JP2010286369A - 物理量検出装置、物理量検出装置の異常診断システム及び物理量検出装置の異常診断方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】異常の有無の判定結果と診断情報を出力可能でありながらも、外部で誤判断する可能性をより低減させることができる物理量検出装置、物理量検出装置の異常診断システム及び物理量検出装置の異常診断方法を提供すること。
【解決手段】角速度検出装置1(物理量検出装置の一例)の異常診断回路70は、監視対象信号50−1〜50−5の異常の有無を判定する監視判定回路710−1〜710−5と、監視判定回路の判定結果に基づいて、角速度検出装置1の異常の有無を判定し、異常判定信号722を生成する異常判定回路720と、メモリー80に格納された少なくとも一部の監視判定回路の判定結果に基づいて、所定の診断情報を含む診断情報信号742を生成する診断情報生成回路740と、外部からの制御信号から生成された出力選択信号64に基づいて、異常判定信号722又は診断情報信号742を選択して出力するスイッチ回路750と、を含む。
【選択図】図7
【解決手段】角速度検出装置1(物理量検出装置の一例)の異常診断回路70は、監視対象信号50−1〜50−5の異常の有無を判定する監視判定回路710−1〜710−5と、監視判定回路の判定結果に基づいて、角速度検出装置1の異常の有無を判定し、異常判定信号722を生成する異常判定回路720と、メモリー80に格納された少なくとも一部の監視判定回路の判定結果に基づいて、所定の診断情報を含む診断情報信号742を生成する診断情報生成回路740と、外部からの制御信号から生成された出力選択信号64に基づいて、異常判定信号722又は診断情報信号742を選択して出力するスイッチ回路750と、を含む。
【選択図】図7
Description
本発明は、物理量検出装置、物理量検出装置の異常診断システム及び物理量検出装置の異常診断方法等に関する。
従来より、様々な物理量を検出する物理量検出装置が知られている。例えば、物理量として角速度を検出する角速度検出装置が知られており、角速度検出装置を搭載し、角速度検出装置により検出された角速度に基づいて所定の制御を行う様々な電子機器やシステムが広く利用されている。例えば、自動車の車両走行制御システムでは角速度検出装置により検出された角速度に基づいて、自動車の横滑りを防止する走行制御が行なわれている。
このような物理量検出装置を用いた電子機器やシステムでは、物理量検出装置が故障すると誤った制御が行われるので、故障している場合には警告ランプを点灯する等の対策が行われており、物理量検出装置の故障診断を行うための種々の技術が提案されている。例えば、特許文献1では、内部に自己診断回路を設け、センサー回路が正常であるか異常であるかを判定するとともに異常箇所を特定するための自己診断信号を出力する物理量センサーが提案されている。この物理量センサーは、自己診断信号として、正常時にはセンサーエレメントの駆動信号を分周した信号を出力し、異常時には異常箇所に応じたパルスパターンを出力する。
しかし、特許文献1に記載された物理量センサーでは、正常時でも駆動信号を分周した信号が出力されるため、異常時に出力されるパルスパターンは、パルス数が多くなるほど正常時の信号波形に類似したものとなる。そのため、この自己診断信号をモニターするシステム側でセンサー回路の異常の有無の判断を誤る危険性がある。また、特許文献1に記載された物理量センサーでは、自己診断する箇所が増えた場合、異常時に出力されるパルスパターンの最大パルス数が診断箇所に比例して増えるが、このパルスパターンを出力する時間は駆動信号を分周した信号の半周期までの時間に限られている。従って、この構成では診断箇所を簡単に増やすことができず、より詳細な診断情報を出力することが難しいという問題がある。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、本発明のいくつかの態様によれば、異常の有無の判定結果と診断情報を出力可能でありながらも、外部で誤判断する可能性をより低減させることができる物理量検出装置、物理量検出装置の異常診断システム及び物理量検出装置の異常診断方法を提供することができる。また、本発明のいくつかの態様によれば、診断箇所を増やしてより詳細な診断情報を出力することが容易な物理量検出装置、物理量検出装置の異常診断システム及び物理量検出装置の異常診断方法を提供することができる。
(1)本発明は、所定の物理量を検出し、検出した前記物理量の大きさに応じた信号を出力する物理量検出素子と、前記物理量検出素子の出力信号に基づいて、前記物理量に応じた検出信号を生成する検出部と、を含む物理量検出装置であって、当該物理量検出装置に含まれる回路において監視対象となる監視対象信号の異常の有無を判定する少なくとも1つの監視判定部と、前記監視判定部の判定結果に基づいて、当該物理量検出装置の異常の有無を判定し、当該物理量検出装置に異常があるか否かを表す異常判定信号を生成する異常判定部と、前記監視判定部の判定結果を格納する記憶部と、前記記憶部に格納された少なくとも一部の前記判定結果に基づいて、所定の診断情報を含む診断情報信号を生成する診断情報生成部と、外部からの制御信号に基づいて、前記異常判定信号又は前記診断情報信号を選択して出力する出力信号選択部と、を含むことを特徴とする。
所定の物理量は、例えば、角速度、加速度、地磁気、圧力等である。
所定の診断情報は、異常診断に関する情報であればよく、例えば、異常状態の監視対象信号を特定するための情報や異常原因を特定するための情報等である。
本発明によれば、出力信号選択部により、異常の有無を表す異常判定信号又は所定の診断情報を含む診断情報信号のいずれかが選択されるので、異常判定信号の出力期間と診断情報信号の出力期間が分離されている。さらに、異常判定信号の出力期間と診断情報信号の出力期間は外部からの制御信号に基づいて選択することができるので、外部で異常の有無の判定結果と診断情報とを混同することにより誤判断する可能性をより低減させることができる。
また、本発明によれば、異常判定信号の出力期間と診断情報信号の出力期間が分離されているので、診断情報信号の出力期間を長くすれば、診断箇所を増やしてより詳細な診断情報を出力することも容易である。
(2)この物理量検出装置において、前記診断情報生成部は、前記診断情報として、前記記憶部に格納された少なくとも1つの前記判定結果を含む前記診断情報信号を生成するようにしてもよい。
本発明によれば、診断情報信号により、記憶部に格納された少なくとも1つの判定結果を外部から認識することができる。従って、本発明によれば、外部で異常原因の解析をより効率的に行うことができる。
(3)この物理量検出装置において、前記診断情報生成部は、あらかじめ定義された、複数の前記監視対象信号の異常の有無の組み合わせと異常原因を特定する異常原因情報との対応関係に基づいて、前記診断情報として、前記記憶部に格納された複数の前記判定結果の組み合わせに対応する前記異常原因情報を含む前記診断情報信号を生成するようにしてもよい。
当該角速度検出装置の内部又は外部のメモリーに、複数の監視対象信号の異常の有無の組み合わせと異常原因情報との対応関係を表すテーブルデータを格納しておき、診断情報生成部がこのテーブルデータを読み出して診断情報信号を生成するようにしてもよい。
また、診断情報生成部は、複数の監視対象信号の異常の有無の組み合わせと異常原因情報との対応関係に応じた専用のデコード回路として実現してもよい。
本発明によれば、診断情報信号により、外部から異常原因の少なくとも一部を直ちに認識することができる。従って、本発明によれば、外部での異常原因の解析負荷を削減することができる。
(4)この物理量検出装置において、前記記憶部は、不揮発性であってもよい。
本発明によれば、物理量検出装置の電源が遮断されても監視対象信号の異常の有無の判定結果が不揮発性の記憶部に保持されるので、記憶部から当該判定結果を読み出して異常原因の解析を行うことができる。
(5)この物理量検出装置において、前記物理量は、角速度であってもよい。
(6)本発明は、上記のいずれかの物理量検出装置と、前記物理量検出装置に前記制御信号を供給し、前記物理量検出装置の前記出力信号選択部が選択した出力信号を受け取り、当該出力信号に基づいて前記物理量検出装置の異常を診断する異常診断装置と、を含むことを特徴とする物理量検出装置の異常診断システムである。
本発明では、物理量検出装置による異常の有無の判定結果の出力期間と診断情報の出力期間が分離されており、しかも、異常の有無の判定結果の出力期間と診断情報の出力期間は外部からの制御信号に基づいて選択することができる。従って、本発明によれば、異常診断装置が異常の有無の判定結果と診断情報とを混同することにより誤判断する可能性をより低減させることができる。
また、本発明によれば、物理量検出装置による異常の有無の判定結果の出力期間と診断情報の出力期間が分離されているので、診断情報の出力期間を長くすれば、診断箇所を増やしてより詳細な診断情報を出力することも容易である。
(7)本発明は、所定の物理量を検出し、検出した前記物理量の大きさに応じた信号を出力する物理量検出素子と、前記物理量検出素子の出力信号に基づいて、前記物理量に応じた検出信号を生成する検出部と、を含む物理量検出装置の異常診断方法であって、当該物理量検出装置が、当該物理量検出装置に含まれる回路において監視対象となる監視対象信号の異常の有無を判定する監視判定ステップと、当該物理量検出装置が、前記監視判定ステップにおける判定結果に基づいて、当該物理量検出装置の異常の有無を判定し、判定結果を出力する異常判定結果出力ステップと、前記異常判定結果出力ステップにおける判定結果が当該物理量検出装置に異常があることを表す場合、当該物理量検出装置に、前記監視判定ステップにおける少なくとも一部の判定結果に基づいて、所定の診断情報を生成させて出力させる診断情報出力ステップと、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、物理量検出装置から、異常判定出力ステップにおいて異常の有無の判定結果が出力され、診断情報出力ステップにおいて所定の診断情報が出力されるので、異常の有無の判定結果の出力期間と診断情報の出力期間が分離されている。従って、外部で異常の有無の判定結果と診断情報とを混同することにより誤判断する可能性をより低減させることができる。
また、本発明によれば、異常の有無の判定結果の出力期間と診断情報の出力期間が分離されているので、診断情報の出力期間を長くすれば、診断箇所を増やしてより詳細な診断情報を出力することも容易である。
また、本発明によれば、物理量検出装置の異常の有無を判断した後、異常であれば詳細な診断情報を得ることができるので、異常原因の解析をより効率的に行うことができる。
(8)この物理量検出装置の異常診断方法は、前記診断情報出力ステップにおいて、当該物理量検出装置に、あらかじめ定義された、複数の前記監視対象信号の異常の有無の組み合わせと異常原因を特定する異常原因情報との対応関係に基づいて、前記診断情報として、前記監視判定ステップにおける少なくとも一部の判定結果の組み合わせに対応する前記異常原因情報を生成させて出力させるようにしてもよい。
本発明によれば、物理量検出装置から出力される診断情報により、異常原因を直ちに認識することができる。従って、本発明によれば、異常原因の解析負荷を削減することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.物理量検出装置
以下では、物理量として角速度を検出する物理量検出装置(角速度検出装置)を例にとり説明するが、本発明は、角速度、加速度、地磁気、圧力等の様々な物理量のいずれかを検出することができる装置に適用可能である。
以下では、物理量として角速度を検出する物理量検出装置(角速度検出装置)を例にとり説明するが、本発明は、角速度、加速度、地磁気、圧力等の様々な物理量のいずれかを検出することができる装置に適用可能である。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態の角速度検出装置の構成について説明するための図である。
図1は、第1実施形態の角速度検出装置の構成について説明するための図である。
第1実施形態の角速度検出装置1は、ジャイロセンサー素子100と角速度検出用IC10を含んで構成されている。
ジャイロセンサー素子100(本発明における物理量検出素子の一例)は、駆動電極と検出電極が配置された振動片が不図示のパッケージに封止されて構成されている。一般的に、振動片のインピーダンスをできるだけ小さくして発振効率を高めるためにパッケージ内の気密性が確保されている。
ジャイロセンサー素子100の振動片は、例えば、水晶(SiO2)、タンタル酸リチウム(LiTaO3)、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)等の圧電単結晶やジルコン酸チタン酸鉛(PZT)等の圧電セラミックスなどの圧電性材料を用いて構成してもよいし、シリコン半導体の表面の一部に、駆動電極に挟まれた酸化亜鉛(ZnO)、窒化アルミニウム(AlN)等の圧電薄膜を配置した構造であってもよい。
また、この振動片は、例えば、T型の2つの駆動振動腕を有するいわゆるダブルT型であってもよいし、音叉型であってもよいし、三角柱、四角柱、円柱状等の形状の音片型であってもよい。
本実施形態では、ジャイロセンサー素子100は、水晶を材料とするダブルT型の振動片により構成される。
図2は、本実施形態のジャイロセンサー素子100の振動片の平面図である。
本実施形態のジャイロセンサー素子100は、Zカットの水晶基板により形成されたダブルT型の振動片を有する。水晶を材料とする振動片は、温度変化に対する共振周波数の変動が極めて小さいので、角速度の検出精度を高めることができるという利点がある。なお、図2におけるX軸、Y軸、Z軸は水晶の軸を示す。
図2に示すように、ジャイロセンサー素子100の振動片は、2つの駆動用基部104a、104bからそれぞれ駆動振動腕101a、101bが+Y軸方向及び−Y軸方向に延出している。駆動振動腕101aの側面及び上面にはそれぞれ駆動電極112及び113が形成されており、駆動振動腕101bの側面及び上面にはそれぞれ駆動電極113及び112が形成されている。駆動電極112、113は、それぞれ、図1に示した角速度検出用IC10の外部出力端子11、外部入力端子12を介して駆動回路20に接続される。
駆動用基部104a、104bは、それぞれ−X軸方向と+X軸方向に延びる連結腕105a、105bを介して矩形状の検出用基部107に接続されている。
検出振動腕102は、検出用基部107から+Y軸方向及び−Y軸方向に延出している。検出振動腕102の上面には検出電極114及び115が形成されており、検出振動腕102の側面には共通電極116が形成されている。検出電極114、115は、それぞれ、図1に示した角速度検出用IC10の外部入力端子13、14を介して検出回路30に接続される。また、共通電極116は接地される。
駆動振動腕101a、101bの駆動電極112と駆動電極113との間に駆動信号として交流電圧が与えられると、図3に示すように、駆動振動腕101a、101bは逆圧電効果によって矢印Bのように、2本の駆動振動腕101a、101bの先端が互いに接近と離間を繰り返す屈曲振動(励振振動)をする。
なお、本出願では、ジャイロセンサー素子に角速度がかかっていない状態で上述の屈曲振動(励振振動)するときの、各駆動振動腕における振動エネルギーの大きさ又は振動の振幅の大きさが2本の駆動振動腕で等しいとき、駆動振動腕の振動エネルギーのバランスがとれているという。
ここで、ジャイロセンサー素子100の振動片にZ軸を回転軸とした角速度が加わると、駆動振動腕101a、101bは、矢印Bの屈曲振動の方向とZ軸の両方に垂直な方向にコリオリの力を得る。その結果、図4に示すように、連結腕105a、105bは矢印Cで示すような振動をする。そして、検出振動腕102は、連結腕105a、105bの振動(矢印C)に連動して矢印Dのように屈曲振動をする。
また、駆動振動腕101a、101bの励振振動は、ジャイロセンサー素子の製造バラつきなどによって、駆動振動腕の振動エネルギーのバランスがくずれると、検出振動腕102には漏れ振動を発生させる。この漏れ振動は、コリオリの力に基づいた振動と同様に矢印Dに示す屈曲振動であるが、駆動信号とは同位相である。なお、コリオリ力に伴う振動は駆動振動とは90°ずれた位相である。
そして、圧電効果によってこれらの屈曲振動に基づいた交流電荷が、検出振動腕102の検出電極114、115に発生する。ここで、コリオリの力に基づいて発生する交流電荷は、コリオリの力の大きさ(言い換えれば、ジャイロセンサー素子100に加わる角速度の大きさ)に応じて変化する。一方、漏れ振動に基づいて発生する交流電荷は、ジャイロセンサー素子100に加わる角速度の大きさに関係しない。
なお、図2の構成では、振動片のバランスを良くするために、検出用基部107を中央に配置し、検出用基部107から+Y軸と−Y軸の両方向に検出振動腕102を延出させている。さらに、検出用基部107から+X軸と−X軸の両方向に連結腕105a、105bを延出させ、連結腕105a、105bのそれぞれから、+Y軸と−Y軸の両方向に駆動振動腕101a、101bを延出させている。
また、駆動振動腕101a、101bの先端には、駆動振動腕101a、101bよりも幅の広い矩形状の錘部103が形成されている。駆動振動腕101a、101bの先端に錘部103を形成することにより、コリオリの力を大きくするとともに、所望の共振周波数を比較的短い振動腕で得ることができる。同様に、検出振動腕102の先端には、検出振動腕102よりも幅の広い錘部106が形成されている。検出振動腕102の先端に錘部106を形成することにより、検出電極114、115に発生する交流電荷を大きくすることができる。
以上のようにして、ジャイロセンサー素子100は、Z軸を検出軸としてコリオリの力に基づく交流電荷(すなわち、検出信号)と、励振振動の漏れ振動に基づく交流電荷(すなわち、漏れ信号)とを検出電極114、115を介して出力する。
図1に戻り、角速度検出用IC10は、駆動回路20、検出回路30及び基準電源回路40を含んで構成されている。
駆動回路20は、I/V変換回路(電流電圧変換回路)210、AC増幅回路220及び振幅調整回路230を含んで構成されている。
ジャイロセンサー素子100の振動片に流れた駆動電流は、I/V変換回路210によって交流電圧信号に変換される。
I/V変換回路210から出力された交流電圧信号は、AC増幅回路220及び振幅調整回路230に入力される。AC増幅回路220は、入力された交流電圧信号を増幅し、所定の電圧値でクリップさせて方形波電圧信号22を出力する。振幅調整回路230は、I/V変換回路210が出力する交流電圧信号のレベルに応じて、方形波電圧信号22の振幅を変化させ、駆動電流が一定に保持するようにAC増幅回路220を制御する。
方形波電圧信号22は、外部出力端子11を介してジャイロセンサー素子100の振動片の駆動電極112に供給される。このように、ジャイロセンサー素子100は図3に示すような所定の駆動振動を継続して励振している。また、駆動電流を一定に保つことにより、ジャイロセンサー素子100の駆動振動腕101a、101bは一定の振動速度を得ることができる。そのため、コリオリ力を発生させる元となる振動速度は一定となり、感度をより安定にすることができる。
検出回路30は、チャージアンプ回路310、320、差動増幅回路330、AC増幅回路340、同期検波回路350、平滑回路360、可変増幅回路370、フィルター回路380を含んで構成されている。
チャージアンプ回路310には、外部入力端子13を介してジャイロセンサー素子100の振動片の検出電極114から検出信号と漏れ信号からなる交流電荷が入力される。
同様に、チャージアンプ回路320には、外部入力端子14を介してジャイロセンサー素子100の振動片の検出電極115から検出信号と漏れ信号からなる交流電荷が入力される。
このチャージアンプ回路310及び320は、それぞれ入力された交流電荷を基準電圧Vrefを基準とした交流電圧信号に変換する。なお、基準電圧Vrefは、基準電源回路40により、電源入力端子15から入力された外部電源に基づいて生成される。
差動増幅回路330は、チャージアンプ回路310の出力信号とチャージアンプ回路320の出力信号を差動増幅する。差動増幅回路330は、同相成分を消去し、逆相成分を加算増幅するためのものである。
AC増幅回路340は、差動増幅回路330の出力信号を増幅する。このAC増幅回路340の出力信号は、検出信号と漏れ信号が含まれており、被検波信号36として同期検波回路350に入力される。
同期検波回路350は、被検波信号36に対して方形波電圧信号22により同期検波を行う。同期検波回路350は、例えば、方形波電圧信号22の電圧レベルが基準電圧Vrefよりも高い時はAC増幅回路340の出力信号を選択し、方形波電圧信号22の電圧レベルが基準電圧Vrefよりも低い時はAC増幅回路340の出力信号を基準電圧Vrefに対して反転した信号を選択するスイッチ回路として構成することができる。
同期検波回路350の出力信号は、平滑回路360で直流電圧信号に平滑化された後、可変増幅回路370に入力される。
可変増幅回路370は、平滑回路360の出力信号(直流電圧信号)を、設定された増幅率(又は減衰率)で増幅(又は減衰)して検出感度を調整する。可変増幅回路370で増幅(又は減衰)された信号は、フィルター回路380に入力される。
フィルター回路380は、可変増幅回路370の出力信号を使用に適した周波数帯域に制限する回路であり、角速度検出信号32を生成する。そして、角速度検出信号32は外部出力端子17を介して外部に出力される。
なお、検出回路30は、本発明における検出部として機能する。
次に、図1のA点〜G点における信号波形の一例を示して、第1実施形態の角速度検出装置1の角速度検出動作についてより具体的に説明する。
図5は、角速度検出装置1が静止している時の信号波形の一例を示す図である。図5において横軸は時間、縦軸は電圧を表す。
ジャイロセンサー素子100の振動片が振動している状態では、I/V変換回路210の出力(A点)には、ジャイロセンサー素子100の振動片の駆動電極113からフィードバックされた電流が変換された一定周波数の交流電圧が発生している。すなわち、I/V変換回路210の出力(A点)には、一定周波数の正弦波電圧信号が発生している。
そして、AC増幅回路220の出力(B点)には、I/V変換回路210の出力信号(A点の信号)が増幅された、振幅が一定値Vcの方形波電圧信号が発生する。
ジャイロセンサー素子100に角速度が加わっていない場合は、ジャイロセンサー素子100の振動片の検出電極114、115には角速度の検出信号は発生しないが、漏れ信号は発生する。
ジャイロセンサー素子100の検出電極114及び115に発生した漏れ信号(交流電荷)は、それぞれチャージアンプ回路310及び320により、交流電圧信号に変換される。ここでは、チャージアンプ回路310と320から出力される交流電圧信号は逆相であるとしている。その結果、チャージアンプ回路310及び320の出力(C点及びD点)には、AC増幅回路220の出力信号(B点の信号)と同じ周波数の正弦波電圧信号が発生する。ここで、チャージアンプ回路310の出力信号(C点の信号)の位相は、AC増幅回路220の出力信号(B点の信号)に対して90°ずれている。また、チャージアンプ回路320の出力信号(D点の信号)の位相は、チャージアンプ回路310の出力信号(C点の信号)に対して逆位相である(180°ずれている)。
チャージアンプ回路310及び320の出力信号(C点の信号及びD点の信号)は差動増幅回路330により差動増幅され、AC増幅回路340の出力(E点)には、チャージアンプ回路310の出力(C点)に発生する正弦波電圧信号と同じ周波数で同位相の正弦波電圧信号が発生する。AC増幅回路340の出力(E点)に発生するこの正弦波電圧信号は、ジャイロセンサー素子100の振動片の検出電極114、115に発生する漏れ信号に対応する信号である。
AC増幅回路340の出力信号(E点の信号)は、同期検波回路350により、AC増幅回路220が出力する方形波電圧信号22(B点の信号)に基づいて同期検波される。
ここで、AC増幅回路340の出力信号(E点の信号)と方形波電圧信号22(B点の信号)は90°だけ位相がずれているので、同期検波回路350の出力信号(F点の信号)において、基準電圧Vrefよりも高い電圧の積分量と基準電圧Vrefよりも低い電圧の積分量が等しくなる。その結果、漏れ信号はキャンセルされ、フィルター回路380の出力(G点)には角速度が0であることを示す基準電圧Vrefの直流電圧信号が発生する。
図6は、角速度検出装置1に角速度が加わっている時の信号波形の一例を示す図である。図6において横軸は時間、縦軸は電圧を表す。
A点及びB点の各信号波形は図5と同じであり、その説明を省略する。
ジャイロセンサー素子100に角速度が加わると、ジャイロセンサー素子100の振動片の検出電極114、115には検出信号と漏れ信号が発生する。この検出信号のレベルはコリオリ力の大きさに応じて変化する。一方、漏れ信号は図5と同じ信号波形になり、キャンセルされる。そのため、図6では検出信号のみに着目した信号波形を示しており、以下の説明においても検出信号のみに着目して説明する。
ジャイロセンサー素子100の振動片の検出電極114及び115に発生した検出信号(交流電荷)は、それぞれチャージアンプ回路310及び320により、交流電圧信号に変換される。その結果、チャージアンプ回路310及び320の出力(C点及びD点)には、AC増幅回路220の出力信号(B点の信号)と同じ周波数の正弦波電圧信号が発生する。ここで、チャージアンプ回路310の出力信号(C点の信号)の位相は、AC増幅回路220の出力信号(B点の信号)と同位相である。また、チャージアンプ回路320の出力信号(D点の信号)の位相は、チャージアンプ回路310の出力信号(C点の信号)に対して逆位相である(180°ずれている)。
チャージアンプ回路310及び320の出力信号(C点の信号及びD点の信号)は差動増幅回路330により差動増幅され、AC増幅回路340の出力(E点)には、チャージアンプ回路310の出力(C点)に発生する正弦波電圧信号と同じ周波数で同位相の正弦波電圧信号が発生する。AC増幅回路340の出力(E点)に発生するこの正弦波電圧信号は、ジャイロセンサー素子100の検出電極114、115に発生する検出信号に対応する信号である。
AC増幅回路340の出力信号(E点の信号)は、同期検波回路350により、AC増幅回路220が出力する方形波電圧信号22(B点の信号)に基づいて同期検波される。ここで、AC増幅回路340の出力信号(E点の信号)と方形波電圧信号22(B点の信号)は同位相であるので、同期検波回路350の出力信号(F点の信号)は、AC増幅回路340の出力信号(E点の信号)が全波整流された信号となる。その結果、フィルター回路380の出力(G点)には、角速度の大きさに応じた電圧値V1の直流電圧信号(すなわち、角速度検出信号32)が発生する。
なお、角速度検出装置1に図6と逆方向の角速度が加わった場合には、チャージアンプ回路310の出力信号(C点の信号)及びチャージアンプ回路320の出力信号(D点の信号)がともに基準電圧Vrefを中心として反転した波形になる。その結果、角速度検出信号32は、図6とは逆に基準電圧Vrefよりも低い電圧の信号になる。
このようにして角速度検出装置1は角速度を検出することができる。そして、角速度検出信号32は、その電圧値がコリオリの力の大きさ(角速度の大きさ)に比例し、その極性が回転方向により決まるので、角速度検出信号32に基づいて角速度検出装置1に加えられた角速度を計算することができる。
なお、本実施形態では、AC増幅回路220は、方形波電圧信号22を出力するようにしているが、例えば、正弦波電圧信号を出力するようにしてもよい。その場合、同期検波回路350は、正弦波の検波信号34により同期検波を行う構成に変更すればよい。
図1に戻り、角速度検出用IC10は、さらに、制御部60、異常診断回路70及びメモリー80を含んで構成されている。
制御部60は、外部入力端子16を介して供給されるモード選択信号62が第1の電位(例えば、低電位)の時は出力選択信号64を低電位に固定し、モード選択信号62が第2の電位(例えば、高電位)の時は出力選択信号64を高電位に固定する。出力選択信号64が低電位の時は異常判定結果出力モードが選択され、出力選択信号64が高電位の時は診断情報出力モードが選択される。この制御部60は、例えば、専用の論理回路や汎用のCPUによって実現することができる。
異常診断回路70は、I/V変換回路210の出力信号、AC増幅回路220の出力信号、チャージアンプ回路310の出力信号、フィルター回路380の出力信号及び基準電源回路40の出力信号(基準電圧Vref)を監視対象の信号(監視対象信号50−1〜50−5)として、監視対象信号50−1〜50−5の各々の異常の有無を判定し、判定結果をメモリー80に格納する。そして、異常診断回路70は、出力選択信号64及び外部入力端子19を介して外部から入力されたクロック信号74に基づいて異常診断信号72を生成する。
異常診断信号72は、外部出力端子18を介して外部に出力される。
なお、メモリー80は、本発明における記憶部として機能し、揮発性のメモリー(RAM(Random Access Memory)、レジスター等)であってもよいし、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等の不揮発性のメモリーであってもよい。
図7は、異常診断回路70の具体的な構成例を示す図である。
本実施形態における異常診断回路70は、監視判定回路710−1〜710−5、異常判定回路720、メモリーインターフェース(I/F)回路730、診断情報生成回路740、スイッチ回路750を含んで構成されている。
監視判定回路710−1〜710−5は、それぞれ、監視対象信号50−1〜50−5の異常の有無を判定し、判定結果を示す監視判定信号712−1〜712−5を生成する。監視判定信号712−1は、例えば、監視対象信号50−1が異常である時は高電位、監視対象信号50−1が異常でない時(すなわち正常である時)は低電位となる。監視判定信号712−2〜712−5についても同様に、監視対象信号50−2〜50−5の各々が異常である時は高電位、監視対象信号50−2〜50−5の各々が正常である時は低電位となる。
なお、監視判定回路710−1〜710−5は、それぞれ、本発明における監視判定部として機能する。
異常判定回路720は、監視判定信号712−2〜712−5に基づいて、角速度検出装置1に異常があるか否かを判定し、判定結果を示す異常判定信号722を生成する。異常判定回路720は、例えば、監視判定信号712−2〜712−5の少なくとも1つが異常を示す場合(高電位である場合)は角速度検出装置1に異常があると判定し、監視判定信号712−2〜712−5のすべてが正常を示す場合(低電位である場合)は角速度検出装置1に異常がない(すなわち正常である)と判定するようにしてもよい。この異常判定回路720は、監視判定信号712−2〜712−5が入力されて異常判定信号722を出力する5入力1出力の論理和回路として実現することできる。
なお、異常判定回路720は、本発明における異常判定部として機能する。
メモリーインターフェース回路730は、メモリー80に対する判定結果信号712−1〜712−5の値の書き込み及び読み出しを制御する。
異常判定信号722が正常を示す状態(低電位)から異常を示す状態(高電位)に変化すると、メモリーインターフェース回路730を介して監視判定信号712−1〜712−5の値がメモリー80の判定結果格納領域810に格納される。なお、メモリー80としてEEPROM等の不揮発性のメモリーを用いれば、角速度検出装置1の電源が遮断されても監視判定信号712−1〜712−5の値が保持されるので、メモリー80から監視判定信号712−1〜712−5の値を読み出して異常原因の解析を行うことができる。
診断情報生成回路740は、出力選択信号64が高電位(診断情報出力モード)の時は、判定結果格納領域810に格納されている監視判定信号712−1〜712−5の値をメモリーインターフェース回路730を介して読み出し、読み出した監視判定信号712−1〜712−5の値をクロック信号74に同期して順番にシリアル出力することにより診断情報信号742を生成する。この診断情報信号742は、異常発生時の監視判定信号712−1〜712−5の値、すなわち、監視対象信号50−1〜50−5の各々が正常であるか異常であるかを示す診断情報を含んでいる。一方、出力選択信号64が低電位(異常判定結果出力モード)の時は、診断情報生成回路740は、クロック信号74が入力されてもシリアル出力動作を行わず、診断情報信号742を低電位に固定する。
なお、診断情報生成回路740は、本発明における診断情報生成部として機能する。
スイッチ回路750は、出力選択信号64が低電位(異常判定結果出力モード)の時は異常判定信号722を選択し、出力選択信号64が高電位(診断情報出力モード)の時は診断情報信号742を選択し、異常診断信号72として出力する。
なお、スイッチ回路750は、本発明における出力信号選択部として機能する。また、出力選択信号64は制御部60によりモード選択信号62に基づいて生成されるが、このモード選択信号62は、本発明における「外部からの制御信号」に対応する。
図8は、異常発生時のタイミングチャートの一例を示す図である。
時刻t1より前は、監視対象信号50−1〜50−5は正常であり、そのため、監視判定信号712−1〜712−5はすべて低電位(Lレベル)であり、異常判定信号722も低電位(Lレベル)である。ここで、モード選択信号62が低電位(Lレベル)であるため出力選択信号64も低電位(Lレベル)であり、異常判定結果出力モードが選択されている。そのため、異常診断信号72として異常判定信号722が選択されている。
時刻t1において、監視対象信号50−2が異常になったとすると、監視判定信号712−2が低電位(Lレベル)から高電位(Hレベル)に変化し、その結果、異常判定信号722も低電位(Lレベル)から高電位(Hレベル)に変化する。
また、時刻t1において、異常判定信号722が高電位(Hレベル)になったので、監視判定信号712−1〜712−5の値(順にL、H、L、L、L)がメモリー80の判定結果格納領域810に書き込まれる。その結果、判定結果格納領域810の5ビットは00000から01000に変化する。
さらに、時刻t1において、出力選択信号64は低電位(Lレベル)であるため、異常診断信号72として異常判定信号722が選択され、その結果、異常診断信号72が低電位(Lレベル)から高電位(Hレベル)に変化する。この異常診断信号72の変化により、角速度検出装置1に異常が発生したことを外部から認識することができる。
そして、時刻t2において、モード設定信号62が高電位(Hレベル)になると、出力選択信号64は低電位(Lレベル)から高電位(Hレベル)に変化し、診断情報出力モードが選択される。そのため、異常診断信号72として診断情報信号742が選択される。その結果、異常診断信号72は、高電位(Hレベル)から低電位(Lレベル)に変化し、診断情報出力モードが選択されたことを外部から認識することができる。
さらに、判定結果格納領域810に格納されている5ビットデータ(01000)が読み出され、時刻t3〜t4にかけてクロック信号74が入力されると、この5ビットデータ(01000)がシリアルデータに変換されて、診断情報信号742がクロック信号74の立ち下がりエッジでL、H、L、L、Lと変化する。そして、異常診断信号72として診断情報信号742が選択され、その結果、診断情報信号742もクロック信号74の立ち下がりエッジでL、H、L、L、Lと変化する。この異常診断信号72をクロック信号74の立ち上がりエッジでサンプリングすれば、異常発生時の監視判定信号712−1〜712−5の値(順にL、H、L、L、L)がわかり、監視対象信号50−2が異常であることを外部から認識することができる。
なお、本実施形態における監視対象信号50−1〜50−5は一例であり、例えば、図1に示す他の各回路ブロックの出力信号から必要に応じて選択して監視対象信号としてもよい。また、必要に応じて監視回路の数を増減させてもよい。
以上説明したように、第1実施形態の角速度検出装置1では、角速度検出装置1の異常の有無を表す異常判定信号722又は監視対象信号50−1〜50−5の各々が正常であるか異常であるかを示す診断情報を含む診断情報信号742のいずれかが選択されて出力される。すなわち、診断情報信号の出力期間と異常判定信号の出力期間が分離され、しかも、異常判定信号722の出力期間と診断情報信号742の出力期間は、外部入力端子16を介してモード選択信号62により決定することができる。従って、第1実施形態の角速度検出装置1によれば、外部で異常の有無の判定結果と診断情報とを混同することにより誤判断する可能性をより低減させることができる。
また、第1実施形態の角速度検出装置1によれば、異常判定信号722の出力期間と診断情報信号742の出力期間が分離されているので、診断情報信号742の出力期間を長くすれば、診断箇所(監視対象信号の数)を増やしてより詳細な診断情報を出力することも容易である。
また、第1実施形態の角速度検出装置1によれば、診断情報信号742により、判定結果格納領域810に格納された監視判定信号712−1〜712−5の値(すなわち、監視対象信号50−1〜50−5の異常の有無)を外部から認識することができる。従って、角速度検出装置1の異常原因の解析をより効率的に行うことができる。
さらに、第1実施形態の角速度検出装置1において、メモリー80をEEPROM等の不揮発性メモリーとすれば、角速度検出装置1の電源が遮断されても監視判定信号712−1〜712−5の値(すなわち、監視対象信号50−1〜50−5の異常の有無の判定結果)がメモリー80に保持されるので、メモリー80から当該判定結果を読み出して角速度検出装置1の異常原因の解析を行うことができる。
[第2実施形態]
第2実施形態の角速度検出装置は、異常診断回路70及びメモリー80の内部の構成を除き、図1に示した第1実施形態の角速度検出装置の構成と同じである。そのため、第2実施形態の角速度検出装置の構成については図示を省略し、異常診断回路70及びメモリー80以外の回路の動作の説明についても省略する。
第2実施形態の角速度検出装置は、異常診断回路70及びメモリー80の内部の構成を除き、図1に示した第1実施形態の角速度検出装置の構成と同じである。そのため、第2実施形態の角速度検出装置の構成については図示を省略し、異常診断回路70及びメモリー80以外の回路の動作の説明についても省略する。
図9は、第2実施形態の角速度検出装置1における異常診断回路70の構成例について説明するための図である。
第2実施形態における異常診断回路70は、第1実施形態と同様に、監視判定回路710−1〜710−5、異常判定回路720、メモリーインターフェース(I/F)回路730、診断情報生成回路740、スイッチ回路750を含んで構成されている。
ここで、監視判定回路710−1〜710−5、異常判定回路720、メモリーインターフェース(I/F)回路730及びスイッチ回路750は、図7と同じであるため、その説明を省略する。
診断情報生成回路740は、出力選択信号64が高電位(診断情報出力モード)の時は、判定結果格納領域810に格納されている監視判定信号712−1〜712−5の値をメモリーインターフェース回路730を介して読み出す。さらに、診断情報生成回路740は、読み出した監視判定信号712−1〜712−5の値を用いて、メモリー80に記憶されている異常診断テーブル820を参照し、対応する異常原因を示すコード(異常原因コード)を読み出す。そして、診断情報生成回路740は、読み出した異常原因コードをクロック信号74に同期して順番にシリアル出力することにより診断情報信号742を生成する。この診断情報信号742は、異常原因を示す診断情報を含んでいる。一方、出力選択信号64が低電位(異常判定結果出力モード)の時は、診断情報生成回路740は、クロック信号74が入力されてもシリアル出力動作を行わず、診断情報信号742を低電位に固定する。
図10は、第2実施形態における異常診断テーブル820の一例を示す図である。図10に示す異常診断テーブル820では、監視対象信号50−1〜50−5の判定結果と異常原因コードの対応関係が定義されている。図10において、判定結果の欄のbit4〜bit0は、それぞれ、監視対象信号50−1〜50−5の判定結果(監視判定信号712−1〜712−5の値)に対応する。
図10において、監視対象信号50−5が異常であることを示すすべての判定結果(−、−、−、−、H)には、異常原因コード(L、L、H)が対応づけられている。異常原因コード(L、L、H)は、電源異常等の異常原因を示す。
また、監視対象信号50−1、50−5が正常であり、かつ、監視対象信号50−2が異常であることを示すすべての判定結果(L、H、−、−、L)には、異常原因コード(L、H、L)が対応づけられている。異常原因コード(L、H、L)は、ジャイロセンサー素子100の振動片の異常又はパッケージ内の気密度の低下等の異常原因を示す。
また、監視対象信号50−5が正常であり、監視対象信号50−1及び監視対象信号50−2がともに異常であることを示すすべての判定結果(H、H、−、−、L)には、異常原因コード(L、H、H)が対応づけられている。異常原因コード(L、H、H)は、
ジャイロセンサー素子100の発振停止又は発振起動異常等の異常原因を示す。
ジャイロセンサー素子100の発振停止又は発振起動異常等の異常原因を示す。
また、監視対象信号50−2、50−5が正常であり、監視対象信号50−3が異常であることを示すすべての判定結果(−、L、H、−、L)には、異常原因コード(H、L、L)が対応づけられている。異常原因コード(H、L、L)は、チャージアンプ回路310の故障等の異常原因を示す。
また、監視対象信号50−2、50−3、50−5が正常であり、監視対象信号50−4が異常であることを示すすべての判定結果(−、L、L、H、L)には、異常原因コード(H、L、H)が対応づけられている。異常原因コード(H、L、H)は、チャージアンプ回路310の後段の回路の故障等の異常原因を示す。
そして、その他の判定結果には異常がないことを示すコード(L、L、L)が対応づけられている。
図11は、第2実施形態における異常発生時のタイミングチャートの一例を示す図であり、図10に示した異常診断テーブル520が使用される場合のタイミングチャートを示している。
図11において、時刻t2までは、図8と同じであるため、その説明を省略する。
時刻t2において、モード選択信号62が高電位(Hレベル)になると、出力選択信号64は低電位(Lレベル)から高電位(Hレベル)に変化し、診断情報出力モードが選択される。そのため、異常診断信号72として診断情報信号742が選択される。
そして、判定結果格納領域810に格納されている5ビットのデータ(01000)が読み出され、さらに、図10に示した異常診断テーブル820が参照されて、5ビットデータ(01000)を包含する判定結果(L、H、−、−、L)に対応づけられた異常原因コード(L、H、L)が読み出される。
時刻t3〜t4にかけてクロック信号74が入力されると、読み出された異常原因コード(L、H、L)がシリアルデータに変換されて、診断情報信号742がクロック信号74の立ち下がりエッジでL、H、Lと変化する。そして、異常診断信号72として診断情報信号742が選択され、その結果、診断情報信号742もクロック信号74の立ち下がりエッジでL、H、Lと変化する。この異常診断信号72をクロック信号74の立ち上がりエッジでサンプリングすれば、異常原因を外部から認識することができる。
以上説明したように、第2実施形態の角速度検出装置1では、角速度検出装置1の異常の有無を表す異常判定信号722又は角速度検出装置1の異常原因を示す診断情報を含む診断情報信号742のいずれかが選択されて出力される。すなわち、診断情報信号の出力期間と異常判定信号の出力期間が分離され、しかも、異常判定信号722の出力期間と診断情報信号742の出力期間は、外部入力端子16を介してモード選択信号62により決定することができる。従って、第2実施形態の角速度検出装置1によれば、外部で異常の有無の判定結果と診断情報とを混同することにより誤判断する可能性をより低減させることができる。
また、第2実施形態の角速度検出装置1によれば、診断情報信号742により、外部から角速度検出装置1の異常原因の少なくとも一部を直ちに認識することができる。従って、第2実施形態の角速度検出装置1によれば、外部での異常原因の解析負荷を削減することができる。
[第3実施形態]
第3実施形態の角速度検出装置は、異常診断回路70に含まれる診断情報生成回路740の機能を除き、第2実施形態の角速度検出装置の構成と同じである。従って、第3実施形態における異常診断回路70及びメモリー80の構成は、図9と同じであるため図示を省略する。
第3実施形態の角速度検出装置は、異常診断回路70に含まれる診断情報生成回路740の機能を除き、第2実施形態の角速度検出装置の構成と同じである。従って、第3実施形態における異常診断回路70及びメモリー80の構成は、図9と同じであるため図示を省略する。
第3実施形態の角速度検出装置1では、異常診断テーブル820の内容が第2実施形態と異なる。すなわち、第2実施形態における異常診断テーブル820では、すべての監視対象信号の判定結果と異常原因コードの対応関係が定義されているのに対し、第3実施形態における異常診断テーブル820では、一部の監視対象信号の判定結果と異常原因コードの対応関係が定義されている。そして、診断情報生成回路740は、異常診断テーブル820を参照し、メモリー80の判定結果格納領域810に格納されている判定結果の一部に対応づけられた異常原因コードを読み出し、読み出した異常原因コードをクロック信号74に同期して順番にシリアル出力する。その後、診断情報生成回路740は、異常診断テーブル820において対応関係が定義されていない監視対象信号の判定結果をメモリー80の判定結果格納領域810から読み出し、読み出した判定結果をクロック信号74に同期して順番にシリアル出力する。
図12は、第3実施形態における異常診断テーブル820の一例を示す図である。
図12に示す異常診断テーブル820では、監視対象信号50−1及び50−2の判定結果と異常原因コードの対応関係が定義されているが、監視対象信号50−3〜50−5の判定結果と異常原因コードの対応関係は定義されていない。図12において、判定結果の欄のbit4及びbit3は、それぞれ、監視対象信号50−1及び50−2の判定結果(監視判定信号712−1及び712−2の値)に対応する。
図12において、監視対象信号50−1が正常であり、かつ、監視対象信号50−2が異常であることを示す判定結果(L、H)には、異常原因コード(L、H)が対応づけられている。異常原因コード(L、H)は、ジャイロセンサー素子100の振動片の異常又はパッケージ内の気密度の低下等の異常原因を示す。
また、監視対象信号50−1及び監視対象信号50−2がともに異常であることを示す判定結果(H、H)には、異常原因コード(H、L)が対応づけられている。異常原因コード(H、L)は、ジャイロセンサー素子100の発振停止又は発振起動異常等の異常原因を示す。
そして、監視対象信号50−1が正常であるか異常であるかを問わず監視対象信号50−2が正常であることを示す判定結果(−、L)には、異常がないことを示すコード(L、L)が対応づけられている。なお、監視対象信号50−1が異常であるにもかかわらず、監視対象信号50−2が正常であるということは想定しにくいため重要でなく、このような判定結果には異常がないことを示すコード(L、L)を対応づけることにより、異常原因のコード数を削減している。
図13は、第3実施形態における異常発生時のタイミングチャートの一例を示す図であり、図12に示した異常診断テーブル520が使用される場合のタイミングチャートを示している。
図13において、時刻t1までは、図8及び図11と同じであるため、その説明を省略する。
時刻t1において、監視対象信号50−1、50−2、50−3が同時に異常になったとすると、監視判定信号712−1、712−2、712−3がともに低電位(Lレベル)から高電位(Hレベル)に変化し、その結果、異常判定信号722も低電位(Lレベル)から高電位(Hレベル)に変化する。
また、時刻t1において、異常判定信号722が高電位(Hレベル)になったので、監視判定信号712−1〜712−5の値(順にH、H、H、L、L)がメモリー80の判定結果格納領域810に書き込まれる。その結果、判定結果格納領域810の5ビットは00000から11100に変化する。
さらに、時刻t1において、出力選択信号64は低電位(Lレベル)であるため、異常診断信号72として異常判定信号722が選択され、その結果、異常診断信号72が低電位(Lレベル)から高電位(Hレベル)に変化する。
時刻t2において、モード選択信号62が高電位(Hレベル)になると、出力選択信号64は低電位(Lレベル)から高電位(Hレベル)に変化し、診断情報出力モードが選択される。そのため、異常診断信号72として診断情報信号742が選択される。
そして、判定結果格納領域810に格納されている5ビットのデータ(11100)が読み出され、さらに、図12に示した異常診断テーブル820が参照されて、5ビットデータ(11100)の上位2ビット(11)が示す判定結果(H、H)に対応づけられた異常原因コード(H、L)が読み出される。
時刻t3〜t4にかけてクロック信号74が入力されると、まず、読み出された異常原因コード(H、L)がシリアルデータに変換されて、診断情報信号742がクロック信号74の立ち下がりエッジでH、Lと変化する。続いて、読み出された5ビットデータ(11100)の下位3ビット(100)がシリアルデータに変換されて、診断情報信号742がクロック信号74の立ち下がりエッジでH、L、Lと変化する。そして、異常診断信号72として診断情報信号742が選択され、その結果、診断情報信号742もクロック信号74の立ち下がりエッジでH、L、H、L、Lと変化する。この異常診断信号72をクロック信号74の立ち上がりエッジでサンプリングすれば、最初の2ビットにより監視対象信号50−1及び50−2に関する異常原因を外部から認識することができる。さらに、これに続く3ビットにより異常発生時の監視判定信号712−3〜712−5の値(順にH、L、L)がわかり、監視対象信号50−3が異常であることを外部から認識することができる。
以上説明した第3実施形態の角速度検出装置1によれば、第2実施形態と同様の効果に加えて、次の効果を奏する。
すなわち、第3実施形態の角速度検出装置1では、一部の監視対象信号(例えば、監視対象信号50−1及び50−2)については、その異常原因を外部から直接的に認識することができ、その他の監視対象信号(例えば、監視対象信号50−3〜50−5)については、各々の異常の有無を外部から認識することができる。従って、第3実施形態の角速度検出装置1によれば、外部での異常原因の解析負荷の低減とより詳細な解析とのバランスを考慮しながら、異常原因の解析をより効率的に行うことができる。
2.物理量検出装置の異常診断システム及び異常診断方法
以下では、物理量として角速度を検出する物理量検出装置(角速度検出装置)の異常診断システム及び異常診断方法を例にとり説明するが、本発明は、角速度、加速度、地磁気、圧力等の様々な物理量のいずれかを検出することができる装置の異常診断システム及び異常診断方法に適用可能である。
以下では、物理量として角速度を検出する物理量検出装置(角速度検出装置)の異常診断システム及び異常診断方法を例にとり説明するが、本発明は、角速度、加速度、地磁気、圧力等の様々な物理量のいずれかを検出することができる装置の異常診断システム及び異常診断方法に適用可能である。
図14は、本実施形態の角速度検出装置の異常診断システムの構成の一例を示す図である。
図14に示すように、本実施形態の異常診断システム1000は、角速度検出装置1とマイクロコンピューター2を含んで構成されている。
角速度検出装置1は、例えば、前述の第1実施形態〜第3実施形態のいずれかの角速度検出装置である。
マイクロコンピューター2は、角速度検出装置1の外部入力端子16に低電位のモード選択信号62を供給し、外部入力端子18から出力される異常診断信号72を受け取り、角速度検出装置1の異常の有無を認識することができる。また、マイクロコンピューター2は、角速度検出装置1の外部入力端子16に高電位のモード選択信号62を供給するとともに外部入力端子19にクロック信号74を供給して異常診断信号72を受け取り、角速度検出装置1の診断情報を認識することができる。そして、マイクロコンピューター2は、角速度検出装置1の診断情報に基づいて、異常診断信号4を出力する。すなわち、マイクロコンピューター2は、本発明における異常診断装置として機能する。異常診断信号4は、例えば、不図示の表示装置に入力されて角速度検出装置1が異常であれば警告表示される。
なお、マイクロコンピューター2は、角速度検出信号32に基づいて所定の演算を行うようにしてもよい。例えば、マイクロコンピューター2は、角速度検出信号32の電圧値を積分することにより角速度検出装置1が搭載された移動体の角度を計算し、不図示の速度センサーから得た速度情報と組み合わせて現在の位置を計算するようにしてもよい。
本実施形態の異常診断システム1000は、前述した第1実施形態〜第3実施形態の角速度検出装置1を用いることにより、角速度検出装置1による異常の有無の判定結果の出力期間と診断情報の出力期間が分離されており、しかも、異常の有無の判定結果の出力期間と診断情報の出力期間は外部からの制御信号に基づいて選択することができる。従って、本実施形態の異常診断システム1000によれば、角速度検出装置1が出力する異常の有無の判定結果と診断情報とをマイクロコンピューター2が混同することにより誤判断する可能性をより低減させることができる。
また、本実施形態の異常診断システム1000によれば、角速度検出装置1による異常の有無の判定結果の出力期間と診断情報の出力期間が分離されているので、診断情報の出力期間を長くすれば、診断箇所を増やしてより詳細な診断情報を出力することも容易である。
図15は、図14に示した異常診断システム1000による角速度検出装置の異常診断のフローチャートの一例を示す図である。
図15に示すように、まず、角速度検出装置1は、角速度検出装置1に含まれる回路において監視対象となる監視対象信号の異常の有無を判定する(ステップS10)。
次に、角速度検出装置1は、ステップS10における判定結果に基づいて、角速度検出装置1の異常の有無を判定し、判定結果を出力する(ステップS20)。具体的には、マイクロコンピューター2が角速度検出装置1に低電位のモード選択信号62を供給し、角速度検出装置1が当該判定結果を示す異常診断信号72を出力する。
マイクロコンピューター2は、ステップS20における判定結果(すなわち、異常診断信号72)を認識し、異常がないとの判定結果であれば(ステップS30でNoの場合)異常診断処理を終了する。
一方、ステップS20における判定結果(すなわち、異常診断信号72)が異常があるとの判定結果であれば(ステップS30でYesの場合)、マイクロコンピューター2は、角速度検出装置1に、ステップS10における少なくとも一部の判定結果に基づいて、所定の診断情報を生成させて出力させる(ステップS40)。具体的には、マイクロコンピューター2が角速度検出装置1に高電位のモード選択信号62とクロック信号74を供給し、角速度検出装置1が当該診断情報を含む異常診断信号72を出力する。
そして、マイクロコンピューター2は、ステップS40において角速度検出装置1が出力した診断情報を受け取って、角速度検出装置1の異常原因を解析し、異常診断信号4を出力する(ステップS50)。
ここで、ステップS40において、例えば、角速度検出装置1に、ステップS10における少なくとも1つの判定結果を含む診断情報を生成させて出力させるようにしてもよい。
また、ステップS40において、例えば、角速度検出装置1に、あらかじめ定義された、複数の監視対象信号の異常の有無の組み合わせと異常原因を特定する異常原因情報との対応関係(例えば、図10や図12に示した異常診断テーブル820)に基づいて、診断情報として、ステップS10における少なくとも一部の判定結果の組み合わせに対応する異常原因情報を生成させて出力させるようにしてもよい。
さらに、ステップS40において、例えば、角速度検出装置1に、ステップS10における少なくとも1つの判定結果と、その他の判定結果の組み合わせに対応する異常原因情報と、を含む診断情報を生成させて出力させるようにしてもよい。
なお、ステップS10、S20及びS40は、それぞれ、本発明における監視判定ステップ、異常判定結果出力ステップ及び診断情報出力ステップに対応する。
本実施形態の異常診断方法によれば、角速度検出装置1から、ステップS20において異常の有無の判定結果が出力され、ステップS40において診断情報が出力されるので、異常の有無の判定結果の出力期間と診断情報の出力期間が分離されている。従って、異常の有無の判定結果と診断情報とを混同することにより誤判断する可能性をより低減させることができる。
また、本実施形態の異常診断方法によれば、異常の有無の判定結果の出力期間と診断情報の出力期間が分離されているので、診断情報の出力期間を長くすれば、診断箇所を増やしてより詳細な診断情報を出力することも容易である。
また、本実施形態の異常診断方法によれば、角速度検出装置1の異常の有無を判断した後、異常であれば詳細な診断情報を得ることができるので、異常原因の解析をより効率的に行うことができる。
なお、本発明は本実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
1 角速度検出装置、2 マイクロコンピューター、4 異常診断信号、10 角速度検出用IC、11 外部出力端子、12〜16 外部入力端子、17〜18 外部出力端子、19 外部入力端子、20 駆動回路、22 方形波電圧信号、30 検出回路、32 角速度検出信号、36 被検波信号、40 基準電源回路、50−1〜50−5 監視対象信号、60 制御部、62 モード選択信号、64 出力選択信号、70 異常診断回路、72 異常診断信号、74 クロック信号、80 メモリー、100 ジャイロセンサー素子、101a〜101b 駆動振動腕、102 検出振動腕、103 錘部、104a〜104b 駆動用基部、105a〜105b 連結腕、106 錘部、107 検出用基部、112〜113 駆動電極、114〜115 検出電極、116 共通電極、210 I/V変換回路(電流電圧変換回路)、220 AC増幅回路、230 振幅調整回路、310 チャージアンプ回路、320 チャージアンプ回路、330 差動増幅回路、340 AC増幅回路、350 同期検波回路、360 平滑回路、370 可変増幅回路、380 フィルター回路、710−1〜710−5 監視判定回路、712−1〜712−5 監視判定信号、720 異常判定回路、722 異常判定信号、730 メモリーインターフェース回路、740 診断情報生成回路、742 診断情報信号、750 スイッチ回路、810 判定結果格納領域、820 異常診断テーブル、1000 異常診断システム
Claims (8)
- 所定の物理量を検出し、検出した前記物理量の大きさに応じた信号を出力する物理量検出素子と、前記物理量検出素子の出力信号に基づいて、前記物理量に応じた検出信号を生成する検出部と、を含む物理量検出装置であって、
当該物理量検出装置に含まれる回路において監視対象となる監視対象信号の異常の有無を判定する少なくとも1つの監視判定部と、
前記監視判定部の判定結果に基づいて、当該物理量検出装置の異常の有無を判定し、当該物理量検出装置に異常があるか否かを表す異常判定信号を生成する異常判定部と、
前記監視判定部の判定結果を格納する記憶部と、
前記記憶部に格納された少なくとも一部の前記判定結果に基づいて、所定の診断情報を含む診断情報信号を生成する診断情報生成部と、
外部からの制御信号に基づいて、前記異常判定信号又は前記診断情報信号を選択して出力する出力信号選択部と、を含むことを特徴とする物理量検出装置。 - 請求項1において、
前記診断情報生成部は、
前記診断情報として、前記記憶部に格納された少なくとも1つの前記判定結果を含む前記診断情報信号を生成することを特徴とする物理量検出装置。 - 請求項1又は2において、
前記診断情報生成部は、
あらかじめ定義された、複数の前記監視対象信号の異常の有無の組み合わせと異常原因を特定する異常原因情報との対応関係に基づいて、前記診断情報として、前記記憶部に格納された複数の前記判定結果の組み合わせに対応する前記異常原因情報を含む前記診断情報信号を生成することを特徴とする物理量検出装置。 - 請求項1乃至3のいずれかにおいて、
前記記憶部は、不揮発性であることを特徴とする物理量検出装置。 - 請求項1乃至4のいずれかにおいて、
前記物理量は、角速度であることを特徴とする物理量検出装置。 - 請求項1乃至5のいずれかに記載の物理量検出装置と、
前記物理量検出装置に前記制御信号を供給し、前記物理量検出装置の前記出力信号選択部が選択した出力信号を受け取り、当該出力信号に基づいて前記物理量検出装置の異常を診断する異常診断装置と、を含むことを特徴とする物理量検出装置の異常診断システム。 - 所定の物理量を検出し、検出した前記物理量の大きさに応じた信号を出力する物理量検出素子と、前記物理量検出素子の出力信号に基づいて、前記物理量に応じた検出信号を生成する検出部と、を含む物理量検出装置の異常診断方法であって、
当該物理量検出装置が、当該物理量検出装置に含まれる回路において監視対象となる監視対象信号の異常の有無を判定する監視判定ステップと、
当該物理量検出装置が、前記監視判定ステップにおける判定結果に基づいて、当該物理量検出装置の異常の有無を判定し、判定結果を出力する異常判定結果出力ステップと、
前記異常判定結果出力ステップにおける判定結果が当該物理量検出装置に異常があることを表す場合、当該物理量検出装置に、前記監視判定ステップにおける少なくとも一部の判定結果に基づいて、所定の診断情報を生成させて出力させる診断情報出力ステップと、を含むことを特徴とする物理量検出装置の異常診断方法。 - 請求項7において、
前記診断情報出力ステップにおいて、
当該物理量検出装置に、あらかじめ定義された、複数の前記監視対象信号の異常の有無の組み合わせと異常原因を特定する異常原因情報との対応関係に基づいて、前記診断情報として、前記監視判定ステップにおける少なくとも一部の判定結果の組み合わせに対応する前記異常原因情報を生成させて出力させることを特徴とする物理量検出装置の異常診断方法。
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