JP2010275957A - タービン - Google Patents

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Sachihiro Kuwamura
祥弘 桑村
Kazuyuki Matsumoto
和幸 松本
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宏治 大山
Yoshinori Tanaka
良典 田中
Asaharu Matsuo
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Abstract

【課題】動翼下流への漏洩流体量が少なく、高性能なタービンを提供する。
【解決手段】静止環状体11と、該静止環状体11の内方において回転自在に設けられた軸体と、該軸体に放射状に複数設けられていると共に、それぞれの先端部51が静止環状体11の内周部11bに間隙Gを介して対向する動翼とを備えたタービン1であって、動翼の先端部51と静止環状体11の内周部11bとのうち、一方には、軸方向上流側から下流側に向かって次第に他方から離間するように複数のステップ部52が設けられ、前記他方には、各ステップ部52に対して一つずつ延出して各ステップ部52の下流側の縁部53とそれぞれ微小隙間mを形成する複数のシールフィン15が設けられており、前記軸方向に互いに隣接する二つのシールフィン15の間が、間隙Gに流入する流体Sを径方向に拡散させるエネルギー減衰室Rとされていることを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、例えば、発電プラント、化学プラント、ガスプラント、製鉄所、船舶等に用いられるタービンに関するものである。
周知のように、蒸気タービンの一種として、ケーシングと、ケーシングの内部に回転自在に設けられた軸体と、ケーシングの内周部に固定配置された複数の静翼と、これら複数の静翼の下流側において軸体に放射状に設けられた複数の動翼とを備えたものがある。このような蒸気タービンは、蒸気の圧力エネルギーを静翼によって速度エネルギーに変換し、この速度エネルギーを動翼によって回転エネルギー(機械エネルギー)に変換している。
この種の蒸気タービンは、動翼の先端部と、動翼を囲繞して蒸気の流路を形成するケーシングとに間隙が形成されているのが通常であるが、この間隙を下流側に通過する漏洩蒸気は、動翼に対して回転力を付与しない。このため、蒸気タービンの性能向上のためには、上記間隙を通過する漏洩蒸気の量を低減することが重要となる。
下記特許文献1には、シールフィンの歯先の高圧流体側を動翼に対して直角に形成すると共に、低圧流体側を傾斜状に形成し、このシールフィンを軸方向に複数直列状に配設している。このような構成により、各シールフィンの間に蒸気の大きな渦流を発生させてエネルギーの消失を図ることにより、蒸気が間隙を通過することを抑止している。
特開2005−180278号公報
しかしながら、従来の技術では、各シールフィンの間に発生する蒸気の大きな渦流が、下流側のシールフィンの歯先の隙間に向かうように形成されるために、漏洩蒸気の運動エネルギーが減衰されないまま下流側に持ち込まれ易く、漏洩蒸気の量を十分に低減することができないという問題があった。
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その目的は、漏洩流体が少なく、高性能なタービンを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用している。
すなわち、本発明に係るタービンは、静止環状体と、該静止環状体の内方において回転自在に設けられた軸体と、該軸体に放射状に複数設けられていると共に、それぞれの先端部が前記静止環状体の内周部に間隙を介して対向する動翼とを備えたタービンであって、前記動翼の先端部と前記静止環状体の内周部とのうち、一方には、軸方向上流側から下流側に向かって次第に他方から離間するように複数のステップ部が設けられ、前記他方には、前記各ステップ部に対して一つずつ延出して前記各ステップ部の下流側の縁部とそれぞれ微小隙間を形成する複数のシールフィンが設けられており、前記軸方向に互いに隣接する二つのシールフィンの間が、前記間隙に流入する流体を径方向に拡散させるエネルギー減衰室とされていることを特徴とする。
この構成によれば、各ステップ部の下流側の縁部とそれぞれ微小隙間を形成する複数のシールフィンを備え、軸方向に互いに隣接する二つのシールフィンの間がエネルギー減衰室とされているので、微小隙間を通過してエネルギー減衰室に流入した流体が、径方向の内方側と外方側との双方に拡散する。これにより、流体の運動エネルギーを十分に減衰させることができる。
また、軸方向下流側に向かって次第に離間するステップ部とシールフィンとで微小隙間が形成されるので、上流側の微小隙間と下流側の微小隙間とが径方向において異なる位置に形成される。これにより、上流側の微小隙間を通過してエネルギー減衰室に流入した流体が、大きい運動エネルギーを有した状態で下流側の端部まで到達したとしても、下流側のシールフィンに衝突する。すなわち、流体が大きい運動エネルギーを有した状態で、下流側の微小隙間を通過してしまうことを防止することができる。
従って、エネルギー減衰室から流出する流体を低減させることができ、動翼の先端部と静止環状体の内周部との間隙を通過する漏洩流体を少なくすることができる。よって、流体のエネルギーを効率よく回転エネルギーに変換することができ、高性能なタービンを提供することができる。
また、前記エネルギー減衰室は、前記エネルギー減衰室における前記動翼の先端部と前記静止環状体の内周部とが、そのエネルギー減衰室に連通する上流側の前記微小隙間からの径方向距離が等しい位置に形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、エネルギー減衰室における動翼の先端部と静止環状体の内周部とが、上流側の微小隙間からの径方向距離が等しい位置に形成されているので、上流側の微小隙間を通過した流体が、径方向の内方側と外方側との双方に均一に拡散する。これにより、エネルギー減衰室に流入した流体が、より均一的に径方向に拡散するので、エネルギー減衰室から流出する流体を、さらに低減させることができる。
また、前記エネルギー減衰室は、前記エネルギー減衰室における前記動翼の先端部と前記静止環状体の内周部とのうち、前記ステップ部が設けられた一方が、前記シールフィンが設けられた他方よりも、そのエネルギー減衰室に連通する上流側の前記微小隙間からの径方向距離が大きい位置に形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、エネルギー減衰室における動翼の先端部と静止環状体の内周部とのうち、ステップ部が設けられた一方が、シールフィンが設けられた他方よりも、上流側の微小隙間からの径方向距離が大きい位置に形成されているので、エネルギー減衰室に渦流が形成される。より具体的には、エネルギー減衰室の下流側において、シールフィンが設けられた他方からステップ部が設けられた一方に向かう渦流(シールフィンの根本側からシールフィンの先端側に向かう渦流)が形成される。これにより、渦流が、下流側の微小隙間を通過する流体に対して縮流効果を与えるので、エネルギー減衰室から流出する流体を、さらに低減させることができる。
また、前記エネルギー減衰室が、複数設けられていることを特徴とする。
この構成によれば、エネルギー減衰室が、複数設けられているので、動翼の先端部と静止環状体の内周部との間隙を通過する漏洩流体をさらに少なくすることができる。よって、流体のエネルギーを効率よく回転エネルギーに変換することができ、高性能なタービンを提供することができる。
本発明によれば、漏洩流体が少なく、高性能なタービンを提供することができる。
本発明の第一実施形態に係る蒸気タービン1の概略構成断面図である。 本発明の第一実施形態に係る蒸気タービン1の要部拡大断面図であり、図1における要部Iの拡大断面図である。 本発明の第一実施形態に係る蒸気タービン1の作用説明図である。 本発明の第二実施形態に係る蒸気タービン2の要部拡大断面図であり、第一実施形態に係る図2に相当する図である。 本発明の第二実施形態に係る蒸気タービン2の作用説明図であり、第一実施形態に係る図3に相当する図である。
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態について説明する。
(第一実施形態)
図1は、本発明の第一実施形態に係る蒸気タービン1を示す概略構成断面図である。
蒸気タービン1は、ケーシング10と、ケーシング10に流入する蒸気Sの量と圧力を調整する調整弁20と、ケーシング10の内方に回転自在に設けられ、動力を図示しない発電機等の機械に伝達する軸体30と、ケーシング10に保持された静翼40と、軸体30に設けられた動翼50と、軸体30を軸回りに回転可能に支持する軸受部60とを主たる構成としている。
ケーシング10は、内部空間が気密に封止されていると共に、蒸気Sの流路とされている。このケーシング10の内壁面には、軸体30が挿通されたリング状の仕切板外輪(静止環状体)11が強固に固定されている。
調整弁20は、ケーシング10の内部に複数個取り付けられており、それぞれ図示しないボイラから蒸気Sが流入する調整弁室21と、弁体22と、弁座23とを備えており、弁体22が弁座23から離れると蒸気流路が開いて、蒸気室24を介して蒸気Sがケーシング10の内部空間に流入するようになっている。
軸体30は、軸本体31と、この軸本体31の外周から径方向全部に延出した複数のディスク32とを備えている。この軸体30は、回転エネルギーを図示しない発電機等の機械に伝達する。
静翼40は、軸体30を囲繞するように放射状に多数配置されて環状静翼群を構成しており、それぞれ上述した仕切板外輪11に保持されている。これら静翼40の径方向における内方側は、軸体30が挿通されたリング状の仕切板内輪12等で連結されている。
これら複数の静翼40からなる環状静翼群は、軸方向に間隔を空けて六つ形成されており、蒸気Sの圧力エネルギーを速度エネルギーに変換して、下流側に隣接する動翼50に流入させる。
動翼50は、軸体30が有するディスク32の外周部に強固に取り付けられている。この動翼50は、各環状静翼群の下流側において、放射状に多数配置されて環状動翼群を構成している。
これら環状静翼群と環状動翼群とは、一組一段とされている。すなわち、蒸気タービン1は、六段に構成されている。このうち、最終段における動翼50の先端部は、周方向に延びたシュラウド51とされている。
図2は、図1における要部Iを示す要部拡大断面図である。
図2に示すように、シュラウド51は、径方向において仕切板外輪11と間隙Gを介して対向している。
シュラウド51は、軸方向上流側から下流側に向かって次第に仕切板外輪11から離間する三つのステップ部52(52A〜52C)を備えている。なお、各ステップ部52(52A〜52C)は、軸方向の寸法がそれぞれ略同一となっている。
仕切板外輪11は、内周に環状溝11aが形成されたものであり、この環状溝11aにシュラウド51が収容されている。
この仕切板外輪11の環状溝11aにおける溝底部(内周部)11bは、軸方向に略同径に形成されている。また、この溝底部11bには、シュラウド51に向けて径方向に延出する三つのシールフィン15(15A〜15C)が設けられている。
シールフィン15(15A〜15C)は、それぞれステップ部52(52A〜52C)における下流側の縁部53(53A〜53C)に向けて、溝底部11bから延出しており、縁部53(53A〜53C)と微小隙間m(mA〜mC)を径方向に形成している。この微小隙間m(mA〜mC)の各寸法は、ケーシング10や動翼50の熱伸び量や動翼50の遠心伸び量等を考慮した上で、両者が接触することがない安全な範囲内で、最小のものに設定されている。
このような構成により、上記間隙Gは、シールフィン15A〜15Cにより軸方向に三つに区切られており、軸方向に互いに隣接する二つのシールフィン15A,15Bの間がエネルギー減衰室R1とされ、シールフィン15B,15Cの間がエネルギー減衰室R2とされている。
エネルギー減衰室R(R1,R2)におけるシュラウド51のステップ部52(52B,52C)と、仕切板外輪11の溝底部11bとは、そのエネルギー減衰室R(R1,R2)に連通する上流側の微小隙間m(mA,mB)から、径方向距離が等しい位置に形成されている。より具体的には、径方向における微小隙間m(mA,mB)の中心線Xからの距離が等しい位置に形成されている。すなわち、微小隙間mAの中心線Xからステップ部52Bまでの距離をL1とし、微小隙間mAの中心線Xから溝底部11bまでの径方向距離をL2とすると、L1=L2となる位置に形成されている。同様に、微小隙間mBの中心線Xからステップ部52Cまでの距離をL3とし、微小隙間mBの中心線Xから溝底部11bまでの径方向距離をL4とすると、L3=L4となる位置に形成されている。
軸受部60は、ジャーナル軸受装置61及びスラスト軸受装置62を備えており、軸体30を回転可能に支持している。
次に、上記の構成からなる蒸気タービン1の動作について、図1〜図3を用いて説明する。
まず、調整弁20(図1参照)を開状態とすると、図示しないボイラから蒸気Sがケーシング10の内部空間に流入する。
ケーシング10の内部空間に流入した蒸気Sは、各段における環状静翼群と環状動翼群とを順次通過する。この際には、圧力エネルギーが静翼40によって速度エネルギーに変換され、静翼40を経た蒸気Sが同一の段を構成する動翼50間に流入し、動翼50に回転力を付与する。すなわち、動翼50により蒸気Sの速度エネルギーが回転エネルギーに変換される。
最終段に到達した蒸気Sは、最終段の静翼40を通過した後に、下流の動翼50間に流入し、動翼50に回転力を効率的に付与する。
すなわち、図3に示すように、間隙Gに流入した蒸気Sは、まず、微小隙間mAを通過してエネルギー減衰室R1に流入する。この際、エネルギー減衰室R1においては、微小隙間mAから径方向にステップ部52Bと溝底部11bとが径方向の内方側と外方側の双方にそれぞれ離間しているため、エネルギー減衰室R1に流入した蒸気Sが、シュラウド51側及び溝底部11b側の双方に拡散する(矢印Y1,Y2)。
そして、ステップ部52Bと溝底部11bとが、微小隙間mAから径方向距離が等しい位置に形成されているため、エネルギー減衰室R1内の速度の径方向分布は、上流側から下流側に向かうに従って均一的なものになる。
すなわち、図3における上流側地点P1における速度の径方向分布は、微小隙間mAを通過した蒸気Sの拡散が十分でないため、径方向中央付近の速度が大きくなって偏っている。一方、下流側地点P2における速度の径方向分布は、微小隙間mAを通過した蒸気Sの拡散が十分に進行し、均一化が進んでいる。
このようにして、蒸気Sが下流側のシールフィン15Bに到達した際には、速度の径方向分布が更に均一なものとなっている。すなわち、微小隙間mAを通過した蒸気Sが微小隙間mBに到達した際には、蒸気Sの運動エネルギーは十分に減衰しており、蒸気Sが微小隙間mBから流出し難くなっている。
仮に、微小隙間mAを通過した蒸気Sの速度エネルギーが径方向に十分に拡散せず、速度の径方向分布において中央付近の速度が大きい状態で下流側の端部に到達しても、下流側のシールフィン15Bに衝突して、エネルギー減衰室R1内に拡散することとなる。
エネルギー減衰室R2においても、エネルギー減衰室R1と同様の作用により、微小隙間mCから蒸気Sが流出し難くなっている(図2参照)。
このように、エネルギー減衰室R1,R2においては、蒸気Sが下流側に非常に流出し難くなっており、間隙Gを流れて動翼50の下流側に漏洩する蒸気Sが殆ど無くなる。つまり、蒸気Sの流路が動翼50間に限定されるため、蒸気Sの速度エネルギーが効率よく動翼50に伝達されることとなる。
このようにして、回転エネルギーが軸体30を介してコンプレッサー等の機械に良好に伝達される。なお、仕事を終えた排気蒸気は、排気室19を通って図示しない復水器に送られる。
以上説明したように、本実施形態に係る蒸気タービン1によれば、各ステップ部52(52A〜52C)の下流側の縁部53(53A〜53C)とそれぞれ微小隙間m(mA〜mC)を形成する複数のシールフィン15(15A〜15C)を備え、シールフィン15A,15Bの間がエネルギー減衰室R1とされ、シールフィン15B,15Cの間がエネルギー減衰室R2とされているので、微小隙間m(mA,mB)を通過してエネルギー減衰室R(R1,R2)に流入した蒸気Sが、径方向の内方側と外方側との双方に拡散する。これにより、蒸気Sの運動エネルギーを十分に減衰させることができる。
また、軸方向下流側に向かって次第に離間するステップ部52(52A〜52C)とシールフィン15(15A〜15C)とで微小隙間m(mA〜mC)が形成されるので、上流側の微小隙間m(mA,mB)と下流側の微小隙間m(mB,mC)とが径方向において異なる位置に形成される。これにより、上流側の微小隙間m(mA,mB)を通過してエネルギー減衰室Rに流入した蒸気Sが、大きい運動エネルギーを有した状態で下流側の端部に到達したとしても、下流側のシールフィン15(15B,15C)に衝突する。すなわち、蒸気Sが大きい運動エネルギーを有した状態で、下流側の微小隙間m(mB,mC)を通過してしまうことを防止することができる。
従って、エネルギー減衰室R(R1,R2)から流出する蒸気Sを低減させることができ、間隙Gを通過する漏洩蒸気を少なくすることができる。よって、蒸気Sのエネルギーを効率よく回転エネルギーに変換することができ、蒸気タービン1が高性能なものとなる。
また、エネルギー減衰室R(R1,R2)におけるステップ部52(52B,52C)と仕切板外輪11の溝底部11bとが、上流側の微小隙間m(mA,mB)から径方向距離が等しい位置に形成されているので、上流側の微小隙間m(mA,mB)を通過した漏洩蒸気を、径方向の内方側と外方側との双方に均一に拡散する。これにより、エネルギー減衰室R(R1,R2)に流入した蒸気Sが、より均一的に径方向に拡散するので、下流側の微小隙間m(mB,mC)から流出する蒸気Sを、さらに低減させることができる。
また、エネルギー減衰室Rが、二つ(R1,R2)設けられているので、間隙Gを通過する漏洩蒸気をさらに少なくすることができる。
(第二実施形態)
図4は、本発明の第二実施形態に係る蒸気タービン2の要部拡大断面図であり、図2に相当する図である。蒸気タービン2は、上述した蒸気タービン1と比較して、エネルギー減衰室Rの構成が相違している。なお、図4及び図5において、図1〜図3と同様の構成要素については、同一の符号を付し、説明を省略する。
図4に示すように、蒸気タービン2は、先端部がシュラウド71とされており、このシュラウド71が径方向において間隙Gを介して仕切板外輪11と対向する動翼70を備えている。
シュラウド71は、軸方向上流側から下流側に向かって次第に仕切板外輪11から離間するように三つのステップ部72(72A〜72C)が設けられている。そして、これら三つのステップ部72(72A〜72C)のそれぞれの下流側の縁部73(73A〜73C)に向けて、溝底部11bから三つのシールフィン(15A〜15C)が延出しており、これらシールフィン15(15A〜15C)と縁部73(73A〜73C)とのそれぞれの間に微小隙間m(mA〜mC)が形成されている。
なお、各ステップ部72(72A〜72C)は、軸方向の寸法がそれぞれ略同一となっている。
このような構成により、上記間隙Gは、シールフィン(15A〜15C)により軸方向に三つに区切られており、軸方向に互いに隣接する二つのシールフィン15A,15Bとの間がエネルギー減衰室R3、シールフィン15B,15Cとの間がエネルギー減衰室R4とされている。
エネルギー減衰室R(R3,R4)におけるステップ部72(72B,72C)は、仕切板外輪11の溝底部11bよりも、上流側の微小隙間m(mA,mB)からの径方向距離が大きい位置に形成されている。より具体的には、径方向における微小隙間m(mA,mB)の中心線Xからの距離が大きい位置に形成されている。すなわち、微小隙間mAの中心線Xからステップ部72Bまでの距離をL5とし、微小隙間mAの中心線Xから溝底部11bまでの径方向距離をL6とすると、L5>L6となる位置に形成されている。同様に、微小隙間mBの中心線Xからステップ部72Cまでの距離をL7とし、微小隙間mBの中心線Xから溝底部11bまでの径方向距離をL8とすると、L7>L8となる位置に形成されている。
次に、上記の構成からなる蒸気タービン2の動作について、図4及び図5を用いて説明する。
上述した蒸気タービン1と同様に、最終段に到達した蒸気Sは、最終段の静翼40を通過した後に、下流の動翼50間に流入し、動翼50に回転力を効率的に付与する。
図5に示すように、間隙Gに流入した蒸気Sは、まず、微小隙間mAを通過してエネルギー減衰室R3に流入する。この際、エネルギー減衰室R3においては、微小隙間mAから径方向に動翼50と溝底部11bとが径方向の内方側と外方側との双方にそれぞれ離間しているため、エネルギー減衰室R3に流入した蒸気Sが動翼50側及び溝底部11b側の双方に拡散する(矢印Y1,Y2)。
ここで、ステップ部72Bが溝底部11bよりも微小隙間mAから離間しているため、言い換えると、微小隙間mAからの径方向距離が大きいため、エネルギー減衰室R3内の速度の径方向分布に偏りが生じる、この偏りにより、エネルギー減衰室R3においては、次のような渦流Vが生じる。すなわち、この渦流Vは、溝底部11bに沿ってシールフィン15Aからシールフィン15Bに向けて流れた後に(矢印v1)、シールフィン15Bに沿って径方向外方側から内方側に向けて流れ(矢印v2)、その後、ステップ部72Bに沿ってシールフィン15Bからシールフィン15Aに向けて流れ(矢印v3)、シールフィン15Aに沿って径方向内方側から外方側に流れる(矢印v4)。
このような渦流Vは、下流側の微小隙間mBから蒸気Sが流出しようとした場合に、この蒸気Sを径方向外方からステップ部72Bに押し付けるようにして縮流させる(矢印v2参照)。渦流Vによって、縮流された蒸気Sは、微小隙間mBから流出し難くなる。
エネルギー減衰室R4においても、エネルギー減衰室R3と同様に、渦流Vが形成され、縮流効果により微小隙間mCから蒸気Sが流出し難くなる。
このように、エネルギー減衰室R3,R4においては、蒸気Sが下流側に非常に通過し難くなっており、間隙Gを通過する蒸気Sを効果的に抑止することができる。つまり、蒸気Sの流路が動翼50間に限定されるため、蒸気Sの速度エネルギーが効率よく動翼50に伝達されることとなる。
以上説明したように、本実施形態に係る蒸気タービン2によれば、エネルギー減衰室R3において、ステップ部72(72A〜72C)が設けられたシュラウド71が、シールフィン15(15A〜15C)が設けられた仕切板外輪11の溝底部11bよりも、上流側の微小隙間mAからの径方向距離が大きい位置に形成されているので、エネルギー減衰室R3に渦流Vが形成される。より具体的には、エネルギー減衰室R3の下流側において、径方向外方から内方に向かう流れ(矢印v2)が形成される。これにより、渦流V(矢印v2)が、下流側の微小隙間mBを通過する蒸気Sに対して縮流効果を与えるので、エネルギー減衰室R3から流出する蒸気Sを、さらに低減させることができる。
また、エネルギー減衰室R4においても、渦流が形成され、エネルギー減衰室R4の下流側の微小隙間mCから流出する蒸気Sに縮流効果を与えるので、エネルギー減衰室R4から流出する蒸気Sの量を、さらに低減させることができる。
従って、間隙Gを通過する漏洩蒸気をさらに少なくすることができる。よって、蒸気Sのエネルギーを効率よく回転エネルギーに変換することができ、蒸気タービン2が高性能なものとなる。
なお、上述した実施の形態において示した動作手順、あるいは各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上述した実施の形態では、仕切板外輪11を静止環状体としたが、このような仕切板外輪11を設けずにケーシング10を静止環状体とする構成も考えられる。すなわち、この静止環状体は、動翼を囲繞すると共に、流路を流体が動翼間を通過するように規定するものであれば、どのような部材であってもよい。
また、上述した実施の形態では、ステップ部52A〜52Cの軸方向の寸法をそれぞれ略同一としたが、それぞれ異なっていてもよい。ステップ部72A〜72Cについても同様である。
また、上述した実施の形態では、最終段の動翼50に本発明を適用したが、他の段の動翼50に本発明を適用しても良い。
また、上述した実施の形態では、動翼50にステップ部を設け、仕切板外輪11にシールフィン15A〜15Cを設ける構成としたが、仕切板外輪11に軸方向下流側に向けて動翼50から離間するようにステップ部を設け、動翼50にシールフィン15A〜15Cを設ける構成としても良い。
また、上述した実施の形態では、エネルギー減衰室Rを複数設ける構成としたが、一つのみ設ける構成としてもよいし、三つ以上設ける構成としても良い。
また、上述した実施の形態では、復水式の蒸気タービンに本発明を適用したが、他の型式の蒸気タービン、例えば、二段抽気タービン、抽気タービン、混気タービン等のタービン型式に本発明を適用することができる。
また、上述した実施の形態では、蒸気タービンに本発明を適用したが、ガスタービンに本発明を適用しても良い。
1,2…蒸気タービン(タービン)
10…ケーシング
11…仕切板外輪(静止環状体)
15(15A〜15C)…シールフィン
30…軸体
40…静翼
50,70…動翼
51,71…シュラウド
52(52A〜52C),72(72A〜72C)…ステップ部
53(52A〜52C),73(73A〜73C)…縁部
G…間隙
m(mA〜mC)…微小隙間
R(R1〜R4)…エネルギー減衰室
S…蒸気
V(v1〜v4)…渦流

Claims (4)

  1. 静止環状体と、
    該静止環状体の内方において回転自在に設けられた軸体と、
    該軸体に放射状に複数設けられていると共に、それぞれの先端部が前記静止環状体の内周部に間隙を介して対向する動翼とを備えたタービンであって、
    前記動翼の先端部と前記静止環状体の内周部とのうち、一方には、軸方向上流側から下流側に向かって次第に他方から離間するように複数のステップ部が設けられ、前記他方には、前記各ステップ部に対して一つずつ延出して前記各ステップ部の下流側の縁部とそれぞれ微小隙間を形成する複数のシールフィンが設けられており、
    前記軸方向に互いに隣接する二つのシールフィンの間が、前記間隙に流入する流体を径方向に拡散させるエネルギー減衰室とされていることを特徴とするタービン。
  2. 前記エネルギー減衰室は、前記エネルギー減衰室における前記動翼の先端部と前記静止環状体の内周部とが、そのエネルギー減衰室に連通する上流側の前記微小隙間からの径方向距離が等しい位置に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のタービン。
  3. 前記エネルギー減衰室は、前記エネルギー減衰室における前記動翼の先端部と前記静止環状体の内周部とのうち、前記ステップ部が設けられた一方が、前記シールフィンが設けられた他方よりも、そのエネルギー減衰室に連通する上流側の前記微小隙間からの径方向距離が大きい位置に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のタービン。
  4. 前記エネルギー減衰室が、複数設けられていることを特徴とする請求項1から3のうちいずれか一項に記載のタービン。
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