JP2010265827A - エンジン始動制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷間始動時でも、始動時間を長くすることなくエンジン始動を可能とし、しかも、コストおよび重量の点で有利なエンジン始動制御装置を提供すること。
【解決手段】エンジン始動時に、モータジェネレータMGを駆動させるとともに、第1クラッチCL1を締結させてエンジン回転数を初爆エンジン目標回転数Ne*まで高めて始動させる始動制御を実行する統合コントローラ10を備え、統合コントローラ10は、始動制御の実行時に、バッテリ温度センサ32が検出するバッテリ温度Temp−batが相対的に低い場合は、相対的に高い場合と比較して、モータ目標回転数Nm*を高く設定することを特徴とするエンジン始動制御装置とした。
【選択図】図1

Description

本発明は、ハイブリッド車両に適用するのに好適なエンジン始動制御装置に関し、特に冷間時始動技術に関する。
従来、ハイブリッド車両として、エンジンと駆動輪とを結ぶ駆動伝達経路にモータが介在され、エンジンとモータとの間に、両者を結合および切り離しするクラッチが介在されたものが知られている。
また、このような従来のハイブリッド車両では、クラッチを締結させてモータトルクをエンジン側に分配してエンジンを始動させることが行なわれている。
さらに、このようなハイブリッド車両において、低温時にバッテリ出力が低下し、エンジン始動するためのモータ出力が確保できなくなることを防止するため、電気ヒータを作動させ、エンジンを昇温させることで、エンジン始動容易性を高め、必要なモータ出力を下げるようにしたものが、例えば、特許文献1などにより知られている。
特開2003−227366号公報
しかしながら、上述の従来のエンジン始動制御装置は、電気ヒータでエンジンを昇温してからエンジン始動するという構成であったため、エンジンを昇温するまでに時間がかかり、エンジン始動までに時間を要するという問題を有していた。さらに、電気ヒータが必要で、その分、コスト、重量増を招くという問題も有していた。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、冷間始動時でも、始動時間を長くすることなくエンジン始動を可能とし、しかも、コストおよび重量の点で有利なエンジン始動制御装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明のエンジン始動制御装置は、エンジンの始動時に、モータを駆動させるとともに、モータとエンジンとの間に介在されたクラッチを締結させてエンジンの回転数を始動目標回転数まで高めて始動させる始動制御を実行する制御手段を備え、制御手段は、始動制御の実行時に、温度検出手段の検出温度が相対的に低い場合は、相対的に高い場合と比較して、モータ目標回転数を高く設定することを特徴とするエンジン始動制御装置とした。
本発明のエンジン始動制御装置にあっては、エンジン始動時には、制御手段が始動制御を実行し、モータを駆動させるとともに、クラッチを締結させてモータの回転をエンジンに伝達し、エンジン回転数が始動目標回転数を超えた時点で、エンジンを始動させる。
この始動制御時に、制御手段は、温度検出手段が検出するバッテリを含む駆動系の検出温度が相対的に低い場合は、相対的に高い場合と比較して、モータ目標回転数を高く設定する。
このように、モータ目標回転数を相対的に高く制御するため、バッテリが低温となってモータ出力が低下していても、この不足トルクが補われ、モータ目標回転数を相対的に高く制御しない場合と比較して、エンジン回転数を高くでき、ヒータを用いるものよりも短時間にエンジン始動が可能である。
しかも、このように冷間時にエンジン始動を可能とすることを、制御に基づいて行なうため、ヒータなどの構成を追加するものと比較して、安価に低温下でのエンジン始動を達成可能である。
実施例1のエンジン始動制御装置が適用された後輪駆動によるハイブリッド車両の一例を示す全体システム図である。 実施例1のエンジン始動制御装置が適用されたFRハイブリッド車両の統合コントローラ10にて実行される演算処理を示す制御ブロック図である。 実施例1のエンジン始動制御装置が適用されたFRハイブリッド車両の統合コントローラ10でのモード選択処理を行なう際に用いられるEV-HEV選択マップを示す図である。 実施例1のエンジン始動制御装置が適用されたFRハイブリッド車両の統合コントローラ10でバッテリ充電制御を行なう際に用いられる目標充放電量マップを示す図である。 実施例1のエンジン始動制御装置に適用された統合コントローラ10にて実行される処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1のエンジン始動制御装置に適用された統合コントローラ10にて実行されるエンジン始動制御の処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1のエンジン始動制御装置に適用された統合コントローラ10にて初爆エンジン目標回転数Ne*の設定に用いられる初爆回転数マップを示す図である。 実施例1のエンジン始動制御装置に適用された統合コントローラ10にて始動時クラッチトルク容量TCL1の設定に用いられるエンジン始動トルクマップを示す図である。 実施例1のエンジン始動制御装置に適用された統合コントローラ10にて始動時クラッチトルク容量指令値CL1*の設定に用いられるエンジン始動クラッチ油圧マップを示す図である。 実施例1のエンジン始動制御装置に適用された統合コントローラ10にてライン圧PLの設定に用いられるライン圧マップを示す図である。 実施例1のエンジン始動制御装置に適用された統合コントローラ10にてモータ軸上フリクションTfricの設定に用いられるモータ軸上フリクションマップを示す図である。 実施例1のエンジン始動制御装置に適用された統合コントローラ10にてモータ出力可能トルクTm_maxの設定に用いられるモータ出力トルクマップを示す図である。 実施例1のエンジン始動制御装置に適用された統合コントローラ10にて締結減算値αの設定に用いられる締結減算値マップを示す図である。 実施例1のエンジン始動制御装置に適用された統合コントローラ10にて締結時トルク容量減算値βの設定に用いられる締結時クラッチトルク容量指令値マップを示す図である。 実施例1のエンジン始動制御装置の動作例を示すタイムチャートである。 実施例1のエンジン始動制御装置の作用を説明する作用説明図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
本発明の実施の形態のクラッチ制御装置は、エンジン(Eng)とエンジン始動用のモータ(MG)との間に介在されて、伝達トルク容量を変更可能なクラッチ(CL1)と、前記モータ(MG)に電力の供給を行なうバッテリ(4)を含む駆動系に関連する温度を検出する温度検出手段(18a,31,32)と、前記エンジン(Eng)の始動時に、前記モータ(MG)を駆動させるとともに、前記クラッチ(CL1)を締結させて前記エンジン(Eng)の回転数を始動目標回転数(Ne*)まで高めて始動させる始動制御を実行する制御手段(10)と、を備え、前記制御手段(10)は、前記始動制御の実行時に、前記温度検出手段(18a,31,32)の検出温度が相対的に低い場合は、相対的に高い場合と比較して、モータ目標回転数(Nm*)を高く設定することを特徴とするエンジン始動制御装置である。
図1〜図16に基づき、この発明の最良の実施の形態の実施例1のクラッチ制御装置について説明する。
まず、実施例1の構成を説明する。
図1は実施例1のエンジン始動制御装置が適用された後輪駆動式のハイブリッド車両(ハイブリッド車両の一例)を示す全体システム図であり、この図に基づいて、駆動系および制御系の構成を説明する。
(実施例1における駆動系)
まず、駆動系の構成を説明する。
実施例1におけるFRハイブリッド車両の駆動系は、エンジンEngと、フライホイールFWと、第1クラッチCL1と、モータジェネレータMGと、第2クラッチCL2と、自動変速機ATと、プロペラシャフトPSと、ディファレンシャルDFと、左ドライブシャフトDSLと、右ドライブシャフトDSRと、左後輪RLと、右後輪RRと、を有する。なお、FLは左前輪、FRは右前輪である。
前記エンジンEngは、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンであり、エンジンコントローラ1からのエンジン制御指令に基づいて、エンジン始動制御やエンジン停止制御やスロットルバルブのバルブ開度制御やフューエルカット制御等が行われる。なお、エンジン出力軸には、フライホイールFWが設けられている。
前記第1クラッチCL1は、前記エンジンEngとモータジェネレータMGの間に介装されたクラッチであり、第1クラッチコントローラ5からの第1クラッチ制御指令に基づいて、第1クラッチ油圧ユニット6により作り出された第1クラッチ制御油圧により、締結・スリップ締結(半クラッチ状態)・開放が制御される。
このような第1クラッチCL1としては、例えば、ダイアフラムスプリングによる付勢力にて完全締結を保ち、ピストン14aを有する油圧アクチュエータ14を用いたストローク制御により、スリップ締結から完全開放までが制御されるノーマルクローズの乾式単板クラッチを用いることができる。あるいは、比例ソレノイドで油流量および油圧を連続的に制御できるノーマルクローズの湿式多板クラッチや湿式多板ブレーキを用いることができる。
前記モータジェネレータMGは、ロータに永久磁石を埋設しステータにステータコイルが巻き付けられた同期型モータジェネレータであり、モータコントローラ2からの制御指令に基づいて、インバータ3により作り出された三相交流を印加することにより制御される。このモータジェネレータMGは、バッテリ4からの電力の供給を受けて回転駆動する電動機として動作することもできるし(この動作状態を、本明細書では「力行」と呼ぶ)、ロータがエンジンEngや駆動輪から回転エネルギを受ける場合には、ステータコイルの両端に起電力を生じさせる発電機として機能し、バッテリ4を充電することもできる(この動作状態を、本明細書では「回生」と呼ぶ)。なお、このモータジェネレータMGのロータは、ダンパを介して自動変速機ATの変速機入力軸に連結されている。
前記第2クラッチCL2は、前記モータジェネレータMGと左右後輪RL,RRとの間に介装されたクラッチであり、ATコントローラ7からの第2クラッチ制御指令に基づいて、第2クラッチ油圧ユニット8により作り出された制御油圧により、締結・スリップ締結・開放が制御される。この第2クラッチCL2としては、例えば、比例ソレノイドで油流量および油圧を連続的に制御できるノーマルオープンの湿式多板クラッチや湿式多板ブレーキが用いられる。なお、第1クラッチ油圧ユニット6および第2クラッチ油圧ユニット8は、自動変速機ATに付設されるAT油圧コントロールバルブユニットCVUに内蔵されている。
前記自動変速機ATは、例えば、前進7速/後退1速等の有段階の変速段を車速やアクセル開度等に応じて自動的に切り換える有段変速機であり、前記第2クラッチCL2は、専用クラッチとして新たに追加したものではなく、自動変速機ATの各変速段にて締結される複数の摩擦締結要素のうち、トルク伝達経路に配置される最適なクラッチやブレーキを選択している。そして、前記自動変速機ATの出力軸は、プロペラシャフトPS、ディファレンシャルDF、左ドライブシャフトDSL、右ドライブシャフトDSRを介して左右後輪RL,RRに連結されている。
実施例1のハイブリッド駆動系は、電気車両走行モード(以下、「EVモード」という。)と、ハイブリッド車走行モード(以下、「HEVモード」という。)と、駆動トルクコントロール走行モード(以下、「WSCモード」という。)等の走行モードを有する。
前記「EVモード」は、第1クラッチCL1を開放状態とし、モータジェネレータMGの動力のみで走行するモードである。前記「HEVモード」は、第1クラッチCL1を締結状態とし、モータアシスト走行モード・走行発電モード・エンジン走行モードの何れかにより走行するモードである。前記「WSCモード」は、「HEVモード」からのP,N→Dセレクト発進時、あるいは、「EVモード」や「HEVモード」からのDレンジ発進時、モータジェネレータMGの回転数制御により第2クラッチCL2をスリップ締結状態に維持し、第2クラッチCL2を経過するクラッチ伝達トルクが、車両状態やドライバ操作に応じて決まる要求駆動トルクとなるようにクラッチトルク容量をコントロールしながら発進するモードである。なお、「WSC」とは「Wet Start Clutch」の略である。
(実施例1における制御系)
次に、ハイブリッド車両の制御系を説明する。
実施例1におけるFRハイブリッド車両の制御系は、図1に示すように、エンジンコントローラ1と、モータコントローラ2と、インバータ3と、バッテリ4と、第1クラッチコントローラ5と、第1クラッチ油圧ユニット6と、ATコントローラ7と、第2クラッチ油圧ユニット8と、ブレーキコントローラ9と、統合コントローラ10と、を有して構成されている。なお、エンジンコントローラ1と、モータコントローラ2と、第1クラッチコントローラ5と、ATコントローラ7と、ブレーキコントローラ9と、統合コントローラ10とは、情報交換が互いに可能なCAN通信線11を介して接続されている。
前記エンジンコントローラ1は、エンジン回転数センサ12からのエンジン回転数情報と、統合コントローラ10からの目標エンジントルク(tTe)指令と、他の必要情報を入力する。そして、エンジン動作点(Ne,Te)を制御する指令を、エンジンEngのスロットルバルブアクチュエータ等へ出力する。なお、他の必要情報には、エンジン油温センサ31が検出するエンジン油温Temp−eが含まれている。
前記モータコントローラ2は、モータジェネレータMGのロータ回転位置を検出するレゾルバ13からの情報と、統合コントローラ10からの目標モータトルク指令および目標モータ回転数指令と、バッテリ温度センサ32で検出されるバッテリ温度Temp−batを含む他の必要情報を入力する。そして、モータジェネレータMGのモータ動作点(Nm,Tm)を制御する指令(tNm,tTm)をインバータ3へ出力する。なお、このモータコントローラ2では、バッテリ4の充電容量をあらわすバッテリ充電量SOCを監視していて、このバッテリ充電量SOC情報は、モータジェネレータMGの制御情報に用いられると共に、CAN通信線11を介して統合コントローラ10へ供給される。
前記第1クラッチコントローラ5は、油圧アクチュエータ14のピストン14aのストローク位置を検出する第1クラッチストロークセンサ15からのセンサ情報と、統合コントローラ10からの目標第1クラッチトルク容量指令と、他の必要情報を入力する。そして、第1クラッチCL1の締結・スリップ締結・開放を制御する指令をAT油圧コントロールバルブユニットCVU内の第1クラッチ油圧ユニット6に出力する。
前記ATコントローラ7は、アクセル開度センサ16と、車速センサ17と、自動変速機ATの潤滑油(以下、ATFという)の温度を検出するATF温度センサ18aを含む他のセンサ類18(変速機入力回転数センサ、インヒビタースイッチ等)からの情報を入力する。そして、Dレンジを選択しての走行時、アクセル開度APOと車速VSPにより決まる運転点がシフトマップ上で存在する位置により最適な変速段を検索し、検索された変速段を得る制御指令をAT油圧コントロールバルブユニットCVUに出力する。なお、シフトマップとは、アクセル開度と車速に応じてアップシフト線とダウンシフト線を書き込んだマップをいう。上記自動変速制御に加えて、統合コントローラ10から目標第2クラッチトルク容量指令を入力した場合、第2クラッチCL2のスリップ締結を制御する指令をAT油圧コントロールバルブユニットCVU内の第2クラッチ油圧ユニット8に出力する第2クラッチ制御を行なう。また、統合コントローラ10から変速制御変更指令が出力された場合、通常に変速制御に代え、変速制御変更指令にしたがった変速制御を行なう。
前記ブレーキコントローラ9は、4輪の各車輪速を検出する車輪速センサ19と、ブレーキストロークセンサ20からのセンサ情報と、統合コントローラ10からの回生協調制御指令と、他の必要情報を入力する。そして、例えば、ブレーキ踏み込み制動時、ブレーキストロークBSから求められる要求制動力に対し回生制動力だけでは不足する場合、その不足分を機械制動力(液圧制動力やモータ制動力)で補うように、回生協調ブレーキ制御を行なう。
前記統合コントローラ10は、車両全体の消費エネルギを管理し、最高効率で車両を走らせるための機能を担うもので、モータ回転数Nmを検出するモータ回転数センサ21や他のセンサ・スイッチ類22からの必要情報およびCAN通信線11を介して情報を入力する。そして、エンジンコントローラ1へ目標エンジントルク(tTe)指令、モータコントローラ2へ目標モータトルク指令および目標モータ回転数指令、第1クラッチコントローラ5へ目標第1クラッチトルク容量指令、ATコントローラ7へ目標第2クラッチトルク容量指令、ブレーキコントローラ9へ回生協調制御指令を出力する。
図2は、実施例1の制御装置が適用されたFRハイブリッド車両の統合コントローラ10にて実行される演算処理を示す制御ブロック図である。図3は、実施例1の制御装置が適用されたFRハイブリッド車両の統合コントローラ10でのモード選択処理を行なう際に用いられるEV-HEV選択マップを示す図である。図4は、実施例1の制御装置が適用されたFRハイブリッド車両の統合コントローラ10でバッテリ充電制御を行なう際に用いられる目標充放電量マップを示す図である。以下、図2〜図4に基づき、実施例1の統合コントローラ10にて実行される演算処理を説明する。
前記統合コントローラ10は、図2に示すように、目標駆動トルク演算部100と、モード選択部200と、目標充放電演算部300と、動作点指令部400とを有する。
前記目標駆動トルク演算部100では、目標駆動トルクマップを用いて、アクセル開度APOと車速VSPとから、目標駆動トルクtFo0を演算する。
前記モード選択部200では、図3に示すEV−HEV選択マップを用いて、アクセル開度APOと車速VSPとから、「EVモード」または「HEVモード」を目標走行モードとして選択する。但し、バッテリ充電量SOCが所定値以下であれば、強制的に「HEVモード」を目標走行モードとする。また、「HEVモード」からのP,N→Dセレクト発進時等においては、車速VSPが第1設定車速VSP1になるまで「WSCモード」を目標走行モードとして選択する。
前記目標充放電演算部300では、図4に示す目標充放電量マップを用いて、バッテリ充電量SOCから目標充放電電力tPを演算する。
前記動作点指令部400では、アクセル開度APOと、目標駆動トルクtFo0と、目標走行モードと、車速VSPと、目標充放電電力tP等の入力情報に基づき、動作点到達目標として、目標エンジントルクと目標モータトルクと目標モータ回転数tNmと目標第1クラッチトルク容量tTc1と目標第2クラッチトルク容量tTc2を演算する。そして、目標エンジントルク(tTe)指令と目標モータトルク(tTm)指令と目標モータ回転数(tNm)指令と目標第1クラッチトルク容量(tTc1)指令と目標第2クラッチトルク容量(tTc2)指令を、CAN通信線11を介して各コントローラ1,2,5,7に出力する。
(統合コントローラ10が実行する制御)
次に、実施例1の統合コントローラ10にて実行される制御の内容について、図5のフローチャートに基づいて説明する。
まず、ステップS1では、あらかじめ設定された目標駆動トルクマップを用いて、アクセル開度APOおよび車速VSPから、定常的な目標駆動トルクtFo0を演算し、次のステップS2に進む。
ステップS2では、あらかじめ設定された変速マップに基づいて、アクセル開度APOおよび車速VSPから目標変速段SHIFTを演算し、次のステップS3に進む。
ステップS3では、あらかじめ設定された目標運転モード領域マップ(図3参照)を用いて、アクセル開度APOおよび車速VSPから目標とする運転モード(EVモード、HEVモード、WSCモード)を決定し、次のステップS4に進む。なお、ステップS3では、図3に示すように、通常、高負荷(大アクセル開度)・高車速時はHEVモードに設定し、低負荷・低車速時はEVモードに設定する。
ステップS4では、現在の運転モードと上記目標運転モードとの対比により、運転モード遷移演算を行い、次のステップS5に進む。
なお、ステップS4では、現在の運転モードと目標運転モードとが一致していれば、現在の運転モードを保持する。また、現在の運転モードがEVモードで、目標運転モードがHEVモードであれば、EVモードからHEVモードへのモード切り換えを指令する。一方、現在の運転モードがHEVモードで、目標運転モードがEVモードであれば、HEVモードからEVモードへのモード切り換えを指令する。
ステップS5では、現在の駆動力から、ステップS1で求めた目標駆動トルクtFo0へ、所定の味付けを有した応答で移行するのに必要な、過渡目標駆動トルクtFoを演算し、ステップS6に進む。なお、このステップS5の演算では、例えば、目標駆動トルクtFo0を所定時定数のローパスフィルタに通過させて得られる出力を過渡目標駆動トルクtFoとすることができる。
ステップS6では、モータジェネレータMGとの共働あるいは単独で、過渡目標駆動トルクtFoを達成するのに必要な目標エンジントルクtTeを求め、ステップS7に進む。
なお、目標エンジントルクtTeは、運転モード(EVモード、HEVモード)や、モード切換に応じて、過渡目標駆動トルクtFoと、左右後輪RL,RRのタイヤ有効半径Rtと、ファイナルギヤ比ifと、現在の選択変速段により決まる自動変速機ATのギヤ比iGと、自動変速機ATの入力回転数Niと、エンジン回転数Neと、バッテリ充電量SOCに応じた目標充放電電力tPとから求める。
ステップS7では、運転モードや、モード遷移に応じて、過渡目標駆動トルクtFoを達成するのに必要な、または、モード遷移を実行するのに必要な目標第1クラッチトルク容量tTc1、目標第2クラッチトルク容量tTc2を演算し、次のステップS8へ進む。
ステップS8では、エンジンEngとの共働により、あるいは単独で、過渡目標駆動トルクtFoを達成するのに必要な目標モータトルクtTmまたは必要に応じて目標モータ回転数tNmを求め、次のステップS9に進む。なお、目標モータトルクtTmは、運転モードや、モード切換に応じて、過渡目標駆動トルクtFoと、左右後輪RL,RRのタイヤ有効半径Rtと、ファイナルギヤ比ifと、現在の選択変速段により決まる自動変速機ATのギヤ比iGと、自動変速機ATの入力回転数Niと、エンジン回転数Neと、バッテリ充電量SOCに応じた目標充放電電力tPと、から求める。また、目標モータ回転数tNmは、後述するエンジン始動時に、目標モータトルクtTmに代えて演算される。
ステップS9では、目標変速段SHIFT、運転モードの保持あるいは切換指令、目標エンジントルクtTe、両クラッチトルク容量tTc1,tTc2、目標モータトルクtTm、目標モータ回転数tNmを達成する指令値を、各コントローラ1,2,5,7へ出力する。
(エンジン始動制御)
統合コントローラ10では、停止状態を含むEVモードから、HEVモードに移行する際には、エンジン始動制御を実行して、エンジンEngを始動させる。
そこで、このエンジン始動制御について、図6のフローチャートに基づいて説明する。
このエンジン始動制御では、まず、ステップS21にて、エンジン始動要求が生じたか否か判定し、エンジン始動要求があった場合はステップS22に進み、エンジン始動要求が無い場合はエンジン始動処理を実行することなく、1回の処理を終了する。
このエンジン始動要求は、アクセル開度APOや車速VSPの増加に伴い、前述したステップS4の運転モード遷移判定において、EVモードからHEVモードへの移行と判定されたりした場合に生じる。すなわち、本実施例1では、図3に示すように、発進および低車速域では、EVモードに設定されて走行されるもので、車速VSPあるいはアクセル開度APOがEV⇒HEV切替線を越えた時点で、エンジンEngが始動されてHEVモードに移行する。
ステップS22では、パラメータの読み込みを行いステップS23に進む。なお、パラメータとしては、バッテリ温度Temp−bat、エンジン油温Temp−e、ATF温度Temp−atfが含まれている。
ステップS23では、初爆に必要なエンジン回転数Neである初爆エンジン目標回転数(始動目標回転数)Ne*を設定し、ステップS24に進む。なお、初爆エンジン目標回転数Ne*は、図7に示すように、エンジン油温Temp−eに基づいて設定されるものであり、エンジン油温Temp−eが低くなるほど高回転数に設定される。
ステップS24では、初爆に必要な第1クラッチCL1の伝達トルクである始動時クラッチトルク容量TCL1を設定し、ステップS25に進む。
なお、この始動時クラッチトルク容量TCL1は、図8に示すエンジン始動トルクマップに基づいて、初爆エンジン目標回転数Ne*に応じたエンジン始動トルクを求め、このエンジン始動トルクを、始動時クラッチトルク容量TCL1として設定する。また、エンジン始動トルクおよび始動時クラッチトルク容量TCL1は、図8に示すように、初爆エンジン目標回転数Ne*に応じ、初爆エンジン目標回転数Ne*が高いほど大きく設定されているとともに、エンジン油温Temp−eに応じ、エンジン油温Temp−eが低いほど高い値にシフトして設定される。
ステップS25では、初爆に必要な第1クラッチCL1の始動時クラッチトルク容量指令値CL1*を設定し、ステップS26に進む。なお、始動時クラッチトルク容量指令値CL1*は、図9に示す始動時クラッチトルク容量マップに示すように、始動時クラッチトルク容量TCL1に比例して設定されるとともに、ATF温度Temp−atfが低いほどエンジンフリクションが大きくなるのに応じて高い値にシフトして設定される。
また、始動時クラッチトルク容量指令値CL1*は、エンジンフリクションを油圧に換算してエンジン回転数を摺り上げることのできる最低油圧としている。
ステップS26では、始動時クラッチトルク容量指令値CL1*を得るのに必要なライン圧PLを設定し、ステップS27に進む。なお、ライン圧PLは、図10のライン圧マップに示すように、始動時クラッチトルク容量指令値CL1*に比例して設定されるとともに、ATF温度Temp−atfが高いほど高くシフトして設定される。
ステップS27では、モータ軸上フリクションTfricを設定し、ステップS28に進む。このモータ軸上フリクションTfricは、駆動系の伝達トルクに相当し、図11のモータ軸上フリクションマップに示すように、ライン圧PLに比例して設定される、また、ATF温度Temp−atfに応じ、ATF温度Temp−atfが高いほど低くシフトして設定される。
ステップS28では、モータ出力可能トルクTm_maxを算出し、ステップS29に進む。モータ出力可能トルクTm_maxは、図12のモータ出力可能トルクマップに示すように、バッテリ充電量SOCに応じて複数のマップが設定されている。そして、各マップでは、モータ回転数Nmに応じ、モータ回転数Nmが低くなるほどモータ出力可能トルクTm_maxが高く設定され、かつ、バッテリ温度Temp−batに応じ、バッテリ温度Temp−batが高いほど高くシフトして設定される。また、複数のマップは、バッテリ充電量SOCが低いほど、モータ出力可能トルクTm_maxが低く設定されている。
ステップS29では、モータ出力可能トルクTm_maxが、始動時クラッチトルク容量TCL1にモータ軸上フリクションTfricを加算した値以下であるか否か、すなわち、必要な駆動トルクを得ながらのエンジン始動が可能であるか否か判定し、この値以下の場合はステップS30に進み、この値以下でない場合はステップS33に進む。
ステップS30では、初爆に必要なモータ目標回転数Nm*を設定し、ステップS31に進む。なお、モータ目標回転数Nm*は、バッテリ温度Temp_batが低温になるほど、モータトルク不足を補うことができる回転エネルギが得られるように、高い値に設定する。本実施例1では、モータ目標回転数Nm*は、バッテリ温度Temp_batに応じて設定されるモータ出力可能トルクTm_max(図12参照)に基づいて設定されており、さらに、エンジンイナーシャ、初爆エンジン目標回転数Ne*(図7参照)、モータイナーシャを加味して算出するものとする。
ステップS31は、モータ回転数Nmをモータ目標回転数Nm*に向けて上昇させステップS32に進む。
ステップS32では、モータ回転数Nmが、モータ目標回転数Nm*から締結減算値αを差し引いた締結開始回転数Nmst以上となったか否か判定し、締結開始回転数Nmst以上となった場合はステップS33に進み、締結開始回転数Nmst以上となっていない場合は、ステップS32を繰り返す。
なお、締結減算値αは、図13に示すように、ATF温度Temp−atfに応じ、ATF温度Temp−atfが低いほど大きな値に設定される。
ステップS33では、第1クラッチCL1を、始動時クラッチトルク容量TCL1に向けて制御するトルク容量制御を開始し、ステップS34に進む。なお、始動時クラッチトルク容量TCL1は、第1クラッチCL1を完全締結させたときのクラッチトルク容量である締結油圧CL2*よりも低い値であって、前述のように、エンジン回転を摺り上げることのできる値に設定されている。
ステップS34では、エンジン回転数Neが、初爆エンジン目標回転数Ne*から締結時トルク容量減算値βを差し引いた締結回転数Netei以上となったか否か判定し、締結回転数Netei以上となった場合はステップS35に進み、締結回転数Netei以上となっていない場合にはステップS36に進む。
ステップS35では、第1クラッチCL1を完全締結させる締結油圧CL2*を形成する締結時クラッチトルク容量指令を出力して完全締結させる。
なお、締結時トルク容量減算値βは、図14に示すように、ATF温度Temp−atfに応じ、ATF温度Temp−atfが低いほど大きな値に設定される。
ステップS36では、第1クラッチCL1のトルク容量を増加させ、ステップS34に戻る。
(実施例1の作用)
次に、実施例1の作用を、バッテリ温度Temp−batの高低に別に説明する。
(バッテリ非低温時)
バッテリ温度Temp−batが充分に高い場合は、ステップS28で算出されるモータ出力可能トルクTm_maxの値も、バッテリ低温時と比較して充分に高い値となるため、ステップS29でNOと判定される。この場合、第1クラッチCL1に対し第1クラッチトルク容量制御を実行し、その時点で駆動されているモータジェネレータMGのトルクをエンジンEng側に分配するだけで、エンジンEngを始動させることができる。
(バッテリ低温時)
バッテリ温度Temp−batが低くなると、エンジン始動時に、モータ出力可能トルクTm_maxが、始動時クラッチトルク容量TCL1にモータジェネレータ軸上フリクションTfricを加算した値以下となり、必要なモータトルクが、モータ出力可能トルクTm_naxを下回る場合が生じる。
この場合、ステップS30の処理に基づいて、モータジェネレータ目標回転数Nm*が低温になるほど高く設定される。
この場合の動作を図15のタイムチャートに基づいて説明する。
このタイムチャートに示す例では、t1の時点で、始動要求が生じ、この始動要求に基づいてモータ回転数Nmが、モータ目標回転数Nm*に向けて上昇され、また、このモータ回転数Nmの上昇に伴いモータトルクTmも上昇する(ステップS29→S30→S31に基づく)。
その後、モータ回転数Nmが、モータ目標回転数Nm*から締結減算値αを差し引いた締結開始回転数Nmstを超えると(t2)、第1クラッチCL1のトルク容量制御が開始され(ステップS32→S33)、第1クラッチCL1に向けて始動時クラッチトルク容量指令値CL1*が出力される。
なお、締結減算値αは、油圧応答性に合わせ、ATF温度Temp−atfが低いほど大きな値に設定されることから、油圧の応答遅れにより、モータ回転数Nmを維持するために無駄にバッテリ電力が消費されるのを抑制する。
この第1クラッチCL1のトルク容量制御により、t3の時点で、第1クラッチCL1のトルク容量が立ち上がり、エンジンEngにトルク伝達されてエンジン回転数Neが上昇を開始する。
そして、エンジン回転数Neが、初爆エンジン目標回転数Ne*から締結時トルク容量減算値βを差し引いた締結回転数Neteiに達したt4の時点で、第1クラッチCL1に、完全締結するための締結油圧CL2*を形成する締結時クラッチトルク容量指令を出力する(ステップS34→S35)。
これにより、エンジン回転数Neがさらに上昇し、初爆エンジン目標回転数Ne*に達したt5の時点で、エンジンEngが始動され、エンジントルクTeが生じる。
締結回転数Neteiを決定する締結時トルク容量減算値βは、ATF温度Temp−atfが低いほど大きな値に設定され、油圧応答遅れにより、第1クラッチCL1に滑りが生じ、エンジン始動開始タイミングが遅れるのを防止できる。
(実施例1の効果)
以上説明したように、実施例1では、以下列挙する効果を得ることができる。
a)モータ出力可能トルクTm_maxが、駆動トルク(モータ軸上フリクションTfric)とエンジン始動に必要なトルク(TCL1)とを加算した値以下となった場合、エンジン始動時のモータ目標回転数Nm*を、バッテリ温度Temp−batに応じてバッテリ温度Temp−batが低いほど高回転数に設定するようにした。したがって、エンジン始動時のモータ回転数Nmが、バッテリ高温時と比較して高回転数となる結果、エンジンEngに伝達されるトルクが高くなり、トルク不足を補足して低温下でのエンジン始動が可能なる。
すなわち、バッテリ4は温度が低いほど出力が制限され、その結果、モータジェネレータMGが出力可能な出力が制限されてしまう。この場合、図16に示すように、モータ目標回転数Nm*としたときに得られるモータ出力可能トルクが、エンジンEngを始動するのに必要な、クラッチ伝達トルク(始動時クラッチトルク容量TCL1)と車両を駆動させるのに必要な駆動トルク(モータ軸上フリクションTfric)とを加算した値よりも、小さくなる場合がある。
この場合、モータトルク不足から、エンジンEngを始動することができない。
それに対し、本実施例1では、バッテリ低温時には、モータ目標回転数Nm*を高く設定することから、モータ出力可能トルクが大きくなってモータトルク不足を補うことができ、エンジンEngの始動が可能となる。
b)上記a)のように、エンジン始動を可能とするのにあたり、単に、モータ回転数Nmを高回転数化するだけであるため、ヒータなどでエンジンEngを暖める場合と比較して、始動に要する時間を短縮でき、かつ、ヒータなどを追加するものと比較して、コストおよび重量の点で有利である。
c)ATF温度Temp−atfの温度が低いほど締結減算値αを大きく設定して締結開始回転数Nmstを小さく設定することで、第1クラッチCL1の締結開始タイミングを早くした。
したがって、低温を原因として第1クラッチCL1に応答遅れが生じても、クラッチ締結指令の出力タイミングを早めた分だけ、応答遅れを抑制できる。これにより、第1クラッチCL1の締結遅れを原因とするモータジェネレータMGの空走回転時間が短縮され、無駄なモータジェネレータMGの回転時間を短縮して、効率良くエンジンEngを始動させることが可能となる。
d)上記c)の効果を得るべく始動時クラッチトルク容量TCL1を指令の出力タイミングを早くするのにあたり、ATF温度Temp−atfの温度が低いほど締結減算値αを大きく設定することで行なうようにしたため、モータ目標回転数Nm*の変化に応じて始動時クラッチトルク容量TCL1の指令出力タイミングを容易に最適設定できる。
加えて、クラッチ締結指令として、まず、締結時クラッチトルク容量よりも低い始動時クラッチトルク容量TCL1を出力するため、最初から締結時クラッチトルク容量の指令を出力する場合と比較して、トルク容量過多となってモータ回転数Nmが急減少してしまう現象が生じるのを抑制し、エンジン始動性を高めることができる。
e)初爆に必要な第1クラッチCL1に指令する始動時クラッチトルク容量指令値CL1*は、ATF温度Temp−atfが低いほど大きくなるエンジンフリクションを油圧に換算し、エンジンEngを摺り上げることのできる最低トルク容量が得られる油圧とした。
これにより、トルク容量過多によるモータ回転数Nmの急減少をさらに抑制でき、エンジン始動性をさらに高めることができる。
f)エンジンEngを始動させるために第1クラッチCL1を締結させるときのエンジン回転数Neである締結回転数Neteiを算出するのに用いる締結時トルク容量減算値βは、ATF温度Temp−atfが低いほど大きく設定するようにした。
これにより、ATF温度Temp−atfが低い場合には、第1クラッチCL1を完全締結させる締結油圧CL2*の指令タイミングが早くなり、不意の外乱(例えば、エンジンEngの初爆トルクが始動時クラッチトルク容量よりも大きいなど)などにより、第1クラッチCL1に滑りが生じるのを回避でき、滑りが生じることによる第1クラッチCL1の劣化を抑制できる。
g)上記f)の効果を得るべく締結油圧CL2*の指令出力タイミングを早くするのにあたり、ATF温度Temp−atfの温度が低いほど締結時トルク容量減算値βを大きく設定することで行なうようにしたため、初爆エンジン目標回転数Ne*の変化に応じて締結油圧CL2*の指令出力タイミングを容易に最適設定できる。
以上、本発明のクラッチ制御装置を、実施の形態および実施例1に基づき説明してきたが、具体的な構成は、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
例えば、実施例1では、FRハイブリッド車両に適用した例を示したが、例えば、FFハイブリッド車両に対しても本発明の制御装置を適用することができる。
また、実施例1では、モータとして、駆動輪を駆動させるのに用いるモータジェネレータMGを示したが、エンジン始動専用のモータを用いることもできる。
また、モータとして、駆動輪を駆動させるモータを用いる場合でも、実施例1で示したように力行と回生とが可能なモータジェネレータMGに限定されず、力行のみが可能なモータを用いてもよい。
また、実施例1では、始動制御時に、検出温度が低い場合にモータ目標回転数を高く設定する処理を実行するのに用いる検出温度として、バッテリ温度センサ32が検出するバッテリ温度を用いた例を示したが、バッテリ温度を推定できるものであれば、ATF温度Temp−atfやエンジン油温Temp−eを代用しても良く、この場合、センサの削減によるコストダウンを図ることを可能とすることができる。
また、検出温度が相対的に低いほど、クラッチ締結指令の出力タイミングを相対的に早くするクラッチ締結処理を実行するのにあたり、実施例1では、モータ回転数が、モータ目標回転数から締結開始減算値を引いた締結開始回転数に達した時点で始動時クラッチトルク容量指令を出力し、かつ、締結開始減算値を、ATF温度(検出温度)Temp−atfが相対的に低いほど、相対的に大きく設定するようにした。しかしながら、このようにクラッチ締結指令の出力タイミングを早くするのは、これに限定されるものではなく、締結開始回転数は固定とし、温度に応じてモータ回転数の上昇速度を早くするなどの他の手段を用いてもよい。
同様に、始動制御の実行時に、検出温度が相対的に低いほど、締結時クラッチトルク容量指令の出力タイミングを早くするのにあたり、実施例1では、締結時トルク容量減算値βを、ATF温度Temp−atfが低いほど大きく設定するようにしたが、これに限定されず、モータ回転数Nmの上昇速度を高めたり、始動時クラッチトルク容量指令値CL1*を高くしたりして、エンジン回転数Neの上昇速度を高め、締結時クラッチトルク容量指令の出力タイミングが早まるようにしてもよい。
4 バッテリ
10 統合コントローラ(制御手段)
18a ATF温度センサ(温度検出手段)
31 エンジン油温センサ(温度検出手段)
32 バッテリ温度センサ(温度検出手段)
CL1 第1クラッチ
CL1* 始動時クラッチトルク容量指令値
CL2* 締結油圧
Eng エンジン
MG モータジェネレータ(モータ)
Ne エンジン回転数
Ne* 初爆エンジン目標回転数(始動目標エンジン回転数)
Nm モータ回転数
Nm* モータ目標回転数
TCL1 始動時クラッチトルク容量
Temp−atf ATF温度
Temp−bat バッテリ温度
Temp−e エンジン油温
α 締結減算値
β 締結時トルク容量減算値

Claims (5)

  1. エンジンとエンジン始動用のモータとの間に介在されて、伝達トルク容量を変更可能なクラッチと、
    前記モータに電力の供給を行なうバッテリを含む駆動系に関連する温度を検出する温度検出手段と、
    前記エンジンの始動時に、前記モータを駆動させるとともに、前記クラッチを締結させて前記エンジンの回転数を始動目標回転数まで高めて始動させる始動制御を実行する制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記始動制御の実行時に、前記温度検出手段の検出温度が相対的に低い場合は、相対的に高い場合と比較して、モータ目標回転数を高く設定することを特徴とするエンジン始動制御装置。
  2. 前記始動制御の実行時に、前記検出温度が相対的に低いほど、前記クラッチ締結指令の出力タイミングを相対的に早くするクラッチ締結処理を実行することを特徴とする請求項1に記載のエンジン始動制御装置。
  3. 前記制御手段は、前記クラッチ締結指令として、まず、前記クラッチを完全締結状態とする締結時クラッチトルク容量よりも低いトルク容量の始動時クラッチトルク容量とする始動時クラッチトルク容量指令を出力し、前記エンジン回転数が、設定回転数まで上昇したら、前記締結時クラッチトルク容量とする締結時クラッチトルク容量指令を出力し、
    かつ、前記制御手段は、モータ回転数が前記モータ目標回転数から締結開始減算値を引いた締結開始回転数に達した時点で前記始動時クラッチトルク容量指令を出力し、かつ、前記締結開始減算値を、前記検出温度が相対的に低いほど、相対的に大きく設定することを特徴とする請求項2に記載のエンジン始動制御装置。
  4. 前記制御手段は、前記始動時クラッチトルク容量指令は、前記検出温度に基づいて得られるエンジンフリクションに換算したトルク容量としたことを特徴とする請求項3に記載のエンジン始動制御装置。
  5. 前記制御手段は、前記始動制御の実行時に、前記検出温度が相対的に低いほど、前記締結時クラッチトルク容量指令の出力タイミングを早くすることを特徴とする請求項1に記載のエンジン始動制御装置。
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