JP2010287797A - 固体撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】光の経路に配線が存在する場合でも、光の減衰や回折の影響を最小限に留め、画素の微細化を図ると同時に感度の向上、混色の防止を図ることのできる固体撮像装置を提供する。
【解決手段】配線及び拡散防止膜による光の回折光が通過する位置に拡散防止膜を適宜配置することで、拡散防止膜による光の減衰を最小減にとどめ、かつ、回折光による感度低下を抑制することや、隣接画素への信号の漏れ込みを低減することを可能とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、固体撮像装置に関する。
近年、CCD(Charge Coupled Device)あるいはMOS(Metal Oxide Semiconductor)型等の固体撮像装置は、画像入力装置として急速にその需要が高まってきている。特に増幅型のMOS型固体撮像装置はCCDに比べ消費電力が小さく、駆動電圧も低い。さらに汎用の半導体製造プロセスを使えるためよりコストを抑制できることから、増幅型MOSトランジスタを用いたCMOSセンサの開発に力が注がれている。
特許文献1には、このMOS型撮像装置において、配線材に銅を用いると共に多層配線中に拡散防止膜等を設けた場合でも、受光部への反射や多重干渉の影響を低減でき、光量の向上や低ノイズ化を図る方法が提案されている。これはCu拡散防止膜をフォトダイオードの受光領域の上部領域で除去し、複層配線層の受光領域上に配置される領域が、シリコン酸化膜だけで形成されるようにすることで、入射光の受光部への反射や多重干渉の影響を低減するというものである。
また特許文献2にも配線層に銅配線を用いた場合に必要となる拡散防止膜によって生じる光電変換素子への入射光の減衰を防止し、感度や画質等の特性を向上する方法が提案されている。これはMOSトランジスタ等を形成した非光電変換領域には、銅配線による第1配線層の上層に拡散防止膜が形成され、フォトダイオードを形成した光電変換領域では、拡散防止膜が除去され、フォトダイオードの光学特性を向上するというものである。
特開2005-311015号公報 特開2003-303948号公報
特許文献1及び2における効果としては拡散防止膜における入射光の光の減衰や反射を抑えることのみに留まっており、光の回折現象について考慮することはなかった。銅の拡散防止膜は、銅配線からの銅イオンの拡散を抑えるべく、銅配線の寸法より大きく形成される。大きくする寸法は、拡散防止膜を加工する際の露光機のアライメント精度で決まる最小寸法で決まっていた。
上記の固体撮像装置は受光領域上において配線からの銅の拡散を防ぐための拡散防止膜が配置されない。つまり受光領域上に読み出し回路等の配線が存在しないことが前提となっていた。しかしながら、近年、高解像度のための多画素化や、カメラ光学系の小型化による小チップ化の要求に伴い、画素の微細化や高密度化が進められている。その結果、配線の微細化技術が、受光面の開口サイズ、つまり単位画素の入射光量を決定し、素子分離の微細化技術が受光領域を決定するようになった。そして現在の素子分離の微細化技術を使用すれば受光領域は開口サイズよりも大きくなり、読み出し回路等の配線の配置が受光領域上に掛かることが通常である。そのため上記従来例のように、受光領域上において配線からの銅の拡散を防ぐための拡散防止膜が配置されない、つまり受光領域上に読み出し回路等の配線が存在しない場合が生じることはほとんどない。
さらに読み出し回路等の配線の配置が受光領域上に掛かかった場合においては、上層の配線が下層の配線より開口側に出っ張る。拡散防止膜を最大限除去したとしても、配線層の開口を通過した光は配線間や拡散防止膜間で回折する。これは光の波動的な性質上、配線層の受光部上の開口幅と入射波長に依存して、内側に回りこんで光強度に分布が生ずる現象である。例えば、入射光の回折現象は配線間隔や拡散防止膜の間隔、及び到達するSi面までの距離に応じて、図6のような光量分布を持ってSi面上に到達する。このように画素の微細化に伴い入射光は配線間での光の回折現象により、より広がり、受光領域以外の素子分離や隣接画素上にも集光されやすくなる。つまり光電変換に寄与する光は益々減少し、感度の低下や混色の増大を招いている。
拡散防止膜での光の反射成分は膜厚を制御すれば、拡散防止膜が受光部全域を覆う場合でも入射光の減衰を抑制できる。減衰量を最小限にするためには以下の式を満たす膜厚が必要となる。
2nd・cosβ=mλ (m=整数)(1)
ここでd=拡散防止膜の膜厚、n=拡散防止膜の屈折率、β=屈折角、λ=入射光の波長である。(1)式よりSiO2と例えば拡散防止膜がシリコン窒化膜SiN(n=2.0)との間で位相が反転した反射波と、SiNとSiO2とで位相が同相の反射波が打ち消し合えばよい。つまり、2つの波の光路差に「波長λの整数倍」という関係が成り立たてばよい。しかしながらカラー固体撮像装置では、色毎に最適な膜厚が異なり製造が煩雑となる。
また拡散防止膜を透過する光の減衰成分については、減衰係数k値の低い材料を使用して光の減衰をなるべく防ぐこともできる。しかし完全にk値が0である材料はないため、従来技術のように光の進行領域ではできるだけ拡散防止膜を除去するようにする。しかし前述したように受光部領域上に配線層と拡散防止膜が配置されることが通常であり、光の減衰成分はなくならない。
そこで拡散防止膜による光の減衰と、微細化に伴う配線間及び拡散防止膜間の光の回折現象を共に抑える必要がある。
上述した課題を鑑み、本発明では、光の経路に配線が存在する場合でも、光の減衰や回折の影響を最小限に留め、画素の微細化を図ると同時に感度の向上、混色の防止を図ることのできる固体撮像装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明は、半導体基板内に、複数の光電変換素子と、該光電変換素子に対応する複数の転送トランジスタと、増幅用トランジスタと、リセットトランジスタとを有する画素回路を2次元アレイ状に複数配置してなる固体撮像装置であって、
各画素回路は更に、
前記光電変換素子と、前記転送トランジスタと、前記増幅用トランジスタと前記リセットトランジスタとを接続するための、少なくとも、第1の配線層と第2の配線層とを含む複数の配線層と、
前記複数の配線層のそれぞれの上面に設けられた拡散防止膜であって、少なくとも前記第1の配線層の上面に設けられた第1の拡散防止膜と前記第2の配線層の上面に設けられた第2の拡散防止膜とを含む拡散防止膜と、
前記複数の配線層及び前記拡散防止膜を覆う層間絶縁膜と
を備え、
前記第2の配線層は、前記第1の配線層よりも上層に配置され、
前記拡散防止膜の屈折率は、前記層間絶縁膜の屈折率よりも高く、
前記光電変換素子の中心を通る法線を基準とし、前記光電変換素子に面する前記第2の配線層の端部と前記法線との距離が、該光電変換素子に面する前記第1の配線層の端部と前記法線との距離よりも短い箇所において、
前記光電変換素子に面する前記第1の拡散防止膜の端部と前記法線との距離が、前記光電変換素子に面する前記第2の配線層の端部と前記法線との距離以下で、かつ、前記光電変換素子に面する該第2の拡散防止膜の端部と前記法線との距離以上となることを特徴とする。
本発明では、光の経路に配線が存在する場合でも、光の減衰や回折の影響を最小限に留め、画素の微細化を図ると同時に感度の向上、混色の防止を図ることのできる固体撮像装置を提供することができる。
実施形態に対応する固体撮像装置の画素回路の構成例を示す図。 第1の実施形態の画素回路のレイアウト図。 第1の実施形態の画素回路の断面図。 第1の実施形態の画素回路の断面の部分的な拡大図。 第2の実施形態の画素回路の断面の部分的な拡大図。 回折による一般的な光量分布図。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
まず、図1を参照して、発明の実施形態に対応する固体撮像装置の画素回路の構成を説明する。図1に示す画素回路100は、半導体基板内で、4つ転送トランジスタ1a、1b、1c、1dと1つの増幅用トランジスタ(ソースフォロアトランジスタ)2と1つのリセットトランジスタ3から構成される。転送トランジスタ1a、1b、1c、1dの各ドレインは浮遊拡散部(フローティングディフュージョン部:FD部)に相当し、各4つのFD部が共通して接続されている。また各ゲート電位は、それぞれφtx1、φtx2、φtx3、φtx4が与えられている。転送トランジスタ1a、1b、1c、1dの各ソースは、それぞれ光電変換素子PD1、PD2、PD3、PD4に接続されている。
リセットトランジスタ3は、ゲートが電位にφresが与えられる。ソースフォロアトランジスタ2は、ドレインをリセットトランジスタ3のドレインと共通で電源電位VDDに接続し、ソースを信号線Voutに接続し、ゲートに供給される電荷を増幅して出力する。また行選択動作は、リセット動作時にFDの電位を制御することで行っている。
このように画素回路100は、ソースフォロアトランジスタ2及びリセットトランジスタ3が、4つの光電変換素子に対して共通に使用されるように構成されている。そして、発明の実施形態の固体撮像装置では、このような画素回路100を2次元アレイ状に複数配置して構成された撮像素子を利用する。本実施形態においては、4つのフォトダイオードが一つの増幅部に接続された構成で、かつ行選択をフローティングディフュージョンの電位制御にて行うものについて説明した。しかし発明の実施形態は、これらに限られるものではなく、共通とするフォトダイオードの数や使用する配線層数及び行選択駆動方法やそれに伴うレイアウトは適宜設定可能である。
次に、図2を参照して、本発明の実施形態に係るCMOS型固体撮像装置の画素の平面レイアウトを説明する。図2は、図1の画素回路100を実現するレイアウトのうち1画素分を示している。画素回路100は、4つのフォトダイオード5、転送電極6、フローティングディフュージョン7を含む。また、第1のCu配線層8と、その上面に配置される第1の配線層8を覆う第1の拡散防止膜9、この上方に存在する第2のCu配線層10と、その上面に配置される第2の配線層10を覆う第2の拡散防止膜11をさらに含む。
第1のCu配線層8は図1の転送トランジスタ1a、1b、1c、1dの各ゲートへの電位設定や、リセットトランジスタ3のゲート電位の設定、また第2の配線層10への接続用に用いられている。第1のCu配線層8はまた、各画素における配線による非対称性による感度のばらつきを抑えるために補正用として配置して用いている。第2の配線層10は図1のソースフォロアトランジスタ2やリセットトランジスタ3に接続されている電源電圧線や信号線として使用されている。この時、第1の配線層8の受光部5側への端部位置が一つ上層の第2の配線層10の端部位置より小さくなる箇所が生じる。この箇所は前述した駆動方法やレイアウト方法により異なるが、1画素あたりのトランジスタ数を最小に抑えた場合、現状の素子分離と配線の微細化技術を考慮すれば、発生する可能性が極めて高い。この箇所に相当するA-A線上の断面図を図3に示す。
次に、図3を参照して、本発明の実施形態に係るCMOS型固体撮像装置の画素の構造を説明する。図3に示す画素の構造は図2のA-A線断面であって、図2はほぼ1画素分を示したが、図3では左右の隣接画素も示している。12はn型シリコン基板、5は蓄積領域であるフォトダイオード、つまり受光領域である。13は素子分離膜、7はフローティングディフュージョンを形成しているN型高濃度領域、14は転送電極6と第1の配線層8を絶縁する層間絶縁膜としてのシリコン酸化膜である。受光部5で発生した光電荷は転送電極6を介してフローティングディフュージョン7に転送される。また所望の配線パターンをなす第1の配線層8の上部には第1の配線層8を覆う拡散防止膜9が設けられている。さらに、第1の配線層8よりも上層には所望の配線パターンをなす第2の配線層10と、該第2の配線層10を覆う拡散防止膜11が順次積層されている。
拡散防止膜11のさらに上層には、プラズマシリコン窒化膜からなる層内レンズ15が設けられている。この層内レンズ15は、受光部5の上方に配置されている。さらに、層内レンズ15の上層には、第1の平坦化層16を介して、各画素をなす受光部5に対応するカラーパターンを有するカラーフィルタ層17が設けられ、このカラーフィルタ層17のさらに上層に、マイクロレンズ4が設けられている。カラーフィルタは、受光部5に波長の異なる複数種類の光(青、緑、赤)のうちいずれかを提供する。マイクロレンズ4も、各画素に対応して配置されている。なお、破線領域Bにおける一点鎖線301は、フォトダイオード5の受光中心を示す法線である。また、第2の拡散防止膜11の開口幅をΔxで示している。
第1の実施形態は、第1の配線層8の受光中心側の端部位置が第2の配線層10の端部位置よりも開口のより外側にある図2のA-A線の箇所における、第1の拡散防止膜9、第2の配線層10及び拡散防止膜11の各端部位置の関係を規定する。即ち、第1の拡散防止膜9の端部位置は、第2の配線層10の端部位置よりも開口の内側にある。この関係を、上記法線301を基準として考えると、第1の拡散防止膜9の端部位置と受光中心301との距離は、第2の配線層10の端部位置と受光中心301との距離よりも短い。なお、本発明における「距離」は、各端部と法線との最短距離を考える。また、第1の拡散防止膜9の端部位置はさらに、第2の配線層10を覆う拡散防止膜11の端部位置よりも開口の外側にある。即ち、第1の拡散防止膜9の端部位置と受光中心301との距離は、第2の拡散防止膜11の端部位置と受光中心301との距離よりも長い。
図4は図3の破線B領域を拡大したもので、図3の断面図に対して垂直に光が入射した場合に第2の拡散防止膜11での回折光cの進行する様子を示している。なおここに示す実線cは、配線開口部に到達した時点での強度と同等の強度の光が回折現象により開口の外側に進行する経路を示している。但し、拡散防止膜の材料の減衰係数k値が0の場合は図4に示すような拡散防止膜11で回折光は生じない。しかしながら本発明時点で入手できる拡散防止膜でk値が0であるものは知られていない。従って本実施形態においてはk≠0を想定している。そして図4に示すように、拡散防止膜11で回折した光は下層の拡散防止膜9に到達する時、シリコン酸化膜14と拡散防止膜9の屈折率の差により式2のようなスネル方式に従って屈折し、拡散防止膜9中を進行する。
sinα/sinβ=n2/n1 (2)
ここでαは回折光の入射角、βは屈折角、n1はシリコン酸化膜の屈折率、n2は拡散防止膜の屈折率である。なお、図示を省略しているが第2の配線層10で回折した光も同じように拡散防止膜9中を進行する。拡散防止膜9中を進行する図4の実線cで示した光は拡散防止膜9が存在しない時に進行する破線dで示した光に比べて、受光部側へ距離Dだけシフトする。このシフト量Dは
D = a*tanα-a*tanβ
で表される。ここでaは拡散防止膜9の膜厚である。例えば拡散防止膜9がシリコン窒化膜(SiN)の場合、屈折率は約2.0であるので、シリコン酸化膜14の屈折率を1.46、回折光の入射角度αを45°とすると、屈折角βは30°でシフト量は約0.42aとなる。つまり、回折光が進行する領域において、シリコン酸化膜14の屈折率(=1.46)より大きい拡散防止膜9を配置することで光の回折を開口内側方向(受光中心301方向)へ距離Dだけ近づけることができるのである。またこれは拡散防止膜9の膜厚aが大きいほど、さらに屈折率n2が大きいほど効果が大きい。
また図示を省略しているが、同様の原理で、第2の配線層10の受光部5に面する側を通る光が回折する。この回折光が開口部のより内側へ入射するように、拡散防止膜9の端が第2の配線層10より開口内側になるように配置されている。一方、拡散防止膜11の開口による回折光が進行する領域は、拡散防止膜11端部より開口外側方向(受光中心301から離れる方向)となる。このとき、拡散防止膜11は減衰係数k値が低い程、光を透過させる成分も存在する。つまり拡散防止膜9の表面の一部では拡散防止膜11の透過成分と回折成分とが混合される。そのため拡散防止膜11による回折光をシフトさせるための下層の拡散防止膜9の端部はk値に応じて、また開口幅に応じて適宜設定することが好ましい。従って、第2の配線層10を覆う拡散防止膜11の端部位置よりも、開口内側であれば回折光をより多く光電変換部にとりこむことができる。即ち、光電変換素子である受光部5に面する第1の拡散防止膜9の端部と受光中心301との距離は、第2の拡散防止膜11の端部と受光中心301との距離より大きくなる。
また本実施形態では2層配線の場合について説明したが、3層以上の配線層で構成されていた場合でも同様である。上述の本発明の固体撮像装置によれば、光のSi面での到達位置を受光領域中心方向へシフトさせることが可能となり、回折光による感度低下を抑制することや、隣接画素への信号の漏れ込みを低減することが可能になる。配線回折光によるチップ周辺部への感度低下を抑制することや、隣接画素への信号の漏れ込みを低減することが可能になる。
(第2の実施形態)
発明の第2の実施形態では、第1の実施形態に加え、配線層の上部に複数色のカラーフィルターが配されている場合を説明する。本実施形態では、各画素における入射波長による回折光を受光部へシフトさせ、かつ、カメラレンズ等で決定される最大入射角度を持った主光線での拡散防止膜での減衰を抑えることが可能なように、拡散防止膜9の端部位置を決定する。これにより、さらに集光効率を向上させることができる。
以下、本実施形態を図5を参照して説明する。図5は図4と同じく本実施形態の図3の固体撮像装置の破線B領域での拡大図である。ただし分かりやすいように、各色のカラーフィルタを透過した光線を併せて図示している。
図5中のe,f,gは各画素におけるカラーフィルターの特性に基づき、最も透過することが可能な波長について、回折波の同相の一点を繋いだ様子を示している。またe,f,gの回折光は入射光が配線開口部に到達した時点での強度と同等の強度を有している。例えば入射光線eは波長450nm(青)の回折光、fは波長550nm(緑)の回折光、gは波長650nm(赤)の回折光である。また図中に示す座標原点(x,y)はx=0を上層の拡散防止膜11の端部とし、y=0を下層の拡散防止膜9の表面位置を示している。ここで入射光が配線層及び、拡散防止膜の内側へ回り込む角度、つまり回折角は波長に依存し、青、緑、赤の順に大きくなり、赤が最も大きい。回折角α[ラジアン]は理想的には以下の式3で求めることができる。
回折角α≒λ/Δx (式3)
ここでλが媒質中における波長、Δxは図3に示すように拡散防止膜11の開口幅である。よって、回折角αは波長λが大きくなるほど大きくなる。図5に示すように拡散防止膜9に到達する各回折光の端部の座標を、波長450nm(青)の回折光はe'、 550nm(緑)の回折光はf'、 波長650nm(赤)の回折光はg'とする。式3により回折角αが求まれば、e',f',g'を求めることができる。さらに、x軸上で、カメラレンズ等で決定される最大入射角度θをもって、第2の拡散防止膜11の開口を通過した主光線hの拡散防止膜9への入射領域をL、拡散防止膜9が存在しない時のSi面での入射領域をL'、受光部5の端部までをSとする。
以下の1)乃至5)場合で各色ごとに拡散防止膜の端部の位置を決定すれば、拡散防止膜による回折を受光中心301側へシフトすると共に、拡散防止膜での光の減衰を抑えることができる。以下で、m2は第2の配線層10の受光中心301側の端部位置である。
1) 0≦L<e' かつ、L'<Sの時 : 青:L、緑:L、赤:L
2) e'≦L<f' かつ、L'<Sの時 : 青:m2、緑:L、赤:L
3) f'≦L<g' かつ、L'<Sの時 : 青:m2、緑:m2、赤:L
4) g'≦L かつL'<Sの時 : 青:m2、緑:m2、赤:m2
5) L'>Sの時 青:0、 緑:0、 赤:0
例えば、1)の場合、いずれの回折光よりも主光線hが受光中心301側に位置するので、第1の拡散防止膜9の端部をLに一致させる。これにより、第1の実施形態と同様にして回折光を第1の拡散防止膜9を介してシフトさせることができる。即ち、第1の拡散防止膜9の端部と受光中心301との距離を、主光線hの入射位置と受光中心301との距離に一致させる。2)の場合、青の回折光は、主光線hよりも受光中心301側に位置するので、S>L’であれば回折光であっても受光領域に入射する。そこで第1の拡散防止膜9の端部を受光中心301から隔離してm2まで持ってくる。即ち、第1の拡散防止膜9の端部と受光中心301との距離を、第2の配線層10の端部と受光中心301との距離と一致させる。3),4)の場合も同様である。一方、5)の場合、主光線hの入射領域L’が受光部5から外れてしまうため、第1の拡散防止膜9の端部をできるだけ受光中心301側に持っていき、X軸上の位置を第2の拡散防止膜と一致させる。即ち、第1の拡散防止膜9の端部と受光中心301との距離は、第2の拡散防止膜11の端部と受光中心301との距離と等しくなる。これにより、第1の実施形態で説明したような屈折率の違いに基づくシフト効果を利用して集光を行うようにする。よって、光電変換素子5に面する第1の拡散防止膜9の端部と受光中心301との距離は、第2の配線層10の端部と受光中心301との距離以下であり、かつ、第2の拡散防止膜11の端部と受光中心301との距離以上となる。
以上の1)から4)の条件に対する各色の端部位置は全て下記のように表すことができる。Si表面から第2の拡散防止膜11の底面までの距離をiとすると、最大θの角度を持つ主光線hの拡散防止膜9が存在しない時のSi面での入射領域L'はi*tan({arctan(1/(2F))})で表される。この時、入射角θ[°]=arctan(1/(2F))を用いており、Fは入射光のF値である。
また、第1の拡散防止膜9の表面から第2の拡散防止膜11の底面までの距離をb、第2の拡散防止膜11の開口幅をΔx、入射波長をλとする。このとき最大θの入射角度を持つ主光線hの拡散防止膜9への入射領域L(第2の入射位置)はL=b*tan{arctan(1/2F)}と表される。さらに色毎の回折光線の拡散防止膜9への入射領域(第1の入射位置)を意味するγは式(3)を用いるとγ=b*tan {(λ/(1.46*Δx))*180/π}で表される。ここで、1.46は、シリコン酸化膜14の屈折率を表している。
上記のL'で表される値がSより小さい時、つまり主光線が受光部5に入射する場合を考える。まずL>γである時、つまり拡散防止膜9上において主光線よりも回折光が受光中心301側に存在する時、第1の拡散防止膜9の端部位置は第2の拡散防止膜11の端部位置からX軸上で距離Lだけ離れた位置にする。一方L<γである時、つまり拡散防止膜9上において回折光よりも主光線が受光中心301側に存在する時、第1の拡散防止膜9の端部位置は第2の配線層10の端部に揃える。ここの時、概ねF値は1.0〜10が用いられる。L'>Sの時は全ての画素で拡散防止膜9の端部をX軸の原点Oに揃える。
このように配置することで、最大の角度を持った主光線hが受光領域端部位置S内に入射することが可能な場合は拡散防止膜を配置しない。また主光線hが受光領域端部位置S外に入射する場合は、各入射光による光の回折角度を考慮して決定することが可能となる。
例えば、Δx=1um、下層拡散防止膜9から拡散防止膜11までの高さbを0.5umとすると、
e'=500tan(450*1/1.46/1000*180/π)=0.16um
f'=500tan(550*1/1.46/1000*180/π)=0.2um
g'=500tan(650*1/1.46/1000*180/π)=0.24um
となる。さらにSi面から第2の拡散防止膜11の底面までの高さiを1.3umとすると、主光線のF値が2.8の場合はその最大角度θがarctan(2*Fno)=10°で表される。よって、L=0.1um、L'=0.23umであるから、この場合は1)の場合に該当し、青、緑、赤全ての画素の拡散防止膜9の受光部側への端部は0.1umの位置となる。
このようにして、各画素における入射波長による回折光とカメラレンズ等で決定される最大入射角度を持った主光線を併せて考慮し、拡散防止膜9の端部位置を適宜設定することができる。この手法であれば前述の膜厚制御とは異なり、レイアウト上で容易に設定可能である。
なお、本実施形態では複数の画素が2次元配列してなる撮像部の中心画素を前提としたが、撮像部の対角位置にある画素については、さらに入射角度が大きくなる。よって、主光線hの拡散防止膜9への入射領域Lの値は撮像部のサイズ、つまりチップサイズに応じて変化することとなり、画素領域の中央部から周辺部に向かうほど、値が増大するので、拡散防止膜9の端部位置も合わせて変更される。そこで、同様の指標で各色ごと、チップにおける画素位置に応じて拡散防止膜の端部を決定すれば、拡散防止膜による回折を受光部側へシフトすると共に、拡散防止膜での光の減衰を抑えることができる。
以上に説明した本発明の固体撮像装置によれば、光のSi面での到達位置を受光領域中心方向へシフトさせることが可能となる。また、拡散防止膜の透過光や入光を効果的に集光することができるため、感度低下の抑制や、隣接画素への信号の漏れ込みを低減することが可能になる。さらに、斜め入射光によるチップ周辺部への感度低下を抑制することや、隣接画素への信号の漏れ込みを低減することができる。
1a、1b、1c、1d:転送トランジスタ、2:ソースフォロアトランジスタ、3:リセットトランジスタ、4:マイクロレンズ、5:フォトダイオード(光電変換素子)、6:転送電極、7:フローティングディフュージョン部、8:第1の配線層、10:第2の配線層、9:第1の配線層の拡散防止膜、11:第2の配線層の拡散防止膜、12:n型シリコン基板、13:素子分離層、14:シリコン酸化膜、15:層内レンズ、16:平坦化層、17:カラーフィルタ

Claims (6)

  1. 半導体基板内に、複数の光電変換素子と、該光電変換素子に対応する複数の転送トランジスタと、増幅用トランジスタと、リセットトランジスタとを有する画素回路を2次元アレイ状に複数配置してなる固体撮像装置であって、
    各画素回路は更に、
    前記光電変換素子と、前記転送トランジスタと、前記増幅用トランジスタと前記リセットトランジスタとを接続するための、少なくとも、第1の配線層と第2の配線層とを含む複数の配線層と、
    前記複数の配線層のそれぞれの上面に設けられた拡散防止膜であって、少なくとも前記第1の配線層の上面に設けられた第1の拡散防止膜と前記第2の配線層の上面に設けられた第2の拡散防止膜とを含む拡散防止膜と、
    前記複数の配線層及び前記拡散防止膜を覆う層間絶縁膜と
    を備え、
    前記第2の配線層は、前記第1の配線層よりも上層に配置され、
    前記拡散防止膜の屈折率は、前記層間絶縁膜の屈折率よりも高く、
    前記光電変換素子の中心を通る法線を基準とし、前記光電変換素子に面する前記第2の配線層の端部と前記法線との距離が、該光電変換素子に面する前記第1の配線層の端部と前記法線との距離よりも短い箇所において、
    前記光電変換素子に面する前記第1の拡散防止膜の端部と前記法線との距離が、前記光電変換素子に面する前記第2の配線層の端部と前記法線との距離以下で、かつ、前記光電変換素子に面する該第2の拡散防止膜の端部と前記法線との距離以上となる
    ことを特徴とする固体撮像装置。
  2. 前記画素回路のそれぞれは、前記第2の配線層の上部に、前記光電変換素子に波長の異なる複数種類の光のうちいずれかを提供するためのカラーフィルターを有し、
    前記光電変換素子に面する前記第2の配線層の端部と前記法線との距離が、該光電変換素子に面する前記第1の配線層の端部と前記法線との距離よりも短い箇所において、前記第1の拡散防止膜の端部と前記法線との距離は、該光電変換素子に提供される光の種類に応じて異なることを特徴とする請求項1に記載の固体撮像装置。
  3. 該光電変換素子に提供される光の波長が長いほど、前記第1の拡散防止膜の端部と前記法線との前記距離が短くなることを特徴とする請求項2に記載の固体撮像装置。
  4. 前記画素回路の各光電変換素子について、
    前記第2の拡散防止膜の端部により生ずる回折光の前記第1の拡散防止膜への第1の入射位置と、前記第2の拡散防止膜の開口を通過して前記第1の拡散防止膜へ入射する最大入射角を有する主光線の第2の入射位置とにつき、前記主光線が前記第2の拡散防止膜を通過しない場合に前記光電変換素子に入射する場合において、
    前記第1の入射位置と前記法線との距離が、前記第2の入射位置と前記法線との距離よりも大きい場合に、前記第1の拡散防止膜の端部は前記第2の入射位置と一致し、
    前記第1の入射位置と前記法線との距離が、前記第2の入射位置と前記法線との距離以下の場合に、前記第1の拡散防止膜の端部と前記法線との距離は、前記光電変換素子に面する前記第2の配線層の端部と前記法線との距離に一致する
    ことを特徴とする請求項2に記載の固体撮像装置。
  5. 前記主光線が前記第2の拡散防止膜を通過しない場合に前記光電変換素子に入射しない場合において、前記第1の拡散防止膜の端部と前記法線との距離は、前記第2の拡散防止膜の端部と前記法線との距離に一致することを特徴とする請求項4に記載の固体撮像装置。
  6. 前記画素回路の前記2次元アレイにおける位置が、該2次元アレイの中央部から周辺部へ離れるのに従い、該画素回路において前記第2の入射位置と前記法線との距離が増大することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の固体撮像装置。
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