JP2010272477A - リチウム二次電池用負極材料およびその製造方法 - Google Patents

リチウム二次電池用負極材料およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】リチウム二次電池用電極の活物質の劣化を抑制し、サイクル特性を改善したリチウム二次電池用負極を提供する。
【解決手段】リチウム二次電池用負極材料として、有機ケイ素化合物と炭素とを含む混合物で被覆された平均粒径20μm以下のSi粒子を用いる。
【選択図】なし

Description

本発明は、リチウム二次電池負極材料およびその製造方法に関するものである。
従来のリチウム二次電池は、正極にコバルト酸リチウムやマンガン酸リチウム、ニッケル酸などのリチウム含有の遷移金属酸化物と、負極に黒鉛などの炭素系材料が用いられているものがほとんどである。しかしながら、これら材料の組み合わせで実用化されているリチウム二次電池における容量密度やエネルギー密度は、ほぼ限界に達しつつある。一方、リチウム二次電池が用いられる機器側の高性能化にともない、電池に対し高容量、高エネルギー密度が望まれている。
電池の高容量化、高エネルギー密度を達成するためには活物質に高容量を実現しうる材料に変更することが必要となってきている。
その中で、負極活物質として金属リチウムを用いると、重量および体積あたりのエネルギー密度は黒鉛系炭素材料に比べてきわめて高いものとなりうるが、充電時にリチウムがデンドライト状に析出し、セパレータを貫通して、内部短絡を引き起こすという潜在的問題を有している。
この他には、高容量化を実現する材料として、充電時にリチウムと合金化することが可能である、ケイ素(Si)、スズなどを負極活物質として用いるリチウム二次電池が報告されている。
Siは工業的に二酸化ケイ素を原料として製造されるが、二酸化ケイ素の埋蔵量は世界的に非常に潤沢な材料である。また、Siを負極活物質として使用したときの理論容量も大きいことから、Siを負極として用いたリチウム二次電池が提案されている(特許文献1〜4参照)。
しかしながら、Siをリチウム二次電池用負極として用いると、リチウムと合金化する際に大きな体積変化を伴い、集電性の低下が発生する。特に繰り返し充放電を行なうと特性劣化が顕著に表れてくる。
特開2001−216961号公報 特開2006−196338号公報 特開2006−260784号公報 特開2007−157709号公報
リチウム二次電池用電解液として、一般的にカーボネート系の極性非水系有機溶媒が使用される。負極活物質としてSiを用いたリチウム二次電池において、この電解液を使用すると、最初の充電時に負極活物質のSiと電解液とが反応して過量の電荷が使われる。このような非可逆的な反応によってSi表面に固体電解質(Solid Electrolyte Interface:SEI)膜のようなパッシベーション層を形成する。このようなSEI膜は、電解液がそれ以上分解されずに安定した充放電を保持可能にする。しかし、前記SEI膜は、電池の充放電が反復されるにつれて発生する活物質の膨脹及び収縮によって漸進的に亀裂が発生し、電極表面から脱離される。したがって、電解液が活物質に直接的に接触して電解質の分解反応が持続的に発生する。そして、前記亀裂が一旦発生すれば、電池の充放電によってかかる亀裂が発達し続けて活物質そのものにも亀裂が発生し、劣化が進行する。特に、Siが活物質の場合、充放電による体積変化が大きいので、前記のような活物質の劣化が目立つ。実際Siを負極に用いた場合、体積変動は最大で約4倍となることが知られている。
本発明は、従来の課題を解決するもので、リチウム二次電池用電極の活物質の劣化を抑制し、サイクル特性を改善したリチウム二次電池用負極材料およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係るリチウム二次電池用負極材料は、有機ケイ素化合物と炭素とを含む混合物で被覆された平均粒径20μm以下のSi粒子を用いることを特徴とする。
充放電中の膨張収縮におけるSi粒子の亀裂を抑制するためには、粒子自体を微粒子化することが有効である。実験の結果、20μm以下〜数μmにおいて、簡易な作製方法で作製することができ、さらに十分にサイクル特性か改善できることがわかった。
また、本発明に係るリチウム二次電池用負極材料において、前記有機ケイ素化合物とは下記一般式(1)
1 aSi(OR2b(OH)4-(a+b)・・・(1)
(R1は1価の有機基を表し、R2は炭素数1〜8の低級アルキル基を表す。aは0〜2の整数を表し、bは0〜4の整数を表す。ただし、0≦a+b≦4とする。)で示される1種以上の有機ケイ素化合物前駆体の重縮合により生成された生成物である。
有機ケイ素化合物は有機鎖が入っているため、柔軟性を有する。有機鎖は構造体が柔軟性を持つことに寄与するが、加水分解、重縮合反応時に立体障害となり、反応の進行を抑制する。柔軟性を持ち、骨格を形成するのに必要な反応を進行させるためには、前記有機ケイ素化合物中の全Si原子の5〜90%が、1価の有機基と結合していることが好ましい。
この構成によれば、有機ケイ素化合物が柔軟性を持ち十分な骨格が形成された構造を持ち、膨張収縮に強い負極を作製することができる。
また、Si自体に炭素を被覆することもサイクル特性を改善するのに非常に有効である。炭素の被覆量としては重量比で、Si粒子に対して10wt%〜50wt%であることが好ましい。
また、有機ケイ素化合物の前駆体として式(1)で示されるSiのアルコキシドに加えてAl、Ti、Zrの金属アルコキシドを使用することができる。前駆体としてAl、Ti、Zrの金属アルコキシドを使用することで、有機ケイ素化合物の生成反応が促進され、被膜の製膜性がより良くなる。
また、Si微粒子上に被膜を作製する方法としてボールミリングを使用することが、密着性の良い被膜を作製する方法、工業的に簡便であるという点から好ましい。
本発明のリチウム二次電池用負極材料は、有機ケイ素化合物と炭素とを含む混合物で被覆された平均粒径20μm以下のSi粒子を用いることで、膨張収縮に強い負極材料となり、サイクル特性良い負極材料となる。
本発明実施例及び比較例のリチウム二次電池による充放電試験結果を示す図
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<負極>
本発明において、負極を構成する材料としては、Si粒子を用いて、表面を有機ケイ素化合物と炭素とをボールミリングを用いて被覆する。
充放電中の膨張収縮におけるSi粒子の亀裂を抑制するためには、粒子自体を微粒子化することが有効である。粒子がある程度まで小さければ、充電時に膨張したときの粒子にかかるひずみを抑制することができるため、亀裂の発達を防ぐことができるからである。粒子サイズとしては小さければ小さい方がひずみを抑制できるという観点では好ましいが、粒径を小さくしようとするほど工業的に難しくなり、製造コストも高くなってしまう。実験の結果、20μm以下〜数μmにおいて、ボールミリングによる簡易な作製方法で作製することができ、さらに十分にサイクル特性か改善できることがわかった。
また、本発明に係るリチウム二次電池用負極材料において、前記有機ケイ素化合物とは下記一般式(1)
1 aSi(OR2b(OH)4-(a+b)・・・(1)
(R1は1価の有機基を表し、R2は炭素数1〜8の低級アルキル基を表す。aは0〜2の整数を表し、bは0〜4の整数を表す。ただし、0≦a+b≦4とする。)で示される1種以上の有機ケイ素化合物前駆体の重縮合により生成された生成物である。(1)で示される有機ケイ素化合物前駆体は一般的にゾルゲル法として知られている反応過程、つまりは加水分解、重縮合の過程を経て有機ケイ素化合物を形成する。
また、R1で示される有機基は、重縮合に際して、立体的な障害となり難く、膜形成に必要な骨格を十分に発達させることができるものであれば、いずれの有機基であってもよい。例えば、R1で示される有機基としては、炭素数が1〜10のアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基などの非置換一価炭化水素基や、これらの基の水素原子の一部又は全部をハロゲン原子(塩素、フッ素、臭素原子等)、シアノ基、オキシエチレン基等のオキシアルキレン基、ポリオキシエチレン基等のポリオキシアルキレン基、(メタ)アクリル基、(メタ)アクリロキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メルカプト基、アミノ基、アミド基、ウレイド基、エポキシ基などの官能基で置換した置換一価炭化水素基、これら非置換又は置換一価炭化水素基において、−O−、−NH−、−N(CH3)−、−N(C65)−、C65NH−、H2NCH2CH2NH−等が介在した基を挙げることができる。
1で示される有機基のより具体的な例としては、CH3−、CH3CH2−、CH3CH2CH2−などのアルキル基、CH2=CH−、CH2=CHCH2−、CH2=C(CH3)−などのアルケニル基、C65−などのアリール基、ClCH2−、ClCH2CH2CH2−、CF3CH2CH2−、CNCH2CH2−、CH3−(CH2CH2O)m−CH2CH2CH2−(但し、mは1以上の整数である。)、CH2(O)CHCH2OCH2CH2CH2−(但し、CH2(O)CHCH2はグリシジル基を示す)、CH2=CHCOOCH2−、CH2=CHCOOCH2CH2CH2−、CH2=CCH3COOCH2CH2CH2−、HSCH2CH2CH2−、NH2CH2CH2CH2−、NH2CH2CH2NHCH2CH2CH2−、NH2CONHCH2CH2CH2−などが挙げられる。
上記した有機基の中でも、特に、炭素数が1〜5のアルキル基及びアルケニル基が、他の有機基と比べて、重縮合反応における立体的な障害となり難く、Si粒子表面への膜形成に必要な骨格を十分に発達させ易いため、好ましい。また、一般式(1)において整数aが2の場合、R1で示される2個の有機基は、同一の有機基であってもよいし、それぞれ異なる有機基であってもよい。
また、一般式(1)において、R2で示される炭素数が1〜8の低級アルキル基は、直鎖状のものであても、分岐鎖を有するものであってもよく、具体例としては、−CH3、−CH2CH3、−CH(CH3)、−CH2CH2CH3などのアルキル基を挙げることができる。なお、上記一般式(1)で示されるSiのアルコキシドにおいて、整数bが2以上の場合、b個のR2はすべて同一の基であってもよいし、それぞれ異なる基であってもよい。
また、有機ケイ素化合物中に含まれるSi原子のうち5〜90%のSi原子が、1価の有機基と結合していることが好ましい。このようなSi原子に結合した有機基は、Si粒子の表面を被覆する有機ケイ素化合物に柔軟性を付与する。なお、1価の有機基は、膜柔軟性を向上させることができるものであれば、いずれのものであってもよく、特に限定されるものではないが、上記のように炭素数が1〜5のアルキル基又はアルケニル基が好ましい。
また、Si自体が導電性に劣るため、集電体との接触、導電材との接触が非常に重要である。導電材との接触面積を増やすためには、先に述べたように粒径を小さくすることが有効である。また、Si自体に炭素を被覆することも非常に有効である。Si粒子上に被覆する炭素量については、導電性を高めるという意味では多い方が好ましいが、多すぎると負極全体のエネルギー密度が減少してしまう。以上の観点より炭素の被覆量としては重量比で、Si粒子に対して10wt%〜50wt%であることが好ましい。この構成によればSi粒子のエネルギー密度を下げすぎることなく集電性能を高い負極を作製することができる。
また、有機ケイ素化合物の前駆体として式(1)で示されるSiのアルコキシドに加えてAl、Ti、Zrの金属アルコキシドを使用することができる。前駆体としてAl、Ti、Zrの金属アルコキシドを使用することで、有機ケイ素化合物の生成反応が促進され、被膜の製膜性がより良くなる。このことは、結果的にサイクル特性の改善につながる。
また、Si微粒子上に被膜を作製する方法としてボールミリングを好適に使用することが、密着性の良い被膜を作製する方法、工業的に簡便であるという点から好ましい。
<非水電解液>
本発明において、非水電解液は特に限定されないが、溶媒として、エチレンカーボネート(以下、ECと略す)、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジエチルカーボネート(以下、DECと略す)、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン等のエステル類や、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、メトキシエトキシエタン等のエーテル類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、ギ酸メチル、酢酸メチル等の極性溶媒を使用することができる。これらの溶媒は単独で使用しても、あるいは2種以上を混合して混合溶媒として使用してもよい。
また、非水電解液には、電解質塩が含まれていてもよい。電解質塩としては、LiClO4、LiBF4(ホウフッ化リチウム)、LiPF6(六フッ化リン酸リチウム)、LiCF3SO3(トリフルオロメタンスルホン酸リチウム)、LiF(フッ化リチウム)、LiCl(塩化リチウム)、LiBr(臭化リチウム)、LiI(ヨウ化リチウム)、
AlCl4Li(四塩化アルミン酸リチウム)等のリチウム塩が挙げられる。これらは単独で使用しても、あるいは2種以上を混合して使用してもよい。
電解質塩の濃度は、特に限定されないが、0.5mol/L〜2.5mol/Lが好ましく、より好ましくは1.0mol/L〜2.2mol/Lである。電解質塩の濃度が、0.5mol/L未満の場合には、非水電解液中において電荷を運ぶキャリア濃度が低くなり、非水電解液の抵抗が高くなるおそれがあるので好ましくない。また、電解質塩の濃度が、2.5mol/Lより高い場合には、塩自体の解離度が低くなり、非水電解液中のキャリア濃度が上がらないおそれがあるので好ましくない。
<用途>
本発明のリチウム二次電池の用途は、特に限定されないが、例えば、電子機器に搭載する場合、ノートパソコン、サブノートパソコン、ペン入力パソコン、ポケット(パームトップ)パソコン、電子ブックプレーヤー、携帯電話、コードレスフォン子機、ハンディーターミナル、携帯ファックス、携帯コピー、携帯プリンター、ヘッドフォンステレオ、ビデオムービー、液晶テレビ、ハンディークリーナー、携帯音楽プレーヤー、電気シェーバー、電子翻訳機、トランシーバー、電動工具、電子手帳、電卓、ICレコーダー、ラジオ、バックアップ電源などが挙げられる。その他民生用として、自動車、電動車両、モーター、照明器具、玩具、ゲーム機器、ロードコンディショナー、アイロン、時計、ストロボ、カメラ、医療機器(ペースメーカー、補聴器、肩もみ機など)などが挙げられる。更に、各種軍需用、宇宙用として用いることができる。また、他の二次電池や太陽電池と組み合わせることもできる。
以下に、実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
以下の手順に従って本発明の実施例1に係るリチウム二次電池を作製した。
<Si微粒子の作製>
250mlの窒化ケイ素製容器にSi粒子(高純度化学研究所製、純度99.999%、粒径75μm)を10g入れ、窒化ケイ素製ボール(φ20mm)を15個を使用して30分間遊星型ボールミルにより大気雰囲気下にてボールミリングを行った。粒子の平均粒径を測定すると、平均粒径18μmであった。
<有機ケイ素化合物の作製>
メチルトリテトラエトキシシラン、テトラエトキシシラン、0.01規定塩酸、エタノールを、モル比で1:1:7:9、全量で30gとなるように秤量し、サンプル管内で3時間撹拌し、50℃で30分間乾燥させることで、ゲル状の有機ケイ素化合物を得た。
<Si微粒子上への有機ケイ素化合物、炭素の被覆>
先に作製したSi微粒子5gと有機ケイ素化合物5g、アセチレンブラック2gを250mlの窒化ケイ素製容器に投入し、さらに1時間、ボールミリングすることで表面が有機ケイ素化合物と炭素で被覆されたSi微粒子を得た。この表面被覆されたSi微粒子を、負極活物質として2g、導電助材として平均粒径6μmであるグラファイト粒子(SFG−6、Timcal)2g、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン(以下、PVDFと略す。)(KF1000、株式会社クレハ製)1gを溶剤のN−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと略す。)に混合した後、めのう乳鉢にて混練して分散を行い、負極のペーストを作製した。作製したペーストをバーコーターを用いて負極板集電体である厚み10μmの銅箔の片面に塗工した。塗工した電極は、50℃で20分間大気乾燥後、油圧プレス機を用いてプレスし、塗工部を20mm×20mmの大きさに切り抜き、さらに150℃で8時間真空乾燥することにより負極板を形成した。
<単セルの組立て>
この負極板の対極、参照極として金属リチウムを用いて3極式のセルを作製し、50mlのサンプル瓶を用いて電解液1mol/LのLiPF6/EC+DEC(体積比1:2)を充填し、単セルを作成した。
<サイクル特性試験>
上記単セルを0.001V〜1.5Vの範囲で100mA/gの電流で充放電を反復し、得られた充放電結果を図1に示した。図1の結果に示すとおり、10サイクル時点で66.7%と高い容量維持率を示した。
[実施例2]
有機ケイ素化合物の作製方法として、メチルトリテトラエトキシシラン、チタン(IV
)n−ブドキシド、0.01規定塩酸、エタノールを、モル比で4:1:16:19、全量で30gとなるように秤量し、サンプル管内で3時間撹拌し、50℃で30分間乾燥させることで、ゲル状の有機ケイ素化合物を得た。他の作製手順については実施例1と同様とした。図1の結果に示すとおり、10サイクル時点で66.2%と高い容量維持率を示した。
[実施例3]
有機ケイ素化合物の作製方法として、メチルトリテトラエトキシシラン、アルミニウムsec−ブトキシド、0.01規定塩酸、エタノールを、モル比で4:1:15:20、全量で30gとなるように秤量し、サンプル管内で3時間撹拌し、50℃で30分間乾燥させることで、ゲル状の有機ケイ素化合物を得た。他の作製手順については実施例1と同様とした。図1の結果に示すとおり、10サイクル時点で68.5%と高い容量維持率を示した。
[実施例4]
有機ケイ素化合物の作製方法として、メチルトリテトラエトキシシラン、テトラノルマルプロポキシジルコニウム、0.01規定塩酸、エタノールを、モル比で4:1:16:19、全量で30gとなるように秤量し、サンプル管内で3時間撹拌し、50℃で30分間乾燥させることで、ゲル状の有機ケイ素化合物を得た。他の作製手順については実施例1と同様とした。図1の結果に示すとおり、10サイクル時点で69.4%と高い容量維持率を示した。
[比較例1]
未処理のSi粒子(高純度化学研究所製、純度99.999%、粒径75μm)を陰極活物として使用し、実施例1と同様の方法で単セルの組立て、サイクル特性試験を行なった。図1の結果に示すとおり、10サイクル時点で容量維持率が4.9%となった。
[比較例2]
250mlの窒化ケイ素製容器にSi粒子(高純度化学研究所製、純度99.999%、粒径75μm)を5g入れ、窒化ケイ素製ボール(φ20mm)を15個を使用して10分間遊星型ボールミルにより大気雰囲気下にてボールミリングを行った。粒子の平均粒径を測定すると、平均粒径30μmであった。
以下、実施例1と同じ手順を用いて、Si粒子上への有機ケイ素化合物、炭素の被覆、単セルの組立て、サイクル試験を行なった。図1の結果に示すとおり、10サイクル時点で容量維持率が21.4%となった。
以上より、本発明の負極材料を用いたリチウム二次電池は、充放電中における膨張収縮に対しての劣化が抑制され、結果的にサイクル特性が良くなったことが示唆される。

Claims (6)

  1. リチウム二次電池用負極材料として、有機ケイ素化合物と炭素とを含む混合物で被覆された平均粒径20μm以下のSi粒子を用いることを特徴とするリチウム二次電池用負極材料。
  2. 有機ケイ素化合物が、下記一般式(1)
    1 aSi(OR2b(OH)4-(a+b)・・・(1)
    (R1は1価の有機基を表し、R2は炭素数1〜8の低級アルキル基を表す。aは0〜2の整数を表し、bは0〜4の整数を表す。ただし、0≦a+b≦4とする。)で示される1種以上の有機ケイ素化合物前駆体の重縮合により生成された生成物であることを特徴とする請求項1に記載のリチウム二次電池用負極材料。
  3. 有機ケイ素化合物中の全Si原子の5〜90%が、1価の有機基と結合していることを特徴とする請求項1又は2に記載のリチウム二次電池用負極材料。
  4. Si粒子上に被覆されている炭素の重量比が、Si粒子に対して10wt%〜50wt%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のリチウム二次電池用負極材料。
  5. 有機ケイ素化合物中に、Al、Ti、Zrからなる群から選ばれた少なくとも1種の金属を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のリチウム二次電池用負極材料。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のリチウム二次電池用負極材料の製造方法であって、Si粒子上に有機ケイ素化合物と炭素とを被覆するための方法としてボールミリングを用いることを特徴とするリチウム二次電池用負極材料の製造方法。
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