JP2010267415A - 照明装置 - Google Patents

Abstract

【課題】点灯周波数を高くすることなく、ちらつきの発生を低減することにより、部品構成を安価にでき、階調数を大きくしてＬＥＤを滑らかに調光できる照明装置を提供する。
【解決手段】光源部14は、複数のＬＥＤ26を有する複数のＬＥＤ回路27を備える。ＰＷＭ信号の入力に応じてＬＥＤ回路27毎にＬＥＤ26を点灯させる複数の駆動回路32を設ける。ＰＷＭ制御回路33により、調光信号の入力に応じて駆動回路32毎にＰＷＭ信号を出力するとともに、このＰＷＭ信号の出力タイミングを駆動回路32毎に異ならせる。ＰＷＭ信号の出力タイミングを異ならせることにより、調光比を低くしても、光源部14全体としてＬＥＤ26が消灯している時間を少なくし、点灯周波数を高くすることなく、ちらつきの発生を低減する。
【選択図】図１

Description

本発明は、光源にＬＥＤを用いた照明装置に関する。

テレビスタジオや劇場で使用される照明装置として、光源にＬＥＤを用いて調光制御を行う照明装置が開発されている。

ＬＥＤの調光制御には、ＬＥＤに常時電流を流して電流値を変化させる電流制御方式と、電流値を一定にしてＬＥＤに電流を流す時間を変化させるＰＷＭ制御方式とが用いられる（例えば、特許文献１参照。）。

ＰＷＭ制御方式では、調光時にＬＥＤの色温度が変化しないという特徴を有する反面、テレビカメラで撮影した場合にテレビカメラの垂直周波数とＬＥＤの点灯周波数との差異により、特に調光比が低い場合に、撮影された映像の明るさが変化してちらつくフリッカという現象が発生する問題がある。

このフリッカの発生防止のために、ＰＷＭ制御の点灯周波数を高くすることにより、テレビカメラに対してＬＥＤの明るさの変化を低減している。

特開２００８−２１０５３７号公報（第４頁、図１）

従来は、ＰＷＭ制御の点灯周波数を高くしてフリッカの発生を防止しているが、ＰＷＭ制御の点灯周波数を高くするには、制御回路のＣＰＵの性能やＬＥＤを駆動する駆動回路の応答性を高める必要があるために部品構成が高価になる問題がある。また、ＰＷＭ制御の点灯周波数を高くすることで、点灯周期が短くなるため、ＰＷＭ制御の階調数を大きくすることが難しくなり、ＬＥＤを滑らかに調光することができなくなる問題もある。

本発明は、このような点に鑑みなされたもので、点灯周波数を高くすることなく、ちらつきの発生を低減することにより、部品構成を安価にできる照明装置を提供することを目的とする。

請求項１記載の照明装置は、ＬＥＤを有する複数のＬＥＤ回路を備えた光源部と；ＰＷＭ信号の入力に応じてＬＥＤ回路毎にＬＥＤを点灯させる複数の駆動回路と；調光信号の入力に応じて駆動回路毎にＰＷＭ信号を出力するとともに、このＰＷＭ信号の出力タイミングを駆動回路毎に異ならせるＰＷＭ制御回路と；を具備しているものである。

光源部は、例えば複数のＬＥＤ回路に接続されたＬＥＤの集合体であり、例えば曲面または平面に配列して構成される。ＬＥＤ回路は少なくとも２系統以上であればよく、ＬＥＤ回路に含まれるＬＥＤは１つでも２つ以上の複数でもよい。ＬＥＤは、例えば、白色の光を出射するＬＥＤが用いられる他、赤、緑および青などの各光を出射する各ＬＥＤを用いてもよい。

駆動回路は、例えば、ＰＷＭ信号の入力に応じてＦＥＴなどのスイッチング素子がオンオフし、ＬＥＤ回路のＬＥＤに電流を流す時間を変化させ、調光する。

ＰＷＭ制御回路は、例えば、調光信号の入力に応じてＰＷＭ信号を生成し、この生成したＰＷＭ信号の出力タイミングを駆動回路毎に異ならせる。ＰＷＭ信号の出力タイミングを駆動回路毎に異ならせるには、調光比が低い場合に、光源部全体としてＬＥＤの消灯している時間が少なくなるように、ＬＥＤ回路毎にＬＥＤを順次点灯させるなど、任意に設定すればよい。

請求項２記載の照明装置は、請求項１記載の照明装置において、ＰＷＭ制御回路は、点灯周期をＬＥＤ回路の数で割った時間ずつＰＷＭ信号の出力タイミングを駆動回路毎に異ならせるものである。

請求項３記載の照明装置は、請求項１記載の照明装置において、ＰＷＭ制御回路は、点灯周期の前側と後側とに分けてＰＷＭ信号の出力タイミングを駆動回路毎に異ならせるものである。

請求項４記載の照明装置は、請求項１ないし３いずれか一記載の照明装置において、ＰＷＭ制御回路は、所定の調光比より低い範囲でＰＷＭ信号の出力タイミングを駆動回路毎に異ならせるものである。

所定の調光比より低い範囲とは、例えば、ＰＷＭ信号の出力タイミングが同じ場合に、明るさが変化し、ちらつきが発生する範囲をいう。

請求項１記載の照明装置によれば、ＰＷＭ制御回路から出力するＰＷＭ信号の出力タイミングを駆動回路毎つまりＬＥＤ回路毎に異ならせることにより、調光比を低くしても、光源部全体としてＬＥＤが消灯している時間を少なくできるので、明るさの変化が少なくなり、点灯周波数を高くすることなく、ちらつきの発生を低減できる。そのため、ちらつきの低減のために点灯周波数を高くする必要がないので、点灯周波数を低く抑えることにより、部品構成を安価にできる。また、点灯周波数が高くない分、階調数を大きくしてＬＥＤを滑らかに調光することも可能となる。

請求項２記載の照明装置によれば、請求項１記載の照明装置の効果に加えて、点灯周期をＬＥＤ回路の数で割った時間ずつＰＷＭ信号の出力タイミングを駆動回路毎つまりＬＥＤ回路毎に異ならせるため、調光比を低くしても、光源部全体としてＬＥＤが消灯している時間を少なくでき、明るさの変化が少なく、ちらつきの発生を低減できる。

請求項３記載の照明装置によれば、請求項１記載の照明装置の効果に加えて、点灯周期の前側と後側とに分けてＰＷＭ信号の出力タイミングを駆動回路毎に異ならせるため、調光比を低くしても、光源部全体としてＬＥＤが消灯している時間を少なくでき、明るさの変化が少なく、ちらつきの発生を低減できる。

請求項４記載の照明装置によれば、請求項１ないし３いずれか一記載の照明装置の効果に加えて、所定の調光比より低い範囲で、ＰＷＭ信号の出力タイミングを駆動回路毎つまりＬＥＤ回路毎に異ならせるため、明るさが変化しやすくなる調光比の低い範囲でも、ちらつきの発生を低減できる。

本発明の第１の実施の形態を示す照明装置の回路図である。 同上照明装置のＰＷＭ制御によるＰＷＭ信号の出力タイミングを異ならせたタイミングチャートである。 同上照明装置のＰＷＭ制御の比較例として、ＰＷＭ信号の出力タイミングが同じ場合のタイミングチャートである。 同上照明装置の構成図である。 同上照明装置の光源部の正面図である。 本発明の第２の実施の形態を示す照明装置のＰＷＭ制御によるＰＷＭ信号の出力タイミングを異ならせたタイミングチャートである。

以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。

図１ないし図５に第１の実施の形態を示し、図１は照明装置の回路図、図２は照明装置のＰＷＭ制御によるＰＷＭ信号の出力タイミングを異ならせたタイミングチャート、図３は照明装置のＰＷＭ制御の比較例として、ＰＷＭ信号の出力タイミングが同じ場合のタイミングチャート、図４は照明装置の構成図、図５は照明装置の光源部の正面図である。

図４に示すように、照明装置11は、スポットライトであり、光を出射する光源ユニット12、およびこの光源ユニット12から出射される光を投影する投影ユニット13を備えている。

光源ユニット12は、面状光源である光源部14、この光源部14が発生する熱を放熱する放熱器15、光源部14に点灯電源を供給する電源部16、光源部14を点灯制御する制御部17、光源部14の点灯操作を行う操作部18、光源部14の光を投影ユニット13に導光する筒状光路19、および筒状光路19から出射する光の形状を制御するカッターユニット20などを備えている。

投影ユニット13は、光源ユニット12から出射される光を集光して外部に投影する投影レンズ21a，21b、および投影分布を調整する調整ハンドル22a，22bを備えている。

図５に示すように、光源部14は、平板状のプリント基板25に複数個のチップ状のＬＥＤ26が実装されて構成されている。この光源部14には、白色の光を出射するＬＥＤ26が用いられる。なお、補色用として赤、緑および青の光を出射するＬＥＤ26を用いてもよい。

光源部14では、複数のＬＥＤ26が直列に接続されるとともに矩形に配列された複数のＬＥＤ回路27にグループ分けされ、これら複数のＬＥＤ回路27を複数組み合わせて発光域が仮想円形28に近似するように構成されている。

図５では、１０個のＬＥＤ回路27a〜27jにグループ分けされた例を示している。各ＬＥＤ回路27a〜27jは、それぞれ個別に電源端子29a〜29jを有し、これら電源端子29a〜29jに対して制御部17の点灯制御で電源部16から点灯電源が供給され、各ＬＥＤ回路27a〜27jのＬＥＤ26が点灯する。このように、各ＬＥＤ回路27a〜27jは電気的に独立されている。

各ＬＥＤ回路27a〜27jは、複数のＬＥＤ26が矩形に配列されて形成されているが、複数のＬＥＤ26の配列が異なる大きさの矩形に配列された３種類に分類されている。各ＬＥＤ回路27a〜27jは、３種類とも、矩形短辺の長さが同じであり、この短辺方向には７個のＬＥＤ26が直列接続され、この直列接続の回路がグループ単位で並列接続されている。光源部14の中央部のＬＥＤ回路27c，27hは、矩形長辺の長さが最長である最長グループであり、両端部のＬＥＤ回路27a，27e，27f，27jは、矩形長辺の長さが最短である最短グループであり、最長グループと最短グループとの間の中間部のＬＥＤ回路27b，27d，27g，27iは、矩形長辺の長さが中間長の中間グループである。

図１に示すように、制御部17は、ＰＷＭ信号の入力に応じてＬＥＤ回路27毎にＬＥＤ26を駆動する複数の駆動回路32、および調光信号の入力に応じて駆動回路32毎にＰＷＭ信号を出力するＰＷＭ制御回路33を備えている。

各駆動回路32は、ＰＷＭ信号の入力に応じてＦＥＴなどのスイッチング素子がオンオフし、電源部16から電流値を一定にして各ＬＥＤ回路27のＬＥＤ26に電流を流す時間を変化させる。

ＰＷＭ制御回路33は、調光信号の調光比（調光レベル）０〜１００％に応じて駆動回路32毎にＰＷＭ信号を生成するとともに、ＬＥＤ26を点灯させる所定の点灯周波数の点灯周期において駆動回路32毎に異なるタイミングで同期信号を発生し、この同期信号に応じて駆動回路32毎に異なる出力タイミングでＰＷＭ信号を出力する。ＰＷＭ制御回路33には例えば２５６階調の調光信号が入力されるが、ＰＷＭ制御回路33では１０２４階調や２０４８階調などの大きい階調数に変換してＰＷＭ信号を出力する。

ここで、図３のタイミングチャートには、ＬＥＤ回路27の数を４系統とし、これらＬＥＤ回路27毎のＰＷＭ信号の出力タイミングが同じ場合の比較例を示す。この比較例では、調光比２５％でＬＥＤ26を点灯する場合で、ＬＥＤ26を点灯させる点灯周波数の点灯周期において４系統とも同じタイミングで、同期信号を発生して、ＰＷＭ信号を出力する。そのため、点灯周期の１周期分の前側１／４でしかＬＥＤ26は点灯せず、後側３／４ではＬＥＤ26が消灯しているため、明るさが変化して、ちらつきが発生する。このような照明状態において、テレビカメラで撮影した場合、撮影された映像の明るさが変化してちらつくフリッカという現象が発生する。

そして、図２のタイミングチャートには、ＬＥＤ回路27の数を４系統とし、これらＬＥＤ回路27毎のＰＷＭ信号の出力タイミングを異ならせた本実施の形態の例を示している。この本実施の形態の例では、点灯周期の１周期分をＬＥＤ回路27の系統数で割った時間ずつＰＷＭ信号の出力タイミングを駆動回路32毎に異ならせている。

図２では、ＬＥＤ回路27の数が４系統であるため、点灯周期の１周期分の１／４時間ずつＰＷＭ信号の出力タイミングをずらしている。点灯周波数は、例えば、７．８ｋＨｚ程度である。

ここで、調光比２５％でＬＥＤ26を点灯した場合、点灯周期の１周期において、４系統のＬＥＤ回路27のうち、いずれかのＬＥＤ回路27のＬＥＤ26が点灯しており、光源部14全体としてはＬＥＤ26が常時点灯していることになるため、明るさが一定になる。また、調光比２５％より高い範囲では、４系統のＬＥＤ回路27のＬＥＤ26の点灯が重複し、光源部14全体としてＬＥＤ26が常時点灯していることになる。

一方、調光比が２５％より低い範囲では、４系統のＬＥＤ回路27間でＬＥＤ26の点灯が切り換わる際に、いずれのＬＥＤ26も消灯する時間が発生するが、光源部14全体としてＬＥＤ26が消灯している時間は図３に示したようにＰＷＭ信号の出力タイミングが同じ場合に比べて遥かに少なくなるため、明るさの変化が少なく、ちらつきの発生を低減できる。しかも、光源部14全体としてＬＥＤ26が消灯している時間は点灯周期の１周期分の中で分散することになるため、一連に連続する場合よりも、光源部14全体としての明るさの変化が少なく、ちらつきの発生を低減できる。

そのため、この照明装置11で照明する被写体をテレビカメラで撮影した場合、特に調光比を低くしても、撮影された映像の明るさが変化してちらつくフリッカという現象が発生するのを低減できる。

このように、ＰＷＭ信号の出力タイミングを駆動回路32毎に異ならせる方式を採用することにより、従来のようにフリッカの低減のためにＬＥＤ26の点灯周波数を高くせず、ちらつきの発生を低減できる。そのため、ＬＥＤ26の点灯周波数を３〜４ｋＨｚ程度に低く抑えることができることにより、ＰＷＭ制御回路33に用いられるＣＰＵの性能や駆動回路32の応答性に高い性能が要求されず、部品構成を安価にできる。

しかも、ＬＥＤ26の点灯周波数を低く抑えることで、点灯周期を長くできるため、ＰＷＭ信号の階調数を例えば１０２４階調や２０４８階調といった大きい階調数とすることができ、ＬＥＤ26を滑らかに調光できる。

さらに、ＬＥＤ26の点灯周波数を低く抑えることで、駆動回路32や照明装置11の筐体などから高周波のノイズが発生するのを低減することができる。

また、ＰＷＭ信号の出力タイミングを駆動回路32毎に異ならせる制御は、少なくとも、ＰＷＭ信号の出力タイミングが同じ場合に明るさが変化してちらつきが発生する所定の調光比より低い範囲で実施すればよい。所定の調光比よりも高い範囲では、ＰＷＭ信号の出力タイミングを同じでも、明るさの変化によるちらつきの発生が少ないため、ＰＷＭ信号の出力タイミングを駆動回路32毎に異ならせても、同じとしてもよい。

また、図６に第２の実施の形態を示し、図６は照明装置のＰＷＭ制御によるＰＷＭ信号の出力タイミングを異ならせたタイミングチャートである。

ＰＷＭ制御回路33は、点灯周期の前側と後側とに分けてＰＷＭ信号の出力タイミングを駆動回路32毎に異ならせるように制御する。

図６では、ＬＥＤ回路27の数が２系統で、調光比が２５％の場合であり、点灯周期の前側と後側とに分けて同期信号を発生し、この同期信号に応じて駆動回路32毎に異なる出力タイミングでＰＷＭ信号を出力する。すなわち、点灯周期の前側にＰＷＭ信号の出力タイミングを有する駆動回路32つまりＬＥＤ回路27と、点灯周期の後側にＰＷＭ信号の出力タイミングを有する駆動回路32つまりＬＥＤ回路27とに分けている。この場合、調光比に応じて、点灯周期の後側で出力するＰＷＭ信号の出力タイミングが変動する。

この場合、ＰＷＭ信号１、２ともに同一の同期信号で制御される。ＰＷＭ信号２は同期信号の後、点灯周期からＰＷＭ制御による点灯時間分を差し引いた時間（消灯時間）が経過した後にオンする。

そして、調光比が５０％より低い範囲では、２系統のＬＥＤ回路27間でＬＥＤ26の点灯が切り換わる際に、いずれのＬＥＤ26も消灯する時間が発生するが、光源部14全体としてＬＥＤ26が消灯している時間は例えば図３に示したようにＰＷＭ信号の出力タイミングが同じ場合に比べて遥かに少なくなるため、明るさの変化が少なく、ちらつきの発生を低減できる。

11 照明装置
14 光源部
26 ＬＥＤ
27 ＬＥＤ回路
32 駆動回路
33 ＰＷＭ制御回路

Claims (4)

1. ＬＥＤを有する複数のＬＥＤ回路を備えた光源部と；
   ＰＷＭ信号の入力に応じてＬＥＤ回路毎にＬＥＤを点灯させる複数の駆動回路と；
   調光信号の入力に応じて駆動回路毎にＰＷＭ信号を出力するとともに、このＰＷＭ信号の出力タイミングを駆動回路毎に異ならせるＰＷＭ制御回路と；
   を具備していることを特徴とする照明装置。
2. ＰＷＭ制御回路は、点灯周期をＬＥＤ回路の数で割った時間ずつＰＷＭ信号の出力タイミングを駆動回路毎に異ならせる
   ことを特徴とする請求項１記載の照明装置。
3. ＰＷＭ制御回路は、点灯周期の前側と後側とに分けてＰＷＭ信号の出力タイミングを駆動回路毎に異ならせる
   ことを特徴とする請求項１記載の照明装置。
4. ＰＷＭ制御回路は、所定の調光比より低い範囲でＰＷＭ信号の出力タイミングを駆動回路毎に異ならせる
   ことを特徴とする請求項１ないし３いずれか一記載の照明装置。

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