JP2010251339A - 二次電池および二次電池用負極 - Google Patents

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Abstract

【課題】高容量かつサイクルを経ても電池内部の抵抗上昇や容量減少が抑制された二次電池の負極およびそれを用いた二次電池を提供する。
【解決手段】集電体1a上にLiを吸蔵・放出する部材からなる第一活物質層2aを形成し、さらにその上に、リチウムと合金を形成する金属またはリチウムと、リチウムと合金を形成しない金属とを含む合金層である第二活物質層3aを形成する。上記の負極を用いて二次電池を構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、二次電池および二次電池用負極に関するものである。
携帯電話やノートパソコン等のモバイル端末の普及により、その電力源となる電池の役割が重要視されている。これら電池には小型・軽量でかつ高容量であり、充放電を繰り返しても、劣化しにくい性能が求められる。
高エネルギー密度でかつ軽量という観点から負極に金属リチウムを用いられることもあるが、この場合充放電サイクルの進行にともない、リチウム表面に針状結晶(デンドライト)が析出したり、このデンドライトが集電体から剥がれる現象が起きる。この結果デンドライトがセパレータを貫通し、内部で短絡を起こし、電池の寿命を短くしたり、サイクル特性が劣化するという課題があった。
そこで実用電池には上記のような問題のない炭素材料が使用されている。このうちで代表的なものには、黒鉛系の炭素材料があるが、この材料が吸蔵可能なリチウムイオン量は黒鉛の層間に挿入可能な量によって制限されており、その比容量である372mAh/g以上とすることは困難である。そこで黒鉛よりもリチウムイオンを吸蔵でき比容量の大きい酸化物を用いる方法が開発されている。
例えば特許文献1には溶融した酸化物粒子中に金属微粒子を添加・分散させることにより電子伝導性を上げ、リチウムイオン吸蔵サイトを有効に使用する方法が提案されている。
また、特許文献2では、AgやSnのようなリチウムと合金を形成する金属と、Cuのようなリチウムと合金を形成しない金属とを含む2種以上の金属等を担持した炭素粒子を結着剤により上記粒子の集合体とし、この集合体を負極活物質として用いた負極が提案されている。
特開2000−12036号公報 特開平10−334889号公報
しかしながら、上記従来技術では、充分な容量を得ることは困難である。
たとえば特許文献2記載の技術のように複数種の金属を炭素粒子に担持した構成の負極では、その初回放電容量が、使用した材料から期待される容量よりも低くなる上、充放電サイクルを経ると容量が顕著に減少することがあった。以下、これらの点について説明する。
上記初回放電容量の低下は、初回の充放電過程において、粒子同士の結着部分が剥離し、電極活物質層が損傷することによるものと考えられる。Snのようなリチウム吸蔵量の多い材料は大きな充放電容量を有する反面、充放電に伴う体積変化が大きい。このため、このような材料を担持させた炭素粒子を結着させて負極を構成した場合、初回の充放電過程において、粒子間の結着部分の一部が破損し、内部抵抗の上昇および容量減少が発生するものと考えられる。
一方、充放電サイクルを経たときの容量の減少は、上記体積変化にともなう粒子間結着部の破損のみならず、負極中に発生する微視的な電界不均一によっても引き起こされるものと推察される。炭素粒子中に金属粒子等を混合する場合、通常、その粉体特性の違い等により分布の不均一が生じる。炭素粒子と金属粒子は、それぞれ異なる抵抗率や比容量を有することから、充放電過程において、電界分布の微視的不均一性が発生する。したがって、充放電の際の体積変化が局在化するため、負極の構造が破壊されていき、容量減少が発生することになる。
そこで、上記従来技術の有する課題に鑑み、本発明では、高容量かつサイクルを経ても電池内部の抵抗上昇や容量減少が抑制された二次電池用負極およびそれを用いた二次電池を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明によれば、リチウムイオンを吸蔵および放出することのできる二次電池用負極であって、リチウムと合金を形成する金属またはリチウムと、リチウムと合金を形成しない金属とを含む、合金または複合酸化物からなる層を備えたことを特徴とする二次電池用負極が提供される。
また本発明によれば、リチウムイオンを吸蔵および放出することのできる二次電池用負極であって、リチウムと合金を形成する金属と、リチウムと合金を形成しない金属とを含む、合金または複合酸化物からなる層を備えたことを特徴とする二次電池用負極が提供される。
また本発明によれば、上記の二次電池用負極において、上記リチウムと合金を形成する金属が、Si、Ge、Sn、Al、Pb、Pd、Ag、InおよびCdからなる群から選択される少なくとも一種の金属を含むことを特徴とする二次電池用負極が提供される。
さらに本発明によれば、上記の二次電池用負極において、上記リチウムと合金を形成しない金属が、Cu、Fe、B、Ni、Ti、Ta、W、CrおよびCoからなる群から選択される少なくとも一種の金属を含むことを特徴とする二次電池用負極が提供される。
また本発明によれば、上記の二次電池用負極において、さらに、リチウム吸蔵材料からなる層を備えたことを特徴とする二次電池用負極が提供される。
また本発明によれば、上記の二次電池用負極において、上記リチウム吸蔵材料からなる層は、炭素を主成分とする層であることを特徴とする二次電池用負極が提供される。
また本発明によれば、上記の二次電池用負極において、上記合金または複合酸化物からなる層が、スパッタリング法、CVD法、蒸着法またはメッキ法によって形成された層であることを特徴とする二次電池用負極が提供される。
また本発明によれば、上記の二次電池用負極において、上記合金または複合酸化物からなる層がアモルファス構造を有することを特徴とする二次電池用負極が提供される。
また本発明によれば、上記の二次電池用負極において、さらに、リチウム金属層を備えたことを特徴とする二次電池用負極が提供される。
さらに本発明によれば、上記の二次電池用負極と、リチウムイオンを吸蔵および放出することのできる正極と、上記負極および上記正極との間に配置された電解質と、を具備することを特徴とする二次電池が提供される。
本発明に係る負極は、リチウムと合金を形成する金属またはリチウムと、リチウムと合金を形成しない金属とを含む合金からなる合金または複合酸化物からなる層を備えている。この層は、前記従来技術のような結着剤により結着された粒子の集合体とは異なるものであり、リチウムと合金を形成する金属またはリチウムと、リチウムと合金を形成しない金属とを含む合金が膜状の形態で成膜されたものである。なお、本発明において、リチウムと合金を形成する金属とは、対リチウム電極において、リチウムを吸蔵・放出する際に対リチウム電極電位0〜2.5Vでプラトーを形成するものをいう。一方、リチウムと合金を形成しない金属とは、リチウムを吸蔵・放出する際に対リチウム電極電位0〜2.5Vでプラトーを形成しないものをいう。
本発明は、合金または複合酸化物からなる層を膜状としているため、以下の作用効果を奏する。
第一に、合金または複合酸化物からなる層を構成する物質同士の結合を強固とすることができるので、充放電にともなう体積変化による層構造の破壊が生じにくい。その結果、初回充電時における内部抵抗の上昇が抑制され、初回放電容量の減少を抑制することができる。さらにサイクルを経た場合にも、上記合金層の破壊抑制作用は維持されるため、電池内部の抵抗上昇、容量減少の発生を抑制することができる。
第二に、合金または複合酸化物からなる層において、リチウムと合金を形成する金属またはリチウムが比較的均一に分布するため、充放電にともなう体積変化による応力が局所的に生じることを抑制することができ、この結果、負極活物質層の構造の破壊を抑え、サイクルを経ても電池内部の抵抗上昇、容量減少の発生を抑制することができる。
また、リチウムと合金を形成する金属またはリチウムと、リチウムと合金を形成しない金属とを含む合金または複合酸化物からなる層を採用するため、以下の作用効果を奏する。
第一に、リチウムと合金を形成しない金属は充放電の際に体積変化が生じないため、全体としての体積変化を抑えることができる。
第二に、放電の際にはリチウムと合金を形成しない金属が負極活物質層の構造を支える楔の役割を果たすため、体積収縮を起こしても構造の破壊が抑えられる。
本発明においては、これらの相乗作用により、合金または複合酸化物からなる層の構造の破壊を効果的に防止することが可能となる。その結果、サイクルを経ても電池内部の抵抗上昇、容量減少の発生を抑制することができる。
さらに、リチウム吸蔵材料からなる層、たとえば炭素を主成分とする層を、さらに備えた構成とした場合、負極を構成するそれぞれの層の充電・放電電位が異なることから、充放電が段階的に行われ、負極活物質層の膨張収縮をより一層抑制することが可能となる。
本発明によれば、リチウムと合金を形成する金属またはリチウムと、リチウムと合金を形成しない金属とを含む合金からなる合金層を負極に具備することにより、負極の構造の破壊を抑制することができる。その結果、高容量でかつサイクルを経ても電池内部の抵抗上昇や容量減少が抑制された二次電池の負極およびそれを用いた二次電池を提供することができる。
第一の実施の形態を示す二次電池の負極断面図である。 第一の実施の形態を示す二次電池の負極断面図である。 第一の実施の形態を示す二次電池の負極を使った電池の模式図である。 比較例1に係る二次電池の負極断面図である。 第二の実施の形態を示す二次電池の負極断面図である。 第二の実施の形態を示す二次電池の負極を使った電池の模式図である。 本発明の実施例5・6・7のサイクル特性と比較例1のサイクル特性を示したグラフである。 第三の実施の形態を示す二次電池の負極断面図である。 第三の実施の形態を示す二次電池の負極を使った電池の模式図である。 第四の実施の形態を示す二次電池の負極断面図である。 第四の実施の形態を示す二次電池の負極を使った電池の模式図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態について説明する。
(第一の実施の形態)
本発明の第一の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の第一の実施の形態を示す二次電池の負極断面図である。
集電体1aは充放電の際に電流を電池の外部に取り出したり、外部から電池内に電流を取り込む電極である。この集電体1aは導電性の金属箔であれば種々のものが使用でき、アルミニウム、銅、ステンレス、金、タングステン、モリブデン、チタンが例示される。
第一活物質層2aは充放電の際、Liを吸蔵・放出する負極部材である。この第一活物質層2aは、リチウム合金、リチウム吸蔵金属、リチウム吸蔵合金、金属酸化物、黒鉛、ハードカーボン、ソフトカーボン、フラーレン、カーボンナノチューブ、あるいはこれら複数の混合物、またはこれら複数から構成されるものが例示される。第一活物質層2aの厚さは5〜200μm程度であることが望ましい。
第二活物質層3aはLiを吸蔵・放出可能な膜であり、リチウムと合金を形成する金属またはリチウムと、リチウムと合金を形成しない金属とを含む合金材料あるいは複合酸化物で構成される。なお、第二活物質層3aは、酸素等を含む構造であってもよく、また、合金中にリチウムを含んでもよい。ここで、リチウムと合金を形成しない金属としてはCu、Fe、B、Ni、Ti、Ta、W、Cr、Co等が挙げられる。また、リチウムと合金を形成する金属としてはSi、Ge、Sn、Al、Pb、Pd、Ag、In、Cd等が挙げられる。また合金材料あるいは複合酸化物の例としてはSi−Cu合金、Si−Fe合金、Sn−Co合金、Li−Ti−O酸化物、Na−Si―B−O酸化物が挙げられる。ここで、リチウムと合金を形成する金属またはリチウムと、リチウムと合金を形成しない金属との割合は、例えば100:1〜1:10(原子数比)とすることができる。その理由はリチウムと合金を形成しない金属が少なすぎると、楔の効果が少なくなり充放電によって構造破壊が進むからである。またリチウムと合金を形成しない金属が多くなりすぎると負極中にリチウムが吸蔵できる割合が小さくなるため比容量的に優位性が保てなくなるからである。
第二活物質層3aは、例えば次のような方法で作製することができる。リチウムと合金を形成する金属またはリチウムと、リチウムと合金を形成しない金属とを溶融して合成する方法、あるいは化学反応により作製する方法、あるいはメカニカルミリング等によって作製する方法、あるいは焼結したものをスパッタターゲットや蒸着材料として真空成膜することによって作製する方法によって得ることができる。また、リチウムと合金を形成する金属またはリチウムと、リチウムと合金を形成しない金属とを含むガスを使いCVD法により成膜する方法、あるいはリチウムと合金を形成する金属またはリチウムと、リチウムと合金を形成しない金属とを含む溶液からメッキ技術を用いて成膜する方法、あるいは蒸気化されて原子、分子状態にある、リチウムと合金を形成する金属またはリチウムと、リチウムと合金を形成しない金属とをイオン化し、負の高電位にある基板に加速して堆積するイオンプレーティング法によっても得ることができる。また、第二活物質層3aを上記方法により作製する際には、リチウムと合金を形成しない金属の仕込量を、例えば5〜35atom%とすることができる。
また、第二活物質層3aは、アモルファス構造とすることが好ましい。これにより、サイクルを経ても電池内部の抵抗の上昇、容量減少をさらに抑制することが可能となるからである。ここで本発明におけるアモルファスとは、CuKα線を用いたX線回折法の2θ値で15〜40度に頂点を有するブロードな散乱帯を有するものをいう。第二活物質層3aは0.1μm〜30μmであることが望ましい。
図1に示す二次電池の負極は次のような手順で作製される。まず集電体1a上に第一活物質層2aを堆積させる。さらにこの第一活物質層2aの上に、リチウムと合金を形成する金属またはリチウムと、リチウムと合金を形成しない金属とからなる第二活物質層3aを上記方法により形成させ、所望の負極を得る。
なお、図2に示すように集電体1aの両面に第一活物質層2aと第二活物質層3aを堆積するような構造を採用することもできる。
本発明のリチウム二次電池において用いることができる正極としては、LixMO(ただしMは、少なくとも1つの遷移金属を表す。)である複合酸化物、例えば、LixCoO、LixNiO、LixMn、LixMnO、LixNiyC1−yなどを、カーボンブラック等の導電性物質、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等の結着剤をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)等の溶剤と分散混練したものをアルミニウム箔等の基体上に塗布したものを用いることができる。
このような化合物を用いることにより、高い起電力を安定的に実現することができる。ここで、Mは少なくともNiを少なくとも含む構成とすれば、サイクル特性等がより向上する。xはMnの価数が+3.9価以上になるような範囲とすることが好ましい。また、上記化合物において、0<yとすれば、Mnがより軽量な元素に置換され、重量当たりの放電量が増大して高容量化が図られる。
また、本発明のリチウム二次電池の負極は乾燥空気または不活性気体雰囲気において、前記正極とポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン、フッ素樹脂等の多孔性フィルムからなるセパレータを介して積層、あるいは積層したものを巻回した後に、電池缶に収容したり、合成樹脂と金属箔との積層体からなる可とう性フィルム等によって封口することによって電池を製造することができる。
また、電解液としては、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)等の環状カーボネート類、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジプロピルカーボネート(DPC)等の鎖状カーボネート類、ギ酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸エチル等の脂肪族カルボン酸エステル類、γ−ブチロラクトン等のγ−ラクトン類、1,2−エトキシエタン(DEE)、エトキシメトキシエタン(EME)等の鎖状エーテル類、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等の環状エーテル類、ジメチルスルホキシド、1,3−ジオキソラン、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキソラン、アセトニトリル、プロピルニトリル、ニトロメタン、エチルモノグライム、リン酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキソラン誘導体、スルホラン、メチルスルホラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、プロピレンカーボネート誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、エチルエーテル、1,3−プロパンサルトン、アニソール、N−メチルピロリドン、などの非プロトン性有機溶媒を一種又は二種以上を混合して使用し、これらの有機溶媒に溶解するリチウム塩を溶解させる。リチウム塩としては、例えばLiPF6、LiAsF6、LiAlCl4、LiClO4、LiBF4、LiSbF6、LiCF3SO3、LiCF3CO2、Li(CF3SO2)2、LiN(CF3SO2)2、LiB10Cl10、低級脂肪族カルボン酸カルボン酸リチウム、クロロボランリチウム、四フェニルホウ酸リチウム、LiBr、LiI、LiSCN、LiCl、イミド類などがあげられる。また、電解液に代えてポリマー電解質を用いてもよい。
次に、図1あるいは図2に示す二次電池の負極を電池に組み込んだ際の動作について、図3を用いて詳細に説明する。図3は、本発明の第一の実施の形態の負極を使った電池の模式図である。この実施の形態において、第二活物質層3aは「リチウムと合金を形成する金属またはリチウムと、リチウムと合金を形成しない金属とを含む、合金または複合酸化物からなる層」に相当し、第一活物質層2aは「リチウム吸蔵材料からなる層」に相当する。充電の際、負極は、負極と正極を分離するセパレータ4aを挟んで対向した正極活物質層5aから、電解液を介してリチウムイオン6aを受け取る。例えば第一活物質層2aに炭素系材料を用いた場合、第二活物質層3aは第一活物質層2aよりも放電電位が高いため、リチウムイオン6aはまず第二活物質層3aに吸蔵される。第二活物質層3aへのリチウム吸蔵が終了すると、次にリチウムイオン6aは第二活物質層3aを通過し、第一活物質層2aに吸蔵される。第一活物質層2aにリチウムが充填されると充電完了となる。また、放電の際は、放電電位の低い第一活物質層2aに吸蔵されたリチウムイオン6aから先に放出される。次に第二活物質層3aに吸蔵されたリチウムイオン6aが放出される。放出されたリチウムイオン6aは電解液を介して正極活物質層5aへ移動する。
この際、第二活物質層3aは膜状であるため、その構成金属同士の結合は強固であり、その構成金属の分布は均一である。したがって、充放電の際に生じる体積変化に伴う第二活物質層3aの構造破壊が抑制される。さらに、第二活物質層3aはリチウムと合金を形成しない金属を含むため、充放電に伴う体積変化を抑制することが出来る。また、リチウムと合金を形成しない金属が第二活物質層3aの構造を保持する楔としての役割を果たす。上記の作用の相乗効果により、充放電を経ても微粉化等の構造破壊を効果的に防止することが可能となる。その結果、初回充電時における内部抵抗の上昇が抑制され、良好な初回放電容量が得られる。さらにサイクルを経た場合にも、上記合金層の破壊抑制作用は維持されるため、電池内部の抵抗上昇、容量減少の発生を抑制することができる。
さらに、第二活物質層3aと充電・放電電位が異なる第一活物質層2aと、第二活物質層3aとからなる多層構造を採用することにより、充放電が段階的に行われ、充放電による負極活物質層の膨張収縮を緩和できる。また、この作用と、上記した第二活物質層3aの構成を採ることによる作用との相乗効果により、負極活物質層全体の膨張収縮をより一層抑制することが可能となる。
(実施例1)
以下に、本発明の第一の実施の形態の実施例1について説明する。
図1に示す二次電池の負極は次のような手順で作製した。まず集電体1aには10μm厚の銅箔を用い、この集電体1a上に第一活物質層2aとして100μm厚の人造黒鉛を堆積させた。その後、第二活物質層3aとしてSi−Cu合金を2μmスパッタリング法で形成して負極を得た。正極活物質にはコバルト酸リチウム合剤を、集電体にはアルミニウム箔を用いた。電解液は1モル/Lの濃度になるようにLiPFを溶解させたエチレンカーボネイト(EC)とジエチルカーボネイト(DEC)の混合溶媒(混合容積比:EC/DEC=30/70)を用いた。上記負極、上記正極、上記電解液を用いて角形二次電池を組み立てた。充放電試験機にて上記角形二次電池の電気特性評価を行った。充放電の電流密度は10mA/cmとした。また、サイクル特性評価については、500サイクル後に維持している容量を初回放電容量で除したものを百分率で示した数値で評価を行った。
(実施例2)
実施例2においては、実施例1と同様に負極を作製したが、第一活物質層2aには70μm厚の天然黒鉛を用い、第二活物質層3aはSi−Feアモルファス合金を1μm蒸着法で形成した。その他の正極、セパレータ、電解液、評価法、測定条件等は、実施例1と同様である。
(実施例3)
実施例3においては、実施例1と同様に負極を作製したが、第一活物質層2aには90μm厚のハードカーボンを用い、第二活物質層3aはアモルファスWSiを1μmCVDで形成した。その他の正極、セパレータ、電解液、評価法、測定条件等は、実施例1と同様である。
(実施例4)
実施例4においては、実施例1と同様に負極を作製したが、第一活物質層2aには5μm厚のSnを用い、第二活物質層3aはSi−Cu合金を2μmCVD法で形成した。その他の正極、セパレータ、電解液、評価法、測定条件等は、実施例1と同様である。
(比較例1)
比較例1の負極は次の手順で作製した。図4に示すような10μm銅箔の集電体1a上に、リチウムと合金を形成する金属としてのSiとリチウムと合金を形成しない金属としてのCuとを担持した炭素粒子を結着させることにより活物質層7aを形成し、負極を得た。その他の正極、セパレータ、電解液、評価法、測定条件等は、実施例1と同様である。
実施例1〜4および比較例1の電池についての初回放電容量、初回充放電効率、サイクル特性評価の結果を表1に示す。この結果から、比較例1と比較して、実施例1〜4においては初回放電容量が1.2倍以上になることが判明した。この理由は以下のように考えられる。すなわち、比較例1の場合、充放電により膨張収縮が発生することにより、負極集電体上の粒子間の結着性が弱まる。これにより内部抵抗が上昇し、十分な容量の充電が妨げられ、さらに完全な放電も行われなくなる。一方、実施例1〜4の場合は、結着剤を使用しない均一な膜構造を有しているため、内部抵抗の上昇は発生しにくく、比較例1の場合のような不都合が生じないため、比較例1よりも高い初回放電容量が得られるものと考えられる。
また、表1に示すとおり、比較例1では150サイクル後にラピッドフェードし容量劣化しているのに対し、実施例1〜4では500サイクル後でも初回放電容量の85%以上を維持していることが判明した。
比較例1における容量劣化の原因は、充放電に伴う金属の体積変化によって負極集電体上の粒子間の結着剤による結合が弱まり、さらには切断されることにより、負極活物質層の構造破壊が生じていると考えられる。さらに、金属粒子の分布が不均一であることから、充放電の際に生じる金属の体積変化による応力が局所的に生じることも負極活物質層の構造破壊の一因と考えられる。
一方、実施例1〜4においてサイクル特性が良好である要因は、第二活物質層3aを膜状の合金層としているため、第二活物質層3aを構成する金属同士の結合は強固であり、当該金属の分布は均一であることから比較例1における容量劣化の原因が排除されていることと考えられる。加えて、第二活物質層3aを構成する金属として、リチウムと合金を形成する金属またはリチウムと、リチウムと合金を形成しない金属とを採用していること、および第一活物質層2aと第二活物質層3aを積層して多層構造としていることにより、負極活物質層の体積変化を効果的に抑制していることも良好なサイクル特性に寄与している。
(第二の実施の形態)
次に、本発明の第二の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図5は本発明の第二の実施の形態を示す二次電池の負極断面図である。
集電体1bは充放電の際に電流を電池の外部に取り出したり、外部から電池内に電流を取り込む電極である。この集電体1bは導電性の金属箔であれば種々のものが使用でき、アルミニウム、銅、ステンレス、金、タングステン、モリブデン、チタンが例示される。
この実施の形態において、負極活物質層8bは「リチウムと合金を形成する金属またはリチウムと、リチウムと合金を形成しない金属とを含む、合金または複合酸化物からなる層」に相当し、第一の実施の形態における第二活物質層3aと同様の構成をとり、同様の方法により作製することができる。ただし、負極活物質層8bは0.5μm〜30μmであることが望ましい。
また、第一の実施の形態と同様の正極、セパレータ、電解液を用い、電池を製造することができる。
次に、図5に示す二次電池の負極を電池に組み込んだ際の動作について、図6を用いて詳細に説明する。図6は、本発明の第二の実施の形態の負極を用いて作製した電池の模式図である。充電の際、負極は、負極と正極を分離するセパレータ4bを挟んで対向した正極活物質層5bから、電解液を介してリチウムイオン6bを受け取る。リチウムイオン6bは、負極活物質層8bに吸蔵される。負極活物質層8bにリチウムが充填されると充電完了となる。また、放電の際は、負極活物質層8bから充電時に吸蔵されたリチウムイオン6bが放出される。放出されたリチウムイオン6bは、電解液を介して正極活物質層5bへ移動する。
この際、負極活物質層8bは膜状の層であるため、その構成金属同士の結合は強固であり、その構成金属の分布は均一である。したがって、充放電の際に生じる体積変化に伴う負極活物質層8bの構造破壊が抑制される。さらに、負極活物質層8bはリチウムと合金を形成しない金属を含むため、充放電に伴う体積変化を抑制することが出来る。また、リチウムと合金を形成しない金属が負極活物質層8bの構造を保持する楔としての役割を果たす。上記の作用の相乗効果により、充放電を経ても微粉化等の構造破壊を効果的に防止することが可能となる。その結果、初回充電時における内部抵抗の上昇が抑制され、良好な初回放電容量が得られる。さらにサイクルを経た場合にも、上記合金層の破壊抑制作用は維持されるため、電池内部の抵抗上昇、容量減少の発生を抑制することができる。
(実施例5)
以下に、本発明の第二の実施の形態の実施例5について説明する。
図5に示す二次電池の負極は次のような手順で作製した。まず集電体1bには10μm厚の銅箔を用い、この集電体1b上に、負極活物質層8bとしてSn−Cu合金を10μm蒸着法で形成し、負極を得た。その他の正極、セパレータ、電解液、評価法、測定条件等は、実施例1と同様である。
(実施例6)
実施例6においては、実施例5と同様に負極を作製したが、負極活物質層8bはLi−Co−N系アモルファス化合物を10μmスパッタリング法で形成した。その他の正極、セパレータ、電解液、評価法、測定条件等は、実施例1と同様である。
(実施例7)
実施例7においては、実施例5と同様に負極を作製したが、負極活物質層8bはLi−Ti−O系アモルファス化合物を10μmスパッタリング法で形成した。その他の正極、セパレータ、電解液、評価法、測定条件等は、実施例1と同様である。
実施例5〜7および比較例1の電池についてのサイクル特性評価を行った結果を図7に示す。この結果から比較例1では150サイクル後にラピッドフェードし、容量劣化をしているが、実施例5〜7の実施例では300サイクル後でも初回放電容量の85%以上を維持していることが判明した。本実施形態においても、結着剤を使用しない均一な膜構造を採用することにより、内部抵抗の上昇が抑えられ、負極活物質層の構造の破壊が抑制されていることが示唆された。
また、実施例5〜7および比較例1の電池についての初回放電容量を表2に示す。この結果より、比較例1と比較して、実施例5〜7においては初回放電容量が1.5倍以上になることが判明した。放電容量の観点からは、比容量の小さい炭素系の負極活物質層を設けず、比容量の大きい金属負極活物質層のみを採用したことにより初回放電容量の大きい電池が得られるという利点を有する。
(第三の実施の形態)
次に、本発明の第三の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図8は本発明の第三の実施の形態を示す二次電池の負極の断面図である。
集電体1cは充放電の際に電流を電池の外部に取り出したり、外部から電池内に電流を取り込む電極である。この集電体1cは導電性の金属箔であれば種々のものが使用でき、アルミニウム、銅、ステンレス、金、タングステン、モリブデン、チタンが例示される。
この実施の形態において、第一リチウム吸蔵層9cは「リチウムと合金を形成する金属またはリチウムと、リチウムと合金を形成しない金属とを含む、合金または複合酸化物からなる層」に相当し、第一の実施の形態における第二活物質層3aと同様の構成をとり、同様の方法により作製することができる。ただし、第一リチウム吸蔵層9cは0.1μm〜10μmであることが望ましい。また、第二リチウム吸蔵層10cは「リチウム吸蔵材料からなる層」に相当し、第一の実施の形態における第一活物質層2aと同様の構成をとる。
図8に示す二次電池の負極は次のような手順で作製される。まず集電体1c上にリチウムと合金を形成する金属またはリチウムと、リチウムと合金を形成しない金属とからなる第一リチウム吸蔵層9cをスパッタリング法、CVD法、あるいは蒸着法等により堆積させる。さらにこの第一リチウム吸蔵層9cの上に、第二リチウム吸蔵層10cを堆積させることにより、所望の負極を得る。
なお、本実施形態においても、第一の実施の形態と同様の正極、セパレータ、電解液を用い、電池を製造することができる。
次に、図8に示す二次電池の負極を電池に組み込んだ際の動作について、図9を用いて詳細に説明する。図9は本発明の第三の実施の形態の負極を用いて作製した電池の模式図である。充電の際、負極は、負極と正極を分離するセパレータ4cを挟んで対向した正極活物質5cから、電解液を介してリチウムイオン6cを受け取る。例えば第二リチウム吸蔵層10cに炭素系材料を用いた場合、第一リチウム吸蔵層9cは第二リチウム吸蔵層10cよりも放電電位が高いため、リチウムイオン6cは第二リチウム吸蔵層10cを通過し、まず第一リチウム吸蔵層9cに吸蔵される。第一リチウム吸蔵層9cへのリチウム吸蔵が終了すると、次に第二リチウム吸蔵層10cにリチウムイオン6cが吸蔵され、それが終了すると充電完了となる。また、放電の際は、放電電位の低い第二リチウム吸蔵層10cに吸蔵されたリチウムイオン6cから先に放出される。次に第一リチウム吸蔵層9cに吸蔵されたリチウムイオン6cが放出される。第一リチウム吸蔵層9cから放出されたリチウムイオン6cは、第二リチウム吸蔵層10cを通過し、電解液を介してセパレータ4cを通って正極活物質層5cへ移動する。
この第一リチウム吸蔵層9cは膜状の層であるため、その構成金属同士の結合は強固であり、その構成金属の分布は均一である。したがって、充放電の際に生じる体積変化に伴う第一リチウム吸蔵層9cの構造破壊が抑制される。さらに、第一リチウム吸蔵層9cはリチウムと合金を形成しない金属を含むため、充放電に伴う体積変化を抑制することが出来る。また、リチウムと合金を形成しない金属が第一リチウム吸蔵層9cの構造を保持する楔としての役割を果たす。上記の作用の相乗効果により、充放電を経ても微粉化等の構造破壊を効果的に防止することが可能となる。
さらに、第一リチウム吸蔵層9cと充電・放電電位が異なる第二リチウム吸蔵層10cと、第一リチウム吸蔵層9cとからなる多層構造を採用することにより、充放電が段階的に行われ、充放電による負極活物質層の膨張収縮を緩和できる。また、この作用と、上記した第一リチウム吸蔵層9cの構成を採ることによる作用との相乗効果により、負極活物質層全体の膨張収縮をより一層抑制することが可能となる。その結果、初回充電時における内部抵抗の上昇が抑制され、良好な初回放電容量が得られる。さらにサイクルを経た場合にも、上記合金層の破壊抑制作用は維持されるため、電池内部の抵抗上昇、容量減少の発生を抑制することができる。
(実施例8)
以下に、本発明の第三の実施の形態の実施例8について説明する。
図8に示す二次電池の負極は次のような手順で作製した。まず集電体1cには8μm厚の銅箔を用い、この集電体1c上に、第一リチウム吸蔵層9cとしてSn−Ni合金を30μmメッキ法で形成した。その後、第二リチウム吸蔵層10cとして天然黒鉛を50μm堆積させ、負極を得た。その他の正極、セパレータ、電解液、評価法、測定条件等は、実施例1と同様である。
(実施例9)
実施例9においては、集電体1cとして18μm厚の銅箔を用い、第一リチウム吸蔵層9cとしてSn−Co合金を15μm蒸着法で形成した。その後、この上に第二リチウム吸蔵層10cとしてソフトカーボンを50μm堆積させ、負極を得た。その他の正極、セパレータ、電解液、評価法、測定条件等は、実施例1と同様である。
(実施例10)
実施例10においては、集電体1cとして15μm厚の銅箔を用い、第一リチウム吸蔵層9cとしてSn−Niアモルファス合金を30μm蒸着法で形成した。その後、この上に第二リチウム吸蔵層10cとして天然黒鉛を50μm堆積させ、負極を得た。その他の正極、セパレータ、電解液、評価法、測定条件等は、実施例1と同様である。
実施例8〜10の電池についての初回放電容量、サイクル特性評価の結果を表3に示す。この結果から比較例1では150サイクル後にラピッドフェードし容量劣化をしているのに対し、実施例8〜10の実施例では500サイクル後でも初回放電容量の82%以上を維持していることが判明した。本実施形態は、リチウムと合金を形成する金属またはリチウムと、リチウムと合金を形成しない金属とからなる層が、直接集電体に接している点において、第一の実施の形態と異なる。しかし、表1と表3の比較から分かるように、本実施形態においても第一の実施の形態を採用したときと同様に、内部抵抗上昇を抑制し、充放電による負極活物質層の膨張収縮を効果的に緩和できる効果が現れていると考えられる。
(第四の実施の形態)
次に、本発明の第四の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図10は本発明の第四の実施の形態を示す二次電池の負極の断面図である。
集電体1dは充放電の際に電流を電池の外部に取り出したり、外部から電池内に電流を取り込む電極である。この集電体1dは導電性の金属箔であれば種々のものを使用でき、アルミニウム、銅、ステンレス、金、タングステン、モリブデン、チタンが例示される。
この実施の形態において、第二活物質層3dは「リチウムと合金を形成する金属またはリチウムと、リチウムと合金を形成しない金属とを含む、合金または複合酸化物からなる層」に相当し、第一の実施の形態における第二活物質層3aと同様の構成をとり、同様の方法により作製することができる。また、第一活物質層2dは「リチウム吸蔵材料からなる層」に相当し、第一の実施の形態における第一活物質層2aと同様の構成をとり、同様の方法により作製することができる。
Li層11dはLi金属からなる層で、電池内で発生する不可逆容量を補填するものである。この補填量は、電池の不可逆容量に対して80〜120%であることが望ましい。これは少なすぎると不可逆容量の補填の意味を成さず、多すぎると負極表面にLi金属が析出する可能性があるからである。
図10に示す二次電池の負極は次のような手順で作製される。まず集電体1d上に第一活物質層2dを堆積させる。さらにこの第一活物質層2dの上に、リチウムと合金を形成する金属またはリチウムと、リチウムと合金を形成しない金属とからなる第二活物質層3dをスパッタリング法、CVD法、あるいは蒸着法等により形成させる。さらに第二活物質層3dの上にLi層11dを蒸着によって形成させ、所望の負極を得る。
なお、本実施形態においても、第一の実施の形態と同様の正極、セパレータ、電解液を用い、電池を製造することができる。
次に、図10に示す二次電池の負極を電池に組み込んだ際の動作について、図11を用いて詳細に説明する。図11は、本発明の第四の実施の形態の負極を用いて作製した電池の模式図である。充電の際、負極は、負極と正極を分離するセパレータ4dを挟んで対向した正極活物質層5dから、電解液を介してリチウムイオン6dを受け取る。例えば第一活物質層2dに炭素系材料を用いた場合、第二活物質層3dは第一活物質層2dよりも放電電位が高いため、リチウムイオン6dはまず第二活物質層3dに吸蔵される。第二活物質層3dへのリチウム吸蔵が終了すると、次にリチウムイオン6dは第二活物質層3dを通過し、第一活物質層2dに吸蔵される。第一活物質層2dにリチウムが充填されると充電完了となる。Li層11dは充電の際、負極内部に拡散し、第一活物質層2dあるいは第二活物質層3dに吸蔵される。また、放電の際は、放電電位の低い第一活物質層2dに吸蔵されたリチウムイオン6dから先に放出される。次に第二活物質層3dに吸蔵されたリチウムイオン6dが放出される。放出されたリチウムイオン6dは電解液を介して正極活物質5dへ移動する。Li層11dに相当する量のLiは電池内の不可逆容量サイト(正負極表面、第一活物質層2d、第二活物質層3d、層界面、電池壁面等)に残るため第二活物質層3d上から消滅あるいは一部が残っている形態をとる。
この際、第二活物質層3dは膜状の層であるため、その構成金属同士の結合は強固であり、その構成金属の分布は均一である。したがって、充放電の際に生じる体積変化に伴う第二活物質層3dの構造破壊が抑制される。さらに、第二活物質層3dはリチウムと合金を形成しない金属を含むため、充放電に伴う体積変化を抑制することが出来る。また、リチウムと合金を形成しない金属が第二活物質層3dの構造を保持する楔としての役割を果たす。上記の作用の相乗効果により、充放電を経ても微粉化等の構造破壊を効果的に防止することが可能となる。その結果、初回充電時における内部抵抗の上昇が抑制され、良好な初回放電容量が得られる。さらにサイクルを経た場合にも、上記合金層の破壊抑制作用は維持されるため、電池内部の抵抗上昇、容量減少の発生を抑制することができる。
さらに、第二活物質層3dと充電・放電電位が異なる第一活物質層2dと、第二活物質層3dとからなる多層構造を採用することにより、充放電が段階的に行われ、充放電による負極活物質層の膨張収縮を緩和できる。また、この作用と、上記した第二活物質層3dの構成を採ることによる作用との相乗効果により、負極活物質層全体の膨張収縮をより一層抑制することが可能となる。
(実施例11)
次に、本発明の第四の実施の形態の実施例11について説明する。
図10に示す二次電池の負極は次のような手順で作製した。まず集電体1dには10μm厚の銅箔を用い、この集電体1d上に、第一活物質層2dとして人造黒鉛を100μm堆積させた。その後、第二活物質層3dとしてSi−Cu合金を2μmスパッタリング法で形成した。さらにLi層11dとして蒸着法にてLiを1μm(不可逆容量補填量80%に相当)成膜し、負極を得た。その他の正極、セパレータ、電解液、評価法、測定条件等は、実施例1と同様である。
(実施例12)
実施例12においても、実施例11と同様に負極を作製したが、第一活物質層2dとしては70μm厚の天然黒鉛を堆積させ、第二活物質層3dとしてはSi−Fe合金を1μm蒸着法で形成した。また、Li層11dとしては蒸着法にて1.5μm(不可逆容量補填量100%に相当)成膜した。その他の正極、セパレータ、電解液、評価法、測定条件等は、実施例1と同様である。
(実施例13)
実施例13においても、実施例11と同様に負極を作製したが、第一活物質層2dとしては90μm厚のハードカーボンを堆積させ、第二活物質層3dとしてはアモルファスWSiを1μmCVD法で形成した。また、Li層11dとしては蒸着法にて2μm(不可逆容量補填量100%に相当)成膜した。その他の正極、セパレータ、電解液、評価法、測定条件等は、実施例1と同様である。
(実施例14)
実施例14においても、実施例11と同様に負極を作製したが、第一活物質層2dとしては5μm厚のSnを堆積させ、第二活物質層3dとしてはSi−Cu合金を2μmCVD法で形成した。また、Li層11dとしては蒸着法にて2μm(不可逆容量補填量120%に相当)成膜した。その他の正極、セパレータ、電解液、評価法、測定条件等は、実施例1と同様である。
実施例11〜14および比較例1の電池についての初回放電容量、初回充放電効率、サイクル特性評価の結果を表4に示す。この結果から、実施例11〜14はLi層11dから不可逆容量を補填することにより、使用可能となる容量が増加し、その結果高い充放電効率が得られることが判明した。
また、比較例1では150サイクル後にラピッドフェードし容量劣化をしているのに対し、実施例11〜14では500サイクル後でも初回放電容量の85%以上を維持していることが判明した。実施例11〜14においても、第一および第三の実施形態と同様に、内部抵抗上昇を抑制し、充放電による充放電による負極活物質層の膨張収縮が効果的に緩和されていると考えられる。
Figure 2010251339
Figure 2010251339
Figure 2010251339
Figure 2010251339
1a,1b,1c,1d 集電体
2a,2d 第一活物質層
3a,3d 第二活物質層
4a,4b,4c,4d セパレータ
5a,5b,5c,5d 正極活物質層
6a,6b,6c,6d リチウムイオン
7a 活物質層
8b 負極活物質層
9c 第一リチウム吸蔵層
10c 第二リチウム吸蔵層
11d Li層

Claims (10)

  1. リチウムイオンを吸蔵および放出することのできる二次電池用負極であって、リチウムと合金を形成する金属またはリチウムと、リチウムと合金を形成しない金属とを含む、合金または複合酸化物からなる層を備えたことを特徴とする二次電池用負極。
  2. リチウムイオンを吸蔵および放出することのできる二次電池用負極であって、リチウムと合金を形成する金属と、リチウムと合金を形成しない金属とを含む、合金または複合酸化物からなる層を備えたことを特徴とする二次電池用負極。
  3. 請求項1または2記載の二次電池用負極において、前記リチウムと合金を形成する金属が、Si、Ge、Sn、Al、Pb、Pd、Ag、InおよびCdからなる群から選択される少なくとも一種の金属を含むことを特徴とする二次電池用負極。
  4. 請求項1乃至3記載の二次電池用負極において、前記リチウムと合金を形成しない金属が、Cu、Fe、B、Ni、Ti、Ta、W、CrおよびCoからなる群から選択される少なくとも一種の金属を含むことを特徴とする二次電池用負極。
  5. 請求項1乃至4いずれかに記載の二次電池用負極において、さらに、リチウム吸蔵材料からなる層を備えたことを特徴とする二次電池用負極。
  6. 請求項5記載の二次電池用負極において、前記リチウム吸蔵材料からなる層は、炭素を主成分とする層であることを特徴とする二次電池用負極。
  7. 請求項1乃至6いずれかに記載の二次電池用負極において、前記合金または複合酸化物からなる層が、スパッタリング法、CVD法、蒸着法またはメッキ法によって形成された層であることを特徴とする二次電池用負極。
  8. 請求項1乃至7いずれかに記載の二次電池用負極において、前記合金または複合酸化物からなる層がアモルファス構造を有することを特徴とする二次電池用負極。
  9. 請求項1乃至8いずれかに記載の二次電池用負極において、さらに、リチウム金属層を備えたことを特徴とする二次電池用負極。
  10. 請求項1乃至9いずれかに記載の二次電池用負極と、リチウムイオンを吸蔵および放出することのできる正極と、前記負極および前記正極との間に配置された電解質と、を具備することを特徴とする二次電池。
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