JP2010251306A - 燃料電池用セパレータの製造方法、燃料電池用セパレータ、燃料電池 - Google Patents

燃料電池用セパレータの製造方法、燃料電池用セパレータ、燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】導電性、耐食性、機械的強度、薄型化等のセパレータの各種要求特性を満たし、かつ安価な燃料電池用セパレータを提供すること、および、そのような燃料電池用セパレータを容易に低コストで簡便に製造する方法を提供する。
【解決手段】基材21上に金属材料からなるエッチング層22を備える積層材料のエッチング層表面をフォトエッチング加工し、基材上に凹状溝を有するエッチング層を備える凸型母型を作製する工程と、前記凹状溝を備える凸型母型から凹版25A,25Bを型取りする工程と、前記型取りされた凹版に導電性フィラーを含有した導電性樹脂インク26A,26Bを充填する工程と、前記凸型状の導電性樹脂インクを基板27上に転写し基板上に導電性樹脂皮膜を形成し、凹版を剥離する工程とを順に備える燃料電池セパレータ10の製造方法。
【選択図】図2

Description

本発明は、燃料電池用のセパレータおよびその製造方法に関するものであり、特に基板を有する燃料電池用のセパレータおよびその製造方法に関するものである。
燃料電池は水素などの燃料と空気などの酸化剤を電気化学的に反応させることにより燃料の化学エネルギーを電気エネルギーに変換して取り出す発電方式であり、発電効率が高く、静粛性に優れ、大気汚染の原因となるNOx、SOx、また地球温暖化の原因となるCO2の排出量が少ない等の利点から、新エネルギーとして期待されている。
その適用例は携帯電気機器の長時間電力供給、コジェネレーション用定置型発電温水供給機、燃料電池自動車など、用途も規模も多様である。
燃料電池の種類は使用する電解質によって、固体高分子形、リン酸形、溶融炭酸塩形、固体酸化物形、アルカリ形等に分類され、それぞれ運転温度が大きく異なり、それに伴い発電規模や利用分野も異なる。陽イオン交換膜を電解質として用いる固体高分子型燃料電池は比較的低温での動作が可能であり、また、電解質膜の薄膜化により内部抵抗を低減できるため高出力化、コンパクト化が可能である。
固体高分子形燃料電池にあっては、高分子電解質膜を電解質膜として用いたものであり、高分子電解質膜の両面に電極触媒層を接合した膜電極接合体の両面にセパレータを配した単電池セルを単数あるいは複数積層した構造を有している。高分子電解質膜の一方の面はアノード(燃料極)、他方の面はカソード(空気極)として機能する。
燃料極、空気極のそれぞれに反応ガスが供給されると、各電極触媒層中の触媒粒子表面において、下記の式(1)、(2)の電気化学反応が生じ直流電力を発生する。
燃料極側:2H→4H+4e 式(1)
空気極側:O+4H+4e→2HO 式(2)
燃料極側では水素分子(H)の酸化反応が起こり、空気極側では酸素分子(O)の還元反応が起こることで、燃料極側で生成されたHイオンは高分子電解質膜中を空気極側に向かって移動し、e(電子)は外部の負荷を通って空気極側に移動する。
一方、空気極側では酸化剤ガスに含まれる酸素と、燃料極側から移動してきたHイオンおよびeとが反応して水が生成される。かくして、固体高分子形燃料電池は、水素と酸素から直流電流を発生し、水を生成することになる。
ここで燃料極に対向するセパレータ表面には、燃料を流通させるための凹溝状の燃料流路が設けられている。また、空気極に対向するセパレータ表面には、酸化剤ガスを流通させるための凹溝状の酸化剤ガス流路が設けられている。燃料としては、水素を主体とした改質ガス(又は水素ガス)や、メタノール水溶液などが用いられている。
しかし、空気極側の還元反応(酸素分子(O)の4電子還元)は難しく、空気極側において副反応として下記の電気化学反応(酸素分子(O)の2電子還元)が生じて多くのHが発生する。そして不純物としてFe(II)などが存在するとその触媒作用でHが分解され、OH・(OHラジカル)とOHが生成する。
空気極側:O+2H+2e→H
+Fe(II)→OH・+OH+Fe(III)
生成したOH・(OHラジカル)は酸化力が大きく、高分子電解質膜を酸化し分解し劣化する。
直接メタノール形燃料電池は、メタノール水溶液を直接MEAに供給する方式の燃料電池であり、ガス改質器が不要、かつ、体積基準のエネルギー密度が高いメタノール水溶液を利用できることから、装置の更なる小型化が可能であり、携帯電気機器(例えば携帯音楽プレーヤー、携帯電話、ノート型パソコン、携帯型テレビ等)のポータブル電源としての展開が期待されている。
直接メタノール型燃料電池の発電方法としては、高分子電解質膜を介して、メタノールと(酸化剤ガスに含まれる)酸素を、燃料極側触媒層および空気極側触媒層に含まれる触媒粒子表面において、下記の式(3)〜(5)の電気化学反応を生じさせる方法を用いている。
燃料極側:CHOH+HO→CO+6H+6e 式(3)
空気極側:6H+(3/2)O+6e→3HO 式(4)
全反応 :CHOH+(3/2)O→CO+2HO 式(5)
燃料極側では、供給されたメタノールおよびその水溶液が、燃料極側触媒層での式(3)の反応により炭酸ガス、水素イオン、及び電子に解離する。この際、蟻酸等の中間生成物も微量発生する。
生成された水素イオンは電解質膜中を燃料極から空気極側に移動し、空気極触媒層2において、空気中から供給された酸素ガスおよび電子と、式(4)に従って反応し、水が生成する。
単位電池セルの電圧は、室温近傍において理論上約1.2Vであるが、燃料極で電気化学反応せずに電解質膜中を空気極側に移動してしまうメタノールクロスオーバーや、水素イオンが電解質膜を透過する際の抵抗により、実質的には0.85〜1.0Vとなる。
実用上、連続運転条件下で電圧が0.3〜0.6V程度となるように電流密度が設定されるため、実際に電源として用いる場合には、所定の電圧が得られるように、複数の単位電池セルを直列接続して使用する必要がある。
電池構造としては、出力密度の増大と燃料電池全体のコンパクト化を目的として、MEAをセパレータで挟持して成る単電池セルを複数積層(スタック)した構造が用いられている。必要な電力により、スタック枚数は異なり、一般的に携帯電気機器のポータブル電源では数枚から10枚程度、コジェネレーション用定置型電気および温水供給機では60〜90枚程度、自動車用途では250〜400枚程度といわれている。高出力化のためにはスタック枚数の増大は必然的であり、単位電池セルの厚みやコストが燃料電池本体のサイズや価格に大きく影響することになる。
燃料電池用セパレータは燃料電池の単位セルを形成する保持支持体であり、燃料(水素、メタノール等)や酸素を供給する供給経路となる。燃料極に対向するセパレータ表面には、燃料を流通させるための凹状溝の燃料ガス流路が設けられている。また、空気極に対向するセパレータ表面には、酸化剤ガスを流通させるための凹状溝の酸化剤ガス流路が設けられている。
燃料電池用セパレータは、燃料や酸素の供給を制御する他、集電体としての役割も有している。このため、全体としての体積抵抗が小さく、MEAとの接触抵抗が低くなるよう、優れた導電性が必要である。また、還元性の水素ガス、空気等の酸化剤ガス、冷却水などの冷却媒体、その他反応副生成物(蟻酸、水蒸気等)に曝され、さらに通電による電気化学反応の作用も受けるため、これらに対する耐食性も重要な特性である。その他、水などの反応生成物の除去、燃料の外部漏出防止等の役割も大きい。
特開2001−6703号公報 特開2002−190305号公報 特開2001−297777号公報 特開2003−338296号公報
燃料電池用セパレータの基材としては、非金属系と金属系に大別できる。非金属系セパレータとしては緻密カーボングラファイト等のカーボン系材料(特許文献1)、樹脂材料がある。カーボン系材料は耐食性に優れているが、機械的耐性に乏しいため薄型化が難しい。また、プレス加工が困難であり、切削加工により流路やマニホールドを成型することになる結果、加工コストが高くなり量産性に問題がある。そこで樹脂材料を使用することでガス不透過性、加工性の問題はある程度解消されるが、導電性フィラーを混入しないと導電性を発現することが困難であり、また導電性フィラーを混入し過ぎると十分なガス不透過性を確保するのが困難となる。
金属系の材料としてはステンレス鋼(SUS)、チタン、アルミニウム等が挙げられる(特許文献2)。金属系材料は強度、延性に優れていることから、流路やマニホールドを成型するためのプレス加工が容易であり、加工コストが安価で量産性に優れている。さらには板厚の薄い金属を用いることが可能であり、燃料電池スタックの質量や容積を低減できる効果もある。
しかし、金属系セパレータは燃料電池の使用環境雰囲気において耐食性に問題がある。セパレータ基材の電位が活性態域および過不働域にあたると、金属の腐食が促進され、セパレータとMEAとの接触抵抗が増大する。またセパレータからの溶出金属イオンが電解質膜に捕捉されると、電解質膜のプロトン伝導能が低下する。さらには溶出金属イオンが存在すると空気極において過酸化水素等のラジカル性化学種が発生し、このラジカル性化学種の作用により電解質膜の劣化も引き起こす。セパレータ基材の電位が不働態域であった場合、腐食の進行は小さいが、不働態皮膜が成長する。通常不働態皮膜は水酸化物、オキシ水酸化物、酸化物等で構成されている。これら化合物の殆どは電気伝導性に乏しいため、金属セパレータの不働態皮膜が成長するに従って、電気抵抗が増大し、電池性能が劣化する。
金属系セパレータの改良策として、高い導電性および耐食性を持つ貴金属をめっき、スパッタ等によりコーティングする方法(特許文献3、4)が報告されている。しかし、セパレータ表面全体に対して、ピンホールを生じない程度の膜厚のコーティングを施すには、かなりの金属量が必要であるため、コスト的な問題が懸念される。
以上の問題点を鑑み、本発明の第1の目的は、基板表面に導電性フィラーを混合した樹脂層を形成することで、導電性、耐食性、機械的強度、薄型化等のセパレータの各種要求特性を満たし、かつ安価な燃料電池用セパレータを提供することであり、本発明の第2の目的は、そのような燃料電池用セパレータを容易に低コストで簡便に製造する方法を提供することである。
上記課題を解決するために請求項1記載の発明としては、基板の少なくとも一方の面に凹状溝を有する導電性樹脂皮膜を備える燃料電池用セパレータの製造方法であって、基材上に金属材料からなるエッチング層を備える積層材料のエッチング層表面をフォトエッチング加工し、基材上に凹状溝を有するエッチング層を備える凸型母型を作製する工程と、前記凹状溝を備える凸型母型から凹版を型取りする工程と、前記型取りされた凹版に導電性フィラーを含有した導電性樹脂インクを充填する工程と、前記凸型状の導電性樹脂インクを基板上に転写し基板上に導電性樹脂皮膜を形成し、凹版を剥離する工程とを順に備えることを特徴とする燃料電池セパレータの製造方法とした。
また、請求項2記載の発明としては、前記基材上に凹状溝を有するエッチング層を備える凸版母型において、前記凹状溝が前記エッチング層を貫通していることを特徴とする請求項1記載の燃料電池用セパレータの製造方法とした。
また、請求項3記載の発明としては、前記凸型母材の金属材料からなるエッチング層が、鉄、鉄合金、銅、銅合金、アルミニウムまたはアルミ合金から選択されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃料電池用セパレータの製造方法とした。
また、請求項4記載の発明としては、前記凹版がシリコーン樹脂からなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の燃料電池用セパレータの製造方法とした。
また、請求項5記載の発明としては、前記請求項1乃至4のいずれかに記載の製造方法により製造されたことを特徴とする燃料電池用セパレータとした。
また、請求項6記載の発明としては、基板の少なくとも一方の面に凹状溝を有する導電性樹脂皮膜を備える燃料電池用セパレータであって、前記導電性樹脂皮膜が導電性フィラーを含み、且つ、前記導電性樹脂皮膜の凹状溝が底部から表面に向かうにしたがって開口幅が大きいことを特徴とする燃料電池用セパレータとした。
また、請求項7記載の発明としては、前記導電性樹脂皮膜に含まれる導電性フィラーが、繊維状導電性フィラーまたは粉体状導電性フィラーを含むことを特徴とする請求項5または請求項6に記載の燃料電池用セパレータとした。
また、請求項8記載の発明としては、前記基板は、前記導電性フィラーを構成する材料、または前記導電性フィラーを含有した樹脂、純鉄、鉄合金、純銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金からなる群から選択される材料を少なくとも1つ以上用いて形成されていることを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載の燃料電池用セパレータとした。
また、請求項9記載の発明としては、前記凹状溝が蛇行状パターン、直線状パターン、碁盤目状パターン、円柱状パターンに形成されていることを特徴とする請求項5乃至8のいずれかに記載の燃料電池用セパレータとした。
また、請求項10記載の発明としては、高分子電解質膜の両面に触媒層が形成されており、該触媒層の両面に請求項5乃至9のいずれかに記載のセパレータを備えることを特徴とする燃料電池とした。
本発明の燃料電池用セパレータは、基板の少なくとも一方の面上に特定の導電性樹脂部分を凹版に型取り、基板へ転写形成することを特徴とする。導電性樹脂部分を型取り法により形成することにより、流路となる凹状溝の形成と同時に基板表面に発電環境下で十分な耐食性を付与することが簡便にできる。
本発明では基板を用いるために高い機械的強度を有し、堅牢性を維持したまま、薄型化および軽量化することが可能であり、かつ、導電性樹脂部分を介しているため金属基板で懸念される酸化皮膜成長による導電性の低下を招くことなく、高い耐食性を確保したまま、導電性を有することが出来る。また、導電性耐食皮膜の形成方法としてウェットプロセスを用いることが出来るためドライプロセスを適用した場合のような高価な設備を必要とすることなく連続的に安価にセパレータの製造をすることが可能となる。
さらに、本発明ではフォトエッチング法により凸型母型を形成するため、凸型母型の形成が容易にでき、より簡便にセパレータを製造することが可能となり、かつ、蛇行状、直線状、碁盤目状、円柱状等の多岐にわたるパターン、様々な寸法に対応することができる。
また、本発明ではフォトエッチング法により凸型母型を形成するため、母型材料がエッチングされた穴部分は、底部から最頂部に向かうにつれサイドエッチにより開口幅が大きくなる構造になる。そのため、凹版を凸型母型から作製する際は、凸型母型からの凹版の剥離時に、凹版が凸型母型に引っかかり樹脂形状に損傷が生じる、あるいは剥離不可能になるといった欠陥を低減できる。さらに、凹版も凸型母型と同構造となるため、凹版に導電性樹脂インクを充填し金属表面に転写する工程においても、凹版の剥離時に形状に損傷が生じるもしくは剥離不可能になるといった問題を抑制することが可能となる。
さらに、本発明では、凸型母材が基材上にエッチング層を備えており、エッチング層が耐エッチング層上に設けられていることにより、エッチング層が貫通するまでのエッチングが可能である。エッチング層を貫通させるようにエッチングした場合には、エッチング深さを被エッチング層の厚みで規定することができることから、エッチング材料単体を母型としたものと比較して、セパレータ上の導電性樹脂層の厚みを均一にすることができる。これにより、凸型母型の未開口部分に該当し導電部分として作用するガス拡散層との接触面を欠陥なく均一に保持でき接触抵抗を小さくすることができ、セパレータ全面で良好な導電性を得ることが可能となる。
さらに、エッチング材料単体を母型としたものと比較して、同じ開口幅で開口部容積を大きくすることができる。これにより、同等な導電性を確保した状態で、ガス流動性を良好にすることができ、総合的に発電能を向上させることが可能となる。
図1は本発明のセパレータの製造方法に用いる凸型母型の作製工程の断面説明図である。 図2は本発明のセパレータの製造方法における凸型母材から燃料電池用セパレータを作製するまでの断面説明図である。 図3は本発明の燃料電池用セパレータの説明断面図である。 図4は本発明の燃料電池用パラメータの凹状溝のパターン図である。 図5は本発明のセパレータを備える固体高分子形燃料電池の分解断面図である。 図6は燃料電池に用いられる膜電極接合体(MEA)の断面説明図である。
本発明のセパレータの製造方法について説明する。
本発明のセパレータの製造方法にあっては、基材上に金属材料からなるエッチング層を備える積層材料のエッチング層表面をフォトエッチング加工し、基材上に凹状溝を有するエッチング層を備える凸型母型を作製する工程と、前記凹状溝を備える凸型母型から凹版を型取りする工程と、前記型取りされた凹版に導電性材料を含有した導電性樹脂インクを充填する工程と、前記凸型状の導電性樹脂インクを基板上に転写し基板上に導電性樹脂皮膜を形成し、凹版を剥離する工程とを順に備えることを特徴とする。
図1及び図2に本発明のセパレータの製造方法の断面説明図を示した。図1は本発明のセパレータの製造方法に用いる凸型母型の作製工程の断面説明図である。
本発明のセパレータの製造方法において凸型母材はフォトエッチング加工により金属エッチング層が形成される。凸型母型の製造方法としては、基材21上に金属材料からなるエッチング層22が用意される(図1(a))。次に、金属材料からなるエッチング層上にネガ型又はポジ型のフォトレジスト層23を塗布法などにより形成する(図1(b))。次に、透光又は遮光部位からなる所望のパターンが形成されたフォトマスクを介して露光、現像をおこない、金属材料からなるエッチング層表面に所望のパターンを有するフォトレジスト層を形成する(図1(c))。次に、金属材料からなるエッチング層22を腐食可能なエッチング液を用いてエッチングをおこない、所定の凸型母型を形成する(図1(d))。エッチング加工終了後、エッチング層22上のフォトレジスト層を必要に応じて剥離し、凸型母型24が得られる(図1(e))。
凸型母型におけるエッチング層の材質は、ウェットエッチングが可能であり、続いて凹版を形成する際の凹版の樹脂液成分に侵されないものが好ましい。特に、比較的温和なエッチング液条件で加工可能な材料として、鉄、鉄合金、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金を好適に用いることができる。また、エッチング層の厚みは、セパレータのガスや冷媒の流路深さに相当し、所望する流路深さの厚みに応じて、適宜選択する必要がある。
凸型母型における基材の材質は、エッチング液及び続いて凹版を形成する際の凹版の樹脂液成分に対して耐性があるものが好ましく、可能であれば、反り等が発生しない良好な機械的強度を有し変形しづらいものが好ましい。具体的にはフェノール樹脂、エポキシ樹脂、ガラスコンポジット、ガラスエポキシ樹脂、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素系樹脂、ポリイミド樹脂等が挙げられる。材質がフレキシブルな基材である場合は、凹版の作製工程をおこなうと、凸型母型の反りの影響により、凹版の表面平滑性が損なわれる、あるいは凹版全体の膜厚が不均一になる可能性があるため、エッチング層と基材からなる凸型母材について良好な機械的強度をもつ支持体をさらに積層し、機械強度を上げる必要がある。
フォトレジスト層を形成するフォトレジスト材料としては、エッチング液に対しての耐薬品性を有していれば、特に限定されるものでない。フォトレジストとしては、ネガ型、ポジ型のいずれのレジストも使用可能である。ネガ型フォトレジストとしては、重クロム酸系やポリケイ皮酸ビニル系や環化ゴムアジド系などが挙げられる。また、ポジ型フォトレジストとしては、ナフトキノンアジド系やノボラック樹脂系などが挙げられる。液状フォトレジストをエッチング層上に塗布する場合には、スピンコーター、ロールコーター、ディップコーターなど通常使用されるフォトレジストコート方法を用いる。ドライフイルムレジストを用いる場合にはラミネーターを用いる。また、印刷レジストをパターン印刷しても良い。
エッチング液としては、金属材料によって適宜選択する必要があるが、本発明の加工においては高エッチング深度の加工が要求されるため、鉄やアルミニウム系の金属を使用する場合は塩化第二鉄を用いることが特に好ましい。塩化第二鉄および塩化第二銅は、塩素または塩素酸化合物などの酸化性物質をエッチング加工の際に同時に混合することにより、反応生成物である塩化第一鉄または塩化第一銅を再生することが可能となる。塩化第二鉄(FeCl)を用いた場合を例に取ると、エッチング加工の際の反応生成物である塩化第一鉄(FeCl)は、以下の式のように、塩化第二鉄に再生される。
(塩素を混合した場合)
2FeCl+Cl→2FeCl
(塩素酸ナトリウムを混合した場合)
6FeCl+6HCl+NaClO→6FeCl+NaCl+3H
塩化第二鉄および塩化第二銅からなるエッチング液は、その濃度によって反応速度が変化する。特に、塩化第二鉄は、2.5mol/L付近に反応速度の極大を持ち、その前後で特に鉄系合金において表面粗さが変化し、平滑化するため、工業的には3mol/L以上の濃度域で使用する。さらに、塩化第二鉄および塩化第二銅は、温度によっても反応速度が変化する。高温ほど反応速度が早くなるため、工業的には40℃以上で使用する。より好ましくは、50℃以上であることが好ましい。
図2に本発明のセパレータの製造方法における凸型母材から燃料電池用セパレータを作製するまでの断面説明図を示した。
まず、凸型母材24A、24Bの溝部に凹版を形成する樹脂液25A、25Bを流し込む(図2(f))。次に、樹脂液を硬化し、凸型母材24A、24Bを剥離し、凹版25A、25Bを型取りする(図2(g))。次に、凹版25A、25Bに導電性樹脂インク26A、26Bを充填する(図2(h))。凹型25A、25Bに充填された導電性樹脂インク26A、26Bを基板27の両面に対向するように配置し、凹型に充填された導電性インク26A、26Bを基板の両面に転写し、基板の両面に導電性樹脂皮膜を形成する(図2(i))。最後に凹型25A、25Bを剥離し、基板27の両面に凹状溝を有する導電性樹皮皮膜26A、26Bを備える燃料電池用セパレータ10が製造される(図2(j))。
凹版を形成する樹脂としてはシリコーン樹脂を好適に用いることができる。凹型はシリコーン樹脂により形成されることによりある程度の柔軟性を有することができ、凸型母型より剥離する際に容易に剥離が可能となる。また、導電性樹脂皮膜の転写時に凹凸形状が変形しない程度の強度を得ることができる
凸型母型上にシリコーン樹脂からなる樹脂液を流し込む方法としては、凸型母型の端部にシリコーン樹脂を必要量配し、棒状のスキージで溝部分に押し込みながら凸型母型の逆面を平滑に加工する方法やスクリーン印刷により充填する方法などが考えられる。凹型の凹凸面裏面の平滑性が基板上への導電性樹脂転写時の寸法精度に影響するので、凹型の形成方法は凹型の凹凸面裏面の平滑に形成できる方法である必要がある。
凸型母型に充填されたシリコーン樹脂からなる樹脂液の硬化方法としては、熱硬化やUV硬化などが考えられるが、シリコーン樹脂の組成により異なるため、十分に硬化する条件を適宜選択すればよい。硬化に際しては硬化収縮など寸法変化によりシリコーン樹脂凹版が凸型母型形状を再現できなくなる可能性があるため、できるだけ硬化による寸法変化の少ない樹脂を選択することが好ましい。
本発明に用いる導電性耐樹脂皮膜を形成するための導電性樹脂インクは、燃料電池用の燃料(水素や改質ガス、メタノールなど)や酸化剤(酸素やその混合ガス)、強酸性雰囲気に十分な耐性を有する材料で、十分な導電性を有する必要がある。本発明では比較的簡便で、かつ短時間に膜形成を可能とする導電性フィラーを含有する導電性樹脂インクにより導電性樹脂皮膜が形成される。
本発明に用いる導電性樹脂インクを構成する樹脂成分としては、発電環境下で十分な耐食性を有する樹脂であり、ウェットコーティングが可能であれば特に制限はなく、具体的には、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂、芳香族ポリイミド樹脂、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、などから選ばれた1種ないし2種以上の混合物を用いることができる。より高い耐食性という観点からフッ素系樹脂であることが好ましい。例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、FEP(テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、ETFE(テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体)、PVDF(ポリビニリデンフルオライド)、PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)、ECTFE(クロロトリフルオエチレン・エチレン共重合体)が挙げられる。これらの樹脂の質量平均分子量などで表される分子量は、ウェットコーティングなど加工性に支障を来さない限り機械的強度を考慮すると大きい方が好ましく、1万〜1000万、さらに好ましくは2万〜500万である。
本発明に用いる導電性樹脂インクに含まれる導電性フィラーとしては、耐食性、導電性、価格などを考慮すると繊維状導電性フィラーあるいは粉体状導電性フィラーが望ましい。繊維状導電性フィラーとしては、具体的には、例えば、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブなどから選ばれる1種あるいは2種以上の繊維状カーボンを挙げることができる。カーボン繊維としては、高い導電性を確保するために粉体抵抗が0.015Ω・cm以下、単繊維比抵抗が1mΩ・cm以下であることが好ましい。
本発明において繊維状導電性フィラーと粉体状導電性フィラーを併用すると導電性樹脂皮膜自体の導電性をさらに低減できる。粉体状導電性フィラーとしては、十分な導電性を有し、発電環境下で十分な耐食性を有するものであれば特に制限はなく、具体的には、例えば、アセチレンブラック、バルカン、ケッチェンブラック等のカーボン粉体、WC、TiCなどの金属炭化物、TiN、TaNなどの金属窒化物、TiSi,ZrMoSiなどの金属珪化物およびAg,Auなどの耐食性金属などから選ばれた1種ないし2種以上の混合物を挙げることができる。粉体状導電性フィラーとしては、高い導電性を確保するために粉体抵抗が0.015Ω・cm以下、単体の比抵抗が1mΩ・cm以下であることが好ましい。
導電性フィラーを含む導電性樹脂インクの固形分濃度は、耐食性、機械低強度や電気抵抗、薄型化などを考慮して適宜選択する必要がある。
導電性樹脂インクにおける樹脂成分と導電性フィラーの比率は、用いられる材質により異なるが、たとえば導電性フィラーにカーボン繊維であるカーボンナノファイバーを、カーボン粉体であるアセチレンブラックを混合して用いた場合、樹脂成分中の導電性フィラーの体積比率が25vol%以上であることが好ましい。導電性フィラーの比率が25vol%未満では十分な導電性を得ることが難しい。
また、凹版に充填した導電性樹脂インクを転写する場合、転写前に凹版に充填された導電性樹脂インクがある程度硬化させることができる。溶媒分を含む導電性樹脂インクを硬化させることを想定すると、転写時に溶媒などの排出経路が確保できないため硬化に時間がかかり最悪の場合未硬化となることや乾燥・硬化後に寸法変化が大きく変化することが想定されるため、そのような影響を最小限とするためにあらかじめ半硬化状態とすることが好ましい。また、完全硬化状態の導電性樹脂を転写することも可能であるが、転写時に基板上との接着性を確保するための接着剤を準備する必要があり、工程を増やすこと
となる。
基板と凹版の凹凸形状側を向かい合うように設置し、上下にロール部を有し一定圧力で挟み込みながら基板を送り出す機構を有するロールラミネート装置により基板上に導電性樹脂インクを転写する。この際、ロールラミネート装置に設置されるローラーの間隔(ギャップ)と押し付け圧力、基板の厚さ、シリコーン樹脂凹型の厚さにより基板上に形成される導電性樹脂の厚さが異なる。また、前記条件により凸状部分のみに導電性樹脂を配することも可能であるが、全面に耐食性を付与するのであれば、ローラーギャップ条件などを調整することにより、凹状溝の底部分にも導電性樹脂を形成するほうが好ましい。
燃料電池用セパレータに用いられる基板としては、本発明の燃料電池用セパレータは表面全体が導電性樹脂皮膜に覆われるため、耐食性を考慮する必要はない。従って加工性や堅牢性、薄型化への対応のしやすさ等の他に、物理的強度を有しており、さらには、汎用性で入手が容易であり、材料費も安価である金属基材ならば本発明において使用でき、特に限定するところでない。本発明で用いる基板としては、例えば、導電性フィラーを構成する材料、または導電性フィラーを含有した樹脂、純鉄、鉄合金、純銅、銅合金、アルミニウムおよびアルミニウム合金からなる群から選択される材料等が挙げられる。
燃料電池用セパレータには流路としての貫通孔が形成される。基板に反応ガス経路としての貫通孔を形成する方法は、ウェットエッチング法などの化学的加工、あるいはプレス法、切削法などの機械加工、あるいは放電加工など基板を部分的に除去できる加工方法であれば適用することが可能である。生産性を考慮すると、一工程で大面積を加工することが出来るため、プレス法やウェットエッチング法を用いることが好ましい。
基板上に形成された導電性樹脂インクは硬化され導電性樹脂皮膜となる。硬化手段としては、具体的には、UV硬化、熱硬化等が挙げられる。ただし、熱硬化の場合は、基板の酸化による導電性、樹脂密着性の低下や、樹脂凹版の熱膨張による流路寸法の変化が懸念されるので、出来る限り低温でおこなうことが好ましい。
以上により、本発明の燃料電池用セパレータは製造される。
本発明の燃料電池用セパレータの製造方法では、流路となる凹状溝の形成と同時に基板表面に発電環境下で十分な耐食性を付与することが簡便にできる。また、連続的に安価にセパレータの製造をすることが可能となる。さらに、本発明ではフォトエッチング加工により凸型母型を形成するため、凸型母型の形成が容易にでき、より簡便にセパレータを製造することが可能となる。また、本発明ではフォトエッチング加工より凸型母型を形成するため、母型材料がエッチングされた穴部分は、底部から最頂部に向かうにつれサイドエッチにより開口幅が大きくなる構造になり、凸型母型から凹版を作製する際の剥離する際、導電性樹脂薄膜から凹版を剥離する際に、形状に損傷が生じるもしくは剥離不可能になるといった問題を抑制することが可能となる。
さらに、本発明の燃料電池セパレータの製造方法では、凸型母材が基材上にエッチング層を備えており、エッチング層が耐エッチング層である基材上に設けられていることにより、エッチング層が貫通するまでのエッチングが可能であり、このときセパレータ上の導電性樹脂層の厚みを均一にすることができる。これにより、凸型母型の未開口部分に該当し導電部分として作用するガス拡散層との接触面を欠陥なく均一に保持できセパレータ全面で良好な導電性を得ることが可能となる。
さらに、エッチング材料単体を母型としたものと比較して、同じ開口幅で開口部容積を大きくすることができる。これにより、同等な導電性を確保した状態で、ガス流動性を良好にすることができ、総合的に発電能を向上させることが可能となる。
図1、2にあっては基板の両面に、本発明のフォトエッチング加工により作製される凸型母材により形成される凹版を用いた型取り法によって凹状溝を有する導電性樹脂皮膜を形成する方法を示した。なお、本発明のセパレータにあっては基板の少なくとも一方の面が本発明の製造方法により凹状溝を有する導電性樹脂皮膜が形成されていればよい。ただし、製造コスト等の面から、基板の両面に本発明の製造方法により凹状溝を有する導電性樹脂皮膜が形成することが好ましい。
図3に本発明の燃料電池用セパレータの説明断面図を示した。本発明の燃料電池用セパレータ10にあっては、基板27の両面に凹状溝を備える導電性樹脂皮膜を26A、26Bを備える。このとき、一方の面の凹状溝が反応ガスを電極に供給するガス流路8となり、他方の面の凹状溝が冷媒を供給するための冷媒流路9となる。
本発明の燃料電池用セパレータにあっては、導電性樹脂皮膜26A、26Bの凹状溝8、9が底部から表面に向かうにしたがって開口幅が大きいことを特徴とする。すなわち、溝部の底部の開口幅H1と表面での開口幅H2がH1<H2を満たすことを特徴とする。本発明にあっては、凸型母型がフォトエッチング法により形成されるため、凸型母型が溝部において底部から表面に向かうにしたがって開口幅が大きくすることができる。したがって、製造される燃料電池用セパレータの凹状溝において底部から表面に向かうにしたがって開口幅が大きくすることができる。そして開口幅を大きくすることにより、同等な導電性を確保した状態でガス、冷媒流動性を良好にすることができ、総合的に発電能を向上させることが可能となる。また、製造時において、凸型母型から凹版を作製する際の剥離する際、導電性樹脂薄膜から凹版を剥離する際に、形状に損傷が生じるもしくは剥離不可能になるといった問題を抑制することが可能となる。
凹状溝の大きさは、利用される燃料電池の形態で異なるが、必要となる電力を発電するに十分な量の燃料ガスや酸化剤ガスがMEAへ均一に安定的に供給されることが必要である。そのため、発電部位に網羅的に燃料ガスや酸化剤ガスを供給するためには、少なくともセパレータに反応ガスの流路となる凹状溝が形成される。面内への均一供給を考慮すると、蛇行状、直線状、碁盤目状、円柱状等のパターン流路や発電部位と接する面内に多数の貫通孔とこれら流路を組み合わせたものがより好ましい。
図4に本発明の燃料電池用パラメータの凹状溝のパターン図を示した。図4にあっては、凹状溝Yが形成されている。凹状溝Y以外の部分は凸部Xとなる。セパレータにあっては流路の入口となるE1から出口となるE2に向かってガスが流される。図4(a)にあっては、凹状溝Y及び凸部Xが蛇行状パターンに形成されている。図4(b)にあっては、凹状溝Y及び凸部Xが直線状パターンに形成されている。図4(c)にあっては、凹状溝Y及び凸部Xが碁盤目状パターンに形成されている。図4(d)にあっては、凹状溝Y及び凸部Xが円柱状パターンに形成されている。
導電性樹脂インクにより形成される導電性樹脂皮膜の凹状溝の深さ(=凸部分の厚さ)が大きすぎると導電性が低下しすぎる恐れがあり、小さすぎると流動抵抗が増加し反応ガスや冷却媒体の流路として機能しない恐れがあるので、耐食性や機械低強度や電気抵抗や薄型化を考慮すると50μm以上700μm以下の範囲内であることが好ましい。また、凹状溝の底部に導電性樹脂皮膜を形成する場合は薄すぎるとピンホールの発生や機械的強度や耐食性が低下する恐れがあるので、耐食性や機械低強度や電気抵抗や薄型化を考慮するとその厚さは10μm以上であることが好ましい。
本発明のセパレータは電解質膜として高分子電解質を用いた固体高分子形燃料電池に好適に使用できる。図5に本発明のセパレータを装着した固体高分子形燃料電池の分解断面図を示した。図6に燃料電池に用いられる膜電極接合体(MEA)の断面説明図を示した。
本発明の燃料電池において、膜電極接合体(MEA)12は高分子電解質膜1の両面に電極触媒層2、3が接合され、挟持された構造を備える。本発明の燃料電池にあっては、膜電極接合体12の電極触媒層2および電極触媒層の3と対向して空気極側ガス拡散層4および燃料極側ガス拡散層5が配置される。これによりそれぞれ空気極(カソード)6及び燃料極(アノード)7が構成される。そしてガス流通用のガス流路8を備え、相対する主面に冷媒流通用の冷媒流路9を備えた導電性でかつ不透過性の材料よりなる1組のセパレータ10が配置される。燃料極7側のセパレータ10のガス流路8からは燃料ガスとして、例えば水素ガスやメタノールが供給される。一方、空気極6側のセパレータ10のガス流路8からは、酸化剤ガスとして、例えば酸素を含むガスが供給される。そして、燃料ガスの水素と酸素ガスとを触媒の存在下で電極反応させることにより、燃料極と空気極の間に起電力を生じることができる。
高分子電解質膜としては、例えば、パーフルオロカーボンスルホン酸膜を使用することができる。また、高分子電解質膜1の両面に形成される電極触媒層としては、例えば、カーボンブラック粒子に主として白金(Pt)あるいは白金族金属(Ru、Rh、Pd、Os、Ir)触媒物質を担持した触媒担持物質と高分子電解質により形成される。ガス拡散層としては、例えば、カーボンクロス等を用いることができる。
以下、本発明の実施例を説明する。
<凸型母型の作製>
厚さ0.3mmの銅からなる被エッチング層と厚さ1.6mmのガラスエポキシ樹脂からなる耐エッチング層となる基材を積層して構成されている母型基材を、70℃のアルカリ脱脂液(ヘンケルジャパン製 ペルシーLK7wt%)に5分間浸漬し、洗浄を行った。その後、膜厚15μmのネガ型ドライフイルムレジスト(日立化成製RY3315)を母型基材両面にロールラミネータを用いロール温度110℃、ロール圧力0.3MPaで貼り合わせた。次に、セパレータの凸部に相当する部分が遮光されるよう設計されたフォトマスクを用いて紫外線露光し、更にアルカリ水溶液(炭酸ナトリウム1wt%)をスプレー圧力0.1MPaで噴射し現像を行い、基材に、フォトマスクと同寸法のフォトレジストパターンを形成した。レジストパターンAは開口幅0.2mm、溝ピッチ1mm、レジストパターンBは開口幅0.1mm、溝ピッチ2mmで直線状に平行に形成させた。最後に、比重1.50、温度65℃の塩化第二鉄液を用い、スプレー圧0.5MPaでスプレーエッチングを行った後、苛性ソーダ5重量%水溶液をスプレー圧0.1MPaでスプレーして耐食性レジストを剥膜し、幅0.5mm、深さ0.3mmの直線状の溝が溝ピッチ1mmで平行配列された凸型母型Aと、幅0.3mm、深さ0.3mmの直線状の溝が溝ピッチ2mmで平行配列された凸型母型Bを得た。
<樹脂凹版の作製>
液状シリコーンゴムTSE3402(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアル・ジャパン合同会社製)をA液とB液を混合し十分撹拌した。次いで、上記母型AおよびBの表面にTSE3402をアプリケータにより充填し、常温で72時間放置し硬化させる。TSE3402が完全に硬化した状態で母型から剥離することによりシリコーンゴム凹版AおよびBを得た。得られたシリコーンゴム凹版AおよびBは凹凸表面形状が平滑であり、また裏面は平滑で均質に形成することができ、シリコーンゴム凹版A、Bともに、底面から凸部頂点までの高さが0.3mm、凸部頂点から裏面までの厚さは1mmであった。
<セパレータ作製>
ドータイトA−3とドータイトC−3(藤倉化成株式会社製)を1:1の割合で混合したドータイトA−3/C−3を導電性樹脂インクを用い、上記シリコーンゴム凹型にアプリケータを用いて充填した。その後、貫通孔を所望の位置にプレス打ち抜き加工にて形成したアルミニウム板(JIS1050、厚さ1mm)を用意し、表面処理液(アデカ製C−7401 1wt%溶液)を用い、常温にて40秒浸漬後、純水にて洗浄を行い、水分を乾燥した。更に、ドータイトA−3/C−3が充填されたシリコーンゴム凹型をシリコーン充填面がアルミニウム板と接する向きに所定の位置に位置合わせをした状態で設置し、ロールラミネータ(常温、プレス圧0.3MPa)によりアルミニウム板上にシリコーンゴム凹型を固定した。その際、ロールラミネータの上下ロールのギャップは3mmであった。次に、前記サンプルをオーブンにて150℃、30分加熱処理し導電性樹脂インクを硬化させたのち、シリコーンゴム凹型を剥離することにより、所望のセパレータ形状を得ることができた。
得られたセパレータは、導電性樹脂皮膜の凹状溝が底部から表面に向かうにしたがって開口幅が大きくなっている形状が確認され、また、凹状溝の深さは両面ともに300μmであった。
本発明の燃料電池用セパレータは、基板上の一方の面上に反応ガスを電極に供給するための凹状溝を形成し、他方の面上に冷却のための冷媒を供給するための凹状溝を形成してなる燃料電池用セパレータにおいて、前記凹状溝の少なくともひとつが導電性フィラーを含有した導電性樹脂により形成されることを特徴とするものであり、また、フォトエッチング加工により作製された凸型母型から型取りされた樹脂凹版に導電性フィラーを含有した導電性樹脂インクを充填形成後、基板上に凸形状を転写することにより形成されることにより、容易に50μm程度から700μm程度の厚膜パターンによる流路形状をセパレータ両面に形成することができる。また、導電性フィラーを用いると導電性耐食皮膜自体の導電性を向上でき、基板を用いるために高い機械的強度を有し、堅牢性を維持したまま、薄型化および軽量化が可能となり、一方、導電性樹脂を介しているため基板を用いた時に懸念される酸化皮膜成長による導電性の低下を招くことなく、高い耐食性を確保したまま、高い導電性を維持できるという顕著な効果を得ることができた。
21 基材
22 エッチング層
23 フォトレジスト層
24、24A、24B 凸型母材
25A、25B 凹版(樹脂液)
26A、26B 導電性樹脂皮膜(導電性樹脂インク)
27 基板
10 セパレータ
8 ガス流路
9 冷媒流路
X 凸部
Y 凹状溝
12 膜電極接合体(MEA)
1 高分子電解質膜
2 電極触媒層(空気極側)
3 電極触媒層(燃料極側)
4 ガス拡散層(空気極側)
5 ガス拡散層(燃料極側)
6 空気極(カソード)
7 燃料極(アノード)

Claims (10)

  1. 基板の少なくとも一方の面に凹状溝を有する導電性樹脂皮膜を備える燃料電池用セパレータの製造方法であって、基材上に金属材料からなるエッチング層を備える積層材料のエッチング層表面をフォトエッチング加工し、基材上に凹状溝を有するエッチング層を備える凸型母型を作製する工程と、前記凹状溝を備える凸型母型から凹版を型取りする工程と、前記型取りされた凹版に導電性フィラーを含有した導電性樹脂インクを充填する工程と、前記凸型状の導電性樹脂インクを基板上に転写し基板上に導電性樹脂皮膜を形成し、凹版を剥離する工程とを順に備えることを特徴とする燃料電池セパレータの製造方法。
  2. 前記基材上に凹状溝を有するエッチング層を備える凸版母型において、前記凹状溝が前記エッチング層を貫通していることを特徴とする請求項1記載の燃料電池用セパレータの製造方法。
  3. 前記凸型母材の金属材料からなるエッチング層が、鉄、鉄合金、銅、銅合金、アルミニウムまたはアルミ合金から選択されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃料電池用セパレータの製造方法。
  4. 前記凹版がシリコーン樹脂からなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の燃料電池用セパレータの製造方法。
  5. 前記請求項1乃至4のいずれかに記載の製造方法により製造されたことを特徴とする燃料電池用セパレータ。
  6. 基板の少なくとも一方の面に凹状溝を有する導電性樹脂皮膜を備える燃料電池用セパレータであって、前記導電性樹脂皮膜が導電性フィラーを含み、且つ、前記導電性樹脂皮膜の凹状溝が底部から表面に向かうにしたがって開口幅が大きいことを特徴とする燃料電池用セパレータ。
  7. 前記導電性樹脂皮膜に含まれる導電性フィラーが、繊維状導電性フィラーまたは粉体状導電性フィラーを含むことを特徴とする請求項5または請求項6に記載の燃料電池用セパレータ。
  8. 前記基板が、前記導電性フィラーを構成する材料、または前記導電性フィラーを含有した樹脂、純鉄、鉄合金、純銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金からなる群から選択される材料を少なくとも1つ以上用いて形成されていることを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載の燃料電池用セパレータ。
  9. 前記凹状溝が蛇行状パターン、直線状パターン、碁盤目状パターン、円柱状パターンに形成されていることを特徴とする請求項5乃至8のいずれかに記載の燃料電池用セパレータ。
  10. 高分子電解質膜の両面に触媒層が形成されており、該触媒層の両面に請求項5乃至9のいずれかに記載のセパレータを備えることを特徴とする燃料電池。
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