JP2010278518A - 通信装置、アンテナ装置、並びに通信システム - Google Patents

通信装置、アンテナ装置、並びに通信システム Download PDF

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Abstract

【課題】外部へ放射する電界及び磁界強度を制限する法規制を遵守するとともに妨害電波の影響を抑制しながら高速、広帯域の非接触通信を行なう。
【解決手段】本発明に係るアンテナ装置は、2つの磁性体シート付きのループ・アンテナが導体面に対し上下対称に配置された構造であるから、通信アンテナとキャンセリング・アンテナは、アンテナ面の水平方向より入射される電波に対して互いに同の受信特性を持つ。そして、両アンテナは、互いに逆向きのアンテナ・ループを持つことから、入射された電波のアンテナ面水平方向成分は、受信信号の処理時にちょうど打ち消し合う。
【選択図】 図3

Description

本発明は、非接触通信において要求コマンドを送信するリーダライタ(イニシエーター)又は要求コマンドに対する応答コマンドを返信するトランスポンダ(ターゲット)として通信動作を行なう通信装置、非接触通信に用いられるアンテナ装置に係り、特に、ループ・アンテナ同士の電磁誘導作用により非接触通信を行なう通信装置、アンテナ装置、並びに通信システムに関する。
自ら電波の発生源を持たない通信端末が無線で通信相手となる装置へデータを送信する通信システムとしてRFID(Radio Frequency IDentification)と呼ばれる非接触通信システムが知られ、多くの非接触ICカードに適用されている。RFIDシステムは、トランスポンダとしてのIC(Integrated Circuit)カードと、ICカードからの情報の読み出しや、又はICカードへの情報の書込みを行なう装置(以下、「リーダライタ」と呼ぶ)からなる。リーダライタは、最初に電磁波を出力して相互通信を開始する(すなわち通信の主導権を握る)装置であり、「イニシエーター」とも呼ばれる。また、ICカードなどトランスポンダは、イニシエーターからのコマンド(相互通信開始要求)に対してレスポンス(相互通信開始応答)を返す「ターゲット」である。
RFIDに適用可能な非接触通信方法には、静電結合方式、電磁誘導方式、電波通信方式などが挙げられる。また、RFIDシステムは、伝送距離に応じて、密着型(0〜2mm以下:Close coupled)、近接型(0〜10cm以下:Proximity)、近傍型(0〜70cm以下:Vicinity)の3種類に分類することができ、それぞれISO/IEC15693、ISO/IEC14443、ISO/IEC15693などの国際規格によって規定されている。このうち、ISO/IEC14443に準拠する近接型のICカード規格として、TypeA、TypeB、FeliCa(フェリカ)(登録商標)を挙げることができる。
さらに、ソニーとPhilips社が開発したNFC(Near Field Communication)は、主に、上記のTypeA、FeliCaの各ICカードと通信可能なNFC通信装置(リーダライタ)の仕様を規定したRFID規格であり、2003年12月にISO/IEC IS 18092として国際標準となった。NFC通信方式は、非接触式ICカードとして広く普及しているソニーの「FeliCa」やPhilips社の「Mifare」を継承したものであり、13.56MHz帯を使い、電磁誘導方式により10cm程度の近接型の非接触双方向通信が可能である(NFCは、カードとリーダライタ間の通信の他に、リーダライタ同士のアクティブ型通信を規定している)。
従来の非接触通信の主な用途は課金や個人認証であり、106Kbps〜424Kbps程度の通信レートで十分である。これに対し、ストリーミング伝送などさまざまなアプリケーションへの応用を考慮し、大容量のデータのやり取りを従来と同じアクセス時間の感覚で行なうには、通信レートの高速化が必須となる。例えばフェリカ通信では、212kbpsの倍数である、424kbps、848kbps、1.7Mbps、3.4Mbpsなどが規定され、現在は主に212Kbps、424Kbpsが使用されるが、さらに848Kbps、1.7Mbps、3.4Mbpsなどに上げることも今後考えられる。
図16には、NFC通信システムの基本的な形態を示している。NFC通信システムは、通信を開始するイニシエーター(Initiator)と、その通信の対象となるターゲット(Target)で構成される。
イニシエーターは、具体的にはリーダライタ・モードで動作するNFC対応リーダライタ(R/W)である。イニシエーターとしてのリーダライタは、UART(Univeral Asynchronous receiver−transmitter:万能非同期送受信機)などのホスト・インターフェースを介してホスト機器に接続されている。ホスト機器は、パーソナル・コンピュータ(PC)やリーダライタ内部の組み込みCPU(Central Processing Unit)に相当する。一方のターゲットは、NFC対応カードなどのトランスポンダ、又は、カード・モードで動作するNFC対応リーダライタである(以下では、これらをまとめて、ターゲットのことを単に「カード」とも呼ぶ)。カードは、スタンドアロンである他、ホスト機器に接続されている場合もある。
パッシブ型相互通信では、イニシエーターは、自らの発する13.56MHzのキャリア信号をASK(Amplitude Shift Keying)変調することによって送信データを重畳して、ターゲットに伝える。これに対し、ターゲットは、イニシエーターの送出する13.56MHzのむ変調キャリアに負荷変調を加えることによって、送信データをイニシエーターへ伝える。なお、アクティブ型相互通信では、イニシエーターもターゲットも自らの発する13.56MHzのキャリア信号をASK変調することによって送信データを重畳して、通信相手に伝える。
イニシエーターは、ホスト機器から通信開始コマンドを受けると(図16中の(1))、まずキャリア電波を送出する。その後、イニシエーターは、通信可能空間にターゲットが存在するかどうかを確認するため、規格に定められた方法(キャリア周波数、データ変調速度、データ内容)により、応答要求信号を送信する(図16中の(2))。
これに対し、ターゲットは、まずイニシエーターが送出するキャリアの誘導起電力によって電力を供給されて起動し受信可能状態となり、その後、イニシエーターから送られてくる応答要求信号を受信する。そして、ターゲットは、受信した応答要求信号が自らのタイプに合致する信号であれば、規格に定められた方法(データ変調速度、返信タイミング、データ内容)で自らの識別情報を含む応答信号を、イニシエーターからの無変調キャリアへ負荷変調をかけることによって応答する(図16中の(3))。
そして、イニシエーターは、ターゲットからの応答信号を受信すると、その情報をホスト機器に伝達する(図16中の(4))。ホスト機器は、通信可能空間に存在するターゲットの個数及び各々の識別情報を認識すると、動作プログラム(ファームウェア)に従って特定のターゲットとの通信フェーズへ移行する。これによって、パッシブ型相互通信が確立する。通信が確立した後は、イニシエーターは必要な通信が終了するまで常にキャリア電波を出し続け、ターゲットに対し必要な電力を送る。
上述した応答要求動作と同様、データ通信時にも、イニシエーターからターゲットへキャリア電波の強度変調、ターゲットからイニシエーターヘ無変調キャリアの負荷変調によってデータ伝送を行なう。
図17には、電磁誘導方式の非接触通信システムの主に誘導結合部分の構成例を示している。イニシエーター10及びターゲット30がそれぞれ備えるアンテナ共振回路12、32が電磁結合して、情報信号の授受が行なわれる。
イニシエーター10のアンテナ共振回路12は、抵抗R1と、コンデンサC1と、ループ・アンテナとしてのコイルL1からなり、処理部11により生成された情報信号を、トランスポンダ30側に送信する。また、アンテナ共振回路12は、トランスポンダ30から情報信号を受信し、処理部11に供給する。なお、アンテナ共振回路12の固有の共振周波数は、コンデンサC1のキャパシタンスとコイルL1のインダクタンスにより、あらかじめ所定の値に設定される。ループ・アンテナとしてのコイルL1は、後述するターゲット30側のコイルL2とは結合係数K13で磁気的に結合する。
一方、ターゲット30のアンテナ共振回路32は、抵抗R2と、コンデンサC2と、ループ・アンテナとしてのコイルL2からなり、処理部31により生成され、負荷切り替え変調回路部33により変調された情報信号を、リーダライタ10側のアンテナ(コイルL2)に送信する。また、アンテナ共振回路32は、リーダライタ側から情報信号を受信し、処理部31に供給する。なお、アンテナ共振回路32の共振周波数は、コンデンサC2のキャパシタンスとコイルL2のインダクタンスにより、あらかじめ所定の値に設定される。ループ・アンテナとしてのコイルL2は、上述したイニシエーター10側のコイルL1とは結合係数K13で磁気的に結合する。
図18には、一般的なNFC対応カードのアンテナ形状を示している。図示のアンテナ形状は、FeliCaやRC−S860などで使用されている。ISO/IEC 7816−2、JIS 6301−II規格などが定める85.6mm×54.0mmの一般的なICカード形状の中に、できるだけ大きい電力を確保するためカードの外周に沿って長方形のアンテナ・コイルが形成されている。なお、ISO14443規格では、アンテナ・コイルの形状やコイルの巻数について特に規定されていない。ISO/IEC 7816−2規格の定める接触型ICカードのコンタクトが存在する場所を囲んで形成することが推奨されている。
ターゲット側がICチップを搭載した無電源カードである場合には、上記の非接触通信システムでは、データ通信と同時にキャリアによる電力供給を行なう場合もある。この場合の非接触通信システムの動作原理について、図19A〜図19Cを参照しながら説明する。
図19Aには、イニシエーターからターゲットへデータ通信を行なう際のループ・アンテナ間のキャリアの流れと磁気結合する2つのループ・アンテナの等価回路を示している。イニシエーターは、自らが送出する13.56MHzキャリアにASK変調を加え、ターゲットへデータを転送する。
また、図19Bには、ターゲットからイニシエーターへデータ通信を行なう際のループ・アンテナ間のキャリアの流れとターゲット側のループ・アンテナ周辺の等価回路を示している。ターゲットは、電気的なスイッチにより自らのアンテナ負荷を変更することで、イニシエーターから到来する無変調の13.56MHzキャリアに変調(負荷変調)を加え、イニシエーターへデータを転送する。
また、図19Cには、イニシエーターからターゲットへ電力供給を行なう際のループ・アンテナ間のキャリアの流れとループ・アンテナ周辺の等価回路を示している。ターゲットは、イニシエーターより送られてきた13.56MHzキャリアを整流して、回路の駆動電力を得る。
図20A並びに図20Bには、アンテナ線から電磁波が伝播する様子を模式的に示している。アンテナの出力端より十分離れた場所(キャリアの波長λの2分の1以上)電磁波は、磁界と電界が対となって空中を伝播することが一般に知られている。すなわち、アンテナ線に電流が流れると、まず磁界が生じ、続いてこの磁界と垂直に電界が発生する。その後、磁界と電界の変化は交互に繰り返され、図示の水の波紋のように進行していく。電磁波のうち波長λが0.1mm以上のもの(周波数3000GHz以下)のものを、「電波」と呼ぶ。
図20A並びに図20Bからも分かるように、十分離れた場所から放射された電波は必ず磁界成分を持つ。磁界の結合作用を利用する非接触通信の系に(図21Aを参照のこと)、外部の無線通信などに伴う強い電波が入射されると(図21Bを参照のこと)、通信が妨害され障害が生じる。このような通信障害を引き起こす電波を、以下では「妨害電波」と呼ぶ。
非接触通信システムの通信特性が十分に良好であるときは、妨害電波の影響を無視することができる。ところが、アンテナ間距離が遠くなったり、通信が高速化して特性が悪化したりした場合には、妨害電波の影響は顕在化してくる。
13.56Mzを使用する従来からの非接触通信システムでは、通信距離の延長や通信安定性の向上のためアンテナが13.56MHz付近をピークとする強い周波数共振特性を持っている(図22を参照のこと)。このため、多くの民生用無線通信が使用されている90〜800MHz帯(TV放送)、800MHz/1.5GHz、2.0GHz(携帯電話)、2.4GHz/5GHz帯(Bluetooth通信、無線LAN)などにおける妨害電波の影響をほとんど受けない。また、通信レートも十分に低速であることから、受信時における妨害電波耐性を十分にとることができる。
これに対し、大容量データ転送などを目的として非接触通信システムの通信レートが高くなると(前述)、それに比例して送信信号の周波数帯域が広くなる。信号の周波数帯域が広くなることは、平坦な周波数特性を持つことに相当し、外乱の影響を受け易くなるという問題を生じる。したがって、広帯域ベースバンド通信などを行ないたい場合には、外部からの妨害電波を除去する仕組みが必須になってくる。
また、無線通信の特性を向上させる最も単純な方法として、送信側からの出力電波強度を増大し受信側におけるS/N比を改善する方法が考えられる。しかしながら、各国で定められている電波法では、他の通信システムや人体の健康への悪影響を及ぼさないことを目的として、無線機器が外部へ放射できる電界及び磁界強度が制限されている。上記の非接触通信を行なう通信装置も、商品に適用する場合には、かかる法規制を遵守する必要がある。
図23には、日本の電波法施行規則第44条及び第46条の2において定められる、13.56MHzを利用する非接触通信システム(誘導式読み書き通信設備)における出力電波強度に対する規定を示している。誘導式読み書き通信設備が放出する電界強度の強さによって、総務省で必要な申請レベルが変わり、大きく以下で示す(1)〜(3)の3つに分けられる。
(1)すべての周波数において、電界強度が図23中の微弱領域内に収まる通信装置は、微弱無線局であり、総務省に対し何の申請も必要ない。
なお、電波法による実際の規定値は「設備から3mの位置での電界強度が500μm/m以下」である。これに対し、図23では、同一グラフに示すため、設備から10もの位置での値(150μm/m)に換算した値で示している。当該規定は、誘導式読み書き通信設備に限らず、他の帯域を用いる無線設備に対しても同様に当てはまる。
(2)上記(1)の電界強度の規定値を満たさない場合には、キャリア周波数が13.56MHz、キャリア周波数誤差が50ppm以内、すべての周波数において設備より10mの位置での電界強度が図23中の個体認証不要領域内に収まる、全スプリアスのパワーが50μW以下、という4つの条件を満たす限りにおいて、型式指定認証が可能になる。すなわち、総務省へ申請を行なうことで通信装置の型式指定を取得することができ、以降は同等の(すなわち、型式が同じ)設備に関しては個体毎の総務省への設備許可申請が不要になる。
(3)上記(2)の条件を満たせないときには、個体毎に総務省へ申請して設備許可を得る必要がある。
一方、誘導式読み書き通信設備が放出する磁界強度に関しては、電波法では「6分間の被爆量が0.16mA以下」と規定されている。
一般に、同一のループ・アンテナから出力できる電波を電界強度と磁界強度で比較した場合、電界強度の方が圧倒的に厳しく(より低い値に)制限されている。よって、ループ・アンテナ同士の磁界の結合作用を利用する非接触通信システムにおいては、出力電波は電界強度の制限値によって律則されることとなる。これが非接触通信システムの性能向上(通信距離延長、高速化など)を実現する上での大きな障害の1つになる。
まとめると、以下の通りとなる。
(1)13.56MHz帯を利用した従来の非接触通信システムでは、急峻な周波数特性を持つことから、妨害電波の影響を受け難い。但し、受信側におけるS/N比の改善などを通信特性の向上を意図して、出力電波強度を増大する際には、電波法で規定される電界強度の制限を遵守することを十分に留意する必要がある。
(2)広帯域ベースバンドによる非接触通信システムでは、周波数特性が平坦であることから、妨害電波の影響を受け易く、外乱除去を検討しなければならない。
特開2004−153463号公報 特開2004−166176号公報 特開2006−5836号公報
本発明の目的は、ループ・アンテナ同士の電磁誘導作用により非接触通信を好適に行なうことができる、優れた通信装置、アンテナ装置、並びに通信システムを提供することにある。
本発明のさらなる目的は、妨害電波の影響を抑制しながら高速、広帯域の非接触通信を行なうことができる、優れた通信装置、アンテナ装置、並びに通信システムを提供することにある。
本発明のさらなる目的は、外部へ放射する電界及び磁界強度を制限する法規制を遵守しながら、出力電波強度を増大して受信側におけるS/N比を改善し、無線通信の特性を向上させることができる、優れた通信装置、アンテナ装置、並びに通信システムを提供することにある。
本願は、上記課題を参酌してなされたものであり、請求項1に記載の発明は、
導体面と、
前記導体面の一方の面に、第1の磁性体シートを介して配設された第1のループ・アンテナと、
前記第1のループ・アンテナとは逆のループ方向でほぼ同形状の開口構造からなり、前記導体面の他方の面に、前記第1のループ・アンテナとはほぼ重なるように第2の磁性体シートを介して配設された、第2のループ・アンテナと、
前記第1及び第2のループ・アンテナで送受信される通信信号を処理する通信回路と、
を具備することを特徴とする通信装置である。
本願の請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の通信装置において、導体面の面積は、前記第1及び第2のループ・アンテナの開口形状の面積、並びに磁性体シートの面積よりも十分広くなるように構成されている。
本願の請求項3に記載の発明によれば、請求項1に記載の通信装置において、急峻な周波数特性を持つ非接触通信システムに適用され、また、前記通信回路は出力電波強度を増大するように構成されている。
本願の請求項4に記載の発明によれば、請求項3に記載の通信装置において、前記第1のループ・アンテナと前記第2のループ・アンテナは、前記通信回路に直列接続されている。
本願の請求項5に記載の発明によれば、請求項1に記載の通信装置において、前記第1及び第2のループ・アンテナはそれぞれ層構造にて単一基板上に成型されたシールド・ループ・アンテナからなり、前記通信回路は、広帯域ベースバンド通信を行なうように構成されている。
本願の請求項6に記載の発明によれば、請求項5に記載の通信装置において、前記第1のループ・アンテナと前記第2のループ・アンテナは、前記通信回路に並列接続されている。
本願の請求項7に記載の発明は、
導体面と、
前記導体面の一方の面に、第1の磁性体シートを介して配設された第1のループ・アンテナと、
前記第1のループ・アンテナとは逆のループ方向でほぼ同形状の開口構造からなり、前記導体面の他方の面に、前記第1のループ・アンテナとはほぼ重なるように第2の磁性体シートを介して配設された、第2のループ・アンテナと、
前記第1及び第2のループ・アンテナで送受信される通信信号を処理する通信回路と、
を具備することを特徴とするアンテナ装置である。
本願の請求項8に記載の発明は、
導体面と、前記導体面の一方の面に、第1の磁性体シートを介して配設された第1のループ・アンテナと、前記第1のループ・アンテナとは逆のループ方向でほぼ同形状の開口構造からなり、前記導体面の他方の面に、前記第1のループ・アンテナとはほぼ重なるように第2の磁性体シートを介して配設された、第2のループ・アンテナと、前記第1及び第2のループ・アンテナで送受信される通信信号を処理する通信回路を備えたイニシエーターと、
前記第1の又は第2のループ・アンテナのいずれかの磁界と結合する第3のループ・アンテナ及び前記第3のループ・アンテナで送受信される通信信号を処理する通信回路を備えたターゲットと、
で構成される通信システムである。
但し、ここで言う「システム」とは、複数の装置(又は特定の機能を実現する機能モジュール)が論理的に集合した物のことを言い、各装置や機能モジュールが単一の筐体内にあるか否かは特に問わない。
本発明によれば、ループ・アンテナ同士の電磁誘導作用により非接触通信を好適に行なうことができる、優れた通信装置、アンテナ装置、並びに通信システムを提供することができる。
また、本発明によれば、妨害電波の影響を抑制しながら高速、広帯域の非接触通信を行なうことができる、優れた通信装置、アンテナ装置、並びに通信システムを提供することができる。
また、本発明によれば、外部へ放射する電界及び磁界強度を制限する法規制を遵守しながら、出力電波強度を増大して受信側におけるS/N比を改善し、無線通信の特性を向上させることができる、優れた通信装置、アンテナ装置、並びに通信システムを提供することができる。
本願の請求項1、7、8に係る発明によれば、互いのほぼ同形状の開口構造からなるとともに逆のループ方向を持つ第1及び第2のループ・アンテナが導体面の両面に上下対称となるように配置されており、各ループ・アンテナがそれぞれ発する磁界を導体面によって上下で分断することができる。また、第1及び第2のループ・アンテナはそれぞれ第1及び第2の磁性体シートを介して導体面に取り付けられており、磁性体シートが電波を吸収することから導体表面には磁場が加わらなくなり、導体内部には渦電流は発生しなくなる。
そして、本願の請求項1、7、8に係る発明によれば、第1及び第2のループ・アンテナの各々から出力される磁界は互いに逆位相になる一方、アンテナ面水平方向に放射された電波は互いに打ち消し合うことから、外部に放射される電界のうちアンテナ面垂直方向成分のみが残り、アンテナ面水平方向への放射電界を抑制することができる。
また、本願の請求項1、7、8に係る発明によれば、例えば第1のループ・アンテナを用いて本来の受信動作を行なう際に、第2のループ・アンテナは、アンテナ面の水平方向より入射される電波に対しては第1のループ・アンテナと同等の受信特性を持ち、且つ、ループ方向が逆向きであることから、第1のアンテナで受けた妨害電波の成分を、第2のループ・アンテナで受けた妨害電波の成分で打ち消すことができる。
本願の請求項2に記載の発明によれば、導体面の面積は、第1及び第2のループ・アンテナの開口形状の面積、並びに磁性体シートの面積よりも十分広いので、導体面は、第1及び第2のループ・アンテナの相互作用を遮断するという役目を確実に果たすことができる。
本願の請求項3に記載の発明によれば、例えば第1のループ・アンテナを用いて本来の送信動作を行なう際には、第2のループ・アンテナはアンテナ面水平方向への放射電界を抑制するキャンセリング効果を発揮することができる。この結果、電波法の制限を遵守しながら第1のループ・アンテナの出力電波強度を増大することができ、受信側でのS/N比を改善し、通信距離の延長、通信安定性の改善など、無線通信の特性を向上させることができる。また、リーダライタと無電源のICカードからなる通信システムにおいては、リーダライタ側に本願の請求項3に係る通信装置を適用することで、カード側では、大きな誘起電力が発生し、これを整流することで、供給電力値の向上を図ることができる。
本願の請求項4に記載の発明によれば、急峻な周波数特性を持つ第1及び第2のループ・アンテナを通信回路に直列接続しているので、例えば第1のループ・アンテナが通信相手のループ・アンテナと磁界結合した際であってもインピーダンスが崩れることはなく、第2のループ・アンテナによる妨害電波のキャンセリング効果が減殺されることはない。
本願の請求項5に記載の発明によれば、第1及び第2のループ・アンテナにシールド・ループ・アンテナを用いることで、電磁誘導方式の非接触通信システムにおいて不要となる静電磁界及び放射電界の電界成分をシールドして、誘導電磁界を用いた広帯域ベースバンド通信を好適に行なうことができる。また、例えば第1のループ・アンテナを用いて本来の受信動作を行なう際に、第2のループ・アンテナは、第1のアンテナで受けた妨害電波の成分を打ち消すというキャンセリング効果を発揮して、妨害波耐性を実用レベルにまで高めることすることができる。
本願の請求項6に記載の発明によれば、第1及び第2のループ・アンテナは通信回路に並列接続されているので、平坦な周波数特性を持つ広帯域通信においても、アンテナ・ループ間における伝播遅延による両者の波形位相ずれはほとんどない。したがって、例えば第1のループ・アンテナを用いて本来の受信動作を行なう際に、第2のループ・アンテナによる妨害電波のキャンセリング効果を減殺することはない。
本願の請求項8に記載の発明によれば、イニシエーターとして動作するリーダライタと、トランスポンダとして動作する無電源のICカードからなる非接触通信システムを構築することができる。ここで、ICカードは従来の規格のものを踏襲することで製造コストを据え置くことができる一方、リーダライタ側のみ1対のループ・アンテナを重ね合わせた新規のアンテナ装置を適用することで、電波法の規制を遵守しながら出力電波強度を増大して、ICカード側でのS/N比を改善し、通信距離の延長、通信安定性の改善など、無線通信の特性を向上させることができる。
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施形態や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。
図1Aは、層構造にて単一基板上に成型したシールド・ループ・アンテナの構成例を示した図であり、具体的には、シールド部からなる部品面を示した図である。 図1Bは、層構造にて単一基板上に成型したシールド・ループ・アンテナの構成例を示した図であり、具体的には、1ターンのループ・コイルを実装した面を示した図である。 図1Cは、層構造にて単一基板上に成型したシールド・ループ・アンテナの構成例を示した図であり、具体的には、シールド部からなるハンダ面を示した図である。 図1Dは、層構造にて単一基板上に成型したシールド・ループ・アンテナの構成例を示した図である。 図2は、ループ方向が逆となる通信アンテナとキャンセリング・アンテナをアンテナ・ループの開口位置が重なり合うように配置したアンテナの構成例を示した図である。 図3は、図2に示したアンテナが磁界の結合作用を利用した通信を行なう際に、周囲から妨害電波を受けている様子を示した図である。 図4は、2つのループ・アンテナを直列接続したアンテナ装置の構成例を示した図である。 図5は、2つのループ・アンテナを並列接続したアンテナ装置の構成例を示した図である。 図6は、本発明に係るアンテナ装置(図4を参照のこと)の妨害電波抑圧効果の測定方法を説明するための図である。 図7は、図6に示した測定方法による、本発明に係るアンテナ装置(図4を参照のこと)の妨害電波抑圧効果の測定結果を示した図である。 図8は、図6に示した測定方法による、本発明に係るアンテナ装置(図4を参照のこと)の妨害電波抑圧効果の測定結果を示した図である。 図9は、図6に示した測定方法による、本発明に係るアンテナ装置(図4を参照のこと)の妨害電波抑圧効果の測定結果を示した図である。 図10は、通信用のループ・アンテナのみからなるアンテナ装置の漏洩電波の測定方法を説明するための図である。 図11は、図10に示した測定方法に基づく通信用ループ・アンテナのみからなるアンテナ装置(単一のPasoriアンテナ)の漏洩電波の測定結果を示した図である。 図12は、本発明に係るアンテナ装置(図4を参照のこと)が出力する電波の様子を示した図である。 図13は、本発明に係るアンテナ装置(図4を参照のこと)によるアンテナ面の水平方向への漏洩電力の測定方法を説明するための図である。 図14は、図13に示した測定方法による、本発明に係るアンテナ装置(図5を参照のこと)の妨害電波抑圧効果の測定結果を示した図である。 図15は、図5に示したアンテナ装置の変形例を示した図である。 図16は、NFC通信システムの基本的な形態を示した図である。 図17は、電磁誘導方式の非接触通信システムの主に誘導結合部分の構成例を示した図である。 図18は、一般的なNFC対応カードのアンテナ形状を示した図である。 図19Aは、非接触通信システムの動作原理を説明するための図である。 図19Bは、非接触通信システムの動作原理を説明するための図である。 図19Cは、非接触通信システムの動作原理を説明するための図である。 図20Aは、アンテナ線から電磁波が伝播する様子を模式的に示した図である。 図20Bは、アンテナ線から電磁波が伝播する様子を模式的に示した図である。 図21Aは、磁界の結合作用を利用する非接触通信の系を示した図である。 図21Bは、磁界の結合作用を利用する非接触通信の系に外部の無線通信などに伴う強い電波が入射される様子を示した図である。 図22は、13.56Mzを使用する従来からの非接触通信システムが持つ周波数共振特性を示した図である。 図23は、日本の電波法施行規則第44条及び第46条の2において定められる、13.56MHzを利用する非接触通信システム(誘導式読み書き通信設備)における出力電波強度に対する規定を示した図である。 図24は、シールド・ループ・アンテナの構成例を示した図である。 図25は、図24に示したシールド・ループ・アンテナの等価回路を示した図である。 図26は、図18に示した受信アンテナへ磁束が入射される様子を示した図である。 図27は、ループ・アンテナと金属表面の間に磁性体シートを介在させた様子を示した図である。 図28は、受信側アンテナに入射された磁束が磁性体シートを介して外側へ通り抜ける様子を示した図である。 図29は、アンテナ面の上下両側で発生する磁界が導体面で分断される様子を示した図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。
図18には、一般的なNFC対応カードのアンテナ形状を示した。図示のアンテナは、ICカード形状の中に、できるだけ大きい電力を確保するためカードの外周に沿って長方形のアンテナ・コイルが形成された構造を備えている。このような磁界結合に用いるアンテナを、携帯電話機や移動体通信機器、その他の小型情報機器に搭載して用いる場合、筐体内では電池パックを始めとする金属製部品が高密度で実装されることから、アンテナは金属表面に接近して配設されることが想定される。このような場合、金属表面に渦電流が生じ、この渦電流に起因する逆磁場のために、通信に用いられる本来の磁界が阻害され、通信特性の劣化を招来する。図26には、受信側アンテナ側へ磁束が入射される様子を示しているが、金属部品などの導体面にかかる磁場が変化するときに、電磁誘導作用によって導体内に渦電流が発生する。
近接する金属表面における渦電流の発生を防ぐために、例えば、通信方向に対し逆側のアンテナ面に電波吸収用の磁性体シートを敷設する方法が採られている(例えば、特許文献1〜3を参照のこと)。図27には、ループ・アンテナと金属表面の間に磁性体シートを介在させた様子を示している。この場合、図28に示すように、受信側アンテナに入射された磁束は、磁性体シートを介して外側へ通り抜けることができ、言い換えれば導体表面には磁場が加わらないことから渦電流は発生しなくなる。なお、送信側アンテナでは、本来はアンテナ面の上下両側で磁界が発生するが、導体面によって上下の磁界が分断され、図29に示すように上側にのみ磁界が発生する。同図中のアンテナ端子a、bは、通信回路(図示しない)に接続されている。
また、無線技術の分野では、同軸線路で構成した微小ループからなる、シールド・ループ・アンテナが知られている。シールド・ループ・アンテナは、電波の電界成分(外乱)の感度を極力小さくし、磁界成分のみ感度を持つという特性を持ち、従来は磁界プローブ・アンテナや、アマチュア無線をはじめとする携帯無線装置に広く使用されている。シールド・ループ・アンテナを持つ通信装置は、家庭内雑音(静電磁界)を除去し、本来受信すべき遠方からの信号(放射電磁界)の磁界成分を受信する形となる。
図24には、シールド・ループ・アンテナの構成例を示している。また、図25には、図24に示すシールド・ループ・アンテナの等価回路を示している。シールド・ループでは、半径aの導体を同軸線路で形成し、その芯線を一部引き出して導体と接続し、ギャップを設ける。このギャップに生じる起電力は、ながさがl+πaの同軸線路を伝わってインピーダンスZsに接続されるので、ギャップのインピーダンスZlは同軸線路のインピーダンスZoとして、図25に示す等価回路により求められる。
本発明者らは、本願明細書において、磁界成分のみを受信するという特性に着目し、シールド・ループ・アンテナを非接触による広帯域通信用の通信装置に適用することを提案する。
シールド・ループ・アンテナを用いることで、電磁誘導方式の非接触通信システムにおいて不要となる静電磁界及び放射電界の電界成分をシールドして、誘導電磁界を用いた通信を好適に行なうことができる。
シールド・ループ・アンテナを、例えば層構造にて単一基板上に成型することができる。図1には、層構造にて単一基板上に成型したシールド・ループ・アンテナの構成例を示している。図示の例では、ループ長sの1ターンのループ・コイルを実装した内層面(図1Bを参照のこと)を、それぞれシールド部からなる部品面(図1Aを参照のこと)とハンダ面(図1Cを参照のこと)で挟むようにして積層して、図1Dに示すように単一基板が構成されている。層間は、ビア・ホールを介して導通されている。
本発明者らは、図1Dに示したシールド・ループ・アンテナを用いた実験により、電波暗室において454Mbpsのベースバンドによるデータ転送が可能であることを確認している。
ここで、13.56Mzの非接触通信システムではアンテナが13.56MHz付近をピークとする強い周波数共振特性を持つことから、多くの民生用無線通信が使用されている各周波数帯における妨害電波の影響をほとんど受けない(前述)。これに対し、通信レートの高速化により、無共振による広帯域ベースバンド通信を行なう場合には、他の民生用無線通信による妨害電波の影響を大きく受けることが懸念される。
上記の電波暗室での実験では、送信アンテナの出力値は電波法規制において総務省への申請を必要としないケース(1)、すなわち、微弱無線局で規定される朗詠電界強度以内に収まるように設定している。しかしながら、電波暗室の外で通信を行なうと、妨害電波の影響によりエラーが頻発し、無線通信機器としての使用に耐えられないという問題がある。
そこで、本発明では、磁界の結合作用により本来の通信を行なうループ・アンテナ(以下、「通信アンテナ」とも呼ぶ)に対し、ループ方向のみを逆にして同じ開口構造を持つ妨害電波除去用のループ・アンテナ(以下、「キャンセリング・アンテナ」とも呼ぶ)をもう1つ用意して、アンテナ、磁性体シート、導体面(金属部品など)、磁性体シート、アンテナの順に重ね合わせ、2つのループ・アンテナの開口位置がちょうど重なり合うように配置したアンテナ構造を適用する。
図2には、ループ方向が逆となる通信アンテナとキャンセリング・アンテナをアンテナ・ループの開口位置が重なり合うように配置したアンテナの構成例を示している。同図中の各アンテナの端子a〜dは、通信回路(図示しない)に接続されている。通信回路は、13.56MHz帯を使用する従来からの非接触通信システムにおいて、出力電波強度を増大する。あるいは、通信回路は、広帯域ベースバンド通信を行なう。
両側の磁性体シートが導体面における渦電流の発生を抑制することは上述した通りである。また、導体面は上下両側のループ・アンテナの相互作用を遮断する役目を持つ。この役目を確実に果たすには、導体の面積は、ループ・アンテナの開口形状の面積、並びに磁性体シートの面積よりも十分広いことが好ましい。
図3には、図2に示したアンテナが磁界の結合作用を利用した通信を行なう際に、周囲から妨害電波を受けている様子を示している。通信アンテナとキャンセリング・アンテナは、導体面に対し上下対称であることから、アンテナ面の水平方向より入射される電波に対しては同等の受信特性を持つ。このとき、通信アンテナとキャンセリング・アンテナは互いに逆方向のアンテナ・ループを持つことから、入射された電波のアンテナ面水平方向成分は通信回路内でちょうど打ち消し合うことになる。そして、非接触通信においては、イニシエーターとトランスポンダの各々のループ・アンテナをアンテナ面の垂直方向に対向させて通信を行なうことを考慮すると、電波のアンテナ面水平方向成分は妨害電波の成分に他ならない。よって、本発明によれば、通信アンテナで受けた妨害電波の成分を、キャンセリング・アンテナで受けた妨害電波の成分で打ち消すことになる。
図2に示したアンテナの最も簡単な製作方法として、上下左右対称な開口形状(長方形など)を持つ磁性体シート付きアンテナ(図27、図28を参照のこと)を2枚用意し、導体面を間に挟み込み、裏返しに配置する方法が挙げられる。なお、2つの磁性体シート付きアンテナの関係は対等であり、いずれか一方を通信用、他方をキャンセリング用にあらかじめ定義しておく必要はない。一方のアンテナで通信を行なう際には、他方のアンテナは自ずとキャンセリング・アンテナとして動作することになる。
続いて、通信アンテナとキャンセリング・アンテナの通信回路への接続方法について考察する。
13.56MHz帯を利用した非接触通信システムに利用する場合、図4に示すように、2つのループ・アンテナを直列接続することが好ましいと思料される。何故ならば、ループ・アンテナが急峻な周波数特性を持つことから、一方のループ・アンテナで非接触通信が開始することによりインピーダンスが崩れると、キャンセリングの効果が減殺されてしまうからである。
ここで、通信アンテナとキャンセリング・アンテナの両ループ・アンテナを流れる高周波電流の位相がちょうど揃うときに最大のキャンセリング効果を得ることができる。図4に示すように、2つのループ・アンテナを直列接続した際には、アンテナ・ループ間における伝播遅延により、両者の波形位相がずれることが懸念される。13.56MHzを波長に換算するとおよそ22mであるのに対し、2つのループ・アンテナを合計したアンテナ・ループ長はせいぜい数十cmに過ぎない。そして、キャリア周波数13.56MHz周辺の成分のみ通信に用いることを併せて考えると、位相ずれの影響はほとんど影響がない。
本発明者らは、2つのループ・アンテナを直列接続したアンテナ装置(図4を参照のこと)の漏洩電力を測定して、13.56MHz帯を使用する従来の非接触通信に対して本発明の有効性について確認したが、その詳細については後述する。
他方、広帯域ベースバンド通信を行なう場合には、図5に示すように、2つのループ・アンテナを並列接続することが好ましいと思料される。但し、この場合のループ・アンテナは、上述したようにシールド・ループ・アンテナを用いる。
広帯域通信では、周波数特性が平坦であることから、一方のループ・アンテナで非接触通信を行なっても、インピーダンスが大きく崩れることはないので、これに起因してキャンセリング効果が減殺されることはない。この観点からは、1対のループ・アンテナを通信回路に直列接続する必要はない。むしろ、2つのループ・アンテナを直列接続した際には、アンテナ・ループ間における伝播遅延により、両者の波形位相ずれによる影響が無視できない。また、広い周波数成分を通信に用いることから、位相ずれの影響は大きくなる。例えば300MHzを波長に換算すると1mであり合計アンテナ・ループ長に対して無視できない。
本発明者らは、広帯域ベースバンド通信では、2つのループ・アンテナを直列接続するとキャンセリング効果が劣悪となり、使用に耐えないことを、実測により確認している。また、本発明者らは、2つのループ・アンテナを並列接続したアンテナ装置(図5を参照のこと)について、周辺から受ける妨害電波の抑圧効果を測定して、広帯域ベースバンド通信に対して本発明の有効性について確認したが、その詳細については後述する。
続いて、本発明に係るアンテナ装置における、遠方から入射された電波に対する受信感度特性について説明する。
図27、図28に示した磁性体シート付きのループ・アンテナの場合、外部から入射される電波に対する受信感度は、アンテナ面に対して水平方向が最も強くなることが分かっている。
また、本発明に係るアンテナ装置は、図2に示したように、2つの磁性体シート付きのループ・アンテナが導体面に対し上下対称に配置された構造であるから、通信アンテナとキャンセリング・アンテナは、アンテナ面の水平方向より入射される電波に対して互いに同の受信特性を持つ。そして、両アンテナは、互いに逆向きのアンテナ・ループを持つことから、入射された電波のアンテナ面水平方向成分は、受信信号の処理時にちょうど打ち消し合う(図3を参照のこと)というキャンセリング効果がある。
キャンセリングが行なわれる結果、アンテナ装置に入射された電波のうち、アンテナ面垂直方向の成分のみが検出されることになる。垂直方向のアンテナ感度は低いので、受信信号に現れる信号レベルは非常に小さくなる。
一方、図2に示したアンテナ装置同士を近距離で対向させた場合、送信側の通信アンテナから放射されるアンテナ面垂直方向の磁界は、受信側では通信アンテナで受信できるが導体面で遮断されるキャンセリング・アンテナ側にはほとんど入力されない。したがって、入射された電波のアンテナ面垂直方向成分は、受信信号の処理時に打ち消されることはなく、そのまま受信信号として検出することができる。
以上の説明により、図2に示したアンテナ装置によれば、磁界の結合作用を利用した非接触通信の性能に影響を与えずに、遠方から入射される妨害電波に対する耐性を高めることができることを理解できよう。
図6には、本発明に係るアンテナ装置の妨害電波抑圧効果の測定方法を図解している。図示のように、電波暗室内で、妨害電波の発振源であるバイコニカル・アンテナ(SME BBA9106、30〜300MHz帯域)と測定対象となるアンテナ装置を6mだけ離間して配置する。そして、アンテナ装置を回転台に載せて、バイコニカル・アンテナからの妨害電波を受信するアンテナ面の水平方向の向きを15度ずつ360度回転させながら、バイコニカル・アンテナから放射される144MHz、0dBmのCW信号について、受信信号強度の測定を行なった。
ここで、受信信号強度の測定を行なうアンテナ装置は、図5に示した、2つの磁性体シート付きシールド・ループ・アンテナを並列接続した、広帯域ベースバンド通信用のアンテナ装置である。図2に示したように、2つのループ・アンテナは、導体面に対し上下対称に、互いに逆向きとなるアンテナ・ループの開口位置が重なり合うように配置されている。また、アンテナ・ループの開口面積を変えて、複数種類の測定を行なった。上下対称に配置されたループ・アンテナの一方は通信アンテナとして、他方は妨害電波を抑圧するキャンセリング・アンテナとして、それぞれ動作する。
図7〜図9には、図6に示した測定方法による、図5に示したアンテナ装置のループ・アンテナの開口面積毎の受信信号強度の測定結果を表したグラフを示している。各図において、パラメーターsは、ループ・アンテナが持つ正方形の1ターン・ループの周回長(mm)であり、例えば49sは周回長49mmの1ターン・ループ・アンテナであることを表す。また、“_canceling”と付されたデータは、同じ開口形状を持つ通信アンテナとキャンセリング・アンテナが対をなす図5に示したアンテナ装置の測定結果であることを示し、付いていない方のデータは1つのシールド・ループ・アンテナのみからなるアンテナ装置の測定結果である。
図7〜図9に示したグラフをそれぞれ参照すると、図5に示したキャンセリング・アンテナを備えたアンテナ装置は、キャンセリング・アンテナを持たないものに比べて、十分な妨害電波抑圧効果を奏していることが分かる。なお、キャンセリング・アンテナを備えたアンテナ装置のグラフでは、測定値が180度付近の方向で落ち込んでいるが、これは180度の方向にループがないことや、金属製のアンテナ・コネクタが配置されていることが原因と思われる。
図7〜図9に示した測定結果から、2つのループ・アンテナを並列接続したアンテナ装置(図5を参照のこと)が広帯域ベースバンド通信に対して有効であることを確認できたものと思料する。この場合の妨害波耐性は、実用レベルにまで高まったものであると理解されたい。
続いて、本発明に係るアンテナ装置において、通信時に放射される電波特性について説明する。
図27、図28に示した磁性体シート付きのループ・アンテナから放射される電波特性は、受信感度と同様に、アンテナ面に対して水平方向が最も強くなる。
図10には、本発明との対比として、通信用のループ・アンテナのみからなるアンテナ装置の漏洩電波の測定方法を図解している。図示のように、電波暗室内において、漏洩電波の発振源であるアンテナ装置と漏洩電波の電界強度を検出するアクティブ・ループ・アンテナ(ETS6502)を6mだけ離間して配置する。そして、測定対象のアンテナ装置を回転台に載せ、アクティブ・ループ・アンテナへの漏洩電波の伝播方向に対するアンテナ面の垂直方向の向きを15度ずつ360度回転させながら、測定対象のアンテナ装置からキャリア(13.56MHz、CW)を放出して、アクティブ・ループ・アンテナでの電界強度の測定を行なった。なお、正確に放射電界を測定するためには、波長λの2分の1以上の距離(13.56MHzでは十数m)で検出する必要があるが、本発明者らが使用可能な設備(電波暗室のスペースなど)の都合により、6mの距離で測定している。
ここで、漏洩電波の発信源となるアンテナ装置は、ソニー株式会社製のPasoriアンテナ(45mm×30mm、2ターン・ループ、アンテナのみで駆動回路及び筐体なし)である。同ループ・アンテナは、13.56MHzを使用する従来からの非接触通信システムで主にリーダライタに広く利用されている。
図11には、図10に示した測定方法による、従来からのリーダライタ用ループ・アンテナの測定結果を表したグラフを示している。実際の測定からも、アンテナ面の水平方向への放射電界が最も強くなっていることが分かる。通信特性の向上を意図して出力電波強度を増大した際には、アンテナ面水平方向への放射電界が、周辺システムへの妨害電波となることが、大いに懸念される。
図4に示した本発明に係るアンテナ装置は、上下対称に配置された一対のループ・アンテナからなるが、その一方は通信アンテナとして、他方は漏洩電波を打ち消すキャンセリング・アンテナとして、それぞれ動作する。何故ならば、図12に示すように、通信アンテナとキャンセリング・アンテナの各々から出力される磁界は互いに逆位相になる一方、アンテナ面水平方向に放射された電波は互いに打ち消し合うからである。この結果、当該アンテナ装置から外部に放射される電界は、アンテナ面垂直方向成分のみが残り、アンテナ面水平方向への放射電界は抑制される。すなわち、図11に示した測定結果から懸念される妨害電波の電界強度は、電波法が規定する遠方(アンテナから10mの地点)では非常に小さくなる。
他方、通信アンテナ及びキャンセリング・アンテナともに、図29に示したように、アンテナ面垂直方向の磁界が発生する。しかしながら、キャンセリング・アンテナから出力される磁界は導体面にて遮蔽されるので、通信アンテナ側での磁界結合を利用した通信動作へ影響を及ぼすことはほとんどない。
また、本発明に係るアンテナ装置を、データ通信と同時に受信側へキャリアによる電力供給を行なう通信システムに適用した場合には、強い磁界を出力することで受信側ではより大きな誘起電力が発生し、これを整流することでより大きな駆動電力を得ることができる。
図13には、本発明に係るアンテナ装置の漏洩電波の測定方法を図解している。図示のように、電波暗室内において、漏洩電波の発振源であるアンテナ装置と漏洩電波の電界強度を検出するアクティブ・ループ・アンテナ(ETS6502)を6mだけ離間して配置する。そして、測定対象のアンテナ装置を回転台に載せ、アクティブ・ループ・アンテナへの漏洩電波の伝播方向に対するアンテナ面の水平方向の向きを15度ずつ360度回転させながら、測定対象のアンテナ装置からキャリア(13.56MHz、CW)を放出して、アクティブ・ループ・アンテナでの電界強度の測定を行なった。なお、正確に放射電界を測定するためには、波長λの2分の1以上の距離(13.56MHzでは十数m)で検出する必要があるが、本発明者らが使用可能な設備(電波暗室のスペースなど)の都合により、6mの距離で測定している。
ここで、漏洩電波の発信源となるアンテナ装置は、図4に示した、2つの磁性体シート付きループ・アンテナを直列接続したものである。図2に示したように、2つのループ・アンテナは、導体面に対し上下対称に、互いに逆向きとなるアンテナ・ループの開口位置が重なり合うように配置されている。なお、各ループ・アンテナには、13.56MHz帯を使用する従来からの非接触通信システムでリーダライタ用アンテナとして広く利用されている、ソニー株式会社製のPasoriアンテナ(45mm×30mm、2ターン・ループ、アンテナのみで駆動回路及び筐体なし)を用いている(同上)。
図14には、図12に示した測定方法による、図4に示したアンテナ装置の測定結果を表したグラフを示している。同図において、“canceling antenna”は、図4に示した、通信アンテナとキャンセリング・アンテナが対をなすアンテナ装置についての、図12に示した測定方法に従った測定結果である。また、対比として、“pasori antenna”は、図10に示した測定方法による測定結果を示している。図14から、本発明に係るアンテナ装置(図4を参照のこと)によれば、360度にわたって、水平方向への漏洩電波を抑制できていることを理解できよう。
以上の説明により、本発明に係るアンテナ装置を用いることで、電波法で規定される電界出力強度制限内に抑えた上で、従来よりも強い磁界を出力することができ、通信特性を向上させることができる。
最後に、図4並びに図5に示したアンテナ装置を用いる上での、本発明者らの見地について述べる。
(1)通信アンテナとキャンセリング・アンテナは互いに対等の関係である。したがって、無電源のICカードに実装した場合などで、裏向きで使用した際には、両アンテナの役割が入れ替わるだけで、何ら問題はない。
(2)アンテナ装置からのキャリア出力時には、図12に図解したキャンセリング作用によって漏洩電波を抑圧するためには、通信アンテナだけでなく、キャンセリング・アンテナからも磁界を放射する必要がある。このため、通信アンテナ単体の磁性体シート付きループ・アンテナからなるアンテナ装置と比較すると、通信信号強度を確保するには、送信側においてより多くの電力を消費することになる。
他方、広帯域ベースバンド通信においては、キャンセリング・アンテナを装備する主な目的は、受信時における妨害電波の除去(図3を参照のこと)であって、送信時における漏洩電波を除去する必要性は極めて低い。そこで、送信時にはキャンセリング・アンテナを通信回路から切り離して、受信時にのみキャンセリング・アンテナを使用して、送信時の消費電力を低減するようにしてもよい。図15には、図5に示したアンテナ装置の変形例を示している。キャンセリング・アンテナを通信回路に接続する信号線路上にスイッチが挿設されており、送信時にキャンセリング・アンテナを切り離し、通信アンテナのみからキャリア出力を行なう。
(3)通信アンテナとキャンセリング・アンテナからなる本発明に係るアンテナ装置は、通信アンテナのみを用いた通信形態と同じアンテナ間距離、通信レートを実現することができる。また、本発明に係るアンテナ装置を、送信側及び受信側の通信装置の双方に適用する必要はない。例えば、13.56MHzの非接触通信システムにおいて受信側でのS/N比を向上させたい場合のように、受信側で妨害電波を除去する必要がなく、送信側での出力電波の増大のみを行ないたい場合には、本発明に係るアンテナ装置を送信側にのみ適用すれば、十分な効果を得ることができる。このようにすれば、受信側では、アンテナ装置の代替に伴う製造コストの変動が発生することはない。
以上、特定の実施形態を参照しながら、本発明について詳細に説明してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施形態の修正や代用を成し得ることは自明である。
本明細書では、13.56MHz帯を使用する従来からの非接触通信システム、並びに広帯域ベースバンドを使用する非接触通信システムに本発明を適用した実施形態を中心に説明してきたが、本発明の要旨はこれに限定されるものではない。電気的負荷の変更方向の切り替えによる変調を利用して通信を行なう、さまざまな規格に準拠した通信システムに、同様に本発明を適用することができる。
要するに、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、本明細書の記載内容を限定的に解釈するべきではない。本発明の要旨を判断するためには、特許請求の範囲を参酌すべきである。
10…イニシエーター
11…処理部
12…アンテナ共振回路
30…ターゲット
31…処理部
32…アンテナ共振回路
33…負荷切替変調回路

Claims (8)

  1. 導体面と、
    前記導体面の一方の面に、第1の磁性体シートを介して配設された第1のループ・アンテナと、
    前記第1のループ・アンテナとは逆のループ方向でほぼ同形状の開口構造からなり、前記導体面の他方の面に、前記第1のループ・アンテナとはほぼ重なるように第2の磁性体シートを介して配設された、第2のループ・アンテナと、
    前記第1及び第2のループ・アンテナで送受信される通信信号を処理する通信回路と、
    を具備することを特徴とする通信装置。
  2. 前記導体面の面積は、前記第1及び第2のループ・アンテナの開口形状の面積、並びに磁性体シートの面積よりも十分広い、
    ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
  3. 急峻な周波数特性を持つ非接触通信システムに適用され、
    前記通信回路は出力電波強度を増大する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
  4. 前記第1のループ・アンテナと前記第2のループ・アンテナは、前記通信回路に直列接続される、
    ことを特徴とする請求項3に記載の通信装置。
  5. 前記第1及び第2のループ・アンテナはそれぞれ層構造にて単一基板上に成型されたシールド・ループ・アンテナからなり、
    前記通信回路は、広帯域ベースバンド通信を行なう、
    ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
  6. 前記第1のループ・アンテナと前記第2のループ・アンテナは、前記通信回路に並列接続される、
    ことを特徴とする請求項5に記載の通信装置。
  7. 導体面と、
    前記導体面の一方の面に、第1の磁性体シートを介して配設された第1のループ・アンテナと、
    前記第1のループ・アンテナとは逆のループ方向でほぼ同形状の開口構造からなり、前記導体面の他方の面に、前記第1のループ・アンテナとはほぼ重なるように第2の磁性体シートを介して配設された、第2のループ・アンテナと、
    前記第1及び第2のループ・アンテナで送受信される通信信号を処理する通信回路と、
    を具備することを特徴とするアンテナ装置。
  8. 導体面と、前記導体面の一方の面に、第1の磁性体シートを介して配設された第1のループ・アンテナと、前記第1のループ・アンテナとは逆のループ方向でほぼ同形状の開口構造からなり、前記導体面の他方の面に、前記第1のループ・アンテナとはほぼ重なるように第2の磁性体シートを介して配設された、第2のループ・アンテナと、前記第1及び第2のループ・アンテナで送受信される通信信号を処理する通信回路を備えたイニシエーターと、
    前記第1の又は第2のループ・アンテナのいずれかの磁界と結合する第3のループ・アンテナ及び前記第3のループ・アンテナで送受信される通信信号を処理する通信回路を備えたターゲットと、
    で構成される通信システム。
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