JP2010279228A - ステータおよび回転電機 - Google Patents

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良治 水谷
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【課題】スロット内に充填されたモールド樹脂を備えたステータおよび回転電機において、モールド樹脂の食み出しの抑制が図られたステータおよび回転電機を提供する。
【解決手段】ステータ100は、環状に形成されたステータヨーク部と、ステータヨーク部の内周面に周方向に間隔をあけて形成された複数のステータティースとを含み、ステータティース間にスロットが形成された環状のステータコアと、前記スロット内に挿入されたコイルと、前記スロット内に充填されたモールド樹脂113とを備え、ステータコアの内周面には前記スロットの開口部109が形成され、モールド樹脂113は、スロットの開口部109よりも径方向外方側に形成される。
【選択図】図8

Description

本発明は、ステータおよび回転電機に関し、特にステータコアに形成されたスロット内にモールド樹脂が充填されたステータおよび回転電機に関する。
従来からコイルの占積率の向上を図ると共に、コイルからの熱を良好に外部に放熱するためにスロット内にモールド樹脂が充填されたステータおよび回転電機が各種提案されている。
たとえば、特開2007−336650号公報に記載された回転電機の固定子は、複数のスロットが形成されたステータコアと、複数のコイルプレートが積層されて形成されたコイルプレート積層体と、複数相のコイルプレート積層体を一体的に保持するインシュレータとを備えている。
さらに、この固定子のコイルエンド部には、樹脂等の射出成形により形成されたモールド樹脂が形成されている。
特開2007−336650号公報
この特開2007−336650号公報に記載された固定子において、相の異なるコイル間の絶縁性を確保するために、絶縁紙を各コイルに装着するのが好ましい。なお、コイル間の絶縁性を確保するには、各絶縁紙は巻き始め側の端部と巻き終わり側の端部とが重なるように、各コイルに装着する必要がある。
そして、特開2007−336650号公報に記載された固定子においては、スロット内にも、モールド樹脂が充填されている。そして、この固定子を備えた回転電機が駆動すると、コイルの温度が上昇し、モールド樹脂が膨張する。モールド樹脂が膨張すると、スロットの開口部からモールド樹脂が食み出ようとする。
モールド樹脂が膨張し、スロット内で流動すると、絶縁紙の巻き始め側の端部と巻き終わり側の端部との重なり部分が剥離する。
ここで、絶縁紙の重なり部分の位置によっては、巻き終わり側の端部が大きく捲くれる。巻き終わり側の端部が捲くれると、この端部に付着しているモールド樹脂も大きく変位し、モールド樹脂の流動が促進される。この結果、スロットから食み出すモールド樹脂の食み出し量が多くなる。
モールド樹脂が大きく食み出すと、ロータとモールド樹脂とが接触して、モールド樹脂が破断され、破断された樹脂がギヤ等にはまり込み、ギヤの駆動を阻害する等の弊害を引き起こすおそれがある。
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、スロット内に充填されたモールド樹脂を備えたステータおよび回転電機において、モールド樹脂の食み出しの抑制が図られたステータおよび回転電機を提供することである。
本発明に係るステータは、環状に形成されたステータヨーク部と、ステータヨーク部の内周面に周方向に間隔をあけて形成された複数のステータティースとを含み、ステータティース間にスロットが形成された環状のステータコアと、スロット内に挿入されたコイルと、スロット内に充填された樹脂部とを備える。そして、上記ステータコアの内周面にはスロットの開口部が形成され、樹脂部は、スロットの開口部よりも径方向外方側に形成される。
好ましくは、上記スロット内に収容され、スロットの内周面に沿って延びると共に、コイルの周面を取り囲むように形成された絶縁部材をさらに備え、絶縁部材には、ステータコアの中心線方向に延び、ステータティースの間から径方向内方に向けて開口するスリット部が形成され、絶縁部材は、スリット部を規定すると共に、径方向内方に向けて突出する第1突出部および第2突出部を含み、第1突出部および第2突出部は、スロットの開口縁部より径方向外方側に配置される。そして、内端面は、スリットの縁部を通る仮想開口面上または仮想開口面より径方向外方側に配置される。
好ましくは、上記樹脂部の表面のうち、スロットの開口部と隣り合うと共にスロットの開口部より径方向外方側に位置する内端面には、凹部状の切欠部が形成される。
好ましくは、上記ステータコアは、該ステータコアの中心線方向に配列する第1軸方向端面と第2軸方向端面とを含み、内端面は、第1軸方向端面および第2軸方向端面からステータコアの中心線方向の中央部に近づくにつれて、径方向外方に変位するように形成される。
好ましくは、上記ステータコアは、中心線方向に配列する第1軸方向端面および第2軸方向端面を含み、樹脂部は、第1軸方向端面上と第2軸方向端面上との少なくとも一方に形成された環状部を含み、環状部の内周面に周方向に延びる環状凹部が形成される。本発明に係る回転電機は、上記ステータを備える。
本発明に係るステータおよび回転電機によれば、スロットからモールド樹脂が食み出すことを抑制することができる。
本発明の実施の形態に係る回転電機200を模式的に示す断面図である。 本発明の実施の形態に係るステータ100の斜視図である。 ステータ100の側断面図である。 図2に示すステータ100からモールド樹脂113を除去したステータ100を示す斜視図である。 ステータティース104およびU相コイル111Uを模式的に示す斜視図である。 コイルプレート積層体138U,144Uを模式的に示す斜視図である。 ステータティース104およびスロット106を示す断面図である。 突出部155,156およびその周囲の構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態に係る回転電機200を駆動させたときの開口部109およびその近傍の状態を示す断面図である。 本発明の実施の形態に係る回転電機200を駆動した際に、突出部156と前面部154との接続部分に生じる応力分布を示すシムレーション結果を示す図である。 比較例としてのステータのモールド樹脂113およびその近傍の構成を示す断面図である。 図11に示された比較例としてのステータを駆動させたときのモールド樹脂113等を示す断面図である。 図11に示す比較例としてのステータを駆動させたときに、突出部156および前面部154との接続部に生じる応力を示すシミュレーション結果を示す図である。 内端面117の形状を示すモールド樹脂113の断面図である。 内端面117の形状の変形例を示すモールド樹脂113の断面図である。 閉塞部121の内端面117のさらに他の変形例を示す断面図である。 図16に示された閉塞部121を径方向内方側から見た正面図である。 ステータ100の断面図であり、モールド樹脂113のさらに他の変形例を示す断面図である。 ステータ100の製造工程の第1工程を示す斜視図である。 ステータ100の製造工程の第2工程を示す斜視図である。 ステータ100の製造工程の第3工程を示す斜視図である。 ステータ100の製造工程の第4工程を示す斜視図である。 積層体ユニット108を各スロット106内に挿入した後のステータコア102の一部を示す斜視図である。 ステータ100の製造工程の第5工程を示す斜視図である。 接続プレート積層体112を構成するコイルプレート(コイルエンドプレート)220を示す斜視図である。 接続プレート積層体110を構成するコイルプレート221を示す斜視図である。 ステータコア102の一方の端面上に接続プレート積層体112を装着したときの模式図である。 ステータコア102の他方の端面上に接続プレート積層体110を装着したときの模式図である。 ステータ100の製造工程の第6工程を示す斜視図である。 ステータ100製造工程の第7工程を示す斜視図である。 ステータ100製造工程の第8工程を示す斜視図である。
本実施の形態に係るステータ100およびこのステータ100を備えた回転電機200について、図1から図31を用いて説明する。
なお、以下に説明する実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。また、以下の実施の形態において、各々の構成要素は、特に記載がある場合を除き、本発明にとって必ずしも必須のものではない。また、以下に複数の実施の形態が存在する場合、特に記載がある場合を除き、各々の実施の形態の特徴部分を適宜組合わせることは、当初から予定されている。
図1は、本発明の実施の形態1に係る回転電機200を模式的に示す断面図である。この図1に示すように、回転電機200は、中心線Oを中心に回転可能に設けられたロータ210と、このロータ210の周囲に配置された環状のステータ100とを備えている。ロータ210は、中心線Oを中心に回転可能に設けられた回転シャフト212に固定されたロータコア211と、このロータコア211に形成された磁石挿入孔216内に挿入された永久磁石213とを備えている。
なお、永久磁石213は、磁石挿入孔216内に充填された樹脂214によって固定されている。
ステータ100は、複数の電磁鋼板を積層することで構成された環状のステータコア102と、このステータコア102に装着されたコイル111とを備えている。
図2は、本発明の実施の形態1に係るステータ100の斜視図である。この図2に示すように、ステータ100は、環状に形成されたステータコア102と、このステータコア102の端面に形成されたモールド樹脂(樹脂部)113とを備えている。なお、モールド樹脂113には、ステータコア102に装着されたコイルに電流を供給する外部配線が接続される配線接続部が形成されている。
図3は、ステータ100の側断面図であり、図4は、上記図2に示すステータ100からモールド樹脂113を除去したステータ100を示す斜視図である。
図3および図4に示すように、ステータコア102は、中心線Oを中心に環状に形成されたステータヨーク部107と、このステータヨーク部107の内周面に形成され、周方向に間隔をあけて形成された複数ステータティース104とを備えており、ステータティース104間には、スロット106が形成されている。スロット106の開口部は、ステータコア102の内周面に間隔をあけて形成されている。
ステータコア102の表面は、中心線O方向に配列する軸方向端面102aおよび軸方向端面102bを含む。モールド樹脂113は、軸方向端面102a上に形成された環状の環状部115Aと、軸方向端面102b上に形成された環状の環状部115Bとを含む。
コイル111は、ステータティース104に巻回されており、コイル111の一部は、スロット106内に挿入されている。本実施の形態1に係るステータ100は、集中巻型のステータとされている。
コイル111は、コイル111は、U相コイルとV相コイルとW相コイルとを含み、U相コイルの隣りにV相コイルが配置されており、V相コイルに対してU相コイルと反対側にW相コイルが配置されている。そして、同相コイル同士は、図4に示す接続配線114によって接続されている。
図5は、ステータティース104およびU相コイル111Uを模式的に示す斜視図である。この図5に示すように、U相コイル111Uは、ステータティース104を挟んでステータコア102の周方向に配列するコイルプレート積層体138Uおよびコイルプレート積層体144Uと、コイルプレート積層体138Uの一方の端部およびコイルプレート積層体144Uの一方の端部を接続するように配置された接続プレート積層体112Uと、コイルプレート積層体138Uの他方の端部およびコイルプレート積層体144Uの他方の端部を接続する接続プレート積層体110Uとを備えている。
図6に示すように、コイルプレート積層体138U,144Uは、銅板等のコイルプレートをステータコア102の径方向に複数配列することで形成されている。なお、接続プレート積層体110Uおよび接続プレート積層体112Uも同様に構成されており、ステータコア102の径方向に配列する複数のコイルプレートによって構成されている。そして、接続プレート積層体110U,112Uを構成する各コイルプレートが、コイルプレート積層体138Uを構成するコイルプレートと、コイルプレート積層体144Uを構成するコイルプレートとを接続することで、螺旋状に巻回されたU相コイル111Uを構成している。
なお、V相コイル111VおよびW相コイル111Wも、U相コイル111Uと同様に構成されている。
図7は、ステータティース104およびスロット106を示す断面図であり、この図7に示す例においては、スロット106内には、積層体ユニット108が挿入されている。この積層体ユニット108は、コイルプレート積層体144Uと、コイルプレート積層体138Wと、コイルプレート積層体144Uおよびコイルプレート積層体138Wを固定するインシュレータ(絶縁部材)140と、コイルプレート積層体144Uの周面に巻回された絶縁紙143と、コイルプレート積層体138Wの周面に巻回された絶縁紙141とを備えている。
コイルプレート積層体144Uは、U相コイル111Uの一部を構成しており、コイルプレート積層体144Uの大部分はスロット106内に位置している。そして、絶縁紙143は、コイルプレート積層体144Uの表面のうち、スロット106内に位置する部分を覆うように、コイルプレート積層体144Uに巻回されている。コイルプレート積層体138Wは、W相コイル111Wの一部を構成しており、コイルプレート積層体138Wの大部分はスロット106内に挿入されている。そして、絶縁紙141は、コイルプレート積層体138Wの表面のうち、スロット106内に位置する部分を覆うように、コイルプレート積層体138Wに巻回されている。
各コイルプレート積層体144Uおよびコイルプレート積層体138Wを構成するコイルプレート136の径方向外方側の主表面には、絶縁膜137が形成されている。この絶縁膜137は、径方向に配列するコイルプレート136同士を絶縁している。
この図7に示されるスロット106は、U相コイル111Uが巻回されるステータティース104Uと、W相コイル111Wが装着されるステータティース104Wとの間に形成されている。
各ステータティース104U,104Wは、ステータヨーク部107から径方向内方に向けて延びる本体部103U,103Wと、この本体部103U,103Wの内端部に形成された鍔部105U,105Wとを備えている。そして、鍔部105Uと鍔部105Wとによって、スロット106の開口部109が規定されている。開口部109は、ステータコア102の内周面に形成されている。
インシュレータ140は、スロット106の内周面に沿って延びる枠部146と、この枠部146内に位置する絶縁板145と、この絶縁板145の内端部に形成された鍔部147とを備えている。インシュレータ140は、コイルプレート積層体144U,138Wの周囲を覆うように形成されている。
絶縁板145は、枠部146によって規定される空間を、コイルプレート積層体138Wを収容する収容部と、コイルプレート積層体144Uを収容する収容部とに区画している。そして、絶縁板145は、コイルプレート積層体138Wとコイルプレート積層体144Uとを絶縁している。
枠部146は、ステータヨーク部107の内周面上に配置される背面部150と、背面部150の端部に連設され、本体部103U,103Wの側面に沿って延びる側壁部151,152と、側壁部151,152の内端に連設され、鍔部105U,105Wの表面(背面)に沿って延びる前面部153,154と、前面部153,154の端部に連設された突出部155,156とを備えている。突出部155,156は、鍔部105U,105Wの側面に沿って延び、各前面部153,154の端部から径方向内方に向けて屈曲している。
このインシュレータ140は、たとえば、エポキシ、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアミド(PA)等から形成されており、樹脂成形が可能な絶縁材料から形成されている。
突出部155,156同士は、互いに離れている。モールド樹脂(樹脂部)113は、スロット106内に充填されている。モールド樹脂113は、突出部155および突出部156間と、鍔部105Uおよび鍔部105W間とにも形成されている。
さらに、モールド樹脂113は、前面部153,154と、絶縁紙141,143との間の隙にも充填されている。さらに、微小量のモールド樹脂113がコイルプレート136間の隙間と、コイルプレート136および絶縁紙141,143間の隙間等にも入り込んでいる。そして、スロット106内に充填されたモールド樹脂113のうち、突出部155および突出部156間に位置する閉塞部121が最も径方向内方に位置している。なお、突出部155および突出部156も中心線O方向に延びており、閉塞部121も中心線O方向に延びている。一般に、モールド樹脂113および絶縁紙141,143の接着性と、モールド樹脂113およびコイルプレート136の接着性は高い。
図8は、突出部155,156およびその周囲の構成を示す断面図である。この図8に示すように、鍔部105Uと鍔部105Wとによって、スロット106の開口部109が形成されている。
ここで、鍔部105Wは、本体部103Wの内側面に連設され、本体部103Wの内側面から張り出すように延びる背面195と、この背面195の端部に連設され、径方向内方に延びる側面196とを含む。同様に、鍔部105Uは、本体部103Uの内側面に連設され、内側面から張り出すように延びる背面197と、この背面197に連設され、径方向内方に向けて延びる側面198とを含む。
そして、モールド樹脂113の閉塞部121は、開口部109より径方向外方側に形成されている。
さらに、突出部155と突出部156とは、互いに離れており、突出部155と突出部156との間には、ステータコア102の中心線O方向に延びるスリット157が形成されている。このスリット157は、スロット106の開口部109から径方向内方に向けて開口している。
突出部155および突出部156は、スロット106の開口部109よりも径方向外方側に位置しており、スリット157は、開口部109よりも径方向外方側に位置している。閉塞部121の内端面117は、スロット106の開口部109およびスリット157と隣り合うと共に、開口部109およびスリット157より径方向外方側に位置している。このため、ステータコア102内からスロット106を正面視すると、スロット106の開口部109およびスリット157を通して、内端面117を見ることができる。なお、内端面117は、スロット106内に充填されたモールド樹脂113の表面のうち、最も径方向内方に位置している。
そして、スリット157の縁部は、突出部155の側辺部155aと、突出部156の側辺部156aとによって規定されており、スリット157の縁部(側辺部155aおよび側辺部156a)を通る平面をスリット157の仮想開口平面Pとする。
閉塞部121の表面のうち、最も径方向内方に位置する内端面117は、仮想開口平面Pよりも径方向外方側に位置している。
この図8に示す例では、内端面117は、背面197および側面198の接続部と、背面195および側面196の接続部とよりも、径方向内方に位置している。
このため、突出部155の表面のうち、突出部156と対向する内側面と、突出部156の表面のうち、突出部155と対向する内側面との大部分は、閉塞部121から露出している。
なお、この図8に示す例においては、内端面117は、仮想開口平面Pよりも径方向外方側に位置しているが、図8の二点鎖線に示すように、内端面117が仮想開口平面P上に位置するように閉塞部121を形成してもよい。
図9は、本実施の形態に係る回転電機200を駆動させたときの開口部109およびその近傍の状態を示す断面図である。
回転電機200が駆動すると、各コイルの温度が上昇し、モールド樹脂113が膨張する。この際、モールド樹脂113の閉塞部121は、開口部109より径方向外方側に形成されているので、閉塞部121が膨張したとしても、閉塞部121が開口部109からはみ出ることを抑制することができる。
特に、図8に示すように、閉塞部121の内端面117は仮想開口平面Pよりも径方向外方側に位置しており、閉塞部121は、開口部109から大きく径方向外方側に後退している。このため、閉塞部121が熱膨張したとしても、閉塞部121が開口部109から径方向内方に突出することが抑制されている。
さらに、上記図8に示すように、閉塞部121の内端面117は、背面197および側面198の接続部と、側面196および背面195の接続部よりも径方向外方側に位置しており、突出部155と、突出部156との間には、空隙部が形成されている。
このため、インシュレータ140の温度が上昇した際に、前面部153,154および突出部155,156の変形が許容される。これにより、インシュレータ140内に生じる熱応力を低く抑えることができる。
ここで、図10から図13を用いて、本実施の形態に係るステータ100において、突出部156および前面部154との間に生じる応力と、比較例としてのステータの突出部156および前面部154との間に生じる応力とを比較する。
図10は、本実施の形態に係る回転電機200を駆動した際に、突出部156と前面部154との接続部分に生じる応力分布を示すシミュレーション結果を示す図である。この図10において、破線で囲まれた領域R1は、比較的、応力が小さい領域を示す。一点鎖線で囲まれた領域R2は、領域R1に生じる応力よりも大きい応力が生じる領域を示す。さらに、二点鎖線で示された領域R3は、領域R2に生じる応力よりも大きい応力が生じる領域を示す。
図11は、上記比較例としてのステータのモールド樹脂113およびその近傍の構成を示す断面図である。
この図11に示すように、比較例としてのステータにおいては、モールド樹脂113は、開口部109を閉塞するように形成されている。そして、モールド樹脂113の内端面117は、鍔部105Wの内端面および鍔部105Uの内端面と面一となるように形成されている。
このため、この図11に示す比較例としてのステータにおいては、突出部155と突出部156との間の空間は、モールド樹脂113によって満たされている。
図12は、図11に示された比較例としてのステータを駆動させたときのモールド樹脂113等を示す断面図である。
この図12に示すように、比較例としてのステータにおいては、閉塞部121が開口部109から径方向内方に突出する。このため、比較例としてのステータにおいては、閉塞部121がロータと接触して異物が発生するおそれがある。
図13は、上記図11に示す比較例としてのステータを駆動させたときに、突出部156および前面部154との接続部に生じる応力を示すシミュレーション結果を示す図である。なお、この図13に示され破線で囲まれた領域R4は、領域R3に生じる応力よりも大きい応力が生じる領域を示す。
ここで、上記の図10および図13に示されるように、本実施の形態に係るステータ100において、突出部156と前面部154との接続部に生じる応力は、比較例において、突出部156と前面部154との接続部に生じる応力よりも小さいことが分かる。
このように、本実施の形態に係るステータ100においては、突出部156と前面部154との接続部に大きな応力が生じることが抑制されており、上記接続部に亀裂等が生じることを抑制することができる。
なお、図8の二点鎖線に示されるように、内端面117が仮想開口平面P上に位置するように閉塞部121を充填した場合には、突出部155および突出部156間であって、鍔部147の内端面から仮想開口平面Pまでの領域が閉塞部121によって充填される。このため、閉塞部121とインシュレータ140との間の接触面積が大きくなり、インシュレータ140に伝達されたコイル111からの熱が良好に閉塞部121(モールド樹脂113)に伝達される。そして、閉塞部121は、上記図3に示す環状部115A,115Bに接続されているため、閉塞部121に伝達された熱を環状部115A,115Bに伝達することができ、コイル111の冷却を図ることができる。
さらに、仮想開口平面Pは開口部109よりも径方向外方側に位置しているため、コイル111の温度が上昇しても、開口部109から外部に突出することが抑制されている。
図14は、内端面117の形状を示すモールド樹脂113の断面図である。この図14に示すように、内端面117は、軸方向端面102a,102b(環状部115Aおよび環状部115B)側から、ステータコア102の中心線O方向中央部に向うにしたがって、ステータコア102の径方向外方に向けてステータコア102の径方向外方に向けて変位するように形成されている。
ここで、ステータ100が駆動すると、ステータ100の内部のうち、軸方向端面102a,102b側の温度の方よりも、中心線O方向中央部側の方が高くなりやすい。また、ステータ100内の温度は、軸方向端面102a,102b側から中心線O方向中央部に向うにつれて段々温度が高くなるように分布する。
このため、ステータ100が駆動すると、閉塞部121のうち、軸方向端面102a,102b側の方の温度よりも、閉塞部121のうち、中心線O方向の中央部側の温度の方が高くなる。
これに対して、閉塞部121の内端面117は、中心線O方向中央部が最も径方向外方側に位置するように湾曲しているので、ステータ100が駆動した際に、閉塞部121の中心線O方向中央部がスロット106の開口部109から外方に突出することを抑制することができる。
ステータ100内の温度は、中心線O方向内方に向けて段々高くなる一方で、内端面117も、中心線O方向中央部に向けて漸次、径方向外方に向うように湾曲している。このため、内端面117の全長に亘って、内端面117が開口部109から外部に突出することを抑制することができる。
なお、閉塞部121の内端面117の形状としては、上記図14に示すような形状に限られない。図15は、内端面117の形状の変形例を示すモールド樹脂113の断面図である。
この図15に示す例においては、内端面117は、軸方向端面102a上に位置する環状部115A側から中心線O方向の中央部に向うに従って、径方向外方に向うように傾斜する傾斜面117aと、軸方向端面102b上に位置する環状部115B側から中心線O方向中央部に向うに従って、径方向外方に向うように傾斜する傾斜面117bとを備えている。そして、傾斜面117aと傾斜面117bとの接続部は、ステータ100の中心線O方向中央部に位置しており、最も径方向外方に位置している。
この図15に示す例においても、ステータ100が駆動して閉塞部121の温度が上昇したとしても、閉塞部121が開口部109から外方に突出することを抑制することができる。
図16は、閉塞部121の内端面117のさらに他の変形例を示す断面図であり、図17は、上記図16に示された閉塞部121を径方向内方側から見た正面図である。
この図16および図17に示されるように、閉塞部121の内端面117には、凹部状の切欠部119が形成されている。
この図16および図17に示す例においては、切欠部119は、内端面117上に中心線O方向に間隔をあけて複数形成されている。このため、内端面117には、切欠部119間に位置する部分に凸部125が形成されており、内端面117には、複数の凸部125が中心線O方向に間隔をあけて形成される。
ここで、各凸部125間には、切欠部119が形成されているため、凸部125の温度が上昇して凸部125が膨張する際には、凸部125は径方向に膨張するのみならず、切欠部119を埋めるように、中心線O方向にも膨らむことができる。
このように、凸部125は、中心線O方向にも膨張することができるため、凸部125が径方向に大きく膨張することを抑制することができる。
なお、図16および図17に示す例においては、各切欠部119および凸部125は、周方向に延びているが、各切欠部119および凸部125の延在方向としては、周方向に限られず、どのような方向であってもよい。
具体的には、切欠部119および凸部125は、中心線Oと交差する方向に延びるように形成してもよく、中心線O方向に延びるように形成してもよい。
図18は、ステータ100の断面図であり、モールド樹脂113のさらに他の変形例を示す断面図である。
この図18に示す例においては、モールド樹脂113のうち、環状部115A,115Bの内周面には、環状に延びる環状凹部159A,159Bが形成されている。
環状凹部159Aは、環状部115Aと閉塞部121との接続部を通るように形成されている。同様に、環状凹部159Bは、環状部115Bと閉塞部121との接続部分を通るように形成されている。
このため、ステータ100が駆動して、閉塞部121が膨張した際に、閉塞部121は、径方向に向けて膨張すると共に、環状凹部159Aおよび環状凹部159Bを埋めるように、中心線O方向にも膨張する。
このため、閉塞部121が径方向に膨張することを抑制することができ、閉塞部121がスロット106の開口部から外方に突出することを抑制することができる。
上記のように構成されたステータ100の製造方法について図19から図31を用いて説明する。
図19は、ステータ100の製造工程の第1工程を示す斜視図である。この図19に示すように、コイルプレート(鋼板)136を準備する。このコイルプレート136は、プレス工程において銅圧延素材の金属平板を加工してI字形状に形成される。コイルプレート136は、たとえば、シャーリング加工によりI字形状に加工される。コイルプレート136の材質として銅を用いることにより、高い熱伝導率によりコイルプレート136の放熱性を向上させることができる。また、銅は内部抵抗が低く、導体としても伝導率も高い。そのため、電流密度を向上させたときの発熱も低減させることができる。
また、コイルプレート136の両端部には、接合面を有する段差が形成される。本実施の形態においては、接合面を有する段差は、たとえば、切削加工等により形成されるものとする。また、コイルプレート136の接合面には、予め定められた塗布範囲に接合材が塗布され、接合部134が形成される。本実施の形態において、接合材は、有機物により被覆された金属ナノ粒子と有機溶媒とを含む、ペースト状の接合材(以下、金属ナノ粒子ペーストという)である。金属ナノ粒子は、たとえば、金、銀、銅およびプラチナのうちのいずれかの金属のナノ粒子であるが、本実施の形態においては、たとえば、有機物により被覆された銀ナノ粒子と有機溶媒とを含む、ペースト状の接合材(以下、銀ナノ粒子ペーストという)を用いるものとして説明する。銀ナノ粒子ペーストは、加熱により保護層である有機物が分解すると、銀ナノ粒子が低温で焼結を開始する。そのため、焼結温度が約260℃前後と低く、PPS(ポリフェニレンサルファイド)等の絶縁材料の溶融温度よりも低い。一方、焼結後においては、銀ナノ粒子は、金属結合状態となり、金属銀とコイルプレートの材質である銅との共晶温度(約1000度前後)付近になるまで溶融しない。なお、金属ナノ粒子を含む接合材については、公知の技術であるため、その詳細な説明は行なわない。
接合面に付着された銀ナノ粒子ペーストは、タックフリー状態になるまで乾燥される。これにより、接合面に付着された銀ナノ粒子ペーストの表面は硬化して、流動が抑制される。
さらに、コイルプレート136の少なくとも片面側には、図7に示されるような絶縁膜137が付着される。なお、絶縁膜に代えて絶縁フィルムを貼り付けてもよい。絶縁膜137は、コイルプレート間の絶縁が確保できる厚さを有していれば、特に材質などは限定されるものではない。絶縁フィルムを採用する場合には、たとえば、ポリイミドフィルムを採用することができる。コイルプレート136は、コイルプレート136の厚さ方向の対向する2面のうちの少なくともいずれか一方の面に貼付される。なお、絶縁膜137は、コイルプレート136の周面の全面に形成するようにしてもよい。
さらに、コイルプレート136の厚さおよび幅を含む断面形状は、積層されたときのコイルプレート136の位置に応じた寸法になるように形成される。
より具体的には、ステータコア102のステータヨーク部107側に位置するコイルプレート136であるほど、幅が大きくなり厚さが小さくなるような寸法の形状に形成される。このように積層されたときのコイルプレート136の位置に応じて断面形状を変更することにより、スロットに挿入されるコイルプレート積層体の断面形状を自由に設定することができる。すなわち、ステータコア102の径方向に延びる仮想軸線に垂直な断面において、コイルプレート積層体の断面積をスロットの断面の開口面積に近づける。これにより、占積率を向上させることができる。
図20は、ステータ100の製造工程の第2工程を示す斜視図である。この図20に示すように、複数のコイルプレート136を積層させて、コイルプレート積層体138およびコイルプレート積層体144を形成する。
そして、形成されたコイルプレート積層体138に絶縁紙141を巻回し、コイルプレート積層体144に絶縁紙143を巻回する。
そして、絶縁紙141が巻回されたコイルプレート積層体138と、絶縁紙143が巻回されたコイルプレート積層体144とをインシュレータ140内に挿入する。コイルプレート積層体144と、コイルプレート積層体138とは、インシュレータ140の絶縁板145によって絶縁されている。
なお、この図20に示すように、インシュレータ140の周面には、周面から突出する突出部148が形成されている。この突出部148は、インシュレータ140の一方の開口縁部に沿って形成されている。
図21は、ステータ100の製造工程の第3工程を示す斜視図であり、この図21に示すように、インシュレータ140内にコイルプレート積層体138およびコイルプレート積層体144を収容することで、積層体ユニット108を構成する。
図22は、ステータ100の製造工程の第4工程を示す斜視図である。この図22に示すように、スロット106内に積層体ユニット108を挿入する。
この図22に示す例では、ステータコア102の下方から積層体ユニット108をスロット106内に挿入し、突出部148をステータコア102の下端面に係止させることで、積層体ユニット108の位置決めがなされている。
図23は、積層体ユニット108を各スロット106内に挿入した後のステータコア102の一部を示す斜視図である。この図23に示すように、スロット106内に積層体ユニット108を装着すると、コイルプレート積層体144およびコイルプレート積層体138の端部がステータコア102の端面から突出する。
図24は、ステータ100の製造工程の第5工程を示す斜視図である。この図24に示すように、コイルプレート積層体144の一方の端部とコイルプレート積層体138の一方の端部とを接続する接続プレート積層体112をステータコア102の一方の端面上に装着する。
同様に、図5に示す接続プレート積層体110をステータコア102の他方の端部上に装着する。そして、コイルプレート積層体144の他方の端部とコイルプレート積層体138の他方の端部とを接続する。これにより、各ステータティース104に巻回されたコイル111が形成される。
接続プレート積層体112は、複数のコイルプレートと、この複数のコイルプレートを保持する保持部材158とを備えている。接続プレート積層体110も同様に複数のコイルプレートと、この複数のコイルプレートを保持する保持部材とを備えている。
図25は、接続プレート積層体112を構成するコイルプレート(コイルエンドプレート)220を示す斜視図であり、図26は、接続プレート積層体110を構成するコイルプレート(コイルエンドプレート)221を示す斜視図である。
図25において、コイルプレート220の両端部には段差部が形成され、この段差部には、予め定められた塗布範囲に銀ナノ粒子ペーストが塗布される。そして、コイルプレート220の両端部には、接合部222,223が形成される。そして、接続プレート積層体112は、コイルプレート220を順次積層し、保持部材158で保持することで製作される。なお、コイルプレート220の厚さは、接続されるコイルプレート積層体138,144のコイルプレート136の厚さによって異なる。
同様に、図26において、コイルプレート221の両端部には、段差部が形成され、この段差部の予め定められた塗布範囲に銀ナノペーストが塗布される。これにより、コイルプレート221の両端部に接合部223,224が形成される。そして、このコイルプレート221を順次積層し、保持部材で各コイルプレート221を保持することで、接続プレート積層体110が構成される。
そして、図27は、ステータコア102の一方の端面上に接続プレート積層体112を装着したときの模式図である。
この図27に示すように、各コイルプレート220が、コイルプレート積層体144を構成する各コイルプレート136と、コイルプレート積層体138を構成するコイルプレート136とを接続する。
具体的には、コイルプレート積層体144のコイルプレート136に形成された接合部134と、コイルプレート220に形成された接合部223とが接続され、コイルプレート積層体138のコイルプレート136の接合部134とコイルプレート220の接合部222とが接続される。
図28は、ステータコア102の他方の端面上に接続プレート積層体110を装着したときの模式図である。
この図28に示すように、コイルプレート積層体144のコイルプレート136に形成された接合部134と、コイルプレート221の接合部224とが接続され、コイルプレート積層体138のコイルプレート136に形成された接合部134と、コイルプレート221に形成された接合部225とが接続される。
図29は、ステータ100の製造工程の第6工程を示す斜視図である。この図29に示すように、接続配線114がコイルプレートの端部に挿入される。すべての積層体ユニット108間(上下各21箇所)に接続プレート積層体110,112が組付けられた後、接続配線114が積層体ユニット108に組付けられる。
より具体的には、接続配線114は、棒状の形状を有する。接続配線114の両端には、それぞれ接合部198,199を有する突出部がL字形状に形成される。接続配線114は、両端の接合部198,200がコイルプレート積層体138,144のそれぞれのコイルプレートの端部の接合面に当接するように予め定められた形状に屈曲される。
18本の接続配線114が、3ティース間隔毎のティースに巻回されたコイルを接続する。接続配線114の一方端は、ステータティース104に巻回されたコイルを構成するコイルプレートのうち最も軸中心側のコイルプレートの端部164に当接するように組付けられる。すなわち、接続配線114の一方端は、コイルプレート積層体144の最も軸中心側のコイルプレートの端部164に当接するように組付けられる。コイル端部164は、渡り部材160が接続されない端部である。
接続配線114の他方端は、ステータティース104から3ティース分だけ離れたティース168に巻回されたコイルのうち最も軸中心から離れた側のコイルプレートの端部166に当接するように組付けられる。すなわち、接続配線114の他方端は、コイルプレート積層体138の最も軸中心から離れた側のコイルプレートの端部166に当接するように組付けられる。
図30は、ステータ100製造工程の第7工程を示す斜視図であり、この図30に示すように、端子部材116〜126がコイル端部に組付けられる。ステータコア102に挿入された積層体ユニット108のうち最も軸中心側であって、接続配線114も接続されないコイルプレートの端部には、端子部材116,118,120がそれぞれ組付けられる。
また、最も軸中心から離れた側であって、接続配線114も渡り部材160も接続されないコイルプレートの端部には、端子部材122,124,126がそれぞれ組付けられる。
以上のようにして、ステータコア102のスロット106に積層体ユニット108が組付けられ、積層体ユニット108間に接続プレート積層体110,112が組付けられ、接続配線114および端子部材116〜126が組付けられると、接合前のステータ100が組み立てられる。
この後、多点同時接合処理が実施される。具体的には、組み立てられたステータ100において、当接した各接合面同士を接合させる処理が実施される。すなわち、図31に示すように、接続配線114あるいは端子部材116〜126および接続プレート積層体110,112が組付けられたすべてのコイルプレート積層体のコイル端部を径方向から挟みこむように(図31の矢印の方向)に加圧した上で温度を上昇させることにより、多点同時接合処理が実施される。
温度が上昇することにより、銀ナノ粒子ペーストに含まれる銀ナノ粒子を被覆する保護層が分解して銀ナノ粒子が焼結する。また、加圧することにより、保護層が分解する際に生じるペースト内のガス等が接合部分から排除される。接合部分は、銀ナノ粒子ペーストが焼結して、金属結合により接合される。そのため、接合処理後においては、金属銀の融点約1000℃付近まで加熱しないと接合部分は溶融しない。なお、銀ナノ粒子を被覆する保護層は、約260℃前後で分解するため、金属ナノ粒子は、約260℃前後で保護層が分解された後に低温で焼結する。したがって、加温は、コイルプレートに貼付された絶縁フィルムあるいはインシュレータが溶融する温度よりも小さい約260℃前後の予め定められた温度になるまで行なわれる。そのため、絶縁フィルムおよびインシュレータ140が溶融することはない。
図4に示すように、接合面同士の接合が完了したステータ100のコイルエンド部に対して樹脂等の射出成形によりモールド処理が実施される。このとき、ステータコア102の外周面および端子部材116〜126の端子以外の部分がモールド樹脂113により覆われる。
モールド樹脂113をステータコア102に形成する際には、コイル111等が組み付けられたステータコア102を金型内に挿入した後、樹脂を金型内に注入することでモールド樹脂113が形成される。この際、モールド樹脂113は、スロット106内にも入り込む。
金型は、ステータティース104の内端面を支持する内金型を含み、この内金型は、上記図14、図16に示す内端面117を成形する内端面形成部を備えており、内端面117が成形される。なお、同様に、図18に示す環状凹部159A,159Bを形成することができる。
以上のようにして完成したステータ100と回転子(図示せず)とからなる回転電機においては、端子部材116〜126のそれぞれに交流電力が供給されると、供給された電力に応じた磁界が発生する。回転子は、発生した磁界に基づいて回転力を得ることにより回転する。
以上のように本発明の実施の形態について説明を行なったが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。さらに、上記数値などは、例示であり、上記数値および範囲にかぎられない。
本発明は、ステータおよび回転電機に関し、特に、コイルの占積率の向上が図られたステータおよび回転電機に好適である。
100 ステータ、102 ステータコア、102a,102b 軸方向端面、104 ステータティース、105U,105W 鍔部、106 スロット、107 ステータヨーク部、108 積層体ユニット、109 開口部、110U,112U 接続プレート積層体、111 コイル、111U U相コイル、111V V相コイル、111W W相コイル、112U 接続プレート積層体、113 モールド樹脂(樹脂部)、114 接続配線、115A,115B 環状部、116,118,120 端子部材、117a,117b 傾斜面、117 内端面、119 切欠部、121 閉塞部、140 インシュレータ(絶縁部材)、155,156 突出部、157 スリット、159A,159B 環状凹部。

Claims (6)

  1. 環状に形成されたステータヨーク部と、前記ステータヨーク部の内周面に周方向に間隔をあけて形成された複数のステータティースとを含み、前記ステータティース間にスロットが形成された環状のステータコアと、
    前記スロット内に挿入されたコイルと、
    前記スロット内に充填された樹脂部と、
    を備え、
    前記ステータコアの内周面には前記スロットの開口部が形成され、
    前記樹脂部の径方向内方側の内端面は、前記スロットの開口部よりも径方向外方側に位置する、ステータ。
  2. 前記スロット内に収容され、前記スロットの内周面に沿って延びると共に、前記コイルの周面を取り囲むように形成された絶縁部材をさらに備え、
    前記絶縁部材には、前記ステータコアの中心線方向に延び、前記ステータティースの間から径方向内方に向けて開口するスリット部が形成され、
    前記絶縁部材は、前記スリット部を規定すると共に、径方向内方に向けて突出する第1突出部および第2突出部を含み、
    前記第1突出部および前記第2突出部は、前記スロットの開口縁部より径方向外方側に配置され、
    前記内端面は、前記スリット部の縁部を通る仮想開口面上または前記仮想開口面より径方向外方側に配置された、請求項1に記載のステータ。
  3. 前記内端面には、凹部状の切欠部が形成された、請求項1または請求項2に記載のステータ。
  4. 前記ステータコアは、該ステータコアの中心線方向に配列する第1軸方向端面と第2軸方向端面とを含み、
    前記内端面は、前記第1軸方向端面および前記第2軸方向端面から前記ステータコアの中心線方向の中央部に近づくにつれて、径方向外方に変位するように形成された、請求項1または請求項2にステータ。
  5. 前記ステータコアは、中心線方向に配列する第1軸方向端面および第2軸方向端面を含み、
    前記樹脂部は、前記第1軸方向端面上と前記第2軸方向端面上との少なくとも一方に形成された環状部を含み、
    前記環状部の内周面に周方向に延びる環状凹部が形成された、請求項1から請求項4に記載のステータ。
  6. 請求項1から請求項5に記載されたステータを備えた、回転電機。
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