JP2010287459A - Led照明用モジュール及びこれを用いた照明装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】交流電源と接続されている既存の調光器をそのまま用いて調光可能であり、回路構成の簡素化を図ることによって照明装置を小型化することができるLED照明用モジュール及びこれを用いた照明装置の提供を目的とするものである。
【解決手段】本発明は、照明用電源回路と、この照明用電源回路の出力端子側に接続される複数のLEDとを備えるLED照明用モジュールであって、上記照明用電源回路が、100V商用交流電源を整流して直流電源に変換する高周波整流回路と、上記高周波整流回路の出力端子側に接続される定電流素子とを有し、上記複数のLEDが直列接続されており、複数のLEDの順方向降下電圧の合計値が100V以上140V以下であることを特徴とするLED照明用モジュール及びこれを備える照明装置である。
【選択図】図1
【解決手段】本発明は、照明用電源回路と、この照明用電源回路の出力端子側に接続される複数のLEDとを備えるLED照明用モジュールであって、上記照明用電源回路が、100V商用交流電源を整流して直流電源に変換する高周波整流回路と、上記高周波整流回路の出力端子側に接続される定電流素子とを有し、上記複数のLEDが直列接続されており、複数のLEDの順方向降下電圧の合計値が100V以上140V以下であることを特徴とするLED照明用モジュール及びこれを備える照明装置である。
【選択図】図1
Description
本発明は、LED(発光ダイオード:Light Emitting Diode)を光源とした照明用モジュール及びこれを用いた照明装置に関するものである。
近年、LEDの輝度の向上に伴い、LEDを光源として用いた照明装置が普及してきている。LEDは、電球と比べて消費電力が少なく、蛍光灯と比べて長寿命であるという優れた特徴を備えている。一般的なLED照明装置は、例えば、図4に示すようなLED照明用モジュール101を備えている。このLED照明用モジュール101は、LEDを点灯させるための照明用電源回路102と、1又は複数個が直並列に接続されるLED103とを備えている。照明用電源回路102は、商用電源からの商用交流電流を、ダイオードブリッジ104及び平滑用コンデンサ105によって一旦直流に整流・平滑化した後、スイッチング素子106でスイッチングすることで、絶縁用のトランス107から整流用のダイオード108及び平滑用コンデンサ109を介してLED103へ出力する。
このLED照明用モジュール101によれば、前記LED103を流れる電流の電流値が、当該LED103に直列接続される電流検知抵抗110によって電圧値で検出され、図示しないフォトカプラなどのフィードバック手段を介して、前記スイッチング素子106のスイッチングを制御するPWM制御回路111にフィードバックされる。PWM制御回路111は、前記トランス107において、商用交流側の一次巻線107a及びLED103側の二次巻線107bとともに設けられる三次巻線107cに誘起される電圧をコンデンサ112で平滑化して電源としており、フィードバックされたLED103の電流値に応じて、スイッチング素子106のONデューティを変化することで、前記LED103に流れる電流値を一定に制御する。
一方、従来から用いられている白熱電球の照明器具では、商用電源から照明器具への電源線に位相制御調光器が挿入され、位相制御された交流電圧を白熱電灯に直接印加することによって調光が行われるものが多い。このような調光器の場合、白熱電球の照明器具から上記LED照明用モジュール101を有するLED照明装置に置き換えてそのまま調光を行うと、電流が高周波で入力されるため電源波形が歪み、チラツキが発生したり、内部の電子部品が過負荷になることで照明装置が短寿命となる。そこで、白熱電球の照明器具からLEDを光源とした照明装置に置き換える際には、位相制御調光器を専用の調光器に付け替える必要があり、配線変更の工事等が必要となる。
また、従来の調光器を用いて調光することが可能なLED照明装置は、LED照明用モジュール101において、調光器がPWM制御回路111や、PWM制御回路の電源となるコンデンサ112に対して接続される回路を有しているものがある(例えば、特開2007−234415号公報等参照)。このように交流電源と別に、調光器に接続されたLED照明装置によれば、調光量、即ち抵抗値を大きくすることでコンデンサ112の充電電圧が小さくなり、これによってPWM制御回路111によるスイッチング素子106の前記ONデューティが小さくなる。よって、LED103を流れる電流値が調光器によって定められた一定の調光量となる。しかし、このようなLED照明用モジュール101は調光の際にスイッチング素子106を用いることで、温度上昇が生じやすくなり、このため平滑用コンデンサ109の寿命が極端に減り、やはり、照明装置全体の寿命が短くなるという不都合が存在する。更には、交流電源の入力部と、調光器からの信号入力部が別に存在するために、回路が複雑にならざるを得ないという不都合が存在する。
また、定電流素子を用いてLEDへ流れる電流量を一定とすることによりLED照明モジュールを小型化する技術も提案されているが(例えば、特開2007−189819号公報等参照)、本技術においてもスイッチング素子や、トランスを回路に用いているために、実用化に至る十分な小型化が実現されていない。
本発明はこれらの不都合に鑑みてなされたものであり、交流電源と接続されている既存の調光器をそのまま用いて調光可能であり、回路構成の簡素化を図ることによって照明装置を小型化することができるLED照明用モジュール及びこれを用いた照明装置の提供を目的とするものである。
上記課題を解決するためになされた発明は、
照明用電源回路と、この照明用電源回路の出力端子側に接続される複数のLEDとを備えるLED照明用モジュールであって、
上記照明用電源回路が、
100V商用交流電源を整流して直流電源に変換する高周波整流回路と、
上記高周波整流回路の出力端子側に接続される定電流素子と
を有し、
上記複数のLEDが直列接続されており、複数のLEDの順方向降下電圧の合計値が100V以上140V以下であることを特徴とするLED照明用モジュールである。
照明用電源回路と、この照明用電源回路の出力端子側に接続される複数のLEDとを備えるLED照明用モジュールであって、
上記照明用電源回路が、
100V商用交流電源を整流して直流電源に変換する高周波整流回路と、
上記高周波整流回路の出力端子側に接続される定電流素子と
を有し、
上記複数のLEDが直列接続されており、複数のLEDの順方向降下電圧の合計値が100V以上140V以下であることを特徴とするLED照明用モジュールである。
当該LED照明用モジュールによれば、照明用電源回路が高周波整流回路を有しているため、交流電源と接続されている位相制御方式又はPWM方式等既存の調光器を用いた場合においても、入力される高周波電流の整流が可能であり、チラツキを抑えた調光を行うことができる。また、当該LED照明用モジュールは、照明用電源回路が定電流素子を有していることで、複数のLEDへ流れる電流量を一定にすることができるうえ、モジュール中の各素子の温度上昇を押さえることができるため、モジュールひいてはこれを備える照明装置の長寿命化が実現される。更には、当該LED照明用モジュールによれば、複数のLEDが直列接続されており、複数のLEDの順方向降下電圧の合計値が100V以上140V以下であるため、100V商用交流電源から入力される交流電圧を下げることなく用いることができる。従って、入力電圧を、使用するLEDにあわせて調整するための回路を不要とし、電力効率を高めることができるとともに、モジュールの簡素化及び小型化により照明装置全体を小型化することができる。
上記高周波整流回路が、4個のショットキーバリアダイオードを備えるブリッジ整流器を有していることが好ましい。当該LED照明用モジュールによれば、高周波整流回路が4つのショットキーダイオードを備えるブリッジ整流器を有することで、高周波の交流電源を確実に直流に整流することができる。すなわち、当該LED照明用モジュールによれば、交流電源と接続されている位相制御方式又はPWM方式等既存の外付けの調光器によって高周波にされた交流電源を容易かつ確実に直流にすることができる。従って、当該LED照明用モジュールによれば、既存の調光器を備える交流電源にそのまま接続することができる。
上記定電流素子が、1又は複数の定電流ダイオードからなるとよい。定電流ダイオードは、温度上昇に対して電流を制御する特性を有している。従って、当該LED照明用モジュールによれば、このような定電流ダイオードからなる定電流素子を備えているため、回路の温度が上昇した際に電流量を制御することで、温度上昇を抑えることができ、LED等への負荷を下げ、回路全体の寿命を延ばすことができる。
上記照明用電源回路が、高周波整流回路の入力端子側に接続される保護回路を有し、
この保護回路が、
上記高周波整流回路の入力端子側にそれぞれ接続される一対の金属被膜抵抗、
上記金属被膜抵抗の入力端子側に接続されるヒューズ
及び上記一の金属被膜抵抗とヒューズとの間と、他の金属被膜抵抗の入力端子側とを接続するサージアブソーバを備えていることが好ましい。
この保護回路が、
上記高周波整流回路の入力端子側にそれぞれ接続される一対の金属被膜抵抗、
上記金属被膜抵抗の入力端子側に接続されるヒューズ
及び上記一の金属被膜抵抗とヒューズとの間と、他の金属被膜抵抗の入力端子側とを接続するサージアブソーバを備えていることが好ましい。
当該LED照明用モジュールによれば、保護回路として一対の金属抵抗被膜及びヒューズを備えていることにより定格以上の大電流から回路を保護することができる。また、当該LED照明用モジュールによれば、更に保護回路としてサージアブソーバを備えていることで、避雷やノイズを防ぐことができ、回路の損傷を防ぐとともにLED照明のチラツキを更に低減させることができる。
上記課題を解決するためになされた別の発明は、白熱電球と互換性のある照明装置であって、円錐台形状を有する筐体と、上記筐体の頂部に配設される口金と、上記筐体の底部に覆設される半球状のカバーと、上記LED照明用モジュールとを備え、上記LEDが、上記筐体の底部表面に配設され、上記筐体の底部の直径が、2cm以上8cm以下であることを特徴とする照明装置である。
このように当該LED照明用モジュールを備える照明装置によれば、交流電源と接続されている位相制御方式又はPWM方式の既存の調光器を用いてそのまま調光が可能であるとともに、モジュールの構成が極めて簡単であるため、低コスト化、小型・軽量化を実現することができる。従って、当該照明装置は、調光器が備わっている白熱電球用電源にそのまま用いることができ、白熱電球、具体的には直径2cm以上8cm以下と小型の白熱電球の代替として用いることが可能である。
以上説明したように、本発明のLED照明用モジュールによれば、交流電源と接続されている既存の調光器をそのまま用いて調光することが可能であり、モジュール構成の簡素化が図られることによって照明装置を小型化することができる。従って、これを用いた照明装置によれば、小型の白熱電球の代替として、交流電源と接続されている既存の調光器を用いて使用することができる。
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明のLED照明用モジュール及びこれを用いた照明装置について詳説する。
図1のLED照明用モジュール1は、照明用電源回路2と、この照明用電源回路2の出力端子側に接続される複数のLED3とを備えている。
照明用電源回路2は、100V商用交流電源を整流して直流電源に変換する高周波整流回路4と、この高周波整流回路4の出力端子側に接続される定電流素子5と、上記高周波整流回路4の入力端子側に接続される保護回路6とを主に有している。
複数のLED3は、直列接続されている。このLED3の個数は、商用交流電源の電圧及び各LED3の順方向降下電圧との関係によって定まる。すなわち、LED3の順方向降下電圧の合計値が100V交流電源電圧の実効値(100V)以上、交流電源電圧の最大値(140V)以下となるように、LED3の個数が定まる。本発明においては、100V商用交流電源(実効値100V、最大値約140V)に用いる照明装置に対応するため、順方向降下電圧が14.5VであるLED3が8個、直列に接続されている。
当該LED照明用モジュール1によれば、このように直列接続されている複数のLED3の順方向降下電圧の合計値が交流電源の実効値100V以上、交流電源の最大値140V以下であるため、商用交流電源から入力される交流電圧をスイッチング電源等を用いて下げることなくそのまま用いることができるために、電力効率を高めることができるとともに、回路の単純化により照明装置を小型化することができる。
なお、白熱電球の代替としてLEDを光源とした照明装置を用いる場合、当該LED照明用モジュール1に備わるLED3の個数の下限としては4個が好ましく、6個が特に好ましい。また、LED3の個数の上限としては、18個が好ましく、12個が特に好ましい。LED3の個数が上記下限より小さいと、光源の数が少なく均一な光の照射が困難となる。逆にLED3の個数が上記上限を超えると、回路の簡素化及び照明装置の小型化が困難となる。
なお、このようにLED3の個数を定める場合はそれに伴って、適当な順方向降下電圧を有するLED3を選択する必要がある。例えば、100V交流電源に使用する照明装置としてこのLED照明用モジュールにLED3を10個用いる場合は、順方向降下電圧が10V以上14V以下のものを用いることができる。
また、LED3としては、順電流IFが比較的小さく、高輝度を有するものが好適に用いられる。このLED3の順電流IFの下限としては、10mAが好ましく、20mAが特に好ましい。また、LED3の順電流IFの上限としては、80mAが好ましく、60mAが特に好ましい。LED3が上記範囲の順電流値IFを備えている高輝度LEDであることでLED3の個数を減らしつつ、照明装置としての所望の明るさを提供することができる。本実施例においては、順電流IFが50mAのLED3を8個用いている。なおLED3の順電流IFが上記下限より小さいと、後述する定電流ダイオードにて電流値をコントロールすることが難しくなる。逆に、LED3の順電流IFが上記上限を超えると定格電力が大きくなり、発熱量が増え回路の寿命が低下するおそれがある。
なお、各LED3には、静電気に対する保護素子が内蔵されていることが好ましい。このように、保護素子が内蔵されたLED3によれば、高電圧を有する静電気に対する保護効果が高まり、当該LED照明用モジュール1の長期使用が可能となる。この静電気に対する保護素子としては、ツェナーダイオードが好ましい。LED3にツェナーダイオードが保護素子として並列接続されていることで、当該LED照明用モジュール1の大型化を抑制することができる。
高周波整流回路4は、ブリッジ整流器7と、更にこのブリッジ整流器7の出力端子側に接続される平滑用コンデンサ8とを備えている。
当該LED照明用モジュール1は、この高周波整流回路4を有しているため、交流電源と接続されている既存の位相制御方式又はPWM方式の調光器をそのまま用いた場合においても高周波の整流が可能であり、チラツキを抑えた調光を行うことができる。具体的に説明すると、既存の調光器は、出力する電力量を低減するために、調光器から出力される交流電流は、高周波あるいは波形の一部がカットされた状態となっている。このために、通常の整流回路を用いた場合は、このような交流を完全には整流することができず、LED3においてチラツキが生じる、あるいは平滑用コンデンサへの負担が増加し、温度上昇による平滑用コンデンサの短寿命化が生じることとなる。しかしながら、当該高周波整流回路4によれば、高周波の交流電流を整流することができるため上記の不都合を解消することができる。
ブリッジ整流器7は、4つのショットキーバリアダイオード9から構成されている。このショットキーバリアダイオード9は、逆回復時間が10ns以上1μs以下の高速整流用ダイオードであることが好ましい。ショットキーバリアダイオードとは、金属と半導体との接合によって生じるショットキー障壁を利用したダイオードである。このショットキーバリアダイオードは、多数キャリアによる動作のために、PN接合ダイオードに比べると順方向への電圧降下が低く、スイッチング速度が速いという特性を有している。従ってこのようなショットキーバリアダイオード9からなるブリッジ整流器7によれば、高周波の交流電流を好適に整流することができる。
平滑用コンデンサ8は、ブリッジ整流器7の2つの出力端子間に接続されている。当該平滑用コンデンサ8によれば、ブリッジ整流器7によって整流された電流を平滑化することができる。出力する電流の平滑性は、この平滑用コンデンサ8の静電容量と、この平滑用コンデンサ8に並列接続される抵抗10a及び10bの抵抗によって定まる。従って、当該平滑用コンデンサ8の静電容量は、抵抗10a及び10bの抵抗値とともに、必要とする電流の平滑性によって適宜調整される。本実施例においては、平滑用コンデンサ8は静電容量が10μFのものを採用している。また、抵抗10(10a及び10b)は2個直列接続して用いることに限らず、1個又は3個以上でもよく、平滑用コンデンサ8の静電容量と併せて適宜調整される。
定電流素子5は、並列接続された3つの定電流ダイオード11(CRD:Current Regulative Diode)からなっている。この定電流素子5に、ある電圧以上の電圧を印加すると、印加電圧に関係なく一定の電流が流れる。従って、当該定電流素子5によれば、印加される電圧が電圧変動と順方向電圧のバラツキを吸収し、流れる電流は一定に保たれる。従って、当該LED照明用モジュール1によれば、入力電圧によらず、必要以上の電流がLED3に流れることを防止し、LED3の短寿命化を防ぐことができる。また、このように、当該LED照明用モジュールに定電流素子5が接続されていることで、スイッチング素子を用いることなく、複数のLEDへ流れる電流量を一定にすることができる。即ち従来用いられているスイッチング素子の代替として定電流素子5を用いることにより、モジュールを単純化するとともに、小型化及び軽量化することができる。
更には、この定電流素子5として用いられている定電流ダイオード11は、温度上昇に対して電流を制御する特性を有している。従って、当該LED照明用モジュール1は、回路の温度が上昇した際に電流量を制御することで、温度上昇を抑えることができ、LED3の保護を行うことができる。
本発明に用いられる定電流ダイオード11の仕様は、他の回路素子に応じて適宜設定されるが、本実施例においては、ピンチオフ電流が18mA、肩電圧が4.6Vであるものを用いている。当該LED照明用モジュール1によれば、この仕様の定電流ダイオード11を3本並列に接続することで、54mAの電流をLED3に対して供給することができる。
なお、本LED照明用モジュール1は、定電流素子5と直列接続される抵抗12を更に有している。当該抵抗12によれば、LED3に流入されうる過電流を防止することができ、当該LED照明用モジュール1の安全性を更に高めることができる。当該抵抗12としては、金属被膜抵抗であることが、小型化及び適当な抵抗値を備えている点から好ましい。
保護回路6は、高周波整流回路4の入力端子側にそれぞれ接続される一対の抵抗13(13a及び13b)、この抵抗13の入力端子側に接続されるヒューズ14及び上記一の抵抗13aとヒューズ14との間と、他の抵抗13bの入力端子側とを接続するサージアブソーバ15を備えている。
当該LED照明用モジュール1によれば、保護回路6として一対の抵抗13及びヒューズ14を備えていることにより定格以上の大電流から回路を保護することができる。また当該LED照明用モジュール1によれば、更に保護回路6としてサージアブソーバ15を備えていることで、避雷やノイズ等を防ぐことができ、回路の損傷を防ぐとともにLED照明のチラツキを更に低減させることができる。
抵抗13(13a及び13b)は、LED3の適格電流値等を考慮して、適宜使用を定めることができる。抵抗12としては、金属被膜抵抗であることが、小型化及び適当な抵抗値を備えている点から好ましい。
サージアブソーバ15は、印加電圧によってその抵抗値が変化する電圧依存性抵抗器である。当該サージアブソーバ15によれば、雷等の大電流やノイズからLED照明用モジュール1を守ることができる。当該サージアブソーバ15としては、酸化亜鉛バリスタが好適に用いられる。酸化亜鉛バリスタとは、主原料の酸化亜鉛に複数の添加剤を加えて焼結されたセラミック素子であり、優れた電圧比直線特性と大きな耐電流特性とを備えている。従って、サージアブソーバ15として酸化亜鉛バリスタを用いた当該保護回路6によれば、電圧安定化、パルス電圧の抑制、サージ電圧の吸収及び避雷機能を好適に発揮することができる。
このように当該LED照明用モジュール1によれば、従来のLED照明用モジュール101の照明用電源回路102と比して、保護回路6を備えているにもかかわらず、照明用電源回路2の簡素化を実現することができる。従って、当該LED照明用モジュール1によれば、LEDを光源とした照明装置を小型化することができる。更に、上述のとおり、当該LED照明用モジュール1によれば、交流電源と接続されている既存の調光器を用いて調光することができる。
図2の照明装置21は、筐体22と、上記筐体の頂部に配設される口金23と、上記筐体の底部に配設される基板24と、上記基板に配設されるLED照明用モジュール(LED3以外図示しない)と、上記筐体の底部に覆設される半球状のカバー25とを備えている。
筐体22は、円錐台形状を有し、側壁には複数の放熱フィン26を備えている。筐体22は、口金23、基板24等を配設するベースとなるものである。
この筐体22のサイズとしては、この照明装置21が、白熱電球と互換性を有する必要があるため、既存の白熱電球の筐体と同程度であることが好ましい。この筐体22の具体的なサイズとしては、底部の直径の下限として2cmとされ、3cmが好ましい。また、筐体22の底部の直径の上限としては、8cmとされ、6cmが好ましい。当該照明装置は、上述のとおり簡素化された構成を有するLED照明用モジュール1を備えているために、このような小型の白熱電球サイズの大きさで好適に用いることができる。筐体22の底部の直径が上記下限より小さいと、LED照明用モジュール1、特に複数のLED3を適当に配設することができない。逆に、筐体22の底部の直径が上記上限を超えると、照明装置が大型化され、簡素化された構成を有するLED照明用モジュール1を配設する効果が低減することとなる。
筐体22は、単一素材から一体形成されている。筐体22の材質としては金属が好ましく、比熱が0.7J・g−1・K−1以上1.2J・g−1・K−1以下であり、熱伝導率は160W・m−1・K−1以上400W・m−1・K−1以下である金属が特に好ましい。
筐体22の材質が上記範囲の比熱及び熱伝導率を有する金属であることで、LED3が発する熱量を筐体22全体で十分かつ一様に吸収かつ放熱することができ、LED3及び照明装置21の温度上昇を抑制することができる。筐体22の比熱が上記範囲未満の場合は、照明装置使用時に筐体22の温度が急激に高くなるため、LED3の発光効率や寿命が低下する。筐体22の比熱が上記範囲を超えると、高温になった筐体22の温度を下げるのに時間を要してしまうためにLED3の寿命が低下するとともに、使用後しばらく経過した後に作業者が当該照明装置21を触った際にも十分な熱を有しているため火傷等の危険性が生じる。また、筐体22の熱伝導率が上記範囲未満であると、熱伝導が不十分でLED3から発生した熱による温度上昇がLED3周辺のみになるため、LED3の発光効率や寿命が低下する。筐体22の熱伝導率が上記範囲を超えると、当該照明装置21に備えられる他の電気回路等の急激な温度上昇を招き、当該照明装置の長期信頼性が低下する。従って、上記範囲の比熱及び熱電伝導率を有する当該筐体22によれば、LED3から発生する熱を適当な速度で筐体22全体に分散させつつ、外気との温度差により筐体22表面全体から効率的に放熱させることができる。
このような条件を満たす筐体22の具体的素材としては、アルミニウムやアルミニウム合金が好適に用いられる。これらは、形状加工が容易であり、量産性に優れた性質を有している。特に、放熱フィン26を押出形成技術により成形することができ、量産性に優れたものとすることができる。
また、筐体22は、中空構造を有してることも好ましい。このように筐体22が中空構造を有していることで、照明装置21の軽量化を図ることができるとともに、熱容量の減少により放熱効率を更に高めることができる。
放熱フィン26は突条形状を有し、軸方向に略等間隔に複数形成されている。側壁に形成される複数の放熱フィン26によれば、筐体22の表面積が広がり、LED3の使用により発生した熱を効率的に放散させることができる。従って、当該手段によれば、LED3の温度上昇による発光効率の低下、及びデバイス寿命の低下を防ぐことができるため、当該照明装置21の輝度の低下を防ぐとともに、長期信頼性や安全性を高めることができる。
放熱フィン26のサイズは、筐体22のサイズに応じて適宜設定されるが、高さが1mm以上10mm以下、それぞれの放熱フィン26間の間隔が0.5mm以上5mm以下であることが好ましい。このような放熱フィン26のサイズにすることにより、筐体22の表面積が確実に増加し、発生した熱を効率的に放散させることができる。
口金23は、商用交流電源から電力を取り入れるものであり、LED照明用モジュール1と電気的に接続されている。口金23のサイズとしては、通常の小型の白熱電球に用いられるものをそのまま用いることができ、例えば、E17やE26のサイズのものが好適に用いられる。
基板24には、LED照明用モジュールが配設されており、筐体22の底部よりも一回り小さい円形形状を有している。図3に示されるように、LED照明用モジュールのうち8つのLED3が基板24の表面側に配設されている。なお、この8つのLED3は、図3に示されるように、45°ずつ等角度に配設されている。更には、この8つのLED3は、1個置きに4個のLED3が一つの円周上に等間隔に配設され、残りの4個のLED3が、上記の円から一回り小さい円の円周上に等間隔に配設されている。8つのLED3が上記の用に配設されていることにより、小さい面積に効率よく配設することができるため、照明装置21の小型化が実現できる。また、当該照明装置21によればこのようにLED3が等間隔に配設されていることで、均一な照明光を照射させることができる。更には、このようにLED3が全て適度な間隔を保って配設されていることで、LED3の発熱による基板24等の温度上昇を抑制することができる。なお、LED照明用モジュールに備わる照明用電源回路(図示しない)は、基板24の裏面側に配設されている。
カバー25は、半球状の形状を有している。カバー25のサイズは、半径が筐体22の底部の半径と等しくなるように設定されている。カバー25の色は、LED3から発光された光線を透過させる必要があるため透明又は乳白色であることが好ましく、乳白色であることが特に好ましい。このようにカバー25の色を乳白色とすることで、適度な輝度を保ちつつ強い刺激を抑え優しい風合いを備える照射光を提供することができる。特に、カバー25の色が乳白色である当該照明装置21によれば、小型の白熱電球が一般的に多用され、強い刺激を抑え優しい風合いを備える照射光を採用するホテルやレストラン等において好適に用いることができる。
照明装置21は、更に、筐体22の底部周縁に周設される円形の遮光壁27を有している。この遮光壁27は、円形形状を有する基板24よりも一回り大きい内径と、筐体22の底部とほぼ等しい外径とを有している。また、当該遮光壁27の高さは、図2に示されるように、基板24の表面に配設されるLED3よりも高く形成されている。当該遮光壁27によれば、横方向(筐体22の底部水平方向)に出射するLED3からの光線を遮断することができる。LED3は、通常水平方向にも比較的輝度の高い光線を出射するが、当該遮光壁27を備える照明装置21によれば、この水平方向の光線を遮断することで、強い刺激を抑え、優しい風合いを備える照射光を提供することができる。
このように当該照明装置21によれば、簡素化されたLED照明用モジュール1を備えることで、小型化が可能であり、小型の白熱電球の代替として使用することができる。また、この照明装置21は、LED照明用モジュール1を備えているため、交流電源と接続されている既存の調光器にそのまま接続することで、照明光がちらつくこと無く、良好な状態で調光されることができ、調光器の使用により照明装置の寿命が低下することも防止される。
なお、本LED照明用モジュール及びこれを用いた照明装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、既存の位相制御方式あるいはPWM方式の調光器を回路に組み込んで照明装置と一体として用いることもできる。また、蛍光灯と代替可能な照明装置に当該LED照明用モジュールを用いることも可能である。更には、LED照明用モジュールを用いた照明装置において、照明用電源回路を有する基板を筐体内に備えることもできる。
以上のように、本考案のLED照明用モジュールは、交流電源と接続されている既存の調光器を用いてそのまま調光可能であり、回路構成の簡素化が図られていることによって照明装置を小型化することができる。従って、このLED照明用モジュールを用いた照明装置によれば、既存の小型白熱電球の代替として好適に利用することができる。
1 LED照明用モジュール
2 照明用電源回路
3 LED
4 高周波整流回路
5 定電流素子
6 保護回路
7 ブリッジ整流器
8 平滑用コンデンサ
9 ショットキーバリアダイオード
10 抵抗
11 定電流ダイオード
12 抵抗
13 抵抗
14 ヒューズ
15 サージアブソーバ
21 照明装置
22 筐体
23 口金
24 基板
25 カバー
26 放熱フィン
27 遮光壁
2 照明用電源回路
3 LED
4 高周波整流回路
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6 保護回路
7 ブリッジ整流器
8 平滑用コンデンサ
9 ショットキーバリアダイオード
10 抵抗
11 定電流ダイオード
12 抵抗
13 抵抗
14 ヒューズ
15 サージアブソーバ
21 照明装置
22 筐体
23 口金
24 基板
25 カバー
26 放熱フィン
27 遮光壁
Claims (5)
- 照明用電源回路と、この照明用電源回路の出力端子側に接続される複数のLEDとを備えるLED照明用モジュールであって、
上記照明用電源回路が、
100V商用交流電源を整流して直流電源に変換する高周波整流回路と、
上記高周波整流回路の出力端子側に接続される定電流素子と
を有し、
上記複数のLEDが直列接続されており、複数のLEDの順方向降下電圧の合計値が100V以上140V以下であることを特徴とするLED照明用モジュール。 - 上記高周波整流回路が、4個のショットキーバリアダイオードを有するブリッジ整流器を備えている請求項1に記載のLED照明用モジュール。
- 上記定電流素子が、1又は複数の定電流ダイオードからなる請求項1又は請求項2に記載のLED照明用モジュール。
- 上記照明用電源回路が、高周波整流回路の入力端子側に接続される保護回路を有し、
この保護回路が、
上記高周波整流回路の入力端子側にそれぞれ接続される一対の金属被膜抵抗、
上記金属被膜抵抗の入力端子側に接続されるヒューズ、及び
上記一の金属被膜抵抗とヒューズとの間と、他の金属被膜抵抗の入力端子側とを接続するサージアブソーバ
を備えている請求項1、請求項2又は請求項3に記載のLED照明用モジュール。 - 白熱電球と互換性のある照明装置であって、
円錐台形状を有する筐体と、
上記筐体の頂部に配設される口金と、
上記筐体の底部に覆設される半球状のカバーと、
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のLED照明用モジュールと
を備え、
上記LEDが、上記筐体の底部表面に配設されており、
上記筐体の底部の直径が、2cm以上8cm以下であることを特徴とする照明装置。
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