JP2010282837A - 真空バルブ - Google Patents
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Abstract
【課題】絶縁ガス中で用い、ベローズの内外部の圧力差が大きくても、優れた機械的強度を有し、繰り返し疲労による機械的寿命が向上する真空バルブを得る。
【解決手段】筒状の真空絶縁容器1と、真空絶縁容器1の両端開口部にそれぞれ封着された固定側封着金具2および可動側封着金具3と、固定側封着金具2に貫通固定された固定側通電軸4と、固定側通電軸4に固着された固定側接点5と、固定側接点5と接離する可動側接点6と、可動側接点6に固着されるとともに、可動側封着金具3を移動自在に貫通した複数本の可動側通電軸9、10、11と、可動側通電軸9、10、11のそれぞれと可動側封着金具3間に封着された複数のベローズ12、13、14とを備え、可動側通電軸12、13、14は、固定側通電軸4よりも細径であることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】筒状の真空絶縁容器1と、真空絶縁容器1の両端開口部にそれぞれ封着された固定側封着金具2および可動側封着金具3と、固定側封着金具2に貫通固定された固定側通電軸4と、固定側通電軸4に固着された固定側接点5と、固定側接点5と接離する可動側接点6と、可動側接点6に固着されるとともに、可動側封着金具3を移動自在に貫通した複数本の可動側通電軸9、10、11と、可動側通電軸9、10、11のそれぞれと可動側封着金具3間に封着された複数のベローズ12、13、14とを備え、可動側通電軸12、13、14は、固定側通電軸4よりも細径であることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、接離自在の一対の接点を有する真空バルブに係り、特に、ベローズの機械的寿命を向上し得る真空バルブに関する。
従来、タンク形真空遮断器には、タンク内に乾燥空気などの絶縁ガスを0.2〜0.5MPaで加圧封入し、真空バルブの外部絶縁の補強が行われている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、真空バルブの内外部の圧力差が大きく、ベローズに加わる機械的強度が増し、繰り返し疲労に伴う機械的寿命が低下する問題がある。このため、ベローズ部分を、内部の真空と外部のタンク内圧力の中間圧力とし、ベローズに加わる圧力差を緩和するものが知られている(例えば、特許文献2参照。)。
上記の従来の真空バルブにおいては、次のような問題がある。ベローズは、ステンレスなどの薄い板状の金属を成形あるいは溶接して製造されているため、多頻度開閉に用いる場合、金属疲労でクラックが発生し、真空漏れが生じることがある。特に、外部絶縁を補強するため、加圧した絶縁ガス中で用いられるものでは、ベローズ内外部の圧力差が大きく、機械的寿命が低下する。
これを解決するために、中間圧力室を設けるものでは、絶縁ガスの圧力を二段階に変化させなくてはならず、タンク内の構造が複雑となる。更には、ベローズ部分では中間圧力となっているので、所定値に加圧された部分よりも絶縁特性が低下し、絶縁補強が不充分となる。
このため、所定の絶縁補強を得るために絶縁ガスを所定値に加圧してベローズ内外部の圧力差を大きくしても、優れた機械的強度を有し、繰り返し疲労による機械的寿命が向上するものが望まれていた。
本発明は上記問題を解決するためになされたもので、ベローズの内外部の圧力差が大きくても、優れた機械的強度を有し、繰り返し疲労による機械的寿命を向上し得る真空バルブを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の真空バルブは、筒状の真空絶縁容器と、前記真空絶縁容器の両端開口部にそれぞれ封着された固定側封着金具および可動側封着金具と、前記固定側封着金具に貫通固定された固定側通電軸と、前記固定側通電軸に固着された固定側接点と、前記固定側接点と接離する可動側接点と、前記可動側接点に固着されるとともに、前記可動側封着金具を移動自在に貫通した複数本の可動側通電軸と、前記複数本の可動側通電軸のそれぞれと前記可動側封着金具間に封着された複数のベローズとを備え、前記複数本の可動側通電軸は、前記固定側通電軸よりも細径であることを特徴とする。
本発明によれば、複数本の可動側通電軸を可動側封着金具に貫通させ、可動側通電軸と可動側封着金具間のそれぞれに細径のベローズを封着しているので、ベローズの機械的強度が増し、内外部の圧力差を大きくしても繰り返し疲労による機械的寿命を向上させることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
先ず、本発明の実施例1に係る真空バルブを図1、図2を参照して説明する。図1は、本発明の実施例1に係る真空バルブの構成を示す断面図、図2は、本発明の実施例1に係る真空バルブを可動側通電軸側から見た図である。
図1、図2に示すように、アルミナ磁器などのセラミックスからなる筒状の真空絶縁容器1の両端開口部には、固定側封着金具2と可動側封着金具3が封着されている。固定側封着金具2の中央部には、固定側通電軸4が貫通固定され、真空絶縁容器1内の端部に固定側接点5が固着されている。
固定側接点5に対向して接離自在の可動側接点6が、主可動側通電軸7の一方端に固着され、他方端が円板状の可動側連結板8に固着されている。可動側連結板8には、一列配置された複数本の第1、第2、第3の可動側通電軸9、10、11が連結され、可動側封着金具3の開口孔3a、3b、3cを移動自在にそれぞれ貫通している。第1、第2、第3の可動側通電軸9、10、11の中間部と開口孔3a、3b、3c間には、ステンレスなどの薄い板状の金属を蛇腹状に形成した伸縮自在の筒状の第1、第2、第3のベローズ12、13、14がそれぞれ封着されている。いずれのベローズ12、13、14も真空絶縁容器1内に配置されている。
これにより、真空絶縁容器1内の真空を保ちながら第1、第2、第3の可動側通電軸9、10、11を軸方向に移動させることができる。接点5、6間には、これらを包囲するような筒状のアークシールド15が真空絶縁容器1内の中間部に固定されている。なお、真空絶縁容器1外の第1、第2、第3の可動側通電軸9、10、11端部には、図示しない連結部材が連結され、可動側の電路となるとともに、接点5、6を開閉操作する操作機構に連結される。
可動側の通電電流は、主可動側通電軸7から可動側連結板8を介して第1、第2、第3の可動側通電軸9、10、11に分流するので、第1、第2、第3の可動側通電軸9、10、11は主可動側通電軸7よりも細径にしている。これに伴い、第1、第2、第3のベローズ12、13、14も細径である。即ち、従来のような単独の可動側通電軸(主可動側通電軸7に相当)に設けられるベローズよりも細径となる。
第1、第2、第3のベローズ12、13、14を細径にすると、蛇腹状の山数が増えて曲率半径が小さくなり、バネ定数が上昇し、耐外圧力が上昇する。例えば、同種の金属材料で板厚を同様として外径を200mmから50mmの細径にすると、山数が約20%増え、バネ定数が約1/6となり、耐外圧力が約4倍に上昇する。
これにより、第1、第2、第3のベローズ12、13、14は、従来のような単独で用いるベローズよりも機械的強度が増すので、内外部での圧力差を大きくしても、これに耐え得るものとなる。このため、外部絶縁を補強するために所定値に加圧した絶縁ガス中に、第1、第2、第3のベローズ12、13、14を用いても、優れた機械的寿命を得ることができる。
ここで、主可動側通電軸7と固定側通電軸4は、通電容量が同様のため、同様の外径となる。そして、第1、第2、第3の可動側通電軸9、10、11は固定側通電軸4よりも細径であり、それぞれのベローズ12、13、14も従来の単独の可動側通電軸に設けられるものよりも細径となる。即ち、可動側通電軸9、10、11は、必然的に固定側通電軸4よりも細径となり、それぞれのベローズ12、13、14も細径となる。これらのことから、ベローズ12、13、14の外径は、主可動側通電軸7に相当する固定側通電軸4の外径よりも小さいものとなる。
上記実施例1の真空バルブによれば、複数本の第1、第2、第3の可動側通電軸9、10、11を可動側封着金具3に貫通させ、真空絶縁容器1内の可動側通電軸9、10、11の中間部と開口孔3a、3b、3c間のそれぞれに、単独の可動側通電軸に設けられるベローズよりも細径の第1、第2、第3のベローズ12、13、14を封着しているので、それぞれのベローズ12、13、14の機械的強度が増し、内外部の圧力差を大きくしても繰り返し疲労による機械的寿命を向上させることができる。また、圧力差を緩和する中間圧力室が不要となり、圧力室の構造が簡素となり、充分なる外部絶縁の補強をすることができる。
上記実施例1では、第1、第2、第3の可動側通電軸9、10、11を一列配置して説明したが、それぞれの可動側通電軸9、10、11を三角形状配置や円形状配置、また、四本以上では多角形状配置してもよい。
また、可動側通電軸9、10、11のうち、中央部に配置される第2の可動側通電軸10を主可動側通電軸7と同軸上に配置すると、可動側連結板8の歪が抑えられ、操作力の伝達を向上させることができる。更には、第1、第2、第3の可動側通電軸9、10、11、および第1、第2、第3のベローズ12、13、14を同等の形状とし、軸方向を平行にすると、更に操作力の伝達を向上させることができる。同等とは、製作誤差、組立誤差などを含むものとする。なお、可動側通電軸が二本の場合を除く。
また、可動側連結板8を円板状で説明したが、複数本の可動側通電軸9、10、11の配置に合わせて、板状、三角形状、多角形状などにすることができる。
また、主可動側通電軸7を省き、可動側接点6に可動側連結板8を、直接、固着してもよい。更には、複数本の可動側通電軸9、10、11を、直接、可動側接点6(接点に固着される電極を含む)に固着してもよい。
次に、本発明の実施例2に係る真空バルブを図3、図4を参照して説明する。図3は、本発明の実施例2に係る真空バルブの構成を示す断面図、図4は、本発明の実施例2に係る真空バルブを可動側通電軸側から見た図である。なお、この実施例2が実施例1と異なる点は、ベローズの配置である。図3、図4において、実施例1と同様の構成部分においては、同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図3、図4に示すように、主可動側通電軸7に連結される可動側連結板8を椀状とし、中央部の底部に第2の可動側通電軸10を固着し、両端縁部に第1、第3の可動側通電軸9、11を固着している。また、第2のベローズ13を実施例1と同様に真空絶縁容器1内に設け、第1、第3のベローズ12、14を真空絶縁容器1外に設けている。即ち、複数のベローズ12、13、14のうち、真空絶縁容器1の中心部に位置する第2のベローズ13を真空絶縁容器1内に配置し、これ以外の第1、第3のベローズ12、14を真空絶縁容器1外に配置している。
これにより、真空絶縁容器1内の可動側部分の部品点数、特に、真空絶縁容器1やアークシールド15に近接する部品が減り、電界分布を改善することができる。
上記実施例2の真空バルブによれば、実施例1による効果のほかに、真空絶縁容器1内の可動側部分の絶縁特性を向上させることができる。
1 真空絶縁容器
2 固定側封着金具
3 可動側封着金具
3a、3b、3c 開口孔
4 固定側通電軸
5 固定側接点
6 可動側接点
7 主可動側通電軸
8 可動側連結板
9 第1の可動側通電軸
10 第2の可動側通電軸
11 第3の可動側通電軸
12 第1のベローズ
13 第2のベローズ
14 第3のベローズ
15 アークシールド
2 固定側封着金具
3 可動側封着金具
3a、3b、3c 開口孔
4 固定側通電軸
5 固定側接点
6 可動側接点
7 主可動側通電軸
8 可動側連結板
9 第1の可動側通電軸
10 第2の可動側通電軸
11 第3の可動側通電軸
12 第1のベローズ
13 第2のベローズ
14 第3のベローズ
15 アークシールド
Claims (4)
- 筒状の真空絶縁容器と、
前記真空絶縁容器の両端開口部にそれぞれ封着された固定側封着金具および可動側封着金具と、
前記固定側封着金具に貫通固定された固定側通電軸と、
前記固定側通電軸に固着された固定側接点と、
前記固定側接点と接離する可動側接点と、
前記可動側接点に固着されるとともに、前記可動側封着金具を移動自在に貫通した複数本の可動側通電軸と、
前記複数本の可動側通電軸のそれぞれと前記可動側封着金具間に封着された複数のベローズとを備え、
前記複数本の可動側通電軸は、前記固定側通電軸よりも細径であることを特徴とする真空バルブ。 - 前記複数のベローズを前記真空絶縁容器内に配置したことを特徴とする請求項1に記載の真空バルブ。
- 前記真空絶縁容器の中心部に位置するベローズを前記真空絶縁容器内に配置し、これ以外のベローズを前記真空絶縁容器外に配置したことを特徴とする請求項1に記載の真空バルブ。
- 前記複数のベローズの外径は、前記固定側通電軸の外径よりも小さいことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の真空バルブ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009135388A JP2010282837A (ja) | 2009-06-04 | 2009-06-04 | 真空バルブ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009135388A JP2010282837A (ja) | 2009-06-04 | 2009-06-04 | 真空バルブ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010282837A true JP2010282837A (ja) | 2010-12-16 |
Family
ID=43539414
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009135388A Pending JP2010282837A (ja) | 2009-06-04 | 2009-06-04 | 真空バルブ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2010282837A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110044590A (zh) * | 2019-04-09 | 2019-07-23 | 平高集团有限公司 | 一种真空灭弧室用金属波纹管疲劳寿命试验装置 |
EP4156219A4 (en) * | 2020-05-20 | 2023-07-26 | Mitsubishi Electric Corporation | VACUUM BREAKER |
-
2009
- 2009-06-04 JP JP2009135388A patent/JP2010282837A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20111125 |
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RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Effective date: 20111205 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 |