JP2010272023A - プラント保全装置およびプラント保全方法 - Google Patents

プラント保全装置およびプラント保全方法 Download PDF

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Abstract

【課題】プラントに設けられる機器の数が膨大であっても、高い信頼性で且つ効率よく機器の保全見直しを可能にすること。
【解決手段】本発明では、プラントに設けられる機器の故障・劣化状況や保全履歴の管理に用いられるプラント保全装置1において、少なくとも保全の対象となる機器の識別情報と及びこの機器のパラメータごとの故障・劣化の程度を示す異常情報を機器データとして格納する保全実績格納手段3と、機器データが保有する機器のパラメータごとの異常情報に応じ、その機器データをランク付けして圧縮データとするデータ圧縮手段4と、圧縮データのランクを参照し、基準ランク以上のランクが割り当てられた機器を保全見直し対象機器として抽出する保全見直し対象機器抽出手段10と、保全見直し対象機器のパラメータの異常が偶発的なものであるか確定的なものであるかの判定を行い、保全見直しの適否を判定する保全見直し適否判定手段15とを備えるようにした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、プラントに設けられる機器の故障・劣化状況や保全履歴の管理を支援するプラント保全技術に係り、特に、保全方法の見直しを効率よく行うためのプラント保全装置およびプラント保全方法に関する。
原子力発電プラント、火力発電プラント或いはコンバインドサイクル発電プラントなどに設けられる機器の保全は、標準化された規格(JISなど)に従って時間計画保全(TBM)、状態基準保全(CBM)、事後保全(BDM)の3つの保全方式で行われる。TBMは定期的に機器の点検を行う保全方式であり、CBMは機器の状態(振動状態や磨耗状態)を監視してその機器の状態に応じて点検を行う保全方式であり、BDMは機器の故障・劣化が発見された際に機器の修理を行う保全方式である。プラント保全にあっては、各種保全方式を機器の重要度や特性に応じて適切に組み合わせて、プラントの健全性を良好に保つとともに補修費用や生産損失費用を抑えることが重要である。
原子力発電プラントを対象とした保全では、TBMの周期やCBMの方法に関わる保全有効性評価(JEAG4210)が求められる。保全有効性評価において、例えば保全が良好と認められ且つ機器の劣化速度を考慮して保全の周期が十分に安全側であると評価できるときは、保全の周期を延長することも可能となる。
従来、保全有効性評価を可能にするプラント保全技術として、プラントに設けられる機器の状態(振動状態や磨耗状態)および分解点検における各種検査の結果を記録した機器カルテを用いるプラント保全技術が提案されている(特許文献1参照)。機器カルテに基づく保全有効性評価では、機器カルテに収められる膨大なデータを処理して保全の良否判断を行うことになる。そのため、この機器カルテに基づく保全有効性評価を支援する技術として、機器の状態を指標とした閾値を用いて保全の良否判断のスクリーニングを行い、マンパワーの軽減を図るようにしたプラント保全技術が提案されている(特許文献2参照)。さらに、機器の重要度に応じて保全見直しに関わる優先順位を設定するプラント保全技術も提案されている(特許文献3、4参照)。
特開2000−330627号公報 特開2006−244334号公報 特開2008−191900号公報 特開2006−252311号公報
保全有効性評価において、保全が有効に行われているか否かは、機器に故障が生じなかったこと、予想以上に劣化が進展しなかったことなどの情報に基づいて判断される。すなわち、機器を構成する1つ1つの部品を対象とするのではなく、多くの部品からなる機器を1つの単位として総合的に判断される。このような機器を単位とする保全有効性評価は、原子力発電プラントなど、膨大な数の機器を備える大規模プラントを対象として行う保全において効率面の観点から得策といえる。
しかしながら、保全有効性評価で保全が有効であると評価され、例えば分解点検などの周期を延長したいとか状態監視の周期を延長したいといった保全方法の見直しを考える場合、機器を構成する個々の部品の特性を考慮しなければならない。というのは、TBMの周期は、部品の材質や使用環境(温度、圧力等)その他の条件により異なり、劣化の進行速度が速いものを基準として設定しなければならないからである。また、部品ごとの劣化状態を示す情報を用いてその部品の交換時期を推定する必要もある。
さらに、機器に故障・劣化が発生した場合は、即時に保全が適切であったかどうかを評価して必要に応じて保全を見直すべきである。この際、故障・劣化が人為的ミスや地震などによる予想外の応力付加など偶発的なものであるかどうかの見極めが必要となる。故障・劣化が偶発的なものであれば、TBMの周期を短くすればプラントの保守費に悪影響を与えることになるからである。
そして、CBMに基づく保全を実施している場合でも、分解点検などで得られる検査結果を用いてその保全が適切か、CBMに基づく保全で対応できていない故障・劣化が発生していないかを常に確認することも重要である。
しかしながら、大規模プラントを対象として行う保全にあっては、保全の対象となる機器の数が膨大であることとも相まって、かかる保全の見直しには手間と費用がかかる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、プラントに設けられる機器の数が膨大であっても、高い信頼性で且つ効率よく機器の保全見直しが可能となるプラント保全装置およびプラント保全方法を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するため、本発明に係るプラント保全装置では、プラントに設けられる機器の故障・劣化状況や保全履歴の管理に用いられるプラント保全装置において、少なくとも保全の対象となる機器の識別情報及びこの機器のパラメータごとの故障・劣化の程度を示す異常情報を機器データとして格納する保全実績格納手段と、前記機器データが保有する機器のパラメータごとの異常情報に応じ、その機器データをランク付けして圧縮データとするデータ圧縮手段と、前記圧縮データのランクを参照し、基準ランク以上のランクが割り当てられた機器を保全見直し対象機器として抽出する保全見直し対象機器抽出手段と、前記保全見直し対象機器のパラメータの異常が偶発的なものであるか確定的なものであるかの判定を行い、保全見直しの適否を判定する保全見直し適否判定手段とを備えることを特徴とする。
また、本発明に係るプラント保全方法では、プラントに設けられる機器の故障・劣化状況や保全履歴の管理を行うプラント保全方法において、少なくとも保全の対象となる機器の識別情報及びこの機器のパラメータごとの故障・劣化の程度を示す異常情報を機器データとして格納する工程と、前記機器データが保有する機器のパラメータごとの異常情報に応じ、その機器データをランク付けして圧縮データとする工程と、前記圧縮データのランクを参照し、基準ランク以上のランクが割り当てられた機器を保全見直し対象機器として抽出する工程と、前記保全見直し対象機器のパラメータの異常が偶発的なものであるか確定的なものであるかの判定を行い、保全見直しの適否を判定する工程とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、プラントに設けられる機器の数が膨大であっても、高い信頼性で且つ効率よく機器の保全見直しが可能となる。
本発明に係るプラント保全装置の実施形態を示す機能ブロック図。 図1のデータ圧縮手段に関わる機能ブロック図。 図1のデータ圧縮手段にて行われるデータ圧縮の説明図。 図1の保全見直し対象機器抽出手段に関わる機能ブロック図。 図1の保全実績詳細評価手段に関わる機能ブロック図。 図1の保全見直し適否判定手段に関わる機能ブロック図。
本発明に係るプラント保全装置およびプラント保全方法の実施形態について、添付図面を参照して説明する。
本実施形態のプラント保全装置1は、入力手段2、保全実績格納手段3、データ圧縮手段4、総合評価結果格納手段5、故障・劣化発生機器抽出手段6、故障・劣化発生機器格納手段7、保全方法格納手段8、機器重要度格納手段9、保全見直し対象機器抽出手段10、保全見直し対象機器格納手段11、保全実績詳細評価手段12、エビデンスデータ格納手段13、故障・劣化特性格納手段14、保全見直し適否判定手段15および保全見直し実行手段16を備える。
入力手段2は、プラント保全装置1に対して必要な指示を行うものであり、例えば、キーボードやマウスなどの操作デバイスを用いて構成される。
保全実績格納手段3は、例えば原子力発電プラントに設けられる機器の分解点検データ、状態監視データ、故障履歴データおよび運転時間データなどのプラント保全に関わる各種の機器データを格納する。
分解点検データは、分解点検で行われる寸法検査、目視検査、超音波検査および試運転検査などの各種検査の結果を含む。状態監視データは、機器の運転時の振動、温度、潤滑油、流量、圧力、騒音を示す情報を含む。故障履歴データは、機器に発生した故障ないし劣化を示す情報を含む。運転時間データは、機器の運転時間や機器を構成する部品の使用期間を示す情報を含む。なお、各種のデータは、例えば入力手段2を用いて保全実績格納手段3に格納される。
データ圧縮手段4は、図2に示すように、期間設定手段17、データ比較手段18、ランク指標格納手段19および第一グラフ表示手段20を有する。
期間設定手段17は、データの評価期間を設定する。
データ比較手段18は、期間設定手段17で設定された評価期間における保全実績格納手段3に格納された各種の機器データの異常評価を実行し、その評価結果に基づいてデータ圧縮を行う。
図3はデータ圧縮手段4にて行われるデータ圧縮の説明図であり、機器Aの状態監視データを対象としたデータ圧縮に関するものである。
先ず、データ比較手段18は、機器Aの状態監視データ(図3(上)参照)に収められるパラメータ(例えば、ポンプ軸受振動、インペラ磨耗など)ごとの異常情報(良好、要注意、要修理、要経過観察など)を参照する。
次いで、データ比較手段18は、各パラメータの異常情報とランク指標格納手段19に格納された予め定められたランク指標との比較を行い、機器Aの状態監視データを各パラメータの異常情報に基づいてランクを付加する。すなわち、データ比較手段18は、パラメータごとに記録されている異常情報を用い、機器Aの状態監視データそれ自体をランク付け(圧縮)し、これに異常評価を行った日(評価日)を付加して成る圧縮データとする。
データ圧縮で用いられるランク指標とランクの関係は、例えば次のようなものである。 (ランク) (ランク指標)
I・・・すべてのパラメータが良好である。
II・・・異常・劣化の解消(要経過観察)のパラメータがある。
III・・・異常・劣化の徴候が見られる(要注意)のパラメータがある。
IV・・・修理が必要な異常・劣化が見られる(要修理)のパラメータがある。
V・・・機器の機能喪失が発生し得る異常・劣化が見られるパラメータがある。
図3に示すデータ圧縮では、異常評価を行った「評価日1」において機器Aのすべてのパラメータが「良好」であったため、機器Aの状態監視データにランク「I」が割り当てられている。次いで、異常評価を行った「評価日2」において機器Aに「要注意」のパラメータが含まれていたため、機器Aの状態監視データにランク「III」が割り当てられている。異常評価を行った「評価日3」において機器Aに「要修理」のパラメータが含まれていたため、機器Aの状態監視データにランク「IV」が割り当てられている。そして、異常評価を行った「評価日4」において機器Aに「要経過観察」のパラメータが含まれていたため、機器Aの状態監視データにランク「V」が割り当てられている。なお、ランク指標とランクとの関係は、ランク指標格納手段19に記憶される。
第一グラフ表示手段20は、保全実績格納手段3に格納されている例えば機器Aの状態監視データを参照し、その状態監視データをグラフ化或いはテーブル化して表示部(図示省略)に表示して、状態監視データのランクをユーザに判断させる。そして、第一グラフ表示手段20は、ユーザが入力手段2を用いて相応のランクの付加要求を行ったとき、ユーザが付加要求したランクとそのランクの付加要求のあった日(評価日)とを用いて圧縮データを生成する。
総合評価結果格納手段5は、データ比較手段18或いは第一グラフ表示手段20の圧縮データを総合評価結果として格納する。総合評価結果格納手段5には、機器毎および機器データ毎に体系化して格納されている。
故障・劣化発生機器抽出手段6は、総合評価結果格納手段5に格納された圧縮データを評価し、プラントに設けられる各種機器の故障ないし劣化が発生した機器を抽出する。
故障・劣化発生機器格納手段7は、故障・劣化発生機器抽出手段6により抽出された故障ないし劣化が発生した機器を特定可能な情報(例えば、機器の名称やID)を格納する。
保全方法格納手段8は、機器毎にその機種、部品、点検・補修の方法およびその周期などの保全に関わる各種情報を格納する。
機器重要度格納手段9は、機器毎にその機器の機種に応じた重要度を示す情報を格納する。
保全見直し対象機器抽出手段10は、図4に示すように、総合評価結果格納手段5、保全方法格納手段8および機器重要度格納手段9に格納されたデータを参照し、保全方法の見直しの必要性がある機器(以下、保全見直し対象機器)を抽出する。この保全見直し対象機器抽出手段10は、判定期間格納手段21、判定基準格納手段22、ランク判定手段23、保全方法比較手段25および機種分類手段24を有する。
判定期間格納手段21は、判定の実行期間を示す情報を格納する。この判定の実行期間は、プラントの安全確保の観点から、機器重要度格納手段9に格納される機器重要度に基づいて設定される。例えば、重要度の高い機器ほど、判定の実行期間は短く設定され頻繁に判定される。
判定基準格納手段22は、保全の見直しの必要性ありとその必要性なしとを区分するための基準ランクを格納する。この基準ランクは、プラントの安全確保の観点から、機器重要度格納手段9に格納される機器重要度に基づいて設定される。
ランク判定手段23は、判定期間格納手段21に格納されている判定の実行期間を参照し、その実行期間ごとに総合評価結果格納手段5に格納されている総合評価結果を参照する。そして、ランク判定手段23は、総合評価結果である圧縮データのうち、判定基準格納手段22に記録されている所定の基準ランク以上の機器データが割り当てられた機器を見直し対象機器として抽出する。
ここで、基準ランクは、例えば保全緩和ランクと保全強化ランクとに分類され、上述のランク指標の下で、保全緩和ランクとしてランク「II」が設定され、保全強化ランクとしてランク「IV」設定される。この場合、保全を緩和する見直し対象機器は、ランク「II」以下が割り当てられた機器データに関わる機器となる。一方、保全を強化する見直し対象機器は、ランク「IV」以上が割り当てられた機器データに関わる機器となる。
機種分類手段24は、保全方法格納手段8に格納される保全に関わる各種の情報(機器の機種、部品、点検・補修の方法およびその周期など)を参照し、保全見直し対象機器を機種、点検・補修の方法および周期などで分類する。
保全方法比較手段25は、ランク判定手段23により抽出された保全見直し対象機器について、例えば、機種分類手段24により分類された機種ごとに且つ点検・補修の周期が短いものほど保全見直しを優先させる情報を割り振る。
保全見直し対象機器格納手段11は、保全見直し対象機器抽出手段10により抽出され、優先順位が付された保全方式の見直し対象機器を格納する。
保全実績詳細評価手段12は、図5に示すように、第二グラフ表示手段26、表示期間設定手段27、グラフ設定手段28、グラフプリセット格納手段29、グラフプリセット呼び出し手段30を有する。
第二グラフ表示手段26は、所定のタイミングで保全実績格納手段3を参照すると共に分解点検データ、状態監視データ、故障履歴データおよび運転時間データなどのプラント保全に関わる各種の機器データの一部或いは全部をグラフ化して表示する。表示期間格納手段27は、この第二グラフ表示手段26において表示させる期間を格納する。
グラフ設定手段28は、保全見直し対象機器格納手段11を参照し、第二グラフ表示手段26により表示されるグラフ上の機器のうち、見直しの必要性ありとして抽出された保全見直し対象機器を特定し、見直しの必要性ありの旨を示す情報を付加したエビデンスデータを生成する。また、第二グラフ設定手段28は、故障・劣化発生機器格納手段7を参照し、第二グラフ表示手段26により表示されるグラフ上の機器のうち故障・劣化が発生した機器を特定し、故障・劣化が発生したパラメータを示す情報(例えば、パラメータの名称)を付加したエビデンスデータを生成する。
グラフプリセット格納手段29は、表示するグラフの種類(例えば、トレンドグラフ)や項目などのプリセット情報を格納する。
グラフプリセット呼び出し手段30は、グラフプリセット格納手段29に格納されたプリセット情報を呼び出し、グラフ設定手段28に送る。グラフ設定手段28は、受け取ったプリセット情報に基づいて、表示するグラフの種類や項目を設定し、第二グラフ表示手段26に送る。なお、このグラフのプリセットは、入力手段2を用いてユーザの手動により設定ないし変更することもできる。
エビデンスデータ格納手段13は、保全実績詳細評価手段12により生成されたエビデンスデータを格納する。
故障・劣化特性格納手段14は、機器の機種毎に構成部位の故障・劣化特性、それに対する一般的な保全方式ないし点検・補修方法とその周期をデータベース化して格納する。
ここに、「故障・劣化特性」は、故障・劣化の現象に至るメカニズムないしプロセスにより分類されるものであり、例えば、故障・劣化が時間の経過に伴って必ず(確定的に)発生するものであるか、ヒューマンエラーや設計で考慮していない応力などの偶発的な事由がなければ発生し得ないものであるかの2種とし、前者を時間劣化特性と称し、後者を偶発特性と称す。故障・劣化が偶発特性を持つのであれば、故障・劣化が発生したからといって分解点検の周期を変更するなどの保全見直しを行うのは間違いであると言える。また、故障・劣化が時間劣化特性を持つのであれば、故障・劣化が発生した場合にTBMの周期を適切なものに改めるか或いはCBMを行う必要がある。
保全見直し適否判定手段15は、エビデンスデータ格納手段13に格納されている機器データと故障・劣化特性格納手段14に格納される故障・劣化特性とを対比し、保全見直し対象機器を対象として真に保全見直しが必要であるか否かを判定する。この保全見直し適否判定手段15は、データ照合手段31、評価データセット格納手段32、機器状態判定手段33、悪化パラメータ抽出手段34、保全見直し最終判定手段35、時間劣化パラメータ抽出手段36および周期延長判定手段37を有する。
データ照合手段31は、機器重要度格納手段9に格納されている機器の重要度を示す情報と、故障・劣化特性格納手段14に格納されている故障・劣化特性等と、エビデンスデータ格納手段13に格納されるエビデンスデータとを照合してデータ間の対応関係を特定する。
評価データセット格納手段32は、データ照合手段31により特定された対応関係に基づいて、機器重要度格納手段9に格納されている機器の重要度を示す情報と、故障・劣化特性格納手段14に格納されている故障・劣化特性等と、エビデンスデータ格納手段13に格納されるエビデンスデータをまとめて評価データセットとする。
機器状態判定手段33は、評価データセット格納手段32に格納されている評価データセットを参照し、エビデンスデータのランクに基づいて各種機器に故障・劣化が生じているか否かを判定する。
悪化パラメータ抽出手段は、機器状態判定手段33により故障・劣化が生じていると判定された機器を対象とし、悪化パラメータを抽出する。悪化パラメータは、所定期間内にランクが所定以上大きくなったパラメータとして定義される。
保全見直し最終判定手段35は、例えば悪化パラメータを持つ機器を対象とし、パラメータの故障・劣化特性(偶発特性であるか時間劣化特性であるか)を考慮して、機器の保全見直しが真に必要であるか否かを判定する。また、この判定では、偶発特性の故障・劣化に基づいてTBMによる点検・補修が行われていないかなどの保全の適正評価や、TBMの周期設定が長過ぎないか或いは短過ぎないかなどの保全の定量評価も行う。
時間劣化パラメータ抽出手段36は、機器状態判定手段33により故障・劣化が生じていないと判定された機器を対象とし、その機器に関わる時間劣化特性を持つパラメータ(時間劣化パラメータ)を抽出する。
周期延長判定手段37は、時間劣化パラメータ抽出手段36により抽出された時間劣化パラメータとこの時間劣化パラメータについて予め定められた設定値とを用い、TBMの周期延長が可能であるかどうかを判定する。なお、この判定では、例えば最小2乗法による外挿法により、外挿曲線と設計値の交点の日付を予想し、TBMの周期延長が可能か否かを判定する。
保全見直し実行手段16は、保全見直し適否判定手段15で生成された結果に基づいて、保全方法格納手段8に格納された機器の保全方法の更新などを行う。
次に、プラント保全装置1の効果を説明する。
プラント保全装置1にあっては、
(1)機器を構成する部品の状態(パラメータ)を指標とし、先ず機器データ(状態監視データ等)がその各パラメータの故障・劣化の程度に応じてランク付けされる。そして、このランク付けされた機器データを対象として保全の有無判断が行われ、保全見直し対象機器が抽出される。このため、保全見直し対象機器の抽出が効率的に行える。次いで、抽出された保全見直し対象機器に関わるパラメータを個別的に評価することにより保全の見直しが真に必要であるか否かが判定される。その結果、プラントに設けられる機器の数が膨大であっても、高い信頼性で且つ効率よく機器の保全見直しが可能となる。
(2)保全の見直し要否が多様な情報に基づいて判定されるので、より高い信頼性で保全の見直しを行うことができる。
(3)機器データのランク付けが画一的な基準に基づいて行われるのではなくユーザの経験を反映することができる。
(4)圧縮データは、保全の見直し要否を判定するのに必要最小限と言える情報を保有するため、保全の見直しが一層効率的に行える。
(5)機器の重要度に応じた抽出頻度で保全見直し対象機器を抽出するため、より高い信頼性で保全の見直しを行える。
(6)抽出した保全見直し対象機器をその機種で分類し、その機種ごとに点検・補修の周期が短いものほど保全見直しを優先させる情報を割り振る。このため、より高い信頼性で保全の見直しを行える。
(7)保全見直し対象機器であることを示す情報を付加して成るエビデンスデータを生成するため、ユーザは詳細な機器データを参考にしながら保全の要否を検討できるので、より高い信頼性で保全の見直しを行える。
(8)エビデンスデータに基づいて保全見直し対象機器を特定すると共にその保全見直し対象機器に故障・劣化が生じているか否かを判定し、故障・劣化が生じていると判定した保全見直し対象機器を対象として、その保全見直し対象機器のパラメータが偶発的なものであるか確定的なものであるかの判定を行うことで、ユーザは詳細な機器データを参考にしながら保全の要否を検討できるので、より高い信頼性で且つ容易に保全の見直しを行える。
(9)時間の経過と共にランクが所定以上大きくなった保全見直し対象機器を特定すると共にランクが大きくなった原因のパラメータを抽出し、そのパラメータの異常が偶発的なものであるか確定的なものであるかの判定を行うことで、保全の見直しが真に必要であるか否かの判断を容易に行えるようになる。
以上、本発明に係るプラント保全装置およびプラント保全方法を1つの実施形態に基づき説明してきたが、具体的な構成については、本実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載の発明の要旨を逸脱しない限り設計の変更や追加等は許容される。
例えば、プラント保全装置およびプラント保全方法は、原子力発電プラントなどに適用する例を示したが、化学プラントや航空機或いは船舶などの輸送機に対しても適用できる。
1……プラント保全装置, 2……入力手段, 3……保全実績格納手段, 4……データ圧縮手段, 5……総合評価結果格納手段, 6……故障・劣化発生機器抽出手段, 7……故障・劣化発生機器格納手段, 8……保全方法格納手段, 9……機器重要度格納手段, 10……保全見直し対象機器抽出手段, 11……保全見直し対象機器格納手段, 12……保全実績詳細評価手段, 13……エビデンスデータ格納手段, 14……故障・劣化特性格納手段, 15……保全見直し適否判定手段, 16……保全見直し実行手段, 17……期間設定手段, 18……データ比較手段, 19……ランク指標格納手段, 20……第一グラフ表示手段, 21……判定期間格納手段, 22……判定基準格納手段, 23……ランク判定手段, 24……機種分類手段, 25……保全方法比較手段, 26……第二グラフ表示手段, 27……表示期間格納手段, 28……グラフ設定手段, 29……グラフプリセット格納手段, 30……グラフプリセット呼び出し手段, 31……データ照合手段, 32……評価データセット格納手段, 33……機器状態判定手段, 34……悪化パラメータ抽出手段, 35……保全見直し最終判定手段, 36……時間劣化パラメータ抽出手段, 37……周期延長判定手段.

Claims (6)

  1. プラントに設けられる機器の故障・劣化状況や保全履歴の管理に用いられるプラント保全装置において、
    少なくとも保全の対象となる機器の識別情報及びこの機器のパラメータごとの故障・劣化の程度を示す異常情報を機器データとして格納する保全実績格納手段と、
    前記機器データが保有する機器のパラメータごとの異常情報に応じ、その機器データをランク付けして圧縮データとするデータ圧縮手段と、
    前記圧縮データのランクを参照し、基準ランク以上のランクが割り当てられた機器を保全見直し対象機器として抽出する保全見直し対象機器抽出手段と、
    前記保全見直し対象機器のパラメータの異常が偶発的なものであるか確定的なものであるかの判定を行い、保全見直しの適否を判定する保全見直し適否判定手段と、
    を備えることを特徴とするプラント保全装置。
  2. 前記データ圧縮手段は、機器の各パラメータの故障・劣化の程度に応じて相応のランクを示したランク指標を用いて、機器データをランク付けすることを特徴とする請求項1に記載のプラント保全装置。
  3. 前記保全見直し対象機器抽出手段は、機器の重要度に応じた抽出頻度で保全見直し対象機器を抽出することを特徴とする請求項1または2に記載のプラント保全装置。
  4. 前記保全実績格納手段に格納される機器データに対し、保全見直し対象機器であることを示す情報を付加して成るエビデンスデータを生成する保全実績詳細評価手段を備え、
    前記保全見直し適否判定手段は、エビデンスデータに基づいて保全見直し対象機器を特定すると共にその保全見直し対象機器に故障・劣化が生じているか否かを判定し、故障・劣化が生じていると判定した保全見直し対象機器を対象として、その保全見直し対象機器のパラメータが偶発的なものであるか確定的なものであるかの判定を行うことを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載のプラント保全装置。
  5. 前記保全見直し適否判定手段は、時間の経過と共にランクが所定以上大きくなった保全見直し対象機器を特定すると共にランクが大きくなった原因のパラメータを抽出し、そのパラメータの異常が偶発的なものであるか確定的なものであるかの判定を行うことを特徴とする請求項4に記載のプラント保全装置。
  6. プラントに設けられる機器の故障・劣化状況や保全履歴の管理を行うプラント保全方法において、
    少なくとも保全の対象となる機器の識別情報及びこの機器のパラメータごとの故障・劣化の程度を示す異常情報を機器データとして格納する工程と、
    前記機器データが保有する機器のパラメータごとの異常情報に応じ、その機器データを複数のランクに分けて圧縮データとする工程と、
    前記圧縮データのランクを参照し、基準ランク以上のランクが割り当てられた機器を保全見直し対象機器として抽出する工程と、
    前記保全見直し対象機器のパラメータの異常が偶発的なものであるか確定的なものであるかの判定を行い、保全見直しの適否を判定する工程と、
    を備えることを特徴とするプラント保全方法。
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