JP2010287413A - 携帯用電子機器の押釦スイッチ用キートップ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】様々な文字や模様等のパターンの形状の透光性部分を有する照光式のキートップを、めっき層の形成及びそのレーザー加工によって容易に得ることのできる照光式キートップの製造方法を得る。
【解決手段】透光性部分と、不透光性部分とを有する、携帯用電子機器の押釦スイッチ用照光式キートップの製造方法であって、透光性基板の一方の面をマスキングする工程と、透光性基板の他方の面に無電解めっき層を形成する工程と、レーザー光を照射して、無電解めっき層の少なくとも一部を剥離することにより、透光性部分を形成する工程と、無電解めっき層上に、少なくとも1層の電解めっき層を形成することにより、不透光性部分を形成する工程とを含む、照光式キートップの製造方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は、携帯電話機や携帯情報端末装置(PDA:Personal Digital Assistance)を始めとする携帯用電子機器の押し釦スイッチ用キートップの製造方法及びその製造方法により製造されるキートップに関する。
携帯電話機や携帯情報端末装置(PDA)を始めとする携帯用電子機器の押釦スイッチに用いるキートップとして、照光式のキートップが広く用いられている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に開示される照光式キートップは、裏面に凹状の光反射溝と遮光部とが形成された透光性の硬質樹脂のキートップからなる。そして、キートップの裏面側の基板上に設けられたLED素子から放たれた光がキートップの側方からキートップ内部に入り、光反射溝によって表面へ反射されることにより、光反射溝による文字、数字などの表示要素が際立つように照光されるようになっている。
また、照光式のキートップを用いるキーユニットとして、例えば特許文献2には、略シート状をしたシリコーンゴム製又は柔軟で透光性を有する熱可塑性エラストマー製のキーパッド上に多数のキートップが配置され、光源からの光によって各キートップの文字・記号等が照光されるようにした、携帯電話機等のモバイル機器に用いられるキーユニットが開示されている。さらに特許文献2には、このキーユニットにおいて、上記キートップのうち少なくとも1つは、透明な硬質樹脂から成る本体の底面を除く天面及び/又は側面が金属膜によって覆われた構造を有し、上記キートップは、レーザー光の照射によって被照射部分の金属膜が除去されて文字・記号等の所定のパターンが形成されると共に、該文字・記号等の所定のパターンから光が導出することによって照光されることを特徴とするキーユニットが開示されている。
特開2007−26837号公報 国際公開第2004/038746号
携帯用電子機器の押し釦スイッチ用キートップには、文字、数字及び模様等の表示のために、様々な形状のパターンを形成することが必要である。また、同じ文字や数字であっても、異なるデザインのものがあるので、文字、数字及び模様等並びにそのデザインに応じて、キートップ上のパターンの形状を変更することが必要である。しかしながら、従来技術においては、パターンの形状を変更することは容易ではない。また、引用文献2には、レーザー光の照射によって被照射部分の金属膜が除去されて文字・記号等の所定のパターンが形成されることが記載されているが、厚い金属膜をレーザー光の照射によって除去することは容易ではない。そこで、本発明は、様々な文字や模様等のパターンの形状の透光性部分を有する照光式のキートップを、めっき層の形成及びそのレーザー加工によって容易に得ることのできる照光式キートップの製造方法を得ることを目的とする。
本発明は、透光性部分と、不透光性部分とを有する、携帯用電子機器の押釦スイッチ用照光式キートップの製造方法であって、透光性基板の一方の面をマスキングするマスキング工程と、透光性基板の他方の面に無電解めっき層を形成する無電解めっき工程と、レーザー光を照射して、無電解めっき層の少なくとも一部を剥離することにより、透光性部分を形成するレーザー加工工程と、無電解めっき層上に、少なくとも1層の電解めっき層を形成することにより、不透光性部分を形成する電解めっき工程とを含む、照光式キートップの製造方法である。
本発明の製造方法では、透光性部分を形成する位置に存在する無電解めっき層を、レーザー光を用いて剥離(レーザー加工)する。無電解めっき層の膜厚は薄いので、レーザー加工による剥離は容易である。また、このとき、透光性部分の形状に合わせてレーザー光を照射することにより、透光性部分を任意の形状とすることができる。したがって、照光式のキートップが、様々な文字や模様等のパターンの透光性部分を有する場合であっても、透光性部分の形状にレーザー光を走査することにより、所定の照光式のキートップを容易に得ることができる。
また、本発明の製造方法では、透光性基板の一方の面をマスキングすることにより、マスキングした面へのめっき層の形成を防止することができる。また、本発明の製造方法では、無電解めっき工程と電解めっき工程とを併用することにより、照光式キートップの不透光性部分を得るために十分な膜厚のめっき層を得ることができる。
本発明の照光式キートップの製造方法の好ましい態様を以下に示す。本発明では、これらの態様を適宜組み合わせることができる。
(1)無電解めっき層を構成する金属は、銅又はニッケルを用いることが一般的であるが、昨今ニッケルによる金属アレルギーが問題となっていることから銅を用いことが好ましい。銅の無電解めっきを用いるならば、比較的均一な膜厚のめっき層の形成を比較的低コストで行うことができる。
(2)レーザー光は、YAGレーザー又はYVO4レーザーにより生成されるレーザー光であることが好ましい。レーザー光は無電解めっき層の剥離のために十分な強度及び適切な波長を有することから、無電解めっき層の剥離を確実に行うことのできるためである。
また、本発明は、上述の本発明の製造方法により製造される携帯用電子機器の押釦スイッチ用照光式キートップである。本発明の製造方法を用いて携帯用電子機器の押釦スイッチ用照光式キートップを製造することにより、様々な文字や模様等のパターンの形状の透光性部分を有する照光式キートップを容易に得ることができる。
本発明によれば、様々な文字や模様等のパターンの形状の透光性部分を有する照光式のキートップを、めっき層の形成及びそのレーザー加工によって容易に得ることができる。
本発明の製造方法によって製造することのできる照光式キートップの一例の断面模式図である。 透光性基板の一方の面をマスキングした状態を示す断面模式図である。 透光性基板の他方の面に無電解めっき層を形成した状態を示す断面模式図である。 無電解めっき工程の後にマスキング層を剥離した状態を示す断面模式図である。 レーザー光を用いて無電解めっき層を剥離する際の断面模式図である。 1層の電解めっき層を無電解めっき層上に形成した状態を示す断面模式図である。 本発明の照光式キートップの製造方法の好ましい具体的手順の一例を示すフロー図である。
本発明は、携帯電話機や携帯情報端末装置等の携帯用電子機器の押釦スイッチ用照光式キートップ10の製造方法に関する。図1に、本発明の製造方法によって製造することのできる照光式キートップ10の一例の断面模式図を示す。図1に示すキートップは、透光性部分12と、不透光性部分とを有する。不透光性部分とは、透光性基板20の表面がめっき層に覆われている部分のことをいう。図1の例では、めっき層が、無電解めっき層24及び二つの電解めっき層(第一電解めっき層26及び第二電解めっき層28)からなる場合を示している。めっき層は光を透過しないので不透光性部分となる。すなわち、めっき層が存在しない透光性部分12のみ光が透過し、透光性部分12となる。また、めっき層を形成する面と反対側の面にはめっき層を一切形成しないので、光は反対側の面で遮られることなく透光性部分12を透過することができる。
照光式キートップ10では、透光性部分12を光が透過することにより、文字や模様の形状のパターンを表示することができる。文字や模様の形状のパターンには、様々な形状があるので、照光式キートップ10の設計の自由度を増すために、容易にパターンを変更することが求められている。本発明の照光式キートップ10の製造方法を用いるならば、後述するレーザー光40を用いて、無電解めっき層24に対して所定のレーザー加工を行うことにより、任意のパターンの透光性部分12を形成することができる。
本発明の照光式キートップ10の製造方法の好ましい具体的手順の一例を、図7に示す。本発明の照光式キートップ10の製造方法は、マスキング工程(S01)と、無電解めっき工程(S12)と、レーザー加工工程(S15)と、電解めっき工程(S18)とを含む。
また、本発明の照光式キートップ10の製造方法では、上述の工程(S01、S12、S15及びS18)以外に、脱脂処理(S02)、エッチング処理(S04)、中和処理(S06)、キャタリスト処理(S08)、アクセレーター処理(S10)及び活性化処理(S16)等の処理を、適宜行うことができる。さらに、上述の各工程及び処理の他に、適宜、洗浄及び乾燥等を行うことができる。以下、本発明の製造方法について詳しく説明する。
<マスキング工程>
本発明の照光式キートップ10の製造方法は、透光性基板20の一方の面をマスキングするマスキング工程を含む。
図2に、透光性基板20の一方の面をマスキングした状態を示す断面模式図を示す。透光性基板20の一方の面をマスキングすることにより、後の無電解めっき工程において、マスキングした面に対する無電解めっき層24の形成を防止することができる。
本発明の照光式キートップ10の製造方法において、透光性基板20としては、透光性を有する任意の絶縁性の樹脂基板を用いることができる。樹脂基板の材質として使用される樹脂材料としては、例えば、ABS樹脂基板、ポリカーボネート(PC)系樹脂、ポリエチレンテフタレート(PET)系樹脂、ポリブチレンテフタレート(PBT)系樹脂、ナイロン系樹脂、プロポリプレン(PP)系樹脂、フッ素(PFA/FEP)系樹脂、ポリオリフィン系樹脂を始めとするあらゆる樹脂を用いることができ、これらの樹脂の混合物を用いることができる。表面への無電解めっき層24の形成が容易であることから、アクリロニトリル、ブタジエン及びスチレンの三成分の共重合合成樹脂を材料としたABS樹脂基板を用いることが好ましい。
本発明の照光式キートップ10の製造方法のマスキング工程では、透光性基板20の一方の面をマスキングする。本明細書において、「透光性基板20の一方の面」とは、透光性基板20の一つの面であって、マスキング工程においてマスキングする面のことをいう。一方の面に対してマスキングをすることにより、無電解めっき層24を形成する無電解めっき工程において、透光性基板20の一方の面に無電解めっき層24を形成することを防止することができる。
マスキングは、公知の方法を用いて行うことができる。例えば、マスキングは、マスキング用テープを貼り付けることにより行うことができる。また、マスキングは、マスキング剤を塗布することにより行うことができる。マスキング用テープ及びマスキング剤等は、商業的に入手可能なものを適宜用いることができる。また、耐酸性、対アルカリ性に優れるものであれば、マスキング用途に特化したものでなくても既存の塗装・印刷用の塗料・インクを使用することも可能である。本明細書において、マスキングにより形成された層を、「マスキング層22」という。
<無電解めっき工程>
本発明の照光式キートップ10の製造方法は、透光性基板20の他方の面に無電解めっき層24を形成する無電解めっき工程を含む。
図3に、透光性基板20の他方の面に無電解めっき層24を形成した状態を示す断面模式図を示す。ここで「透光性基板20の他方の面」とは、上述のマスキング工程でマスキング層22を形成した「一方の面」とは反対の面のことを意味する。本発明において、無電解めっき工程では、透光性基板20の一方の面をマスキングしているので、透光性基板20の一方の面には無電解めっき層24が付着することはない。したがって、透光性基板20の他方の面にのみ、無電解めっき層24を形成することができる。
図4に断面模式図を示すように、マスキング層22は無電解めっき工程の後に剥離されるので、そのため、無電解めっき層24はマスキング層22上にも形成されてもよい。また、無電解めっき層24が形成しにくい材料をマスキング層22の材料として選択することにより、無電解めっき層24がマスキング層22上に形成されないようにしてもよい。いずれの場合でも、無電解めっき工程では、マスキング工程においてマスキングした透光性基板20の一方の面には、無電解めっき層24は形成されない。
無電解めっき工程において形成する無電解めっき層24は、銅の無電解めっき層24であることが好ましい。銅の無電解めっきは、比較的均一な膜厚のめっき層を比較的低コストで形成することができるためである。
無電解めっき層24の膜厚が薄すぎると、無電解めっき層24上に電解めっき層を形成する際の電気抵抗が高くなり、電解めっき層の形成が困難となる。また、無電解めっき層24の膜厚が厚すぎると、無電解めっき層24の形成に時間がかかり、無電解めっき層24の材料の消費量が増えるため不経済である。また、レーザー加工工程においてレーザー光40による無電解めっき層24の剥離が困難となる恐れがある。したがって、無電解めっき層24の膜厚は、0.1〜5.0μmであることが好ましく、0.3〜1.0μmであることがより好ましい。無電解めっき層の膜厚は薄いので、レーザー加工による剥離(レーザーエッチング)は容易である。
無電解めっき層24の形成を容易にするために、無電解めっき工程の前に前処理を行うことが好ましい。無電解めっき層24を形成する前の前処理としては、脱脂処理(S02)、エッチング処理(S04)、中和処理(S06)、キャタリスト処理(S08)及びアクセレーター処理(S10)等の処理を行うことができる。
無電解めっき層24を容易に、確実に形成するために、無電解めっき層24を形成する前の前処理としては、図7に示すように、脱脂処理(S02)、エッチング処理(S04)、中和処理(S06)、キャタリスト処理(S08)及びアクセレーター処理(S10)の全てを行うことが好ましい。また、各前処理の際に透光性基板20表面の汚染によって美観が損なわれることを防止するために、各前処理の前後には、洗浄を行うことが好ましい。また、酸又はアルカリを用いた処理の後には、中和処理を行うことが好ましい。
脱脂処理(S02)とは、透光性基板20の表面に付着している油脂等の汚染を除去し、ぬれ性を改善する処理である。脱脂処理を行うことにより、均一な無電解めっき層24を得ることができる。脱脂処理は、アルコール等の公知の有機溶媒を用いて汚染を除去することにより行うことができる。
エッチング処理(S04)とは、透光性基板20の表面をエッチングすることにより、粗面を形成する処理のことである。エッチング処理を行うことにより、透光性基板20表面に対する無電解めっき層24の付着強度を高くすることができる。エッチング処理としては、例えばクロム酸エッチングを行うことにより、ABS樹脂基板等の透光性基板20表面に微小な凹凸を有する粗面を形成することができる。
キャタリスト処理(S08)とは、無電解めっきの核となる触媒金属を吸着させる処理である。キャタリスト処理を行うことにより、透光性基板20表面に付着したパラジウムが反応触媒となり、比較的速い成膜速度で均一な膜厚の無電解めっき層24を得ることができる。キャタリスト処理は、例えば、パラジウム−スズ錯体を用いて行うことができる。
アクセレーター処理(S10)とは、透光性基板20表面に付着したパラジウム−スズ錯体のうちスズ塩を溶解させ、酸化還元反応により透光性基板20表面に金属パラジウムを生成する処理である。透光性基板20表面に金属パラジウムを生成することにより、無電解めっきの際の反応を促進することができる。アクセレーター処理は、公知のアクセレーター液を用いて行うことができる。
<レーザー加工工程>
本発明の照光式キートップ10の製造方法は、レーザー光40を照射して、無電解めっき層24の少なくとも一部を剥離することにより、透光性部分12を形成するレーザー加工工程を含む。
図5に、レーザー光40を用いて無電解めっき層24を剥離する際の断面模式図を示す。照光式キートップ10を製造するためには、文字や模様の部分に相当する所定のパターンとなるように、透光性部分12を形成することが必要である。そのために、レーザー加工工程において、レーザー光40を無電解めっき層24のうち所定のパターンの形状となる部分に照射し、その部分の無電解めっき層24を剥離する。
所定のパターンの形状となる部分にレーザー光40を照射するために、所定の透光性部分12のみにレーザー光40を照射することのできるレーザー光40照射のための光学系を用いることが必要である。そのために、本発明の製造方法では、レーザー光40を所定の位置のみに走査しながら照射することができる機構を用いることができる。また、所定の透光性部分12の開口形状を有するマスクを用いてレーザー光40を照射することができる。
所定のパターンの形状に対するレーザー光40の照射を容易に行うために、レーザー光40の照射には、レーザー光40を所定の位置のみに対して走査しながら照射することができる走査機構を用いることが好ましい。このような走査機構を有するレーザー光発生装置は商業的に入手可能である。また、このような走査機構は、レーザー光発生装置の外部に別途配置することもできる。また、様々なデザインの透光性部分12を有する照光式のキートップ10を容易に得るために、レーザー光40を走査して照射する形状を、コンピュータ制御により任意に選択することのできる走査機構を有することが好ましい。このようなレーザー光40の照射機構を用いることにより、レーザー光40を任意のパターンの形状となるように照射し、照射した部分の無電解めっき層24を剥離することができる。そのため、本発明の製造方法を用いるならば、様々なデザインの透光性部分12を有する照光式のキートップ10を容易に得ることができる。
レーザー光40は、無電解めっき工程において形成した無電解めっき層24を剥離することのできるものであれば、どのような種類のものであっても用いることができる。無電解めっき層24の剥離を確実に行うことのできるレーザー光40強度及び波長を有することから、レーザー光40は、YAGレーザー又はYVO4レーザーにより生成されるレーザー光40であることが好ましい。YAGレーザー又はYVO4レーザーを発生するためのレーザー光発生装置は、公知の商業的に入手可能なものを適宜用いることができる。例えば、レーザー光発生装置としては、ロフィン(ROFIN)社製YAGレーザー「RSM10E」を用いることができる。
無電解めっき層24の材料の種類、膜厚及びレーザー光40の種類に応じて、無電解めっき層24の剥離を確実にするために、レーザー光40の強度、パルス周波数、走査速度及びビーム径等を適宜調節して用いることができる。具体例としては、ロフィン(ROFIN)社製YAGレーザー「RSM10E」を用いた場合には、パルス周波数8,000Hz及び走査速度260mm/秒の条件で、適切なレーザー光40の強度を選択して用いることができる。適切なレーザー光40の強度とは、レーザー光40を照射したときに、無電解めっき層24を剥離することができるが、透光性基板20にはダメージを与えないレーザー光40の強度のことを意味する。
レーザー加工工程の前の前処理として、表面の汚染により表面の美観が損なわれることを防止するために、無電解めっき層24の洗浄及び乾燥を行うことが好ましい。
<電解めっき工程>
本発明の照光式キートップ10の製造方法は、無電解めっき層24上に、少なくとも1層の電解めっき層を形成することにより、不透光性部分を形成する電解めっき工程を含む。
図6に、無電解めっき層24上に1層の電解めっき層(第一電解めっき層26)を形成した状態の断面模式図を示す。無電解めっき層24は一般に薄いので、照光式キートップ10の不透光性部分を得るために十分な膜厚を得ることが困難な場合がある。電解めっき法を用いると、電流の流れることのできる表面のみに電解めっき層を形成することができるので、無電解めっき層24上に照光式キートップ10の不透光性部分を得るために十分な膜厚のめっき層(無電化めっき層及び電解めっき層)を得ることができる。すなわち、樹脂基板は絶縁性なので、本発明の照光式キートップ10の製造方法の場合には、レーザー加工工程においてレーザー光40が照射されずに残った無電解めっき層24の上のみに電解めっき層を形成することができる。
電解めっきによるめっき層の形成は、同じ膜厚の無電解めっき層24を形成する場合と比較して、低コストかつ短時間で行うことができる。一方、無電解めっきの長所は、絶縁性の基板に対しても均一にめっき層を形成することができることにある。そのため、電解めっきと無電解めっきとを組み合わせることにより、短時間で、安価に、均一なめっき層を形成することができる。
電解めっき工程において、少なくとも1層の電解めっき層を無電解めっき層24上に形成する。電解めっき層の金属の種類は、意匠性や耐久性等を考慮して、種々の金属(単体の金属又は金属合金)から適宜選択することができる。例えば、電解めっき層は、ブロンズ、ニッケル及びクロム等の金属から適宜選択した金属を用いて形成することができる。ただし、前述したようにニッケルによる金属アレルギーが問題となっているため、電解メッキ層に用いる金属としてもニッケルを使用しないことが好ましい。金属アレルギーの問題を発生せず、高い意匠性及び耐久性を有するキートップ10を得るために、電解めっき層は、ニッケル以外の適宜な金属の電解めっき層及びクロム電解めっき層の2層を形成することが好ましい。また、ニッケル以外の金属であっても、金属アレルギーの問題を発生する金属をめっき層に使用しないことが好ましい。すなわち、図1に示す構造のキートップ10において、第一電解めっき層26はニッケル以外の適宜な金属の電解めっき層、例えばブロンズの電解めっき層であり、第二電解めっき層28はクロム電解めっき層であることが、金属アレルギーの問題を発生せずに高い意匠性及び耐久性を得ることができる点から好ましい。また、ブロンズの電解めっき層を形成する場合には、ブロンズに含まれる銅及びスズの重量割合は、めっき容易性及び装飾性等の点から適宜選択することができる。また、ブロンズには、銅及びスズ以外の添加物金属等を含むことができる。
電解めっき層を形成するための電解めっきの方法としては、公知の電解めっき法を用いることができる。また、電解めっきに用いる装置としては、商業的に入手可能な公知の電解めっき装置を用いることができる。また、電解めっきに用いる電解めっき液も公知であるので、金属の種類に応じて商業的に入手可能なめっき液を適宜選択して用いることができる。
電解めっき層を形成する前の前処理としては、活性化処理を行うことができる。活性化処理とは、透光性基板20上に形成された無電解めっき層24表面の自然酸化膜などの不導体被膜を除去する処理のことである。活性化処理を行うことにより、無電解めっき層24表面の導電性を向上することができ、均一な電解めっき層を形成することができる。活性化処理は、例えば所定の濃度の塩酸水溶液に無電解めっき層24表面を浸漬して不導体被膜を除去することにより行うことができる。
活性化処理の際に透光性基板20表面が汚染されることにより、表面の美観が損なわれるおそれがあるために、活性化処理の後には、洗浄を行うことが好ましい。
上述の工程及び必要に応じて各処理を行うことにより、図1に断面模式図を示すような透光性部分12と不透光性部分とを有する携帯用電子機器の押釦スイッチ用照光式キートップ10を得ることができる。
<具体的手順の一例>
図7は、本発明の照光式キートップ10の製造方法の好ましい具体的手順の一例を示すフロー図である。図7のフロー図に示す製造方法に従うならば、マスキング工程(S01)、脱脂処理(S02)、洗浄(S03)、エッチング処理(S04)、洗浄(S05)、中和処理(S06)、洗浄(S07)、キャタリスト処理(S08)、洗浄(S09)、アクセレーター処理(S10)、洗浄(S11)、無電解めっき工程(S12)、洗浄(S13)、乾燥(S14)、レーザー加工工程(S15)、活性化処理(S16)、洗浄(S17)及び電解めっき工程(S18)をこの順番で行うことができる。また、マスキング層22の剥離は、無電解めっき工程(S12)より後の任意のタイミングで行うことができる。
本発明の照光式キートップ10の製造のために図7に示す製造方法を用いるならば、製造の際の各ステップでの汚染を防止し、高い意匠性や耐久性を有する照光式キートップ10を得ることができる。
本発明の製造方法によって製造された照光式キートップ10は、透光性部分12と、不透光性部分とを有し、透光性部分12を任意のパターンの形状とすることが容易である。本発明の製造方法によって製造することのできる照光式キートップ10は、携帯電話機や携帯情報端末装置等の携帯用電子機器の押釦スイッチ用照光式キートップとして用いることができる。一般的に、照光式キートップを用いる場合には、パターン形成面が携帯用電子機器の表面となるように照光式キートップを配置する。しかしながら、キートップの配置はそれに限定されず、パターン形成面とは反対側の面が携帯用電子機器の表面となるように照光式キートップを配置することもできる。
また、本発明の照光式キートップ10の製造方法は、携帯電話機や携帯情報端末装置等の携帯用電子機器の他の部品であって、照光する部分を必要とする部品を製造するために用いることもできる。
10 キートップ
12 透光性部分
20 透光性基板
22 マスキング層
24 無電解めっき層
26 第一電解めっき層
28 第二電解めっき層
40 レーザー光
42 照光

Claims (4)

  1. 透光性部分と、不透光性部分とを有する、携帯用電子機器の押釦スイッチ用照光式キートップの製造方法であって、
    透光性基板の一方の面をマスキングするマスキング工程と、
    透光性基板の他方の面に無電解めっき層を形成する無電解めっき工程と、
    レーザー光を照射して、無電解めっき層の少なくとも一部を剥離することにより、透光性部分を形成するレーザー加工工程と、
    無電解めっき層上に、少なくとも1層の電解めっき層を形成することにより、不透光性部分を形成する電解めっき工程と
    を含む、照光式キートップの製造方法。
  2. 無電解めっき層が、銅の無電解めっき層である、請求項1記載の照光式キートップの製造方法。
  3. レーザー光が、YAGレーザー又はYVO4レーザーにより生成されるレーザー光である、請求項1又は2記載の照光式キートップの製造方法。
  4. 請求項1〜3記載の製造方法により製造される、携帯用電子機器の押釦スイッチ用照光式キートップ。
JP2009139884A 2009-06-11 2009-06-11 携帯用電子機器の押釦スイッチ用キートップ及びその製造方法 Withdrawn JP2010287413A (ja)

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