療を受けている患者である。特に、患者は、不応患者、従来の治療法には若過ぎる患者、および既存の治療法での管理または治療にもかかわらず真菌感染症を繰り返す患者である。
本発明は、他の従来の治療法の代替法として、真菌感染症、例えば真菌性呼吸器感染症、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理する方法を提供する。具体的実施形態では、本発明の方法に従って管理され、または治療を受けている患者は、他の治療法に対して不応であり、またはそのような治療法から有害反応を受けやすい。患者は、免疫系が抑制されている人(例えば、術後患者、化学療法患者、および免疫不全疾患患者)、腎機能もしくは肝機能が損なわれている人、高齢者、小児、幼児、未成熟出生児、神経精神医学的疾病を有する人もしくは向精神薬を飲んでいる人、てんかん発作歴のある人、または真菌感染症、例えば真菌性呼吸器感染症、あるいは一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理するために使用される従来の薬剤と負に相互作用するであろう投薬を受けている人でありうる。
真菌感染症治療法、ならびにそれらの投薬量、投与経路、および推奨される使用は、当技術分野で公知であり、Physicians’ Desk Reference (2006年第60版)などの文献に記載されている。
5.6.抗体製剤を投与する方法
本発明は、対象に本発明の液体製剤の有効量を投与することによって、疾病、例えば、IL−9Rまたは一個以上のそのサブユニットの異常な発現および/もしくは活性に付随し、またはそれによって特徴付けられる疾病、自己免疫疾患、炎症性疾患、増殖性疾患、または感染(例えば、呼吸器感染症)、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理する方法を提供する。様々な送達系が知られており、本発明の液体製剤、または予防剤もしくは治療剤の投与に使用できる。本発明の抗体液体製剤または治療法(例えば、予防剤もしくは治療剤)を投与する方法には、それだけには限らないが、非経口投与(例えば、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈内および、好ましくは皮下)、硬膜外投与、局所投与、ならびに粘膜投与(例えば、鼻腔内および口腔経路)が含まれる。特定の実施形態では、本発明の液体製剤は、筋肉内、静脈内、または皮下に投与される。一実施形態では、本発明の液体製剤は皮下投与される。製剤は、任意の好都合な経路、例えば、注入または大量瞬時投与;上皮または粘膜皮膚の粘膜(例えば、口腔粘膜、直腸および腸粘膜など)を通す吸収によって投与することが可能で、他の生物学的に活性な薬剤と共に投与しうる。投与は、全身的に、または局所的に行うことができる。特定の実施形態では、本発明の液体製剤は腫瘍内に、または炎症部位に投与される。
特定の実施形態では、本発明の抗体製剤は、製薬上許容される担体を含む。一実施形態では、製薬上許容される担体は、注射用水、USP;デキストロースを5%含む水(D5W);または生理食塩水である。
一般的に、本発明の液体製剤に含まれる、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体(その抗体フラグメントを含む)は、本発明の液体製剤のレシピエントと同じ種起源の対象または種反応性対象である対象に由来する。従って、一実施形態では、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合するヒトまたはヒト化抗体を含む本発明の液体製剤は、治療法または予防手段としてヒト患者に投与される。
本発明はまた、抗体(その抗体フラグメントを含む)の量を表示するアンプルまたはサシェ(sachette)などの密封容器中に封入した本発明の液体製剤も提供する。好ましくは、本発明の液体製剤は、抗体(その抗体フラグメントを含む)の量および濃度を表示する密封容器に入れる。好ましくは、本発明の液体製剤は、密封容器で供給され、1ml、2ml、3ml、4ml、5ml、6ml、7ml、8ml、9ml、10ml、15ml、または20ml、最も好ましくは、1.2mlの量の中に、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体(その抗体フラグメントを含む)が少なくとも10mg/ml、15mg/ml、20mg/ml、30mg/ml、40mg/ml、50mg/ml、60mg/ml、70mg/ml、80mg/ml、90mg/ml、100mg/ml、150mg/ml、175mg/ml、200mg/ml、250mg/ml、または300mg/mlが含まれる。本発明の特定の実施形態では、本発明の液体製剤は、密封容器で供給され、静脈内注射には、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体(その抗体フラグメントを含む)(例えば、4D4、4D4 H2−1 D11、4D4com−XF−9、4D4com−2F9、7F3、71A10、7F3 22D3、7F3com−2H2、7F3com−3H5、もしくは7F3com−3D4、またはその抗原結合フラグメント)が少なくとも15mg/ml、少なくとも20mg/ml、少なくとも25mg/ml、少なくとも50mg/ml、少なくとも100mg/ml、少なくとも150mg/ml、少なくとも175mg/ml、少なくとも200mg/ml、少なくとも250mg/mlまたは少なくとも300mg/ml含まれ、反復皮下投与には、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体(その抗体フラグメントを含む)(例えば、4D4、4D4 H2−1 D11、4D4com−XF−9、4D4com−2F9、7F3、71A10、7F3 22D3、7F3com−2H2、7F3com−3H5、もしくは7F3com−3D4、またはそのフラグメント)が少なくとも15mg/ml、20mg/ml、50mg/ml、80mg/ml、100mg/ml、150mg/ml、175mg/ml、200mg/ml、250mg/mlま
たは300mg/ml含まれる。特定の実施形態では、本発明の抗体製剤は、水性抗体製剤を凍結乾燥することによって製造しうる。特定の実施形態では、凍結乾燥抗体水性抗体溶液は、製薬上許容される担体により再構成しうる。特定の実施形態では、製薬上許容される担体は、注射用水、USP;デキストロースを5%含む水(D5W);または生理食塩水である。
IL−9ポリペプチドの異常な発現および/もしくは活性に付随し、またはそれによって特徴付けられる疾患または疾病、IL−9Rもしくは一個以上のそのサブユニットの異常な発現および/もしくは活性に付随し、またはそれによって特徴付けられる疾患または疾病、自己免疫疾患、炎症性疾患、増殖性疾患、または感染(例えば、呼吸器感染症)、あるいは一種以上のそれらの症状の予防、治療、および/または管理に有効である本発明の液体製剤の量は、当技術分野で公知であり、または本明細書に記載した標準的臨床技術によって決定することができる。本製剤で使用する正確な用量はまた、投与経路、および炎症性疾患、自己免疫疾患または癌の重症性に依存し、医師の判断および各患者の状況に従って決定すべきである。有効用量は、インビトロまたは動物モデル試験系から得た用量応答曲線から推定しうる。
本発明が包含する抗体、タンパク質、ポリペプチド、ペプチド、および融合タンパク質の製剤化には、患者に投与する投薬量は、患者の体重(kg)を使用し、投与すべき用量(mg/kg)を掛けて計算できる。次いで、投与すべき必要量(mL)は、必要なmg用量を抗体製剤の濃度で割ることによって決定される。最終計算必要容量は、本発明の抗体製剤を投与するのに注射器に入れる必要があるバイアル数と同じ内容量をプールすることによって得られよう。最終的計算必要容量は、薬物を投与するのに注射器に入れる必要があるバイアル数と同じ内容量をプールすることによって得られよう。一部位につき、最大量2.0mlの抗体製剤を注射することができる。用量(mL)は、次式を使用し計算することができる:用量(mL)=[志願者の体重](kg)×[用量]mg/kg÷100mg/ml 抗体製剤。一般的に、ヒト抗体の人体中半減期は、外来ポリペプチドに対する免疫応答のために、他の種から得た抗体よりも長い。従って、ヒト抗体の投薬量を減らし、そして投与頻度を減らせることが多い。さらに、本発明の液体製剤の投薬量、投与容量、および投与頻度は、製剤中の抗体(その抗体フラグメントを含む)の濃度を上げ、抗体(その抗体フラグメントを含む)の親和性および/または結合力を高め、かつ/または抗体(その抗体フラグメントを含む)の半減期を伸ばすことによって減少させうる。
特定の実施形態では、患者に投与する投薬量は、患者の体重(kg)を使用し、投与すべき用量(mg/kg)を掛けて算出する。次いで、投与すべき必要量(mL)は、必要なmg用量を製剤(100mg/mL)中の抗体(その抗体フラグメントを含む)の濃度で割ることによって決定する。最終的算出必要容量は、薬物を投与するのに注射器に入れる必要があるバイアル数と同じ内容量をプールすることによって得られよう。製剤は、一部位につき、最大量2.0mlの抗体(その抗体フラグメントを含む)を注射することができる。
小分子の例示的な用量には、対象体重または試料重量1kgあたり、mgまたはμg量の小分子が含まれる(例えば、約1μg/kg〜約500mg/kg、約100μg/kg〜約5mg/kg、または約1μg/kg〜約50μg/kg)。
特定の実施形態では、炎症性疾患、自己免疫疾患、または癌を有する対象に、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体(その抗体フラグメントを含む)(例えば、4D4、4D4 H2−1 D11、4D4com−XF−9、4D4com−2F9、7F3、71A10、7F3 22D3、7F3com−2H2、7F3com−3H5、もしくは7F3com−3D4、またはそのフラグメント)を含む本発明の液体製剤0.1〜20mg/kg/週、1〜15mg/kg/週、2〜8mg/週、3〜7mg/kg/週、または4〜6mg/kg/週を投与する。別の実施形態では、対象に、本発明の液体製剤の予防的または治療的有効量の一回または複数回用量を投与するが、その際、予防的または治療的有効量は各用量で同じというわけではない。
一実施形態では、αVβ3に免疫特異的な抗体の血漿濃度を、IL−9ポリペプチド活性を継続的に阻止する望ましいレベル(例えば、約0.1〜約100μg/ml)に維持する投薬計画で本発明の液体製剤は投与される。特定の実施形態では、抗体の血漿濃度は、0.2μg/ml、0.5μg/ml、1μg/ml、2μg/ml、3μg/ml、4μg/ml、5μg/ml、6μg/ml、7μg/ml、8μg/ml、9μg/ml、10μg/ml、15μg/ml、20μg/ml、25μg/ml、30μg/ml、35μg/ml、40μg/ml、45μg/ml、または50μg/mlに維持される。対象で望ましい血漿濃度は、それだけには限らないが、疾患または疾病の性質、疾患または疾病の重症性および対象の状態を含むいくつかの要因に応じて変わる。そのような投薬計画は、慢性疾患または疾病の予防、治療および/または管理で特に有益である。
具体的実施形態では、IL−9ポリペプチドに免疫特異的なコンジュゲート抗体(その抗体フラグメントを含む)を含む本発明の液体製剤を間欠的に投与する。本明細書で使用する場合、「コンジュゲート抗体または抗体フラグメント」は、それだけには限らないが、異種ペプチド、ポリペプチド、別の抗体(その抗体フラグメントを含む)、マーカー配列、診断薬、治療部分、治療薬、放射性金属イオン、ポリマー、アルブミン、および固相担体を含む別の部分にコンジュゲートし、または融合させた抗体(その抗体フラグメントを含む)をさす。
別の実施形態では、対象、好ましくはヒトに、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体(その抗体フラグメントを含む)(例えば、4D4、4D4 H2−1 D11、4D4com−XF−9、4D4com−2F9、7F3、71A10、7F3 22D3、7F3com−2H2、7F3com−3H5、もしくは7F3com−3D4、またはそのフラグメント)を含む本発明の液体製剤の予防的または治療的有効量を一回または複数回用量投与し、その際、前記対象に投与される抗体(その抗体フラグメントを含む)を含む本発明の液体製剤の予防的または治療的有効量の用量は、治療が進行するにつれて、例えば、0.01μg/kg、0.02μg/kg、0.04μg/kg、0.05μg/kg、0.06μg/kg、0.08μg/kg、0.1μg/kg、0.2μg/kg、0.25μg/kg、0.5μg/kg、0.75μg/kg、1μg/kg、1.5μg/kg、2μg/kg、4μg/kg、5μg/kg、10μg/kg、15μg/kg、20μg/kg、25μg/kg、30μg/kg、35μg/kg、40μg/kg、45μg/kg、50μg/kg、55μg/kg、60μg/kg、65μg/kg、70μg/kg、75μg/kg、80μg/kg、85μg/kg、90μg/kg、95μg/kg、100μg/kg、または125μg/kgずつ増加する。
別の実施形態では、対象、好ましくはヒトに、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する(例えば、4D4、4D4 H2−1 D11、4D4com−XF−9、4D4com−2F9、7F3、71A10、7F3 22D3、7F3com−2H2、7F3com−3H5、もしくは7F3com−3D4、またはそのフラグメント)を含む本発明の液体製剤の抗体(その抗体フラグメントを含む)の予防的または治療的有効量を一回または複数回用量投与し、その際、前記対象に投与される抗体(その抗体フラグメントを含む)を含む本発明の液体製剤の予防的または治療的有効量の用量は、治療が進行するにつれて、例えば、0.01μg/kg、0.02μg/kg、0.04μg/kg、0.05μg/kg、0.06μg/kg、0.08μg/kg、0.1μg/kg、0.2μg/kg、0.25μg/kg、0.5μg/kg、0.75μg/kg、1μg/kg、1.5μg/kg、2μg/kg、4μg/kg、5μg/kg、10μg/kg、15μg/kg、20μg/kg、25μg/kg、30μg/kg、35μg/kg、40μg/kg、45μg/kg、50μg/kg、55μg/kg、60μg/kg、65μg/kg、70μg/kg、75μg/kg、80μg/kg、85μg/kg、90μg/kg、95μg/kg、100μg/kg、または125μg/kgずつ減少する。
予防的または治療的薬剤の投薬量はPhysicians’ Desk Reference (2006年第60版)に記載されている。
5.7.生物学的アッセイ
本発明の液体製剤の抗体(その抗体フラグメントを含む)は、当業者に公知の様々な方式で特徴付けうる。例えば、本発明の液体製剤の抗体(その抗体フラグメントを含む)は、抗原と免疫特異的に結合する能力についてアッセイしうる。そのようなアッセイは、溶液で(例えば、Houghten, 1992, Bio/Techniques 13:412 421)、ビーズで(Lam, 1991, Nature 354:82 84)、チップで(Fodor, 1993, Nature 364:555 556)、細菌で(米国特許第5,223,409号)、胞子で(米国特許第5,571,698号;同第5,403,484号;および同第5,223,409号)、プラスミドで(Cullら, 1992, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:1865 1869)、またはファージで(Scott and Smith, 1990, Science 249:386 390;Cwirlaら, 1990, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:6378 6382;およびFelici, 1991, J. Mol. Biol. 222:301 310)(これらの参照文献の各々のその全体を参照により本明細書に組み込む)実施しうる。例えば、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合することが同定されている抗体(その抗体フラグメントを含む)を、次いでIL−9ポリペプチドに対するその特異性および親和性についてアッセイすることができる。
本発明の液体製剤の抗体(その抗体フラグメントを含む)は、当技術分野で公知の任意の方法によって、抗原との免疫特異的結合、および他の抗原との交差反応性についてアッセイしうる。免疫特異的結合および交差反応性を分析するために使用できるイムノアッセイには、それだけには限らないがほんの少し例を挙げれば、ウエスタンブロット、ラジオイムノアッセイ、ELISA(酵素結合免疫吸着測定法)、「サンドイッチ」イムノアッセイ、免疫沈降アッセイ、沈降素反応、ゲル拡散沈降素反応、免疫拡散アッセイ、凝集アッセイ、補体結合アッセイ、免疫放射線アッセイ、蛍光イムノアッセイ、プロテインAイムノアッセイなどの技術を使用する競合および非競合アッセイ系が含まれる。そのようなアッセイは、慣用的であり、当技術分野で公知である(例えば、Ausubelら編, 1994, Current Protocols in Molecular Biology, Vol. 1, John Wiley & Sons, Inc., New Yorkを参照されたい。その全体を参照により本明細書に組み込む)。例示的なイムノアッセイを以下に簡単に記載する(しかし、限定するつもりはない)。
一般的には、免疫沈降プロトコルには、タンパク質ホスファターゼおよび/またはプロテアーゼ阻害薬(例えば、EDTA、PMSF、アプロチニン、バナジン酸ナトリウム)を補充したRIPA緩衝液[1%NP−40またはトリトンX100、1%デオキシコール酸ナトリウム、0.1%SDS、0.15M NaCl、0.01Mリン酸ナトリウム(pH7.2)、1%トラジロール]などの溶解緩衝液で細胞集団を溶解するステップ、その細胞ライセートに関心対象抗体を加えるステップ、40℃である期間(例えば、1〜4時間)をインキュベートするステップ、その細胞ライセートに、プロテインAおよび/またはプロテインGセファロースビーズを加えるステップ、40℃で約1時間以上インキュベートするステップ、溶解緩衝液中のビーズを洗浄するステップ、ならびにSDS/試料緩衝液中にそのビーズを再懸濁するステップが含まれる。特定の抗原を免疫沈降させる関心対象抗体の能力は、例えば、ウエスタンブロット分析により評価することができる。当業者ならば、抗体と抗原の結合を増加させ、バックグラウンドを低下させるために、パラメーターを変更できることは理解しておられよう(例えば、セファロースビーズで細胞ライセートを予備清澄化)。免疫沈降法プロトコルに関するそれ以上の考察については、例えば、Ausubelら編, 1994, Current Protocols in Molecular Biology, Vol. 1, John Wiley & Sons, Inc., New York at 10.16.1を参照されたい。
一般的には、ウエスタンブロット分析には、タンパク質試料を調製するステップ、ポリアクリルアミドゲル(例えば、抗原の分子量に応じて8%〜20%SDS−PAGE)でタンパク質試料を電気泳動するステップ、ニトロセルロース、PVDF、またはナイロンなどのメンブレンに、ポリアクリルアミドゲルからタンパク質試料を転写するステップ、ブロッキング液(例えば、3%BSAまたは脱脂乳添加PBS)中でメンブレンをインキュベートするステップ、洗浄用緩衝液(例えば、PBS−Tween 20)でメンブレンを洗浄するステップ、ブロッキング緩衝液で希釈した一次抗体(関心対象抗体)と共にメンブレンをインキュベートするステップ、洗浄用緩衝液でメンブレンを洗浄するステップ、ブロッキング緩衝液で希釈した酵素の基質(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼもしくはアルカリホスファターゼ)または放射性分子(例えば、32Pもしくは125I)とコンジュゲートさせた(その一次抗体、例えば抗ヒト抗体を認識する)2次抗体と共に、メンブレンをインキュベートするステップ、洗浄緩衝液でメンブレンを洗浄するステップ、および抗原の存在を検出するステップが含まれる。当業者ならば、検出したシグナルを増大しバックグラウンドを低減するために、パラメーターを変更できることは理解しておられよう。ウエスタンブロットプロトコルに関するそれ以上の考察については、例えば、Ausubelら編, 1994, Current Protocols in Molecular Biology, Vol. 1, John Wiley & Sons, Inc., New York at 10.8.1を参照されたい。
ELISAには、抗原を準備するステップ、96穴マイクロタイタープレートをその抗原でコーティングするステップ、そのウェルに検出可能化合物、例えば酵素基質(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼまたはアルカリホスファターゼ)にコンジュゲートさせた関心対象抗体を加えるステップ、および一定期間インキュベートするステップ、ならびに抗原の存在を検出するステップが含まれる。ELISAでは、関心対象抗体は、検出可能化合物にコンジュゲートさせなくてもよく、その代わり検出可能化合物にコンジュゲートさせた(関心対象抗体を認識する)第二抗体をそのウェルに加えてよい。さらに、ウェルを前記抗原でコーティングする代わりに、ウェルに抗体をコートしてもよい。この場合は、コートしたウェルに関心対象抗原を加えた後、検出可能化合物にコンジュゲートさせた第二抗体を加えてよい。当業者ならば、当技術分野で公知のELISAの他の変化形と同様に、検出したシグナルを増大させるために変更できるパラメーターに関して理解しておられよう。一実施形態では、ELISAは、高結合96穴マイクロタイタープレート(Costar)に、rhu−IL−9を2μg/ml含むPBSを終夜コーティングすることによって実施しうる。PBSで3回洗浄した後、Fabの3倍段階希釈液でプレートを25℃で1時間インキュベートする。さらにPBSで3回洗浄した後、1μg/mlの抗ヒトκ−アルカリホスファターゼ−コンジュゲートを加え、プレートを25℃で1時間インキュベートする。PBSTで3回洗浄した後、50μl/AMP/PPMP基質でアルカリホスファターゼ活性を定量する。反応を止め、VMAXマイクロプレートリーダーで560nmでの吸光度を定量する。ELISAに関するそれ以上の考察については、例えば、Ausubelら編, 1994, Current Protocols in Molecular Biology, Vol. 1, John Wiley & Sons, I nc., New York at 11.2.1を参照されたい。
抗体と抗原の結合親和性および抗体−抗原相互作用の解離速度は、競合結合アッセイによって定量することができる。競合結合アッセイの一例は、増加量の未標識抗原の存在下で関心対象抗体と共に標識抗原(例えば、3Hまたは125I)をインキュベートするステップ、および標識抗原に結合した抗体を検出するステップを含むラジオイムノアッセイである。本発明の液体製剤に含まれる抗体、またはそのフラグメントの特異的抗原に対する親和性および結合解離速度は、スキャッチャードプロット分析によるデータから定量することができる。第二抗体との競合も、ラジオイムノアッセイを使用し定量することができる。一例では、IL−9ポリペプチドを増加量の未標識第二抗体の存在下で、標識化合物(例えば、3Hまたは125I)にコンジュゲートさせた抗体と共にインキュベートする。
例えば、一実施形態では、バイアコア動態分析を使用して、本発明の液体製剤の抗体とIL−9ポリペプチドとの結合および解離速度を定量する。バイアコア動態分析は、IL−9ポリペプチドと、その表面に本発明の抗体を固定したチップとの結合および解離を分析するステップを含む。典型的なバイアコア動態研究には、抗原を固定したセンサーチップの表面に、0.005%Tween-20を含むHBS緩衝液中の様々な濃度の抗体試薬(mAb、Fab)250μLを注射するステップが含まれる。流量は、75μL/minの一定に維持する。必要に応じて15分間以上解離データを集める。各注射/解離周期に続き、希酸、典型的には、10〜100mM HClの短時間である1分パルスを使用し、抗原表面から結合したmAbを除去するが、状況が許せば、他の再生成物(regenerant)も使用される。より詳細には、結合速度konおよび解離速度koffの測定には、標準的アミンカップリング化学、すなわち、EDC/NHS方法(EDC=N−ジエチルアミノプロピル)−カルボジイミド)を用いて、センサーチップ表面に抗原を直接固定する。手短に言えば、10mM NaOAc中抗原5〜100nM溶液(pH4またはpH5)を調製し、約30〜50RU価値(worth)の抗原が固定されるまで、EDC/NHSで活性化させた表面に流す。これに続き、1M Et−NH2注射により、未反応活性エステルの「キャップ」を外す。参照目的用に同一固定化条件下で、抗原を含まないブランク表面を調製する。一度、好適な表面が調製されたなら、抗体試薬の各々の好適な希釈系列をHBS/Tween-20で調製し、直列につないだ両抗原および参照細胞表面に流す。平衡結合定数KDの推定値に応じて、調製する抗体濃度範囲を変更する。上記のように、各注射/解離周期後、好適な再生成物を使用し結合した抗体を除去する。
本発明の液体製剤の抗体(その抗体フラグメントを含む)が、受容体リガンドに免疫特異的である場合、当業者に公知の技術を使用し、リガンドとその受容体の結合を阻害するその能力についても、抗体をアッセイすることができる。例えば、液体製剤の抗体(その抗体フラグメントを含む)の存在または非存在下で、IL−9受容体を発現している細胞と、IL−9とを接触させることができ、IL−9の結合を阻害する抗体(その抗体フラグメントを含む)の能力を、例えば、フローサイトメトリーまたはシンチレーションアッセイによって測定することができる。IL−9とその宿主細胞受容体との間の相互作用を検出できるように、IL−9、または液体製剤中に含まれる抗体(その抗体フラグメントを含む)は、検出可能化合物、例えば、放射性標識(例えば、32P、35S、および125I)または蛍光標識(例えば、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、フィコエリトリン、フィコシアニン、アロフィコシアニン、o−フタアルデヒド(phthaldehyde)およびフルオレサミン)で標識することができる。あるいは、リガンドがその受容体と結合しないように阻害する、本発明の液体製剤の抗体(その抗体フラグメントを含む)の能力は、無細胞アッセイで定量することができる。例えば、IL−9ポリペプチドと、本発明の液体製剤の抗体(その抗体フラグメントを含む)とを接触させることができ、そしてIL−9ポリペプチドがその宿主細胞受容体と結合しないように阻害する抗体(その抗体フラグメントを含む)の能力を定量することができる。好ましくは、本発明の液体製剤の抗体(その抗体フラグメントを含む)を固相担体上に固定し、IL−9ポリペプチドを検出可能化合物で標識する。あるいは、IL−9ポリペプチドを固相担体上に固定し、本発明の液体製剤中に含まれる抗体(その抗体フラグメントを含む)を検出可能化合物で標識する。IL−9は、部分的に、または完全に精製(例えば、他のポリペプチドを部分的に、または完全に含まない)することができ、そうでなければ細胞ライセートの一部である。さらに、IL−9ポリペプチドは、IL−9、その誘導体、類似体、またはフラグメントと、グルタチオニン(glutathionine)Sトランスフェラーゼなどのドメインとを含む融合タンパク質でありうる。あるいは、IL−9ポリペプチドは、当業者に公知の技術(例えば、ビオチン標識キット、Pierce Chemicals; Rockford,IL)を使用し、ビオチン化することができる。
特定の実施形態では、その宿主細胞受容体に結合するリガンドを阻害する、本発明の液体製剤の抗体(その抗体フラグメントを含む)の能力は、細胞増殖アッセイによって測定することができる。一例として、両ヒトおよびマウスIL−9Rαを発現するマウスTS1−RA3 T細胞系を、rhuIL−9(25ng/ml、R & D Systems)を含む増殖培地(DMEM)で継続的に増殖してよい。rhuIL−9を除去すると、TS1−RA3は18〜24時間後に細胞死に至る。TS1−RA3細胞は、10%FBSおよび25ng/mlrHu−IL9を補充したRPMI1640(ATCC)培地で増殖した。アッセイ前に、IL−9を含まない培地で細胞を洗浄し、2ng/ml rhuIL−9を含む培地で5×105細胞/mlで再懸濁した。黒色透明底の未結合96穴マイクロタイタープレート(100μl細胞/well)に細胞を分配し、次いで、100mlの連続希釈した変異体Fabをプレートに加える。プレートを37℃、5%CO2で72時間インキュベートする。Alamarブルー(登録商標)を20μl/well加え、さらに4〜5時間細胞をインキュベートする。細胞代謝は、555nmで励起し590nmで発光する蛍光計を使用し定量する。
5.7.1.インビトロ研究
本発明の抗体、組成物、または併用療法は、免疫細胞(例えば、T細胞、好中球、および肥満細胞)、内皮細胞、および上皮細胞の生物活性を調節するその能力について、インビトロおよび/またはインビボで試験することができる。免疫細胞(例えば、T細胞、B細胞、肥満細胞、マクロファージ、好中球、および好酸球)、内皮細胞、および上皮細胞の生物活性を調節する本発明の抗体、組成物、または併用療法の能力は、以下によって評価することができる:抗原の発現を検出するステップ(例えば、IL−9による遺伝子の活性化、例えば、ただしそれらだけには限らないが、ムチン遺伝子(例えば、MUC2、MUC5AC、MUC5B、およびMUC6)、およびリンパ球の活性化に関与する遺伝子(例えば、Lγ−6A/E));免疫細胞、内皮細胞および/または上皮細胞の増殖を検出するステップ;シグナル分子の活性化を検出するステップ(例えば、Stat2のリン酸化、JAK3のリン酸化、またはIL−9Rのリン酸化);免疫細胞(例えば、T細胞、B細胞、肥満細胞、マクロファージ、好中球、および好酸球)、内皮細胞、および/または上皮細胞のエフェクター機能を検出するステップ;または免疫細胞、内皮細胞、および/または上皮細胞の分化を検出するステップ。当業者に公知の技術をこれらの活性の測定に使用することができる。例えば、細胞増殖は、3H−チミジン取込みアッセイおよびトリパンブルー細胞数によってアッセイできる。抗原の発現は、例えば、それだけには限らないが、技術、例えば、ウエスタンブロット法、免疫組織化学ラジオイムノアッセイ、ELISA(酵素結合免疫吸着測定法)、「サンドイッチ」イムノアッセイ、免疫沈降アッセイ、沈降素反応、ゲル拡散沈降素反応、免疫拡散アッセイ、凝集アッセイ、補体結合アッセイ、免疫放射線アッセイ、蛍光イムノアッセイ、プロテインAイムノアッセイ、およびFACS分析を使用する競合および非競合アッセイ系を含むイムノアッセイによってアッセイすることができる。シグナル分子の活性化は、例えば、キナーゼアッセイおよび電気泳動移動アッセイ(EMSA)によりアッセイすることができる。肥満細胞の脱顆粒は、例えば、高性能液体クロマトグラフィー(chromatogoraphy)で、セレトニン(5−HT)の放出またはヒスタミンの放出を測定することによってアッセイすることができる(例えば、Taylorら, 1995 Immunology 86(3): 427-433およびKurosawaら, 1998 Clin Exp Allergy 28(8): 1007-1012を参照)。
本発明の抗体、組成物、または併用療法は、ヒトで使用前に、所望する治療的または予防的活性についてインビトロで、次いでインビボで試験するのが好ましい。例えば、特定の医薬組成物の投与を指示するかどうか決定するのに使用できるアッセイには、細胞培養アッセイが含まれ、このアッセイでは、患者組織試料を培地で増殖し、医薬組成物に曝露し、そうでないにせよ接触させて、そのような組成物が組織試料に及ぼす影響を観察する。組織試料は、患者から生検によって得られる。この試験によって個々の患者ごとに、治療上最も有効な治療法(例えば、予防剤もしくは治療剤)を同定できるようになる。様々な具体的実施形態では、本発明の医薬組成物が、そのような細胞型に対して所望の効果を有するかどうかを判定するために、IL−9ポリペプチドの異常な発現および/もしくは活性に付随し、またはそれによって特徴付けられる疾患または疾病、IL−9Rもしくは一個以上のそのサブユニットの異常な発現および/もしくは活性に付随し、またはそれによって特徴付けられる疾患または疾病、炎症性疾患、自己免疫疾患、増殖性疾患、または感染(例えば、呼吸器感染症)に関与する細胞型の代表的細胞でインビトロアッセイを行うことができる。
末梢血リンパ球数に対する本発明の抗体、組成物、または併用療法の作用は、当業者に公知の標準的技術を使用し、モニタリング/評価することができる。対象の末梢血リンパ球数は、例えば、前記対象から末梢血試料を得るステップ、例えば、フィコール−ハイパック(ファルマシア)勾配遠心法を使用し、血漿など、末梢血の他の成分からリンパ球を分離するステップ、およびトリパンブルーを使用しリンパ球をカウントするステップによって定量することができる。対象の末梢血T細胞数は、例えば、フィコール−ハイパック(ファルマシア)勾配遠心法を使用し、血漿など、末梢血の他の成分からリンパ球を分離するステップ、FITCまたはフィコエリトリンにコンジュゲートさせたT細胞抗原を標的とする抗体でT細胞を標識するステップ、およびFACSによりT細胞数を測定するステップによって定量できる。
ウイルス性呼吸器感染症、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理する本発明の方法は、ウイルスの複製を阻害し、またはウイルス量を低減するその能力に関して、インビトロアッセイで試験することができる。例えば、ウイルスの複製は、Johnsonら, 1997, Journal of Infectious Diseases 176:1215-1224 176:1215-1224などに記載されているプラークアッセイによってアッセイすることができる。本発明の方法に従って投与される抗体、組成物、または併用療法は、ウイルス性ポリペプチドの発現を阻害し、またはダウンレギュレートするその能力についてもアッセイすることができる。それだけには限らないが、ウエスタンブロット分析、ノーザンブロット分析、およびRT−PCRを含む当業者に公知の技術を、ウイルス性ポリペプチドの発現を測定するために使用できる。
呼吸器感染症、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理する本発明の方法は、当技術分野で公知のインビトロアッセイで、呼吸器感染症を引き起こす細菌に対する活性に関して試験することができる。当技術分野で公知のインビトロアッセイは、本発明の治療法(例えば、本発明の抗体、他の予防剤または治療剤、それらの組合せ、またはその組成物)に対する細菌の耐性の存在または発生を試験するために使用することもできる。そのようなインビトロアッセイは、Galesら, 2002, Diag. Nicrobiol. Infect. Dis. 44(3):301-311;Hicksら, 2002, Clin. Microbiol. Infect. 8(11): 753-757;およびNicholsonら, 2002, Diagn. Microbiol. Infect. Dis. 44(1): 101-107に記載されている。
呼吸器感染症、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理する本発明の治療法(例えば、単独または本発明の抗体以外の予防剤または治療剤と組み合わせた本発明の液体製剤の抗体)は、異なる真菌種に対する抗真菌活性に関して試験することができる。治療法の抗真菌活性を評価するために、当技術分野で公知の標準的抗真菌薬アッセイのいずれかを使用することができる。異なる真菌種に対する抗真菌効果を試験することができる。治療法の抗真菌効果を評価するために、National Committee for Clinical Laboratories(NCCLS)(National Committee for Clinical Laboratories Standards. 1995, Proposed Standard M27T. Villanova, Paを参照されたい。その全てのその全体を参照により本明細書に組み込む)および他の当業者に公知の方法(Pfallerら, 1993, Infectious Dis. Clin. N. Am. 7: 435-444)によって推奨される試験を使用することもできる。治療法の抗真菌特性はまた、真菌溶解アッセイ、ならびに、とりわけ増殖阻害アッセイ、蛍光ベースの真菌生存度アッセイ、フローサイトメトリー分析、および当業者に公知の他の標準的アッセイを含む他の方法によって定量しうる。
例えば、治療法の抗真菌活性は、当業者に公知のプロトコル[例えば、Clancyら, 1997 Journal of Clinical Microbiology, 35(11): 2878-82;Ryderら, 1998, Antimicrobial Agents and Chemotherapy, 42(5): 1057-61;米国特許第5,521,153号;同第5,883,120号、同第5,521,169号を参照されたい。それらの全てについて、その全体を参照により組み込む]を使用し、マクロ希釈法および/または微量希釈法を用いて試験することができる。手短に言えば、使用する特定の真菌株にも依存するが、所定の時間量に使用される特定の真菌株に応じて、好適な液体培地で真菌株を培養し、好適な温度で増殖させる。次いで、接種原を測光法的に調製し、懸濁液の濁度は標準、例えばマクファーランド標準の濁度にマッチさせる。接種原の濁度に及ぼす治療法の影響を視覚的にまたは分光光度計で定量する。治療の最小阻止濃度(「MIC」)を決定するが、これは、培地濁度の定量によって測定した、接種原の視認可能な増殖を防止する、リード化合物の最低濃度として定義される。
治療法の抗真菌活性も、当業者に公知の比色ベースアッセイを利用して定量することができる。治療法の抗真菌活性を評価するために使用できる例示的な一比色アッセイは、Pfallerら[Pfallerら, (1994, Journal of Clinical Microbiology, 32(8): 1993-6。その全体を参照により本明細書に組み込む。また、Tiballiら, 1995, Journal of Clinical Microbiology, 33(4): 915-7も参照されたい]によって記載されている。このアッセイは、酸化還元指標(Alamar Biosciences社、Sacramento CA)を使用し、比色端点を利用する。
治療法の抗真菌活性はまた、当業者に公知の測光アッセイ[例えば、Clancyら, 1997 Journal of Clinical Microbiology, 35(11): 2878-82;Jahnら, 1995, Journal of Clinical Microbiology, 33(3): 661-667を参照されたい。その各々について、その全体を参照により本明細書に組み込む]を利用し定量することができる。この測光のアッセイは、3−(4,5−ジメチル−2チアゾリル)−2,5,−ジフェニル−2H−テトラゾリウム臭化物(MTT)のホルマザンへの還元を通じて、生存可能真菌によるミトコンドリアの呼吸を数量化することに基づく。このアッセイによって定量するMICは、光学密度において第一の急落が関与する、試験治療法の最高濃度として定義される。いくつかの実施形態では、並行してマクロ希釈、微量希釈、およびMTTアッセイを使用し、抗真菌活性について治療法をアッセイする。
さらに、当業者に公知の任意のインビトロアッセイは、呼吸器感染症、あるいは一種以上のそれらの症状に対する本明細書に開示した抗体、組成物、併用療法の予防上および/または治療上の有用性を評価するために使用できる。
5.7.2.インビボアッセイ
本発明の抗体、組成物、または併用療法は、ヒトで使用する前に、好適な動物モデル系で試験することができる。そのような動物モデル系には、それだけには限らないが、ラット、マウス、ニワトリ、ウシ、サル、ブタ、イヌ、ウサギなどが含まれる。当技術分野で公知の任意の動物系を使用しうる。手順のいくつかの態様は、様々であってよく、前記態様には、それだけには限らないが、治療法(例えば、予防剤および/または治療剤)の一時的投与計画(regime)、治療法を別々にまたは混合物として投与するかどうか、および治療法の投与頻度が含まれる。
本発明の抗体、組成物、または併用療法の効力を評価するために、自己免疫疾患動物モデルを使用することもできる。1型糖尿病、甲状腺自己免疫、全身性エリテマトーデス、および糸球体腎炎など、自己免疫疾患の動物モデルが開発されている(Flandersら, 1999, Autoimmunity 29:235-246;Kroghら, 1999, Biochimie 81:511-515;Foster, 1999, Semin. Nephrol. 19:12-24)。
自己免疫疾患を予防し、治療し、かつ/または管理する際の効力は、例えば、自己免疫疾患の一種以上の症状を低減し、平均絶対リンパ球数を低減し、T細胞の活性化を低減し、T細胞の増殖の低減し、サイトカインの産生を低減し、または一種以上の特定のサイトカインのプロフィールを調節する本発明の抗体、組成物、または併用療法の能力を検出することによって実証しうる。乾癬を予防または治療における効力は、例えば、乾癬の一種以上の症状を低減し、平均絶対リンパ球数を低減し、サイトカインの産生を低減し、一種以上の特定のサイトカインのプロフィールを調節し、鱗屑を低減し、紅斑を低減し、班の***(plaque elevation)を低減し、患部真皮もしくは表皮中のT細胞の活性化を低減し、患部真皮もしくは表皮へのT細胞の浸潤を低減し、PASIを低減し、内科医の全体的評価スコアを改善し、または生活の質を改善する本発明の抗体、そのフラグメント、または組成物の能力を検出することによって実
証しうる。
本発明の抗体、組成物、または併用療法の効力を評価するために、癌動物モデルを使用することができる。肺癌の動物モデルの例には、それだけには限らないが、ZhangおよびRothにより記載された肺癌動物モデルZhang & Roth (1994, In vivo 8(5):755-69)、およびp53の機能が撹乱されているトランスジェニックマウスモデル(例えば、Morrisら, 1998, J La State Med Soc 150(4):179-85を参照)が含まれる。乳癌動物モデルの一例には、それらだけには限定されないが、サイクリンD1を過剰発現させるトランスジェニックマウスが含まれる(例えば、Hosokawaら, 2001, Transgenic Res 10(5):471-8を参照)。大腸癌動物モデルの一例には、それらだけには限定されないが、TCR bおよびp53二重ノックアウトマウスが含まれる(例えば、Kadoら, 2001, Cancer Res 61(6):2395-8を参照)。膵癌動物モデルの例には、それだけには限らないが、Panc02マウス膵腺癌転移モデル(例えば、Wangら, 2001, Int J Pancreatol 29(1):37-46を参照)および皮下膵臓腫瘍で発生したnu−nuマウス(例えば、Ghanehら, 2001, Gene Ther 8(3):199-208を参照)が含まれる。非ホジキンリンパ腫動物モデルの例には、それだけには限らないが、重症複合免疫不全症(「SCID」)マウス(例えば、Bryantら, 2000, Lab Invest 80(4):553-73を参照)およびIgHmu−HOX11トランスジェニックマウス(例えば、Houghら, 1998, Proc Natl Acad Sci USA 95(23):13853-8を参照)が含まれる。食道癌動物モデルの一例には、それらだけには限定されないが、ヒト乳頭腫ウイルス16 E7型発癌遺伝子を遺伝子導入したマウス(例えば、Herberら, 1996, J Virol 70(3):1873-81を参照)が含まれる。直腸結腸癌動物モデルの例には、それだけには限らないが、Apcマウスモデル(例えば、Fodde & Smits, 2001, Trends Mol Med 7(8):369-73およびKuraguchiら, 2000, Oncogene 19(50):5755-63を参照)が含まれる。
本発明の抗体、組成物、または併用療法の抗炎症活性は、当技術分野で公知であり、Crofford L.J. and Wilder R.L.,「Arthritis and Autoimmunity in Animals(動物における関節炎および自己免疫)」,in Arthritis and Allied Conditions: A Textbook of Rheumatology, McCarty (編), Chapter 30 (Lee and Febiger, 1993)に記載されている様々な炎症性関節炎実験動物モデルを使用することによって定量できる。本発明の抗体、組成物、または併用療法の抗炎症活性を評価するために、炎症性関節炎および自己免疫性リウマチ疾患の実験および天然の動物モデルを使用することもできる。
本発明の抗体、組成物、または併用療法の抗炎症活性はまた、Winter C. A.ら,「Carrageenan Induced Edema in Hind Paw of the Rat as an Assay for Anti-inflammatory Drugs(抗炎症薬のアッセイとしてラット後足でのカラギナン誘発浮腫)」Proc. Soc. Exp. Biol Med. 111, 544-547, (1962)に記載の方法を手直しした方法を使用し、ラットでカラギナン誘発足浮腫の阻害を測定することによって評価することができる。このアッセイは、ほとんどのNSAIDの抗炎症活性の一次インビボスクリーニングとして使用され、ヒト効力を予測するものと考えられている。試験的治療法(例えば、予防剤もしくは治療剤)の抗炎症活性は、ビヒクルを投与した対照群に比べて、試験群の後足重量の増加の阻害率として表される。
本発明の特定の実施形態では、使用する実験動物モデルが、アジュバント誘発関節炎ラットモデルである場合、本発明の抗体、組成物、併用療法の抗炎症活性を定量するために、対照群と比較して体重を測定することができる。
アレルギーおよび喘息動物モデルは、当技術分野で公知であり、例えば吸気終末閉塞を伴う定常流の膨張がEwartら, 1995 J Appl Physiol 79(2):560-566に記載され、そして他のアッセイが、例えばKomaiら, 2003 Br J Pharmacol 138(5): 912-920;Kenyonら, 2003 Toxicol Appl Pharmacol 186(2): 90-100;Pathら, 2002 Am J Resp & Critical Care Med 166(6): 818-826;Martinsら, 1990 Crit Care Med 19:515-519;Nicolaidesら, 1997 Proc Natl Acad Sci USA 94:13175-13180;McLaneら, 1998 19:713-720; and Temannら, 1998 J Exp Med 188(7): 1307-1320に記載されている。例えば、マウス養子性(adoptive)転換モデルは、予防、治療、管理について、本発明の抗体、組成物、または併用療法の効力を評価するために使用される動物モデルであり、かつ/または喘息も含まれる。マウス養子性転移モデルでは、TH1またはTH2レシピエントマウスをエアロアレルゲン誘発すると、気道へのTHエフェクター細胞遊走がもたらされ、強烈な好中球(TH1)および好酸球(TH2)の肺粘膜炎症応答が伴う(Cohnら, 1997, J. Exp. Med. 1861737-1747)。気道過感受性は、マウスで卵白アルブミン(Tomkinsonら, 2001, J. Immunol. 166:5792-5800)またはマンソン住血吸虫卵抗原(Tesciubaら, 2001, J. Immunol. 167:1996-2003)により誘発しうる。
炎症性疾患の予防し、または治療する効力は、例えば、炎症性疾患の一種以上の症状を低減し、T細胞の活性化を低減し、T細胞の増殖を低減し、一種以上のサイトカインのプロフィールを調節し、サイトカインの産生を低減し、関節、器官、もしくは組織の炎症を低減し、または生活の質を改善する本発明の抗体、組成物、または併用療法の能力を検出することによって実証しうる。
炎症性疾患活性の変化はまた、圧痛があり腫大した関節数、疼痛および疾患活性に対する患者および内科医のグローバルスコア、およびESR/CRPを通じて評価しうる。構造的な関節の損傷の進行は、手、手関節、および足のX線の定量的スコアリング(シャープ法)によって評価しうる。炎症性疾患を有するヒトでの機能状態の変化は、健康状態評価アンケート(HAQ)を使用し評価することが可能であり、生活の質の変化はSFにより評価する。
I型アレルギー反応の予防、治療、および/または管理における本発明の抗体、組成物、または併用療法の効力は、インビトロで、抗IgE抗体を誘発するその能力によって評価でき、この抗IgE抗体は、IgEが、肥満細胞または好塩基球上のその受容体と結合しないように阻害する。IgEレベルは、イムノアッセイ、ゲル電気泳動とその後の可視化、放射性免疫吸着試験(RIST)、放射性アレルゲン吸着試験(RAST)、または他の任意の当業者に公知の方法によってアッセイすることができる。
本発明の抗体、組成物、または併用療法の効力を評価するために、ウイルス感染症動物モデルを使用することもできる。ウイルス感染症、例えば、EBV関連疾患、γヘルペスウイルス、感染性単核球症、サル免疫不全ウイルス(「SIV」)、ボルナ病ウイルス感染、肝炎、水痘ウイルス感染、ウイルス性間質性肺炎、エプスタイン−バーウイルス病因、ネコ免疫不全ウイルス(「FIV」)、HTLV1型感染、ヒトロータウイルス、および性器ヘルペスの動物モデルが開発されている[例えば、Hayashiら, 2002, Histol Histopathol 17(4):1293-310;Aricoら, 2002, J Interferon Cytokine Res 22(11):1081-8;Flanoら, 2002, Immunol Res 25(3):201-17;Sauermann, 2001, Curr Mol Med 1(4):515-22;Pletnikovら, 2002, Front Biosci 7:d593-607;Englerら, 2001, Mol Immunol 38(6):457-65;Whiteら, 2001, Brain Pathol 11(4):475-9;Davis & Matalon, 2001, News Physiol Sci 16:185-90;Wang, 2001, Curr Top Microbiol Immunol. 258:201-19;Phillipsら, 2000, J Psychopharmacol. 14(3):244-50;Kazanji, 2000, AIDS Res Hum Retroviruses. 16(16):1741-6;Saifら, 1996, Arch Virol Suppl. 12:153-61;およびHsiungら, 1984, Rev Infect Dis. 6(1):33-50)を参照]。
ウイルス性呼吸器感染症動物モデル、例えば、ただしそれらだけには限らないが、PIV(例えば、Shephardら, 2003 Res Vet Sci 74(2): 187-190;Ottoliniら, 2002 J Infect Dis 186(12): 1713-1717を参照)、RSV(例えば、Culleyら, 2002 J Exp Med 196(10): 1381-1386;およびCurtisら, 2002 Exp Biol Med 227(9): 799-802を参照)。特定の実施形態では、105pfuのRSVでチャレンジしたコットンラットに、本発明の方法に従って本発明の抗体、組成物、または併用療法を投与し、4日以後にラットを屠殺し、RSVタイターと抗RSV抗体血清タイターを定量する。従って、105pfuのRSVでチャレンジしたが本製剤は投与しなかったコットンラットに比べて、105pfuのRSVでチャレンジしたコットンラットのRSVタイターで、2logの減少または99%の低減がもたらされる投薬量が、RSV感染に伴う一種以上の症状を予防し、治療し、かつ/または管理するためにヒトに投与できる本製剤の投薬量である。さらに、この実施形態に従って、屠殺したラットの組織(例えば、肺組織)を組織学的変化について調査することができる。
本発明の抗体、組成物、または併用療法は、ウイルス感染の時間経過を短縮するその能力について試験することができる。本発明の抗体、組成物、または併用療法はまた、ウイルス感染に罹患しているヒトの生存期間を少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも95%、または少なくとも99%伸ばすその能力について試験することができる。さらに、本発明の抗体、組成物、または併用療法は、ウイルス感染に罹患しているヒトの入院期間を少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも95%、または少なくとも99%短縮するその能力について試験することができる。本発明の抗体、組成物、または併用療法の機能をインビボで分析するために、当業者に公知の技術を使用することができる。
本発明の抗体、組成物、または併用療法の効力を評価するために、細菌感染動物モデルを使用することもできる。細菌感染、例えば、H.ピロリ感染、生殖器マイコプラズマ病(genital mycoplasmosis)、一次硬化性胆管炎、コレラ、緑膿菌慢性肺感染症、レジオネラ症、胃十二指腸潰瘍疾患、細菌性髄膜炎、胃ヘリコバクター感染、肺炎球菌中耳炎、実験的アレルギー性神経炎、;ハンセン病神経障害(leprous neuropathy)、マイコバクテリア感染、心内膜炎、アエロモナス関連腸炎、バクテロイデスフラジリス感染、梅毒、連鎖球菌性心内膜炎、急性血行性骨髄炎、ヒトツツガムシ病、毒素ショック症候群、嫌気性感染、大腸菌感染、および肺炎マイコプラズマ感染の動物モデルが開発されている[例えば、Sugiyamaら, 2002, J Gastroenterol. 37 Suppl 13:6-9;Brownら, 2001, Am J Reprod Immunol. 46(3):232-41;Vierling, 2001, Best Pract Res Clin Gastroenterol. 15(4):591-610;Klose, 2000, Trends Microbiol. 8(4):189-91;Stotlandら, 2000, Pediatr Pulmonol. 30(5):413-24;Brielandら, 2000, Immunopharmacology 48(3):249-52;Lee, 2000, Baillieres Best Pract Res Clin Gastroenterol. 14(1):75-96;Koedel & Pfister, 1999, Infect Dis Clin North Am. 13(3):549-77;Nedrud, 1999, FEMS Immunol Med Microbiol. 24(2):243-50;Prellnerら, 1999, Microb Drug Resist. 5(1):73-82;Vriesendorp, 1997, J Infect Dis. 176 Suppl 2:S164-8;Shetty & Antia, 1996, Indian J Lepr. 68(1):95-104;Balasubramanianら, 1994, Immunobiology 191(4-5):395-401;Carbonら, 1994, Int J Biomed Comput. 36(1-2):59-67;Haberbergerら, 1991, Experientia. 47(5):426-9;Onderdonkら, 1990, Rev Infect Dis. 12 Suppl 2:S169-77;Wicher & Wicher, 1989, Crit Rev Microbiol. 16(3):181-234;Scheld, 1987, J Antimicrob Chemother. 20 Suppl A:71-85;Emslie & Nade, 1986, Rev Infect Dis. 8(6):841-9; Ridgwayら, 1986, Lab Anim Sci. 36(5):481-5;Quimby & Nguyen, 1985, Crit Rev Microbiol. 12(1):1-44;Onderdonkら, 1979, Rev Infect Dis. 1(2):291-301;Smith, 1976, Ciba Found Symp. (42):45-72、およびTaylor-Robinson, 1976, Infection. 4(1 Suppl):4-8を参照されたい]。
本発明の抗体、組成物、または併用療法は、細菌感染、例えば、細菌性呼吸器感染症の時間経過を少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも95%、または少なくとも99%短縮するその能力について試験することができる。本発明の抗体、組成物、または併用療法はまた、細菌感染に罹患しているヒトの生存期間を少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも95%、または少なくとも99%伸ばすその能力について試験することができる。さらに、本発明の方法に従って投与される抗体、組成物、または併用療法は、細菌感染、例えば、細菌性呼吸器感染症に罹患しているヒトの入院期間を少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも95%、または少なくとも99%短縮するその能力について試験することができる。本発明の本発明の抗体、組成物、または併用療法の機能をインビボで分析するために、当業者に公知の技術を使用することができる。
真菌感染症の予防、治療、および/または管理に関する本発明の抗体、組成物、または併用療法の効力は、そのような感染の動物モデルで評価することができる。真菌感染症、例えば、カンジダ感染、接合菌症、カンジダ乳腺炎、不顕性毛芽胞菌血症(latent trichosporonemia)を伴う進行性播種性毛芽胞菌(progressive disseminated trichosporonosis)、播種性カンジダ症、肺パラコクシジオイデス症、肺アスペルギルス症、カリニ肺炎、クリプトコッカス髄膜炎、コクシジオイデス髄膜脳炎、および脳脊髄血管炎、クロカビ感染、フザリウム性角膜炎、副鼻腔真菌症、アスペルギルスフミガーツフ心内膜炎、脛骨軟骨形成不全、カンジダグラブラタ膣炎、口咽頭カンジダ症、X連鎖慢性肉芽腫症、足白癬、皮膚カンジダ症、糸状菌胎盤炎、播種性トリコスポロン症、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症、真菌性角膜炎、クリプトコックスネオフォルマンス感染、真菌性腹膜炎、カーブラリア葉枯病感染、ブドウ球菌性眼内炎、スポロトリクム症、ならびに皮膚糸状菌症の動物モデルが開発されている(例えば、Arendrupら, 2002, Infection 30(5):286-91;Kamei, 2001, Mycopathologia 152(1):5-13;Guhadら, 2000, FEMS Microbiol Lett.192(1):27-31;Yamagataら, 2000, J Clin Microbiol. 38(9):32606;Andrutisら, 2000, J Clin Microbiol. 38(6):2317-23;Cockら, 2000, Rev Inst Med Trop Sao Paulo 42(2):59-66;Shibuyaら, 1999, Microb Pathog. 27(3):123-31;Beersら, 1999, J Lab Clin Med. 133(5):423-33;Najvarら, 1999, Antimicrob Agents Chemother.43(2):413-4;Williamsら, 1988, J Infect Dis. 178(4):1217-21;Yoshida, 1988, Kansenshogaku Zasshi. 1998 Jun;72(6):621-30;Alexandrakisら, 1998, Br J Ophthalmol. 82(3):306-11;Chakrabartiら, 1997, J Med Vet Mycol. 35(4):295-7;Martinら, 1997, Antimicrob Agents Chemother. 41(1):13-6;Chuら, 1996, Avian Dis. 40(3):715-9;Fidelら, 1996, J Infect Dis. 173(2):425-31;Coleら, 1995, FEMS Microbiol Lett. 15;126(2):177-80;Pollockら, 1995, Nat Genet. 9(2):202-9;Uchidaら, 1994, Jpn J Antibiot. 47(10):1407-12;:Maebashiら, 1994, J Med Vet Mycol. 32(5):349-59;Jensen & Schonheyder, 1993, J Exp Anim Sci. 35(4):155-60;Gokaslan & Anaissie, 1992, Infect Immun. 60(8):3339-44;Kurupら, 1992, J Immunol. 148(12):3783-8;Singhら, 1990, Mycopathologia. 112(3):127-37;Salkowski & Balish, 1990, Infect Immun. 58(10):3300-6;Ahmadら, 1986, Am J Kidney Dis. 7(2):153-6;Alture-Werber E, Edberg SC, 1985, Mycopathologia. 89(2):69-73;Kaneら, 1981, Antimicrob Agents Chemother. 20(5):595-9;Barbeeら, 1977, Am J Pathol. 86(1):281-4;およびMaestroneら, 1973, Am J Vet Res. 34(6):833-6)を参照されたい。真菌性呼吸器感染症、例えば、カンジダアルビカンス、アスペルギルスフミガーツフ、侵襲性肺アスペルギルス症、ニューモシスチスカリニ、肺クリプトコッカス症、緑膿菌、クンニンガメラベルトレチア(Cunninghamella bertholletia)の動物モデル[例えば、Arataniら, 2002 Med Mycol 40(6):557-563;Bozzaら, 2002 Microbes Infect 4(13): 1281-1290;Kurupら, 2002 Int Arch Allergy Immunol 129(2):129-137;Horiら, 2002 Eur J Immuno 32(5): 1282-1291;Riveraら, 2002 J Immuno 168(7): 3419-3427;Vassalloら, 2001, Am J Respir Cell Mol Biol 25(2): 203-211;Wilderら, 2002 Am J Respir Cell Mol Biol 26(3): 304-314;Yonezawaら, 2000 J Infect Chemother 6(3): 155-161;Cacciapuotiら, 2000 Antimicrob Agents Chemother 44(8): 2017-2022;およびHondaら, 1998 Mycopathologia 144(3):141-146を参照されたい]。
本発明の抗体、組成物、または併用療法は、真菌性呼吸器感染症の時間経過を少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも95%、または少なくとも99%短縮するその能力について試験することができる。本発明の抗体、組成物、または併用療法はまた、真菌性呼吸器感染症に罹患しているヒトの生存期間を少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも95%、または少なくとも99%伸ばすその能力について試験することができる。さらに、本発明の方法に従って投与される抗体、組成物、または併用療法は、真菌性呼吸器感染症に罹患しているヒトの入院期間を少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも95%、または少なくとも99%短縮するその能力について試験することができる。本発明の抗体、組成物、または併用療法の機能をインビボで分析するために、当業者に公知の技術を使用することができる。
さらに、当業者に任意の公知のアッセイは、IL−9ポリペプチドの異常な発現および/もしくは活性に付随し、またはそれによって特徴付けられる疾患または疾病、IL−9Rもしくは一個以上のそのサブユニットの異常な発現および/もしくは活性に付随し、またはそれによって特徴付けられる疾患または疾病、自己免疫疾患、炎症性疾患、増殖性疾患、または感染(例えば、呼吸器感染症)、あるいは一種以上のそれらの症状の予防、治療、管理、および/または寛解について、本明細書に開示した抗体、組成物、併用療法の予防上および/または治療上の有用性を評価するために使用できる。
5.7.3.毒性アッセイ
本発明の予防および/または治療プロトコルの毒性および/または効力は、細胞培養物または実験動物で標準的医薬的手順、例えば、LD50(集団の50%にとって致死量)とED50(集団の50%で治療有効量)を定量する手順によって定量することができる。有毒作用と治療効果間の用量の割合が治療係数であり、それは、LD50/ED50率として表すことができる。治療指数が高い治療法が好ましい。有害な副作用を示す治療法も使用しうるが、未感染細胞への潜在的ダメージを最小限に抑え、それによって副作用を低減するために、患部組織部位へそのような薬剤を標的付ける送達系を設計するケアが必要がある。
ヒトで使用する予防剤および/または治療剤の投薬量の範囲を製剤化する際に、細胞培養アッセイおよび動物研究から得られたデータを使用することができる。そのような薬剤の投薬量は、好ましくはほとんど、またはまったく毒性がないED50を含む循環濃度範囲内にある。投薬量は、使用する剤形と使用する投与経路に応じて、この範囲内で変化しうる。本発明の方法で使用される任意の治療について、治療有効用量は、最初は細胞培養アッセイから推定することができる。細胞培養で決定されるようなIC50(すなわち、症状の最大阻害度の2分の1を達成する試験化合物濃度)を含む循環血漿濃度範囲を達成するために、動物モデルで用量を製剤化しうる。ヒトで有用な用量をより正確に決定するために、そのような情報を使用することができる。血漿レベルは、例えば、高速液体クロマトグラフィーによって測定しうる。
さらに、IL−9ポリペプチドの異常な発現および/もしくは活性に付随し、またはそれによって特徴付けられる疾患または疾病、IL−9Rもしくは一個以上のそのサブユニットの異常な発現および/もしくは活性に付随し、またはそれによって特徴付けられる疾患または疾病、自己免疫疾患、炎症性疾患、増殖性疾患、または感染(例えば、呼吸器感染症)、あるいは一種以上のそれらの症状について、本明細書に開示した抗体、組成物、併用療法の予防上および/または治療上の有用性を評価するために、当業者に公知の任意のアッセイを使用することができる。
5.8.抗体製剤の診断用途
疾患または疾病、例えば、IL−9ポリペプチドなどの異常な発現および/または活性に付随し、またはそれによって特徴付けられる疾患または疾病、IL−9Rもしくは一個以上のそのサブユニットの異常な発現および/もしくは活性に付随し、またはそれによって特徴付けられる疾患または疾病、自己免疫疾患、炎症性疾患、増殖性疾患、または感染(例えば、呼吸器感染症)、あるいは一種以上のそれらの症状を検出し、診断し、予後(prognose)を見、またはモニタリングするために、関心対象抗原(例えば、IL−9ポリペプチド)と免疫特異的に結合する本発明の液体製剤の抗体(抗体フラグメントまたはその変異体を含み、または代わりにそれらからなる分子を含む)を診断目的に使用することができる。本発明は、以下のステップを含むIL−9の異常発現の検出を提供する:(a)IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する一種以上の本発明の液体製剤の抗体を使用し、生物試料中で個体からIL−9の発現をアッセイするステップ;および(b)そのIL−9レベルと、例えば正常生物試料中の標準的IL−9レベルとを比較するステップであって、それによって標準的IL−9レベルと比較して、アッセイしたIL−9レベルの上昇または減少が、IL−9ポリペプチドの異常な発現および/もしくは活性に付随し、またはそれによって特徴付けられる疾患または疾病、IL−9Rもしくは一個以上のそのサブユニットの異常な発現および/もしくは活性に付随し、またはそれによって特徴付けられる疾患または疾病、自己免疫疾患、炎症性疾患、増殖性疾患、または感染(例えば、呼吸器感染症)、あるいは一種以上のそれらの症状を示唆するステップ。具体的実施形態では、IL−9の異常発現レベルは、自己免疫疾患、またはそれに随伴する疾患もしくは状態を示唆する。別の特定の実施形態では、IL−9の異常発現レベルは、炎症性疾患、またはそれに随伴する疾患または状態、例えば喘息を示唆する。好ましい実施形態では、IL−9の異常発現レベルは、呼吸器感染症、例えば、それだけには限らないが、RSV、PVI、またはhMPVを示唆する。
ある実施形態では、呼吸器感染症、例えば、RSV感染、PIV感染、またはhMPVを検出し、診断し、予後を見、またはモニタリングして診断する目的で、IL−9と免疫特異的に結合する、標識した本発明の液体製剤の抗体を使用する。本発明は、呼吸器感染症を検出する方法であって、(a)IL−9と免疫特異的に結合する一種以上の抗体を使用し、対象の細胞または組織試料で、IL−9の発現をアッセイするステップ;および(b)IL−9レベルと、対照レベル、例えば感染していない正常な組織試料のレベルとを比較するステップであって、その際、対照IL−9レベルと比較して、アッセイしたIL−9レベルの上昇が呼吸器感染症を示唆するステップを含む方法を提供する。
生物試料中でIL−9レベルをアッセイするために、本明細書に記載した、または当業者に公知の従来の免疫組織学的方法(例えば、Jalkanenら, 1985, J. Cell. Biol. 101:976-985;and Jalkanenら, 1987, J. Cell . Biol. 105:3087-3096を参照)を利用し、本発明の液体製剤の抗体を使用することができる。タンパク質遺伝子発現を検出するのに有用な他の抗体ベースの方法には、イムノアッセイ、例えば、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)およびラジオイムノアッセイ(RIA)が含まれる。適切な抗体アッセイ標識は、当技術分野で公知であり、酵素標識、例えば、グルコースオキシダーゼ;放射性同位元素、例えば、ヨウ素(125I、121I)、炭素(14C)、硫黄(35S)、トリチウム(3H)、インジウム(121In)、およびテクネチウム(99Tc);発光標識、例えば、ルミノール;および蛍光標識、例えば、フルオレセインおよびローダミン、ならびにビオチンが含まれる。
本発明の一態様は、動物、好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒトでのIL−9の異常発現に関連する疾患または疾病の検出および診断である。一実施形態では、診断は、以下のステップを含む:a)対象に、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する本発明の液体製剤の標識抗体(抗体フラグメントもしくはその変異体を含み、または代わりにそれらからなる分子を含む)の有効量を(例えば、非経口的に、皮下、または腹腔内に)投与するステップ;b)IL−9が発現する対象の部位に、標識抗体が優先的に濃縮される(そして、未結合標識分子がバックグラウンドレベルにまで除去され)ように投与後の時間間隔を待つステップ;c)バックグラウンドレベルを定量するステップ;およびd)バックグラウンドレベルより高く、疾患または疾病を有しない人で観察されたレベルよりも高いまたは低い標識抗体(その抗体フラグメントを含む)を検出することが、IL−9の異常発現に関連する特定の疾患または疾病を有する対象のことを示すように、対象で標識抗体を検出するステップ。バックグラウンドレベルは、検出した標識分子の量と、特定の系について予め定量した標準値とを比較するステップを含む様々な方法によって定量することができる。IL−9の異常発現は、特にリンパ系および骨髄細胞タイプで生じうる。呼吸器感染症のより最終的な診断によって、医療従事者が、早めに予防手段または攻撃的治療を使用し、それによって感染の発生、またはさらなる進行を予防することが可能になるであろう。
対象および使用するイメージング装置の大きさが、診断画像を作成するのに必要なイメージング部分(moiety)の量を決定することは当技術分野で理解されよう。放射性同位元素部分の場合、ヒト対象に注射する放射能量は、通常、99Tcを約5〜20ミリキュリーの範囲になる。次いで標識抗体は、特定のタンパク質を含む細胞位置で優先的に蓄積される。インビボでの腫瘍イメージングは、S.W. Burchielら,「Immunopharmacokinetics of Radiolabeled Antibodies and Their Fragments(放射能標識抗体およびそれらのフラグメント免疫薬物動態)」.(Chapter 13 in Tumor Imaging: The Radiochemical Detection of Cancer, S.W. Burchiel and B. A. Rhodes,編, Masson Publishing Inc. (1982).に記載されている。使用する標識のタイプおよび投与方式を含む数個の変数に応じて、標識した分子が、対象の部位で優先的に濃縮し、かつ未結合標識分子がバックグラウンドレベルにまで除去される投与後の時間間隔は、6〜48時間、6〜24時間、または6〜12時間である。別の実施形態では、投与後の時間間隔は5〜20日または5〜10日である。
一実施形態では、疾患または疾病のモニタリングは、疾患または疾病を診断する方法を、例えば、最初の診断から1ヵ月後、最初の診断から6ヵ月後、最初の診断から1年後などに繰り返すことによって実施する。
インビボスキャニングについて当技術分野で公知の方法を使用し、患者で標識IL−9抗体の存在を検出することができる。これらの方法は、使用する標識のタイプによって決まる。当業者なら、特定の標識を検出するのに好適な方法を決定することができよう。本発明の診断方法に使用しうる方法および器具には、それだけには限らないが、コンピューター断層撮影(CT)、全身スキャン、例えば、ポジション放射断層撮影(PET)、磁気共鳴画像法(MRI)、および超音波検査が含まれる。
特定の実施形態では、IL−9抗体は、放射性同位元素で標識し、放射線感応外科機器(Thurstonら、米国特許第5,441,050号)を使用し患者で検出する。別の実施形態では、IL−9抗体は、蛍光化合物で標識し、蛍光応答スキャニング機器を使用し、患者で検出する。別の実施形態では、IL−9抗体は、ポジトロン放出金属で標識し、ポジトロン放出断層撮影を使用し、患者で検出する。さらに別の実施形態では、IL−9抗体は、常磁性標識で標識し、磁気共鳴画像法(MRI)を使用し、患者で検出する。
細胞系および生物試料の免疫表現型の決定(immunophenotyping)には、IL−9発現またはIL−9受容体の発現により、本発明の抗体(抗体フラグメントもしくはその変異体を含み、または代わりにそれらからなる分子を含む)を使用しうる。細胞集団(IL−9および/またはIL−9受容体を発現する細胞集団、特に、免疫細胞、すなわち、TおよびBリンパ球、肥満細胞、好酸球、マクロファージ、好中球、および上皮細胞、またはIL−9受容体を発現する細胞集団)についてスクリーニングするために、本発明の液体製剤の抗体、フラグメント、または変異体を用いる様々な技術を使用することができ、抗体をコートした磁気ビーズを使用する磁気分離、固体マトリックス(すなわちプレート)に付着させた抗体による「パニング」、およびフローサイトメトリー(例えば、米国特許第5,985,660号;およびMorrisonら, Cell, 96:737-49 (1999)を参照)が含まれる。
これらの技術により、移植片対宿主疾患(GVHD)を予防するために、特定の細胞集団、例えば、造血器腫瘍(すなわち、急性白血病患者で微小残存病変(MRD))および移植において、「非自己」細胞で見られるような特定の細胞集団をスクリーニングできるようになる。あるいは、これらの技術により、ヒト臍帯血に見られるような、増殖および/または分化を経ることが可能な造血幹細胞および前駆細胞をスクリーニングできるようになる。
5.9.キット
本発明は、本発明の液体製剤を充填した一個以上の容器を含む医薬パックまたはキットを提供する。特定の実施形態では、本発明の液体製剤は、別の部分(moiety)に組換えによって融合し、または化学的にコンジュゲートさせた抗体(その抗体フラグメントを含む)が含まれ、この別の部分には、それだけには限らないが、異種タンパク質、異種ポリペプチド、異種ペプチド、大分子、小分子、マーカー配列、診断剤または検出可能な薬剤、治療部分、薬物部分、放射性金属イオン、第二抗体、ならびに固相担体が含まれる。本発明はまた、一個以上の第1容器に本発明の液体製剤、および一個以上の第2の容器に、疾患または疾病の予防、管理、または治療に有用な一種以上の他の予防剤または治療剤を含む医薬パックまたはキットも提供するが、それらの疾患または疾病とは、例えば、IL−9ポリペプチドなどの異常な発現および/または活性に付随し、またはそれによって特徴付けられる疾患または疾病、IL−9Rもしくは一個以上のそのサブユニットの異常な発現および/もしくは活性に付随し、またはそれによって特徴付けられる疾患または疾病、自己免疫疾患、炎症性疾患、増殖性疾患、または感染(例えば、呼吸器感染症)、あるいは一種以上のそれらの症状である。一実施形態では、本発明の液体製剤はpH6.2の50mMリン酸緩衝液および150mM塩化ナトリウムを含む無菌液体として、単一用量バイアルに製剤化する。本発明の製剤は、標的容量が1.2mLである3cc USP I型ホウケイ酸製琥珀色バイアル(West Pharmaceutical Serices - Part No. 6800-0675)で提供しうる。そのような容器に任意で付随するものは、医薬または生物学的製品の製造、使用、または販売を規制する行政機関により処方された書式の注意書きであり、その注意書きには、製造、使用、または販売機関によるヒト投与への承認が反映される。
本発明は、上記方法で使用できるキットを提供する。一実施形態では、キットは、一個以上の容器に入れた本発明の液体製剤を含む。別の実施形態では、キットは、一個以上の容器にれた本発明の液体製剤、および疾患または疾病の予防、管理、または治療に有用な一種以上の他の予防剤または治療剤を含む。疾患または疾病は、IL−9ポリペプチドの異常な発現および/または活性に付随し、またはそれによって特徴付けられ、IL−9Rもしくは一個以上のそのサブユニットの異常な発現および/もしくは活性に付随し、またはそれによって特徴付けられる疾患または疾病、自己免疫疾患、炎症性疾患、増殖性疾患、または感染(例えば、呼吸器感染症)、あるいは一種以上のそれらの症状でありうる。一個以上の他の容器。特定の実施形態では、前記液体製剤に含まれる抗体(その抗体フラグメントを含む)は、4D4、4D4 H2−1 D11、4D4com−XF−9、4D4com−2F9、7F3、71A10、7F3 22D3、7F3com−2H2、7F3com−3H5、または7F3com−3D4、または抗原結合フラグメントである。別の実施形態では、前記液体製剤に含まれる抗体(その抗体フラグメントを含む)は、4D4、4D4 H2−1 D11、4D4com−XF−9、4D4com−2F9、7F3、71A10、7F3 22D3、7F3com−2H2、7F3com−3H5、もしくは7F3com−3D4、またはその抗原結合フラグメントではない。好ましくは、キットは、さらに、投与方法についての副作用および投薬量情報と共に、疾病を予防し、治療し、かつ/または管理するための使用説明書(例えば、本発明の液体製剤を単独で、または別の予防剤もしくは治療剤と組み合わせてを使用する)を含める。
5.10.製造品目
本発明はまた、パッケージに入れラベルを付した完成品の医薬製品を包含する。この製品には、ガラス製バイアルまたは密封された他の容器など、好適なベセルまたは容器での好適な単位用量形が含まれる。非経口投与に適した剤形の場合には、活性成分、例えば、関心対象抗原(例えば、IL−9ポリペプチド)と免疫特異的に結合する本発明の抗体は無菌的であり、粒子不含溶液として投与に適している。すなわち、本発明は、非経口溶液および凍結乾燥粉末を包含し、それぞれ無菌であり、かつ後者は注射前の再構成に適している。あるいは、単位用量形は、経口、経皮、鼻腔内、または局所的送達に好適な固体であってよい。
一実施形態では、単位用量形は、静脈内、筋肉内、鼻腔内、経口、局所、または皮下送達に適している。従って、本発明は、好ましくは無菌であり、各送達経路に適した溶液を包含する。
任意の医薬製品と同様に、パッケージング材および容器は、保管および出荷中に製品の安定性を保護するように設計される。さらに、本発明の製品には、内科医、技術者または患者に、関心対象疾患または疾病を適切に予防し、または治療する方法について助言する、使用説明書または他の情報材が含まれる。すなわち、製品には、それだけには限らないが、実際の用量、モニタリング手順、全リンパ球、肥満細胞数、T細胞数、IgE産生、および他のモニタリング情報を含む投薬計画を表示し、または示唆する指示手段が含まれる。
具体的には、本発明は、パッケージング材、例えば、箱、ボトル、チューブ、バイアル、容器、散布器(sprayer)、散布器(insufflator)、静脈内(i.v.)バッグ、封筒など;および前記パッケージング材中に入れた医薬品の少なくとも一単位用量形を含む製品であって、前記医薬品によって、抗体を含む液体製剤を含む製品が提供される。パッケージング材には、本明細書に記載したように、特定の用量を投与し、特定の投薬計画を使用することによって、例えば、IL−9ポリペプチドの異常な発現および/または活性に関連する疾病、IL−9Rまたは一個以上のそのサブユニットの異常な発現および/または活性に関連する疾病に伴う一種以上の症状、自己免疫疾患、炎症性疾患、増殖性疾患、感染(例えば、呼吸器感染症)、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理するために、前記抗体を使用できることを示唆する指示手段が含まれる。
本発明はまた、パッケージング材、例えば、箱、ボトル、チューブ、バイアル、容器、散布器(sprayer)、散布器(insufflator)、静脈内(i.v.)バッグ、封筒など;および前記パッケージング材中に入れた各医薬品の少なくとも一単位用量形を含む製品であって、その際、一医薬品が、関心対象抗体、例えば、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体を含む液体製剤を含み、そしてその他の医薬品が、第2の異なるIL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体を含み、かつ前記薬剤が、本明細書に記載したように、特定の用量を投与し、特定の投薬計画を使用することによって、IL−9ポリペプチドの異常な発現および/または活性に関連する疾病、IL−9Rまたは一個以上のそのサブユニットの異常な発現および/または活性に関連する疾病、自己免疫疾患、炎症性疾患、増殖性疾患、感染(例えば、呼吸器感染症)、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理するために使用できることを示唆する指示手段を含むパッケージング材も提供する。
本発明はまた、パッケージング材、例えば、箱、ボトル、チューブ、バイアル、容器、散布器(sprayer)、散布器(insufflator)、静脈内(i.v.)バッグ、封筒など;および前記パッケージング材中に入れた各医薬品の少なくとも一単位用量形を含む製品であって、一医薬品が、L−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体を含む液体製剤を含み、そしてその他の医薬品が、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体以外の予防剤または治療剤を含み、かつ前記薬剤が、本明細書に記載したように、特定の用量を投与し、特定の投薬計画を使用することによって、IL−9ポリペプチドの異常な発現および/または活性に関連する疾病、IL−9Rまたは一個以上のそのサブユニットの異常な発現および/または活性に関連する疾病に伴う一種以上の症状、自己免疫疾患、炎症性疾患、増殖性疾患、感染(例えば、呼吸器感染症)、または一種以上のそれらの症状を予防し、治療し、かつ/または管理するために使用できることを示唆する指示手段を含むパッケージング材も提供する。
本発明は、本発明の方法によって低減し、または回避されうる有害作用が、自己免疫疾患、炎症性疾患、または感染に伴う一種以上の症状の予防、治療、および/または管理で使用される製品中に封入する情報材に示されるようにする。本発明の方法によって低減し、または回避されうる有害作用には、それだけには限らないが、バイタルサイン異常(発熱、頻脈、徐脈(bardycardia)、高血圧症、低血圧症)、血液現象(貧血、リンパ球減少症、白血球低減症、血小板低減症)、頭痛、悪寒、眩暈、嘔気、無力症、背部痛、胸痛(胸部圧迫)、下痢、筋肉痛、疼痛、掻痒症、乾癬、鼻炎、発汗、注射部位反応、および血管拡張が含まれる。
さらに、疾患あるいは疾病、例えば、IL−9ポリペプチドの異常な発現および/または活性によって特徴付けられる疾患または疾病、IL−9Rまたは一個以上のそのサブユニットの異常な発現および/または活性によって特徴付けられる疾病、炎症性疾患、自己免疫疾患、増殖性疾患、または感染(例えば、呼吸器感染症)、あるいは一種以上のそれらの症状の予防、治療、および/または管理で使用する製品に封入される情報材は、外来タンパク質はまた、アナフィラキシー、またはシトシン放出症候群を含むアレルギー反応をもたらしうることを示唆できる。情報材は、アレルギー反応が、軽度の掻痒性皮疹としてのみ示されうること、またはそれらが、紅皮症、スティーブンスジョンソン症候群、血管炎、またはアナフィラキシーなど、重篤でありかねないことを指摘するあろう。情報材は、アナフィラキシー反応(アナフィラキシー)が、重篤であり、致死的過感受性反応であることが多いこともまた指摘するであろう。アナフィラキシーを含むアレルギー反応は、いかなる外来タンパク質を身体に注射したときにも起こりうる。それらの反応は、蕁麻疹または発疹などの軽度の徴候から致死性全身反応までの範囲でありうる。アナフィラキシー反応は、曝露後ほどなく、通常10分以内に生じる。患者は、異常感覚、低血圧症、喉頭浮腫、精神的状態の変化、顔面もしくは咽頭血管性浮腫、気道閉塞、気管支痙攣、蕁麻疹、および掻痒症、血清病、関節炎、アレルギー性腎炎、糸球体腎炎、一時的関節炎、または好酸球増加症を経験するであろう。
6.具体的実施形態
1. 水性担体、リン酸塩、および50mg/ml以上の抗体または抗体フラグメントを含む抗体製剤であって、ヒト対象に投与するために製剤化した抗体製剤。
2. ヒト対象に投与するために製剤化した抗体製剤であって、水性担体、リン酸塩、および10mg/ml以上の抗体または抗体フラグメントを含み、塩の存在下で前記抗体のpIより低いpHのリン酸緩衝液で製剤化した場合、同じ濃度の塩の存在下で前記pHのヒスチジン緩衝液で製剤化した場合の前記抗体と比較して、前記抗体または抗体フラグメントが、以下の相挙動の一つまたは複数で低減を示し、
a) アンフォールドされた中間体の形成、
b) コロイドの不安定さ、
c) 前記抗体分子の溶解性会合、または
d) 前記抗体分子の沈殿、
その際、前記少なくとも一つまたは複数の相挙動が、高処理サイズ排除クロマトグラフィー(HPSEC)、タンジェンシャルフロー濾過(TFF)、静的光散乱法(SLS)、フーリエ変換赤外分光法(FTIR)、円二色性(CD)、尿素誘発タンパク質アンフォールディング技術、固有トリプトファン蛍光、示差走査熱量測定法(DSC)、および1−アニリノ−8−ナフタレンスルホン酸(ANS)タンパク質結合技術からなる群から選択される技術によって測定される抗体製剤。
3. 前記抗体または抗体フラグメントが、IL−9ポリペプチドと免疫特異的に結合する、実施形態1または2に記載の製剤。
4. 前記水性担体が蒸留水である、実施形態1または2に記載の製剤。
5. 前記製剤のpHが4.0〜8.0の範囲である、実施形態1または2に記載の製剤。
6. pHが約6.0〜6.5の範囲である、実施形態5に記載の製剤。
7. さらに、塩をわずか約200mMの濃度で含む、実施形態1または2に記載の製剤。
8. 前記塩が、約100mM〜約200mMの範囲の濃度である、実施形態7に記載の製剤。
9. さらに、塩を約100〜約200mMの範囲の濃度で含む、実施形態6に記載の製剤。
10. さらに糖を含む、実施形態1または2に記載の製剤。
11. さらに糖を含む、実施形態6に記載の製剤。
12. 前記糖がショ糖である、実施形態10に記載の製剤。
13. 前記糖がショ糖である、実施形態11に記載の製剤。
14. 前記糖がトレハロースである、実施形態10に記載の製剤。
15. 前記糖がトレハロースである、実施形態11に記載の製剤。
16. 前記ショ糖が10%までの濃度である、実施形態12に記載の製剤。
17. 前記ショ糖が10%までの濃度である、実施形態13に記載の製剤。
18. 前記トレハロースが10%までの濃度である、実施形態14に記載の製剤。
19. 前記トレハロースが10%までの濃度である、実施形態15に記載の製剤。
20. さらに界面活性剤を含む、実施形態1または2に記載の製剤。
21. さらに界面活性剤を含む、実施形態6に記載の製剤。
22. さらに界面活性剤を含む、実施形態9に記載の製剤。
23. 前記界面活性剤がTween-20またはTween-80である、実施形態21に記載の製剤。
24. 前記界面活性剤がTween-20またはTween-80である、実施形態22に記載の製剤。
25. 前記界面活性剤が0.1%までの濃度である、実施形態23に記載の製剤。
26. 前記界面活性剤が0.1%までの濃度である、実施形態24に記載の製剤。
27. 前記抗体または抗体フラグメントが、少なくとも100mg/mlの濃度である、実施形態1または2に記載の製剤。
28. 前記抗体または抗体フラグメントが、約50mg/ml〜約150mg/mlの範囲の濃度である、実施形態1または2に記載の製剤。
29. リン酸塩が、約10mM〜約100mMの範囲の濃度である、実施形態1または2に記載の製剤。
30. リン酸塩が、約25mM〜約75mMの範囲の濃度である、実施形態29に記載の製剤。
31. 高処理サイズ排除クロマトグラフィー(HPSEC)によって定量したとき、前記抗体または抗体フラグメントが、40℃で少なくとも15日間保管中安定している、実施形態1または2に記載の製剤。
32. HPSECによって定量したとき、前記抗体または抗体フラグメントが、約周囲温度で少なくとも6ヵ月間保管中安定している、実施形態1または2に記載の製剤。
33. HPSECによって定量したとき、前記抗体または抗体フラグメントが、4℃で少なくとも1年半保管中安定している、実施形態1または2に記載の製剤。
34. HPSECによって測定したとき、前記抗体または抗体フラグメントの5%未満が、保管中に凝集体を形成する、実施形態1または2に記載の製剤。
35. HPSECによって測定したとき、前記抗体または抗体フラグメントの5%未満が、保管中に凝集体を形成する、実施形態6に記載の製剤。
36. HPSECによって測定したとき、前記抗体または抗体フラグメントの5%未満が、保管中に凝集体を形成する、実施形態9に記載の製剤。
37. 前記抗体または抗体フラグメントの2%未満が、HPSECによって測定したとき、保管中に凝集体を形成する、実施形態1または2に記載の製剤。
38. 前記抗体または抗体フラグメントの2%未満が、HPSECによって測定したとき、保管中に凝集体を形成する、実施形態6に記載の製剤。
39. 前記抗体または抗体フラグメントの2%未満が、HPSECによって測定したとき、保管中に凝集体を形成する、実施形態9に記載の製剤。
40. 前記抗体または抗体フラグメントの1%未満が、HPSECによって測定したとき、保管中に凝集体を形成する、実施形態1または2に記載の製剤。
41. 前記抗体または抗体フラグメントの1%未満が、HPSECによって測定したとき、保管中に凝集体を形成する、実施形態6に記載の製剤。
42. 前記抗体または抗体フラグメントの1%未満が、HPSECによって測定したとき、保管中に凝集体を形成する、実施形態9に記載の製剤。
43. 前記抗体またはそのフラグメントが、保管前の該抗体に相当する参照抗体と比較して、結合能力の少なくとも80%を保持している、実施形態1または2に記載の製剤。
44. 前記抗体またはそのフラグメントが、保管前の該抗体に相当する参照抗体と比較して、結合能力の少なくとも80%を保持している、実施形態6に記載の製剤。
45. 前記抗体またはそのフラグメントが、保管前の該抗体に相当する参照抗体と比較して、結合能力の少なくとも80%を保持している、実施形態9に記載の製剤。
46. 前記抗体またはそのフラグメントが、参照抗体と比較して、結合能力の少なくとも85%を保持している、実施形態1または2に記載の製剤。
47. 前記抗体またはそのフラグメントが、参照抗体と比較して、結合能力の少なくとも85%を保持している、実施形態6に記載の製剤。
48. 前記抗体またはそのフラグメントが、参照抗体と比較して、結合能力の少なくとも85%を保持している、実施形態9に記載の製剤。
49. 前記抗体またはそのフラグメントが、参照抗体と比較して、結合能力の少なくとも90%を保持している、実施形態1または2に記載の製剤。
50. 前記抗体またはそのフラグメントが、参照抗体と比較して、結合能力の少なくとも90%を保持している、実施形態6に記載の製剤。
51. 前記抗体またはそのフラグメントが、参照抗体と比較して、結合能力の少なくとも90%を保持している、実施形態9に記載の製剤。
52. 前記抗体またはそのフラグメントが、参照抗体と比較して、結合能力の少なくとも95%を保持している、実施形態1または2に記載の製剤。
53. 前記抗体またはそのフラグメントが、参照抗体と比較して、結合能力の少なくとも95%を保持している、実施形態6に記載の製剤。
54. 前記抗体またはそのフラグメントが、参照抗体と比較して、結合能力の少なくとも95%を保持している、実施形態9に記載の製剤。
55. 前記抗体または抗体フラグメントが、4D4、4D4H2−1 D11、4D4com−XF−9、4D4com−2F9、7F3、71A10、7F3 22D3、7F3com−2H2、7F3com−3H5、もしくは7F3com−3D4、またはその抗原結合フラグメントである、実施形態1または2に記載の製剤。
56. 前記抗体または抗体フラグメントが、4D4、4D4H2−1 D11、4D4com−XF−9、4D4com−2F9、7F3、71A10、7F3 22D3、7F3com−2H2、7F3com−3H5、もしくは7F3com−3D4、またはその抗原結合フラグメントである、実施形態6に記載の製剤。
57. 前記抗体または抗体フラグメントが、4D4、4D4H2−1 D11、4D4com−XF−9、4D4com−2F9、7F3、71A10、7F3 22D3、7F3com−2H2、7F3com−3H5、もしくは7F3com−3D4、またはその抗原結合フラグメントである、実施形態9に記載の製剤。
58. 前記抗体または抗体フラグメントが、7F3com−2H2である、実施形態57に記載の製剤。
59. 好適な容器中に実施形態1または2に記載の抗体製剤を含む、ヒトへの非経口投与に適した医薬単位用量形。
60. 前記抗体製剤が、静脈内、皮下、または筋肉内注射用である、実施形態59に記載の医薬単位用量形。
61. 好適な容器中に実施形態1または2に記載の抗体製剤を含む、ヒトへの噴霧投与に適した医薬単位用量形。
62. 前記抗体製剤が鼻内投与される、実施形態61に記載の医薬単位用量。
63. 実施形態1または2に記載の水性抗体製剤を凍結乾燥することによって製造される抗体製剤。
64. 実施形態1または2に記載の製剤を含む密封容器。
65. 実施形態9に記載の製剤を含む密封容器。
66. 製薬上許容される担体で再構成するのに十分な容量がある、実施形態64に記載の密封容器。
67. 前記担体が、注射用水、USP;デキストロースを5%含む水(D5W);または生理食塩水である、実施形態66に記載の密封容器。
68. 前記容器が、無菌環境を維持し、無菌性を失うことなく前記製剤を再構成することができる、実施形態67に記載の密封容器。
69. 一個以上の容器に、水性担体、リン酸塩、および50mg/ml以上の抗体またはそのフラグメントを含む抗体製剤、および該製剤の使用説明書を含むキットであって、前記抗体製剤が、ヒト対象に投与するために製剤化されているキット。
70. 前記製剤が無菌である、実施形態69に記載のキット。
71. 前記水性担体が蒸留水である、実施形態69に記載のキット。
72. 前記抗体または抗体フラグメントが、4D4、4D4H2−1 D11、4D4com−XF−9、4D4com−2F9、7F3、71A10、7F3 22D3、7F3com−2H2、7F3com−3H5、もしくは7F3com−3D4、またはその抗原結合フラグメントである、実施形態70に記載のキット。
73. 前記抗体または抗体フラグメントが、7F3com−2H2である、実施形態72に記載のキット。
74. 前記製剤が、前記水性抗体製剤を凍結乾燥することによって製造されている、実施形態70、72、または73に記載のキット。
75. 前記抗体または抗体フラグメントが、約50mg/ml〜約150mg/mlの濃度である、実施形態70または73に記載のキット。
76. 炎症性疾患、自己免疫疾患、IL−9ポリペプチドの異常な発現および/または活性に関連する疾病、IL−9ポリペプチドの異常な発現および/もしくは活性に付随し、またはそれによって特徴付けられる疾患または疾病、IL−9Rもしくは一個以上のそのサブユニットの異常な発現および/もしくは活性に付随し、またはそれによって特徴付けられる疾患または疾病、自己免疫疾患、炎症性疾患、増殖性疾患、または感染(好ましくは呼吸器感染症)、あるいは一種以上のそれらの症状を予防し、管理し、治療し、または寛解する方法であって、それを必要とする対象に、実施形態56に記載の抗体製剤の予防的または治療的有効量を投与するステップを含む方法。
77. IL−9ポリペプチドの異常な発現および/もしくは活性に付随し、またはそれによって特徴付けられる疾患または疾病、IL−9Rもしくは一個以上のそのサブユニットの異常な発現および/もしくは活性に付随し、またはそれによって特徴付けられる疾患または疾病、自己免疫疾患、炎症性疾患、増殖性疾患、または感染(好ましくは呼吸器感染症)、あるいは一種以上のそれらの症状を予防し、管理し、治療し、または寛解する方法であって、それを必要とする対象に、実施形態57に記載の抗体製剤の予防的または治療的有効量を投与するステップを含む方法。
78. IL−9ポリペプチドの異常な発現および/もしくは活性に付随し、またはそれによって特徴付けられる疾患または疾病、IL−9Rもしくは一個以上のそのサブユニットの異常な発現および/もしくは活性に付随し、またはそれによって特徴付けられる疾患または疾病、自己免疫疾患、炎症性疾患、増殖性疾患、または感染(好ましくは呼吸器感染症)、あるいは一種以上のそれらの症状を予防し、管理し、治療し、または寛解する方法であって、それを必要とする対象に、実施形態58に記載の抗体製剤の予防的または治療的有効量を投与するステップを含む方法。
79. 前記抗体またはその抗体フラグメントのポリペプチドが、HPSECによって定量したとき、40℃で少なくとも15日間保管中安定している、実施形態76に記載の方法。
80. 前記抗体またはその抗体フラグメントのポリペプチドが、HPSECによって定量したとき、40℃で少なくとも15日間保管中安定している、実施形態77に記載の方法。
81. 前記抗体またはその抗体フラグメントのポリペプチドが、HPSECによって定量したとき、40℃で少なくとも15日間保管中安定している、実施形態78に記載の方法。
82. HPSECによって測定したとき、前記抗体または抗体フラグメントの5%未満が、保管中に凝集体を形成する、実施形態76に記載の方法。
83. HPSECによって測定したとき、前記抗体または抗体フラグメントの5%未満が、保管中に凝集体を形成する、実施形態77に記載の方法。
84. HPSECによって測定したとき、前記抗体または抗体フラグメントの5%未満が、保管中に凝集体を形成する、実施形態78に記載の方法。
85. 前記抗体またはそのフラグメントが、保管前の該抗体または抗体フラグメントに相当する参照抗体と比較して、IL−9ポリペプチドとの結合能力の少なくとも80%を保持している、実施形態76に記載の方法。
86. 前記抗体またはそのフラグメントが、保管前の該抗体または抗体フラグメントに相当する参照抗体と比較して、IL−9ポリペプチドとの結合能力の少なくとも80%を保持している、実施形態77に記載の方法。
87. 前記抗体またはそのフラグメントが、保管前の該抗体または抗体フラグメントに相当する参照抗体と比較して、IL−9ポリペプチドとの結合能力の少なくとも80%を保持している、実施形態78に記載の方法。
88. 前記製剤が非経口投与される、実施形態76に記載の方法。
89. 前記製剤が非経口投与される、実施形態77に記載の方法。
90. 前記製剤が非経口投与される、実施形態78に記載の方法。
91. 前記製剤が、皮下、口腔、または鼻内に投与される、実施形態76に記載の方法。
92. 前記製剤が、皮下、口腔、または鼻内に投与される、実施形態77に記載の方法。
93. 前記製剤が、皮下、口腔、または鼻内に投与される、実施形態78に記載の方法。
94. 炎症性疾患が、喘息またはアレルギーである、実施形態76に記載の方法。
95. 炎症性疾患が、喘息またはアレルギーである、実施形態77に記載の方法。
96. 炎症性疾患が、喘息またはアレルギーである、実施形態78に記載の方法。
97. 対象に投与される抗体製剤であって、水性担体、リン酸塩、および50mg/ml以上の7F3com−2H2またはその抗原結合フラグメントを含む抗体製剤。
98. 前記製剤が無菌である、実施形態97に記載の製剤。
99. 前記水性担体が蒸留水である、実施形態97に記載の製剤。
100. 前記製剤のpHが4.0〜8.0の範囲である、実施形態97または98に記載の製剤。
101. pHが約6.0〜6.5の範囲である、実施形態100に記載の製剤。
102. さらに、塩をわずか約200mMの濃度で含む、実施形態97または98に記載の製剤。
103. 前記塩が、約100mM〜約200mMの範囲の濃度である、実施形態102に記載の製剤。
104. 前記塩が、約100mM〜約200mMの範囲の濃度である、実施形態101に記載の製剤。
105. さらに糖を含む、実施形態97または98に記載の製剤。
106. さらに糖を含む、実施形態101に記載の製剤。
107. 前記糖がショ糖である、実施形態105に記載の製剤。
108. 前記糖がショ糖である、実施形態106に記載の製剤。
109. 前記糖がトレハロースである、実施形態105に記載の製剤。
110. 前記糖がトレハロースである、実施形態106に記載の製剤。
111. 前記ショ糖が10%までの濃度である、実施形態107に記載の製剤。
112. 前記ショ糖が10%までの濃度である、実施形態108に記載の製剤。
113. 前記トレハロースが10%までの濃度である、実施形態109に記載の製剤。
114. 前記トレハロースが10%までの濃度である、実施形態110に記載の製剤。
115. さらに界面活性剤を含む、実施形態97または98に記載の製剤。
116. さらに界面活性剤を含む、実施形態101に記載の製剤。
117. さらに界面活性剤を含む、実施形態104に記載の製剤。
118. 前記界面活性剤がTween-20またはTween-80である、実施形態116に記載の製剤。
119. 前記界面活性剤がTween-20またはTween-80である、実施形態117に記載の製剤。
120. Tween-20またはTween-80が0.1%までの濃度である、実施形態118に記載の製剤。
121. Tween-20またはTween-80が0.1%までの濃度である、実施形態119に記載の製剤。
122. 前記抗体または抗体フラグメントが、少なくとも100mg/mlの濃度である、実施形態97または98に記載の製剤。
123. 前記抗体または抗体フラグメントが、約50mg/ml〜約150mg/mlの範囲の濃度である、実施形態97または98に記載の製剤。
124. 前記リン酸塩が、約10mM〜約100mMの範囲の濃度である、実施形態97または98に記載の製剤。
125. 前記リン酸塩が、約25mM〜約75mMの範囲の濃度である、実施形態123に記載の製剤。
126. 前記リン酸塩が、約25mM〜約75mMの範囲の濃度である、実施形態124に記載の製剤。
127. 高処理サイズ排除クロマトグラフィー(HPSEC)によって定量したとき、前記抗体または抗体フラグメントが、40℃で少なくとも15日間保管中安定している、実施形態97または98に記載の製剤。
128. HPSECによって定量したとき、前記抗体または抗体フラグメントが、約周囲温度で少なくとも6ヵ月間保管中安定している、実施形態97または98に記載の製剤。
129. HPSECによって定量したとき、前記抗体または抗体フラグメントが、4℃で少なくとも1年半保管中安定している、実施形態97または98に記載の製剤。
130. HPSECによって測定したとき、前記抗体または抗体フラグメントの5%未満が、保管中に凝集体を形成する、実施形態97または98に記載の製剤。
131. HPSECによって測定したとき、前記抗体または抗体フラグメントの5%未満が、保管中に凝集体を形成する、実施形態101に記載の製剤。
132. HPSECによって測定したとき、前記抗体または抗体フラグメントの5%未満が、保管中に凝集体を形成する、実施形態104に記載の製剤。
133. それを必要とする対象に、実施形態1または2に記載の抗体製剤の予防的または治療的有効量を投与するステップを含む、疾患または疾病を予防し、治療し、または管理する方法。
134. 水性担体、7F3com−2H2抗体を約50mg/ml〜150mg/ml、リン酸塩を約10mM〜約75mM、NaClを約100mM〜200mM含み、pHが約5.5〜6.5である、対象に投与する抗体製剤。
135. 水性担体、7F3com−2H2抗体を約100mg/ml、リン酸塩を約25mM、NaClを約150mM含み、pHが約6.0である、実施形態134に記載の製剤。
136. 前記製剤が等張性である、実施形態135に記載の製剤。
137. 高処理サイズ排除クロマトグラフィー(HPSEC)によって定量したとき、前記抗体または抗体フラグメントが、40℃で少なくとも15日間保管中安定している、実施形態135に記載の製剤。
138. HPSECによって定量したとき、前記抗体または抗体フラグメントが、約周囲温度で少なくとも6ヵ月間保管中安定している、実施形態135に記載の製剤。
139. HPSECによって定量したとき、前記抗体または抗体フラグメントが、4℃で少なくとも1年半保管中安定している、実施形態135に記載の製剤。
140. HPSECによって測定したとき、前記抗体または抗体フラグメントの5%未満が、保管中に凝集体を形成する、実施形態135に記載の製剤。
141. 炎症性疾患、自己免疫疾患、IL−9ポリペプチドの異常な発現および/または活性に関連する疾病、IL−9ポリペプチドの異常な発現および/もしくは活性に付随し、またはそれによって特徴付けられる疾患または疾病、IL−9Rもしくは一個以上のそのサブユニットの異常な発現および/もしくは活性に付随し、またはそれによって特徴付けられる疾患または疾病、自己免疫疾患、炎症性疾患、増殖性疾患、または感染(好ましくは呼吸器感染症)、あるいは一種以上のそれらの症状を予防し、管理し、治療し、または寛解する方法であって、それを必要とする対象に、実施形態135に記載の抗体製剤の予防的または治療的有効量を投与するステップを含む方法。