JP2010258454A - 液体回収システム、露光装置、露光方法、及びデバイス製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】基板と対向する多孔部材の表面の汚染を抑制できる液体回収システムを提供する。
【解決手段】液体回収システムは、液体を介して露光光で基板を露光する液浸露光に用いられる。液体回収システムは、液体を回収するための回収流路と、回収流路に面する第1面、第1面と異なる方向を向く第2面、及び第1面と第2面とを結ぶ複数の孔を有する第1多孔部材と、第2面と所定のギャップを介して対向する第3面、第3面と異なる方向を向く第4面、及び第3面と第4面とを結ぶ複数の孔を有する第2多孔部材とを備える。液体回収システムは、第1多孔部材及び第2多孔部材を介して、第4面と対向する物体上の液体を回収する。
【選択図】図5
Description
本発明は、液体回収システム、露光装置、露光方法、及びデバイス製造方法に関する。
フォトリソグラフィ工程で用いられる露光装置において、特許文献1に開示されているような、液体を介して露光光で基板を露光する液浸露光装置が知られている。液浸露光装置は、液体の供給動作及び回収動作を実行して、露光光の光路を液体で満たす。
液浸露光装置において、多孔部材を介して基板上の液体を回収する場合、その基板と対向する多孔部材の表面(下面)が汚染される可能性がある。その結果、基板に汚染物(異物)が付着したり、供給された液体が汚染されたりする可能性がある。そのような不具合が生じると、基板上に形成されるパターンに欠陥が生じる等、露光不良が発生する可能性がある。その結果、不良デバイスが発生する可能性がある。
本発明の態様は、基板と対向する多孔部材の表面の汚染を抑制できる液体回収システムを提供することを目的とする。また本発明の態様は、露光不良の発生を抑制できる露光装置及び露光方法を提供することを目的とする。また本発明の態様は、不良デバイスの発生を抑制できるデバイス製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様に従えば、液体を介して露光光で基板を露光する液浸露光に用いられる液体回収システムであって、液体を回収するための回収流路と、回収流路に面する第1面、第1面と異なる方向を向く第2面、及び第1面と第2面とを結ぶ複数の孔を有する第1多孔部材と、第2面と所定のギャップを介して対向する第3面、第3面と異なる方向を向く第4面、及び第3面と第4面とを結ぶ複数の孔を有する第2多孔部材と、を備え、第1多孔部材及び第2多孔部材を介して、第4面と対向する物体上の液体を回収する液体回収システムが提供される。
本発明の第2の態様に従えば、液体を介して露光光で基板を露光する液浸露光に用いられる液体回収システムであって、液体を回収するための回収流路と、回収流路に面する第1面、第1面と異なる方向を向く第2面、及び第1面と第2面とを結ぶ複数の孔を有する多孔部材と、を備え、第2面の表面粗さは、第1面,及び孔の内面の少なくとも一方の表面粗さより小さく、多孔部材を介して、第2面と対向する物体上の液体を回収する液体回収システムが提供される。
本発明の第3の態様に従えば、液体を介して露光光で基板を露光する液浸露光に用いられる液体回収システムであって、液体を回収するための回収流路と、回収流路に面する第1面、第1面と異なる方向を向く第2面、及び第1面と第2面とを結ぶ複数の孔を有する多孔部材と、を備え、第2面は、第1面、及び多孔部材の孔の内面の少なくとも一方より液体に対して撥液性であり、多孔部材を介して、第2面と対向する物体上の液体を回収する液体回収システムが提供される。
本発明の第4の態様に従えば、液体を介して露光光で基板を露光する液浸露光に用いられる液体回収システムであって、液体を回収するための回収流路と、回収流路に面する第1面、第1面と異なる方向を向く第2面、及び第1面と第2面とを結ぶ複数の孔を有する多孔部材と、を備え、第2面は、露光光の光路の周囲に配置され、露光光が照射可能な位置に配置された物体の表面との間で液体を保持可能な平坦面の周囲の少なくとも一部に配置され、第2面は、平坦面より液体に対して撥液性であり、多孔部材を介して、第2面と対向する物体上の液体を回収する液体回収システムが提供される。
本発明の第5の態様に従えば、液体を介して露光光で基板を露光する露光装置であって、第1,第2,第3,及び第4の少なくとも一つの液体回収システムを備える露光装置が提供される。
本発明の第6の態様に従えば、第5の態様の露光装置を用いて基板を露光することと、露光された基板を現像することと、を含むデバイス製造方法が提供される。
本発明の第7の態様に従えば、液体を介して露光光で基板を露光する露光方法であって、露光光を射出する光学部材の射出面と、射出面と対向する基板との間の光路を液体で満たすことと、光学部材と液体とを介して基板に露光光を照射することと、第1,第2,第3,及び第4の少なくとも一つの液体回収システムを用いて、基板上の液体を回収することと、を含む露光方法が提供される。
本発明の第8の態様に従えば、第7の態様の露光方法を用いて基板を露光することと、露光された基板を現像することと、を含むデバイス製造方法が提供される。
本発明の態様によれば、多孔部材の汚染を抑制できる。また本発明の態様によれば、露光不良の発生を抑制できる。また本発明の態様によれば、不良デバイスの発生を抑制できる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部の位置関係について説明する。水平面内の所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれと直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。
<第1実施形態>
第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態に係る露光装置EXの一例を示す概略構成図である。図1において、露光装置EXは、マスクMを保持して移動可能なマスクステージ1と、基板Pを保持して移動可能な基板ステージ2と、マスクステージ1及び基板ステージ2それぞれの位置情報を計測可能な干渉計システム3と、マスクMを露光光ELで照明する照明系ILと、露光光ELで照明されたマスクMのパターンの像を基板Pに投影する投影光学系PLと、露光装置EX全体の動作を制御する制御装置4とを備えている。
第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態に係る露光装置EXの一例を示す概略構成図である。図1において、露光装置EXは、マスクMを保持して移動可能なマスクステージ1と、基板Pを保持して移動可能な基板ステージ2と、マスクステージ1及び基板ステージ2それぞれの位置情報を計測可能な干渉計システム3と、マスクMを露光光ELで照明する照明系ILと、露光光ELで照明されたマスクMのパターンの像を基板Pに投影する投影光学系PLと、露光装置EX全体の動作を制御する制御装置4とを備えている。
マスクMは、基板Pに投影されるデバイスパターンが形成されたレチクルを含む。マスクMは、例えばガラス板等の透明板上にクロム等の遮光膜を用いて所定のパターンが形成された透過型マスクを含む。なお、マスクMとして、反射型マスクを用いることもできる。基板Pは、デバイスを製造するための基板である。基板Pは、例えばシリコンウエハのような半導体ウエハ等の基材に感光膜が形成されたものを含む。感光膜は、感光材(フォトレジスト)の膜である。また、基板Pが、感光膜とは別の膜を含んでもよい。例えば、基板Pが、反射防止膜を含んでもよいし、感光膜を保護する保護膜(トップコート膜)を含んでもよい。
本実施形態の露光装置EXは、液体LQを介して露光光ELで基板Pを露光する液浸露光装置である。露光装置EXは、露光光ELの光路の少なくとも一部が液体LQで満たされるように液浸空間LSを形成可能な液浸部材6を備えている。液浸空間LSは、液体LQで満たされた空間である。本実施形態においては、液体LQとして、水(純水)を用いる。
本実施形態において、液浸空間LSは、投影光学系PLの複数の光学素子のうち、投影光学系PLの像面に最も近い終端光学素子5から射出される露光光ELの光路が液体LQで満たされるように形成される。終端光学素子5は、投影光学系PLの像面に向けて露光光ELを射出する射出面9を有する。液浸空間LSは、終端光学素子5と、その終端光学素子5の射出面9と対向する物体との間の光路が液体LQで満たされるように形成される。物体が射出面9と対向する位置は、射出面9から射出される露光光ELが照射可能な位置を含む。
液浸部材6は、終端光学素子5の近傍に配置されている。液浸部材6は、下面7を有する。本実施形態において、射出面9と対向可能な物体は、下面7と対向可能である。物体の表面が射出面9と対向する位置に配置されたとき、下面7の少なくとも一部と物体の表面とが対向する。射出面9と物体の表面とが対向しているとき、終端光学素子5は、射出面9と物体の表面との間に液体LQを保持できる。また、下面7と物体の表面とが対向しているとき、液浸部材6は、下面7と物体の表面との間に液体LQを保持できる。射出面9及び下面7と物体の表面との間に保持された液体LQによって、液浸空間LSが形成される。
本実施形態において、射出面9及び下面7と対向可能な物体は、終端光学素子5の射出側(投影光学系PLの像面側)で移動可能な物体を含み、射出面9及び下面7と対向する位置に移動可能な物体を含む。本実施形態においては、射出面9及び下面7と対向可能な物体は、基板ステージ2、及びその基板ステージ2に保持された基板Pの少なくとも一方を含む。なお、以下においては、説明を簡単にするために、主に、射出面9及び下面7と基板Pとが対向している状態を例にして説明する。
本実施形態においては、射出面9及び下面7と対向する位置に配置された基板Pの表面の一部の領域(局所的な領域)が液体LQで覆われるように液浸空間LSが形成され、その基板Pの表面と下面7との間に液体LQの界面(メニスカス、エッジ)LGが形成される。すなわち、本実施形態においては、露光装置EXは、基板Pの露光時に、投影光学系PLの投影領域PRを含む基板P上の一部の領域が液体LQで覆われるように液浸空間LSを形成する局所液浸方式を採用する。
照明系ILは、所定の照明領域IRを均一な照度分布の露光光ELで照明する。照明領域IRは、照明系ILから射出される露光光ELが照射可能な位置を含む。照明系ILは、照明領域IRに配置されたマスクMの少なくとも一部を均一な照度分布の露光光ELで照明する。照明系ILから射出される露光光ELとして、例えば水銀ランプから射出される輝線(g線、h線、i線)及びKrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)、及びF2レーザ光(波長157nm)等の真空紫外光(VUV光)等が用いられる。本実施形態においては、露光光ELとして、紫外光(真空紫外光)であるArFエキシマレーザ光を用いる。
マスクステージ1は、マスクMをリリース可能に保持するマスク保持部1Hを有する。本実施形態において、マスク保持部1Hは、マスクMのパターン形成面(下面)とXY平面とがほぼ平行となるように、マスクMを保持する。マスクステージ1は、第1駆動システム1Dの作動により、マスクMを保持してXY平面内を移動可能である。第1駆動システム1Dは、例えばリニアモータ、あるいは平面モータ等のアクチュエータを含む。本実施形態においては、マスクステージ1は、マスク保持部1HでマスクMを保持した状態で、X軸、Y軸、及びθZ方向の3つの方向に移動可能である。
投影光学系PLは、所定の投影領域PRに露光光ELを照射する。投影領域PRは、投影光学系PLから射出される露光光ELが照射可能な位置を含む。投影光学系PLは、投影領域PRに配置された基板Pの少なくとも一部に、マスクMのパターンの像を所定の投影倍率で投影する。投影光学系PLの複数の光学素子は、鏡筒PKで保持される。本実施形態の投影光学系PLは、その投影倍率が例えば1/4、1/5又は1/8等の縮小系である。なお、投影光学系PLは、等倍系及び拡大系のいずれでもよい。本実施形態においては、投影光学系PLの光軸AXは、Z軸とほぼ平行である。また、投影光学系PLは、反射光学素子を含まない屈折系、屈折光学素子を含まない反射系、反射光学素子と屈折光学素子とを含む反射屈折系のいずれでもよい。また、投影光学系PLは、倒立像と正立像とのいずれを形成してもよい。
基板ステージ2は、ベース部材8のガイド面8G上を移動可能である。本実施形態においては、ガイド面8Gは、XY平面とほぼ平行である。基板ステージ2は、基板Pを保持して、ガイド面8Gに沿って、XY平面内を移動可能である。基板ステージ2は、終端光学素子5の射出面9と対向する位置に移動可能である。
基板ステージ2は、基板Pをリリース可能に保持する基板保持部2Hを有する。本実施形態において、基板保持部2Hは、基板Pの露光面(表面)とXY平面とがほぼ平行となるように、基板Pを保持する。基板ステージ2は、第2駆動システム2Dの作動により、基板Pを保持してXY平面内を移動可能である。第2駆動システム2Dは、例えばリニアモータ、あるいは平面モータ等のアクチュエータを含む。本実施形態においては、基板ステージ2は、基板保持部2Hで基板Pを保持した状態で、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6つの方向に移動可能である。
基板ステージ2は、基板保持部2Hの周囲に配置された上面2Tを有する。本実施形態において、上面2Tは、平坦であり、XY平面とほぼ平行である。また、基板ステージ2は、凹部2Cを有する。基板保持部2Hは、凹部2Cの内側に配置される。本実施形態において、上面2Tと、基板保持部2Hに保持された基板Pの表面とは、ほぼ同一平面内に配置される(面一となる)。
干渉計システム3は、XY平面内におけるマスクステージ1及び基板ステージ2のそれぞれの位置情報を計測する。干渉計システム3は、マスクステージ1の位置を計測するレーザ干渉計3Aと、基板ステージ2の位置を計測するレーザ干渉計3Bとを備えている。レーザ干渉計3Aは、マスクステージ1に配置された反射面1Rに計測光を照射し、その反射面1Rを介した計測光を用いて、X軸、Y軸、及びθZ方向に関するマスクステージ1(マスクM)の位置を計測する。レーザ干渉計3Bは、基板ステージ2に配置された反射面2Rに計測光を照射し、その反射面2Rを介した計測光を用いて、X軸、Y軸、及びθZ方向に関する基板ステージ2(基板P)の位置を計測する。
また、本実施形態においては、基板ステージ2に保持された基板Pの表面の位置を検出するフォーカス・レベリング検出システム(不図示)が配置されている。フォーカス・レベリング検出システムは、Z軸、θX、及びθY方向に関する基板Pの表面の位置を検出する。
基板Pの露光時、マスクステージ1の位置がレーザ干渉計3Aで計測され、基板ステージ2の位置がレーザ干渉計3Bで計測され、基板Pの表面の位置がフォーカス・レベリング検出システムで検出される。制御装置4は、レーザ干渉計3Aの計測結果に基づいて、第1駆動システム1Dを作動し、マスクステージ1に保持されているマスクMの位置制御を実行する。また、制御装置4は、レーザ干渉計3Bの計測結果及びフォーカス・レベリング検出システムの検出結果に基づいて、第2駆動システム2Dを作動し、基板ステージ2に保持されている基板Pの位置制御を実行する。
本実施形態の露光装置EXは、マスクMと基板Pとを所定の走査方向に同期移動しつつ、マスクMのパターンの像を基板Pに投影する走査型露光装置(所謂スキャニングステッパ)である。基板Pの露光時、制御装置4は、マスクステージ1及び基板ステージ2を制御して、マスクM及び基板Pを、露光光ELの光路(光軸AX)と交差するXY平面内の所定の走査方向に移動する。本実施形態においては、基板Pの走査方向(同期移動方向)をY軸方向とし、マスクMの走査方向(同期移動方向)もY軸方向とする。制御装置4は、基板Pを投影光学系PLの投影領域PRに対してY軸方向に移動するとともに、その基板PのY軸方向への移動と同期して、照明系ILの照明領域IRに対してマスクMをY軸方向に移動しつつ、投影光学系PLと基板P上の液浸空間LSの液体LQとを介して基板Pに露光光ELを照射する。これにより、基板Pは露光光ELで露光され、マスクMのパターンの像が基板Pに投影される。
次に、液浸部材6について説明する。図2は、液浸部材6の近傍を示す側断面図である。なお、以下の説明においては、終端光学素子5の射出面9及び液浸部材6の下面7と対向する位置に基板Pが配置されている場合を例にして説明するが、上述のように、終端光学素子5の射出面9及び液浸部材6の下面7と対向する位置には、基板ステージ2等、基板P以外の物体も配置可能である。
液浸部材6は、露光光ELの光路周囲の少なくとも一部に配置され、終端光学素子5と基板Pとの間の露光光ELの光路が液体LQで満たされるように液浸空間LSを形成する。本実施形態において、液浸部材6は、環状の部材であって、露光光ELの光路の周囲に配置されている。本実施形態において、液浸部材6の一部は、終端光学素子5の周囲に配置されている。本実施形態においては、液浸部材6は、終端光学素子5の周囲に配置される本体部11と、Z軸方向に関して少なくとも一部が終端光学素子5の射出面9と基板Pの表面との間に配置されるプレート部12とを有する。
プレート部12は、射出面9と対向する位置に開口10を有する。射出面9から射出された露光光ELは、開口10を通過可能である。例えば、基板Pの露光中、射出面9から射出された露光光ELは、開口10を通過し、液体LQを介して基板Pの表面に照射される。
プレート部12は、射出面9の一部と対向する上面13と、基板Pの表面と対向可能な下面14とを有する。上面13及び下面14のそれぞれは、開口10の周囲に配置されている。すなわち、上面13及び下面14のそれぞれは、終端光学素子5の射出面9から射出される露光光ELの光路の周囲に配置される。
本実施形態において、液浸部材6の下面7は、プレート部12の下面14を含む。下面14は、終端光学素子5からの露光光ELが照射可能な位置に配置された基板Pの表面との間で液体LQを保持可能である。下面14は、平坦面である。本実施形態において、下面14は、基板Pの表面(XY平面)とほぼ平行である。
本実施形態において、上面13と下面14とは、ほぼ平行である。また、射出面9と、上面13及び下面14とは、ほぼ平行である。
なお、下面14が、XY平面に対して傾斜していてもよい。また、下面14と射出面9とが非平行でもよいし、上面13と射出面9とが非平行でもよいし、上面13と下面14とが非平行でもよい。また、上面13の少なくとも一部が曲面でもよいし、下面14の少なくとも一部が曲面でもよい。また、射出面9の少なくとも一部が曲面でもよい。
以下の説明において、下面14を適宜、平坦面14、と称する。
また、液浸部材6は、液体LQを供給するための供給口15及びその供給口15に接続された供給流路16と、液体LQを回収するための回収口17及びその回収口17に接続された回収流路18とを備えている。
供給口15は、露光光ELの光路の近傍において、その光路に面する液浸部材6の所定位置に配置されている。本実施形態においては、供給口15は、光路に対してY軸方向両側のそれぞれに設けられている。本実施形態においては、供給口15は、射出面9と上面13との間の空間に液体LQを供給する。供給口15は、液浸空間LSを形成するために、露光光ELの光路に液体LQを供給する。
なお、供給口15は、光路に対してX軸方向両側のそれぞれに設けられてもよいし、X軸方向両側のそれぞれ及びY軸方向両側のそれぞれに設けられてもよい。また、供給口15が、光路の周囲において、任意の複数位置に設けられてもよい。なお、供給口15が下面7に設けられていてもよい。
本実施形態において、回収口17は、基板Pの表面と対向する液浸部材6の所定位置に配置されている。本実施形態において、回収口17は、平坦面14の周囲の少なくとも一部に配置されている。本実施形態においては、回収口17は、平坦面14(露光光ELの光路)の周囲に連続的に配置されている。回収口17は、液浸部材6の下面7と対向する物体上の液体LQを回収可能である。
供給流路16は、液浸部材6の内部に形成されている。供給口15は、供給流路16、及び供給管19Pの流路19を介して、液体供給装置20と接続されている。液体供給装置20は、クリーンで温度調整された液体LQを送出可能である。液体供給装置20から送出された液体LQは、流路19、及び供給流路16を介して、供給口15に供給される。供給口15は、液体供給装置20からの液体LQを露光光ELの光路に供給する。
回収流路18は、液浸部材6の内部に形成されている。回収口17は、回収流路18、及び回収管21Pの流路21を介して、液体回収装置22と接続されている。液体回収装置22は、圧力調整装置を含み、流路21及び回収流路18の圧力を調整可能である。本実施形態において、液体回収装置22は、真空システムと流路21及び回収流路18とを接続し、流路21及び回収流路18を所定の負圧に調整可能である。液体回収装置22は、流路21及び回収流路18を負圧にして、液体LQを吸引して回収可能である。回収口17から回収された液体LQは、回収流路18、及び流路21を介して、液体回収装置22に回収される。
図3は、図2の一部を拡大した図である。本実施形態において、回収口17には、多孔部材31が配置されている。多孔部材31は、液体LQを回収するための回収流路18に面する第1面41と、第1面41と異なる方向を向く第2面42と、第1面41と第2面42とを結ぶ複数の孔45とを有する。
多孔部材31は、複数の小さい孔45が形成されたプレート状の部材である。多孔部材31は、プレート部材(基材)を加工して、複数の孔45を形成した部材であり、メッシュプレートとも呼ばれる。本実施形態において、多孔部材31は、チタンで形成されている。なお、多孔部材31が、ステンレスで形成されてもよい。
本実施形態において、第1面41は、回収流路18に面するように、上方向(+Z方向)を向いている。第2面42は、第1面41の逆方向(−Z方向、下方向)を向いている。なお、本実施形態において、上方向は、光軸AXと平行であって、露光光ELが進行する方向と逆方向である。下方向は、光軸AXと平行であって、露光光ELが進行する方向である。
本実施形態において、第1面41と第2面42とは、ほぼ平行である。本実施形態において、第1面41と第2面42とは、基板Pの表面(XY平面)とほぼ平行である。
なお、第1面41と第2面42とが、非平行でもよい。また、第1面41がXY平面に対して傾斜していてもよい。すなわち、第1面41の法線が、光軸AXと非平行でもよい。また、第2面42がXY平面に対して傾斜していてもよい。また、第1面41の少なくとも一部が曲面でもよいし、第2面42の少なくとも一部が曲面でもよい。
以下の説明において、第1面41を適宜、上面41、と称し、第2面42を適宜、下面42、と称する。
本実施形態において、多孔部材31の下面42は、平坦面14の周囲の少なくとも一部に配置されている。本実施形態において、下面42は、平坦面14を囲むように配置されている。本実施形態において、平坦面14と下面42とは同一面内に形成される。本実施形態において、液浸部材6の下面7は、平坦面14及び下面42を含む。
なお、下面42は、平坦面14の周囲の一部に配置されていてもよい。例えば、下面42が、光路に対してY軸方向両側の一部に配置されてもよいし、X軸方向両側の一部に配置されてもよい。また、下面42が、平坦面14の周囲において、任意の複数位置に設けられてもよい。
複数の孔45のそれぞれは、上面41と下面42との間に形成され、上面41と下面42とを貫通するように形成されている。本実施形態において、孔45は、上面41と下面42との間を、Z軸方向とほぼ平行に貫通する。液体LQは、孔45を流通可能である。上面41及び下面42の一方に配置された孔45の開口に流入した液体LQは、他方に配置された孔45の開口より流出可能である。
本実施形態において、下面42は、上面41、及び孔45の内面の少なくとも一方より、液体LQに対して撥液性である。本実施形態において、下面42は、上面41及び孔45の内面より、液体LQに対して撥液性である。液体LQに対する下面42の接触角は、例えば90度以上である。一方、液体LQに対する上面41の接触角、及び液体LQに対する孔45の内面の接触角は、90度より小さい。本実施形態において、上面41及び孔45の内面は液体LQに対して親液性である。
本実施形態において、下面42は、液体LQに対して撥液性の膜50の表面で形成されている。本実施形態において、膜50を形成する材料は、フッ素を含むフッ素系材料である。本実施形態において、膜50は、PFA(Tetra fluoro ethylene-perfluoro alkylvinyl ether copolymer)の膜である。なお、膜50が、PTFE(Poly tetra fluoro ethylene)、PEEK(polyetheretherketone)、テフロン(登録商標)等の膜でもよい。
上面41及び孔45の内面は、チタンの表面で形成されている。本実施形態において、液体LQに対する上面41の接触角と、液体LQに対する孔45の内面の接触角とは、ほぼ等しい。なお、液体LQに対する上面41の接触角と、液体LQに対する孔45の内面の接触角とが、異なってもよい。また、上面41、及び孔45の内面の少なくとも一方が、膜50とは異なる材料で形成された膜の表面を含んでもよい。
なお、多孔部材31を液体LQに対して撥液性の材料で形成し、上面41及び孔45の内面の少なくとも一方が、下面42よりも親液性の膜の表面を含んでもよい。
また、本実施形態においては、下面42は、平坦面14より液体LQに対して撥液性である。本実施形態において、液体LQに対する平坦面14の接触角は90°より小さい。本実施形態において、平坦面14は、液体LQに対して親液性である。本実施形態において、平坦面14は、チタンの表面で形成されている。本実施形態において、プレート部12は、チタンで形成されており、上面13及び平坦面14のそれぞれが、チタンの表面で形成されている。なお、平坦面14が、例えばステンレスの表面で形成されていてもよい。また、平坦面14が、膜50とは異なる材料で形成された膜の表面を含んでもよい。
図2に示すように、本実施形態においては、基板P上の液体LQを回収するとき、回収流路18が液体LQで満たされ、上面41は、回収流路18に存在する液体LQと接触する。また、本実施形態において、制御装置4は、液体回収装置22を制御して、回収流路18を所定の負圧に調整する。本実施形態においては、露光装置EXは、チャンバ装置(不図示)の内部空間に配置されており、チャンバ装置は、その内部空間をほぼ大気圧に調整する。したがって、本実施形態において、下面42と基板Pとの間の圧力は、ほぼ大気圧である。制御装置4は、回収流路18の圧力が、液浸部材6が配置されている内部空間の圧力(大気圧)より低くなるように調整する。
制御装置4は、液体回収装置22を作動して、回収流路18を負圧にして、上面41と下面42との間に圧力差を発生させることによって、下面42と対向する基板P上の液体LQの少なくとも一部を、多孔部材31を介して回収する。下面42と接触した基板P上の液体LQは、多孔部材31の孔45を介して、回収流路18に回収される。回収流路18に回収された液体LQは、流路21を介して、液体回収装置22に回収される。
本実施形態において、制御装置4は、多孔部材31を介して回収流路18に液体LQのみが吸引されるように、すなわち、多孔部材31を介して回収流路18に気体が流入しないように、液体回収装置22を制御して、回収流路18の圧力を調整する。制御装置4は、回収流路18に液体LQのみが吸引されるように、回収流路18の圧力を調整して、上面41と下面42との圧力差を調整する。
制御装置4は、液体LQ、及び多孔部材31に応じて、回収流路18の圧力を調整する。例えば、多孔部材31の孔45の径、液体LQに対する孔45の内面の接触角、及び液体LQの表面張力等に応じて、回収流路18の圧力を調整する。制御装置4は、液体LQ、及び多孔部材31に応じて、回収流路18の圧力を調整することによって、多孔部材31を介して、回収流路18に液体LQのみを流入させることができる。なお、多孔部材の一側と他側との圧力差を調整して、多孔部材の一側から他側へ液体LQのみを通過させる技術は、例えば米国特許第7292313号明細書、国際公開第2006/106907号パンフレット等に開示されている。
次に、上述の構成を有する露光装置EXを用いて基板Pを液浸露光する方法について説明する。
液浸空間LSを形成するために、制御装置4は、供給口15を用いて、終端光学素子5から射出される露光光ELの光路に液体LQを供給する。液体LQを供給するときには、制御装置4は、射出面9及び下面7と対向する位置に、基板P(基板ステージ2)等の物体を配置する。液体供給装置20から送出された液体LQは、流路19及び供給流路16を介して供給口15に供給される。供給口15は、射出面9と上面13との間の空間に液体LQを供給する。液体LQは、射出面9と上面13との間の空間を流れ、開口10を介して、液浸部材6の下面7と基板Pの表面との間の空間に流入し、その下面7と基板Pの表面との間に保持される。これにより、露光光ELを射出する終端光学素子5の射出面9と、その射出面9と対向する基板Pの表面との間の露光光ELの光路が液体LQで満たされるように液浸空間LSが形成される。
また、本実施形態においては、制御装置4は、供給口15による液体LQの供給動作と並行して、回収口17による液体LQの回収動作を実行することによって、液浸空間LSを形成する。回収口17に配置されている多孔部材31の下面42と接触した基板P上の液体LQの少なくとも一部は、多孔部材31の孔45を介して回収される。
液浸空間LSが形成された後、制御装置4は、基板Pの露光を開始する。制御装置4は、射出面9及び下面7と基板Pの表面との間に液体LQを保持して液浸空間LSを形成した状態で、終端光学素子5及び液浸部材6に対して、基板PをY軸方向に移動しつつ、投影光学系PLと基板P上の液体LQとを介して露光光ELを基板Pに照射する。これにより、マスクMのパターンの像が基板Pに投影され、基板Pは露光光ELで露光される。
本実施形態においては、基板Pの表面と対向する多孔部材31の下面42が液体LQに対して撥液性なので、その下面42の汚染が抑制される。
例えば、下面42が液体LQに対して親液性である場合、下面42が汚染される可能性が高くなる。なお、下面42が液体LQに対して親液性であることは、液体LQに対する下面42の接触角が90度より小さいことを含む。下面42が液体LQに対して親液性である場合、例えば基板Pの露光中に基板Pから放出され、汚染物(異物、パーティクル)として液浸空間LSの液体LQ中に混入した物質(例えば感光材等の有機物)、あるいは空中(液浸部材6が配置された空間)から液体LQ中に混入した汚染物が、その液体LQと接触した下面42に付着する可能性が高くなる。また、液体LQが下面42に残留しやすくなるため、下面42に残留した液体LQ中の異物が下面42に付着する可能性も高くなる。
本実施形態においては、下面42が液体LQに対して撥液性なので、下面42に汚染物が付着することが抑制される。すなわち、下面42は撥液性なので、液体LQと接触しても、その液体LQ中に存在する汚染物が下面42に付着することが抑制される。
また、下面42に汚染物が付着したとしても、その汚染物は、下面42に留まらずに、下面42から離れ、多孔部材31の孔45を介して回収される可能性が高い。したがって、下面42に汚染物が付着し続けたり、下面42において汚染物が凝集(成長)したりすることが抑制される。したがって、その汚染物が基板Pの表面に付着したり、基板ステージ2の上面2Tに付着したり、供給口15から供給された液体LQを汚染したり、露光光ELの光路上に移動したりすることが抑制される。
以上説明したように、本実施形態によれば、基板Pの表面と対向する多孔部材31の下面42が液体LQに対して撥液性なので、下面42の汚染を抑制することができる。そのため、基板Pの表面、あるいは基板ステージ2の上面2Tに汚染物(異物)が付着したり、供給された液体LQが汚染されたりすることを抑制することができる。したがって、露光不良の発生、及び不良デバイスの発生を抑制することができる。
また、液浸部材6の下面7に、液浸空間LSの液体LQとほぼ常に接触する第1領域と、液浸空間LSの液体LQと接触する状態と接触しない状態とを繰り返す第2領域と、液浸空間LSの液体LQとほとんど接触しない第3領域とが含まれる場合、第2領域及び第3領域の少なくとも一方は、第1領域より汚染されやすくなる可能性がある。本実施形態においては、第1領域が平坦面14に形成され、第2領域及び第3領域が下面42に形成される可能性が高いが、下面42が平坦面14より液体LQに対して撥液性なので、その下面42の汚染が抑制される。
また、本実施形態においては、孔45の内面及び上面41は、液体LQに対して親液性である。なお、孔45の内面及び上面41が液体LQに対して親液性であることは、液体LQに対する孔45の内面及び上面41の接触角が90度より小さいことを含む。孔45の内面及び上面41が液体LQに対して親液性なので、制御装置4は、回収流路18の圧力を調整して、多孔部材31を介して回収流路18に液体LQのみを円滑に吸引させることができる。
本実施形態によれば、孔45の内面は、液体LQに対して親液性であるが、孔45の内面が撥液性であってもよい。すなわち、孔45の内面が下面42よりも液体LQに対して撥液性、あるいは孔45の内面と下面42とが液体LQに対してほぼ同じ撥液性であってもよい。
また、多孔部材31を介して液体LQが気体とともに回収流路18に流入するようにしてもよい。この場合、上面41,下面42,及び孔45の内面のすべてが液体LQに対して撥液性であってもよい。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
次に、第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図4は、第2実施形態に係る液浸部材6Bの近傍を示す側断面図である。図4に示すように、回収口17には、多孔部材31Bが配置されている。多孔部材31Bは、液体LQを回収するための回収流路18に面する上面41Bと、上面41Bと異なる方向を向く下面42Bと、上面41Bと下面42Bとを結ぶ複数の孔45Bとを有する。多孔部材31Bは、チタンで形成されている。なお、多孔部材31Bが、ステンレスで形成されてもよい。
多孔部材31の下面42Bは、平坦面14の周囲の少なくとも一部に配置されている。本実施形態において、下面42Bは、平坦面14を囲むように配置されている。本実施形態において、平坦面14と下面42Bとは同一面内に形成される。本実施形態において、液浸部材6の下面7Bは、平坦面14及び下面42Bを含む。なお、下面42Bが、平坦面14の周囲の一部に配置されていてもよい。
孔45Bは、上面41Bと下面42Bとの間に形成され、上面41Bと下面42Bとを貫通するように形成されている。孔45Bは、上面41Bと下面42Bとの間を、Z軸方向とほぼ平行に貫通する。
本実施形態において、下面42Bの表面粗さは、上面41B及び多孔部材31Bの孔45Bの内面の少なくとも一方の表面粗さより小さい。本実施形態においては、下面42Bの表面粗さは、上面41B及び孔45Bの内面の表面粗さより小さい。
なお、下面42Bの表面粗さが、上面41Bの表面粗さより小さく、且つ、孔45Bの内面の表面粗さより大きくてもよい。また、下面42Bの表面粗さが、上面41Bの表面粗さより大きく、且つ、孔45Bの内面の表面粗さより小さくてもよい。
本実施形態において、下面42Bは、鏡面研磨されている。下面42Bと対向する基板P上の液体LQは、多孔部材31Bの孔45Bを介して回収される。
以上説明したように、本実施形態によれば、基板Pの表面と対向する多孔部材31Bの下面42Bの表面粗さが十分小さいので、下面42Bの汚染を抑制することができる。すなわち、下面42Bの表面粗さが十分に小さいので、その下面42Bに液体LQ中の汚染物(異物)が付着することが抑制される。また、下面42Bに汚染物が付着したとしても、その汚染物は、下面42Bに留まらずに、下面42Bから離れ、多孔部材31Bの孔45Bを介して回収される可能性が高い。そのため、下面42Bの汚染が抑制される。したがって、本実施形態においても、露光不良の発生、及び不良デバイスの発生を抑制することができる。
また、本実施形態においても、下面42Bを、上面41B及び孔45Bの内面の少なくとも一方より、液体LQに対して撥液性とすることができる。例えば、下面42Bを、上面41B及び孔45Bの内面より液体LQに対して撥液性にすることができる。例えば、下面42Bを撥液性の膜の表面で形成してもよいし、上面41B及び孔45Bの内面の少なくとも一方を、液体LQに対する接触角を調整するための膜の表面で形成してもよい。こうすることにより、より一層、下面42Bの汚染を抑制することができる。
また、本実施形態において、下面42Bを、平坦面14より液体LQに対して撥液性とすることができる。 また、本実施形態においても、多孔部材31を介して液体LQが気体とともに回収流路18に流入するようにしてもよい。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
次に、第3実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図5は、第3実施形態に係る液浸部材6Cの近傍を示す側断面図である。図5に示すように、本実施形態において、回収口17と回収流路18との間には第1多孔部材31Cが配置され、回収口17には、第2多孔部材32Cが配置されている。第1多孔部材31Cは、回収流路18に面する上面41Cと、上面41Cと異なる方向を向く下面42Cと、上面41Cと下面42Cとを結ぶ複数の孔45Cとを有する。第2多孔部材32Cは、第1多孔部材31Cの第2面42CとギャップGを介して対向する上面43Cと、上面43Cと異なる方向を向く下面44Cと、上面43Cと下面44Cとを結ぶ複数の孔46Cとを有する。
第1多孔部材31Cは、複数の小さい孔45Cが形成されたプレート状の部材である。第2多孔部材32Cは、複数の孔46Cが形成されたプレート状の部材である。本実施形態において、第1多孔部材31C及び第2多孔部材32Cは、チタンで形成されている。なお、第1多孔部材31C及び第2多孔部材32Cの少なくとも一方が、ステンレスで形成されてもよい。また第1多孔部材31Cと第2多孔部材32Cとが異なる材料で形成されていてもよい。
本実施形態において、上面41Cは、回収流路18に面するように、上方向(+Z方向)を向いている。下面42Cは、上面41Cの逆方向(−Z方向、下方向)を向いている。本実施形態において、上面41Cと下面42Cとは、ほぼ平行である。本実施形態において、上面41Cと下面42Cとは、基板Pの表面(XY平面)とほぼ平行である。
本実施形態において、上面43Cは、下面42Cと対向するように、上方向(+Z方向)を向いている。下面44Cは、上面43Cの逆方向(−Z方向、下方向)を向いている。本実施形態において、上面43Cと下面44Cとは、ほぼ平行である。本実施形態において、上面43Cと下面44Cとは、基板Pの表面(XY平面)とほぼ平行である。
なお、上面41Cと下面42Cとが、非平行でもよい。また、上面41CがXY平面に対して傾斜していてもよいし、下面42CがXY平面に対して傾斜していてもよい。また、上面41Cの少なくとも一部が曲面でもよいし、下面42Cの少なくとも一部が曲面でもよい。また、上面43Cと下面44Cとが、非平行でもよい。また、下面42Cと上面43Cとが、非平行でもよい。また、上面43CがXY平面に対して傾斜していてもよいし、下面44CがXY平面に対して傾斜していてもよい。また、上面43Cの少なくとも一部が曲面でもよいし、下面44Cの少なくとも一部が曲面でもよい。
本実施形態において、第2多孔部材32Cの下面44Cは、平坦面14の周囲の少なくとも一部に配置されている。本実施形態において、下面44Cは、平坦面14を囲むように配置されている。本実施形態において、平坦面14と下面44Cとは同一面内に形成される。本実施形態において、液浸部材6Cの下面7Cは、平坦面14及び下面44Cを含む。なお、下面44Cが、平坦面14の周囲の一部に配置されていてもよい。
孔45Cは、上面41Cと下面42Cとの間に形成され、上面41Cと下面42Cとを貫通するように形成されている。孔46Cは、上面43Cと下面44Cとの間に形成され、上面43Cと下面44Cとを貫通するように形成されている。
本実施形態において、下面44Cの表面粗さは、上面41C、下面42C、及び上面43Cの少なくとも一つの表面粗さより小さい。本実施形態においては、下面44Cの表面粗さは、上面41C、下面42C、及び上面43Cの表面粗さより小さい。
また、本実施形態において、下面44Cの表面粗さは、第1多孔部材31Cの孔45Cの内面、及び第2多孔部材32Cの孔46Cの内面の少なくとも一方の表面粗さより小さい。本実施形態においては、下面44Cの表面粗さは、孔45Cの内面及び孔46Cの内面の表面粗さより小さい。本実施形態においては、下面44Cの表面粗さは、上面41C、下面42C、上面43C、孔45Cの内面、及び孔46Cの内面の表面粗さより小さい。
本実施形態においては、下面44Cは、鏡面研磨されている。また、本実施形態においては、上面41C、下面42C、及び上面43Cは、鏡面研磨されていない。なお、上面41C、下面42C、及び上面43Cの少なくとも一つが鏡面研磨されてもよい。
また、本実施形態において、上面43Cと下面44Cとの距離D2は、上面41Cと下面42Cとの距離D1より大きい。上面41Cと下面42Cとの距離D1は、第1多孔部材31Cの厚みである。上面43Cと下面44Cとの距離D2は、第2多孔部材32Cの厚みである。すなわち、本実施形態においては、第2多孔部材32Cの厚みD2は、第1多孔部材31Cの厚みD1より、大きい(厚い)。
図6は、第1多孔部材31Cの一例を示す平面図、図7は、第2多孔部材32Cの一例を示す平面図である。図6及び図7に示すように、本実施形態において、第1多孔部材31Cの孔45Cの大きさ(径)は、第2多孔部材32Cの孔46Cの大きさ(径)より小さい。なお、複数の孔45Cのすべてが同じ大きさでなくてもよいし、複数の孔46Cのすべてが同じ大きさでなくてもよい。また、第1多孔部材31Cの孔45Cの径が、第2多孔部材32Cの孔46Cの径より小さいことは、第1多孔部材31Cの複数の孔45Cのすべてが、第2多孔部材32Cの複数の孔46Cのより小さいことに限られない。例えば、第1多孔部材31Cの複数の孔45Cの径の平均が、第2多孔部材32Cの複数の孔46Cの径の平均より小さい場合も含む。あるいは第1多孔部材31Cの複数の孔45Cの中の最も小さい孔の径が、第2多孔部材32Cの複数の孔46Cの中の最も小さい孔の径より小さい場合も含む。
また、本実施形態においては、下面42C(上面41C)における孔45Cの単位面積当たりの数は、下面44C(上面43C)における孔46Cの単位面積当たりの数より多い。
なお、本実施形態において、XY平面内における孔45C,46Cの形状は、円形である。なお、XY平面内における孔45C,46Cの形状が、円形以外の形状、例えば5角形、6角形等の多角形でもよい。また、孔45Cの形状と、孔46Cの形状とが異なってもよい。
本実施形態においては、基板P上の液体LQを回収するとき、回収流路18が液体LQで満たされ、上面41Cは、回収流路18に存在する液体LQと接触する。また、本実施形態において、制御装置4は、液体回収装置22を制御して、回収流路18を所定の負圧に調整する。本実施形態においては、露光装置EXは、チャンバ装置(不図示)の内部空間に配置されており、チャンバ装置は、その内部空間をほぼ大気圧に調整する。したがって、本実施形態において、下面44Cと基板Pとの間の圧力は、ほぼ大気圧である。制御装置4は、回収流路18の圧力が、内部空間の圧力(大気圧)より低くなるように調整する。
制御装置4は、液体回収装置22を作動して、回収流路18を負圧にして、上面41Cと下面42Cとの間に圧力差を発生させることによって、すなわち上面41Cと下面44Cとの間に圧力差を発生させることによって、下面44Cと対向する基板P上の液体LQの少なくとも一部を、第1多孔部材31C及び第2多孔部材32Cを介して回収する。すなわち、制御装置4は、上面41Cと下面42Cとの間に圧力差を発生させて、下面44Cと接触した液体LQを、孔46Cを介して、第1多孔部材31Cと第2多孔部材32Cとの間の空間に流入させることができる。第1多孔部材31Cと第2多孔部材32Cとの間において下面42Cに接触した液体LQは、第1多孔部材31Cの孔45Cを介して、回収流路18に流入する。なお、第1多孔部材31Cと第2多孔部材32Cとの間は、液体LQで満たされていてもよいし、液体LQで形成される液体空間と気体空間とが混在していてもよい。
このように、本実施形態においては、下面44Cと対向する基板P上の液体LQは、第2多孔部材32Cの孔46Cを介して、第1多孔部材31Cと第2多孔部材32Cとの間の空間に流入する。第1多孔部材31Cと第2多孔部材32Cとの間の空間に流入し、下面42Cに接触した液体LQは、第1多孔部材31Cの孔45Cを介して、回収流路18に回収される。回収流路18に回収された液体LQは、流路21を介して、液体回収装置22に回収される。
本実施形態において、制御装置4は、第1多孔部材31Cを介して回収流路18に液体LQのみが吸引されるように、液体回収装置22を制御して、回収流路18の圧力を調整する。
制御装置4は、液体LQ、及び第1多孔部材31Cに応じて、回収流路18の圧力を調整する。例えば、制御装置4は、第1多孔部材31Cの孔45Cの径、液体LQに対する孔45Cの内面の接触角、及び液体LQの表面張力等に応じて、回収流路18の圧力を調整することによって、第1多孔部材31Cを介して、回収流路18に液体LQのみを流入させることができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、回収流路18に面する第1多孔部材31Cの汚染を抑制しつつ、物体(基板P)上の液体LQを、第2多孔部材32Cの孔46C、及び第1多孔部材31Cの孔45Cを介して、回収することができる。本実施形態においては、第1多孔部材31が、液浸部材6の下面7よりも物体(基板P)の表面から離れているので、例えば基板Pから発生した物質が、第1多孔部材31Cに付着することが抑制される。さらに、第1多孔部材31Cと物体(基板P)の表面との間には、第2多孔部材32Cが配置されているので、例えば基板Pから発生した物質が、第1多孔部材31Cの下面42Cに付着することが抑制される。したがって、第1多孔部材31Cの汚染によって、物体(基板P)が汚染されたり、液浸空間LSを形成する液体LQが汚染されたりするのを抑制できる。
また、本実施形態においては、第2多孔部材32Cの孔46Cは、第1多孔部材31Cの孔45Cよりも大きく、第2多孔部材32Cの下面44Cの表面粗さが十分に小さいので、第2多孔部材32Cの汚染(異物の付着)が抑制される。したがって、第2多孔部材32Cの汚染によって、第2多孔部材32Cと対向する物体(基板P)が汚染されたり、液浸空間LSの液体LQが汚染されたりすることも抑制される。
本実施形態においては、第1多孔部材31Cを介して回収流路18に液体LQのみが流入するように、第1多孔部材31Cの孔45Cの大きさ、配置、数、及び液体LQに対する孔45Cの内面の撥液性等が決められている。したがって、その第1多孔部材31Cの汚染が抑制されることによって、第1多孔部材31Cの液体回収性能が維持される。また、第2多孔部材32Cは、容易にメンテナンス可能(クリーニング可能、交換可能)な位置に配置されているので、第2多孔部材32Cが汚染された場合には、その第2多孔部材32Cを円滑にメンテナンスすることができる。
また、本実施形態においては、第1多孔部材31Cの厚みD1は、第2多孔部材32Cの厚みD2より薄い。これにより、孔45Cを形成するための処理(加工)を円滑に実行することができる。すなわち、第1多孔部材31Cの基材となるプレート部材の厚みが薄い場合、厚い場合に比べて、そのプレート部材に小さい孔45Cを多数形成する処理を円滑に実行することができる。
また、第1多孔部材31Cの孔45Cの大きさ(寸法、サイズ)を小さくすることができるので、制御装置4は、回収流路18の圧力を調整して、第1多孔部材31を介して、回収流路18に液体LQのみを円滑に吸引させることができる。すなわち、第1多孔部材31Cの孔45Cの大きさが大きい場合、回収流路18に液体LQのみを吸引させることが困難になる可能性がある。本実施形態によれば、第1多孔部材31Cの基材となる薄いプレート部材に小さい孔45Cを円滑に形成することができ、その小さい第1多孔部材31Cの孔45Cを介して、回収流路18に液体LQのみを円滑に吸引させることができる。また、下面42Cにおける孔45Cの単位面積の数を多くすることによって、第2多孔部材32Cの孔46Cを介して第1多孔部材31Cと第2多孔部材32Cとの間の空間に流入した液体LQを、第1多孔部材31Cの孔45Cを介して回収流路18に円滑に流入させることができる。
また、本実施形態においては、第2多孔部材32Cの厚みD2は、第1多孔部材31Cの厚みD1より厚い。これにより、下面44Cの表面粗さを小さくするための処理(加工)を円滑に実行することができる。すなわち、下面44Cを鏡面研磨する場合、第2多孔部材32Cの厚みD2が薄いと、鏡面研磨を円滑に実行することが困難となる可能性がある。本実施形態によれば、第2多孔部材32Cの厚みD2は、少なくとも第1多孔部材31Cの厚みD1より大きい(厚い)ので、第2多孔部材32Cを円滑に鏡面研磨することができる。
上述のように本実施形態においては、第1多孔部材31Cの孔45Cは比較的小さく、汚染されやすい構造であるが、第1多孔部材31Cと物体(基板P)との間には、第1多孔部材31Cよりも汚染されにくい構造である第2多孔部材32Cを配置しているので、第1多孔部材31Cによって、物体(基板P)が汚染されたり、液浸空間LSを形成する液体LQが汚染されたりするのを抑制できる。また、第2多孔部材32Cの汚染によって、第2多孔部材32Cと対向する物体(基板P)が汚染されたり、液浸空間LSを形成する液体LQが汚染されたりすることも抑制できる。また、第1多孔部材31Cは物体(基板P)から離れて配置されているが、汚染されにくい第2多孔部材32Cの下面44Cが物体(基板P)の表面と近接するように配置されているので、下面44Cと物体(基板P)との間で液体LQ(液浸空間LSの界面LG)の動きを抑えられるので、液浸部材6Cの下面7Cと物体(基板P)の表面との間からの液体LQの漏れ出しを抑制できる。また、本実施形態においては、下面44Cと平坦面14とが面一なので、液浸部材6Cの下面7C(例えば、下面44Cと平坦面14との境界部分)に汚染物(異物)が付着するのも防止できる。もちろん、下面44Cと平坦面14とが同一面内に形成されていなくてもよい。
なお、本実施形態においても、下面44Cを、上面41C、下面42C、及び上面43Cの少なくとも一つより、液体LQに対して撥液性とすることができる。例えば、下面44Cを、上面41C、下面42C、及び上面43Cより、液体LQに対して撥液性とすることができる。
また、本実施形態において、下面44Cを、第1多孔部材31Cの孔45Cの内面、及び第2多孔部材32Cの孔46Cの内面の少なくとも一方より、液体LQに対して撥液性とすることができる。例えば、下面44Cを、孔45Cの内面、及び孔46Cの内面より、液体LQに対して撥液性とすることができる。
また、本実施形態において、下面44Cを、平坦面14より、液体LQに対して撥液性とすることができる。
下面44Cを、液体LQに対して撥液性にすることによって、より一層、下面44Cの汚染を抑制することができる。
なお、下面44Cを、撥液性の膜の表面で形成することによって、下面44Cを撥液性にしてもよいし、上面41C、下面42C、上面43C、孔45Cの内面、及び孔46Cの内面の少なくとも一つを、液体LQに対する接触角を調整するための膜の表面で形成してもよい。
なお、本実施形態において、第1多孔部材31Cを介して液体LQが気体とともに回収流路18に流入するようにしてもよい。
また、本実施形態において、第1多孔部材31Cと第2多孔部材32Cとが同じ構造であってもよい。すなわち、孔の大きさ、孔の配置、厚みの少なくとも1つが、第1多孔部材31Cと第2多孔部材32Cとで同じであってもよい。
なお、上述の第1,第2,及び第3実施形態において、多孔部材(31,31B,31C,32C)としては、メッシュプレートに限られず、複数の孔が形成された部材を複数組み合わせて、網目状又はハニカム状に多数の小さい孔が形成された多孔部材であるメッシュフィルタでもよい。また、多孔部材(31,31B,31C,32C)として、多数の孔(pore)が形成された焼結部材(例えば、焼結金属)、発泡部材(例えば、発泡金属)等を用いてもよい。
また、上述の各実施形態において、射出面9の周囲の少なくとも一部に平坦面14を配置し、平坦面14の周囲の少なくとも一部に多孔部材(31、31B、31C、32C)を配置してもよい。この場合、平坦面14が射出面9と同じ高さ、あるいは射出面9よりも上方(+Z側)に配置されてもよい。
また、上述の第1、第2,及び第3実施形態において、液浸部材(6,6B,6C)として、国際公開第2008/143357号に開示されている液浸部材を用いることもできる。
なお、上述の各実施形態において、投影光学系PLは、終端光学素子5の射出側(像面側)の光路を液体LQで満たしているが、国際公開第2004/019128号パンフレットに開示されているように、終端光学素子5の入射側(物体面側)の光路も液体LQで満たす投影光学系を採用することもできる。
なお、上述の実施形態の液体LQは水であるが、水以外の液体であってもよい。液体LQとしては、露光光ELに対する透過性があってできるだけ屈折率が高く、投影光学系、あるいは基板の表面を形成する感光材(フォトレジスト)の膜に対して安定なものが好ましい。例えば、液体LQとして、ハイドロフロロエーテル(HFE)、過フッ化ポリエーテル(PFPE)、フォンブリンオイル、セダー油等を用いることも可能である。また、液体LQとして、屈折率が1.6〜1.8程度のものを使用してもよい。また、液体LQとして、種々の流体、例えば、超臨界流体を用いることも可能である。
なお、上述の各実施形態の基板Pとしては、半導体デバイス製造用の半導体ウエハのみならず、ディスプレイデバイス用のガラス基板、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等が適用される。
露光装置EXとしては、マスクMと基板Pとを同期移動してマスクMのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニングステッパ)の他に、マスクMと基板Pとを静止した状態でマスクMのパターンを一括露光し、基板Pを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパ)にも適用することができる。
さらに、ステップ・アンド・リピート方式の露光において、第1パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で、投影光学系を用いて第1パターンの縮小像を基板P上に転写した後、第2パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で、投影光学系を用いて第2パターンの縮小像を第1パターンと部分的に重ねて基板P上に一括露光してもよい(スティッチ方式の一括露光装置)。また、スティッチ方式の露光装置としては、基板P上で少なくとも2つのパターンを部分的に重ねて転写し、基板Pを順次移動させるステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置にも適用できる。
また、例えば米国特許第6611316号明細書に開示されているように、2つのマスクのパターンを、投影光学系を介して基板上で合成し、1回の走査露光によって基板上の1つのショット領域をほぼ同時に二重露光する露光装置などにも本発明を適用することができる。また、プロキシミティ方式の露光装置、ミラープロジェクション・アライナーなどにも本発明を適用することができる。
また、本発明は、米国特許第6341007号明細書、米国特許第6400441号明細書、米国特許第6549269号明細書、米国特許第6590634号明細書、米国特許第6208407号明細書、米国特許第6262796号明細書等に開示されているような複数の基板ステージを備えたツインステージ型の露光装置にも適用できる。
更に、例えば対応米国特許第6897963号明細書等に開示されているように、基板を保持する基板ステージと基準マークが形成された基準部材及び/又は各種の光電センサを搭載した計測ステージとを備えた露光装置にも本発明を適用することができる。また、複数の基板ステージと計測ステージとを備えた露光装置にも適用することができる。計測ステージが終端光学素子の射出面及び液浸部材の下面と対向する位置に配置されることによって、終端光学素子及び液浸部材は、計測ステージとの間で液浸空間を形成することができる。
露光装置EXの種類としては、基板Pに半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光装置に限られず、液晶表示素子製造用又はディスプレイ製造用の露光装置や、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)、マイクロマシン、MEMS、DNAチップ、あるいはレチクル又はマスクなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
なお、上述の各実施形態においては、レーザ干渉計3A、3Bを含む干渉計システム3を用いてマスクステージ1及び基板ステージ2の各位置情報を計測するものとしたが、これに限らず、例えば各ステージ1、2に設けられるスケール(回折格子)を検出するエンコーダシステムを用いてもよい。この場合、干渉計システムとエンコーダシステムとの両方を備えるハイブリッドシステムとしてもよい。
また、上述の各実施形態では、露光光ELとしてArFエキシマレーザ光を発生する光源装置として、ArFエキシマレーザを用いてもよいが、例えば、米国特許第7023610号明細書に開示されているように、DFB半導体レーザ又はファイバーレーザなどの固体レーザ光源、ファイバーアンプなどを有する光増幅部、及び波長変換部などを含み、波長193nmのパルス光を出力する高調波発生装置を用いてもよい。さらに、上記実施形態では、前述の各照明領域と、投影領域がそれぞれ矩形状であるものとしたが、他の形状、例えば円弧状などでもよい。
なお、上述の各実施形態においては、光透過性の基板上に所定の遮光パターン(又は位相パターン・減光パターン)を形成した光透過型マスクを用いたが、このマスクに代えて、例えば米国特許第6778257号明細書に開示されているように、露光すべきパターンの電子データに基づいて透過パターン又は反射パターン、あるいは発光パターンを形成する可変成形マスク(電子マスク、アクティブマスク、あるいはイメージジェネレータとも呼ばれる)を用いてもよい。可変成形マスクは、例えば非発光型画像表示素子(空間光変調器)の一種であるDMD(Digital Micro-mirror Device)等を含む。また、非発光型画像表示素子を備える可変成形マスクに代えて、自発光型画像表示素子を含むパターン形成装置を備えるようにしても良い。自発光型画像表示素子としては、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)、無機ELディスプレイ、有機ELディスプレイ(OLED:Organic Light Emitting Diode)、LEDディスプレイ、LDディスプレイ、電界放出ディスプレイ(FED:Field Emission Display)、プラズマディスプレイ(PDP:Plasma Display Panel)等が挙げられる。
上述の各実施形態においては、投影光学系PLを備えた露光装置を例に挙げて説明してきたが、投影光学系PLを用いない露光装置及び露光方法に本発明を適用することができる。このように投影光学系PLを用いない場合であっても、露光光はレンズ等の光学部材を介して基板に照射され、そのような光学部材と基板との間の所定空間に液浸空間が形成される。
また、例えば国際公開第2001/035168号パンフレットに開示されているように、干渉縞を基板P上に形成することによって、基板P上にライン・アンド・スペースパターンを露光する露光装置(リソグラフィシステム)にも本発明を適用することができる。
以上のように、本願実施形態の露光装置EXは、本願請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
半導体デバイス等のマイクロデバイスは、図8に示すように、マイクロデバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板を製造するステップ203、上述の実施形態に従って、マスクのパターンを用いて露光光で基板を露光すること、及び露光された基板を現像することを含む基板処理(露光処理)を含む基板処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程などの加工プロセスを含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
なお、上述の各実施形態の要件は、適宜組み合わせることができる。また、法令で許容される限りにおいて、上述の各実施形態及び変形例で引用した露光装置などに関する全ての公開公報及び米国特許の開示を援用して本文の記載の一部とする。
2…基板ステージ、4…制御装置、6…液浸部材、17…回収口、18…回収流路、22…液体回収装置、31…多孔部材、31B…多孔部材、31C…第1多孔部材、32C…第2多孔部材、41…上面、41B…上面、41C…上面、42…下面、42B…下面、42C…下面、43C…上面、44C…下面、45…孔、45B…孔、45C…孔、46C…孔、EL…露光光、EX…露光装置、LQ…液体、LS…液浸空間、P…基板
Claims (26)
- 液体を介して露光光で基板を露光する液浸露光に用いられる液体回収システムであって、
液体を回収するための回収流路と、
前記回収流路に面する第1面、前記第1面と異なる方向を向く第2面、及び前記第1面と前記第2面とを結ぶ複数の孔を有する第1多孔部材と、
前記第2面と所定のギャップを介して対向する第3面、前記第3面と異なる方向を向く第4面、及び前記第3面と前記第4面とを結ぶ複数の孔を有する第2多孔部材と、を備え、
前記第1多孔部材及び前記第2多孔部材を介して、前記第4面と対向する物体上の液体を回収する液体回収システム。 - 前記第4面の表面粗さは、前記第1面、前記第2面、及び前記第3面の少なくとも一つの表面粗さより小さい請求項1記載の液体回収システム。
- 前記第4面の表面粗さは、前記第1多孔部材の孔の内面、及び前記第2多孔部材の孔の内面の少なくとも一方の表面粗さより小さい請求項1又は2記載の液体回収システム。
- 前記第4面は、鏡面研磨されている請求項1〜3のいずれか一項記載の液体回収システム。
- 前記第3面と前記第4面との距離は、前記第1面と前記第2面との距離より大きい請求項1〜4のいずれか一項記載の液体回収システム。
- 前記第1多孔部材の孔の大きさは、前記第2多孔部材の孔の大きさより小さい請求項1〜5のいずれか一項記載の液体回収システム。
- 前記第2面における前記孔の単位面積当たりの数は、前記第4面における前記孔の単位面積当たりの数より多い請求項6記載の液体回収システム。
- 前記第4面は、前記第1面、前記第2面、及び前記第3面の少なくとも一つより前記液体に対して撥液性である請求項1〜7のいずれか一項記載の液体回収システム。
- 前記第4面は、前記第1多孔部材の孔の内面、及び前記第2多孔部材の孔の内面の少なくとも一方より前記液体に対して撥液性である請求項1〜8のいずれか一項記載の液体回収システム。
- 前記第4面は、前記露光光の光路の周囲に配置され、前記露光光が照射可能な位置に配置された物体の表面との間で液体を保持可能な平坦面の周囲の少なくとも一部に配置される請求項1〜9のいずれか一項記載の液体回収システム。
- 前記第4面は、前記平坦面より前記液体に対して撥液性である請求項10記載の液体回収システム。
- 液体を介して露光光で基板を露光する液浸露光に用いられる液体回収システムであって、
液体を回収するための回収流路と、
前記回収流路に面する第1面、前記第1面と異なる方向を向く第2面、及び前記第1面と前記第2面とを結ぶ複数の孔を有する多孔部材と、を備え、
前記第2面の表面粗さは、前記第1面,及び前記孔の内面の少なくとも一方の表面粗さより小さく、
前記多孔部材を介して、前記第2面と対向する物体上の液体を回収する液体回収システム。 - 前記第2面は、鏡面研磨されている請求項12記載の液体回収システム。
- 前記第2面は、前記露光光の光路の周囲に配置され、前記露光光が照射可能な位置に配置された物体の表面との間で液体を保持可能な平坦面の周囲の少なくとも一部に配置される請求項13記載の液体回収システム。
- 前記第2面は、前記平坦面より前記液体に対して撥液性である請求項14記載の液体回収システム。
- 前記第2面は、前記第1面、及び前記多孔部材の孔の内面の少なくとも一方より前記液体に対して撥液性である請求項12〜15のいずれか一項記載の液体回収システム。
- 液体を介して露光光で基板を露光する液浸露光に用いられる液体回収システムであって、
液体を回収するための回収流路と、
前記回収流路に面する第1面、前記第1面と異なる方向を向く第2面、及び前記第1面と前記第2面とを結ぶ複数の孔を有する多孔部材と、を備え、
前記第2面は、前記第1面、及び前記多孔部材の孔の内面の少なくとも一方より前記液体に対して撥液性であり、
前記多孔部材を介して、前記第2面と対向する物体上の液体を回収する液体回収システム。 - 前記第2面は、前記露光光の光路の周囲に配置され、前記露光光が照射可能な位置に配置された物体の表面との間で液体を保持可能な平坦面の周囲の少なくとも一部に配置される請求項17記載の液体回収システム。
- 前記第2面は、前記平坦面より前記液体に対して撥液性である請求項18記載の液体回収システム。
- 液体を介して露光光で基板を露光する液浸露光に用いられる液体回収システムであって、
液体を回収するための回収流路と、
前記回収流路に面する第1面、前記第1面と異なる方向を向く第2面、及び前記第1面と前記第2面とを結ぶ複数の孔を有する多孔部材と、を備え、
前記第2面は、前記露光光の光路の周囲に配置され、前記露光光が照射可能な位置に配置された物体の表面との間で液体を保持可能な平坦面の周囲の少なくとも一部に配置され、
前記第2面は、前記平坦面より前記液体に対して撥液性であり、
前記多孔部材を介して、前記第2面と対向する物体上の液体を回収する液体回収システム。 - 前記回収流路の圧力を調整する圧力調整装置を備え、
前記圧力調整装置は、前記回収流路に液体のみが吸引されるように前記回収流路の圧力を調整する請求項1〜20のいずれか一項記載の液体回収システム。 - 前記物体は、前記基板を含む請求項1〜21のいずれか一項記載の液体回収システム。
- 液体を介して露光光で基板を露光する露光装置であって、
請求項1〜22のいずれか一項記載の液体回収システムを備える露光装置。 - 請求項23記載の露光装置を用いて基板を露光することと、
露光された前記基板を現像することと、を含むデバイス製造方法。 - 液体を介して露光光で基板を露光する露光方法であって、
前記露光光を射出する光学部材の射出面と、前記射出面と対向する前記基板との間の光路を液体で満たすことと、
前記光学部材と前記液体とを介して前記基板に前記露光光を照射することと、
請求項1〜22のいずれか一項記載の液体回収システムを用いて、前記基板上の液体を回収することと、を含む露光方法。 - 請求項25記載の露光方法を用いて基板を露光することと、
露光された前記基板を現像することと、を含むデバイス製造方法。
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