JP2010281576A - 電流センサ及び電流センサ内蔵電子部品 - Google Patents
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Abstract
【課題】 電流センサ及び電流センサ内蔵電子部品において、測定対象回路に対して検出回路を電気接続せずに電流検出が可能であると共に低コストで小型化を可能にすること。
【解決手段】 基板11と、回路に接続される一対の電極膜12と一対の電極膜12の一方に接続された第1の導電体膜13Aと該第1の導電体膜13Aに接合されていると共に一対の電極膜12の他方に接続され第1の導電体膜13Aよりも抵抗値の高い第2の導電体膜13Bとが基板11上にパターン形成されて構成された電流熱変換部14と、第1の導電体膜13A及び第2の導電体膜13B上の絶縁膜15と、第1の導電体膜13Aの上方から第2の導電体膜13Bの上方にわたって形成されていると共に端部で接合されて電気的に直列接続された少なくとも一対の第1の熱電膜16A及び第2の熱電膜16Bで構成された薄膜熱電対部17と、を備えている。
【選択図】図1
【解決手段】 基板11と、回路に接続される一対の電極膜12と一対の電極膜12の一方に接続された第1の導電体膜13Aと該第1の導電体膜13Aに接合されていると共に一対の電極膜12の他方に接続され第1の導電体膜13Aよりも抵抗値の高い第2の導電体膜13Bとが基板11上にパターン形成されて構成された電流熱変換部14と、第1の導電体膜13A及び第2の導電体膜13B上の絶縁膜15と、第1の導電体膜13Aの上方から第2の導電体膜13Bの上方にわたって形成されていると共に端部で接合されて電気的に直列接続された少なくとも一対の第1の熱電膜16A及び第2の熱電膜16Bで構成された薄膜熱電対部17と、を備えている。
【選択図】図1
Description
本発明は、回路に流れる電流を検出可能な電流センサ及び電流センサ内蔵電子部品に関する。
種々の回路に流れる電流を測定する技術として、従来、シャント抵抗、カレントトランス(CT)、ホール素子等を用いたものが使用されている。上記シャント抵抗を用いた電流検出では、回路にシャント抵抗を接続し、電流を電圧に変換してシャント抵抗に接続した検出回路で電圧を測定して電流を検出している。このシャント抵抗を用いた電流検出では、直流及び交流の両方の電流計測が可能である。
また、カレントトランスを用いた電流検出では、交流電流が流れる測定対象の回路を環状コアに巻回された1次側コイルに接続すると共に環状コアに巻回された2次側コイルに生じる電圧を検出回路で電流を検出している。
さらに、ホール素子を用いた電流検出では、例えば特許文献1に示すように、回路近傍にホール効果を利用した磁気センサであるホール素子を設置し、このホール素子によって回路の電流に応じて発生した磁界を捉えて電流を検出している。このホール素子では、測定対象の回路に非接触で電流を検出することができる。
さらに、ホール素子を用いた電流検出では、例えば特許文献1に示すように、回路近傍にホール効果を利用した磁気センサであるホール素子を設置し、このホール素子によって回路の電流に応じて発生した磁界を捉えて電流を検出している。このホール素子では、測定対象の回路に非接触で電流を検出することができる。
上記従来の技術には、以下の課題が残されている。
すなわち、シャント抵抗を用いた電流検出では、検出回路もシャント抵抗を介して測定対象の回路に電気的に接続させる必要があった。しかしながら、高電圧電源の電流検出を行う場合や大電流によるインパルス雑音等に対応して、検出回路の安全性や信頼性を確保するため、このような用途に応じて検出回路を測定対象の回路に電気的に接続せずに電流を検出する方法が要望されている。このため、従来、図9に示すように、高電圧電源1からの回路ECに直接接続する場合、シャント抵抗2の電圧を検出する検出回路3にカレントトランス4を挿入して電気的に分離して電流検出を行っていた。しかしながら、カレントトランス4を挿入することで形状が大きくなると共に部品数が増え、コストの増大とセンサ形状の大型化とを招いてしまう不都合があった。また、ホール素子を用いた電流検出では、高価なホール素子(磁気センサ)を使用するため、やはり高コストになってしまう不都合があった。
すなわち、シャント抵抗を用いた電流検出では、検出回路もシャント抵抗を介して測定対象の回路に電気的に接続させる必要があった。しかしながら、高電圧電源の電流検出を行う場合や大電流によるインパルス雑音等に対応して、検出回路の安全性や信頼性を確保するため、このような用途に応じて検出回路を測定対象の回路に電気的に接続せずに電流を検出する方法が要望されている。このため、従来、図9に示すように、高電圧電源1からの回路ECに直接接続する場合、シャント抵抗2の電圧を検出する検出回路3にカレントトランス4を挿入して電気的に分離して電流検出を行っていた。しかしながら、カレントトランス4を挿入することで形状が大きくなると共に部品数が増え、コストの増大とセンサ形状の大型化とを招いてしまう不都合があった。また、ホール素子を用いた電流検出では、高価なホール素子(磁気センサ)を使用するため、やはり高コストになってしまう不都合があった。
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、測定対象の回路に対して検出回路を電気接続せずに電流検出が可能であると共に、低コストで小型化が可能な電流センサ及び電流センサ内蔵電子部品を提供することを目的とする。
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、本発明の電流センサは、基板と、回路に接続される一対の電極膜と一対の前記電極膜の一方に接続された第1の導電体膜と該第1の導電体膜に接合されていると共に一対の前記電極膜の他方に接続され前記第1の導電体膜よりも抵抗値の高い第2の導電体膜とが前記基板上にパターン形成されて構成された電流熱変換部と、前記第1の導電体膜及び前記第2の導電体膜の上に形成された絶縁膜と、該絶縁膜上に前記第1の導電体膜の上方から前記第2の導電体膜の上方にわたって互いに異なるp型熱電材料とn型熱電材料とで帯状にパターン形成されていると共に端部で接合されて電気的に直列接続された少なくとも一対の第1の熱電膜及び第2の熱電膜で構成された薄膜熱電対部と、を備えていることを特徴とする。
この電流センサでは、薄膜熱電対部が、第1の導電体膜の上方から第2の導電体膜の上方にわたって互いに異なるp型熱電材料とn型熱電材料とで形成されていると共に端部で接合された第1の熱電膜及び第2の熱電膜で構成されているので、電流熱変換部に流れる電流に応じて第1の導電体膜と第2の導電体膜との間で温度差が生じると共に薄膜熱電対部に起電力が発生することで、電流を検出することができる。
すなわち、測定対象の回路に接続された電流熱変換部に電流が流れると、第1の導電体膜よりも抵抗値の高い第2の導電体膜が第1の導電体膜よりも高いジュール熱で発熱し、電流に応じて第1の導電体膜と第2の導電体膜との間で温度差が生じる。この温度差により、第1の導電体膜から第2の導電体膜にわたって設置された薄膜熱電対部に起電力が生じる。このとき、電流熱変換部で生じるジュール熱による温度差は、通過する電流量に比例するため、上記起電力も電流量に比例することから、この起電力によって電流を検出することができる。特に、電流熱変換部及び薄膜熱電対部がいずれも膜状であることから、温度差が生じる部分間の断面積を小さくできるので、温接点から冷接点へ熱が伝わり難く、発熱による温度差が大きくなって検出感度が向上する。
このように、検出回路に接続される薄膜熱電対部を、測定対象の回路に接続された電流熱変換部に電気接続を行わずに、回路の電流検出が可能である。また、薄膜熱電対部の起電力を測定することで電流を検出できるため、簡易な検出回路で済み、低コストで作製可能である。さらに、薄膜熱電対部が簡易な構成で安価であるため、部材コストも安く、小型化も可能である。
また、電流熱変換部及び薄膜熱電対部が、いずれも基板上の薄膜でパターン形成されているので、低コストで作製可能であると共に薄型化が可能である。
すなわち、測定対象の回路に接続された電流熱変換部に電流が流れると、第1の導電体膜よりも抵抗値の高い第2の導電体膜が第1の導電体膜よりも高いジュール熱で発熱し、電流に応じて第1の導電体膜と第2の導電体膜との間で温度差が生じる。この温度差により、第1の導電体膜から第2の導電体膜にわたって設置された薄膜熱電対部に起電力が生じる。このとき、電流熱変換部で生じるジュール熱による温度差は、通過する電流量に比例するため、上記起電力も電流量に比例することから、この起電力によって電流を検出することができる。特に、電流熱変換部及び薄膜熱電対部がいずれも膜状であることから、温度差が生じる部分間の断面積を小さくできるので、温接点から冷接点へ熱が伝わり難く、発熱による温度差が大きくなって検出感度が向上する。
このように、検出回路に接続される薄膜熱電対部を、測定対象の回路に接続された電流熱変換部に電気接続を行わずに、回路の電流検出が可能である。また、薄膜熱電対部の起電力を測定することで電流を検出できるため、簡易な検出回路で済み、低コストで作製可能である。さらに、薄膜熱電対部が簡易な構成で安価であるため、部材コストも安く、小型化も可能である。
また、電流熱変換部及び薄膜熱電対部が、いずれも基板上の薄膜でパターン形成されているので、低コストで作製可能であると共に薄型化が可能である。
また、本発明の電流センサは、複数対の前記第1の熱電膜及び前記第2の熱電膜が、互いに交互に接続されて折り返され全体として櫛歯状に配設されていることを特徴とする。
すなわち、この電流センサでは、複数対の第1の熱電膜及び第2の熱電膜が、互いに交互に接続されて折り返され全体として櫛歯状に配設されているので、小さいスペースでも折り返し構造によって熱電対部分を多数直列に接続することができ、高い起電力を得ることができる。
すなわち、この電流センサでは、複数対の第1の熱電膜及び第2の熱電膜が、互いに交互に接続されて折り返され全体として櫛歯状に配設されているので、小さいスペースでも折り返し構造によって熱電対部分を多数直列に接続することができ、高い起電力を得ることができる。
本発明の電流センサ内蔵電子部品は、基板と、該基板に形成された回路と、前記基板上に形成され前記回路に一対の前記電極膜が接続された上記本発明の電流センサと、を備えていることを特徴とする。
すなわち、この電流センサ内蔵電子部品では、基板上に形成され回路に一対の電極膜が接続された上記本発明の電流センサを備えているので、基板上に回路と共に一体に形成された電流センサによって小型の電流センサ内蔵電子部品を得ることができる。
すなわち、この電流センサ内蔵電子部品では、基板上に形成され回路に一対の電極膜が接続された上記本発明の電流センサを備えているので、基板上に回路と共に一体に形成された電流センサによって小型の電流センサ内蔵電子部品を得ることができる。
また、本発明の電流センサ内蔵電子部品は、前記基板が、半導体基板であって、前記回路が、半導体素子を含んでいることを特徴とする。
すなわち、この電流センサ内蔵電子部品では、基板が半導体基板であって、回路が半導体素子を含んでいるので、フォトリソグラフィ技術等の半導体製造技術により電流センサと共に1チップに集積化が可能になり、より小型化及び低コスト化を図ることができる。
すなわち、この電流センサ内蔵電子部品では、基板が半導体基板であって、回路が半導体素子を含んでいるので、フォトリソグラフィ技術等の半導体製造技術により電流センサと共に1チップに集積化が可能になり、より小型化及び低コスト化を図ることができる。
本発明によれば、以下の効果を奏する。
すなわち、本発明に係る電流センサ及び電流センサ内蔵電子部品によれば、薄膜熱電対部が、第1の導電体膜の上方から第2の導電体膜の上方にわたって形成されていると共に端部で接合された第1の熱電膜及び第2の熱電膜で構成されているので、電流熱変換部に流れる電流に応じて第1の導電体膜と第2の導電体膜との間で温度差が生じると共に薄膜熱電対部に起電力が発生することで、電流を検出することができる。したがって、電流熱変換部に電気接続を行わずに、回路の電流検出が可能であると共に、薄膜熱電対部が安価であり、検出回路も簡単であるため、低コスト化及び小型化が可能である。
すなわち、本発明に係る電流センサ及び電流センサ内蔵電子部品によれば、薄膜熱電対部が、第1の導電体膜の上方から第2の導電体膜の上方にわたって形成されていると共に端部で接合された第1の熱電膜及び第2の熱電膜で構成されているので、電流熱変換部に流れる電流に応じて第1の導電体膜と第2の導電体膜との間で温度差が生じると共に薄膜熱電対部に起電力が発生することで、電流を検出することができる。したがって、電流熱変換部に電気接続を行わずに、回路の電流検出が可能であると共に、薄膜熱電対部が安価であり、検出回路も簡単であるため、低コスト化及び小型化が可能である。
以下、本発明に係る電流センサ及び電流センサ内蔵電子部品の一実施形態を、図1から図8を参照しながら説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能又は認識容易な大きさとするために縮尺を適宜変更している。
本実施形態の電流センサ10は、図1から図3に示すように、基板11と、測定対象の回路ECに接続される一対の電極膜12と一対の電極膜12の一方に接続された第1の導電体膜13Aと該第1の導電体膜13Aに接合されていると共に一対の電極膜12の他方に接続され第1の導電体膜13Aよりも抵抗値の高い第2の導電体膜13Bとが基板11上にパターン形成されて構成された電流熱変換部14と、第1の導電体膜13A及び第2の導電体膜13Bの上に形成された絶縁膜15と、該絶縁膜15上に第1の導電体膜13Aの上方から第2の導電体膜13Bの上方にわたって互いに異なるp型熱電材料とn型熱電材料とで帯状にパターン形成されていると共に端部で接合されて電気的に直列接続された複数対の第1の熱電膜16A及び第2の熱電膜16Bで構成された薄膜熱電対部17と、直列接続された第1の熱電膜16A及び第2の熱電膜16Bの末端に接続された一対の電極端部18と、を備えている。
上記基板11は、例えば、シリコン基板等の半導体基板で形成されている。
上記第1の導電体膜13Aは、例えば銅膜で形成されていると共に、上記第2の導電体膜13Bは、銅とニッケルとの合金膜で形成されている。すなわち、銅で形成された第1の導電体膜13Aは、その抵抗値がほぼ0Ωであるのに対して、不純物としてニッケルが添加された第2の導電体膜13Bは、その抵抗値が約0.1mΩに設定されている。
上記第1の導電体膜13Aは、例えば銅膜で形成されていると共に、上記第2の導電体膜13Bは、銅とニッケルとの合金膜で形成されている。すなわち、銅で形成された第1の導電体膜13Aは、その抵抗値がほぼ0Ωであるのに対して、不純物としてニッケルが添加された第2の導電体膜13Bは、その抵抗値が約0.1mΩに設定されている。
上記絶縁膜15は、例えばSiO2膜である。
互いに端部で接合される上記第1の熱電膜16Aと第2の熱電膜16Bとは、図2に示すように、一方の熱電膜の端部がL字状に曲がって他方の熱電膜の端部に重なって接合部16aを形成している。
互いに端部で接合される上記第1の熱電膜16Aと第2の熱電膜16Bとは、図2に示すように、一方の熱電膜の端部がL字状に曲がって他方の熱電膜の端部に重なって接合部16aを形成している。
すなわち、第1の熱電膜16Aと第2の熱電膜16Bとは、互いに端部の接合部16aで接続されて一対で一つの熱電対部を構成している。また、第1の熱電膜16Aと第2の熱電膜16Bとは、複数が交互に接続されて折り返すことで全体として櫛歯状に配設され、複数の熱電対部が繰り返し直列接続されて構成されている。この第1の熱電膜16Aと第2の熱電膜16Bとによる熱電対部のパターンの繰り返し数(第1の熱電膜16Aと第2の熱電膜16Bとの接続の数)を増やすことによってその感度を向上させることができる。
これら第1の熱電膜16A及び第2の熱電膜16Bは、例えばp型熱電材料及びn型熱電材料の双方がFeSi2系熱電材料で形成されている。例えば、FeSi2系熱電材料以外には、既知のBi−Te系熱電材料、Mg―Si系熱電材料、Mn−Si系熱電材料、酸化物系熱電材料でもよい。
次に、本実施形態の電流センサ10の製造方法について、図4から図5を参照して説明する。
まず、基板11として、例えばシリコン基板を使用し、図4の(a)に示すように、この基板11の表面に、第1の導電体膜13A及び第2の導電体膜13Bとして例えば銅膜及び銅とニッケルとの合金膜をスパッタリング等により互いに中央で接合状態に所定パターンで成膜する。さらに、第1の導電体膜13Aの端部及び第2の導電体膜13Bの端部にそれぞれ金、銅又はアルミニウム等の金属膜で電極膜12をパターン形成する。
そして、図4の(b)及び図5(a)に示すように、第1の導電体膜13A及び第2の導電体膜13Bの表面に、例えばSiO2膜の絶縁膜15を所定のパターンで成膜する。
次に、図5の(b)に示すように、絶縁膜15を含む基板11の表面全面に、第1の熱電膜16Aとして例えばp型FeSi2膜をスパッタリングにより所定の厚さに被着する。さらに、図5の(c)に示すように、この第1の熱電膜16A上に第1フォトレジスト膜21を被着、露光等することにより所定のパターンの第1フォトレジスト膜21を形成する。
次に、図5の(b)に示すように、絶縁膜15を含む基板11の表面全面に、第1の熱電膜16Aとして例えばp型FeSi2膜をスパッタリングにより所定の厚さに被着する。さらに、図5の(c)に示すように、この第1の熱電膜16A上に第1フォトレジスト膜21を被着、露光等することにより所定のパターンの第1フォトレジスト膜21を形成する。
次に、図5の(d)に示すように、HF+HNO3系またはHF+H2SO4系等のエッチング液で選択的にエッチングして第1フォトレジスト膜21の下地以外の部分の第1の熱電膜16Aを除去する。図5の(e)に示すように、さらに、第1フォトレジスト膜21を除去して第1の熱電膜16Aのパターンを基板11上に形成する。
次に、図5の(f)に示すように、この第1の熱電膜16Aを第2フォトレジスト膜22で覆い、露光、エッチングしてこの第1の熱電膜16A上の一部に所定パターンの第2フォトレジスト膜22を残す。さらに、図5の(g)に示すように、この基板11、第1の熱電膜16Aおよび第2フォトレジスト膜22の全体を覆うように絶縁層24としてZrO2膜を被着する。そして、図5の(h)に示すように、リフトオフ法によりこの第2フォトレジスト膜22を絶縁層24の一部とともに剥離することにより、第1の熱電膜16Aのパターンの一部を露出部16bとして露出させる。
次に、図5の(i)に示すように、第1の熱電膜16Aの露出部16b及び絶縁層24の全体を覆うように第2の熱電膜16Bを、スパッタリング等で被着する。さらに、図5の(j)に示すように、この第2の熱電膜16B上に所定パターンの第3フォトレジスト膜23を被着する。そして、図5の(k)に示すように、HF+HNO3系等のエッチング液で第3フォトレジスト膜23の下地以外の第2の熱電膜16Bを選択的にエッチングする。さらに、図5の(l)に示すように、第3フォトレジスト膜23を除去する。この結果、第1の熱電膜16Aの一部(露出部16b)と第2の熱電膜16Bの一部とは接合されて接合部16aとなる。
次いで、第1の熱電膜16Aと第2の熱電膜16Bとを結晶化させるために400〜900℃でアニールを行う。このアニールは、熱起電力を高めるものである。
そして、接続された第1の熱電膜16Aと第2の熱電膜16Bとの末端に電極端部18を銅やアルミニウム等の金属膜でパターン形成することで、電流センサ10が作製される。
そして、接続された第1の熱電膜16Aと第2の熱電膜16Bとの末端に電極端部18を銅やアルミニウム等の金属膜でパターン形成することで、電流センサ10が作製される。
この電流センサ10により測定対象の回路ECの電流を検出する場合、図3に示すように、高電圧電源1に接続された回路ECに電流熱変換部14を接続する。すなわち、この電流熱変換部14は、従来のシャント抵抗と同様に測定対象の回路ECに接続される。さらに、この電流熱変換部14に取り付けられた薄膜熱電対部17の一対の電極膜12に検出回路43を接続する。なお、図3に示す符号19は、回路EC中の負荷部である。
測定対象の回路ECに接続された電流熱変換部14に電流が流れると第1の導電体膜13Aよりも抵抗値の高い第2の導電体膜13Bが第1の導電体膜13Aよりも高いジュール熱で発熱し、電流に応じて第1の導電体膜13Aと第2の導電体膜13Bとの間で温度差が生じる。この温度差により、第1の導電体膜13Aから第2の導電体膜13Bにわたって設置された薄膜熱電対部17に起電力が生じる。このとき、電流熱変換部14で生じるジュール熱による温度差は、通過する電流量に比例するため、上記起電力も電流量に比例することから、この起電力によって電流を検出することができる。特に、電流熱変換部14及び薄膜熱電対部17がいずれも膜状であることから、温度差が生じる部分間の断面積を小さくできるので、温接点から冷接点へ熱が伝わり難く、発熱による温度差が大きくなって検出感度が向上する。
このように本実施形態の電流センサ10では、薄膜熱電対部17が、第1の導電体膜13Aの上方から第2の導電体膜13Bの上方にわたって互いに異なるp型熱電材料とn型熱電材料とで形成されていると共に端部で接合された第1の熱電膜16A及び第2の熱電膜16Bで構成されているので、電流熱変換部14に流れる電流に応じて第1の導電体膜13Aと第2の導電体膜13Bとの間で温度差が生じると共に薄膜熱電対部17に起電力が発生することで、電流を検出することができる。
したがって、検出回路43に接続される薄膜熱電対部17を、測定対象の回路ECに接続された電流熱変換部14に電気接続を行わずに、回路ECの電流検出が可能である。また、薄膜熱電対部17の起電力を測定することで電流を検出できるため、簡易な検出回路43で済み、低コストで作製可能である。さらに、薄膜熱電対部17が簡易な構成で安価であるため、部材コストも安く、小型化も可能である。
また、電流熱変換部14及び薄膜熱電対部17が、いずれも基板11上の薄膜でパターン形成されているので、低コストで作製可能であると共に薄型化が可能である。
さらに、複数対の第1の熱電膜16A及び第2の熱電膜16Bが、互いに交互に接続されて折り返され全体として櫛歯状に配設されているので、小さいスペースでも折り返し構造によって熱電対部分を多数直列に接続することができ、高い起電力を得ることができる。
さらに、複数対の第1の熱電膜16A及び第2の熱電膜16Bが、互いに交互に接続されて折り返され全体として櫛歯状に配設されているので、小さいスペースでも折り返し構造によって熱電対部分を多数直列に接続することができ、高い起電力を得ることができる。
次に、本実施形態の電流センサを内蔵した電流センサ内蔵電子部品について、図6から図8を参照して説明する。
本実施形態の電流センサ内蔵電子部品30は、図6及び図7に示すように、スイッチングのドライバ回路に使用されるIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)31と、該IGBT31の電流を検出する電流センサ10と、を1チップに集積化した電子部品である。
すなわち、図6に示すように、シリコン基板の基板11にゲートG、エミッタE及びコレクタCを有するIGBT31が半導体製造プロセスによって形成され、同じ基板11の表面であってIGBT31の近傍に、上記の電流センサ10が形成されている。また、一方の電極膜12とIGBT31のコレクタCとが、ワイヤーボンディングによる金属細線32を介して接続されている。なお、図6に示す符号pはp型半導体層を示し、符号nはn型半導体層を示している。
従来は、図8に示すように、回路基板上に実装されたIGBT31にシャント抵抗やホール素子等の電流センサ部品33が別途接続されて回路基板上に実装されていた。また、この電流センサ部品33の出力は、負荷回路側に接続されていた。
これに対し、本実施形態の電流センサ内蔵電子部品30では、図7に示すように、IGBT31と電流センサ10とが1チップ化されており、一体化されて回路基板に実装されると共に、電流センサ10の出力(電極端部18)が、負荷回路側に接続されずに絶縁されている。なお、図7及び図8に示す符号34は負荷抵抗であり、符号35は電源電圧である。
これに対し、本実施形態の電流センサ内蔵電子部品30では、図7に示すように、IGBT31と電流センサ10とが1チップ化されており、一体化されて回路基板に実装されると共に、電流センサ10の出力(電極端部18)が、負荷回路側に接続されずに絶縁されている。なお、図7及び図8に示す符号34は負荷抵抗であり、符号35は電源電圧である。
このように、本実施形態の電流センサ内蔵電子部品30では、基板11上に形成され測定対象であるドライバ回路のIGBT31に電極膜12が接続された電流センサ10を備えているので、基板11上にIGBT31と共に一体に形成された電流センサ10によって小型の電流センサ内蔵電子部品を得ることができる。
特に、基板11がシリコン基板等の半導体基板であって、測定対象回路がIGBT31等の半導体素子のIGBT31を含んでいるので、フォトリソグラフィ技術等の半導体製造技術により電流センサ10と共に1チップに集積化が可能になり、より小型化及び低コスト化を図ることができる。
特に、基板11がシリコン基板等の半導体基板であって、測定対象回路がIGBT31等の半導体素子のIGBT31を含んでいるので、フォトリソグラフィ技術等の半導体製造技術により電流センサ10と共に1チップに集積化が可能になり、より小型化及び低コスト化を図ることができる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、第1の導電膜及び第2の導電膜が一層形成されているが、第1の導電膜及び第2の導電膜を、絶縁層を介してそれぞれ複数積層しても構わない。すなわち、上記リソグラフィプロセスのうち図5の(f)〜(l)で示す工程を、各層毎に繰り返し、第1の熱電膜と第2の導電体膜とを交互にパターン形成しつつ接合部を除いて絶縁層を挟むことで、電気的に直列接続された複数の熱電対部を有する層を複数積層する。
この場合、第1の導電膜及び第2の導電膜が、絶縁層を介してそれぞれ複数積層されているので、小さいスペースでも多層構造によって熱電対部分を多数直列に接続することができ、さらに高い起電力を得ることができる。特に、絶縁層をZrO2膜等の熱伝導性の低い材料で形成することで、より明確な温度差を得ることが可能になる。
また、上記実施形態では、IGBTと電流センサとを1チップに集積化したが、他の半導体素子を含むIC回路等の回路と電流センサとを同一基板上に一体に形成しても構わない。
また、上記実施形態では、IGBTと電流センサとを1チップに集積化したが、他の半導体素子を含むIC回路等の回路と電流センサとを同一基板上に一体に形成しても構わない。
10…電流センサ、11…基板、12…電極膜、13A…第1の導電体膜、13B…第2の導電体膜、14…電流熱変換部、15…絶縁膜、16A…第1の熱電膜、16B…第2の熱電膜、17…薄膜熱電対部、30…電流センサ内蔵電子部品、31…IGBT(半導体素子)、EC…測定対象の回路
Claims (4)
- 基板と、
回路に接続される一対の電極膜と一対の前記電極膜の一方に接続された第1の導電体膜と該第1の導電体膜に接合されていると共に一対の前記電極膜の他方に接続され前記第1の導電体膜よりも抵抗値の高い第2の導電体膜とが前記基板上にパターン形成されて構成された電流熱変換部と、
前記第1の導電体膜及び前記第2の導電体膜の上に形成された絶縁膜と、
該絶縁膜上に前記第1の導電体膜の上方から前記第2の導電体膜の上方にわたって互いに異なるp型熱電材料とn型熱電材料とで帯状にパターン形成されていると共に端部で接合されて電気的に直列接続された少なくとも一対の第1の熱電膜及び第2の熱電膜で構成された薄膜熱電対部と、を備えていることを特徴とする電流センサ。 - 請求項1に記載の電流センサにおいて、
複数対の前記第1の熱電膜及び前記第2の熱電膜が、互いに交互に接続されて折り返され全体として櫛歯状に配設されていることを特徴とする電流センサ。 - 基板と、
該基板に形成された回路と、
前記基板上に形成され前記回路に一対の前記電極膜が接続された請求項1又は2に記載の電流センサと、を備えていることを特徴とする電流センサ内蔵電子部品。 - 請求項3に記載の電流センサ内蔵電子部品において、
前記基板が、半導体基板であって、
前記回路が、半導体素子を含んでいることを特徴とする電流センサ内蔵電子部品。
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JP2009132765A JP2010281576A (ja) | 2009-06-02 | 2009-06-02 | 電流センサ及び電流センサ内蔵電子部品 |
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2009
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