JP2010265356A - ジオキサジンバイオレット顔料及びそれを含有する着色組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】平均一次粒子径が小さいジオキサジンバイオレット顔料、及びその製造方法を提供し、カラーフィルターとして使用したときに、高コントラスト、高輝度を得ることが出来る液晶表示装置が得られる青色画素部を有するカラーフィルター及び当該カラーフィルターが得られるジオキサジンバイオレット顔料を得ること。
【解決手段】
カラーフィルターに好ましく用いることのできる顔料の提供のための、小角エックス線散乱法に基づいて求められる顔料の平均一次粒子径が5〜18nmであることを特徴とするジオキサジンバイオレット顔料の提供、並びにそれを含有するカラーフィルターの提供。
【選択図】なし

Description

本発明は、微細な粒子径を有するジオキサジンバイオレット顔料及びそれを含有する着色組成物に関する。
液晶ディスプレイ用カラーフィルターは、赤、緑、青の3色で構成されており、近年コントラストの向上がユーザーより強く求められている。また、カラーフィルター用色材としては、耐光性及び耐熱性が必要であることから顔料が用いられている。そして、カラーフィルターの青色部分は、青顔料であるε型銅フタロシアニン顔料を紫色顔料であるジオキサジン顔料により調色したカラーフィルター用着色組成物により形成されている。
しかし、ジオキサジン顔料は一次粒子径が大きすぎるため、青色カラーフィルターのコントラスト低下の主原因となっている。現状のジオキサジン顔料に代わる、顔料の一次粒子径が小さく、高いコントラストが得られる新たなジオキジン顔料が求められている。
このような要求に応えるため、粗製有機顔料と摩砕助剤と水溶性有機溶剤との混合物を混練するソルベントソルトミリング法による微細有機顔料の製造方法において、摩砕助剤として、体積基準のメディアン粒子径(D50)が1〜50μm、95%粒子径(D95)が80μm以下であり、Mg含有量が0.002〜0.08重量%である食塩を使用することを特徴とする微細有機顔料の製造方法が開示されている(特許文献1、実施例4参照)。しかしながら、当該技術で製造されたジオキサジンバイオレット顔料の平均粒子径は70nmであり、目的とする高いコントラストを実現するには粒子径が大きすぎる。
また、ジオキサジンバイオレット顔料をジオキサジンバイオレットジスルホン酸ナトリウムにより処理する方法が知られている(特許文献2、比較例2参照)。しかしながら、この方法より得られるジオキサジンバイオレット顔料は高いコントラストを実現するものではない。
ところで、有機顔料の平均一次粒子径、粒径分布、及び凝集粒子径の測定方法として、小角エックス線散乱法に基づいた有機顔料の平均一次粒子径及び粒径分布の測定方法が知られている(特許文献3参照)。高いコントラストを実現するカラーフィルターを製造するために用いる顔料としては、当該技術で測定される平均一次粒子径が小さく、粒系分布が狭い顔料であることが必要である。
特開2006−335920号公報(実施例4) 特開2006−274004号公報(比較例2) 特開2006−113042号公報
本発明が解決しようとする課題は、平均一次粒子径が小さいジオキサジンバイオレット顔料、及びその製造方法を提供することにある。本発明が解決しようとする他の課題は、平均一次粒子径が小さいジオキサジンバイオレット顔料を含有する着色組成物、及びその製造方法を提供することにあり、特に、カラーフィルター用インキとして使用したときに、高コントラスト、高輝度を得ることが出来るカラーフィルター用着色組成物、及びその製造方法を提供することにある。
本発明者等は種々検討した結果、カラーフィルター用のジオキサジンバイオレット顔料組成物として、小角エックス線散乱法に基づく顔料分散体の小角エックス線散乱プロファイル(測定散乱プロファイル)から得られる、顔料の平均一次粒子径を10〜18nmとすることで、コントラストの向上が可能になることが判った。
また、そのような微細なジオキサジンバイオレット顔料を製造するには、ジオキサジン顔料をソルベントソルトミリング法で微細化するとき、共摩砕剤として、1)ジオキサジン顔料スルホン酸誘導体と2)樹脂とを用いて、更に3)無機塩を用いることで、これまでに無い、超微細なジオキサジンバイオレット顔料を得ることができることを見出した。
即ち、本発明は、小角エックス線散乱法に基づいて求められる顔料の平均一次粒子径が10〜18nmであることを特徴とするジオキサジンバイオレット顔料を提供する。
また、本発明は、上記のジオキサジンバイオレット顔料を含有する着色組成物を提供する。
また、本発明は、上記の着色組成物を用いたカラーフィルター用着色組成物を提供する。
また、本発明は、上記のカラーフィルター用着色組成物を用いたカラーフィルターを提供する。
また、本発明は、上記のジオキサジンバイオレット顔料の製造方法であって、ジオキサジンバイオレット顔料、ジオキサジン顔料スルホン酸誘導体、樹脂及び水溶性有機溶剤を含有する混合物を、無機塩の存在下でソルベントソルトミリングする工程を含むことを特徴とするジオキサジンバイオレット顔料の製造方法を提供する。
更に、本発明は、上記の着色組成物の製造方法であって、ジオキサジンバイオレット顔料、ジオキサジン顔料スルホン酸誘導体、樹脂及び水溶性有機溶剤を含有する混合物を、無機塩の存在下でソルベントソルトミリングする工程を含むことを特徴とするジオキサジンバイオレット顔料を含有する着色組成物の製造方法を提供する。
本発明のジオキサジンバイオレット顔料は平均一次粒子径が極めて小さいため、これをカラーフィルター用の着色組成物として使用した場合、非常に高いコントラスト、高い輝度を有するカラーフィルターを得ることが出来る。
本発明の平均一次粒子径が極めて小さいジオキサジンバイオレット顔料は、紫色の着色組成物用の顔料として単独で使用しても、青色顔料と併用して使用しても上記の効果を得ることが出来る。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のジオキサジンバイオレット顔料は、C.I.Pigment Violet 23、同37であり、C.I.Pigment Violet 23が好ましい。
本発明における顔料の平均一次粒子径を測定するための小角エックス線散乱法は、特開2006−113042号公報に記載される方法であり、小角エックス線散乱法に基づき、有機顔料の小角エックス線散乱プロファイル(測定散乱プロファイル)を測定する工程(A)と、前記有機顔料を、半径Rの球状粒子であって粒径分布のばらつきが存在すると仮定して、仮の半径Rの値と仮の粒径分布モデルから、理論散乱プロファイルをシミュレーションにより求める工程(B)と、該理論散乱プロファイルと前記測定散乱プロファイルとをカーブフィッティングさせることにより、有機顔料の平均一次粒子径及び粒径分布を決定する工程(C)とを有することを特徴とする有機顔料の平均一次粒子径及び粒径分布の測定方法である。
本発明に用いるジオキサジン顔料スルホン酸誘導体、すなわち一般式(1)
Figure 2010265356
(1)
(但し、式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表し、nは1〜4、MはH、Na、K、Mg、Ca、St、Baを表す。)で表されるジオキサジンスルファモイル化合物としては、少なくとも1個以上のスルホン酸基で置換された化合物を挙げることができる。特に、Rはエチル基、n=3、MはNaが好ましい。
本発明の製造方法では、ジオキサジンバイオレット顔料、ジオキサジン顔料スルホン酸誘導体、樹脂及び水溶性有機溶剤を含有する混合物を、無機塩の存在下でソルベントソルトミリングする。ソルベントソルトミリングとは、粗顔料または顔料と無機塩と有機溶剤とを混練摩砕することを意味する。具体的には、ジオキサジンバイオレット顔料、ジオキサジン顔料スルホン酸誘導体、樹脂を、無機塩と、それを溶解しない有機溶剤とを混練機に仕込み、その中で混練摩砕を行う。この際の混練機としては、例えばニーダーやミックスマーラー等が使用できる。この他に、スーパーミキサー(株式会社カワタ製)、トリミックス(株式会社井上製作所製)のようなバッチ型の混練機、KCKミル(浅田鉄工株式会社製)のような連続混練機を用いることもできる。またこれら以外の装置を用いることも可能である。
上記樹脂としては、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、フルオレン系樹脂、ロジン、ロジン誘導体、ロジン変性マレイン酸系樹脂、ロジン変性フェノール系樹脂、ゴム誘導体、タンパク誘導体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、マレイン酸樹脂、スチレン樹脂、スチレン−マレイン酸共重合系樹脂、ブチラール系樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、ゴム系樹脂、セルロース類、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂、および上記樹脂のオリゴマー、モノマー類を挙げることができるが、これらに限らない。中でも、(メタ)アクリル酸ベンジル−(メタ)アクリル酸共重合体であるアクリル樹脂は、カラーフィルターに用いられる樹脂と同じであり、屈折率も同じであるため高いコントラストのカラーフィルターが得られることから、好ましい。ソルベントソルトミリング時にジオキサジンバイオレット顔料に含めることが出来る樹脂は、通常、ジオキサジンバイオレット顔料1質量部当たり0.01〜0.3質量部である。
また、ソルベントソルトミリング時にジオキサジンバイオレット顔料に含めることが出来るジオキサジン顔料スルホン酸誘導体は、通常、ジオキサジンバイオレット顔料1質量部当たり0.01〜0.3質量部である。
上記無機塩としては、水溶性無機塩が好適に使用でき、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等の無機塩を用いることが好ましい。また、吸ジエチレングリコール量が30〜40ml/100gの無機塩を用いることがより好ましい。この様な無機塩は、体積基準のメディアン粒子径(D50)が5〜12μmに相当する。この様な無機塩は、通常の無機塩を微粉砕することにより得られる。
ソルベントソルトミリングにおけるジオキサジンバイオレット顔料使用量に対する無機塩使用量を、従来よりも高くするのが好ましい。即ち当該無機塩の使用量は、粗顔料または顔料1質量部に対して5〜20質量部とするのが好ましく、8〜15質量部とするのがより好ましい。
有機溶剤としては、結晶成長を抑制し得る有機溶剤としての水溶性有機溶剤が好適に使用でき、例えばジエチレングリコール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングルコール、液体ポリプロピレングリコール、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、2ー(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングルコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコール等を用いることができる。
当該水溶性有機溶剤の使用量は、特に限定されるものではないが、無機塩1質量部に対して0.1〜0.4質量部が好ましい。
ソルベントソルトミリング時の温度は、30〜150℃が好ましく、80〜100℃がより好ましい。ソルベントソルトミリングの時間は、5時間から20時間が好ましく、8〜18時間がより好ましい。ソルベントソルトミリングが終了したマグマは、微細化したジオキサジンバイオレット顔料を取り出し、無機塩(摩砕助剤)と水溶性有機溶剤を除去するため、ろ過・水洗を行うことが一般的である。最初に、マグマを水、塩酸水溶液、又は湯中に投入し、加熱して無機塩を完全に溶解する。特開2008−308605号公報に記載されているように、この時酸類を添加することで、カラーフィルターの耐熱性を向上させることもできる。また、加熱温度と温水量は、無機塩を完全に溶解することができれば、限定されない。次に、フィルタープレス等のろ過機でろ過・水洗し、無機塩(摩砕助剤)と水溶性有機溶剤とを十分に除去する。洗浄に当たっては、ろ液の比電導度などで洗浄度合いを調整できる。
上記したろ過、洗浄後の乾燥としては、例えば、乾燥機に設置した加熱源による80〜120℃の加熱等により、顔料の脱水及び/又は脱溶剤をする回分式あるいは連続式の乾燥等が挙げられ、乾燥機としては一般に箱型乾燥機、バンド乾燥機等がある。また、乾燥後の粉砕は、比表面積を大きくしたり一次粒子の平均粒子径を小さくするための操作ではなく、例えば箱型乾燥機、バンド乾燥機を用いた乾燥の場合のように顔料がランプ状等のとなった際に顔料を解して粉末化するために行うものであり、例えば、乳鉢、ハンマーミル、ディスクミル、ピンミル、ジェットミル等による粉砕等が挙げられる。洗浄後のプレスケーキは、再び水を加えてスラリー化した後、スプレードライヤーで乾燥することもできる。
本発明の方法により製造された小角エックス線散乱法に基づいて求められる顔料の平均一次粒子径が5〜18nmであることを特徴とするジオキサジンバイオレット顔料は、微細化され、かつ均一な粒子形状に整粒されているため、微細な粒子状態を保持したまま均一に水系または非水系ビヒクル中に分散させて顔料分散体とすると、安定した粘度特性を有する良好な分散体となる。該分散体を用いてカラーフィルタを作成すると、高い明度、鮮明性、透過率のカラーフィルタとなる。また、該分散体をインクジェットインキとして用いると、優れた飛翔安定性と記録物の鮮明性、各種耐性を実現することできる。
本発明により得られるジオキサジンバイオレット顔料は、ジオキサジン顔料スルホン酸誘導体及び樹脂を含有することを特徴とするカラーフィルター用着色粉末組成物であって、平均一次粒子径が5〜18nmであることを特徴とするジオキサジンバイオレット顔料であるため、カラーフィルター画素部を製造した場合に、均質な塗膜を形成して輝度、コントラストおよび光透過率のいずれもが高いカラーフィルターを得ることができる。ここで顔料分散体は、着色粉末組成物を媒体中に分散せしめた液をいい、媒体としては例えば有機溶媒が挙げられる。なお、平均一次粒子径としては7〜17nmであることが好ましく、10〜17nmであることがより好ましい。ここでコントラストとは、2枚の偏光板の偏光方向を平行にして被測定物を挟み込んだ時の透過光強度を2枚の偏光板の偏光方向を垂直にして被測定物を挟み込んだ時の透過光強度で除したものである。
用いられる有機溶媒としては、例えば、トルエンやキシレン、メトキシベンゼン等の芳香族系溶剤、酢酸エチルや酢酸プロピルや酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールプロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールブチルエーテルアセテート等の酢酸エステル系溶剤、エトキシエチルプロピオネート等のプロピオネート系溶剤、メタノール、エタノール等のアルコール系溶剤、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、ヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクタム、N−メチル−2−ピロリドン、アニリン、ピリジン等の窒素化合物系溶剤、γ−ブチロラクトン等のラクトン系溶剤、カルバミン酸メチルとカルバミン酸エチルの48:52の混合物の様なカルバミン酸エステル等が挙げられる。
カラーフィルター用分散体及びインキの粘度特性の向上と分散安定性の向上のために、顔料誘導体を添加することも有効である。このような顔料誘導体としては、公知慣用のものを使用できるが、下記一般式(2)のジオキサジンスルファモイル化合物が好ましい。
Figure 2010265356

(2)

(式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基、lは4〜100の整数、mは0〜3の整数、nは1〜4の整数を表すが、m+n=1〜4であり、Yは、一般式(3)
Figure 2010265356
(3)
(式中、Qは各々独立に水素原子またはメチル基を表し、Q’は炭素数1〜6のアルキル基を表す。)で表される基を表す。)
ジオキサジンスルファモイル化合物は、ソルベントソルトミリング後のマグマに添加し、混練したのち、ろ過、洗浄、乾燥、粉砕し、カラーフィルター用着色粉末組成物とすることも可能である。また、上記ジオキサジンスルファモイル化合物を顔料分散体作成時に、ジオキサジンバイオレット顔料と一緒に分散し、顔料分散体を得ることも可能である。
カラーフィルター用分散体及びインキ中のジオキサジンスルファモイル化合物は、ジオキサジンバイオレット顔料1質量部当たり0.3〜1.0質量部である。
本発明のジオキサジンバイオレット顔料は、従来公知の方法でカラーフィルター画素部の形成に使用することができる。このジオキサジンバイオレット顔料を使用してカラーフィルター紫色画素部を製造することもできる。一般的には、ジオキサジンバイオレット顔料は、青色顔料に調色として用いて、カラーフィルター紫色画素部を製造する。上記、青色有機顔料は、フタロシアニン顔料またはインダンスロンブルー顔料を用いることができる。フタロシアニンとしては、銅フタロシアニン、無金属フタロシアニン、亜鉛フタロシアニン、コバルトフタロシアニン、ニッケルフタロシアニン、鉄フタロシアニン等を用いることができ、色相面から銅フタロシアニンが好ましい。また、上記フタロシアニン顔料は結晶形を有するが、ε型フタロシアニンが好ましく、特にε型銅フタロシアニンが好ましい。
カラーフィルター青色画素部を製造するに当たっては、顔料分散法が好適である。
この方法で代表的な方法としては、フォトリソグラフィー法であり、これは、後記する光硬化性組成物を、カラーフィルター用の透明基板のブラックマトリックスを設けた側の面に塗布、加熱乾燥(プリベーク)した後、フォトマスクを介して紫外線を照射することでパターン露光を行って、画素部に対応する箇所の光硬化性化合物を硬化させた後、未露光部分を現像液で現像し、非画素部を除去して画素部を透明基板に固着させる方法である。この方法では、光硬化性組成物の硬化着色皮膜からなる画素部が透明基板上に形成される。
赤色、緑色、青色の色ごとに、後記する光硬化性組成物を調製して、前記した操作を繰り返すことにより、所定の位置に赤色、緑色、青色の着色画素部を有するカラーフィルターを製造することができる。本発明の着色粉末組成物からは、青色画素部を形成することができる。尚、赤色画素部および緑色画素部を形成するための光硬化性組成物を調製するには、公知慣用の赤色顔料と緑色顔料を使用することができる。
赤色画素部を形成するための顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド177、同209、同254等が、緑色画素部を形成するための顔料としては、例えば、C.I.ピグメントグリーン7、同10、同36、同47、同58等が挙げられる。これら赤色画素部と緑色画素部の形成には、黄色顔料を併用することもできる。その後、必要に応じて、未反応の光硬化性化合物を熱硬化させるために、カラーフィルター全体を加熱処理(ポストベーク)することもできる。
後記する光硬化性組成物をガラス等の透明基板上に塗布する方法としては、例えば、スピンコート法、ロールコート法、インクジェット法等が挙げられる。
透明基板に塗布した光硬化性組成物の塗膜の乾燥条件は、各成分の種類、配合割合等によっても異なるが、通常、50〜150℃で、1〜15分間程度である。また、光硬化性組成物の光硬化に用いる光としては、200〜500nmの波長範囲の紫外線、あるいは可視光を使用するのが好ましい。この波長範囲の光を発する各種光源が使用できる。
現像方法としては、例えば、液盛り法、ディッピング法、スプレー法等が挙げられる。光硬化性組成物の露光、現像の後に、必要な色の画素部が形成された透明基板は水洗いし乾燥させる。こうして得られたカラーフィルターは、ホットプレート、オーブン等の加熱装置により、100〜280℃で、所定時間加熱処理(ポストベーク)することによって、着色塗膜中の揮発性成分を除去すると同時に、光硬化性組成物の硬化着色皮膜中に残存する未反応の光硬化性化合物が熱硬化し、カラーフィルターが完成する。
カラーフィルターの画素部を形成するための光硬化性組成物は、本発明方法の着色粉末組成物と、光硬化性化合物とを必須成分とし、必要に応じて有機溶剤と分散剤と熱可塑性樹脂とを併用し、これらを混合することで調製することができる。青色画素部を形成する着色樹脂皮膜に、カラーフィルターの実生産で行われるベーキング等に耐え得る強靱性等が要求される場合には、前記光硬化性組成物を調製するに当たって、光硬化性化合物だけでなく、この熱可塑性樹脂を併用することが不可欠である。熱可塑性樹脂を併用する場合には、有機溶剤としては、それを溶解するものを使用するのが好ましい。
前記光硬化性組成物の製造方法としては、本発明方法の着色粉末組成物と、必要に応じて有機溶剤と分散剤とを併用し、これらを混合し均一となる様に攪拌分散を行って、まずカラーフィルターの青色画素部を形成するための顔料分散体を調製してから、そこに、光硬化性化合物と、必要に応じて熱可塑性樹脂や光重合開始剤等を加えて前記光硬化性組成物とする方法が一般的である。
ここで分散剤としては、例えば、ビックケミー社製のDisperBYK130、同161、同162、同163、同170、2000、2001、エフカ社製のEFKA46、EFKA47等が挙げられる。また、レベリング剤、カップリング剤、各種界面活性剤等も併せて使用可能である。有機溶剤としては、特にプロピオネート、アルコール系、エーテル系、ケトン系、窒素化合物系、ラクトン系等の極性溶媒で水可溶のものが好ましく、具体例としては前記有機溶媒が挙げられる。また、水可溶の有機溶剤を使用する場合には、それに水を併用することもできる。光硬化性組成物の調製に使用する熱可塑性樹脂としては、例えば、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、スチレンマレイン酸系樹脂、スチレン無水マレイン酸系樹脂、フルオレン系樹脂等が挙げられる。
光硬化性化合物としては、例えば、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ビス(アクリロキシエトキシ)ビスフェノールA、3−メチルペンタンジオールジアクリレート等のような2官能モノマー、トリメチルロールプロパトントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアネート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等の比較的分子量の小さな多官能モノマー、ポリエステルアクリレート、ポリウレタンアクリレート、ポリエーテルアクリレート等の様な比較的分子量の大きな多官能モノマーが挙げられる。
光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ベンジルジメチルケタノール、ベンゾイルパーオキサイド、2−クロロチオキサントン、1,3−ビス(4’−アジドベンザル)−2−プロパン、1,3−ビス(4−アジドベンザル)−2−プロパン−2’−スルホン酸、4,4’−ジアジドスチルベン−2,2’−ジスルホン酸等が挙げられる。
前記した様な各材料を使用して、質量換算で、本発明の方法で製造された着色粉末組成物100部当たり、300〜1000部の有機溶剤と、必要に応じて1〜100部の分散剤とを、均一となる様に攪拌分散して前記顔料分散体を得ることができる。次いでこの顔料分散体に、本発明の着色粉末組成物1部当たり、熱可塑性樹脂と光硬化性化合物の合計が3〜20部、必要に応じて光硬化性化合物1部当たり0.05〜3部の光重合開始剤と、必要に応じてさらに有機溶剤を添加し、均一となる様に攪拌分散してカラーフィルター青色画素部を形成するための光硬化性組成物を得ることができる。
現像液としては、公知慣用の有機溶剤やアルカリ水溶液を使用することができる。特に前記光硬化性組成物に、熱可塑性樹脂または光硬化性化合物が含まれており、これらの少なくとも一方が酸価を有し、アルカリ可溶性を呈する場合には、アルカリ水溶液での洗浄がカラーフィルター青色画素部の形成に効果的である。
顔料分散法のうち、フォトリソグラフィー法によるカラーフィルター青色画素部の製造方法について詳記したが、本発明の方法で製造された着色粉末組成物を使用して調製されたカラーフィター青色画素部は、その他の電着法、転写法、ミセル電解法、PVED(Photovoltaic Electrodeposition)法、インクジェット法、反転印刷法、熱硬化法等の方法で青色画素部を形成して、カラーフィルターを製造してもよい。
カラーフィルターは、赤色顔料、緑色顔料、ならびに本発明の方法で製造された着色粉末組成物を使用して得た各色の光硬化性組成物を使用し、平行な一対の透明電極間に液晶材料を封入し、透明電極を不連続な微細区間に分割すると共に、この透明電極上のブラックマトリクスにより格子状に区分けされた微細区間のそれぞれに、赤、緑および青のいずれか1色から選ばれたカラーフィルター着色画素部を交互にパターン状に設ける方法、あるいは基板上にカラーフィルター着色画素部を形成した後、透明電極を設ける様にすることで得ることができる。
本発明の方法で製造されたジオキサジンバイオレット顔料は、鮮明性と明度、さらには貯蔵安定性と耐熱性に優れたより赤味の色相を有する青色組成物であり、カラーフィルター用途の他、塗料、プラスチック(樹脂成型品)、印刷インク、ゴム、レザー、捺染、静電荷像現像用トナー、インクジェット記録用インキ、熱転写インキ等の着色にも適用することができる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、もとより本発明はこれら実施例の範囲に限定されるものではない。尚、特に断りのない限り、「部」及び「%」はいずれも質量基準である。
本実施例での各種評価法は以下の通りである。
1)粘度:東機産業製RE550L型粘度計用いて、粘度を測定した。粘度が低い方が良好と評価した。
2)輝度:オリンパス製顕微鏡MX−50と大塚電子製分光光度計MCPD−3000顕微分光測光装置CIE発色系色度におけるF10光源におけるY値を測定した。輝度が高い方が良好と評価した。
3)コントラスト値:当該カラーフィルター青色画素部を2枚の偏光板の間に設置し、一方には光源を、更にその反対側には色彩輝度計を設置して輝度の測定を行った。偏光軸が平行になる時と垂直になる時との輝度(透過光強度)の比より算出した。コントラスト値の高い方が良好と評価した。
(製造例1)
<ジオキサジンポリオキシアルキレンスルファモイル化合物の合成方法>
クロロスルホン酸17.5部を3口フラスコに仕込み、10℃以下に冷却しながらジオキサジンバイオレット(C.I.ピグメント バイオレット 23) 2.0部を仕込んだ。次に10℃で3時間反応させクロロスルホン化した後、反応液を氷水200部の入ったビーカーに注いだ。その混合物をろ過し、氷水20部で洗浄した。得られたペーストをビーカーに移し、10℃以下の水100部を加え、攪拌分散した。この分散液にポリエーテルモノアミンとして、アメリカ合衆国Huntsman Corporation製「Surfonamine B−200」(第一アミン−末端ポリ(エチレンオキシド/プロピレンオキシド)(5/95)コポリマー、数平均分子量約2,000)20.3部と炭酸ナトリウム0.72部を投入し、5~10℃で1時間次いで室温で一晩攪拌し、その後80℃で30分間攪拌した。得られた反応液を水1000部に注ぎ、クロロホルムで抽出し、クロロホルム層を水洗後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。次いで得られたクロロホルム溶液をろ別し、溶媒を減圧下留去してジオキサジンスルファモイル化合物(V1)(m=0,n=2)を得た。この時の残存アミン価は、3.4であった。
(実施例1)
ジオキサジンバイオレット顔料(C.I.Pigment Violet 23)76部、ベンジルメタクリレートとメタクリル酸メチルとの重合体であるアクリル樹脂(酸価=33mgKOH/g、Mn=18000)15部、カヤセットバイオレット108(C.I.Direct Blue 108、日本化薬製、ジオキサジンバイオレットスルホン酸ナトリウム塩染料)9部、吸ジエチレングリコール量37ml/100gの微細塩(赤穂化成製オシオミクロンMS−20A、d10:3μm、d50:7μm、d95:11μm、Mg量0,18%)1000部、およびジエチレングリコール220部をニーダー中で、内容物の温度を80〜90℃に保ち、2時間毎に10部のジエチレングリコールを追加して8時間湿式摩砕を完了した。得られた内容物を2%塩酸水溶液中75℃で加熱洗浄し、濾過、ろ液が中性でかつ、ろ液の比電導度が原水の比電導度+20μS/cm以下となるまで水洗することによって、ジオキサジンバイオレット顔料組成物のウエットケーキを得た。このウエットケーキを熱風乾燥機で乾燥、粉砕して、ジオキサジンバイオレット顔料組成物を得た。同顔料組成物を透過型電子顕微鏡JEM−2010(日本電子株式会社製)で測定し、平均粒子径は15nmであった。縦横のアスペクト比は1.3であった。
吸ジエチレングリコール量は、JISK5101-13-1の顔料試験方法−第13部:吸油量−第1節:精製あまに油法に準じ、顔料を塩に替え、精製あまに油をジエチレングリコールに替えて、吸ジエチレングリコール量を測定した。具体的には、塩15.0gを測定板上の中央部に取り、ジエチレングリコールをビュレットから1回に4,5滴ずつ、徐々に塩の中央に滴下し、その都度全体をヘラで十分練り合わせる。滴下及び練り合わせを繰り返し、全体が硬いパテ状の塊となったら、1滴ごとに練り合わせて、最後の1滴で急激に軟らかくなる直前を終点とする。終点に達した時のビュレット内のジエチレングリコール滴下量を読みとり、
吸ジエチレングリコール量(mL/100g)=
滴下したジエチレングリコールの容量(mL)/塩の質量(g)X100
で求めた。今回の場合、オシオミクロンMS−20A 15gにジエチレングリコール5.5mLを要し、37ml/100gの吸ジエチレングリコール量を求めた。
このジオキサジンバイオレット顔料組成物2.1部とジオキサジンスルファモイル化合物(V1)1.4部をポリ瓶に入れ、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート11.4部、0.3mmφセプルビーズを加え、ペイントコンディショナー(東洋精機株式会社製)で4時間分散し、顔料分散液を得た。この顔料分散液をポリエチレンテレフタレート(PET)製フィルムを加工した袋に入れ、2mm厚のステンレス製スペーサーを挿入して、均一厚みとなるように袋の外から挟み込み、透過用測定試料とし試料台にセットした。(株)リガク社製X線回折装置RINT−TTRIIを用いて小角散乱プロファイルの測定を行った。測定条件は、CuKα特性エックス線(波長 0.1541841nm)、管電圧50kV、管電流300mAで行った。 カーブフィッティングの解析には、(株)リガク社製ソフトウェアNANO−Solverを使用し平均一次粒子径及び粒径分布を測定した。同顔料分散液の小角エックス線散乱法の平均粒子径は15.2nm、平均規格化分散53%、d10:6.3nm、d50:13.nm、d90:26.0nmであった。同顔料分散液の粘度は、東機産業製RE550L型粘度計で20℃、10rpmの条件で17mPa・sであった。
この分散液18.00部とポリエステルアクリレート樹脂(アロニックス(商標名)M7100、東亜合成化学工業株式会社製)5.50部、ジぺンタエリスレートヘキサアクリレート(KAYARAD(商標名)DPHA、日本化薬株式会社製)5.00部、ベンゾフェノン(KAYACURE(商標名)BP−100、日本化薬株式会社製)1.00部、ユーカーエステルEFP13.5部を分散攪拌機で攪拌し、孔径1.0μmのフィルターで濾過し、カラーレジストを得た。このカラーレジストは50mm×50mm、1mmの厚ガラスに乾燥膜厚が2μmとなるようにスピンコーターを用いて塗布し、その後90℃で20分間予備乾燥して塗膜を形成させた。次いで、紫外線による露光を行った後、紫色カラーフィルターとした。同カラーフィルターのコントラストは5450、C光源y=0.110の輝度Yは13.4であった。
(実施例2)
実施例1のカヤセットバイオレット108(日本化薬製、ジオキサジンバイオレットスルホン酸ナトリウム塩染料)をジオキサジンバイオレットジスルホン酸に変えた以外は同様にして、ジオキサジンバイオレット顔料組成物を得た。平均粒子径は17nmであった。縦横のアスペクト比は1.3であった。同顔料分散液の小角エックス線散乱法の平均粒子径は16.3nm、平均規格化分散54%、d10:6.5nm、d50:14.7nm、d90:28.0nmであった。同顔料分散液の粘度は、東機産業製RE550L型粘度計で20℃、10rpmの条件で15Pa・sであった。紫色カラーフィルターの同カラーフィルターのコントラストは4400、C光源y=0.110の輝度Yは13.3であった。
(実施例3)
実施例1のジオキサジンバイオレット顔料分散液7.5部とコントラスト7400のBlue 15:6の顔料濃度12%の顔料分散液この分散液67.5部とポリエステルアクリレート樹脂(アロニックス(商標名)M7100、東亜合成化学工業株式会社製)5.50部、ジぺンタエリスレートヘキサアクリレート(KAYARAD(商標名)DPHA、日本化薬株式会社製)5.00部、ベンゾフェノン(KAYACURE(商標名)BP−100、日本化薬株式会社製)1.00部、ユーカーエステルEFP13.5部を分散攪拌機で攪拌し、孔径1.0μmのフィルターで濾過し、カラーレジストを得た。このカラーレジストは50mm×50mm、1mmの厚ガラスに乾燥膜厚が2μmとなるようにスピンコーターを用いて塗布し、その後90℃で20分間予備乾燥して塗膜を形成させた。次いで、紫外線による露光を行った後、青色カラーフィルターとした。同カラーフィルターのコントラストは6500、C光源y=0.110の輝度Yは13.7であった。
(比較例1)
実施例1のベンジルメタクリレートとメタクリル酸メチルとの重合体であるアクリル樹脂を使用しないこと以外は同様にして、ジオキサジンバイオレット顔料組成物を得た。平均粒子径は20nmであった。縦横のアスペクト比は1.3であった。同顔料分散液の小角エックス線散乱法の平均粒子径は18.4nm、平均規格化分散63%、d10:6.0nm、d50:16.0nm、d90:34.0nmであった。同顔料分散液の粘度は、東機産業製RE550L型粘度計で20℃、10rpmの条件で11mPa・sであった。紫色カラーフィルターの同カラーフィルターのコントラストは3700、C光源y=0.110の輝度Yは13.4であった。
(比較例2)
実施例1のカヤセットバイオレット108を使用しないこと以外は同様にして、ジオキサジンバイオレット顔料組成物を得た。平均粒子径は20nmであった。縦横のアスペクト比は1.3であった。同顔料分散液の小角エックス線散乱法の平均粒子径は18.2nm、平均規格化分散63%、d10:6.0nm、d50:15.8nm、d90:33.0nmであった。同顔料分散液の粘度は、東機産業製RE550L型粘度計で20℃、10rpmの条件で12mPa・sであった。紫色カラーフィルターの同カラーフィルターのコントラストは4000、C光源y=0.110の輝度Yは13.4であった。
(比較例3)
実施例1の吸ジエチレングリコール量37ml/100gの微細塩(赤穂化成製オシオミクロンMS−20A、d10:3μm、d50:7μm、d95:11μm、Mg量0,18%)を吸ジエチレングリコール量24ml/100gの塩(d10:6μm、d50:15μm、d95:34μm、Mg量0.0009%)とした以外は同様にして、ジオキサジンバイオレット顔料組成物を得た。平均粒子径は22nmであった。縦横のアスペクト比は1.3であった。同顔料分散液の小角エックス線散乱法の平均粒子径は19.8nm、平均規格化分散65%、d10:6.0nm、d50:17.0nm、d90:44.0nmであった。同顔料分散液の粘度は、東機産業製RE550L型粘度計で20℃、10rpmの条件で11mPa・sであった。紫色カラーフィルターの同カラーフィルターのコントラストは3400、C光源y=0.110の輝度Yは13.4であった。
(比較例4)
実施例3における実施例1のジオキサジンバイオレット顔料分散液を比較例1のジオキサジンバイオレット顔料分散液にしたこと以外は同様にして青色カラーフィルターとした。同カラーフィルターのコントラストは5600、C光源y=0.110の輝度Yは13.7であった。
(比較例5)
実施例3における実施例1のジオキサジンバイオレット顔料分散液を比較例2のジオキサジンバイオレット顔料分散液にしたこと以外は同様にして青色カラーフィルターとした。同カラーフィルターのコントラストは5800、C光源y=0.110の輝度Yは13.7であった。
(比較例6)
実施例3における実施例1のジオキサジンバイオレット顔料分散液を比較例3のジオキサジンバイオレット顔料分散液にしたこと以外は同様にして青色カラーフィルターとした。同カラーフィルターのコントラストは5200、C光源y=0.110の輝度Yは13.7であった。
実施例1〜3のように、小角エックス線散乱法に基づく顔料の平均一次粒子径が10〜18nmであることを特徴とするカラーフィルター用ジオキサジンバイオレット顔料組成物を用いると紫色フィルターのコントラストが高く、また、ジオキサジンバイオレット顔料調色した後の青色フィルターのコントラストも高く、より鮮明な青色画素画像を得ることができることが分かる。

Claims (10)

  1. 小角エックス線散乱法に基づいて求められる顔料の平均一次粒子径が5〜18nmであることを特徴とするジオキサジンバイオレット顔料。
  2. 請求項1記載のジオキサジンバイオレット顔料を含有する着色組成物。
  3. 更に、ジオキサジン顔料スルホン酸誘導体を含有する請求項2記載の着色組成物。
  4. 前記ジオキサジン顔料スルホン酸誘導体が、ジオキサジン顔料スルホン酸金属塩である請求項3記載の着色組成物。
  5. 請求項2〜4のいずれかに記載の着色組成物を用いたカラーフィルター用着色組成物。
  6. 請求項5記載のカラーフィルター用着色組成物を用いたカラーフィルター。
  7. 請求項1記載のジオキサジンバイオレット顔料の製造方法であって、
    ジオキサジンバイオレット顔料、ジオキサジン顔料スルホン酸誘導体、樹脂及び水溶性有機溶剤を含有する混合物を、
    無機塩の存在下でソルベントソルトミリングする工程を含むことを特徴とするジオキサジンバイオレット顔料の製造方法。
  8. 前記無機塩の吸ジエチレングリコール量が30〜40ml/100gのである請求項7記載のジオキサジンバイオレット顔料の製造方法。
  9. 請求項2〜4のいずれかに記載の着色組成物の製造方法であって、
    ジオキサジンバイオレット顔料、ジオキサジン顔料スルホン酸誘導体、樹脂及び水溶性有機溶剤を含有する混合物を、
    無機塩の存在下でソルベントソルトミリングする工程を含むことを特徴とするジオキサジンバイオレット顔料を含有する着色組成物の製造方法。
  10. 前記無機塩の吸ジエチレングリコール量が30〜40ml/100gのである請求項9記載のジオキサジンバイオレット顔料を含有する着色組成物の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017171789A (ja) * 2016-03-24 2017-09-28 コニカミノルタ株式会社 バイオレットインク、インクセットおよび画像形成方法

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