JP2010278655A - 固体撮像素子、撮像装置、撮像方法 - Google Patents

固体撮像素子、撮像装置、撮像方法 Download PDF

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Abstract

【課題】汎用性に優れた固体撮像素子を提供する。
【解決手段】画素部100を複数有する固体撮像素子10であって、画素部10は、光電変換部3と、光電変換部3で発生した電荷を各々蓄積可能な複数の電荷蓄積部(不揮発性メモリトランジスタMT1,2)とを有し、不揮発性メモリトランジスタMT1は、フローティングゲートFG1とゲート電極(コントロールゲートCG1)を有し、不揮発性メモリトランジスタMT2は、フローティングゲートFG2とゲート電極(コントロールゲートCG2)を有する。コントロールゲートCG1とコントロールゲートCG2は独立して駆動可能となっており、光電変換部3で発生した電荷をフローティングゲートFG1とフローティングゲートFG2に選択的に蓄積可能となっている。
【選択図】図2

Description

本発明は、固体撮像素子、撮像装置、撮像方法に関する。
光電変換によって発生した電荷をフローティングゲート等の電荷蓄積領域を有する不揮発性MOSメモリトランジスタによって記録し、該電荷によるメモリトランジスタの閾値電圧の変化を撮像信号として読み出す固体撮像素子が提案されている(特許文献1、2参照)。
このような固体撮像素子では、メモリトランジスタのトンネル酸化膜の厚みが製造工程によってばらつくと、閾値電圧の上昇が大きいメモリトランジスタと閾値電圧の上昇が小さいメモリトランジスタとが存在することになる。このような閾値電圧のばらつきは、読み出し時に画像データの明るさのむらとなって現れるため、できるだけ小さくすることが好ましい。
特許文献2には、不揮発性MOSメモリトランジスタを有する固体撮像素子において、上述した閾値電圧のばらつきを減少させる方法が開示されている。この方法では、まず、全ての画素のメモリトランジスタに弱い書き込み条件でダミー情報を書き込む。次に、各画素に書き込んだダミー情報を読み出してメモリに記憶する。次に、メモリに記憶された画素のダミー情報に応じた電圧で、該画素のメモリトランジスタのチャネル領域を予備充電する。この状態で、露光を開始するものである。
特許文献2に記載の方法では、露光開始までの間の駆動ステップが複雑化し、撮像、信号処理速度の低下が懸念される。また、ダミー情報を記憶しておくための外部メモリが必要となるため、例えば全画素を同時に露光するグローバルシャッタを実現しようとした場合には、全画素のダミー情報を記憶できるだけの大容量メモリが必要となる。
また、固体撮像素子においては、ダイナミックレンジを拡大するための様々な手法が提案されている(例えば特許文献3,4、非特許文献1参照)。
特に有効な手法として、露光時間(シャッタースピード)の異なる2枚の画像データを合成する方法が知られている。例えば、特許文献3に記載のように、2次元状に配置された光電変換部に対し、1画面分の画像を撮像する期間内に読み出し動作を複数回行い、読み出された複数の画像データを合成することでダイナミックレンジを拡大させる方法がある。
しかし、上記方法では、1回目の露光→読み出し→2回目の露光→読み出し→合成、のステップを踏む必要がある。このため、1回目の露光と2回目の露光とに時間差が生じてしまい、動く被写体等を撮影した場合には合成処理が難しくなってしまう。また、読み出しを高速に行う必要があるため、消費電力が大きくなってしまう。
また、近年の医療では、電子内視鏡装置に固体撮像素子が用いられている。早期ガンを発見するために必要となる生体情報は通常の肉眼観察では見え難い場合が多く、診断の精度を向上させるためには複数の生体情報を可視化することが極めて有効である。そこで、電子内視鏡を用いた体内の撮影においては、白色光を光源とする通常撮影以外に、通常撮影では識別しづらい対象物(生体情報)をより鮮明に撮像するために、特殊光(例えば赤外光)を光源とする特殊撮影を行うといったことが行われている。
特許文献5では、可視域を透過し赤外域をカットする赤外カットフィルタと、赤外域を透過し可視域をカットする赤外透過フィルタとを固体撮像素子の前面に切り替えて挿入可能とし、赤外カットフィルタを固体撮像素子の前面に挿入した状態で可視光を対象物に当てて通常撮影を行い、これによって得られる信号から通常の可視画像を得る。続いて、赤外透過フィルタを固体撮像素子の前面に挿入した状態で赤外光を対象物に当てて特殊撮影を行い、これによって得られる信号から赤外画像を得ている。
この方法では、通常撮影と特殊撮影との間に信号の読み出しが必要となるため、通常撮影と特殊撮影との間に時間差ができてしまう。この結果、被写体が動いた場合等には同一条件で2つの撮影を行うことができず、対象物の正確な比較ができない。
また、電子内視鏡装置には、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)の各光で対象物を順次照明し、対象物からの光をカラーフィルタのない固体撮像素子で受光して撮影を行う面順次方式と、対象を白色光で照明し、RGBカラーフィルタを搭載した固体撮像素子で対象物からの光を受光して撮影を行う面同時方式とがある。
面順次方式の電子内視鏡装置は、固体撮像素子の各画素からRGBの色信号が得られるため、信号補間処理が不要となり、偽色が発生しにくい。また、カラーフィルタがないことにより、光源の色特性(RGB各色の分光特性)で色再現性を決められるので、忠実度の高い映像を得ることができる。また、カラーフィルタを搭載していないため、固体撮像素子の小型化を実現でき、内視鏡の細径化を図ることができ、患者への負担を軽くすることができる。このように、面順次方式には、種々の利点があり、画質向上による診断精度の向上や、内視鏡の細径化による患者の負担減を図る上で、面順次方式は有効である。
面順次方式における被写体の照明方式としては、白色光を発光する光源とRGBの各色光を透過するカラーフィルタとを組み合わせた方式と、R光、G光、B光をそれぞれ発光する3つの光源を用いる方式とがあり、後者の方式については例えば特許文献6に開示されている。
しかしながら、面順次方式では、例えば、R光発光→信号読み出し→G光発光→信号読み出し→B光発光→信号読み出しのステップを踏むため、信号読み出し期間が長くなる。このため、次の発光までの時間が長くなり、この間に被写体が動く可能性も高くなって、色ずれが発生して画質が低下する恐れがある。信号読み出し期間を短くすれば色ずれは抑制できるが、信号読み出しを高速化しようとすると、各画素の露光時間を短くせざるを得なくなり、感度低下が避けられない。また、高速駆動に伴い素子自体の発熱量が多くなり、好ましくない。多画素化が進めば、当然、信号読み出し期間も長くなるため、今後は、このような画質低下を抑制することがより一層求められてくる。
特開2002−280537号公報 特開2001−85660号公報 特開平7−322147号公報 特開2004−111817号公報 特開2001−87221号公報 特開2007−275243号公報
米本和也、CCD/CMOSイメージセンサの基礎と応用、CQ出版社、2003年、p212
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、上述してきた種々の課題を解決することが可能な汎用性に優れた固体撮像素子とこれを備えた撮像装置を提供することを目的とする。
本発明の固体撮像素子は、画素部を複数有する固体撮像素子であって、前記画素部は、光電変換部と、前記光電変換部で発生した電荷を各々蓄積可能な複数の電荷蓄積部とを有し、前記複数の電荷蓄積部の各々がフローティングゲートを含むトランジスタであり、前記画素部の前記複数のトランジスタの各々は、独立して駆動可能なゲート電極を有し、前記電荷を前記フローティングゲートに蓄積する。
本発明の撮像装置は、前記固体撮像素子を備える。
本発明によれば、上述してきた種々の課題を解決することが可能な汎用性に優れた固体撮像素子とこれを備えた撮像装置を提供することができる。
本発明の第一の実施形態を説明するための固体撮像素子の概略構成を示す平面模式図 図1に示す固体撮像素子の画素部の等価回路図 図2に示す画素部の平面レイアウト例を示す平面模式図 図3に示す画素部のA−A’線断面模式図 図3に示す画素部のB−B’線断面模式図 図1に示す固体撮像素子の駆動方法を説明するためのタイミングチャート 図1に示す固体撮像素子の撮像動作中の不揮発性メモリトランジスタの閾値電圧の分布の変化を示した図 図1に示した固体撮像素子の画素部の第一の変形例を示す等価回路図 図1に示した固体撮像素子の画素部の第二の変形例を示す等価回路図 本発明の第二の実施形態を説明するための固体撮像素子の概略構成を示す平面模式図 書き込み電圧とトランジスタの閾値電圧との関係を示した図 図10に示す固体撮像素子を搭載した撮像装置の概略構成を示す図 図10に示す固体撮像素子の駆動方法を説明するためのタイミングチャート ダイナミックレンジ拡大処理を説明するための図 図10に示した固体撮像素子の画素部の第一の変形例を示す等価回路図 図10に示す固体撮像素子の別の駆動方法を説明するためのタイミングチャート 本発明の第三の実施形態を説明するための内視鏡装置の概略構成を示す図 カラーフィルタの分光特性と特殊光の輝線との関係を示した図 図17に示す内視鏡装置の動作を説明するためのタイミングチャート 図17に示す内視鏡装置の動作を説明するための模式図 本発明の第四の実施形態を説明するための内視鏡装置の概略構成を示す図 図21に示す内視鏡装置における固体撮像素子の画素部の内部構成の等価回路図 図21に示す内視鏡装置の動作を説明するためのタイミングチャート 図21に示す内視鏡装置の動作を説明するための模式図 図21に示す内視鏡装置の効果を説明するための図
<第一の実施形態>
以下、本発明の第一の実施形態を説明するための固体撮像素子について図面を参照して説明する。この固体撮像素子は、デジタルカメラやデジタルビデオカメラ等の撮像装置、携帯電話機や電子内視鏡等に内蔵される撮像ユニットに搭載して用いられるものである。
図1は、本発明の第一の実施形態を説明するための固体撮像素子の概略構成を示す平面模式図である。図1(a)は固体撮像素子の全体を示した図であり、図1(b)は(a)の固体撮像素子の読み出し回路の構成例を示した図である。図1に示す固体撮像素子10は、画素部100と、読み出し回路20と、出力回路(トランジスタ30、信号線70、水平シフトレジスタ50、出力部60)と、制御部40と、統括制御部80とを備える。
画素部100は、複数設けられ、半導体基板Kの列方向とこれに直交する行方向に二次元状(この例では正方格子状)に配列されている。
読み出し回路20は、列方向に並ぶ画素部100からなる画素部列毎に設けられ、各画素部100から撮像信号を読み出すためのものである。
出力回路は、読み出し回路20で読み出された1画素部行分の撮像信号を出力するための回路である。
制御部40は、各画素部100を制御するものである。
統括制御部80は、固体撮像素子10全体を統括制御するものである。固体撮像素子10は、それを搭載する撮像装置のシステム制御部からの制御により、統括制御部80が各部を制御することで動作する。
図2は、図1に示した固体撮像素子における画素部の等価回路を示した図である。図2に示すように、画素部100は、光電変換部3と、不揮発性メモリトランジスタMT1と、不揮発性メモリトランジスタMT2と、リセットトランジスタRTとを備える。
光電変換部3は半導体基板K内に形成されている。不揮発性メモリトランジスタMT1は、半導体基板K上方に形成された電荷蓄積領域であるフローティングゲートFG1及びゲート電極であるコントロールゲートCG1を含むMOSトランジスタ構造となっている。不揮発性メモリトランジスタMT2は、半導体基板K上方に形成された電荷蓄積領域であるフローティングゲートFG2及びゲート電極であるコントロールゲートCG2を含むMOSトランジスタ構造となっている。リセットトランジスタRTは、光電変換部3の電荷をリセットするためのものである。不揮発性メモリトランジスタMT1と不揮発性メモリトランジスタMT2は、それぞれ、光電変換部3で発生した電荷を蓄積可能な電荷蓄積部として機能する。
不揮発性メモリトランジスタMT1と不揮発性メモリトランジスタMT2の各々の出力(ドレイン領域D1,D2)は、画素部列毎に設けられた出力信号線である列信号線12に共通接続されており、この列信号線12には読み出し回路20が接続されている。不揮発性メモリトランジスタMT1,MT2のソース領域Sは、画素部列毎に設けられたソース線SLに共通接続されている。
リセットトランジスタRTは、リセットドレインRDと、ソース領域として機能する光電変換部3と、ゲート電極であるリセットゲートRGとを備えたMOS構造となっている。リセットドレインRDには、リセット電圧を供給するためのリセット電源線Vccが接続されている。
不揮発性メモリトランジスタMT1のコントロールゲートCG1には、行方向に並ぶ画素部からなるライン毎に設けられたゲート制御線CGL1が接続されている。各ラインのゲート制御線CGL1は制御部40に接続されており、ライン毎に独立に電圧を印加できるようになっている。
不揮発性メモリトランジスタMT2のコントロールゲートCG2には、ライン毎に設けられたゲート制御線CGL2が接続されている。各ラインのゲート制御線CGL2は制御部40に接続されており、ライン毎に独立に電圧を印加できるようになっている。
リセットトランジスタRTのリセットゲートRGには、ライン毎に設けられたリセット制御線RLが接続されている。各ラインのリセット制御線RLは制御部40に接続されており、ライン毎に独立に電圧を印加できるようになっている。制御部40からリセット制御線RLを介してリセットパルスが印加されることで、リセットトランジスタRTがオンし、光電変換部3に蓄積されている電荷がリセットトランジスタRTのドレインRDへと排出される構成となっている。
読み出し回路20は、不揮発性メモリトランジスタMT1のフローティングゲートFG1に蓄積された電荷に応じた第一の信号と、不揮発性メモリトランジスタMT2のフローティングゲートFG2に蓄積された電荷に応じた第二の信号との差分を撮像信号として読み出す信号読み出し手段である。
読み出し回路20は、図1(b)に示すように、読み出し制御部20aと、センスアンプ20bと、プリチャージ回路20cと、ランプアップ回路20dと、トランジスタ20e,20fと、カウント方向切替部20gとを備えた構成となっている。
読み出し制御部20aは、トランジスタ20e,20fのオンオフを制御する。プリチャージ回路20cは、列信号線12に所定の電圧を供給して、列信号線12をプリチャージするための回路である。センスアンプ20bは、列信号線12の電圧を監視し、この電圧が変化したことを検出し、ランプアップ回路20dにその旨を通知する。例えば、プリチャージ回路20cによってプリチャージされたドレイン電圧が降下したことを検出しセンスアンプ出力を反転させる。
ランプアップ回路20dは、N−bitカウンタ(例えばN=8〜12)を内蔵しており、制御部40を介して画素部100のコントロールゲートCG1,CG2に漸増または漸減するランプ波形電圧を供給すると共に、ランプ波形電圧の値に対応するカウント値(N個の1、0の組み合わせ)を出力する。
カウント方向切替部20gは、ランプアップ回路20dに内蔵されるカウンタによるカウント方向をアップカウントとダウンカウントとのいずれかに設定する制御を行う。
列信号線12がプリチャージされた状態でコントロールゲートCG1の電圧が不揮発性メモリトランジスタMT1の閾値電圧を越えると不揮発性メモリトランジスタMT1が導通し、このとき、プリチャージされていた列信号線12の電位が降下する。これがセンスアンプ20bによって検出されて反転信号が出力される。ランプアップ回路20dは、この反転信号を受けた時点におけるランプ波形電圧の値に対応するカウント値を保持(ラッチ)する。これにより、デジタル値(1,0の組み合わせ)として不揮発性メモリトランジスタMT1の閾値電圧の変化(フローティングゲートFG1に電荷が蓄積されていないときの閾値電圧を基準とした変化量)を信号として読み出すことができる。
列信号線12がプリチャージされた状態でコントロールゲートCG2の電圧が不揮発性メモリトランジスタMT2の閾値電圧を越えると不揮発性メモリトランジスタMT2が導通し、このとき、プリチャージされていた列信号線12の電位が降下する。これがセンスアンプ20bによって検出されて反転信号が出力される。ランプアップ回路20dは、この反転信号を受けた時点におけるランプ波形電圧の値に対応するカウント値を保持する。これにより、デジタル値として不揮発性メモリトランジスタMT2の閾値電圧の変化(フローティングゲートFG2に電荷が蓄積されていないときの閾値電圧を基準とした変化量)を信号として読み出すことができる。
読み出し回路20では、不揮発性メモリトランジスタMT1からの信号の読み出しと、不揮発性メモリトランジスタMT2からの信号の読み出しとを連続して行い、それぞれの信号読み出し時のNbitカウンタのカウント方向を逆にすることで、この2つの信号の差分をとった信号を、撮像信号として読み出すことを可能にしている。
水平シフトレジスタ50により1つの水平選択トランジスタ30が選択されると、その水平選択トランジスタ30に接続されたランプアップ回路20dで保持されているカウンタ値が信号線70に出力され、これが撮像信号として出力部60から出力される。
なお、不揮発性メモリトランジスタMT1,MT2の閾値電圧の変化を信号として読み出す方法としては上述したものに限らない。例えば、コントロールゲートCG1とドレイン領域D1に一定の電圧を印加した場合の不揮発性メモリトランジスタMT1のドレイン電流と、コントロールゲートCG2とドレイン領域D2に一定の電圧を印加した場合の不揮発性メモリトランジスタMT2のドレイン電流とを信号として読み出しても良い。
制御部40は、不揮発性メモリトランジスタMT1,MT2を制御し、光電変換部3で発生した電荷をフローティングゲートFG1,FG2に注入して蓄積させる駆動を行う。不揮発性メモリトランジスタMT1(MT2)では、コントロールゲートCG1(CG2)に書き込みパルスが印加されることで、ファウラ−ノルドハイム(F−N)トンネル電流を用いて電荷を注入するFNトンネル注入、ダイレクトトンネル注入等により、光電変換部3で発生した電荷がフローティングゲートFG1(FG2)に注入されて蓄積されるようになっている。
また、制御部40は、各画素部100の光電変換部3で発生して蓄積された電荷を外部に排出して光電変換部3を空の状態にするリセット駆動と、フローティングゲートFG1,FG2に蓄積された電荷を半導体基板に排出して消去する電荷消去駆動も行う。
図3は、図1に示した固体撮像素子の画素部の平面レイアウト例を示す平面模式図である。図4は、図3に示す画素部のA−A’線断面模式図である。図5は、図3に示す画素部のB−B’線断面模式図である。
図4に示すように、光電変換部3は、N型シリコン基板1上のPウェル層2内に形成されたN型不純物領域であり、このN型不純物領域とPウェル層2とのPN接合により、光電変換機能を実現している。この光電変換部3は、その表面に完全空乏化や暗電流抑制のためにP型不純物層5が形成された、所謂埋め込み型フォトダイオードとなっている。なお、N型シリコン基板1とPウェル層2とにより上記半導体基板Kが構成されている。
隣接する画素部100同士は、pウェル層2内に形成された素子分離層4によって分離されている。素子分離法には、LOCOS(Local Oxidation of Silicon)法、STI(Shallow Trench Isolation)法、及び高濃度不純物イオン注入による方法等が適用できる。
不揮発性メモリトランジスタMT1のソース領域Sは、光電変換部3の列方向隣に離間して設けられたN型不純物領域である。また、不揮発性メモリトランジスタMT1のドレイン領域D1は、ソース領域Sの行方向隣に離間して設けられたN型不純物領域である。ソース領域Sとドレイン領域D1との間にはP型不純物領域であるチャネル領域6aが形成されている。フローティングゲートFG1は、ソース領域Sとドレイン領域D1との間の半導体基板上方に絶縁膜7を介して設けられており、フローティングゲートFG1の上方に絶縁膜14を介してコントロールゲートCG1が設けられている。なお、チャネル領域6aは、コントロールゲートCG1に印加される電圧に応じてキャリアが流れる領域である。ここでは、ソース領域Sとドレイン領域D1とで挟まれた領域に電荷注入効率及び閾値電圧を制御する目的でP型不純物を注入してチャネル領域6aを形成しているが、ここをpウェル層2のままとしても良い。
不揮発性メモリトランジスタMT2のドレイン領域D2は、ソース領域Sの行方向隣に離間して設けられたN型不純物領域である。ソース領域Sとドレイン領域D2との間にはP型不純物領域であるチャネル領域6bが形成されている。フローティングゲートFG2は、ソース領域Sとドレイン領域D2との間の半導体基板上方に絶縁膜7を介して設けられており、フローティングゲートFG2の上方に絶縁膜14を介してコントロールゲートCG2が設けられている。なお、チャネル領域6bは、コントロールゲートCG2に印加される電圧に応じてキャリアが流れる領域である。ここでは、ソース領域Sとドレイン領域D2とで挟まれた領域に電荷注入効率及び閾値電圧を制御する目的でP型不純物を注入してチャネル領域6bを形成しているが、ここをpウェル層2のままとしても良い。
コントロールゲートCG1,CG2を構成する導電性材料は、例えばポリシリコンを用いることができる。リン(P)、砒素(As)、ボロン(B)を高濃度にドープしたドープドポリシコンでも良い。あるいは、チタン(Ti)やタングステン(W)等の各種金属とシリコンを組み合わせたシリサイド(Silicide)やサリサイド(Self-alingn Silicide)でも良い。フローティングゲートFG1,FG2を構成する導電性材料は、コントロールゲートCG1,CG2と同じものを用いることができる。
図3のレイアウト例では、ソース領域Sとドレイン領域D1,D2が行方向に並べて配置されており、これらの間を、フローティングゲートFG1,FG2及びコントロールゲートCG1,CG2が列方向に延びるように細長く形成されている。コントロールゲートCG1は、行方向に延びるアルミ配線であるゲート制御線CGL1の下方まで延びており、ここで、アルミニウム等で形成されたコンタクト部11によりゲート制御線CGL1と接続されている。
コントロールゲートCG2は、行方向に延びるアルミ配線であるゲート制御線CGL2の下方まで延びており、ここで、アルミニウム等で形成されたコンタクト部16によりゲート制御線CGL2と接続されている。
ドレイン領域D1,D2上方には、列方向に延びるアルミ配線である列信号線12の一部が延びてきており、この一部とドレイン領域D1とがアルミニウム等で形成されたコンタクト部9により電気的に接続され、この一部とドレイン領域D2とがアルミニウム等で形成されたコンタクト部10aにより電気的に接続されている。
ソース領域S上にはアルミニウム等で形成されたコンタクト部8aが形成され、コンタクト部8aには配線8が接続されている。配線8は、列方向に延びるアルミ配線であるリセット電源線Vccの下を通過してソース線SLの下まで延びている。配線8とソース線SLはアルミニウム等で形成されたコンタクト部8bにより電気的に接続されている。ソース線SLは、列方向に並ぶ画素部100からなる列毎に設けられており、所定の電位(例えば接地電位)に接続されている。
リセットトランジスタRTは、ソース領域として機能する光電変換部3と、光電変換部3の列方向隣に離間して設けられたN型不純物領域であるドレイン領域RDと、光電変換部3とドレイン領域RDとの間の半導体基板上方に絶縁膜7を介して設けられたリセットゲートRGとを備えたMOSトランジスタ構造となっている。
図3のレイアウト例では、リセットゲートRGは、行方向に延びるアルミ配線であるリセット制御線RLの下に配置されており、ここで、アルミニウム等で形成されたコンタクト部RGaによりリセット制御線RLと接続されている。
ドレイン領域RD上方には、リセット電源線Vccの一部が延びてきており、この一部とドレイン領域RDとがアルミニウム等で形成されたコンタクト部RDaにより電気的に接続されている。リセット電源線Vccは、列方向に並ぶ画素部100からなる列毎に設けられており、所定の電源電圧に接続されている。
なお、リセットトランジスタRTや不揮発性メモリトランジスタMT1,MT2の配置は、図3に示したものに限らず、スペースに応じて適当に配置すれば良い。
各種配線の位置関係は、ゲート制御線CGL1,CGL2、リセット制御線RL、及び配線8よりも、ソース線SL、リセット電源線Vcc、及び列信号線12の方が上層に形成されたものとなっている。
画素部100は、例えばタングステン等で構成された遮光膜Wによって、光電変換部3の一部以外の領域に光が入射しない構造になっている。図4及び図5に示したように、半導体基板上方(ソース線SL、リセット電源線Vcc、及び列信号線12よりも上)には光電変換部3の一部の上方に開口WHが形成された遮光膜Wが形成されている。
固体撮像素子10では、フローティングゲートFG1,FG2への電荷注入効率向上を目的として、図4及び図5に示したように、光電変換部3が、遮光膜Wの開口WHの下方だけでなく、不揮発性メモリトランジスタMT1,MT2のチャネル領域6a,6bの下まで延在している。
図4,5に示すように、光電変換部3は、開口WH下方に形成された本体部3aと、そこからチャネル領域6a(6b)の下まで延びる延在部3bとで構成されている。なお、図4では本体部3aと延在部3bとに境界線(破線)を記してあるが、これは説明のためであり、実際にはこのような境界は存在しない。
本体部3aは、光を受光するために開口WHの下方に形成した部分である。延在部3bは、pウェル層2内部で不揮発性メモリトランジスタMT1,MT2のチャネル領域6a,6bの下まで本体部3aから延在させた部分である。延在部3bは、平面視においては、本体部3aのソース領域Sとドレイン領域D1,D2の間の領域に対向する位置から、該領域に向かって列方向に延びて形成されている。即ち、平面視において不揮発性メモリトランジスタMT1,MT2やリセットトランジスタRTの形成される領域においては、不揮発性メモリトランジスタMT1,MT2のチャネル領域6a,6bの下にのみ光電変換部3が存在するように、光電変換部3を形成した構成となっている。なお、チャネル領域6a,6bの下のみだけでなく、不揮発性メモリトランジスタMT1,MT2の全体の下まで光電変換部3が存在するように延在部3bを形成した構成としても良い。
チャネル領域6a(6b)は、コントロールゲートCG1(CG2)及びフローティングゲートFG1(FG2)の直下にある。このため、このチャネル領域6a(6b)の下(好ましくはチャネル領域6a(6b)と平面視で重なる範囲の全て)まで光電変換部3を延在させることで、光電変換部3の電荷をFNトンネル注入或いはダイレクトトンネル注入によってフローティングゲートFG1(FG2)に注入する場合に、コントロールゲートCG1(CG2)に印加した電圧(CG電圧)によってほぼ垂直方向に光電変換部3からフローティングゲートFG1(FG2)に電界を加えることができる。これにより、光電変換部3の電荷がコントロールゲートCG1(CG2)の方向に向かって加速されやすくなる。この結果、低いCG電圧でトンネリングを起こさせることができる。
固体撮像素子10では、チャネル領域6a(6b)を確保しつつ、このチャネル領域6a(6b)の下に光電変換部3を延在させているため、光電変換部3とコントロールゲートCG1(CG2)との重なり部分の大きさには制限がなくなり、電界方向をほぼ垂直にすることができる。この結果、効率的にトンネル電流を発生させることができる。
光電変換部3は、イオン注入の際のマスクパターンの制御によって基板表面に平行な方向の長さを制御することでき、イオン注入エネルギの制御によって基板表面に垂直な方向の長さを制御することできる。このようにすることで、本体部3aと延在部3bからなる光電変換部3を形成することが可能である。
次に、以上のように構成された固体撮像素子10の駆動方法を説明する。
図6は、図1に示す固体撮像素子の駆動方法を説明するためのタイミングチャートである。図6では、任意のラインの画素部100内の各部に供給される電圧変化を時間と共に示してある。
固体撮像素子10では、撮影指示を受けると、これをスタートトリガとして、制御部40が、全ての画素部100のリセットトランジスタRTのリセットゲートRGにリセットパルスを供給すると共に、全ての画素部100のコントロールゲートCG1,CG2にリセットパルスと逆極性の電圧を供給する。これにより、光電変換部3に蓄積されていた不要電荷がリセットトランジスタRTのドレインRDに排出されると共に、フローティングゲートFG1,FG2に蓄積されていた電荷も、光電変換部3を介してドレインRDに排出されて、フローティングゲートFG1,FG2は空の状態となる。リセットパルスの印加が終了すると、光電変換部3にはリセット動作によるリセットノイズ電荷が蓄積された状態となる。
リセットパルスの印加が終了すると、制御部40は、全ての画素部100のコントロールゲートCG1,CG2に書き込みパルス(例えば7Vの電圧)を同時に印加して、光電変換部3に蓄積されているリセットノイズ電荷をフローティングゲートFG1,FG2に注入する。
全ての画素部100のコントロールゲートCG1,CG2への書き込みパルスの印加が終了すると、全ての画素部100で露光期間(電荷蓄積期間)が開始される。
露光期間の終了直前、制御部40は、全ての画素部100のコントロールゲートCG1に書き込み電圧(例えば7V)を供給して、露光期間開始から現時点までに光電変換部3で発生した電荷をフローティングゲートFG1に注入する。この書き込み電圧の印加中も、光電変換部3には光が入射しているため、この光に応じて光電変換部3で発生した電荷もフローティングゲートFG1に注入される。光電変換部3に蓄積された電荷は、本体部3aから延在部3bに移動し、この延在部3bからチャネル領域6aを介してフローティングゲートFG1へと注入される。
コントロールゲートCG1への書き込み電圧の印加が終了すると露光期間が終了する。そして、露光期間終了後、読み出し制御部20aがトランジスタ20fをオンして列信号線12をプリチャージする。次に、読み出し制御部20aがトランジスタ20eをオンして、列信号線12とセンスアンプ20bとを導通する。この状態で、ランプアップ回路20dが、制御部40を介して、1ライン目の各画素部100のコントロールゲートCG2へのランプ波形電圧(Vth読み出し電圧)の印加を開始する。
ランプ波形電圧の印加後、1ライン目の各画素部100の不揮発性メモリトランジスタMT2のドレイン電位が降下すると、その時点でのランプ波形電圧の値に対応するカウント値が各読み出し回路20内で保持される。読み出し回路20のN−bitカウンタは、カウント方向切替部20gの制御により、例えばカウント値“0”を初期値として、初期値からダウンカウントし、1ライン目の各画素部100の不揮発性メモリトランジスタMT2のドレイン電位が降下した時点でのカウント値(以下、第一のカウント値という)を保持する。
次に、ランプアップ回路20dがコントロールゲートCG1へのランプ波形電圧の印加を停止し、トランジスタ20fをオフする。この状態で、読み出し制御部20aがトランジスタ20fを再びオンして、列信号線12をプリチャージする。この状態で、ランプアップ回路20dが、制御部40を介して、1ライン目の各画素部100のコントロールゲートCG1へのランプ波形電圧(Vth読み出し電圧)の印加を開始する。
ランプ波形電圧の印加後、1ライン目の各画素部100の不揮発性メモリトランジスタMT1のドレイン電位が降下すると、その時点でのランプ波形電圧の値に対応するカウント値が各読み出し回路20内で保持される。読み出し回路20のN−bitカウンタは、カウント方向切替部20gの制御により、先に保持された第一のカウント値を初期値として、該初期値からアップカウントし、1ライン目の不揮発性メモリトランジスタMT1のドレイン電位が降下した時点でのカウント値を保持する。そして、このカウント値が撮像信号として出力アンプ60から出力される。
第一のカウント値はマイナスとなっているため、このアップカウントにより、リセットノイズ電荷と露光期間中に光電変換部3で発生した電荷とを併せた電荷に応じた信号から、リセットノイズ電荷に応じた信号を減算した信号、つまり、露光期間中に光電変換部3で発生した電荷に応じた信号のみを撮像信号として読み出すことができる。なお、アップカウントとダウンカウントを組み合わせる方法の例については、特開2007−60080号公報にも開示されている。
2ライン目以降の画素部100についても同様の駆動が行われ、全ラインから撮像信号が出力される。その後、制御部40が、全ての画素部100のコントロールゲートCG1,CG2に負極性の消去電圧を印加し、半導体基板に正極性の電圧を印加する。これによりフローティングゲートFG1,FG2に蓄積されていた電荷は、半導体基板に引き抜かれて消去される。
図7は、撮像動作中の不揮発性メモリトランジスタMT1,MT2の閾値電圧の分布の変化を示した図である。図7に示すように、フローティングゲートFG1,FG2の電荷を消去した直後と、電荷を消去してからリセットノイズ電荷を注入した後とでは、リセットノイズ電荷を注入した後の方が閾値電圧の分布幅は狭くなる。このように閾値電圧のばらつきを抑制した状態で、露光期間中に光電変換部3で発生した電荷をフローティングゲートFG1に注入することができるため、露光期間中に発生した電荷による不揮発性メモリトランジスタMT1の閾値電圧の変化のばらつきも小さいものとなり、画像のむらを抑えることができる。また、フローティングゲートFG1とフローティングゲートFG2のいずれにも、リセットノイズ電荷が同じ量だけ注入されており、光電変換部3のリセット完了後にフローティングゲートFG1に蓄積された電荷に応じた信号から、光電変換部3のリセット完了後にフローティングゲートFG2に蓄積された電荷に応じた信号を減算する処理が読み出し回路20により行われるため、リセットノイズを除去した撮像信号を得ることができる。このように、固体撮像素子10によれば、閾値電圧のばらつきに起因する画質劣化と、フローティングゲート中の電荷消去時或いは光電変換部リセット時に発生するノイズを抑制することができる。
また、固体撮像素子10によれば、光電変換部3の電荷をリセットした後に、フローティングゲートFG1とフローティングゲートFG2にリセットノイズ電荷を注入する処理を追加するだけでよいため、駆動ステップが複雑となることはなく、撮像、信号処理速度の向上を図ることができる。
また、固体撮像素子10によれば、不揮発性メモリトランジスタMT1のチャネル領域6aと不揮発性メモリトランジスタMT2のチャネル領域6bの下に光電変換部3が存在することになるため、遮光膜開口WHから入った光に応じて光電変換部3で発生した電荷を、光電変換部3のチャネル領域6a,6bとの重なり部分から該チャネル領域6a,6bを介してフローティングゲートFG1,FG2へと効率的に注入することができ、感度向上を図ることができる。
なお、制御部40は、露光期間中に光電変換部3で発生した電荷の蓄積先を、不揮発性メモリトランジスタMT1と不揮発性メモリトランジスタMT2とで一定期間毎に交互に切り替えるようにすることが好ましい。露光期間中に光電変換部3で発生した電荷の蓄積先を、不揮発性メモリトランジスタMT2にした場合には、不揮発性メモリトランジスタMT1からの信号をダウンカウントによって先に読み出し、その後、不揮発性メモリトランジスタMT2からの信号をアップカウントによって読み出して撮像信号を出力するようにすれば良い。
また、以上の説明では、リセットノイズ電荷のみが蓄積されたフローティングゲートFG2からの信号の読み出しを先に行うものとしたが、フローティングゲートFG1からの信号の読み出しの後に、フローティングゲートFG2からの信号の読み出しを行うものとしても良い。また、フローティングゲートFG2からの信号の読み出し時にカウント方向をダウンカウントとし、フローティングゲートFG1からの信号の読み出し時にカウント方向をアップカウントとしたが、これは逆であっても良い。いずれであっても、フローティングゲートFG1に蓄積された電荷に応じた信号とフローティングゲートFG2に蓄積された電荷に応じた信号との差分を撮像信号として読み出すことが可能である。
また、固体撮像素子10では、リセットノイズを効果的になくすため、不揮発性メモリトランジスタMT1のチャネル長及びチャネル幅と、不揮発性メモリトランジスタMT2のチャネル長及びチャネル幅は同一となるように設計しておくことが好ましい。
また、以上の説明では、取り扱い電荷(信号として取り出す電荷)が電子の場合を想定しているが、取り扱い電荷が正孔の場合でも考え方は一緒である。取り扱い電荷が正孔の場合には、図面においてN型領域とP型領域を入れ替え、各部に印加する電圧の極性を逆にすれば良い。
以下、図1に示した固体撮像素子10の変形例について説明する。
(第一の変形例)
図8は、図1に示した固体撮像素子の画素部の第一の変形例を示した等価回路図である。図8において図2と同じ構成には同一符号を付してある。図8に示した画素部を有する固体撮像素子と図2に示した画素部を有する固体撮像素子との違いは、列方向に並ぶ画素部からなる列毎に、読み出し回路20を1つではなく2つ設けた点である。図8に示した固体撮像素子では、不揮発性メモリトランジスタMT1の出力(ドレイン領域D1)と、不揮発性メモリトランジスタMT2の出力(ドレイン領域D2)とに、それぞれ別の列信号線12a,12bが接続され、列信号線12a,12bのそれぞれに、読み出し回路20が接続された構成となっている。
図8に示した読み出し回路20は、図1(b)に示した構成からカウント方向切替部20gを削除した構成であり、ランプアップ回路20dに内蔵されるN−bitカウンタは、例えば初期値を“0”としたアップカウントを行って、列信号線12a,12bの電位が変化したときのランプ波形電圧の値に対応するカウント値を保持するものとなっている。
図8に示した固体撮像素子では、さらに、列毎に差分回路21が設けられている。差分回路21は、対応する列の2つの読み出し回路20に接続され、2つの読み出し回路20から読み出された2つの撮像信号の差分を演算するものである。演算して得られた撮像信号は、水平シフトレジスタ50の制御により、選択トランジスタ30、信号線70を介して出力部60から出力される。
以上のように構成された固体撮像素子の撮像動作を説明する。露光期間で発生した電荷がフローティングゲートFG1に蓄積されるまでの動作は図6で説明したのと同じである。
フローティングゲートFG1への電荷注入終了後、列信号線12aに接続された読み出し回路20により信号の読み出しが行われる。まず、読み出し制御部20aがトランジスタ20fをオンして、列信号線12aをプリチャージする。次に、読み出し制御部20aがトランジスタ20eをオンして、列信号線12aとセンスアンプ20bとを導通する。この状態で、ランプアップ回路20dが、制御部40を介して、1ライン目の各画素部100のコントロールゲートCG1へのランプ波形電圧(Vth読み出し電圧)の印加を開始する。そして、1ライン目の各画素部100の不揮発性メモリトランジスタMT1のドレイン電位が降下した時点でのランプ波形電圧の値に対応するカウント値が各読み出し回路20内で保持される。
次に、列信号線12bに接続された読み出し回路20により信号の読み出しが行われる。まず、読み出し制御部20aがトランジスタ20fをオンして、列信号線12bをプリチャージする。次に、読み出し制御部20aがトランジスタ20eをオンして、列信号線12bとセンスアンプ20bとを導通する。この状態で、ランプアップ回路20dが、制御部40を介して、1ライン目の各画素部100のコントロールゲートCG2へのランプ波形電圧(Vth読み出し電圧)の印加を開始する。そして、1ライン目の各画素部100の不揮発性メモリトランジスタMT2のドレイン電位が降下した時点でのランプ波形電圧の値に対応するカウント値が各読み出し回路20内で保持される。
次に、差分回路21により、列信号線12aに接続された読み出し回路20で保持されたカウント値から、列信号線12bに接続された読み出し回路20で保持されたカウント値が減算され、これが撮像信号として出力される。
2ライン目以降の画素部100についても同様の駆動が行われて全ラインから撮像信号が出力される。全ラインから撮像信号が出力された後、制御部40は、全ての画素部100のコントロールゲートCG1,CG2に負極性の消去電圧を印加し、半導体基板に正極性の電圧を印加する。これによりフローティングゲートFG1,FG2に蓄積されていた電荷は、半導体基板に引き抜かれて消去される。
以上のように、図8に示した構成であっても、閾値電圧のばらつきと、フローティングゲート中の電荷消去時或いは光電変換部リセット時に発生するノイズを抑制して画質向上を図ることができる。図2に示した構成は、不揮発性メモリトランジスタMT1と不揮発性メモリトランジスタMT2とで読み出し回路20を共通化した構成であるため、図8に示した構成よりも回路規模を縮小できる利点がある。
(第二の変形例)
図9は、図1に示した固体撮像素子の画素部の第二の変形例を示した等価回路図である。この変形例では、図2に示した不揮発性メモリトランジスタMT1を、フローティングゲートFG1への電荷の書き込み用の書き込みトランジスタWT1と、フローティングゲートFG1に蓄積された電荷に応じた不揮発性メモリトランジスタMT1の閾値電圧を検出するための読み出しトランジスタRT1との2つで構成し、それぞれでフローティングゲートFG1を共有した特許文献1に記載のような構成となっている。不揮発性メモリトランジスタMT2も同様に、書き込みトランジスタWT2と読み出しトランジスタRT2とで構成され、それぞれのトランジスタでフローティングゲートFG2を共有した構造となっている。
また、図9では、光電変換部3と書き込みトランジスタWT1,WT2のソース領域とが接続された構成としている。また、読み出しトランジスタRT1,RT2のドレイン領域が列信号線12に共通接続され、列信号線12に図1(b)に示した読み出し回路20が接続された構成となっている。書き込みトランジスタWT1のゲート電極(書き込みコントロールゲート)はWCG1で示し、書き込みトランジスタWT2のゲート電極(書き込みコントロールゲート)はWCG2で示し、読み出しトランジスタRT1のゲート電極(読み出しコントロールゲート)はRCG1で示し、読み出しトランジスタRT2のゲート電極(読み出しコントロールゲート)はRCG2で示してある。書き込みコントロールゲートWCG1には配線wcg1が接続され、書き込みコントロールゲートWCG2には配線wcg2が接続され、読み出しコントロールゲートRCG1には配線rcg1が接続され、読み出しコントロールゲートRCG2には配線rcg2が接続されている。配線wcg1,wcg2,rcg1,rcg2は、それぞれ行方向に並ぶ画素部100のライン毎に設けられ、制御部40によって電圧を印加できるようになっている。
図9に示した固体撮像素子の撮像動作は、図1に示したものと同様である。具体的には、光電変換部3をリセットした後に、書き込みコントロールゲートWCG1,WCG2に書き込み電圧を印加してリセットノイズ電荷をフローティングゲートFG1,FG2に蓄積する。次いで、露光期間中に発生した電荷をフローティングゲートFG1に蓄積する。電荷の蓄積が終了すると、読み出し回路20が、読み出しトランジスタRT2の閾値電圧を信号として読み出し、その後、読み出しトランジスタRT1の閾値電圧を信号として読み出すことで、撮像信号が出力される。
このように、図9に示した共有FG構造であっても、閾値電圧のばらつきと、フローティングゲート中の電荷消去時或いは光電変換部リセット時に発生するノイズを抑制して高画質撮像を可能にすることができる。なお、図9に示した構成においても、書き込みトランジスタWT1のフローティングゲートFG1及びチャネル領域と書き込みトランジスタWT2のフローティングゲートFG2及びチャネル領域を遮光膜によって遮光し、光電変換部3を、書き込みトランジスタWT1のチャネル領域と書き込みトランジスタWT2のチャネル領域の下まで延在させた構成とすることで、電荷注入効率を向上させることができる。
<第二の実施形態>
以下、本発明の第二の実施形態を説明するための固体撮像素子について図面を参照して説明する。この固体撮像素子は、デジタルカメラやデジタルビデオカメラ等の撮像装置、携帯電話機や電子内視鏡等に内蔵される撮像ユニットに搭載して用いられるものである。
図10は、本発明の第二の実施形態を説明するための固体撮像素子の概略構成を示す平面模式図である。図10に示す固体撮像素子10は、図1に示した固体撮像素子10の読み出し回路20の構成要素のうち、カウント方向切替部20gを削除し、制御部40の機能を一部変更したものである。以下、変更された制御部40の機能について説明する。
制御部40は、光電変換部3をリセットした後、不揮発性メモリトランジスタMT1のコントロールゲートCG1に第一の電圧を印加して光電変換部3で発生した電荷をフローティングゲートFG1に蓄積する制御と、不揮発性メモリトランジスタMT2のコントロールゲートCG2に上記第一の電圧とは異なる大きさの第二の電圧を印加して光電変換部3で発生した電荷をフローティングゲートFG2に蓄積する制御とを行う。これら2つの制御は同時に実施しても良いし、タイミングをずらして実施しても良い。
図11は、不揮発性メモリトランジスタのコントロールゲートに印加する電圧Vcgを変化させたときの、不揮発性メモリトランジスタの閾値電圧と露光時間との関係を示した図である。図11のデータは、不揮発性メモリトランジスタのフローティングゲートと半導体基板との間にあるトンネル酸化膜の厚みが3nmのときのものとなっている。図11の縦軸が不揮発性メモリトランジスタの閾値電圧を示し、横軸が光電変換部を露光している時間を示す。図11に示すように、コントロールゲートに印加する電圧Vcgを大きくするほど、短い時間で閾値電圧が大きく変化していることがわかる。また、電圧Vcgが大きいほど、閾値電圧が飽和するまでの時間も早くなっている。このように、不揮発性メモリトランジスタMT1,MT2は、コントロールゲートCG1,CG2に印加する書き込み電圧の大きさによって、フローティングゲートFG1,FG2への電荷注入効率と、その閾値電圧の飽和値とを制御することができる。
不揮発メモリトランジスタでは、フローティングゲートに注入される電荷は、フローティングゲート直下に隣接するソース、ドレイン領域あるいは基板側から十分に供給されてトンネル酸化膜下の領域で待機している。これらの電荷は、電圧Vcg印加によりフローティングゲートにトンネリング注入される。これに対し、光電変換部3(フォトダイオード領域)に入射した光によって発生した光電荷はトンネル酸化膜下に移動する過程において、電界による運動エネルギーを増大させることになる。その結果、電荷がトンネル酸化膜のポテンシャル障壁を乗り越えてフローティングゲートに注入されるメカニズムには従来のFNトンネル注入、ダイレクトトンネル注入に加え、運動エネルギーを考慮したホットエレクトロン注入効果が期待できる。この運動エネルギーの効果は、電圧Vcgの増加によって顕著になると考えられる。
例えば、Vcg=3Vで光電変換部3からフローティングゲートFG1に電荷を注入した場合と、Vcg=9Vで光電変換部3からフローティングゲートFG1に電荷を注入した場合とを比較する。Vcg=3Vのときは、不揮発性メモリトランジスタMT1の閾値電圧が緩やかに立ち上がり、飽和するまで時間がかかる。一方、Vcg=9Vのときは、不揮発性メモリトランジスタMT1の閾値電圧が急峻に立ち上がり、短い時間で飽和する。このため、不揮発性メモリトランジスタMT1の閾値電圧の変化を信号として読み出すと、Vcg=3Vのときに得られる信号は、短時間で光電変換部3を露光したときに得られる信号の特性と同様の傾向になり、Vcg=9Vのときに得られる信号は、長時間で光電変換部3を露光したときに得られる信号の特性と同様の傾向になる。このため、光電変換部3で発生した電荷を、Vcgの値を変えてフローティングゲートFG1,FG2に書き込むことにより、感度の異なる2つの信号を画素部100から読み出すことが可能となる。
次に、図10に示した固体撮像素子10を搭載する撮像装置の一例について説明する。
図12は、図10に示す固体撮像素子を搭載した撮像装置の概略構成を示す図である。
図示する撮像装置の撮像系は、撮影レンズ41と、固体撮像素子10と、この両者の間に設けられた絞り42と、赤外線カットフィルタ43と、光学ローパスフィルタ44とを備える。
撮像装置の電気制御系全体を統括制御するシステム制御部51は、被写体を照明するための光を発光する発光部であるフラッシュ発光部52及び受光部53を制御し、レンズ駆動部48を制御して撮影レンズ41の位置をフォーカス位置に調整したりズーム調整を行ったりし、絞り駆動部49を介し絞り42の開口量を制御して露光量調整を行う。フラッシュ発光部52はキセノンランプ等で構成される。
また、システム制御部51は、固体撮像素子10を駆動し、撮影レンズ41を通して撮像した被写体画像を撮像信号として出力させる。システム制御部51には、操作部54を通してユーザからの指示信号が入力される。
撮像装置の電気制御系は、メインメモリ56と、メインメモリ56に接続されたメモリ制御部55と、ダイナミックレンジ拡大処理、補間演算やガンマ補正演算、RGB/YC変換処理等を行って画像データを生成するデジタル信号処理部57と、デジタル信号処理部57で生成された画像データをJPEG形式に圧縮したり圧縮画像データを伸張したりする圧縮伸張処理部58と、測光データを積算しデジタル信号処理部57が行うホワイトバランス補正のゲインを求める積算部59と、着脱自在の記録媒体61が接続される外部メモリ制御部60’と、カメラ背面等に搭載された液晶表示部63が接続される表示制御部62とを備え、これらは、制御バス64及びデータバス65によって相互に接続され、システム制御部51からの指令によって制御される。
次に、以上のように構成された撮像装置による撮像動作について説明する。
図13は、図10に示す固体撮像素子の駆動方法を説明するためのタイミングチャートである。図13では、任意のラインの画素部100内の各部に供給される電圧変化を時間と共に示してある。
システム制御部51により撮像指示がなされると、固体撮像素子10では、この撮影指示をスタートトリガとして、制御部40が、全ての画素部100のリセットトランジスタRTのリセットゲートRGにリセットパルスを供給すると共に、全ての画素部100のコントロールゲートCG1,CG2にリセットパルスと逆極性の電圧を供給する。これにより、光電変換部3に蓄積されていた不要電荷がリセットトランジスタRTのドレインRDに排出されると共に、フローティングゲートFG1,FG2に蓄積されていた電荷も、光電変換部3を介してドレインRDに排出される。リセットパルスの印加が終了すると、光電変換部3を露光する露光期間が開始され、この期間中に光電変換部3に入射した光に応じた電荷が光電変換部3に蓄積される。
露光期間の終了直前になると、制御部40は、全ての画素部100のコントロールゲートCG1に書き込み電圧Vp1(例えば3V)を供給し、全ての画素部100のコントロールゲートCG2に書き込み電圧Vp1よりも大きい書き込み電圧Vp2(例えば10V)を供給する。コントロールゲートCG1とコントロールゲートCG2への書き込み電圧の印加は同時に行う。この書き込み電圧Vp1,Vp2の印加により、露光期間開始から現時点までに光電変換部3で発生した電荷がフローティングゲートFG1,FG2に注入される。この書き込み電圧の印加中も、光電変換部3には光が入射しているため、この光に応じて光電変換部3で発生した電荷もフローティングゲートFG1,FG2に注入される。光電変換部3に蓄積された電荷は、本体部3aから延在部3bに移動し、この延在部3bからチャネル領域6a,6bを介してフローティングゲートFG1,FG2へと注入される。
制御部40は、コントロールゲートCG1,CG2への書き込み電圧の印加を同時に終了して、露光期間を終了させる。露光期間が終了すると、読み出し制御部20aがトランジスタ20fをオンして列信号線12をプリチャージする。次に、読み出し制御部20aがトランジスタ20eをオンして、列信号線12とセンスアンプ20bとを導通する。この状態で、ランプアップ回路20dが、制御部40を介して、1ライン目の各画素部100のコントロールゲートCG1へのランプ波形電圧(Vth読み出し電圧)の印加を開始する。
ランプ波形電圧の印加後、1ライン目の各画素部100の不揮発性メモリトランジスタMT1のドレイン電位が降下すると、その時点でのランプ波形電圧の値に対応するカウント値が各読み出し回路20内で保持される。保持されたカウント値は、露光期間に光電変換部3で発生して蓄積された電荷のうち、書き込み電圧Vp1でフローティングゲートFG1に書き込まれた電荷に応じた撮像信号(この撮像信号は相対的に低い感度となるため、以下、低感度撮像信号という)として、水平シフトレジスタ50の制御により信号線70を介して出力部60から出力される。低感度撮像信号の出力後は、トランジスタ20fがオフされ、ランプ波形電圧の印加が停止され、カウント値がリセットされる。
次に、読み出し制御部20aがトランジスタ20fをオンして列信号線12をプリチャージする。次に、読み出し制御部20aがトランジスタ20eをオンして、列信号線12とセンスアンプ20bとを導通する。この状態で、ランプアップ回路20dが、制御部40を介して、1ライン目の各画素部100のコントロールゲートCG2へのランプ波形電圧(Vth読み出し電圧)の印加を開始する。
ランプ波形電圧の印加後、1ライン目の各画素部100の不揮発性メモリトランジスタMT2のドレイン電位が降下すると、その時点でのランプ波形電圧の値に対応するカウント値が各読み出し回路20内で保持される。保持されたカウント値は、露光期間に光電変換部3で発生して蓄積された電荷のうち、書き込み電圧Vp2でフローティングゲートFG2に書き込まれた電荷に応じた撮像信号(この撮像信号は相対的に高い感度となるため、以下、高感度撮像信号という)として、水平シフトレジスタ50の制御により信号線70を介して出力部60から出力される。高感度撮像信号の出力後は、トランジスタ20fがオフされ、ランプ波形電圧の印加が停止され、カウント値がリセットされる。
2ライン目以降の各画素部100についても同様に、列信号線12のプリチャージ、ランプ波形電圧のコントロールゲートCG1への印加、ドレイン電圧が降下した時点でのランプ波形電圧の値に対応するカウント値の保持、該カウント値の出力、列信号線12のプリチャージ、ランプ波形電圧のコントロールゲートCG2への印加、ドレイン電圧が降下した時点でのランプ波形電圧の値に対応するカウント値の保持、該カウント値の出力の一連の動作が行われて、全ての画素部100から低感度撮像信号と高感度撮像信号が読み出される。固体撮像素子10から出力された低感度撮像信号と高感度撮像信号はメインメモリ56に一時記憶される。
全ての画素部100から低感度撮像信号と高感度撮像信号が読み出された後、デジタル信号処理部57が、メインメモリ56に一時記憶された、同じ光電変換部3から得られた低感度撮像信号と高感度撮像信号を合成してダイナミックレンジを拡大する処理を実施する。
図14は、ダイナミックレンジ拡大処理の一例を説明するための図である。図14(a)に示したように、低感度撮像信号の光信号強度−出力信号の特性曲線は符号Dで示したようになり、高感度撮像信号の光信号強度−出力信号の特性曲線は符号Cで示したようになる。
デジタル信号処理部57では、まず、高感度撮像信号に対して閾値処理を施す。閾値処理とは、高感度撮像信号を、そのレベルが所定値以上の部分を一定値にする処理である。例えば、図14(b)に示したように、レベルL以上の高感度撮像信号は、全てレベルLとなるように処理される。
次に、デジタル信号処理部57は、レベルLに対応する光信号強度に対応する低感度撮像信号のレベルがレベルLとなるようにレベル調整を行う。そして、レベルLに対応する光信号強度よりも光信号強度が小さい領域の高感度撮像信号の特性曲線Cと、レベルLに対応する光信号強度よりも光信号強度が大きい領域でのレベル調整後の低感度撮像信号の特性曲線Dとを合成して、合成後曲線を得る(図14(c))。これにより、ダイナミックレンジの拡大を図ることができる。
以上のように、図10に示す固体撮像素子10によれば、1つの画像を得るための撮像において、感度の異なる2つの撮像信号を得ることができるため、これらを合成することでダイナミックレンジを拡大することができる。また、2つの撮像信号は、同一の露光期間で得られるため、動く被写体であっても、ダイナミックレンジ拡大処理を容易に行うことができる。また、低感度撮像信号と高感度撮像信号を高速に読み出す必要がなくなるため、消費電力を低く抑えることもできる。
また、図10に示す固体撮像素子10によれば、不揮発性メモリトランジスタMT1のチャネル領域6aと不揮発性メモリトランジスタMT2のチャネル領域6bの下に光電変換部3が存在することになるため、遮光膜開口WHから入った光に応じて光電変換部3で発生した電荷を、光電変換部3のチャネル領域6a,6bとの重なり部分から該チャネル領域6a,6bを介してフローティングゲートFG1,FG2へと効率的に注入することができ、感度向上を図ることができる。
なお、以上の説明では、フローティングゲートFG1からの信号の読み出しを先に行うものとしたが、この順番はいずれであっても良い。また、コントロールゲートCG1に書き込み電圧Vp1を印加し、コントロールゲートCG2に書き込み電圧Vp2を印加するものとしたが、コントロールゲートCG1に書き込み電圧Vp2を印加し、コントロールゲートCG2に書き込み電圧Vp1を印加しても良い。
なお、図10に示す固体撮像素子10では、制御部40が、書き込み電圧Vp1,Vp2のそれぞれの印加先を、コントロールゲートCG1とコントロールゲートCG2とで一定期間毎に交互に切り替えるようにすることが好ましい。つまり、コントロールゲートCG1に書き込み電圧Vp1を印加してフローティングゲートFG1に電荷を注入し、コントロールゲートCG2に書き込み電圧Vp2を印加してフローティングゲートFG2に電荷を注入する第一の制御と、コントロールゲートCG1に書き込み電圧Vp2を印加してフローティングゲートFG1に電荷を注入し、コントロールゲートCG2に書き込み電圧Vp1を印加してフローティングゲートFG2に電荷を注入する第二の制御とを設け、これらを一定期間毎に交互に切り替えて実施することが好ましい。例えば、1フレーム毎や10回撮像を行う毎に、第一の制御と第二の制御を切り替えればよい。これにより、素子の高寿命化を期待することができる。
また、図10に示す固体撮像素子10では、不揮発性メモリトランジスタMT1のチャネル長及びチャネル幅と、不揮発性メモリトランジスタMT2のチャネル長及びチャネル幅が同一となるように設計しておくことが好ましい。このようにすることで、コントロールゲートCG1,CG2に印加する書き込み電圧の差に応じた分だけ、電荷注入効率を変えることができ、低感度撮像信号と高感度撮像信号の感度差の制御が容易となる。
また、以上の説明では、ダイナミックレンジ拡大処理を図10に示す固体撮像素子10の外部で実施しているが、これを該固体撮像素子10内で行っても良い。
以下、第二の実施形態の変形例について説明する。
(第一の変形例)
図15は、図10に示した固体撮像素子の画素部の第一の変形例を示した等価回路図である。図15において図2と同じ構成には同一符号を付してある。図15に示した画素部を有する固体撮像素子と図2に示した画素部を有する固体撮像素子との違いは、列方向に並ぶ画素部からなる列毎に、読み出し回路20を1つではなく2つ設けた点である。図15に示した固体撮像素子では、不揮発性メモリトランジスタMT1の出力(ドレイン領域D1)と、不揮発性メモリトランジスタMT2の出力(ドレイン領域D2)とに、それぞれ別の列信号線12a,12bが接続され、列信号線12a,12bのそれぞれに、読み出し回路20が接続された構成となっている。
図15に示した固体撮像素子では、さらに、列毎に、閾値処理部21と、合成処理部22とが設けられている。閾値処理部21は、列信号線12bに接続された読み出し回路20で読み出された高感度撮像信号に対して、上述した閾値処理を行って、処理後の信号を出力する。合成処理部22は、閾値処理後の高感度撮像信号と、列信号線12aに接続された読み出し回路20で読み出された低感度撮像信号とを合成してダイナミックレンジを拡大させる処理を行う。合成処理部22で処理後の信号は水平シフトレジスタ50を含む出力回路から固体撮像素子外部へと出力される。
以上のように構成された固体撮像素子の撮像動作を説明する。露光期間で発生した電荷がフローティングゲートFG1,FG2に蓄積されるまでの動作は図13で説明したのと同じである。
露光期間の終了後、列信号線12aに接続された読み出し回路20により低感度撮像信号の読み出しが行われる。まず、読み出し制御部20aがトランジスタ20fをオンして、列信号線12aをプリチャージする。次に、読み出し制御部20aがトランジスタ20eをオンして、列信号線12aとセンスアンプ20bとを導通する。この状態で、ランプアップ回路20dが、制御部40を介して、1ライン目の各画素部100のコントロールゲートCG1へのランプ波形電圧(Vth読み出し電圧)の印加を開始する。そして、1ライン目の各画素部100の不揮発性メモリトランジスタMT1のドレイン電位が降下した時点でのランプ波形電圧の値に対応するカウント値が各読み出し回路20内で保持される。低感度撮像信号の保持後は、ランプ波形電圧の印加が停止され、トランジスタ20fがオフされる。保持された低感度撮像信号は合成処理部22に入力される。
次に、列信号線12bに接続された読み出し回路20により高感度撮像信号の読み出しが行われる。まず、読み出し制御部20aがトランジスタ20fをオンして、列信号線12bをプリチャージする。次に、読み出し制御部20aがトランジスタ20eをオンして、列信号線12bとセンスアンプ20bとを導通する。この状態で、ランプアップ回路20dが、制御部40を介して、1ライン目の各画素部100のコントロールゲートCG2へのランプ波形電圧(Vth読み出し電圧)の印加を開始する。そして、1ライン目の各画素部100の不揮発性メモリトランジスタMT2のドレイン電位が降下した時点でのランプ波形電圧の値に対応するカウント値が各読み出し回路20内で保持される。高感度撮像信号の保持後は、ランプ波形電圧の印加が停止され、トランジスタ20fがオフされる。保持された高感度撮像信号は閾値処理された後、上記低感度撮像信号と合成されて、固体撮像素子外部へと出力される。合成信号の出力後は、カウンタがリセットされる。
2ライン目以降の画素部100についても同様の駆動が行われて全ラインからダイナミックレンジ拡大処理がなされた撮像信号が出力される。
以上のように、図15に示した構成(固体撮像素子内部でダイナミックレンジ拡大処理を行う構成)であっても、複雑な駆動を行うことなく、消費電力を抑えて、高画質化を図ることができる。図2に示した構成は、不揮発性メモリトランジスタMT1と不揮発性メモリトランジスタMT2とで読み出し回路20を共通化した構成であるため、図15に示した構成よりも回路規模を縮小できる利点がある。
(第二の変形例)
第二の変形例では、図10に示した固体撮像素子の別の駆動方法について説明する。
図16は、図10に示す固体撮像素子の別の駆動方法を説明するためのタイミングチャートである。図16では、任意のラインの画素部100内の各部に供給される電圧変化を時間と共に示してある。
システム制御部51により撮像指示がなされると、固体撮像素子10では、この撮影指示をスタートトリガとして、制御部40が、全ての画素部100のリセットトランジスタRTのリセットゲートRGにリセットパルスを供給すると共に、全ての画素部100のコントロールゲートCG1,CG2にリセットパルスと逆極性の電圧を供給する。これにより、光電変換部3に蓄積されていた不要電荷がリセットトランジスタRTのドレインRDに排出されると共に、フローティングゲートFG1,FG2に蓄積されていた電荷も、光電変換部3を介してドレインRDに排出されて、フローティングゲートFG1,FG2は空の状態となる。リセットパルスの印加が終了すると、時間t1だけ光電変換部3を露光する第一の露光期間(短時間露光期間とも言う)が開始され、この期間中に光電変換部3に入射した光に応じた電荷が光電変換部3に蓄積される。
第一の露光期間の終了直前になると、制御部40は、全ての画素部100のコントロールゲートCG1に書き込み電圧(例えば7V)を供給して、第一の露光期間開始から現時点までに光電変換部3で発生した電荷をフローティングゲートFG1に注入する。この書き込み電圧の印加中も、光電変換部3には光が入射しているため、この光に応じて光電変換部3で発生した電荷もフローティングゲートFG1に注入される。光電変換部3に蓄積された電荷は、本体部3aから延在部3bに移動し、この延在部3bからチャネル領域6aを介してフローティングゲートFG1へと注入される。
コントロールゲートCG1への書き込み電圧の印加が終了すると第一の露光期間が終了する。そして、第一の露光期間の終了と共に、時間t1よりも長い時間t2だけ光電変換部3を露光する第二の露光期間(長時間露光期間とも言う)が開始され、この期間中に光電変換部3に入射した光に応じた電荷が光電変換部3に蓄積される。
第二の露光期間の終了直前になると、制御部40は、全ての画素部100のコントロールゲートCG2に書き込み電圧(例えば7V)を供給して、第二の露光期間開始から現時点までに光電変換部3で発生した電荷をフローティングゲートFG2に注入する。この書き込み電圧の印加中も、光電変換部3には光が入射しているため、この光に応じて光電変換部3で発生した電荷もフローティングゲートFG2に注入される。光電変換部3に蓄積された電荷は、本体部3aから延在部3bに移動し、この延在部3bからチャネル領域6bを介してフローティングゲートFG2へと注入される。そして、コントロールゲートCG2への書き込み電圧の印加が終了すると第二の露光期間が終了する。
第二の露光期間が終了すると、読み出し制御部20aがトランジスタ20fをオンして列信号線12をプリチャージする。次に、読み出し制御部20aがトランジスタ20eをオンして、列信号線12とセンスアンプ20bとを導通する。この状態で、ランプアップ回路20dが、制御部40を介して、1ライン目の各画素部100のコントロールゲートCG1へのランプ波形電圧(Vth読み出し電圧)の印加を開始する。
ランプ波形電圧の印加後、1ライン目の各画素部100の不揮発性メモリトランジスタMT1のドレイン電位が降下すると、その時点でのランプ波形電圧の値に対応するカウント値が各読み出し回路20内で保持される。保持されたカウント値は、第一の露光期間に光電変換部3で発生して蓄積された電荷に応じた撮像信号(以下、短露光撮像信号という)として、水平シフトレジスタ50の制御により信号線70を介して出力部60から出力される。短露光撮像信号の出力後は、トランジスタ20fがオフされ、ランプ波形電圧の印加が停止され、カウント値がリセットされる。
次に、読み出し制御部20aがトランジスタ20fをオンして列信号線12をプリチャージする。次に、読み出し制御部20aがトランジスタ20eをオンして、列信号線12とセンスアンプ20bとを導通する。この状態で、ランプアップ回路20dが、制御部40を介して、1ライン目の各画素部100のコントロールゲートCG2へのランプ波形電圧(Vth読み出し電圧)の印加を開始する。
ランプ波形電圧の印加後、1ライン目の各画素部100の不揮発性メモリトランジスタMT2のドレイン電位が降下すると、その時点でのランプ波形電圧の値に対応するカウント値が各読み出し回路20内で保持される。保持されたカウント値は、第二の露光期間に光電変換部3で発生して蓄積された電荷に応じた撮像信号(以下、長露光撮像信号という)として、水平シフトレジスタ50の制御により信号線70を介して出力部60から出力される。長露光撮像信号の出力後は、トランジスタ20fがオフされ、ランプ波形電圧の印加が停止され、カウント値がリセットされる。
2ライン目以降の各画素部100についても同様に、列信号線12のプリチャージ、ランプ波形電圧のコントロールゲートCG1への印加、ドレイン電圧が降下した時点でのランプ波形電圧の値に対応するカウント値の保持、該カウント値の出力、列信号線12のプリチャージ、ランプ波形電圧のコントロールゲートCG2への印加、ドレイン電圧が降下した時点でのランプ波形電圧の値に対応するカウント値の保持、該カウント値の出力の一連の動作が行われて、全ての画素部100から短露光撮像信号と長露光撮像信号が読み出される。固体撮像素子10から出力された短露光撮像信号と長露光撮像信号はメインメモリ56に一時記憶される。
全ての画素部100から短露光撮像信号と長露光撮像信号が読み出された後、デジタル信号処理部57が、メインメモリ56に一時記憶された、同じ光電変換部3から得られた短露光撮像信号と長露光撮像信号を合成してダイナミックレンジを拡大する処理を実施する。
以上のように、第二の変形例によれば、1つの画像を得るための撮像において、露光期間の異なる2つの撮像信号を得ることができるため、これらを合成することでダイナミックレンジを拡大することができる。また、第一の露光期間と第二の露光期間は間をあけることなく連続して行われるため、動く被写体であっても、ダイナミックレンジ拡大処理を容易に行うことができる。また、短露光撮像信号と長露光撮像信号を高速に読み出す必要がなくなるため、消費電力を低く抑えることもできる。
なお、制御部40は、第一の露光期間中に光電変換部3で発生した電荷と、第二の露光期間中に光電変換部3で発生した電荷のそれぞれの蓄積先を、不揮発性メモリトランジスタMT1と不揮発性メモリトランジスタMT2とで一定期間毎に交互に切り替えるようにすることが好ましい。つまり、第一の露光期間中に光電変換部3で発生した電荷を不揮発性メモリトランジスタMT1に蓄積し、第二の露光期間中に光電変換部3で発生した電荷を不揮発性メモリトランジスタMT2に蓄積する第一の制御と、第一の露光期間中に光電変換部3で発生した電荷を不揮発性メモリトランジスタMT2に蓄積し、第二の露光期間中に光電変換部で発生した電荷を不揮発性メモリトランジスタMT1に蓄積する第二の制御とを設け、これらを一定期間毎に交互に切り替えるようにすることが好ましい。例えば、1フレーム毎や10回撮像を行う毎に、第一の制御と第二の制御を切り替えればよい。これにより、素子の高寿命化を期待することができる。
また、以上の説明では、フローティングゲートFG1からの信号の読み出しを先に行うものとしたが、この順番はいずれであっても良い。また、第一の露光期間の時間t1を第二の露光期間の時間t2よりも小さくしたが、t1>t2であっても良い。
<第三の実施形態>
図17は、本発明の第三の実施形態を説明するための内視鏡装置の概略構成を示す図である。図17に示す内視鏡装置は、光源1’と、固体撮像素子10’と、光源駆動部21’と、信号処理部23’と、システム制御部24’と、表示部22’と、操作部25’とを備える。固体撮像素子10’は、図1に示した固体撮像素子10の画素部100の構成として、図9に示した構成を採用したものとなっている。固体撮像素子10’の各画素部100の光電変換部3の上方には図示しないカラーフィルタが設けられている。このカラーフィルタには、青色(B)光の波長域(一般的には約380nm〜約520nm)を透過するBカラーフィルタと、緑色(G)光の波長域(一般的には約450nm〜約610nm)を透過するGカラーフィルタと、赤色(R)光の波長域(一般的には約550nm〜約700nm)を透過するRカラーフィルタとが含まれており、これらカラーフィルタの配列はベイヤー配列となっている。
光源1’は、複数種類の光を選択的に切り替えて発光可能な発光手段である。光源1’には、対象物を肉眼で見たのと同じように撮影するために必要な通常光を発光する通常光ユニットと、通常光では識別できない部位を識別可能にするために必要な特殊光を発光する特殊光ユニットが含まれる。
通常光ユニットには、例えば、白色光を発光するハロゲンランプ1a’が含まれる。なお、通常光ユニットは、Rの波長域の光と、Bの波長域の光と、Gの波長域の光とを含む光を発光できるものであれば良く、例えば、R光を発光するLEDと、G光を発光するLEDと、B光を発光するLEDとを含み、これらを同時に発光させる構成としても良い。
特殊光ユニットは、それぞれ異なる発光波長域を持つ特殊光1,2,3を同時に発光することで、3つの発光波長域を持つ特殊光を発光するものとなっている。この特殊光ユニットには、それぞれ発光波長を任意に設定可能なLED1b’、LED1c’、LED1d’が含まれる。
LED1b’は、図18に示すように、Bカラーフィルタの透過波長域内にある特定波長に輝線を持つ特殊光1を発光する。LED1c’は、図18に示すように、Gカラーフィルタの透過波長域内にある特定波長に輝線を持つ特殊光2を発光する。LED1d’は、図18に示すように、Rカラーフィルタの透過波長域内にある特定波長に輝線を持つ特殊光3を発光する。
なお、特殊光1,2,3それぞれの特定波長は、観察したい生体情報に応じて決めておけば良い。例えば、発赤(ヘモグロビン)の有無を明確に認識できるようにするために対象物を照明すべき波長、自家蛍光の有無を明確に認識できるようにするために対象物を照明すべき波長、対象物の深部の血管を明確に認識できるようにするために対象物を照明すべき波長など、様々な波長が設定可能である。
なお、対象物によっては、特定の波長の光を当てたときにその波長と異なる励起光を発するものがあり、この励起光による画像を観察したい場合もある。固体撮像素子10’では、RGB光以外の光が光電変換部3には入射しないため、Rの波長域、Gの波長域、Bの波長域のいずれかに発光波長を持つ励起光であればこれを検出することができる。励起光を検出するためには、対象物から励起光を発生させられるような発光波長を持つ特殊光を発光する必要がある。一方、特殊光と対象物から入射してくる光とで波長がずれない場合には、検出したい波長を特殊光の発光波長として設定しておけば良い。
例えば、波長400nmの光を当てて対象物から反射してくる光を検出したい場合には、特殊光として、波長400nmに発光波長を持つ特殊光を発光できるようにしておけば良い。また、波長400nmの光を当てて対象物から反射してくる光と、波長500nmの光を当てて対象物から反射してくる光とを検出したい場合には、特殊光として、波長400nmと波長500nmに発光波長を持つ特殊光を発光できるようにしておけば良い。また、例えば波長650nmの光を当てたときに対象物からは波長680nmの励起光が発生するものとし、この励起光と、波長400nmの光を当てて対象物から反射してくる光と、波長500nmの光を当てて対象物から反射してくる光とを検出したい場合には、特殊光として、波長400nmと波長500nmと波長650nmに発光波長を持つ特殊光を発光できるようにしておけば良い。
このように、特殊光ユニットから発光させる特殊光は、取得したい画像データの数が2つ(白色光で撮影した画像1つと、特殊光で撮影した画像1つ)の場合は、その特殊光を対象物に当てたときの該対象物からの反射光又は励起光に、Rの波長域内の特定波長と、Gの波長域内の特定波長と、Bの波長域内の特定波長とのいずれかが含まれるように、発光波長を設定しておけば良い。また、取得したい画像データの数が3つ(白色光で撮影した画像1つと、特殊光で撮影した画像2つ)の場合は、その特殊光を対象物に当てたときの該対象物からの反射光又は励起光に、Rの波長域内の特定波長と、Gの波長域内の特定波長と、Bの波長域内の特定波長とのうちのいずれか2つが含まれるように、発光波長を設定しておけば良い。また、取得したい画像データの数が4つ(白色光で撮影した画像1つと、特殊光で撮影した画像3つ)の場合は、その特殊光を対象物に当てたときの該対象物からの反射光又は励起光に、Rの波長域内の特定波長と、Gの波長域内の特定波長と、Bの波長域内の特定波長とが含まれるように、発光波長を設定しておけば良い。
光源駆動部21’は、光源1’を駆動するものであり、通常光ユニットから通常光を発光させる駆動と、特殊光ユニットから特殊光を発光させる駆動とを選択的に切り替えて実施する。信号処理部23’は、固体撮像素子10’から出力される撮像信号に信号処理を施して画像データを生成する。生成された画像データは記録媒体に記録されたり、表示部22’に表示されたりする。
システム制御部24’は、内視鏡装置全体を統括制御する。操作部25’は、内視鏡装置の各種操作を行うためのインターフェースである。
以上のように構成された内視鏡装置の動作について説明する。図19は、図17に示す内視鏡装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。図20は、図17に示す内視鏡装置の動作を説明するための模式図である。
操作部25’が操作されて対象物の撮影指示がなされると、この指示がシステム制御部24’に入力され、システム制御部24’から固体撮像素子10’へ撮影指示が通知される。
固体撮像素子10’では、撮影指示を受けると、これをスタートトリガとして、制御部40が、全ての画素部100のリセットトランジスタRTのリセットゲートRGにリセットパルスを供給する。これにより、光電変換部3に蓄積されていた不要電荷がリセットトランジスタRTのドレインへと排出される。
リセット完了後、システム制御部24’は、光源駆動部21’に指示を出し、ハロゲンランプ1a’から白色光を発光させる。なお、図19では、リセットパルスの供給の後、少し時間をおいてから白色光を発光させているが、白色光の発光はリセット完了と同時であることが好ましい。
白色光の発光は、例えば内視鏡装置で設定された露光期間だけ行われる。この白色光の発光期間中、固体撮像素子10’のRカラーフィルタを有する画素部100では、対象物から入射してくる光のうちのR光だけが透過して光電変換部3に入射し、ここでR光に応じた電荷が発生して蓄積される。また、固体撮像素子10’のGカラーフィルタを有する画素部100では、対象物から入射してくる光のうちのG光だけが透過して光電変換部3に入射し、ここでG光に応じた電荷が発生して蓄積される。また、固体撮像素子10’のBカラーフィルタを有する画素部100では、対象物から入射してくる光のうちのB光だけが透過して光電変換部3に入射し、ここでB光に応じた電荷が発生して蓄積される。
露光期間終了後、制御部40は、全ての画素部100の書き込みコントロールゲートWCG1に書き込みパルスを供給して、露光期間中に光電変換部3で発生した電荷をフローティングゲートFG1に蓄積させる。なお、書き込みパルスの供給は、露光期間の終了と同時に開始する方法と、露光期間の開始と同時に開始し、露光期間の終了と同時に終了する方法のどちらを採用しても良い。
この書き込みパルスの供給により、図20に示すように、各画素部100で発生した電荷(R光による電荷、G光による電荷、B光による電荷)はその画素部100のフローティングゲートFG1に蓄積される。
フローティングゲートFG1への電荷の蓄積が終了すると、制御部40は、再び、全ての画素部100の光電変換部3をリセットする。
2度目のリセット完了後、システム制御部24’は、光源駆動部21’に指示を出し、特殊光ユニットから特殊光(特殊光1,2,3)を発光させる。特殊光の発光はリセット完了と同時であることが好ましい。
特殊光の発光は、例えば内視鏡装置で設定された露光期間だけ行われる。この特殊光の発光期間中、固体撮像素子10’のRカラーフィルタを有する画素部100では、対象物から入射してくる光のうちの特殊光3による反射光又は励起光だけが透過して光電変換部3に入射し、ここで電荷が発生して蓄積される。また、固体撮像素子10’のGカラーフィルタを有する画素部100では、対象物から入射してくる光のうちの特殊光2による反射光又は励起光だけが透過して光電変換部3に入射し、ここで電荷が発生して蓄積される。また、固体撮像素子10’のBカラーフィルタを有する画素部100では、対象物から入射してくる光のうちの特殊光1による反射光又は励起光だけが透過して光電変換部3に入射し、ここで電荷が発生して蓄積される。
露光期間終了後、制御部40は、全ての画素部100の書き込みコントロールゲートWCG2に書き込みパルスを供給して、露光期間中に光電変換部3で発生した電荷をフローティングゲートFG2に蓄積させる。なお、この電荷の蓄積は、露光期間の終了と同時に開始する方法と、露光期間の開始と同時に開始し、露光期間の終了と同時に終了する方法のどちらを採用しても良い。
この書き込みパルスの供給により、図20に示すように、各画素部100で発生した電荷(特殊光1による電荷、特殊光2による電荷、特殊光3による電荷)はその画素部100のフローティングゲートFG2に蓄積される。
固体撮像素子10’では、書き込みコントロールゲートWCG1と書き込みコントロールゲートWCG2とがそれぞれ別の制御線(wcg1,wcg2)に接続されているため、上述したように、2回の露光の各々によって光電変換部3で発生した電荷を、それぞれ別のフローティングゲートに選択的に蓄積することが可能となっている。
フローティングゲートFG2への電荷蓄積終了後、制御部40は、1ライン目の各画素部100の読み出しトランジスタRT1のドレイン電位をVr(<Vcc)に設定し、1ライン目の各画素部100の読み出しコントロールゲートRCG1へのランプ波形電圧の印加を開始する(ランプ波形電圧の印加開始後のカウント値は、例えば初期値(例えばゼロ)からアップカウントされる)。そして、1ライン目の読み出しトランジスタRT1のドレイン電位が降下した時点でのランプ波形電圧の値に対応するカウント値が各読み出し回路20内で保持され、このカウント値が撮像信号として出力アンプ60から出力される。制御部40は、2ライン目以降にも同様の駆動を行って、全てのラインのフローティングゲートFG1に蓄積されていた電荷に応じた第一の撮像信号(R信号、G信号、B信号)を出力させる。
次に、制御部40は、1ライン目の各画素部100の読み出しトランジスタRT2のドレイン電位をVr(<Vcc)に設定し、1ライン目の各画素部100の読み出しコントロールゲートRCG2へのランプ波形電圧の印加を開始する(ランプ波形電圧の印加開始後のカウント値は、例えば初期値(例えばゼロ)からアップカウントされる)。そして、1ライン目の読み出しトランジスタRT2のドレイン電位が降下した時点でのランプ波形電圧の値に対応するカウント値が各読み出し回路20内で保持され、このカウント値が撮像信号として出力アンプ60から出力される。制御部40は、2ライン目以降にも同様の駆動を行って、全てのラインのフローティングゲートFG2に蓄積されていた電荷に応じた第二の撮像信号(特殊光1信号、特殊光2信号、特殊光3信号)を出力させる。
第二の撮像信号を出力させた後、制御部40は、全ての画素部100の書き込みコントロールゲートWCG1,WCG2及び読み出しコントロールゲートRCG1,RCG2の電位を−Vccに設定し、半導体基板の電位をVccに設定する。これによりフローティングゲートFG1,FG2に蓄積されていた電荷は、半導体基板に引き抜かれて消去される。
以上のような動作が1フレーム期間内に実施される。
第一の撮像信号は、ベイヤー型の固体撮像素子から出力される撮像信号と同じであるため、信号処理部23’により公知の信号処理を施すことで、通常のRGBカラー画像データを生成することができる。このRGBカラー画像データに基づくカラー画像により、対象物を肉眼で観察したのと同じ状況を、表示部22’上で再現することができる。
第二の撮像信号には、特殊光1に応じた信号と、特殊光2に応じた信号と、特殊光3に応じた信号とが含まれる。そこで、信号処理部23’では、特殊光1に応じた信号のみから1つの画像データを生成し、特殊光2に応じた信号のみから1つの画像データを生成し、特殊光3に応じた信号のみから1つの画像データを生成する。これらの画像データにより、対象物の肉眼では確認しづらかった生体情報を強調した状態で再現することができる。
以上のように、図17に示す内視鏡装置によれば、露光を行うたびにその露光によって得られる電荷に応じた信号を読み出す必要がなく、複数回の露光後に信号をまとめて読み出すことができる。この結果、複数回の露光の間隔を短くすることができ、複数光源での撮像を短時間で連続して実施することができるため、ほぼ同一の被写体に対して条件を変えた画像を得ることができる。例えば、同一被写体に対し、通常の画像と共に、発赤の有無を識別可能な画像、自家蛍光の有無を識別可能な画像、深部血管の状態を確認可能な画像等を得ることができるため、内視鏡検査時の診断精度を向上させることができる。また、異なる波長、パルス幅、強度の光を用いて画像を強調して表示させることも可能なため、診断精度の飛躍的向上が実現する。
また、図17に示す内視鏡装置は、1フレームの画像データを得るための期間である1フレーム期間中に2回の撮影を実施し、2回の撮影後に、撮像信号を読み出す構成となっている。1フレーム期間中に2回の撮影を行おうとすると、2回の撮影の撮影間隔を短くする必要がある。一般的な固体撮像素子では、撮影を終了する毎に撮像信号を読み出す必要があり、撮影間隔を短くするためには撮像信号の読み出しを高速に行う必要がある。撮像信号の読み出しを高速に行うと、それだけ素子の発熱量が増大するだけでなく、露光時間を短縮せざるを得ないことに起因する感度低下の問題が深刻化する。内視鏡装置では、体内に挿入される先端部の発熱を極力抑える必要がある。この発熱量が増大すると、先端部に冷却機構等が必要となり、先端部の小型化を妨げることとなる。図17に示す内視鏡装置によれば、撮像信号の読み出しを高速に行わずとも、撮影間隔を短くすることができる。このため、先端部での発熱を抑えることができるため、先端部の小型化を実現することができる。
また、図17に示す内視鏡装置によれば、フローティングゲートFG2に電荷を蓄積する前に、光電変換部3内の電荷をリセットドレインに一旦排出する駆動を行っているため、異なる光源による露光時の電荷が混ざってしまうのを防ぐことができ、混色を防止して画質向上を図ることができる。
また、図17に示す内視鏡装置によれば、白色光による撮像信号と、特殊光1による撮像信号と、特殊光2による撮像信号と、特殊光3による撮像信号とを独立して読み出すことができる。このため、白色光と特殊光を同時に発光させて撮像信号を取得し、この撮像信号から白色光成分と特殊光成分を分離する方法と比較して、偽色の低減、信号処理量の削減等を図ることができ、高画質化、低コスト化を実現することができる。
なお、以上の説明では、固体撮像素子10’の画素部100に設ける2つの電荷蓄積部を、それぞれ書き込みトランジスタWTと読み出しトランジスタRTの2つのMOSトランジスタで構成したが、図2に示したように1つのトランジスタで構成しても良い。
<第四の実施形態>
図21は、本発明の第四の実施形態を説明するための内視鏡装置の概略構成を示す図である。図21に示す内視鏡装置は、光源1’’と、固体撮像素子10’’と、光源駆動部21’’と、信号処理部23’’と、システム制御部24’’と、表示部22’’と、操作部25’’とを備える。
光源1’’は、Rの波長域(一般的には約550nm〜約700nm)の光を発光するLED1a’’と、Gの波長域(一般的には約450nm〜約610nm)の光を発光するLED1b’’と、Bの波長域(一般的には約380nm〜約520nm)を発光するLED1c’’とを備える。これらは、一例としてLEDとしているが、上述したR,G,Bの波長域の光を発光できるものであれば何でも良い。
LED1a’’、1b’’、1c’’は、それぞれ光源駆動部21’’によって独立に駆動される。各LEDから発せられた光は、図示しないライトガイドを介して固体撮像素子10’’前方の撮影対象物(被写体)へと当てられる。
信号処理部23’’は、固体撮像素子10’’から出力される撮像信号に信号処理を施して画像データを生成する。生成された画像データは記録媒体に記録されたり、表示部22’’に表示されたりする。
システム制御部24’’は、内視鏡装置全体を統括制御する。操作部25’’は、内視鏡装置の各種操作を行うためのインターフェースである。
固体撮像素子10’’は、図1に示した固体撮像素子10の画素部100の構成として、図22に示した構成を採用したものとなっている。図22に示した構成は、図9に示した構成に、書き込みトランジスタWT3及び読み出しトランジスタRT3を追加した構成となっている。書き込みトランジスタWT3の機能は、他の書き込みトランジスタWT1,2の機能と同じである。読み出しトランジスタRT3の機能は、他の読み出しトランジスタRT1,2の機能と同じである。書き込みトランジスタWT3のソースは光電変換部3に接続されている。読み出しトランジスタRT3のドレインは列信号OLに接続されている。
固体撮像素子10’’の各画素部100の光電変換部3の上方にはカラーフィルタが設けられておらず、固体撮像素子10’’に入射してくる全ての光が各光電変換部3に入射するようになっている。
以上のように構成された内視鏡装置の動作について説明する。図23は、図21に示す内視鏡装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。図24は、図21に示す内視鏡装置の動作を説明するための模式図である。図24では、2行×2列の計4つの画素部を模式的に図示してある。
操作部25’’が操作されて対象物の撮影指示がなされると、この指示がシステム制御部24’’に入力され、システム制御部24’’から固体撮像素子10’’へ撮影指示が通知される。
固体撮像素子10’’では、撮影指示を受けると、これをスタートトリガとして、制御部40が、全ての画素部100のリセットトランジスタRTのリセットゲートRGにリセットパルスを供給する。これにより、各画素部100の光電変換部3に蓄積されていた不要電荷がリセットトランジスタRTのドレインへと排出される。
リセット完了後、システム制御部24’’は、光源駆動部21’’に指示を出し、LED1b’’からG光を発光させる。なお、図23では、リセットパルスの供給の後、少し時間をおいてからG光を発光させているが、G光の発光はリセット完了と同時であることが好ましい。
G光の発光は、例えば内視鏡装置で設定された露光期間だけ行われる。このG光の発光期間中、固体撮像素子10’’の各画素部100では、対象物から入射してくる光が光電変換部3に入射し、ここでG光に応じた電荷が発生して蓄積される。
露光期間終了後、制御部40は、全ての画素部100の書き込みコントロールゲートWCG1に書き込みパルスを供給して、露光期間中に光電変換部3で発生した電荷をフローティングゲートFG1に蓄積させる。なお、書き込みパルスの供給は、露光期間の終了と同時に開始する方法と、露光期間の開始と同時に開始し、露光期間の終了と同時に終了する方法のどちらを採用しても良い。
この書き込みパルスの供給により、図24に示すように、各画素部100で発生した電荷(G光による電荷、図中では“G”で示した)はその画素部100のフローティングゲートFG1に蓄積される。
フローティングゲートFG1への電荷の蓄積が終了すると、制御部40は、再び、全ての画素部100の光電変換部3の電荷をリセットする。
2度目のリセット完了後、システム制御部24’’は、光源駆動部21’’に指示を出し、LED1a’’からR光を発光させる。R光の発光はリセット完了と同時であることが好ましい。
R光の発光は、例えば内視鏡装置で設定された露光期間だけ行われる。このR光の発光期間中、固体撮像素子10’’の各画素部100では、対象物から入射してくる光が光電変換部3に入射し、ここでR光に応じた電荷が発生して蓄積される。
露光期間終了後、制御部40は、全ての画素部100の書き込みコントロールゲートWCG2に書き込みパルスを供給して、露光期間中に光電変換部3で発生した電荷をフローティングゲートFG2に蓄積させる。
この書き込みパルスの供給により、図24に示すように、各画素部100で発生した電荷(R光による電荷、図中では“R”で示した)はその画素部100のフローティングゲートFG2に蓄積される。
フローティングゲートFG2への電荷の蓄積が終了すると、制御部40は、再び、全ての画素部100の光電変換部3の電荷をリセットする。
3度目のリセット完了後、システム制御部24’’は、光源駆動部21’’に指示を出し、LED1c’’からB光を発光させる。B光の発光はリセット完了と同時であることが好ましい。
B光の発光は、例えば内視鏡装置で設定された露光期間だけ行われる。このB光の発光期間中、固体撮像素子10’’の各画素部100では、対象物から入射してくる光が光電変換部3に入射し、ここでB光に応じた電荷が発生して蓄積される。
露光期間終了後、制御部40は、全ての画素部100の書き込みコントロールゲートWCG3に書き込みパルスを供給して、露光期間中に光電変換部3で発生した電荷をフローティングゲートFG3に蓄積させる。
この書き込みパルスの供給により、図24に示すように、各画素部100で発生した電荷(B光による電荷、図中では“B”で示した)はその画素部100のフローティングゲートFG3に蓄積される。
固体撮像素子10’’では、書き込みコントロールゲートWCG1と書き込みコントロールゲートWCG2と書き込みコントロールゲートWCG3とがそれぞれ別の制御線(wcg1,wcg2,wcg3)に接続されているため、上述したように、3回の露光の各々によって光電変換部3で発生した電荷を、それぞれ別のフローティングゲートに選択的に蓄積することが可能となっている。
フローティングゲートFG3への電荷蓄積終了後、制御部40は、1ライン目の各画素部100の読み出しトランジスタRT1のドレインをプリチャージし、1ライン目の各画素部100の読み出しコントロールゲートRCG1へのランプ波形電圧の印加を開始する(ランプ波形電圧の印加開始後のカウント値は、例えば初期値(例えばゼロ)からアップカウントされる)。そして、1ライン目の読み出しトランジスタRT1のドレイン電位が降下した時点でのランプ波形電圧の値に対応するカウント値が各読み出し回路20内で保持され、このカウント値が撮像信号として出力部60から出力される。制御部40は、2ライン目以降にも同様の駆動を行って、全てのラインのフローティングゲートFG1に蓄積されていた電荷に応じた第一の撮像信号(G信号)を出力させる。
次に、制御部40は、1ライン目の各画素部100の読み出しトランジスタRT2のドレインをプリチャージし、1ライン目の各画素部100の読み出しコントロールゲートRCG2へのランプ波形電圧の印加を開始する(ランプ波形電圧の印加開始後のカウント値は、例えば初期値(例えばゼロ)からアップカウントされる)。そして、1ライン目の読み出しトランジスタRT2のドレイン電位が降下した時点でのランプ波形電圧の値に対応するカウント値が各読み出し回路20内で保持され、このカウント値が撮像信号として出力部60から出力される。制御部40は、2ライン目以降にも同様の駆動を行って、全てのラインのフローティングゲートFG2に蓄積されていた電荷に応じた第二の撮像信号(R信号)を出力させる。
次に、制御部40は、1ライン目の各画素部100の読み出しトランジスタRT3のドレインをプリチャージし、1ライン目の各画素部100の読み出しコントロールゲートRCG3へのランプ波形電圧の印加を開始する(ランプ波形電圧の印加開始後のカウント値は、例えば初期値(例えばゼロ)からアップカウントされる)。そして、1ライン目の読み出しトランジスタRT3のドレイン電位が降下した時点でのランプ波形電圧の値に対応するカウント値が各読み出し回路20内で保持され、このカウント値が撮像信号として出力部60から出力される。制御部40は、2ライン目以降にも同様の駆動を行って、全てのラインのフローティングゲートFG3に蓄積されていた電荷に応じた第三の撮像信号(B信号)を出力させる。
第三の撮像信号を出力させた後、制御部40は、全ての画素部100の書き込みコントロールゲートWCG1,WCG2,WCG3及び読み出しコントロールゲートRCG1,RCG2,RCG3の電位を−Vccに設定し、半導体基板の電位をVccに設定する。これによりフローティングゲートFG1,FG2,FG3に蓄積されていた電荷は、半導体基板に引き抜かれて消去される。
以上のような動作が1フレーム期間内に実施される。
このような動作により、固体撮像素子10’’の各画素部100からは、G信号と、R信号と、B信号が得られる。このため、信号補間処理等を行うことなく、これらの信号からYC信号を生成するなどしてJPEG形式のカラー画像データを生成することができる。このカラー画像データに基づくカラー画像により、対象物を肉眼で観察したのと同じ状況を、表示部22’’上で再現することができる。
以上のように、図21に示す内視鏡装置によれば、露光を行うたびにその露光によって得られる電荷に応じた信号を読み出す必要がなく、3回の露光後に信号をまとめて読み出すことができる。この結果、3回の露光の間隔を短くすることができるため、被写体が動いた場合の色ずれを抑制することができる。したがって、内視鏡検査時の診断精度を向上させることができる。
また、図21に示す内視鏡装置は、1フレームの画像データを得るための期間である1フレーム期間中に3回の撮影を実施し、3回の撮影後に、撮像信号を読み出す構成となっている。1フレーム期間中に3回の撮影を行おうとすると、3回の撮影の間隔を短くする必要がある。図25の上段に示したように、一般的な固体撮像素子では、撮影を終了する毎に撮像信号を読み出す必要があり、撮影間隔を短くするためには撮像信号の読み出しを高速に行う必要がある。撮像信号の読み出しを高速に行うと、それだけ素子の発熱量が増大する。内視鏡装置では、体内に挿入される先端部の発熱を極力抑える必要がある。この発熱量が増大すると、先端部に冷却機構等が必要となり、先端部の小型化を妨げることとなる。図21に示す内視鏡装置によれば、図25の下段に示したように、撮像信号の読み出しを高速に行わずとも、撮影間隔を短くすることができる。このため、先端部での発熱を抑えることができ、先端部の小型化を実現することができる。
また、図21に示す内視鏡装置によれば、フローティングゲートFG2、FG3に電荷を蓄積する前に、光電変換部3内の電荷をリセットドレインに一旦排出する駆動を行っているため、異なる光による露光時の電荷が混ざってしまうのを防ぐことができ、混色を防止して更なる画質向上を図ることができる。
なお、以上の説明では、固体撮像素子10’’の画素部100に設ける3つの電荷蓄積部を、それぞれ書き込みトランジスタWTと読み出しトランジスタRTの2つのMOSトランジスタで構成したが、図2に示したように1つのトランジスタで構成しても良い。
また、以上の説明では、光源として原色の光を発光するものを用いているが、補色(シアン、マゼンダ、イエロー)の3つの光を発光する光源を用いても、同様にカラー画像データを生成することができる。
以上のように、本明細書には次の事項が開示されている。
開示された固体撮像素子は、画素部を複数有する固体撮像素子であって、前記画素部は、光電変換部と、前記光電変換部で発生した電荷を各々蓄積可能な複数の電荷蓄積部とを有し、前記複数の電荷蓄積部の各々がフローティングゲートを含むトランジスタであり、前記画素部の前記複数のトランジスタの各々は、独立して駆動可能なゲート電極を有し、前記電荷を前記フローティングゲートに蓄積する。
開示された固体撮像素子は、 前記光電変換部が半導体基板内に設けられており、前記半導体基板上方に設けられ、前記光電変換部の一部の上方に開口が形成された遮光膜を備え、前記トランジスタの前記フローティングゲート及びチャネル領域が前記遮光膜によって覆われており、前記光電変換部が、前記トランジスタのチャネル領域の下まで延在している。
開示された撮像装置は前記固体撮像素子を備える。
3 光電変換部
10 固体撮像素子
20 読み出し回路
40 制御部
100 画素部
RT リセットトランジスタ
WT1,WT2 不揮発性メモリトランジスタ
FG1,FG2 フローティングゲート

Claims (3)

  1. 画素部を複数有する固体撮像素子であって、
    前記画素部は、光電変換部と、前記光電変換部で発生した電荷を各々蓄積可能な複数の電荷蓄積部とを有し、
    前記複数の電荷蓄積部の各々がフローティングゲートを含むトランジスタであり、
    前記画素部の前記複数のトランジスタの各々は、独立して駆動可能なゲート電極を有し、前記電荷を前記フローティングゲートに蓄積する固体撮像素子。
  2. 請求項1記載の固体撮像素子であって、
    前記光電変換部が半導体基板内に設けられており、
    前記半導体基板上方に設けられ、前記光電変換部の一部の上方に開口が形成された遮光膜を備え、
    前記トランジスタの前記フローティングゲート及びチャネル領域が前記遮光膜によって覆われており、
    前記光電変換部が、前記トランジスタのチャネル領域の下まで延在している固体撮像素子。
  3. 請求項1又は2記載の固体撮像素子を備える撮像装置。
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