JP2010280824A - 潤滑油組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】粘度指数が十分に高く、省燃費性および潤滑性に優れた潤滑油組成物を提供する。
【解決手段】100℃における動粘度が1〜500mm/sであるエステル系基油を基油全量基準で0.1〜90質量%含有し、100℃における動粘度が1〜20mm/sである潤滑油基油と、潤滑油組成物全量基準で0.1〜50質量%の、重量平均分子量が1万以上であり、重量平均分子量とPSSIの比が0.8×10以上、かつ100℃におけるHTHS粘度の増加分ΔHTHS100と150℃におけるHTHS粘度の増加分ΔHTHS150の比ΔHTHS100/ΔHTHS150が2.0以下である粘度指数向上剤と、を含有潤滑油組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、潤滑油組成物に関する。
従来、内燃機関や変速機、その他機械装置には、その作用を円滑にするために潤滑油が用いられる。特に内燃機関用潤滑油(エンジン油)は内燃機関の高性能化、高出力化、運転条件の苛酷化などに伴い、高度な性能が要求される。したがって、従来のエンジン油にはこうした要求性能を満たすため、摩耗防止剤、金属系清浄剤、無灰分散剤、酸化防止剤などの種々の添加剤が配合されている(例えば、特許文献1〜3)。また近時、潤滑油に求められる省燃費性能は益々高くなっており、高粘度指数基油の適用や各種摩擦調整剤の適用などが検討されている(例えば、特許文献4)。
特開2001−279287号公報 特開2002−129182号公報 特開平08−302378号公報 特開平06−306384号公報
しかしながら、従来の潤滑油基油および粘度指数向上剤は、省燃費性および低温粘度特性の点で必ずしも十分とは言えない。
一般的な省燃費化の手法として、製品の動粘度の低減や、粘度指数向上つまり基油粘度の低減と粘度指数向上剤の添加を組み合わせることによるマルチグレード化などが知られている。しかしながら、製品粘度の低減や、基油粘度の低減は、高温高せん断条件等の厳しい潤滑条件における潤滑性能を低下させ、摩耗や焼き付き、疲労破壊等の不具合が発生原因となることが懸念される。
そこで、それら不具合を防止し、耐久性を維持するためには、高温における粘度を維持しながら、常温域の粘度を低減することが必要となる。つまり、他の実用性能を維持しながらさらに省燃費性を付与するためには、粘度指数を向上させることが重要となる。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであり、粘度指数が十分に高く、省燃費性および潤滑性に優れた潤滑油組成物を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、100℃における動粘度が1〜500mm/sであるエステル系基油を基油全量基準で0.1〜90質量%含有し、100℃における動粘度が1〜20mm/sである潤滑油基油と、潤滑油組成物全量基準で0.1〜50質量%の、重量平均分子量が1万以上であり、重量平均分子量とPSSIの比が0.8×10以上、かつ100℃におけるHTHS粘度の増加分ΔHTHS100と150℃におけるHTHS粘度の増加分ΔHTHS150の比ΔHTHS100/ΔHTHS150が2.0以下である粘度指数向上剤と、を含有することを特徴とする潤滑油組成物を提供する。
本発明でいう100℃におけるHTHS粘度とは、ASTM D4683に規定される100℃での高温高せん断粘度を示す。また、150℃におけるHTHS粘度とは、ASTM D4683に規定される150℃での高温高せん断粘度を示す。また、ΔHTHS100はSK社製YUBASE4に粘度指数向上剤を3.0%添加したときの、100℃におけるHTHS粘度の増加分を意味し、ΔHTHS150はSK社製YUBASE4に粘度指数向上剤を3.0%添加したときの、150℃におけるHTHS粘度の増加分を意味する。
上記エステル系基油は、ジエステルおよびモノエステルから選ばれる1種または2種以上の混合物であることが好ましい。
本発明によれば、粘度指数が十分に高く、省燃費性と潤滑性に優れる潤滑油組成物を提供することが可能となる。
また、本発明の潤滑油組成物は、二輪車用、四輪車用、発電用、コジェネレーション用等のガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、ガスエンジン、にも好適に使用でき、さらには、硫黄分が50質量ppm以下の燃料を使用するこれらの各種エンジンに対しても好適に使用することができるだけでなく、船舶用、船外機用の各種エンジンに対しても有用である。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
本発明の潤滑油組成物においては、潤滑油基油として、100℃における動粘度が1〜500mm/sであるエステル系基油(以下、基油(A−1)ということがある)と、その他の潤滑油基油(以下、基油(A−2)ということがある)とからなる潤滑油基油(以下、基油(A)ということがある)が用いられる。ここで、100℃における動粘度とは、ASTM D−445に規定される100℃での動粘度を意味する。
エステル系基油(A−1)を構成するアルコールとしては1価アルコールでも多価アルコールでもよく、また、エステル系基油を構成する酸としては一塩基酸でも多塩基酸であってもよい。また、エステル結合を含有する基油であれば、複合エステル化合物であってもよい。
1価アルコールとしては、通常炭素数1〜24、好ましくは1〜12、より好ましくは1〜8のものが用いられ、このようなアルコールとしては直鎖のものでも分枝のものでもよく、また飽和のものであっても不飽和のものであってもよい。炭素数1〜24のアルコールとしては、具体的には例えば、メタノール、エタノール、直鎖状または分枝状のプロパノール、直鎖状または分枝状のブタノール、直鎖状または分枝状のペンタノール、直鎖状または分枝状のヘキサノール、直鎖状または分枝状のヘプタノール、直鎖状または分枝状のオクタノール、直鎖状または分枝状のノナノール、直鎖状または分枝状のデカノール、直鎖状または分枝状のウンデカノール、直鎖状または分枝状のドデカノール、直鎖状または分枝状のトリデカノール、直鎖状または分枝状のテトラデカノール、直鎖状または分枝状のペンタデカノール、直鎖状または分枝状のヘキサデカノール、直鎖状または分枝状のヘプタデカノール、直鎖状または分枝状のオクタデカノール、直鎖状または分枝状のノナデカノール、直鎖状または分枝状のイコサノール、直鎖状または分枝状のヘンイコサノール、直鎖状または分枝状のトリコサノール、直鎖状または分枝状のテトラコサノールおよびこれらの混合物等が挙げられる。
多価アルコールとしては、通常2〜10価、好ましくは2〜6価のものが用いられる。2〜10価の多価アルコールとしては、具体的には例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール(エチレングリコールの3〜15量体)、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール(プロピレングリコールの3〜15量体)、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,2−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール等の2価アルコール;グリセリン、ポリグリセリン(グリセリンの2〜8量体、例えばジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン等)、トリメチロールアルカン(トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン等)およびこれらの2〜8量体、ペンタエリスリトールおよびこれらの2〜4量体、1,2,4−ブタントリオール、1,3,5−ペンタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,3,4−ブタンテトロール、ソルビトール、ソルビタン、ソルビトールグリセリン縮合物、アドニトール、アラビトール、キシリトール、マンニトール等の多価アルコール;キシロース、アラビノース、リボース、ラムノース、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、ソルボース、セロビオース、マルトース、イソマルトース、トレハロース、スクロース等の糖類、およびこれらの混合物等が挙げられる。
これらの多価アルコールの中でも、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール(エチレングリコールの3〜10量体)、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール(プロピレングリコールの3〜10量体)、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,2−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、トリメチロールアルカン(トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン等)およびこれらの2〜4量体、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,3,5−ペンタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,3,4−ブタンテトロール、ソルビトール、ソルビタン、ソルビトールグリセリン縮合物、アドニトール、アラビトール、キシリトール、マンニトール等の2〜6価の多価アルコールおよびこれらの混合物等が好ましい。さらにエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビタン、およびこれらの混合物等がより好ましい。これらの中でも、より高い熱・酸化安定性が得られることから、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、およびこれらの混合物等が最も好ましい。
また、本発明において用いるエステルを構成する酸のうち、一塩基酸としては、通常炭素数2〜24の脂肪酸が用いられ、その脂肪酸は直鎖のものでも分枝のものでもよく、また飽和のものでも不飽和のものでもよい。具体的には、例えば、酢酸、プロピオン酸、直鎖状または分枝状のブタン酸、直鎖状または分枝状のペンタン酸、直鎖状または分枝状のヘキサン酸、直鎖状または分枝状のヘプタン酸、直鎖状または分枝状のオクタン酸、直鎖状または分枝状のノナン酸、直鎖状または分枝状のデカン酸、直鎖状または分枝状のウンデカン酸、直鎖状または分枝状のドデカン酸、直鎖状または分枝状のトリデカン酸、直鎖状または分枝状のテトラデカン酸、直鎖状または分枝状のペンタデカン酸、直鎖状または分枝状のヘキサデカン酸、直鎖状または分枝状のヘプタデカン酸、直鎖状または分枝状のオクタデカン酸、直鎖状または分枝状のノナデカン酸、直鎖状または分枝状のイコサン酸、直鎖状または分枝状のヘンイコサン酸、直鎖状または分枝状のドコサン酸、直鎖状または分枝状のトリコサン酸、直鎖状または分枝状のテトラコサン酸等の飽和脂肪酸、アクリル酸、直鎖状または分枝状のブテン酸、直鎖状または分枝状のペンテン酸、直鎖状または分枝状のヘキセン酸、直鎖状または分枝状のヘプテン酸、直鎖状または分枝状のオクテン酸、直鎖状または分枝状のノネン酸、直鎖状または分枝状のデセン酸、直鎖状または分枝状のウンデセン酸、直鎖状または分枝状のドデセン酸、直鎖状または分枝状のトリデセン酸、直鎖状または分枝状のテトラデセン酸、直鎖状または分枝状のペンタデセン酸、直鎖状または分枝状のヘキサデセン酸、直鎖状または分枝状のヘプタデセン酸、直鎖状または分枝状のオクタデセン酸、直鎖状または分枝状のノナデセン酸、直鎖状または分枝状のイコセン酸、直鎖状または分枝状のヘンイコセン酸、直鎖状または分枝状のドコセン酸、直鎖状または分枝状のトリコセン酸、直鎖状または分枝状のテトラコセン酸等の不飽和脂肪酸、およびこれらの混合物等が挙げられる。これらの中でも、潤滑性および取扱性がより高められる点から、特に炭素数3〜20の飽和脂肪酸、炭素数3〜22の不飽和脂肪酸およびこれらの混合物が好ましく、炭素数4〜18の飽和脂肪酸、炭素数4〜18の不飽和脂肪酸およびこれらの混合物がより好ましく、酸化安定性の点からは、炭素数4〜18の飽和脂肪酸が最も好ましい。
多塩基酸としては炭素数2〜16の二塩基酸およびトリメリット酸等が挙げられる。炭素数2〜16の二塩基酸としては、直鎖のものでも分枝のものでもよく、また飽和のものでも不飽和のものでもよい。具体的には例えば、エタン二酸、プロパン二酸、直鎖状または分枝状のブタン二酸、直鎖状または分枝状のペンタン二酸、直鎖状または分枝状のヘキサン二酸、直鎖状または分枝状のヘプタン二酸、直鎖状または分枝状のオクタン二酸、直鎖状または分枝状のノナン二酸、直鎖状または分枝状のデカン二酸、直鎖状または分枝状のウンデカン二酸、直鎖状または分枝状のドデカン二酸、直鎖状または分枝状のトリデカン二酸、直鎖状または分枝状のテトラデカン二酸、直鎖状または分枝状のヘプタデカン二酸、直鎖状または分枝状のヘキサデカン二酸、直鎖状または分枝状のヘキセン二酸、直鎖状または分枝状のヘプテン二酸、直鎖状または分枝状のオクテン二酸、直鎖状または分枝状のノネン二酸、直鎖状または分枝状のデセン二酸、直鎖状または分枝状のウンデセン二酸、直鎖状または分枝状のドデセン二酸、直鎖状または分枝状のトリデセン二酸、直鎖状または分枝状のテトラデセン二酸、直鎖状または分枝状のヘプタデセン二酸、直鎖状または分枝状のヘキサデセン二酸およびこれらの混合物等が挙げられる。
エステルを形成するアルコールと酸との組み合わせは任意であって特に制限されないが、本発明で使用可能なエステルとしては、例えば下記のエステルを挙げることができ、これらのエステルは単独でもよく、また2種以上を組み合わせてもよい。
(a)一価アルコールと一塩基酸とのエステル
(b)多価アルコールと一塩基酸とのエステル
(c)一価アルコールと多塩基酸とのエステル
(d)多価アルコールと多塩基酸とのエステル
(e)一価アルコール、多価アルコールとの混合物と多塩基酸との混合エステル
(f)多価アルコールと一塩基酸、多塩基酸との混合物との混合エステル
(g)一価アルコール、多価アルコールとの混合物と一塩基酸、多塩基酸との混合エステル
基油(A−1)としては、(a)一価アルコールと一塩基酸とのエステル、(b)多価アルコールと一塩基酸とのエステル、(c)一価アルコールと多塩基酸とのエステルを含有することが好ましく、(b)多価アルコールと一塩基酸とのエステルを含有することがより好ましい。また、エステルの形態としては、ジエステルまたはモノエステルが好ましく、その中ではジエステルがより好ましく、グリコールのジエステルが特に好ましい。
本発明において、アルコール成分として多価アルコールを用いた場合に得られるエステルは、多価アルコール中の水酸基全てがエステル化された完全エステルでもよく、水酸基の一部がエステル化されず水酸基のまま残存する部分エステルでもよい。また、酸成分として多塩基酸を用いた場合に得られる有機酸エステルは、多塩基酸中のカルボキシル基全てがエステル化された完全エステルでもよく、あるいはカルボキシル基の一部がエステル化されずカルボキシル基のままで残っている部分エステルであってもよい。
基油(A−1)は、流動性をより向上できる点において、炭素数が100以下であることが好ましく、炭素数が70以下であることがより好ましく、炭素数が50以下であることがさらに好ましく、炭素数が40以下であることが特に好ましく、炭素数が30以下であることが最も好ましい。
本発明に用いられるエステル系基油(A−1)は上記したエステル化合物1種類のみから構成されるものであってもよいし、また2種以上の混合物から構成されるものであってもよい。
基油(A−1)の100℃における動粘度は1〜500mm/sであることが必要であり、好ましくは10mm/s以下、より好ましくは5.0mm/s以下、さらに好ましくは4.0mm/s以下、特に好ましくは3.5mm/s以下、最も好ましくは3.0mm/s以下である。基油(A−1)の100℃における動粘度が500mm/s以上であると、粘度温度特性が悪化し、必要とする省燃費性が得られないばかりでなく、低温粘度特性が不十分となる傾向にある。また、基油(A−1)の100℃における動粘度は、好ましくは1mm/s以上、より好ましくは1.5mm/s以上、さらに好ましくは2.0mm/s以上、特に好ましくは2.5mm/s以上である。基油(A−1)の100℃における動粘度が1mm/s未満の場合には、潤滑部位における油膜形成が不十分となって潤滑性が低下する傾向にあり、また、潤滑油基油の蒸発損失量が増加する傾向にある。
基油(A−1)としては、個別に100℃における動粘度1〜5mm/s未満を満たす限りにおいては、1種または2種以上を併用してもよい。
基油(A−1)の40℃における動粘度は、好ましくは100mm/s以下、より好ましくは30mm/s以下、さらに好ましくは20mm/s以下、特に好ましくは15mm/s以下、最も好ましくは10mm/s以下である。基油(A−1)の40℃における動粘度が100mm/s以上であると、粘度温度特性が悪化し、必要とする省燃費性が得られないばかりでなく、低温粘度特性が不十分となる可能性がある。また、基油(A−1)の40℃における動粘度は、好ましくは1mm/s以上、より好ましくは3mm/s以上、さらに好ましくは5mm/s以上、特に好ましくは6mm/s以上である。基油(A−1)の40℃における動粘度が1mm/s未満の場合には、潤滑部位における油膜形成が不十分となって潤滑性が低下する傾向にあり、また、潤滑油基油の蒸発損失量が増加する傾向にある。
基油(A−1)の粘度指数は特に制限はないが、好ましくは40以上、より好ましくは100以上、さらに好ましくは110以上、特に好ましくは130以上、最も好ましくは150以上である。また好ましくは250以下、より好ましくは220以下、さらに好ましくは200以下、特に好ましくは190以下である。粘度指数が前記下限値未満であると、省燃費性や低温粘度特性が悪化するだけでなく熱・酸化安定性、揮発防止性が悪化する傾向にある。また、粘度指数が前記上限値を超えると、省燃費性や低温粘度特性が大幅に悪化する傾向にある。なお、本発明でいう粘度指数とは、JIS K 2283−1993に準拠して測定された粘度指数を意味する。
基油(A−1)の酸価については、その上限値に特に制限はないが、5mgKOH以下であることが好ましく、より好ましくは3mgKOH以下、さらに好ましくは2mgKOH以下、特に好ましくは1.5mgKOH以下、最も好ましくは1.0mgKOH以下である。また、本発明の1つの様態として0.2mgKOH以下でもよいが、製造における経済性の点で好ましくは0.2mgKOH以上、より好ましくは0.5mgKOH以上である。なお、前記(B)成分の酸価を5mgKOH以下とすることで酸化安定性に優れた潤滑油組成物を得ることができる。
基油(A−1)の含有量は、基油全量基準で0.1〜90質量%であることが必要である。ここで、基油(A−1)は、好ましくは50質量%以下、より好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは15質量%以下、最も好ましくは10質量%以下である。また、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1.0質量%以上、さらに好ましくは2.0質量%以上、最も好ましくは4.0質量%以上である。基油(A−1)の混合割合が90質量%を超えると、酸化安定性や貯蔵安定性さらに省燃費性が悪化する恐れがあり、また基油(A−1)の混合割合が0.1質量%未満の場合には、粘度温度特性が悪化し、必要とする省燃費性が得られないおそれがある。
その他の基油(A−2)の100℃における動粘度は1〜5mm/sであることが好ましく、上限値はより好ましくは4.5mm/s以下、さらに好ましくは4.3mm/s以下、特に好ましくは4.1mm/s以下、最も好ましくは4.0mm/s以下である。また、基油(A−2)の100℃における動粘度の下限値は、より好ましくは1.5mm/s以上、さらに好ましくは2mm/s以上、特に好ましくは3mm/s以上、最も好ましくは3.5mm/s以上である。基油(A−1)の100℃における動粘度が5mm/sを超えると、粘度温度特性が悪化する傾向にあり、低温粘度特性が不十分となる傾向にある。基油(A−2)の100℃における動粘度が1mm/s未満の場合には、潤滑部位における油膜形成が不十分となって潤滑性が低下する傾向にあり、また、潤滑油基油の蒸発損失量が増加する傾向にある。
基油(A−2)としては、個別に100℃における動粘度1〜5mm/sの条件を満たす限りにおいては、1種または2種以上を併用してもよい。
基油(A−2)の粘度指数は特に制限はないが、好ましくは100以上、より好ましくは120以上、さらに好ましくは125以上、特に好ましくは130以上、最も好ましくは135以上である。また好ましくは180以下、より好ましくは170以下、さらに好ましくは160以下、特に好ましくは150以下である。粘度指数が前記下限値未満であると、省燃費性や低温粘度特性が悪化するだけでなく熱・酸化安定性、揮発防止性が悪化する傾向にある。また、粘度指数が前記上限値を超えると、低温粘度特性が大幅に悪化する傾向にある。本発明でいう粘度指数とは、JIS K 2283−1993に準拠して測定された粘度指数を意味する。
基油(A−2)の15℃における密度(ρ15)は特に制限はないが、式(a)で表されるρの値以下であること、すなわちρ15≦ρであることが好ましい。
ρ=0.0025×kv100+0.816 ・・・(a)
(式中、kv100は基油(A)の100℃の動粘度(mm/s)を示す。)
なお、ρ15>ρとなる場合、粘度−温度特性および熱・酸化安定性、さらには揮発防止性および低温粘度特性が低下する傾向にあり、省燃費性を悪化させるおそれがある。また、基油(A)に添加剤が配合された場合に当該添加剤の効き目が低下するおそれがある。
基油(A−2)の15℃における密度(ρ15)は、好ましくは0.860以下、より好ましくは0.850以下、さらに好ましくは0.840以下、特に好ましくは0.822以下である。ここで、上記15℃における密度とは、JIS K 2249−1995に準拠して15℃において測定された密度を意味する。
基油(A−2)の流動点は特に制限はないが、好ましくは−10℃以下、より好ましくは−12.5℃以下、さらに好ましくは−15℃以下、特に好ましくは−17.5℃以下、最も好ましくは−20℃以下である。流動点が前記上限値を超えると、潤滑油全体の低温流動性が低下する傾向にある。本発明でいう流動点とは、JIS K 2269−1987に準拠して測定された流動点を意味する。
基油(A−2)のアニリン点(AP(℃))は特に制限はないが、式(b)で表されるAの値以上であること、すなわちAP≧Aであることが好ましい。
A=4.3×kv100+100 ・・・(b)
(式中、kv100は基油(A)の100℃の動粘度(mm/s)を示す。)
なお、AP<Aとなる場合、粘度−温度特性および熱・酸化安定性、さらには揮発防止性および低温粘度特性が低下する傾向にあり、また、基油(A−2)に添加剤が配合された場合に当該添加剤の効き目が低下する傾向にある。
基油(A−2)のヨウ素価は特に制限はないが、好ましくは7以下、より好ましくは5以下、さらに好ましくは3以下、特に好ましくは1以下、さらに特に好ましくは0.5以下、最も好ましくは0.2以下である。また、0.001未満であってもよいが、それに見合うだけの効果が小さい点および経済性との関係から、好ましくは0.001以上、より好ましくは0.01以上、さらに好ましくは0.03以上、特に好ましくは0.05以上である。基油(A−2)のヨウ素価をより小さくすることで、熱・酸化安定性を飛躍的に向上させることができる。本発明でいうヨウ素価とは、JIS K 0070「化学製品の酸価、ケン化価、ヨウ素価、水酸基価および不ケン化価」の指示薬滴定法により測定したヨウ素価を意味する。
基油(A−2)のNOACK蒸発量は特に制限はないが、20質量%以下であることが好ましく、より好ましくは15質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下、特に好ましくは9質量%以下、最も好ましくは8質量%以下である。NOACK蒸発量が上記上限値以下であると、低蒸発性とすることが可能であると共に、清浄性を向上することが可能となる。また、NOACK蒸発量は1質量%以上であることが好ましく、より好ましくは3質量%以上、さらに好ましくは5質量%以上である。NOACK蒸発量が上記下限値以下であると、必要とする省燃費性が得られないばかりでなく、低温粘度特性が悪化するおそれがある。本発明でいうNOACK蒸発量とは、ASTM D 5800−95に準拠して測定された蒸発損失量(測定条件:250℃、1時間)を意味する。
基油(A−2)の%Cは特に制限はないが、通常70以上、好ましくは80以上、より好ましくは85以上、さらに好ましくは87以上、特に好ましくは90以上である。また、好ましくは99以下、より好ましくは95以下、さらに好ましくは94以下、特に好ましくは93以下である。基油(A−2)の%Cが上記下限値未満の場合、粘度−温度特性、熱・酸化安定性が低下する傾向にある。また、基油(A−2)の%Cが上記上限値を超えると、添加剤の溶解性が低下し、清浄性が悪化する傾向にある。
基油(A−2)の%Cは特に制限はないが、好ましくは5以下、より好ましくは2以下、さらに好ましくは1以下、特に好ましくは0.5以下である。基油(A−2)の%Cが上記上限値を超えると、粘度−温度特性、熱・酸化安定性および摩擦特性が低下する傾向にある。また、基油(A−2)の%Cは0であってもよいが、%Cを上記下限値以上とすることにより、添加剤の溶解性をさらに高めることができる。
基油(A−2)の%Cは特に制限はないが、通常30以下、好ましくは25以下、より好ましくは15以下、さらに好ましくは10以下、特に好ましくは8以下である。また、好ましくは3以上、より好ましくは4以上、さらに好ましくは5以上、特に好ましくは6以上である。基油(A−2)の%Cが上記上限値を超えると、粘度−温度特性、熱・酸化安定性および摩擦特性が低下する傾向にある。また、%Cが上記下限値未満であると、添加剤の溶解性が低下し、清浄性が悪化する傾向にある。
なお、本発明でいう%C、%Cおよび%Cとは、それぞれASTM D 3238−85に準拠した方法(n−d−M環分析)により求められる、パラフィン炭素数の全炭素数に対する百分率、ナフテン炭素数の全炭素数に対する百分率、および芳香族炭素数の全炭素数に対する百分率を意味する。つまり、上述した%C、%Cおよび%Cの好ましい範囲は上記方法により求められる値に基づくものであり、例えば、ナフテン分を含まない基油であっても、上記方法により求められる%Cが0を超える値を示すことがある。
基油(A−2)における飽和分の含有量は特に制限はないが、基油全量基準として、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上、さらに好ましくは99質量%以上であり、また、当該飽和分に占める環状飽和分の割合は、好ましくは40質量%以下、より好ましくは35質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下、特に好ましくは25質量%以下、さらにより好ましくは21質量%以下である。飽和分の含有量および当該飽和分に占める環状飽和分の割合がそれぞれ上記条件を満たすことにより、粘度−温度特性および熱・酸化安定性を向上させることができる。本発明でいう飽和分とは、ASTM D 2007−93に記載された方法により測定される飽和分を意味する。
飽和分の分離方法、あるいは環状飽和分、非環状飽和分等の組成分析の際には、同様の結果が得られる類似の方法を使用することができる。例えば、上記の他、ASTM D 2425−93に記載の方法、ASTM D 2549−91に記載の方法、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)による方法、あるいはこれらの方法を改良した方法が挙げられる。
基油(A−2)における芳香族分は特に制限はないが、基油全量基準として、好ましくは5質量%以下、より好ましくは2質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下であり、特に好ましくは0.5質量%以下、最も好ましくは0.3質量%以下である。また、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上、特に好ましくは0.15質量%以上である。芳香族分の含有量が上記上限値を超えると、粘度−温度特性、熱・酸化安定性および摩擦特性、さらには揮発防止性および低温粘度特性が低下する傾向にあり、また、基油(A−2)は芳香族分を含有しないものであってもよいが、芳香族分の含有量を上記下限値以上とすることにより、添加剤の溶解性をさらに高めることができる。本発明でいう芳香族分とは、ASTM D 2007−93に準拠して測定された値を意味する。芳香族分には、通常、アルキルベンゼン、アルキルナフタレンの他、アントラセン、フェナントレンおよびこれらのアルキル化物、さらにはベンゼン環が四環以上縮合した化合物、ピリジン類、キノリン類、フェノール類、ナフトール類等のヘテロ原子を有する芳香族化合物などが含まれる。
基油(A−2)の尿素アダクト値は、粘度−温度特性を損なわずに低温粘度特性を改善し、かつ高い熱伝導性を得る観点から、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、さらに好ましくは2.5質量%以下、特に好ましくは2質量%以下である。また、基油(A−2)の尿素アダクト値は、0質量%でも良いが、十分な低温粘度特性と、より粘度指数の高い潤滑油基油を得ることができ、また脱ろう条件を緩和して経済性にも優れる点で、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、特に好ましくは0.8質量%以上である。
ここで、尿素アダクト値とは、以下の方法により測定される値を意味する。
秤量した試料油(基油(A−2))100gを丸底フラスコに入れ、尿素200mg、トルエン360ml及びメタノール40mlを加えて室温で6時間攪拌する。これにより、反応液中に尿素アダクト物として白色の粒状結晶が生成する。反応液を1ミクロンフィルターでろ過することにより、生成した白色粒状結晶を採取し、得られた結晶をトルエン50mlで6回洗浄する。回収した白色結晶をフラスコに入れ、純水300ml及びトルエン300mlを加えて80℃で1時間攪拌する。分液ロートで水相を分離除去し、トルエン相を純水300mlで3回洗浄する。トルエン相に乾燥剤(硫酸ナトリウム)を加えて脱水処理を行った後、トルエンを留去する。このようにして得られた尿素アダクト物の試料油に対する割合(質量百分率)を尿素アダクト値と定義する。
尿素アダクト値の測定においては、尿素アダクト物として、イソパラフィンのうち低温粘度特性に悪影響を及ぼす成分、あるいは熱伝導性を悪化させる成分、さらには潤滑油基油中にノルマルパラフィンが残存している場合の当該ノルマルパラフィンを、精度よく且つ確実に捕集することができるため、潤滑油基油の低温粘度特性および熱伝導性の評価指標として優れている。なお、本発明者らは、GC及びNMRを用いた分析により、尿素アダクト物の主成分が、ノルマルパラフィン及び主鎖の末端から分岐位置までの炭素数が6以上であるイソパラフィンの尿素アダクト物であることを確認している。
基油(A−2)の含有量は、基油全量基準で好ましくは10質量%以上、より好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは50質量%以上、最も好ましくは70質量%以上である。また、好ましくは99.9質量%以下、より好ましくは99質量%以下、さらに好ましくは98質量%以下、特に好ましくは96質量%以下、最も好ましくは92質量%以下である。基油(A−2)の混合割合が99.9質量%を超えると目的とする省燃費性が得られないおそれがあり、また基油(A−2)の混合割合が10質量%未満の場合には、粘度温度特性が悪化し目的とする省燃費性が得られないばかりでなく、酸化安定性が悪化するおそれがある。
基油(A−2)としては、鉱油系基油および/またはエステル系を除く合成系基油を用いることができる。
鉱油系基油としては、例えば、原油を常圧蒸留および/または減圧蒸留して得られた潤滑油留分を、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、接触脱ろう、水素化精製、硫酸洗浄、白土処理等の精製処理のうちの1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて精製したパラフィン系鉱油、あるいはノルマルパラフィン系基油、イソパラフィン系基油が使用できる。
エステル系を除く合成系基油としては、炭化水素系合成油であることが好ましく、例えば、ポリ−α−オレフィンまたはその水素化物、イソブテンオリゴマーまたはその水素化物、イソパラフィン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレンが挙げられ、中でも、ポリα−オレフィンが好ましい。ポリα−オレフィンとしては、典型的には、炭素数2〜32、好ましくは6〜16のα−オレフィンのオリゴマーまたはコオリゴマー、例えば、1−オクテンオリゴマー、デセンオリゴマー、エチレン−プロピレンコオリゴマーおよびそれらの水素化物が挙げられる。
ポリ−α−オレフィンの製法は特に制限されず、例えば、三塩化アルミニウムまたは三フッ化ホウ素と、水;エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール、カルボン酸またはエステルとの錯体を含むフリーデル・クラフツ触媒のような重合触媒の存在下、α−オレフィンを重合する方法が挙げられる。
本発明に係る基油(A−2)を構成する基油の好ましい例としては、以下に示す基油(1)〜(8)を原料とし、この原料油および/またはこの原料油から回収された潤滑油留分を、所定の精製方法によって精製し、潤滑油留分を回収することによって得られる基油を挙げることができる。
(1)パラフィン基系原油および/または混合基系原油の常圧蒸留による留出油。
(2)パラフィン基系原油および/または混合基系原油の常圧蒸留残渣油の減圧蒸留による留出油(WVGO)。
(3)潤滑油脱ろう工程により得られる、スラックワックス等のワックスおよび/またはガストゥリキッド(GTL)プロセス等により得られる、フィッシャートロプシュワックス、GTLワックス等の合成ワックス。
(4)基油(1)〜(3)から選ばれる1種または2種以上の混合油および/または当該混合油のマイルドハイドロクラッキング処理油。
(5)基油(1)〜(4)から選ばれる2種以上の混合油。
(6)基油(1)、(2)、(3)、(4)または(5)の脱れき油(DAO)。
(7)基油(6)のマイルドハイドロクラッキング処理油(MHC)。
(8)基油(1)〜(7)から選ばれる2種以上の混合油。
なお、上記所定の精製方法としては、水素化分解、水素化仕上げなどの水素化精製;フルフラール溶剤抽出などの溶剤精製;溶剤脱ろうや接触脱ろうなどの脱ろう;酸性白土や活性白土などによる白土精製;硫酸洗浄、苛性ソーダ洗浄などの薬品(酸またはアルカリ)洗浄などが好ましい。本発明では、これらの精製方法のうちの1種を単独で行ってもよく、2種以上を組み合わせて行ってもよい。また、2種以上の精製方法を組み合わせる場合、その順序は特に制限されず、適宜選定することができる。
本発明に係る基油(A−2)を構成する基油としては、上記基油(1)〜(8)から選ばれる基油または当該基油から回収された潤滑油留分について所定の処理を行うことにより得られる下記基油(9)または(10)が特に好ましい。
(9)上記基油(1)〜(8)から選ばれる基油または当該基油から回収された潤滑油留分を水素化分解し、その生成物またはその生成物から蒸留等により回収される潤滑油留分について溶剤脱ろうや接触脱ろうなどの脱ろう処理を行い、または当該脱ろう処理をした後に蒸留することによって得られる水素化分解鉱油。
(10)上記基油(1)〜(8)から選ばれる基油または当該基油から回収された潤滑油留分を水素化異性化し、その生成物またはその生成物から蒸留等により回収される潤滑油留分について溶剤脱ろうや接触脱ろうなどの脱ろう処理を行い、または、当該脱ろう処理をしたあとに蒸留することによって得られる水素化異性化鉱油。
また、上記(9)または(10)の基油を得るに際して、好都合なステップで、必要に応じて溶剤精製処理および/または水素化仕上げ処理工程をさらに設けてもよい。
上記水素化分解・水素化異性化に使用される触媒は特に制限されないが、分解活性を有する複合酸化物、例えば、シリカアルミナ、アルミナボリア、シリカジルコニア、または当該複合酸化物の1種類以上を組み合わせてバインダーで結着させたものを担体とし、水素化能を有する金属、例えば、周期律表第VIa族の金属や第VIII族の金属などの1種類以上を担持させた水素化分解触媒、あるいはゼオライト、例えば、ZSM−5、ゼオライトベータ、SAPO−11を含む担体に第VIII族の金属のうち少なくとも1種類以上を含む水素化能を有する金属を担持させた水素化異性化触媒が好ましく使用される。水素化分解触媒および水素化異性化触媒は、積層または混合などにより組み合わせて用いてもよい。
水素化分解・水素化異性化の際の反応条件は特に制限されず、例えば、水素分圧0.1〜20MPa、平均反応温度150〜450℃、LHSV0.1〜3.0hr−1、水素/油比50〜20000scf/bblとすることが好ましい。
本発明に係る基油(A)の100℃の動粘度は1〜20mm/sであることが必要であり、上限値は好ましくは6mm/s以下、より好ましくは5.5mm/s以下、さらに好ましくは5.2mm/s以下、特に好ましくは5.0mm/s以下、最も好ましくは4.8mm/s以下、さらに最も好ましくは4.5mm/s以下である。一方、当該100℃の動粘度の下限値は、好ましくは1.5mm/s以上、より好ましくは2mm/s以上、さらに好ましくは2.5mm/s以上、特に好ましくは3mm/s以上である。基油(A)の100℃動粘度が20mm/sを超える場合には、低温粘度特性が悪化し、また十分な省燃費性が得られないおそれがあり、1mm/s未満の場合は潤滑箇所での油膜形成が不十分であるため潤滑性に劣り、また潤滑油組成物の蒸発損失が大きくなるおそれがある。
基油(A)の40℃の動粘度は特に制限はないが、好ましくは80mm/s以下、より好ましくは50mm/s以下、さらに好ましくは30mm/s以下、特に好ましくは25mm/s以下、最も好ましくは20mm/s以下である。一方、当該40℃の動粘度は、好ましくは6.0mm/s以上、より好ましくは8.0mm/s以上、さらに好ましくは12mm/s以上、特に好ましくは14mm/s以上、最も好ましくは15mm/s以上である。基油(A)の40℃の動粘度が80mm/sを超える場合には、低温粘度特性が悪化し、また十分な省燃費性が得られないおそれがあり、6.0mm/s未満の場合は潤滑箇所での油膜形成が不十分であるため潤滑性に劣り、また潤滑油組成物の蒸発損失が大きくなるおそれがある。
基油(A)の粘度指数は特に制限はないが、好ましくは100以上、より好ましくは120以上、さらに好ましくは125以上、特に好ましくは130以上、最も好ましくは135以上である。また好ましくは180以下、より好ましくは170以下、さらに好ましくは160以下、特に好ましくは150以下である。粘度指数が前記下限値未満であると、省燃費性や低温粘度特性が悪化するだけでなく熱・酸化安定性、揮発防止性が悪化する傾向にある。また、粘度指数が前記上限値を超えると、低温粘度特性が大幅に悪化する傾向にある。
基油(A)における硫黄分の含有量は、その原料の硫黄分の含有量に依存する。例えば、フィッシャートロプシュ反応等により得られる合成ワックス成分のように実質的に硫黄を含まない原料を用いる場合には、実質的に硫黄を含まない基油(A)を得ることができる。また、潤滑油基油の精製過程で得られるスラックワックスや精ろう過程で得られるマイクロワックス等の硫黄を含む原料を用いる場合には、得られる基油(A)中の硫黄分は通常100質量ppm以上となる。
基油(A)においては、熱・酸化安定性の更なる向上および低硫黄化の点から、硫黄分の含有量が100質量ppm以下が好ましく、50質量ppm以下がより好ましく、10質量ppm以下がさらに好ましく、5質量ppm以下が特に好ましい。
基油(A)における窒素分の含有量は特に制限はないが、好ましくは7質量ppm以下、より好ましくは5質量ppm以下、さらに好ましくは3質量ppm以下である。窒素分の含有量が7質量ppmを超えると、熱・酸化安定性が低下する傾向にある。本発明でいう窒素分とは、JIS K 2609−1990に準拠して測定される窒素分を意味する。
本発明の潤滑油組成物は、重量平均分子量が1万以上、重量平均分子量とPSSIの比が0.8×10以上、かつ100℃におけるHTHS粘度の増加分ΔHTHS100と150℃におけるHTHS粘度の増加分ΔHTHS150の比ΔHTHS100/ΔHTHS150が2.0以下である粘度指数向上剤(以下、粘度指数向上剤(B)という)を含有する。
粘度指数向上剤(B)として用いられる化合物としては、重量平均分子量、重量平均分子量とPSSIとの比およびHTHS粘度の増粘比が上記条件を満たす限りにおいて特に制限されない。具体的には、非分散型または分散型ポリ(メタ)アクリレート、非分散型または分散型エチレン−α−オレフィン共重合体もしくはその水素化物、ポリイソブチレンもしくはその水素化物、スチレン−ジエン水素化共重合体、スチレン−無水マレイン酸エステル共重合体およびポリアルキルスチレン等を挙げることができる。粘度指数向上剤(B)は、非分散型あるいは分散型のいずれであっても良いが、分散型であることがより好ましい。
粘度指数向上剤(B)の好ましい例としては、式(1)で表される(メタ)アクリレート構造単位の1種または2種以上を、1〜70モル%含有するもの(以下、便宜的に「ポリメタクリレート(B−1)」という。)が挙げられる。式(1)中、Rは水素原子またはメチル基を示し、Rは炭素数16以上の直鎖状または分枝状の炭化水素基を示す。
ポリメタクリレート(B−1)は、非分散型あるいは分散型のいずれであっても良いが、非分散型であることがより好ましい。
Figure 2010280824
式(1)中、Rは水素原子またはメチル基を示し、Rは炭素数16以上の直鎖状または分枝状の炭化水素基であり、好ましくは炭素数18以上の直鎖状または分枝状の炭化水素基であり、さらに好ましくは炭素数20以上の直鎖状または分枝状の炭化水素基であり、より好ましくは炭素数20以上の分枝状の炭化水素基である。また、Rの炭素数の上限は特に制限されないが、通常炭素数100以下、好ましくは50以下、さらに好ましくは30以下、特に好ましくは25以下である。
ポリメタクリレート(B−1)において、ポリマー中の式(1)で表される(メタ)アクリレート構造単位の割合は、好ましくは1〜70モル%、より好ましくは60モル%以下、さらに好ましくは50モル%以下、一層好ましくは40モル%以下であり、特に好ましくは30モル%以下である。また、好ましくは3モル%以上、さらに好ましくは5モル%以上、特に好ましくは10モル%以上である。70モル%を超える場合は粘度温度特性の向上効果、低温粘度特性および潤滑油基油への溶解性に劣るおそれがあり、0.5モル%を下回る場合は粘度温度特性の向上効果に劣るおそれがある。
ポリメタクリレート(B−1)は、式(1)で表される(メタ)アクリレート構造単位以外に任意の(メタ)アクリレート構造単位もしくは任意のオレフィン等に由来する構造単位を含むことができる。ポリメタクリレート(B−1)の好ましい態様としては、式(2)で表されるモノマー(以下、モノマー(M−1)という)の1種または2種以上と、モノマー(M−1)以外のモノマーとを共重合させて得られる共重合体が挙げられる。
Figure 2010280824
[式(2)中、Rは水素原子またはメチル基を示し、Rは炭素数16以上の直鎖状または分枝状の炭化水素基を示す。]
モノマー(M−1)と組み合わせるモノマーは任意であるが、例えば、式(3)で表されるモノマー(以下、モノマー(M−2)という。)が好適である。モノマー(M−1)とモノマー(M−2)との共重合体は、いわゆる非分散型ポリ(メタ)アクリレート系粘度指数向上剤である。
Figure 2010280824
[式(3)中、Rは水素原子またはメチル基を示し、Rは炭素数1〜15の直鎖状または分枝状の炭化水素基を示す。]
モノマー(M−1)と組み合わせるその他のモノマーとしては、式(4)で表されるモノマー(以下、モノマー(M−3)という。)および式(5)で表されるモノマー(以下、モノマー(M−4)という)から選ばれる1種または2種以上が好適である。モノマー(M−1)とモノマー(M−3)および/または(M−4)との共重合体は、いわゆる分散型ポリ(メタ)アクリレート系粘度指数向上剤である。なお、当該分散型ポリ(メタ)アクリレート系粘度指数向上剤は、構成モノマーとしてモノマー(M−2)をさらに含んでいてもよい。
Figure 2010280824
[式(4)中、Rは水素原子またはメチル基を示し、Rは炭素数1〜18のアルキレン基を示し、Eは窒素原子を1〜2個、酸素原子を0〜2個含有するアミン残基または複素環残基を示し、aは0または1を示す。式(5)中、Rは水素原子またはメチル基を示し、Eは窒素原子を1〜2個、酸素原子を0〜2個含有するアミン残基または複素環残基を示す。]
式(4)中のRで表される炭素数1〜18のアルキレン基としては、具体的には、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、へプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ウンデシレン基、ドデシレン基、トリデシレン基、テトラデシレン基、ペンタデシレン基、ヘキサデシレン基、ヘプタデシレン基、またはオクタデシレン基(これらアルキレン基は直鎖状でも分枝状でもよい)が例示できる。
式(4)中のEで表される基または式(5)中のEで表される基としては、それぞれ独立に、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、アニリノ基、トルイジノ基、キシリジノ基、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、モルホリノ基、ピロリル基、ピロリノ基、ピリジル基、メチルピリジル基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、キノニル基、ピロリドニル基、ピロリドノ基、イミダゾリノ基、またはピラジノ基が例示できる。
モノマー(M−3)、(M−4)の好ましい例としては、具体的には、ジメチルアミノメチルメタクリレート、ジエチルアミノメチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、2−メチル−5−ビニルピリジン、モルホリノメチルメタクリレート、モルホリノエチルメタクリレート、N−ビニルピロリドンまたはこれらの混合物が例示できる。
モノマー(M−1)とモノマー(M−2)〜(M−4)との共重合体の共重合モル比については特に制限はないが、モノマー(M−1):モノマー(M−2)〜(M−4)=0.5:99.5〜70:30程度が好ましく、より好ましくは5:95〜50:50、さらに好ましくは10:90〜40:60である。
ポリメタクリレート(B−1)の製造法は任意であるが、例えば、ベンゾイルパーオキシド等の重合開始剤の存在下で、モノマー(M−1)とモノマー(M−2)〜(M−4)の混合物をラジカル溶液重合させることにより容易に得ることができる。
本発明の潤滑油組成物には、粘度指数向上剤(B)として、重量平均分子量、重量平均分子量とPSSIとの比およびHTHS粘度の増粘比が前記条件を満たす限りにおいて、前記ポリメタクリレート(B−1)のほか、例えば、通常の一般的な非分散型または分散型ポリ(メタ)アクリレート、非分散型または分散型エチレン−α−オレフィン共重合体またはその水素化物、ポリイソブチレンまたはその水素化物、スチレン−ジエン水素化共重合体、スチレン−無水マレイン酸エステル共重合体またはポリアルキルスチレン等の粘度指数向上剤を用いることができる。
粘度指数向上剤(B)のPSSIは特に制限されないが、好ましくは40以下、より好ましくは35以下、さらに好ましくは30以下、特に好ましくは25以下である。また、好ましくは5以上、さらに好ましくは10以上、さらに好ましくは15以上、特に好ましくは20以上である。PSSIが40を超える場合にはせん断安定性が悪くなるおそれがある。また、PSSIが5未満の場合には粘度指数向上効果が小さく、省燃費性や低温粘度特性に劣るだけでなく、コストが上昇するおそれがある。
ここで、PSSIとは、ASTM D 6022−01(Standard Practice for Calculation of Permanent Shear Stability Index)に準拠し、ASTM D 6278−02(Test Method for Shear Stability of Polymer Containing Fluids Using a European Diesel Injector Apparatus)により測定されたデータに基づき計算された、ポリマーの永久せん断安定性指数(Permanent Shear Stability Index)を意味する。
粘度指数向上剤(B)の重量平均分子量(M)は、1万以上であることが必要であり、より好ましくは5万以上、さらに好ましくは10万以上、特に好ましくは15万以上、最も好ましくは20万以上である。また、100万以下であることが好ましく、より好ましくは70万以下であり、さらに好ましくは60万以下であり、特に好ましくは50万以下である。重量平均分子量が1万未満の場合には粘度指数向上効果が小さく省燃費性や低温粘度特性に劣るだけでなく、コストが上昇するおそれがあり、重量平均分子量が100万を超える場合にはせん断安定性や基油への溶解性、貯蔵安定性が悪くなるおそれがある。
粘度指数向上剤(B)の重量平均分子量と数平均分子量の比(M/M)は特に制限されないが、好ましくは0.5〜5.0、より好ましくは1.0〜3.5、さらに好ましくは1.5〜3、特に好ましくは1.7〜2.5である。重量平均分子量と数平均分子量の比が0.5未満もしくは5.0を超えると、基油への溶解性、貯蔵安定性が悪くなるだけでなく、粘度温度特性が悪化し、省燃費性が悪化するおそれがある。
粘度指数向上剤(B)の重量平均分子量とPSSIの比(M/PSSI)は0.8×10以上であることが必要であり、好ましくは1.0×10以上、より好ましくは2×10以上、さらに好ましくは2.5×10以上である。M/PSSIが0.8×10未満の場合には、粘度温度特性が悪化すなわち省燃費性が悪化するおそれがある。
粘度指数向上剤(B)の40℃と100℃における動粘度の増粘比ΔKV40/ΔKV100は、4.0以下であることが好ましく、より好ましくは3.5以下、さらに好ましくは3.0以下、特に好ましくは2.5以下、もっとも好ましくは2.3以下である。また、ΔKV40/ΔKV100は、0.5以上であることが好ましく、より好ましくは1.0 以上であり、さらに好ましくは1.5以上であり、特に好ましくは2.0以上である。
ΔKV40/ΔKV100が0.5未満の場合には、粘度の増加効果や溶解性が小さくコストが上昇するおそれがあり、4.0を超える場合には、粘度温度特性の向上効果や低温粘度特性に劣るおそれがある。なお、ΔKV40はSK社製YUBASE4に粘度指数向上剤を3.0%添加したときの、40℃における動粘度の増加分を意味し、ΔKV100はSK社製YUBASE4に粘度指数向上剤を3.0%添加したときの、100℃における動粘度の増加分を意味する。
粘度指数向上剤(B)の100℃と150℃におけるHTHS粘度の増粘比ΔHTHS100/ΔHTHS150は、2.0以下であることが必要であり、より好ましくは1.7以下、さらに好ましくは1.6以下、特に好ましくは1.55以下である。また、ΔHTHS100/ΔHTHS150は、0.5以上であることが好ましく、より好ましくは1.0以上であり、さらに好ましくは1.2以上であり、特に好ましくは1.4以上である。0.5未満の場合には、粘度の増加効果や溶解性が小さくコストが上昇するおそれがあり、2.0を超える場合には、粘度指数すなわち省燃費性の向上効果が劣る。
本発明の潤滑油組成物において、粘度指数向上剤(B)の含有割合は、組成物全量基準で、0.1〜50質量%であることが必要であり、好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは1質量%以上、特に好ましくは2質量%以上、最も好ましくは5質量%以上である。また、好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下、特に好ましくは20質量%以下である。粘度指数向上剤(B)の含有割合が0.1質量%より少なくなると、粘度指数向上効果や製品粘度の低減効果が小さくなることから、省燃費性の向上が図れなくなるおそれがある。また、50質量%よりも多くなると、製品コストが大幅に上昇すると共に、基油粘度を低下させる必要が出てくることから、高温高せん断条件等の厳しい潤滑条件における潤滑性能を低下させ、摩耗や焼き付き、疲労破壊等の不具合の発生原因となることが懸念される。
本発明の潤滑油組成物においては、省燃費性能をさらに高めるために、有機モリブデン化合物および無灰摩擦調整剤から選ばれる摩擦調整剤を含有させることができる。
有機モリブデン化合物としては、モリブデンジチオホスフェート、モリブデンジチオカーバメート等の硫黄を含有する有機モリブデン化合物が挙げられる。
これら以外の硫黄を含有する有機モリブデン化合物としては、モリブデン化合物と、硫黄含有有機化合物あるいはその他の有機化合物との錯体等、あるいは、上記硫化モリブデン、硫化モリブデン酸等の硫黄含有モリブデン化合物とアルケニルコハク酸イミドとの錯体等を挙げることができる。
モリブデン化合物としては、例えば、二酸化モリブデン、三酸化モリブデン等の酸化モリブデン;オルトモリブデン酸、パラモリブデン酸、(ポリ)硫化モリブデン酸等のモリブデン酸、これらモリブデン酸の金属塩、アンモニウム塩等のモリブデン酸塩、二硫化モリブデン、三硫化モリブデン、五硫化モリブデン、ポリ硫化モリブデン等の硫化モリブデン、硫化モリブデン酸、硫化モリブデン酸の金属塩またはアミン塩、塩化モリブデン等のハロゲン化モリブデンが挙げられる。
硫黄含有有機化合物としては、例えば、アルキル(チオ)キサンテート、チアジアゾール、メルカプトチアジアゾール、チオカーボネート、テトラハイドロカルビルチウラムジスルフィド、ビス(ジ(チオ)ハイドロカルビルジチオホスホネート)ジスルフィド、有機(ポリ)サルファイド、硫化エステルが挙げられる。
有機モリブデン化合物としては、構成元素として硫黄を含まない有機モリブデン化合物も用いることができる。
硫黄を含まない有機モリブデン化合物としては、例えば、モリブデン−アミン錯体、モリブデン−コハク酸イミド錯体、有機酸のモリブデン塩、アルコールのモリブデン塩などが挙げられ、中でも、モリブデン−アミン錯体、有機酸のモリブデン塩およびアルコールのモリブデン塩が好ましい。
本発明の潤滑油組成物において、有機モリブデン化合物を用いる場合、その含有量は特に制限されないが、組成物全量を基準として、モリブデン元素換算で、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.005質量%以上、さらに好ましくは0.01質量%以上であり、また、好ましくは0.2質量%以下、より好ましくは0.1質量%以下、さらに好ましくは0.05質量%以下、特に好ましくは0.03質量%以下である。その含有量が0.001質量%未満の場合、潤滑油組成物の熱・酸化安定性が不十分となり、特に、長期間に渡って優れた清浄性を維持させることができなくなる傾向にある。一方、含有量が0.2質量%を超える場合、含有量に見合う効果が得られず、また、潤滑油組成物の貯蔵安定性が低下する傾向にある。
前記無灰摩擦調整剤としては、潤滑油用の摩擦調整剤として通常用いられる任意の化合物が使用可能であり、例えば、炭素数6〜50のアルキル基またはアルケニル基、特に炭素数6〜50の直鎖アルキル基または直鎖アルケニル基を分子中に少なくとも1個有する、アミン化合物、アミド化合物、イミド化合物、エステル化合物が挙げられる。さらには脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、脂肪酸、脂肪族アルコール、脂肪族エーテル、ウレア系摩擦調整剤等の無灰摩擦調整剤が挙げられる。
本発明の潤滑油組成物において無灰摩擦調整剤を用いる場合、無灰摩擦調整剤の含有量は、組成物全量を基準として、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは0.3質量%以上であり、また、好ましくは3質量%以下、より好ましくは2質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下である。無灰摩擦調整剤の含有量が0.01質量%未満であると、その添加による摩擦低減効果が不十分となる傾向にあり、また3質量%を超えると、耐摩耗性添加剤などの効果が阻害されやすく、あるいは添加剤の溶解性が悪化する傾向にある。
本発明においては、有機モリブデン化合物または無灰摩擦調整剤のいずれか一方のみを用いてもよく、両者を併用してもよいが、より長期間にわたって摩擦低減効果を維持できることから無灰摩擦調整剤を用いることがより好ましい。
本発明の潤滑油組成物には、さらにその性能を向上させるために、その目的に応じて潤滑油に一般的に使用されている任意の添加剤を含有させることができる。このような添加剤としては、例えば、金属系清浄剤、無灰分散剤、酸化防止剤、摩耗防止剤(または極圧剤)、腐食防止剤、防錆剤、流動点降下剤、抗乳化剤、金属不活性化剤、消泡剤等の添加剤を挙げることができる。
金属系清浄剤としては、例えば、アルカリ金属スルホネートまたはアルカリ土類金属スルホネート、アルカリ金属フェネートまたはアルカリ土類金属フェネート、アルカリ金属サリシレートまたはアルカリ土類金属サリシレート等の正塩、塩基正塩または過塩基性塩が挙げられる。本発明では、これらからなる群より選ばれる1種または2種以上のアルカリ金属またはアルカリ土類金属系清浄剤、特にアルカリ土類金属系清浄剤を好ましく使用することができる。特にマグネシウム塩および/またはカルシウム塩が好ましく、カルシウム塩がより好ましく用いられる。
無灰分散剤としては、潤滑油に用いられる任意の無灰分散剤が使用でき、例えば、炭素数40〜400の直鎖もしくは分枝状のアルキル基またはアルケニル基を分子中に少なくとも1個有するモノまたはビスコハク酸イミド、炭素数40〜400のアルキル基またはアルケニル基を分子中に少なくとも1個有するベンジルアミン、あるいは炭素数40〜400のアルキル基またはアルケニル基を分子中に少なくとも1個有するポリアミン、あるいはこれらのホウ素化合物、カルボン酸、リン酸等による変成品が挙げられる。使用に際してはこれらの中から任意に選ばれる1種類あるいは2種類以上を配合することができる。
酸化防止剤としては、例えば、フェノール系、アミン系等の無灰酸化防止剤、銅系、モリブデン系等の金属系酸化防止剤が挙げられる。具体的には、フェノール系無灰酸化防止剤としては、例えば、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノー
ル)、4,4’−ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)が、アミン系無灰酸化防止剤としては、例えば、フェニル−α−ナフチルアミン、アルキルフェニル−α−ナフチルアミン、ジアルキルジフェニルアミンが挙げられる。
摩耗防止剤(または極圧剤)としては、潤滑油に用いられる任意の摩耗防止剤・極圧剤が使用できる。例えば、硫黄系、リン系、硫黄−リン系の極圧剤が使用できる。具体的には、例えば、亜リン酸エステル類、チオ亜リン酸エステル類、ジチオ亜リン酸エステル類、トリチオ亜リン酸エステル類、リン酸エステル類、チオリン酸エステル類、ジチオリン酸エステル類、トリチオリン酸エステル類、これらのアミン塩、これらの金属塩、これらの誘導体、ジチオカーバメート、亜鉛ジチオカーバメート、モリブデンジチオカーバメート、ジサルファイド類、ポリサルファイド類、硫化オレフィン類、硫化油脂類が挙げられる。これらの中では硫黄系極圧剤の添加が好ましく、特に硫化油脂が好ましい。
腐食防止剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系、トリルトリアゾール系、チアジアゾール系、またはイミダゾール系化合物が挙げられる。
防錆剤としては、例えば、石油スルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、ジノニルナフタレンスルホネート、アルケニルコハク酸エステル、または多価アルコールエステルが挙げられる。
流動点降下剤としては、例えば、使用する潤滑油基油に適合するポリメタクリレート系のポリマーが使用できる。
抗乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、またはポリオキシエチレンアルキルナフチルエーテル等のポリアルキレングリコール系非イオン系界面活性剤が挙げられる。
金属不活性化剤としては、例えば、イミダゾリン、ピリミジン誘導体、アルキルチアジアゾール、メルカプトベンゾチアゾール、ベンゾトリアゾールまたはその誘導体、1,3,4−チアジアゾールポリスルフィド、1,3,4−チアジアゾリル−2,5−ビスジアルキルジチオカーバメート、2−(アルキルジチオ)ベンゾイミダゾール、またはβ−(o−カルボキシベンジルチオ)プロピオンニトリルが挙げられる。
消泡剤としては、例えば、25℃における動粘度が0.1〜100mm/s未満のシリコーンオイル、アルケニルコハク酸誘導体、ポリヒドロキシ脂肪族アルコールと長鎖脂肪酸のエステル、メチルサリチレートとo−ヒドロキシベンジルアルコールが挙げられる。
これらの添加剤を本発明の潤滑油組成物に含有させる場合には、それぞれその含有量は組成物全量基準で、好ましくは0.01〜10質量%である。
本発明の潤滑油組成物の100℃における動粘度は、1〜100mm/sであることが好ましく、上限値はより好ましくは12mm/s以下、さらに好ましくは9.3mm/s以下、特に好ましくは9.0mm/s以下、最も好ましくは8.5mm/s以下、さらに最も好ましくは8.3mm/s以下である。また、本発明の潤滑油組成物の100℃における動粘度の下限値は、より好ましくは4mm/s以上、さらに好ましくは5mm/s以上、特に好ましくは6mm/s以上、最も好ましくは7mm/s以上である。100℃における動粘度が1mm/s未満の場合には、潤滑性不足を来たすおそれがあり、100mm/sを超える場合には必要な低温粘度および十分な省燃費性能が得られないおそれがある。
本発明の潤滑油組成物の40℃における動粘度は特に制限はないが、通常4〜80mm/s、好ましくは50mm/s以下、より好ましくは45mm/s以下、さらに好ましくは40mm/s以下、特に好ましくは35mm/s以下、最も好ましくは33mm/s以下である。また、好ましくは10mm/s以上、より好ましくは20mm/s以上、さらに好ましくは25mm/s以上、特に好ましくは27mm/s以上である。40℃における動粘度が4mm/s未満の場合には、潤滑性不足を来たすおそれがあり、80mm/sを超える場合には必要な低温粘度および十分な省燃費性能が得られないおそれがある。
本発明の潤滑油組成物の粘度指数は特に制限はないが、140〜350の範囲であることが好ましく、より好ましくは190以上、さらに好ましくは200以上、一層好ましくは220以上、特に好ましくは250以上である。該粘度指数が140未満の場合には、HTHS粘度を維持しながら、省燃費性を向上させることが困難となるおそれがあり、さらに−35℃における低温粘度を低減させることが困難となるおそれがある。また、該粘度指数が350を超える場合には、低温流動性が悪化し、さらに添加剤の溶解性やシール材料との適合性が不足することによる不具合が発生するおそれがある。
本発明の潤滑油組成物の150℃におけるHTHS粘度は特に制限はないが、好ましくは3.5mPa・s以下、より好ましくは3.0mPa・s以下、さらに好ましくは2.8mPa・s以下、特に好ましくは2.7mPa・s以下である。また、好ましくは2.0mPa・s以上、より好ましくは2.1mPa・s以上、さらに好ましくは2.2mPa・s以上、特に好ましくは2.3mPa・s以上、最も好ましくは2.4mPa・s以上である。150℃におけるHTHS粘度が2.0mPa・s未満の場合には、潤滑性不足を来たすおそれがあり、3.5mPa・sを超える場合には必要な低温粘度および十分な省燃費性能が得られないおそれがある。
本発明の潤滑油組成物は、省燃費性、潤滑性に優れ、HTHS粘度を一定レベルに維持しながら、燃費向上にとって効果的である、粘度指数を著しく向上させたものである。このような優れた特性を有する本発明の潤滑油組成物は、省燃費ガソリンエンジン油、省燃費ディーゼルエンジン油等の省燃費エンジン油として好適に使用することができる。
以下、実施例および比較例に基づき本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1〜4、比較例1〜2]
実施例1〜4および比較例1〜2においては、以下に示す基油および添加剤を用いて潤滑油組成物を調製した。基油A−2の性状を表1に、潤滑油組成物の組成を表2に、それぞれ示す。
(基油)
基油A−1−1:オレイン酸2−エチルヘキシルエステル、100℃動粘度:2.67mm/s、40℃動粘度:8.26mm/s、粘度指数183
基油A−1−2:ネオペンチルグリコール−ジ−2−エチルヘキシルエステル、100℃動粘度:2.05mm/s、40℃動粘度:7.47mm/s、粘度指数52
基油A−1−3:アゼライン酸−ジ−2−エチルヘキシルエステル、100℃動粘度:3.01mm/s、40℃動粘度:10.7mm/s、粘度指数146
基油A−1−4:トリメチロールプロパントリエステル、100℃動粘度:4.41mm/s、40℃動粘度:19.6mm/s、粘度指数139
基油A−2:n−パラフィン含有油を水素化分解/水素化異性化した鉱油
(添加剤)
B−1−1:ポリメタクリレート(メチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレートおよび、上述の式(2)中のRが炭素数12〜20のアルキル基であるメタクリレートを合計して90モル%と、式(2)中のRが炭素数22の分岐鎖状アルキル基であるメタクリレート10モル%との共重合体)、PSSI=20、Mw=40万、Mw/Mn=2.2、Mw/PSSI=2×10、ΔKV40/ΔKV100=2.2、ΔHTHS100/ΔHTHS150=1.51
B−1−2:分散型ポリメタクリレート(メチルメタクリレート、上述の式(3)中のRが炭素数12の直鎖状アルキル基であるメタクリレート、式(3)中のRが炭素数13の直鎖状アルキル基であるメタクリレート、式(3)中のRが炭素数14の直鎖状アルキル基であるメタクリレート、式(3)中のRが炭素数15の直鎖状アルキル基であるメタアクリレート、およびジメチルアミノエチルメタクリレートの共重合体)、PSSI=40、Mw=30万、Mw/Mn=4.0、Mw/PSSI=0.75×10、ΔKV40/ΔKV100=3.3、ΔHTHS100/ΔHTHS150=1.79
C−1(摩擦調整剤1):グリセリンモノオレエート
C−2(摩擦調整剤2):モリブデンジチオカーバメート
D−1(その他添加剤):金属系清浄剤、無灰分散剤、酸化防止剤、リン系摩耗防止剤、流動点降下剤、消泡剤等含有
Figure 2010280824
<潤滑油組成物の評価>
実施例1〜4および比較例1〜2の各潤滑油組成物について、40℃および100℃における動粘度、粘度指数、150℃におけるHTHS粘度を測定した。各測定は以下の評価方法により行った。結果を表2に示す。
(1)動粘度:ASTM D−445
(2)粘度指数:JIS K 2283−1993
(3)HTHS粘度:ASTM D4683
Figure 2010280824
表2より、エステル系基油を含有し、所定の粘度指数向上剤を添加した実施例1〜4の組成物は、エステル系基油を含有しない比較例1の組成物ならびにMw/PSSIの低い粘度指数向上剤を用いた比較例2の組成物に比べて、粘度指数が高く、また40℃動粘度が低いため、省燃費性に優れていることを示す。

Claims (2)

  1. 100℃における動粘度が1〜500mm/sであるエステル系基油を基油全量基準で0.1〜90質量%含有し、100℃における動粘度が1〜20mm/sである潤滑油基油と、
    潤滑油組成物全量基準で0.1〜50質量%の、重量平均分子量が1万以上であり、重量平均分子量とPSSIの比が0.8×10以上、かつ100℃におけるHTHS粘度の増加分ΔHTHS100と150℃におけるHTHS粘度の増加分ΔHTHS150の比ΔHTHS100/ΔHTHS150が2.0以下である粘度指数向上剤と、
    を含有することを特徴とする潤滑油組成物。
  2. 前記エステル系基油がジエステルおよびモノエステルから選ばれる1種または2種以上の混合物であることを特徴とする請求項1記載の潤滑油組成物。
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